説明

放送受信装置及びその制御方法

【課題】 標準映像コンテンツに関連する生放送の映像コンテンツを視聴している途中で、標準映像に再生映像が挿入された場合に、その再生映像を見逃す可能性を低減することが可能な放送受信装置を提供する。
【解決手段】 本発明の放送受信装置において、映像判定部108は、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツのうち選択中の視点映像コンテンツが、生放送の映像コンテンツであるかを判定する。さらに、標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであるかを判定する。メッセージ生成部109は、映像判定部108による判定結果を受けて、「標準映像で再生映像が流れています!」などの所定のメッセージを生成する。表示制御部110は、メッセージ生成部109により生成されたメッセージを映像に合成して、表示部に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送番組に係る標準映像コンテンツおよびそれに関連する映像コンテンツを受信する放送受信装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本格的なデジタル放送時代を迎え、様々な次世代放送システムの研究・開発が行われている。その中のひとつとして、それぞれ視点位置が異なる多数の映像(多視点映像)を配信し、視聴者が好きな視点の映像を自由に選択できる多視点映像システムの開発が進められている。下記の特許文献1には、被写体に対して多角度に配置された複数の撮像装置により同一時間に撮像された映像信号を多重化した電波を受信し、所定の映像信号を選択して出力する視点可変テレビジョンシステムが開示されている。
【0003】
また、対象物を取り囲むように配置した多数のカメラで撮影された多視点映像コンテンツ(それぞれ視点位置の異なる多数の映像コンテンツ)から、ユーザにより任意に指定された視点位置の任意視点映像を生成する研究が行われている。それぞれ視点位置の異なる多数の映像コンテンツを合成し、補間・再構成することで、本来撮影されていない視点位置の任意視点映像を得ることができる。下記の特許文献2には、既存の放送などの映像配信サービスと任意視点映像サービスが連携して提供される場合において、放送番組の本線映像から任意視点映像に切り替えた際に、視点および視線をシームレスにつなぐ技術が開示されている。
【0004】
上述したような多視点映像や任意視点映像のサービスを利用すると、視聴者が自由に見たい視点の映像を楽しむことができる一方、重要な映像を見逃す可能性も生じる。下記の特許文献3には、映像内の一部の画角を拡大表示して視聴している場合に、表示範囲外の映像で発生している重要なイベントを感知して視聴者に通知することにより、重要なイベントを見逃すのを未然に防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−130528号公報
【特許文献2】特開2007―150747号公報
【特許文献3】特開2010−062877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放送局が従来の標準映像とともに多視点映像や任意視点映像のサービスを提供する場合を想定する。標準映像とは、多視点映像や任意視点映像のサービスに対応していない従来の放送受信装置でも視聴できる映像であり、視聴者が視点の切り替え操作をする必要がなく、放送番組の進行を把握することができる映像である。
【0007】
上述したように、視聴者が多視点映像や任意視点映像のサービスを利用すると、自由に見たい視点の映像を楽しむことができる一方、標準映像に含まれる重要な映像を見逃す可能性があった。例えば、生放送(ライブ放送)の多視点映像または任意視点映像を視聴しているときに、標準映像に再生映像(スポーツ番組におけるハイライトシーンなどの再生映像、スタジオ番組におけるロケ収録映像など)が挿入されることがある。このように標準映像に挿入される再生映像は、番組構成上重要な映像であることが多く、この映像を見逃すと放送番組の進行が十分に理解できなくなる可能性がある。
【0008】
そこで本発明は、標準映像コンテンツに関連する生放送の映像コンテンツを視聴している途中で、標準映像に再生映像が挿入された場合に、その再生映像を見逃す可能性を低減することが可能な放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係る放送受信装置は、放送番組に係る標準映像コンテンツおよびそれに関連する映像コンテンツを受信する放送受信装置であって、受信した標準映像コンテンツおよび関連する映像コンテンツがそれぞれ生放送の映像コンテンツであるか、再生映像の映像コンテンツであるかを示す付加データを取得する取得手段と、受信した標準映像コンテンツおよび関連する映像コンテンツの中から表示部に表示する映像コンテンツを選択する選択手段と、選択手段により関連する映像コンテンツが選択された場合に、関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであるかを、取得手段により取得された付加データに基づいて判定する判定手段と、判定手段により、関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合に、標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであることを示すメッセージを表示部に表示させる制御を行う表示制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、標準映像コンテンツに関連する生放送の映像コンテンツを視聴している途中で、標準映像に再生映像が挿入された場合に、その再生映像を見逃す可能性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】多視点映像コンテンツを供給するカメラの配置例を示す図である。
【図3】映像コンテンツに再生映像が挿入された場合の表示画面例を示す図である。
