説明

教育システム

【課題】 配信コンテンツに関して講師、受講者間で十分なコミュニケーションを取ることができる教育システムを提供する。
【解決手段】 教育システム上で、あるクライアントコンピュータ10からサーバ30を介して他のクライアントコンピュータ10に対して数式を送信し、クライアントコンピュータ10の表示画面で数式を共有することができ、教育上コミュニケーションを向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンやコンピュータネットワークなどを利用して教育を行なう教育システムに関し、特に、講師、受講者間のコミュニケーションを図る教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高等教育機関や企業研修などにおいてe-learning等の教育システムの利用が増えている。e-learningの利点は、インターネット環境が整っていれば何処でも講義が受けられるといった点があるが、講師との間のコミュニケーションにおいての問題点も見られる。e-learningの種類には、主にライブ型とオンデマンド型がある。
【0003】
ライブ型とは、講演や研修内容などを遠隔地にいる受講者にライブ(生放送)で配信するものである。講演会場が遠い場合でも、わざわざ出向くことなく、居ながらにして受講することができる。
【0004】
オンデマンド型とは、すでに用意されている教材の中から、受講者の要求により、教材を配信する方法である。オンデマンド型では、受講者が都合の良い時間を利用し、学習を進めることができる。講演者側も内容の編集ができるので、講義を解りやすく再編することができる。
【特許文献1】特開2003−255814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記ライブ型教育システムの場合に、講師に対して受講者が質問時に音声で行っても互いの姿が見えないだけでなく、共通の資料のどの部分に質問があるかを指摘することが難しく、特に、数式の場合にあっては質問対象となっている式が資料で省略されている途中の式である場合もあり、受講者が式を講師に提示して間違いを指摘してもらう等、数式を取り扱うことができないことによる意思疎通を十分にできないという課題を有する。また、シミュレーションに関しては、講師が行っているシミュレーションを単に受講者は見るだけに留まっており、十分に理解することができず、さらに、数式と同様に質問時に意思疎通を十分にできないという課題を有する。数式、シミュレーションの他、図面等の配信コンテンツに関して受講者が正確に自己の疑問点を言葉で表現できずに、意思疎通できないという課題を有する。ここで、講師、受講者が双方向に姿が見えている構成であっても、前記数式等の配信コンテンツを詳細に指摘することはできず、十分なコミュニケーションを図れないという課題は残存する。なお、ライブ型教育システムに関しては、リアルタイムに意思疎通していないために、さらにコミュニケーションを取ることが難しい。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、配信コンテンツに関して講師、受講者間で十分なコミュニケーションを取ることができる教育システムを提供することを目的とする。また、前記課題を有したままで教育システムを運用していくということは、受講者が十分に授業を理解できないまま進めていくこととなり学習効率も悪く、本発明では学習効率の向上も目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1)
本発明に係る教育システムは、サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された数式情報を受信し、クライアントコンピュータに送信する数式提供手段を有し、クライアントコンピュータがサーバの数式提供手段から受信した数式情報をクライアントコンピュータの表示画面に数式の形で表示するものである。このように本発明においては、教育システム上で、あるクライアントコンピュータからサーバを介して他のクライアントコンピュータに対して数式を送信し、クライアントコンピュータの表示画面で数式を共有することができ、システム上でのコミュニケーションを向上できる。
【0008】
(請求項2)
本発明に係る教育システムは、サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、サーバが、シミュレーション情報を教育用コンテンツとして予め記録し、サーバが、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータにシミュレーション情報を送信するシミュレーション提供手段を有し、クライアントコンピュータがサーバのシミュレーション提供手段から受信したシミュレーション情報に基づいてクライアントコンピュータ上でシミュレーションを実行し、シミュレーション結果をクライアントコンピュータの表示画面に表示するものである。このように本発明においては、教育システム上で、サーバがクライアントコンピュータに対してシミュレーション情報を送信し、クライアントコンピュータ上でシミュレーションを実行し、表示画面にてシミュレーション結果を見ることができ、単に講義を聴くだけでなくシミュレーションを行うことでより受講者の理解が高まる。シミュレーション情報とは、シミュレーションに係る情報のことであり、シミュレーションプログラム自体であったり、シミュレーションプログラムで用いる座標情報等の入力情報であったりする。
【0009】
(請求項3)
本発明に係る教育システムは、サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、サーバが、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに画像情報を送信する画像提供手段と、クライアントコンピュータで表示された画像を編集することにより生成される画像編集情報を受信し、他のクライアントコンピュータに受信した画像編集情報を送信する画像編集情報提供手段とを有し、クライアントコンピュータがサーバの画像提供手段から受信した画像情報をクライアントコンピュータの表示画面に表示し、クライアントコンピュータ上で表示画面に表示した画像に編集を加えることで画像編集情報を生成し、サーバに送信し、当該サーバの画像編集情報提供手段が画像編集情報を受信し、他のクライアントコンピュータに対して画像編集情報を送信し、他のクライアントコンピュータが表示している画像に対し受信した画像編集情報に基づき描画するものである。このように本発明においては、あるクライアントコンピュータで表示画面に表示されている画像に編集を加えると、それに応じて画像編集情報が生成され、編集が終了すると共に画総編集情報がサーバを介して他のクライアントコンピュータに送信され、他のクライアントコンピュータの表示画面に表示されている画像に画像編集情報に基づいた表示もなされ、画像の編集をクライアントコンピュータ同士で共有することができ、教育システム上のコミュニケーションを向上させることができる。
【0010】
(請求項4)
本発明に係る教育システムは必要に応じて、サーバが、動画情報及び/又は音声情報を教育用コンテンツとして記録し、サーバが、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに動画情報及び/又は音声情報を送信する動画音声配信手段を有し、クライアントコンピュータがサーバの動画音声配信手段から受信した動画情報及び/又は音声情報をクライアントコンピュータの表示画面及び/又は音声出力部に出力するものである。音声出力部とは、スピーカ、ヘッドフォン等の音声情報を音として出力することができるデバイスのことである。
【0011】
(請求項5)
本発明に係る教育システムは必要に応じて、サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された文字情報を受信し、クライアントコンピュータにリアルタイムに送信するチャット提供手段を有し、クライアントコンピュータがサーバのチャット提供手段から受信した文字情報をクライアントコンピュータの表示画面に表示するものである。このように本発明においては、クライアントコンピュータ同士で教育システム上でチャットを行うことができ、よりコミュニケーションを向上させることができる。
【0012】
(請求項6)
