説明

放射線検出器

【課題】輸送において、航空機の離着陸時、車が長時間傾いた状態で停車した時シリコンオイルが漏れてライトガイドとクッションの間に侵入すると、静電気が蓄積されて放電が発生しその放電光が光電子増倍管に伝達されノイズとなって指示が突変した。
【解決手段】放射線を光に変換するシンチレータ、シンチレータと光学結合されたライトガイド、このライトガイドからの光を電子に変換する光電子増倍管、光電子増倍管をライトガイドに光学結合する光結合オイル、光電子増倍管を包囲して光結合オイルの流出を防止するオイルフェンス、光電子増倍管から電流パルスを抽出して出力するソケット、ソケットからの電流パルスを電圧パルスに変換する前置増幅器、光電子増倍管を磁気遮蔽する磁気シールド、これらの部材を収納する検出器ケース、検出器ケースにライトガイドを固定するクッションを備え、オイルフェンスに高さを嵩上げする延長フェンスを設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原子炉施設、使用済燃料再処理施設、放射性同位元素使用施設、粒子線使用施設等の放出管理あるいは放射線管理に用いられる放射性ガスモニタにおいて、試料ガスに含まれる気体状放射性物質の放射能を検出する放射線検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、試料ガス中に含まれる気体状放射性物質の放射能を検出するために用いられる放射線検出器は、例えば放射性希ガスの放射能を高感度で測定するために、1壊変当たりの放射線の放出割合が高いβ線を測定対象とし、β線に対して感度を高くかつ環境からのγ線に対して感度を低くするのが望ましく、このためにセンサは大面積で薄く加工できることが要求される。
この要求を実現するセンサとして、加工性が良く、安価で容易に入手できかつ物理的に安定なプラスチックシンチレータが一般的に用いられている。
光電子増倍管は、プラスチックシンチレータに比べて高価のため、プラスチックシンチレータより口径が小さいものが選択され、口径の違いを吸収してプラスチックシンチレータで発した光を光電子増倍管に効率良く伝達するためにライトガイドを間に介在させている。
ライトガイドは、アクリルを機械加工し、側面に酸化チタン微粉を含む反射材を塗布して光反射層を形成し、放射線入射面側がプラスチックシンチレータに接着剤で光学接合される。一方、光電子増倍管は、ガラス製で熱膨張率がライトガイドと大きく違うため、高粘度のシリコンオイルでライトガイドに光学接合される。(特許文献1参照)
【0003】
ライトガイドは、検出器ケース内にクッションで固定され、プラスチックシンチレータを含む放射線入射面側が圧力バウンダリーになっているため、ポンプの動作に起因する試料ガスの脈動で、ライトガイドとクッションの境界面の摩擦により静電気が発生して蓄積する。また、ポンプの起動/停止等で試料ガスに大きな圧力変動が発生すると、短時間に多量の静電気が発生する。
蓄積された静電気は、空気絶縁の限界を超えると放電する。
ライトガイド側面の光反射層は、厚すぎると剥がれ易くなるので、適切な厚みに管理されている。そのため光反射層厚では、静電気の放電光の一部が透過して光電子増倍管に伝達され、ノイズとなって指示が突変する障害を発生することがある。
【0004】
そのため、ライトガイドとクッションの境界面は、静電気が放電に至る電圧まで蓄積されないように、クッションには炭素を多量に含む黒色のニトリルゴムが使用されている。
一般に、体積抵抗率が1010Ω・cm以下のゴム体は、摩擦で生成された静電気が速やかに中和するため、電荷は光を伴う放電まで蓄積されない。ニトリルゴムは、体積抵抗率が1010Ω・cmと低いものを容易に入手できるため、放電に至る前に静電気が逐次中和され、放電を防止できる。
クッションとしては、検出器ケースとライトガイドの間に押し込んで固定するように、ニトリルゴムを型に流し込んで成型したもの、または袋状のニトリルゴムにポッティング材を流し込んで固化したものが使用される。ニトリルゴムは黒色のため、ニトリルゴムとポッティング材の間で静電気放電が発生しても遮光するため障害にならない。
【0005】
また、シリコンオイルの代わりにライトガイドと光電子増倍管を静電気が蓄積しにくい透明ゲル状結合材で密着して接合させた放射線検出器も提案されている。面積の小さい場合に一般的に使用されている透明硬化性接合剤が広い面積に使用した場合に割れを発生し易い弱点を、透明ゲル状結合剤を使用することで解決しようとするものである。(特許文
献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平1−32474号公報
