説明

放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体およびその製造方法

本発明は、放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体およびその製造方法に関する。本発明に係る放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法は、β−グルカン水溶液をキャストした後、放射線を照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成することにより、細胞付着を容易にするうえ、幹細胞の成長および分化に効果的な生体模倣型環境を容易に実現することもできる。したがって、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体は、組織再生用、細胞培養用および整形用フィラー、生体組織空隙用フィラー、整形補型物、整形補正物、細胞移植用および薬物伝達用として有用に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体(scaffold)およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組織工学技術とは、細胞を支持体に培養して細胞−支持体複合体を製造し、これを用いて生体組織および臓器を再生する技術である。組織工学技術の基本的な原理は、患者の身から必要な組織を採取し、その組織から細胞を分離した後、分離された細胞を支持体に培養して細胞−支持体複合体を製造し、製造された細胞−支持体複合体をさらに人体内に移植することである。組織工学技術は、人工皮膚や人工骨、人工軟骨、人工角膜、人工血管、人工筋肉などの人体のほぼ全臓器の再生に適用されている。このような組織工学技術において、生体組織および臓器の再生を最適化するためには基本的に生体組織と類似の支持体を製造することが最も優先的である。したがって、組織工学用支持体の基本的な要件としては組織細胞が支持体に癒着して3次元的な構造を持つ組織を形成することが可能なフレームの役割を十分果たせなければならず、生体への移植後に血液凝固または炎症反応が起こらない無毒性の生体適合性などがなければならない。すなわち、組織工学用支持体は、生体適合性高分子として、人体内で周辺組織との親和性を有し、拒否反応を現さない生接着性(bio-adhesive)特性を持たなければならない。生体適合性高分子は、天然高分子と合成高分子、或いは非分解性高分子と分解性高分子に大きく分けられる。天然高分子には、コラーゲン、アルブミン、アミノ酸などのタンパク質を基礎とする高分子;並びにセルロース、アガロース、アルギン酸塩、ヘパリン、ヒアルロン酸、キトサンなどの多糖類およびその誘導体が含まれる。
【0003】
損傷した皮膚組織、特に激しい火傷を負った皮膚組織を再生するための方法としては、1)患者自分の皮膚を移植する自己移植、2)他人の皮膚を移植する同種移植、および3)動物の皮膚を移植する異種移植の3つの方法がある。これらの方法の中でも、自己移植が最も理想的であるが、傷部位が広範囲の場合、組織を確保することが可能な部位に制限があり、皮膚採取による別の傷が発生してしまうという欠点がある。同種移植の場合、永久的な生着よりは傷周辺部の細胞の移動、増殖および治癒を助ける支持体としての役目を果たし、死体から採取した表皮を用いるか或いは死体の皮膚から免疫反応を除去した後で使用することもあるが、皮膚の供給問題が存在する。このような問題を解決するために、生体適合性に優れた天然高分子または合成高分子を用いた人工皮膚再生用支持体の開発について盛んな研究が行われている。
【0004】
現在、様々な架橋法を用いて天然高分子の多様な架橋を介して生体材料を開発するための研究が盛んに行われている。ところが、一般化学添加剤による反応を介して生体材料を生産する場合、有害な触媒が使用され、特定の条件で反応が起こって付加的なコストがかかるうえ、少量でも不純物が最終製品に存在してしまい、予測できない不作用を引き起こすおそれが多い。
【0005】
これを解決するために、放射線架橋法を用いて生体材料を開発するための研究が引き続き行われてきた。放射線架橋法は、有害な化学架橋剤または開始剤を使用しないため、架橋の後に人体に有害な残留架橋剤または開始剤を除去する必要がなく、架橋と滅菌処理を同時に施すことができるという利点がある。また、架橋過程で熱を加えなくてもよく、冷却状態でも架橋が可能であるうえ、放射線照射量のみを調節すると、組成物を変化させることなく物理的な特性を自由に調節することができる。
【0006】
一方、β−グルカン(β−1,6−分岐−β−1,3−グルカン)は、カロリーが殆どなく、1983年に米国FDAによって安全な物質として認められた物質であって、抗癌効果、傷治癒効果、免疫活性増強効果、コラーゲン合成促進効果、細胞再生効果、水分保有力増加効果のような様々な生理活性を持っている。担子菌類由来β−グルカンは、数年間多くの研究によってその安定性が立証されたことがある。したがって、β−グルカンは、医薬品、化粧品、健康食品、動物飼料添加剤などの様々な分野で多様に開発されてきた。ところが、このようなβ−グルカンの生体適合性と様々な生理活性にもかかわらず、β−グルカンを用いて生体組織工学用支持体を開発または研究した場合は殆どない状態である。
【0007】
