説明

放熱部材、照明装置、電気光学装置及び電子機器

【課題】LEDの発熱を吸収し、LEDに流せる電流を大きくできる放熱部材、照明装置、電気光学装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】点状光源3と、点状光源3から光を照射される導光板6と、前記点状光源3に接触するように設けられた粘着層5aと、前記粘着層5aに積層され常温における熱伝導率λが90W/mK以上の部材からなる金属層5bとを備えた放熱板5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は点光源に対応して放熱部材が配置される照明装置及び電気光学装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
電気光学装置の一例である液晶装置は、液晶パネルと、この液晶パネルに対して光を照射するバックライトとから主に構成される。液晶パネルは、対向基板とTFTアレイ基板との間に液晶層を挟持して構成される。バックライト、詳細にはサイドライト型バックライトは、液晶パネルに隣接して配置され液晶パネルと概略同じ大きさからなる導光板と、この導光板の端部に配置された光源としてのLED(発光素子)とから主に構成される。導光板はLEDからの光を導き拡散するために用いられ、導光板により拡散された光は面光源として液晶パネルへ照射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の液晶装置においては、LEDに電流を流してLEDを発光させたときの発熱温度が高いため、LEDの温度に対する信頼性を考慮して、LEDに流せる電流の上限値は小さいものであった。そのため、LEDに流す電流を大きくしてLEDの輝度を向上させるのには限界があった。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、LEDの発熱を吸収し、LEDに流せる電流を大きくできる放熱部材、照明装置、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明は以下のような構成を採用している。
【0006】
本発明の放熱部材は、点状光源に当接される放熱部材であって、前記点状光源に当接される粘着層と、前記粘着層に積層される金属層と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、粘着層によって点状光源に接触して固定でき、熱伝導率の高い金属層によって点状光源から発光時の発熱を放熱させて点状光源の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源により多くの電流を流すことができるようになるので、点状光源の輝度を向上させることが可能になる。
【0008】
本発明の放熱部材は、点状光源に当接される放熱部材であって、前記点状光源に当接される粘着層と、前記粘着層に積層されるカーボングラファイト層と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、粘着層によって点状光源に接触して固定でき、熱伝導率の高いカーボングラファイト層によって点状光源から発光時の発熱を放熱させて点状光源の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源により多くの電流を流すことができるようになるので、点状光源の輝度を向上させることが可能になる。
【0010】
本発明の放熱部材は、点状光源に当接される放熱部材であって、前記点状光源に当接される粘着層と、前記粘着層に積層される、常温における熱伝導率λが90W/mK以上の部材からなる層と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、粘着層によって点状光源に接触して固定でき、熱伝導率の高い常温における熱伝導率λが90W/mK以上の部材からなる層によって点状光源から発光時の発熱を放熱させて点状光源の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源により多くの電流を流すことができるようになるので、点状光源の輝度を向上させることが可能になる。
【0012】
前記放熱部材はシート形状であり、前記金属層は、銅及びアルミニウムからなる群より選択される金属を含むことが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、シート形状であるため製造が容易であり、銅及びアルミニウムは熱伝導率が高い(常温で、銅は386W/mK、アルミニウムは228W/mK)ので点状光源の輝度を向上させることができるとともに、銅及びアルミニウムは銀、金などと比較してコストも安い。
【0014】
前記シート形状の前記放熱部材はフレキシブルであることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、放熱部材がフレキシブルなシート形状であるため、点状光源の外形状に沿って放熱部材を点状光源に接触できるとともに、寸法交差のバラツキによって隙間が生じても放熱部材を変形させて点状光源に接触させることができる。
【0016】
前記点状光源は発光ダイオードを含むことが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、発光ダイオードは消費電力が少ないため、電気光学装置の消費電力を低減する事ができる。
【0018】
本発明の照明装置は、点状光源と、前記点状光源から光を照射される導光板と、前記点状光源が実装される基板と、前記基板上に設けられるペルチェ素子と、を備えることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、基板上に設けられるペルチェ素子によって点状光源から発光時の発熱を積極的に冷却し点状光源の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源により多くの電流を流すことができるようになるので、点状光源の輝度を向上させることが可能になる。
【0020】
本発明の照明装置は、点状光源と、前記点状光源から光を照射される導光板と、前記点状光源に接触するように設けられる放熱部材と、を備えることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、放熱部材によって点状光源から発光時の発熱を放熱させて点状光源の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源により多くの電流を流すことができるようになるので、点状光源の輝度を向上させることが可能になる。
【0022】
前記点状光源は光を放出する光放出部分を有し、前記放熱部材は前記点状光源の前記光放出部分以外の部分に接触していることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、点状光源から導光板へ照射される光の効率を低下させることなく、点状光源の発熱を放熱することができる。
【0024】
前記点状光源が実装される基板を更に備え、前記放熱部材は前記点状光源の前記基板に実装される部分以外の部分に接触するように設けられていることが好ましい。
【0025】
このような構成によれば、点状光源の実装部分の構造を複雑なものとすることなく、点状光源の発熱を放熱することができる。
【0026】
前記点状光源は前記導光板に対向する部分を有し、前記放熱部材は前記点状光源の前記導光板に対向する部分以外の部分に当接していることが好ましい。
【0027】
このような構成によれば、点状光源から導光板へ照射される光の効率を低下させることなく、点状光源の発熱を放熱することができる。
【0028】
前記点状光源が実装される基板を更に備え、前記点状光源は前記基板及び前記放熱部材の間に挟まれるように配置され、前記導光板は、前記点状光源から光が照射される側面と、前記側面とは対向しない該光を放出する光放出面とを有し、前記点状光源は前記側面に対向するように配置されていることが好ましい。
【0029】
このような構成によれば、点状光源から導光板へ照射される光の効率を低下させることなく、点状光源の発熱を放熱することができる。
【0030】
前記放熱板は、前記点状光源及び前記導光板と接触するように設けられていることが好ましい。
【0031】
このような構成によれば、放熱部材が点状光源及び導光板と接触する大きさで設けられ、接触面積が増大するので、さらに点状光源の発熱を放熱することができる。
【0032】
前記点状光源は、前記導光板の側面に沿って複数設けられ、前記放熱部材はシート形状であり、且つフレキシブルであり、前記放熱部材は前記複数の点状光源に一体的に接触していることが好ましい。
【0033】
このような構成によれば、放熱部材がフレキシブルなシート形状であるため、点状光源の外形状に沿って放熱部材を点状光源に接触できるとともに、寸法交差のバラツキによって隙間が生じても放熱部材を変形させて点状光源に接触させることができる。更に、複数の点状光源に一体的に接触していることによって、部品点数の削減と、放熱部材の取り付けが容易に行える。更に、放熱部材の面積を大きく取れるので、放熱の容量を大きくできる。
【0034】
前記点状光源は、前記導光板の側面に沿って複数設けられ、前記放熱部材は前記複数の点状光源のそれぞれに対応するように複数設けられていることが好ましい。
【0035】
このような構成によれば、複数の放熱部材が対応する点状光源に設けられているので、照明装置が衝撃を受けたとき等に放熱部材に応力が加わった場合に、放熱部材を介して点状光源に応力が伝わり難くなり、耐衝撃性を向上できる。
【0036】
前記導光板の前記光放出面と反対側の面に設けられる反射シートを更に備え、前記放熱部材はシート形状であり、前記放熱部材は前記反射シートに一部重なることが好ましい。
【0037】
