説明

改質触媒のオフ−サイト再生

本発明は、改質触媒の再生法に関する。触媒は、一般的に、少なくとも1種の貴金属、好ましくは、元素周期律分類第VIII族からの金属、場合による少なくとも1種の追加金属、少なくとも1種のハロゲンおよび少なくとも1種の多孔性媒体を含む。本発明の方法は、少なくとも1回の使用済み触媒の燃焼期および少なくとも1回のオキシハロゲン化段階を包含し、これらの段階は、単一の再生領域において行われ、該領域には、再生されるべき触媒が流動床の形態で置かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触改質からの触媒を再生する方法に関する。触媒は、一般的に、元素周期表の第VIII族からの金属であり得る少なくとも1種の金属、とりわけ、この第VIII族の貴金属または銀、金等の他の貴金属を含む。白金が好適に使用される。触媒は、場合によっては、元素周期表の7、8、9、10、13および14族からの金属および銅によって形成される群から選択される少なくとも1種の追加金属を含み、それは、さらに、少なくとも1種のハロゲン、好ましくは塩素、および少なくとも1種の無定型多孔質支持体(好ましくは、アルミナベースを有する)を含む。最も頻繁に用いられる改質触媒は、スズまたはレニウムと組み合わされ、かつガンマタイプのアルミナ上に担持された白金を含む。
【背景技術】
【0002】
接触改質法は、蒸留によって得られた、オクタン価が低い重質ナフサの品質を向上させるために精油業者によって非常に広範に用いられる方法である。1分子当たり7〜10個の炭素原子を含有する炭化水素を主として含む重質ナフサ仕込原料の化学転換は、主として、芳香族炭化水素仕込原料中に含まれるn−パラフィンおよびナフテンの転換にあり、この転換の反応により、研究された大抵のものは、強い吸熱性である。接触改質と呼ばれる前記転換は、一般的に、高温(500℃程度)、平均的な低圧(3.5×10〜25×10Pa)および触媒の存在下に得られる。それは、改質油、水素に富むガス、可燃性ガス(C−C)および液化ガス(C+C)並びにコーク(coke)を生じさせる。
【0003】
改質触媒は、一般的に、小さい棒状(押出物状)、ボール状または粒子状の形態の多孔質固体であり、アルミナ、塩素、白金および元素周期表からの第7、8、9、10、13および14族の金属および銅によって形成される群から選択される追加金属、例えばタリウム、マンガン、ゲルマニウム、インジウム、イリジウム、レニウム、スズ等、好ましくはレニウムまたはスズを含む。改質触媒は、高度な調合物であり、貴金属(単数または複数)を使用しているためにその費用は非常に高い。
【0004】
接触改質法の間に、触媒活性は、主として表面上へのコークの沈着によって徐々に低減させられる。このため、定期的に、一般的には窒素によって希釈された空気存在下での制御された燃焼によるコークの除去を主として含む再生操作(以降、コーク燃焼と呼ばれる操作)およびオキシ塩素化−酸化性環境下に塩素または塩素化された有機化合物を添加することによって主として金属を再分散させるがアルミナの酸性度を調整することもできる−(以降、オキシ塩素化と呼ばれる操作)に進むことが必要である。
【0005】
改質触媒の再生のための従来の操作は、現場内(in-situ)、すなわち、精油所の現場(オン−サイト)で行われ、それは、用いられる接触改質法に応じて異なるようにして行われる。
【0006】
接触改質法が、連続タイプの方法またはCCR、すなわち、連続的接触改質(Continuous Catalytic Reforming)である場合、触媒は、仕込原料が流れ、かつ接触改質に関係する化学反応が起こる反応帯域内を徐々に流れ(循環床)、その後、それは、最後の反応帯域から抜き出され、再生帯域に搬送される(特許文献1等)。
【0007】
触媒の一サイクル(反応+再生)の継続時間は、一般的に0.1〜10日である。再生帯域では、触媒は、まず第一に、一般的には、蓄積液貯め内に格納され、次いで、再生帯域自体に運ばれ、ここで、コークの燃焼、次いで、オキシ塩素化に進む。触媒は、一般的には、蓄積液貯めを通過した後、触媒を改質反応に対して活性であろう状態にすることを可能にする還元操作および場合によっては、用いられる追加金属の、硫黄による、不動態化に対応する、追加金属の性質に応じて行われる操作である硫化操作(この硫化は、例えばレニウムのために用いられるが、スズのためには用いられない)の後に、第一の反応帯域に再搬送される。しかし、前記還元操作および前記場合による硫化操作はまた、第一反応帯域においても行われ得る。最後に、この場合に、触媒は、反応帯域とは別であるが、直接的にそれらと連絡する帯域において再生される。
【0008】
改質法が半再生タイプ(固定床とも呼ばれる)の方法である場合、触媒は、仕込原料が循環する反応帯域内に存在するが、接触改質に関係する化学反応が行われる間、触媒はある反応帯域から別の帯域に循環しない。この場合、再生は、操作の苛酷さに応じて、定期的に、一般的には3〜12ヶ月使用する毎に7〜10または15日にわたり行われる。触媒は反応帯域にとどまり、この反応帯域が再生帯域になる。複数の反応帯域を含む所定タイプの方法では、一帯域を他の反応帯域から隔離させ、この結果これが再生帯域としての機能を果たす一方で他の反応帯域が接触改質を行い続けることも可能であるが、この場合、全反応帯域内に存在する触媒の一部のみが再生される。このため、この場合、触媒は、反応帯域でもある帯域内で再生される。
