説明

放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置

【課題】本発明の目的は、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を、放射線源と放射線検出器の並進走査による断層撮影方法により、形状再現性の高い放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、前記並進走査の方向と直交する面内における、前記被検体の周囲の円軌道上の少なくとも2つの異なる位置から前記被検体の方向に前記放射線を照射し、それぞれの照射方向で前記並進走査して撮影することを特徴とする。
【効果】本発明によれば、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を、放射線源と放射線検出器の並進走査による断層撮影方法により、形状再現性の高い放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力や火力等の発電プラントや、化学プラント、石油プラントに設置された配管の健全性を確保するために、断層撮影が可能なX線CTのような装置を用いて、これらの配管内面を現地で非破壊検査するニーズが増加している。上記プラントの配管は狭隘な場所に設置されていることが多く、産業用に用いられている大きなX線CT装置を適用することが困難である。
【0003】
現地でのプラント配管を断層撮影する方法として、特許文献1に示す方法がある。従来のX線CT装置が検査対象物の周囲を180°+放射線広がり角度乃至は一般的には360°の角度方向から撮影した複数の投影データ(以下、「完全投影データ」)に基づいて断層画像または立体像を構築するのに対して、特許文献1の方法は、ラミノグラフィと呼ばれる断層撮影方法の一方式であり、X線CT装置で必要とする角度よりも小さい角度でのみ撮影された複数の投影データ(以下、「不完全投影データ」)により断層像または立体像を構築することが可能である。配管検査では、配管の長軸方向に放射線源と放射線検出器を並進移動させて撮影している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−275352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている撮影方法では、図13に示すように、配管に対して一方向からの照射である。そのため、図に示すような照射方向に対して配管の腹および背の位置における投影値と比較して、照射方向に対して配管の接線方向近傍における投影値は感度が低くなる傾向にある。これは、以下の二つの理由による。一つは、配管の接線方向近傍では、配管の腹および背の位置よりも放射線の透過距離が長くなり、放射線の減衰量が多く信号対雑音比が低下(感度が低下)することである。もう一つは、配管の接線方向近傍では、配管の壁がエッジとして存在し、このエッジが、放射線源の焦点サイズや検出器の応答の影響を強く受けてぼけることによるものである。このため、これらの複数の投影データの集合から画像再構成すると、配管の接線方向近傍における形状再現性が低下するという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を、放射線源と放射線検出器の並進走査による断層撮影方法により、形状再現性の高い放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記並進走査の方向と直交する面内における、前記被検体の周囲の円軌道上の少なくとも2つの異なる位置から前記被検体の方向に前記放射線を照射し、それぞれの照射方向で前記並進走査して撮影することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を、放射線源と放射線検出器の並進走査による断層撮影方法により、形状再現性の高い放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例である放射線断層撮影装置およびシステムの一例を並進走査の方向から見た図である。
【図2】図1の放射線断層撮影装置を側面から見た図である。
【図3】本発明の一実施例である放射線断層撮影方法において、放射線源と放射線検出器の配管に対する配置の一例を模式的に表した図である。
【図4】本発明の一実施例である放射線断層撮影方法において、放射線源と放射線検出器を図3の配置から角度θ°回転移動させた様子の一例を示した図である。
【図5】本発明の一実施例である配管断層撮影方法による撮影において、放射線源および放射線検出器を配管の周囲に±30°の位置に配置した場合の、放射線の照射方向に対する配管の接線方向近傍での放射線の透過の様子の一例を示した図である。
