説明

放電ランプ用点灯装置および照明器具

【課題】新たなケースを要することなく、回路基板での設計自由度が向上する放電ランプ用点灯装置およびこの放電ランプ用点灯装置を備える照明器具を提供する。
【解決手段】放電ランプ用点灯装置1は、底板部6、底板部6の両側に設けられた一対の立上部7,7、立上部7,7に所定の間隔を有して設けられた複数の係止爪8a,8bおよび係止爪8a,8bよりも非底板部側に位置する複数の係止孔9a,9bを有し、底板部6の底面6aから同一距離のそれぞれの係止爪8a,8bが折り曲げられて回路基板2の一方の面2aを支持するケース底板3と、一対の側板部11,11の係止片13,14,15が回路基板2の他方の面2bに近接するように折り曲げられて係止孔9a,9bに係止されるケース蓋体4を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプを点灯する放電ランプ用点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプを高周波点灯する放電ランプ用点灯装置には、点灯回路部品が回路基板に実装され、その回路基板が底板およびカバーからなるケースに収納されているものがある。そして、回路基板は、底板の支持部材に固定され、底板およびカバーは、係止爪を係止孔に係止して結合されているものがある。例えば、締結部材(ねじ)により回路基板を両端板とともに底板の支持部に固定し、端板の係止爪部にカバーの係合孔を係合させる収納ケースが提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
また、回路基板が一対の端部材に支持されてベースケースに収納され、カバーケースの各係止爪がベースケースの各係止孔に引っ掛けられてカバーケースとベースケースが結合する放電灯点灯装置が提案されている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平7−45964号公報(第3頁、第1図)
【特許文献2】特開2005−259893号公報(第5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の収納ケースおよび特許文献2の放電灯点灯装置は、ケースの底板に固定された回路基板、ケースの底板およびカバーの相対位置が固定されているので、回路基板での回路部品の配置や使用部品の変更により高さ寸法が大きくなったときに対応できず、ケースとしての汎用性が低い。このため、実装された回路部品の占有空間に応じたケースの底板およびカバーを都度設計、製造する必要があるという問題がある。例えば、底板の底面と回路基板の隙間が小さいことにより、回路基板の下面にチップ部品を実装することができないために設計に手間を要することや、背の高いディスクリート部品を実装するために高さを大きくしたカバーを必要とすることがある。
【0005】
本発明は、新たなケースを要することなく、回路基板での設計自由度が向上する放電ランプ用点灯装置およびこの放電ランプ用点灯装置を備える照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の放電ランプ用点灯装置の発明は、点灯回路部品が実装された回路基板と;長方形状の底板部、この底板部の長手方向に沿う両側に互いの平面が対向するように設けられた一対の立上部、この一対の立上部にそれぞれ当該長手方向に沿うようにして当該長手方向と直交する方向に所定の間隔を有して設けられた複数の係止爪およびこの係止爪よりも非底板部側に位置するように係止爪の前記間隔に対応して係止爪毎に設けられた複数の係止孔を有し、底板部の底面から同一距離のそれぞれの係止爪が一対の立上部の内側に折り曲げられ当該係止爪で回路基板の一方の面を支持するケース底板と;ケース底板の一対の立上部に被さるようにして一対の側板部およびこの側板部に跨る天板部が形成され、一対の側板部にそれぞれ当該長手方向に沿うようにかつ前記係止孔に対応する部位に設けられた係止片を有し、この係止片が回路基板の他方の面に近接するように前記係止孔側へ折り曲げられて前記係止孔に係止されるケース蓋体と;を具備していることを特徴とする。
【0007】
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0008】
係止爪は、回路基板の一方の面を支持する点からして、立上部の少なくとも長手方向の両端部側にそれぞれ複数設けられるのが好ましい。また、係止爪は、底板部の底面からの距離が順次大きくなるように設けられ、3個以上のときは、互いに隣接する係止爪間の所定の間隔が同一であってもよく、異なっていてもよい。また、係止爪は、立上部の長手方向と直交する方向の同一直線上に並設されるのが好適であるが、当該長手方向に対して斜めに設けられてもよい。
