説明

数式表示制御装置及び数式表示制御プログラム

【課題】数式中の少なくとも一部の因数を整数の形式と累乗または累乗根の形式とで変換する。
【解決手段】関数電卓1は、数式を自然表示形式で表示するディスプレイ2と、ユーザ操作に基づいて、ディスプレイ2に表示された数式から根号内の少なくとも1部の数値を選択数値として選択するとともに前記選択数値を前記根号の外部にドラッグする入力部10と、前記選択数値を素因数分解することにより、前記根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定するとともに、前記根号の外部に出すことの可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を当該根号の外部に出すことにより、前記数式を等価変形してディスプレイ2に表示させるCPU60と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数式の表示を制御する数式表示制御装置及び数式表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、入力される各種数式の演算を実行して演算結果を表示する関数電卓においては、入力した数式を表示する形式として、少ない行数での表示形式(以下、「1行表示形式」とする)と、一般的な教科書や書籍などに表されている表示形式(以下、「自然表示形式」とする)とがある(例えば、特許文献1参照)。具体的には、aの2乗を表す場合に、1行表示形式では「a^2」と表示され、自然表示形式では「a2」と表示される。
【0003】
また、近年、自然表示形式で数式を表示する関数電卓には、タブレット(タッチパネル)を利用した手書きペン入力機能が備えられており、入力された等式においてユーザが左辺の一部の項を手書きペンの操作によって右辺に移動させると、両辺が等しくなるよう、移動された項の正負が変換されるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、関数電卓に表示される数式には、少なくとも一部の因数が整数の形式でも、指数を用いた累乗の形式、或いは根号を用いた累乗根の形式でも表現可能なものがある。
【0005】
例えば、数式「4」における整数形式の因数「4」は、累乗根の形式の因数「√16」や、累乗の形式の因数「22」としても表現可能である。また、数式「2√3」における整数形式の因数「2」は累乗根形式の因数「√4」としても表現可能であり、その結果、この数式「2√3」は「√12」としても表現可能である。また、数式「12」における整数形式の因数「4」は累乗形式の因数「22」としても表現可能であり、その結果、この数式「12」は「22×3」としても表現可能である。
【0006】
そして、これら累乗,累乗根の形式と整数の形式との間で表示形式を選択可能な数式については、表示形式が誤って選択されてしまうと、他の数式の場合と比較して視覚的、概念的に数式の内容が捉え難くなってしまうため、数式が一旦表示された後であっても、その表示形式を変更できることが好ましい。
【特許文献1】特開平4−252351号公報
【特許文献2】特開2004−126665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に記載の関数電卓では、累乗や累乗根の形式によって表示された因数を整数形式の因数に変換することはできないし、整数の形式で表示された因数を累乗形式の因数に変換することもできない。
【0008】
本発明の課題は、数式中の少なくとも一部の因数を整数の形式と累乗または累乗根の形式とで変換することのできる数式表示制御装置及び数式表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、数式表示制御装置において、
数式を自然表示形式で表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された前記数式から、根号内の少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を前記根号の外部にドラッグするドラッグ手段と、
前記ドラッグ手段によって前記根号の外部にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、前記根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算手段と、
前記根号の外部に出すことの可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を当該根号の外部に出すことにより、前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の数式表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる前に、前記因数を表示させる因数表示制御手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の数式表示制御装置において、
前記因数表示制御手段は、
前記選択数値が前記根号の外部にドラッグされるのに伴って前記因数が前記根号の内部から外部に移動するよう、当該因数を前記表示手段に表示させる因数移動表示制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の数式表示制御装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を素因数分解する素因数分解手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記選択数値を素因数分解することにより、前記数式を等価変形して表示させる素因数表示制御手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、数式表示制御装置において、
数式を自然表示形式で表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された前記数式から、少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の指数部分にドラッグするドラッグ手段と、
前記ドラッグ手段によって指数部分にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、累乗形式で表現可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算手段と、