【特許文献2】特開2009−20046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の放射線検出器は、以上のように構成されており、通常の取り扱いでは、放射線検出器を短時間傾けてもシリコンオイルが漏れることはないが、航空機輸送における離着陸時または車輸送で車が傾斜地に長時間停車し、傾いた状態になるとシリコンオイルが漏れることがあった。漏れたシリコンオイルは、ライトガイドとクッションの間に侵入して、ライトガイド側面とそれを固定するクッション材の間に付着すると、シリコンオイルは体積抵抗率が1014Ω・cmと高いため、このシリコンオイルが原因で運用中に試料ガス脈動に伴う摩擦により静電気が蓄積されて放電が発生する恐れがあった。
そして、発生した強い放電光の極一部は、ライトガイド側面の光反射層を通してライトガイド内に侵入し光電子増倍管に伝達され、ノイズとなって指示が突変して検出器を誤動作させる問題があった。
また、シリコンオイルの代わりに透明ゲル状結合剤を使用したものは、接着力が弱いため温度変化で接合面に隙間が発生し、光伝達が変化する問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係わる放射線検出器は、入射する放射線のエネルギーを吸収して光に変換するシンチレータと、このシンチレータに接着剤で光学結合されて上記光を伝達するライトガイドと、このライトガイドから伝達された光を電子に変換する光電子増倍管と、この光電子増倍管を上記ライトガイドに光学結合する光結合オイルと、上記ライトガイドと一体成形され上記光電子増倍管を包囲して上記光結合オイルの流出を防止するオイルフェンスと、上記光電子増倍管に電圧を印加すると共に信号の電流パルスを抽出して出力するソケットと、このソケットから出力された電流パルスを電圧パルスに変換する前置増幅器と、上記光電子増倍管が外部の磁界から影響を受けないように遮蔽する磁気シールドと、この磁気シールド、上記シンチレータ、上記ライトガイド、上記光電子増倍管、上記ソケット、上記前置増幅器などの部材を収納する検出器ケースと、この検出器ケースに上記ライトガイドを固定するクッションを備え、上記オイルフェンスに、このオイルフェンスの高さを嵩上げする延長フェンスを設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係わる放射線検出器は、上記ライトガイドに一体でオイルフェンスを形成し、上記オイルフェンスに延長フェンスを設けてフェンスの高さを嵩上げしたので、放射線検出器を例えば輸送時に長時間傾けてもシリコンオイルがオイルフェンスを越えて漏れることがなくなるため、漏れたシリコンオイルがライトガイド側面とクッションの間に侵入して発生する静電気放電を防止でき、信頼性の高い放射線検出器を提供できる。
また、シリコンオイルの代わりにライトガイドと光電子増倍管を静電気が蓄積しにくいゲル状結合剤で光学結合し、検出器ケースの内側にねじ込みリングを設け、該ねじ込みリングでソケットを押さえ込むことにより、透明ゲル状結合剤をライトガイドと光電子増倍管に密着させるようにしたので、接合面に隙間が発生して光伝達が変化することがなく、信頼性の高い放射線検出器を提供できると共に、シリコンオイルを使用した場合に必要な光電子増倍管取り付け前後のシリコンオイルの脱泡作業をなくすことができ、組立費を大幅に低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる放射線検出器の構成を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係わる放射線検出器の構成を簡略化して示した断面図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係わる放射線検出器の構成を簡略化して示した断面図である。
【図4】この発明の実施の形態4に係わる放射線検出器の構成を簡略化して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて、この発明の各実施の形態を説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による放射線検出器の構成を示す断面図である。
図1において、プラスチックシンチレータ1は、入射した放射線のエネルギーを吸収して光に変換する。略円錐台をしたライトガイド2は、光を伝達する光伝達ブロック201と
、その光伝達ブロック201の側面に密着して(重ねて)設けられた光反射層202と、首の部位に光伝達ブロックと一体で加工されたオイルフェンス203から構成されている。
