説明

放射線計測装置

【課題】広い測定レンジで、かつ、高線量率の測定に好適な、小型コンパクトな放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線計測装置は、第1及び第2のシリコン半導体放射線検出素子と第1及び第2の前置増幅器をそれぞれ有する第1及び第2の放射線検出器を備え、第1及び第2の放射線検出器には、それぞれ、測定対象から入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスを減衰させるための厚さが異なる第1及び第2のガンマ線調整板が設けられている。第1及び第2の放射線検出器は、測定対象以外から入射されるガンマ線を遮断する遮蔽部材によって覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を測定するための放射線計測装置に係り、特に、γ線の測定に好適な放射線計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所では、放射線、特に、γ線の測定用に放射線検出器が用いられている。放射線検出器として、高線量率の測定にはイオンチェンバーが好適である。しかしながら、イオンチェンバーは、出力電流値が非常に小さい場合、例えば、10-13A程度の場合には、ノイズに弱いという欠点がある。従って、イオンチェンバーは、低線量率の測定には不適である。
【0003】
低線量率の測定には、NaIシンチレーション検出器が用いられる。しかしながら、NaIシンチレーション検出器では、シンチレーション光の減衰時間が長いため、高線量率の測定に使用されていない。比較的低線量率の測定には、エリアモニタであるシリコン半導体検出器が用いられている。しかしながら、シリコン半導体検出器は、検出効率が小さいため、広い測定範囲の測定に適用できない。従って、広い測定範囲で、かつ、低線量率と高線量率の両者の測定が必要な場合には、イオンチェンバーとNaI検出器の両者を組合せた検出器が使用される。しかしながら、これは、高価で大型の検出器となる。
【0004】
NaIシンチレーション検出器では、検出器からの信号を線量に変換する方法として、Discrimination Bias Modulation方式を用いる。この方式は、NaIシンチレーション検出器の波高値信号を用いる。波高値に応じた線量変換係数を予め求めておき、計測した波高値に応じた線量変換係数を乗ずることで線量を測定する。半導体放射線検出素子は、高エネルギガンマ線に対する検出感度が小さいため、NaIシンチレーション検出器におけるDiscrimination Bias Modulation方式を適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−75366
【特許文献2】特開昭63−12179
【特許文献3】特開平05−232234
【特許文献4】特開平07−311272
【特許文献5】特開平11−109038
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、フィルタを介して放射線を検出する検出器とフィルタを介さない、即ち、直接放射線を検出する検出器の2つの検出器を備えた装置が記載されている。2つの検出器からの出力信号を用いて、放射線検出器のエネルギ特性曲線を平坦化する補正を行う。特許文献2には、厚さが互いに異なる半導体からなる電極を設けた半導体放射線検出器が記載されている。これらの電極は、電極の厚さに応じて、エネルギの異なる放射線を選択的に検出する。特許文献3には、樹脂フィルタ、チタンフィルタ、鉛フィルタをそれぞれ備える3個の半導体検出器を設けることが記載されている。これらの検出器の感度比を求め、感度比と予め求めた3つのフィルタの感度特性より、γ線の平均エネルギを求める。特許文献4には、球殻形状のTiフィルタによって覆われた検出素子と、球殻形状のPbフィルタによって覆われた検出素子を有する放射線検出器が記載されている。特許文献5には、前段の半導体検出器と後段の遮蔽箱によって覆われた半導体検出器を直列に配置した装置が記載されている。
【0007】
しかしながら、これらの特許文献に記載された放射線検出器は、原子力発電所におけるガンマ線の計測に好適ではないし、簡単な構造で、広い計測レンジで、かつ、高線量率の測定を行うことはできない。
【0008】
本発明の目的は、原子力発電所におけるガンマ線の計測に好適な、広い計測レンジで、かつ、高線量率の測定に好適な、小型コンパクトな放射線計測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の放射線計測装置は、第1及び第2のシリコン半導体放射線検出素子と第1及び第2の前置増幅器をそれぞれ有する第1及び第2の放射線検出器を備え、第1及び第2の放射線検出器には、それぞれ、測定対象から入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスを減衰させるための厚さが異なる第1及び第2のガンマ線調整板が設けられている。第1及び第2の放射線検出器は、測定対象以外から入射されるガンマ線を遮断する遮蔽部材によって覆われている。
【0010】
遮蔽部材によって、一方の面に開口を有するチャンバが形成されており、該チャンバ内には、前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、及び、前記第2の放射線検出器が、前記開口から内部に向かう方向に沿って順に直列に配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広い計測レンジで、かつ、高線量率の測定に好適な、小型コンパクトな放射線計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の放射線計測装置の第1の例の構成図である。