【図4】放送受信装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1に係る放送受信装置100の構成を示すブロック図である。放送局サーバ装置201から、ある放送番組において標準映像コンテンツとそれに関連する多視点映像コンテンツとが提供されるものとする。標準映像コンテンツは、多視点映像のサービスに対応していない従来の放送受信装置でも視聴できる映像コンテンツであり、視聴者が視点の切り替え操作をする必要がなく、放送番組の進行を把握することができる映像コンテンツである。多視点映像コンテンツは、互いに同期して再生可能な視点位置の異なる複数の映像コンテンツで構成され、例えばある被写体を取り囲むように配置した複数台のカメラで同期撮影した複数の映像コンテンツで構成されるものである。図2は、多視点映像コンテンツを供給するカメラの配置例を示す図である。サッカーなどのスポーツ競技場の周りに6台のカメラ301〜306が配置されている。カメラ301〜306により撮影されたA視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツが、多視点映像コンテンツとして提供される。
【0013】
放送受信装置100は、インターネット回線などのネットワークを介して、標準映像コンテンツと、それに関連する多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)を受信する。ただし、標準映像コンテンツと多視点映像コンテンツとがデジタル放送波を介して提供される構成であってもよいし、標準映像コンテンツはデジタル放送波を介して、多視点映像コンテンツはネットワークを介して提供される構成であってもよい。放送受信装置100は、リモコン受信部101、ネットワークI/F部102、TS処理部103、映像・音声デコーダ104、および選択部105を備える。放送受信装置100は、さらに、付加データ取得部107、映像判定部108、メッセージ生成部109、表示制御部110、および音声出力部111を備える。放送受信装置100内の各ブロックは内部バスに接続されており、図示しない制御部(CPU)によって制御される。
【0014】
ネットワークI/F部102は、インターネット回線などのネットワークを介して、標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツを受信し、TCP/IPで規定されたプロトコル処理を行って、TS(トランスポートストリーム)を出力する。このネットワークI/F部102は、放送局サーバ装置201との間でTCP/IPプロトコルを用いて通信する機能を有する。
【0015】
TS処理部103は、ネットワークI/F部102から出力された標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツのTSの暗号化を解除し、映像データ、音声データ、番組情報などの付加データに分離する。このTS処理部103は、標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)のTSを同時に処理する機能を有する。映像データと音声データは、ARIBで規定されているMPEG形式のデータである。付加データは、ARIBで規定されているPSI/SI情報(Program Specification Information、及びServiceInformation)である。
【0016】
映像・音声デコーダ104は、TS処理部103からの映像データ、音声データおよび付加データをデコード(復号化)する。この映像・音声デコーダ104は、標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)の映像データを同時にデコードする機能を有する。リモコン受信部101は、ユーザが操作したリモコン200から出力されるリモコン制御信号を受信し、選択部105へ転送する。ユーザは、リモコン200を操作して標準映像コンテンツを選択することもできるし、多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)を選択することもできる。多視点映像コンテンツを選択する際には、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツの中から好きな視点を指定することができる。
【0017】
選択部105は、リモコン制御信号にしたがって、映像・音声デコーダ104から出力される標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツの映像データから、ユーザに指定された映像データを選択して、表示制御部110に出力する。また、本実施の形態では、映像・音声デコーダ104から出力される標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツの音声データのうち、標準映像コンテンツに対応する音声データを選択して、音声出力部111に出力する。標準映像コンテンツとそれに関連する多視点映像コンテンツとが提供される放送番組では、表示部に表示されている映像に関係なく常に標準映像コンテンツに対応する音声データが出力されるものとする。音声出力部111は、標準映像コンテンツの音声データを外部のスピーカに出力する。
【0018】
付加データ取得部107は、映像・音声デコーダ104から標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツの付加データを取得する。この付加データは、標準映像コンテンツであるか多視点映像コンテンツであるかを示す情報、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報、再生映像の映像コンテンツであるか否かを示す情報を含む。なお、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報、再生映像の映像コンテンツであるか否かを示す情報は、シーン単位で随時更新されつつ送信されてくるものとする。映像判定部108は、標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツの付加データに基づいて、各々の映像コンテンツが生放送(ライブ放送)の映像コンテンツであるか否かを判定する。また、標準映像コンテンツが再生映像(スポーツ番組におけるハイライトシーンなどの再生映像、スタジオ番組におけるロケ収録映像など)の映像コンテンツであるか否かを判定する。メッセージ生成部109は、映像判定部108による判定結果に応じて、所定のメッセージを生成する処理を行う。選択部105は、映像判定部108による判定結果に応じて、標準映像コンテンツと多視点映像コンテンツの一方または両方を選択する処理を行う。表示制御部110は、選択部105により選択された映像データを液晶ディスプレイなどの表示部に出力する。この表示制御部110は、選択部105により複数の映像データが選択された場合は、それらをPinP(ピクチャ・イン・ピクチャ)形式またはPoutP(ピクチャ・アウト・ピクチャ)形式で合成して出力する。また、メッセージ生成部109で生成されたメッセージを映像に合成して出力する処理も行う。