そして、光伝達ブロック201の面積の大きい面は、プラスチックシンチレータ1に光学接
着剤3で光学接合され、プラスチックシンチレータ1の光を光伝達ブロック201に直進さ
せて、または光反射層202で反射させて伝達する。光反射層202は、透明接着剤に酸化チタン微粉を練りこんだもので、乾燥すると白色の層を形成し、酸化チタン微粉で光が反射される。
光電子増倍管4は、ライトガイド2にシリコンオイル(光結合オイル)5で光接合され、ライトガイド2から伝達される光を電子に変換して増倍し、ソケット6は、光電子増倍管4に高圧電源を分割して印加すると共に信号の電流パルスを抽出し、前置増幅器7は、電流パルスを電圧パルスに変換して出力する。
【0013】
ライトガイド2において、光電子増倍管4側の首の部位は、オイルフェンス203として
一体で削り加工され、光電子増倍管4を包囲してシリコンオイル5の流出を防止する。
オイルフェンス203の外側には、ネジ部203aが設けられ、このネジ部203aに穴明きキ
ャップ形状の延長フェンス8のねじ部8aがねじ込まれる。
磁気シールド9は、外部の磁界の影響を受けないように光電子増倍管4を遮蔽する。
検出器ケース10は、組み込まれたプラスチックシンチレータ1、ライトガイド2、光学接着剤3、光電子増倍管4、シリコンオイル5、ソケット6、前置増幅器7、延長フェンス8、磁気シールド9を収納して、外部から光の侵入を遮断すると共に、外部の電磁ノイズの影響を受けないように光電子増倍管4、ソケット6、前置増幅器7を遮蔽する。
磁気シールド9は、検出器ケース10の内側に設けられたねじ込みリング13に取り付けられる。なお、前置増幅器7は、検出器ケース10には収納せず、検出器ケース10の外部に電磁シールドを施して配置してもよい。
また、放射線検出器を別置の電磁シールド内に収納して使用する場合は、磁気シールド9を省略してもよい。
【0014】
ライトガイド2は、Oリング11で封止されて検出器ケース10に取り付けられる。
ライトガイド2は、検出器ケース10との間にクッション12がはめ込まれて固定されており、測定対象ガスに対して圧力バウンダリー(圧力境界)として機能する。
測定対象ガスの圧力は、プラスチックシンチレータ1を介してライトガイド2に伝達され、ライトガイド2からクッション12へ伝達されて最終的に検出器ケース10が受け止める。
ライトガイド2の材質としては、一般的にアクリルが使用され、加工性に優れているた
め容易にオイルフェンス203を一体で加工でき、延長フェンス8もアクリルを加工して容易に製作できる。
【0015】
オイルフェンス203にシリコンオイル5を注入し、シリコンオイル5に混入した気泡を
脱泡処理した後で、ライトガイド2と光電子増倍管4をシリコンオイル5で光学結合し、結合時に巻き込んだ微量の気泡を脱泡処理し、さらに、オイルフェンス203外側のネジ部203aに、延長フェンス8のねじ部8aをねじ込むことによりオイルフェンスの嵩上げが行われる。また、延長フェンス8は、後述のようにその高さを調節する必要があるため、上述のねじ機構203a、ねじ部8aによりその高さが調節可能な構造になっている。
オイルフェンス203の高さは、脱泡したシリコンオイル5の層の上に斜めに光電子増倍
管4を接し、空気を巻き込まないように徐々に接合させる作業の障害にならないように決定する。また、延長フェンス8の高さ(長さ)は、航空機が離着陸する際、航空機輸送の離陸角度および着陸角度でシリコンオイル5が流出しないように決定(設定)する。
【0016】
ポンプ(図示せず)を起動および停止することにより測定対象ガスに発生した圧力変動や放射線検出器が設置された場所の振動は、ライトガイド2に伝達されて、クッション12との間に摩擦を生じるが、クッション12の材質はニトリルゴムで、体積抵抗率が1010Ω・cm以下と低いため静電気が蓄積されないので静電気放電の障害は発生しない。更に、延長フェンス8によりシリコンオイル5の流出が防止されるので、ライトガイド2の光反射層202とクッション7の接触面は健全な状態が維持される。
また、シリコンオイル5は、高粘性のために、ポンプに起因する試料ガスの圧力変動及び脈動でライトガイド2が微振動しても、ライトガイド2及び光電子増倍管4からのシリコンオイルの剥離は発生しない。
【0017】
以上のように、ライトガイド2に一体でオイルフェンス203を形成し、オイルフェンス203にねじ込み構造の延長フェンス8を設けてオイルフェンスの高さを嵩上げしたので、輸送時に放射線検出器が長時間傾いた状態になっても、シリコンオイル5はフェンス外に漏れることがなくなるため、濡れたシリコンオイル5に起因する静電気放電を防止でき、信頼性の高い放射線検出器を提供できる。
【0018】
実施の形態2.