累乗形式で表現可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を累乗形式とすることにより、前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の数式表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる前に、前記因数を表示させる因数表示制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の数式表示制御装置において、
前記因数表示制御手段は、
前記選択数値が指数部分にドラッグされるのに伴って前記因数が当該選択数値の位置から指数部分の位置に移動するよう、当該因数を前記表示手段に表示させる因数移動表示制御手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の数式表示制御装置において、
前記数式を等価変形できない場合に、その旨を報知するエラー報知手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、数式表示制御装置において、
数式を自然表示形式で表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された前記数式から、累乗形式の指数部分における少なくとも1部の指数を選択数値として選択する選択手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の底の部分にドラッグするドラッグ手段と、
前記ドラッグ手段によって前記選択数値が前記底の部分にドラッグされる場合に、前記底を前記選択数値の数だけ累乗することにより、前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の数式表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる前に、前記底を前記選択数値の数だけ累乗した累乗数を表示させる累乗数表示制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の数式表示制御装置において、
前記因数表示制御手段は、
前記選択数値が底部分にドラッグされるのに伴って前記累乗数が当該選択数値の位置から底部分の位置に移動するよう、当該累乗数を前記表示手段に表示させる累乗数移動表示制御手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、
ユーザ操作に基づいて数式を表示するコンピュータを制御するための数式表示制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
数式を自然表示形式で表示する表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能によって表示された前記数式から、根号内の少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を前記根号の外部にドラッグするドラッグ機能と、
前記ドラッグ機能によって前記根号の外部にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、前記根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算機能と、
前記根号の外部に出すことの可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を当該根号の外部に出すことにより、前記数式を等価変形して前記表示機能に表示させる表示制御機能と、
を実現させる。
【0021】
請求項13記載の発明は、
ユーザ操作に基づいて数式を表示するコンピュータを制御するための数式表示制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
数式を自然表示形式で表示する表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能によって表示された前記数式から、少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の指数部分にドラッグするドラッグ機能と、
前記ドラッグ機能によって指数部分にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、累乗形式で表現可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算機能と、
累乗形式で表現可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を累乗形式とすることにより、前記数式を等価変形して前記表示機能に表示させる表示制御機能と、
を実現させる。
【0022】
請求項14記載の発明は、
ユーザ操作に基づいて数式を表示するコンピュータを制御するための数式表示制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
数式を自然表示形式で表示する表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能によって表示された前記数式から、累乗形式の指数部分における少なくとも1部の指数を選択数値として選択する選択機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の底の部分にドラッグするドラッグ機能と、
前記ドラッグ機能によって前記選択数値が前記底の部分にドラッグされる場合に、前記底を前記選択数値の数だけ累乗することにより、前記数式を等価変形して前記表示機能に表示させる表示制御機能と、
を実現させる。
【発明の効果】
【0023】
請求項1,12記載の発明によれば、根号の外部にドラッグされる選択数値が素因数分解されることにより、根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かが判定され、このような因数が選択数値に含まれる場合には、根号内の前記因数が当該根号の外部に出されることにより数式が等価変形されて表示されるので、数式中において累乗根の形式で表示された少なくとも1部の因数を、整数の形式の因数に変換することができる。