本発明に係る教育システムは必要に応じて、サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された情報を受信し、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに送信する電子掲示板提供手段を有し、クライアントコンピュータがサーバの電子掲示板手段から受信した情報を受信した情報の形式に合わせてクライアントコンピュータの表示画面に表示するものである。このように本発明においては、クライアントコンピュータ同士で教育システム上で電子掲示板を利用することができ、よりコミュニケーションを向上させることができる。
【0013】
(請求項7)
本発明に係る教育システムは必要に応じて、前記動画情報をフレームで画定して表示している表示画面中の同一ウィンドウにフレームで画定して、サーバから受信した動画情報以外の情報を表示するものである。このように本発明においては、クライアントコンピュータ上で動画情報をウィンドウのあるフレームで表示するだけでなく、同一ウィンドウの他のフレームで前記数式、シミュレーション、画像編集、チャット、電子掲示板を表示し、複数のメディアを介したコミュニケーションにより高い意思疎通を図ることができ、もって優れた学習効果を発揮することができる。
【0014】
(請求項8)
本発明に係る教育システムは、サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された文字情報を受信し、クライアントコンピュータにリアルタイムに送信するチャット提供手段と、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された情報を受信し、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに送信する電子掲示板提供手段と、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された数式情報を受信し、クライアントコンピュータに送信する数式提供手段と、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに教育用コンテンツとして予め記録していたシミュレーション情報を送信するシミュレーション提供手段とを有し、クライアントコンピュータが、チャット提供手段からの文字情報と、電子掲示板提供手段からの情報と、数式提供手段からの数式情報と、シミュレーション提供手段からのシミュレーション情報とを同時に受信し、表示画面の同一ウィンドウにそれぞれの形式でフレーム毎に表示するものである。このように本発明においては、クライアントコンピュータ上で前記数式、シミュレーション、画像編集、チャット、電子掲示板を同一ウィンドウのそれぞれのフレームに同時に表示するので、受講者は自分にあったメディアを利用してコミュニケーションを図ることができ、優れた学習効果を発揮することができる。
【0015】
(請求項9)
本発明に係る教育システムは必要に応じて、サーバに、クライアントコンピュータのウィンドウのフレームを制御するフレーム制御手段を備え、当該フレーム制御手段が、クライアントコンピュータのウィンドウの各フレームを同一にするものである。このように本発明においては、サーバのフレーム制御手段が、クライアントコンピュータの表示画面のウィンドウのフレームを制御し、全てのクライアントコンピュータの表示画面のウィンドウで同じ表示となって受講者が同じ授業を受けれるだけでなく、講師も授業をし易く、コミュニケーションを取りやすく、学習効果に優れる。ウィンドウのフレームはクライアントコンピュータで操作できるものの、必要に応じてサーバのフレーム制御手段が表示を同じにすることで、講師が注目して欲しいフレームを明示させたり、受講者が質問対象としているフレームを明示させたり、不要なフレームを小さくしたり、削除したりすることができる。
【0016】
e-learningシステムは教育システムの一つであり、教育システムとしては他にCBT(Computer Base Training)やCAI(Computer Aided Instruction)等がある。
これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は多くの異なる形態で実施可能である。したがって、下記の各実施形態の記載内容のみで解釈すべきではない。また、各実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
各実施形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はコンピュータで使用可能なプログラム及び方法としても実施できる。また、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ソフトウェア及びハードウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置または磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0018】
(本発明の第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る教育システムについて、図に基づき説明する。
図1及び図2に示すように本実施形態に係る教育システムは、受講者が使用し、配信用コンテンツを受信して受講者に対して出力するクライアントコンピュータ10と、配信用コンテンツを記録する配信用データベース20と、クライアントコンピュータ10の要求に応じて配信用データベース20に記録された配信用コンテンツをクライアントコンピュータ10に送信するサーバコンピュータ30とを備え、サーバコンピュータ30が、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータ10から送信された情報を受信し、クライアントコンピュータ10の要求に応じてクライアントコンピュータ10に送信する電子掲示板提供手段31と、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータ10から送信された数式情報を受信し、クライアントコンピュータ10に送信する数式提供手段32と、クライアントコンピュータ10の要求に応じてクライアントコンピュータ10にシミュレーション情報を送信するシミュレーション提供手段33とを有する構成である。すなわち、教育システム上で数式及び画像を受講者が扱うことができ、シミュレーションを受講者が操作でき、取り扱う画像を受講者が自由に編集できることを特徴とする。
【0019】
サーバコンピュータ30は、電子掲示板提供手段31、数式提供手段32、シミュレーション提供手段33の他、異種データの組み合わせやデザイン・レイアウトなどの一連の編集作業を行って配信用コンテンツを作成することができるオーサリングコンピュータ40で作成された配信用コンテンツを受け取り、配信用データベース20に記録し、配信可能にするコンテンツ配備手段34と、クライアントコンピュータ10に対してコンテンツメニューを送信するメニュー提供手段35と、クライアントコンピュータ10に対して要求のあった配信用コンテンツを配信用データベースから送信するコンテンツ配信手段36とを有する。
【0020】
[コンテンツ配信] 図3に示すように、受講者はクライアントコンピュータ10を用いてサーバコンピュータ30にアクセスする(ステップ101)。必要に応じて受講者を特定するための認証を経て、サーバコンピュータ30のメニュー提供手段35はコンテンツメニューをクライアントコンピュータ10に送信する(ステップ102)。クライアントコンピュータ10はコンテンツメニューを受信し、ディスプレイに表示する(ステップ103)。受講者は、キーボード、マウス等の入力手段を用いてディスプレイに表示されているメニューの中から受講するコンテンツを指定する(ステップ104)。クライアントコンピュータ10は、受講者から指定されたコンテンツを識別するコンテンツ識別情報をサーバコンピュータ30に送信する(ステップ105)。サーバコンピュータ30のコンテンツ配信手段36はコンテンツ識別情報を受信し、該当する配信用コンテンツを配信用データベース20から読み出し、要求の合ったクライアントコンピュータ10に対して送信する(ステップ106)。クライアントコンピュータ10は配信用コンテンツを受信し、ディスプレイやスピーカで再生する(ステップ107)。
【0021】
前記認証は、本発明の本質的部分でなく、かつ、様々な認証が周知技術として存在し当業者は種々の周知技術を採ることができ、ここでは詳細な説明は省略する。この認証により、サーバコンピュータ30はクライアントコンピュータ10を使用する受講者を特定することができる。
【0022】
前記ステップ106でクライアントコンピュータ10に送信した配信用コンテンツは、コンテンツの種類においては随時送信するものもある。例えば、プレゼンテーション情報である場合にページ毎の送信となったり、動画情報である場合にストリーミングである場合に再生と共にバッファの大きさに応じて随時送信したりする。