実施の形態1では、延長フェンス8の上部は開放された構造であるが、実施の形態2は、図2に示すように、光電子増倍管4の径が変わる曲線箇所(傾斜外周面)との隙間を静電気が蓄積しにくい、例えばニトリルゴム製のパッキン14でシールしてシリコンオイル5を密封したものである。
このように、光電子増倍管4を挿通させた穴開きキャップ状延長フェンス8の穴縁部と、光電子増倍管の外周面間の隙間に、パッキン14を介在させてシリコンオイル5を密封したので、開放の場合に微量だが経年的にシリコンオイルが蒸発し、光電子増倍管の周辺部材に付着することで発生する静電気放電も防止できるので、長期に亘り信頼性の高い放射線検出器を提供できる。
【0019】
実施の形態3.
実施の形態1では、ライトガイド2と光電子増倍管4をシリコンオイル5で光学結合したが、実施の形態3における放射線検出器は、図3に示すように、入射する放射線のエネルギーを吸収して光に変換するシンチレータ1と、このシンチレータに接着剤で光学結合されて上記光を直進または反射させて伝達するライトガイド2と、このライトガイドから伝達された光を電子に変換する光電子増倍管4と、この光電子増倍管とライトガイド2とを光学結合する静電気が蓄積しにくい性状の透明ゲル状結合剤15、この透明ゲル状結合剤の流出を防止するフェンス部204、光電子増倍管4に高圧電源を分割して印加すると共に信号の電流パルスを抽出して出力するソケット6と、このソケットから出力された電
流パルスを電圧パルスに変換する前置増幅器7と、光電子増倍管4が外部の磁界から影響を受けないように遮蔽する磁気シールド9と、この磁気シールド、シンチレータ1、ライトガイド2、光電子増倍管4、ソケット6、前置増幅器7などの部材を収納する検出器ケ
ース10と、この検出器ケースにライトガイド2を固定するクッション12を備え、検出器ケース10の内側にねじ込みリング13を設け、このねじ込みリングでソケット6を、バネ16を介して押さえ込むことにより、透明ゲル状結合剤15をライトガイド2と光電子増倍管4とに密着させたものである。
【0020】
このように、ライトガイド2と光電子増倍管4を透明ゲル状結合剤15で光学結合し、検出器ケース10とねじ込みリング13とのねじ機構13aでソケット6を押さえ込み、経年的な緩みをバネ16で吸収して透明ゲル状結合剤15をライトガイド2と光電子増倍管4に密着させるようにしたので、長期に亘り信頼性の高い放射線検出器を提供できると共に、シリコンオイルを使用した場合に必要であった脱泡作業をなくすことができるため、放射線検出器の組立費を大幅に低減できる効果がある。
【0021】
実施の形態4.
