説明

改良ケトレダクターゼポリペプチドおよび関連ポリヌクレオチド

本発明は、ケトンの立体特異的還元において用いるための、増強されたケトレダクターゼ活性および熱安定性を有する種々のポリペプチドに関する。さらに、本発明は、ケトレダクターゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関し、このポリヌクレオチドは、宿主細胞において増強された発現を提供する、そのポリヌクレオチドのコドンを最適化したバージョンを含む。別の局面において、本発明は、ヌクレオチド構築物、ベクターおよび本発明のポリヌクレオチドで形質転換された宿主細胞に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、酵素学の分野、特にケトレダクターゼの酵素学の分野に関する。より正確にはいえば、本発明は、増強された酵素活性を有するケトレダクターゼポリペプチド、および、改良ケトレダクターゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
キラルγ−置換β−ヒドロキシ酪酸エステルは、薬の合成において商業的に重要な中間体である。これらの中間体は、HMG−CoAレダクターゼインヒビターの合成において光学活性中間体(例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、およびロスバスタチン)として利用され得る。いくつかのγ−置換β−ヒドロキシ酪酸エステルを生成する方法が記載されている。例えば、シアン化ナトリウムとの反応前に保護基によるヒドロキシ基の保護を必要とする4−ブロモ−3−ヒドロキシブチレートから、4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸を生成する方法が報告されている(非特許文献1)。Isbellら(非特許文献2)は、トレオニンの一水和物カルシウム塩と臭化水素とを反応させて、トレオニンのジブロモ形態を生成し、次いでブロモヒドリンに変換することによって、(R)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを合成する方法をさらに報告している(非特許文献2)。上記ブロモヒドリンのヒドロキシ基は、シアン化ナトリウムで反応させる前に保護される(非特許文献2)。あいにく、保護する工程および脱保護する工程を必要とする方法は、商業的に提供することが現実的ではない。
【0003】
4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エチルを利用する最新のシアノヒドリン合成経路が、開発されている。これらの経路は、商業上実施するのに比較的費用がかかる多くの工程を必要とする。
【0004】
(ケトレダクターゼの説明)
(KREDの特徴付け)
ケトレダクターゼ(KRED)またはカルボニルレダクターゼクラス(EC1.1.1.184)に属する酵素は、対応するプロキラルケトン基質から光学活性アルコールを合成するのに有用である。KREDは、代表的には、ケトン基質を対応するアルコール産物に変換するが、KREDはまた、逆反応(アルコール基質が対応するケトン/アルデヒド産物に酸化される反応)を触媒し得る。KREDのような酵素によるケトンの還元およびアルコールの酸化は、補因子(最も一般的には、還元型ニコチンアミドアニンジヌクレオチド(NADH)または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)またはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP))を、酸化反応のために必要とする。NADHおよびNADPHは、電子ドナーとして働き、他方で、NADおよびNADPは、電子受容体として働く。ケトレダクターゼおよびアルコールデヒドレゲナーゼが(その酸化された状態および還元された状態にある)、リン酸化補因子または非リン酸化補因子のいずれかを受け取るが、両方を受け取らないことが、しばしば観察される。
【0005】
KRED酵素は、幅広い細菌および酵母の範囲において見出され得る(非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;Lieseを参照のこと)。いくつかのKRED遺伝子およびKRED酵素の配列が報告されている(例えば、Candida magnoliae(Genbank登録番号JC7338;GI:11360538)Candida parapsilosis(Genbank登録番号BAA24528.1;GI:2815409)、Sporobolomyces salmonicolor(Genbank登録番号AF160799;GI:6539734))。
【0006】
(所望されるKREDの特性)
生細胞における代謝は、デノボ合成および再生により還元反応のための補因子の十分な供給を保証する。したがって、生体触媒によるケトンの還元のために全細胞を使用することは、有利であり得るが、微生物は、代表的には、低い鏡像異性過剰率の少量の産物を導き得る多数のケトレダクターゼを有する。この理由から、Wongらは、半精製したケトレダクターゼ酵素を研究し、そして、より質の高い産物が得られ得ることを見出した(非特許文献6)。
【0007】
インビトロ酵素還元の間、細胞機構が存在しない場合、補因子の再生は、化学量論量のこれらの高価な分子の必要性を回避することが必要とされる。ケトンを還元するための酵素の使用は、従って、二つの酵素(KREDおよび補因子(NADHまたはNADPH)再生酵素)、例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、ギ酸デヒドロゲナーゼなど)を必要とする。酵素は、一般的に、プロセス条件下での酵素の低い活性(例えば、非特許文献7;非特許文献8)、不十分な安定性(非特許文献9;非特許文献10)、ならびに基質の阻害または産物の阻害に対する脆弱性(非特許文献11;非特許文献12)に起因して、高価であると考えられる。上述のとおり、補因子は、産業プロセスのためには高価な試薬であり、それらの使用が効果的でなければ、生物学的還元プロセスに多大なコストを加え得る。
【0008】
これら多くの認識された経済的問題を回避するために、全微生物細胞は、しばしば、生体触媒による還元のための好ましい触媒として考えられている。なぜなら、この全微生物細胞は、代表的には、補因子および補因子再生酵素を含むからである。4−クロロアセトアセテートエステルの不斉還元については、baker酵母で記載され(非特許文献13;非特許文献14)、かつ多くの他の微生物でも記載されている(特許文献1;特許文献2;および特許文献3)。しかしながら、微生物細胞を用いる高基質濃度で行われない還元は、効果的ではなく、競合反応に起因する減少した収量の問題があり、そして低い鏡像異性過剰率(「e.e)を与える)(特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8;および特許文献9)。
【0009】
KREDおよびGDHをコードする遺伝子をE.coliのような成長の速い微生物へ導入することは、ケトンの還元についてのより活性な全細胞触媒をもたらした。Candida magnoliae由来のカルボニルレダクターゼ遺伝子およびBacillus megaterium由来のGDH遺伝子は、E.coli内でクローン化され、エチル−4−クロロ−3−ヒドロキシブチレートを産出させた。有意な生産性を達成するために、NADP補因子は、触媒に対して十分な活性を提供するために、反応に加えられた。反応の最後には、キラル産物が抽出され、そして、一般的な手法(例えば、クロマトグラフィーおよび蒸留)によって精製される。この手法は、天然の生物を使用するプロセスについての改善であるが、NADPが必要な添加物であり続けるような、経済的な生産についての重要な欠点がのこり、そして、微生物細胞を含む反応混合物から産物を純粋な形態で単離するために、重要なプロセスへの投資が必要とされる。
【0010】
酵素還元プロセスおよび全細胞還元プロセスの両方におけるこれらの記載を考慮すると、本発明の目的は、酵素の産出、それらのアミノ酸配列、ならびに、クリーンな反応プロセスでエチル−4−クロロ−3−ケトブチレートおよび他のケトンを効果的かつ経済的に還元することを促進するような配列をコードする遺伝子を記載することであった。従って、微生物の還元は、代表的には、5g/L以上の細胞濃度を必要とするが、1g/Lを下回る酵素濃度で、好ましくは、0.5g/Lを下回る酵素濃度でこれらの反応を触媒する、新しい酵素が記載される。加えて、記載された酵素は、20時間より短い時間で、少量の補因子しか必要としない、少なくとも100g/Lの基質の完全変換を触媒する。
【0011】
上記で参照された特許および刊行物、ならびに、本明細書中の至るところで引用された全ての他の特許および刊行物は、本明細書中にその全体が参考として明確に援用される。
【特許文献1】米国特許第5,559,030号明細書
【特許文献2】米国特許第5,700,670号明細書
【特許文献3】米国特許第5,891,685号明細書
【特許文献4】米国特許第5,413,921号明細書
【特許文献5】米国特許第5,559,030号明細書
【特許文献6】米国特許第5,700,670号明細書
【特許文献7】米国特許第5,891,685号明細書
【特許文献8】米国特許第6,218,156号明細書
【特許文献9】米国特許第6,448,052号明細書
【非特許文献1】Acta Chem.Scand.,B37,341(1983)
【非特許文献2】Isbellら、Carbohydrate Res.,72:301(1979)
【非特許文献3】KrausおよびWaldman、Enzyme catalysis in organic synthesis、第1巻および第2巻、VCH Weinheim 1995
【非特許文献4】Faber,K.,Biotransformation in organic chemistry,第4版、Springer,Berlin Heidelberg New York.2000
【非特許文献5】HummelおよびKula、Eur.J.Biochem.1989 184:1−13
【非特許文献6】Wongら、J.Am.Chem.Soc 1985 107:4028−4031
【非特許文献7】SutherlandおよびWillis、J.Org.Chem.1998 63:7764
【非特許文献8】Bustilloら、Tetrahedron Assym 2002 13:1681
【非特許文献9】Shimizuら、Appl.Environ.Microbiol.1990 56:2374
【非特許文献10】Bradshawら、J.Org.Chem.1992 57:1526
【非特許文献11】Kataokaら、Appl.Microbiol.Biotechnol.1997 48:699
【非特許文献12】Kitaら、Appl.Environ.Microbiol.1999 65:5207
【非特許文献13】Zhou,J.Am.Chem.Soc.1983 105:5925−5926;
【非特許文献14】Santaniello,J.Chem.Res.(S)1984:132−133
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、種々の局面を有する。一つの局面において、本発明は、配列番号2のKREDと比較して増強されたKRED活性を有するケトレダクターゼ(「KRED」)ポリペプチドに関し、この増強されたKRED活性は、この配列番号2のKRED活性の好ましくは少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜50倍、より代表的には1.5〜約25倍の活性である。このような活性は、NADPHが酸化されて同時にケトンが対応するアルコールに還元されることに起因する、NADPHの吸光度の減少またはNADPHの蛍光の減少から測定される。別の局面において、本発明は、配列番号2のポリペプチドの少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜50倍、より代表的には1.5〜約25倍のKRED活性を有するKREDポリペプチドに関し、このような活性は、NADPHの吸光度またはNADPHの蛍光の減少から測定されるか(例えば、実施例4)、あるいは、結合アッセイにおいて生成された産物から測定される(例えば、実施例5)。このKREDポリペプチドは、配列番号506、配列番号520、配列番号526、配列番号536、および配列番号538のアミノ酸配列と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、そして、最も好ましくは少なくとも99%相同である。別の局面において、本発明は、配列番号2のKREDと比較して増加したKRED残存活性を有するケトレダクターゼ(「KRED」)ポリペプチドに関し、50℃にて15〜24時間処理した後、この増加したKRED活性は、配列番号2のKRED活性の少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜100倍、より代表的には1.5〜約60倍である。このような活性は、NADPHが酸化されて同時にケトンが対応するアルコールに還元されることに起因する、NADPHの吸光度の減少またはNADPHの蛍光の減少から測定される。なお別の局面において、本発明は、配列番号2のKREDと比較して増加したKRED残存活性を有するKREDポリペプチドに関し、50℃にて15〜24時間処理した後、この増加したKRED活性は、配列番号2のKRED活性の少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜100倍、より代表的には1.5〜約60倍である。このような活性は、NADPHの吸光度の減少またはNADPHの蛍光の減少から測定されるか(例えば、実施例4)、あるいは、結合アッセイにおいて生成された産物から測定される(例えば、実施例5)。このKREDポリペプチドは、配列番号506、配列番号520、および配列番号526のアミノ酸配列と、少なくとも90%相同であり、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、そして、最も好ましくは少なくとも99%相同である。一つの実施形態において、本発明はまた、本明細書中に記載される、単離されかつ精製された形態のKREDポリペプチド改変体に関する。別の実施形態において、上記単離されかつ精製されたKREDポリペプチド改変体は、凍結乾燥形態にある。なお別に実施形態において、本発明は、本明細書中に記載されるKREDポリペプチド改変体および適切なキャリア(代表的には緩衝溶液、より代表的には6.0と8.0との間のpHを有する緩衝溶液)を含む組成物に関する。この緩衝化KRED組成物が凍結乾燥形態であることもまた、本発明の範囲内である。
【0013】
別の局面において、本発明のKREDポリペプチド改変体は、配列番号2のCandida magnoliaeのケトレダクターゼについて報告された配列とは、1個〜20個のアミノ酸残基、代表的には1個〜10個のアミノ酸残基、より代表的には1個〜9個のアミノ酸残基、さらにより代表的には1個〜8個のアミノ酸残基、最も代表的には1個〜7個のアミノ酸残基が異なる。別の局面において、本発明は、KREDポリペプチド(好ましくは、単離されかつ精製された)に関し、このKREDポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドの少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜50倍、より代表的には1.5〜25倍のKRED活性を有し、そして、このKREDポリペプチドは、A2V;K3E;F5LまたはF5C;N7K;E9GまたはE9K;A12V;P13L;P14A;A16GまたはA16V;T18A;K19I;N20DまたはN20S;E21K;S22NまたはS22T;Q24HまたはQ24R;V25A;N32SまたはN32D;A36T;S41G;S42N;I45L;A48T;V56A;V60I;Y64H;N65K、N65D、N65YまたはN65S;S66GまたはS66R;H67LまたはH67Q;D68GまたはD68N;G71D;E74KまたはE74G;K78R;K79R;K85R;A86V;N90D;S93NまたはS93C;D95N、D95G、D95V、D95YまたはD95E;K98R;Q99L、Q99R、またはQ99H;T100A;I101V;Q103R;I105VまたはI105T;K106RまたはK106Q;H110Y、H110CまたはH110R;V114A;A116G;I120V;K124R;D129GまたはD129N;D131GまたはD131V;D132N;K134M、K134V、K134EまたはK134R;D137NまたはD137G;Q138L;V140I;D143N;L144F;K145R;V147A;V150A;H153YまたはH153Q;H157Y;F158LまたはF158Y;R159K;E160GまたはE160V;F162YまたはF162S;E163GまたはE163K;E165D、E165GまたはE165K;K167IまたはK167R;A170S;V172I;F173C;M177VまたはM177T;H180Y;V184I;T190A;A193V;A194V;F201L;K203R;F209Y;V218I;N224S;E226K、E226GまたはE226D;S228T;D229A;V231IまたはV231A;Q223KまたはQ223R;E234GまたはE234D;T235KまたはT235A;N237Y;K238RまたはK238E;T251A;V255A;F260L;A262V;T272A;I274L;I275LまたはI275V;およびP283Rのうちの1〜20個の残基の変化、好ましくは1〜7個の残基の変化を有する配列番号2のアミノ酸配列を有する。
【0014】
上記実施形態の好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドの1.5〜約25倍のKRED活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0015】
【化1】

