説明

放電灯点灯装置及び照明器具

【課題】寿命末期状態を報知する構成が、製造コストを増大させず、且つ、使用者に不都合となりにくい放電灯点灯装置及び照明器具を提供する。
【解決手段】累積使用時間が所定の装置寿命時間に達した後は、累積使用時間が装置寿命時間に達する以前よりも、放電灯のフィラメントを予熱する予熱動作t1〜t2の継続時間が長くされる。これにより、放電灯の寿命が短くなりやすくなるから、使用者は装置寿命を知ることができる。また、報知のための別途の発光ダイオード等の部品を必要としないから製造コストの増大が避けられる。さらに、複数の放電灯点灯装置で一斉に累積使用時間が装置寿命時間に達した場合であっても、それら複数の放電灯点灯装置で放電灯の点灯状態の変化や放電灯の消灯が一斉に行われるようなことがないから、使用者に不都合となりにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯点灯装置及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置として、放電灯点灯装置が使用されている時間の累計である累積使用時間を計時するとともに、放電灯点灯装置の寿命とされる所定の装置寿命時間に累積使用時間が達した状態(以下、「寿命末期状態」と呼ぶ。)となったときに、寿命末期状態の報知や放電灯の消灯を行う放電灯点灯装置が提供されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。上記の報知は例えば放電灯の点滅や発光ダイオードの点灯によって行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−185374号公報
【特許文献2】特開2006−236635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、寿命末期状態の報知に放電灯とは別途の発光ダイオード等を用いる場合、製造コストが高くなってしまう。
【0005】
また、寿命末期状態の報知に放電灯を用いる場合や、寿命末期状態となったときに放電灯を消灯させる場合、同時に使用を開始された複数個の放電灯点灯装置で一斉に放電灯による報知や放電灯の消灯が行われることになり、使用者にとって不都合となりやすい。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、寿命末期状態を報知する構成が、製造コストを増大させず、且つ、使用者に不都合となりにくい放電灯点灯装置及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、直流電力を出力する直流電源部と、放電灯とともに共振回路を構成する共振部と、少なくとも1個のスイッチング素子を含み該スイッチング素子のオンオフに伴って直流電源部と共振部との接続を切り替えるスイッチング部と、スイッチング部のスイッチング素子をオンオフ駆動することによって共振部から放電灯に交流電力を供給させるドライブ部と、ドライブ部の動作の周波数を制御することによって共振部から放電灯に出力される交流電力の周波数を制御する制御部と、少なくともドライブ部の動作中には累積して計時され且つリセットされることがない累積使用時間を計時する計時部とを備え、制御部は、放電灯の始動時、放電灯の各フィラメントをそれぞれ予熱する予熱動作の後、放電灯の点灯を開始させる始動動作を行い、その後に、放電灯の点灯を維持させる定常動作に移行するものであって、計時部によって計時された累積使用時間が所定の装置寿命時間に達した後は、累積使用時間が装置寿命時間に達する以前よりも予熱動作の継続時間を長くすることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は予熱動作の継続時間が長くされることで放電灯の寿命が短くなりやすくなるから、使用者は放電灯点灯装置の寿命末期状態を知ることができる。また、報知のための別途の発光ダイオード等の部品を必要としないから製造コストの増大が避けられる。さらに、複数の放電灯点灯装置で一斉に累積使用時間が装置寿命時間に達した場合であっても、それら複数の放電灯点灯装置で放電灯の点灯状態の変化や放電灯の消灯が一斉に行われるようなことがないから、使用者に不都合を与えにくい。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、放電灯を消灯させるべき異常状態か否かを判定する異常判定部を備え、制御部は、異常判定部による判定結果の監視を、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達する以前には定常動作中にのみ行い、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達した後は定常動作の開始前から行い、異常判定部による判定結果の監視中に異常判定部によって異常状態が判定されたときには少なくともドライブ部を停止させることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達した後は定常動作の開始前に異常状態が判定されることでの停止の可能性が生じることで、放電灯の始動が失敗しやすくなるから、異常判定部による判定結果の監視を常に定常動作中にのみ行う場合に比べ、使用者にとって放電灯点灯装置の寿命末期状態がよりわかりやすくなる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の放電灯点灯装置と、放電灯点灯装置を保持した器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は予熱動作の継続時間が長くされることで放電灯の寿命が短くなりやすくなるから、使用者は装置寿命を知ることができる。