【0024】
請求項5,13記載の発明によれば、累乗形式の指数部分にドラッグされる選択数値が素因数分解されることにより、累乗形式で表現可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かが判定され、このような因数が選択数値に含まれる場合には、前記因数が累乗形式とされることにより数式が等価変形されて表示されるので、数式中において整数の形式で表示された少なくとも1部の因数を、累乗の形式の因数に変換することができる。
【0025】
請求項9,14記載の発明によれば、累乗形式の指数部分における選択数値が底の部分にドラッグされる場合に、底が選択数値の数だけ累乗されることにより数式が等価変形されて表示されるので、数式中において累乗の形式で表示された少なくとも1部の因数を、整数の形式の因数に変換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る数式表示制御装置の適用された関数電卓について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
<外観>
図1に、関数電卓1の正面図を示す。
この図に示すように、関数電卓1は、ディスプレイ2と、入力ペン3と、入力キー群4と、スピーカ5とを備えている。
【0028】
ディスプレイ2は、入力ペン3や入力キー群4の操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データが表示される部分であり、本実施の形態においては、数式を自然表示形式で表示するようになっている。このディスプレイ2には、従来より公知のタブレット(タッチパネル)11(図2参照)が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0029】
入力ペン3は、タブレット11を押下することにより、押下位置に応じた入力操作を行うようになっている。
入力キー群4は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。
スピーカ5は、ユーザによる入力キー群4や入力ペン3の操作に応じてエラー音などの音声を出力する部分である。
【0030】
<構成>
続いて、関数電卓1の機能構成について説明する。
図2は、関数電卓1の機能構成を示すブロック図である。
この図に示すように、関数電卓1は入力部10と、表示部20と、音声出力部25と、ROM(Read Only Memory)30と、RAM(Random Access Memory)40と、記憶装置50と、CPU(Central Processing Unit)60等との機能部を備えており、各機能部はバスによって接続されている。
【0031】
入力部10は、上述の入力キー群4を備えており、押下されたキーに対応する操作信号をCPU60に出力するようになっている。
また、この入力部10は、タブレット11と、当該タブレット11に接続された位置検出回路12とを備えており、入力ペン3によって押圧されたタブレット11上の位置を検出し、この検出位置におけるディスプレイ2の表示内容に応じた操作信号をCPU60へ出力するようになっている。更に、本実施の形態における入力部10は、入力ペン3の操作によって数式の一部を選択した場合に、入力ペン3をディスプレイ2に当接させたまま移動させた後、入力ペンをディスプレイ2から離すことによって「ドラッグ」操作を行うことが可能となっている。なお、位置検出回路12によるタブレット11上の位置検出方法としては、電磁誘導方式、磁気歪式、感圧式等の何れの方法を用いても良い。
【0032】
表示部20は、上述のディスプレイ2を備えており、CPU60からの信号に基づいて各種情報をディスプレイ2に表示するようになっている。
音声出力部25は、上述のスピーカ5を備えており、CPU6から入力される音声出力信号に基づいて各種情報をスピーカ5に音声出力させるようになっている。
【0033】
ROM30は、読出し専用の半導体メモリであり、各種初期設定、ハードウェアの検査、或いは必要なプログラムのロード等を行うための初期プログラムや、CPU60を動作させるための各種制御プログラム、これらのプログラムに必要なパラメータ等のデータを格納している。このROM30は、本実施の形態においては、数式表示制御プログラム31を格納している。
【0034】
数式表示制御プログラム31は、後述のペン入力計算処理(図3,図4参照)をCPU60に実行させるためのプログラムである。
【0035】
RAM40は、CPU60が実行する各種プログラムや、これらのプログラムの実行に係るデータ、例えばユーザにより入力された数式などを一時的に保持する随時書き込み可能なメモリであり、本実施形態においては、数式記憶領域41、選択数値記憶領域42及び素因数記憶領域43を備えている。
【0036】
このうち、数式記憶領域41には、ディスプレイ2に表示された数式が記憶されるようになっている。
また、選択数値記憶領域42には、ディスプレイ2に表示された数式の各構成要素のうち、ユーザ操作によって選択された数値部分(以下、選択数値とする)の値が記憶されるようになっている。
また、素因数記憶領域43には、後述のペン入力計算処理において選択数値が素因数分解される場合に、この素因数分解により得られる各素因数が記憶されるようになっている。
【0037】
記憶装置50は、プログラムやデータ等を記憶する記憶媒体51を有している。この記憶媒体51は、磁気的、光学的記憶媒体、若しくは半導体メモリにより構成されており、関数電卓1に対応する各種処理プログラムや、各種処理プログラムに基づいて処理されたデータ等を記憶している。なお、記憶媒体51は、記憶装置50に固定的に設けられたものでも良いし、着脱自在に装着されたものでも良い。
【0038】
CPU60は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送を行うようになっている。具体的には、CPU60は、入力部10から入力される操作信号に応じてROM30や記憶媒体51に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU60は、処理結果を表示するための表示制御信号を表示部20に適宜出力して、対応した情報を表示させる。
【0039】
<動作>
次に、数式表示制御プログラム31がCPU60によって実行される場合の関数電卓1の動作について説明する。