【図2】本発明の放射線計測装置のガンマ線調整板の機能を説明する図である。
【図3】本発明の放射線計測装置のガンマ線調整板の厚さによる計数率特性の変化を説明する図である。
【図4】本発明の放射線計測装置の好ましい計数率特性の一例を示す図である。
【図5】本発明の放射線計測装置の計数率特性を説明する図である。
【図6】本発明の放射線計測装置の第2の例の構成図である。
【図7】本発明の放射線計測装置の第3の例の構成図である。
【図8】本発明の放射線計測装置の第4の例の構成図である。
【図9】本発明の放射線計測装置の第5の例の構成図である。
【図10】本発明の放射線計測装置の第6の例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、本発明の放射線計測装置の第1の例を説明する。本例の放射線計測装置は、第1及び第2の放射線検出器11A、11Bと、これらの放射線検出器11A、11Bからの出力信号を、それぞれパルス信号に変換する第1及び第2の波高弁別器22A、22Bと、これらの波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置23と、パルス計数装置23から出力された計数を線量に変換する線量演算器24と、線量演算器24からの線量データを収集するデータ収集用コンピュータ25を有する。
【0014】
放射線検出器11A、11Bは、それぞれ1個のシリコン半導体放射線検出素子と前置増幅器を有する。シリコン半導体放射線検出素子は、好ましくは、シリコンアバランシェフォトダイオードによって構成される。
【0015】
半導体中に大きな電界があると、光子の衝突によって発生する電子が加速され、他の半導体原子と衝突して複数の電子を弾き出す。ここで弾き出された電子は電界によって加速され、他の半導体電子に衝突してさらに電子を弾き出す。この連鎖によって、移動する電子が爆発的に増える現象をアバランシェ増倍と呼ぶ。アバランシェフォトダイオードは、アバランシェ増倍を利用して受光感度を上昇させたフォトダイオードである。
【0016】
シリコンアバランシェフォトダイオードからの出力信号幅は、数nsec程度であり、NaIシンチレーション検出器と比較して2桁以上小さいから、2桁以上高い計数率の計測が可能であり、高線量率の測定が可能となる。
【0017】
放射線検出器11A、11Bに含まれるシリコン半導体放射線検出素子の有感部分の厚さは、互いに同一であってもよいが異なってもよい。即ち、放射線検出器11A、11Bに含まれるシリコン半導体放射線検出素子の感度は、互いに同一であってもよいが異なってもよい。
【0018】
放射線検出器11A、11Bは、ガンマ線による光を電気信号に変換し、波高弁別器22A、22Bに出力する。波高弁別器22A、22Bは、波高領域別に、即ち、エネルギ領域別に、計数率を計測してパルスを生成し、パルス計数装置3に出力する。パルス計数装置23は、2つの波高弁別器22A、22Bからのパルスをそれぞれ計数し、線量演算器24に出力する。線量演算器24は、計数を線量率に変換し、コンピュータ25に出力する。コンピュータ25は、測定対象又は測定空間からのガンマ線の線量率を出力する。
【0019】
第1及び第2の放射線検出器11A、11Bは、それぞれガンマ線調整板16A、16Bによって覆われている。即ち、本例の放射線計測装置では、放射線検出器11A、11Bの周囲は、それぞれガンマ線調整板16A、16Bによって完全に覆われている。従って、本例の放射線計測装置は、空間のガンマ線の線量率の測定に好適である。
【0020】
ガンマ線調整板16A、16Bは、放射線検出器に入射するガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスを調整する機能を有する。ガンマ線調整板16A、6Bは、鉛、鉄、アルミ等によって構成され、ガンマ線を減衰させる機能を有する。
【0021】
ガンマ線調整板16A、16Bは互いに異なる厚さを有する。そのため、ガンマ線エネルギ及びフラックスを減衰させる力は、2つのガンマ線調整板16A、16Bで互いに異なる。
【0022】
厚さが小さい第1のガンマ線調整板16Aによって覆われた第1の放射線検出器11Aは、低エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用され、厚さが大きい第2のガンマ線調整板16Bによって覆われた第2の放射線検出器11Bは、高エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用される。従って、本例の放射線計測装置は、低線量率から高線量率までの広い範囲の線量率を計測することができる。これについては後に図5を参照して説明する。
【0023】
図2を参照して、ガンマ線調整板の機能を説明する。図2の曲線201は、1個の半導体放射線検出素子を備えた放射線検出器の計数率特性を示し、曲線202は、1個の半導体放射線検出素子をガンマ線調整板によって覆った構造の放射線検出器の計数率特性を示す。横軸は、ガンマ線エネルギ、縦軸は、ガンマ線フラックスを計数率で除した値である。ガンマ線フラックスは、ガンマ線束の単位時間当たりのエネルギを表し、計数率は放射線検出器によって検出した単位時間当たりの計数である。従って、縦軸は、単位計数当たりのエネルギ、即ち、検出感度を表す。
【0024】
曲線201に示すように、半導体放射線検出素子では、即ち、ガンマ線調整板によって覆われていない場合には、ガンマ線エネルギが低い領域では、検出感度が高く測定可能であるが、ガンマ線エネルギが高い領域では、検出感度が低くなり、測定不能となる。
【0025】