を有することによって配列番号2のポリペプチドとは異なる、KERDポリペプチドに関する。
【0016】
本出願において、KREDポリペプチドのすべての配列番号には、偶数がつけられ、ポリヌクレオチドのすべての配列番号には、奇数がつけられている。さらに、特定の配列番号(偶数)の各ポリペプチドは、直前の配列番号(奇数)のポリヌクレオチドによってコードされる。従って、配列番号2のKREDポリペプチドは、配列番号1のポリヌクレオチドによってコードされる。
【0017】
さらに好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドよりも5〜約25倍高いケトレダクターゼ活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0018】
【化2】

を有することによって配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0019】
なおさらに好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドよりも9〜約25倍高いケトレダクターゼ活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0020】
【化3】

を有することによって配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0021】
最も好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドよりも13〜約25倍高いケトレダクターゼ活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0022】
【化4】

を有することによって配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0023】
別の局面において、本発明は、配列番号2のポリペプチドよりも1.5〜約25倍高いケトレダクターゼ活性を有するKREDポリペプチドに関し、そして、このKREDポリペプチドは、
(a)配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号304、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のアミノ酸配列と、少なくとも90%の相同性、好ましくは少なくとも95%の相同性、より好ましくは少なくとも97%、そして、最も好ましくは少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列(以下「相同ポリペプチド」)を有するか;
(b)(i)配列番号223、配列番号243、配列番号245、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号259、配列番号303、配列番号343、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または、(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖のうちのいずれかと、中程度のストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズする核酸配列によってコードされるか(例えば、J.Sambrook,E.F.FritschおよびT.Maniatis,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第二版、Cold Spring Harbor,N.Y.参照のこと);
(c)1〜6個のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を含む、配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、および配列番号542のポリペプチド改変体であるか;
(d)配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のポリペプチドからの少なくとも220アミノ酸残基のフラグメントであるか;あるいは、
(e)50℃にてpH7で60分間インキュベーションした後に、最初のKRED活性の60%より多くを保持する、(a)、(b)、(c)または(d)のポリペプチドであるか;
のいずれかである、KREDポリペプチドである。
【0024】
本発明の新規KREDポリペプチドはまた、野生型ケトレダクターゼ(配列番号2)よりも熱安定性を高められている。熱安定性は、細胞溶解産物を50℃にて20〜24時間熱処置(本明細書中以下で、熱処置)した後に残存する、初期の(未処置)KRED活性(例えば、実施例4)の百分率で決定された。比較によると、配列番号2のKREDポリペプチド骨格(CR2−5)は、熱処理後、その初期のKRED活性の10%が維持された。従って、熱処置後、その処理前の活性を20%超えたKRED活性を示したKREDポリペプチドはいずれも、熱安定性が高められたと考えられた。好ましくは、本発明のKREDポリペプチドの熱処理後に残存するKRED活性は、少なくとも50%の活性(すなわち、処理前の活性の少なくとも50%)、そして最も好ましくは少なくとも100%の活性(熱処理前後の活性が等しい)であった。(配列番号2)の野生型KREDポリペプチドであるCR2−5におけるKRED活性と比較した本発明のKREDポリペプチド改変体についての「活性」を、表1に列挙している。種々のKREDポリペプチドの各々の細胞溶解産物を50℃にて20〜24時間熱処理した後の、本発明の種々のKREDポリペプチドについての熱安定性もまた、表1に列挙している。
【0025】
従って、高められた熱安定性と高められたKRED活性との組合せに基づくと、本発明の好ましいKREDポリペプチドは、配列番号92、配列番号98、配列番号264、配列番号268、配列番号270、配列番号276、配列番号288、配列番号294、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号310、配列番号318、配列番号324、配列番号328、配列番号332、配列番号334、配列番号344、配列番号506、配列番号526、または配列番号542を有する。また、配列番号92、配列番号98、配列番号264、配列番号268、配列番号270、配列番号276、配列番号288、配列番号294、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号310、配列番号318、配列番号324、配列番号328、配列番号332、配列番号334、配列番号344、配列番号506、配列番号526、または配列番号542のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、それぞれ、配列番号91、配列番号97、配列番号263、配列番号267、配列番号269、配列番号275、配列番号287、配列番号293、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号309、配列番号317、配列番号323、配列番号327、配列番号331、配列番号333、配列番号505、配列番号525、または配列番号541のポリヌクレオチド、または、それらのコドンを最適化したバージョン)も本発明の範囲内である。
【0026】
増強されたKRED活性に基づいた別の実施形態において、本発明の好ましいKREDポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の少なくとも151%を有し、そして、このKREDポリペプチドは、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号344、配列番号332、配列番号334、配列番号336、配列番号338、配列番号340、配列番号342、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号398、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のアミノ酸配列を有する。本発明のさらに好ましいKREDポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の少なくとも500%を有し、そして、このKREDポリペプチドは、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のアミノ酸配列を有する。同様に、本発明はまた、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または542のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、それぞれ、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のポリヌクレオチド)に関する。
【0027】
高められたKRED活性および/または高められた熱安定性をもたらすように置換されている、配列番号2のKREDポリペプチド(Candida magnoliase供給源)の種々の残基位置は、本明細書中の表4に要約される。高められたKRED活性および/または50℃における熱安定性が実証されている、多数の発明性のあるKREDポリペプチドについてのアミノ酸配列は、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号124、配列番号206、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号398、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542として本明細書中に開示される。
【0028】
第二の局面において、本発明は、上述の発明性のあるKREDポリペプチドのうちの一つをコードするポリヌクレオチド配列(例えば、それぞれ、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号123、配列番号205、配列番号223、配列番号225、配列番号243、配列番号245、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号343、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号337、配列番号339、配列番号341、配列番号343、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号397、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のポリヌクレオチド)のいずれにも関する。
【0029】
好ましい実施形態において、本発明は、配列番号223、配列番号243、配列番号245、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号259、配列番号303、配列番号343、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のポリヌクレオチドに関し、それぞれが、配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号304、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540または配列番号542の新規性のあるKREDポリペプチドをコードする。
【0030】
さらに好ましい実施形態において、本発明は、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、または配列番号525のポリヌクレオチドに関し、それぞれが、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、または配列番号526のKREDポリペプチドをコードする。
【0031】
なおさらに好ましい実施形態において、本発明は、配列番号505、配列番号519、配列番号525、配列番号535、および配列番号537のポリヌクレオチドに関し、それぞれが、配列番号506、配列番号520、配列番号526、配列番号536、および配列番号538のKREDポリペプチドをコードする。
【0032】
第三の局面において、本発明は、核酸構築物、ベクター、または、プロモーターに作動可能に連結した本発明のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞に関する。
【0033】
第四の局面において、本発明は、
(a)ポリペプチドの産生のために適切な条件下で、本発明のKREDポリペプチドをコードする核酸配列を含む核酸構築物を含む宿主細胞を培養する工程;および
(b)そのポリペプチドを回収する工程
を包含する、本発明のKREDポリペプチドを作製する方法に関する。
【0034】
前述の要旨、および本発明の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、添付された図面とともに読む場合、より一層理解される。本発明を図示する目的で、図面中に、特定の実施形態が示される。しかしながら、添付された図面中に示された配置および手段は、本発明を限定するものでないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(発明の詳細な説明)
本明細書中に用いられる場合、用語「ケトレダクターゼ」および「KRED」は、ケトンの還元を触媒する能力を有するポリペプチドについて本明細書中で援用するために互換可能に用いられる。好ましくは、β−ケト酸中のケトンが、還元剤として還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)または還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を利用して、立体特異的様式で、対応するβ−ヒドロキシ酸になる。
【0036】
本発明は、多様な局面を有する。一つの局面において、本発明は、配列番号2のKREDと比較して増強されたKRED活性を有するケトレダクターゼ(「KRED」)ポリペプチドに関し、このポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の好ましくは少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜50倍、より代表的には1.5〜約25倍の活性を有する。このような活性は、NADPHが酸化されて同時にケトンが対応するアルコールに還元されることに起因する、NADPHの吸光度の減少またはNADPHの蛍光の減少から測定される。別の局面において、本発明は、配列番号2のポリペプチドの1.5倍、代表的には1.5〜約25倍のKRED活性を有するKREDポリペプチドに関し、このような活性は、NADPHの吸光度またはNADPHの蛍光の減少から測定されるか(例えば、実施例4)、あるいは、結合アッセイにおいて生成された産物から測定される(例えば、実施例5)。このKREDポリペプチドは、配列番号506、配列番号520、配列番号526、配列番号536、および配列番号538のアミノ酸配列と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、そして、最も好ましくは少なくとも99%相同である。
【0037】
一つの実施形態において、本発明はまた、本明細書中のどこかに記載される、単離されかつ精製された形態のKREDポリペプチド改変体に関する。別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載された凍結乾燥形態のKREDポリペプチド改変体に関する。なお別に実施形態において、本発明は、本明細書中に記載されるKREDポリペプチド改変体および適切なキャリア(代表的には緩衝溶液、より代表的には6.0と8.0との間のpHを有する緩衝溶液)を含む組成物に関する。
【0038】
別の局面において、本発明は、KREDポリペプチド(好ましくは、単離されかつ精製された)に関し、このKREDポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドの少なくとも1.5倍、代表的には1.5〜50倍、より代表的には1.5〜25倍のKRED活性を有し、そして、このKREDポリペプチドは、A2V;K3E;F5LまたはF5C;N7K;E9GまたはE9K;A12V;P13L;P14A;A16GまたはA16V;T18A;K19I;N20DまたはN20S;E21K;S22NまたはS22T;Q24HまたはQ24R;V25A;N32SまたはN32D;A36T;S41G;S42N;I45L;A48T;V56A;V60I;Y64H;N65K、N65D、N65YまたはN65S;S66GまたはS66R;H67LまたはH67Q;D68GまたはD68N;G71D;E74KまたはE74G;K78R;K79R;K85R;A86V;N90D;S93NまたはS93C;D95N、D95G、D95V、D95YまたはD95E;K98R;Q99L、Q99R、またはQ99H;T100A;I101V;Q103R;I105VまたはI105T;K106RまたはK106Q;H110Y、H110CまたはH110R;V114A;A116G;I120V;K124R;D129GまたはD129N;D131GまたはD131V;D132N;K134M、K134V、K134EまたはK134R;D137NまたはD137G;Q138L;V140I;D143N;L144F;K145R;V147A;V150A;H153YまたはH153Q;H157Y;F158LまたはF158Y;R159K;E160GまたはE160V;F162YまたはF162S;E163GまたはE163K;E165D、E165GまたはE165K;K167IまたはK167R;A170S;V172I;F173C;M177VまたはM177T;H180Y;V184I;T190A;A193V;A194V;F201L;K203R;F209Y;V218I;N224S;E226K、E226GまたはE226D;S228T;D229A;V231IまたはV231A;Q223KまたはQ223R;E234GまたはE234D;T235KまたはT235A;N237Y;K238RまたはK238E;T251A;V255A;F260L;A262V;T272A;I274L;I275LまたはI275V;およびP283Rのうちの1〜20個の残基の変化、好ましくは1〜7個の残基の変化を有する配列番号2のアミノ酸配列を有する。
【0039】
別に指定がなければ、用語「同一性パーセント」、「同一性%」、「同一性パーセント」および「同一性%」は、アミノ酸配列同一性%について本明細書中で援用するために互換可能に用いられ得る。このアミノ酸配列同一性%は、Needleman Wunsch global alignment algorithmを用いて決定される。すなわち、Global Alignment Scoring Matrix(導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックス;同一性%=部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割った、第一配列と第二配列との間の同一残基の数のための動的計画法アルゴリズム)を用いて決定された。Needleman,S.B.およびWunsh,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【0040】
使用にあたって、本発明の増強されたKREDポリペプチドは、好ましくは、KREDポリペプチドのための補因子の継続的な供給源を提供する補因子再生系と共役される。図1を参照のこと。本明細書中で用いられる「補因子」とは、目的の反応を触媒するよう酵素と相乗的に作用する非タンパク化合物をいう。例えば、補因子NADHまたはNADPHは、酵素(例えば、本発明のKREDポリペプチド)とともに利用され、そして、3−ケト−酪酸エステル/アミドの立体特異的還元を触媒し、それらの対応する3−ヒドロキシ酪酸エステル/アミドとし、かつ、α−ハロケトンをそれらの対応するハロヒドリンとし、そして補因子再生系(例えば、グルコースデヒドロゲナーゼ/グルコース)とともに利用される。
【0041】
用語「補因子再生系」とは、本明細書中において、利用された補因子をその反応前の状態へ戻すよう再生する反応に関与する一連の反応物をいう。ある一つの例は、酸化された補因子NADまたはNADPを補因子の還元された形態(例えば、それぞれ、NADHおよびNADPH)に戻す再生である。次いで還元された(再生された)補因子は、還元された基質および酸化された(利用された)補因子を立体特異的に生成するために、基質および酵素(例えば、ケトレダクターゼ)と再度反応できることが再度可能になる。後者は、補因子再生系によって再生される。適切な補因子再生系としては、グルコースとグルコースデヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼとギ酸、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼとグルコース−6−リン酸、第二級アルコールデヒドロゲナーゼとイソプロピルアルコールなどが挙げられ、これらすべては、NADP/NADPHまたはNAD/NADHのいずれかとともに用いられる。従って、例えば、4−ハロ−3−ケト−酪酸エステルまたは4−ハロ−3−ケト−酪酸アミドは、所望のヒドロキシ化合物およびNADP(またはNAD)を生成するために、本発明のKREDポリペプチドおよびNADPH(またはNADH)により還元される場合、生じたNADP(またはNAD)は、グルコースおよび補因子再生系として作用するグルコースデヒドロゲナーゼの触媒量によって、還元されて(再生されて)その元の形態(NADPH(またはNADH))に戻る。グルコース脱水素補因子再生系の上述の作用は、図1中に例示される。
【0042】
本明細書中で用いられる用語「共役した」は、ケトレダクターゼ基質の還元における補因子の還元型形態の使用のことをいう。そして、この用語は、同じ補因子の還元型形態を産出する補因子再生系の構成成分(例えば、グルコース)の酸化において、上述の反応で産出した同じ補因子の酸化型を同時に使用することをいう。したがって、図1中では、ケトレダクターゼ酵素は、グルコースデヒドロゲナーゼ補因子再生系と共役されるように示される。
【0043】
上述の実施形態の好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドの1.5〜約25倍のKRED活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0044】
【化5】

