放送受信装置及び表示制御方法
【課題】マルチ画面表示中に、見逃しの発生を抑制する。
【解決手段】テレビジョン放送受信装置100は、録画再生制御部22と、表示制御部40を備える。録画再生制御部22は受信した複数の番組をHDD17に録画し、再生する。表示制御部40は複数の録画番組を並べて表示するマルチ画面表示を実行する。第1の画面と第2の画面とを表示している場合に、操作権を有する第2の画面に特殊再生を実行すると、第1の画面については一時停止する。第2の画面の再生が再開されると第1の画面についても連動して再生を再開する。
【解決手段】テレビジョン放送受信装置100は、録画再生制御部22と、表示制御部40を備える。録画再生制御部22は受信した複数の番組をHDD17に録画し、再生する。表示制御部40は複数の録画番組を並べて表示するマルチ画面表示を実行する。第1の画面と第2の画面とを表示している場合に、操作権を有する第2の画面に特殊再生を実行すると、第1の画面については一時停止する。第2の画面の再生が再開されると第1の画面についても連動して再生を再開する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放送受信装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル機器の普及と共にハードディスクレコーダ等の放送受信装置が一般化している。このような放送受信装置においては、放送波から得られた映像と、ハードディスク等に記録された記録映像とを表示することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、放送映像及び蓄積映像を表示する表示モードから、放送映像だけを表示する表示モードに切り替えた場合は蓄積映像の再生を自動的に一時停止し、放送映像だけを表示するモードから放送映像及び蓄積映像を表示する表示モードに切り替えた場合は蓄積映像の再生を自動的に再生することが開示されている。
【0004】
また、同時に放送された複数の番組を記録して、記録した複数の番組を再生する場合に、番組ごとに異なる再生速度で再生することが行われている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2には、複数の番組を切り替えて再生する場合に、1の番組については倍速で再生することで、複数の番組の再生時間を短縮できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−221934号公報
【特許文献2】特開2005−303920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ディスプレイにユーザが選択した複数の番組を表示するマルチ画面表示を行うことができる放送受信装置も登場している。このマルチ画面表示を行って複数の番組を視聴している際に、ユーザが1の画面に注目したい状況が生じ得る。例えば、1の画面に早送りや巻き戻し等を行う場合は、再生を再開する位置をユーザが決定する必要がある。このように、1の画面に注目して操作を行う場合には、マルチ画面表示における他の画面を見ることは難しく、他の画面において再生が進むことで見逃しが起こってしまう。見逃した場面を視聴するためには、画面の操作権を遷移させて巻き戻さなければならず、ユーザにとって不便であった。そこで、マルチ画面表示中に1の画面を操作する場合には、他の画面は一時停止することが望ましい。
【0008】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、マルチ画面表示中に、見逃しの発生を抑制することのできる放送受信装置及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る放送受信装置は、複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信する放送受信部と、前記放送受信部にて受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録する記録制御部と、前記記録制御部により記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べた映像信号を出力する映像処理部と、前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止する表示制御部と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る表示制御方法は、複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信し、前記受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録し、前記記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べて表示し、前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マルチ画面表示中に、見逃しの発生を抑制することのできる放送受信装置及び表示制御方法を提供することが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の外観図。
【図2】各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置が備えるリモートコントローラの外観図。
【図3】各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の機能ブロック図。
【図4】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示の一例を示す図。
【図5】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第1の図。
【図6】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第2の図。
【図7】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第3の図。
【図8】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示制御のフローチャートを示す図。
【図9】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第1の図。
【図10】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第2の図。
【図11】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第3の図。
【図12】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示制御のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図12を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る放送受信装置として、テレビジョン放送受信装置100を例に説明をする。本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100は、複数の画面を並べて表示するマルチ画面表示を行うことができる。マルチ画面表示とは、1つのメイン画面と、1つ以上のサブ画面から構成される。メイン画面とは、出力される音声に対応させた映像を出力するものであり、サブ画面とは映像のみが出力されるものである。
【0014】
図1は、各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100の外観図である。尚、各実施の形態では、本発明に係る放送受信装置としてテレビジョン放送受信装置100を例に説明するが、これに限定されることはない。即ち、放送受信装置、放送受信機能付き携帯電話、放送受信機能付きパーソナルコンピュータ、及び放送受信装置が搭載された映像記録装置等、放送受信装置を備えた機器であれば何でも良い。また、放送は空中を伝播してくる電波を受信するものに限らず、ケーブルやIP(インターネット・プロトコル)網等のネットワークを介して放送局から配信される番組を受信可能な放送でも良い。
【0015】
テレビジョン放送受信装置100は、主として薄型のキャビネット110と、これを支持する支持台120とから構成されている。キャビネット110は、後述するチューナ3等の電子装置を格納する。また、キャビネット110の正面中央部にディスプレイ130が配置され、ディスプレイ130の下部にはスピーカ140が配置されステレオ音声再生が行えるようになっている。ディスプレイ130は、例えばSED(Surface−conduction Electron−emitter Display)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等である。
【0016】
キャビネット110の正面下部には、リモートコントローラ150から無線送信された操作信号を受信するための受信部24が設けられる。また、テレビジョン放送受信装置100の側面には、電源スイッチ等の操作部23が配置されている。テレビジョン放送受信装置100は、図示しないプラグを介して外部から電力供給を受け、後述するアンテナ1を介して各種の放送波を受信して、この受信した放送波の信号をデコードすることにより映像信号、及び音声信号を出力する。ディスプレイ130はデコードされた映像信号を処理して映像を表示し、スピーカ140はデコードされた音声信号を処理して音声を出力する。
【0017】
尚、本実施の形態においては、キャビネット110内にチューナ3等の電子装置を格納するとしたが、これに限定されることはない。即ち、チューナ3等の電子装置をキャビネット110とは別の筐体に格納し、その筐体とテレビジョン放送受信装置100とを接続して、テレビジョン放送受信装置100に備えられるディスプレイ130及びスピーカ140にて映像音声を出力するとしても良い。
【0018】
次に、図2を用いてテレビジョン放送受信装置100に設けられるリモートコントローラ150の構造について説明する。
図2は、各本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100が備えるリモートコントローラ150の外観図である。
リモートコントローラ150は、電源キー150aと、放送切替キー150bと、ダイレクト選局キー150cと、音量調節キー150dと、チャンネルアップダウンキー150eと、カーソルキー150fと、決定キー150gと、青、赤、緑、黄のカラーキー150hと、特殊再生キー150iと、マルチ画面キー150jと、タイムシフトキー150k、番組表キー150lとを備え、概略構成されている。
【0019】
電源キー150aは、テレビジョン放送受信装置100の電源のオン/オフの切り替えの指示をするためのキーである。放送切替キー150bは、テレビジョン放送受信装置100にて表示する放送を地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送との間で切り替える指示をするためのキーである。ダイレクト選局キー150cは、それぞれのキーと対応するチャンネルをテレビジョン放送受信装置100にて表示する指示をするためのキーである。音量調節キー150dは、スピーカ140から出力する音量を変更する指示をするためのキーである。
【0020】
チャンネルアップダウンキー150eは、テレビジョン放送受信装置100にて表示するチャンネルをチャンネル番号順に変更する指示をするためのキーである。カーソルキー150fは、ディスプレイ130に表示される項目を選択するカーソルを移動させる指示をするためのキーである。決定キー150gは、カーソルキー150fが位置する項目を選択する指示をするためのキーである。
【0021】
カラーキー150hは、マルチ画面表示中に表示する画面数を指定する指示をするためのキーである。例えば、カラーキー150hの青キーが2画面、赤キーが4画面、緑キーが6画面、黄キーが8画面のマルチ画面を表示する指示するためのキーであるとする。特殊再生キー150iは、早送り、巻き戻し、停止、再生、次番組ステップ、前番組ステップ等の特殊再生の指示をするためのキーである。マルチ画面キー150jは、ディスプレイ130にて表示する画面をマルチ画面表示に切り替える指示をするためのキーである。
【0022】