曲線202に示すように、半導体放射線検出素子をガンマ線調整板によって覆うと、計数率特性が変化する。ガンマ線調整板を設けることにより、低エネルギのガンマ線も高エネルギのガンマ線も共に減衰する。従って、低いエネルギのガンマ線は測定不能になるが、高エネルギのガンマ線は、測定可能となる。従って、ガンマ線調整板を設けることにより、測定レンジがシフトする。
【0026】
図3を参照して、ガンマ線調整板の厚さと計数率特性の関係を説明する。図3の曲線301は、比較的薄いガンマ線調整板によって覆われた1個の半導体放射線検出素子を備えた放射線検出器の計数率特性を示し、曲線302は、比較的厚いガンマ線調整板によって覆われた1個の半導体放射線検出素子を備えた放射線検出器の計数率特性を示す。横軸は、ガンマ線エネルギ、縦軸は、ガンマ線フラックスを計数率で除した値であり、放射線検出器の感度を表す。2つの曲線301、302を比較すると判るように、ガンマ線調整板の厚さを大きくすると、感度が低下するが、測定レンジが高エネルギ側にシフトする。2つのガンマ線調整板の厚さの差が大きいと、2つの曲線301、302の中心位置の間の距離が大きくなる。
【0027】
ここでは、ガンマ線調整板の材料を同一とし、厚さのみを変えることにより、2つの曲線301、302に示すような異なる計数率特性を得ることを説明した。しかしながら、ガンマ線調整板の材料を変えることによっても、2つの曲線301、302に示すような異なる計数率特性を得ることは可能である。図1に示した本発明の放射線計数装置の第1の例では、2つのガンマ線調整板16A、16Bは互いに異なる厚さを有するが、互いに異なる材料によって構成してもよい。以下に本発明の放射線計数装置の第2〜第6の例でも、複数のガンマ線調整板は互いに異なる厚さを有するとして説明するが、互いに異なる材料によって構成してもよい。
【0028】
図4の曲線401は放射線検出器の好ましい計数率特性を示す。図示のように、測定レンジが広く、且つ、感度が略一定であることが好ましい。例えば、感度の変動量ΔXが±15%以内であればよい。放射線検出器の好ましい計数率特性において、感度の大きさは重要ではなく、感度の変動が少ないことが重要である。単一の半導体放射線検出素子を用いた場合には、このように広い測定レンジを得ることができない。そこで、本発明によると、複数の半導体放射線検出器を用いる。
【0029】
図5を参照して本発明の放射線検出器の計数率特性を説明する。図1に示したように、本発明の放射線検出器の第1の例は、2つの放射線検出器11A、11Bを備えており、これらの放射線検出器11A、11Bは、それぞれガンマ線調整板16A、16Bによって覆われている。ガンマ線調整板16A、16Bの厚さは互いに異なる。図5の曲線501Aは、比較的薄いガンマ線調整板16Aによって覆われた第1の放射線検出器11Aの計数率特性を示し、曲線501Bは、比較的厚いガンマ線調整板16Bによって覆われた第2の放射線検出器11Bの計数率特性を示す。横軸は、ガンマ線エネルギ、縦軸は、線量率を計数率で除した値であり、単位計数当たりの線量、即ち、検出感度を表す。
【0030】
曲線501Cは、第2の放射線検出器11Bの感度の補正値を示す。本例では、第2の放射線検出器11Bの出力又は計数率を補正することによって、第2の放射線検出器11Bの感度を、第1の放射線検出器11Aの感度と同一レベルにする。2つの曲線501A、501Bの高さの比は、2つの放射線検出器11A、11Bの感度の比を表し、既知である。従って、第2の放射線検出器11Bの出力又は計数率に、感度の比を乗算することによって、2つの放射線検出器11A、11Bの感度を等しくすることができる。破線で示す曲線502は、本発明の第1の例による放射線計測装置の感度を表す。本例によると、比較的広い計測範囲にてガンマ線の線量率を計測することができる。尚、2つの放射線検出器11A、11Bのガンマ線調整板の厚さの差が大きいと、2つの曲線501、502の中心位置の間の距離が大きくなり、曲線502のように平らな曲線は得られない。従って、曲線502のように平らな曲線を得るには、2つの放射線検出器11A、11Bのガンマ線調整板の厚さの差を所定の大きさにする必要がある。
【0031】
本発明によると、互いに厚さの異なるガンマ線調整板を供えた2つの放射線検出器を組み合わせることにより、破線で示す曲線502のような所望の計数率特性を有する放射線計測装置を構成することができる。即ち、2つのガンマ線調整板16A、16Bの厚さを所定の値に設定することにより、図4に示したような所望の計数率特性を備えた放射線計数装置を構成することができる。
【0032】
図6を参照して、本発明の放射線計測装置の第2の例を説明する。本例の放射線計測装置は、配管31及び配管31の内部30からのガンマ線による線量率を測定するのに好適である。本例の放射線計測装置は、第1及び第2の放射線検出器11A、11Bを含む半導体放射線検出器ユニット10Aと、これらの放射線検出器11A、11Bからの出力信号を、それぞれパルス信号に変換する第1及び第2の波高弁別器22A、22Bと、これらの波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置23と、パルス計数装置23から出力された計数を線量に変換する線量演算器24と、線量演算器24からの線量データを収集するデータ収集用コンピュータ25を有する。放射線検出器11A、11Bは、それぞれ1個のシリコン半導体放射線検出素子と前置増幅器を有する。シリコン半導体放射線検出素子は、好ましくは、シリコンアバランシェフォトダイオードによって構成される。
【0033】
半導体放射線検出器ユニット10Aは、遮蔽部材17を有する。放射線検出器11A、11Bは、遮蔽部材17によって囲まれている。放射線検出器11A、11Bは、遮蔽部材17によって形成されたチャンバ18内に配置されている。チャンバ18の開口は、測定対象である配管31に向けられる。2つの放射線検出器11A、11Bは、チャンバ18内にて、直列に配置されている。更に、2つのガンマ線調整板16A、16Bが、チャンバ18内にて、直列に配置されている。
