放射能測定装置およびそのプログラム
【課題】建造物の床などの大きな測定対象物についても簡便で精度よく放射能分布を測定できる放射能測定装置およびそのプログラムを提供すること。
【解決手段】開口部2を有する容器状をなし開口部2を測定対象物に対向させて設置される気体捕集装置5を備え、気体捕集装置5は、開口部2から入射した放射線が気体を電離してイオンを生成する電離空間部4と、前記イオンによる電流を測定するイオン電流測定部9と、電離空間部4に外部から気体を取り入れる気体取入れ手段7と、電離空間部4に流入する気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段8と、取り入れられた気体が測定対象物1に向かって流れるように案内する気体流案内手段6とを備えている構成とする。
【解決手段】開口部2を有する容器状をなし開口部2を測定対象物に対向させて設置される気体捕集装置5を備え、気体捕集装置5は、開口部2から入射した放射線が気体を電離してイオンを生成する電離空間部4と、前記イオンによる電流を測定するイオン電流測定部9と、電離空間部4に外部から気体を取り入れる気体取入れ手段7と、電離空間部4に流入する気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段8と、取り入れられた気体が測定対象物1に向かって流れるように案内する気体流案内手段6とを備えている構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物から放出される放射線により電離した気体を吸引し、この気体の電流値を測定して測定対象物の放射能を求める放射能測定装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に放射能分布を測定する装置としては、α線やβ・γ線を対象としてサーベイメータがある。しかしながら、α線は飛程が数cmと短いので、複雑な形状の物体を測定対象物とした場合には、測定者はサーベイメータを測定対象物に密着近くまで接近させた状態を維持して測定する必要があるため、大面積の対象物では測定に多くの時間が掛かる。
【0003】
他方、一般に、測定対象物から放出される放射線によりその近傍の気体が電離されてイオン対が生成し、そのイオンは数秒〜数10秒の寿命で測定対象物の近傍に残留するので、このイオンを収集して放射線強度を求める放射能測定技術が存在する。
【0004】
この技術による放射能測定装置は、例えば図13に示すように、測定対象物1を収納する測定チャンバ48と、電源装置11で電圧を印加する電極を備えたイオン収集手段47と、イオン収集手段47で収集したイオンを電流として計測する電流測定手段46と、測定チャンバ48の内部の気体を配管を通じてイオン収集手段47に輸送する気体輸送手段49と、気体中のほこり等を除去する気体浄化手段50で構成される。このような装置構成によって、測定対象物1の放射線の電離作用で生成したイオンを測定チャンバ48内の気体とともにイオン収集手段47まで輸送し、電流測定手段46で電流として測定して放射能を求める(非特許文献1)。
【0005】
非特許文献1に記載されている装置は、測定対象物の周囲の空気を一括吸引してイオンを収集し、全放射能を測定しているので、測定対象物の放射能分布を測定することができない。これに対して下記特許文献1には、イオンを吸引して測定対象物の放射能分布を測定する発明が開示されているが、測定対象物と電離電流測定手段の間に複雑で長い経路があるために、この経路によるイオンの減衰が問題になることが予想される。
【非特許文献1】日本原子力学会「2003年春の年会」予稿集、D17
【特許文献1】特開2003−194946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、建造物の床などの大きな測定対象物についても簡便で精度よく放射能分布を測定できる放射能測定装置およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の放射能測定装置は、開口部を有する容器状をなし前記開口部を測定対象物に対向させて設置される気体捕集装置を備え、前記気体捕集装置は、前記開口部から入射した放射線が気体を電離してイオンを生成する電離空間部と、前記イオンによる電流を測定するイオン電流測定部と、前記電離空間部に外部から気体を取り入れる気体取入れ手段と、前記電離空間部に流入する気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段と、取り入れられた気体が測定対象物に向かって流れるように案内する気体流案内手段とを備えている構成とする。
【0008】
本発明のプログラムは、測定対象物の表面を所定条件で分割した測定エリアに関する測定対象物エリア情報を電子的に記憶する電子タグ部と、前記空気捕集装置に装着されて移動し空間位置を検出する位置検出センサ部と、前記電子タグ部と近接して前記電子タグ部の記憶情報を電子的に読み書きする電子タグ読み書き手段とを備えた放射能測定装置のプログラムにおいて、前記電子タグ部の読み出し位置を前記位置検出センサ部に校正点として設定する設定ステップと、測定開始によって前記位置検出センサ部の校正点からの移動量情報を測定エリアの位置情報に変換する変換ステップと、前記電子タグ部から読み出された測定エリア情報および測定エリア位置情報に対応する測定データおよび測定結果情報を所定のメモリに記憶する記憶ステップとを備え、計算機で実行可能に記載されている構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、建造物の床などの大きな測定対象物についても簡便で精度よく放射能分布を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1ないし第7の実施の形態の放射能測定装置およびそのプログラムを図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の放射能測定装置は、図1に示すように、漏斗状をなし測定対象物1に対して設定される気体捕集装置5と、この気体捕集装置5に端栓部19を介して配管接続された気体吸引手段15と、電気接続された電源装置11、電流計12およびデータ処理装置13とから構成されている。気体捕集装置5は、測定対象物1に向けて円形に開口した開口部2を有し、測定対象物1上の放射線源3から発生し開口部2から入射した放射線が気体を電離する電離空間部4と、外気を電離空間部4に取り入れる気体取入れ窓7と、気体取入れ窓7に設けられた気体浄化手段8と、気体取入れ窓7から取り入れた気体を測定対象物1に向かって流すように円環状に設けられた気体流案内板6とを備えている。
【0012】
開口部2は測定対象物1に対して密に接触して設定され、例えば直径10cmの円形の領域のように測定対象とする領域を限定する。また、電離空間部4の奥行(図1では高さ)は測定対象物1から発生する放射線の種類及びエネルギーに応じて定めるものとする。例えば、5MeVのα線を対象とする場合は、その飛程である5cm程度とする。
【0013】
開口部2を経て電離空間部4に入射した放射線は、そのエネルギーを電離空間部4に存在する気体に付与して気体を電離する。電離によって生成したイオンは気体とともに気体輸送路14を介して気体吸引手段15によって吸引され、イオン電流測定部9で電源装置11によって電圧を印加された電極10の電界に反応して電流を生じる。この電流は電流計12によって電流値として測定され、データ処理装置13で測定対象物1の放射能として演算され表示される。
【0014】