タイムシフトキー150kは、後述する第2の録画方法により同時録画した番組を表示する過去番組表を表示させるためのキーである。過去番組表とはチャンネルごとに時間軸に沿って録画した番組を表示したものである。番組表キー150lは、EPG(Electronic Program Guide)情報に基づいて放送中の番組表を表示させるためのキーである。それぞれのキーが操作されると、指示の内容を示す操作信号が、受信部24を介して図3に示す制御部18に入力される。
【0023】
次に、図3を用いて、マルチ画面表示を行うテレビジョン放送受信装置100の機能について説明する。図3は、各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100の機能ブロック図である。
【0024】
テレビジョン放送受信装置100は、アンテナ1と、入力端子2と、チューナ3と、TS(Transport Stream)処理部11と、信号処理部12と、グラフィック処理部13と、OSD(On Screen Display)信号生成部14と、音声処理部15と、映像処理部16と、HDD(Hard Disk Drive)17と、制御部18と、操作部23と、受信部24と、第1のカードI/F(Interface)25と、第1のカードホルダ26と、第2のカードI/F28と、第2のカードホルダ29と、明るさセンサ31と、通信I/F32と、LAN端子33と、USB I/F34と、USB端子35と、i.LINK I/F36と、i.LINK端子37と、HDMI I/F38と、HDMI端子39とを備える。
【0025】
また、制御部18は、ROM(Read Only Memory)19と、RAM(Random Access Memory)20と、不揮発性メモリ21を備え、表示制御部40を有している。
【0026】
アンテナ1は、放送形式として地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送等を受信することができるように構成されたアンテナである。
入力端子2は、アンテナ1から受信した放送信号を複数のチューナ3に入力する。
チューナ3は、制御部18からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号を復調(地上デジタル放送の場合にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の場合にはPSK(Phase Shift Keying)復調)し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得てTS処理部11に入力する。
【0027】
チューナ3は、地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の3種類の中から放送信号の選局を行い、この選局されたチャンネルの放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得てTS処理部11に入力する。チューナ3は、視聴を行うチャンネルが地上デジタル放送の場合にはOFDM復調、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の場合にはPSK復調を行う。
【0028】
チューナ3は、視聴を行うチャンネルを受信するチューナ3Aと、録画を行うと設定されたチャンネルを受信する複数のチューナ3B及び3Cから構成されている。本明細書においては、チューナ3Aを視聴用、チューナ3B及び3Cを録画用とする。チューナ3Bと3Cのそれぞれで選局した放送信号を用いた録画方法の違いについては後述する。
【0029】
TS処理部11は、メイン画面を含めた視聴を行う場合、選局されたチャンネルのTS(Transport Stream)が各チューナ3A、3B、3Cから入力され、これら複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部12に出力する。
【0030】
また、TS処理部11は、録画を行う場合、チューナ3B又は3Cで選局された複数のTSが各チューナ3B又は3Cから入力され、これら複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部12に出力する。
【0031】
信号処理部12は、TS処理部11から出力された複数のチャンネルが多重されたTSに、適切なデジタル信号処理を施す。デジタル放送信号は、データ信号、映像信号及び音声信号に分離される。この分離されたデータ信号及び映像信号はグラフィック処理部13に、音声信号は音声処理部15に、データ信号はOSD信号生成部14若しくは制御部18に、それぞれ出力される。また、録画するためにTS処理部11によって再多重されたTSは、録画再生制御部22に出力される。
【0032】
グラフィック処理部13は、信号処理部12から出力されるデジタルのデータ信号及び映像信号のデコード処理を行う。デコードされたデータ信号及び映像信号は、OSD信号生成部14から出力されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部16に出力される。グラフィック処理部13は、デコードされたデータ信号、映像信号又はOSD信号を、映像処理部16に選択的に出力することもできる。
【0033】
OSD信号生成部14は、制御部18の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また上述の信号処理部12において、デジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部14により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部13に出力される。
【0034】
音声処理部15は、入力された音声信号を、スピーカ140で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログに変換された音声信号は、スピーカ140に出力されて再生される。
【0035】
映像処理部16は、グラフィック処理部13から出力された信号を、ディスプレイ130で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログに変換された映像信号は、ディスプレイ130に出力される。本実施の形態において、映像処理部16は、マルチ画面表示が指示された場合、出力先の画面の座標情報を読み出し、表示制御部40によって決定されるサブ画面の数に応じてメイン画面及びサブ画面の画面サイズ及び位置を決定し、映像信号の処理を実行する。
【0036】
HDD17は、音声処理部15及び映像処理部16で変換された音声信号及び映像信号やEPG(番組表情報)を記憶する。
制御部18は、テレビジョン放送受信装置100の装置各部の動作を制御する。制御部18は、ROM19と、RAM20と、不揮発性メモリ21と、録画再生制御部22と、表示制御部40と、CPU(Central Processing Unit)とを備える。
【0037】
制御部18は、操作部23から入力される操作信号や、リモートコントローラ150から送信され受信部24を介して受信される操作信号に応じて、ROM19に予め記憶されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部18は、起動したプログラムに従って、RAM20をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。
【0038】
また、制御部18は、本発明に係る機能部として、表示制御部40を備えている。即ち、表示制御部40は、本願に係る表示制御部に該当する。制御部18は、この表示制御部40により、後述するマルチ画面表示に関する制御を行う。
【0039】
ROM19は、CPUが実行するシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを格納するメモリである。
RAM20は、CPUが各種プログラムを展開するための、いわゆるワーキングメモリである。
不揮発性メモリ21は、各部の動作制御に必要な各種の設定情報及び制御情報等を格納する。本実施の形態において、設定情報とは例えば初期スキャンにより設定されるテレビジョン放送受信装置100にて受信可能なチャンネル情報や、チューナ3B又は3Cのそれぞれにて受信し録画を行うと設定されているチャンネル情報等がある。
【0040】
録画再生制御部22は、テレビジョン放送受信装置100の録画及び録画した番組を再生する機能の制御を行う。即ち、録画再生制御部22は、TS処理部11から出力された複数チャンネルが多重されているTSをチャンネルごとのTSに戻し、HDD17に記録する。
【0041】
また、録画再生制御部22は、録画したデータの再生する制御を実行し、HDD17に格納したチャンネルごとのTSを読み出して再生させた後、映像表示部130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。LAN対応HDD専用ポートとしてのLAN端子33を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD17に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行うことが可能となる。
【0042】
本実施の形態において、テレビジョン放送受信装置100は、2種類の録画方法を備えている。ここで第1の録画方法は、録画対象とする番組を個々に指定する若しくは任意の時間に録画の開始終了を指定する録画方法のことをいう。即ち、第1の録画方法においては、指定した番組を放送している1つの放送波を受信し、HDD17に記録する。この方法は、従来の個々に録画する番組を指定するHDDレコーダ等と同じ録画方法である。第1の録画方法に用いる放送波を受信するチューナを、チューナ3Bとする。
【0043】
第2の録画方法は、個々の番組を指定するのではなく、チャンネル、時間、曜日等の条件を指定し、条件を満たす全ての番組を録画するものである。即ち、条件に該当する複数の放送波を受信し、これらを並行してチャンネルごとにHDD17に記録する。第2の録画方法に用いる放送波を受信するチューナを、チューナ3Cとする。
【0044】
表示制御部40は、複数のチューナによって選局されるチャンネルを同時に表示するマルチ画面表示を実行する。また、表示制御部40は、マルチ画面表示した各画面について特殊再生等を実行する等の再生制御を行う。
【0045】
表示制御部40は、現在放送中の番組と録画番組を並べて表示するマルチ画面表示と、録画番組を並べて表示するマルチ画面表示とを行う。録画番組を並べて表示するマルチ画面表示には、2つの実施の形態がある。第1のマルチ画面表示は、第1の録画方法で録画した録画番組を並べてマルチ画面表示する。第2のマルチ画面表示は、第2の録画方法で録画したチャンネルを並べてマルチ画面表示する。2つのマルチ画面表示の実施の形態については後述する。
【0046】
操作部23は、ユーザによる操作に応じた操作信号を受け付け、制御部18に入力する。操作部23は、例えばテレビジョン放送受信装置100のキャビネット110に備えられる。
【0047】
受信部24は、ユーザによるリモートコントローラ150の操作に応じた操作信号を受け付け、制御部18に入力する。
第1のカードホルダ26は、第1のカードI/F25を介して制御部18に接続されている。第1のカード27は、この第1のカードI/F25に装着可能である。第1のカード27は、例えばSD(Secure Digital)メモリーカード、MMC(Multimedia Card)等の記憶媒体である。第1のカードホルダ26に装着された第1のカード27、及び制御部18は、第1のカードI/F25を介して情報の伝達を行うことができる。制御部18は、第1のカード27に、画像や音楽、放送番組等のデータを格納することができる。また制御部18は、第1のカード27に格納された画像や音楽、放送番組等のデータを読み出して、ディスプレイ130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。
【0048】
第2のカードホルダ29は、第2のカードI/F28を介して制御部18に接続されている。第2のカード30は、この第2のカードI/F28に装着可能である。第2のカード30は、例えば放送受信契約の契約情報等を記憶する記憶媒体である。第2のカードホルダ29に装着された第2のカード30、及び制御部18は、第1のカードI/F25を介して情報の伝達を行うことができる。
【0049】
明るさセンサ31は、キャビネット110外の明るさを検出し、この検出結果を制御部18に入力する。制御部18は、入力された明るさに関する検出結果に基づいて、ディスプレイ130の輝度を制御する。
【0050】