を有することにより配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0045】
さらに好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドの5〜約25倍のKRED活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0046】
【化6】

を有することにより配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0047】
なおさらに好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドの9〜約25倍のケトレダクターゼ活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0048】
【化7】

を有することにより配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0049】
最も好ましい局面において、本発明は、溶解産物として測定された場合に配列番号2のポリペプチドの13〜約25倍のケトレダクターゼ活性を有するが、以下のアミノ酸置換セットのうちの一つを有することおよび対応する配列番号
【0050】
【化8】

を有することにより配列番号2のポリペプチドとは異なる、KREDポリペプチドに関する。
【0051】
本発明のKREDポリペプチドは、配列番号2のC.magnoliaeに由来するKREDポリペプチド骨格のKRED活性よりも、1.5倍〜約25倍高い増強されたKRED活性(例えば、実施例4の方法によって測定される)を有する。そして、このKREDポリペプチドは、配列番号2とは、1個〜20個のアミノ酸残基、代表的には、1個〜10個のアミノ酸残基、より代表的には、1個〜9個のアミノ酸残基、さらにより代表的には、1個〜8個のアミノ酸残基、最も代表的には、1個〜7個のアミノ酸残基異なる。好ましくは、本発明のKREDポリペプチドは、配列番号2のKREDポリペプチド骨格のKRED活性よりも、9倍〜約25倍高い、より好ましくは、13倍〜約25倍高い増強されたKRED活性を有する。
【0052】
別の局面において、本発明は、配列番号2のポリペプチドの1.5〜約25倍のケトレダクターゼ活性を有する配列番号2のKREDポリペプチドに関し、そして、このKREDポリペプチドは、
(a)配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号304、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のアミノ酸配列と、少なくとも90%の相同性、好ましくは少なくとも95%の相同性、より好ましくは少なくとも97%、そして、最も好ましくは少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列(以下「相同ポリペプチド」)を有するか;
(b)(i)配列番号223、配列番号243、配列番号245、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号259、配列番号303、配列番号343、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖
のうちのいずれかと、中程度のストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズする核酸配列によってコードされるか(例えば、J.Sambrook,E.F.FritschおよびT.Maniatis,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第二版、Cold Spring Harbor,N.Y.参照のこと);
(c)1〜6個のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を含む、配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540または配列番号542のポリペプチドの改変体であるか;
(d)配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のポリペプチドからの少なくとも220アミノ酸残基のフラグメントであるか;あるいは、
(e)50℃にてpH7で60分間インキュベーションした後に、最初のKRED活性の60%より多くを保持する、(a)、(b)、(c)または(d)のポリペプチドであるか;
のいずれかである。
【0053】
本発明の新規KREDポリペプチドはまた、野生型ケトレダクターゼ(配列番号2)よりも熱安定性を高められている。熱安定性は、細胞溶解産物をpH7で50℃にて20時間〜24時間熱処置(本明細書中以下で、熱処置)した後に残存する、初期の(未処置)KRED活性の百分率(例えば、実施例4)で決定された。比較によると、配列番号2の野生型KREDポリペプチド(CR2−5)は、熱処理後、その初期のKRED活性の10%が維持された。従って、熱処置後、その処理前の活性の20%を超えたKRED活性を示したKREDポリペプチドはいずれも、熱安定性が高められたと考えられた。好ましくは、本発明のKREDポリペプチド改変体の熱処理後のKRED活性は、少なくとも50%の残存活性、そして最も好ましくは100%の活性(熱処理前後の活性が等しい)であった。(配列番号2)の野生型KREDポリペプチドであるCR2−5におけるKRED活性と比較した本発明のKREDポリペプチド改変体についての「活性%」を、表1に列挙している。種々のKREDポリペプチドの各々の細胞溶解産物を50℃にて20時間〜24時間熱処理した後の、本発明の種々のKREDポリペプチドについての熱安定性もまた、表1に列挙している。
【0054】
【表1】

