説明

放射線硬化性ミクロ構造保有物品

【課題】 調光フィルム(LMF)その他のミクロ構造を備える物品の製造に優れた特性を有する一群のアクリル系樹脂材料の提供。
【解決手段】 単官能性(メタ)アクリレート単量体及び多官能性(メタ)アクリレート単量体、任意成分としての多官能性(メタ)アクリレートオリゴマーからなるブレンドは、光開始剤との接触状態で紫外線によって硬化させることができ、ガラス転移温度35℃以上の光学樹脂製品を生成し、この光学樹脂製品はミクロ構造保有物品としての使用に好適な物性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミクロ構造保有表面の複製に関し、特にそうした複製の可能な一群の樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂表面でのミクロ構造の複製は、コーナーキューブエンボス加工シートで反射性を与える交通標識の製造、眼科用フレネルレンズ素子及び可撓性ビデオディスクの製造、液晶ディスプレイ用の「輝度向上」フィルム又は「調光」フィルム(単にLMFともいう。)の製造など幅広い技術分野で重要である。複製には、保管及び使用時に形状を保持するのに十分な高いガラス転移温度(Tg)、賦形(典型的にはモールディングによる)を容易にする粘弾性特性、及び成形品のミクロ構造を始めとする形状の長期保持など最適な物性を樹脂が有していることが必要である。適当な粘弾性特性には、ガラス及びゴム状態での所定の範囲内の弾性率並びにこれらの状態間の適当な転移温度が挙げられる。
【0003】
ミクロ構造の複製に適した多数の樹脂組成物が特許文献に開示されている。かかる組成物の大半を包括する基本開示が米国特許第4576850号になされている。この米国特許に記載された組成物は、「ハード」及び「ソフト」セグメント又は部分と放射線重合性部分との組合せを特徴とする。ほとんどの場合、これら3種類のセグメントはすべて同一分子中に存在する。「ハード」セグメントの重要な特徴は、環式(つまり炭素環又は複素環)基が存在することである。その後で行された特許では、適当なポリマー組成物及びその前駆体に関して、上記米国特許第4576850号を引用していることが多い。
【0004】
しかし、上記特許その他の刊行物に開示されていない別のLMF樹脂材料を開発できれば有利である。
【特許文献1】米国特許第4576850号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、LMFその他ミクロ構造を備える物品の製造に優れた特性を有する一群のアクリル系樹脂材料の発見に基づく。
【0006】
本発明は、光学用の複数の実用的不連続部を含む複製ミクロ構造を備える表面を有するガラス転移温度35℃以上の光学樹脂製品に放射線硬化し得る放射線硬化性物品を包含する。こうして製造した硬化光学樹脂製品も本発明に包含される。
【0007】
上記放射線硬化性物品は、炭素環式及び複素環式重合性部分を含まず、
(A)(1)1種以上のt−アルキル(メタ)アクリレート単量体、(2)1種以上のN−置換又はN,N−二置換(メタ)アクリルアミド単量体及び(3)1種以上のC1−8第一級又は第二級アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の単官能性アクリル単量体、
(B)1種以上の多官能性(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド単量体、
(C)任意成分として1種以上の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、及び
(D)1種以上の光開始剤
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の光学樹脂製品は、凹凸のような複数の実用的不連続部を備える複製ミクロ構造を有する表面によって特徴付けられるが、この表面は放射線硬化後にモールドの細部を失うことなくモールドから容易に離型でき、しかもそうした細部の複製を様々な使用条件下で保持する。本物品は、靱性、可撓性、光学的透明性及び均質性、慣用溶剤に対する耐性のような様々な望ましい特性を有する。かかる物品のミクロ構造は、高い熱的寸法安定性、耐摩耗性及び耐衝撃性を有し、物品を180°のように大きく曲げたときでも健全性を保つ。
【0009】
