説明

放射線治療の品質保証とオンライン検査のための装置と方法

放射装置により標的に供給される放射線をモニタする放射線モニタと方法について説明する。放射線モニタは、一組もしくは縦横配列されたピクセルイオンチャンバを含む。ピクセルイオンチャンバは、望ましくは、上端の電極と、中間層を通して上端の電極と接続する分割電極とから構成される。複数のピクセルイオンチャンバは、上端の電極から分割電極にまで広がる中間層の内部に形成される。中間層は、粘着性ドットの配列によって上端の電極と分割電極にまで積層されるが、ここで、粘着性ドットは適切な大きさにされ中間層に置かれることにより、イオンチャンバのための通気用スリットまたは通路を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年5月27日に出願した米国仮特許出願No.60/685,712の利益を主張するものであって、該米国仮特許出願の全体は、本出願で参照されることによって本出願の一部を構成する。
【0002】
発明の分野
本発明は、IMRT装置のような放射線治療装置の品質保証とオンライン検査のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最新技術
患者に放射線治療を行うとき、所定の放射線量を標的体積に供給することを保証することは非常に重要である。
【0004】
X線フィルムが放射線治療装置の品質保証のために広く用いられている。放射線感受性を有するエマルジョン(例えば、臭化銀、AgBrドットをゼラチン内に浮かせたもの)を含む薄い柔軟なフィルムに放射線が照射されると、現像後、臭化銀(AgBr)のイオン化により画像を形成する。光学密度は密度計(densitomer)を用いて測定しなければならない。この過程には多大な時間を必要とし、リアルタイムに実行することができない。
【0005】
ピクセルチャンバは、Boninらによる「ハドロン治療における、ビームのパフォーマンスをモニタするためのピクセルチャンバ」、 Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 519(2004)674−686から知ることができる。この文献は、イオンチャンバ(ionization chamber)の縦横配列(matrix)を開示する。この装置は、縦横配列、すなわち要素を行と列の構造にした複数のイオンチャンバを有する。イオンチャンバ(ionaization chamber(または、ion chamber))の一般的原理は、次のようなものである。すなわち、2つの平行電極間に高電圧を印加する。プレート間の気体(ここでは、空気または窒素)は、プレートに対し垂直に通過するビームによってイオン化する。電界を発生させた結果、イオンは電極上に集まり、電荷量を測定することができる。一対の電子−イオンの生成が、気体や放射の類型に依存する既知の平均エネルギーを要求するので、集まった電荷量は、気体内に蓄積したエネルギーに直接的に比例する。検出する電荷量に比例する、16−ビットのカウンター値を提供するリサイクリング積分回路を用いて、電荷量は測定される。リサイクリング積分回路は、INFN(Instituto Nazionale di Fisica Nucleare, Torino, Italy)によって、0.8μmCMOS技術のチップ(TERA06)として開発された。これらのチップは、それぞれ64チャンネルを供給する。電荷量の最小検出量は50fC〜800fCの間で調整可能であり、線形領域におけるカウンティングレートは5MHzまで可能である。モニタは個々の四角いパッドからなる平面を有する。パッドは、0.745cm×0.745cmの大きさを有する。32×32の導電性のピクセルの縦横配列を一の側面に有し、トラック(各ピクセルに対し1つ)を他の側面に有する、プリント基板(PCB)が供給される。
【0006】
しかしながら、この公知のピクセルイオンチャンバ(pixel ionization chamber)はいくつか不利な点がある。ひとつは、機械的不安定性を示すことである。一連の平面の間隔は外枠によって決まる。機械的変形またはマイクロホン効果は電極間の距離に大きく影響を与えるため、データの正確性および明確性に悪影響を与える。公知のシステムの他の不利な点は透明性である。大量の銅は後方散乱を生じさせ、透明性を減少させるため、この装置の送信チャンバとしての適用性を減少させる。
【0007】
