説明

放送受信装置及び番組表示方法

【課題】 放送中の番組を自動的に録画することができ、録画された上記番組を自動的に再生することができる放送受信装置及び番組表示方法を提供する。
【解決手段】 放送受信装置は、ユーザが第1状態及び第2状態の何れの状態にあるのか判断する判断モジュール71と、判断モジュールが判断した結果の情報に応じて処理する処理モジュール70と、を備えている。処理モジュール70は、放送中の番組の表示中に、判断モジュール71からユーザが第1状態から第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、記録媒体への番組の録画を開始する。処理モジュール70は、番組の録画を開始した後、判断モジュール71からユーザが第2状態から第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、記録媒体に録画された番組を録画を開始したところから再生し表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放送受信装置及び番組表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルテレビ放送信号を受信し、受信したデジタルテレビ放送信号に基づく番組を記録したり、再生したりすることが可能な放送受信装置が普及している。例えば、放送受信装置は、HDD又はDVDを使ってデジタルテレビ放送信号に基づく番組を録画することができる。また、放送受信装置は、デジタルテレビ放送信号からサービス情報を取得し、このサービス情報に基づき番組表の表示を制御することができる。
【0003】
ユーザは、リモートコントローラを操作することにより、放送受信装置の動作を制御することができる。ユーザは、リモートコントローラを操作することにより、例えば、見ている番組を録画することができ、また、番組表で指定した番組を録画することができる。
【0004】
放送受信装置には、追っかけ再生と呼ばれる機能が付いている。番組の録画中において、ユーザは、リモートコントローラを操作することにより、録画している番組を録画開始ポイントから再生することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−154125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、録画している番組を録画開始ポイントから再生する場合、ユーザは、一時的に席を外すことを意識し、予め番組を録画する必要がある。このため、番組の録画を忘れた場合、追っかけ再生機能を使うことはできない。また、ユーザが席に戻ってきた後にリモートコントローラの操作を忘れた場合、追っかけ再生機能を使うことはできない。上記のことから、番組を自動的に録画することができ、録画された上記番組を自動的に再生することができる技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る放送受信装置は、
番組の表示中に、ユーザが前記番組を見ることのできる第1状態及び前記番組を見ることのできない第2状態の何れの状態にあるのか判断する判断モジュールと、
前記判断モジュールが判断した結果の情報を取得し、前記判断した結果の情報に応じて処理する処理モジュールと、を備え、
前記処理モジュールは、
放送中の番組の表示中に、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第1状態から前記第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、記録媒体への前記番組の録画を開始し、
前記番組の録画を開始した後、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、前記記録媒体に録画された前記番組を前記録画を開始したところから再生し表示させることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の他の態様に係る番組表示方法は、
番組の表示中に、ユーザが前記番組を見ることのできる第1状態から前記番組を見ることのできない第2状態に切替わった場合、記録媒体への前記番組の録画を開始し、
前記番組の録画を開始した後、前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わった場合、前記記録媒体に録画された前記番組を前記録画を開始したところから再生し表示させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第2の実施の形態に係るテレビジョン受像機を示す概略構成図である。
【図2】上記テレビジョン受像機に用いられるリモートコントローラの外観を示す図である。
【図3】上記テレビジョン受像機を用いた上記第2の実施の形態に係る番組表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に続く、上記番組表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に続く、上記番組表示方法を説明するための他のフローチャートである。
【図6】図5に続く、上記番組表示方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態において、放送受信装置及び番組表示方法を開示している。
放送受信装置は、判断モジュールと、処理モジュールと、を備えている。判断モジュールは、番組の表示中に、ユーザが前記番組を見ることのできる第1状態及び前記番組を見ることのできない第2状態の何れの状態にあるのか判断する。処理モジュールは、前記判断モジュールが判断した結果の情報を取得し、前記判断した結果の情報に応じて処理する。
