散気装置
【課題】シール部脱出を防止する。
【解決手段】多数の気泡発生用小孔2を有する弾性膜材1は、その鉛直壁部4の肉厚寸法b2 を、上面壁部3の肉厚寸法aよりも、大きく設定する。
【解決手段】多数の気泡発生用小孔2を有する弾性膜材1は、その鉛直壁部4の肉厚寸法b2 を、上面壁部3の肉厚寸法aよりも、大きく設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曝気槽等に設けられる散気装置に係り、特に、パネル型のメンブレン散気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の散気装置としては、図9と図10に示すようなパネル型メンブレン散気装置が用いられている(特許文献1参照)。
即ち、図9に示した散気装置31は、下水処理場の曝気槽や化学工場で用いられるものであって、多数の気泡発生用小孔32を有する矩形状上面壁部33を備えた弾性膜材(メンブレン)34が、支持体35によって内部から保持されると共に、外側からは固定額縁材36にて押圧されるように、押さえ金具37と、ボルト・ナット結合38等にて、ホルダー39の外フランジ40に載置状に固着されている。
弾性膜材(メンブレン)34は、前記矩形状上壁面部33と、この上壁面部33の周縁から垂下した鉛直壁部41と、この鉛直壁部41の下端の内鍔壁部42とを、備え、かつ、外フランジ40の上面に密接するシール突条43が、内鍔壁部42の下面から突設され、密封する構造である。
【0003】
図9に2点鎖線にて示すように、空気が送られてこない状態では、上面壁部33は、支持体35の平坦上壁面44に接している。そして、図9に、矢印F1 ,F2 のように、ホルダー39の内部を介して、図外の外部配管から空気が送られてくると、空気圧(圧力)によって、図9の実線のように山型に膨張して、小孔32が開口して、散気する。なお、空気圧が作用しない2点鎖線の状態では、小孔32は閉じており、目詰まりを起こさないようになっている。
また、固定額縁材36は、弾性膜材34の上角部45から、鉛直壁部41の外面に渡って押さえる(包囲する)ように、横断面倒立L字型の部材から成る。
【特許文献1】特開2003−320388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、誤操作あるいは機器の誤作動等によって、(図9の矢印F1 ,F2 にて示す)空気の流量が増大した場合(送風量過大のとき)、図10から図11に示すように、上面壁部33が大きく山型に膨張しつつ矢印G1 ,G2 のように大きな引張り力が作用し、内鍔壁部42にまで矢印G3 で示す引張り力が働く。
これによって、内鍔壁部42が矢印G3 の方向に引きづり出され、シール突条43が脱出する。つまり、シール突条43が、固定額縁材36の下端36Aと、支持体35の下端外角部35Aの間隙部(開口部)46まで引きづり出され(移動し)、密封性が低下し乃至失われ、矢印Hで示すように、内部の空気が外部へ漏洩し、あるいは、矢印Hとは逆方向に水等の外部流体が内部へ浸入する。このようにして、パネル型メンブレン散気装置では、誤操作や設備異常等によって、送風量が過大となった場合に、シール突条43が(図11のように)脱出して、内外部の密封性が失われ、散気装置としての性能の低下を生じ、かつ、外部流体の浸入による装置トラブル発生の虞れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、構成される部品点数をそのまま保って、空気の流量が過大となったような場合にも、図11に示すようなシール突条43が脱出することを阻止し、常に、密封性を保って、散気性能を高く維持し、トラブル発生を未然防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、多数の気泡発生用小孔を有する矩形状上面壁部と、該上面壁部の周縁から垂下した鉛直壁部と、該鉛直壁部の下端縁から内方水平状に突設した内鍔壁部とを、有する弾性膜材を備え、かつ、該弾性膜材を内部から保持する支持体と、該弾性膜材の上角部から上記鉛直壁部の外面に渡って保持する固定額縁材と、上記弾性膜材とを、被シール平坦面を有するホルダーに固着して、上記内鍔壁部の下面に形成されたシール突条を該被シール平坦面に密接して組立てられた散気装置に於て、上記弾性膜材は、上記上角部の肉厚寸法、及び、上記鉛直壁部の肉厚寸法が、上記上面壁部の肉厚寸法の 1.1倍以上に大きく設定されている。
また、上記弾性膜材は、上記内鍔壁部の肉厚寸法が、上記鉛直壁部の肉厚寸法の 1.5倍以上に大きく設定されているものである。
また、上記弾性膜材は、上記内鍔壁部の内端縁に、該内鍔壁部の肉厚寸法の2倍以上の肉厚寸法の膨出部が形成されているものである。
そして、上記膨出部は、その内外方向幅寸法が、上記内鍔壁部の肉厚寸法の2倍以上に設定されている。さらに、上記膨出部は、上記内鍔壁部の下面から、その肉厚寸法の 0.2倍以上の下方突出寸法をもって、突出形成されている。