【図6】本発明の一実施例である配管断層撮影方法による撮影において、放射線源および放射線検出器を配管の周囲に±45°の位置に配置した場合の、放射線の照射方向に対する配管の接線方向近傍での放射線の透過の様子の一例を示した図である。
【図7】本発明の第二の実施例である放射線断層撮影方法において、参照用データを用いて投影データから使用データを抽出する処理のフローの一例を示した図である。
【図8】本発明の第二の実施例である放射線断層撮影方法において、参照用データの表示画面やデータ抽出範囲の入力画面の一例を示した図である。
【図9】本発明の第三の実施例である放射線断層撮影装置の一例を、並進走査方向から見た図である。
【図10】図9の放射線断層撮影装置を側面から見た図である。
【図11】本発明の第四の実施例である放射線断層撮影装置の一例を、並進走査方向から見た図である。
【図12】図11の放射線断層撮影装置を側面から見た図である。
【図13】従来の放射線断層撮影方法における課題を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、放射線断層撮影方法および放射線断層撮影装置に係り、特に、プラント配管のような狭隘な場所に設置された物体の内部を可視化して検査するのに好適な放射線非破壊検査システムおよび検査方法に関する。
【0011】
以下、本発明の実施例を、発電プラントなどに設置された配管を被検体の例として図を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明で使用する放射線断層撮影システムおよび放射線断層撮影装置501の一例について、その概要を図1および図2に示す。図1は、放射線断層撮影装置501を並進走査方向から見た図である。また図2は、放射線断層撮影装置501の側面図である。図1および図2は直管に対して本発明の装置を適用した場合を示している。
【0013】
放射線断層撮影装置501では、放射線源1および放射線検出器2を、配管10をはさむようにC字型アーム101に取り付けてある。C字型アーム101は、回転走査機構102により回転する。回転走査機構102は並進走査機構103に固定されており、並進走査機構103により回転走査機構102に取り付けられた放射線源1および放射線検出器2が並進走査する。放射線断層撮影装置501は、支持脚104により設置、支持される。放射線断層撮影装置501による撮影において、放射線検出器2、回転走査機構102、および並進走査機構103を、制御・画像取り込み装置21により制御する。撮影は以下のようにして実施する。まず、回転走査機構102を所定の位置まで回転する。この位置を基準角度とする。図1および図2では、放射線源1と放射線検出器2が鉛直方向にある場合を基準角度としているが、図3の模式図に示すように、放射線源1と放射線検出器2は傾いていてもよい。放射線源1と放射線検出器2を基準角度まで移動した後、並進走査機構103により放射線源1、放射線検出器2、および回転走査機構102を配管の長軸方向に一定の速度で並進させる。並進走査中、一定距離ごとに投影データ51の撮影を実施し、複数の投影データ51を取り込む。投影データ51の取込は、並進走査機構103のエンコーダ情報に基づき、一定距離を進むごとにパルス信号を発生、これをトリガ信号として放射線検出器2に送信することにより実施する。取り込まれた投影データ51は記憶装置31に保存され、その後断層像または立体像を構築するための画像再構成演算装置22から呼び出される。構築された断層像または立体像は、記憶装置32に保存され、欠陥評価をするための画像計測装置23から呼び出される。ここで、図1に示す制御・画像取り込み装置21、記憶装置31、画像再構成演算装置22、記憶装置32、画像計測装置23の構成は一例であり、例えば記憶装置31と32は同一の装置を使用することも可能である。
【0014】
基準角度での並進走査実施後、制御・画像取り込み装置から原点復帰信号等を並進走査機構103に送信することで、放射線源1、放射線検出器2、および回転走査機構102を並進の初期位置に戻す。その後、制御・画像取り込み装置から回転走査機構102に回転走査の信号を送信し、回転走査機構102により、放射線源1および放射線検出器2を、並進走査方向と直交する面内における円軌道上を指定角度θ°回転移動させる。その様子を図4に模式図として示す。回転移動後は、基準角度での並進走査および撮影と同じ手順により、投影データ51の取込を実施する。
【0015】