【0019】
ユーザが生放送(ライブ放送)の多視点映像コンテンツを選択して視聴しているとき、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツは全て生放送の映像である。ユーザは、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツの中から自由に好みの視点の映像コンテンツに切り替えながら生放送の映像を楽しむことができる。ところが、生放送番組の途中で、標準映像に再生映像(スポーツ番組におけるハイライトシーンなどの再生映像)が挿入されることがある。標準映像に再生映像が挿入されている間、放送番組の解説者等はその再生映像についてコメントすることも多い。標準映像に挿入される再生映像は、番組構成上重要な映像であることが多く、この再生映像を見逃すと放送番組の進行が十分に理解できなくなる可能性がある。しかし、標準映像に挿入される再生映像は多視点映像コンテンツには含まれないので、再生映像について解説者等がコメントをし始めたときに、ユーザがA視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツの映像を切り替えても、再生映像は見つからない。そこで、この実施の形態1では、標準映像コンテンツに関連する生放送の多視点映像コンテンツを視聴している途中で、標準映像に再生映像が挿入された場合に、多視点映像コンテンツと標準映像コンテンツの両方を画面に表示するように制御する。また、標準映像に再生映像が挿入されたことを示すメッセージを画面に表示するように制御する。これにより、再生映像を見逃す可能性を低減する。
【0020】
図3は、ユーザがA視点映像コンテンツを選択して視聴している途中で、標準映像コンテンツに再生映像が挿入された場合の表示画面例を示す図である。標準映像コンテンツに再生映像が挿入されている期間は、A視点映像コンテンツの一部の映像領域に、標準映像コンテンツの映像をPinP形式で合成して表示される。
【0021】
図4は、この実施の形態1における放送受信装置100の動作について説明するためのフローチャートである。選択部105は、リモコン制御信号にしたがって、映像・音声デコーダ104から出力される標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツの映像データから、ユーザに指定された映像データを選択して、表示制御部110に出力する。
【0022】
まず、ステップS501で、映像判定部108は、選択部105により多視点映像コンテンツが選択されたか否かを判別し、多視点映像コンテンツが選択された場合はステップS502に進む。ステップS502で、映像判定部108は、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツのうち選択中の視点映像コンテンツが、生放送の映像コンテンツであるか否かを判定し、生放送の映像コンテンツであると判定した場合は、ステップS503に進む。この判定処理は、付加データ取得部107により取得された多視点映像コンテンツの付加データに基づいて行われる。
【0023】
続いて、ステップS503で、映像判定部108は、標準映像コンテンツが再生映像(スポーツ番組におけるハイライトシーンなどの再生映像、スタジオ番組におけるロケ収録映像など)の映像コンテンツであるか否かを判定する。なお、標準映像の一部の映像領域に再生映像が合成処理されている場合も、標準映像コンテンツが再生映像を含む映像コンテンツであると判定される。このステップS503の判定処理は、付加データ取得部107により取得された標準映像コンテンツの付加データに基づいて、一定間隔で繰り返し行われる。標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合は、ステップS503からステップS504に進む。
【0024】
ステップS504で、選択部105は、映像判定部108による判定結果を受けて、視聴中の視点映像コンテンツに加えて、標準映像コンテンツを選択して表示制御部110に出力する。そして、表示制御部110は、視聴中の視点映像コンテンツの一部の映像領域に、標準映像コンテンツの映像をPinP形式で合成する。また、ステップS505で、メッセージ生成部109は、映像判定部108による判定結果を受けて、「標準映像で再生映像が流れています!」などの所定のメッセージを生成する。表示制御部110は、メッセージ生成部109により生成されたメッセージを映像に合成して、表示部に出力する。
【0025】
次に、ステップS506で、映像判定部108は、標準映像コンテンツが生放送の映像に変化したか否かを判定し、標準映像コンテンツが生放送の映像に変化したと判定された場合は、ステップS506からステップS507に進む。
【0026】
ステップS507で、選択部105は、映像判定部108による判定結果を受けて、ユーザに指定されていた視点映像コンテンツのみを選択して表示制御部110に出力する。そして、表示制御部110は、ステップS504,S505で行った合成処理を停止して、ユーザに指定された視点映像コンテンツを表示部の画面全体に表示させる制御を行う。
【0027】
以上のように、この実施の形態1では、標準映像コンテンツに関連する生放送の多視点映像コンテンツを視聴している途中で、標準映像に再生映像が挿入された場合に、多視点映像コンテンツと標準映像コンテンツの両方を画面に表示するように制御する。また、標準映像に再生映像が挿入されたことを示すメッセージを画面に表示するように制御する。これにより、再生映像を見逃す可能性を低減する。
【0028】