本明細書で用いる「ミクロ構造」という用語は、上述の米国特許第4576850号で定義及び記載されている通りであり、その記載内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。従って、ミクロ構造は、ミクロ構造を有する物品の所定の望ましい実用目的又は機能を表現又は特徴付ける表面の構成を意味する。上記物品の表面の凸部や凹部のような不連続部はその輪郭がミクロ構造に引いた平均中心線から変位しており、中心線よりも上の表面輪郭で囲まれる面積の合計は中心線よりも下の面積の合計に等しく、中心線は物品の(ミクロ構造を有する)公称表面に基本的に平行である。かかる変位の高さは、光学顕微鏡又は電子顕微鏡で測定して、表面の典型的な特性長(例えば1〜30cm)で典型的には約±0.005〜±750μmである。上記の平均中心線は平面、凹面、凸面、非球面又はこれらの組合せのいずれでもよい。上記の変位の程度が小さく(例えば±0.005μm〜±0.1μm、好ましくは±0.05μm以下)、しかも変位の発生頻度が稀もしくは最小限である物品、つまり表面に有意な不連続部が存在しない物品はミクロ構造保有表面が本質的に「平坦」又は「平滑」な表面である物品であり、かかる物品は精密光学素子又は精密光学界面を有する素子、例えば眼科用レンズとして有用である。上記変位の程度が小さく、その発生頻度が高い物品としては、反射防止ミクロ構造を有するものが挙げられる。変位の程度が大きく(例えば±0.1μm〜±750μm)、その変位が複数の実用的不連続部(これらは同一であっても異なっていてもよく、ランダム又は規則的に離隔又は連続している)からなるミクロ構造に起因する物品は、再帰反射コーナーキューブシート、線形フレネルレンズ、ビデオディスク及びLMFなどの物品である。ミクロ構造保有表面は上述の変位の小さい又は高いいずれの実用的不連続部を有していてもよい。ミクロ構造保有表面は、その量と種類が物品の所定の望ましい実用性を大きく損なったり、悪影響を及ぼさない限り、余分な又は非実用的な不連続部を有していてもよい。硬化時の収縮でかかる妨害性の余分な不連続部を生じない特定のオリゴマー組成物、つまり収縮率が2〜6%にすぎない組成物を選択することが必要又は望ましいことがある。
【0010】
LMFの構成及び形状の詳細は、例えば米国特許第5900287号に開示されており、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。図1を参照すると、全体を符号10で示すバックライト液晶ディスプレイはLMF11を備えており、lmf1は典型的には拡散フィルム12と液晶ディスプレイパネル14の間に配置される。バックライト液晶ディスプレイ10は、蛍光ランプのような光源16、光を伝送し液晶ディスプレイパネル14に向けて反射する導光板18、同じく光を液晶ディスプレイパネル14に向けて反射するホワイトリフレクタ20も備えている。LMF11は導光板18から出た光を平行にして液晶ディスプレイパネル14の輝度を高め、液晶ディスプレイパネルの画像を鮮明にし、また所定の輝度を生成するための光源16の電力を低減する。バックライト液晶ディスプレイにおけるLMF11は、コンピュータ、パーソナルテレビ、ビデオレコーダ、移動通信機器、自動車及び航空機計器ディスプレイなどの機器に有用である。
【0011】
本発明の物品は放射線硬化性である。これは実際に硬化される部分が物品の一部(通例ミクロ構造保有コーティング)だけで、物品の基板及び/又は他の部分が放射線硬化処理の前後途中いずれも変化しない状況も含む。本物品の重要な特徴は、物品が製造される材料にある。この材料は3種類の基本成分を有し、これらの重合性成分はいずれも炭素環部分及び複素環部分を含まない。成分(A)は4つの群から選択される1種以上の単官能性アクリル単量体である。本明細書で用いる「アクリル単量体」という用語はアクリル酸及びメタクリル酸のエステル及びアミドを意味し、これら2つの酸を「(メタ)アクリル」という括弧付きの表現で表す。
【0012】
成分(A)の群1には、t−アルキル(メタ)アクリレート単量体、つまりアルコキシ酸素原子に第三級炭素原子が結合したアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。大抵の場合、これらはC4−8アルキル(メタ)アクリレートであり、t−ブチル(メタ)アクリレートが特に好ましく、t−ブチルアクリレートが最も好ましい。
【0013】
群2には、N−置換及びN,N−二置換(メタ)アクリルアミド単量体、特にアクリルアミド単量体が含まれる。N−アルキルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルアクリルアミド、特にC1−4アルキル基を有するものが挙げられる。特に好ましいのは、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド及びN,N−ジエチルアクリルアミドである。
【0014】
群3には、C1−8第一級及び第二級アルキル(メタ)アクリレートが含まれ、これらはアルキル基に置換基を有していてもよい。非置換化合物の具体例は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート及び1−プロピルアクリレートである。置換化合物は反応性希釈剤としても機能し得るが、その具体例は、2−(N−ブチルカルバミル)エチル(メタ)アクリレートである。通常C1−3(メタ)アクリレートが好ましく、メチルアクリレート及びエチルアクリレートが最も好ましい。その他の適当な反応性希釈剤は上述の米国特許第4576850号に列挙されている。
