説明

放射線照射量履歴インジケータシート

【課題】
広範囲の放射線照射量を色相の明瞭な変化により表示でき、また、長時間保存しても退色しないインジケータを提供する。
【解決手段】
放射線照射量履歴インジケータシートは、ハロゲン基とアセタール基から選ばれる少なくとも一種類の基および水酸基を有する高分子化合物と、呈色性の電子供与体有機化合物と、放射線により該電子供与体有機化合物を呈色させる活性種生成有機化合物と、放射線吸収剤および/または放射線蛍光剤とを含有してなる変色層を、基材シートの表面の少なくとも一部に有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具、輸血用血液等の滅菌や診療の際に照射した放射線量を色の変化で表示させるもので、変化した色が明確に認識でき、かつ退色しないインジケータシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線、γ線などの放射線処理は、医療器具の滅菌や輸血用血液による移植片対宿主病(TA−GVHD)発病予防のために行われている。医療滅菌や輸血用血液への放射線照射が充分になされたか否かは、放射線によって不可逆的に変色する物質を含むインジケータを被照射物に間に混在させ、その変色を確認することによって行われている。
【0003】
それに対し、放射線診療の際、人体に過剰な放射線量で被爆していないことを確認するには、面積線量を測定する透過型(電離箱)線量計、半導体検出器、シンチレーション検出器を用いた放射線量測定が行われている。
【0004】
しかし、電離箱線量計や半導体検出器やシンチレーション検出器は、形状が大きかったり、患者へ直接貼付するのが面倒であったりするために、取り扱い難い。
【0005】
また、医療滅菌や輸血溶液への放射線照射で使用されているインジケータは、15〜25,000Gyで変色を起こすが5Gy以下の放射線の確認が困難であるため、放射線診療分野における照射領域は確認することができない。
【0006】
特許文献1には、輸血用血液への少量の照射量の15Gy程度から、医療用具への多量な照射量の25,000Gy程度までの放射線の照射量を表示できるインジケータが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−131438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、広範囲の放射線照射量を色相の明瞭な変化により表示でき、また長時間保存しても退色しないインジケータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、ハロゲン基とアセタール基から選ばれる少なくとも一種類の基および水酸基を有する高分子化合物と、呈色性の電子供与体有機化合物と、放射線により該電子供与体有機化合物を呈色させる活性種生成有機化合物と、放射線吸収剤および/または放射線蛍光剤とを含有してなる変色層を、基材シートの表面の少なくとも一部に有している放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0010】
前記高分子化合物が下記式(1)
【0011】
【化1】

【0012】
(上記式中、Xはハロゲン原子、−Rは水素原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アセトキシ基のような脂肪族カルボニルオキシ基、カルボキシル基、アリールオキシ基、アラルキル基、またはアラルコシ基を示し、l、m、nは任意の比率。)で示される高分子化合物、および、下記式(2)
【0013】
【化2】

【0014】
(上記式中、−Rおよび−Rは、同一または異なり、水素原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アセトキシ基のような脂肪族カルボニルオキシ基、カルボキシル基、アリールオキシ基、アラルキル基、またはアラルコシ基を示し、p、q、rは任意の比率。)で示される高分子化合物から選ばれるものであることが好ましい。これらの高分子化合物は、単独でも、複数混合して用いてもよいし、また他の高分子化合物を混合してもよい。
【0015】
前記呈色性の電子供与体有機化合物は、通常無色または淡色で、ブレンステッド酸、ルイス酸等の活性種、すなわち電子受容体の作用で発色する性質を有するものである。具体的には、トリフェニルメタンフタリド類例えばクリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン;フルオラン類例えば3−ジエチルアミノベンゾ−α−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン;フェノチアジン類例えば3,7−ビスジメチルアミノ−10−(4’−アミノベンゾイル)フェノチアジン;インドリルフタリド類例えば3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド;ロイコオーラミン類例えばN−(2,3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−フェニルオーラミン;ローダミンラクタム類例えばローダミン−β−o−クロロアミノラクタム;ローダミンラクトン類例えばローダミン−β−ラクトン;インドリン類例えば2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3’−ジメチルインドリン、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、ベンゾイルロイコメチレンブルー;トリアリールメタン類例えばビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタンが挙げられる。それらは、単独で用いられてもよく、複数種混合して用いられてもよい。