好ましくは、上記膨出部は、矩形枠状の上記内鍔壁部の4隅を除いて4辺の各々に配設されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、送られてくる空気の流量が(誤操作等にて)過大となったとしても、内鍔壁部下面のシール突条が側外方へ引きづり出されず(移動せず)、ホルダー外フランジと常時密接して、密封性能を維持でき、空気の外部漏洩と外部流体の浸入を、防止できる。しかも、部品点数が増加せず、単に弾性膜材の部分的な肉厚を変化(増加)させるだけで容易に対応可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示す図であり、図1は散気状態を示す断面正面図、図2は平面図、図3は要部拡大断面図である。
【0009】
この図1〜図3に於て、1はゴム等の弾性材質の弾性膜材(メンブレン)であり、多数の気泡発生用小孔2を有する上面壁部3と、鉛直壁部4と、内鍔壁部5とを、この弾性膜材1は(一体成型にて)一体に有する。
鉛直壁部4は、矩形状の上面壁部3の周縁から垂下され、4辺周囲を包囲するように、一定上下幅をもって、鉛直壁部4から垂設されている。
【0010】
未散気状態(未受圧状態)では、図1中に2点鎖線にて示すように、上面壁部3は、平坦平面状であり、散気状態(受圧状態)では、実線にて示すように、上方膨出凸状(丸山型)に弾性的に変形する。
また、内鍔壁部5は、鉛直壁部4の下端縁4Aから、内方水平状に突設形成されている。つまり、内鍔壁部5は上面壁部3と平行に形成された底壁部に相当する。
なお、小さな上下高さ寸法の起立壁部6が、内鍔壁部5の内端縁5Aから、起立状に連設されている。
【0011】
次に、7は弾性膜材1を内部から保持する支持体である。この支持体7は、平面視矩形環状の鉛直外面8を有する、鉛直壁部4保持用の外周壁部9と、(未散気状態の)上面壁部3の下面に当接支持する板面部10を、有する。かつ、板面部10の中央には、(後述の)ホルダー11からの空気を、矢印F1 のように、弾性膜材1側へ送るための空気噴出孔10Aが貫設されている。
12は、弾性膜材1の上角部13から鉛直壁部4の外面4Bに渡って押さえて保持する固定額縁材である。図2のように、この固定額縁材12は、平面視矩形環状であって、かつ、図1と図3のように、横断面倒立L字型部材をもって、矩形環状に包囲枠を形成している。また、上辺12Aは短寸とし、鉛直辺12Bは長寸とした上記倒立L字型に、横断面が形成されている。
【0012】
ホルダー11は、外フランジ等の被シール平坦面14を有する略浅皿型等として、(図2に示すように)給気管15がホルダー11内部に連通連結されている。
ホルダー11の外フランジから成る被シール平坦面14には、ボルト部材16が立設され、ナット17とこのボルト部材16にて、倒立L字型片の押さえ金具18を取着して、固定額縁材12(の上辺12A)を下方へ押圧して、支持体7と、弾性膜材1と、固定額縁材12とを、ホルダー11に、固着する。この固着によって、内鍔壁部5の下面に形成されたシール突条20を被シール平坦面(外フランジの上面)14に密接して、組立てられている。
【0013】
そして、図3と図1に示すように、弾性膜材1は、上角部13の肉厚寸法b1 、及び、鉛直壁部4の肉厚寸法b2 が、上面壁部3の肉厚寸法aの 1.1倍以上に(大きく)設定されている。
つまり、従来例の図9と図10と図11では、弾性膜材34の上角部45の肉厚寸法b1 、及び、鉛直壁部41の肉厚寸法b2 、さらには、内鍔壁部42の肉厚寸法cは、全て、上面壁部33の肉厚寸法aと、同一であったのに対し、本発明の第1の実施の形態では、b1 ≧ 1.1・a、かつ、b2 ≧ 1.1・aとしている。さらに好ましいのは、 1.5・a≧b1 ≧ 1.2・a、かつ、 1.5・a≧b2 ≧ 1.2・aとする。
【0014】
従来例の図11にて述べたように、矢印G1 方向の引張り力が作用した状態で、本発明の第1の実施の形態では、支持体7の外周壁部9の上端面と、固定額縁材12の上辺12Aの下面との間隙25は、前記寸法aよりも小さく、従って、前記寸法b1 ,b2 よりも十分小さいため、この狭小な間隙25が隘路として作用し、弾性材の移動(流れ)を確実に阻止する。従って、(底壁側の)内鍔壁部5へは矢印G1 の引張り力が遡及せず、図3に示した元々の位置にシール突条20は保持され、密封性が、そのまま良好に維持される。
【0015】
次に、図4は第2の実施の形態を示す要部断面図である。この図4は、図1〜図3と基本的全体構成は同一であって、重複説明を省略する。
【0016】
この第2の実施の形態(図4)が、第1の実施の形態と相違している点は、以下の通りである。つまり、弾性膜材1の内鍔壁部5の肉厚寸法cが、鉛直壁部4の肉厚寸法b2 の 1.5倍以上に(大きく)設定されている点にある。
【0017】
つまり、従来例の図9,図10,図11では鉛直壁部41の肉厚寸法b2 と内鍔壁部42の肉厚寸法cは、同一であったのに対し、本発明の第2の実施の形態では、c≧ 1.5・bに設定している。さらに好ましいのは、 2.0・b≧c≧ 1.6・bとする。
【0018】
従来例の図11にて述べたように、矢印G1 方向の引張り力が作用した状態で、本発明の第2の実施の形態では、支持体7の鉛直外面8の下端8Aと、固定額縁材12の下端12cとの間隙26は、前記寸法bと略同一乃至僅かに大きいだけであって、内鍔壁部5の肉厚寸法cよりも小さいため、この狭小な間隙26が隘路となって、内鍔壁部5の外角部は、この間隙26へ侵入できない(阻止される)。