【0023】
[電子掲示板] 図4に示すように受講者はクライアントコンピュータ10を用いて電子掲示板の表示の要求をサーバコンピュータ30に対して行う(ステップ201)。必要に応じて受講者を特定するための認証を経て、サーバコンピュータ30の電子掲示板提供手段31は掲示板情報を要求のあったクライアントコンピュータ10に対して送信する(ステップ202)。クライアントコンピュータ10は受信した掲示板情報をディスプレイに表示する(ステップ203)。
【0024】
ここで、受講者がディスプレイ上に表示されているテキストボックスに、キーボード等の入力手段を用いて入力し、送信のコマンドボタンを押下すると(ステップ204)、クライアントコンピュータ10は、入力された書き込み情報をサーバコンピュータ30に送信する(ステップ205)。サーバコンピュータ30の電子掲示板提供手段は受信した書き込み情報を掲示板情報に追加し、更新した掲示板情報をクライアントコンピュータ10に送信する(ステップ206)。クライアントコンピュータは受信した更新された掲示板情報をディスプレイに表示する(ステップ207)。
【0025】
ステップ207を経て新規書き込みが更新された後に、他の受講者からのステップ201の要求があって、ステップ202及びステップ203を経ることで、他の受講者も新規の書き込み情報を自己のクライアントコンピュータ10のディスプレイに表示することができる。
【0026】
[数式表示] クライアントコンピュータ10は所定の数式フォーマットに従った数式情報を表示することができるように構成されている。数式情報自体は通常の文字コードからなり、受講者が数式フォーマットに準じてキーボード等の入力手段により入力することで作成することができる。例えば、「plus」という文字からなる数式情報があれば、クライアントコンピュータ10のディスプレイで解読されて「+」という表示になる。
【0027】
したがって、数式情報を前記配信用コンテンツとすると、受講者は前記ステップ101ないし107を経て指定した数式情報をサーバコンピュータ30の数式提供手段32から受信し、クライアントコンピュータ10のディスプレイに数式情報に基づいた数式を表示することができる。
【0028】
さらに、数式情報は、前記電子掲示板における書き込み情報にすることもできる。すなわち、前記ステップ204で、受講者がクライアントコンピュータ10のキーボード等の入力手段を用いて数式情報をテキストボックスに入力することができる。そうすることで、ステップ207でクライアントコンピュータ10のディスプレイに表示されている電子掲示板上に数式を表示することもでき、広く受講者同士(講師もクライアントコンピュータ10を用いることで数式を見ることができる)で共有して数式を見ることができるようになる。
【0029】
このように自由に数式を表示し、他の者のコンピュータ上でも表示することができることで、より円滑なコミュニケーションを実現することができる。
[シミュレーション] 図5に示すように受講者はクライアントコンピュータ10を用いてシミュレーションの要求をサーバコンピュータ30に対して行う(ステップ301)。サーバコンピュータ30のシミュレーション提供手段33は要求のあったクライアントコンピュータ10に対してパラメータ指定画面情報を送信する(ステップ302)。クライアントコンピュータ10はパラメータ指定画面を表示する(ステップ303)。受講者はクライアントコンピュータ10のキーボード、マウス等の入力手段を用いてパラメータを指定する(ステップ304)。受講者に指定されたパラメータ指定情報をクライアントコンピュータ10はサーバコンピュータ30に対して送信する(ステップ305)。サーバコンピュータ30のシミュレーション提供手段33は受信したパラメータ指定情報に基づきシミュレーションの演算を行う(ステップ306)。シミュレーション提供手段33は演算結果をクライアントコンピュータ10に送信する(ステップ307)。クライアントコンピュータ10は受信した演算結果をシミュレーションプログラムに入力して実行し、実行結果を随時ディスプレイに表示する(ステップ308)。
【0030】
シミュレーションプログラムは、サーバコンピュータ30が必要に応じてクライアントコンピュータ10に送信する。必要に応じてとは、シミュレーションプログラムは、一端クライアントコンピュータ10が受信してインストールすれば、授業の度にインストールする必要はないからである。インストール後に再びインストールが必要となる場合としては、プログラムのバージョンがアップした場合、プログラムの一部が破棄、破壊された場合がある。ただし、スクリプト系のプログラムであれば、授業の度、表示の更新の度にサーバコンピュータ30から受信する必要がある。
ステップ306でシミュレーションの演算は、サーバコンピュータ30上で行っているが、クライアントコンピュータ10のプラグインが実行する構成にすることもできる。
【0031】
なお、ステップ301以前にて、サーバコンピュータ30のメニュー提供手段35から複数のシミュレーション名からなるメニュー情報を送信し、クライアントコンピュータ10のディスプレイで表示し、利用者がシミュレーションを選択し、クライアントコンピュータ10が利用者が選択したシミュレーションを特定する情報を送信することで、サーバコンピュータ30に対してシミュレーションの要求を行うこともできる。
シミュレーションの具体例としては、実施例にて図12ないし図15に基づき説明している。
【0032】
[フレーム表示] 配信用コンテンツ作成者は、オーサリングコンピュータ40を用いて、前記電子掲示板、数式表示、シミュレーションを1つの統合配信用コンテンツとして配信することができる。例えば、図6(a)に示すように、物理学習のコンテンツを作成するとすれば、ウィンドウ50の第1フレーム51に講師が説明している動画を配置し、第2フレーム52にシミュレーションを配置し、第3フレーム53に電子掲示板を配置する物理学習のコンテンツを作成することができる。通常オーサリングコンピュータ40では、編集画面においては、クライアントコンピュータ10で表示されるのと同様の表示がなされて、編集することができる。
配信用コンテンツには再生時間があり、統合配信用コンテンツにも再生時間がある。
【0033】
前記統合配信用コンテンツには、フレーム制御情報を含ませることもでき、オーサリングコンピュータ40上で、一の再生時刻には図6(a)に示すように動画のコンテンツを受講者に大きく見せ、他の一の再生時刻に図6(b)に示すようにシミュレーション及び電子掲示板を受講者に大きく見せ、すなわち、時刻毎にフレームの大きさを変更できるようにしている。このフレーム制御情報を含ませた総合配信用コンテンツを受信して再生しているクライアントコンピュータ10上では、再生途中に自動的にフレームの大きさが変わって表示されることになる。そうすることで、講師が見て欲しいフレームが大きくなって受講者に表示されることで、受講者も複数あるフレームからどのフレームに注目すればよいかを言葉で説明を受けることなく理解することができる。なお、講師が見て欲しいフレームを、フレーム枠の色を他のフレーム枠の色と異ならせて明示することもできる。
【0034】
[WWW] なお、本実施形態に係る教育システムにおいては、WWWシステムを用いて教育システムを実装することもでき、WWWシステムで既に実装されている部分を転用することで大幅に実装する部分を減らすことができる。具体的には、WWWサーバを前記サーバコンピュータ30に構築し、各手段(モジュール)をアドインとして実装し、WWWブラウザを前記クライアントコンピュータに構築し、各手段(モジュール)をプラグインとして実装することができる。
【0035】
[フレーム枠] また、本実施形態に係る教育システムにおいては、図6に示すフレーム枠を表示しないようにすることもできる。
【0036】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る教育システムについて図に基づき説明する。
図7において本実施形態に係る教育システムは、前記第1の実施形態に係る教育システムと異なりオンデマンド型でなくライブ型であること、サーバコンピュータ30が電子掲示板提供手段31を有しないことを除き、略前記第1の実施形態に係る教育システムと同様に構成され、さらに、サーバコンピュータ30がコンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータ10から送信された文字情報を受信し、クライアントコンピュータ10にリアルタイムに送信するチャット提供手段37を有し、クライアントコンピュータ10の要求に応じてクライアントコンピュータ10に画像情報を送信する画像提供手段38と、クライアントコンピュータ10で表示された画像を編集することにより生成される画像編集情報を受信し、他のクライアントコンピュータ10に受信した画像編集情報を送信する画像編集情報提供手段39と有する構成である。