なお、本実施の形態では、付加データが、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報、再生映像の映像コンテンツであるか否かを示す情報を含む場合を例示したが、これに限定されるものではない。再生映像の映像コンテンツであるか否かを示す情報を用いずに、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報のみを用いてもよい。つまり、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報のみを用い、生放送の映像コンテンツでない場合は、すなわち再生映像の映像コンテンツであると判断するようにしてもよい。また、例えば、放送中の映像コンテンツの映像に対応するカメラ情報を付加データとして取得し、多視点映像コンテンツに対応するカメラ情報と標準映像コンテンツに対応するカメラ情報とを比較するようにしてもよい。この場合は、多視点映像コンテンツに対応するカメラ情報と一致するカメラ情報が標準映像に付加されていない期間は、多視点映像コンテンツと標準映像コンテンツの両方を画面に表示するようにすればよい。つまり、多視点映像コンテンツでは視聴することが不可能な映像が標準映像コンテンツに含まれると判断される場合に、多視点映像コンテンツと標準映像コンテンツの両方を画面に表示するようにすればよい。
【0029】
また、図3に示したように、視聴中の視点映像コンテンツに標準映像コンテンツを合成して表示する場合を例示したが、視点映像コンテンツから標準映像コンテンツに表示を自動的に切り替えるか、切り替えるか否かをユーザに問い合わせるようにしてもよい。
【0030】
また、本実施の形態では、標準映像コンテンツとそれに関連する多視点映像コンテンツとが提供される場合を例示して説明したが、標準映像コンテンツとそれに関連する任意視点映像コンテンツとが提供される場合についても、適用可能である。この場合は、放送受信装置100が、受信した多視点映像コンテンツから、ユーザにより任意に指定された視点位置の任意視点映像を生成する任意視点映像生成部を備える構成となる。
【0031】
(実施の形態1の変更例)
実施の形態1では、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報、再生映像の映像コンテンツであるか否かを示す情報は、シーン単位で随時更新されつつ送信されてくるものとして説明した。しかし、生放送の映像コンテンツであるか否かを示す情報、再生映像の映像コンテンツであるか否かを示す情報が、番組単位で送信され、シーン単位では送信されないことも考えられる。そこで、この実施の形態1の変更例では、生放送の映像コンテンツであるが、番組の途中で再生映像が挿入されたことを、映像比較することにより判定する構成について説明する。実施の形態1の変更例に係る放送受信装置は、図1に示した放送受信装置と同様の構成で実現できるが、映像判定部108の動作が異なる。
【0032】
図3に示したステップS502では、実施の形態1と同様に、映像判定部108は、付加データ取得部107により取得された多視点映像コンテンツの付加データに基づいて、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツのうち選択中の視点映像コンテンツが、生放送の映像コンテンツであるか否かを判定する。そして、選択中の視点映像コンテンツが、生放送の映像コンテンツであると判定した場合は、ステップS503に進む。
【0033】
ステップS503で、映像判定部108は、まず映像・音声デコーダ104から標準映像コンテンツおよび多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)の映像データを取得する。そして、標準映像コンテンツの映像データと多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)の映像データとを比較することにより、標準映像コンテンツに再生映像が挿入されたか否かを判定する。具体的には、標準映像コンテンツの映像データと、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツのいずれかの映像データとの一致度が所定レベル以上であるか否かを判定する。そして、標準映像コンテンツの映像データと、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツの全ての映像データとの一致度が所定レベル未満である場合は、標準映像コンテンツが再生映像を含む映像コンテンツであると判定する。標準映像の一部の映像領域に再生映像が合成処理されている場合も、映像データの一致度が所定レベル未満であれば、標準映像コンテンツが再生映像を含む映像コンテンツであると判定される。標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合は、ステップS503からステップS504に進む。
【0034】
放送局側は、生放送の多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)の中から適切な視点映像コンテンツを選択的に適宜切り替えながら標準映像コンテンツとして提供することが想定される。このような場合、放送番組の途中で、標準映像コンテンツに再生映像(スポーツ番組におけるハイライトシーンなどの再生映像、スタジオ番組におけるロケ収録映像など)を挿入することが想定される。このような場合、標準映像コンテンツに挿入されている再生映像の映像データは、A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツの映像データいずれとも一致しないことになる。したがって、ステップS503の判定処理を一定間隔で繰り返し行えば、標準映像コンテンツに再生映像が挿入されたことを検知することができる。
【0035】
なお、多視点映像コンテンツの隣り合う視点の映像はある程度類似していると考えられるので、必ずしも全ての多視点映像コンテンツ(A視点映像コンテンツ〜F視点映像コンテンツ)を比較対象とする必要はなく、いくつかの代表する視点の映像コンテンツのみを比較対象としてもよい。
【0036】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0037】
100 放送受信装置
101 リモコン受信部
102 ネットワークI/F部
103 TS処理部
104 映像・音声デコーダ
105 選択部
107 付加データ取得部
108 映像判定部
109 メッセージ生成部
110 表示制御部
111 音声出力部
200 リモコン
