説明

放射性試料ホルダ

【課題】外部に放射線の漏洩するおそれがなく、シリンジに注入された放射性試料の放射能量を高精度に測定することのできる放射性試料ホルダを提供する。
【解決手段】放射性試料が注入され放射線遮蔽ケース40に収納されたシリンジを放射性試料ホルダ62に装着し、放射能測定装置28に装填した後、上部の突出する操作部78を押し下げることにより、第2シャフト80a、80bに支持されたシリンジ保持台100がシリンジの鍔部32を保持した状態で下降し、放射線遮蔽ケース40からシリンジを抜き出す。そして、抜き出されたシリンジに注入されている放射性試料の放射能量の測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性試料が注入され、放射線遮蔽ケースに収納されたシリンジを保持し、前記放射性試料の放射能量を測定する放射能測定装置に装填される放射性試料ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
放射性試料を被検体に投与し、特定部位に集中する放射性試料から放出される放射線を測定することにより、被検体の状態を検査する方法及び装置が開発されている。
【0003】
この場合、放射性試料は、通常、放射性試料分注装置(特許文献1参照)からシリンジに注入され、シリンジを介して被検体に投与される訳であるが、被検体の状態を正確に検査するためには、シリンジに正確な量の放射性試料を注入しておく必要がある。そこで、シリンジに注入されている放射性試料の放射能量を測定する装置として、非特許文献1に開示された放射能測定装置が開発されている。
【0004】
この放射能測定装置は、放射性試料から放出される放射線による電離作用を利用したものであり、図10に示すように、放射性試料が注入されたシリンジ2をホルダ4に保持させ、センサを内包する円筒状の検出部6にホルダ4とともに挿入して測定を行う。
【0005】
ホルダ4は、検出部6の開口部に係合する係合部材8が上端部に配設され、この係合部材8から鉛直下方向に延在するシャフト10の下端部にシリンジ2を保持する保持リング12が配設されて構成される。シリンジ2は、シリンダ14の鍔部16を保持リング12の上面部に係合させた状態で針18側を下として保持リング12に保持される。
【0006】
【特許文献1】特公平3−31468号公報
【非特許文献1】CURIEMETER IGC−7(アロカ株式会社カタログ 2000年9月発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図10に示すように、シリンジ2を剥き出しの状態として検出部6に挿入しようとすると、シリンジ2に注入された放射性試料によって作業者が被爆してしまうおそれがある。この場合、シリンジ2を放射線遮蔽ケースに収納した状態で供給すれば、この問題を回避することが可能である。しかしながら、放射線遮蔽ケースを装着したままでは、放射性試料の放射能量を検出部6により高精度に測定することができない。
【0008】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、外部に放射線の漏洩するおそれがなく、シリンジに注入された放射性試料の放射能量を高精度に測定することのできる放射性試料ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の放射性試料ホルダは、放射性試料が注入され放射線遮蔽ケースに収納されたシリンジを保持し、前記放射性試料の放射能量を測定する放射能測定装置に装填される放射性試料ホルダであって、
上端部に配設される放射線遮蔽板と、
前記放射線遮蔽板に支持され、鉛直下方向に延在する第1シャフトと、
前記第1シャフトに支持され、前記放射線遮蔽ケースを保持するケース保持部と、
前記放射線遮蔽板に支持され、鉛直下方向に延在する第2シャフトと、
前記第2シャフトに支持され、前記放射線遮蔽ケースに収納された前記シリンジを保持するシリンジ保持部と、
前記第1シャフト又は前記第2シャフトの上端部に連結して前記放射線遮蔽板の上部に配設され、前記第1シャフト又は前記第2シャフトを前記放射線遮蔽板に対して上下変位させる操作部と、
を備え、前記操作部を操作して前記シリンジを前記放射線遮蔽ケースに対して出入可能とすることを特徴とする。
【0010】