LAN(Local Area Network)端子33は、通信I/F32を介して制御部18に接続されている。LAN端子33は、イーサネット(登録商標)を用いたLAN対応HDD専用ポートとして使用される。LAN端子33にLAN対応のHDDがNAS(Network Attached Storage)として接続された場合、HDD17及び制御部18は、通信I/F32を介して、情報の伝達を行うことができる。この場合、制御部18は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとして機能し、LAN端子33に接続された当該LAN対応のHDDにIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0051】
通信I/F32を介して制御部18に接続されるHDD、PC、DVDレコーダ等の機器には、ハードディスクやDVD(光ディスク)等の記憶媒体を装着することが可能である。制御部18は、当該記憶媒体に、ハブ及び当該ハブに接続される機器を介して画像や音楽、放送番組等のデータを格納することができる。また制御部18は、当該記憶媒体に格納された画像や音楽、放送番組等のデータを読み出して、ディスプレイ130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。
【0052】
USB(Universal Serial Bus)端子35は、USB I/F34を介して制御部18に接続されている。USB端子35は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子35には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリーカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部18は、USB端子35及びUSB I/F34を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0053】
i.LINK端子37は、i.LINK I/F36を介して制御部18に接続されている。i.LINK端子37には、例えばAV−HDD、D(Digital)−VHS(Video Home System)等がシリアル接続される。制御部18は、i.LINK端子37及びi.LINK I/F36を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0054】
HDMI端子39は、HDMI I/F38を介して制御部18に接続されている。HDMI端子39には、例えばパーソナルコンピュータや液晶ディスプレイやAVアンプ等に接続される。制御部18は、HDMI端子39及びHDMI I/F38を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0055】
次に、マルチ画面キー150jによって指示される第1のマルチ画面表示について図4〜7を用いて説明する。
図4は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示200の一例を示す図である。マルチ画面表示200は、スピーカ140から出力される音声に対応させた映像を出力する1つのメイン画面と、映像のみが出力される1つ以上のサブ画面から構成される。本明細書においては、2画面表示を例に説明する。
【0056】
マルチ画面表示200には、音声出力マーク201と、操作権マーク202と、第1の番組詳細ウィンドウ203と、第2の番組詳細ウィンドウ204と、第1の画面205と、第2の画面206と、第1の再生動作ウィンドウ207と、第1の画面の再生動作208と、第2の再生動作ウィンドウ209と、第2の画面の再生動作210とを表示する。
【0057】
音声出力マーク201は、スピーカ140から画面で表示している映像に対応する音声を出力していることを示す。即ち、音声出力マーク201は、メイン画面側に表示される。
【0058】
操作権マーク202は、ユーザにより操作可能であることを示す。即ち、操作権マーク202が表示されている側の画面について、特殊再生操作を実行可能である。
第1の番組詳細ウィンドウ203及び第2の番組詳細ウィンドウ204は、それぞれ第1の画面205と第2の画面206の番組情報を示す。例えば番組情報とは、記録先、番組タイトル、チャンネル情報である。
【0059】
第1の画面205及び第2の画面206は、マルチ画面表示すると選択された映像を表示する画面である。第1の画面205及び第2の画面206の選択は例えば、第1の録画方法で録画された番組をリスト表示した録画リスト中から選択する。録画リストは、全画面表示しても良いし、第1の画面205や第2の画面206の枠内に重ねて表示するとしても良い。
【0060】
第1の再生動作ウィンドウ207と第2の再生動作ウィンドウ209は、それぞれ第1の画面205と第2の画面206それぞれの再生位置情報及び再生動作マークを示す。再生位置情報としては、選択された番組について時刻を目盛とした棒状の領域で録画時間を示したスライダバーと、このスライダバー上に現在視聴している映像信号の録画時刻に対応する位置を示すポインタが示される。また、このスライダバーの両端には、現在視聴している映像信号の録画時刻を示す表示と、視聴している番組の全録画時間が表示される。
【0061】
また、第1の再生動作ウィンドウ207と第2の再生動作ウィンドウ209には、それぞれ第1の画面の再生動作208と第2の画面の再生動作210が表示され、再生動作の状態をマークで示す。動作状態とは例えば、早送り、巻き戻し、停止、再生、追っかけ再生、次番組スキップ、前番組スキップ等の再生動作状態である。テレビジョン放送受信装置100の動作は、リモートコントローラ150の特殊再生キー150iを押下することで指示される。図4においては、第1の画面205及び第2の画面206共に再生中であることを表示している。
【0062】
次に、図4に示すマルチ画面表示200において操作権の切替が指示された場合の表示制御について説明する。
図5は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第1の図である。
図5の上段は操作権が第1の画面205にある状態を示す図で、図5下段は操作権を第1の画面205から第2の画面206に切替後の状態を示す図である。操作権の切替は、カーソルキー150fの左右を押下することで行う。
【0063】
図5に示すように、操作権の切替を実行すると、操作権マーク202及び音声出力マーク201の表示が遷移する。また図5下段に示すように、操作権切替を実行後は、操作権が無い方の画面(第1の画面205)を一時停止する。
【0064】
操作権切替を行う場合としては、操作権の切替先の画面(第2の画面206)を注視して、特殊再生等を開始することが予想される。従って、操作権の無い画面(第1の画面205)の再生を一時停止し、ユーザが第2の画面206に注目している間に第1の画面205の再生が進むことを抑制する。即ち、操作権の無い画面における見逃しの発生を抑制することができる。
【0065】
次に、図5に示した操作権切替後の表示制御について説明する。
図6は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第2の図である。
図6上段は、図5下段に示したように、操作権切替に伴い操作権の無い方の画面を一時停止した状態を示す。図6下段は、図6上段に示した状態から、所定時間無操作状態が経過した状態を示す。図6下段に示すように、操作権切替後に所定時間無操作であった場合には、一時停止していた第1の画面205の再生を再開する。即ち、操作権を切替後に、ユーザによって何らコマンド入力がされない場合には操作権を有する第2の画面206について特殊再生等を行わず通常の視聴を再開したとみなし、操作権の無い第1の画面205についても再生を再開する。このように操作権の無い画面の一時停止についてタイムアウト機能を設けることで、ユーザが操作権を遷移させて再生指示する手間を省くことができる。
【0066】
次に、図7を用いて、操作権を有する画面について特殊再生を行う場合の表示制御について説明する。
図7は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第3の図である。
図7上段は、図5下段に示した状態から、操作権の有る画面について特殊再生を実行している状態を示す。図7上段の例においては、第2の画面の再生動作210に示すように早送りを実行している。図7下段は、図7上段に示した状態から、第2の画面206について通常の再生が指示された状態を示す。第2の画面206の再生が再開されると共に、一時停止していた第1の画面205も第2の画面206に連動して再生を再開する。即ち、第2の画面206の再生を再開すると、ユーザが視聴を開始すると見なし、一時停止していた第1の画面205の再生も再開する。従って、操作権の無い画面である第1の画面205に操作権を遷移させ、再生を指示する手間なく自動的に再生が再開される。
【0067】
次に、第1のマルチ画面表示における表示制御の手順を説明する。
図8は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示制御200のフローチャートを示す図である。
まず、表示制御部40は、リモートコントローラ150からの入力コマンドが操作権切替を示すか否かを判別する(ステップS11)。ステップS11で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示すと判別した場合(ステップS11のYes)、次に表示制御部40は、操作権切替を実行し、操作権無しの画面を一時停止する(ステップS12)。
【0068】
次に、表示制御部40は、操作権有りの画面において、無操作状態で所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS13)。ステップS13で判別した結果、無操作状態で所定時間が経過していないと判別した場合(ステップS13のNo)、ステップS11に戻る。一方、ステップS13で判別した結果、無操作状態で所定時間が経過したと判別した場合(ステップS13のYes)、表示制御部40は操作権無しの画面の一時停止を解除する(ステップS14)。
【0069】
一方、ステップS11で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示さないと判別した場合(ステップS11のNo)、表示制御部40は、入力コマンドは特殊再生を示すか否かを判別する(ステップS15)。ステップS15で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示すと判別した場合(ステップS15のYes)、表示制御部40は、操作権有りの画面に特殊再生を実行し、操作権無しの画面は一時停止する(ステップS16)。
【0070】
次に、表示制御部40は操作権有りの画面において再生が再開されたか否かを判別する(ステップS17)。ステップS17で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されていないと判別した場合(ステップS17のNo)、ステップS17に戻る。一方、ステップS17で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されたと判別した場合(ステップS17のYes)、ステップS14に進む。
【0071】
一方、ステップS15で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示さないと判別した場合(ステップS15のNo)、表示制御部40は入力コマンドが一時停止を示すか否かを判別する(ステップS18)。ステップS18で判別した結果、入力コマンドが一時停止を示すと判別した場合(ステップS18のYes)、操作権有りの画面を一時停止し、操作権無しの画面の再生は継続する(ステップS19)。一方、ステップS18で判別した結果、入力コマンドは一時停止を示さないと判別した結果(ステップS18のNo)、入力コマンドを実行する(ステップS20)。例えば、再生を終了することを示すコマンドがある。以上で、表示制御部40が実行する表示制御手順を終了する。
【0072】
以上のように構成される第1の実施の形態によれば、マルチ画面表示中にユーザが1の画面に注目する際に、他の画面についての再生を一時停止することが出来る。ユーザが1の画面に注目する場合とは、1の画面について特殊再生を指示する際や、マルチ画面間で操作権を移す場合等がある。1の画面に注目する場合には、他の画面を見ていない状態で再生が進んでしまい見逃してしまう場面が発生してしまう。また、他の画面において見逃した場面を視聴するためには、操作権を遷移させて巻き戻すという手間がかかる。
【0073】