【0009】
係止孔は、ケース蓋体の係止片が折り曲げにより挿入され、係止片を引っ掛けるものであれば、その大きさや形状などは特に問わない。また、「係止爪の所定の間隔に対応して係止爪毎に設けられる」とは、係止孔および係止爪は、係止孔の下端縁が係止爪の上縁よりも回路基板の板厚分だけ底板部の底面から離れた位置となるようにそれぞれ設けられることを意味する。
【0010】
係止片が回路基板の他方の面に近接する隙間は、少なくとも係止片が係止される係止孔の下端縁と係止片の下縁との間に形成される。
【0011】
本発明によれば、ケース底板の複数の係止爪のうち、底板部の底面から同一距離の係止爪を一対の立上部の内側に折り曲げて回路基板を載置し、一対の立上部にケース蓋体を被せた後、折り曲げた係止爪に対応する係止孔側へケース蓋体の係止片を折り曲げることにより、回路基板が係止爪および係止片に挟み込まれるようにしてケース底板に収容され、ケース底板およびケース蓋体が結合される。そして、回路基板の一方の面側の高さ寸法に応じて、または点灯回路部品と底板部の底面との干渉や絶縁距離などに応じて、底板部の底面から同一距離の係止爪が選択されて折り曲げられる。
【0012】
請求項2に記載の放電ランプ用点灯装置の発明は、請求項1記載の放電ランプ用点灯装置において、ケース蓋体の係止片は、側板部の長手方向と直交する方向に複数設けられていることを特徴とする。
【0013】
隣接する係止片の間隔は、係止爪および係止孔のそれぞれの間隔とは関係なく、任意に設定される。
【0014】
本発明によれば、回路基板の他方の面に実装された点灯回路部品の背の高さに応じて、折り曲げられる係止片が選択される。選択された係止片は、何れも折り曲げた係止爪に対応するケース蓋体の係止孔側へ折り曲げられ、回路基板の他方の面に近接して、係止孔に係止される。これにより、ケース蓋体の天板部と点灯回路部品が干渉なく離間して、ケース底板とケース蓋体が結合される。
【0015】
請求項3に記載の放電ランプ用点灯装置の発明は、請求項1または2記載の放電ランプ用点灯装置において、ケース底板の底板部には、その長手方向の両端部側に、それぞれ回路基板の長手方向の移動を規制する切り起し片が設けられていることを特徴とする。
【0016】
切り起し片は、底板部の底面から最も大きい距離を有する係止片が係止孔側へ折り曲げられたものであっても、回路基板の移動を規制する高さに形成されている。
【0017】
本発明によれば、回路基板は、その長手方向に移動すると切り起し片に当接し、長手方向の移動が規制されて、ケース底板に収納された状態を保持する。
【0018】
請求項4に記載の照明器具の発明は、請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプ用点灯装置と;この放電ランプ用点灯装置により点灯される放電ランプと;放電ランプを配設している器具本体と;を具備していることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプ用点灯装置を具備する照明器具が提供される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、折り曲げる係止爪の選択により、ケース底板に対する回路基板の高さ調整が行えるので、回路基板の一方の面に実装するチップ部品の選定などの設計自由度が向上して、点灯回路の設計を容易に行うことができるとともに、新たなケース底板を用いる必要がなく、コスト低減を図ることができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、折り曲げる係止片の選択により、回路基板に対するケース蓋体の高さ調整が行えるので、回路基板の他方の面に実装する背の高いディスクリート部品の選定や配置などの設計自由度が向上して、点灯回路の設計を容易に行うことができるとともに、新たなケース蓋体を用いる必要がなく、コスト低減を図ることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、回路基板の上下方向の移動がケース底板の係止爪およびケース蓋体の係止片で規制されるのに対し、回路基板の長手方向の移動を切り起し片で規制するので、回路基板を簡素かつ安価な構成でケース底板に収納することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプ用点灯装置を具備する照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態の放電ランプ用点灯装置を示し、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)のA−A方向の概略断面図、図2は、同じく放電ランプ用点灯装置の分解概略側面図である。