この場合、放射線遮蔽ケースにシリンジを収納した状態で放射能測定装置に装填した後、放射線遮蔽板の上部に配設された操作部を操作して第1シャフト又は第2シャフトを上下方向に変位させることにより、放射能測定装置内においてシリンジを放射線遮蔽ケースから抜き出して放射能量を測定することができる。なお、測定が終了した後、操作部を操作して再びシリンジを放射線遮蔽ケースに収納し、放射能測定装置から取り出すことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の放射性試料ホルダは、外部に放射線の漏洩するおそれがなく、シリンジに注入された放射性試料の放射能量を高精度に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の放射性試料ホルダが適用される放射性試料注入測定システム20の構成図である。
【0013】
放射性試料注入測定システム20は、作業台22上に設置され、シリンジ24に対して所定量の放射性試料を注入する放射性試料注入装置26と、作業台22の略中央部に配設され、シリンジ24に注入された放射性試料の放射能量を測定する放射能測定装置28と、放射能測定装置28を制御し、検出された放射能量を測定表示する測定表示部30とを備える。なお、放射性試料注入装置26は、コントローラ31によって制御される。
【0014】
ここで、シリンジ24は、図2に示すように、鍔部32を有するシリンダ34と、シリンダ34の一端部に装着される針36と、シリンダ34の他端部から挿入されるピストン38とから構成され、鉛、タングステン等によって形成される放射線遮蔽ケース40に収納される。
【0015】
また、放射線遮蔽ケース40は、シリンジ24のシリンダ34が挿入される挿入部41を有し、挿入部41の上部には、シリンダ34に装着された針36を外部に導出する上部開口部43が形成され、挿入部41の下部には、シリンダ34の鍔部32及びピストン38を外部に導出する下部開口部45が形成される。なお、下部開口部45には、シリンダ34の挿入を容易とするためのテーパ面47が形成されている。放射線遮蔽ケース40の外周部には、挿入部41に挿入されたシリンダ34に注入されている放射性試料の注入量を外部から視認可能とする鉛ガラス板42が装着されるとともに、放射線遮蔽ケース40を後述する放射性試料ホルダ62に保持させるための突出部49a、49bが装着される。
【0016】
放射性試料注入装置26のコラム44の前部には、シリンジ24が収納された放射線遮蔽ケース40を保持する保持部46と、シリンジ24におけるピストン38の鍔部48が係合する係合部50とが配設される。保持部46及び係合部50は、上下に移動可能である。保持部46の上部には、放射性試料を収容した試料容器52が装填される。
【0017】
また、保持部46の側部には、シリンジ24及び放射線遮蔽ケース40を保持するための放射性試料ホルダ62が一時的に載置される載置部64a、64bが配設される。図3に示すように、上下に配設される載置部64a、64bは、放射性試料ホルダ62が係合する半円弧状の係合部66a、66bを有する。下部に配設される係合部66bには、放射性試料ホルダ62の一部が係合する係合ピン68a、68bが植設される。
【0018】
一方、コラム44の下端部には、放射能測定装置28の上部と放射性試料注入装置26との間で移動可能な鉛遮蔽板54が収納される。また、放射性試料注入装置26の前部には、鉛を含むL字状の金属板56a、56bによって両側部が保持され、放射性試料注入装置26からの放射線を遮蔽する鉛ガラス板58が配設される。鉛ガラス板58は、放射性試料注入装置26に対して近接離間可能である。
【0019】
放射性試料注入装置26から離間させた状態の鉛ガラス板58と放射性試料注入装置26との間には、放射能測定装置28が配設される。放射能測定装置28は、図示しない放射能センサを備えて作業台22に収納される円筒体60からなり、この円筒体60には、シリンジ24及び放射線遮蔽ケース40を保持した放射性試料ホルダ62が挿入される。
【0020】
図3〜図6に示すように、放射性試料ホルダ62は、上面部にノブ71を有し、タングステン等の放射線遮蔽材料からなる放射線遮蔽板72と、放射線遮蔽板72の下面部に装着され、直径が放射能測定装置28の円筒体60の内径に略等しく設定されている円形のガイド板73と、放射線遮蔽板72から鉛直下方向に延在する第1シャフト74と、第1シャフト74の下端部に装着され、直径が放射能測定装置28の円筒体60の内径よりもやや小さく設定された円形のガイド板76とを備える(図6参照)。