また、報知のための別途の発光ダイオード等の部品を必要としないから製造コストの増大が避けられる。さらに、複数の放電灯点灯装置で一斉に累積使用時間が装置寿命時間に達した場合であっても、それら複数の放電灯点灯装置で放電灯の点灯状態の変化や放電灯の消灯が一斉に行われるようなことがないから、使用者に不都合を与えにくい。
【0013】
請求項2の発明によれば、放電灯を消灯させるべき異常状態か否かを判定する異常判定部を備え、制御部は、異常判定部による判定結果の監視を、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達する以前には定常動作中にのみ行い、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達した後は定常動作の開始前から行い、異常判定部による判定結果の監視中に異常判定部によって異常状態が判定されたときには少なくともドライブ部を停止させるので、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達した後は定常動作の開始前に異常状態が判定されることでの停止の可能性が生じることで、放電灯の始動が失敗しやすくなるから、異常判定部による判定結果の監視を常に定常動作中にのみ行う場合に比べ、使用者にとって装置寿命がわかりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1の動作の一例を示す説明図であり、(a)は制御電圧の時間変化を示し、(b)は停止実行部への入力電圧の時間変化を示し、(c)は停止実行部の出力電圧の時間変化を示し、(d)はシーケンス制御部の出力電圧の時間変化を示し、(e)は制御用コンデンサの両端電圧の時間変化を示し、(f)は動作周波数の時間変化を示し、(g)はクロック周波数の時間変化を示す。
【図2】同上を示す回路ブロック図である。
【図3】同上の動作の一例を示す説明図であり、(a)は直流電源部の出力電圧の時間変化を示し、(b)は駆動電圧の時間変化を示し、(c)は制御電圧の時間変化を示し、(d)は停止実行部の出力電圧の時間変化を示し、(e)はドライブ部から電力変換部の一方のスイッチング素子に出力される駆動信号の電圧値の時間変化を示し、(f)は報知電圧の時間変化を示す。
【図4】同上の発振部とドライブ部と停止実行部とを示す回路ブロック図である。
【図5】同上の発振部の動作を示す説明図であり、(a)は発振部の発振用コンデンサの両端電圧の時間変化を示し、(b)は発振部のコンパレータの出力電圧の時間変化を示し、(c)は第1矩形信号の電圧値の時間変化を示し、(d)は第1駆動信号の電圧値の時間変化を示す。
【図6】同上の電源検出部及び停止実行部を示す回路ブロック図である。
【図7】同上の動作の一例を示す説明図であり、(a)は停止制御部の出力電圧の時間変化を示し、(b)は電源検出部の出力電圧の時間変化を示し、(c)は停止実行部において電源検出部に接続された入力コンパレータの出力電圧の時間変化を示し、(d)は停止実行部の論理和回路の出力電圧の時間変化を示し、(e)は遅延用コンデンサの両端電圧の時間変化を示し、(f)は報知電圧の時間変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態は、図2に示すように、一対のフィラメント(図示せず)を有する一般的な熱陰極型の放電灯Laに交流電力を供給して点灯させるものであって、周知のダイオードブリッジからなり外部の交流電源ACから入力された交流電力を全波整流する整流部DBと、整流部DBの出力が入力されて直流電力を出力する直流電源部1と、直流電源部1が出力した直流電力を交流電力に変換して放電灯Laに供給する電力変換部2とを備える。
【0017】
直流電源部1は周知のいわゆる昇圧チョッパ回路(ブーストコンバータ)である。具体的には、整流部DBの直流出力端間(すなわち整流部DBの高電圧側の直流出力端とグランドとの間)に接続されたインダクタL1とダイオードD1と出力コンデンサC1との直列回路と、一端がインダクタL1とダイオードD1との接続点に接続され他端がグランドに接続されたスイッチング素子Q1と抵抗R5との直列回路とを備え、出力コンデンサC1の両端電圧を出力電圧としており、周期的にオンオフされるスイッチング素子Q1のオンデューティによって出力電圧が制御される。整流部DBの低電圧側の直流出力端と直流電源部1の低電圧側の出力端とはそれぞれグランドに接続されている。
【0018】