【0037】
オンデマンド型でなくライブ型であるため、コンテンツの配信は図示しないカメラ、マイクロフォンにより講師の授業の様子を撮り、講師の音声を採りコンテンツ配信手段31を介して、コンテンツメニューで該当するライブ型のコンテンツを選択した受講者のクライアントコンピュータ10に対し動画情報及び音声情報を送信する。
[チャット] 図8に示すように受講者はクライアントコンピュータ10を用いてチャットの表示の要求をサーバコンピュータ30に対して行う(ステップ401)。必要に応じて受講者を特定するための認証を経て、サーバコンピュータ30のチャット提供手段37はチャット情報を要求のあったクライアントコンピュータ10に対して送信する(ステップ402)。クライアントコンピュータ10は受信したチャット情報をディスプレイに表示する(ステップ403)。
【0038】
ここで、受講者がディスプレイ上に表示されているテキストボックスに、キーボード等の入力手段を用いて入力し、送信のコマンドボタンを押下すると(ステップ404)、クライアントコンピュータ10は、入力された書き込み情報をサーバコンピュータ30に送信する(ステップ405)。サーバコンピュータ30のチャット提供手段37は受信した書き込み情報をチャット情報に追加し更新する(ステップ406)。また、チャット提供手段37はクライアントコンピュータ10から受信した書き込み情報を同じ授業を受けているクライアントコンピュータ10に送信する(ステップ407)。クライアントコンピュータ10は受信した書き込み情報を既にディスプレイに表示しているチャット情報に追加して表示する(ステップ408)。
【0039】
ステップ407及び408を経ることから、サーバコンピュータ30に接続するクライアントコンピュータ10の表示が略同時に変化する。
[数式表示] 前記第1の実施形態に係る教育システムにおいては数式表示を電子掲示板上で行ったが、本実施形態に係る教育システムではチャット上で行う。すなわち、前記ステップ404で、受講者がクライアントコンピュータ10のキーボード等の入力手段を用いて数式情報をテキストボックスに入力することができる。そうすることで、ステップ408でクライアントコンピュータ10のディスプレイに表示されているチャット上に数式を表示することもでき、広く受講者同士(講師もクライアントコンピュータ10を用いることで数式を見ることができる)で共有して数式を見ることができるようになる。
【0040】
このように自由に数式を表示し、他の者のコンピュータ上でも表示することができることで、より円滑なコミュニケーションを実現することができる。
[シミュレーション] 前記第1の実施形態に係る教育システムにおいては、受講者の求めに応じて、又は、統合配信用コンテンツでオーサリングコンピュータ40で編集している場合に、シミュレーションがクラインとコンピュータ10上で実行されていたが、本実施形態に係るライブ型教育システムにおいては、講師が使用するクライアントコンピュータ10(前記認証にて講師か否かを既に判断しているとする)上での前記ステップ304の指定をした場合には、前記ステップ305及び306を経て、ステップ307でサーバコンピュータ30が演算結果が反映されたシミュレーション情報をサーバコンピュータ30に接続する同じ授業を受けている受講者のクライアントコンピュータ10(かかる講師のライブ型の授業を受けている受講者のクライアントコンピュータ10に限る)に送信する。そうすることで、講師の指定に従って、シミュレーションが実行されて、円滑にライブ型の授業を行うことができる。ここで、シミュレーション情報が演算結果だけでなく、演算結果を反映させたシミュレーションプログラムをクライアントコンピュータ10に送信する構成であってもよい。
【0041】
[フレーム表示] 講師の使用するクライアントコンピュータ10上で統合配信用コンテンツが再生されている場合に、フレーム枠を講師が動かすことで、受講者のクライアントコンピュータ10上の表示も同期して同じ表示にすることもできる。同じ表示にするためには、講師の使用するクライアントコンピュータ10が講師の操作により変更され、生じたフレーム制御情報をサーバコンピュータ30に送信し、受信したサーバコンピュータが講師の授業を受けている受講者のクライアントコンピュータ10全てにフレーム制御情報送信し、かかるフレーム制御情報に基づきクライアントコンピュータ10が表示を更新する構成とすることで実現することができる。
【0042】
[画像の表示・編集]
図9に示すように、受講者はクライアントコンピュータ10を用いて画像の表示の要求をサーバコンピュータ30に対して行う(ステップ501)。必要に応じて受講者を特定するための認証を経て、サーバコンピュータ30の画像提供手段38は画像情報を要求のあったクライアントコンピュータ10に対して送信する(ステップ502)。クライアントコンピュータ10は受信した画像情報をディスプレイに表示する(ステップ503)。
【0043】
ここで、受講者がディスプレイ上に表示されている画像に対しえんぴつツール等の画像編集ツールを用いて画像に変更をキーボード等の入力手段を用いて加え、送信のコマンドボタンを押下すると(ステップ504)、クライアントコンピュータ10は、加えられた変更となる画像編集情報をサーバコンピュータ30に送信する(ステップ505)。サーバコンピュータ30の画像編集情報提供手段39は受信した画像編集情報を記録する(ステップ506)。画像編集情報提供手段39はクライアントコンピュータ10から受信した画像編集情報をサーバコンピュータ30に接続する同じ授業を受けている受講者のクライアントコンピュータ10に送信する(ステップ507)。クライアントコンピュータ10は受信した画像編集情報を既にディスプレイに表示している画像情報に重畳して表示する(ステップ508)。サーバコンピュータ30に接続するクライアントコンピュータ10の表示が略同時に変化する。
【0044】
画像編集情報とは、受講者が行った編集の情報である。編集された画像情報を直接やり取りしてもよいが、データサイズが大きく、サーバコンピュータ30の負荷も大きくなるため、画像情報を除いた画像編集情報を用いている。画像編集情報は画像情報との関連性も保持しており、ある部分の編集情報が画像情報のどの位置の編集情報であるかを示す情報を含んでいる。しかしながら、実装方法によってはこの情報も必要ではなく、例えば、画像情報で絶対座標で位置を合わせて画像編集情報の画像を前面に、画像情報を背面に表示することでも編集を適切に表示することができる。
【0045】
前記ステップ506で記録した画像編集情報は、送信したクライアントコンピュータ10を使用している受講者を特定する情報と、同じ受講者中で識別可能な識別数字と共に記録されている。そうすることで、講師の使用するクライアントコンピュータ10からの要請に応じて必要な画像編集情報のみを残して表示できる。例えば、受講者Aが1番目に画像編集を行い画像編集情報を送信し(受講者Aの1番目の画像編集情報として記録される)、受講者Bが2番目に画像編集を行い画像編集情報を送信し(受講者Bの1番目の画像編集情報として記録される)、講師が3番目に画像編集を行い画像編集情報を送信し(講師の1番目の画像編集情報として記録される)、受講者Aが4番目に画像編集を行い画像編集情報を送信し(受講者Aの2番目の画像編集情報として記録される)、それぞれ編集が反映された表示が随時なされる。この場合においては、講師が自分の編集のみを残して表示することもできるし、受講者Aの編集のみを残して表示することもできる。なお、単純に、編集の順序も記録しておき、「元に戻す(Undo)」「やり直し(Redo)」を実行し、表示を戻したり、さらに、戻したものを進めて表示することもできる。
[講師のコンピュータ] なお、本実施形態に係る教育システムにおいては、受講者と同じクライアントコンピュータ10を使用しているが、管理者用のコンピュータとして別途コンピュータを用意することもできる。そうすることで、認証で講師と利用者を識別する必要がなくなる。
【0046】
(その他の実施形態)
なお、前記第2の実施形態に係るライブ型教育システムにおいては、配信用コンテンツだけでなく(授業をしている講師の動画音声情報)、チャットでの受講者からの講師への質問、講師及び受講者のシミュレーションの実行、フレームの表示を含めて統合配信用コンテンツにすることもでき、実際にあったライブ型教育システムでの授業をそのまま配信用コンテンツにすることができる。また、第2の実施形態では、講師と受講者での授業であったが、複数の講師のみによる授業であってもよく、かかる複数の講師による授業を複合配信用コンテンツにすることもできる。これらを実現するために、オーサリングコンピュータ40を用いることもできるが、図10に示すように、自動的に記録するオーサリング手段61をサーバコンピュータ30上に備えることもできる。