以上では、各並進走査および撮影実施後、原点復帰信号等により放射線源1、放射線検出器2、および回転走査機構102を並進の初期位置に戻す工程を実施しているが、第一の並進走査実施後に、その位置において回転走査機構102を回転走査してから、第一の並進走査の方向と反対方向に第二の並進走査を実施してもよい。
【0016】
また以上では、並進走査の回数を2回として説明しているが、3回以上であっても同じ手順により撮影可能であり、並進走査の回数が多いほど再構成画像における被検体形状の再現性が高くなる。
【0017】
図5および図6に、上記した2回の撮影により放射線の照射方向に対する配管の接線方向近傍に及ぼす影響を模式的にあらわしたものを示す。図5は、θを±30°としたものを、図6はθを±45°としたものを示している。θは、図の垂直方向を0°として、円軌道105上を放射線源1および放射線検出器2が回転する角度を表している。放射線源1からの放射線3は、配管10を完全に内包するように照射される。ここで、放射線源1から放射線検出器2へ伸ばした直線のうち、配管10の内側側面と接する直線を110とする。図中のハッチング領域4は、直線110で挟まれた領域である。θ=−30°(−45°)の方向から照射された放射線3のうち、直線110では、課題として述べたように感度が低下するため、画像再構成演算の結果、形状再現性が低下する。また、+30°(+45°)方向から照射された放射線3が、θ=−30°(−45°)方向の直線110を配管の腹および背の位置として透過するため、この方向での感度低下を緩和することができる。一方の、θ=+30°(+45°)の方向から照射された放射線3のうち、直線110においても、同様な理由により感度低下を緩和することができる。また、θ=±30°の場合と比較して、θ=±45°の場合の方が、感度低下の度合いがより大きくなる。これは、図に示したように、θ=±30°よりもθ=±45°の方が、従来の一方向からの照射により感度が低下する部分が離れているためである。
【0018】
本実施例の方法によれば、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を、放射線源と放射線検出器の並進走査を少なくとも二方向から実施することで、より形状再現性の高い放射線断層像または立体像を構築することが可能である。
【実施例2】
【0019】
以下に、本発明の実施例2について説明する。本実施例は、照射方向に対する配管接線方向の感度低下による再構成画像の形状再現性低下をより緩和するために、実施例1に記載した方法および装置により撮影した投影データから配管接線方向近傍のデータを用いずに再構成する方法である。
【0020】
図7は、本実施例における処理のフローを示したものである。本実施例では、実施例1に記載した方法および装置により撮影を実施した後、配管10の形状に関する参照用データ302を入力する参照用データ入力処理1001を実施する。参照用データ302の一例として、放射線断層撮影装置501により撮影した投影データ51を使用する。すなわち、参照用データ入力処理1001では、投影データ51を入力する。続いて、入力された参照用データ302を表示する参照用データ表示処理1002を実施する。図8に、参照用データ302の表示画面302aの一例を示す。図7に戻る。続いて、配管接線方向近傍のデータを除外するために、画像再構成演算において使用するデータの抽出範囲を入力するデータ抽出範囲入力処理1003を実施する。図8には、データ抽出範囲入力方法の一例として、参照用データ302の表示画面302a上に図示したような線上にある画素値をサンプリングして、ラインプロファイルとして表示するラインプロファイル表示画面303を示してある。このプロファイルに基づき、データ抽出範囲を入力する。一例として、ラインプロファイル表示画面303上にマウスを置きクリックすると、図に示すような左側の縦の点線が表示され、同様の操作を実施すると右側の縦の点線が表示される。各点線はマウスのドラッグによりその位置を変更することができる。画面上にはそのときの各縦点線の位置情報が表示される。再び、図7に戻る。抽出範囲を決定した後、その入力情報に基づきデータ抽出処理1004を実行する。抽出されたデータは、抽出データ記憶処理1005により記憶装置31に記憶される。その後、抽出されたデータを読み出す抽出データ読み出し処理1006を実行し、画像再構成演算処理が実施される。
【0021】
以上の説明では、撮影した投影データ51を参照用データ302としたが、参照用データ302は、事前に簡易的に画像再構成を実施して構築した立体像や、配管の図面や3次元CADデータ等を利用してもよい。この場合、立体像や3次元CADデータに対して、投影シミュレーション処理を実行することが考えられる。これにより、立体像あるいは3次元CADデータの模擬投影データを作成することができ、以上で述べたデータ抽出範囲入力処理1003を適用することが可能となる。