また、電力変換部2は、直流電源部1の出力端間に接続されて請求項におけるスイッチング部を構成する2個のスイッチング素子Q2,Q3の直列回路と、スイッチング素子Q2,Q3の接続点に接続され他端が放電灯Laを介してグランドに接続されたコンデンサC2とインダクタL2との直列回路と、放電灯Laに並列に(すなわち放電灯Laのフィラメント間に)接続されたコンデンサC3とを備える、周知のいわゆるハーフブリッジ形のインバータ回路である。すなわち、スイッチング素子Q2,Q3が交互にオンオフされることで放電灯Laに交流電力が出力される。また、上記のコンデンサC2とインダクタL2とコンデンサC3とは請求項における共振部であって放電灯Laとともに共振回路を構成しており、この共振回路の共振周波数とスイッチング素子Q2,Q3のオンオフの周波数との関係により、放電灯Laに出力される電力は増減する。
【0019】
さらに、本実施形態は、放電灯Laの始動時に放電灯Laの各フィラメントをそれぞれ予熱するための予熱部20を備える。予熱部20は、一端がコンデンサC6を介してスイッチング部2のスイッチング素子Q2,Q3の接続点に接続されるとともに他端がグランドに接続された一次巻線と、それぞれコンデンサC4,C5との直列回路が放電灯Laの一方ずつのフィラメントの両端間に接続された2本の二次巻線とを有するトランスTr1を備える。
【0020】
さらに、本実施形態は、電力変換部2の各スイッチング素子Q2,Q3に対しそれぞれ抵抗R1,R2を介して接続され電力変換部2の各スイッチング素子Q2,Q3をオンオフ駆動することによって電力変換部2から放電灯Laに交流電力を供給させるドライブ部31と、ドライブ部31の動作の周波数を制御することによって電力変換部2から放電灯Laに出力される交流電力の周波数を制御するシーケンス制御部41とを備える。
【0021】
ドライブ部31は高耐圧集積回路(HVIC)からなる駆動用集積回路3に設けられ、シーケンス制御部41はマイクロコントローラ(マイコン)と呼ばれる集積回路からなる制御用集積回路4に設けられている。制御用集積回路4としては入出力の電圧値が2段階のみであってA/D変換器やD/A変換器を含まないものを用いれば、制御用集積回路4での消費電力が比較的に抑えられる。
【0022】
また、本実施形態は、ドライブ部31の動作開始後に電力変換部2から電力を供給され駆動用集積回路3の電源となる直流電力を出力する駆動電源部5を備える。駆動電源部5は、例えば、出力側コンデンサ(図示せず)と、電力変換部2のスイッチング素子Q2,Q3の接続点に接続されて出力側コンデンサを充電する充電回路(図示せず)とを有し、出力側コンデンサの両端電圧を出力電圧Vcc2としている。ドライブ部31の動作開始から十分な時間が経過し出力側コンデンサの両端電圧が安定した状態では、出力側コンデンサの両端電圧すなわち駆動電源部5の出力電圧Vcc2は例えば10Vとなる。
【0023】
さらに、駆動用集積回路3には、ドライブ部31の動作開始前に直流電源部1から電力を供給されて駆動電源部5の電源となる直流電力を出力する起動部32と、駆動電源部5とから電力を供給され、図3(b)に示す駆動電源部5の出力電圧(以下、「駆動電圧」と呼ぶ。)Vcc2が所定の基準電圧Vr1以上である期間に、図3(c)に示すような制御用集積回路4の電源となる所定の制御電圧Vcc1(例えば5V)を生成して制御用集積回路4に供給する制御電源部33とがそれぞれ設けられている。駆動用集積回路3から制御用集積回路4に制御電圧Vcc1を出力する電路はノイズ除去用のコンデンサC51を介してグランドに接続されている。
【0024】
また、駆動用集積回路3には、ドライブ部31と起動部32とをそれぞれ制御する停止実行部34が設けられている。図3(d)に示す停止実行部34の出力がLレベルである期間にはドライブ部31が停止されるとともに起動部32から駆動電源部5への電力供給がオンされるが、停止実行部34の出力がHレベルである期間には起動部32から駆動電源部5への電力供給がオフされる。ただし、停止実行部34の出力がHレベルである期間にはドライブ部31が動作(つまり図3(e)に示すようなスイッチング素子Q2,Q3の駆動用の出力を生成)することにより電力変換部2から駆動電源部5への電力供給がなされる。
【0025】
また、駆動用集積回路3には、シーケンス制御部41の出力に応じた周波数の矩形波を出力する発振部35が設けられており、ドライブ部31は発振部35の出力の周波数で電力変換部2のスイッチング素子Q2,Q3をオンオフ駆動する。さらに、駆動用集積回路3には、停止実行部34により制御され、ドライブ部31の動作中には図3(f)に示す所定の報知電圧Vcc3を出力する一方、ドライブ部31の動作中には出力を停止する駆動電源部30が設けられている。駆動電源部30は例えば制御電源部33と同様の回路構成とすることができる。報知電圧Vcc3は、ドライブ部31の動作状態を制御用集積回路4に報知するために制御用報知回路4へも出力される。また、発振部35は上記の報知電圧Vcc3を電源としている。つまり、停止実行部34は、報知電源部30から発振部35への電力の供給を停止させることで発振部35及びドライブ部31をそれぞれ停止させる。
【0026】