必要とされるのは、先行技術の問題点を最小化もしくは除去する放射線治療装置が作り出した流ちょう率(the fluency rate)の品質保証とオンラインモニタのための装置と方法である。必要とされるのは、標的体積に堆積させた放射線量に相当する量を測定するためのより正確な方法と装置である。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
放射装置により標的に供給される放射線をモニタする放射線モニタと方法について説明する。放射線モニタは、一組もしくは縦横配列されたピクセルイオンチャンバを含む。ピクセルイオンチャンバは、望ましくは、上端の電極と、中間層を通して上端の電極と接続する分割電極(segmented electrode)とから構成される。複数のピクセルイオンチャンバは、上端の電極から分割電極にまで広がる中間層の内部に形成される。中間層は、粘着性ドットの配列によって上端の電極と分割電極にまで積層されるが、ここで、粘着性ドットは適切な大きさおよび中間層の適切な位置とされることにより、イオンチャンバのための通気用スリットまたは通路を提供する。
【0009】
電流リークを低減するピクセルイオンチャンバの一の実施形態について説明する。ピクセルイオンチャンバは上端の電極と、上端の電極に接続された中間層と、中間層に接続された分割電極とを含む。中間層は、その幅を貫いてチャンバを形成する孔を有する。分割電極は、中間層の対応するチャンバと結合する、炭素の印刷のピクセルである最上層を有する。ピクセルを取り囲む銅のガードリングはリークを防止する。ピクセルイオンチャンバはまた、充填されたビアホールによってピクセルと接続されることによりピクセル信号のトラックをなす信号トラックと、それぞれ個々にピクセル信号トラックを囲んでさらなるリークを防止する銅のガードトラックと、を有することが望ましい。リークからのさらなる保護のために、中間層は、粘着性ドットにより、上端の電極から分割電極まで積層される。粘着性ドットは、チャンバの通気用通路を供給するために適切な大きさおよび中間層の適切な位置とされる。
【0010】
他の実施形態に関し、放射線を測定するために透明性を改善したモニタについて説明する。モニタは、低Z材料から構成され、その結果、より透明なチャンバを得る。モニタはピクセルイオンチャンバの縦横配列を有する。ピクセルイオンチャンバは、上端の電極と、中間層と、分割電極とを有してなる。上端の電極は、EMC保護シールドとして印刷された炭素の最上層をその外側に有する。ピクセルイオンチャンバはまた、臭化物やその他の元素番号の高い元素の化合物が含まれていない材料からなるプリント基板をも有しうる。
【0011】
他の実施形態に関し、放射装置によって標的に供給された放射線をモニタする方法について説明する。最新の発明によってもたらされたいかなる放射線モニタであっても、放射装置と標的の間に配置されることにより、放射線ビームは標的に放射線が供給される前にモニタを通過する。放射線は、その後標的に供給される。放射装置が作り出した流ちょう率は、モニタによってリアルタイムに測定される。標的は、放射線治療を受ける患者でありうる。標的はまた、放射線治療装置の作動中または試験中に使用される水ファントムでもありうる。患者またはファントムがリアルタイムに受ける放射線量は測定した放射線と標的の治療のための放射線量との比較から決定されうる。
【0012】
図面の簡単な説明
図1は本発明に係るピクセルイオンチャンバ1の積層の側面図を示す。
【0013】
図2はピクセルイオンチャンバの配列もしくは縦横配列の、上端の電極10の内部の炭素層の上面図を示す。
【0014】
図3はピクセルイオンチャンバの配列もしくは縦横配列の、分割電極100の第1層110の上面図を示す。
【0015】
図4は分割電極110の詳細な側面図を示す。
【0016】
図5は信号層3と4、130と140の構造の図を示す。
【0017】
発明の詳細な説明
リアルタイムに放射線を測定するモニタ装置を説明する。モニタ装置は、放射装置が作り出す流ちょう率をモニタするために使用しうる。モニタ装置は、操作時において、放射装置と放射線治療を受けている患者といった標的の間に配置する。そのような位置において、装置は流ちょう率を測定し、対応する放射線量をリアルタイムに決定しうる。以下、本発明の最適な実施形態について説明する。
【0018】
モニタ装置は、ピクセルイオンチャンバの配列もしくは縦横配列からなる。図1は、本発明に係る単一のピクセルイオンチャンバ1の構造の側面図を示したものである。ピクセルイオンチャンバ1は上端の電極10、中間層50、分割電極100を有する。