【0019】
従って、図11に示した従来の矢印G3 の弾性材の流れがほとんど発生せず、これによって、図4に示した元々の位置にシール突条20は保持されて、密封性が低下しない。
【0020】
次に、図5は第3の実施の形態を示す要部断面図である。この図5は、図1〜図3と基本的全体構成は同一であって、重複説明を省略する。
【0021】
この第3の実施の形態(図5)が、第1の実施の形態と相違している点は、以下の通りである。つまり、弾性膜材1の内鍔壁部5の内端縁5Aに、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上の肉厚寸法dの膨出部21が形成されている点である。さらには、この膨出部21は、その内外方向幅寸法eが、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上に設定するのが、望ましい。そして、図5に示すように、内鍔壁部5の下面と、膨出部21の下面21Aとが、同一平面状として連続平坦面を、形成している。支持体7の下面には、切欠部22が形成され、膨出部21の外端面21Bが、この切欠部22の段付面に、掛止して、内鍔壁部5の水平外方向への移動を阻止する。しかも、支持体7の下面と、ホルダー11の外フランジ(被シール平坦面)14との間隙27に対し、膨出部21の横断面形状(断面積)が大きく、この間隙27が隘路となって、膨出部21の侵入が阻止される。
【0022】
従って、図11に示した従来の矢印G3 の弾性材の流れが阻止され、シール突条20は、図5の状態から、ほとんど移動せず、密封性が維持できる。
【0023】
図5に示す第3の実施の形態に於て、各肉厚寸法a,b,c間では、a=b=cであり、さらに、d≧2・c、かつ、e≧2・cである。さらに好ましくは、 3.0・c≧d≧ 2.2・c、かつ、 3.5・c≧e≧ 2.5・cとする。
【0024】
次に、図6〜図8は第4の実施の形態を示す。要部断面図を示した図6は、図1〜図3と基本的全体構成は同一であって、重複説明を省略する。
【0025】
この第4の実施の形態(図6〜図8)が、第1の実施の形態と相違している点は、以下の通りである。つまり、弾性膜材1の内鍔壁部5の内端縁5Aに、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上の肉厚寸法dの膨出部21が形成されている点である。さらには、この膨出部21は、その内外方向幅寸法eが、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上に設定するのが、望ましい。そして、図8(A)と図6に示すように、膨出部21は、内鍔壁部5の下面から、膨出部21の肉厚寸法dの 0.2倍以上の下方突出寸法fをもって、突出形成されている。つまり、f≧ 0.2・dとする。さらに、好ましくは、0.35・d≧f≧0.25・dとするのがよい。そして、支持体7の下面には、切欠部22が形成され、膨出部21の外端面21Bが、この切欠部22の段付面に、掛止して、内鍔壁部5の水平外方向への移動を阻止する。しかも、支持体7の下面と、ホルダー11の外フランジ(被シール平坦面)14との間隙27に対し、膨出部21の横断面形状(断面積)が大きく、この間隙27が隘路となって、膨出部21の侵入が阻止される。このとき、前記突出寸法fをもって、膨出部21が下方へ突出していることにより、膨出部21の下面21Aが外フランジ14に当たって、膨出部21の下方への揺動が阻止されるので、一層確実に前記掛止が維持できる。
【0026】
従って、図11に示した従来の矢印G3 の弾性材の流れが阻止され、シール突条20は、図6の状態から、ほとんど移動せず、密封性が維持できる。
【0027】
図6に示す第4の実施の形態に於て、各肉厚寸法a,b,c間では、a=b=cであり、さらに、d≧2・c、かつ、e≧2・cである。さらに好ましくは、 3.0・c≧d≧ 2.2・c、かつ、 3.5・c≧e≧ 2.5・cとする。
【0028】
そして、図7は構成説明のための簡略平面図であり、斜線部Zが、膨出部21が配置される部位を示す。内鍔壁部5は平面視(又は底面視)矩形枠状を示すが、その全周に渡って、膨出部21を形成するのではない。つまり、矩形枠状の内鍔壁部5の4隅23,23,23,23を除いて4辺24,24,24,24の各々に、膨出部21を配設する。
【0029】
図7のX−X断面を図8(A)に拡大して示し、図7のY−Y断面を図8(B)に拡大して示す。このように、全周に形成せずに、辺24にのみ膨出部21を配設することで、支持体7への装着作業性が優れ、しかも、従来例の図11に示した矢印G3 方向への引張り力が最も強く作用する各辺の中央域に、膨出部21を配設することは、合理的であり、シール突条20の脱出防止効果が大である。
【0030】
なお、本発明は上述の実施の形態を、組合わせることも、好ましい。例えば、図3と図5、図3と図6、図3と図4を組合わせる等の応用も自由である。
【0031】
次に、従来例(図9〜図11)と、図3、図4、図5、図6の各実施形態の具体的実施例について、耐圧試験を行なった。各実施例の該当する図面、及び、各部寸法関係、及び、耐圧試験結果を、次の、表1に示す。