発振部35は、図4に示すように、非反転入力端子が抵抗R103を介してシーケンス制御部41に接続されるとともに抵抗R104と制御用コンデンサC103との並列回路を介してグランドに接続され、出力端子が反転入力端子に接続されるとともに2個の抵抗R106,R102を介してグランドに接続されたオペアンプからなるボルテージフォロワOP1と、非反転入力端子に所定の第2参照電圧Vr2が入力され反転入力端子が抵抗R106を介してボルテージフォロワOP1の出力端子に接続された制御用オペアンプOP2とを備える。このオペアンプ102の出力端子は、各入力端にそれぞれ報知電圧Vcc3が入力された充電用カレントミラー回路CM1の一方の出力端と抵抗R102との間に接続された充電用スイッチング素子Qcのゲートに接続されており、上記の充電用カレントミラー回路CM1の他方の出力端は発振用コンデンサC102を介してグランドに接続されている。また、発振部35は、ゲートが充電用カレントミラー回路CM1の上記一方の出力端に接続されたp型チャネルの電界効果トランジスタからなる第1放電用スイッチング素子Qdを介して一方の入力端に報知電圧Vcc3が入力されるとともに他方の入力端に発振用コンデンサC102が接続され各出力端がそれぞれグランドに接続された放電用カレントミラー回路CM2を備える。さらに、発振部35は、反転入力端子が発振用コンデンサC102に接続されるとともに所定の第3参照電圧Vr3と第3参照電圧Vr3よりも低い所定の第4参照電圧Vr4との一方がトランスファーゲート回路を用いて構成されたマルチプレクサTG2を介して非反転入力端子に入力されるコンパレータCP3を備える。上記のマルチプレクサTG2にはコンパレータCP3の出力端子が接続されており、コンパレータCP3の出力がHレベルである期間には第3参照電圧Vr3がコンパレータCP3の非反転入力端子に入力され、コンパレータCP3の出力がLレベルである期間には第4参照電圧Vr4がコンパレータCP3の非反転入力端子に入力されるように構成されている。また、放電用カレントミラー回路CM2には、n型チャネルの電界効果トランジスタからなりゲートがコンパレータCP3の出力端子に接続された第2放電用スイッチング素子Q105が並列に接続されている。
【0027】
発振部35の動作を説明する。発振用コンデンサC102が十分に充電されていない状態では、コンパレータCP3の出力がHレベルとなることにより、コンパレータCP3の非反転入力端子には第3参照電圧Vr3が入力され、スイッチング素子Q105はオンされる。この間、放電用カレントミラー回路CM2に並列に接続された第2放電用スイッチング素子Q105のオンにより、放電用カレントミラー回路CM2を介した発振用コンデンサC102の放電は抑えられ、充電用カレントミラー回路CM1を介した充電により発振用コンデンサC102の両端電圧は徐々に上昇する。やがて発振用コンデンサC102の両端電圧が第3参照電圧Vr3に達すると、コンパレータCP3の出力がLレベルとなり、コンパレータCP3の非反転入力端子への入力電圧が第4参照電圧Vr4になるとともに、第2放電用スイッチング素子Q105がオフされる。すると、充電用カレントミラー回路CM1を介した充電電流よりも放電用カレントミラー回路CM2を介した放電電流が多くなることにより、発振用コンデンサC102の両端電圧は徐々に低下する。そして発振用コンデンサC102の両端電圧が第4参照電圧Vr4に達すると再びコンパレータCP3の出力がHレベルとなり、以下同様の動作を繰り返す。これにより、発振用コンデンサC102の両端電圧すなわちコンパレータCP3の反転入力端子への入力電圧は図5(a)に示すように第3参照電圧Vr3と第4参照電圧Vr4との間で上下を繰り返し、コンパレータCP3の出力は図5(b)に示すような矩形波となる。さらに、発振部35は、コンパレータCP3の出力を整形してドライブ部31に出力する出力整形回路35aを有する。出力整形回路35aは、図5(c)に示すようにコンパレータCP3の出力を例えば2分周することで第1矩形信号を生成する第1矩形信号生成部(図示せず)と、第1矩形信号の出力が反転された第2矩形信号を生成する第2矩形信号生成部(図示せず)と、第1矩形信号のオン(LレベルからHレベルへの反転)のタイミングを所定のデッドタイムtdだけ遅らせることで図5(d)に示すような第1駆動信号を生成し第2矩形信号のオンのタイミングを上記と同様に遅らせることで第2駆動信号を生成して第1駆動信号と第2駆動信号とをそれぞれドライブ部31に出力するデッドタイム生成部(図示せず)とを有する。ドライブ部31は、電力変換部2の一方のスイッチング素子Q2を第1駆動信号のオン期間(Hレベルの期間)にオンさせ第1駆動信号のオフ期間(Lレベルの期間)にオフさせる第1ドライブ部31aと、電力変換部2の他方のスイッチング素子Q3を第2駆動信号のオン期間にオンさせ第2駆動信号のオフ期間にオフさせる第2ドライブ部31bとを有する。すなわち、上記のデッドタイム生成部により、電力変換部2の2個のスイッチング素子Q2,Q3が同時にオンされることが防止されている。上記構成では発振用コンデンサC102には特に高い容量値が要求されないので、発振用コンデンサC102は制御用集積回路4に構成することができる。
【0028】
ここで、発振用コンデンサC102の充電電流及び放電電流は、それぞれ、制御用オペアンプOP2の反転入力端子への入力電圧が高いほど、つまり制御用コンデンサC103の両端電圧が高いほど少なくなる。すなわち、上記の第1駆動信号及び第2駆動信号の周波数、つまりドライブ部31の動作の周波数であって放電灯Laに出力される交流電力の周波数(以下、「動作周波数」と呼ぶ。)は、制御用コンデンサC103の両端電圧が高いほど低くなる。
【0029】