ところで、放射線による電離作用で気体中に生成されたイオン対は放射線の進行軸方向に沿って高密度の柱状のイオンだまりを形成し、イオンだまりではイオン同士の再結合が起こる。気体を電離することによって放射線のエネルギーは減衰していくため、放射線源つまり測定対象物1の面に近い程イオン密度は高い。イオン同士の再結合確率はこのイオン密度のほかに時間にも依存しており、時間経過によってもイオンは消滅していく。
【0015】
本実施の形態の放射能測定装置においては、気体取入れ窓7から電離空間部4に流入した気体は、気体流案内板6によって測定対象物1の面に対して水平方向に流れる。これによって、測定対象物面上の気体中にある柱状のイオンだまりは強制的に拡散されるのでイオン密度が下がる。イオン密度が下がることでイオン同士の再結合確率が減少するため、イオン消滅が抑制される。
【0016】
以上のように本実施の形態によれば、測定対象物1からの放射線によって生成されるイオンの再結合確率を低減し、イオン消滅を抑制することができる。よって、測定対象物1の放射能を効率良くかつ高精度で測定することができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の放射能測定装置は、図2に示すように、気体捕集部5の開口部2の外周を覆うように絶縁体部16を介して設けられた帯電体部17と、この帯電体部17と接触せず電離空間部4と接した状態で帯電体部17の内周側に設けられた非帯電部18とを備えた構成である。帯電体部17は帯電した部材からなり、非帯電体部18は帯電していない部材からなる。その他の構成は第1の実施の形態の放射能測定装置(図1)と同じである。
【0018】
測定対象物1に数センチメートル程度の凹凸が存在する場合、開口部2は測定対象物1の面と密着せずに隙間ができてしまう場合がある。そうすると、外気は気体取入れ窓7に加えて、この隙間を通って電離空間部4に流入してくる。したがって、帯電体部17および非帯電体部18は測定対象物1の凹凸部分に対して隙間が出来にくい柔軟なブラシ状やすだれ状に加工したものがよい。長さは、測定対象物1の見込まれる凹凸の高さに対応させる。
【0019】
本実施の形態の放射能測定装置においては、開口部2と測定対象物1の隙間から流入する外気はまず帯電体部17を通過する。このときに気体中に含まれるイオンが除去される。イオンが除去された気体は、続いて非帯電体部18を通過して電離空間部4に到達する。非帯電体部18が存在するため電離空間部4の気体と帯電体部17は接することがなく、また、気体流方向が外から内へと限定されているため、測定対象物1からの放射線によって電離空間部4に生成されたイオンが帯電体部17によって除去されることがない。
【0020】
以上のように本実施の形態によれば、測定対象物1の表面に凹凸がある場合においても、電離空間部4で発生したイオンに影響を与えずに、電離空間部4に流入する外気に含まれるイオンを簡易に除去できる。よって、測定対象物1の放射能を効率良くかつ高精度で測定することができる。
【0021】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の放射能測定装置は、図3に示すように、図1に示した気体吸引手段15の後に、排気浄化器20と、自在排気路21と、消音器22とを設けた構成である。
【0022】
気体吸引手段15で吸引されイオン電流測定部9でイオン電流を測定した排気体は、測定対象物1が例えば核燃料製造施設などの管理区域の床面であった場合、汚染している可能性のある粉塵等を吸い上げてしまい、排気によって気中に放出・飛散させる。また、排気体の放出方向によっては再度粉塵をまき上げて気中に飛散させてしまう場合もある。更に、気体排気に伴う騒音は他作業の迷惑になり作業者に不快感を与える。
【0023】
本実施の形態の放射能測定装置は、気体吸引手段15の気体排気部分に排気浄化器20を設けてあるので、イオン電流を測定し終えた排気体中の粉塵を除去することができる。また、気体排出部分に自在排気路21を設けてあるので、排気で粉塵等が舞いやすい方向を避けることができる。更に、気体排出部分に消音器22を設けてあるので、気体排気時に発生する騒音を抑制することができる。
【0024】
以上のように本実施の形態によれば、イオン電流を測定し終えた排気体中に含まれる汚染している可能性のある粉塵等の気中への放出を防ぐことができる。また、排気体の放出を望ましい方向に変更設定できるため、粉塵等を巻き上げることがない。更に、気体排出時の騒音を抑制することができるため、他作業の迷惑あるいは作業者への不快感を緩和できる。
【0025】
(第4の実施の形態)
図4は本発明の第4の実施の形態の放射能測定装置を示す図である。本実施の形態の放射能測定装置は気体循環手段23を備え、気体循環手段23は、イオン電流値を測定した気体を気体捕集装置5の電離空間部4に戻すホース23aと、イオン電流値を測定した気体を浄化する気体浄化手段24とを備えている。
【0026】
本実施の形態の放射能測定装置は、開口部2を測定対象物1に密着させることで、外気と遮断された密閉の電離空間部4が形成される。測定対象物1からの放射線によって電離空間部4で発生したイオン対を含む気体を吸引し、イオン電流値を測定し終えた気体を再び電離空間部4に戻すことで測定時に外気を取り込む必要がない。
【0027】
ここで、循環気体中には測定対象物1より吸い上げた粉塵等および残イオンを含んでいるため、この循環気体を浄化するための気体浄化手段24はイオン電流値を測定し終わった気体が対象となる位置に設ける。気体浄化手段24は、例えば粉塵を吸着するためのフィルタとイオンを吸着するためのフィルタを併用することで粉塵とイオンを同時に除去する。
【0028】
本実施の形態の放射能測定装置は図5に示すような構成としてもよい。すなわち、気体捕集装置5の内壁に沿って循環気体流路23bを設け、気体捕集装置5の開口部2近くに複数の気体流入孔25を設け、気体流入孔25の近傍に流入気体流51の方向を案内する循環気体流ガイド部26を設ける。測定対象物1の面に近い程イオン密度は高く、離れるにつれイオン密度は下がるから、気体流入量は測定対象物1に近い開口部2の開口端部の気体流入孔25からのものを最大とし、開口部端より上方につれて気体流入孔を小さくし気体流入量を減少させる。
【0029】
測定対象物1と開口部2の端面は密着していないと気体の入出流が起こり、外気のイオンが混入する。このため、測定対象物1の面が多少の凹凸であっても気密性が維持できるように、開口部2の端面には気密手段27を設ける。気密手段27は、非帯電体で柔軟性があり気密性を有する気密シール部材を用いる。これは例えばゴム素材を加工したものが使用できる。
【0030】
以上のように本実施の形態によれば、測定対象物1と開口部2の間が気密性を維持した状態で密閉され、イオン電流を測定し終えた排気体を電離空間部4に循環させるため、測定対象物1より吸い上げた汚染している可能性のある粉塵等を気体流中に飛散させることがない。また、外気を取り込む必要がないことから外気のイオン濃度の影響を受けない。更に、循環気体を浄化することで残イオンよる測定への影響を抑制できるため、放射能を高精度で測定することができる。
【0031】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態の放射能測定装置は図6に示すように、気体捕集装置5に可視化窓28を設け映像記録手段30を取り付けた構成である。可視化窓28は透明ガラス材からなり、映像記録手段30は固定部材29によって気体捕集装置5に取り付けられている。
【0032】
本実施の形態の放射能測定装置は、気体捕集装置5に透明ガラス材を用いた可視化窓28を設けることで、電離空間部4の状態を可視化できる。透明ガラス材は例えば紫外線を通さない材質のものを選択する。これによって電離空間部4の状態を作業者が目視で確認できるため、測定開始あるいは測定中に混入物(例えばテープ等の置き忘れ)があった場合に容易に発見できる。また、電離空間部4の状態を可視化できることによって作業者に安心感を与える。