【0034】
チャンバ18には、チャンバ18の開口から奥に向かって、第1のガンマ線調整板16A、第1の放射線検出器11A、第2のガンマ線調整板16B、及び、第2の放射線検出器11Bが、この順で配置されている。
【0035】
遮蔽部材17はガンマ線を遮蔽する機能を有し、例えば、鉛によって構成される。放射線検出器11A、11Bを遮蔽部材17によって囲むことにより、配管31及び配管31の内部30以外からのガンマ線が放射線検出器11A、11Bに入射することを阻止することができる。放射線検出器11A、11Bは、配管31及び配管31の内部30からのガンマ線のみの線量率を測定することができる。
【0036】
第1の放射線検出器11Aは、第1のガンマ線調整板16Aによって減衰したガンマ線を検出し、第2の放射線検出器11Aは、第1及び第2のガンマ線調整板16A、16Bによって減衰したガンマ線を検出する。
【0037】
第1の放射線検出器11Aは、低エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用され、第2の放射線検出器11Bは、高エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用される。従って、本例の放射線計測装置は、低線量率から高線量率までの広い範囲の線量率を計測することができる。
【0038】
本例では、第2のガンマ線調整板16Bの厚さは、第1のガンマ線調整板16Aの厚さより小さい。第2のガンマ線調整板16Bの厚さは、図1に示した第1の例では、2つのガンマ線調整板16A、16Bの厚さの差に相当する。図3を参照して説明したように、第2のガンマ線調整板16Bの厚さは、2つの計数率特性を表す曲線の中心位置の間のずれ、又は間隔を表す。従って、第2のガンマ線調整板16Bの厚さが大きいと、2つの計数率特性を表す曲線の中心位置のずれが大きくなり、均一な感度の計数率特性が得られない。そこで、本例では、第2のガンマ線調整板16Bの厚さを比較的小さくする。尚、第2のガンマ線調整板16Bの厚さを、第1のガンマ線調整板16Aの厚さと同一にしてもよい。2つのガンマ線調整板16A、16Bの厚さを所定の値に設定することにより、図4に示したような所望の計数率特性を備えた放射線計数装置を構成することができる。
【0039】
本例の放射線計測装置の第1及び第2の波高弁別器22A、22B、パルス計数装置23、線量演算器24、及び、データ収集用コンピュータ25の動作は、図1の第1の例と同様である。
【0040】
図7を参照して、本発明の放射線計測装置の第3の例を説明する。本例の放射線計測装置は、配管31及び配管31の内部30からのガンマ線による線量率を測定するのに好適である。本例の放射線計測装置は、第1、第2及び第3の放射線検出器11A、11B、11Cを含む半導体放射線検出器ユニット10Bと、これらの放射線検出器11A、11B、11Cからの出力信号を、それぞれパルス信号に変換する第1、第2及び第3の波高弁別器22A、22B、22Cと、これらの波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置23と、パルス計数装置23から出力された計数を線量に変換する線量演算器24と、線量演算器24からの線量データを収集するデータ収集用コンピュータ25を有する。放射線検出器11A、11B、11Cは、それぞれ1個のシリコン半導体放射線検出素子と前置増幅器を有する。シリコン半導体放射線検出素子は、好ましくは、シリコンアバランシェフォトダイオードによって構成される。
【0041】
本例の放射線計測装置を図6の放射線計測装置の第2の例と比較すると、本例では、ガンマ線調整板16C、放射線検出器11C、及び波高弁別器22Cが付加的に設けられている点が異なる。
【0042】
半導体放射線検出器ユニット10Bは、遮蔽部材17を有する。放射線検出器11A、11B、11Cは、遮蔽部材17によって囲まれている。本例では、遮蔽部材17によって形成されたチャンバ18内に、3つの放射線検出器11A、11B、11Cと3つのガンマ線調整板16A、16B、16Cが直列に配置されている。即ち、チャンバ18の開口から奥に向かって、第1のガンマ線調整板16A、第1の放射線検出器11A、第2のガンマ線調整板16B、第2の放射線検出器11B、第3のガンマ線調整板16C、及び、第3の放射線検出器11Cが、この順で配置されている。
【0043】
第1の放射線検出器11Aは、第1のガンマ線調整板16Aによって減衰したガンマ線を検出し、第2の放射線検出器11Aは、第1及び第2のガンマ線調整板16A、16Bによって減衰したガンマ線を検出し、第3の放射線検出器11Cは、第1、第2及び第3のガンマ線調整板16A、16B、16Cによって減衰したガンマ線を検出する。
【0044】
第1の放射線検出器11Aは、低エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用され、第2の放射線検出器11Bは、中エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用され、第3の放射線検出器11Cは、高エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用される。従って、本例の放射線計測装置は、低線量率から高線量率までの広い範囲の線量率を計測することができる。
【0045】