【0019】
上端の電極10は、両側を炭素の層32、34で挟まれたポリイミドの層20を有する。上端の電極は、用途によって、例えば他の塑性材料、グラファイト、金属といったいかなる材料からも形成されうる。ポリイミドは、約50μmの厚さで、パイララックスAP8525R(R)からなることが望ましい。炭素の層は約25μmの厚さの印刷された炭素であることが望ましい。
【0020】
上端の電極10の外側の炭素の層32は、EMC(Electro−Magnetic Compatibility)シールドとして機能する。外側の炭素の層32は、一般的に、ピクセルイオンチャンバ1の全面にわたっている。内側の炭素の層34は、中間層50の孔55に対応して設けられ、内側の炭素の層の外周が孔55の外周と一致するか小さくなるような大きさとされる。内側の炭素の層34と孔55は、実質的に円形の形状(たとえそれらが、用途または製造の容易性からいかなる形状にもしうるとしても)であって、直径が異なる(内側の炭素の層34の方が小さい直径を有する)ことが望ましい。最適な実施形態においては、内側の炭素の層は直径が約4.4mmで、これに対応した、中間層50の孔55は直径が約4.5mmである。こうすることにより、中間層50が中央の電極34、105と接触することがない。印刷された炭素の層34の縦横配列は、良好かつ一定の電導度を確保するため、銅のグリッド36(図2に示されている)により互いに接続される。
【0021】
中間層50は、純粋なポリカーボネートの板からなる。中間層50は約5mmの厚さであることが望ましいが、チャンバの直径に依存して大きくも小さくもなりうる。中間層50のほぼ中央には、孔55が中間層50厚さ全体を通して伸びる。孔58は直径が約4.5mmであることが望ましく、中間層50の水平面に対し実質的に垂直に伸びて円筒を形成する。
【0022】
中間層50の上端52には、接着剤45によって上端の電極10のポリイミドの層20がかぶせられている。接着剤は、粘着性ドット(dots)状で約100μmの厚さであることが望ましい。粘着性の材料は直径が約1〜2mmのエポキシ樹脂であることが望ましい。中間層50の下端56も、同様に、分割電極100の最上層105に、望ましくは粘着性ドット45状の粘着剤45がかぶせられている。中間層50には先端20と分割電極100が接着されるので、チャンバ58が中間層50の孔55に形成される。
【0023】
粘着性もしくは接着性のドット45は、中間層50を上端の電極10と分割電極100に接着することに加え、さまざまな機能を発揮する。第1に、ドット45の形状と位置は、チャンバ58を完全に密封するのではなく、それどころかチャンバ58の中間層50の両側面に通気用スリットもしくは開口通路を提供する。接着性のドット45は、上端の電極10の内側の炭素の層34の周辺および分割電極100のピクセル105の周辺に位置する。密封されたチャンバは、気密性でありもしくはあり続けることがない傾向があり、それが予想外の感度の変化をもたらすことから、完全な線量測定のためには、密封されたチャンバよりも通気口のあるチャンバの方が望ましい。
【0024】
加えて、図2と3(これらは、ピクセルイオンチャンバ1の配列もしくは縦横配列の細胞支持構造(the cell−supporting structure)の上面図を提供する)に示すように、接着性のドット45のグリッドを用いることにより、外部の機械的な支持構造体を用いることなく構造化できる。このような支持構造体をピクセルイオンチャンバの配列から除外することは、外部の支持構造体を用いたときに現れる機械的変形もしくはマイクロホン効果を最小化もしくは排除する。このようにすることにより、外部の支持構造体を利用した装置よりも測定の正確性を増大させることができる。
【0025】
接着性のドット45はまた、上端の電極10と中間層50を通して分割電極100の間で起こりうる、中間層50のリークを最小化もしくは削減する助けとなる。このようなリークは、測定の妨げとなり、その最小化もしくは削減によってもまた測定の正確性を増大させる。接着性のドットは、中間層50が集電極と接触することを阻止するスペーサとして機能するが、これはリークを低減するための本発明の一つの技術である。後述するように、本発明は、それのみで使用されることによりもしくは接着性のドットとの組み合わせによりリークを低減する他の技術を提供する。
【0026】