【0033】
映像記録手段30には例えば、オートフォーカス機能を有するデジタルカメラやデジタルビデオカメラを使用することで、測定対象物1の表面状態を簡易に映像化できる。これらは例えばデータ処理装置13にUSBインターフェースやメモリ媒体リーダを備えることで記録映像データを容易に取得できる。また例えば測定前後における測定対象物1の表面の細かい状態を識別可能な高精細モードで映像記録しておくことによって、表面の状態(キズや付着物等の有無)の変化を測定開始以前あるいは測定中のものか、または測定完了以降のものかを示すエビデンスとなる。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、電離空間部4を可視化することができるため、測定開始時に誤って混入したかも知れない異物の発見が測定を中止することなく容易にできる。よって、測定対象物1を常に視認できることで作業者に安心感を与える。また、測定対象物1の表面状態を測定前から後にわたって映像記録することができるので、測定対象物1の表面状態に異常があった場合等に示せるエビデンスとすることができる。
【0035】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置は図7に示すように、図1に示したデータ処理装置13に接続した情報通信手段35aと、この情報通信手段35aに無線接続した情報通信手段35bと、この情報通信手段35bに接続した情報通信手段35cと、帳票作成手段37と、帳票出力手段38と、帳票記録手段39とを備えた構成である。情報通信手段35a,35bはそれぞれ、情報暗号化手段31と暗号化情報復元手段32と無線情報送受信手段33とからなる。
【0036】
近年様々な分野での業務効率化が推し進められており、測定業務についても取得データの信頼性維持確保を前提に工期短縮等の効率化が益々求められている。このため、例えば測定を行った後に取得データの整理・まとめ等を行うやり方は非効率である。また、これでは測定完了後直ちに測定結果を客先等に提出することができず、例えば結果報告が成されるまで次の作業が停止してしまうといった事態が想定される。また、測定場でデータ整理を行う手段もあるが、測定実業務と並行して行わねばならず、測定者の負担増によるヒューマンエラーが起きやすい。更に、例えば帳票出力用の印刷機など測定装置以外の装備も増すため、測定場が煩雑になり事故が起きやすくなる。また、メモリ媒体等による情報の受け渡しは作業者の移動による手間と、メモリ媒体が携帯性を考慮して小型化されているため逆に紛失しやすいといった問題がある。
【0037】
本実施の形態では、データ処理装置13で求めた所定エリアの放射能測定値は、直ちに情報通信手段35a,35bを用いて計算機端末側の情報通信手段35cに送られる。情報通信手段35a,35bは、無線の場合では例えばIEEE802.11x規格やBluetooth規格等を用いる無線情報送受信手段33による通信方式に準拠しており、情報暗号化手段31と、暗号化情報復元手段32の双方を標準で装備しているものが多くある。例えば暗号化技術としてはこの場合、WPA(Wi-Fi Protected Access)やより強力なASE(Advanced Encryption Standard)等がある。
【0038】
図8に示すように電力線52を用いた場合では、例えば、PLC(Power Line Communication)やxDSL(Digital Subscriber Line)規格等を用いた電力線情報送受信手段34による通信方式がある。電力線による通信は、電波の使用が禁じられている場所や、LAN等の配線経路に移動物体が存在して切断等のおそれがある場合等、電力線以外の配線が困難な場合に適用できる。これらの通信技術は広く一般化しており、装置類は取り扱い易すく低価格で入手性も良い。
【0039】
情報通信手段35bあるいは35eによって受信され計算機端末の情報通信手段35cで受け取った測定結果情報は、帳票作成手段37で、情報通信手段35cの内容を例えば図9に示した内容として所定の帳票フォーマットに入力する。所定の帳票フォーマットは例えば仕様書に記載されている報告義務内容を元に作成してあり、そのまま客先等に提出できるものを指す。作成された帳票は直ちに帳票出力手段38で所定の印刷機によって所定の用紙に印刷され、更に所定のファイル名が付与されて例えばハードディスク等に記録される。さらに、これらの手順を計算機で実行可能なプログラムに格納して実行すればより便利になる。
【0040】
以上のように本実施の形態によれば、測定結果情報は測定完了とともに計算機端末に送られ、直ちに客先等へ提出可能な所定の帳票フォーマットで出力・記録することができるため測定作業後のデータ整理等を行う必要がなく測定作業効率が向上する。
【0041】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置は測定位置情報を自動取得する手段を備えている。すなわち図10に示すように、図1に示したデータ処理装置13に接続された位置検出手段40と電子タグ読み書き手段45および電子タグ部44を備えている。位置検出手段40は、位置検出センサ部41と位置校正処理部42と位置解析処理部43とから構成されている。
【0042】
位置検出技術はカーナビゲーションシステム等の普及によってその精度や分解能は大きく向上しており、位置検出センサ部41は例えば、温度補償型光ファイバジャイロ(Fiber Optic Gyro, FOG)やより高精度なリングレーザジャイロ(Ring Laser Gyro)等が使用できる。これらは小型化されており、気体捕集装置5に組み込んで使用することもできる。
【0043】
本実施の形態の放射能測定装置による測定位置検出は次のように行う。すなわち、図11に示すように測定エリアをX、Y座標で分割する。電子タグ部44は位置検出のための校正点であり、測定エリアの所定の位置に設置する。電子タグ読み書き手段45は、電子タグのリーダ/ライタであり、電子タグと接触あるいは非接触でタグメモリ内の情報を読み書きして、その情報を所定の形式でデータ処理装置13や位置校正処理部42に受け渡す機能を有する。電子タグ部44は例えば設置位置との整合性をとり測定エリアの区画番号(例えば図11中のA点であれば:X=a、Y=A、B点は:X=b、Y=B)等をメモリに書き込み記憶させておく。電子タグとの送受信を行うリーダ/ライタの通信部分は、例えば気体捕集装置5に固定しておけば操作し易い。
【0044】
リーダ/ライタは電子タグの位置を正確に捉えることで位置精度が向上するため、電子タグ側及びリーダ/ライタ側双方の通信部分のスポットが直径1cm程度になるように電波遮断材でマスク等を施して通信可能位置を限定させ、更に通信距離を数mm程度つまり密着によって通信できるように調整する。これによって、電子タグ読み出し時の校正点の位置精度を確保することができる。更に、校正点である電子タグを複数設けて位置精度をより向上させる方法として、例えば測定分岐点毎に既知の正確な距離間隔で校正点を設けて、全ての校正点における座標の真値をあらかじめ位置校正処理部42に登録しておき、実際に校正したときの座標値との比較で誤差補正を行う。
【0045】
測定の流れを図12に示す。すなわちまず位置校正を行い(ステップS1)、測定対象物1の測定を開始する(ステップS2)ことで、位置検出センサ部41で検出した校正点からの移動量情報を自動取得する(ステップS3)。取得した移動量情報は、位置校正処理部42で校正および誤差補正が行われ、位置解析処理部43で測定エリアの座標値に変換されて(ステップS4)、この座標値に基づく測定点情報(例えば図11より、X=a-3、Y=A-2という形で)が得られる(ステップS5)。測定点は現在の測定データに付加・記録され(ステップS6)、これによって測定データとその測定点情報が対応づけがなされる。なお、これらの流れを計算機で実行可能なプログラムに格納することで、測定点の位置情報を簡易に取得できる。