第1の実施の形態によれば、ユーザが1の画面に注目することが考えられる状況において、注目していない画面の再生を自動的に一時停止するため、見逃し場面の発生を抑制することができる。更に、ユーザが注目している画面が特殊再生等された後に再生が再開されると、ユーザが視聴を再開するとみなし他の画面も連動して再生を再開する。よって、一時停止していた画面について再生指示をすることなく、マルチ画面による視聴が再開される。
【0074】
次に、図9〜12を用いて第2の実施の形態について説明する、
図9は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第1の図である。第2のマルチ画面表示200は、第2の録画方法で録画したチャンネルを並べて表示する。
【0075】
第1の画面205及び第2の画面206の選択は例えば、第2の録画方法で録画された番組を過去番組表の中から選択する。過去番組表は、全画面表示しても良いし、第1の画面205や第2の画面206の枠内に重ねて表示するとしても良い。
【0076】
図9中段は、第2のマルチ画面表示において第1の画面205及び第2の画面206の両画面を再生している状態を示す。第2の実施の形態においては、第1の番組詳細ウィンドウ203及び第2の番組詳細ウィンドウ204に録画時刻を横軸にしたスライダバーを表示し、このスライダバー上に現在視聴している映像信号の録画時刻に対応する位置を示すポインタと再生位置の録画時刻を示す。第2のマルチ画面表示200においては、録画時刻を表示することで過去のある時点に遡ったような状況で録画番組を再生する。
【0077】
第2のマルチ画面表示200においては、表示制御について2つのモードを選択することができる。第1のモードは図9上段に示すように、第1の画面205に特殊再生を指示した場合、第2の画面206を一時停止する。一方、第2のモードは図9下段に示すように、第1の画面205に特殊再生を指示した場合、第2の画面206を連動して特殊再生する。
【0078】
まず、第2のマルチ画面表示における第1のモードについて図10を用いて説明する。
図10は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第2の図である。
図10上段に示すように、第1のモードでは、第1の画面205を特殊再生している間は、第2の画面206を一時停止する。操作権の有る第1の画面205に対して再生再開の指示がされた場合、第2の画面206も再生を再開させる。即ち、第1のモードにおいては、第1の画面205の特殊再生中は第2の画面206の再生が停止するので番組を見逃すことが無い。
【0079】
図10下段に示すように、操作権の有る第1の画面205に対して再生再開が指示されると、一時停止していた第2の画面206も連動して再生を再開する。即ち、操作権の無い第2の画面206は、操作権のある第1の画面205の再生再開をトリガにして再生を再開するため、第2の画面206に対して再生指示をする手間がかからない。
【0080】
次に、第2のマルチ画面表示における第2のモードについて図11を用いて説明する。
図11は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第3の図である。
図11上段に示すように、第2のモードでは、第1の画面205を特殊再生している間は、連動して第2の画面206についても第1の画面205と同様の特殊再生を実行する。図11下段に示すように、操作権の有る第1の画面205に対して再生再開が指示されると、第2の画面206も連動して再生を再開する。即ち、第2のモードでは、第1の画面205を特殊再生すると第2の画面206も連動して同様の特殊再生が実行されるため、マルチ画面表示200される複数のチャンネル間で再生している録画時刻がずれることが無い。従って、第2のモードによれば、マルチ画面表示200において1の画面に対して特殊再生を行った場合にも、他の画面についても同様に特殊再生を行うため、特殊再生した後に再生を再開した場合にも、過去のある時点に遡ったようなマルチ画面表示を継続することが出来る。
【0081】
第2の実施の形態における2つのモードは、例えば「タイムマシンモードを優先するか」というメッセージをディスプレイ130に表示し、このUI上でユーザにより選択可能とする。タイムマシンモードとは、過去に遡ってリアルタイムで放送を視聴しているように、録画時刻に沿って録画番組を再生するモードである。即ち、「タイムマシンモードを優先する」とは、即ち第2のマルチ画面表示における第2のモードを選択することである。
【0082】
次に、図12を用いて、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200の表示制御手順を説明する。
図12は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示制御のフローチャートを示す図である。
まず、表示制御部40は、第2のモードが選択されているか否かを判別する(ステップS21)。ステップS21で判別した結果、第2のモードが選択されていないと判別した場合(ステップS21のNo)、図1のステップS11に進む。一方、ステップS21で判別した結果、第2のモードが選択されていると判別した場合(ステップS21のYes)、表示制御部40は入力コマンドが操作権切替を示すか否かを判別する(ステップS22)。
【0083】
ステップS22で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示すと判別した場合(ステップS22のYes)、次に表示制御部40は、操作権切替を実行し、両画面の再生を継続する(ステップS23)。
【0084】
一方、ステップS22で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示さないと判別した場合(ステップS22のNo)、表示制御部40は、入力コマンドは特殊再生を示すか否かを判別する(ステップS24)。ステップS24で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示すと判別した場合(ステップS24のYes)、表示制御部40は、両画面に特殊再生を実行する(ステップS25)。
【0085】
次に、表示制御部40は操作権有りの画面において再生が再開されたか否かを判別する(ステップS26)。ステップS26で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されていないと判別した場合(ステップS26のNo)、ステップS26に戻る。一方、ステップS26で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されたと判別した場合(ステップS26のYes)、両画面を再生再開する(ステップS27)。
【0086】
一方、ステップS24で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示さないと判別した場合(ステップS24のNo)、表示制御部40は入力コマンドが一時停止を示すか否かを判別する(ステップS28)。ステップS28で判別した結果、入力コマンドが一時停止を示すと判別した場合(ステップS28のYes)、両画面を一時停止する(ステップS29)。一方、ステップS28で判別した結果、入力コマンドは一時停止を示さないと判別した結果(ステップS28のNo)、入力コマンドを実行する(ステップS30)。例えば、再生を終了することを示すコマンドがある。以上で、表示制御部40が実行する表示制御手順を終了する。
【0087】
以上のように構成される第2の実施の形態によれば、同一時刻に放送された複数のチャンネルを録画したもののマルチ画面表示中にユーザが1の画面に注目する場合に、他の画面を一時停止する第1のモードと、他の画面をユーザが操作している画面と連動させる第2のモードとを選択することができる。他の画面を一時停止する第1のモードにおいては、第1の実施の形態と同様にユーザが1の画面に注目して特殊再生等を実行する場合に、他の画面の再生が進まないように一時停止をすることで見逃し場面の発生を抑制することができる。また、ユーザが注目している画面の再生再開に伴って、一時停止していた他の画面についても再生を再開することで、他の画面に操作権を遷移させて再生を指示することなく、マルチ画面表示による視聴を再開することができる。
【0088】
一方、他の画面をユーザが操作している画面と連動させる第2のモードにおいては、1の画面について特殊再生を行った場合にも、複数のチャンネルの録画時刻がずれずにマルチ画面表示における視聴が実現する。即ち、1の画面について特殊再生を実行した後にも、同時刻に録画した他のチャンネルの番組をマルチ画面表示にて視聴することが可能である。従って、特殊再生を実行しても、過去のある時点に遡ったようなマルチ画面表示を継続することができる。
【0089】
以上の説明においては、録画番組をマルチ画面表示するときの表示制御の説明をしたが、現在放送している番組を含めてマルチ画面表示する場合も同様である。即ち、放送中の番組画面に操作権があり、チャンネル変更等の入力コマンドがあった場合、操作権の無い画面の再生を一時停止する。
【0090】
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0091】
1…アンテナ、2…入力端子、3…チューナ、11…TS処理部、12…信号処理部、13…グラフィック処理部、14…OSD信号生成部、15…音声処理部、16…映像処理部、17…HDD、18…制御部、19…ROM、20…RAM、21…不揮発性メモリ、22…録画再生制御部、23…操作部、24…受信部、25…第1のカードI/F、26…第1のカードホルダ、27…第1のカード、28…第2のカードI/F、29…第2のカードホルダ、30…第2のカード、31…明るさセンサ、32…通信I/F、33…LAN端子、34…USB…I/F、35…USB端子、36…i.LINK…I/F、37…i.LINK端子、38…HDMI…I/F、39…HDMI端子、40…録画再生制御部、100…テレビジョン放送受信装置、110…キャビネット、120…支持台、130…映像表示部、140…スピーカ、150…リモートコントローラ、150a…電源キー、150b…放送切替キー、150c…ダイレクト選局キー、150d…音量調節キー、150e…チャンネルアップダウンキー、150f…フォーカスキー、150g…決定キー、150h…カラーキー、150i…特殊再生キー、150j…録画リストキー、150k…番組表キー、200…マルチ画面表示、201…音声出力マーク、202…操作権マーク、203…第1の番組詳細ウィンドウ、204…第2の番組詳細ウィンドウ、205…第1の画面、206…第2の画面、207…第1の再生動作ウィンドウ、208…第1の画面の再生動作、209…第2の再生動作ウィンドウ、210…第2の画面の再生動作。
【技術分野】
【0001】
本発明は放送受信装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル機器の普及と共にハードディスクレコーダ等の放送受信装置が一般化している。このような放送受信装置においては、放送波から得られた映像と、ハードディスク等に記録された記録映像とを表示することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、放送映像及び蓄積映像を表示する表示モードから、放送映像だけを表示する表示モードに切り替えた場合は蓄積映像の再生を自動的に一時停止し、放送映像だけを表示するモードから放送映像及び蓄積映像を表示する表示モードに切り替えた場合は蓄積映像の再生を自動的に再生することが開示されている。
【0004】
また、同時に放送された複数の番組を記録して、記録した複数の番組を再生する場合に、番組ごとに異なる再生速度で再生することが行われている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2には、複数の番組を切り替えて再生する場合に、1の番組については倍速で再生することで、複数の番組の再生時間を短縮できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−221934号公報
【特許文献2】特開2005−303920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ディスプレイにユーザが選択した複数の番組を表示するマルチ画面表示を行うことができる放送受信装置も登場している。このマルチ画面表示を行って複数の番組を視聴している際に、ユーザが1の画面に注目したい状況が生じ得る。例えば、1の画面に早送りや巻き戻し等を行う場合は、再生を再開する位置をユーザが決定する必要がある。このように、1の画面に注目して操作を行う場合には、マルチ画面表示における他の画面を見ることは難しく、他の画面において再生が進むことで見逃しが起こってしまう。見逃した場面を視聴するためには、画面の操作権を遷移させて巻き戻さなければならず、ユーザにとって不便であった。そこで、マルチ画面表示中に1の画面を操作する場合には、他の画面は一時停止することが望ましい。