【0009】
接触改質法が混合された技術処理過程である場合もあり、すなわち、単一の処理過程が、半再生技術を用いる反応帯域および連続的技術を用いる反応帯域と関係する。この場合、2タイプの再生が用いられる。
【0010】
従来通りでありかつ精油所において広範に用いられるこれらの接触改質法は、用いられる再生系における柔軟性の欠如に主として起因して操作中に欠点を有する。
【0011】
実際に、CCRタイプの方法における再生は、反応帯域において起こる事象に直接的に直面し、前記帯域のあらゆる異常な操作は、再生帯域の操作に直接的な悪影響を有する。これは、再生帯域は、一般的に、正常な使用法の条件下にのみ操作するようにプログラムされているからである。このため、正常な操作中の含有量、一般的には4〜5重量%のコークに対して、再生されるべき触媒中のコーク含有量が大きくなるあらゆる性能低下は、再生帯域内の大きな発熱性の問題を防止するために触媒の再生速度を遅くすることを必要とし、全体として、仕込原料の処理量が低下し、したがって、装置の生産量が低下するに至り、これは、精油業者に費用面で大きな負担をかけるか、あるいは、触媒を全体的に交換し、白金を回収する会社に使用済みの触媒を送る(再利用可能でない場合)。さらに、コークの燃焼は、不完全であり得る。
【0012】
半再生タイプの方法での再生に関して、それは、全体的な再生期間中に製造装置を停止させることを必要とし、これは、精油業者に費用の面で大きな負担をかけ、これは、反応帯域における性能低下が長くなる程、正常な操作中よりもコーク含有量がより高くなることになる。
【0013】
さらに、このような接触改質法での再生はまた、技術的な問題を提起する。このため、このような再生は、コークを燃焼させるために窒素によって希釈された空気(0.1〜1容積%の酸素含有量を有する)の使用(特に燃焼ガス処理量が大きい場合)および前記工程の間に塩素化された化合物の注入を含み、これは、環境に対する問題を提起する。さらに、従来技術により連続タイプの方法(CCR)または半再生タイプで行われる再生は、全触媒粒子に対する燃焼またはオキシ塩素化処理において完全な均質性を確実に保証することを可能にしない。最後に、このようなオン−サイト再生を含む接触改質法は、触媒の全体の品質を評価することを可能にしない。装置から引き出された(製造および再生中の)触媒のあらゆるサンプルは局在化し、触媒塊全体の典型ではないからである。例えば、触媒塊を通しての不完全なコーク燃焼は、触媒の1回のサンプリングでは分からないだろう。したがって、接触改質法は、精油および石油化学法に特定すると、恒久的かつ可及的に精密に、触媒の監視を必要とする。さらに、従来技術では、必然的に、2タイプの再生の実施がある。所定の技術では、再生は移動床内で行われ、触媒は、コーク燃焼とオキシ塩素化の別々の帯域を循環する。他の技術では、再生は、単一の固定床内で行われ、各再生工程は、この床内で行われる。
【0014】
オフ−サイトの触媒再生の方法は、水素化処理から来る使用済み触媒を精製することにある。それらは、主として、残留炭化水素をストリッピングする工程と、硫黄および炭素を燃焼させる工程とを包含する。しかし、それらは、オキシ塩素化工程を包含していない。水素化処理触媒は、一般的には、貴金属を含んでおらず、このため、接触改質触媒と同じ再生処理を経ない。
【特許文献1】米国特許第5034117号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
現在用いられている接触改質からの触媒の従来のオン−サイト再生法と少なくとも同等に良好であり、より良好であることもある技術的結果につながる、接触改質からの使用済み触媒のオフ−サイト再生の方法を提案することができるように、オフ−サイト再生をより一層向上させることが探求されている。
【0016】
本発明の他の目的は、炭化水素処理からの、少なくとも1種の貴金属、好ましくは白金を含むあらゆる使用済み触媒の、再生が少なくとも1回のコーク燃焼工程および前記貴金属を再分散させるための1回のオキシハロゲン化、好ましくはオキシ塩素化工程を含まなければならないオフ−サイト再生法を提案可能にすることである。本発明による再生処理は、支持体上に沈着したコークの大部分を除去し、金属相を再分散させることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このため、本発明は、改質からの、元素周期表の第VIII族からの少なくとも1種に金属、とりわけ、白金族(パラジウム、白金、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウム)からの貴金属または任意の貴金属、例えば銀、金、場合によっては、元素周期表の7、8、9、10、13および14族からの金属および銅から形成される群から選択される少なくとも1種の追加金属、場合によりおよび好ましくは少なくとも1種のハロゲン、好ましくは塩素および少なくとも1種の多孔質支持体、好ましくはアルミナを含む使用済み触媒の再生法に関する。白金が好ましい金属であり、場合によっては、追加金属であるレニウムまたはスズが伴われる。
【0018】
本出願人による特許EP−B−710502には、
− 酸素を含むガス存在下、300〜680℃、好ましくは350〜550℃、より一層好ましくは350〜470℃の温度での、0.3〜7時間の期間にわたる少なくとも1回の前記触媒上に存在するコークの燃焼;