このような構成によれば、放熱部材を反射シートにも固定できるとともに、点状光源から導光板に向かって照射された光が、放熱部材および反射シートの間から漏れるのを防ぐことができる。
【0038】
前記反射シートは、放熱機能を有することが好ましい。
【0039】
このような構成によれば、反射シートを設けることにより導光板から出た光を液晶パネルへ反射するだけではなく、点状光源の発熱を放熱することも可能となる。
【0040】
前記放熱部材は前記点状光源を平面的に覆っていることが好ましい。
【0041】
このような構成によれば、点状光源から照射された光のうちの迷光を放熱部材によって遮る事が可能になる。
【0042】
前記放熱部材は少なくとも金属層を含むとともにシート形状であり、前記金属層は、銅及びアルミニウムからなる群より選択される金属を含むことが好ましい。
【0043】
このような構成によれば、シート形状であるため製造が容易であり、銅及びアルミニウムは熱伝導率が高い(常温で、銅は386W/mK、アルミニウムは228W/mK)ので点状光源の輝度を向上させることができるとともに、銅及びアルミニウムは銀、金などと比較してコストも安い。
【0044】
前記放熱部材は、常温における熱伝導率λが90W/mK以上の材料を含むことを特徴とする。
【0045】
このような構成によれば、放熱部材は常温における熱伝導率λが90W/mK以上の材料を含むので、良好に点状光源から熱を放出させることができる。常温における熱伝導率λが90W/mK以上の材料としては、銅、アルミニウム等の金属材料等やカーボングラファイト等を用いる事ができる。
【0046】
前記点状光源は発光ダイオードを含むことが好ましい。
【0047】
このような構成によれば、発光ダイオードは消費電力が少ないため、電気光学装置の消費電力を低減する事ができる。
【0048】
本発明の電気光学装置は、電気光学パネルと、前記電気光学パネルに隣り合って配置される上述の照明装置と、を備えている。
【0049】
このような構成によれば、放熱部材によって点状光源から発光時の発熱を放熱させて点状光源の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源により多くの電流を流すことができるようになり、点状光源の輝度を向上させた照明装置を備えるので、表示良好な電気光学装置となる。
【0050】
本発明の電気光学装置は、電気光学パネルと、前記電気光学パネルに隣り合って配置される上述に記載の照明装置と、を備えた電気光学装置であって、前記導光板の前記光放出面は前記電気光学パネルに向かって光を放出し、前記基板は前記電気光学パネル及び前記導光板の間に配置され、前記放熱部材は、シート形状であり、且つ前記導光板の前記光放出面と反対側の面に一部平面的に重なる。
【0051】
このような構成によれば、点状光源から導光板に向かって照射された光が、放熱部材および導光板の間から漏れるのを防ぐことができる。
【0052】
電気光学パネルと、前記電気光学パネルに隣り合って配置される上述に記載の照明装置とを備えた電気光学装置であって、前記放熱部材はシート形状であり、該放熱部材には前記点状光源が実装され、前記放熱部材は前記電気光学パネルと接触していることを特徴とする。
【0053】
このような構成によれば、シート形状の放熱部材に点状光源が直接接触し、電気光学パネルとも接触することにより、点状光源の発熱を放熱部材を介して電気光学パネルまでに熱を伝播することができる。
【0054】
電気光学パネルと、前記電気光学パネルに隣り合って配置される上述に記載の照明装置とを備えた電気光学装置であって、前記点状光源が実装されるフレキシブルなシート状の基板を更に有し、前記基板上には前記電気光学パネルを駆動するための実装部品が実装され、前記基板は前記電気光学パネルに電気的に接続することを特徴とする。
【0055】
このような構成によれば、点状光源が実装される基板と電気光学パネルを駆動するために用いられる実装部品が実装される基板を共通化することができ、部品点数を少なくすることが出来る。
【0056】
前記電気光学パネル及び前記導光板の間に配置される枠状の遮光性シートを更に有し、前記電気光学パネルは電位が供給されることによって駆動される駆動領域を有し、前記遮光性シートの開口は前記駆動領域を包含し、前記遮光性シートの前記導光板側の面は、前記遮光性シートの電気光学パネル側の面よりも反射率が高いことが好ましい。
【0057】
このような構成によれば、遮光性シートの導光板側の面で光を反射させることで導光板内部を伝播する光の損失を抑え、遮光シートの電気光学パネル側の面で電気光学パネル側からの光の吸収を行うことができる。
【0058】
前記基板は前記遮光性シートに重なるように配置されていることが好ましい。
【0059】
このような構成によれば、基板と遮光性シートに隙間がなくなるので、導光板内部を伝播する光の利用効率を高めることができる。
【0060】
前記基板は前記遮光性シートに重ならないように配置されていることが好ましい。
【0061】
このような構成によれば、基板と遮光性シートが重ならないので、電気光学パネルと導光板との距離を短くでき、電気光学装置の厚みを薄くすることが可能になる。
【0062】
上述に記載の電気光学装置において、前記電気光学パネルは電位が供給されることによって駆動される駆動領域を有し、前記放熱板は遮光性を有し、該放熱板は、前記電気光学パネルの前記駆動領域以外の領域に配置されることを特徴とする。
【0063】
このような構成によれば、電気光学パネルの駆動領域のコントラストは駆動領域以外を遮光することにより向上し、その遮光性を有する放熱板を設けるので、輝度を向上させることもできる。
【0064】
本発明の電子機器は、上記電気光学装置を表示部として備えることを特徴とする。
【0065】
このような構成によれば、明るい表示部の電子機器を提供できる。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0067】
(実施形態1)
<照明装置及び電気光学装置の構造>
まず、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置の構造について図1〜図2を用いて説明する。図1は、液晶装置の断面図である。図2は、図1の液晶装置を矢印Aの方向から見たときの平面図である。
【0068】
図1に示すように、液晶装置(電気光学装置)は、LCD(液晶パネル、電気光学パネル)1と、この液晶パネル1に対して光を照射するサイドライト方式の照明装置とから主に構成される。
【0069】
液晶パネル1は、第1の基板及び第2の基板(図示略)と、これら2枚の基板間に挟持された液晶層(図示せず)と、2枚の基板を挟むように配置された一対の偏光板2a、2bを具備する。
【0070】
照明装置は、液晶パネル1に隣りあって液晶パネル1の背面に配置され、液晶パネルと概略同じ大きさからなる導光板6と、この導光板6の端部に配置された点状光源としての白色LED(発光ダイオード)3とから主に構成される。ここでは、白色LED3を3つ用いている。導光板6は白色LED3からの光を導き拡散して面光源とするために用いられ、導光板6から発光された光は液晶パネル1に照射される。また、必要に応じて導光板6の光放出面に拡散板、集光板などの光学部材を更に設けて照明装置としても良いし、導光板6の光放出面の反対側面に反射板などの光学部材を更に設けて照明装置としても良い。即ち、この場合、拡散板は導光板6の液晶パネル1側の面に配置され、白色LED3からの光を拡散させ、液晶パネル1に対して面内均一に照射するために用いられる。また、反射板は導光板6の光放出面と反対側面に配置され、白色LED3からの光を反射させて光を有効利用するために用いられる。
【0071】
本実施形態では、白色LED3は、導光板6の側面に対向するように設けられ、導光板6の側面に光を照射している。白色LED3は基板7に実装されている。基板7としては、フレキシブル基板およびリジット基板のどちらを用いても良い。白色LED3が実装される基板7はLCD1及び導光板6の間に配置されている。そして、放熱板5が、基板7に実装される白色LED3の部分と反対側の白色LED3の部分に接触するように設けられている。換言すれば、基板7及び放熱板5の間に、白色LED3が挟まれている。
【0072】
そして、本実施形態では、LCD1、導光板6、白色LED3および基板7はプラスチック等からなるケース4に収納されて固定されている。
【0073】
次に、放熱板5の詳細について説明する。本発明の放熱板5は粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。また、放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0074】
そして、図1及び図2に示されるように、放熱板5はその一部が導光板6に平面的に重なるように設けられている。また、導光板6の光放出面と反対側面に反射シートを設けて、放熱板5の一部が反射シートに重なるように放熱板を配置してもよい。また、図2に示されるように、放熱板5は3つの白色LED3を一体的に覆うように配置されている。
【0075】
<本実施形態の作用効果の説明>
上述した点状光源3と、点状光源3から光を照射される導光板6と、点状光源3に接触するように設けられる放熱板5と、を備える構成によれば、放熱板5によって点状光源3から発光時の発熱を放熱させて点状光源3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ点状光源3により多くの電流を流すことができるようになるので、点状光源3の輝度を向上させることが可能になる。
【0076】
例えば、白色LED3に対して放熱板5が設けられない従来の構造では、60mAの電流を白色LED3に流したときに、白色LED3表面の発熱温度が53℃であり、白色LED3の輝度が1500cd/mであった。これに対して、白色LED3に接触するように放熱板5が設けられる本実施形態の構造では、74mAの電流を白色LED3に流したときに、白色LED3表面の発熱温度が従来と同じ53℃であり、白色LED3の輝度が1800cd/mであった。したがって、白色LED3の信頼性を考慮して、白色LED3表面の発熱温度を53℃に規制する場合には、本実施形態の構造は、従来の構造よりも14mA多くの電流を白色LED3に流すことが可能になり、白色LED3の輝度を300cd/m向上させることが可能になる。