【0011】
前記処理モジュールは、放送中の番組の表示中に、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第1状態から前記第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、記録媒体への前記番組の録画を開始する。
【0012】
前記処理モジュールは、前記番組の録画を開始した後、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、前記記録媒体に録画された前記番組を前記録画を開始したところから再生し表示させる。
【0013】
一方、番組表示方法は、番組の表示中に、ユーザが前記番組を見ることのできる第1状態から前記番組を見ることのできない第2状態に切替わった場合、記録媒体への前記番組の録画を開始し、前記番組の録画を開始した後、前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わった場合、前記記録媒体に録画された前記番組を前記録画を開始したところから再生し表示させる。
【0014】
上記のように構成された第1の実施の形態に係る放送受信装置及び番組表示方法によれば、放送中の番組の表示中に、ユーザが第1状態から第2状態に切替わった場合、番組を自動的に録画することができる。また、番組の録画を開始した後、ユーザが第2状態から第1状態に切替わった場合、録画された番組を録画を開始したところから自動的に再生し表示させることができる。
【0015】
上記したことから、ユーザの状態を判断することにより、放送中の番組を自動的に録画することができ、録画された上記番組を自動的に再生することができる放送受信装置及び番組表示方法を得ることができる。ユーザがリモートコントローラを操作すること無しに、視聴している番組の録画及び再生を確実に行うことができることは言うまでも無い。
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施の形態に係る放送受信装置及び番組表示方法について詳細に説明する。この実施の形態において、放送受信装置はテレビジョン受像機である。図1は、テレビジョン受像機1の主要な信号処理系を示している。図2は、リモートコントローラ17の外観を示している。
【0017】
図1に示すように、BS(Broadcasting Satellite)/CS(Communication Satellite)デジタル放送受信用のアンテナ47で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子48を介して衛星デジタル放送用のチューナ49に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0018】
チューナ49で選局された放送信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調モジュール50に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理モジュール51に出力される。
【0019】
また、地上波放送受信用のアンテナ52で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子53を介して地上デジタル放送用のチューナ54に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0020】
チューナ54で選局された放送信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調モジュール55に供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理モジュール51に出力される。
【0021】
また、地上波放送受信用のアンテナ52で受信した地上アナログテレビジョン放送信号は、入力端子53を介して地上アナログ放送用のアナログチューナ56に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0022】
アナログチューナ56で選局された放送信号は、アナログ復調モジュール57に供給されてアナログの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理モジュール51に出力される。
【0023】
ここで、信号処理モジュール51は、PSK復調モジュール50及びOFDM復調モジュール55からそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理モジュール58及び音声処理モジュール59に出力している。
【0024】
また、信号処理モジュール51には、複数(図示の場合は4つ)の入力端子60a、60b、60c、60dが接続されている。これら入力端子60a乃至60dは、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、テレビジョン受像機1の外部から入力可能とするものである。
【0025】
信号処理モジュール51は、アナログ復調モジュール57及び各入力端子60a乃至60dからそれぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、そのデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理モジュール58及び音声処理モジュール59に出力している。
【0026】