【0008】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、マルチ画面表示中に、見逃しの発生を抑制することのできる放送受信装置及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る放送受信装置は、複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信する放送受信部と、前記放送受信部にて受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録する記録制御部と、前記記録制御部により記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べた映像信号を出力する映像処理部と、前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止する表示制御部と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る表示制御方法は、複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信し、前記受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録し、前記記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べて表示し、前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マルチ画面表示中に、見逃しの発生を抑制することのできる放送受信装置及び表示制御方法を提供することが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の外観図。
【図2】各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置が備えるリモートコントローラの外観図。
【図3】各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置の機能ブロック図。
【図4】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示の一例を示す図。
【図5】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第1の図。
【図6】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第2の図。
【図7】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第3の図。
【図8】第1の実施の形態におけるマルチ画面表示制御のフローチャートを示す図。
【図9】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第1の図。
【図10】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第2の図。
【図11】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第3の図。
【図12】第2の実施の形態におけるマルチ画面表示制御のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図12を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る放送受信装置として、テレビジョン放送受信装置100を例に説明をする。本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100は、複数の画面を並べて表示するマルチ画面表示を行うことができる。マルチ画面表示とは、1つのメイン画面と、1つ以上のサブ画面から構成される。メイン画面とは、出力される音声に対応させた映像を出力するものであり、サブ画面とは映像のみが出力されるものである。
【0014】
図1は、各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100の外観図である。尚、各実施の形態では、本発明に係る放送受信装置としてテレビジョン放送受信装置100を例に説明するが、これに限定されることはない。即ち、放送受信装置、放送受信機能付き携帯電話、放送受信機能付きパーソナルコンピュータ、及び放送受信装置が搭載された映像記録装置等、放送受信装置を備えた機器であれば何でも良い。また、放送は空中を伝播してくる電波を受信するものに限らず、ケーブルやIP(インターネット・プロトコル)網等のネットワークを介して放送局から配信される番組を受信可能な放送でも良い。
【0015】
テレビジョン放送受信装置100は、主として薄型のキャビネット110と、これを支持する支持台120とから構成されている。キャビネット110は、後述するチューナ3等の電子装置を格納する。また、キャビネット110の正面中央部にディスプレイ130が配置され、ディスプレイ130の下部にはスピーカ140が配置されステレオ音声再生が行えるようになっている。ディスプレイ130は、例えばSED(Surface−conduction Electron−emitter Display)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等である。
【0016】
キャビネット110の正面下部には、リモートコントローラ150から無線送信された操作信号を受信するための受信部24が設けられる。また、テレビジョン放送受信装置100の側面には、電源スイッチ等の操作部23が配置されている。テレビジョン放送受信装置100は、図示しないプラグを介して外部から電力供給を受け、後述するアンテナ1を介して各種の放送波を受信して、この受信した放送波の信号をデコードすることにより映像信号、及び音声信号を出力する。ディスプレイ130はデコードされた映像信号を処理して映像を表示し、スピーカ140はデコードされた音声信号を処理して音声を出力する。
【0017】
尚、本実施の形態においては、キャビネット110内にチューナ3等の電子装置を格納するとしたが、これに限定されることはない。即ち、チューナ3等の電子装置をキャビネット110とは別の筐体に格納し、その筐体とテレビジョン放送受信装置100とを接続して、テレビジョン放送受信装置100に備えられるディスプレイ130及びスピーカ140にて映像音声を出力するとしても良い。
【0018】
次に、図2を用いてテレビジョン放送受信装置100に設けられるリモートコントローラ150の構造について説明する。
図2は、各本実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100が備えるリモートコントローラ150の外観図である。
リモートコントローラ150は、電源キー150aと、放送切替キー150bと、ダイレクト選局キー150cと、音量調節キー150dと、チャンネルアップダウンキー150eと、カーソルキー150fと、決定キー150gと、青、赤、緑、黄のカラーキー150hと、特殊再生キー150iと、マルチ画面キー150jと、タイムシフトキー150k、番組表キー150lとを備え、概略構成されている。
【0019】
電源キー150aは、テレビジョン放送受信装置100の電源のオン/オフの切り替えの指示をするためのキーである。放送切替キー150bは、テレビジョン放送受信装置100にて表示する放送を地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送との間で切り替える指示をするためのキーである。ダイレクト選局キー150cは、それぞれのキーと対応するチャンネルをテレビジョン放送受信装置100にて表示する指示をするためのキーである。音量調節キー150dは、スピーカ140から出力する音量を変更する指示をするためのキーである。
【0020】
チャンネルアップダウンキー150eは、テレビジョン放送受信装置100にて表示するチャンネルをチャンネル番号順に変更する指示をするためのキーである。カーソルキー150fは、ディスプレイ130に表示される項目を選択するカーソルを移動させる指示をするためのキーである。決定キー150gは、カーソルキー150fが位置する項目を選択する指示をするためのキーである。
【0021】
カラーキー150hは、マルチ画面表示中に表示する画面数を指定する指示をするためのキーである。例えば、カラーキー150hの青キーが2画面、赤キーが4画面、緑キーが6画面、黄キーが8画面のマルチ画面を表示する指示するためのキーであるとする。特殊再生キー150iは、早送り、巻き戻し、停止、再生、次番組ステップ、前番組ステップ等の特殊再生の指示をするためのキーである。マルチ画面キー150jは、ディスプレイ130にて表示する画面をマルチ画面表示に切り替える指示をするためのキーである。
【0022】
タイムシフトキー150kは、後述する第2の録画方法により同時録画した番組を表示する過去番組表を表示させるためのキーである。過去番組表とはチャンネルごとに時間軸に沿って録画した番組を表示したものである。番組表キー150lは、EPG(Electronic Program Guide)情報に基づいて放送中の番組表を表示させるためのキーである。それぞれのキーが操作されると、指示の内容を示す操作信号が、受信部24を介して図3に示す制御部18に入力される。
【0023】
次に、図3を用いて、マルチ画面表示を行うテレビジョン放送受信装置100の機能について説明する。図3は、各実施の形態におけるテレビジョン放送受信装置100の機能ブロック図である。
【0024】
テレビジョン放送受信装置100は、アンテナ1と、入力端子2と、チューナ3と、TS(Transport Stream)処理部11と、信号処理部12と、グラフィック処理部13と、OSD(On Screen Display)信号生成部14と、音声処理部15と、映像処理部16と、HDD(Hard Disk Drive)17と、制御部18と、操作部23と、受信部24と、第1のカードI/F(Interface)25と、第1のカードホルダ26と、第2のカードI/F28と、第2のカードホルダ29と、明るさセンサ31と、通信I/F32と、LAN端子33と、USB I/F34と、USB端子35と、i.LINK I/F36と、i.LINK端子37と、HDMI I/F38と、HDMI端子39とを備える。
【0025】
また、制御部18は、ROM(Read Only Memory)19と、RAM(Random Access Memory)20と、不揮発性メモリ21を備え、表示制御部40を有している。
【0026】
アンテナ1は、放送形式として地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送等を受信することができるように構成されたアンテナである。
入力端子2は、アンテナ1から受信した放送信号を複数のチューナ3に入力する。
チューナ3は、制御部18からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号を復調(地上デジタル放送の場合にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の場合にはPSK(Phase Shift Keying)復調)し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得てTS処理部11に入力する。
【0027】
チューナ3は、地上波デジタル放送、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の3種類の中から放送信号の選局を行い、この選局されたチャンネルの放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得てTS処理部11に入力する。チューナ3は、視聴を行うチャンネルが地上デジタル放送の場合にはOFDM復調、BSデジタル放送及びCSデジタル放送の場合にはPSK復調を行う。
【0028】
チューナ3は、視聴を行うチャンネルを受信するチューナ3Aと、録画を行うと設定されたチャンネルを受信する複数のチューナ3B及び3Cから構成されている。本明細書においては、チューナ3Aを視聴用、チューナ3B及び3Cを録画用とする。チューナ3Bと3Cのそれぞれで選局した放送信号を用いた録画方法の違いについては後述する。
【0029】