分割電極の詳細な側面図は図4(正確な縮尺で示していない)に示されている。最適な実施形態においては、分割電極100は6層のプリント基板を含む。チャンバ58の内側と向かい合う第1層110は、望ましくは印刷された炭素あるいはグラファイトもしくは薄い金属から構成されたピクセル105を含む。ピクセル105は約25μmの厚さであることが望ましい。ピクセル105が孔55に適合するように、ピクセル105は、孔55の形状および大きさに従った形状および大きさにする。ピクセル105は、実質的に、孔55の直径より小さい直径の円形(たとえそれらが、用途または製造の容易性からいかなる形状にもしうるとしても)であることが望ましい。最適な実施形態においては、ピクセル105は、中間層50の孔55の直径より約0.4mm小さい。孔55の直径が約4.5mmで、ピクセル105の直径が約4.1mmであることがより望ましい。
【0027】
ピクセル105は、充填されたビアホール108により図5に示す信号のトラックと接続される。充填されたビアホール108は、2つの絶縁層115、135間の垂直な配線である。ビアホール108は、ガルバニックプロセス(galvanic process)により形成された厚さが約20μmの銅の円筒109からなることが望ましい。ビアホール108は、絶縁層を通してピクセル105と信号のトラックを接続する垂直の配線を提供する。
【0028】
第1層110の直下には、2つの銅のガードトラック104、120により挟まれたコア材料の層115がある。層115は純粋なポリイミドあるいはDuraver(R)156材料を強化したガラス繊維もしくはいずれかの低ZのPCB材料からなり、約1000μmの厚さであることが望ましい。この厚さにより、コア材料が後方散乱電子を吸収することを可能としている。これらの銅のトラックは、約18μmの厚さ(特に断りのない限り、全ての銅のトラックもしくは層は約18μmの厚さであることが望ましい)であることが望ましい。上端の銅のガードトラック104は、ピクセル105と組み合わされることにより、分割電極100の第1層110を提供する。上端の銅のガードトラック104は、ピクセル105を囲む形状にされ、それにより、上端の電極10からのリークを阻止する。上端の銅のガードトラック104は、ピクセル105の形状に対応するがピクセル105よりも大きい直径を有するのでピクセル105と重なることがない孔を有する。第1層110の望ましい構造の上面図を図3に示した。最適な実施形態においては、上端の銅のガードトラック104の孔の直径は約4.9mmである。これは、平均して約60%の銅の割合が上端の銅のガードトラック104によるという結果になる。粘着性ドット45は、分割電極100の第1層110を中間層50と接続するためにも用いられる。
【0029】
第2層は、下端の銅のガードトラック120を含み、コア材料115を間にして上端の銅のガードトラック104と向かい合って位置する。下端の銅のガードトラック120は、信号のトラック(図示せず)とピクセル105の間のクロストークを阻止する。ガード120は、センサーの入力電圧(±1mV)に非常に近い、低インピーダンスの電圧(図示せず)へ接続される。下端の銅のガードトラック120の銅の割合の平均値は、充填されたビアホール108を通じて拡張していないトラックを除き、約100%である。
【0030】
第2層120と第3層130の間に挟まれているのは絶縁層128であり、約50μmの厚さのポリイミド(Pyralux(R) AP 8525R)からなるのが望ましい。絶縁層128の両側には約25μmの接着剤層127、129が提供される。
【0031】
第3層および第4層は、約1000μmの厚さの他のコア材料135(望ましくは、Duraver(R) 156材料を強化したガラス繊維)の層の両側の約18μmの銅の層130、140である。第3層と第4層130、140はガードトラックとして機能し、ピクセルチャンバ1の一の側面に位置する読出し電子機器(図示せず)にピクセル105を接続するピクセル信号のトラックを囲む。リークを低減するために、読出し電子機器のための電極および銅のトラックを含むピクセルトラックもまた銅のガードトラック(図示せず)によって囲まれる。上面が第3層130により囲まれ、下面が第4層140により囲まれるのと同様に、ピクセルトラックは両側が囲まれることが望ましい。第3層130と第4層140に関しては、平均的な銅の割合は約50%であることが望ましい。図5は、第3層130と第4層140に関する信号の構造を示したものである。
【0032】