【0046】
以上のように本実施の形態によれば、個々の測定点における位置データと放射能測定データとの整合は測定毎に測定者が管理記入することなく、自動で正確に行われるため、ヒューマンエラーによる誤記入の可能性が低減され、測定作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放射能測定装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の放射能測定装置に備えられる気体捕集装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の放射能測定装置の排気部の構成を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の放射能測定装置の構成を示す図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の放射能測定装置の変形例の要部構成を示す断面図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の放射能測定装置に備えられる気体捕集装置の構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置のデータ処理のための構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置のデータ処理のための構成の変形例を示すブロック図。
【図9】本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置に備えられる帳票作成手段を示すブロック図。
【図10】本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置の測定位置情報取得のための構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置に備えられる電子タグ部を示す図。
【図12】本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置における測定位置情報取得の流れを示す図。
【図13】従来の放射能測定装置を示す図。
【符号の説明】
【0048】
1…測定対象物、2…開口部、3…放射線源、4…電離空間部、5…気体捕集装置、6…気体流案内板、7…気体取入れ窓、8…気体浄化手段、9…イオン電流測定部、10…電極、11…電源装置、12…電流計、13…データ処理装置、14…気体輸送路、15…気体吸引手段、16…絶縁体部、17…帯電体部、18…非帯電体部、19…端栓部、20…排気浄化器、21…自在排気路、22…消音器、23…気体循環手段、23a…ホース、23b…循環気体流路、24…循環気体浄化手段、25…循環気体流入孔、26…循環気体流ガイド部、27…気密手段、28…可視化窓、29…固定部材、30…映像記録手段、31…情報暗号化手段、32…暗号化情報復元手段、33…無線情報送受信手段、34…電力線情報送受信手段、35a,35b,35c,35d,35e…情報通信手段、37…帳票作成手段、38…帳票出力手段、39…帳票記録手段、40…位置検出手段、41…位置検出センサ部、42…位置校正処理部、43…位置解析処理部、44…電子タグ部、45…電子タグ読み書き手段、46…電流測定手段、47…イオン収集手段、48…測定チャンバ、49…気体輸送手段、50…気体浄化手段、51…気体流、52…電力線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物から放出される放射線により電離した気体を吸引し、この気体の電流値を測定して測定対象物の放射能を求める放射能測定装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に放射能分布を測定する装置としては、α線やβ・γ線を対象としてサーベイメータがある。しかしながら、α線は飛程が数cmと短いので、複雑な形状の物体を測定対象物とした場合には、測定者はサーベイメータを測定対象物に密着近くまで接近させた状態を維持して測定する必要があるため、大面積の対象物では測定に多くの時間が掛かる。
【0003】
他方、一般に、測定対象物から放出される放射線によりその近傍の気体が電離されてイオン対が生成し、そのイオンは数秒〜数10秒の寿命で測定対象物の近傍に残留するので、このイオンを収集して放射線強度を求める放射能測定技術が存在する。
【0004】
この技術による放射能測定装置は、例えば図13に示すように、測定対象物1を収納する測定チャンバ48と、電源装置11で電圧を印加する電極を備えたイオン収集手段47と、イオン収集手段47で収集したイオンを電流として計測する電流測定手段46と、測定チャンバ48の内部の気体を配管を通じてイオン収集手段47に輸送する気体輸送手段49と、気体中のほこり等を除去する気体浄化手段50で構成される。このような装置構成によって、測定対象物1の放射線の電離作用で生成したイオンを測定チャンバ48内の気体とともにイオン収集手段47まで輸送し、電流測定手段46で電流として測定して放射能を求める(非特許文献1)。
【0005】
非特許文献1に記載されている装置は、測定対象物の周囲の空気を一括吸引してイオンを収集し、全放射能を測定しているので、測定対象物の放射能分布を測定することができない。これに対して下記特許文献1には、イオンを吸引して測定対象物の放射能分布を測定する発明が開示されているが、測定対象物と電離電流測定手段の間に複雑で長い経路があるために、この経路によるイオンの減衰が問題になることが予想される。
【非特許文献1】日本原子力学会「2003年春の年会」予稿集、D17
【特許文献1】特開2003−194946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、建造物の床などの大きな測定対象物についても簡便で精度よく放射能分布を測定できる放射能測定装置およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の放射能測定装置は、開口部を有する容器状をなし前記開口部を測定対象物に対向させて設置される気体捕集装置を備え、前記気体捕集装置は、前記開口部から入射した放射線が気体を電離してイオンを生成する電離空間部と、前記イオンによる電流を測定するイオン電流測定部と、前記電離空間部に外部から気体を取り入れる気体取入れ手段と、前記電離空間部に流入する気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段と、取り入れられた気体が測定対象物に向かって流れるように案内する気体流案内手段とを備えている構成とする。
【0008】