【0021】
また、放射性試料ホルダ62は、上端部に操作部78を有し、放射線遮蔽板72及びガイド板73を貫通し、鉛直下方向に延在する上下方向に変位自在な第2シャフト80a、80bを備える。図7に示すように、第2シャフト80a、80bが貫通するガイド板73の孔部82a、82bの一部には、穴部84a、84bが連通し、この穴部84a、84bにシリコンゴム等からなる円形状の抵抗部材86a、86bが変形した状態で挿入される。この場合、第2シャフト80a、80bの外周部と抵抗部材86a、86bとの間に適切な摩擦抵抗を付与させることにより、第2シャフト80a、80bの上下方向に対する変位動作を最適化することができる。なお、図8に示すように、第2シャフト80a、80bの外径よりも孔部82a、82bの内径をやや大きく設定し、その間に抵抗部材88a、88bを挿入してもよい。
【0022】
第1シャフト74の略中央部には、シリンジ24が収納された放射線遮蔽ケース40の上部外周部が当接する凹部89を有する第1保持部90が固定される。また、第1シャフト74の第1保持部90の下部には、放射線遮蔽ケース40の下部外周部が挿入されるU字状溝部92を有する第2保持部94が固定される。なお、U字状溝部92には、放射線遮蔽ケース40の外周部に摺接して脱落を阻止するためのシリコンゴム等からなる弾性部材96a、96bが装着される。さらに、第2保持部94の下部には、放射線遮蔽ケース40の下部外周部に装着された突出部49a、49bを保持する第3保持部98a、98bが固定される。なお、第1保持部90、第2保持部94及び第3保持部98a、98bは、放射線遮蔽ケース40を保持するケース保持部を構成する。
【0023】
第2シャフト80a、80bは、第1シャフト74に固定された第1保持部90及び第2保持部94を介して下方向に延在する。第2シャフト80a、80bの下端部には、シリンジ24のピストン38が挿入されるU字状溝部99を有し、放射線遮蔽ケース40に収納されたシリンジ24の鍔部32を下方向から支持するシリンジ保持台100と、鍔部32の厚みに相当する間隙を介してシリンジ保持台100の上部に配設され、鍔部32を上方向から支持するブラケット102a、102bとが固定される。シリンジ保持台100及びブラケット102a、102bは、シリンジ保持部を構成する。なお、シリンジ保持台100は、上部に配設される第2保持部94よりも所定量突出する段部106を有する。また、各ブラケット102a、102bは、シリンジ保持台100の側部から2本のねじ部材104a、104bによってそれぞれ固定される。
【0024】
本実施形態の放射性試料注入測定システム20は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、放射性試料注入測定システム20を用いた放射性試料の注入及び測定手順について説明する。
【0025】
先ず、放射線遮蔽ケース40の下部開口部45からシリンジ24を挿入した後、放射性試料注入装置26の保持部46に放射線遮蔽ケース40の部分を保持させるとともに、ピストン38の鍔部48を係合部50に係合させる。次いで、鉛ガラス板58を放射性試料注入装置26側に移動させ、放射線の遮蔽状態を確保した後、コントローラ31を操作してシリンジ24への放射性試料の注入作業を開始する。
【0026】
この場合、シリンジ24を保持した保持部46及び係合部50が上昇することで、上部に配設された試料容器52に針36が刺入される。次いで、コントローラ31から指示された放射性試料の注入量に従い、係合部50が所定量下降することで、シリンダ34に所定量の放射性試料が注入される。
【0027】
放射性試料がシリンジ24に注入された後、鉛ガラス板58を放射性試料注入装置26から離間させ、放射線遮蔽ケース40が装着された状態のシリンジ24を保持部46から取り外す。次いで、載置部64a、64bに設置されている放射性試料ホルダ62にシリンジ24を装着する。
【0028】