− 制御された空気雰囲気中、300〜650℃、好ましくは350〜550℃の温度での、0.3〜3時間の期間にわたる、ハロゲン化された化合物の存在下での少なくとも1回のオキシハロゲン化、好ましくはオキシ塩素化工程
の少なくとも2つの連続的な工程を包含し、該方法は、オフ−サイトで行われ、移動床(すなわち、移動している)炉から選択される炉が燃焼の工程(1)およびオキシハロゲン化の工程(2)のために用いられる、オフ−サイト再生法が記載されている。
【0019】
移動床炉の中には、攪拌式床炉(stirred bed furnace)、振動式床炉(shaking bed furnace)(すなわち、反応器が円筒型または放射状構造のいずれであっても薄層から作製される)、流動床炉または他の炉、例えば循環式床炉等がある。例えば、回転羽根(rotolouver)タイプ(すなわち、攪拌され、かつ、薄層から作製される移動タイプ)の炉またはベルトタイプ(すなわち、薄層から作製される移動する)炉が用いられ得る。
【0020】
本特許では、触媒は、燃焼工程が行われる帯域からオキシハロゲン化の帯域に移動する。
【0021】
本発明による方法は、EP−B−710502に対する改良であり、該方法は、単一の反応器または単一の流動床炉(より一般的には移動床、ただし、下記では従来通り、「流動」床とも称する)を用いる再生の多段工程である。使用済み触媒は、この反応器に導入され、そこで、連続的に下記工程を経る:
−(1)場合による、空気、窒素またはこれら2種のガスの混合気下でのストリッピング(該ストリッピングは、この反応器の外側でも行われ得る)、
−(2)漸進的なコーク燃焼:この工程(2)は、酸素分子を含むガス、例えば、窒素によって適宜希釈される空気の存在下、一般的には300〜680℃、好ましくは350〜550℃の温度、0.5〜10時間の期間にわたる前記触媒上に存在するコークの燃焼工程である:好ましくは、工程(2)は、可変の温度、開始時には空気(窒素により適宜希釈される)下に低温(250〜450℃)、次いで、最終段階ではより高温(500〜550℃)で行われる、
−(3)再生されるべき触媒のオキシハロゲン化、とりわけオキシ塩素化:EP−B−710502に反して、燃焼およびオキシハロゲン化の2工程が同時に、または、少なくとも部分的に一緒に行われ、後者が行われることもあり得;この場合、したがって、オキシハロゲン化工程は、燃焼工程と少なくとも部分的に混合されるかまたは全体的に混合される(一緒に行われる)ことが留意される;場合によっては、先行工程の終了時と少なくとも部分的に混合されるオキシハロゲン化工程は、金属を再分散させるための水および塩素化された化合物の添加による燃焼から区別される;オキシハロゲン化工程の後、適宜、酸化性ガス、好ましくは空気の処理量を維持または増加させつつ、水および塩素化された化合物の注入を中断することからなる焼成が行われる、
−(4)窒素によるパージ後の純粋なまたは希釈されたハロゲン下の還元、
−(5)場合による、水素下に冷却する工程中の、硫化された化合物を導入する硫化または不動態化(下記では適宜用語「硫化」を用いている);この工程は、場合によっては、先行工程と部分的に混合され得る。
【0022】
したがって、オフ−サイトまたは現場外の流動床内での改質触媒を再生する完全な方法が含まれるが、ある工程から他の工程に触媒が循環しない場合(該触媒は、非循環と呼ばれる)、それは、この処理の異なる工程の間同一の反応器内に閉じ込められてとどまるが、「それ自体の周囲」を循環する。言い換えると、処理の間のその平均的な統計的経路は0である。それは、「バッチ」法である。工程(2)、(3)および(4)は、反応器または炉の同一帯域内で行われ、工程(2)および(3)は、同時または少なくとも部分的に一緒に行われる。本発明方法はまた、US−A−5,866,495またはUS−A−5,573,988のいずれかに対する改良として現れる。US−A−5,866,495は、ゼオライトLをベースとする改質触媒の再生に関するものであり、種々の燃焼、オキシハロゲン化および還元工程が固定床内で行われている。US−A−5,573,988も、固定床内での再生工程を有している。
【0023】
本発明による新方法の利点は次の通りである:
−バッチ法により、工程において柔軟性を有することができる:所定の触媒は炭化水素を含み、このため、前もってストリッピングされ(工程1)、他の場合にはこのような工程を行わない、
−バッチ法により、工程の「長さ」、すなわち、各工程での休止時間において柔軟性を有することができる;所定の触媒は、炭素5%のみであり、他が15または20%であり、可変の条件下で炭素を除去する発熱工程の管理を必要とする(例えば、従来のCCRループは、どのようにするかは分からない)、
−バッチ法により、白金の再分散工程において柔軟性を有することができる;ここで再度、使用済み触媒についての白金の分散は、可変であり得、オキシ塩素化中可変の休止時間または条件を必要とする、
−バッチ法により、必要であれば特定の工程を加えることができる;硫黄によって被毒された触媒は、それを脱硫するために特別なサイクルを部分的に必要とするだろう:水素を用いる「シャンプーイング(shampooing)」と呼ばれることもある操作は、部分的に水素下でおよび部分的に酸素下で場合によってはハロゲン下での、一部の硫黄を脱着させるための代替の高温処理である、
−「サブロット」を全体のバッチから孤立させ、したがって、これを特徴付けることが可能性であり、これは、これらの精密な規格を有する不均一触媒の品質管理および追跡性能にとって有用である、