本発明のプログラムは、測定対象物の表面を所定条件で分割した測定エリアに関する測定対象物エリア情報を電子的に記憶する電子タグ部と、前記空気捕集装置に装着されて移動し空間位置を検出する位置検出センサ部と、前記電子タグ部と近接して前記電子タグ部の記憶情報を電子的に読み書きする電子タグ読み書き手段とを備えた放射能測定装置のプログラムにおいて、前記電子タグ部の読み出し位置を前記位置検出センサ部に校正点として設定する設定ステップと、測定開始によって前記位置検出センサ部の校正点からの移動量情報を測定エリアの位置情報に変換する変換ステップと、前記電子タグ部から読み出された測定エリア情報および測定エリア位置情報に対応する測定データおよび測定結果情報を所定のメモリに記憶する記憶ステップとを備え、計算機で実行可能に記載されている構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、建造物の床などの大きな測定対象物についても簡便で精度よく放射能分布を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1ないし第7の実施の形態の放射能測定装置およびそのプログラムを図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の放射能測定装置は、図1に示すように、漏斗状をなし測定対象物1に対して設定される気体捕集装置5と、この気体捕集装置5に端栓部19を介して配管接続された気体吸引手段15と、電気接続された電源装置11、電流計12およびデータ処理装置13とから構成されている。気体捕集装置5は、測定対象物1に向けて円形に開口した開口部2を有し、測定対象物1上の放射線源3から発生し開口部2から入射した放射線が気体を電離する電離空間部4と、外気を電離空間部4に取り入れる気体取入れ窓7と、気体取入れ窓7に設けられた気体浄化手段8と、気体取入れ窓7から取り入れた気体を測定対象物1に向かって流すように円環状に設けられた気体流案内板6とを備えている。
【0012】
開口部2は測定対象物1に対して密に接触して設定され、例えば直径10cmの円形の領域のように測定対象とする領域を限定する。また、電離空間部4の奥行(図1では高さ)は測定対象物1から発生する放射線の種類及びエネルギーに応じて定めるものとする。例えば、5MeVのα線を対象とする場合は、その飛程である5cm程度とする。
【0013】
開口部2を経て電離空間部4に入射した放射線は、そのエネルギーを電離空間部4に存在する気体に付与して気体を電離する。電離によって生成したイオンは気体とともに気体輸送路14を介して気体吸引手段15によって吸引され、イオン電流測定部9で電源装置11によって電圧を印加された電極10の電界に反応して電流を生じる。この電流は電流計12によって電流値として測定され、データ処理装置13で測定対象物1の放射能として演算され表示される。
【0014】
ところで、放射線による電離作用で気体中に生成されたイオン対は放射線の進行軸方向に沿って高密度の柱状のイオンだまりを形成し、イオンだまりではイオン同士の再結合が起こる。気体を電離することによって放射線のエネルギーは減衰していくため、放射線源つまり測定対象物1の面に近い程イオン密度は高い。イオン同士の再結合確率はこのイオン密度のほかに時間にも依存しており、時間経過によってもイオンは消滅していく。
【0015】
本実施の形態の放射能測定装置においては、気体取入れ窓7から電離空間部4に流入した気体は、気体流案内板6によって測定対象物1の面に対して水平方向に流れる。これによって、測定対象物面上の気体中にある柱状のイオンだまりは強制的に拡散されるのでイオン密度が下がる。イオン密度が下がることでイオン同士の再結合確率が減少するため、イオン消滅が抑制される。
【0016】
以上のように本実施の形態によれば、測定対象物1からの放射線によって生成されるイオンの再結合確率を低減し、イオン消滅を抑制することができる。よって、測定対象物1の放射能を効率良くかつ高精度で測定することができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の放射能測定装置は、図2に示すように、気体捕集部5の開口部2の外周を覆うように絶縁体部16を介して設けられた帯電体部17と、この帯電体部17と接触せず電離空間部4と接した状態で帯電体部17の内周側に設けられた非帯電部18とを備えた構成である。帯電体部17は帯電した部材からなり、非帯電体部18は帯電していない部材からなる。その他の構成は第1の実施の形態の放射能測定装置(図1)と同じである。
【0018】
測定対象物1に数センチメートル程度の凹凸が存在する場合、開口部2は測定対象物1の面と密着せずに隙間ができてしまう場合がある。そうすると、外気は気体取入れ窓7に加えて、この隙間を通って電離空間部4に流入してくる。したがって、帯電体部17および非帯電体部18は測定対象物1の凹凸部分に対して隙間が出来にくい柔軟なブラシ状やすだれ状に加工したものがよい。長さは、測定対象物1の見込まれる凹凸の高さに対応させる。
【0019】
本実施の形態の放射能測定装置においては、開口部2と測定対象物1の隙間から流入する外気はまず帯電体部17を通過する。このときに気体中に含まれるイオンが除去される。イオンが除去された気体は、続いて非帯電体部18を通過して電離空間部4に到達する。非帯電体部18が存在するため電離空間部4の気体と帯電体部17は接することがなく、また、気体流方向が外から内へと限定されているため、測定対象物1からの放射線によって電離空間部4に生成されたイオンが帯電体部17によって除去されることがない。
【0020】
以上のように本実施の形態によれば、測定対象物1の表面に凹凸がある場合においても、電離空間部4で発生したイオンに影響を与えずに、電離空間部4に流入する外気に含まれるイオンを簡易に除去できる。よって、測定対象物1の放射能を効率良くかつ高精度で測定することができる。
【0021】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の放射能測定装置は、図3に示すように、図1に示した気体吸引手段15の後に、排気浄化器20と、自在排気路21と、消音器22とを設けた構成である。
【0022】
気体吸引手段15で吸引されイオン電流測定部9でイオン電流を測定した排気体は、測定対象物1が例えば核燃料製造施設などの管理区域の床面であった場合、汚染している可能性のある粉塵等を吸い上げてしまい、排気によって気中に放出・飛散させる。また、排気体の放出方向によっては再度粉塵をまき上げて気中に飛散させてしまう場合もある。更に、気体排気に伴う騒音は他作業の迷惑になり作業者に不快感を与える。
【0023】
本実施の形態の放射能測定装置は、気体吸引手段15の気体排気部分に排気浄化器20を設けてあるので、イオン電流を測定し終えた排気体中の粉塵を除去することができる。また、気体排出部分に自在排気路21を設けてあるので、排気で粉塵等が舞いやすい方向を避けることができる。更に、気体排出部分に消音器22を設けてあるので、気体排気時に発生する騒音を抑制することができる。
【0024】
以上のように本実施の形態によれば、イオン電流を測定し終えた排気体中に含まれる汚染している可能性のある粉塵等の気中への放出を防ぐことができる。また、排気体の放出を望ましい方向に変更設定できるため、粉塵等を巻き上げることがない。更に、気体排出時の騒音を抑制することができるため、他作業の迷惑あるいは作業者への不快感を緩和できる。
【0025】
(第4の実施の形態)
図4は本発明の第4の実施の形態の放射能測定装置を示す図である。本実施の形態の放射能測定装置は気体循環手段23を備え、気体循環手段23は、イオン電流値を測定した気体を気体捕集装置5の電離空間部4に戻すホース23aと、イオン電流値を測定した気体を浄化する気体浄化手段24とを備えている。
【0026】
本実施の形態の放射能測定装置は、開口部2を測定対象物1に密着させることで、外気と遮断された密閉の電離空間部4が形成される。測定対象物1からの放射線によって電離空間部4で発生したイオン対を含む気体を吸引し、イオン電流値を測定し終えた気体を再び電離空間部4に戻すことで測定時に外気を取り込む必要がない。
【0027】
ここで、循環気体中には測定対象物1より吸い上げた粉塵等および残イオンを含んでいるため、この循環気体を浄化するための気体浄化手段24はイオン電流値を測定し終わった気体が対象となる位置に設ける。気体浄化手段24は、例えば粉塵を吸着するためのフィルタとイオンを吸着するためのフィルタを併用することで粉塵とイオンを同時に除去する。
【0028】