このうち、グラフィック処理モジュール58は、信号処理モジュール51から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成モジュール61で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。このグラフィック処理モジュール58は、信号処理モジュール51の出力映像信号と、OSD信号生成モジュール61の出力OSD信号とを選択的に出力すること、また、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0027】
グラフィック処理モジュール58から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理モジュール62に供給される。映像処理モジュール62により処理された映像信号は、映像表示部14に供給され、また出力端子63にも供給される。映像表示部14は、映像信号に基づく映像を表示し、出力端子63に対して外部機器が接続されると、出力端子63に供給された映像信号は、外部機器へ入力される。
【0028】
音声処理モジュール59は、入力されたデジタルの音声信号を、スピーカ15で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ15に出力して音声再生させるとともに、出力端子64を介して外部に導出させる。
【0029】
ここで、テレビジョン受像機1は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御モジュール65によって統括的に制御されている。制御モジュール65は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵している。操作モジュール16からの操作情報を受けたとき、または、リモートコントローラ17から送出され受光モジュール18を介して受信した操作情報を受けたとき、制御モジュール65は、その操作内容が反映されるように各モジュールをそれぞれ制御している。
【0030】
この場合、制御モジュール65は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)66と、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)67と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ68とを利用している。
【0031】
さらに、制御モジュール65は、動作設定モジュール69、処理モジュール70、判断モジュール71及び設定情報管理モジュール72を利用している。設定情報管理モジュール72は、ユーザにより設定される設定情報を管理するものである。動作設定モジュール69は、判断モジュール71及び処理モジュール70の動作を設定するものである。動作設定モジュール69は、設定情報管理モジュール72の設定情報に基づいて、判断モジュール71及び処理モジュール70を、動作状態及び休止状態の何れかの状態に設定することができる。
【0032】
制御モジュール65は、カードI/F(Interface)81を介して、メモリカード19が装着可能なカードホルダ82に接続されている。これによって、制御モジュール65は、カードホルダ82に装着されたメモリカード19と、カードI/F81を介して情報伝送を行なうことができる。図示しないが、制御モジュール65は、他のカードI/Fを介して、他のメモリカードが装着可能な他のカードホルダに接続されてもよい。
【0033】
制御モジュール65は、フォトセンサ83に接続されている。フォトセンサ83は、テレビジョン受像機1が配置されている環境の光の照度を検出することができる。このため、例えば制御モジュール65は、フォトセンサ83で検出した情報に基づいて映像表示部14に表示する映像の輝度レベルを調整することができる。
【0034】
制御モジュール65は、ビデオカメラ84に接続されている。ビデオカメラ84は、映像表示部14の画面前方を撮影する。このため、ビデオカメラ84は、ユーザを撮影することができる。
【0035】
判断モジュール71は、番組を含む映像コンテンツの表示中に、ユーザが映像コンテンツを見ることのできる第1状態及び映像コンテンツを見ることのできない第2状態の何れの状態にあるのか判断するものである。この実施の形態において、判断モジュール71は、ビデオカメラ84で撮影した映像を基に、ユーザの顔を検出することにより、上記判断をすることができる。ユーザの顔を検出した場合には、さらに、目の開閉状態を検出することにより、上記判断をすることができる。
【0036】
この場合、上記第1状態としては、ユーザが画面を見ている状態が挙げられる。上記第2状態としては、ユーザの顔が検出されない状態、すなわちユーザが席にいない状態、及びユーザが席にはいるが画面を見ていない状態が挙げられる。
【0037】
処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報を取得し、判断した結果の情報に応じて処理するものである。詳しくは、処理モジュール70は、判断モジュール71の判断した結果の情報及び設定情報管理モジュール72の設定情報に応じて処理するものである。
【0038】
制御モジュール65は、通信I/F85を介してLAN端子21と接続されている。これにより、制御モジュール65は、LAN端子21に接続されたLAN対応機器と、通信I/F85を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、制御モジュール65は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有し、LAN端子21に接続されたLAN対応機器にIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0039】