【0015】
本発明の物品を形成する放射線硬化性組成物は成分(B)も含んでおり、成分(B)は1種以上の多官能性(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド単量体であり、架橋剤として作用する。「多官能性(メタ)アクリレート単量体」とは、(メタ)アクリル基を2個以上含む単量体(即ち非重合)化合物を意味する。
【0016】
成分(B)としての使用に好適な化合物としては、ポリオールポリ(メタ)アクリレートがあり、これらは典型的には炭素原子数2〜10の脂肪族ジオール、トリオール及び/又はテトラオールから製造される。適当なポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、これらの対応メタクリレート、及びこれらのポリオールのアルコキシ化(通常エトキシ化)誘導体の(メタ)アクリレートがある。また、N,N′−アルキレンビスアクリルアミドも挙げられ、特にC1−4アルキレン基を含むものが好ましい。特に好ましいのはN,N′−メチレンビスアクリルアミドである。
【0017】
任意成分(C)が存在する場合、優れた延性を付与し、重合時の収縮を最小限に抑えるのに役立つ。成分(C)は、1種以上の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、通常ジ(メタ)アクリレートオリゴマーである。成分(C)として好適な材料としては、ガラス転移温度23℃以下のポリエーテルジ(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。具体例は、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート及びポリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレートであり、その典型的な分子量は約300〜1000である。この種の化合物は様々な商品名で市販されている。また、ポリエステルポリオールのジ(メタ)アクリレート及びそのオリゴマーも包含され、その例としてSartomer社から市販の低粘度ポリエステルアクリレートオリゴマーであるCN−292のような市販品が挙げられる。
【0018】
任意成分(C)はウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマーでもよい。かかる材料は、例えば式OCN−R−NCOのアルキレンジイソシアネートと式HO−R−OHのジオール(式中、R及びRは各々独立にC2−100アルキレン基を示す)との反応でウレタンジオールジイソシアネートを形成し、次いでヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させることによって製造できる。例えば、この種の好適な化合物は、2,2,4−トリメチルヘキシレンジイソシアネート、ポリ(カプロラクトン)ジオール及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートから製造し得る。
【0019】
本発明の放射線硬化性物品の成分(D)は、紫外線照射時に物品の重合を促進するのに有効な1種以上の光開始剤である。光開始剤としての使用に好適な材料は、上述の米国特許第4576850号及びEncyclopedia of Polymer Technologyなどの刊行物に記載されている。例は、ベンゾインエーテル類、ヒドロキシ及びアルコキシアルキルフェニルケトン類、チオアルキルフェニルモルホリノアルキルケトン類及びアシルホスフィンオキシド類である。多くの事例で特に有用なものは、2−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルケトンと(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシドの混合物からなるDarocur 4265という商品名の市販材料である。
【0020】
本発明の他の重要な特徴は、硬化で形成される光学樹脂製品の特性である。かかる特性として、35℃以上、好ましくは40℃以上のガラス転移温度(Tg)が挙げられる。ガラス転移温度が35℃未満の硬化製品は本発明の技術的範囲に属さない。
【0021】
他の好適な特性として、約70〜700kg/cmの引張強さ、約140〜14000kg/cmの弾性率、約5〜300%の破断点伸び、透過約91%以上の光学的均質性、約5%未満のヘイズ値、約0.002未満の複屈折、図2の領域A−B−C−Dの境界内に入る動的引張弾性率E′が挙げられる。図2は、上述の米国特許第4576850号の図1の動的剪断弾性率(G′、dyne/cm単位)を動的引張弾性率(Pa単位)に変換したものである。
【0022】