本実施の形態の放射能測定装置は図5に示すような構成としてもよい。すなわち、気体捕集装置5の内壁に沿って循環気体流路23bを設け、気体捕集装置5の開口部2近くに複数の気体流入孔25を設け、気体流入孔25の近傍に流入気体流51の方向を案内する循環気体流ガイド部26を設ける。測定対象物1の面に近い程イオン密度は高く、離れるにつれイオン密度は下がるから、気体流入量は測定対象物1に近い開口部2の開口端部の気体流入孔25からのものを最大とし、開口部端より上方につれて気体流入孔を小さくし気体流入量を減少させる。
【0029】
測定対象物1と開口部2の端面は密着していないと気体の入出流が起こり、外気のイオンが混入する。このため、測定対象物1の面が多少の凹凸であっても気密性が維持できるように、開口部2の端面には気密手段27を設ける。気密手段27は、非帯電体で柔軟性があり気密性を有する気密シール部材を用いる。これは例えばゴム素材を加工したものが使用できる。
【0030】
以上のように本実施の形態によれば、測定対象物1と開口部2の間が気密性を維持した状態で密閉され、イオン電流を測定し終えた排気体を電離空間部4に循環させるため、測定対象物1より吸い上げた汚染している可能性のある粉塵等を気体流中に飛散させることがない。また、外気を取り込む必要がないことから外気のイオン濃度の影響を受けない。更に、循環気体を浄化することで残イオンよる測定への影響を抑制できるため、放射能を高精度で測定することができる。
【0031】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態の放射能測定装置は図6に示すように、気体捕集装置5に可視化窓28を設け映像記録手段30を取り付けた構成である。可視化窓28は透明ガラス材からなり、映像記録手段30は固定部材29によって気体捕集装置5に取り付けられている。
【0032】
本実施の形態の放射能測定装置は、気体捕集装置5に透明ガラス材を用いた可視化窓28を設けることで、電離空間部4の状態を可視化できる。透明ガラス材は例えば紫外線を通さない材質のものを選択する。これによって電離空間部4の状態を作業者が目視で確認できるため、測定開始あるいは測定中に混入物(例えばテープ等の置き忘れ)があった場合に容易に発見できる。また、電離空間部4の状態を可視化できることによって作業者に安心感を与える。
【0033】
映像記録手段30には例えば、オートフォーカス機能を有するデジタルカメラやデジタルビデオカメラを使用することで、測定対象物1の表面状態を簡易に映像化できる。これらは例えばデータ処理装置13にUSBインターフェースやメモリ媒体リーダを備えることで記録映像データを容易に取得できる。また例えば測定前後における測定対象物1の表面の細かい状態を識別可能な高精細モードで映像記録しておくことによって、表面の状態(キズや付着物等の有無)の変化を測定開始以前あるいは測定中のものか、または測定完了以降のものかを示すエビデンスとなる。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、電離空間部4を可視化することができるため、測定開始時に誤って混入したかも知れない異物の発見が測定を中止することなく容易にできる。よって、測定対象物1を常に視認できることで作業者に安心感を与える。また、測定対象物1の表面状態を測定前から後にわたって映像記録することができるので、測定対象物1の表面状態に異常があった場合等に示せるエビデンスとすることができる。
【0035】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置は図7に示すように、図1に示したデータ処理装置13に接続した情報通信手段35aと、この情報通信手段35aに無線接続した情報通信手段35bと、この情報通信手段35bに接続した情報通信手段35cと、帳票作成手段37と、帳票出力手段38と、帳票記録手段39とを備えた構成である。情報通信手段35a,35bはそれぞれ、情報暗号化手段31と暗号化情報復元手段32と無線情報送受信手段33とからなる。
【0036】
近年様々な分野での業務効率化が推し進められており、測定業務についても取得データの信頼性維持確保を前提に工期短縮等の効率化が益々求められている。このため、例えば測定を行った後に取得データの整理・まとめ等を行うやり方は非効率である。また、これでは測定完了後直ちに測定結果を客先等に提出することができず、例えば結果報告が成されるまで次の作業が停止してしまうといった事態が想定される。また、測定場でデータ整理を行う手段もあるが、測定実業務と並行して行わねばならず、測定者の負担増によるヒューマンエラーが起きやすい。更に、例えば帳票出力用の印刷機など測定装置以外の装備も増すため、測定場が煩雑になり事故が起きやすくなる。また、メモリ媒体等による情報の受け渡しは作業者の移動による手間と、メモリ媒体が携帯性を考慮して小型化されているため逆に紛失しやすいといった問題がある。
【0037】
本実施の形態では、データ処理装置13で求めた所定エリアの放射能測定値は、直ちに情報通信手段35a,35bを用いて計算機端末側の情報通信手段35cに送られる。情報通信手段35a,35bは、無線の場合では例えばIEEE802.11x規格やBluetooth規格等を用いる無線情報送受信手段33による通信方式に準拠しており、情報暗号化手段31と、暗号化情報復元手段32の双方を標準で装備しているものが多くある。例えば暗号化技術としてはこの場合、WPA(Wi-Fi Protected Access)やより強力なASE(Advanced Encryption Standard)等がある。
【0038】
図8に示すように電力線52を用いた場合では、例えば、PLC(Power Line Communication)やxDSL(Digital Subscriber Line)規格等を用いた電力線情報送受信手段34による通信方式がある。電力線による通信は、電波の使用が禁じられている場所や、LAN等の配線経路に移動物体が存在して切断等のおそれがある場合等、電力線以外の配線が困難な場合に適用できる。これらの通信技術は広く一般化しており、装置類は取り扱い易すく低価格で入手性も良い。
【0039】
情報通信手段35bあるいは35eによって受信され計算機端末の情報通信手段35cで受け取った測定結果情報は、帳票作成手段37で、情報通信手段35cの内容を例えば図9に示した内容として所定の帳票フォーマットに入力する。所定の帳票フォーマットは例えば仕様書に記載されている報告義務内容を元に作成してあり、そのまま客先等に提出できるものを指す。作成された帳票は直ちに帳票出力手段38で所定の印刷機によって所定の用紙に印刷され、更に所定のファイル名が付与されて例えばハードディスク等に記録される。さらに、これらの手順を計算機で実行可能なプログラムに格納して実行すればより便利になる。
【0040】
以上のように本実施の形態によれば、測定結果情報は測定完了とともに計算機端末に送られ、直ちに客先等へ提出可能な所定の帳票フォーマットで出力・記録することができるため測定作業後のデータ整理等を行う必要がなく測定作業効率が向上する。
【0041】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置は測定位置情報を自動取得する手段を備えている。すなわち図10に示すように、図1に示したデータ処理装置13に接続された位置検出手段40と電子タグ読み書き手段45および電子タグ部44を備えている。位置検出手段40は、位置検出センサ部41と位置校正処理部42と位置解析処理部43とから構成されている。
【0042】
位置検出技術はカーナビゲーションシステム等の普及によってその精度や分解能は大きく向上しており、位置検出センサ部41は例えば、温度補償型光ファイバジャイロ(Fiber Optic Gyro, FOG)やより高精度なリングレーザジャイロ(Ring Laser Gyro)等が使用できる。これらは小型化されており、気体捕集装置5に組み込んで使用することもできる。