TS処理部11は、メイン画面を含めた視聴を行う場合、選局されたチャンネルのTS(Transport Stream)が各チューナ3A、3B、3Cから入力され、これら複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部12に出力する。
【0030】
また、TS処理部11は、録画を行う場合、チューナ3B又は3Cで選局された複数のTSが各チューナ3B又は3Cから入力され、これら複数のTSを1つのTSに再多重して、信号処理部12に出力する。
【0031】
信号処理部12は、TS処理部11から出力された複数のチャンネルが多重されたTSに、適切なデジタル信号処理を施す。デジタル放送信号は、データ信号、映像信号及び音声信号に分離される。この分離されたデータ信号及び映像信号はグラフィック処理部13に、音声信号は音声処理部15に、データ信号はOSD信号生成部14若しくは制御部18に、それぞれ出力される。また、録画するためにTS処理部11によって再多重されたTSは、録画再生制御部22に出力される。
【0032】
グラフィック処理部13は、信号処理部12から出力されるデジタルのデータ信号及び映像信号のデコード処理を行う。デコードされたデータ信号及び映像信号は、OSD信号生成部14から出力されたOSD信号と重ね合わせて合成され、映像処理部16に出力される。グラフィック処理部13は、デコードされたデータ信号、映像信号又はOSD信号を、映像処理部16に選択的に出力することもできる。
【0033】
OSD信号生成部14は、制御部18の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD信号を生成する。また上述の信号処理部12において、デジタル放送信号から分離されたデータ信号は、OSD信号生成部14により適切なフォーマットのOSD信号に変換され、グラフィック処理部13に出力される。
【0034】
音声処理部15は、入力された音声信号を、スピーカ140で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換する。アナログに変換された音声信号は、スピーカ140に出力されて再生される。
【0035】
映像処理部16は、グラフィック処理部13から出力された信号を、ディスプレイ130で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換する。アナログに変換された映像信号は、ディスプレイ130に出力される。本実施の形態において、映像処理部16は、マルチ画面表示が指示された場合、出力先の画面の座標情報を読み出し、表示制御部40によって決定されるサブ画面の数に応じてメイン画面及びサブ画面の画面サイズ及び位置を決定し、映像信号の処理を実行する。
【0036】
HDD17は、音声処理部15及び映像処理部16で変換された音声信号及び映像信号やEPG(番組表情報)を記憶する。
制御部18は、テレビジョン放送受信装置100の装置各部の動作を制御する。制御部18は、ROM19と、RAM20と、不揮発性メモリ21と、録画再生制御部22と、表示制御部40と、CPU(Central Processing Unit)とを備える。
【0037】
制御部18は、操作部23から入力される操作信号や、リモートコントローラ150から送信され受信部24を介して受信される操作信号に応じて、ROM19に予め記憶されたシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを起動させる。制御部18は、起動したプログラムに従って、RAM20をワークメモリとして装置各部の動作を制御する。
【0038】
また、制御部18は、本発明に係る機能部として、表示制御部40を備えている。即ち、表示制御部40は、本願に係る表示制御部に該当する。制御部18は、この表示制御部40により、後述するマルチ画面表示に関する制御を行う。
【0039】
ROM19は、CPUが実行するシステム制御プログラム及び各種処理プログラムを格納するメモリである。
RAM20は、CPUが各種プログラムを展開するための、いわゆるワーキングメモリである。
不揮発性メモリ21は、各部の動作制御に必要な各種の設定情報及び制御情報等を格納する。本実施の形態において、設定情報とは例えば初期スキャンにより設定されるテレビジョン放送受信装置100にて受信可能なチャンネル情報や、チューナ3B又は3Cのそれぞれにて受信し録画を行うと設定されているチャンネル情報等がある。
【0040】
録画再生制御部22は、テレビジョン放送受信装置100の録画及び録画した番組を再生する機能の制御を行う。即ち、録画再生制御部22は、TS処理部11から出力された複数チャンネルが多重されているTSをチャンネルごとのTSに戻し、HDD17に記録する。
【0041】
また、録画再生制御部22は、録画したデータの再生する制御を実行し、HDD17に格納したチャンネルごとのTSを読み出して再生させた後、映像表示部130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。LAN対応HDD専用ポートとしてのLAN端子33を設けることにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、HDD17に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行うことが可能となる。
【0042】
本実施の形態において、テレビジョン放送受信装置100は、2種類の録画方法を備えている。ここで第1の録画方法は、録画対象とする番組を個々に指定する若しくは任意の時間に録画の開始終了を指定する録画方法のことをいう。即ち、第1の録画方法においては、指定した番組を放送している1つの放送波を受信し、HDD17に記録する。この方法は、従来の個々に録画する番組を指定するHDDレコーダ等と同じ録画方法である。第1の録画方法に用いる放送波を受信するチューナを、チューナ3Bとする。
【0043】
第2の録画方法は、個々の番組を指定するのではなく、チャンネル、時間、曜日等の条件を指定し、条件を満たす全ての番組を録画するものである。即ち、条件に該当する複数の放送波を受信し、これらを並行してチャンネルごとにHDD17に記録する。第2の録画方法に用いる放送波を受信するチューナを、チューナ3Cとする。
【0044】
表示制御部40は、複数のチューナによって選局されるチャンネルを同時に表示するマルチ画面表示を実行する。また、表示制御部40は、マルチ画面表示した各画面について特殊再生等を実行する等の再生制御を行う。
【0045】
表示制御部40は、現在放送中の番組と録画番組を並べて表示するマルチ画面表示と、録画番組を並べて表示するマルチ画面表示とを行う。録画番組を並べて表示するマルチ画面表示には、2つの実施の形態がある。第1のマルチ画面表示は、第1の録画方法で録画した録画番組を並べてマルチ画面表示する。第2のマルチ画面表示は、第2の録画方法で録画したチャンネルを並べてマルチ画面表示する。2つのマルチ画面表示の実施の形態については後述する。
【0046】
操作部23は、ユーザによる操作に応じた操作信号を受け付け、制御部18に入力する。操作部23は、例えばテレビジョン放送受信装置100のキャビネット110に備えられる。
【0047】
受信部24は、ユーザによるリモートコントローラ150の操作に応じた操作信号を受け付け、制御部18に入力する。
第1のカードホルダ26は、第1のカードI/F25を介して制御部18に接続されている。第1のカード27は、この第1のカードI/F25に装着可能である。第1のカード27は、例えばSD(Secure Digital)メモリーカード、MMC(Multimedia Card)等の記憶媒体である。第1のカードホルダ26に装着された第1のカード27、及び制御部18は、第1のカードI/F25を介して情報の伝達を行うことができる。制御部18は、第1のカード27に、画像や音楽、放送番組等のデータを格納することができる。また制御部18は、第1のカード27に格納された画像や音楽、放送番組等のデータを読み出して、ディスプレイ130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。
【0048】
第2のカードホルダ29は、第2のカードI/F28を介して制御部18に接続されている。第2のカード30は、この第2のカードI/F28に装着可能である。第2のカード30は、例えば放送受信契約の契約情報等を記憶する記憶媒体である。第2のカードホルダ29に装着された第2のカード30、及び制御部18は、第1のカードI/F25を介して情報の伝達を行うことができる。
【0049】
明るさセンサ31は、キャビネット110外の明るさを検出し、この検出結果を制御部18に入力する。制御部18は、入力された明るさに関する検出結果に基づいて、ディスプレイ130の輝度を制御する。
【0050】
LAN(Local Area Network)端子33は、通信I/F32を介して制御部18に接続されている。LAN端子33は、イーサネット(登録商標)を用いたLAN対応HDD専用ポートとして使用される。LAN端子33にLAN対応のHDDがNAS(Network Attached Storage)として接続された場合、HDD17及び制御部18は、通信I/F32を介して、情報の伝達を行うことができる。この場合、制御部18は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバとして機能し、LAN端子33に接続された当該LAN対応のHDDにIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0051】
通信I/F32を介して制御部18に接続されるHDD、PC、DVDレコーダ等の機器には、ハードディスクやDVD(光ディスク)等の記憶媒体を装着することが可能である。制御部18は、当該記憶媒体に、ハブ及び当該ハブに接続される機器を介して画像や音楽、放送番組等のデータを格納することができる。また制御部18は、当該記憶媒体に格納された画像や音楽、放送番組等のデータを読み出して、ディスプレイ130に表示させたり、スピーカ140から音声出力させたりすることができる。
【0052】
USB(Universal Serial Bus)端子35は、USB I/F34を介して制御部18に接続されている。USB端子35は、一般的なUSB対応ポートとして使用される。USB端子35には、例えばハブを介して、携帯電話、デジタルカメラ、各種メモリーカードに対するカードリーダ/ライタ、HDD、キーボード等が接続される。制御部18は、USB端子35及びUSB I/F34を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0053】
i.LINK端子37は、i.LINK I/F36を介して制御部18に接続されている。i.LINK端子37には、例えばAV−HDD、D(Digital)−VHS(Video Home System)等がシリアル接続される。制御部18は、i.LINK端子37及びi.LINK I/F36を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0054】
HDMI端子39は、HDMI I/F38を介して制御部18に接続されている。HDMI端子39には、例えばパーソナルコンピュータや液晶ディスプレイやAVアンプ等に接続される。制御部18は、HDMI端子39及びHDMI I/F38を介して接続される機器との間で、情報の伝達を行うことができる。
【0055】
次に、マルチ画面キー150jによって指示される第1のマルチ画面表示について図4〜7を用いて説明する。
図4は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示200の一例を示す図である。マルチ画面表示200は、スピーカ140から出力される音声に対応させた映像を出力する1つのメイン画面と、映像のみが出力される1つ以上のサブ画面から構成される。本明細書においては、2画面表示を例に説明する。
【0056】
マルチ画面表示200には、音声出力マーク201と、操作権マーク202と、第1の番組詳細ウィンドウ203と、第2の番組詳細ウィンドウ204と、第1の画面205と、第2の画面206と、第1の再生動作ウィンドウ207と、第1の画面の再生動作208と、第2の再生動作ウィンドウ209と、第2の画面の再生動作210とを表示する。
【0057】
音声出力マーク201は、スピーカ140から画面で表示している映像に対応する音声を出力していることを示す。即ち、音声出力マーク201は、メイン画面側に表示される。
【0058】
操作権マーク202は、ユーザにより操作可能であることを示す。即ち、操作権マーク202が表示されている側の画面について、特殊再生操作を実行可能である。