【0077】
(変形例)
実施形態1では、放熱板5として、粘着層に金属層が積層された構造のものを説明したが、これに限定されることなく、接着層を設けずに、金属層のみとして押圧によって金属層が直接白色LEDに接触する構造としてもよい。この場合、金属層を白色LEDに向かって押圧する押圧機構を設けることが望ましい。
【0078】
また、放熱板5を構成している金属層の代わりに、常温における熱伝導率が90W/mK以上の材料を用いて放熱部材を構成してもよい。このような材料としては、カーボングラファイト等が好ましい。
【0079】
また、図1及び図2に示されるように、放熱板5は白色LED3の位置に対応してそれらを覆うように部分的に設けられているが、これに限定されることなく、導光板6の光放出面の反対面まで放熱板5を延設して、放熱板5の面積を大きくすることも可能である。このように構成すれば、放熱板5の放熱能力を向上させることができる。もちろん、放熱板5の延設は、導光板6の光放出面の反対面に向かって延設するだけでなく、ケース4に向かって延設してもよい。この場合も同様に放熱板5の放熱能力を向上させることができる。また、導光板6の光放出面の反対面略全体を覆うように放熱板5を設けるようにすれば、液晶装置全体における熱むらを防ぎ、液晶装置全体をほぼ均一な温度にすることができ、液晶パネルの表示ムラを低減することが可能になる。
【0080】
また、上記実施形態では、放熱板5が白色LED3に直接接しているが、導光板の光放出面の反対面に反射シートを設け、その反射シートを白色LEDに接触するように延設し、反射シートを介して放熱板5が白色LED3に接触するように構成してもよい。このように構成すれば、上記実施形態よりも放熱作用は少ないものの実使用に耐え得るだけの放熱作用を有する構造を提供することができる。
【0081】
以下、他の実施形態について説明するが、実施形態1と同じ構成のものについては同じ符号を付して説明する。
【0082】
(実施形態2)
図3〜図4を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0083】
図3は第2の実施形態における液晶装置の分解斜視図で、図4は図3に示した液晶装置の概略断面図である。
【0084】
図3から図4に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0085】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0086】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0087】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置100の厚みを薄くすることが可能になる。
【0088】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0089】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0090】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0091】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び白色LED3を介して基板7と対向配置される放熱部材としての放熱板5とを有する。放熱板5は、白色LED3に接して設けられ、更に、導光板6の第2面6bの一部と接して配置されている。
【0092】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0093】
図5は、基板に実装された白色LED及び放熱板の分解斜視図であり、図6は、従来及び本実施形態における液晶装置に組み込まれる照明装置それぞれのLEDの表面温度とLEDに対して流す許容順電流との関係を示したグラフであり、点線が従来の液晶装置、実線が本実施形態における液晶装置を示す。
【0094】
図5に示すように、白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。放熱板5は、実施形態1と同様に、粘着層5aに金属層5bが積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層5aによって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層5bとしては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層5bとしては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層5bの厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0095】
図3〜図5に示されるように、放熱板5はその一部が導光板6に平面的に重なるように設けられ、放熱板5は3つの白色LED3を一体的に覆うように配置されている。放熱板5は、白色LED3の光放出部分以外の部分、言い換えれば導光板6に対向する部分以外の部分であって、基板7に実装される部分以外の部分に、接触するように設けられている。
【0096】
以上のように、白色LED3は熱伝導性の高い放熱板5と接触することにより、白色LED3からの発熱を放熱板5へ伝播し、放熱することができる。
【0097】
上述した白色LED3と、白色LED3から光を照射される導光板6と、白色LED3に接触するように設けられる放熱板5と、を備える構成によれば、放熱板5によって白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0098】
例えば、図6において、従来の液晶装置においては、略12mAの電流を白色LED3に流したときに、白色LED3表面の発熱温度は略55℃であった。これに対し、本実施形態においては、略18mAの電流を白色LED3に流しときに、白色LED3の表面温度は略55℃であった。したがって、白色LED3の信頼性を考慮して、白色LED3表面の発熱温度を例えば55℃に規制する場合には、本実施形態の構造は、従来の構造よりも6mA多くの電流を白色LED3に流すことが可能になる。
【0099】
なお、本実施形態においては、放熱板5は複数設けられた白色LED3に一体的に接触しているが、図7に示すように、複数の白色LEDのそれぞれに対応するように放熱板5を複数設けてもよい。これによって、液晶装置100が衝撃を受け、放熱板5に応力が加わった場合に、放熱板5を介して白色LED3に応力が伝わり難くなり、耐衝撃性を向上できる。尚、図7は、液晶装置をバックライト側から見たときの平面図である。
【0100】
また、本実施形態の放熱板5は、反射シート27と一部重なってもよい。これにより、放熱板5を反射シート27にも固定できるとともに、白色LED3から導光板6に向かって照射された光が、放熱板29および反射シート27の間から漏れるのを防ぐことができる。
【0101】
また、本実施形態においては、遮光性を有する額縁状の接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられているが、図8に示すように、接着シート28と基板7とが重なるようにしても良い。これにより基板7と接着シート28との間に隙間がなくなるので、導光板内部を伝播する光の利用効率を高める事ができる。
【0102】
(実施形態3)
図9〜図10を用いて本発明に係る第3の実施形態の液晶装置について説明する。
【0103】
図9は第3の実施形態における液晶装置の分解斜視図で、図10は図9に示した液晶装置の概略断面図である。
【0104】
図9から図10に示すように、液晶装置100は、前述の実施形態と比較して、放熱板5及び基板7の配置関係が異なる。
【0105】
図9から図10に示すように、液晶装置100は、実施形態2と同様に、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0106】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0107】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0108】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、放熱板5に重ならないように設けられている。
【0109】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0110】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0111】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0112】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び白色LED3を介して基板7と対向配置される放熱部材としての放熱板5とを有する。放熱板5は、白色LED3に接して設けられ、更に、導光板6の第1面6aの一部と接して配置されている。
【0113】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0114】