ここで、放射性試料ホルダ62は、操作部78を上端部まで引き上げた状態で、放射線遮蔽板72が載置部64aの上部に載置され、第2保持部94及びシリンジ保持台100が載置部64bの係合部66bに係合した状態となっている。また、シリンジ保持台100のブラケット102a、102bを固定するねじ部材104a、104b間には、載置部64bに植設された係合ピン68a、68bが係合し、放射性試料ホルダ62が載置部64a、64bから容易に脱落しない状態となっている(図5参照)。
【0029】
そこで、作業者は、放射性試料注入装置26から取り外したシリンジ24を、針36を上にしたままの状態で放射性試料ホルダ62に装着する。
【0030】
すなわち、第2保持部94のU字状溝部92に放射線遮蔽ケース40の下部を挿入するととも、放射線遮蔽ケース40の上部を第1保持部90の凹部89に当接させる。このとき、放射線遮蔽ケース40の下部外周部がU字状溝部92に配設された弾性部材96a、96bによって確実に保持される。また、放射線遮蔽ケース40の下部に配設された突出部49a、49bが第2保持部94の下部に配設されている第3保持部98a、98bに係合して保持される。さらに、放射線遮蔽ケース40に装着されているシリンジ24の鍔部32がシリンジ保持台100の段部106を介してシリンジ保持台100及びブラケット102a、102b間に挿入されて保持される(図3、図4参照)。
【0031】
なお、シリンジ24の鍔部32が係合するシリンジ保持台100が連結された第2シャフト80a、80bは、図7又は図8に示すように、抵抗部材86a、86b又は88a、88bを介して上部のガイド板73に所定の摩擦抵抗が付与された状態で保持されている。従って、放射性試料ホルダ62に対して放射線遮蔽ケース40に収納されたシリンジ24を装着する際、自重によってシリンジ保持台100が下降してシリンジ24が放射線遮蔽ケース40から引き出されてしまう不具合が発生することがない。
【0032】
シリンジ24及び放射線遮蔽ケース40を放射性試料ホルダ62に保持させた後、ノブ71を摘んで放射性試料ホルダ62を載置部64a、64bから取り外し、放射能測定装置28の円筒体60にガイド板76側から挿入する。放射性試料ホルダ62が円筒体60の内部に挿入されると、ガイド板73が円筒体60の開口部に係合するとともに、放射線遮蔽板72が円筒体60の上端部に配設され、外部からの放射線の侵入、及び、放射能測定装置28から外部への放射線の漏洩を阻止し得る状態となる。
【0033】
次いで、放射性試料ホルダ62の上部に突出している操作部78を押し下げる。このとき、操作部78に第2シャフト80a、80bを介して連結されているシリンジ保持台100が、ブラケット102a、102bにシリンダ34の鍔部32を係合させた状態で下降する。従って、シリンジ24のシリンダ34が放射線遮蔽ケース40から抜き出され、放射能測定装置28の円筒体60内に露呈する(図9参照)。
【0034】
そこで、放射性試料注入装置26のコラム44の下端部に配設されている鉛遮蔽板54をスライドさせて放射能測定装置28の上部に配設し、外部からの放射線、例えば、放射性試料注入装置26の試料容器52に残留する放射性試料からの放射線の侵入を確実に阻止できる状態とした後、測定表示部30の制御に基づき、シリンジ24に注入された放射性試料の放射能量の測定を行う。この場合、シリンジ24が放射能測定装置28内において放射線遮蔽ケース40から抜き出されているため、放射能量を高精度に測定することができる。
【0035】
放射能量の測定が終了した後、鉛遮蔽板54をスライドさせてコラム44の下部に収納した後、放射性試料ホルダ62の操作部78を引き上げる。このとき、シリンジ24がシリンジ保持台100の上昇に伴って再び放射線遮蔽ケース40に収納される。なお、放射線遮蔽ケース40の下部開口部45には、テーパ面47が形成されているため、シリンダ34を確実に放射線遮蔽ケース40に収納させることができる。
【0036】
シリンジ24を放射線遮蔽ケース40に収納させた後、放射性試料ホルダ62を放射能測定装置28から引き上げて作業を終了する。
【0037】
なお、上述した実施形態では、放射能測定装置28内において、シリンジ保持台100を下降させることでシリンジ24を放射線遮蔽ケース40から抜き出すようにしているが、例えば、シリンジ保持台100を固定し、第2保持部94を介して放射線遮蔽ケース40を上昇させてシリンジ24を露呈させるように構成することも可能である。また、放射能測定装置28は、放射性試料注入装置26と一体的に構成しているが、これらを別体として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の放射性試料ホルダが適用される放射性試料注入測定システムの構成図である。