従って、増強された熱安定性および増強されたKRED活性の組合せに基づき、本発明の好ましいKREDポリペプチドは、配列番号344、配列番号440、配列番号506、配列番号526、または配列番号542を有する。配列番号344、配列番号440、配列番号506、配列番号526、または配列番号542のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、それぞれ配列番号343、配列番号439、配列番号505、配列番号525、または配列番号541、あるいは、それらのコドン最適化バージョン)もまた本発明の範囲内である。
【0055】
増強されたKRED活性に基づいた別の実施形態において、本発明の好ましいKREDポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の少なくとも151%を有し、そして、このKREDポリペプチドは、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号344、配列番号332、配列番号334、配列番号336、配列番号338、配列番号340、配列番号342、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号398、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のアミノ酸配列を有する。本発明のさらに好ましいKREDポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の少なくとも500%を有し、そして、このKREDポリペプチドは、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のアミノ酸配列を有する。同様に、本発明はまた、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または542のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、それぞれ、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のポリヌクレオチド)に関する。
【0056】
本発明のさらに好ましいKREDポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の少なくとも900%を有し、そして、配列番号518、配列番号520、配列番号526、配列番号528、配列番号536、配列番号538、または配列番号540のアミノ酸配列を有する。
【0057】
なおさらに好ましい本発明のKREDポリペプチドは、配列番号2のKRED活性の少なくとも1300%を有し、そして、配列番号536、配列番号538を有する。代表的には、本発明の上述のKREDポリペプチドは、溶解産物として測定された場合、配列番号2のKREDポリペプチドよりも2500%より少ないKRED活性を有する。上述で参照されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた好ましく、そして、このポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチドがコードするポリペプチドよりもそれぞれ一つ前の整数値である配列番号を有する。
【0058】
なお別の局面において、本発明は、共役化学反応において増強された活性を有するKREDポリペプチドに関する。
【0059】
別の実施形態において、本発明は、(i)配列番号223、配列番号243、配列番号245、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号259、配列番号303、配列番号343、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または、(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖
のうちのいずれかと、中程度のストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズする核酸配列によってコードされるKREDポリペプチドに関する(J.Sambrook,E.F.FritschおよびT.Maniatis,1989,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第二版、Cold Spring Harbor,N.Y.)。
【0060】
長さが少なくとも100ヌクレオチドのポリヌクレオチドについて、低程度から最高程度までのストリンジェンシー条件が、以下のように定義され、その後、標準的なサザンブロット手順を実施する:(低程度のストリンジェンシーでは25%のホルムアミド、中程度および準高程度のストリンジェンシーでは35%のホルムアミド、または高程度および最高程度のストリンジェンシーでは50%のホルムアミドのうちのいずれかで、5×SSPE、0.3%SDS、切断かつ変性されたサケ精子DNA200μg/ml中において、42℃でプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション)。長さが少なくとも100ヌクレオチドのポリヌクレオチドについて、キャリア物質は、最終的に、少なくとも50℃で(低程度のストリンジェンシー)、少なくとも55℃で(中程度のストリンジェンシー)、少なくとも60℃で(準高程度のストリンジェンシー)、少なくとも65℃で(高程度のストリンジェンシー)、少なくとも70℃で(最高程度のストリンジェンシー)で、2×SSC、0.2%SDSを用いてそれぞれ15分間、三回洗浄される。
【0061】
別の実施形態において、本発明は、1〜6個のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を含む、配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、または配列番号542のポリペプチド改変体に関する。このポリペプチド改変体は、配列番号2の野生型KREDのKRED活性の1.5倍〜25倍を有する(例えば、実施例4の方法によって決定される)。好ましくは、アミノ酸の変化は軽度のものであり、すなわち、タンパク質の折り畳みおよび/または活性に有意な影響を与えない保存的なアミノ酸置換である。この保存的なアミノ酸置換は、わずかな欠失(代表的には1〜6個のアミノ酸)、わずかなアミノ末端伸長もしくはわずかなカルボキシル末端伸長、小さなリンカーペプチド、あるいは、正味電荷または別の機能(例えば、ポリ−ヒスチジン路、抗原のエピトープもしくは結合領域)の変化によって、精製が促進するわずかな伸長である。
【0062】
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(レクチン、イソロイシン、およびバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシン)、ならびに、低分子アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、プロリン、システイン、およびメチオニン)の群のうちである。一般的に当該分野で公知である特定の活性を変化させないアミノ酸置換が、(例えば、H.NeurathおよびR.L.Hill、1979,The Proteins,Academic Press,New York.に記載される最も一般的に生じる交換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、およびAsp/Gly、ならびに、これらの逆の交換である。
【0063】
別の実施形態において、本発明は、配列番号2の野生型KREDのKRED活性の1.5〜約25倍を有する上述の(a)、(b)、または(c)のフラグメントに関し、これらは、実施例4の方法によって決定された。「フラグメント」という用語は、カルボキシ末端、アミノ末端、またはその両方からの1〜10個のアミノ酸残基の欠失を有するポリペプチドを意味する。好ましくは、この欠失は、カルボキシ末端からの1〜10個の残基の欠失であり、より好ましくは、この欠失は、カルボキシ末端からの1〜5個の残基の欠失である。
【0064】
なお別の実施形態において、本発明は、上記の「詳細な説明」において記載されるような(a)、(b)または(c)のKREDポリペプチドに関する。このKREDポリペプチドは、50℃、pH7で20時間〜24時間インキュベーション後、最初の(インキュベーション前の)KRED活性を20%より高く維持する。好ましくは、本発明のポリペプチドは、その最初の活性の少なくとも20%を維持し、より好ましくは、50℃、pH7で20時間〜24時間インキュベーション後、最初の活性の少なくとも50%を維持する。熱処理前および熱処理後の溶解産物(実施例3において調製されるような溶解産物)に関する最初のKRED活性および残存KRED活性は、KRED活性アッセイ(例えば、本明細書中の実施例4において記載されるようなアッセイ)によって容易に決定される。
【0065】
(ポリヌクレオチド)
その第2の局面において、本発明は、本発明のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に関する。遺伝子コードの縮重を考慮すれば、本発明はまた、配列番号42、配列番号72、配列番号76、配列番号96、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号344、配列番号332、配列番号334、配列番号336、配列番号338、配列番号340、配列番号342、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号398、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540または配列番号542のKREDポリペプチドをコードする任意のポリヌクレオチドに関する。
【0066】
好ましい実施形態において、本発明は、配列番号41、配列番号71、配列番号75、配列番号95、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号343、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号337、配列番号339、配列番号341、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号397、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539または配列番号541のポリヌクレオチドに関し、これらのポリヌクレオチドは、それぞれ、配列番号42、配列番号72、配列番号76、配列番号96、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号344、配列番号332、配列番号334、配列番号336、配列番号338、配列番号340、配列番号342、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号398、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540または配列番号542の新規KREDポリペプチドをコードする。
【0067】
特に好ましい実施形態において、本発明は、配列番号254のポリペプチドをコードする配列番号253のポリヌクレオチドならびに配列番号303および配列番号343のコドン最適化ポリヌクレオチドに関し、これらの最適化ポリヌクレオチドは、E.coliにおける配列番号254のポリペプチドの増強された発現を提供する非表現突然変異を含む。特に、配列番号253から配列番号343へと移るコドン最適化は、以下の非表現置換からなっていた:A16T、G17C、C30T、T339A、C600T、T738CおよびT744C。これらの非表現置換は、上記細胞溶解産物から(例えば、実施例3)そのKRED活性によって測定される場合(例えば、実施例4)の、上記KREDポリペプチドの発現の2.5倍の増強をもたらした。
【0068】
本発明の改善されたKREDポリヌクレオチドおよび改善されたKREDポリペプチドを作製するには、骨格として使用するためにKREDポリペプチドをコードする1つ以上の野生型ポリヌクレオチドを用いて開始する。ポリヌクレオチドに対して適用される場合、用語「野生型」とは、その核酸フラグメントが天然から単離された形態からのいずれの変異も含まないことを意味する。ポリペプチド(またはタンパク質)に対して適用される場合、上記用語「野生型」とは、そのタンパク質が天然に見られる活性レベルで活性であることを意味し、代表的には、天然に見られるアミノ酸配列を含む。従って、上記用語「野生型」または「親配列」は、本発明の操作前の開始配列または参照配列を示す。
【0069】
改善されるべき出発物質としての天然に生じるKREDの適切な供給源は、本明細書中に記載されるKRED活性に対して生物のゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって、容易に同定される。例えば、実施例4を参照のこと。天然に生じるKRED酵素は、広範囲の細菌および酵母(例えば、Candida magnoliae(Genbank登録番号 JC7338;GI:11360538)、Candida parapsilosis(Genbank登録番号 BAA24528.1;GI:2815409)、Sporobolomyces salmicolor(Genbank登録番号 AF160799;GI 6539734))において見られる。KREDの特に適切な供給源は、Candida magnoliaeである。本発明において、Candida magnoliaeの野生型KREDポリペプチドをコードする親ポリヌクレオチド配列は、Genbank登録番号 JC7338として公開されているCandida magnoliae由来のKREDに対する公知のポリペプチド配列に基づいて、60マーのオリゴマーから構築された。上記親ポリヌクレオチド配列は、CR2−5(配列番号1)と呼ばれ、E.coliにおける発現のために最適化されたコドンであり、従って、上記野生型ポリヌクレオチド配列とは実質的に異なっていた。上記コドン最適化ポリヌクレオチドは、lacプロモーター遺伝子およびlacIリプレッサー遺伝子の制御下にある上記発現ベクターpCK110900(図3に示される)のSfiIクローニング部位にクローニングされた。上記発現ベクターはまた、P15A複製起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子を含んだ。いくつかのクロ−ンは、E.coli W3110において活性なケトレダクターゼを発現することが見出され、そしてその遺伝子は、配列決定されてそれらのDNA配列が確かめられた。CR2−5と呼ばれる配列(配列番号1)は、全ての実験およびライブラリー構築のための開始点として利用される親配列であった。
【0070】
一旦、適切な出発物質(例えば、配列番号1のポリヌクレオチド)が同定されると、未知のKRED活性を有する、天然に生じずかつ変異および/または進化された酵素は、周知の変異誘発または直接的な進化的方法のうちのいずれか1つを用いて、容易に生成される。例えば、Lingら、「Approaches to DNA mutagenesis:an overview」、Anal.Biochem.、254(2):157−78(1997);Daleら、「Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method」、Methods Mol.Biol.、57:369−74(1996);Smith、「In vitro mutagenesis」、Ann.Rev.Genet.、19:423−462(1985);Botsteinら、「Strategies and applications of in vitro mutagenesis」、Science、229:1193−1201(1985);Carter、「Site−directed mutagenesis」、Biochem.J.、237:1−7(1986);Kramerら、「Point Mismatch Repair」、Cell、38:879−887(1984);Wellsら、「Cassette mutagenesis:an efficient method for generation of multiple mutatinos at defined sites」、Gene、34:315−323(1985);Minshullら、「Protein evolution by molecular breeding」、Current Opinion in Chemical Biology、3:284−290(1999);Christiansら、「Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling」、Nature Biotechnology、17:259−264(1999);Crameriら、「DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution」、Natute、391:288−291;Crameriら、「Molecular evolution of an arsenate detoxification pathway by DNA shuffling」、Nature Biotechnology、15:436−438(1997);Zhangら、「Directed evolution of an effective fructosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screening」、Proceedings of the National Academy of Sciences、U.S.A.、94:45−4−4509;Crameriら、「Improved green fluorescent protein by molecular evolution using DNA shuffling」、Nature Biotechnology、14:315−319(1996);Stemmer、「Rapid evolution of protein in vitro by DNA shuffling」、Nature、370:389−391(1994);Stemmer、「DNA shuffling by random fragmentation and reassembly:In vitro recombination for molecular evolution」、Proceding of the National Academy of Sciences、U.S.A.、91:10747−10751(1994);WO 95/22625;WO 97/0078;WO 97/35966;WO 98/27230;WO 00/42651;WO 01/75767および2003年3月25日にArnoldらに対して発行され、「Method for creating polynucleotide and polypeptide sequence」と題された米国特許第6,537,746号を参照のこと。
【0071】
これらの方法のいずれもが、KREDポリヌクレオチドを生成するために適用され得る。多様性を最大にするために、上に記載される技術のうちのいくつかは、連続的に使用され得る。代表的には、シャッフリング(shuffling)されたポリヌクレオチドのライブラリーは、1つの変異誘発技術もしくは発展的技術によって作製され、そしてそれらの発現産物は、最も高いKRED活性を有するポリペプチドを見つけるためにスクリーニングされる。本発明において、配列番号75を有するポリヌクレオチドは、補因子としてNADHを用いたスクリーニングされたライブラリー由来の最も期待できる候補であった。しかし、上記ポリペプチドの図3のプラスミドpCK110900からのより良好な発現を得るために、配列番号75のポリヌクレオチドは、E.coliにおける発現のために最適化されたコドンであるオリゴマーを用いて再合成された。得られたコドン最適化ポリヌクレオチドは、配列番号77の配列を有していた。
【0072】
それ以降、第2の変異誘発技術または進化的技術は、第2のライブラリーを作製するために配列番号77のコドン最適化ポリヌクレオチドに対して適用され、この第2のライブラリーは、次いで、同じ技術によってKRED活性に対してスクリーニングされた。得られたクローンをスクリーニングすることは、3つのクローン、配列番号123、配列番号203および配列番号223の単離をもたらし、これらのクローンは、それぞれ、配列番号124、配列番号204および配列番号224のKREDポリペプチドをコードし、NADH(配列番号124)またはNADPH(配列番号204および配列番号224)を補因子として使用すると、配列番号2の野生型ポリペプチドの3.1倍と4.3倍との間のKRED活性を有する。変異させ、そしてスクリーニングするプロセスは、所望される活性、熱安定性および補因子選択性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに達するまで、必要とされるだけ多くの回数反復され得、このプロセスは、点変異の挿入を含む。
【0073】
図3のプラスミドpCK110900からの配列番号123のポリヌクレオチドのより良好な発現を得るために、配列番号123のポリペプチドは、上記ベクターのSfiI部位および上記KRED mRNAの5’末端でRNAヘアピンループ形成を導き得るヌクレオチドを置換するために、オリゴマーを用いて再増幅された。具体的には、オリゴは、上記pCK110900ベクターの5’−SfiI部位を変化させ、そしてコードKREDポリペプチドの6位の残基におけるセリンのためのAGCコドンを、セリンをまたコードしたTCCコドンで置換することにより、これらの潜在的なステムループ構造を阻害するように設計された。得られたコドン最適化ポリヌクレオチドは、その形質転換および培養された宿主細胞の溶解産物におけるKRED活性により測定される場合、上記KREDポリペプチドの約2と2分の1(2.5)倍高い発現をもたらした。
【0074】
補因子としてNADPHを用いて第3ラウンドライブラリーをスクリーニングした後、配列番号253を有するポリヌクレオチドは、最も期待できる候補であった。しかし、図3のpCK110900プラスミドからの上記ポリヌクレオチドのより良好な発現を得るために、上記配列番号253のポリヌクレオチドは、進化した技術を適用することによってさらに改善され、そして上記配列番号123についてと同様に、ヘアピン形成ヌクレオチドが除去されたベクター中で、クローニングされた。得られたコドン最適化ポリヌクレオチドは、配列番号303および配列番号343のポリヌクレオチドを含んでいた。
【0075】
シャッフル技術または進化した技術を適用する代わりに、本発明のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、公知の合成方法に従う標準的な固相方法によって調製され得る。代表的には、約100塩基までのフラグメントは、独立して合成され、次いで(例えば、酵素的もしくは化学的なライゲーション方法またはポリメラーゼ媒介性方法によって)結合されて、本質的に、任意の所望される連続配列を形成する。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、例えば、自動合成方法において代表的に実施される場合、例えば、Beaucageら(1981)Tetrahedron Letters 22:1859−69により記載される古典的なホスホロアミダイト方法またはMatthesら(1984)EMBO J.3:801−05により記載される方法(例えば、自動合成法において代表的に実施されるような方法)を用いて、化学合成によって調製され得る。上記ホスホロアミダイト方法に従って、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成機において合成され、精製され、アニールされ、連結され、そして適切なベクター中にクローニングされる。さらに、本質的に、任意の核酸は、任意の種々の市販供給源(例えば、The Midland Certified Reagent Company、Midland、TX、The Great American Gene Company、Ramona、CA、ExpressGen Inc.Chicago、IL、Operon Technologies Inc.、Alameda、CAおよび他の多くの市販供給源)から特別注文され得る。
【0076】
(核酸構築物/発現カセット/発現ベクター)
別の局面において、本発明は、核酸構築物に関し、この核酸構築物は、核酸構築物を生じるために遺伝子発現を制御する1つ以上の異種調節配列に作動可能に連結された、本発明のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(例えば、発現ベクターまたは発現カセット)を含む。その後、得られた核酸構築物(例えば、発現ベクターまたは発現カセット)は、上記ポリヌクレオチド改変体によりコードされたKREDポリペプチドの究極的な発現のために、適切な宿主細胞に挿入された。
【0077】
「核酸構築物」は、一本鎖または二本鎖のいずれかの核酸分子として本明細書中で規定され、天然に存在する遺伝子から単離されるかまたは改変されて、そうでなければ天然に存在しない様式で組み合わされ、かつ並列される核酸のセグメントを含む。上記用語、核酸構築物は、その核酸構築物が、本発明のコード配列(ポリヌクレオチド)の発現のために必要とされる全ての制御配列を含む場合、用語、発現カセットまたは発現ベクターを含む。
【0078】
用語「コード配列」は、そのタンパク質産物のアミノ酸配列を直接特定するポリヌクレオチド配列として、本明細書中で規定される。ゲノムコード配列の境界は、一般的に、そのmRNAの5’末端のオープンリーディングフレームのすぐ上流に位置するリボソーム結合部位(原核生物)またはATG開始コドン(真核生物)、およびそのmRNAの3’末端のオープンリーディングフレームのすぐ下流に位置する転写終結配列によって決定される。コード配列としては、DNA、cDNAおよび組み換え核酸配列が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
本発明のKREDポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、種々の方法で操作されて、そのポリペプチドの発現を提供し得る。上記単離されたポリヌクレオチドのそのベクターへの挿入前の操作は、その発現ベクターに依存して、所望され得るかまたは必要とされ得る。組み換えDNA法を利用してポリペプチドおよび核酸配列を改変するための技術は、当該分野において周知である。
【0080】
用語「制御配列」は、本発明のポリペプチドの発現のために必要かまたは有利な全ての構成要素を含むことが、本明細書中で規定される。各制御配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列に対してネイティブであっても外来性であってもよい。このような制御配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列および転写ターミネーターが挙げられるが、これらに限定されない。最低でも、上記制御配列は、プロモーターならびに転写停止シグナルおよび翻訳停止シグナルを含む。上記制御配列は、その制御配列とポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域とのライゲーションを容易にする特定の制限部位を導入する目的のために、リンカーが提供され得る。
【0081】