制御用集積回路4のシーケンス制御部41は、図1(a)に示す制御電圧Vcc1の供給が開始されてからの時間に応じて、図1(e)に示す制御用コンデンサC103の両端電圧を変化させることにより、放電灯Laの各フィラメントをそれぞれ予熱する予熱動作t1〜t2の後、放電灯Laの点灯を開始させる始動動作t2〜t3を行い、その後に、放電灯Laの点灯を維持させる定常動作t3〜t4に移行する。例えば、シーケンス制御部41は、抵抗R103を介して制御用コンデンサC103に対し図1(d)に示すようなPWM信号を出力するものであり、このPWM信号のオンデューティによって制御用コンデンサC103の両端電圧を変化させる。具体的には、予熱動作t1〜t2中には上記のPWM信号を停止させ(言い換えると上記のオンデューティを0にし)、定常動作t3〜t4では始動動作t2〜t3よりも上記のオンデューティを高くすることで、段階的に制御用コンデンサC103の両端電圧を上昇させ、すなわち図1(f)に示すように動作周波数f1〜f3を段階的に低下させる。つまり、動作周波数は、予熱動作t1〜t2中は最も高い動作周波数f1とされ、始動動作t2〜t3中は予熱動作t1〜t2中よりも低い動作周波数f2とされ、定常動作t3〜t4中は始動動作t2〜t3中よりもさらに低い動作周波数f3とされる。なお、シーケンス制御部41の出力はPWM信号に限られず、制御用コンデンサC103の両端電圧を変化させるものであればよい。電力変換部2においてローサイドのスイッチング素子Q3の両端間に接続されて放電灯Laを含む共振回路の共振周波数に比べて動作周波数f1〜f3は高くされており、つまり動作周波数f1〜f3が低いほど電力変換部2から放電灯Laに出力される電力は増加する。すなわち、上記のような動作周波数f1〜f3の段階的な低下により、放電灯Laへの出力電力は段階的に増加する。また、始動動作t2〜t3を開始するタイミングt2と定常動作t3〜t4を開始するタイミングt3とはそれぞれ計時により決定される。
【0030】
また、停止実行部34は、制御用集積回路4への制御電圧Vcc1の出力が開始されてから所定の停止時間T1はドライブ部31の動作を開始させない。従って、予熱動作t1〜t2が開始されるタイミングは、制御用集積回路4への制御電圧Vcc1の出力が開始されてから所定の停止時間T1の経過後となっている。停止時間T1は制御用コンデンサC103の十分な放電が可能な程度に長くされており、従って、定常動作t3〜t4が停止された後にすぐ再度の始動が行われる場合であっても、次の予熱動作t1〜t2が開始される前の停止時間T1中に十分に制御用コンデンサC103の放電がなされるから、予熱動作t1〜t2の開始時t1に電力変換部2から放電灯Laへの出力電力が過剰となってしまうことがない。
【0031】
ここで、制御用集積回路4には、停止実行部34に接続された停止制御部42が設けられている。制御用集積回路4の停止制御部42から駆動用集積回路3の停止実行部34への電路は、抵抗R51を介して制御電圧Vcc1の電路に接続されている。停止制御部42は、通常は上記電路の電位をグランドと等しいLレベルとし、ドライブ部31を停止させる際には上記電路の電位を制御電圧Vcc1と等しいHレベルとすることでドライブ部31の停止を指示する。つまり、ドライブ部31の停止が指示されている期間には上記の抵抗R51では電流が流れず電力が消費されないのであり、上記の抵抗R51に常に電流が流れる構成とする場合に比べて消費電力が低減されている。そして、停止実行部34は停止制御部42の出力がHレベルである期間にはドライブ部31を動作させない。図1の例では制御電圧Vcc1の出力が開始されてから定常動作t3〜t4の終了時t4までは停止実行部34への入力(すなわち停止制御部42の出力)がLレベルに維持されていることにより、制御電圧Vcc1の出力が開始されてから停止時間T1の経過後に予熱動作t1〜t2が開始されているが、制御電圧Vcc1の出力が開始された後に停止実行部34への入力がHレベルとなっていてその後Lレベルに変化した場合には、停止実行部34への入力がLレベルとなってから停止時間T1の経過後に予熱動作t1〜t2が開始される。つまり、厳密には制御電源部33から制御電圧Vcc1が出力されていて且つ停止実行部34への入力がLレベルであるという状態が停止時間T1だけ継続された時点で予熱動作t1〜t2が開始されるのであり、定常動作t3〜t4が終了されてから次に予熱動作t1〜t2が開始されるまでの間には少なくとも停止時間T1の停止は確保される。
【0032】
さらに、本実施形態は、整流部DBの出力電圧を平滑した電圧に応じた直流電圧を出力する電源検出部61と、例えば直流電源部1の出力電圧を分圧する分圧抵抗からなり直流電源部1の出力電圧が高いほど高い電圧を出力する直流電源検出部62とを備える。
【0033】
また、本実施形態の駆動用集積回路3には、直流電源部1のスイッチング素子Q1を駆動するための回路が設けられている。詳しく説明すると、駆動用集積回路3には、所定の第7参照電圧Vr7と直流電源検出部62の出力電圧との差に応じた電圧を出力するエラーアンプOP3と、電源検出部61の出力とエラーアンプOP3の出力とを乗算する乗算器36aと、反転入力端子に乗算器36aの出力が入力されて非反転入力端子は直流電源部1のスイッチング素子Q1と抵抗R5との接続点に接続されたコンパレータCP1と、コンパレータCP1の出力がリセット端子に入力されるフリップフロップ回路36bと、抵抗R4を介して直流電源部1のスイッチング素子Q1に接続されフリップフロップ回路36bの出力に応じて直流電源部1のスイッチング素子Q1をオンオフ駆動する電源ドライブ部36cとが設けられている。