本発明の硬化性物品をなす各成分の割合は広く変更でき、唯一の条件は上記のTg要件を満足することであるが、好ましくは上述の他の好ましい特性プロファイルの1以上も満足する。多くの場合、重合性成分の合計(通常成分A、B及びCの合計)を基準にして、成分(A)及び(B)は各々物品の約1〜98重量%をなし、成分(C)が存在する場合には、物品の約5〜75重量%をなす。光開始剤の成分(D)は、紫外線照射時に重合を促進するのに有効な少量で存在し、重合性成分の合計を基準にして一般に約0.005〜3.0重量%、好ましくは約0.005〜1.0重量%である。
【0023】
本発明の放射線硬化性物品を製造するには、その成分を単にブレンドし、均質混合物が生ずるように有効な混合を行えばよい。真空の適用などによって気泡を除去するのが好ましいことが多く、混合物が粘稠であれば穏和な加熱を行って、キャスティングその他の方法で所望の表面に上記ブレンドのフィルムを形成する。次に、フィルムを、複製すべきミクロ構造を有するモールドに装填し、紫外線照射で重合して、上述の特性を有する本発明の硬化光学樹脂製品を生成させる。使用する予定の表面以外の表面で重合を行った場合には、光学樹脂製品を別の表面に移せばよい。
【0024】
かかる重合プロセスは、溶剤や揮発分が全く又は少量しか発生せず、重合を周囲温度及び圧力で実施できるので、物品の高速な大量生産に適しており、環境への悪影響もない。重合プロセスは、凸部や凹部のような実用的不連続部を含むミクロ構造を有する物品の複製にも適しており、モールドの細部を失うことなくモールドから容易に離型でき、しかもそうした細部の複製を様々な使用条件下で保持する。本物品は、靱性、可撓性、光学的透明性及び均質性、慣用溶剤に対する耐性のような様々な所望の特性をもつように形成でき、かかる物品のミクロ構造は、高い熱的寸法安定性、耐摩耗性及び耐衝撃性を有し、物品を曲げても健全性を保つ。
【実施例】
【0025】
以下の実施例で本発明を具体的に例示する。特記しない限り、部及び%はすべて重量基準である。単量体成分及び光開始剤の割合(%)は単量体成分の合計に基づく。すべての実施例の動的引張弾性率は図2の領域A−B−C−D内に入った。
【0026】
実施例1〜5
滴下漏斗、温度プローブ及び機械的攪拌機を備えた三口フラスコに、31.2mlの2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート及び50mgのジブチル錫ジラウレートを仕込んだ。滴下漏斗に39.75gの温ポリカプロラクトンジオール(Mn=530)を仕込み、これを55〜60℃でフラスコの内容物に添加した。次いで混合物を65℃で14時間撹拌した。次にフラスコを55℃に冷却し、温度を54〜58℃の範囲に維持しながら、18.7mlの2−ヒドロキシエチルメタクリレートと100mgのヒドロキノンモノメチルエーテルの混合物を添加した。混合物を55℃で10〜12時間、赤外分光分析で反応が完了したことが確認されるまで撹拌した。生成物は所望のウレタンジメタクリレートオリゴマー(以下「ジメタクリレートオリゴマー」という。)であった。
【0027】
各実施例で、ジメタクリレートオリゴマーとメチルメタクリレート(及び幾つかの実施例ではペンタエリトリトールトリアクリレート)の混合物を合計5〜10g秤量し、シンチレーションバイアルに入れ、3%のDarocur 4265光開始剤を添加した。全成分をボルテックスミキサーで混合した。シンチレーションバイアルを蓋をせずに真空オーブンに入れ、オーブンを排気して溶液から気泡を除いた。コーティング混合物が高度に粘稠なときは、真空オーブンの温度を50℃に上げて気泡の除去を促した。次に混合物約1gを直径5cmのアルミニウムパンに注いだ。パンを傾けて、混合物をパンの底全体に拡げた。混合物が粘稠なときは、パンを80℃に設定した空気循環オーブンに入れて混合物を加熱して、パンの底全体に混合物が容易に拡がるようにした。平滑に拡げた溶液を、次に、紫外線処理装置内での紫外線照射によって重合した。ベルト速度12ft/min、ランプ−ベルト距離4インチで2つの600W電球を使用して、コーティングを処理装置に10回通した。コーティングの入ったアルミニウムパンの上に培養皿を逆さまに置き、ベルト上でパンに風が当たるのを防止した。
【0028】
Rheometrics Solids Analyzerを用いて、生成フィルムのガラス態プラトー弾性率(G)、ゴム態プラトー弾性率(R)及びガラス転移温度(Tg)を分析した。結果を表Iに示す。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例6〜14
実施例1〜5の重合手順を、0.01%の光開始剤を用いて、t−ブチルアクリレートと実施例によってCN−292ポリエステルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート又はエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートとの一連の混合物で実施した。結果を表IIに示す。
【0031】
【表2】

【0032】
実施例15〜24