【0022】
本実施例の方法によれば、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を、放射線源と放射線検出器の並進走査を少なくとも二方向から実施することで、より形状再現性の高い放射線断層像または立体像を構築することが可能である。
【実施例3】
【0023】
図9および図10に、本発明の実施例3を示す。図9は本実施例における放射線断層撮影装置501を並進走査方向から見たものを、また図10はそれを側面から見たものを示している。図に示すように、本実施例では、放射線源1、放射線検出器2、C字型アーム101、回転走査機構102、並進走査機構103を一セットとしたものを二セット使用する。撮影手順は第一の実施例と同様である。図9および図10では、放射線源1同士、あるいは放射線検出器2同士が干渉するのを避けるために、それぞれのセットを並進走査方向にずらして配置してある。並進走査機構103を制御する際には、そのずれ量を考慮する必要がある。
【0024】
実施例1および実施例2では一セットで複数回の撮影が必要だったが、本実施例によればその半分の回数で撮影することが可能である。また、回転走査機構102により、放射線源1および放射線検出器2の位置を変更することも可能である。また、以上の説明では、放射線源1、放射線検出器2、C字型アーム101、回転走査機構102、並進走査機構103を二セット使用する場合について述べたが、三セット以上使用することも可能である。また、撮影実施後に実施例2に記載した方法を適用することも可能である。
【実施例4】
【0025】
図11および図12に、本発明の実施例4を示す。図11は本実施例における放射線断層撮影装置501を並進走査方向から見たものを、また図12はそれを側面から見たものを示している。本実施例の放射線断層撮影装置501は、実施例1または実施例3のC字型アーム101にかえて、ガントリ101aとしてある。放射線源1および放射線検出器2は、図に示すように2セットをガントリ101aに設置してある。撮影手順は実施例1、または実施例2と同様である。
【0026】
本実施例に示す装置とすることで、異なる方向からの撮影を同時に実施することが可能であり、実施例3同様に並進走査の回数を半減することが可能である。また、以上の説明では、放射線源1および放射線検出器2は二セットとした場合について述べたが、三セット以上を使用することも可能である。また、撮影実施後に実施例2に記載した方法を適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の方法および装置を用いることで、プラント配管のように狭隘部に設置された被検体を放射線源と放射線検出器の並進走査を少なくとも二方向から実施することで、被検体の形状再現性を向上させることが可能である。また、本発明の方法および装置は、航空機の翼のように大型のもの、薄板状のものに対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 放射線源
2 放射線検出器
3 放射線
4 ハッチング領域
10 配管
21 制御・画像取り込み装置
22 画像再構成演算装置
23 画像計測装置
31、32 記憶装置
51 投影データ
101 C字型アーム
101a ガントリ
102 回転走査機構
103 並進走査機構
104 支持脚
105 円軌道
302 参照用データ
302a 表示画面
303 ラインプロファイル表示画面
501 放射線断層撮影装置
1001、1002、1003、1004、1005、1006 処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体を挟むように放射線源と放射線検出器を対向配置して放射線を照射し、前記放射線源と前記放射線検出器を前記被検体に対して同一方向に並進走査することにより撮影した前記被検体の投影データの集合から、画像再構成演算により前記被検体の断層像または立体像を構築する放射線断層撮影方法において、前記並進走査の方向と直交する面内における、前記被検体の周囲の円軌道上の少なくとも2つの異なる位置から前記被検体の方向に前記放射線を照射し、それぞれの照射方向で前記並進走査して撮影することを特徴とする放射線断層撮影方法。
【請求項2】