照明装置8において、本実施形態においては、図9及び図10上、放熱板5が上側、白色LED3が実装される基板7が下側に位置しており、白色LED3を介して放熱板5と基板7とが対向配置されている。本実施形態においても、白色LED3は基板7上に3つ実装されている。また、白色LED3は光放出部分3aを有し、この光放出部分3aが導光板6の側面6cに対向するように白色LED3は側面6cに沿って配置されている。放熱板5は、白色LED3に接して設けられ、更に、導光板6の第1面6aの一部と接して配置されている。本実施形態においても第1実施形態と同様に、放熱板5は粘着層5aに金属層5bが積層された構造を採っている。したがって、放熱板5はその粘着層5aによって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層5bとしては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で100W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層5bとしては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層5bの厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0115】
放熱板5はその一部が導光板6に平面的に重なるように設けられ、放熱板5は3つの白色LED3を一体的に覆うように配置されている。放熱板5は、白色LED3の光放出部分以外の部分、言い換えれば導光板6に対向する部分以外の部分であって、基板7に実装される部分以外の部分に、接触するように設けられている。
【0116】
以上のように、白色LED3は熱伝導性の高い放熱板5と接触することにより、白色LED3からの発熱を放熱板5へ伝播し、放熱することができる。
【0117】
第2の実施形態とは、放熱板5及び基板7の配置の点で異なるが、第2の実施形態と同様に、放熱板5によって白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0118】
(実施形態4)
図11〜図12を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0119】
図11は第4の実施形態における液晶装置の分解斜視図で、図12は図11に示した液晶装置の概略断面図である。
【0120】
図11から図12に示すように、液晶装置100は、上述の実施形態と異なり、液晶装置100における放熱板5の形状及び配置が異なる点及び白色LED3が実装される基板7がない点で異なる。
【0121】
図11から図12に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0122】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0123】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0124】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。
【0125】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0126】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0127】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0128】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板を兼ねる放熱部材としての放熱板5とを有する。放熱板5は、白色LED3に接して設けられ、更に、導光板6の第1面6a及び第2面6bの一部と接して配置されている。
【0129】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0130】
照明装置8において、本実施形態においては、白色LEDが実装される基板7はなく、複数(本実施形態においては3つ)の白色LED3を、白色LED3の光放出部分3a以外の部分に接触するように、1枚の放熱板5が配置されている。更に、放熱板5は、導光板の第1面6a及び第2面6bの一部を被覆するように配置されている。放熱板5は、実施形態1と同様に、粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で100W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層の厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。
【0131】
放熱板5は、図12に示すようにフレキシブルなシート状部材であり、図11においては、折り曲げない状態で図示している。
【0132】
上述した白色LED3と、白色LED3から光を照射される導光板6と、白色LED3に被覆するように設けられるフレキシブルな放熱板5と、を備える構成によれば、上述の実施形態よりも放熱板5と白色LED3との接触面積が増大した分だけ白色LED3から発光時の発熱をさらに放熱させ、白色LED3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。つまり、白色LED3から導光板6へ照射される光の効率を低下させることなく、白色LED3の発熱を下げることができる。
【0133】
(実施形態5)
図13を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。第3実施形態においては白色LED3は基板7に実装されていたが、本実施形態においては白色LEDは配線基板に実装されている。
【0134】
図13は第5の実施形態における液晶装置の概略断面図である。
【0135】
図13において、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、照明装置8を収納するケース9とを有する。
【0136】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0137】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0138】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。
【0139】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板120とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0140】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0141】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0142】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有している。白色LED3は、配線基板120に実装され、配線基板120と接する面と反対の面に接して放熱板5が配置されている。本実施形態においても第1実施形態と同様に、放熱板5は粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。
【0143】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0144】
白色LED3は液晶パネル1に電気的に接続されている可撓性を有する配線基板120上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。
【0145】
配線基板120は、例えばポリイミドやポリエチレンテレフタレート、ポリエステルなどによって形成された、第1面120c及び第2面120dを有するフィルム状の基材120aを有している。配線基板120の基材120aの第1面120c上には、例えば張出し部12上に配置された端子部21とACFにより導電接続される銅配線120bが形成されている。また、配線基板120上には、第1の透明電極16及び第2の透明電極17に印加されるべき電圧を生成するための回路(昇圧回路など)を有する実装部品としてのICチップ118、実装部品としてのチップコンデンサ(図示せず)や抵抗(図示せず)といった電子部品が設けられている。ICチップ118やチップコンデンサや抵抗といった実装部品は、本実施形態においては、基材120aの第1面120c上に実装されている。また、第1面120c上の第1面120cのうち実装部品及び銅配線120bが実装及び形成されていない領域以外に白色LED3が実装されている。尚、本実施形態以外の実施形態では、上述した実装部品の記載は省略している。
【0146】
以上のように、配線基板に白色LEDを実装する構造とすることもでき、本実施形態においても放熱板5を設けることにより白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0147】
尚、本実施形態においては、COG方式の液晶装置を例にあげ、実装部品として、第1の透明電極16及び第2の透明電極17に印加されるべき電圧を生成するための回路(昇圧回路など)を有するICチップ118、コンデンサや抵抗を例にあげて説明したが、COF方式の液晶装置に適用することもできる。すなわち、液晶パネルに電気的に接続される、実装部品としての駆動用ICが実装された回路基板に、白色LEDを実装させることもできる。
【0148】
(実施形態6)
図14を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。第2実施形態においては、張り出し領域12を有する第2の基板11がバックライト側に位置するように液晶パネルが配置されているが、本実施形態においては、張り出し領域12を有する第1の基板10が照明装置8側に位置するように液晶パネルが配置されている。
【0149】