【0047】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決するための手段からも明らかなことである。
【実施例】
【0048】
本実施例では、講師(教官)と受講生(学生)との双方向の対話、受講生(学生)同士の協調学習を可能にするツールとして、画像アップロードツール(画像提供手段38が提供)、画像編集ツール(画像編集情報提供手段39が提供)、物理シミュレーション可視化ツール(シミュレーション提供手段33が提供)の3つのツールの実装を行った。
【0049】
システムの概要は次の通りである。教官は、PowerPointをGIF(Graphic Interchange Format)やJPEG(Joint Photographic Experts Group )、PNG(Portable Network Graphics)などの画像形式で保存し、Web上にある「画像アップロードツール」で画像をアップロードしていく。学生らは、そのアップロード画像を見ながら学習し、質問があれば「画像編集ツール」を使ってその画像に直接書き込みをし、再びアップロードをする。簡単な質問であれば、チャットを用いて質問することもできる。数式について質問したいのであれば、数式を画像としてWeb上にアップロードすることも、TeX形式の数式をMathML形式に変換して、Web上に書き込むこともできる。このようにシステム構成することで、学生は、教官と双方向の対話をしながら学習することができる。
【0050】
また、このシステムは、リモートセンシングにおける大気上端放射輝度(TOA輝度)を求めるモンテカルロシミュレーションを物理教材の一つとして用いている。このモンテカルロシミュレーションを、VRMLという3次元CG(コンピュータ・グラフィックス)を用いて可視化し、PHP、VRMLAutomation、JavaScriptを使い、パラメータ(入力値)の変更ができるようにしている。さらに、パラメータをいろいろと変更しながら試行錯誤学習を行い、その結果やそうなった原因を学生同士で話し合ったりすることで、協調学習という形態で学習を行うことができる。
【0051】
システムの構成は図11に示す通りである。クライアント側の動作環境は次の通りである。VRMLプラグインとしてCortonaVRMLClient がユーザのマシンにインストールされている。MathMLのプラグインとして、MathPlayerがインストールされている。Java(登録商標)アプレットを動作させるため、Java(登録商標)プラグインが入っている。ブラウザはMicrosoftInternetExplorer(登録商標)である。Webサーバー(WWWサーバ)上にPHP4がインストールされている。
【0052】
サーバのスペックは次の通りである。OSがFreeBSD4.4-Releaseであり、CPUがPentiumIII/PentiumIIIXeon/Celeron(Pentium、Celeronは登録商標)であり、メモリが64Mバイトであり、PHPがVersion4.8.8であり、WWWサーバがApacheVersion1.3.31である。
対応OSはWindows(登録商標)かMacintosh(登録商標)とする。理由は、CortonaVRMLClientがWindowとMac上でしか動作しないからである。
また、VRMLAutomationは、MicrosoftInternetExplorer(以下IE)上でしか動作しないので、ブラウザはIEのみとする。
このシステムの想定人数はサーバーの負荷等も考え10名程度とした。対象学年は、特に定めていないが、情報系の学生を想定した。
【0053】
[物理シミュレーション] 今回制作した物理シミュレーションの可視化画面の説明を行う。まず、物理シミュレーションが学習者にもたらす効果を説明し、使用したシミュレーションプログラムの概要、制作したプログラムの解説を行う。
現在、リモートセンシングという、人工衛星から得られたデータの解析を主に行われている。しかし、これを理解するには高度な数学や物理の知識が必要であり、初学者にとって敷居が高い。
そこで、一見すると、数式ばかりで難しく感じてしまう物理シミュレーションに3次元のCG(コンピュータグラフィクス)を加えることで、学習者の理解を助けることが可能になると考えられる。
そこで、実際にリモートセンシングにおけるシミュレーションプログラムを元に、3次元CGへの可視化を行った。
【0054】
図12は、物理シミュレーション画面のスクリーンショットである。この図は、ユーザーがWeb 上で値をマウスでクリックし、実行ボタンを押すと、モンテカルロシミュレーションプログラムが実行され、光子の座標をVRMLで3次元に可視化するものである。プログラム言語は、PHP、VRML、JavaScript、VRMLAutomationより構成されている。これらのプログラム言語の大まかな機能については、後記する。VRMLの代わりに後継であるX3Dを用いても実装することができ、他に、OpenGL、DirectX等を用いることもできる。
【0055】
このプログラムの流れは次のようになっている。まず、ユーザーがWeb上で値を入力する。次に、その値を元に、シミュレーションプログラムを実行させる。そのシミュレーションプログラムを実行すると、光子の座標がファイルに記録される。そのファイルの座標から、アニメーションを作るためのタイムラインを計算する。より具体的には、座標データの行数を計算し、アニメーションの時間間隔を計算している。これらのデータを組み合わせ、VRMLファイルを作成し、このVRMLファイルに基づき表示する。シミュレーションプログラムの実行は、サーバコンピュータ30、クライアントコンピュータ10のどちらであっても行うことができ、例えば、サーバコンピュータ30でシミュレーションプログラムを実行し、クライアントコンピュータ10ではシミュレーション結果を可視化するだけの構成とすることができる。
【0056】
以上の操作を図13に表すと、次の通りになる。VRMLのアニメーションの早さを変更したり、動きを止めたりする部分に、VRMLAutomationを使った。これは、CortonaVRMLClientというVRMLブラウザ独特の機能であり、VRMLを制御するJavaScriptとHTMLとを結びつける役割を果たしている。他に、VRMLを制御するものとして、EAIとJAVAを組み合わせるというものがあるが、このEAIは複雑で分かりにくいという欠点を持っている。ところがCortonaVRMLClientであれば、現在でも開発が行われており、物理の5衝突判定など、今までVRMLでは不可能だった機能が可能であるなど、メリットが大きいため、VRMLAutomationを使用した。ただし、VRMLAutomationはWindows上でしか動作しないため、他のブラウザでは動作しないことが問題点である。
【0057】
可視化に用いたのは、「大気上端放射輝度(TOA輝度)を求めるモンテカルロシミュレーションプログラム」である。このシミュレーションは、太陽から放射される光子がどのくらいの割合で人工衛星に到達するかをシミュレーションするものである。この、太陽から放射された光子の数に対し人工衛星に到達した光子の数の割合を、大気上端放射輝度(TOA輝度:Top Of Atmosphere Radiance)という。太陽の光子は、リモートセンシングデータの解析結果に影響を及ぼす原因なので、この原因の影響がどのくらいか分かれば、より高精度の実験結果を得られると考えられている。シミュレーションプログラムやその背景についての詳細は、佐賀大学生卒業論文「大気組成分子散乱を考慮した非線形結合モデル:今岡浩平」に詳しい。図14を見ると、太陽からの光子(Photon)が、空気分子やエアロゾル粒子に反射、屈折、吸収された後、上空の人工衛星に到達している様子が分かる。この様子を3次元の箱の中で行われていると想定して、シミュレーションプログラムを考えている。この3次元の箱は3次元シミュレーションセルと呼び、以下のような想定でプログラムが組まれている。光子が図の矢印方向からセルの中に入り、その中でエアロゾル粒子や空気分子と吸収、散乱を繰り返し、セルの上部に達した時、光子が人工衛星に到達したものとしている。
【0058】