【0016】
前記活性種生成有機化合物は、放射線の照射により不可逆的に活性種が生じるもので、ハロゲン基を有する化合物例えば四臭化炭素、トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等のハロゲン化アルキルやトリブロモメチル誘導体が挙げられる。
【0017】
前記放射線吸収剤は、バリウム、イットリウム、銀、スズ、ハフニウム、タングステン、白金、金、鉛、ビスマス、ジルコニウム、ユウロピウム、セリウムの金属、および該金属を含む化合物例えばそれらの金属の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩が挙げられる。それらは、単独で用いられてもよく、複数種混合して用いられてもよい。
【0018】
前記放射線励起蛍光剤は、CaWO4、MgWO4、HfP207で示される塩、ZnS:Ag、ZnCdS:Ag、CsI:Na、CsI:Tl、BaSO4:Eu2+、Gd2O2S:Tb3+、La2O2S:Tb3+、Y2O2S:Tb3+、Y2SiO5:Ce、LaOBr:Tm3+、BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+で示される焼成物が挙げられる。ZnS:Agの焼成物は、硫化亜鉛を主成分とし、重金属賦活剤である銀を加えて焼成したものである。他の焼成物も同様にして得られる。それらは、単独で用いられてもよく、複数種混合して用いられてもよい。
【0019】
また、高分子化合物を溶剤に溶解させて媒体とし、インキにして用いてもよい。
【0020】
媒体は、高分子化合物5〜50重量部に対し、溶剤50〜95重量部を含むことが好ましい。
【0021】
溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサン、イソホロン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−へキサン、イソオクタン、ソルベントナフサ、メチレンクロライド、プロピレンクロライド、エチレンクロライド、クロロホルム、ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、酢酸から選ばれる少なくとも一種類の化合物が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、複数混合して用いてもよい。また、高分子化合物を溶解させる溶剤はすべて使用可能である。
【0022】
請求項2に記載の発明は、前記変色層上の一部に、変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0023】
この色素は含有するインキを変色層上部に印刷する、もしくはこの色素を含有するシートを変色層の上部に設置することで好適に実施することができる。また、放射線照射量に対応する変色後の色相を2種類以上設置することで、より精度の高い放射線量推計が可能である。
【0024】
請求項3に記載の発明は、前記変色層が、透明または半透明の保護フィルム層で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0025】
保護フィルムは紫外線を遮断するためのもので、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、またはポリプロピレンのフィルム、ポリエステル、およびこれらのフィルムに紫外線吸収剤を混入もしくは積層させたものが挙げられる。
【0026】
保護フィルムは、変色層の全面を被覆したものであってもよく、変色層の一部が外部に曝されて被覆したものであってもよい。
【0027】
保護フィルムに粘着層を付し、基材シート上の変色層へこの粘着層を介して保護フィルムが粘着されたものであってもよい。
【0028】
インジケータシートの非観察面側に粘着層が設けられていると一層好ましい。インジケータシートの変色層と基材シートとからはみ出す程度に保護シートで観察面側から覆い被せ、インジケータシートとはみ出た保護シートとの非観察面側に、粘着層が付されていてもよい。保護フィルム上に、変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素が付されていてもよい。
【0029】
また、インジケータシートを保護フィルムで封入してもよい。
【0030】
請求項4に記載の発明は、前記保護フィルム層のいずれかの面の一部に、前記変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素を有していることを特徴とする請求項3に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0031】
請求項5に記載に発明は、前記基材シートが保護フィルムシートであって、該保護フィルムシートの非観察面に粘着層が付されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0032】
この保護フィルムシートを兼ねる基材シートの非観察面側に変色層が付され、変色層の非観察面側に付された粘着層を介して、別な基材シートが粘着されていてもよい。さらに、この保護フィルムシートを兼ねる基材シートが別な保護フィルムシートで覆われていてもよく、またこの別な基材シートの非観察面側に別な粘着層が付されていてもよい。
【0033】
保護フィルムシートのいずれかの面の一部に、変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素を付してもよく、この色素を含有するシートを設置してもよい。