【0032】
この耐圧試験方法は、弾性膜材1,34としては、気泡発生用小孔2,32を全く省略したものを、組込んで、これに、内圧を付加した状態で保ち、シール部脱出によるエア漏れ発生までの時間を計測した。
【0033】
【表1】
【0034】
以上の結果から、30kPa の過大圧力が作用すると、従来例では、10分でシール部脱出(図11参照)が生じ、エア漏れを生じた。これに対して、実施例3,2,1では各々45分,85分, 120分も耐えることが分った。特に、実施例4では10日以上にわたって問題のないことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す散気状態の断面正面図である。
【図2】未散気状態の平面図である。
【図3】要部拡大断面図である。
【図4】第2の実施の形態を示す要部断面図である。
【図5】第3の実施の形態を示す要部断面図である。
【図6】第4の実施の形態を示す要部断面図である。
【図7】説明用簡略平面図である。
【図8】要部断面説明図である。
【図9】従来例を示す断面正面図である。
【図10】従来例を示す要部断面図である。
【図11】従来例の問題点を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 弾性膜材
2 小孔
3 上面壁部
4 鉛直壁部
4A 下端縁
4B 外面
5 内鍔壁部
5A 内端縁
7 支持体
11 ホルダー
12 固定額縁材
13 上角部
14 被シール平坦面(外フランジ)
20 シール突条
21 膨出部
23 4隅
24 4辺
a,b1 ,b2 ,c,d 肉厚寸法
e 幅寸法
f 突出寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、曝気槽等に設けられる散気装置に係り、特に、パネル型のメンブレン散気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の散気装置としては、図9と図10に示すようなパネル型メンブレン散気装置が用いられている(特許文献1参照)。
即ち、図9に示した散気装置31は、下水処理場の曝気槽や化学工場で用いられるものであって、多数の気泡発生用小孔32を有する矩形状上面壁部33を備えた弾性膜材(メンブレン)34が、支持体35によって内部から保持されると共に、外側からは固定額縁材36にて押圧されるように、押さえ金具37と、ボルト・ナット結合38等にて、ホルダー39の外フランジ40に載置状に固着されている。
弾性膜材(メンブレン)34は、前記矩形状上壁面部33と、この上壁面部33の周縁から垂下した鉛直壁部41と、この鉛直壁部41の下端の内鍔壁部42とを、備え、かつ、外フランジ40の上面に密接するシール突条43が、内鍔壁部42の下面から突設され、密封する構造である。
【0003】
図9に2点鎖線にて示すように、空気が送られてこない状態では、上面壁部33は、支持体35の平坦上壁面44に接している。そして、図9に、矢印F1 ,F2 のように、ホルダー39の内部を介して、図外の外部配管から空気が送られてくると、空気圧(圧力)によって、図9の実線のように山型に膨張して、小孔32が開口して、散気する。なお、空気圧が作用しない2点鎖線の状態では、小孔32は閉じており、目詰まりを起こさないようになっている。
また、固定額縁材36は、弾性膜材34の上角部45から、鉛直壁部41の外面に渡って押さえる(包囲する)ように、横断面倒立L字型の部材から成る。
【特許文献1】特開2003−320388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、誤操作あるいは機器の誤作動等によって、(図9の矢印F1 ,F2 にて示す)空気の流量が増大した場合(送風量過大のとき)、図10から図11に示すように、上面壁部33が大きく山型に膨張しつつ矢印G1 ,G2 のように大きな引張り力が作用し、内鍔壁部42にまで矢印G3 で示す引張り力が働く。
これによって、内鍔壁部42が矢印G3 の方向に引きづり出され、シール突条43が脱出する。つまり、シール突条43が、固定額縁材36の下端36Aと、支持体35の下端外角部35Aの間隙部(開口部)46まで引きづり出され(移動し)、密封性が低下し乃至失われ、矢印Hで示すように、内部の空気が外部へ漏洩し、あるいは、矢印Hとは逆方向に水等の外部流体が内部へ浸入する。このようにして、パネル型メンブレン散気装置では、誤操作や設備異常等によって、送風量が過大となった場合に、シール突条43が(図11のように)脱出して、内外部の密封性が失われ、散気装置としての性能の低下を生じ、かつ、外部流体の浸入による装置トラブル発生の虞れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、構成される部品点数をそのまま保って、空気の流量が過大となったような場合にも、図11に示すようなシール突条43が脱出することを阻止し、常に、密封性を保って、散気性能を高く維持し、トラブル発生を未然防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、多数の気泡発生用小孔を有する矩形状上面壁部と、該上面壁部の周縁から垂下した鉛直壁部と、該鉛直壁部の下端縁から内方水平状に突設した内鍔壁部とを、有する弾性膜材を備え、かつ、該弾性膜材を内部から保持する支持体と、該弾性膜材の上角部から上記鉛直壁部の外面に渡って保持する固定額縁材と、上記弾性膜材とを、被シール平坦面を有するホルダーに固着して、上記内鍔壁部の下面に形成されたシール突条を該被シール平坦面に密接して組立てられた散気装置に於て、上記弾性膜材は、上記上角部の肉厚寸法、及び、上記鉛直壁部の肉厚寸法が、上記上面壁部の肉厚寸法の 1.1倍以上に大きく設定されている。