−バッチ法の関連で高価な貴金属を含有する生成物の「監視」の管理が良好である;触媒は、格納位置から単一の反応器を通り、そこで、全体的な再生サイクルを経、格納位置に戻る、
−複数の位置的に別の工程を含む連続式装置と比較して微粒子およびゴミの生成が小数の位置に限定される、
−投資額が相当低減する、
−簡単な容器を有する回転式炉より気−固接触が良好になり、したがって、オキシ塩素化からの結果がより良好になる、
−より一般的には、所定タイプの触媒が特定の処理配列を必要とする場合、このタイプの方法は、大きな柔軟性をもって対応することを可能にする。
【0024】
本発明による方法は、この方法が固定床または移動床タイプのいずれのものであっても、白金を含有する使用済み触媒、例えば、石油化学仕込原料を(改質によって)処理する方法から来るものの処理に特に良好に適している。
【0025】
本発明による再生法により、精油業者は、従来技術のオン−サイト再生によって提起された問題を解消することができる。特に、前記方法により、少なくとも1種の貴金属、好ましくは白金を含む触媒を再生する2つの主要工程(コーク燃焼およびオキシ塩素化の工程)をより良好に制御することができる。さらに、本発明による再生法により、少なくとも1種の貴金属を含む触媒の反応位置の外部からの操作が可能である。主として、少なくとも1種の貴金属およびオフ−サイトキハロゲン化工程、好ましくはオフ−サイトキシ塩素化を含む非常に費用のかかる触媒の操作が克服困難な障害であったことに主として起因して、このことは今までの当業者によって予想されないだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(本発明の要約)
本発明による再生法は、オフ−サイトで行われる;すなわち、本発明の再生法は、接触改質装置の外部、より一般的には精油所の場所の外部で行われる。触媒は、精油所の反応帯域から取り除かれ、次いで、再生された後に、前記帯域に戻される。
【0027】
本方法の任意の工程(1)であるストリッピングは、触媒がその孔に吸着された炭化水素を含む場合に有用である。吸着された炭化水素は、触媒を酸化雰囲気中高温に送り込む前に除去されなければならない。このストリッピングは、本発明に従って、空気または窒素またはこれら2種の気体の混合気下のいずれかで行われる。
【0028】
工程(2)の燃焼は、コークの構成物である炭素および水素を、可変の温度、より詳細には、上記に示すように、開始時には空気(窒素により適宜希釈される)下に低温(250〜450℃)で、次いで、最終段階でより高い温度(500〜550℃)で、漸進的に燃焼させることからなる。この最後の工程は、オキシ塩素化または金属相の再分散と呼ばれる工程(3)と統合される。場合によっては、この工程に次いで、焼成を行ってもよい。焼成は、酸化ガス、好ましくは空気の処理量を維持または増加させながら水および塩素化された化合物の注入を中断することからなる。その後、場合によっては、用いられた触媒のタイプに種々応じて他の処理工程を続けてもよい。したがって、接触装置において使用する準備ができている活性化された触媒を後に得るために、還元の工程(4)に進むことが望ましい。それは、不可欠な、反応器からの窒素のパージの後の純粋なまたは希釈された水素下に、一般的には200〜700℃、好ましくは400〜550℃の温度で行われる。最後に、触媒は、上記の「硫化」と任意に呼ばれる、最終工程である工程(5)を必要とし得る。したがって、これは、「微調整」、例えば、硫黄含有分子を添加することにる不動態化または選択性化(selectivization)であり得る。これは、所定の触媒、とりわけ白金と共にレニウムを含むもののために必要であり、レニウムは、水添分解しがちな性質を有し、これは、選択的硫化によって破壊され得る。この工程は、好ましくは、水素を含むガスの存在下、硫化された化合物の存在下に行われる。硫化された化合物は、硫黄(モノ、ジまたはポリ硫黄)、硫化水素、チオール、チオフェノール性化合物および硫黄を含み水素圧下にHSに分解することができる任意の他の化合物を含む群から選択される。この工程は、水素下の冷却工程中に行われ得るので、部分的に、先行の工程と統合され得る。任意のオフ−サイト硫化工程は、従来の処理工程および硫化化合物である。
【0029】
したがって、本発明による方法は、場合により触媒の硫化工程を続けて行ってよい還元工程を含む。しかし、硫化工程はまた、精油所の場所、すなわち、その場、一般的には接触改質装置内で行われ得る。
【0030】
(詳細な説明)
本発明の方法により再生される触媒は、銀、金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金によって形成される群から選択される少なくとも1種の貴金属、好ましくは白金、場合によりおよび好ましくは少なくとも1種のハロゲン、好ましくは塩素(接触改質からの使用済み触媒の場合には塩素の含有量は一般的には0〜3重量%、好ましくは0.5〜1.1重量%である)およびアルミナ、シリカ、ゼオライトまたは石炭タイプの支持体の中から選択される少なくとも1種の多孔性支持体を含む触媒であり、好ましくは、該触媒は、接触改質触媒である。接触改質触媒の場合には、本発明により再生される触媒は、一般的には小型ロッド状(押出物状)、ボール状または粒子状の形態である多孔質固体であり、これは、最も頻繁には、アルミナ、塩素、白金および少なくとも1種の追加金属からなる。追加金属は、一般的には、元素周期表の第7、8、9、10、13および14族の金属および銅によって形成される群、例えば、タリウム、マンガン、ゲルマニウム、インジウム、イリジウム、レニウムまたはスズから選択され、好ましくはレニウム、イリジウムまたはスズである。