【0034】
基材シートは、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリプロピレンの樹脂製または紙製であることが望ましい。
【0035】
請求項6に記載の発明は、前記保護フィルムシートのいずれかの面の一部に、前記変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素が付されていることを特徴とする請求項5に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0036】
請求項7に記載の発明は、前記粘着層に、別な基材シートが接着されていることを特徴とする請求項6に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0037】
請求項8に記載の発明は、感度が異なる複数の前記変色層を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【0038】
感度が異なる複数の変色層を有していると、より広範囲の線量測定が可能となるうえ、測定精度が向上する。また、夫々の変色層の変色色調が相違していてもよい。同色調の複数の変色層は、僅かな変色を視覚的に確認し難いものであるが、変色色調が相違する複数の変色層は、僅かな変色を明確に確認できるようになる。
【0039】
請求項9に記載の発明は、前記基材シートの非観察面に粘着層が付されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放射線照射量履歴インジケータシートである。
【発明の効果】
【0040】
本発明の放射線履歴インジケータは、形状がシート状であるために測定部位への貼付が容易であり、医療器具、輸血用血液の滅菌の際に放射線照射した線量を色の変化で表示ができるだけでなく、放射線診療の際に人体に付けて簡便に放射線照射位置の確認や照射量の確認ができる。
【0041】
また、放射線量が0.05〜25,000Gyという広範囲で変色するため、放射線診療分野における低線量の照射領域の確認にも利用することができる。
【0042】
また、変色後のインジケータは、長期間退色しない。そのためインジケータは、所定の放射線量が照射できたことを示す証拠として、長期間保存ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
放射線照射量履歴インジケータシートは、以下のようにして製造される。まず、溶剤50〜95重量部と高分子化合物5〜50重量部とを混合し媒体とする。この媒体に、呈色性の電子供与体有機化合物0.01〜50重量部と、活性種生成有機化合物0.1〜50重量部と、放射線吸収剤/放射線励起蛍光剤0.1〜500重量部とを混合し、インキとする。これを基材シートに塗布し、変色層を形成する。変色層上に、変色層の変色前の色相と近似または同色相の色素を含有するインキによって図柄や文字を印刷すると、放射線照射量履歴インジケータシートが得られる。
【0044】
図1は、本発明を適用する放射線照射量履歴インジケータシートの製造の一例を表す断面図である。放射線照射量履歴インジケータシートは、図1に示すように、変色層1を、基材シート2の表面上に有しており、変色層1上には、変色層1の色相と近似する色素3を含有するインキによって図柄や文字が印刷されている。図3(a)に示すように、図柄の印刷部分10と非印刷部分11とは、色相が近似しており、目視で区別できない。基材シート2の非観察面は粘着層5を有している。
【0045】
放射線照射の際、このインジケータシートを被照射物に貼付し、放射線例えばX線またはガンマ線を照射する。照射が完了したときインジケータシートを取り出す。このときのインジケータシートの状態を図3(b)に示す。放射線の照射により変色層1は呈色するが、図柄印刷部分10ではインキの色相のみが観察され、一方、非印刷部分11では変色層1の変色した色相が観察される結果、図柄印刷部分10が中抜き図柄として現れる。これにより、所定の放射量が照射されたことが確認できる。変色後のインジケータシートは退色しないので、所定の放射線量が照射できたことを示す証拠として、変色後の色相のまま長期間保存ができる。
【0046】
なお、インジケータシートは、図4(a)に示すように変色層の変色後の色相に近似する色素3を含むインキにより、中抜き図柄を印刷していてもよい。放射線照射前は、図柄印刷部分20と非印刷部分21とは色相が相違しているので、非印刷部分21が中抜き図柄として現れている。このインジケータシートに放射線を照射すると、図4(b)に示すように、非印刷部分21では変色層1の変化した色相が観察され、図柄印刷部分20の色相に近似するため、中抜き図柄が見えなくなる。
【0047】
詳細は不明だが、このインジケータは以下のメカニズムにより退色が抑制されるものと推察される。まずインジケータ中の放射線吸収剤が、インジケータに照射された放射線を吸収・散乱し、光電効果、コンプトン効果、電子を放出した電子対生成の現象を起こす。放射線励起蛍光剤でも同様な現象とともに蛍光リン光発光現象を起こす。これら現象により活性種生成有機化合物から電子受容性を有する活性種が生成され、混在している呈色性の電子供与体有機化合物の電荷移動を誘発する。すると電子供与体化合物は、その電子密度が変化するため呈色し、これによりインジケータが変色する。同時に、高分子化合物の水酸基が放射線照射によって水素イオン等の電子受容体が生じさせ、呈色した電子供与体化合物を安定化させるため、退色しなくなる。特に高分子化合物中の水酸基は、ハロゲン基またはアセタール基が共存することで、水素イオン等の電子受容体を生成しやすくなっていると考えられる。
【0048】