用語「作動可能に連結された」は、制御配列が、上記DNA配列のコード配列に対する位置に適切に位置され、それにより、その制御配列がポリペプチドを発現させる配置として、本明細書中で規定される。
【0082】
上記制御配列は、適切なプロモーター配列であり得る。上記「プロモーター配列」は、それに続くより長いコード領域の発現のために宿主細胞によって認識される、比較的短い核酸配列である。上記プロモーター配列は、上記ポリペプチドの発現を媒介する転写制御配列を含む。上記プロモーターは、選択された宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列であり得、これらの核酸配列としては、変異プロモーター、トランケートプロモーターおよびハイブリッドプロモーターが挙げられ、そしてこれらの核酸配列は、その宿主細胞に対して相同性または異種性のいずれかの細胞外ポリペプチドまたは細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られ得る。
【0083】
細菌宿主細胞のために、本発明の核酸構築物を転写させるために適切なプロモーターとしては、E.coli lacオペロン、Streptomyces coelicolorアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus subtilisレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、Bacillus licheniformis αアミラーゼ遺伝子(amyL)、Bacillus stearothermophilus マルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、Bacillus amyloliquefaciens αアミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus licheniformis ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus subtilis xylA遺伝子およびxylB遺伝子ならびに原核生物βラクタマーゼ遺伝子(Villa−Kamaroffら、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:3727−3731)から得られるプロモーターならびにtacプロモーター(DeBoerら、1983、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80:21−25)が挙げられる。さらなるプロモーターは、「Useful proteins from recombinant bacteria」Scientific American、1980、242:74−94;およびSambrookら、1989、前出に記載されている。
【0084】
糸状菌宿主細胞のために、本発明の核酸構築物を転写させるために適切なプロモーターとしては、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor miehei アスパラギン酸プロテアーゼ、Aspergillus niger 天然αアミラーゼ、Aspergillus niger 酸安定αアミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAspergillus awamori グルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor miehei リパーゼ、Aspergillus oryzae アルカリプロテアーゼ、Aspergillus oryzae トリオースホスフェートイソメラーゼ、Aspergillus nidulans アセトアミダーゼおよびFusarium oxysporum チロシン様プロテアーゼ(WO 96/00787)の遺伝子から得られるプロモーターならびにNA2−tpiプロモーター(Aspergillus niger 天然αアミラーゼの遺伝子由来のプロモーターとAspergillus oryzae トリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子由来のプロモーターとのハイブリッド)、ならびにそれらの変異プロモーター、トランケートプロモーターおよびハイブリッドプロモーターが挙げられる。
【0085】
酵母宿主において、有用なプロモーターは、Saccharomyces cerevisiae エノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiae ガラクトキナーゼ(GAL1)、Saccharomyces cerevisiae アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)およびSaccharomyces cerevisiae 3−ホスホグリセラーゼキナーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romanosら、1992、Yeast 8:423−488に記載されている。
【0086】
上記制御配列はまた、適切な転写終結配列(宿主細胞によって認識されて転写を終結する配列)であり得る。上記終結配列は、上記ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。選択された宿主細胞において機能的である任意のターミネーターは、本発明において使用され得る。
【0087】
糸状菌宿主細胞のために好ましいターミネーターは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger グルコアミラーゼ、Aspergillus nidulans アントラニレートシンターゼ、Aspergillus niger αグルコシダーゼおよびFusarium oxysporum チロシン様プロテアーゼの遺伝子から得られる。
【0088】
酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、Saccharomyces cerevisiae エノラーゼ、Saccharomyces cerevisiae シトクロムC(CYC1)およびSaccharomyces cerevisiae グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosら、1992、前出に記載されている。
【0089】
上記制御配列はまた、適切なリーダー配列(上記宿主細胞による翻訳のために重要な、mRNAの非翻訳領域)であり得る。上記リーダー配列は、上記ペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。選択された宿主細胞において機能的である任意のリーダー配列は、本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼおよびAspergillus nidulans トリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、Saccharomyces cerevisiae エノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiae 3−ホスホグリセラーゼキナーゼ、Saccharomyces cerevisiae α因子およびSaccharomyces cerevisiae アルコールデヒドロゲナーゼ/グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)の遺伝子から得られる。
【0090】
上記制御配列はまた、ポリアデニル化配列(上記核酸配列の3’末端に作動可能に連結され、そして転写される際に上記宿主細胞によってシグナルとして認識されて、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加する配列)であり得る。選択された宿主細胞において機能的である任意のポリアデニル化配列は、本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger グルコアミラーゼ、Aspergillus nidulans アントラニレートシンターゼ、Fusarium oxysporum チロシン様プロテアーゼおよびAspergillus niger αグルコシダーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、GuoおよびSherman、1995、Molecular Cellular Biology 15:5983−5990に記載されている。
【0091】
上記制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結され、そしてその制御配列がコードされたポリペプチドをその細胞の分泌経路に向けるアミノ酸配列をコードする、シグナルペプチドコード領域であり得る。上記核酸配列のコード配列の5’末端は、本来、シグナルペプチドコード領域を含み得、このシグナルペプチドコード領域は、翻訳リーディングフレームにおいて、その分泌ポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと、天然に連結されている。あるいは、上記コード配列の5’末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含み得る。上記外来性シグナルペプチドコード領域は、そのコード配列がシグナルペプチドコード領域を天然に含まない場合に、必要とされ得る。
【0092】
あるいは、上記外来性シグナルペプチドコード領域は、そのポリペプチドの分泌を促進するために、その天然シグナルペプチドコード領域を、単に置換し得る。しかし、その発現ポリペプチドを選択された宿主細胞の分泌経路に向ける任意のシグナルペプチドコード領域が、本発明において使用され得る。
【0093】
細菌宿主細胞のために有効なシグナルペプチドコード領域は、Bacillus NC1B 11837マルトース生成アミラーゼ、Bacillus stearothermophilus αアミラーゼ、Bacillus licheniformis サブチリシン、Bacillus licheniformis βラクタマーゼ、Bacillus stearothermophilus 中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)およびBacillus subtilis prsAの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、SimonenおよびPalva、1993、Microbiological Reviews 57:109−137に記載されている。
【0094】
糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域は、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger 中性アミラーゼ、Aspergillus niger グルコアミラーゼ、Rhizomucor miehei アスパラギン酸プロテアーゼ、Humicola insolens セルラーゼおよびHumicola lanuginosa リパーゼの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。
【0095】
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、Saccharomyces cerevisiae α因子およびSaccharomyces cerevisiae インベルターゼの遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanosら、1992、前出に記載されている。
【0096】
上記制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られたポリペプチドは、プロ酵素またはプロポリペプチド(またはいくつかの場合、チモーゲン)として公知である。プロポリペプチドは、一般的に不活性であり、そしてそのプロポリペプチドからそのプロペプチドの触媒的切断または自己触媒的切断によって、成熟活性ポリペプチドに変換され得る。上記プロペプチドコード領域は、Bacillus subtilis アルカリプロテアーゼ(aprE)、Bacillus subtilis 中性プロテアーゼ(nprT)、Saccharomyces cerevisiae α因子、Rhizomucor miehei アスパラギン酸プロテアーゼおよびMyceliophthora thermophila ラクターゼ(WO 95/33836)の遺伝子から得られる。
【0097】
シグナルペプチド領域およびプロペプチド領域の両方がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてそのシグナルペプチド領域は、そのプロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
【0098】
調節配列を付加することがまた、所望され得、この調節配列は、上記宿主細胞の増殖に対する上記ポリペプチドの発現の調節を可能にする。調節系の例は、化学的または生理的刺激に応答してスイッチを入れられるかまたはスイッチを消されるべき遺伝子の発現を引き起こす調節系であり、これらの刺激としては、調節化合物の存在が挙げられる。原核生物宿主細胞において、適切な調節配列としては、lacオペレーター系、tacオペレーター系およびtrpオペレーター系が挙げられる。酵母宿主細胞において、適切な調節系としては、ADH2系またはGAL1系が挙げられる。糸状菌において、適切な調節配列としては、TAKAαアミラーゼプロモーター、Aspergillus niger グルコアミラーゼプロモーターおよびAspergillus oryzae グルコアミラーゼプロモーターが挙げられる。
【0099】
調節配列の他の例は、遺伝子増幅を可能にする調節配列である。真核生物系において、これらとしては、メトトレキサートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子および重金属によって増幅されるメタロチオネイン遺伝子が挙げられる。これらの場合、本発明のKREDポリペプチドをコードする核酸配列は、上記調節配列に作動可能に連結される。
【0100】
従って、別の局面において、本発明はまた、組み換え発現ベクターに関し、この組み換え発現ベクターは、それらが導入されるべき宿主の型に依存して、(本発明のKREDポリペプチドをコードする)本発明のポリヌクレオチド、および1つ以上の発現調節領域(例えば、プロモーターおよびターミネーター)、複製起点などを含む。上に記載される種々の核酸配列および制御配列は、一緒に結合されて組み換え発現ベクターを生成し得、この組み換え発現ベクターは、1つ以上の都合のよい制限部位を含み得、このような部位において上記ポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にし得る。あるいは、本発明の核酸配列は、上記配列を含む核酸配列または核酸構築物を、発現のための適切なベクターに挿入することによって、発現され得る。上記発現ベクターの作製において、上記コード配列は、そのベクター中に位置し、それにより、そのコード配列は、発現のための適切な制御配列と作動可能に連結される。
【0101】
上記組み換え発現ベクターは、任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得、これらのベクターは、組み換えDNA手順に都合よく供され得、そして上記ポリペプチド配列の発現をもたらし得る。上記ベクターの選択は、代表的に、そのベクターと、そのベクターが導入されるべき宿主細胞との適合性に依存する。上記ベクターは、直線状でも閉じられた環状プラスミドでもよい。
【0102】
上記発現ベクターは、自己複製ベクター(すなわち、染色体外存在物として存在し、その複製は、染色体の複製に依存しないベクター)(例えば、プラスミド)であっても、染色体外エレメントであっても、ミニ染色体(minichromosome)であっても、人工染色体であってもよい。上記ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含み得る。あるいは、上記ベクターは、上記宿主細胞に導入されると、そのゲノムに統合され、そしてそのベクターが統合された染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、上記宿主細胞のゲノムに導入されるべきDNA全体を一緒に含む、単一のベクターもしくはプラスミドまたは2つ以上のベクターもしくはプラスミド、あるいはトランスポゾンが、使用され得る。
【0103】
本発明の発現ベクターは、好ましくは、形質転換細胞の選択を容易にする1つ以上の選択マーカーを含む。選択マーカーは、その選択マーカーの産物が、バイオサイド耐性またはウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養素要求株に対する原栄養菌などを提供する遺伝子である。細菌選択マーカーの例は、Bacillus subtilisもしくはBacillus licheniformis由来のdal遺伝子または抗生物質耐性(例えば、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性、クロラムフェニコール耐性(実施例1)またはテトラサイクリン耐性)を与えるマーカーである。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3である。
【0104】
糸状菌宿主細胞における使用のための選択マーカーとしては、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)ならびにそれらの等価物が挙げられるが、これらに限定されない。Aspergillus細胞における使用のためには、Aspergillus nidulansまたはAspergillus oryzaeのamdS遺伝子およびpyrG遺伝子ならびにStreptomyces hygroscopicusのbar遺伝子が好ましい。
【0105】
本発明の発現ベクターは、好ましくは、そのベクターの上記宿主細胞のゲノムへの統合またはそのゲノムに非依存的なその細胞におけるそのベクターの自己複製を許容するエレメントを含む。上記宿主細胞ゲノムへの統合のために、上記ベクターは、相同組み換えまたは非相同組み換えによるそのベクターのゲノムへの統合のために、上記ポリプチドまたはそのベクターの任意の他のエレメントをコードする核酸配列に頼り得る。
【0106】
あるいは、上記発現ベクターは、相同組み換えによって上記宿主細胞のゲノムに統合させるためのさらなる核酸配列を含み得る。上記さらなる核酸配列は、上記ベクターが、染色体における正確な位置で上記宿主細胞ゲノムに統合されることを可能にする。正確な位置での統合の可能性を上昇するために、上記統合エレメントは、好ましくは、充分な数の核酸(例えば、100塩基対〜10,000塩基対、好ましくは、400塩基対〜10,000塩基対、そして最も好ましくは、800塩基対〜10,000塩基対)を含むべきであり、これらの核酸は、対応する標的配列と高度に相同性であって、相同組み換えの可能性を上昇させる。上記統合エレメントは、上記宿主細胞のゲノムにおける標的配列と同種である、任意の配列であり得る。さらに、上記統合エレメントは、非コード核酸配列であってもコード核酸配列であってもよい。一方、上記ベクターは、非相同組み換えによって上記宿主細胞のゲノム中に統合され得る。
【0107】
自己複製のために、上記ベクターは、そのベクターが問題となる宿主細胞において自律的に複製することを可能にする複製起点をさらに含み得る。細菌複製起点の例は、(図3のプラスミドにおいて示されるような)P15A oriまたはプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177(プラスミドは、P15A oriを有する)もしくはE.coliにおける複製を許容するpACYC184およびBacillusにおける複製を許容するpUB110、pE194、pTA1060もしくはpAM.β.1の複製起点である。酵母宿主細胞における使用のための複製起点の例は、2micron複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組み合わせおよびARS4とCEN6との組み合わせである。上記複製起点は、上記宿主細胞においてその複製起点の機能を温度感受性にする変異を有する複製起点であり得る(例えば、Ehrlich、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1433を参照のこと)。
【0108】
本発明の核酸配列の1つより多くのコピーは、上記宿主細胞に挿入されて、その遺伝子産物の生成を増大させる。上記核酸配列のコピー数の上昇は、その配列の少なくとも1つのさらなるコピーを上記宿主細胞のゲノムに統合することによるか、またはその核酸配列とともに増幅可能選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ得、増幅可能選択マーカー遺伝子を含む場合、その選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、それにより、その核酸配列のさらなるコピーを含む細胞が、適切な選択因子の存在下でその細胞を培養することにより選択され得る。
【0109】
上に記載されたエレメントを連結するために使用されて、本発明の組み換え核酸構築物および発現ベクターを構築する手順は、当業者に周知である(例えば、J.Sambrook、E.F.FritschおよびT.Maniatis、1989、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照のこと)。
【0110】
本発明における使用のための発現ベクターの多くは、市販される。適切な市販発現ベクターとしては、Sigma−Aldrich Chemicals、St.Louis MO.からのp3xFLAGTMTM発現ベクターが挙げられ、この発現ベクターは、哺乳動物宿主細胞における発現のためのCMVプロモーターおよびhGHポリアデニル化部位ならびにpBR322複製起点およびE.coliにおける増幅のためのアンピシリン耐性マーカーを含む。他の適切な発現ベクターは、Stratagene、LaJolla CAから市販されるpBluescriptII SK(−)およびpBK−CMVならびにpBR322(Gibco BRL)、pUC(Gibco BRL)、pREP4、pCEP4(Invitrogen)またはpPoly(Latheら、1987、Gene 57、193−201)に由来するプラスミドである。
【0111】
(宿主細胞)
別の局面において、本発明は、本発明のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関し、このポリヌクレオチドは、その宿主細胞におけるそのKREDポリペプチドの発現のために、1つ以上の制御配列に作動可能に連結される。本発明の発現ベクターによってコードされる上記KREDポリペプチドの発現における使用のための宿主細胞は、当該分野において周知であり、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomyces細胞およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeまたはPichia pastoris(ATCC登録番号 201178)));昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、CS細胞、293細胞およびBowes黒色腫細胞);および植物細胞が挙げられるが、これらに限定されない。上に記載される宿主細胞のための適切な培養培地および培養条件は、当該分野において周知である。
【0112】
例として、Escherichia coli W3110を、本発明のポリヌクレオチド改変体を発現するための発現ベクターによって形質転換した。上記発現ベクターを、本発明のKREDポリヌクレオチド改変体をプラスミドpCK110900に作動可能に連結することによって作製し、このプラスミドpCK110900は、lacIリプレッサー遺伝子の制御下でlacプロモーターに作動可能に結合される。上記発現ベクターはまた、P15A複製起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子を含んでいた。上記形質転換Escherichia coli W3110を、クロラムフェニコールを含有する適切な培養培地下で培養し、それにより、その発現ベクターを発現した形質転換E.coli細胞のみが、生存した。例えば、実施例1を参照のこと。
【0113】
(精製)
本発明のKREDポリペプチドが上記ポリヌクレオチド改変体によって発現されると、そのポリペプチドを、タンパク質精製のための任意の1つ以上の周知技術(リゾチーム処理、音波破砕、濾過、塩の適用、超遠心分離、アフィニティークロマトグラフィーなどを含む)を用いて、上記細胞および/または培養培地から精製した。細菌(例えば、E.coli)由来のタンパク質の溶解および高効率抽出のための適切な溶液は、St.Louis MOのSigma−Aldrichから、商標名CelLytic BTMで市販される。化学的プロセスにおける適用のために、細胞溶解産物から上記KREDポリペプチドを充分に精製するための適切なプロセスは、本明細書中の実施例3において開示される。
【0114】
(スクリーニング)
増強したKRED活性について、上記発現ライブラリーから上記KREDポリペプチドのクローンをスクリーニングすることは、代表的に、NADHまたはNADPHがNADまたはNADPに変換されるのに伴う(吸光度または蛍光の減少を介した)NADHまたはNADPHの減少速度をモニタリングする、標準的な生物化学的技術を用いて実施される。この反応において、上記ケトレダクターゼが、ケトン基質を対応するヒドロキシル基に立体特異的に還元するにつれて、上記NADHまたはNADPHは、そのケトレダクターゼによって使い果たされる(酸化される)。単位時間あたりのNADHまたはNADPHの減少速度は、吸光度または蛍光の減少により測定される場合、一定量の上記溶解産物(またはそれから作製された凍結乾燥粉末)における、上記KREDポリペプチドの相対(酵素)活性を示す。このような手順は、本明細書中の実施例4に記載されている。
【0115】
第1ラウンドの変異後に得られたライブラリーは、スクリーニングされて、そして最も優れたKREDポリペプチド(配列番号76)は、配列番号2のC.magnoliae KRED骨格と比較して、H67Q変異およびF158Y変異を有していた。次いで、配列番号76をコードするポリヌクレオチド配列(配列番号75)は、オリゴマーから再合成されて、E.coliにおける発現のためにコドンが最適化された。得られたコドン最適化ポリヌクレオチドは、配列番号77の配列を有していた。
【0116】
その後、第2の変異誘発技術または進化技術は、配列番号77のコドン最適化ポリヌクレオチドに適用されて、第2のライブラリーを生成し、この第2のライブラリーは、次いで、同様の技術によってKRED活性についてスクリーニングされた。得られたクローンをスクリーニングすることは、補因子としてNADPHまたはNADHのいずれかを用いて、配列番号2の野生型ポリペプチドの1.5倍と4.3倍の間のKRED活性を実証する、3つのクローンの単離をもたらした。これらのクローンは、親であるC.magnooliaeベースの配列番号2のKRED骨格と比較したそれらの変異および活性に沿って、以下の表2に列挙される。
【0117】
【表2】