したがって、生体適合性と多様な生理活性のあるβ−グルカンを人体に適用するときに毒性問題が発生しないものと思われるので、架橋と滅菌処理を同時に施すことが可能な放射線融合技術を用いてβ−グルカンを生体組織工学用支持体として開発すると、細胞付着を容易にするうえ、幹細胞の成長および分化に効果的な生体模倣型環境を容易に実現することもできるものと思われる。したがって、生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の開発の必要性が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、生体組織工学用β−グルカンベースの支持体を開発するための研究を行ったところ、β−グルカン水溶液をペトリ皿または平らな板上に添加し、キャストした後、放射線を照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成した後、前記β−グルカン支持体にヒト由来間葉系幹細胞を培養し、骨細胞に分化した後のDNA総含量およびALP活性がTCPSのレベルと類似であって、既存のナノ繊維支持体に比べて骨細胞への分化度に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体およびその製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造過程を簡略に示す模式図である。
【図2】図1の製造過程で製造された生体組織工学用β−グルカンベースの支持体を示す図である。
【図3】本発明に係るβ−グルカンベースの支持体でヒト間葉系幹細胞を2日間増殖させ、14日間分化させた後、DNA総含量を測定した結果を示す図である。
【図4】図3のDNA総含量当たりのALP活性を示す図である。
【図5】本発明に係るβ−グルカンベースの支持体、PLGA(poly lactic-co-glycolic acid)、PLLA(poly lactic acid)、TCPSでヒト間葉系幹細胞を2日間増殖させ、14日間分化させた後、ALP活性を測定した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、1)粉末状のβ−グルカンを蒸留水に加え、30〜100℃で30〜200分間溶解して0.1〜50重量%のβ−グルカン水溶液を製造する段階と、2)前記製造されたβ−グルカン水溶液をペトリ皿または平らな板上に添加し、キャストする段階と、3)前記キャストされたβ−グルカン水溶液に放射線を5〜50kGyで照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成する段階とを含んでなる、放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法を提供する。
【0012】
前記β−グルカンベースの支持体の製造方法は、必要に応じて、3)段階の後、前記架橋された反応体を−50〜−100℃で急速冷凍し、直ちに解凍過程を経て架橋反応体の内部に孔隙生成を誘導する段階をさらに含むことができる。
【0013】
また、本発明は、前記方法で製造された生体組織工学用β−グルカンベースの支持体を提供する。
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法は、β−グルカン水溶液をペトリ皿または平らな板上に添加し、キャストした後、放射線を照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成することを特徴とする。
【0016】
前記β−グルカンは、スエヒロタケ、万年茸(霊芝)、メシマコブ、樺孔茸、ハナビラタケ、ヒメマツタケ、マイタケ、椎茸、菌核菌、酵母、大麦およびオート麦よりなる群から選ばれた少なくとも1種から抽出されたβ−グルカンが好ましいが、これに限定されない。本発明では、スエヒロタケから抽出されたβ−グルカンとしてのシゾフィラン(schizophyllan)を使用した。
【0017】
前記β−グルカン水溶液は、0.1〜50重量%、好ましくは4〜15重量%、最も好ましくは8重量%のβ−グルカン水溶液を使用することがよい。もしβ−グルカン収容液の濃度が50重量%超過であれば、粘性があまり強くなってキャスト容器に添加できなくなるという問題点が発生し、β−グルカン水溶液の濃度が0.1重量%未満であれば、粘性があまり弱くなって架橋反応がよく行われないという問題点が発生する。
【0018】
また、β−グルカン水溶液のキャスト量はキャスト容器の5〜20%体積、好ましくは10%体積で添加することが好ましい。キャスト容器は、様々な大きさのペトリ皿または平らな板を用いることが好ましい。
【0019】
前記放射線は、電子線、ガンマ線および紫外線よりなる群から選ばれた1種が好ましい。前記キャストされたβ−グルカン水溶液に放射線を5〜50kGy、好ましくは15〜30kGyで照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成する。
【0020】
また、必要に応じて、前記架橋された反応体を−50〜−100℃で急速冷凍し、直ちに解凍過程を経て架橋反応体の内部に孔隙生成を誘導することができる。
【0021】
前記方法で製造されたβ−グルカンベースの支持体にヒト由来間葉系幹細胞を2日間増殖させ、14日間分化させた後のDNAの総含量は支持体当たり約380ngであり、ALP量は約0.7nmole/DNA/30分である。一般にTCPSでヒト由来間葉系幹細胞が骨細胞に分化した後のDNAの総含量は支持体当たり約500ngであり、既存のナノ繊維支持体を用いた分化実験後のALP量は約0.5〜0.6nmoleである。したがって、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体は、正常的に細胞が成長しており、TCPSと同様に細胞毒性が殆どないものと判断され、既存のナノ繊維支持体を用いた場合に比べて相対的に高い分化能を示すことが分かる。また、本発明のβ−グルカンベースの支持体で成長したヒト間葉系幹細胞のALP活性値が、既存の組織再生に使用される生体材料としてのPLGAまたはPLLAで成長したヒト間葉系幹細胞のALP活性値より高く現れるので、本発明のβ−グルカンベースの支持体は、既存の生体材料であるPLGAまたはPLLAに比べて幹細胞の成長および分化に効果的な生体模倣型環境を提供することができるものと思われる。