【0026】
図2において、放電ランプ用点灯装置1は、回路基板2、ケース底板3およびケース蓋体4を有して構成されている。
【0027】
回路基板2は、長方形状の例えばガラスエポキシ材や紙フェノール材などからなり、放電ランプを点灯させる高周波点灯回路の点灯回路部品5を実装している。すなわち、一方の面(下面)2aにチップ部品であるトランジスタTr1,Tr2を実装し、他方の面(上面)2bにディスクリート部品であるコンデンサC1、背の低いコンデンサC2、抵抗R1〜R3、ダイオードD1、トランスT1、IC素子IC1や図示しないインダクタなどを実装している。高周波点灯回路は、放電ランプを高周波点灯させる周知の回路で形成されている。回路基板2の板厚は、例えば2.0mmである。
【0028】
ケース底板3は、金属製例えばアルミニウム(Al)からなり、図1(a)に示すように、1枚の平板を折り曲げて底板部6および一対の立上部7,7に形成した矩形状の長尺枠体である。すなわち、底板部6は、長方形状に形成され、一対の立上部7,7は、底板部6に対して直角に折り曲げられ、底板部6の長手方向に沿う両側に互いの平面が対向するように設けられている。
【0029】
そして、一対の立上部7,7には、図2に示すように、それぞれの両端部側3a、3bに複数の係止爪8a,8bおよび複数の係止孔9a,9bが設けられている。係止爪8a,8bは、打ち抜きにより形成され、立上部7の長手方向に沿うようにしてかつそれぞれの先端側が立上部7の一端側および他端側を向くようにして形成されている。また、立上部7の長手方向と直交する方向の同一直線上に所定の間隔、例えば2〜5mmを有して形成されている。
【0030】
係止爪8a,8bは、底板部6の底面6aから同一距離を有するものが折り曲げられ、折り曲げられた係止爪8a,8bで回路基板2の一方の面(下面)2aを支持するものである。図1において、回路基板2の下面2aには、トランジスタTr1,Tr2が実装されているので、係止爪8a,8bのうち、底板部6から最も離間している係止爪8bが折り曲げられている。こうして、回路基板2の一方の面2a側の高さ寸法や点灯回路部品5と底板部6の底面6aとの干渉や絶縁距離などに応じて、折り曲げられる係止爪8a,8bを選択することにより、ケース底板3に対する回路基板2の高さ調整を行うことができる。
【0031】
係止孔9a,9bは、図2に示すように、係止爪8a,8b毎に設けられており、係止爪8a,8bが挿入されて係止される小形の長方形状に打ち抜きにより形成されている。すなわち、係止爪8a,8bよりも底板部6から遠ざかっている位置(非底板部側の位置)であって、立上部7の長手方向と直交する方向の同一直線上に係止爪8a,8bの所定の間隔(例えば2〜5mm)と同一の間隔を有するように形成されている。係止爪8a(8b)と係止孔9a(9b)の前記長手方向と直交する方向の間隔は、例えば、係止孔9a(9b)の下端縁が係止爪8a(8b)の上縁よりも回路基板2の板厚(例えば2.0mm)分だけ非底板部側に離れた位置に設けられている。
【0032】
係止孔9a,9bには、ケース蓋体4の後述する係止片13,14,15が挿入されて引っ掛けられる。これにより、ケース底板3とケース蓋体4とが結合するとともに、その内部に回路基板2が収納されるものである。
【0033】
また、底板部6には、図1(b)に示すように、長手方向の両端部6a,6bにそれぞれ切り起し片10,10が設けられている。切り起し片10,10は、矩形状のケース底板3の内側に、それぞれ奥側の底面6aから底板部6の一端側および他端側に向かって長方形状に切り起されている。そして、切り起し片10,10は、それぞれの先端部が底板部6から最も離間している係止孔9bよりも底板部6から離間するような大きさに形成されている。切り起し片10,10は、係止爪8a,8bに支持された回路基板2がその長手方向に移動するときに当接し、当該移動を規制するものである。
【0034】
ケース蓋体4は、金属製例えばアルミニウム(Al)からなり、図1(a)に示すように、1枚の長方平板を折り曲げて、一対の側板部11,11およびこの側板部11,11に跨る天板部12を有する長尺枠体に形成されている。そして、ケース蓋体4は、ケース底板3の一対の立上部7,7に被さるようにしてケース底板3に取り付けられている。そして、一対の側板部11,11には、図2に示すように、対をなす複数の係止片13,14,15が設けられている。
【0035】