本発明のKREDポリヌクレオチドは、変異または進化させられてライブラリーを生成し得、このライブラリーは、スクリーニングされて、補因子(または、NADPHよりはむしろNADH)として他の化合物を選択的に受容する能力を有する、それらの改変KREDポリペプチドを同定し得る。特に、E226G変異は、NADPHからNADHへの補因子選択性における変化を引き起こすことが発見され(配列番号102、配列番号104、配列番号114、配列番号120、配列番号122、配列番号130、配列番号134、配列番号136、配列番号140、配列番号142、配列番号146、配列番号166、配列番号178、配列番号188、配列番号192、配列番号194、配列番号208および配列番号210)、E226D(配列番号128および配列番号138)およびE226K(配列番号216)についても同様であった。
【0118】
本発明のKREDポリヌクレオチドは、変異または進化させられてライブラリーを生成し得、このライブラリーは、スクリーニングされて、増強した熱安定性を有するそれらの改変KREDポリペプチドを同定し得る。特に、置換:P14A、V140I、V184I、A194V(配列番号92、配列番号276、配列番号334、配列番号344、配列番号506、配列番号526および配列番号542)は、配列番号2のポリペプチドと比較して、増強した熱安定性を提供することが発見された。
【0119】
その後、第3ラウンドライブラリーが調製され、そして本明細書中に記載されるようにKRED活性についてスクリーニングされた。上記第3ラウンドライブラリー由来の4つのクローンは、上記第2ラウンドライブラリーの最も優れた候補の2倍の活性を有しており、これらは表3に列挙される。配列番号253を有するポリヌクレオチドは、最も期待できる候補であった。この配列番号253を有するポリヌクレオチドは、配列番号2のKRED骨格と比較して2つの変異、S42NおよびA194Vを有し、そして補因子としてNADPHを用いて、配列番号2の野生型KREDと比較して最初のKRED活性の3倍の上昇を提供する、KREDポリペプチドを発現した。
【0120】
【表3】