制御モジュール65は、USB(Universal Serial Bus) I/F86を介してUSB端子24と接続されている。これにより、制御モジュール65は、USB端子24に接続されたUSB対応機器と、USB I/F86を介して情報伝送を行なうことができる。USB対応機器としては、例えばUSB−HDD(Hard Disk Drive)102が挙げられる。
【0040】
制御モジュール65は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)規格に準拠したHDMI I/F87を介してHDMI端子26と接続されている。これにより、制御モジュール65は、HDMI端子26に接続されたHDMI対応機器と、HDMI I/F87を介して情報伝送を行なうことができる。
制御モジュール65は、テレビジョン受像機1に内蔵されたHDD101に接続されている。
【0041】
制御モジュール65は、不揮発性メモリ68に記憶された録画予約リストに含まれた各録画予約情報を参照し、録画動作を制御する。その他、制御モジュール65は、ユーザによるリモートコントローラの操作に基づき、録画動作を制御する。
また、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報に応じて録画動作などを制御する。番組の録画先としては、例えばHDD101、USB−HDD102が挙げられる。ここでは、番組の録画先をHDD101として説明する。
【0042】
次に、放送中の番組を表示している場合に、処理モジュール70が行う処理について説明する。
処理モジュール70は、放送中の番組の表示中に、判断モジュール71からユーザが第1状態から第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、HDD101への番組の録画を開始する。処理モジュール70は、番組の録画を開始した際、映像表示部14を休止状態に設定することも可能である。
【0043】
番組の録画を開始した後、処理モジュール70は、HDD101の録画開始ポイントを不揮発性メモリ68に記憶する。詳しくは、処理モジュール70は、HDD101の録画開始ポイントのアドレス情報を不揮発性メモリ68に記憶する。
【0044】
番組の録画を開始した後、処理モジュール70は、判断モジュール71からユーザが第2状態から第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、不揮発性メモリ68の情報に基づいて、HDD101に録画された番組を録画開始ポイントから再生し表示させる。
その他、処理モジュール70は、番組の録画を開始した後、設定情報管理モジュール72の設定情報に応じてHDD101に録画された番組を削除することも可能である。
【0045】
次に、録画された番組を表示している場合に、処理モジュール70が行う処理について説明する。
処理モジュール70は、HDD101に録画された番組の表示中に、判断モジュール71からユーザが第1状態から第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、番組の再生を停止し、HDD101のレジュームポイントを不揮発性メモリ68に記憶する。詳しくは、処理モジュール70は、HDD101のレジュームポイントのアドレス情報を不揮発性メモリ68に記憶する。
【0046】
これにより、処理モジュール70は、番組の再生停止ポイントを不揮発性メモリ68に記憶することができる。処理モジュール70は、番組の再生を停止した際、映像表示部14を休止状態に設定することも可能である。
【0047】
処理モジュール70は、番組の再生を停止した後、判断モジュール71からユーザが第2状態から第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、不揮発性メモリ68に記憶されたレジュームポイントを基に番組の再生及び表示を再開する。これにより、処理モジュール70は、再生停止ポイントから番組の再生及び表示を再開することができる。
【0048】
図2に示すように、リモートコントローラ17には、主として、電源スイッチ17a、入力切換ボタン17b、地上デジタル放送番組を選択するためのダイレクト選択ボタン17c、BS放送番組を選択するためのダイレクト選択ボタン17d、CS放送番組を選択するためのダイレクト選択ボタン17e、各種の放送番組を選択するための複数の番号キー17f、チャンネルボタン17g、音量調整ボタン17h、クイックボタン17q、EPG(Electronic Program Guide)にアクセスするためのEPGボタン17i、リンクボタン17j、カーソルキー17k、決定ボタン17l、戻るボタン17m、終了ボタン17n、青、赤、緑、黄のカラーキー17o、録画リストを表示するための録画リストボタン17p、再生ボタン17r、停止ボタン17s、一時停止ボタン17t、等が設けられている。
【0049】
その他、リモートコントローラ17には、録画ボタン17u、地上アナログ放送番組を選択するためのダイレクト選択ボタン17v、CH番号入力ボタン17w、設定メニューボタン17x等が設けられている。
【0050】
ユーザは、クイックボタン17q又は設定メニューボタン17xを押し、その後、カーソルキー17k及び決定ボタン17lなどを操作することで、設定情報管理モジュール72の設定情報を更新することができる。
【0051】
次に、上述したテレビジョン受像機1を用いた番組表示方法について説明する。
図1及び図3に示すように、映像表示部14に映像を表示した状態で、録画済みの番組又は放送中の番組を表示するための処理モジュール70による制御がスタートすると、まず、ステップS1において、処理モジュール70は、録画済みの番組又は放送中の番組を映像表示部14に表示しているのかどうか判断する。どちらの番組も表示していない場合(ステップS1)、番組を表示するための処理モジュール70の制御は終了する。この場合、映像表示部14に表示する映像の種類が切替わったり、再び、映像表示部14に映像を表示した状態に切替わったりしたときに、再び、上記処理モジュール70の制御をスタートすればよい。