係止片13,14,15は、係止孔9a,9bに挿入可能な大きさで側板部11の長手方向に沿うようにしてかつ係止孔9a,9bに対応する部位に形成されており、いずれの係止片13,14,15も、どの係止孔9a,9b側にも折り曲げられて係止孔9a,9bに係止される。すなわち、係止片13,14,15は、ケース蓋体4をケース底板3の一対の立上部7,7に被せたときに、係止孔9a,9bに対向可能な位置である側板部11の一端側および他端側に設けられ、かつ側板部11の長手方向と直交する直線上に設けられている。そして、隣接する係止片13,14,15のそれぞれの間隔は、係止孔9a,9bの間隔とは関係なく任意に設定され、係止片13,14の間隔は、例えば5mm、係止片14,15の間隔は、例えば3mmとしている。
【0036】
そして、係止片13,14,15は、折り曲げられた係止爪8a,8bに対応する係止孔9a,9b側に折り曲げられて、当該係止孔9a,9bに係止される。また、係止片13,14,15は、いずれも係止孔9a,9b側に折り曲げられて、当該係止孔9a,9bに係止させられる。このとき、折り曲げられた係止片13,14,15は、係止爪8a,8bと係止孔9a,9bとの立上部7の長手方向と直交する方向の間隔設定により、回路基板2の他方の面(上面)2bに近接する。
【0037】
係止片13を係止孔9a,9bに係止させると、ケース蓋体4の天板部12と回路基板2またはケース底板3の底板部6との距離が最も大きくなる。係止片14を係止孔9a,9bに係止させると、天板部12が回路基板2(底板部6)に近づき、係止片15を係止孔9a,9bに係止させると、天板部12と回路基板2(底板部6)との距離が最も小さくなる。こうして、係止孔9a,9bに係止する係止片13,14,15を選択することにより、回路基板2またはケース底板3の底板部6に対するケース蓋体4の高さ調整が行える。
【0038】
図1(a)において、ケース底板2の係止爪8bが折り曲げられているので、係止片13,14,15は、係止爪8bに対応して設けられている係止孔9b側に折り曲げられる。そして、ケース蓋体4の天板部12とディスクリート部品のコンデンサC1が当接または近接しないように、係止片13以外の例えば係止片14が係止孔9b側に折り曲げられている。
【0039】
なお、ケース蓋体4の側板部11,11および天板部12には、図示しない通気用のスリットが設けられている。また、ケース底板3の底板部6の両端側には、それぞれ図示しない入力用および出力用の端子台が設けられている。
【0040】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
【0041】
回路基板2は、下面2aにトランジスタTr1,Tr2のチップ部品が実装されているので、係止爪8a,8bのうち、底板部6の底面6aから同一距離の各係止爪8bを一対の立上部7,7の内側に折り曲げ、折り曲げた各係止爪8bに回路基板2の下面2aを載置する。これにより、チップ部品とケース底板3の底板部6との絶縁距離や干渉などが防止される。
【0042】
そして、回路基板2は、上面2bにコンデンサC1などのディスクリート部品が実装されているので、ケース蓋体4を一対の立上部7,7に被せた後、各係止爪8bに対応して設けられた各係止孔9b側に、各係止片14(または係止片15)を折り曲げる。これにより、ディスクリート部品とケース蓋体4の天板部12との干渉が防止された状態で、回路基板2および点灯回路部品5は、ケース底板3およびケース蓋体4の内部に収納される。そして、係止孔9bに係止片14が係止されるので、ケース底板3およびケース蓋体4が結合する。
【0043】
また、係止爪8bが回路基板2の下面2aを支持し、係止片14が回路基板2の上面2bに近接するので、回路基板2の長手方向と直交する方向(上下方向)の移動が規制される。そして、ケース底板3の底板部6に設けられた一対の切り起し片10,10が回路基板2の長手方向の移動を規制するので、回路基板2は、ケース底板3およびケース蓋体4の内部に保持されるようになる。このように、回路基板2は、係止爪8a,8b、係止片13,14,15および一対の切り起し片10,10の簡素な構成で保持することができる。
【0044】
上述したように、折り曲げる係止爪8a,8bの選択によりケース底板3の底板部6に対する回路基板2の高さ調整が行え、かつ折り曲げる係止片13,14,15の選択により回路基板2に対するケース蓋体4の高さ調整が行えるので、回路基板2の下面2aに実装するチップ部品の選定などや上面2bに実装するディスクリート部品の選定や配置などの設計自由度が向上するようになる。したがって、放電ランプ用点灯回路の設計を容易に行うことができるとともに、設計変更時などで新たなケース底板3およびケース蓋体4を都度用意する必要がなく、放電ランプ用点灯装置1のコスト低減を図ることができる。
【0045】