変異プロセスおよびスクリーニングプロセスは、所望される活性、熱安定性および補因子選択性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに達するまで、必要とされるだけ多くの回数反復され得、このプロセスは、点変異の挿入を含む。
【0121】
図3のプラスミドpCK110900からの上記ポリヌクレオチド(配列番号123)のより良好な発現を得るために、配列番号123のポリヌクレオチドは、オリゴマーを用いて再増幅されて、上記ベクターのSfiI部位および上記KRED mRNAの5’末端においてRNAヘアピンループ形成を導き得るヌクレオチドを置換した。具体的には、オリゴは、上記pCK110900ベクターの5’−SfiI部位を変化させ、そしてコードKREDポリペプチドの6位の残基におけるセリンのためのAGCコドンを、セリンをまたコードしたTCCコドンで置換することにより、これらの潜在的なステムループ構造を阻害するように設計された。得られたコドン最適化ポリヌクレオチドは、その形質転換され、かつ培養された宿主細胞の溶解産物におけるKRED活性により測定される場合、上記KREDポリペプチドの約3倍高い発現をもたらした。第3ラウンドライブラリーのスクリーニング後、配列番号253を有するポリヌクレオチドは、最も期待できる候補であった。しかし、図3のプラスミドpCK110900からの上記ポリヌクレオチドのより良好な発現を得るために、上記配列番号253のポリヌクレオチドは、進化技術を適用することによってさらに改善され、そして上記配列番号123についてと同様に、ヘアピン形成ヌクレオチドが除去されたベクター中にクローニングされた。得られたコドン最適化ポリヌクレオチドは、配列番号303および配列番号343のポリヌクレオチドを含んでいた。
【0122】
さらに、本発明のKREDポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、発現のために選択された宿主生物からの最適な生成のために、コドンが最適化され得る。当業者は、広い範囲の生物のためのコドン選択性情報を提供する表および他の参考文献が、容易に入手可能であることを理解する。例えば、HenautおよびDanchin、「Escherichia coli and Salmonella」、Neidhardtら、編、ASM Press、Washington D.C.、p.2047〜2066(1966)を参照のこと。
【0123】
一般的に、KREDを発現する形質転換細胞のスクリーニングは、2工程プロセスである。第1に、上記細胞を物理的に分離し、次いで、どの細胞が所望の特性を保有し、そしてどの細胞が所望の特性を保有しないかを決定する。選択は、スクリーニング様式であり、この様式において、同定および物理的な分離は、選択マーカーの発現によって同時に達成され、この選択マーカーは、いくつかの遺伝的環境において、そのマーカーを発現している細胞を生存させ、他方、他の細胞は死ぬ(または逆もまた同様)。例示的なスクリーニングマーカーとしては、ルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質が挙げられる。選択マーカーとしては、薬物耐性遺伝子およびトキシン耐性遺伝子(例えば、クロラムフェニコール、アンピシリンなどに対する耐性)が挙げられる。自発的な選択は、天然の進化の過程で生じ得るかまたは生じるが、本方法においては、選択は、人間によって実施される。
【0124】
本明細書中で開示される方法によって作製されるKREDポリヌクレオチドは、実施例4に記載のプロトコールに従ってスクリーニングされ、本発明の改善されたKREDポリペプチドとして包含するために適切な、増強した活性を有するKREDポリヌクレオチドを同定する。
【0125】
以下の配列は、配列番号2の野生型C.magnoliae KREDポリペプチド(Genbank登録番号 JC7338;GI:11360538にもまた、開示される)と比較した本発明のKREDポリペプチド改変体の多様性を要約し、ここで、「X」として表されその後に残基番号が続く、1つ以上のアミノ酸残基は、置換されて本発明のKREDポリペプチドを生じる:
【0126】
【化9】