【0052】
どちらかの番組を表示している場合(ステップS1)、ステップS2に移行し、ステップS2において、処理モジュール70は、ビデオカメラ84に映像表示部14の画面前方の撮影を開始させ、撮影した映像に基づいて判断モジュール71にユーザの顔を検出させ、顔を検出した場合には、さらに、目の開閉状態を検出させる。なお、ユーザの顔及び目の開閉状態の検出は、以後、常時行われる。
【0053】
次いで、ステップS3において、処理モジュール70は、ユーザが視聴している番組が録画済みの番組であるのかどうか判断する。より詳しくは、処理モジュール70は、ユーザが見ている番組が録画済みの番組であるのかどうか判断する。
【0054】
ユーザが視聴している番組が録画済みの番組ではない場合(ステップS3)、すなわち、ユーザが視聴している番組が放送中の番組である場合、ステップS4に移行し、ステップS4において、処理モジュール70は、上記番組の自動録画中であるのかどうか判断する。自動録画中でない場合(ステップS4)、ステップS5に移行し、ステップS5において、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報に応じて、ユーザの顔が検出されたのかどうか判断し、さらにユーザが目を開いているのかどうか判断する。すなわち、処理モジュール70は、ユーザが上記第1状態にあるのかどうか判断する。
【0055】
ユーザが目を開いている場合(ステップS5)、ステップS1に移行する。ユーザの顔が検出されなかった場合や、ユーザが目を閉じている場合(ステップS5)、ステップS6に移行し、ステップS6において、処理モジュール70は、上記番組の自動録画を開始し、テレビジョン受像機1を待機状態に設定する。このため、処理モジュール70は、上記番組をHDD101に自動録画し、自動録画開始ポイントを不揮発性メモリ68に記憶する。また、処理モジュール70は、映像表示部14を休止状態、すなわちオフ状態に設定する。ステップS6が終了した後は、ステップS4に移行する。
【0056】
自動録画中である場合(ステップS4)、図1及び図4に示すように、ステップS7に移行し、ステップS7において、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報に応じて、ユーザの顔が検出されたのかどうか判断し、さらにユーザが目を開いているのかどうか判断する。
【0057】
ユーザの顔が検出されなかった場合や、ユーザが目を閉じている場合(ステップS7)、ステップS7を繰り返す。ユーザが目を開いている場合(ステップS7)、ステップS8に移行し、ステップS8において、処理モジュール70は、自動録画時間が、設定情報管理モジュール72で管理されている第1設定時間より長いのかどうか判断する。なお、ユーザは、第1設定時間を設定可能である。
【0058】
自動録画時間が第1設定時間以下の場合(ステップS8)、ステップS9に移行し、ステップS9において、処理モジュール70は、HDD101に自動録画した番組を消去し、ステップS1に移行する。
【0059】
自動録画時間が第1設定時間より長い場合(ステップS8)、ステップS10に移行し、ステップS10において、処理モジュール70は、テレビジョン受像機1をオン状態に設定し、不揮発性メモリ68に記憶した自動録画開始ポイントから、HDD101に自動録画した番組の再生を開始する。
【0060】
ステップS10が終了した後、処理モジュール70は、ユーザが設定した時間が終了するまで上記番組のHDD101への自動録画を続け、HDD101に自動録画した番組の再生を続ける。その他、処理モジュール70は、上記番組終了するまで上記番組のHDD101への自動録画を続け、HDD101に自動録画した番組の再生を続けてもよい。そして、HDD101に自動録画した番組の再生が終了することにより、処理モジュール70の制御は終了する。
【0061】
なお、上記番組の自動録画中、自動録画した番組を早送りするなどし、自動録画された番組を見終わった場合、処理モジュール70は、上記番組のHDD101への自動録画を終了し、映像表示部14に放送中の番組を表示すればよい。これにより、処理モジュール70の制御は終了する。
【0062】
また、HDD101に自動録画した番組の再生中、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報及び設定情報管理モジュール72の設定情報に応じて処理してもよい。このため、例えば、処理モジュール70は、自動録画した番組の再生を一時停止したり、自動録画した番組の再生を停止したりすることができる。
【0063】
図3に示すように、ユーザが視聴している番組が録画した番組である場合(ステップS3)、すなわち、ユーザが視聴している番組が放送中の番組ではない場合、図1及び図5に示すように、ステップS11に移行し、ステップS11において、処理モジュール70は、レジュームポイントを不揮発性メモリ68に記憶済であるのかどうか判断する。
【0064】
レジュームポイントを記憶済でない場合(ステップS11)、ステップS12に移行し、ステップS12において、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報に応じて、ユーザの顔が検出されたのかどうか判断し、さらにユーザが目を開いているのかどうか判断する。
【0065】
ユーザが目を開いている場合(ステップS12)、ステップS1に移行する。ユーザの顔が検出されなかった場合や、ユーザが目を閉じている場合(ステップS12)、ステップS13に移行し、ステップS13において、処理モジュール70は、レジュームポイントを不揮発性メモリ68に記憶する。ステップS13が終了した後は、ステップS11に移行する。