【0031】
本発明により再生される触媒の調製は従来通りである。本発明によると、改質触媒の場合、それは、一般的には、含浸中に支持体上へ金属を固定する工程を包含し、水溶性のイオン性の前駆体は、支持体の表面において交換される:次いで、触媒は、遠心分離され、ろ過され、そして、乾燥させられ;次いで、それは、一般的には500℃よりわずかに高い温度で一掃する空気下での焼成を経る。焼成の後、触媒は、再度、すぐに使用できるために還元されなければならない。この操作は、水素圧力下に高温で行われる。最後に、炭化水素と接触させる前に、一般的には、硫化された化合物を注入することによって金属性小粒子の水添分解活性を低下させることが必要である:これは、触媒を硫化する任意の工程であり、これは、特に、追加金属がレニウムまたはイリジウムである場合に用いられる。
【0032】
使用済み触媒、すなわち、再生されなければならないものは、一般的に、炭素を少なくとも1重量%、好ましくは3〜20重量%含む。本発明によると、接触改質からの使用済み触媒の場合、その塩素含有量は、一般的には0.5〜1.1重量%である。
【0033】
本発明によると、工程(1)は、炭化水素をストリッピングする工程である。それは、使用済み触媒がフリーの炭化水素の全てを含むわけではない限りにおいては任意である。それは、窒素、希釈された空気または純粋な空気下に反応器内でひとまとめにして行われる。処理ガスが窒素であれば、操作は発熱性であり、それは、床が流動化されない様式で行われることが可能であるだろう。好ましくは、高処理量の酸素含有ガスを用いる操作、したがって、流動床は、決して選ばれることはなく、この結果、床の温度は、可及的に迅速に上昇させられ得る。このため、操作は、炭素燃焼の工程(2)と統合され、この工程は、酸化性雰囲気中の温度上昇期間中は外見上平明であり得る。既存のガス中の炭化水素含有量は、爆発性の制限より下であるように十分に低くなければならない。
【0034】
したがって、本発明によると、工程(2)は、酸素を含むガスの存在下に、300〜680℃、好ましくは350〜550℃の温度で、0.5〜10時間の期間にわたり前記触媒上に存在するコークを燃焼させる工程である。本発明による再生法の範囲では、このコーク燃焼工程(2)は、流動(または移動)床炉内で行われる。燃焼工程において用いられるガスは、空気および窒素の混合物または純粋な空気のいずれかである。あらゆる場合に、非常に大きな警戒をもって追跡されるべきパラメータは温度であり、コーク燃焼反応は明らかに大きな発熱性である。このような流動床炉は、高処理量のガスを用いることを可能にし、したがって、固定床法、例えば、US−A−5,866,495またはUS−A−5,573,998に開示された方法とは違って、産生された熱を良好に排出することができる。他方、接触改質からの触媒の好ましい場合では、同様にモニタリングされるべき重要なパラメータは、触媒の塩素含有量である。使用済み触媒の塩素含有量は、炭素の除去前では、しばしば、約1%である。炭素を除去するための秘訣は、この含有量が余りに低い濃度、例えば、0.5重量%未満に落ちることを避けることである。重要な条件は、乾燥ガス(例えば、空気)を用いることである。このガスの湿度特性は、露点によって表現され得る:露点は、好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃である。現場内再生法と同様に、燃焼反応から産生された高濃度のCO/COまたはHOに触媒が曝されないことが重要である。流動床炉は、大処理量の乾燥ガスを注入することを可能にし、これにより、生成物の品質に有害なこれらの化合物の濃度が制限される。最終的に、ホットポイントおよび優先的なガス経路が低減させられる。
【0035】
本発明によると、工程(3)は、オキシハロゲン化工程である。触媒は、同一の反応器内に残るので、それは工程(2)に容易に統合される。それは、水および塩素化された化合物を、酸化性ガスと共に加えることからなり、これにより、金属性の凝集物を破壊し、それらを支持体表面上に分散したアニオンに変換することが可能になる。用いられるガス、とりわけ空気の制御された雰囲気は、一般的には300〜650℃、好ましくは350〜550℃温度で、好ましくは0.1〜1%(容積)の水、およびハロゲン化された化合物、好ましくは塩素化された化合物を含み、化合物は、分子当たり好ましくは1〜6個の炭素原子および1〜6個の塩素原子を含み、例えば、四塩化炭素CClまたはジクロロプロパンCClである。最終的なハロゲン性触媒の含有量は、0.2重量%より高く、とりわけ0.8〜1.9重量%であり、このハロゲンが一般的には塩素である改質触媒の好ましい場合には、一般的には0.9〜1.2重量%でなければならず、好ましくは、1.0〜1.1重量%である。この工程(3)の継続時間は、例えば、0.3〜7時間であり得る。
【0036】