第4層140と第5層150の間に挟まれているのは他の絶縁膜148であり、約50μmの厚さのポリイミド、例えばPyralux(R) AP8525Rといったもの、からなることが望ましい。絶縁膜148の両側にある、約25μmの厚さの接着剤層147、149が備えられる。
【0033】
第5層150と第6層160は、約18μmの銅の非構造(unstructured)の層を含む。第5層150と第6層160の間に挟まれているのは約50μmの厚さのポリイミド箔155、例えばPyralux(R) AP 8525Rといったもの、である。電磁耐性を向上させるために、第5層150はガード電位(guard potential)(図示せず)に接続され、第6層160は保護接地(protective ground)(図示せず)に接続される。層150および層160の両方に関し、平均的な銅の割合は約100%であることが望ましい。
【0034】
さらなる実施形態におけるピクセルイオンチャンバの配列は図2と図3に図示した構造を有してなる。本発明に従い、層間に接着性のドットを使用することにより、支持構造体のない細胞支持構造を備える。銅の代わりに印刷された炭素の電極を用いることにより、低Z材料を供給し、より透明度の高いチャンバが得られる。さらなる透明度は、臭化物を含まないPCB材料(低Z材料)を用いることにより達成される。加えて、印刷された炭素の層を上端の電極の最上層に用いることにより電磁遮へい体として機能する。最終的に、保護層としての銅のトラックは、リークからの保護およびリークの低減をもたらす。
【0035】
さらなる実施形態においては、最新の発明によって提供されるようなチャンバの配列は、放射線治療装置が作り出す放射線の流ちょう率をリアルタイムに測定するために、オンラインモニタに組み込まれる。本発明に係るオンラインモニタの共通の用途は、放射線治療を受けている患者への放射線の放射量をモニタし、放射線量の検証をリアルタイムに行ことである。本実施形態においては、チャンバの配列を含むモニタは、放射装置と標的の間に配置する。放射線治療の場合、標的は患者であるが、チャンバの配列の透明度を向上させたため、流ちょう率の直接の測定が達成され、その結果間接的な測定および計算によって患者への放射線の放射量を計算する必要がなくなる。
【0036】
開示した発明には、当業者にとって明らかな多様な修正、調整、応用が存在するであろうが、本願はそのような実施形態を包含する意図である。たとえ本発明がある望ましい実施形態との関連で説明されたとしても、これらの全体の範囲は請求項の範囲を参照することにより決定される。例えば、例として縦横配列された一組のピクセルが示された場合でも、ビームの特定の側面を測定するための特定の並びの配列、マルチリーフコリメータのリーフの平坦性、歪度、位置、といった一連のピクセルの他の配列をも意図しうる。
【0037】
前述した様々な刊行物、特許、特許出願は参照することにより全体がそのまま組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るピクセルイオンチャンバ1の積層の側面図を示す。
【図2】ピクセルイオンチャンバの配列もしくは縦横配列の、上端の電極10の内部の炭素層の上面図を示す。
【図3】ピクセルイオンチャンバの配列もしくは縦横配列の、分割電極100の第1層110の上面図を示す。
【図4】分割電極110の詳細な側面図を示す。
【図5】信号層3と4、130と140の構造の図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組のピクセルイオンチャンバを含む放射線モニタであって、
前記ピクセルイオンチャンバは、
上端の電極と、
中間層を通して前記上端の電極と接続された分割電極と、
前記上端の電極から前記分割電極まで拡張された前記中間層内に形成された複数のチャンバと、を含み、
前記中間層は前記上端の電極および前記分割電極まで粘着性のドットで積層され、前記粘着性のドットは前記ピクセルイオンチャンバの通気のためのスリットまたは通路を供給するために適した大きさおよび前記中間層における位置としたことを特徴とする放射線モニタ。
【請求項2】
前記粘着性のドットはエポキシ樹脂からなり、直径が約1〜2mmであることを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項3】
前記上端の電極は内側に印刷された炭素の層をさらに有し、
前記内側に印刷された炭素の層は銅のグリッドで接続されたことを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項4】