【0066】
レジュームポイントを記憶済である場合(ステップS11)、図1及び図6に示すように、ステップS14に移行し、ステップS14において、処理モジュール70は、不揮発性メモリ68にレジュームポイントが記憶されてからの経過時間が、設定情報管理モジュール72で管理されている第2設定時間より長いのかどうか判断する。なお、ユーザは、第2設定時間を設定可能である。
【0067】
上記経過時間が第2設定時間以下の場合(ステップS14)、ステップS15に移行し、ステップS15において、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報に応じて、ユーザの顔が検出されたのかどうか判断し、さらにユーザが目を開いているのかどうか判断する。
【0068】
ユーザが目を開いている場合(ステップS15)、ステップS16に移行し、ステップS16において、処理モジュール70は、不揮発性メモリ68に記憶したレジュームポイントを消去し、ステップS1に移行する。ユーザの顔が検出されなかった場合や、ユーザが目を閉じている場合(ステップS15)、ステップS14に移行する。
【0069】
上記経過時間が第2設定時間より長い場合(ステップS14)、ステップS17に移行し、ステップS17において、処理モジュール70は、HDD101に録画済みの番組の再生を一時停止する。
【0070】
次いで、ステップS18において、処理モジュール70は、上記経過時間が、設定情報管理モジュール72で管理されている第3設定時間より長いのかどうか判断する。なお、ユーザは、第3設定時間を設定可能である。
【0071】
上記経過時間が第3設定時間以下の場合(ステップS18)、ステップS19に移行し、ステップS19において、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報に応じて、ユーザの顔が検出されたのかどうか判断し、さらにユーザが目を開いているのかどうか判断する。
【0072】
ユーザが目を開いている場合(ステップS19)、ステップS20に移行し、ステップS20において、処理モジュール70は、上記一時停止を解除し、録画済みの番組の再生を再開し、不揮発性メモリ68に記憶したレジュームポイントを消去し、ステップS1に移行する。ユーザの顔が検出されなかった場合や、ユーザが目を閉じている場合(ステップS19)、ステップS18に移行する。
【0073】
上記経過時間が第3設定時間より長い場合(ステップS18)、ステップS21に移行し、ステップS21において、処理モジュール70は、HDD101に録画済みの番組の再生を停止し、テレビジョン受像機1を待機状態に設定する。このため、処理モジュール70は、映像表示部14を休止状態、すなわちオフ状態に設定する。
【0074】
ステップS21が終了した後、処理モジュール70は、判断モジュール71が判断した結果の情報及び設定情報管理モジュール72の設定情報に応じて処理する。このため、例えば、処理モジュール70は、不揮発性メモリ68にレジュームポイントを記憶したり、録画済みの番組の再生を一時停止したり、録画済みの番組の再生を停止したり、録画済みの番組の再生を再開したりすることができる。そして、録画済みの番組の再生が終了することにより、処理モジュール70の制御は終了する。
【0075】
上記のように構成された第2の実施の形態に係るテレビジョン受像機1及び番組表示方法によれば、放送中の番組の表示中に、ユーザが第1状態から第2状態に切替わった場合、番組を自動的に録画することができる。また、番組の録画を開始した後、ユーザが第2状態から第1状態に切替わった場合、録画された番組を録画開始ポイントから自動的に再生し表示させることができる。
【0076】
上記したことから、ユーザの状態を判断することにより、放送中の番組を自動的に録画することができ、録画された上記番組を自動的に再生することができるテレビジョン受像機1及び番組表示方法を得ることができる。また、上記テレビジョン受像機1及び番組表示方法は、ユーザの行為に応じて番組を自動的に録画したり再生したりできるため、ユーザに便利である。
【0077】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0078】
例えば、上述したモジュールとは、ハードウェアで実現するものであっても良いし、CPU等を使ってソフトウェアで実現するものであってもよい。
録画開始ポイント及びレジュームポイントを記憶するメモリは、不揮発性メモリ68に限定されるものではなく、種々変形可能である。
【0079】
処理モジュール70は、録画開始ポイントをメモリに記憶しなくともよい。この場合、録画された番組をHDD等の記録媒体に記録し、ファイルで保存することができる。この場合も、処理モジュール70は、記録媒体に録画された番組を録画を開始したところから再生する際、録画された番組をファイルの先頭から再生すればよい。
その他、記録媒体に録画された番組を、録画を開始したところから再生するための手法は種々変形可能である。
【0080】
ユーザにより設定される設定情報は、設定情報管理モジュール72で管理されているが、これに限定されるものではなく、種々変形可能であり、例えば不揮発性メモリ68の一部で管理されていてもよい。
【0081】
上記第2の実施の形態のビデオカメラ84は、テレビジョン受像機1に内蔵されているが、これに限らず、テレビジョン受像機1の外部に設置するものであってもよい。
上記第2の実施の形態のテレビジョン受像機1は、動画を撮影するビデオカメラ84を有しているが、これに限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記テレビジョン受像機1は、ビデオカメラ84の替わりに静止画を撮影するカメラを有していてもよい。