また、上記弾性膜材は、上記内鍔壁部の肉厚寸法が、上記鉛直壁部の肉厚寸法の 1.5倍以上に大きく設定されているものである。
また、上記弾性膜材は、上記内鍔壁部の内端縁に、該内鍔壁部の肉厚寸法の2倍以上の肉厚寸法の膨出部が形成されているものである。
そして、上記膨出部は、その内外方向幅寸法が、上記内鍔壁部の肉厚寸法の2倍以上に設定されている。さらに、上記膨出部は、上記内鍔壁部の下面から、その肉厚寸法の 0.2倍以上の下方突出寸法をもって、突出形成されている。
好ましくは、上記膨出部は、矩形枠状の上記内鍔壁部の4隅を除いて4辺の各々に配設されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、送られてくる空気の流量が(誤操作等にて)過大となったとしても、内鍔壁部下面のシール突条が側外方へ引きづり出されず(移動せず)、ホルダー外フランジと常時密接して、密封性能を維持でき、空気の外部漏洩と外部流体の浸入を、防止できる。しかも、部品点数が増加せず、単に弾性膜材の部分的な肉厚を変化(増加)させるだけで容易に対応可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示す図であり、図1は散気状態を示す断面正面図、図2は平面図、図3は要部拡大断面図である。
【0009】
この図1〜図3に於て、1はゴム等の弾性材質の弾性膜材(メンブレン)であり、多数の気泡発生用小孔2を有する上面壁部3と、鉛直壁部4と、内鍔壁部5とを、この弾性膜材1は(一体成型にて)一体に有する。
鉛直壁部4は、矩形状の上面壁部3の周縁から垂下され、4辺周囲を包囲するように、一定上下幅をもって、鉛直壁部4から垂設されている。
【0010】
未散気状態(未受圧状態)では、図1中に2点鎖線にて示すように、上面壁部3は、平坦平面状であり、散気状態(受圧状態)では、実線にて示すように、上方膨出凸状(丸山型)に弾性的に変形する。
また、内鍔壁部5は、鉛直壁部4の下端縁4Aから、内方水平状に突設形成されている。つまり、内鍔壁部5は上面壁部3と平行に形成された底壁部に相当する。
なお、小さな上下高さ寸法の起立壁部6が、内鍔壁部5の内端縁5Aから、起立状に連設されている。
【0011】
次に、7は弾性膜材1を内部から保持する支持体である。この支持体7は、平面視矩形環状の鉛直外面8を有する、鉛直壁部4保持用の外周壁部9と、(未散気状態の)上面壁部3の下面に当接支持する板面部10を、有する。かつ、板面部10の中央には、(後述の)ホルダー11からの空気を、矢印F1 のように、弾性膜材1側へ送るための空気噴出孔10Aが貫設されている。
12は、弾性膜材1の上角部13から鉛直壁部4の外面4Bに渡って押さえて保持する固定額縁材である。図2のように、この固定額縁材12は、平面視矩形環状であって、かつ、図1と図3のように、横断面倒立L字型部材をもって、矩形環状に包囲枠を形成している。また、上辺12Aは短寸とし、鉛直辺12Bは長寸とした上記倒立L字型に、横断面が形成されている。
【0012】
ホルダー11は、外フランジ等の被シール平坦面14を有する略浅皿型等として、(図2に示すように)給気管15がホルダー11内部に連通連結されている。
ホルダー11の外フランジから成る被シール平坦面14には、ボルト部材16が立設され、ナット17とこのボルト部材16にて、倒立L字型片の押さえ金具18を取着して、固定額縁材12(の上辺12A)を下方へ押圧して、支持体7と、弾性膜材1と、固定額縁材12とを、ホルダー11に、固着する。この固着によって、内鍔壁部5の下面に形成されたシール突条20を被シール平坦面(外フランジの上面)14に密接して、組立てられている。
【0013】
そして、図3と図1に示すように、弾性膜材1は、上角部13の肉厚寸法b1 、及び、鉛直壁部4の肉厚寸法b2 が、上面壁部3の肉厚寸法aの 1.1倍以上に(大きく)設定されている。
つまり、従来例の図9と図10と図11では、弾性膜材34の上角部45の肉厚寸法b1 、及び、鉛直壁部41の肉厚寸法b2 、さらには、内鍔壁部42の肉厚寸法cは、全て、上面壁部33の肉厚寸法aと、同一であったのに対し、本発明の第1の実施の形態では、b1 ≧ 1.1・a、かつ、b2 ≧ 1.1・aとしている。さらに好ましいのは、 1.5・a≧b1 ≧ 1.2・a、かつ、 1.5・a≧b2 ≧ 1.2・aとする。
【0014】