前記ピクセルイオンチャンバは縦横配列されたことを特徴とする請求項1に記載の放射線モニタ。
【請求項5】
上端の電極と、
前記上端の電極と接続された中間層であって、前記中間層を貫いて拡張しチャンバを形成する孔を有する前記中間層と、
前記中間層に接続された分割電極であって、前記中間層の対応する前記チャンバと結合する炭素の印刷からなるピクセルを最上層に有する前記分割電極と、
前記ピクセルを取り囲む銅のガードリングと、
を含むことを特徴とする、リークを低減するピクセルイオンチャンバ。
【請求項6】
充填されたビアホールにより前記ピクセルに接続されることによりピクセルのトラックをなす信号のトラックと、
前記ピクセルのトラックを囲む銅のガードトラックと、
をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のピクセルイオンチャンバ。
【請求項7】
前記中間層は前記上端の電極および前記分割電極まで粘着性のドットで積層され、前記粘着性のドットは前記チャンバの通気のための通路を供給するのに適した大きさおよび前記中間層における位置としたことを特徴とする請求項5に記載のピクセルイオンチャンバ。
【請求項8】
請求項6に記載の前記ピクセルイオンチャンバから構成されたピクセルイオンチャンバの縦横配列を含むモニタ。
【請求項9】
上端の電極と、
中間層と、
分割電極と、
を含むピクセルイオンチャンバの縦横配列、を含むモニタであって、
前記上端の電極はEMCシールドとして、印刷された炭素からなる最上層を外側に有する、放射線の測定のために透明性を改良したことを特徴とするモニタ。
【請求項10】
前記ピクセルイオンチャンバは臭化物を含まない材料から構成されたプリント基板をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のモニタ。
【請求項11】
前記ピクセルイオンチャンバは、前記中間層が前記上端の電極および前記分割電極まで粘着性のドットの配列で積層され、前記粘着性のドットが前記ピクセルイオンチャンバの通気のためのスリットまたは通路を供給するのに適した大きさおよび前記中間層における位置とされたことを特徴とする請求項9に記載のモニタ。
【請求項12】
前記ピクセルイオンチャンバは、
充填されたビアホールにより前記ピクセルに接続された信号のトラックと、
前記ピクセルのトラックを囲む銅のガードトラックと、
をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のモニタ。
【請求項13】
放射線が標的に供給される前に放射線ビームをモニタに通過させるために、請求項1、7、11のいずれかに記載の放射線モニタを放射装置と前記標的との間に配置する段階と、
標的に放射線が供給される段階と、
前記放射装置が作り出した流ちょう率(the fluency rate)を測定する段階と、
を含むことを特徴とする、放射装置により標的に供給される放射線をモニタする方法。
【請求項14】
前記標的は、放射線治療を受けている患者であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記標的は、水ファントムであることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
リアルタイムに患者が受ける放射線量を、測定された放射線と、前記放射線量と標的の治療のための放射線量との比較と、から決定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−507521(P2009−507521A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512947(P2008−512947)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001390
【国際公開番号】WO2006/126084
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(506035566)イオンビーム アプリケーションズ, エス.エー. (5)
【出願人】(507390930)
【出願人】(507391041)ディパーティメント ディ フィジカ スペリメンテール オブ ザ ユニバーシタ デグリ ステュディ ディ トリノ (1)
【Fターム(参考)】