【0043】
本実施の形態の放射能測定装置による測定位置検出は次のように行う。すなわち、図11に示すように測定エリアをX、Y座標で分割する。電子タグ部44は位置検出のための校正点であり、測定エリアの所定の位置に設置する。電子タグ読み書き手段45は、電子タグのリーダ/ライタであり、電子タグと接触あるいは非接触でタグメモリ内の情報を読み書きして、その情報を所定の形式でデータ処理装置13や位置校正処理部42に受け渡す機能を有する。電子タグ部44は例えば設置位置との整合性をとり測定エリアの区画番号(例えば図11中のA点であれば:X=a、Y=A、B点は:X=b、Y=B)等をメモリに書き込み記憶させておく。電子タグとの送受信を行うリーダ/ライタの通信部分は、例えば気体捕集装置5に固定しておけば操作し易い。
【0044】
リーダ/ライタは電子タグの位置を正確に捉えることで位置精度が向上するため、電子タグ側及びリーダ/ライタ側双方の通信部分のスポットが直径1cm程度になるように電波遮断材でマスク等を施して通信可能位置を限定させ、更に通信距離を数mm程度つまり密着によって通信できるように調整する。これによって、電子タグ読み出し時の校正点の位置精度を確保することができる。更に、校正点である電子タグを複数設けて位置精度をより向上させる方法として、例えば測定分岐点毎に既知の正確な距離間隔で校正点を設けて、全ての校正点における座標の真値をあらかじめ位置校正処理部42に登録しておき、実際に校正したときの座標値との比較で誤差補正を行う。
【0045】
測定の流れを図12に示す。すなわちまず位置校正を行い(ステップS1)、測定対象物1の測定を開始する(ステップS2)ことで、位置検出センサ部41で検出した校正点からの移動量情報を自動取得する(ステップS3)。取得した移動量情報は、位置校正処理部42で校正および誤差補正が行われ、位置解析処理部43で測定エリアの座標値に変換されて(ステップS4)、この座標値に基づく測定点情報(例えば図11より、X=a-3、Y=A-2という形で)が得られる(ステップS5)。測定点は現在の測定データに付加・記録され(ステップS6)、これによって測定データとその測定点情報が対応づけがなされる。なお、これらの流れを計算機で実行可能なプログラムに格納することで、測定点の位置情報を簡易に取得できる。
【0046】
以上のように本実施の形態によれば、個々の測定点における位置データと放射能測定データとの整合は測定毎に測定者が管理記入することなく、自動で正確に行われるため、ヒューマンエラーによる誤記入の可能性が低減され、測定作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態の放射能測定装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の放射能測定装置に備えられる気体捕集装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の放射能測定装置の排気部の構成を示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の放射能測定装置の構成を示す図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の放射能測定装置の変形例の要部構成を示す断面図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の放射能測定装置に備えられる気体捕集装置の構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置のデータ処理のための構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置のデータ処理のための構成の変形例を示すブロック図。
【図9】本発明の第6の実施の形態の放射能測定装置に備えられる帳票作成手段を示すブロック図。
【図10】本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置の測定位置情報取得のための構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置に備えられる電子タグ部を示す図。
【図12】本発明の第7の実施の形態の放射能測定装置における測定位置情報取得の流れを示す図。
【図13】従来の放射能測定装置を示す図。
【符号の説明】
【0048】
1…測定対象物、2…開口部、3…放射線源、4…電離空間部、5…気体捕集装置、6…気体流案内板、7…気体取入れ窓、8…気体浄化手段、9…イオン電流測定部、10…電極、11…電源装置、12…電流計、13…データ処理装置、14…気体輸送路、15…気体吸引手段、16…絶縁体部、17…帯電体部、18…非帯電体部、19…端栓部、20…排気浄化器、21…自在排気路、22…消音器、23…気体循環手段、23a…ホース、23b…循環気体流路、24…循環気体浄化手段、25…循環気体流入孔、26…循環気体流ガイド部、27…気密手段、28…可視化窓、29…固定部材、30…映像記録手段、31…情報暗号化手段、32…暗号化情報復元手段、33…無線情報送受信手段、34…電力線情報送受信手段、35a,35b,35c,35d,35e…情報通信手段、37…帳票作成手段、38…帳票出力手段、39…帳票記録手段、40…位置検出手段、41…位置検出センサ部、42…位置校正処理部、43…位置解析処理部、44…電子タグ部、45…電子タグ読み書き手段、46…電流測定手段、47…イオン収集手段、48…測定チャンバ、49…気体輸送手段、50…気体浄化手段、51…気体流、52…電力線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する容器状をなし前記開口部を測定対象物に対向させて設置される気体捕集装置を備え、前記気体捕集装置は、前記開口部から入射した放射線が気体を電離してイオンを生成する電離空間部と、前記イオンによる電流を測定するイオン電流測定部と、前記電離空間部に外部から気体を取り入れる気体取入れ手段と、前記電離空間部に流入する気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段と、取り入れられた気体が測定対象物に向かって流れるように案内する気体流案内手段とを備えていることを特徴とする放射能測定装置。
【請求項2】
前記開口部の辺縁に設けられた帯電体と、前記帯電体の内周に設けられた非帯電体とを備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項3】
前記イオン電流を測定したあとの排気体を浄化する排気体浄化手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項4】
前記排気体の排気出口に消音手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の放射能測定装置。
【請求項5】
前記イオン電流を測定した気体を再度前記電離空間部に戻す気体循環手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項6】
前記気体循環手段は、イオン電流値を測定した気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の放射能測定装置。
【請求項7】
前記気体循環手段は、前記気体捕集装置の器壁内面に設けられた循環気体流路を備え、前記循環気体流路から前記電離空間部に向かって気体が流入する気体流入孔が設けられていることを特徴とする請求項5記載の放射能測定装置。
【請求項8】