【0022】
上述したように、本発明に係る放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法は、β−グルカン水溶液をキャストした後、放射線を照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成することにより、細胞付着を容易にするうえ、幹細胞の成長および分化に効果的な生体模倣型環境を容易に実現することもできる。したがって、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体は、組織再生用、細胞培養用、細胞移植用および薬物伝達用として有用に使用できる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の理解を助けるために望ましい実施例を提示する。ところが、下記の実施例は本発明をより容易に理解させるために提供されるものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。
【0024】
実施例1:放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造
粉末状のスエヒロタケ由来β−グルカン[シゾフィラン(schizophyllan)]80gを蒸留水1000mLに加え、90℃で1時間溶解して8重量%のβ−グルカン水溶液を製造した。前記8重量%のβ−グルカン水溶液をペトリ皿(90×15mm)上に添加し、キャストした。この際、8重量%のβ−グルカン水溶液の量はキャスト容器の10%体積で添加した。前記キャストされたβ−グルカン水溶液にガンマ線を15〜30kGyで照射して架橋反応を行った。前記架橋された反応体を−80℃で急速冷凍し、直ちに解凍過程を経て架橋反応体の内部に孔隙生成を誘導してゲルまたは固体状の支持体を形成した。
【0025】
本発明に係る放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造過程は図1に示し、図1の製造過程で製造された生体組織工学用β−グルカンベースの支持体は図2に示した。
【0026】
実験例1:本発明に係るβ−グルカンベースの支持体のヒト由来間葉系幹細胞(hMSC)の骨細胞分化度評価
本発明に係るβ−グルカンベースの支持体でヒト由来間葉系幹細胞から骨細胞への分化度を調べるために、下記の実験を行った。
【0027】
1.ヒト由来間葉系幹細胞のDNA総含量の測定
前期実施例1で製造したβ−グルカンベースの支持体とTCPS(tissue culture polystyrene)にヒト由来間葉系幹細胞をそれぞれ1×10濃度で接種し、完全成長培地[LG−DMEM(GIBCO)+1% PS(GIBCO)+10% FBS(GIBCO 16000)]で2日間増殖させ、14日間分化させた。培養の後、PBSで2回洗浄した。その後、支持体を取り外してそれぞれEP−チューブに入れて分析するまで−70℃で保管した。前記支持体がそれぞれ入っているEP−チューブにRIPA緩衝液[150mM NaCl、1%トリトンX−100、1%デオキシコール酸ナトリウム(sodium deoxycholate)、0.1% SDS、150mMトリス(pH 7.2)]300μLを入れて鋏で細かくした後、氷の上で均質化させた。その後、支持体を分離し、DNA量を測定した。
【0028】
結果は図3に示す。
図3に示すように、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体でヒト間葉系幹細胞が骨細胞に分化した後のDNA総含量は支持体当たり約380ngであり、TCPSではDNA総含量が支持体当たり約500ngであった。したがって、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体は、正常的に細胞が成長していることが分かり、TCPSと同様に細胞毒性が殆どないものと判断される。
【0029】
2.ヒト由来間葉系幹細胞のALP活性測定
実施例1で製造したβ−グルカンベースの支持体、PLGA、PLLA、TCPSにヒト由来間葉系幹細胞をそれぞれ1×10濃度で接種し、完全成長培地[LG−DMEM(GIBCO)+1%PS(GIBCO)+10%FBS(GIBCO 16000)]で2日間増殖させ、14日間分化させた。培養の後、PBSで2回洗浄した。その後、支持体を取り外してそれぞれEP−チューブに入れて分析するまで−70℃で保管した。前記支持体がそれぞれ入っているEP−チューブにRIPA緩衝液[150mM NaCl、1%トリトンX−100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、150mMトリス(pH7.2)]300μLを入れて鋏で細かくした後、氷の上で均質化させた。その後、上澄液(cell lysate)10μLを96ウェルプレートに仕込み、pNPP(alkaline phosphatase yellow)液体基質200μLを添加した後、37℃で30分間放置した。反応が完了したら、各ウェルに50μLの3N NaOHを添加した後、405nmで吸光度を測定した。TCPSにおけるALP活性値を標準として比較した。
【0030】
本発明に係るβ−グルカンベースの支持体でヒト間葉系幹細胞を2日間増殖させ、14日間分化させた後で測定したDNA総含量当たりのALP活性は図4に示し、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体、PLGA、PLLA、TCPSでヒト間葉系幹細胞を2日間増殖させ、14日間分化させた後、ALP活性を測定した結果は図5に示す。