【図2】放射性試料が注入されるシリンジ及び放射線遮蔽ケースの構成図である。
【図3】シリンジを保持する放射性試料ホルダと、放射性試料ホルダを載置する載置部の構成図である。
【図4】載置部を介して放射性試料ホルダに保持されたシリンジの正面図である。
【図5】載置部を介して放射性試料ホルダに保持されたシリンジの側面図である。
【図6】シリンジを保持した放射性試料ホルダを放射能測定装置に挿入する説明図である。
【図7】放射性試料ホルダにおけるシャフトとガイド板との摺動部における構成説明図である。
【図8】放射性試料ホルダにおけるシャフトとガイド板との摺動部における他の実施形態の構成説明図である。
【図9】シリンジを保持した放射性試料ホルダを放射能測定装置に挿入して放射能量を測定する状態の説明図である。
【図10】従来技術に係るホルダの斜視説明図である。
【符号の説明】
【0039】
20…放射性試料注入測定システム 24…シリンジ
26…放射性試料注入装置 28…放射能測定装置
32…鍔部 34…シリンダ
36…針 38…ピストン
40…放射線遮蔽ケース 49a、49b…突出部
62…放射性試料ホルダ 64a、64b…載置部
72…放射線遮蔽板 74…第1シャフト
78…操作部 80a、80b…第2シャフト
86a、86b、88a、88b…抵抗部材
90…第1保持部 94…第2保持部
96a、96b…弾性部材 98a、98b…第3保持部
100…シリンジ保持台 102a、102b…ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性試料が注入され放射線遮蔽ケースに収納されたシリンジを保持し、前記放射性試料の放射能量を測定する放射能測定装置に装填される放射性試料ホルダであって、
上端部に配設される放射線遮蔽板と、
前記放射線遮蔽板に支持され、鉛直下方向に延在する第1シャフトと、
前記第1シャフトに支持され、前記放射線遮蔽ケースを保持するケース保持部と、
前記放射線遮蔽板に支持され、鉛直下方向に延在する第2シャフトと、
前記第2シャフトに支持され、前記放射線遮蔽ケースに収納された前記シリンジを保持するシリンジ保持部と、
前記第1シャフト又は前記第2シャフトの上端部に連結して前記放射線遮蔽板の上部に配設され、前記第1シャフト又は前記第2シャフトを前記放射線遮蔽板に対して上下変位させる操作部と、
を備え、前記操作部を操作して前記シリンジを前記放射線遮蔽ケースに対して出入可能とすることを特徴とする放射性試料ホルダ。
【請求項2】
請求項1記載のホルダにおいて、
前記ケース保持部は、前記放射線遮蔽ケースの上部外周部を保持する第1保持部と、前記放射線遮蔽ケースの下部外周部を保持する第2保持部と、前記放射線遮蔽ケースの側部に突出して形成される突出部を保持する第3保持部とを備えることを特徴とする放射性試料ホルダ。
【請求項3】
請求項2記載のホルダにおいて、
前記第2保持部には、前記放射線遮蔽ケースに係合して所定の摩擦抵抗を付与する抵抗部材が配設されることを特徴とする放射性試料ホルダ。
【請求項4】
請求項1記載のホルダにおいて、
前記シリンジ保持部は、前記シリンジを構成するシリンダの鍔部に係合することを特徴とする放射性試料ホルダ。
【請求項5】
請求項1記載のホルダにおいて、
前記放射線遮蔽板と上下変位する前記第1シャフト又は前記第2シャフトとの間の摺接部位には、前記第1シャフト又は前記第2シャフトに所定の摩擦抵抗を付与する抵抗部材が配設されることを特徴とする放射性試料ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−226899(P2006−226899A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42387(P2005−42387)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(591001765)安西メディカル株式会社 (4)
【Fターム(参考)】