一組の前記放射線源と前記放射線検出器と、前記並進走査による撮影を実施する並進走査撮影手段と、前記一組の放射線源と放射線検出器を前記並進走査の方向と直交する面内において、前記被検体の周りに任意の角度で回転させる放射線源および検出器回転手段を有し、第一の照射方向における前記並進走査撮影手段による第一の撮影工程と、該第一の撮影工程実施後、前記放射線源および検出器回転手段により、前記放射線源と前記検出器を前記被検体の周りに任意の角度で回転させる放射線源および検出器回転工程と、該放射線源および検出器回転工程を実施後、第二の照射方向における前記並進走査撮影手段による第二の撮影工程と、前記放射線源および検出器回転工程と前記第二の撮影工程を少なくとも一回実施することを特徴とする放射線断層撮影方法。
【請求項3】
請求項1に記載の放射線断層撮影方法において、複数の前記放射線源と前記放射線検出器と、それぞれの前記放射線源と前記放射線検出器の組を前記被検体の周囲の円軌道上の異なる位置に配置する放射線源および放射線検出器配置手段と、前記放射線源と前記放射線検出器の組を前記並進走査させて撮影を実施する複数の並進走査撮影手段を有し、該複数の並進走査撮影手段により撮影する複数の並進走査撮影工程を実施することを特徴とする放射線断層撮影方法。
【請求項4】
請求項1ないし3に記載の放射線断層撮影方法において、前記撮影工程により撮影した投影データから、データの抽出範囲を決定するデータ抽出範囲決定手段と、該データ抽出範囲決定手段により決定した範囲のデータを抽出するデータ抽出手段を有し、前記データ抽出範囲決定手段と前記データ抽出手段によりデータを抽出するデータ抽出工程を実施し、該データ抽出工程により抽出したデータにより画像再構成を実施することを特徴とする放射線断層撮影方法。
【請求項5】
請求項4に記載の放射線断層撮影方法において、前記データ抽出範囲決定手段は、参照用データを入力する参照用データ入力手段と、前記投影データに対してデータの抽出範囲を指定する抽出範囲指定手段とからなることを特徴とする放射線断層撮影方法。
【請求項6】
放射線源と、該放射線源に対して被検体をはさむように配置された放射線検出器と、前記放射線源と前記放射線検出器を前記被検体に対して同一方向に並進走査する並進走査機構と、該並進走査機構の走査および前記放射線検出器による前記被検体を透過した前記投影データの撮影タイミングを制御する制御装置と、前記放射線検出器により撮影した複数の前記投影データを記憶する記憶装置と、該記憶装置から複数の前記投影データを読み出し、画像再構成演算を実施する演算装置とからなり、該演算装置により前記被検体の断層像または立体像を構築する放射線断層撮影装置において、前記並進走査機構の走査方向と直交する面内で、かつ、前記被検体の周囲の円軌道上の少なくとも2つの異なる位置に前記放射線源と前記放射線検出器を設置し、該放射線源および放射線検出器を前記並進走査機構により並進走査させて複数の前記投影データの撮影を実施することを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項7】
請求項6に記載の放射線断層撮影装置において、一組の前記放射線源と前記放射線検出器とを、前記並進走査機構の走査方向と直交する面内で、かつ、前記被検体の周囲の円軌道上を回転走査する回転走査機構を有し、また前記制御装置は、該回転走査機構の回転走査を制御するとともに、前記並進走査機構を制御することを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項8】
請求項6に記載の放射線断層撮影装置において、複数の前記放射線源と前記放射線検出器と、それぞれの前記放射線源と前記放射線検出器の組を前記被検体の周囲の円軌道上の異なる位置に設置し、前記並進走査機構は、該複数の放射線源及び放射線検出器を並進走査させることを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項9】
請求項6ないし8に記載の放射線断層撮影装置において、複数の前記投影データに対するデータ抽出範囲の決定処理を実施するデータ抽出範囲決定装置と、該データ抽出範囲決定装置による処理結果に基づき、複数の前記投影データからデータ抽出を実施するデータ抽出装置とを有することを特徴とする放射線断層撮影装置。
【請求項10】
請求項9に記載の放射線断層撮影装置において、前記データ抽出範囲決定装置は、参照用データを入力する参照用データ入力装置と、前記投影データに対してデータの抽出範囲を入力する抽出範囲入力装置とからなることを特徴とする放射線断層撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−61154(P2013−61154A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197826(P2011−197826)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】