第1の番組詳細ウィンドウ203及び第2の番組詳細ウィンドウ204は、それぞれ第1の画面205と第2の画面206の番組情報を示す。例えば番組情報とは、記録先、番組タイトル、チャンネル情報である。
【0059】
第1の画面205及び第2の画面206は、マルチ画面表示すると選択された映像を表示する画面である。第1の画面205及び第2の画面206の選択は例えば、第1の録画方法で録画された番組をリスト表示した録画リスト中から選択する。録画リストは、全画面表示しても良いし、第1の画面205や第2の画面206の枠内に重ねて表示するとしても良い。
【0060】
第1の再生動作ウィンドウ207と第2の再生動作ウィンドウ209は、それぞれ第1の画面205と第2の画面206それぞれの再生位置情報及び再生動作マークを示す。再生位置情報としては、選択された番組について時刻を目盛とした棒状の領域で録画時間を示したスライダバーと、このスライダバー上に現在視聴している映像信号の録画時刻に対応する位置を示すポインタが示される。また、このスライダバーの両端には、現在視聴している映像信号の録画時刻を示す表示と、視聴している番組の全録画時間が表示される。
【0061】
また、第1の再生動作ウィンドウ207と第2の再生動作ウィンドウ209には、それぞれ第1の画面の再生動作208と第2の画面の再生動作210が表示され、再生動作の状態をマークで示す。動作状態とは例えば、早送り、巻き戻し、停止、再生、追っかけ再生、次番組スキップ、前番組スキップ等の再生動作状態である。テレビジョン放送受信装置100の動作は、リモートコントローラ150の特殊再生キー150iを押下することで指示される。図4においては、第1の画面205及び第2の画面206共に再生中であることを表示している。
【0062】
次に、図4に示すマルチ画面表示200において操作権の切替が指示された場合の表示制御について説明する。
図5は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示における表示制御を示す第1の図である。
図5の上段は操作権が第1の画面205にある状態を示す図で、図5下段は操作権を第1の画面205から第2の画面206に切替後の状態を示す図である。操作権の切替は、カーソルキー150fの左右を押下することで行う。
【0063】
図5に示すように、操作権の切替を実行すると、操作権マーク202及び音声出力マーク201の表示が遷移する。また図5下段に示すように、操作権切替を実行後は、操作権が無い方の画面(第1の画面205)を一時停止する。
【0064】
操作権切替を行う場合としては、操作権の切替先の画面(第2の画面206)を注視して、特殊再生等を開始することが予想される。従って、操作権の無い画面(第1の画面205)の再生を一時停止し、ユーザが第2の画面206に注目している間に第1の画面205の再生が進むことを抑制する。即ち、操作権の無い画面における見逃しの発生を抑制することができる。
【0065】
次に、図5に示した操作権切替後の表示制御について説明する。
図6は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第2の図である。
図6上段は、図5下段に示したように、操作権切替に伴い操作権の無い方の画面を一時停止した状態を示す。図6下段は、図6上段に示した状態から、所定時間無操作状態が経過した状態を示す。図6下段に示すように、操作権切替後に所定時間無操作であった場合には、一時停止していた第1の画面205の再生を再開する。即ち、操作権を切替後に、ユーザによって何らコマンド入力がされない場合には操作権を有する第2の画面206について特殊再生等を行わず通常の視聴を再開したとみなし、操作権の無い第1の画面205についても再生を再開する。このように操作権の無い画面の一時停止についてタイムアウト機能を設けることで、ユーザが操作権を遷移させて再生指示する手間を省くことができる。
【0066】
次に、図7を用いて、操作権を有する画面について特殊再生を行う場合の表示制御について説明する。
図7は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第3の図である。
図7上段は、図5下段に示した状態から、操作権の有る画面について特殊再生を実行している状態を示す。図7上段の例においては、第2の画面の再生動作210に示すように早送りを実行している。図7下段は、図7上段に示した状態から、第2の画面206について通常の再生が指示された状態を示す。第2の画面206の再生が再開されると共に、一時停止していた第1の画面205も第2の画面206に連動して再生を再開する。即ち、第2の画面206の再生を再開すると、ユーザが視聴を開始すると見なし、一時停止していた第1の画面205の再生も再開する。従って、操作権の無い画面である第1の画面205に操作権を遷移させ、再生を指示する手間なく自動的に再生が再開される。
【0067】
次に、第1のマルチ画面表示における表示制御の手順を説明する。
図8は、第1の実施の形態におけるマルチ画面表示制御200のフローチャートを示す図である。
まず、表示制御部40は、リモートコントローラ150からの入力コマンドが操作権切替を示すか否かを判別する(ステップS11)。ステップS11で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示すと判別した場合(ステップS11のYes)、次に表示制御部40は、操作権切替を実行し、操作権無しの画面を一時停止する(ステップS12)。
【0068】
次に、表示制御部40は、操作権有りの画面において、無操作状態で所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS13)。ステップS13で判別した結果、無操作状態で所定時間が経過していないと判別した場合(ステップS13のNo)、ステップS11に戻る。一方、ステップS13で判別した結果、無操作状態で所定時間が経過したと判別した場合(ステップS13のYes)、表示制御部40は操作権無しの画面の一時停止を解除する(ステップS14)。
【0069】
一方、ステップS11で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示さないと判別した場合(ステップS11のNo)、表示制御部40は、入力コマンドは特殊再生を示すか否かを判別する(ステップS15)。ステップS15で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示すと判別した場合(ステップS15のYes)、表示制御部40は、操作権有りの画面に特殊再生を実行し、操作権無しの画面は一時停止する(ステップS16)。
【0070】
次に、表示制御部40は操作権有りの画面において再生が再開されたか否かを判別する(ステップS17)。ステップS17で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されていないと判別した場合(ステップS17のNo)、ステップS17に戻る。一方、ステップS17で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されたと判別した場合(ステップS17のYes)、ステップS14に進む。
【0071】
一方、ステップS15で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示さないと判別した場合(ステップS15のNo)、表示制御部40は入力コマンドが一時停止を示すか否かを判別する(ステップS18)。ステップS18で判別した結果、入力コマンドが一時停止を示すと判別した場合(ステップS18のYes)、操作権有りの画面を一時停止し、操作権無しの画面の再生は継続する(ステップS19)。一方、ステップS18で判別した結果、入力コマンドは一時停止を示さないと判別した結果(ステップS18のNo)、入力コマンドを実行する(ステップS20)。例えば、再生を終了することを示すコマンドがある。以上で、表示制御部40が実行する表示制御手順を終了する。
【0072】
以上のように構成される第1の実施の形態によれば、マルチ画面表示中にユーザが1の画面に注目する際に、他の画面についての再生を一時停止することが出来る。ユーザが1の画面に注目する場合とは、1の画面について特殊再生を指示する際や、マルチ画面間で操作権を移す場合等がある。1の画面に注目する場合には、他の画面を見ていない状態で再生が進んでしまい見逃してしまう場面が発生してしまう。また、他の画面において見逃した場面を視聴するためには、操作権を遷移させて巻き戻すという手間がかかる。
【0073】
第1の実施の形態によれば、ユーザが1の画面に注目することが考えられる状況において、注目していない画面の再生を自動的に一時停止するため、見逃し場面の発生を抑制することができる。更に、ユーザが注目している画面が特殊再生等された後に再生が再開されると、ユーザが視聴を再開するとみなし他の画面も連動して再生を再開する。よって、一時停止していた画面について再生指示をすることなく、マルチ画面による視聴が再開される。
【0074】
次に、図9〜12を用いて第2の実施の形態について説明する、
図9は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第1の図である。第2のマルチ画面表示200は、第2の録画方法で録画したチャンネルを並べて表示する。
【0075】
第1の画面205及び第2の画面206の選択は例えば、第2の録画方法で録画された番組を過去番組表の中から選択する。過去番組表は、全画面表示しても良いし、第1の画面205や第2の画面206の枠内に重ねて表示するとしても良い。
【0076】
図9中段は、第2のマルチ画面表示において第1の画面205及び第2の画面206の両画面を再生している状態を示す。第2の実施の形態においては、第1の番組詳細ウィンドウ203及び第2の番組詳細ウィンドウ204に録画時刻を横軸にしたスライダバーを表示し、このスライダバー上に現在視聴している映像信号の録画時刻に対応する位置を示すポインタと再生位置の録画時刻を示す。第2のマルチ画面表示200においては、録画時刻を表示することで過去のある時点に遡ったような状況で録画番組を再生する。
【0077】
第2のマルチ画面表示200においては、表示制御について2つのモードを選択することができる。第1のモードは図9上段に示すように、第1の画面205に特殊再生を指示した場合、第2の画面206を一時停止する。一方、第2のモードは図9下段に示すように、第1の画面205に特殊再生を指示した場合、第2の画面206を連動して特殊再生する。
【0078】
まず、第2のマルチ画面表示における第1のモードについて図10を用いて説明する。
図10は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第2の図である。
図10上段に示すように、第1のモードでは、第1の画面205を特殊再生している間は、第2の画面206を一時停止する。操作権の有る第1の画面205に対して再生再開の指示がされた場合、第2の画面206も再生を再開させる。即ち、第1のモードにおいては、第1の画面205の特殊再生中は第2の画面206の再生が停止するので番組を見逃すことが無い。
【0079】
図10下段に示すように、操作権の有る第1の画面205に対して再生再開が指示されると、一時停止していた第2の画面206も連動して再生を再開する。即ち、操作権の無い第2の画面206は、操作権のある第1の画面205の再生再開をトリガにして再生を再開するため、第2の画面206に対して再生指示をする手間がかからない。
【0080】
次に、第2のマルチ画面表示における第2のモードについて図11を用いて説明する。
図11は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200における表示制御を示す第3の図である。
図11上段に示すように、第2のモードでは、第1の画面205を特殊再生している間は、連動して第2の画面206についても第1の画面205と同様の特殊再生を実行する。図11下段に示すように、操作権の有る第1の画面205に対して再生再開が指示されると、第2の画面206も連動して再生を再開する。即ち、第2のモードでは、第1の画面205を特殊再生すると第2の画面206も連動して同様の特殊再生が実行されるため、マルチ画面表示200される複数のチャンネル間で再生している録画時刻がずれることが無い。従って、第2のモードによれば、マルチ画面表示200において1の画面に対して特殊再生を行った場合にも、他の画面についても同様に特殊再生を行うため、特殊再生した後に再生を再開した場合にも、過去のある時点に遡ったようなマルチ画面表示を継続することが出来る。
【0081】