このようなタイプの流動床または流動床炉の使用は、全ての再生工程について、触媒の処理の均質性を改善することを可能にし、例えば、処理ガスの優先的経路の形成を回避する。さらに、前記オキシハロゲン化工程(3)、好ましくはオキシ塩素化は、操作条件の大きな柔軟性をもって行われ得、したがって、本発明によると、ハロゲンが塩素である好ましい場合には、過剰塩素化条件下に操作することが可能であり、例えば、前記オキシ塩素化工程中の触媒の塩素含有量が1.5重量%より高くなることにつながる。したがって、この過剰塩素化は、金属相の再分散において大きな効果を有することを可能にする。他方、アルミナ支持体上に過剰な酸性特性を与えるのでこの塩素含有量は最終触媒には望ましくなく、そこで、それは、改質触媒に許容される、0.9〜1.2重量%前後の好ましい塩素含有量の範囲に達するように低減させられ得る。
【0037】
オキシ塩素化工程(3)から来る触媒の特徴は、一般的に、次の通りである。前記触媒のコーク含有量は、一般的には1重量%未満、好ましくは0.2重量%未満である。上記に示されるように、塩素含有量は、一般的には0.2ハロゲン重量%より高く、改質触媒のためにより特定的には、前記含有量は、一般的には0.8〜1.9塩素重量%、好ましくは0.9〜1.2塩素重量%、一層より好ましくは1.0〜1.1塩素重量%である。金属相の分散は、オキシハロゲン化処理、好ましくはオキシ塩素化によってかなり増加させられる必要がある。分散は、無次元値によって表現され、これは、表面に接近可能な金属の原子数とか全原子の数との比であり、それは、ガス定量化化学吸着である水素/酸素滴定の技術によって測定される。触媒の比表面積は、一般的には、オキシハロゲン化処理、好ましくはオキシ塩素化によってほとんど改変されない。改質触媒の場合、比表面積は、一般的には50〜300m/g、より頻繁には120〜230m/gである。
【0038】
(実施例)
下記実施例は、決してその範囲を制限することなく、従来技術と比較することによって本発明を説明する。それらは、パイロット法のスケールで行われた。
【0039】
(実施例1:本発明によらない比較:固定床での再生)
0.25%の白金および0.25%のレニウムを主成分とするナフサ改質からの使用済み触媒は、0.73重量%の塩素、14.5重量%の炭素および0.8重量%の炭化水素を含む。酸化物ベース100g当量が、断熱反応器に充填され、該断熱反応器は、この反応器を通る予熱されたガスの流れを有している。このガスは、窒素、空気、これら2種のガスの混合ガスであり得、下記に説明されるように、水蒸気またはジクロロプロパンをこれに添加させ得る。
【0040】
触媒は、最初に、揮発性炭化水素の脱着工程、すなわち、「ストリッピング」(1)を経、次いで、炭素燃焼工程(2)、オキシ塩素化(3)が行われる。これは、下記のように進む。
【0041】
温度は、窒素の処理量を200L/hにしながら4時間内で220℃にされる(ストリッピング工程1)。その後、これは、燃焼工程(2)およびオキシ塩素化工程(3)に進む。これらは統合される。ここで、ガスを、次の容積組成とする:0.5%酸素、0.8%水、0.04%塩素(ジクロロプロパンの形態で導入;これは、反応すると塩酸HClを形成する)を含む乾燥窒素。温度は6時間内で350℃に昇温させられる。1時間の安定期が観察され、次いで、酸素含有量は、1時間の間に1%に増量させられ、次いで、1時間の間に3%に増量させられ、次いで、1時間の間に5%に増量させられる。その後、温度は、0.5%のOの混合物下に1時間内に400℃に昇温させられ、ここで、0.5、1.3、5%のOで2時間の安定期が観察される。その後、450℃、490℃および最終の510℃で1時間安定状態にされる。次いで、酸素含有量は、4時間の間に10%に増量させられる。次いで、温度は、再度、この雰囲気下に2時間の間に300℃に降温させられ、次いで、塩素および水なしで220℃に降温させられる。
【0042】
得られた結果は、表1に要約される。
【0043】
炭素含有量は、LECO装置によって測定され、比表面積は、BET法によって測定される。水素下の還元後の酸素吸着量によって測定された金属分散は、表面の金属原子の%で表現される。塩素含有量の測定は、伝導度測定法(conductimetry)技術(銀溶液を用いる滴定、0.1Nの硝酸溶液が、塩素を触媒表面から放出させるために用いられた)によって行われる。
【0044】
【表1】

【0045】
塩素含有量が0.85重量%であり、分散が100%であり、比表面積が203m/gである新しい触媒(すなわち、接触改質帯域への最初の導入前の触媒)との比較では、オキシ塩素化後の触媒の特徴は、十分に申し分のないものであったが、固定床再生の方法が長い。それは、研究所スケールにおいてむしろ良好に使いこなされ、工業的に管理するにはより困難であり、相当の触媒塊およびガス分布の不確実性は、処理の完全な均一性を保証しない。
【0046】
次いで、この工程から来る生成物は、同じ再生反応器に再充填され、還元工程(4)および硫化工程(5)を経る。20L/hの処理量の水素/窒素=50/50混合物によって、室温〜460℃で、6時間にわたる昇温および2時間の安定期により約9gの触媒が処理される。温度は、再度、400℃に降温させられ、0.03g/hの速度でジメチルジスルフィドが導入されながら6時間にわたり安定期に維持される。温度は、再度、2時間にわたり室温に降温させられ、反応器には、窒素、次いで空気がパージされる。この5工程処理の分析結果は、白金の分散以外は表2に示される。白金の分散は、硫化処理の後にはもはや信頼性をもって測定されない。それらは、硫黄量以外は2つの生成物に類似する。
【0047】
得られた結果は、表2に要約される。
【0048】