本例では、第3のガンマ線調整板16Cの厚さは、第2のガンマ線調整板16Bの厚さより小さい。第2のガンマ線調整板16Bの厚さは、第1のガンマ線調整板16Aの厚さより小さい。上述のように、第2及び第3のガンマ線調整板16B、16Cの厚さは、それぞれ、2つの計数率特性を表す曲線の中心位置の間のずれ、又は間隔を表す。従って、第2及び第3のガンマ線調整板16B、16Cの厚さが大きいと、それぞれ2つの計数率特性を表す曲線の中心位置のずれが大きくなり、均一な感度の計数率特性が得られない。そこで、本例では、3つのガンマ線調整板16A、16B、16Cの厚さをこの順に小さくする。尚、3つのガンマ線調整板16A、16B、16Cの厚さを、適宜、同一にしてもよい。3つのガンマ線調整板16A、16B、16Cの厚さを所定の値に設定することにより、図4に示したような所望の計数率特性を備えた放射線計数装置を構成することができる。
【0046】
本例の放射線計測装置の第1、第2及び第3の波高弁別器22A、22B、22C、パルス計数装置23、線量演算器24、及び、データ収集用コンピュータ25の動作は、図1の第1の例と同様である。
【0047】
図6の第2の例の半導体放射線検出器ユニット10Aでは、ガンマ線調整板と放射線検出器からなるセットを、直列に2個配置し、図7の第3の例の半導体放射線検出器ユニット10Bでは、ガンマ線調整板と放射線検出器からなるセットを、直列に3個配置している。しかしながら、ガンマ線調整板と放射線検出器からなるセットを、直列に4個以上配置してもよい。
【0048】
図8を参照して、本発明の放射線計測装置の第4の例を説明する。本例の放射線計測装置は、配管31及び配管31の内部30からのガンマ線による線量率を測定するのに好適である。本例の放射線計測装置は、第1、第2、第3及び第4の放射線検出器11A、11B、11C、11Dを含む半導体放射線検出器ユニット10Cと、これらの放射線検出器11A、11B、11C、11Dからの出力信号を、それぞれパルス信号に変換する第1、第2、第3及び第4の波高弁別器22A、22B、22C、22Dと、これらの波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置23と、パルス計数装置23から出力された計数を線量に変換する線量演算器24と、線量演算器24からの線量データを収集するデータ収集用コンピュータ25を有する。放射線検出器11A、11B、11C、11Dは、それぞれ1個のシリコン半導体放射線検出素子と前置増幅器を有する。シリコン半導体放射線検出素子は、好ましくは、シリコンアバランシェフォトダイオードによって構成される。
【0049】
本例の放射線計測装置を図6の放射線計測装置の第2の例と比較すると、本例では、図6に示した第2の例の半導体放射線検出器ユニット10Aが、2個並列に、即ち、配管31に向かって互いに並んで配置されている。本例では、波高弁別器22A、22B、22C、22Dは4個であるが、パルス計数装置23、線量演算器24、及び、データ収集用コンピュータ25はそれぞれ1個である。本例では、遮蔽部材17によって2つのチャンバ18A、18Bが形成されている。2つのチャンバ18A、18Bは並列に、即ち、配管31に向かって互いに並んで配置されている。第1のチャンバ18A内には、2つのガンマ線調整板16A、16Bと2つの放射線検出器11A、11Bが、交互に直列に配置されている。第2のチャンバ18B内には、2つのガンマ線調整板16A、16Bと2つの放射線検出器11C、11Dが交互に直列に配置されている。
【0050】
本例の放射線計測装置では、上側の放射線検出器11A、11Bと下側の放射線検出器11C、11Dは同一構造を有するため、上側の波高弁別器22A、22Bと下側の波高弁別器22C、22Dは同一の計数率を出力するはずである。パルス計数装置23、線量演算器24、及び、データ収集用コンピュータ25は、上側の放射線検出器11A、11B及び波高弁別器22A、22Bから得られた計数率と、下側の放射線検出器11C、11D及び波高弁別器22C、22Dから得られた計数率とから、それぞれ線量率を演算する。こうして得られた2つの計数率及び線量率は、本来、同一であるはずである。そこで、両者の間に差異がある場合には、出力として得られる線量率に誤差が含まれていると判定することができる。両者の間に差異がない場合には、出力として得られる線量率は誤差を含まないと判定することができる。本例の放射線計測装置では、2個の半導体放射線検出器ユニットを並列に配置することにより、ノイズに強い放射線計測装置を提供できる。
【0051】
図8の第4の例の半導体放射線検出器ユニット10Cでは、図6の第2の例の半導体放射線検出器ユニット10Aを、並列に2個配置している。しかしながら、図6の第2の例の半導体放射線検出器ユニット10Aを、並列に3個以上配置してもよい。更に、図7の第3の例の半導体放射線検出器ユニット10Bを、並列に2個又は3個以上配置してもよい。
【0052】
図9を参照して、本発明の放射線計測装置の第5の例を説明する。本例の放射線計測装置は、配管等のガンマ線による線量率を測定するのに好適である。本例の放射線計測装置は、半導体放射線検出器ユニット10D、パルス計数装置23、線量演算器24、及び、データ収集用コンピュータ25を有する。半導体放射線検出器ユニット10Dは、第1及び第2のシリコン半導体放射線検出素子11a、11bと、これらのシリコン半導体放射線検出素子11a、11bからの出力信号をそれぞれ増幅する前置増幅器12a、12bと、増幅された出力信号を、それぞれパルス信号に変換する第1及び第2の波高弁別器22A、22Bを有する。シリコン半導体放射線検出素子11a、11bは、好ましくは、シリコンアバランシェフォトダイオードによって構成される。
【0053】
本例の放射線計測装置を図6の放射線計測装置の第2の例と比較すると、本例では、シリコン半導体放射線検出素子11a、11b、前置増幅器12a、12b、及び、波高弁別器22A、22Bが、遮蔽部材17によって形成されたチャンバ18内に配置されている点が異なる。チャンバ18内には、チャンバ18の開口から奥に向かって、第1のガンマ線調整板16A、及び、第2の放射線検出器11Bが、この順で配置されている。
【0054】