【0031】
図4に示すように、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体でヒト間葉系幹細胞が骨細胞に分化した後のALPの量は約0.7nmole/DNA/30分であった。したがって、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体は、既存のナノ繊維支持体を用いた分化実験結果(最大数値0.5〜0.6nmole)より相対的に高い分化能を示すことが分かる。前記結果は、細胞間接触確率が比較的少ない環境における結果であるから、今後より一層高いレベルの分化能を期待することができる。
【0032】
また、図5に示すように、既存の組織再生に使用される生体材料としてのPLGAまたはPLLAで成長したヒト間葉系幹細胞のALP活性値はTCPSに比べて約20〜25%程度であり、本発明のβ−グルカンベースの支持体で成長したヒト間葉系幹細胞のALP活性値はTCPSに比べて約70%程度であった。したがって、本発明のβ−グルカンベースの支持体が既存の生体材料としてのPLGAまたはPLLAより幹細胞の成長および分化に効果的な生体模倣型環境を提供することができるものと思われる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法は、β−グルカン水溶液をキャストした後、放射線を照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成することにより、細胞付着を容易にするうえ、幹細胞の成長および分化に効果的な生体模倣型環境を容易に実現することもできる。よって、本発明に係るβ−グルカンベースの支持体は、組織再生用、細胞培養用および整形用フィラー、生体組織空隙用フィラー、整形補型物、整形補正物、細胞移植用および薬物伝達用として有用に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)粉末状のβ−グルカンを蒸留水に加え、30〜100℃で30〜200分間溶解して0.1〜50重量%のβ−グルカン水溶液を製造する段階と、
2)前記製造されたβ−グルカン水溶液をペトリ皿または平らな板上に添加し、キャストする段階と、
3)前記キャストされたβ−グルカン水溶液に放射線を5〜50kGyで照射して架橋反応を行い、ゲルまたは固体状の支持体を形成する段階とを含んでなることを特徴とする、放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項2】
前記β−グルカンは、スエヒロタケ、万年茸、メシマコブ、樺孔茸、ハナビラタケ、ヒメマツタケ、マイタケ、椎茸、菌核菌、酵母、大麦およびオート麦よりなる群から選ばれた少なくとも1種から抽出されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項3】
前記β−グルカンはスエヒロタケから抽出されたシゾフィラン(schizophyllan)であることを特徴とする、請求項2に記載の放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項4】
前記β−グルカン水溶液は0.1〜50重量%のβ−グルカン水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項5】
前記2)段階におけるβ−グルカン水溶液のキャスト量はキャスト容器の5〜20%体積であることを特徴とする、請求項1に記載の放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項6】
前記3)段階における放射線は電子線、ガンマ線および紫外線よりなる群から選ばれた1種であることを特徴とする、請求項1に記載の放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項7】
前記3)段階の後、架橋された反応体を−50〜−100℃で急速冷凍し、直ちに解凍過程を経て架橋反応体の内部に孔隙生成を誘導する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の放射線融合技術を用いた生体組織工学用β−グルカンベースの支持体の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つの方法によって製造された生体組織工学用β−グルカンベースの支持体。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−515607(P2012−515607A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547784(P2011−547784)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000430
【国際公開番号】WO2010/085119
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511177318)キュゼン バイオテク シーオー.,エルティーディ. (1)
【氏名又は名称原語表記】QUEGEN BIOTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】5−211 Kitech,101−1BL Sihwagongdan−3−ga, Jeongwang1−dong, Siheung−si, Gyeonggi−do 429−931 Republic of Korea
【Fターム(参考)】