【0034】
さらに、直流電源部1のインダクタL1には、一端がグランドに接続された2次巻線が設けられており、この2次巻線の他端は、駆動用集積回路3に設けられたゼロ電流検出部36dに接続されている。ゼロ電流検出部36dは、フリップフロップ回路36cのセット端子に接続されており、上記の2次巻線に誘導される電圧に基いてインダクタL1のエネルギー放出の完了を検出し、インダクタL1のエネルギー放出の完了が検出されたときにフリップフロップ回路36bのセット端子にパルスを入力する。
【0035】
以上により、直流電源部1のスイッチング素子Q1は周期的にオンオフ駆動され、そのオンデューティは直流電源部1の出力電圧を所定の目標電圧とするようにフィードバック制御される。この目標電圧は、直流電源検出部62の出力電圧を第7参照電圧Vr7とするような電圧となる。
【0036】
また、本実施形態の停止実行部34は、交流電源ACから入力される電圧(以下、「入力電源電圧」と呼ぶ。)の低下を電源検出部61の出力に基いて判定し、入力電源電圧の低下が判定されたときに、停止制御部42の出力がHレベルとなったときと同様に出力をLレベルとしてドライブ部31や報知電源部30を停止させる。
【0037】
具体的に説明すると、電源検出部61は図6に示すように整流器DBの出力電圧を分圧抵抗で分圧するとともにコンデンサで平滑した直流電圧を出力するものである。また、停止実行部34は、非反転入力端子に所定の第5参照電圧Vr5が入力され反転入力端子に電源検出部61の出力電圧が入力された入力コンパレータCP4と、非反転入力端子が停止制御部42に接続され反転入力端子に第5参照電圧Vr5が入力された入力コンパレータCP5と、上記2個の入力コンパレータCP4,CP5の出力の論理和を出力する論理和回路OR2と、駆動用集積回路3の外部に設けられた遅延用コンデンサC105を充電する定電流源Ir2と、nチャネル型のFETからなり遅延用コンデンサC105に並列に接続されるとともに論理和回路OR2の出力がゲートに入力されたスイッチング素子Q106と、非反転入力端子に遅延用コンデンサC105が接続され反転入力端子に所定の第6参照電圧Vr6が入力された出力コンパレータCP6とを備える。この出力コンパレータCP6の出力がHレベルとなる期間がすなわちドライブ部31及び報知電源部30が動作する期間であって報知電圧Vcc3が出力される期間である。
【0038】
上記の停止実行部34の動作を説明する。停止実行部34は制御電源部33から出力される制御電圧Vcc1を電源としていることにより、始動時においては遅延用コンデンサC105の充電は制御電源部33からの制御電圧Vcc1の出力開始とともに開始され、遅延用コンデンサC105の両端電圧が第6参照電圧Vr6に達したときに出力コンパレータCP6の出力がHレベルとなることによりドライブ部31の動作と報知電圧Vcc3の出力とが開始され、このとき起動部32ではスイッチング素子Q101がオフ状態に固定される。つまり、遅延用コンデンサC105の容量値と第6参照電圧Vr6との積を、停止実行部34の定電流源Ir2の出力電流で除して得られる充電時間T2が、すなわち停止時間T1に一致する。
【0039】
また、電源検出部61の出力電圧が第5参照電圧Vr5を下回った場合や、停止制御部42の出力がHレベルとなった場合には、いずれかの入力コンパレータCP4,CP5の出力がHレベルとなることでスイッチング素子Q106がオンされることにより、スイッチング素子Q106を介して遅延用コンデンサC105が急激に放電され、遅延用コンデンサC105の両端電圧が第6参照電圧Vr6を下回って出力コンパレータCP6の出力がLレベルとなることにより、ドライブ部31や報知電圧Vcc3の停止がなされる。ここにおいて、スイッチング素子Q106がオフされてから出力コンパレータCP6の出力がLレベルとなるまでの時間(以下、「保持時間」と呼ぶ。)T3(図7参照)は十分に短くなっている。
【0040】
図7に本実施形態の動作の一例を示す。図7の例では、図7(a)に示す停止制御部42の出力がLレベルとなった時点では図7(b)に示す電源検出部61の出力電圧が第5参照電圧Vr5を下回っていることにより図7(c)に示す一方の入力コンパレータCP4の出力がHレベルであり、従って図7(d)に示す論理和回路2の出力もHレベルとなっている。やがて電源検出部61の出力電圧が第5参照電圧Vr5を上回ると、論理和回路OR2の出力がLレベルとなってスイッチング素子Q106がオフされることで遅延用コンデンサC105の充電が開始される。さらに充電時間T2が経過して遅延用コンデンサC105の両端電圧が第6参照電圧Vr6に達すると、出力コンパレータCP6の出力がHレベルとなってドライブ部31の動作と図7(f)に示す報知電圧Vcc3の出力とが開始される。その後、電源検出部61の出力電圧が低下して第5参照電圧Vr5を下回ると、非常に短い保持時間T3で出力コンパレータCP6の出力がLレベルとなり、ここにおいてドライブ部31の動作と報知電圧Vcc3の出力とがそれぞれ停止される。
【0041】