従来例の図11にて述べたように、矢印G1 方向の引張り力が作用した状態で、本発明の第1の実施の形態では、支持体7の外周壁部9の上端面と、固定額縁材12の上辺12Aの下面との間隙25は、前記寸法aよりも小さく、従って、前記寸法b1 ,b2 よりも十分小さいため、この狭小な間隙25が隘路として作用し、弾性材の移動(流れ)を確実に阻止する。従って、(底壁側の)内鍔壁部5へは矢印G1 の引張り力が遡及せず、図3に示した元々の位置にシール突条20は保持され、密封性が、そのまま良好に維持される。
【0015】
次に、図4は第2の実施の形態を示す要部断面図である。この図4は、図1〜図3と基本的全体構成は同一であって、重複説明を省略する。
【0016】
この第2の実施の形態(図4)が、第1の実施の形態と相違している点は、以下の通りである。つまり、弾性膜材1の内鍔壁部5の肉厚寸法cが、鉛直壁部4の肉厚寸法b2 の 1.5倍以上に(大きく)設定されている点にある。
【0017】
つまり、従来例の図9,図10,図11では鉛直壁部41の肉厚寸法b2 と内鍔壁部42の肉厚寸法cは、同一であったのに対し、本発明の第2の実施の形態では、c≧ 1.5・bに設定している。さらに好ましいのは、 2.0・b≧c≧ 1.6・bとする。
【0018】
従来例の図11にて述べたように、矢印G1 方向の引張り力が作用した状態で、本発明の第2の実施の形態では、支持体7の鉛直外面8の下端8Aと、固定額縁材12の下端12cとの間隙26は、前記寸法bと略同一乃至僅かに大きいだけであって、内鍔壁部5の肉厚寸法cよりも小さいため、この狭小な間隙26が隘路となって、内鍔壁部5の外角部は、この間隙26へ侵入できない(阻止される)。
【0019】
従って、図11に示した従来の矢印G3 の弾性材の流れがほとんど発生せず、これによって、図4に示した元々の位置にシール突条20は保持されて、密封性が低下しない。
【0020】
次に、図5は第3の実施の形態を示す要部断面図である。この図5は、図1〜図3と基本的全体構成は同一であって、重複説明を省略する。
【0021】
この第3の実施の形態(図5)が、第1の実施の形態と相違している点は、以下の通りである。つまり、弾性膜材1の内鍔壁部5の内端縁5Aに、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上の肉厚寸法dの膨出部21が形成されている点である。さらには、この膨出部21は、その内外方向幅寸法eが、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上に設定するのが、望ましい。そして、図5に示すように、内鍔壁部5の下面と、膨出部21の下面21Aとが、同一平面状として連続平坦面を、形成している。支持体7の下面には、切欠部22が形成され、膨出部21の外端面21Bが、この切欠部22の段付面に、掛止して、内鍔壁部5の水平外方向への移動を阻止する。しかも、支持体7の下面と、ホルダー11の外フランジ(被シール平坦面)14との間隙27に対し、膨出部21の横断面形状(断面積)が大きく、この間隙27が隘路となって、膨出部21の侵入が阻止される。
【0022】
従って、図11に示した従来の矢印G3 の弾性材の流れが阻止され、シール突条20は、図5の状態から、ほとんど移動せず、密封性が維持できる。
【0023】
図5に示す第3の実施の形態に於て、各肉厚寸法a,b,c間では、a=b=cであり、さらに、d≧2・c、かつ、e≧2・cである。さらに好ましくは、 3.0・c≧d≧ 2.2・c、かつ、 3.5・c≧e≧ 2.5・cとする。
【0024】
次に、図6〜図8は第4の実施の形態を示す。要部断面図を示した図6は、図1〜図3と基本的全体構成は同一であって、重複説明を省略する。
【0025】
この第4の実施の形態(図6〜図8)が、第1の実施の形態と相違している点は、以下の通りである。つまり、弾性膜材1の内鍔壁部5の内端縁5Aに、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上の肉厚寸法dの膨出部21が形成されている点である。さらには、この膨出部21は、その内外方向幅寸法eが、内鍔壁部5の肉厚寸法cの2倍以上に設定するのが、望ましい。そして、図8(A)と図6に示すように、膨出部21は、内鍔壁部5の下面から、膨出部21の肉厚寸法dの 0.2倍以上の下方突出寸法fをもって、突出形成されている。つまり、f≧ 0.2・dとする。さらに、好ましくは、0.35・d≧f≧0.25・dとするのがよい。そして、支持体7の下面には、切欠部22が形成され、膨出部21の外端面21Bが、この切欠部22の段付面に、掛止して、内鍔壁部5の水平外方向への移動を阻止する。しかも、支持体7の下面と、ホルダー11の外フランジ(被シール平坦面)14との間隙27に対し、膨出部21の横断面形状(断面積)が大きく、この間隙27が隘路となって、膨出部21の侵入が阻止される。このとき、前記突出寸法fをもって、膨出部21が下方へ突出していることにより、膨出部21の下面21Aが外フランジ14に当たって、膨出部21の下方への揺動が阻止されるので、一層確実に前記掛止が維持できる。
【0026】
従って、図11に示した従来の矢印G3 の弾性材の流れが阻止され、シール突条20は、図6の状態から、ほとんど移動せず、密封性が維持できる。
【0027】
図6に示す第4の実施の形態に於て、各肉厚寸法a,b,c間では、a=b=cであり、さらに、d≧2・c、かつ、e≧2・cである。さらに好ましくは、 3.0・c≧d≧ 2.2・c、かつ、 3.5・c≧e≧ 2.5・cとする。