第1のシリコン半導体放射線検出素子11a、前置増幅器12a、及び、波高弁別器22Aは、チャンバ18の入り口に近い位置に配置され、第2のシリコン半導体放射線検出素子11b、前置増幅器12b、及び、波高弁別器22Bは、チャンバ18の奥の位置に配置されている。
【0055】
チャンバ18内にて、第1のガンマ線調整板16Aと第2のガンマ線調整板16Bの間には、第1のシリコン半導体放射線検出素子11a、前置増幅器12a、及び、波高弁別器22Aが配置され、第2のガンマ線調整板16Bの後方に、第2のシリコン半導体放射線検出素子11b、前置増幅器12b、及び、波高弁別器22Bが配置されている。
【0056】
波高弁別器22A、22Bは、波高領域別(エネルギ領域別)に、計数率を計測してパルスを生成する。従って、本例では、アナログ信号の処理は、遮蔽部材17によって形成されたチャンバ18内にて行われる。そのため、外部からの放射線に起因したノイズが、波高弁別器22A、22Bの出力信号に含まれる可能性は極めて低い。従って、本例の放射線計測装置は、広い測定範囲を有するばかりでなく、ノイズに強い特徴を有する。
【0057】
本例では、第2のガンマ線調整板16Bの厚さは、第1のガンマ線調整板16Aの厚さより小さい。尚、第2のガンマ線調整板16Bの厚さを、第1のガンマ線調整板16Aの厚さと同一にしてもよい。2つのガンマ線調整板16A、16Bの厚さを所定の値に設定することにより、図4に示したような所望の計数率特性を備えた放射線計数装置を構成することができる。
【0058】
図9の第5の例の半導体放射線検出器ユニット10Dでは、ガンマ線調整板、シリコン半導体放射線検出素子、前置増幅器、及び、波高弁別器からなるセットを、直列に2個配置しているが、3個以上配置してもよい。
【0059】
図10を参照して、本発明の放射線計測装置の第6の例を説明する。本例の放射線計測装置は、空間32におけるガンマ線の線量率を測定するのに好適である。本例の放射線計測装置は、第1、第2、第3及び第4の放射線検出器11A、11B、11C、11Dと、これらの放射線検出器11A、11B、11C、11Dからの出力信号を、それぞれパルス信号に変換する第1、第2、第3及び第4の波高弁別器22A、22B、22C、22Dと、これらの波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置23と、パルス計数装置23から出力された計数を線量に変換する線量演算器24と、線量演算器24からの線量データを収集するデータ収集用コンピュータ25を有する。放射線検出器11A、11B、11Cは、それぞれ1個のシリコン半導体放射線検出素子と前置増幅器を有する。シリコン半導体放射線検出素子は、好ましくは、シリコンアバランシェフォトダイオードによって構成される。
【0060】
測定対象の空間32の壁33は垂直壁、天井壁、床壁のいずれであってもよい。壁33に、互いに半径が異なる3つの半球殻状のガンマ線調整板16A、16B、16Cが重ねて、即ち、同心的に配置されている。第1、第2及び第3のガンマ線調整板16A、16B、16Cの半径を、それぞれr1、r2、r3とする。r1>r2>r3である。第3のガンマ線調整板16Cを壁33の上に配置し、それを覆うように第2のガンマ線調整板16Bを配置し、更に、それを覆うように第1のガンマ線調整板16Aを配置する。
【0061】
図示のように、第1のガンマ線調整板16Aの上に、第1の放射線検出器11Aが配置され、第2のガンマ線調整板16Bの上に、第2の放射線検出器11Bが配置され、第3のガンマ線調整板16Cの上に、第3の放射線検出器11Cが配置され、壁33の上に第4の放射線検出器11Dが配置されている。4つの放射線検出器11A、11B、11C、11Dは、半径方向に沿って1列に配置されている。
【0062】
壁33と第3のガンマ線調整板16Cの間に、半球状の第3のチャンバ18Cが形成され、第3のガンマ線調整板16Cと第2のガンマ線調整板16Bの間に、半球殻状の第2のチャンバ18Bが形成され、第2のガンマ線調整板16Bと第1のガンマ線調整板16Aの間に、半球殻状の第1のチャンバ18Aが形成される。
【0063】
第1の放射線検出器11Aは、空間32のガンマ線を直接、即ち、ガンマ線調整板を介しないで、検出する。第2の放射線検出器11Bは、第1のガンマ線調整板16Aによって減衰したガンマ線を検出し、第3の放射線検出器11Cは、第1及び第2のガンマ線調整板16A、16Bによって減衰したガンマ線を検出し、第4の放射線検出器11Dは、第1、第2及び第3のガンマ線調整板16A、16B、16Cによって減衰したガンマ線を検出する。
【0064】
第1の放射線検出器11Aは、極低エネルギ領域又は低エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用される。第2の放射線検出器11Bは、低エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用され、第3の放射線検出器11Cは、中エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用され、第4の放射線検出器11Dは、高エネルギ領域のガンマ線の線量率測定に使用される。従って、本例の放射線計測装置は、低線量率から高線量率までの広い範囲の線量率を計測することができる。
【0065】
3つのガンマ線調整板16A、16B、16Cの厚さは、同一であってもよいが、異なってもより。即ち、第1のガンマ線調整板16Aの厚さが最も大きく、第3のガンマ線調整板16Cの厚さが最も小さくてもよい。
【0066】
尚、図10の例では、4個の放射線検出器と3個のガンマ線調整板を設けているが、少なくとも2個の放射線検出器を設け、放射線検出装置の間にガンマ線調整板を設けるように構成するなら、どのような構成であってもよい。例えば、第1の放射線検出器11Aを省略してもよいし、更に第1の波高弁別器22Aを省略してもよい。