図15にアルゴリズムの説明図を示した。光子が矢印方向から入り、吸収、散乱を繰り返し、セルの上部に到達した場合に、人工衛星に到達したものと仮定する。このセルのサイズは東西50[km]、南北50[km]、高度50[km]で、組成粒子は空気分子とエアロゾルのみで構成されており、光学的に一様であるとする。また、シミュレーション回数は100回、波長を50[μm]、太陽天頂角を90[度]、太陽方位角は北から西回りに90[度]、衛星の観測は鉛直観測である。ここで、セルは次のことを仮定している。光子が散乱によってセルの範囲から出てしまう時には、その面に相対する面からセルに光子を入射する。地表面はX=25.0で、2つの面A、Bに分かれていて傾きを自由に変えることができる。(ただし、面の傾きAの傾きをα(0≦α<90)、Bの傾きをβ(0≦α<90)とする。)地表面A、Bはそれぞれ一様な反射率を有する。
【0059】
入力するパラメータは次の通りである。地表面Aの傾きαを0、15、30、45[度]とし、地表面Bの傾きβを0、15、30、45[度]とし、地表面Aの反射率γAを0.0、0.1、0.2、0.3とし、地表面Bの反射率γBを0.0、0.1、0.2、0.3とし、空気分子の光学的厚さτmolを0.1、0.2、0.3、0.4とし、エアロゾルの光学的厚さτaeroを0.1、0.2、0.3、0.4とする。スタートボタンを押すと、シミュレーションが開始され、ストップボタンを押すと停止する。また、速度は5段階に変化させることができる。図12では、上部のボタンでパラメータの変更を行い、下部のボタンでシミュレーションの開始・停止、シミュレーションの速度変更が可能となる。
【0060】
フォトンが大気中のエアロゾルに衝突すると、ミー散乱の文字の表示が現れ、その文字をクリックすると位相関数(数式)が現れる。空気分子の場合はレイリー散乱の数式が現れる。大気透過率の設定では、エアロゾルの光学的厚さと空気分子の厚さを各々クリックすると、定義式が現れる等、専門用語の意味が現れるようにしている。
また、初めてこのシステムを使う学生のために、簡単なヘルプファイルを用意した。このヘルプファイルは、操作が分からない人と、うまくシステムが動作しない人の2パターンのリンクを作成した。
【0061】
[画像アップロードツールの概要] 大学において教官が講義を行う場合、PowerPointを使うケースが多い。教官は、このPowerPointをppt形式とは別に画像として保存し、それらをオンラインの講義の中で、随時アップロードを行っていく。これにより、学生は、オンラインでWeb上にアップロードされていくPowerPoint画像を見ながら、学習を行っていく。ただし、アップロードできる画像形式は、GIF、JPG、PNGの3種類のみである。
【0062】
図16は、PowerPointのアップロードツールのスクリーンショットである。
このアップロードツールは「レッツPHP!」というWebページ内にある、フリーのPHP画像掲示板のソースを、数式取り扱い可能なHTMLタグを使えるように改良したものである。数式の記述には、MathMLを使った。MathMLは、TeX2MathMLやTtMという、TeX形式の数式をMathMLのタグに変換するサイトで変換後、コピーしてフォームに貼り付けて送信すると、数式の記述が可能である。MathMLを選択した理由としては、HTML上でも、XML上でも記述でき(Web上に記述可能)、テキストベースで記述するので画像のようにたくさんの容量を必要としない、TeXをWebに直接貼ることは画像に変換しないと無理であるからである。なお、悪意のあるスクリプトを書かれるなどのセキュリティ面を考え、HTMLタグは、太字<b>、イタリック<i>、下線<u>、取消<s>の4つと、MathMLに関するタグだけを許可し、他のタグは無視するように制限をかけた。
【0063】
[画像編集ツールの概要] 画像アップロードツールでアップロードした画像に対しての質問があったとする。その場合、質問したい画像にマウスで書き込み、再びアップロードすることが可能である。アップロードされている画像を編集したい場合、画像編集ツールで編集した後、サーバーに送信することによって、編集後の画像をアップロードし直すことができる。
【0064】
図17は、画像の上にマウスで描画した時のスクリーンショットである。記述できる色は「黒」、「赤」、「青」、「緑」、「黄色」、「白」の6色とした。線の形も変更でき、「直線」、「楕円」、「四角」、「フリーハンド」の4つが選択できる。
【0065】
使用した言語はPHPとJavaアプレットで、PHP側で画像ファイルを選択した後、そのファイルをJavaアプレットに渡すようにしている。なお、Javaアプレットで描画した画像は、直接は保存できないため、現在は[printscreen]キーで一旦ペイントソフトで保存した後、再アップロードしなければならない。ここで、[送信]ボタンを押した後、サーバー上に描画した画像をアップロードできるようにすることもでき、もっと便利になる。Javaアプレットで描画した画像が直接保存できない理由は、Javaアプレットには、セキュリティ上の制限があるためである。
【0066】
Javaアプレットを用いた編集ツールでは、他のウインドウが重なっても描いた内容が消えないように、ダブルバッファリングという方法を使っている。ダブルバッファリングとは、アニメーションを動かしている時に発生するちらつきや、描画しているウインドウに他のウインドウが重なった場合に描画したものが消えてしまうのを防ぐために使用する方法である。ダブルバッファリングは、表画面(現在表示している画面)のデータを、裏画面(現在表示している画面とは別に、システムの内部でデータを保持する画面)にコピーし終わったら、裏画面のデータを表画面にコピーすることで行われる。ダブルバッファリングのイメージとしては、図18の通りである。このように、表画面に描いたものを裏画面に一旦保存し、表画面にコピーすることで、他の画面が重なっても描画したものが消えるのを防ぐことができる。
【0067】
[ツールの統合] 以上のツールにチャットを加えると疑似的にではあるが、ほぼリアルタイムに会話を行うことができる。チャットを行いながらPowerPointを見たり、物理シミュレーションプログラムを視覚的に試行錯誤しながら実行することで、協調学習が可能になる。
画像アップロードツール、物理シミュレーション画面、画像編集ツール、チャットをフレームで統合すると、図19のようになる。左側のフレームをクリックすることで、フレームの大きさの割合を変更することが可能である。これにより、今一番見たいフレームを瞬時に大きくすることが可能となる。
【0068】
[実験] 物理シミュレーションを用いた時と、そうでない時の学生の理解度の違いを検証した。実験対象とする学生は、約10名である。20枚のPowerPointの画像ファイルだけを読んでWebテストを行った場合と、それに物理シミュレーションを加えた時とで、学生の理解度にどれだけの差が出るのか、を調べた。Webテストは、PowerPointの情報からと、物理シミュレーションプログラムから得られるであろう情報からの2種類を合わせたものである。
【0069】
使用した教材は、「大気上端放射輝度を求めるプログラム」で、あらかじめPowerPointで作成した資料を画像として保存し、その画像をHTMLに貼り付けたものである(図20参照)。「次へ」のボタンを押すとJavaScriptが起動し、次の画像を表示するようにしている。また、「戻る」ボタンで前のページに戻ることもできる。最後のページに到達すると、Webテストのページに移り、教材画面は閉じるように設定している。
【0070】
Webテスト(図21参照)は、PHPを使って作成した。問題の内容は、PowerPointから8問、物理シミュレーションから2問を出題した。学生は問題を読み、それぞれの答をラジオボタンでクリックしていく。「送信」ボタンを押すと、Web 上のログファイルに、学生の名前、回答した番号、アクセスした日付と時間、回答にかかった時間、正解数も記録される。問題は全部で10問ある。
[理解度実験結果] 物理シミュレーションを用いたときと、そうでない時の学生の正答率は以下の表の通りである。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
この結果をグラフにすると、図22のようになる。図からリモートセンシング研究者は物理シミュレーションを行った時とそうでない時とで点数に差がない。一方、リモートセンシング以外の研究者は物理シミュレーションを行った方が、平均点が5点アップした。また、リモートセンシング以外の研究者は、シミュレーションをしない場合では40点、50点を取る者もいたが、シミュレーションをした場合では60点程度は取得している。リモートセンシングの研究者も同様に、シミュレーションをしない場合では50点を取る者がいたが、シミュレーションをした場合では60点は取得している。シミュレーションに要する時間も含めて学習に要する時間を評価しており、シミュレーションをしない場合には50ないし340秒程度要しており、シミュレーションをする場合には105ないし390秒程度要している。この時間の差異は、シミュレーションを行っている分の時間により生じる。リモートセンシング研究者の点数に、あまり差がみられなかったのは、既知の事項が多かったためである。反対に、リモートセンシングに関しての知識が少ない研究者は、物理シミュレーションを行うことで、より理解度が深めることができた。よって、初学者の場合の物理シミュレーションは、特に有効である。