【表2】

【0049】
(実施例2:本発明によらない比較:中間の中断のない固定床再生)
類似の条件で実施例1が繰り返される。実施例1と同一の触媒が用いられ、再生およびオキシ塩素化の実施例1と同一の配列が用いられる;しかし本実施例では、オキシ塩素化の終了時に、還元および硫化の配列4および5が結合され、同一の再生反応器内の使用済み触媒を排出しない。得られた結果は、表3に要約される。
【0050】
【表3】

【0051】
分析は、工程3と4の間で中断して処理が行われても直接的に連続して行われても、実験は正しく繰り返され得ることを示す。この触媒の質は申し分のないものである。本方法の2つの欠点は、炉内での滞留時間が長いことおよびこの連続式の方法は分散を測定するために工程3の終了時に触媒床内の均一なサンプルを得ることを可能にしないという事実である。
【0052】
(実施例3:本発明による再生)
実施例1および2において用いられたものと同一の100gの量の触媒が、流動床装置において実験を行うために用いられる。この流動床装置には、2000リットル/hの処理量のガスが供給され、その組成は、処理配列の間に変化する。下記のように、触媒は、最初に、ストリッピング工程(1)を経、次いで、炭素燃焼工程(2)、オキシ塩素化工程(3)が行われる。温度は、触媒床内に配置された熱電対によって制御され、窒素処理量下に1/21時間内に220℃に昇温させられる(ストリッピング工程1)。本実施例では、ガスは、次の容積組成を有する:5%酸素、0.8%水、0.04%塩素を含む乾燥窒素。次に、燃焼およびオキシ塩素化が行われる(工程2および3):温度は、1/2時間内に350℃に昇温させられる。1/2時間の安定期間が観察される。次いで、温度は、5%Oの混合物下に1/2時間内に400℃に昇温させられ、その後、1/2時間にわたり放置される。次いで、450℃、490℃および最終の510℃の同一の1時間の安定期を配列した。次に、酸素含有量は、1時間の間に10%に増量させられる。温度は、再度、この雰囲気下に、1/2時間にわたり、300℃に降温させられ、次いで、塩素および水なしで220℃に降温させられる。炉は、そのガス排気系から切断され、サンプルは、取り除かれ、そして分析される;表4の第一のライン(工程1+2+3)を参照。このようにして再生された触媒は、次いで、都合良くは、還元に付され、次いで、工程1、2および3のために用いられたのと全く同じであるが固定された反応器内で硫化される。それは、次のようになされる:窒素下のパージ後、水素/窒素=50/50の混合物が導入され、温度は、3時間内に460℃に昇温させられ、2時間にわたり安定期に放置される。温度は、再度、400℃に降温させられ、0.18g/時でジメチル・ジスルフィドを導入しながら1時間にわたり安定期に放置される。次いで、温度は、1/2時間内に室温に低下させられ、反応器は、窒素、次いで、空気でパージされる。得られた結果は、表4に要約される。
【0053】
【表4】

【0054】
(実施例4:本発明による、中間の中断のない再生)
実施例3が繰り返されるが、本実施例では、オキシ塩素化工程(3)の終了時に、直接的に、触媒の還元工程(4)、次いで、同一触媒の硫化の工程(5)に進む。これらの工程(4)および(5)は、連続的に、工程(1)、(2)および(3)に用いられたものと同一の反応器内の流動床において行われる。とりわけ、工程(1)、(2)および(3)の終了時に、分析するために触媒のサンプルを取り除くことが依然として可能であり、本実施例4では、これらの工程(1)、(2)および(3)の終了時に、実施例3において見出され、表4の第一ラインに示される結果とほぼ同じ結果が見出される。次いで、工程(4)および(5)を行うために、実施例3において与えられたものと類似する操作条件が用いられるが、流動床内で行われたのであって、固定床内で行われたのではない。より詳細には、オキシ塩素化工程(3)の終了時に、窒素下に1/2時間のパージ後、水素および窒素の50/50の混合物が、2000L/hの処理量で導入され、実施例3と同様に進められる:温度は、3時間内に460℃に昇温させられ、2時間にわたりこの安定期に放置される。温度は、再度、400℃に降温させられ、0.18g/hでジメチルジスルフィドを導入しながら1時間にわたりこの安定期に放置される。温度は、再度、1/2時間以内に室温に低下させられ、反応器は、窒素、次いで空気でパージされる。約20時間続くこの再生およびオキシ塩素化手順の後、中間生成物および最終生成物が分析される。この技術の利点は、オキシ塩素化後に生成物を特徴付けるためのこの中間サンプリングにあり、白金の分散は、配列全体の鍵となる分析であり、この基準は、接触改質の適用において最も重大である。生成物の質は、先行の実施例1および2において得られた生成物の質より優れている(触媒の還元および硫化工程が流動床内ではなく固定床内で行われる実施例3の技術に比較して柔軟性および容易さはより大きい)。得られた結果は、表5に要約される。
【0055】
【表5】

【0056】
従来技術と比較した全体的な時間は、実施例3において、より特定的には実施例4において短縮されたが、これは、注入されたガスが大量であったこと、試薬の化学量論がより大きかったこと、より良好な気/液接触がより良好であったこと、とりわけ、温度の変化がより迅速であったことのおかげである。触媒は、絶え間なく移動し、このため、固定床においてそれ自体の証明となるホットポイントは、工程を短縮化することが望まれる場合に避けられる。要約すれば、実施例4にしたがう操作である。