図14は第6の実施形態における液晶装置の概略断面図である。
【0150】
図14において、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、照明装置8を収納するケース9とを有する。
【0151】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0152】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0153】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置100の厚みを薄くすることが可能になる。
【0154】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0155】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0156】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0157】
照明装置8は、液晶パネル1の第1の基板10に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び白色LED3を介して基板7と対向配置される放熱部材としての放熱板5とを有する。放熱板5は、白色LED3に接して設けられ、更に、導光板6の第2面6bの一部と接して配置されている。
【0158】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0159】
白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。放熱板5は、実施形態1と同様に、粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層の厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0160】
放熱板5はその一部が導光板6に平面的に重なるように設けられ、放熱板5は3つの白色LED3を一体的に覆うように配置されている。放熱板5は、白色LED3の光放出部分以外の部分、言い換えれば導光板6に対向する部分以外の部分であって、基板7に実装される部分以外の部分に、接触するように設けられている。
【0161】
以上のように、白色LED3は熱伝導性の高い放熱板5と接触することにより、白色LED3からの発熱を放熱板5へ伝播し、放熱することができる。
【0162】
上述のように、張り出し領域12を有する第2の基板11が第1の基板10を介して照明装置8と対向配置される液晶装置にも適用できる。上述した白色LED3と、白色LED3から光を照射される導光板6と、白色LED3に接触するように設けられる放熱板5と、を備える構成によれば、放熱板5によって白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0163】
(実施形態7)
図15〜図16を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0164】
図15は第7の実施形態における液晶装置の分解斜視図で、図16は図15に示した液晶装置の概略断面図である。
【0165】
本実施形態においては、実施形態2と比較して、放熱板5の形状を大きくした点で異なる。
【0166】
図15から図16に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0167】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0168】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0169】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置の厚みを薄くすることが可能になる。
【0170】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0171】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0172】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0173】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び白色LED3を介して基板7と対向配置される放熱部材としての放熱板5とを有する。放熱板5は、白色LED3に接して設けられ、更に、導光板6の第2面6bと接して配置されている。
【0174】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0175】
白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。放熱板5は、実施形態1と同様に、粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層の厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0176】
本実施形態においては、放熱板5は、白色LED3と接触し、更に反射シート27全体とほぼ重なるように延在されて設けられており、反射シート27を介して導光板6と放熱板5とが対向配置されている。これにより、放熱板5の面積が増大するので、より白色LED3の発熱を放熱することができる。従って、放熱板5によって白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の発熱温度をさらに下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0177】
(実施形態8)
図17〜図18を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0178】
図17は第8の実施形態における液晶装置の分解斜視図で、図18は図17に示した液晶装置の概略断面図である。
【0179】
本実施形態においては、実施形態2と比較して、放熱板5を設けずに、反射シート27に放熱機能を持たせており、反射シート27が放熱板として機能している点で異なる。
【0180】
図17から図18に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0181】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0182】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0183】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置の厚みを薄くすることが可能になる。
【0184】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0185】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0186】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0187】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有する。反射シート27は、導光板に接する他、延在して白色LED3にも接して設けられている。本実施形態においては、例えば、反射シート27は、銀やアルミニウムといった材料からなる熱伝導性の高い材料から形成することができ、反射シート27に放熱機能を持たせることができる。
【0188】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0189】
白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。
【0190】
本実施形態においては、白色LED3に接して熱伝導性の高い材料からなる反射シート27を設けることにより、反射シート27によって白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0191】
(実施形態9)
図19〜図20を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0192】
本実施形態においては、第2実施形態と比較して、放熱板5のかわりにペルチェ素子を用いている点で異なる。
【0193】
図19は第9の実施形態における液晶装置の分解斜視図で、図20は図19に示した液晶装置の概略断面図である。
【0194】
図19から図20に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0195】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0196】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0197】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置の厚みを薄くすることが可能になる。
【0198】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0199】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0200】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0201】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び基板7を介して白色LED3と対向配置されるペルチェ素子30とを有する。