【0074】
[使用したプログラム言語] ここでは、実施例で用いた言語の概要を解説し、どういうところで、どの言語を用いたのかを説明する。本実施例では、PHP、VRML、Javaアプレット、VRMLAutomation、JavaScriptを使用した。使用頻度はPHPが一番多く、上記の順に使用頻度は低くなっている。
【0075】
一番頻繁に用いたのはPHPである。バージョンとしては、PHP4のインストールされているサーバーで実行した。PHPは、次のような特徴を持っている。フリーである。HTMLのタグを書くことができる。文法がC言語に似ている。コンパイルする必要がない。エラー箇所(行数)を教えてくれる。データベースとも連携できる。他にも、C言語のように型の定義をする必要がない等、さまざまな特徴がある。現在のバージョンはPHP4であり、最近PHP5が開発された。現時点ではPHP4が多く使われている。PHPとはHypertextPreprocessorの略で、サーバー側でスクリプトが実行される言語(サーバーサイドスクリプト)である。PHPの文法はC言語に似ているところが多く、一通りCを学んだことがある人には、容易に理解できる言語である。PHPは、掲示板や、チャット、データベースで使われていることが多い。掲示板、チャットというと、処理にCGIという方式でPerlという言語を使って処理する方法もよく使われているが、CGIは、リクエストの度にプログラムの解析と実行が行われるのに対し、PHPはWebサーバがPHPファイルを処理している時にプログラムが処理されるので、サーバに負荷がかかりにくいし、処理も速い。ただし、WebサーバにPHPがインストールされていないと、動作しない。また、PHPはShift-JISで記述すると正しく動作しないことがあるので、EUCコードを使って保存するようにした。PHPは、Web上で入力したテキストやラジオボタンの値を表示させたり、入力した値を使って計算したりする時に使用している。PHPはC言語と違い、関数が豊富である。角度をラジアンに変えるdig2rad()関数や、外部関数を実行して出力するpassthru()関数、ある特定の文字を他の文字に入れ替える関数など、数え切れないほどの関数がある。Perl言語のように、文字列に関する関数も多い。
【0076】
VRMLとは、VirtualRealityModelingLanguageの略で、HTMLのようにテキストエディタでタグを打ち込み、それをVRMLブラウザで読み込むことで、3次元コンピュータ・グラフィックスを実現できる、仮想現実記述言語である。Java3Dではなく、VRMLを用いた理由は、次の通りである。低いスペックのマシンでも動作する。Java3Dは、起動時に時間がかかる。記述がテキストベースなので、記述するのにたくさんの容量を必要としない。
【0077】
現在では、VRMLの後継であるX3Dの方で開発が進んでおり、VRML自体の開発はVRML2.0を最後にして、終了してしまっている。X3Dは現在開発途中であるため、今回X3Dを使用するのは見送った。よって、本実施例でX3Dは用いていない。
【0078】
X3D(Extensible 3D)とは、VRMLの後継となる、3次元グラフィックスの新しい規格である。Web3DConsortium(旧VRMLConsortium)が2001年に発表した言語である。XMLで記述されており、多くのアプリケーションやデバイスに対応できるように配慮されている。ストリーミング技術のMPEG4の標準化団体や、HTMLなどWWWの標準化団体であるW3DConsortium(World Wide Web Consortium)と連携しながら開発が行われている。X3Dは、2004年8月、ISO(International Standards Organization)に認定され、2004年10月に正式に発行されることが決定した。VRMLも1997年にISOに承認され国際標準となったが、一般にはあまり普及しなかった。その理由として、以下の問題が挙げられる。当時のハードウェアは3次元グラフィックスを滑らかに表示するにはパワー不足だった。当時のITインフラは電話回線を使ったナローバンドだった。VRML専用ブラウザをインストールする必要があった。開発に手間がかかる割には、あまり魅力的な作品が作れなかった。という点が挙げられる。VRMLが登場した当初はまだ環境が整っていなかったため、VRMLはあまり普及しなかった。しかし現在はブロードバンドが普及し、ハードウェアのスペックも、当時よりはかなり高機能になっているため、環境は以前より整っていると言える。X3DはVRMLよりもマシンに与える負荷は小さく、記述方法もVRMLに似ているが、VRMLより記述が少なくて済むようになっている。ただし、まだX3Dは発展段階で、専用ブラウザも必要であることから、動作環境の整備など、まだまだこれからである。
【0079】
VRMLAutomationとは、VRMLと外部プログラム(JavaScript等)とを結合させるためのCortonaVRMLClient独自の機能である。これにより、VRMLをJavaScriptで制御することができる。VRMLを制御する機能として、JAVAEAIがあるが、VRMLAutomationの方が容易に記述が可能である。
【0080】
JavaScriptは、Netscape社とSunMicrosystems社が開発したオブジェクト指向スクリプト言語であり、HTMLの中で記述をする。HTMLは、文章の書式を制御する言語なので、プログラムを記述することは不可能である。そこで、HTMLにプログラムを組み込みたい場合にJavaScriptを用いる場合が多い。ただし、JavaScriptはWebサーバー上で動くのではなく、ユーザーのマシン上で動くプログラム(クライアントサイドスクリプト)である。JavaScriptは、NetscapeでもMicrosoftInternetExplorerでも動作し、ほとんどのブラウザで動作する。JavaScriptは、ブラウザさえあれば実行されるので、PHPやPerlのように、実行環境の設定をする必要がない。ただし、JavaScriptはJAVAとは異なる。
MathMLは、XMLで定義された数式を記述するための記述言語である。MathMLと、HTMLと、数式画像の対比を、以下の表に示す。
【0081】
【表3】

【0082】
上の表のようにMathMLは、人の手で記述するのは非常に困難であり、ビューアが少なく、数式作成ツールの殆んどのものが有料であることが短所であるが、ビューアにはフリーでダウンロードできるMathMLのプラグインソフトMathPlayerをインストールし、数式作成には、TeX形式からMathML形式に変換してくれるサイトを利用すれば、MathMLは非常に使える記述言語である。
【0083】
XMLとは、HTMLのようにタグがはじめから固定されているのではなく、自由にタグの名前、タグの定義を設定可能な、言語を記述するための言語(メタ言語)である。このXMLは、インターネットに関する規格を決める団体の一つであるW3C(WorldWideWebConsortium)によって作られた。XMLのメリットは柔軟性があり、文書やデータに関するものならどんな分野でも適用可能であり、インターネット上で利用できる。また、設計した文書全体の変更も楽に行うことができる。逆に、デメリットは、普通の文書と違って(タグの分だけ多くなるので)容量が大きくなる。文書の設計方法によって、扱いやすさに差が出る。
【0084】
Dream@netuは、e-CORPORATION.JPという韓国の企業が開発したWeb教材開発のオーサリングツール(Web教材を制作するためのソフトウェア)である。このツールにより、インターネットを利用した双方向の教育コンテンツを作ることができ、受講者はブラウザのみでこのコンテンツを受講することができる。韓国では、xDSL回線を利用したブロードバンドがかなり普及しており、韓国のサイバー大学19校のうち、10校でも適用実績を持つe-Learningシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る教育システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る教育システムのサーバコンピュータのモジュール構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る教育システムのコンテンツの配信の動作フローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る教育システムの電子掲示板の動作フローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る教育システムのシミュレーションの動作フローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る教育システムの表示画面のフレーム構成図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る教育システムのサーバコンピュータのモジュール構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る教育システムのチャットの動作フローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る教育システムの画像表示及び画像編集の動作フローチャートである。