番組の録画先は、HDD101に限定されるものではなく、種々変形可能であり、USB−HDD102及びLAN対応機器など、記憶媒体であればよい。
【0082】
この発明の実施の形態の放送受信装置は、上記テレビジョン受像機1に限定されるものではなく、各種のテレビジョン受像機に適用可能である。また、この発明の実施の形態の放送受信装置は、HDDレコーダ及びDVDレコーダなどの録画機器にも適用可能である。この場合、上記放送受信装置は、番組を扱う放送受信装置に限らず、番組を含む映像コンテンツを扱う放送受信装置であればよい。
【0083】
以上説明した実施の形態によれば、放送中の番組を自動的に録画することができ、録画された上記番組を自動的に再生することができる放送受信装置及び番組表示方法を得ることができる。
【符号の説明】
【0084】
1…テレビジョン受像機、14…映像表示部、17…リモートコントローラ、47,52…アンテナ、49,54…チューナ、56…アナログチューナ、51…信号処理モジュール、65…制御モジュール、68…不揮発性メモリ、69…動作設定モジュール、70…処理モジュール、71…判断モジュール、72…設定情報管理モジュール、84…ビデオカメラ、101…HDD、102…USB−HDD。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組の表示中に、ユーザが前記番組を見ることのできる第1状態及び前記番組を見ることのできない第2状態の何れの状態にあるのか判断する判断モジュールと、
前記判断モジュールが判断した結果の情報を取得し、前記判断した結果の情報に応じて処理する処理モジュールと、を備え、
前記処理モジュールは、
放送中の番組の表示中に、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第1状態から前記第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、記録媒体への前記番組の録画を開始し、
前記番組の録画を開始した後、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、前記記録媒体に録画された前記番組を前記録画を開始したところから再生し表示させることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記番組を表示する映像表示部をさらに備え、
前記処理モジュールは、前記番組の録画を開始した際、前記映像表示部を休止状態に設定することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記ユーザにより設定される設定情報を管理する設定情報管理モジュールをさらに備え、
前記処理モジュールは、前記判断した結果の情報及び設定情報に応じて処理することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記処理モジュールは、前記番組の録画を開始した後、前記記録媒体に録画された前記番組を削除することを特徴とする請求項3に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記処理モジュールは、
前記記録媒体に録画された番組の表示中に、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第1状態から前記第2状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、前記番組の再生を停止し、レジュームポイントを前記メモリに記憶することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記番組を表示する映像表示部をさらに備え、
前記処理モジュールは、前記番組の再生を停止した際、前記映像表示部を休止状態に設定することを特徴とする請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記処理モジュールは、
前記番組の再生を停止した後、前記判断モジュールから前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わったことを判断した結果の情報を取得した場合、前記メモリに記憶された前記レジュームポイントを基に前記番組の再生及び表示を再開することを特徴とする請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項8】
前記判断モジュール及び処理モジュールの動作を設定する動作設定モジュールをさらに備え、
前記動作設定モジュールは、前記設定情報管理モジュールの設定情報に基づいて、前記判断モジュール及び処理モジュールを、動作状態及び休止状態の何れかの状態に設定することを特徴とする請求項3に記載の放送受信装置。
【請求項9】
番組の表示中に、ユーザが前記番組を見ることのできる第1状態から前記番組を見ることのできない第2状態に切替わった場合、記録媒体への前記番組の録画を開始し、
前記番組の録画を開始した後、前記ユーザが前記第2状態から前記第1状態に切替わった場合、前記記録媒体に録画された前記番組を前記録画を開始したところから再生し表示させることを特徴とする番組表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−223472(P2011−223472A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92590(P2010−92590)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】