【0067】
以上本発明の例を説明したが本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは、当業者によって容易に理解されよう。
【符号の説明】
【0068】
10A、10B、10C、10D…半導体放射線検出器ユニット、11A、11B、11C、11D…放射線検出器、16A、16B、16C、16D…ガンマ線調整板、17…遮蔽部材、18A、18B、18C…チャンバ、21A、21B…前置増幅器、22A、22B、22C、22D…波高弁別器、23…パルス計数装置、24…線量演算器、25…データ収集用パソコン、30…配管内部、31…配管、32…空間、33…壁、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアバランシェフォトダイオードと第1の前置増幅器とを有する第1の半導体放射線検出器と、該第1の半導体放射線検出器からの出力信号をパルス信号に変換する第1の波高弁別器と、第2のアバランシェフォトダイオードと第2の前置増幅器とを有する第2の半導体放射線検出器と、該第2の半導体放射線検出器からの出力信号をパルス信号に変換する第2の波高弁別器と、前記第1及び第2の波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置と、該パルス計数装置から出力された計数を線量に変換する線量演算器と、
測定対象から前記第1及び第2の放射線検出器に入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスをそれぞれ減衰させるための第1及び第2のガンマ線調整板と、測定対象以外から前記第1及び第2の放射線検出器に入射されるガンマ線を遮断する遮蔽部材と、を有し、
前記遮蔽部材によって、一方の面に開口を有するチャンバが形成されており、
該チャンバ内には、前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、及び、前記第2の放射線検出器が、前記開口から内部に向かう方向に沿って順に直列に配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の放射線計測装置において、
ガンマ線フラックスを計数率で除した値によって表されるガンマ線の検出感度が、所定のガンマ線のエネルギ範囲で一定となるように、前記第1のガンマ線調整板と前記第2のガンマ線調整板の厚さが選択されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項3】
請求項1記載の放射線計測装置において、
前記第2のガンマ線調整板の厚さは前記第1のガンマ線調整板の厚さより小さいことを特徴とする放射線計測装置。
【請求項4】
請求項1記載の放射線計測装置において、
更に、第3のアバランシェフォトダイオードと第3の前置増幅器を有する第3の放射線検出器と、前記第3の放射線検出器からの出力信号よりパルス信号を生成する第3の波高弁別器と、測定対象から前記第3の放射線検出器に入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスを減衰させるための第3のガンマ線調整板と、を有し、
前記チャンバ内には、前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、前記第2の放射線検出器が、前記第3のガンマ線調整板、及び、前記第3の放射線検出器が、前記開口から内部に向かう方向に沿って順に直列に配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項5】
請求項4記載の放射線計測装置において、
前記第3のガンマ線調整板の厚さは前記第2のガンマ線調整板の厚さより小さく、前記第2のガンマ線調整板の厚さは前記第1のガンマ線調整板の厚さより小さいことを特徴とする放射線計測装置。
【請求項6】
請求項1記載の放射線計測装置において、
前記遮蔽部材、前記遮蔽部材によって形成されたチャンバ内に配置された前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、及び、前記第2の放射線検出器によって構成される第1の半導体放射線検出器ユニットと同一構造の第2の半導体放射線検出器ユニットを有し、前記第1及び第2の半導体放射線検出器ユニットは、並んで配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項7】
請求項1記載の放射線計測装置において、
前記ガンマ線調整板は、鉛、鉄、又は、アルミニウムによって形成されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項8】
請求項1記載の放射線計測装置において、
前記第1及び第2の放射線検出器の感度が等しくなるように、前記第1及び第2の放射線検出器からの出力が調整されるように構成されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項9】
第1のアバランシェフォトダイオードと第1の前置増幅器とを有する第1の半導体放射線検出器と、該第1の半導体放射線検出器からの出力信号をパルス信号に変換する第1の波高弁別器と、第2のアバランシェフォトダイオードと第2の前置増幅器とを有する第2の半導体放射線検出器と、該第2の半導体放射線検出器からの出力信号をパルス信号に変換する第2の波高弁別器と、前記第1及び第2の波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置と、該パルス計数装置から出力された計数を線量に変換する線量演算器と、を有する放射線計測装置において、