前記開口部の辺縁に、前記気体捕集装置と前記測定対象物との間での気体の漏れを低減する気密手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項9】
前記気体捕集装置は、透光性の可視化窓を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項10】
前記測定対象物の測定部分の映像を記録する映像記録手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項11】
前記イオン電流測定部による測定データを演算処理するデータ処理装置と、無線通信あるいは電力線を介する通信によって前記データ処理装置と計算機端末をデータ接続する情報通信手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項12】
前記情報通信手段は、受信情報を暗号化する情報暗号手段と、暗号化された受信情報を復元する情報復元手段とを備えていることを特徴とする請求項11記載の放射能測定装置。
【請求項13】
前記計算機端末は、測定結果情報を所定の帳票フォーマットに入力する帳票作成手段と、前記帳票フォーマットに測定結果情報が入力された帳票を所定の用紙に印刷する帳票出力手段と、前記帳票に所定のファイル名を付与して記録媒体に記録させる帳票記録手段とを備えていることを特徴とする請求項11または12に記載の放射能測定装置。
【請求項14】
測定対象物の表面を所定条件で分割した測定エリアに関する測定対象物エリア情報を電子的に記憶する電子タグ部と、前記空気捕集装置に装着されて移動し空間位置を検出する位置検出センサ部と、前記電子タグ部と近接して前記電子タグ部の記憶情報を電子的に読み書きする電子タグ読み書き手段とを備え、前記電子タグ部の読み出し位置を前記位置検出センサ部に校正点として設定する設定ステップと、測定開始によって前記位置検出センサ部の校正点からの移動量情報を測定エリアの位置情報に変換する変換ステップと、前記電子タグ部から読み出された測定エリア情報および測定エリア位置情報に対応する測定データおよび測定結果情報を所定のメモリに記憶する記憶ステップによって動作することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項15】
前記設定ステップと前記変換ステップと前記記憶ステップとを備え、計算機で実行可能に記載されていることを特徴とする請求項14記載の放射能測定装置のプログラム。
【請求項16】
前記変換ステップは、2つ以上の校正点を使用して位置精度を向上する補正ステップを備えていることを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項1】
開口部を有する容器状をなし前記開口部を測定対象物に対向させて設置される気体捕集装置を備え、前記気体捕集装置は、前記開口部から入射した放射線が気体を電離してイオンを生成する電離空間部と、前記イオンによる電流を測定するイオン電流測定部と、前記電離空間部に外部から気体を取り入れる気体取入れ手段と、前記電離空間部に流入する気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段と、取り入れられた気体が測定対象物に向かって流れるように案内する気体流案内手段とを備えていることを特徴とする放射能測定装置。
【請求項2】
前記開口部の辺縁に設けられた帯電体と、前記帯電体の内周に設けられた非帯電体とを備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項3】
前記イオン電流を測定したあとの排気体を浄化する排気体浄化手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項4】
前記排気体の排気出口に消音手段を備えていることを特徴とする請求項3記載の放射能測定装置。
【請求項5】
前記イオン電流を測定した気体を再度前記電離空間部に戻す気体循環手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項6】
前記気体循環手段は、イオン電流値を測定した気体のイオンおよびダストを除去する気体浄化手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の放射能測定装置。
【請求項7】
前記気体循環手段は、前記気体捕集装置の器壁内面に設けられた循環気体流路を備え、前記循環気体流路から前記電離空間部に向かって気体が流入する気体流入孔が設けられていることを特徴とする請求項5記載の放射能測定装置。
【請求項8】
前記開口部の辺縁に、前記気体捕集装置と前記測定対象物との間での気体の漏れを低減する気密手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の放射能測定装置。
【請求項9】
前記気体捕集装置は、透光性の可視化窓を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項10】
前記測定対象物の測定部分の映像を記録する映像記録手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項11】
前記イオン電流測定部による測定データを演算処理するデータ処理装置と、無線通信あるいは電力線を介する通信によって前記データ処理装置と計算機端末をデータ接続する情報通信手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項12】
前記情報通信手段は、受信情報を暗号化する情報暗号手段と、暗号化された受信情報を復元する情報復元手段とを備えていることを特徴とする請求項11記載の放射能測定装置。
【請求項13】
前記計算機端末は、測定結果情報を所定の帳票フォーマットに入力する帳票作成手段と、前記帳票フォーマットに測定結果情報が入力された帳票を所定の用紙に印刷する帳票出力手段と、前記帳票に所定のファイル名を付与して記録媒体に記録させる帳票記録手段とを備えていることを特徴とする請求項11または12に記載の放射能測定装置。
【請求項14】
測定対象物の表面を所定条件で分割した測定エリアに関する測定対象物エリア情報を電子的に記憶する電子タグ部と、前記空気捕集装置に装着されて移動し空間位置を検出する位置検出センサ部と、前記電子タグ部と近接して前記電子タグ部の記憶情報を電子的に読み書きする電子タグ読み書き手段とを備え、前記電子タグ部の読み出し位置を前記位置検出センサ部に校正点として設定する設定ステップと、測定開始によって前記位置検出センサ部の校正点からの移動量情報を測定エリアの位置情報に変換する変換ステップと、前記電子タグ部から読み出された測定エリア情報および測定エリア位置情報に対応する測定データおよび測定結果情報を所定のメモリに記憶する記憶ステップによって動作することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の放射能測定装置。
【請求項15】
前記設定ステップと前記変換ステップと前記記憶ステップとを備え、計算機で実行可能に記載されていることを特徴とする請求項14記載の放射能測定装置のプログラム。
【請求項16】
前記変換ステップは、2つ以上の校正点を使用して位置精度を向上する補正ステップを備えていることを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−175619(P2008−175619A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8012(P2007−8012)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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