第2の実施の形態における2つのモードは、例えば「タイムマシンモードを優先するか」というメッセージをディスプレイ130に表示し、このUI上でユーザにより選択可能とする。タイムマシンモードとは、過去に遡ってリアルタイムで放送を視聴しているように、録画時刻に沿って録画番組を再生するモードである。即ち、「タイムマシンモードを優先する」とは、即ち第2のマルチ画面表示における第2のモードを選択することである。
【0082】
次に、図12を用いて、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示200の表示制御手順を説明する。
図12は、第2の実施の形態におけるマルチ画面表示制御のフローチャートを示す図である。
まず、表示制御部40は、第2のモードが選択されているか否かを判別する(ステップS21)。ステップS21で判別した結果、第2のモードが選択されていないと判別した場合(ステップS21のNo)、図1のステップS11に進む。一方、ステップS21で判別した結果、第2のモードが選択されていると判別した場合(ステップS21のYes)、表示制御部40は入力コマンドが操作権切替を示すか否かを判別する(ステップS22)。
【0083】
ステップS22で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示すと判別した場合(ステップS22のYes)、次に表示制御部40は、操作権切替を実行し、両画面の再生を継続する(ステップS23)。
【0084】
一方、ステップS22で判別した結果、入力コマンドが操作権切替を示さないと判別した場合(ステップS22のNo)、表示制御部40は、入力コマンドは特殊再生を示すか否かを判別する(ステップS24)。ステップS24で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示すと判別した場合(ステップS24のYes)、表示制御部40は、両画面に特殊再生を実行する(ステップS25)。
【0085】
次に、表示制御部40は操作権有りの画面において再生が再開されたか否かを判別する(ステップS26)。ステップS26で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されていないと判別した場合(ステップS26のNo)、ステップS26に戻る。一方、ステップS26で判別した結果、操作権有りの画面の再生が再開されたと判別した場合(ステップS26のYes)、両画面を再生再開する(ステップS27)。
【0086】
一方、ステップS24で判別した結果、入力コマンドが特殊再生を示さないと判別した場合(ステップS24のNo)、表示制御部40は入力コマンドが一時停止を示すか否かを判別する(ステップS28)。ステップS28で判別した結果、入力コマンドが一時停止を示すと判別した場合(ステップS28のYes)、両画面を一時停止する(ステップS29)。一方、ステップS28で判別した結果、入力コマンドは一時停止を示さないと判別した結果(ステップS28のNo)、入力コマンドを実行する(ステップS30)。例えば、再生を終了することを示すコマンドがある。以上で、表示制御部40が実行する表示制御手順を終了する。
【0087】
以上のように構成される第2の実施の形態によれば、同一時刻に放送された複数のチャンネルを録画したもののマルチ画面表示中にユーザが1の画面に注目する場合に、他の画面を一時停止する第1のモードと、他の画面をユーザが操作している画面と連動させる第2のモードとを選択することができる。他の画面を一時停止する第1のモードにおいては、第1の実施の形態と同様にユーザが1の画面に注目して特殊再生等を実行する場合に、他の画面の再生が進まないように一時停止をすることで見逃し場面の発生を抑制することができる。また、ユーザが注目している画面の再生再開に伴って、一時停止していた他の画面についても再生を再開することで、他の画面に操作権を遷移させて再生を指示することなく、マルチ画面表示による視聴を再開することができる。
【0088】
一方、他の画面をユーザが操作している画面と連動させる第2のモードにおいては、1の画面について特殊再生を行った場合にも、複数のチャンネルの録画時刻がずれずにマルチ画面表示における視聴が実現する。即ち、1の画面について特殊再生を実行した後にも、同時刻に録画した他のチャンネルの番組をマルチ画面表示にて視聴することが可能である。従って、特殊再生を実行しても、過去のある時点に遡ったようなマルチ画面表示を継続することができる。
【0089】
以上の説明においては、録画番組をマルチ画面表示するときの表示制御の説明をしたが、現在放送している番組を含めてマルチ画面表示する場合も同様である。即ち、放送中の番組画面に操作権があり、チャンネル変更等の入力コマンドがあった場合、操作権の無い画面の再生を一時停止する。
【0090】
尚、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0091】
1…アンテナ、2…入力端子、3…チューナ、11…TS処理部、12…信号処理部、13…グラフィック処理部、14…OSD信号生成部、15…音声処理部、16…映像処理部、17…HDD、18…制御部、19…ROM、20…RAM、21…不揮発性メモリ、22…録画再生制御部、23…操作部、24…受信部、25…第1のカードI/F、26…第1のカードホルダ、27…第1のカード、28…第2のカードI/F、29…第2のカードホルダ、30…第2のカード、31…明るさセンサ、32…通信I/F、33…LAN端子、34…USB…I/F、35…USB端子、36…i.LINK…I/F、37…i.LINK端子、38…HDMI…I/F、39…HDMI端子、40…録画再生制御部、100…テレビジョン放送受信装置、110…キャビネット、120…支持台、130…映像表示部、140…スピーカ、150…リモートコントローラ、150a…電源キー、150b…放送切替キー、150c…ダイレクト選局キー、150d…音量調節キー、150e…チャンネルアップダウンキー、150f…フォーカスキー、150g…決定キー、150h…カラーキー、150i…特殊再生キー、150j…録画リストキー、150k…番組表キー、200…マルチ画面表示、201…音声出力マーク、202…操作権マーク、203…第1の番組詳細ウィンドウ、204…第2の番組詳細ウィンドウ、205…第1の画面、206…第2の画面、207…第1の再生動作ウィンドウ、208…第1の画面の再生動作、209…第2の再生動作ウィンドウ、210…第2の画面の再生動作。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信する放送受信部と、
前記放送受信部にて受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録する記録制御部と、
前記記録制御部により記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べた映像信号を出力する映像処理部と、
前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止する表示制御部と、
を有することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1の画面の特殊再生を終了し再生を再開すると、前記第2の画面の再生を再開することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、特殊再生を指示する操作権が前記第1の画面から前記第2の画面に遷移された場合、前記第1の画面の再生を一時停止することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、特殊再生を指示する操作権が前記第1の画面から前記第2の画面に遷移された場合、前記第1の画面の再生を一時停止し、前記第2の画面で所定時間操作が実行されない場合には前記第1の画面の再生を再開することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、前記放送受信部にて受信した映像信号を、一のチャンネルの映像信号を記録する第1の記録方法と、複数のチャンネルの映像信号を記録する第2の記録方法との何れかで記録し、
前記表示制御部は、前記第2の記録方法で記録した複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べて表示する場合、前記第1の画面に対して特殊再生を実行中に、前記第2の画面に前記第1の画面と同様の特殊再生を実行するか否かを選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項6】
更に、前記映像処理部で出力される映像信号を表示する表示装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の放送受信装置。
【請求項7】
複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信し、
前記受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録し、
前記記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べて表示し、
前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止することを特徴とする表示制御方法。
【請求項1】
複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信する放送受信部と、
前記放送受信部にて受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録する記録制御部と、
前記記録制御部により記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べた映像信号を出力する映像処理部と、
前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止する表示制御部と、
を有することを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1の画面の特殊再生を終了し再生を再開すると、前記第2の画面の再生を再開することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、特殊再生を指示する操作権が前記第1の画面から前記第2の画面に遷移された場合、前記第1の画面の再生を一時停止することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、特殊再生を指示する操作権が前記第1の画面から前記第2の画面に遷移された場合、前記第1の画面の再生を一時停止し、前記第2の画面で所定時間操作が実行されない場合には前記第1の画面の再生を再開することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、前記放送受信部にて受信した映像信号を、一のチャンネルの映像信号を記録する第1の記録方法と、複数のチャンネルの映像信号を記録する第2の記録方法との何れかで記録し、
前記表示制御部は、前記第2の記録方法で記録した複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べて表示する場合、前記第1の画面に対して特殊再生を実行中に、前記第2の画面に前記第1の画面と同様の特殊再生を実行するか否かを選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項6】
更に、前記映像処理部で出力される映像信号を表示する表示装置を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の放送受信装置。
【請求項7】
複数のチャンネルの中から選択されたチャンネルの映像信号を受信し、
前記受信したチャンネルの映像信号を記録媒体に記録し、
前記記録された複数のチャンネルの映像信号により生成される複数の画面を同一画面上に並べて表示し、
前記複数の画面の内、操作可能な第1の画面に対して特殊再生を実行中、前記第1の画面と並べて表示される第2の画面を一時停止することを特徴とする表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−217188(P2011−217188A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84356(P2010−84356)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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