更に、測定対象から前記第1及び第2の放射線検出器に入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスをそれぞれ減衰させるための第1及び第2のガンマ線調整板と、を有し、
前記第1及び第2のガンマ線調整板は、半球殻状に形成されており、
前記第1のガンマ線調整板を前記第1の放射線検出器を覆うよう配置し、前記第2の放射線検出器を前記第1のガンマ線調整板の外面上に配置し、前記第2のガンマ線調整板を前記第1のガンマ線調整板及び前記第1の放射線検出器を覆うよう配置することができるように構成されている放射線計測装置。
【請求項10】
第1及び第2のシリコン半導体放射線検出素子と第1及び第2の前置増幅器をそれぞれ有する第1及び第2の放射線検出器と、前記第1及び第2の放射線検出器からの出力信号をそれぞれパルス信号に変換する第1及び第2の波高弁別器と、前記第1及び第2の波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置と、該パルス計数装置から出力された計数を線量に変換する線量演算器と、を有する放射線計測装置において、
更に、測定対象から前記第1及び第2の放射線検出器に入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスをそれぞれ減衰させるための第1及び第2のガンマ線調整板と、測定対象以外から前記第1及び第2の放射線検出器に入射されるガンマ線を遮断する遮蔽部材と、を有し、
前記遮蔽部材によって、一方の面に開口を有するチャンバが形成されており、
該チャンバ内には、前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、及び、前記第2の放射線検出器が、前記開口から内部に向かう方向に沿って順に直列に配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項11】
請求項10記載の放射線計測装置において、
前記シリコン半導体放射線検出素子は、それぞれアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項12】
請求項10記載の放射線計測装置において、
更に、第3のシリコン半導体放射線検出素子と第3の前置増幅器を有する第3の放射線検出器と、前記第3の放射線検出器からの出力信号よりパルス信号を生成する第3の波高弁別器と、測定対象から前記第3の放射線検出器に入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスを減衰させるための第3のガンマ線調整板と、を有し、
前記チャンバ内には、前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、前記第2の放射線検出器が、前記第3のガンマ線調整板、及び、前記第3の放射線検出器が、前記開口から内部に向かう方向に沿って順に直列に配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項13】
請求項10記載の放射線計測装置において、
前記遮蔽部材、前記遮蔽部材によって形成されたチャンバ内に配置された前記第1のガンマ線調整板、前記第1の放射線検出器、前記第2のガンマ線調整板、及び、前記第2の放射線検出器によって構成された第1の半導体放射線検出器ユニットと同一構造の第2の半導体放射線検出器ユニットを有し、前記第1及び第2の半導体放射線検出器ユニットは、並んで配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項14】
請求項10記載の放射線計測装置において、
前記チャンバ内には、更に前記第1及び第2の波高弁別器が配置されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項15】
請求項10記載の放射線計測装置において、
前記ガンマ線調整板は、鉛、鉄、又は、アルミニウムによって形成されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項16】
請求項10記載の放射線計測装置において、
前記第1及び第2の放射線検出器の感度が等しくなるように、前記第1及び第2の放射線検出器からの出力が調整されるように構成されていることを特徴とする放射線計測装置。
【請求項17】
第1及び第2のシリコン半導体放射線検出素子と第1及び第2の前置増幅器をそれぞれ有する第1及び第2の放射線検出器と、前記第1及び第2の放射線検出器からの出力信号をそれぞれパルス信号に変換する第1及び第2の波高弁別器と、前記第1及び第2の波高弁別器からの出力パルスを計数するパルス計数装置と、該パルス計数装置から出力された計数を線量に変換する線量演算器と、を有する放射線計測装置において、
更に、測定対象から前記第1及び第2の放射線検出器に入射されるガンマ線エネルギ及びガンマ線フラックスをそれぞれ減衰させるための第1及び第2のガンマ線調整板と、を有し、
前記第1及び第2のガンマ線調整板は、半球殻状に形成されており、
前記第1のガンマ線調整板を前記第1の放射線検出器を覆うよう配置し、前記第2の放射線検出器を前記第1のガンマ線調整板の外面上に配置し、前記第2のガンマ線調整板を前記第1のガンマ線調整板及び前記第1の放射線検出器を覆うよう配置することができるように構成されている放射線計測装置。
【請求項18】
請求項17記載の放射線計測装置において、
前記シリコン半導体放射線検出素子は、それぞれアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする放射線計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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