実施例6〜14の重合手順を、N,N−ジメチルアクリルアミド又はN,N−ジエチルアクリルアミドと、実施例によってN,N−メチレンビスアクリルアミド又は1,6−ヘキサンジオールジアクリレートとの一連の混合物で実施した。結果を表IIIに示す。
【0033】
【表3】

【0034】
実施例25〜31
実施例6〜14の重合手順を、t−ブチルアクリレートと1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、実施例によってポリ(プロピレングリコール)(Mn=540)ジアクリレート又は実施例1のジメタクリレートオリゴマーとの一連の混合物で実施した。結果を表IVに示す。
【0035】
【表4】

【0036】
実施例32〜38
実施例6〜14の重合手順を、N,N−ジメチルアクリルアミドと1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、実施例によってポリ(プロピレングリコール)(Mn=540)ジアクリレート又は実施例1のジメタクリレートオリゴマーとの一連の混合物で実施した。結果を表Vに示す。
【0037】
【表5】

【0038】
実施例39〜42
実施例6〜14の重合手順を、N,N−ジメチルアクリルアミドとt−ブチルアクリレートと1,6−ヘキサンジオールジアクリレートとポリ(プロピレングリコール)(Mn=540)ジアクリレートの一連の混合物で実施した。結果を表VIに示す。
【0039】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】バックライト液晶ディスプレイにおけるLMFの略図である。
【図2】本発明で製造される硬化製品の好ましい動的引張弾性率のグラフである。
【符号の説明】
【0041】
10 液晶ディスプレイ
11 LMF
12 拡散フィルム
14 液晶パネル
16 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学用の複数の実用的不連続部を含む複製ミクロ構造を備える表面を有するガラス転移温度35℃以上の光学樹脂製品に放射線硬化し得る物品であって、
当該放射線硬化性物品が、炭素環式及び複素環式重合性部分を含まず、
(A)(1)1種以上のt−アルキル(メタ)アクリレート単量体、(2)1種以上のN−置換又はN,N−二置換(メタ)アクリルアミド単量体及び(3)1種以上のC1−8第一級又は第二級アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の単官能性アクリル単量体、
(B)1種以上の多官能性(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド単量体、
(C)任意成分として1種以上の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、及び
(D)1種以上の光開始剤
を含んでなる放射線硬化性物品。
【請求項2】
ガラス転移温度40℃以上の光学樹脂製品に放射線硬化し得る、請求項1記載の物品。
【請求項3】
図2の領域A−B−C−Dの境界内に入る動的引張弾性率を有する、請求項1記載の物品。
【請求項4】
成分(A−1)を含む、請求項1記載の物品。
【請求項5】
成分(A−1)がt−ブチル(メタ)アクリレートである、請求項4記載の物品。
【請求項6】
成分(A−2)を含む、請求項1記載の物品。
【請求項7】
成分(A−2)がN−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド又はN,N−ジエチルアクリルアミドである、請求項6記載の物品。
【請求項8】
成分(A−3)を含む、請求項1記載の物品。
【請求項9】
成分(A−3)がメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、1−プロピルアクリレート又は2−(N−ブチルカルバミル)エチル(メタ)アクリレートである、請求項8記載の物品。
【請求項10】
成分(B)が1種以上のポリオールポリ(メタ)アクリレートである、請求項1記載の物品。
【請求項11】
成分(B)がエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールトリ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラ(メタ)アクリレート又はペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートである、請求項10記載の物品。
【請求項12】
成分(B)が1種以上のN,N′−アルキレンビスアクリルアミドである、請求項1記載の物品。
【請求項13】
成分(B)がN,N′−メチレンビスアクリルアミドである、請求項12記載の物品。
【請求項14】
成分(C)を含む、請求項1記載の物品。
【請求項15】
成分(C)がガラス転移温度23℃以下のポリエーテルジ(メタ)アクリレートオリゴマーである、請求項14記載の物品。