したがって、変色後のインジケータを、変色した色相のまま長期間保存することが可能である。
【0049】
また、このインジケータは、0.05〜25,000Gyの広範囲の放射線量を表示でき、従来よりも低線量での変色が可能となった。詳細は不明であるが、高分子化合物が、呈色した電子供与体有機化合物を安定化させる効果を持ち、組成物中に多く含まれているために、低線量での変色が可能になったと考えられる。
【0050】
変色層に含有される物質の種類及び配合比を調整することにより、変色後の色相、色の濃淡及び変色速度の調節が可能である。
【実施例】
【0051】
以下、本発明の放射線照射量履歴インジケータシートを試作した実施例について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
高分子化合物である塩化ビニル・酢酸ビニル・ポリビニルアルコール共重合体を、溶剤であるトルエン/エタノール(1:1)に溶解させて25%溶液の媒体を調製した。調製した媒体100重量部に呈色性の電子供与体有機化合物として、フルオラン類である2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン10重量部、放射線活性剤としてトリブロモエタノール10重量部、放射線吸収剤として酸化セリウム20重量部を混合してインクとし、放射線照射量履歴インジケータ用組成物を得た。得られた組成物をポリエチレンフィルム製の基材シートに塗布して、インジケータシートを得た。
【0053】
このインジケータシートに、X線照射装置MBR−1520A−2(日立メディコ(株)社製)により15GyのX線を照射し、インジケータシートを取り出して目視により観察したところ、黒色を示していた。さらに照射したインジケータシートを40℃恒温槽内で3週間保存した後、同様に観察したところ、X線照射直後の色相と同様の黒色を示していた。また、X線に代え、ガンマ線照射装置ガンマセル1000エリート(MDS Nordion社製)によるガンマ線をインジケータシートに照射したところ、同一の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を適用する放射線照射量履歴インジケータシートの実施例を示す断面図である。
【0055】
【図2】本発明を適用する放射線照射量履歴インジケータシートの別な実施例を示す断面図である。
【0056】
【図3】本発明を適用する放射線照射量履歴インジケータシートの実施例の使用状態を示す平面図である。
【0057】
【図4】本発明を適用する放射線照射量履歴インジケータシートの実施例の別な使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0058】
1は変色層、2は基材シート、3は色素、4は保護フィルム層、5は粘着層、10は図柄印刷部分、11は非印刷部分、20は中抜き図柄印刷部分、21は非印刷部分である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン基とアセタール基から選ばれる少なくとも一種類の基および水酸基を有する高分子化合物と、呈色性の電子供与体有機化合物と、放射線により該電子供与体有機化合物を呈色させる活性種生成有機化合物と、放射線吸収剤および/または放射線蛍光剤とを含有してなる変色層を、基材シートの表面の少なくとも一部に有している放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項2】
前記変色層上の一部に、変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項3】
前記変色層が、透明または半透明の保護フィルム層で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項4】
前記保護フィルム層のいずれかの面の一部に、前記変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素を有していることを特徴とする請求項3に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項5】
前記基材シートが保護フィルムシートであって、該保護フィルムシートの非観察面に粘着層が付されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項6】
前記保護フィルムシートのいずれかの面の一部に、前記変色層の変色前または変色後の色相に近似する色素が付されていることを特徴とする請求項5に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項7】
前記粘着層に、別な基材シートが接着されていることを特徴とする請求項6に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項8】
感度が異なる複数の前記変色層を有していることを特徴とする請求項1に記載の放射線照射量履歴インジケータシート。
【請求項9】
前記基材シートの非観察面に粘着層が付されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の放射線照射量履歴インジケータシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−17699(P2006−17699A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127561(P2005−127561)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000232922)日油技研工業株式会社 (67)
【Fターム(参考)】