【0028】
そして、図7は構成説明のための簡略平面図であり、斜線部Zが、膨出部21が配置される部位を示す。内鍔壁部5は平面視(又は底面視)矩形枠状を示すが、その全周に渡って、膨出部21を形成するのではない。つまり、矩形枠状の内鍔壁部5の4隅23,23,23,23を除いて4辺24,24,24,24の各々に、膨出部21を配設する。
【0029】
図7のX−X断面を図8(A)に拡大して示し、図7のY−Y断面を図8(B)に拡大して示す。このように、全周に形成せずに、辺24にのみ膨出部21を配設することで、支持体7への装着作業性が優れ、しかも、従来例の図11に示した矢印G3 方向への引張り力が最も強く作用する各辺の中央域に、膨出部21を配設することは、合理的であり、シール突条20の脱出防止効果が大である。
【0030】
なお、本発明は上述の実施の形態を、組合わせることも、好ましい。例えば、図3と図5、図3と図6、図3と図4を組合わせる等の応用も自由である。
【0031】
次に、従来例(図9〜図11)と、図3、図4、図5、図6の各実施形態の具体的実施例について、耐圧試験を行なった。各実施例の該当する図面、及び、各部寸法関係、及び、耐圧試験結果を、次の、表1に示す。
【0032】
この耐圧試験方法は、弾性膜材1,34としては、気泡発生用小孔2,32を全く省略したものを、組込んで、これに、内圧を付加した状態で保ち、シール部脱出によるエア漏れ発生までの時間を計測した。
【0033】
【表1】
【0034】
以上の結果から、30kPa の過大圧力が作用すると、従来例では、10分でシール部脱出(図11参照)が生じ、エア漏れを生じた。これに対して、実施例3,2,1では各々45分,85分, 120分も耐えることが分った。特に、実施例4では10日以上にわたって問題のないことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す散気状態の断面正面図である。
【図2】未散気状態の平面図である。
【図3】要部拡大断面図である。
【図4】第2の実施の形態を示す要部断面図である。
【図5】第3の実施の形態を示す要部断面図である。
【図6】第4の実施の形態を示す要部断面図である。
【図7】説明用簡略平面図である。
【図8】要部断面説明図である。
【図9】従来例を示す断面正面図である。
【図10】従来例を示す要部断面図である。
【図11】従来例の問題点を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 弾性膜材
2 小孔
3 上面壁部
4 鉛直壁部
4A 下端縁
4B 外面
5 内鍔壁部
5A 内端縁
7 支持体
11 ホルダー
12 固定額縁材
13 上角部
14 被シール平坦面(外フランジ)
20 シール突条
21 膨出部
23 4隅
24 4辺
a,b1 ,b2 ,c,d 肉厚寸法
e 幅寸法
f 突出寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の気泡発生用小孔(2)を有する矩形状上面壁部(3)と、該上面壁部(3)の周縁から垂下した鉛直壁部(4)と、該鉛直壁部(4)の下端縁(4A)から内方水平状に突設した内鍔壁部(5)とを、有する弾性膜材(1)を備え、
かつ、該弾性膜材(1)を内部から保持する支持体(7)と、該弾性膜材(1)の上角部(13)から上記鉛直壁部(4)の外面(4B)に渡って保持する固定額縁材(12)と、上記弾性膜材(1)とを、被シール平坦面(14)を有するホルダー(11)に固着して、上記内鍔壁部(5)の下面に形成されたシール突条(20)を該被シール平坦面(14)に密接して組立てられた散気装置に於て、
上記弾性膜材(1)は、上記上角部(13)の肉厚寸法(b1 )、及び、上記鉛直壁部(4)の肉厚寸法(b2 )が、上記上面壁部(3)の肉厚寸法(a)の 1.1倍以上に大きく設定されていることを特徴とする散気装置。
【請求項2】
多数の気泡発生用小孔(2)を有する矩形状上面壁部(3)と、該上面壁部(3)の周縁から垂下した鉛直壁部(4)と、該鉛直壁部(4)の下端縁(4A)から内方水平状に突設した内鍔壁部(5)とを、有する弾性膜材(1)を備え、
かつ、該弾性膜材(1)を内部から保持する支持体(7)と、該弾性膜材(1)を外部から保持する固定額縁材(12)と、上記弾性膜材(1)とを、被シール平坦面(14)を有するホルダー(11)に固着して、上記内鍔壁部(5)の下面に形成されたシール突条(20)を該被シール平坦面(14)に密接して組立てられた散気装置に於て、
上記弾性膜材(1)は、上記内鍔壁部(5)の肉厚寸法(c)が、上記鉛直壁部(4)の肉厚寸法(b2 )の 1.5倍以上に大きく設定されていることを特徴とする散気装置。
【請求項3】
多数の気泡発生用小孔(2)を有する矩形状上面壁部(3)と、該上面壁部(3)の周縁から垂下した鉛直壁部(4)と、該鉛直壁部(4)の下端縁(4A)から内方水平状に突設した内鍔壁部(5)とを、有する弾性膜材(1)を備え、