【請求項16】
成分(C)がポリエステルポリオールのジ(メタ)アクリレート又はそのオリゴマーである、請求項14記載の物品。
【請求項17】
成分(C)がポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート又はポリ(プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレートである、請求項16記載の物品。
【請求項18】
成分(C)がウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマーである、請求項14記載の物品。
【請求項19】
成分(C)が2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの反応生成物である、請求項18記載の物品。
【請求項20】
成分(A)が重合性成分の合計を基準にして約10〜98重量%をなす、請求項1記載の物品。
【請求項21】
光学用の複数の実用的不連続部を含む複製ミクロ構造を備える表面を有するガラス転移温度40℃以上の光学樹脂製品に放射線硬化し得る物品であって、
当該放射線硬化性物品が、炭素環式及び複素環式重合性部分を含まず、
(A)(1)t−ブチル(メタ)アクリレート、(2)N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド又はN,N−ジエチルアクリルアミド及び(3)メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、1−プロピルアクリレート又は2−(N−ブチルカルバミル)エチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1種以上の単官能性アクリル単量体、
(B)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールトリ(メタ)アクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びN,N′−メチレンビスアクリルアミドからなる群から選択される1種以上の多官能性(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミド単量体、
(C)任意成分としてガラス転移温度23℃以下のポリエーテルジ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルポリオールのジ(メタ)アクリレート及びそのオリゴマー、及びウレタンジ(メタ)アクリレートオリゴマーからなる群から選択される1種以上の多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、及び
(D)1種以上の光開始剤
を含んでなる放射線硬化性物品。
【請求項22】
成分(C)が2,2,4−トリメチルヘキサン1,6−ジイソシアネート、ポリカプロラクトンジオール及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートの反応生成物である、請求項21記載の物品。
【請求項23】
請求項1記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項24】
請求項4記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項25】
請求項6記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項26】
請求項8記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項27】
請求項10記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項28】
請求項12記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項29】
請求項14記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。
【請求項30】
請求項21記載の物品の紫外線硬化によって形成された光学樹脂製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−513309(P2006−513309A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510201(P2005−510201)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/040457
【国際公開番号】WO2005/043201
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】