201 放送局サーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組に係る標準映像コンテンツおよびそれに関連する映像コンテンツを受信する放送受信装置であって、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツがそれぞれ生放送の映像コンテンツであるか、再生映像の映像コンテンツであるかを示す付加データを取得する取得手段と、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツの中から表示部に表示する映像コンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記関連する映像コンテンツが選択された場合に、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであるかを、前記取得手段により取得された付加データに基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合に、前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであることを示すメッセージを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御手段とを備える放送受信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判定手段により、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合に、前記関連する映像コンテンツと前記標準映像コンテンツとを合成処理して前記表示部に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
放送番組に係る標準映像コンテンツおよびそれに関連する映像コンテンツを受信する放送受信装置であって、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツがそれぞれ生放送の映像コンテンツであるか、再生映像の映像コンテンツであるかを示す付加データを取得する取得手段と、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツの中から表示部に表示する映像コンテンツを選択する選択手段と、
前記選択手段により前記関連する映像コンテンツが選択された場合に、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであるかを、前記取得手段により取得された付加データに基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合に、前記関連する映像コンテンツと前記標準映像コンテンツとを合成処理して前記表示部に表示させる制御を行う表示制御手段とを備える放送受信装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記判定を一定間隔で繰り返し行うことにより、前記標準映像コンテンツが再生映像から生放送の映像に変化したか否かを判定し、
前記制御手段は、前記判定手段により、前記標準映像コンテンツが再生映像から生放送の映像に変化したと判定された場合に、前記関連する映像コンテンツと前記標準映像コンテンツとを合成する処理を停止することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記標準映像コンテンツに関連する映像コンテンツは、それぞれ視点位置の異なる複数の映像コンテンツで構成された多視点映像コンテンツ、または前記多視点映像コンテンツに合成処理を施すことにより生成される、任意に指定された視点位置に対応する任意視点映像コンテンツであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の放送受信装置。
【請求項6】
放送番組に係る標準映像コンテンツおよびそれに関連する映像コンテンツを受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツがそれぞれ生放送の映像コンテンツであるか、再生映像の映像コンテンツであるかを示す付加データを取得する取得ステップと、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツの中から表示部に表示する映像コンテンツを選択する選択ステップと、
前記選択ステップで前記関連する映像コンテンツが選択された場合に、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであるかを、前記取得ステップで取得された付加データに基づいて判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合に、前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであることを示すメッセージを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御ステップとを有する放送受信装置の制御方法。
【請求項7】
放送番組に係る標準映像コンテンツおよびそれに関連する映像コンテンツを受信する放送受信装置の制御方法であって、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツがそれぞれ生放送の映像コンテンツであるか、再生映像の映像コンテンツであるかを示す付加データを取得する取得ステップと、
受信した前記標準映像コンテンツおよび前記関連する映像コンテンツの中から表示部に表示する映像コンテンツを選択する選択ステップと、
前記選択ステップで前記関連する映像コンテンツが選択された場合に、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであるかを、前記取得ステップで取得された付加データに基づいて判定する判定ステップと、
前記判定ステップで、前記関連する映像コンテンツが生放送の映像コンテンツであり、かつ前記標準映像コンテンツが再生映像の映像コンテンツであると判定された場合に、前記関連する映像コンテンツと前記標準映像コンテンツとを合成処理して前記表示部に表示させる制御を行う表示制御ステップとを有する放送受信装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−4991(P2012−4991A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139951(P2010−139951)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】