かつ、該弾性膜材(1)を内部から保持する支持体(7)と、該弾性膜材(1)を外部から保持する固定額縁材(12)と、上記弾性膜材(1)とを、被シール平坦面(14)を有するホルダー(11)に固着して、上記内鍔壁部(5)の下面に形成されたシール突条(20)を該被シール平坦面(14)に密接して組立てられた散気装置に於て、
上記弾性膜材(1)は、上記内鍔壁部(5)の内端縁(5A)に、該内鍔壁部(5)の肉厚寸法(c)の2倍以上の肉厚寸法(d)の膨出部(21)が形成されていることを特徴とする散気装置。
【請求項4】
上記膨出部(21)は、その内外方向幅寸法(e)が、上記内鍔壁部(5)の肉厚寸法(c)の2倍以上に設定されている請求項3記載の散気装置。
【請求項5】
上記膨出部(21)は、上記内鍔壁部(5)の下面から、その肉厚寸法(d)の 0.2倍以上の下方突出寸法(f)をもって、突出形成されている請求項3又は4記載の散気装置。
【請求項6】
上記膨出部(21)は、矩形枠状の上記内鍔壁部(5)の4隅 (23)(23)(23)(23) を除いて4辺 (24)(24)(24)(24) の各々に配設されている請求項3,4又は5記載の散気装置。
【請求項1】
多数の気泡発生用小孔(2)を有する矩形状上面壁部(3)と、該上面壁部(3)の周縁から垂下した鉛直壁部(4)と、該鉛直壁部(4)の下端縁(4A)から内方水平状に突設した内鍔壁部(5)とを、有する弾性膜材(1)を備え、
かつ、該弾性膜材(1)を内部から保持する支持体(7)と、該弾性膜材(1)の上角部(13)から上記鉛直壁部(4)の外面(4B)に渡って保持する固定額縁材(12)と、上記弾性膜材(1)とを、被シール平坦面(14)を有するホルダー(11)に固着して、上記内鍔壁部(5)の下面に形成されたシール突条(20)を該被シール平坦面(14)に密接して組立てられた散気装置に於て、
上記弾性膜材(1)は、上記上角部(13)の肉厚寸法(b1 )、及び、上記鉛直壁部(4)の肉厚寸法(b2 )が、上記上面壁部(3)の肉厚寸法(a)の 1.1倍以上に大きく設定されていることを特徴とする散気装置。
【請求項2】
多数の気泡発生用小孔(2)を有する矩形状上面壁部(3)と、該上面壁部(3)の周縁から垂下した鉛直壁部(4)と、該鉛直壁部(4)の下端縁(4A)から内方水平状に突設した内鍔壁部(5)とを、有する弾性膜材(1)を備え、
かつ、該弾性膜材(1)を内部から保持する支持体(7)と、該弾性膜材(1)を外部から保持する固定額縁材(12)と、上記弾性膜材(1)とを、被シール平坦面(14)を有するホルダー(11)に固着して、上記内鍔壁部(5)の下面に形成されたシール突条(20)を該被シール平坦面(14)に密接して組立てられた散気装置に於て、
上記弾性膜材(1)は、上記内鍔壁部(5)の肉厚寸法(c)が、上記鉛直壁部(4)の肉厚寸法(b2 )の 1.5倍以上に大きく設定されていることを特徴とする散気装置。
【請求項3】
多数の気泡発生用小孔(2)を有する矩形状上面壁部(3)と、該上面壁部(3)の周縁から垂下した鉛直壁部(4)と、該鉛直壁部(4)の下端縁(4A)から内方水平状に突設した内鍔壁部(5)とを、有する弾性膜材(1)を備え、
かつ、該弾性膜材(1)を内部から保持する支持体(7)と、該弾性膜材(1)を外部から保持する固定額縁材(12)と、上記弾性膜材(1)とを、被シール平坦面(14)を有するホルダー(11)に固着して、上記内鍔壁部(5)の下面に形成されたシール突条(20)を該被シール平坦面(14)に密接して組立てられた散気装置に於て、
上記弾性膜材(1)は、上記内鍔壁部(5)の内端縁(5A)に、該内鍔壁部(5)の肉厚寸法(c)の2倍以上の肉厚寸法(d)の膨出部(21)が形成されていることを特徴とする散気装置。
【請求項4】
上記膨出部(21)は、その内外方向幅寸法(e)が、上記内鍔壁部(5)の肉厚寸法(c)の2倍以上に設定されている請求項3記載の散気装置。
【請求項5】
上記膨出部(21)は、上記内鍔壁部(5)の下面から、その肉厚寸法(d)の 0.2倍以上の下方突出寸法(f)をもって、突出形成されている請求項3又は4記載の散気装置。
【請求項6】
上記膨出部(21)は、矩形枠状の上記内鍔壁部(5)の4隅 (23)(23)(23)(23) を除いて4辺 (24)(24)(24)(24) の各々に配設されている請求項3,4又は5記載の散気装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−195836(P2009−195836A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−40850(P2008−40850)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【出願人】(594152620)ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 (104)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【出願人】(594152620)ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 (104)
【Fターム(参考)】
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