【0202】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0203】
白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。ペルチェ素子30は、基板7の白色LED3が実装される面と反対の面に1つ固定配置されている。
【0204】
ペルチェ素子30は、直流電流を流すと、片面は熱く、もう片面は冷たくなるという現象を起こす部品であり、本実施形態においては、電流を流したときに冷たくなる面が基板7に接するように設けられる。このように、ペルチェ素子30を設けることにより、積極的に白色LED3から発せられる熱を冷却することができ、白色LED3の表面温度を下げることができる。従って、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。
【0205】
(実施形態10)
図21を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0206】
図21は第10の実施形態における液晶装置の概略断面図である。
【0207】
本実施形態においては、実施形態2と比較して、放熱板5の形状が異なる。
【0208】
図21に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0209】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0210】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0211】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置の厚みを薄くすることが可能になる。
【0212】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0213】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0214】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0215】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射シート27とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び白色LED3を介して基板7と対向配置される放熱部材としての放熱板5とを有する。放熱板5は、第2実施形態と同様にほぼ矩形状を有し、第2実施形態に比べて、複数の白色LED3が沿って配置される辺と直交する辺の長さが長い形状となっている。そして、放熱板5の一端部は、第2実施形態と同様に白色LED3及び導光板6と接触して位置しているが、放熱板5の他端部は、第2の基板11の照明装置8側の面に接触している。
【0216】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0217】
白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。放熱板5は、実施形態1と同様に、粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層の厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0218】
以上のように、白色LED3は熱伝導性の高い放熱板5と接触することにより、白色LED3からの発熱を放熱板5へ伝播し放熱することができ、更に、実施形態2と比較して放熱板5の面積を大きくとることができるので、放熱効果が向上する。従って、放熱板5によって白色LED3から発光時の発熱を放熱させて白色LED3の更に発熱温度を下げることができ、発熱温度が下がった分だけ白色LED3により多くの電流を流すことができるようになるので、白色LED3の輝度を向上させることが可能になる。また、例えば、従来、5つの白色LEDを用いて照明装置を構成していたが、本実施形態においては、従来と同じ電流量で、従来と同程度の輝度を有する光を得るために、3つの白色LEDを用いるだけでよく、LEDの部品点数を低減することもできる。
【0219】
(実施形態11)
図22を用いて本発明による電気光学装置の一例としてのCOG方式を採用した単純マトリクス液晶装置について説明する。
【0220】
図22は第11の実施形態における液晶装置の概略断面図である。第2実施形態においては、反射シート27は導光板6に対応して配置されているが、本実施形態においては、導光板6に対応して配置されるほかに白色LED3まで延在して配置されている点で異なる。
【0221】
図11に示すように、液晶装置100は、液晶パネル1と、照明装置8と、液晶パネル1と照明装置8とを接着する額縁状の接着シート28と、これらを収納するケース9とを有する。
【0222】
液晶パネル1は、第1の基板10と、第1の基板10より突出する張り出し領域12を有する第2の基板11と、これらの第1の基板10及び第2の基板11を貼り合わせるための基板周縁部に設けられたシール材13と、第1の基板10及び第2の基板11とシール材13とにより形成された空間内に配置された電気光学物質としてのSTN液晶14と、一対の基板を挟むように設けられた第1の偏光板15aと第2の偏光板15bとを有する。
【0223】
第1の基板10の第2の基板11と対向する面上には、複数のITO(Indium Tin Oxide)膜からなるストライプ状の第1の透明電極16が設けられ、この第1の透明電極16を覆うようにポリイミドなどからなる配向膜(図示せず)が形成されている。一方、第2の基板11の第1の基板10と対向する面上には、第1の透明電極16と交差するように複数のITO膜からなるストライプ状の第2の透明電極17が設けられ、この第2の透明電極17を覆うようにポリイミドからなる配向膜(図示せず)が形成されている。液晶装置100においては、対向する第1の透明電極16及び第2の透明電極17と、これらに挟持される液晶14とにより画素が形成される。そして、各画素に印加する電圧を選択的に変化させることによって液晶14の光学特性を変化させ、照明装置8から照射される光は各画素に対応する液晶14を透過することによって変調される。このように光を変調させることによって画像などを表示することができ、液晶パネル1における表示領域すなわち駆動領域はシール材13により囲まれた領域に略等しい。
【0224】
また、上述の額縁状の接着シート28は遮光性を有し、この接着シート28の開口は駆動領域を包含している。更に、接着シート28は、照明装置8側の面が、液晶パネル1側の面よりも反射率が高くなっている。これにより、接着シート28の導光板6側の面で光を反射させることで導光板6内部を伝播する光の損失を抑え、接着シート28の液晶パネル1側の面で液晶パネル1側からの光の吸収を行うことができる。また、接着シート28は、白色LED3が実装される基板7に重ならないように設けられている。これにより、基板7と接着シート28が重ならないので、液晶パネル1と導光板6との距離を短くでき、液晶装置の厚みを薄くすることが可能になる。
【0225】
張り出し領域12には、駆動用IC18が実装され、この駆動用IC18と第2の透明電極17とを電気的に接続する第2の透明電極17が延在してなる配線19、駆動用IC18とACF(異方性導電フィルム)により配線基板20とを電気的に接続する端子部21とが配置されている。
【0226】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に隣り合って配置され、液晶パネル1の第2の基板11側の面は、照明装置8から照射される光が入射する光入射側の面となり、液晶パネル1の第1の基板10側の面は、照明装置8から照射された光が液晶パネル1内を通過して液晶パネル1から出射する光出射側の面となる。
【0227】
次に、照明装置の構成について説明する。
【0228】
照明装置8は、液晶パネル1の第2の基板11に光放出面である第1面6aを向けるほぼ矩形の導光板6と、導光板6の側面6cに沿って光源として複数、本実施形態においては3つ設けられた白色LED3と、液晶装置100として組み立てた時に液晶パネル1と導光板6との間に液晶パネル1に向かって順に配置された矩形状のシート状光学部品としての拡散板23、プリズムシート24、プリズムシート25、拡散板26と、導光板6の光放出面となる第1面6aと対向する第2面6bと隣り合って配置された矩形状のシート状光学部品としての反射フィルム33とを有し、更に、白色LED3が実装される基板7及び白色LED3を介して基板7と対向配置される放熱部材としての放熱板5とを有する。本実施形態においては、反射シートとして、住友スリーエム社製のESR(Enhanced Specular Reflector)反射フィルム33を用いており、この反射フィルム33は、導光板6及び白色LED3に対応して位置している。更に、放熱板5は、このESR反射フィルム33を介して白色LEDと対向して配置されている。ESR反射フィルム33は、薄く反射率が高いので、ESR反射フィルム33を介して白色LED3と放熱板5とを設けることによって輝度低下防止と高熱伝導を両立させる効果がある。
【0229】
導光板6は、導光板6に対応して配置された液晶パネル1に対し、白色LED3から出射された光を液晶パネル1の面内に均一に照射するためのものであり、アクリル樹脂やポリカーボネートなどから形成される。白色LED3から出射された光は、導光板6の第1面6aと対向しない側面6cに向かって照射される。反射シート27は、導光板6から出た光を液晶パネル1側へ反射させるためのものである。拡散板23及び26は、表示画面内の光の輝度をより均一化させるためのものである。2枚のプリズムシート24及び25は、出射光の配向角を調整し、正面の輝度を向上させるためのものである。