また、本実施形態は、放電灯Laを消灯させるべき異常状態の発生時に変化するパラメータを検出して検出されたパラメータに応じた電圧を出力する異常検出部63を備える。
【0042】
さらに、制御用集積回路4には、放電灯Laを消灯させるべき異常状態か否かを異常検出部63の出力に基いて判定するとともに判定結果に応じた出力を停止制御部42に入力する異常判定部43が設けられている。
【0043】
具体的には例えば、異常状態として放電灯Laの寿命末期を判定する場合、異常検出部63は上記パラメータとして放電灯Laの寿命末期時に増加する非対称電流を検出するものとし、異常判定部43は異常検出部63の出力に基いて放電灯Laが寿命末期か否かを判定する。異常状態は上記に限られず、例えば放電灯Laが正しく接続されていない無負荷状態であってもよい。いずれの場合にも、異常検出部63及び異常判定部43は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0044】
停止制御部42は、定常動作t3〜t4中に異常判定部43によって異常状態が判定されると、駆動用集積回路3への出力をHレベルとしてドライブ部31等を停止させる。
【0045】
ここで、本実施形態の制御用集積回路4には周期的な電気信号であるクロック信号を生成するクロック部45が設けられており、クロック信号の周波数が高いほど、制御用集積回路4の消費電力が増大する反面、少なくとも停止制御部42の動作速度が速くなって異常検出部63からの入力に対する応答や異常判定部43での異常状態の判定に対する応答が速くなる。本実施形態では、制御用集積回路4において入力に対する応答の速さが上記のように異常状態の判定に対する動作が行われる定常動作t3〜t4中に特に必要とされることに着目し、クロック部45が図1(g)に示すように定常動作t3〜t4中のクロック周波数TBを他の期間でのクロック周波数TAよりも高くするという構成を採用している。これにより、定常動作t3〜t4中にはクロック周波数が高い周波数TBとされることで高い応答速度を確保しながらも、ドライブ部31の停止中にはクロック周波数が低い周波数TAとされて消費電力が抑えられることで起動部32にかかる電気的ストレスを低減し駆動電圧Vcc2を安定させることができる。なお、定常動作t3〜t4中にクロック周波数が高い周波数TBとされればよいのであって、クロック周波数を低い周波数TAから高い周波数TBに切り替えるタイミングは図1(g)のような定常動作t3〜t4の開始時t3に限られず、予熱動作t1〜t2の開始時t2から定常動作t3〜t4の開始時t3までの他のタイミングでクロック周波数が切り替えられてもよい。
【0046】
また、制御用集積回路4には、放電灯点灯装置が使用されている時間の累計である累積使用時間を計時する計時部46と、少なくとも電源がオフされている期間に累積使用時間を保持する記憶部47と、計時部46によって計時された累積使用時間を、放電灯点灯装置の寿命とされる所定の装置寿命時間(例えば3万時間)と比較するとともに、累積使用時間が装置寿命時間に達した寿命末期状態であるか否かを判定する寿命判定部48とが設けられている。累積使用時間としては具体的には例えば駆動用集積回路3からの報知電圧Vcc3が入力されている時間(すなわちドライブ部31が動作している時間)が計時される。
【0047】
シーケンス制御部41は、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されている期間には、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されていない期間よりも、予熱動作t1〜t2の継続時間を長くする。具体的には例えば、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されていない期間には予熱動作t1〜t2の継続時間を1秒とするのに対し、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されている期間には予熱動作t1〜t2の継続時間を2〜3秒とする。
【0048】
上記構成によれば、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は予熱動作t1〜t2の継続時間が長くされることで放電灯Laの寿命が短くなりやすくなり放電灯Laが交換される間隔が狭まることで、使用者は寿命末期状態を知ることができる。また、上記の例のように予熱動作t1〜t2の継続時間の延長幅を人が実感できるほど長くすれば、放電灯Laの点灯が遅くなることによっても使用者は寿命末期状態を知ることができる。
【0049】
さらに、累積使用時間が装置寿命時間に達した後に、例えば電源が投入された後に予熱動作t1〜t2の開始される前に停止制御部42が所定の追加時間にわたり出力をHレベルとしてもよい。すなわち、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は、電源が投入されてから予熱動作t1〜t2が開始されるまでの時間は、上記の追加時間だけ延長され、停止時間T1に上記の追加時間が加算されただけの時間となる。この構成を採用すれば、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は、電源が投入されてから放電灯Laが実際に点灯されるまでの時間がより長くなることにより、使用者にとって寿命末期状態がより分かりやすくなる。