なお、放電ランプ用点灯装置1において、係止爪8a,8bおよび係止孔9a,9bは、それぞれ2個設けているが、3個以上設けられていてもよい。この場合、隣接する係止爪および係止孔のそれぞれの間隔は、一定の間隔であってもよく、互いに異なる間隔であってもよい。また、ケース蓋体4の天板部12は、平面状に形成されているが、山形や円弧状などに形成してもよい。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0047】
図3は、本発明の第2の実施形態を示す照明器具であり、(a)は概略上面図、(b)は概略正面図、(c)は一部切り欠き概略側面図である。なお、図1と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0048】
図3に示す照明器具16は、天井等などの造営物に設置される直付け照明器具である。照明器具16は、逆富士形に形成された器具本体17の内部に図1に示す放電ランプ用点灯装置1を配設している。また、器具本体17の長手方向の両端側には、それぞれ対を成すランプソケット取付金具18,18がねじ19により固定されている。このランプソケット取付金具18,18にランプソケット20,20が取り付けられている。そして、ランプソケット20,20に放電ランプとしての直管形の蛍光ランプ21が装着されている。
【0049】
蛍光ランプ21は、放電ランプ用点灯装置1の動作により点灯する。蛍光ランプ21が点灯すると、蛍光ランプ21からの放射光が直接光および器具本体17の反射面で反射された反射光となって照射面側に照射される。
【0050】
照明器具16は、新たなケース底板3やケース蓋体4を必要とすることなく、回路基板2での設計自由度が向上された放電ランプ用点灯装置1を具備しているので、安価に設計、製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態の放電ランプ用点灯装置を示し、(a)は概略縦断面図、(b)は(a)のA−A方向の概略断面図。
【図2】同じく、放電ランプ用点灯装置の分解概略側面図。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す照明器具であり、(a)は概略上面図、(b)は概略正面図、(c)は一部切り欠き概略側面図。
【符号の説明】
【0052】
1…放電ランプ用点灯装置
2…回路基板
3…ケース底板
4…ケース蓋体
8a,8b…係止爪
9a,9b…係止孔
10…切り起し片
13,14,15…係止片
16…照明器具
17…器具本体
21…放電ランプとしての蛍光ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯回路部品が実装された回路基板と;
長方形状の底板部、この底板部の長手方向に沿う両側に互いの平面が対向するように設けられた一対の立上部、この一対の立上部にそれぞれ当該長手方向に沿うようにして当該長手方向と直交する方向に所定の間隔を有して設けられた複数の係止爪およびこの係止爪よりも非底板部側に位置するように係止爪の前記間隔に対応して係止爪毎に設けられた複数の係止孔を有し、底板部の底面から同一距離のそれぞれの係止爪が一対の立上部の内側に折り曲げられ当該係止爪で回路基板の一方の面を支持するケース底板と;
ケース底板の一対の立上部に被さるようにして一対の側板部およびこの側板部に跨る天板部が形成され、一対の側板部にそれぞれ当該長手方向に沿うようにかつ前記係止孔に対応する部位に設けられた係止片を有し、この係止片が回路基板の他方の面に近接するように前記係止孔側へ折り曲げられて前記係止孔に係止されるケース蓋体と;
を具備していることを特徴とする放電ランプ用点灯装置。
【請求項2】
ケース蓋体の係止片は、側板部の長手方向と直交する方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ用点灯装置。
【請求項3】
ケース底板の底板部には、その長手方向の両端部側に、それぞれ回路基板の長手方向の移動を規制する切り起し片が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の放電ランプ用点灯装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一記載の放電ランプ用点灯装置と;
この放電ランプ用点灯装置により点灯される放電ランプと;
放電ランプを配設している器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−300042(P2008−300042A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141404(P2007−141404)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】