【図10】本発明のその他の実施形態に係る教育システムのサーバコンピュータのモジュール構成図である。
【図11】実施例のシステム構成図である。
【図12】実施例の物理シミュレーション画面のスクリーンショットである。
【図13】実施例のシミュレーションの動作フローチャートである。
【図14】実施例のモンテカルロシミュレーションの説明図である。
【図15】実施例のシミュレーションのアルゴリズム説明図である。
【図16】実施例のアップロードツールのスクリーンショットである。
【図17】実施例の画像の上にマウスで描画した時のスクリーンショットである。
【図18】実施例のダブルバッファリングの説明図である。
【図19】実施例の統合ウィンドウのスクリーンショットである。
【図20】実施例の教材の表示の一例である。
【図21】実施例のWebテストの表示の一例である。
【図22】実施例の実験結果のグラフ図である。
【符号の説明】
【0086】
10 クライアントコンピュータ
20 配信用データベース
30 サーバコンピュータ
31 電子掲示板提供手段
32 数式提供手段
33 シミュレーション提供手段
34 コンテンツ配備手段
35 メニュー提供手段
36 コンテンツ配信手段
37 チャット提供手段
38 画像提供手段
39 画像編集情報提供手段
40 オーサリングコンピュータ
50 ウィンドウ
51 第1フレーム
52 第2フレーム
53 第3フレーム
61 オーサリング手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、
サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された数式情報を受信し、クライアントコンピュータに送信する数式提供手段を有し、
クライアントコンピュータがサーバの数式提供手段から受信した数式情報をクライアントコンピュータの表示画面に数式の形で表示する教育システム。
【請求項2】
サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、
サーバが、シミュレーション情報を教育用コンテンツとして予め記録し、
サーバが、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータにシミュレーション情報を送信するシミュレーション提供手段を有し、
クライアントコンピュータがサーバのシミュレーション提供手段から受信したシミュレーション情報に基づいてクライアントコンピュータ上でシミュレーションを実行し、シミュレーション結果をクライアントコンピュータの表示画面に表示する教育システム。
【請求項3】
サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、
サーバが、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに画像情報を送信する画像提供手段と、クライアントコンピュータで表示された画像を編集することにより生成される画像編集情報を受信し、他のクライアントコンピュータに受信した画像編集情報を送信する画像編集情報提供手段とを有し、
クライアントコンピュータがサーバの画像提供手段から受信した画像情報をクライアントコンピュータの表示画面に表示し、
クライアントコンピュータ上で表示画面に表示した画像に編集を加えることで画像編集情報を生成し、サーバに送信し、当該サーバの画像編集情報提供手段が画像編集情報を受信し、他のクライアントコンピュータに対して画像編集情報を送信し、他のクライアントコンピュータが表示している画像に対し受信した画像編集情報に基づき描画する教育システム。
【請求項4】
サーバが、動画情報及び/又は音声情報を教育用コンテンツとして記録し、
サーバが、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに動画情報及び/又は音声情報を送信する動画音声配信手段を有し、
クライアントコンピュータがサーバの動画音声配信手段から受信した動画情報及び/又は音声情報をクライアントコンピュータの表示画面及び/又は音声出力部に出力する
前記請求項1ないし3のいずれかに記載の教育システム。
【請求項5】
サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された文字情報を受信し、クライアントコンピュータにリアルタイムに送信するチャット提供手段を有し、
クライアントコンピュータがサーバのチャット提供手段から受信した文字情報をクライアントコンピュータの表示画面に表示する
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の教育システム。
【請求項6】
サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された情報を受信し、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに送信する電子掲示板提供手段を有し、
クライアントコンピュータがサーバの電子掲示板手段から受信した情報を受信した情報の形式に合わせてクライアントコンピュータの表示画面に表示する
前記請求項1ないし5のいずれかに記載の教育システム。
【請求項7】
前記動画情報をフレームで画定して表示している表示画面中の同一ウィンドウにフレームで画定して、サーバから受信した動画情報以外の情報を表示する
前記請求項3ないし6のいずれかに記載の教育システム。
【請求項8】
サーバが複数のクライアントコンピュータにコンピュータネットワークを通じて教育用コンテンツを配信する教育システムにおいて、
サーバが、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された文字情報を受信し、クライアントコンピュータにリアルタイムに送信するチャット提供手段と、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された情報を受信し、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに送信する電子掲示板提供手段と、コンピュータネットワークを通じて一のクライアントコンピュータから送信された数式情報を受信し、クライアントコンピュータに送信する数式提供手段と、クライアントコンピュータの要求に応じてクライアントコンピュータに教育用コンテンツとして予め記録していたシミュレーション情報を送信するシミュレーション提供手段とを有し、
クライアントコンピュータが、チャット提供手段からの文字情報と、電子掲示板提供手段からの情報と、数式提供手段からの数式情報と、シミュレーション提供手段からのシミュレーション情報とを同時に受信し、表示画面の同一ウィンドウにそれぞれの形式でフレーム毎に表示する教育システム。
【請求項9】
サーバに、クライアントコンピュータのウィンドウのフレームを制御するフレーム制御手段を備え、
当該フレーム制御手段が、クライアントコンピュータのウィンドウの各フレームを同一にする
前記請求項7または8に記載の教育システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−293101(P2006−293101A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115101(P2005−115101)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年2月14日 佐賀大学長主催の「理工学部知能情報システム学科 平成16年度修士論文発表会」において文書をもって発表
【出願人】(504209655)国立大学法人佐賀大学 (176)
【Fターム(参考)】