【0050】
なお、シーケンス制御部41が、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されている期間には、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されていない期間よりも、始動動作t2〜t3の継続時間を短くしたり、始動動作t2〜t3中における発振部35へ出力するPWM信号のオンデューティを低くして動作周波数f2を高くすることで放電灯Laへの出力電力を少なくする構成としてもよい。この構成を採用すれば、放電灯Laの始動性が低下することで、使用者にとって寿命末期状態がより分かりやすくなる。ただし、寿命末期状態であっても、点灯が不可能となることを防ぐために、上記のように始動性を低下させる動作は例えば2回の始動につき1回のみ行われるようにしてもよい。
【0051】
または、上記とは逆に、シーケンス制御部41が、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されている期間には、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されていない期間よりも、始動動作t2〜t3中における発振部35へ出力するPWM信号のオンデューティを高くして動作周波数f2を低くすることで放電灯Laへの出力電力を多くする構成としてもよい。この構成を採用すれば、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は始動動作t2〜t3中に放電灯Laにかかる電気的ストレスが増大し放電灯Laの寿命が短くなりやすくなり放電灯Laが交換される間隔がさらに狭まることで、使用者が寿命末期状態に気付きやすくなる。
【0052】
また、寿命判定部48によって寿命末期状態が判定されている期間には、定常動作t3〜t4が開始される前に、例えば始動動作t2〜t3中に異常判定部43の判定結果の監視が開始されるようにしてもよい。この構成を採用すれば、累積使用時間が装置寿命時間に達した後は始動動作t2〜t3中に異常判定部43の判定による停止で放電灯Laの始動が中止される可能性が生じて始動性が低下することにより、使用者が寿命末期状態に気付きやすくなる。
【0053】
上記各種の放電灯点灯装置は、放電灯Laとともに適宜の形状の器具本体(図示せず)に保持されて照明器具(図示せず)を構成することができる。このような器具本体及び照明器具は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【符号の説明】
【0054】
1 直流電源部
2 電力変換部(請求項におけるスイッチング部、共振部)
31 ドライブ部
41 シーケンス制御部(請求項における制御部)
42 停止制御部(請求項における制御部)
43 異常判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を出力する直流電源部と、
放電灯とともに共振回路を構成する共振部と、
少なくとも1個のスイッチング素子を含み該スイッチング素子のオンオフに伴って直流電源部と共振部との接続を切り替えるスイッチング部と、
スイッチング部のスイッチング素子をオンオフ駆動することによって共振部から放電灯に交流電力を供給させるドライブ部と、
ドライブ部の動作の周波数を制御することによって共振部から放電灯に出力される交流電力の周波数を制御する制御部と、
少なくともドライブ部の動作中には累積して計時され且つリセットされることがない累積使用時間を計時する計時部とを備え、
制御部は、放電灯の始動時、放電灯の各フィラメントをそれぞれ予熱する予熱動作の後、放電灯の点灯を開始させる始動動作を行い、その後に、放電灯の点灯を維持させる定常動作に移行するものであって、
計時部によって計時された累積使用時間が所定の装置寿命時間に達した後は、累積使用時間が装置寿命時間に達する以前よりも予熱動作の継続時間を長くすることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
放電灯を消灯させるべき異常状態か否かを判定する異常判定部を備え、
制御部は、異常判定部による判定結果の監視を、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達する以前には定常動作中にのみ行い、計時部によって計時された累積使用時間が装置寿命時間に達した後は定常動作の開始前から行い、異常判定部による判定結果の監視中に異常判定部によって異常状態が判定されたときには少なくともドライブ部を停止させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の放電灯点灯装置と、放電灯点灯装置を保持した器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−257792(P2010−257792A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107074(P2009−107074)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】