実施の形態3では、ソケット6を介して透明ゲル状結合剤15を押さえ込むようにしたが、実施の形態4では、図4に示すように、実施の形態3と同様にねじ込みリング13によって、バネ18、磁気シールド9、およびパッキン(磁気シールドの内側に設けられ静電気が蓄積しにくい材質の押さえゴム)を介して光電子増倍管4の径が変わる曲線箇所(傾斜外周面)を押圧し、さらに光電子増倍管4を押さえ込むことにより、透明ゲル状結合剤15をライトガイド2と光電子増倍管4とに密着させたものである。なお、図3と同一構成部分については、説明を省略する。
この実施の形態4の場合、光電子増倍管4の曲線箇所(傾斜外周面)の機械的強度が大きいことから、かつ、支えの接触面積を広く確保できることから、長期に亘り信頼性の高い放射線検出器を提供できると共に、耐震強度を増加することができる効果がある。
【符号の説明】
【0022】
1 プラスチックシンチレータ
2 ライトガイド
201 光伝達ブロック
202 光反射層
203 オイルフェンス
204 フェンス部
3 光学接着剤 4 光電子増倍管
5 シリコンオイル 6 ソケット
7 前置増幅器 8 延長フェンス
9 磁気シールド 10 検出器ケース
11 Oリング 12 クッション
13 ねじ込みリング 14 パッキン
15 透明ゲル状結合剤 16 バネ
17 パッキン(押さえゴム) 18 バネ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する放射線のエネルギーを吸収して光に変換するシンチレータと、このシンチレータに接着剤で光学結合されて上記光を伝達するライトガイドと、このライトガイドから伝達された光を電子に変換する光電子増倍管と、この光電子増倍管を上記ライトガイドに光学結合する光結合オイルと、上記ライトガイドと一体成形され上記光電子増倍管を包囲して上記光結合オイルの流出を防止するオイルフェンスと、上記光電子増倍管に電圧を印加すると共に信号の電流パルスを抽出して出力するソケットと、このソケットから出力された電流パルスを電圧パルスに変換する前置増幅器と、上記光電子増倍管が外部の磁界から影響を受けないように遮蔽する磁気シールドと、この磁気シールド、上記シンチレータ、上記ライトガイド、上記光電子増倍管、上記ソケット、上記前置増幅器などの部材を収納する検出器ケースと、この検出器ケースに上記ライトガイドを固定するクッションを備え、
上記オイルフェンスに、このオイルフェンスの高さを嵩上げする延長フェンスを設けたことを特徴とする放射線検出器。
【請求項2】
上記延長フェンスは、嵩上げ高さの調節可能なねじ機構により上記オイルフェンスに取り付けたことを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
【請求項3】
上記延長フェンスは、航空機輸送の離陸角度および着陸角度に対応して上記光結合オイルが流出しない高さに設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
上記光電子増倍管を挿通させた上記延長フェンスの上部開口縁部と、上記光電子増倍管の外周面間の隙間に、静電気が蓄積しにくい材質のパッキンを介在させ、このパッキンにより、上記光結合オイルを密封したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の放射線検出器。
【請求項5】
入射する放射線のエネルギーを吸収して光に変換するシンチレータと、このシンチレータに接着剤で光学結合されて上記光を伝達するライトガイドと、このライトガイドから伝達された光を電子に変換する光電子増倍管と、この光電子増倍管と上記ライトガイドとを光学結合する静電気が蓄積しにくい性状のゲル状結合剤と、上記光電子増倍管に電圧を印加すると共に信号の電流パルスを抽出して出力するソケットと、このソケットから出力された電流パルスを電圧パルスに変換する前置増幅器と、上記光電子増倍管が外部の磁界から影響を受けないように遮蔽する磁気シールドと、この磁気シールド、上記シンチレータ、上記ライトガイド、上記光電子増倍管、上記ソケット、上記前置増幅器などの部材を収納する検出器ケースと、この検出器ケースに上記ライトガイドを固定するクッションを備え、
上記検出器ケースの内側にねじ込みリングを設け、このねじ込みリングで上記ソケットを押さえ込むことにより、上記ゲル状結合剤を上記ライトガイドと上記光電子増倍管とに密着させたことを特徴とする放射線検出器。
【請求項6】
上記ねじ込みリングで上記磁気シールドを押さえ込むと共にこの磁気シールドの内側に設けた静電気が蓄積しにくい材質のパッキンを介して上記光電子増倍管を押さえ込むことにより、上記ゲル状結合剤を上記ライトガイドと上記光電子増倍管とに密着させたことを特徴とする請求項5に記載の放射線検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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