【0057】
要するに、毎年、数十トン、あるいは数百トンもの触媒を用いる工業的に操作する場合に実施例4にしたがう操作は相当経済的な利益をもたらす。さらに、生成物の質は、粒子毎の均一性がより良好である点で移動床内の操作を用いた場合より高い。特に、還元および硫化の操作のために、この最後の操作は、可及的に最も精密に粒子毎に滴定することを必要とする。最後に、移動床は、規則的なサンプリングを行うことを可能にし、これは、方法の制御を最適化することを可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素改質からの使用済み触媒の再生法であって、該触媒は、第VIII属の元素、銀および金によって形成される群から選択される少なくとも1種の貴金属と、塩素と、アルミナベースを有する少なくとも1種の無定型多孔質担体とを含み、該方法は、
− 酸素分子を含むガスの存在下に、300〜680℃の温度で、0.5〜10時間の継続時間にわたり該触媒上に存在するコークを燃焼させる少なくとも1回の工程と、
− 塩素化された化合物の存在下、制御された湿気雰囲気下、300〜650℃の温度での少なくとも1回のオキシ塩素化工程と、
− 還元工程と
を少なくとも包含し、これらの工程は同一の単一再生帯域内で「オフ−サイト」で行われ、該帯域内にて、再生されるべき触媒が、流動化された、循環または移動しない床の形態にある、方法。
【請求項2】
燃焼およびオキシ塩素化の工程は、別々に連続的に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オキシ塩素化工程は、部分的に、燃焼工程の最後と混合される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
燃焼およびオキシ塩素化の工程は、同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
使用済み触媒は、空気下に250〜450℃に加熱し、最終段階で500〜550℃に昇温させられることによる漸進的な燃焼に付される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
オキシ塩素化工程の終了時に得られる触媒は、
− 焼成、および
− 硫化
の少なくとも1つに付される、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
改質触媒の再生に適用され、
−(1)場合による、空気、窒素またはこれら2種のガスの混合物下のストリッピング、
−(2)漸進的な燃焼、
−(3)オキシ塩素化、および場合によりこれに続けられる焼成、
−(4)水素下の還元、および
−(5)場合による、硫化
を包含する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
全工程が、同じ反応器内で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用済み触媒は、場合によるストリッピング、燃焼工程、オキシ塩素化工程、還元工程、場合による硫化工程に付され、前記触媒のシャンプーイングに進む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
使用済み触媒は、コーク燃焼の工程の前に、空気および/または窒素下にストリッピングに付される、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
オキシ塩素化工程は、空気とともに水および塩素化された化合物を添加することを含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
オキシ塩素化工程における制御された雰囲気は、0.1〜1容積%の水を含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
還元工程は、反応器を窒素でパージした後に、純粋なまたは希釈された水素下に、400〜500℃の温度で行われる、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
改質触媒の再生に適用され、還元(4)後に、水素下の冷却の停止の間に硫黄化合物の導入による硫化工程(5)を包含する、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
触媒は、白金と共にレニウムを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
燃焼工程は、露点が10℃未満である乾燥ガスを用いる、請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法。


【公表番号】特表2007−511360(P2007−511360A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540512(P2006−540512)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002930
【国際公開番号】WO2005/053841
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(506171059)
【Fターム(参考)】