【0230】
白色LED3は基板7上に3つ実装されている。白色LED3は、導光板6に対向する光放出部分3aを有しており、この光放出部分3aから導光板6に対して光が放出される。放熱板5は、実施形態1と同様に、粘着層に金属層が積層された構造を採っている。したがって、本発明の放熱板5はその粘着層によって白色LED3に貼りつけられて固定されている。放熱板5に用いる金属層としては、熱伝導率が高いものが好ましく、具体的には、常温で90W/mK以上の熱伝導率の金属を用いるのがよい。本実施形態では熱伝導率も高くコストの安い銅箔及びアルミニウム箔の一方を用いた。もちろん、金属層としては同じ材料の一層に限られることなく、異なる材料を積層させた金属層としてもよい。金属層の厚さは、例えば10μm〜1mm程度が好ましく、本実施形態においては38μmの厚さの銅箔またはアルミニウム箔を用いている。また、本実施形態においては、放熱板5はフレキシブルなシート状である。
【0231】
本実施形態においては、反射シートとして、厚さの薄い住友スリーエム社製のESR(Enhanced Specular Reflector)反射フィルム33を用いることにより、輝度低下防止と熱伝導を両立させることが可能となる。
【0232】
(応用例)
[電子機器の実施形態]
最後に、上記LCD1を含む液晶装置を電子機器の表示装置として用いる場合の実施形態について説明する。図23は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記と同様のLCD200と、これを制御する制御手段1200とを有する。ここでは、LCD200を、パネル構造体200Aと、半導体IC等で構成される駆動回路200Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段1200は、表示情報出力源1210と、表示処理回路12260と、電源回路1230と、タイミングジェネレータ1240とを有する。
【0233】
表示情報出力源1210は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ1240によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路1220に供給するように構成されている。
【0234】
表示情報処理回路1220は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路200Bへ供給する。駆動回路200Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路1230は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0235】
図24は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話を示す。この携帯電話2000は、ケース体2010の内部に回路基板2001が配置され、この回路基板2001に対して上述のLCD200が実装されている。ケース体2010の前面には操作ボタン2020が配列され、また、一端部からアンテナ2030が出没自在に取付けられている。受話部2040の内部にはスピーカが配置され、送話部2050の内部にはマイクが内蔵されている。
【0236】
ケース体2010内に設置されたLCD200は、表示窓2060を通して表示面を視認することができるように構成されている。尚、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態に示す電気光学装置は、単純マトリクス方式や、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置にも適用することができる。また、上記実施形態では、LCDに接続されてLCDに駆動信号を供給する外部接続回路部品の詳細を省略しているが、LCDに直接駆動用半導体素子が搭載された所謂COGタイプの構造、LCDにフレキシブル配線基板やTAB基板が接続される構造を採用することが可能である。
【0237】
(モバイル型パーソナルコンピュータ)
図25は本発明に係る電子機器の一実施形態であるモバイル型のパーソナルコンピュータ310を示している。ここに示すパーソナルコンピュータ310は、キーボード310bを備えた本体部310aと、液晶表示ユニット310cとから構成されている。液晶表示ユニット310cは外枠に液晶装置が組み込まれてなり、この液晶装置は、例えば、上述した実施形態に示した液晶装置100を用いて構成できる。
【0238】
(ディジタルウォッチ)
図26は、本発明に係る電子機器の他の実施形態であるディジタルウォッチを示している。ここに示すディジタルウォッチ312は、本体部312a、複数の操作ボタン312bの他、表示部312cから成り立っている。操作ボタン312bは本体部312aの外枠312dに設置されており、表示部312cは本体部の外枠312dに組み込まれている。この表示部312cには、例えば上述した実施形態に示した液晶装置100を用いて構成できる。
【0239】
(ディジタルスチルカメラ)
図27は、本発明に係る電子機器の更に他の実施形態であるディジタルスチルカメラ313を示している。通常のカメラは、被写体の光像によってフィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラは、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などといった撮像素子により光電変換して撮像信号を生成するものである。
【0240】
ここで、ディジタルスチルカメラ313のケースの背面には、液晶装置が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成となっている。このため、液晶装置は、被写体を表示するファインダとして機能する。また、ケースの前面側313a(図27に示す構造の裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット313bが設けられている。液晶装置は、例えば上述した実施形態に示した液晶装置100を用いて構成できる。撮影者は、液晶表示装置に表示された被写体を確認して、シャッタボタン313cを押下して撮影を行う。
【0241】
(タッチパネル)
図28は液晶装置が搭載されたタッチパネルを備えた機器314である。タッチパネルを備えた機器314は液晶装置100を搭載しており、液晶装置100の一部を構成する液晶パネル1により表示が行われる液晶表示領域314aと、図面上この液晶表示領域314aの下部に位置する入力用シート314bが配置された第1入力領域314cとを有している。液晶装置100は矩形状の液晶パネル1と矩形状の入力パネルとしてのタッチパネルとが平面的に重なり合う構造を有しており、タッチパネルが液晶パネル1よりも大きく、タッチパネルは液晶パネル1の一端部から突き出した形状となっている。
【0242】
液晶表示領域314a及び第1入力領域314cにはタッチパネルが配置されており、液晶表示領域314aに対応する領域も、第1入力領域314cと同様に入力操作可能な第2入力領域314dとして機能する。タッチパネルは、液晶パネル1側に位置する第2面とこれと対向する第1面とを有しており、第1面の第1入力領域314cに相当する位置には入力用シート314bが貼られている。入力用シート314bにはアイコン314e及び手書き文字認識領域314fを識別するための枠が印刷されており、第1入力領域314cにおいては、アイコン314eの選択や手書き文字認識領域314fでの文字入力を、入力用シート314bを介してタッチパネルの第1面を指やペンなどの入力手段で荷重をかけることにより行い、データ入力などを実施することができる。一方、第2入力領域314dにおいては、液晶パネル1の像を観察することができるほか、後述する液晶パネル1に例えばモードを表示させ、この表示されるモードの選択をタッチパネルの第1面を指やペンで荷重をかけることによってデータ入力などを実施することができる。
【0243】
(電卓)
図29は本発明に係る電子機器の他の実施形態である電卓を示している。ここに示す電卓315は、複数の操作ボタン315aを有する外枠に、表示部315bとして液晶装置が組み込まれてなる。この液晶装置は、例えば上述した実施形態に示した液晶装置100を用いて構成できる。
【0244】
(液晶テレビ)
図30は本発明に係る電子機器の一実施形態である液晶テレビを示している。ここに示す液晶テレビ316は、本体部316aと、画面316bとから構成されている。画面316bは外枠316cに液晶装置が組み込まれてなり、この液晶装置100は、例えば上述した実施形態に示した液晶装置を用いて構成できる。
【0245】
(プロジェクタ)
図319は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。図に示されるように、プロジェクタ317の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット317aが設けられている。このランプユニット317aから射出された投射光は、ライトガイド317b内に配置された4枚のミラー317c及び2枚のダイクロイックミラー317dによってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶装置1R、1B及び1Gに入射される。
【0246】
液晶装置1R、1B及び1Gは、上述した液晶装置100であり、駆動用ICを介して供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。これらの液晶装置によって変調された光は、ダイクロイックプリズム317eに3方向から入射される。このダイクロイックプリズム317eにおいては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ317fを介して、スクリーンなどにカラー画像が投射されることとなる。