本発明のKREDポリペプチドについての種々の残基位置における変化の多様性は、以下の表4において、矢印の右に示され、そして配列番号2のC.magnoliae KREDポリペプチド(Genbank登録番号 JC7338、GI:11360538)に対応するアミノ酸残基は、その矢印の左に示される:
【0127】
【表4−1】

【0128】
【表4−2】

【0129】
【表4−3】

【実施例】
【0130】
(実施例1:ケトレダクターゼの発現のための発現構築物の構築)
Candida magnoliaeケトレダクターゼの遺伝子のアナログを、E.coliにおける発現のためにコドンを最適化し、そしてGenBank登録番号 JC7338として開示される公知の配列に基づいて合成した。上記アナログ遺伝子を、60マーのオリゴマーを用いて合成し、そしてlacプロモーター遺伝子およびlacIリプレッサー遺伝子の制御下にある発現ベクター(図3のpCK110900)中にクローン化して、プラスミドpKREDを作製した。上記発現ベクターはまた、P15a複製起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子を含んでいた。いくつかのクローンは、(実施例4の方法により)活性なケトレダクターゼを発現したことが見出され、そして上記合成遺伝子を配列決定した。CR2−5と呼ばれる配列(配列番号1)を、全てのさらなる変異およびシャッフリングのための出発物質として使用した。CR2−5は、野生型Candida magnoliaeケトレダクターゼ(GenBank登録番号 JC7338)と約60%の核酸同一性を有していた。
【0131】
(実施例2:KREDの生成)
通気性振盪発酵槽において、0.528g/Lの硫酸アンモニウム、7.5g/Lのリン酸水素二カリウム三水和物、3.7g/Lのリン酸二水素カリウム、2g/LのTastone−154酵母抽出物、0.05g/Lの硫酸鉄および3ml/Lの微量元素溶液(2g/Lの塩化カルシウム二水和物、2.2g/Lの硫酸亜鉛七水和物、0.5g/Lの硫酸マンガン一水和物、1g/Lの硫酸銅四水和物、0.1g/Lのホウ酸ナトリウム十水和物および0.5g/LのEDTAを含有する)を含有する10.0Lの増殖培地を、30℃の温度まで上昇させた。
【0132】
上記発酵槽に、LB、1%グルコース(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)および30μg/mlのクロラムフェニコール(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)を含む振盪フラスコにおいて増殖した、Escherichia coli W3110(pCR2−5)の対数増殖期後期の培養物を植え付けて、600nm(OD600)で0.5〜2.0の初期吸光度とした。その発酵槽を、500rpm〜1500rpmで振盪し、そして空気を、1.0L/分〜15.0L/分で発酵管に供給し、そしてその培養物のpHを、20%v/v水酸化アンモニウムを添加することによって7.0に制御した。上記培養物が40のOD600に達した後、その温度を25℃まで低下させ、そして1mMの最終濃度までイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)(Sigma Chemical Corp.、St. Louis、MO)を添加することによって、グルコースデヒドロゲナーゼの発現を誘導した。上記培養物を、さらに15時間増殖させた。誘導後、細胞を遠心分離によって採取し、そして10mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄した。その細胞ペーストを、その後の回復プロセスにおいて直接使用するか、または使用まで−80℃に保存した。
【0133】
(実施例3:(凍結乾燥された)ケトレダクターゼ酵素調製物)
上記細胞ペーストを、細胞ペーストの湿重量の1容量に対して3倍容量の100mM トリス/硫酸塩(pH7.2)中に懸濁し、その後、Sorval 12BPにおいて40分間、5000gで遠心分離することによって洗浄した。上記洗浄した細胞ペーストを、2倍容量の100mM トリス/硫酸塩(pH7.2)に懸濁した。第1のパスについて14,000psigを用い、そして第2のパスについて8,000psigを用いた2パスのホモジナイザーに上記懸濁液を通すことによって、細胞内KREDを細胞から放出させた。上記溶解産物を室温まで温め、次いで、ポリエチレンイミン(PEI)(pH7.2)の10%w/v溶液をその溶解産物に添加して、0.75%w/vの最終PEI濃度とし、そして30分間攪拌した。上記処理したホモジネートを、Beckman実験用遠心分離機において、60分間、10,000rpmで遠心分離した。上記上清をデカントし、そして容器に再懸濁して、−20℃で凍らせ、凍結乾燥した。
【0134】
(実施例4:ケトレダクターゼ(KRED)酵素活性アッセイ)
細胞を、1%グルコースおよび30μg/mlのクロラムフェニコールを含有するterrific broth(TB)中で一晩増殖させた。その培養物を、30μg/mlのクロラムフェニコールを含有する新鮮なTB中に10倍希釈し、30℃で2時間増殖させた後、30μg/mlのクロラムフェニコールおよび8mMのIPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を含有する1/8容量のTBを添加した。その培養物(0.5ml)を、30℃でさらに6時間増殖させた。
【0135】
溶解緩衝液は、100mMのトリエタノールアミン緩衝液(pH7.0)、2mg/ml PMBS(硫酸ポリミキシン(polymixin) B)、2μlのDnase(2000U/ml)、1mg/mlのリゾチーム、1mMのPMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)を含む。
【0136】
細胞を、遠心分離によってペレットにし、そして、室温で2時間振盪することにより、0.25mlの溶解緩衝液中に溶解する。
【0137】
アッセイ混合物は、1容量の100mMのトリエタノールアミン緩衝液(pH7.0)、0.1mM〜0.2mMのNADPHまたはNADH、600mMのグルコースおよび600mMのグルコン酸と、1容量のエチル−4−クロロ−3−ケト−ブチレート(ECKB)(1部)および酢酸ブチル(2部)の溶液とを、10分間混合し、そしてその相を分離させることによって得られた水相である。上記反応を、100mM トリエタノールアミン緩衝液(pH7.0)中に予め溶解した溶液としてケトレダクターゼ酵素を添加することによって、開始した。反応の進行を、時間の関数として、340nmの吸光度の減少を測定することによるかまたは440nmの蛍光の光放射によって追跡した。その結果を、時間に対する吸光度単位または相対蛍光単位(RFU)(NADPHまたはNADH)としてプロットし、そのプロットの傾き(吸光度単位/分またはRFU/分)を決定した。
【0138】
本発明は、特定の実施形態に対する参照とともに記載されるが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされ得、そして等価物が置換され得ることを、当業者は理解する。さらに、多くの改変が、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または特定の物質を本発明の教示に適合するようになされ得る。従って、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲内にある全ての実施形態を含むことが意図される。
【0139】
(実施例5 KRED/GDH結合化学アッセイ)
pH電極制御自動滴定器を備える100mLの容器に、100mLのトリエタノールアミン緩衝液(pH7、25mL)中のグルコース(7.5g)の溶液を注いだ。この溶液に、上記2つの酵素(100mg KRED;50mg GDH)およびNADP(6.25mg)を注いだ。次いで、酢酸ブチル(10mL)を注いだ。最後に、酢酸ブチル(10mL)中の4−クロロアセト酢酸エチル(6g)を、その容器に注いだ。4M NaOHを、(6.85のpHを、下限値として設定した)自動滴定器によって必要に応じて滴下して、そのpHを常に7.0に調整した。水酸化物(caustic)が必要とされなくなった時に、その反応は完了した。その反応速度を、単位時間あたりの添加された塩基の量を測定することによるか、またはその反応混合物のサンプルをとり、そのサンプルを等しい容量の酢酸エチルで3回抽出し、そしてその合わせた有機層をガスクロマトグラフィーで分析して、単位時間あたりの(S)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルの量を決定することによって、決定した。
【0140】
本発明は、特定の実施形態に対する参照とともに記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされ得、そして等価物が置換され得ることを、当業者は理解する。さらに、多くの改変が、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または特定の物質を本発明の教示に適合させるようになされ得る。従って、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲内にある全ての実施形態を含むことが、意図される。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】図1は、酸化還元サイクルを例示する。このサイクル中、ケトレダクターゼは、還元剤NADPH存在下でβケトンを還元して、対応するβ−ヒドロキシ誘導体およびNADPとし、そして、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)は、酸化されてグルコン酸となるグルコース存在下で、NADPを還元しNADPHに戻す。この反応で生成されるグルコン酸は、水酸化ナトリウムで中和されグルコン酸ナトリウムとなる。
【図2A】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2B】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2C】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2D】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2E】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2F】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2G】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図2H】図2A〜2Hは、合わせて、それらの配列番号により同定された本発明のKREDポリペプチドと、示された5つの先行技術文献(図2Aの列1〜列5)のKREDポリペプチドとのアミノ酸同一性%を比較する表を提供する。第一の先行技術文献(WO200155342)のアミノ酸配列は、配列番号2(CR2−05)として提供される。図2A〜2Hを作成するために、Global Alignment Scoring Matrix:導入ギャップ=−22.183および伸長ギャップ=−1.396のギャップペナルティを有するPAM120マトリックスのための動的計画法アルゴリズムを使用して、アライメントを行った。同一性%は、第一配列と第二配列との間の同一残基の数を、部分一致を示すアライメント(ギャップを有する)(p)において第一配列の長さで割ったものと等しい。Needleman,S.B.およびWunsch,C.D.「A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins」Journal of Molecular Biology,48:443〜453(1970)を参照のこと。
【図3】図3は、P15A複製起点(P15A ori)、lacI、CAP結合部位、lacプロモーター(lac)、T7リボソーム結合部位(T7g10 RBS)、およびクロラムフェニコール耐性遺伝子(camR)を含む本発明の4036bpの発現ベクター(pCK110900)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
KREDポリペプチドであって、該KREDポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドの少なくとも1.5倍のKRED活性を有し、かつ、該KREDポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも90%相同性である、KREDポリペプチド。
【請求項2】
KREDポリペプチドであって、該KREDポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドの少なくとも1.5倍〜約25倍のKRED活性を有するが、配列番号2の骨格と、A2V;K3E;F5LまたはF5C;N7K;E9GまたはE9K;A12V;P13L;P14A;A16GまたはA16V;T18A;K19I;N20DまたはN20S;E21K;S22NまたはS22T;Q24HまたはQ24R;V25A;N32SまたはN32D;A36T;S41G;S42N;I45L;A48T;V56A;V60I;Y64H;N65K、N65D、N65YまたはN65S;S66GまたはS66R;H67LまたはH67Q;D68GまたはD68N;G71D;E74KまたはE74G;K78R;K79R;K85R;A86V;N90D;S93NまたはS93C;D95N、D95G、D95V、D95YまたはD95E;K98R;Q99L、Q99R、またはQ99H;T100A;I101V;Q103R;I105VまたはI105T;K106RまたはK106Q;H110Y、H110CまたはH110R;V114A;A116G;I120V;K124R;D129GまたはD129N;D131GまたはD131V;D132N;K134M、K134V、K134EまたはK134R;D137NまたはD137G;Q138L;V140I;D143N;L144F;K145R;V147A;V150A;H153YまたはH153Q;H157Y;F158LまたはF158Y;R159K;E160GまたはE160V;F162YまたはF162S;E163GまたはE163K;E165D、E165GまたはE165K;K167IまたはK167R;A170S;V172I;F173C;M177VまたはM177T;H180Y;V184I;T190A;A193V;A194V;F201L;K203R;F209Y;V218I;N224S;E226K、E226GまたはE226D;S228T;D229A;V231IまたはV231A;Q223KまたはQ223R;E234GまたはE234D;T235KまたはT235A;N237Y;K238RまたはK238E;T251A;V255A;F260L;A262V;T272A;I274L;I275LまたはI275V;およびP283Rからなる群より選択される1〜20個の残基の変化とを有する、KREDポリペプチド。
【請求項3】
KREDポリペプチドであって、該KREDポリペプチドは、配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号304、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、および配列番号542からなる群より選択されるアミノ酸を有する、KREDポリペプチド。
【請求項4】
KREDポリペプチドであって、該KREDポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドの少なくとも1.5倍〜約25倍のケトレダクターゼ活性を有し、そして、該KREDポリペプチドは、
(a)配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号304、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、および配列番号542と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を有するか;
(b)(i)配列番号223、配列番号243、配列番号245、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号259、配列番号303、配列番号343、配列番号353、配列番号357、配列番号359、配列番号363、配列番号367、配列番号373、配列番号381、配列番号385、配列番号387、配列番号399、配列番号407、配列番号437、配列番号439、配列番号447、配列番号469、配列番号483、配列番号485、配列番号487、配列番号489、配列番号501、配列番号505、配列番号507、配列番号511、配列番号513、配列番号515、配列番号517、配列番号519、配列番号521、配列番号523、配列番号525、配列番号527、配列番号529、配列番号531、配列番号533、配列番号535、配列番号537、配列番号539、または配列番号541のヌクレオチド配列、(ii)少なくとも100ヌクレオチドの(i)の部分配列、または、(iii)(i)もしくは(ii)の相補鎖のうちのいずれかと、中程度のストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズする核酸配列によってコードされるか;
(c)1〜6個のアミノ酸の置換、欠失、および/または挿入を含む、配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、および配列番号542のポリペプチド改変体であるか;
(d)配列番号224、配列番号244、配列番号246、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号260、配列番号303、配列番号344、配列番号354、配列番号358、配列番号360、配列番号364、配列番号368、配列番号374、配列番号382、配列番号386、配列番号388、配列番号400、配列番号408、配列番号438、配列番号440、配列番号448、配列番号470、配列番号484、配列番号486、配列番号488、配列番号490、配列番号502、配列番号506、配列番号508、配列番号512、配列番号514、配列番号516、配列番号518、配列番号520、配列番号522、配列番号524、配列番号526、配列番号528、配列番号530、配列番号532、配列番号534、配列番号536、配列番号538、配列番号540、および配列番号542のポリペプチドからの少なくとも220アミノ酸残基フラグメントであるか;あるいは、
(e)50℃にてpH7で60分間インキュベーションした後に、最初のKRED活性の60%より多くを保持する、(a)、(b)、(c)または(d)のポリペプチドであるか;
のいずれかである、KREDポリペプチド。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のうちのいずれか1項に記載のKREDポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求5に記載のポリヌクレオチドを含むヌクレオチド構築物であって、遺伝子発現を制御する一つ以上の異種調節配列に対して作動可能に連結されている、ヌクレオチド構築物。
【請求項7】
請求項5に記載のポリヌクレオチドを含むベクターであって、該ポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチドによってコードされる前記KREDポリペプチドの発現の制御配列に対して作動可能に結合されており、該ベクターは、宿主細胞内で該KREDポリペプチドを発現するように該宿主細胞を形質転換し得る、ベクター。
【請求項8】
前記KREDポリペプチドをコードする請求項5に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、該ポリヌクレオチドは、該宿主細胞内で該KREDポリペプチドの発現のための一つ以上の制御配列に対して作動可能に連結されている、宿主細胞。
【請求項9】
単離されかつ精製された、請求項1に記載のKREDポリペプチド。
【請求項10】
凍結乾燥形態の請求項1に記載のKREDポリペプチド。
【請求項11】
緩衝化媒体中に請求項1に記載のKREDポリペプチドを含む、組成物。
【請求項12】
補因子としてNADHを用いることについて増加した特異性を有する請求項1に記載のKREDポリペプチドであって、配列番号2の骨格を有し、E226が変異している、KREDポリペプチド。
【請求項13】
請求項12に記載のKREDポリペプチドであって、E226がG、D、またはKである、KREDポリペプチド。
【請求項14】
増加した熱安定性を有する請求項1に記載のKREDポリペプチドであって、該KREDポリペプチドは、配列番号2の骨格を有し、P14、V140、V184またはA194が変異している、KREDポリペプチド。
【請求項15】
請求項12に記載のKREDポリペプチドであって、P14がAであるか、またはV140がIであるか、またはV184がIであるか、またはA194がVである、KREDポリペプチド。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−502124(P2007−502124A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523448(P2006−523448)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/026655
【国際公開番号】WO2005/017135
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(506038257)コデクシス, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】