【0247】
また、本発明に係る電子機器としては、上記の例の他に、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機などがあげられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として本発明に係る液晶装置を用いることができる。
【0248】
また、以上説明した実施形態においては、電気光学装置の一例として液晶装置について述べたが、本発明の電気光学装置としては、液晶装置だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電界放出表示装置(フィールドエミッションディスプレイ装置)、LEDディスプレイ装置(ライトエミッティングダイオードディスプレイ装置)等に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る電気光学装置の断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る電気光学装置の平面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る液晶装置の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る液晶装置の照明装置の一部を示した概略的斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における照明装置及び従来の照明装置それぞれのLEDの表面温度と許容順電流との関係を示したグラフである。
【図7】本発明の第2の実施形態の変形例に係る液晶装置の平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の変形例に係る液晶装置の概略断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る液晶装置の分解斜視図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る液晶装置の分解斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る液晶装置の分解斜視図である。
【図16】本発明の第7の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図17】本発明の第8の実施形態に係る液晶装置の分解斜視図である。
【図18】本発明の第8の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図19】本発明の第9の実施形態に係る液晶装置の分解斜視図である。
【図20】本発明の第9の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図21】本発明の第10の実施形態に係る液晶装置の概略断面図である。
【図22】本発明の第11の実施形態に関る液晶装置の概略断面図である。
【図23】本発明の電子機器の構成ブロックを示す概略構成図である。
【図24】本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話の外観を示す斜視図である。
【図25】本発明に係る電子機器の一実施形態であるモバイル型コンピュータを示す斜視図である。
【図26】本発明に係る電子機器の他の実施形態であるディジタルウオッチを示す斜視図である。
【図27】本発明に係る電子機器の他の実施形態であるディジタルスチルカメラを示す斜視図である。
【図28】本発明に係る電子機器の他の実施形態であるタッチパネルを備えた機器を示す斜視図である。
【図29】本発明に係る電子機器の他の実施形態である電卓を備えた機器を示す斜視図である。
【図30】本発明に係る電子機器の他の実施形態である液晶テレビを備えた機器を示す斜視図である。
【図31】本発明に係る電子機器の他の実施形態であるプロジェクタを備えた機器を示す断面図である。
【符号の説明】
1、200…LCD(液晶パネル、電気光学パネル)
3…白色LED(発光ダイオード、点状光源)
3a…光放出部分
4…ケース
5…放熱板(放熱部材)
5a…粘着層
5b…金属層
6…導光板
6a…第1面(光放出面)
6c…側面
7…基板
8…照明装置
10…電気光学装置
27、33…反射シート
118…ICチップ
120…配線基板
1200…制御手段
200B…駆動回路
1210…表示情報出力源
1220…表示処理回路
1230…電源回路
1240…タイミングジェネレータ
2000…携帯電話
2001…回路基板
2010…ケース体
2020…操作ボタン
2030…アンテナ
2040…受話部
2050…送話部
2060…表示窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点状光源に当接される放熱部材であって、
前記点状光源に当接される粘着層と、
前記粘着層に積層される金属層と、
を備えることを特徴とする放熱部材。
【請求項2】
点状光源に当接される放熱部材であって、
前記点状光源に当接される粘着層と、
前記粘着層に積層されるカーボングラファイト層と、
を備えることを特徴とする放熱部材。
【請求項3】
点状光源に当接される放熱部材であって、
前記点状光源に当接される粘着層と、
前記粘着層に積層される、常温における熱伝導率λが90W/mK以上の部材からなる層と、
を備えることを特徴とする放熱部材。
【請求項4】
点状光源と、
前記点状光源から光を照射される導光板と、
前記点状光源が実装される基板と、
前記基板上に設けられるペルチェ素子と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
点状光源と、
前記点状光源から光を照射される導光板と、
前記点状光源に接触するように設けられる放熱部材と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の照明装置において、前記放熱部材はシート形状であり、且つ常温における熱伝導率λが90W/mK以上の材料を含むことを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか一項に記載の照明装置において、前記点状光源は発光ダイオードを含むことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
電気光学パネルと、
前記電気光学パネルに隣り合って配置される請求項4から請求項7いずれか一項に記載の照明装置と、
を備えた電気光学装置。
【請求項9】
電気光学装置において、
電気光学パネルと、
前記電気光学パネルに隣り合って配置される請求項5に記載の照明装置と、
を備え、
前記導光板の前記光放出面は前記電気光学パネルの背面に向かって光を放出し、
前記基板は前記電気光学パネル及び前記導光板の間に配置され、
前記放熱部材は、シート形状であり、且つ前記導光板の前記光放出面と反対側の面に一部平面的に重なることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
電気光学装置において、
電気光学パネルと、
前記電気光学パネルに隣り合って配置される請求項5に記載の照明装置とを備え、
前記放熱部材はシート形状であり、該放熱部材には前記点状光源が実装され、前記放熱部材は前記電気光学パネルと接触していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
電気光学装置において、
電気光学パネルと、
前記電気光学パネルに隣り合って配置される請求項5に記載の照明装置とを備え、
前記点状光源が実装されるフレキシブルなシート状の基板を更に有し、
前記基板上には前記電気光学パネルを駆動するための実装部品が実装され、前記基板は前記電気光学パネルに電気的に接続することを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項9に記載の電気光学装置において、
前記電気光学パネル及び前記導光板の間に配置される枠状の遮光性シートを更に有し、
前記電気光学パネルは電位が供給されることによって駆動される駆動領域を有し、前記遮光性シートの開口は前記駆動領域を包含し、
前記遮光性シートの前記導光板側の面は、前記遮光性シートの電気光学パネル側の面よりも反射率が高いことを特徴とする電気光学装置。
【請求項13】
請求項12に記載の電気光学装置において、
前記基板は前記遮光性シートに重なるように配置されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項14】
請求項12に記載の電気光学装置において、
前記基板は前記遮光性シートに重ならないように配置されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項15】
請求項10に記載の電気光学装置において、
前記電気光学パネルは電位が供給されることによって駆動される駆動領域を有し、前記放熱板は遮光性を有し、該放熱板は、前記電気光学パネルの前記駆動領域以外の領域に配置されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項16】
請求項8乃至15のいずれか一項に記載の電気光学装置を表示部として備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2004−6193(P2004−6193A)
【公開日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−200412(P2002−200412)
【出願日】平成14年7月9日(2002.7.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】