図3,図4は、CPU60がROM30から数式表示制御プログラム31を読み出して実行するペン入力計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0040】
このペン入力計算処理においては、図3に示すように、まずCPU60は、入力ペン3を介した操作がされるか否か、つまり、ペンタッチがされるか否かを判定し(ステップS1)、ペンタッチがされないと判定した場合(ステップS1;No)には、当該ステップS1の処理を繰り返す。
【0041】
また、ステップS1においてペンタッチがされたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、CPU60は、ペンタッチのされた位置がディスプレイ2における空白エリアであるか否かを判定し(ステップS2)、空白エリアであると判定した場合(ステップS2;Yes)には、ペン入力の内容を文字認識し、認識された数式を入力対象として数式記憶領域41に記憶させるとともに、ディスプレイ2に自然表示形式で表示させた後(ステップS3)、上述のステップS1の処理に移行する。なお、このステップS3では、累乗根や累乗の形式で表現される数式を入力することとしても良いし、数値のみからなる数式を入力することとしても良い。
【0042】
また、上記ステップS2においてペンタッチのされた位置がディスプレイ2における空白エリアではないと判定した場合(ステップS2;No)には、CPU60は、入力済みの数式中の数値部分にタッチしたか否かを判定する(ステップS11)。
【0043】
このステップS11において数値部分にタッチしないと判定した場合(ステップS11;No)には、CPU60は他の処理へ移行し、また数値部分にタッチしたと判定した場合(ステップS11;Yes)には、タッチにより選択された選択数値をディスプレイ2に反転表示させるとともに、その値を選択数値記憶領域42に記憶させる(ステップS12)。
【0044】
次に、CPU60は、数式記憶領域41に記憶された数式が根号を含んでおり、かつ、入力ペン3の操作によって根号内の選択数値が根号外にドラッグされるか否かを判定する(ステップS13)。
【0045】
このステップS13において選択数値が根号外にドラッグされたと判定した場合(ステップS13;Yes)には、CPU60は、選択数値記憶領域42に記憶された選択数値を素因数分解して各素因数を素因数記憶領域43に記憶させるとともに、根号の外に出せる因数を計算し(ステップS14)、このような因数があるか否かを判定する(ステップS15)。
【0046】
このステップS15において根号の外に出せる因数があると判定した場合(ステップS15;Yes)には、CPU60は、選択数値が根号の外部にドラッグされるのに伴って当該因数を根号内から根号外へ移動するように半透明の文字でディスプレイ2に表示させた後、この因数を根号の外に出した等価な数式をディスプレイ2に表示させ(ステップS16)、上述のステップS1の処理に移行する。より詳細には、数式がm乗根(mは2以上の自然数)の根号を含んでおり、当該根号内の選択数値に自然数n(但し、n≧2)の累乗数nmが因数として含まれている場合には、CPU60は、根号内の因数を当該根号の外部に移動させて整数形式の因数nとすることにより、数式を等価変形する。
【0047】
一方、ステップS15において根号外に出せる因数がないと判定した場合(ステップS15;No)には、CPU60は、操作が無効であり、数式を等価変形できない旨のエラー音をスピーカ5に音声出力させ(ステップS17)、上述のステップS1の処理に移行する。
【0048】
また、上述のステップS13において数式が根号を含んでいないか、或いは選択数値が根号の外にドラッグされないと判定した場合(ステップS13;No)には、CPU60は、入力ペン3によって素因数分解の指示操作がされるか否かを判定し(ステップS21)、指示操作がされたと判定した場合(ステップS21;Yes)には、選択数値記憶領域42に記憶された選択数値を素因数分解して各素因数を素因数記憶領域43に記憶させるとともに、選択数値を「因数×因数」の形式とした等価な数式をディスプレイ2に表示させた後(ステップS22)、上述のステップS1の処理に移行する。なお、このステップS22において選択数値が素因数分解できない場合には、操作が無効であり、数式を等価変形できない旨のエラー音がスピーカ5から音声出力されることが好ましい。
【0049】
また、ステップS21において素因数分解の指示操作がされないと判定した場合(ステップS21;No)には、図4に示すように、CPU60は、選択数値が累乗形式の数式の指数部分であり、かつ、当該選択数値(指数)が入力ペン3の操作によって底部分にドラッグされるか否かを判定し(ステップS31)、底部分にドラッグされたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、選択数値が底部分にドラッグされるのに伴って、底の数値を選択数値(指数)の分だけ累乗した累乗数を指数部分の位置から底部分の位置へ移動するように半透明の文字でディスプレイ2に表示させた後、累乗形式の底及び選択数値(指数)を整数形式の累乗数とした等価な数式をディスプレイ2に表示させた後(ステップS32)、上述のステップS1の処理に移行する。
【0050】
また、ステップS31において選択数値が指数部分ではないか、或いは選択数値(指数)が底部分にドラッグされないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU60は、選択数値が入力ペン3の操作によって累乗形式の指数部分にドラッグされるか否かを判定する(ステップS41)。
【0051】
このステップS41において選択数値が指数部分にドラッグされたと判定した場合(ステップS41;Yes)には、CPU60は、選択数値記憶領域42に記憶された選択数値を素因数分解して各素因数を素因数記憶領域43に記憶させるとともに、累乗形式で表現可能な因数を計算し(ステップS42)、このような因数が選択数値に含まれるか否かを判定する(ステップS43)。
【0052】
このステップS43において累乗形式にできる因数があると判定した場合(ステップS43;Yes)には、CPU60は、選択数値が指数部分にドラッグされるのに伴って当該因数を選択数値の位置から指数部分の位置へ移動するように半透明の文字でディスプレイ2に表示させた後、選択数値を累乗形式とした等価な数式をディスプレイ2に表示させ(ステップS44)、上述のステップS1の処理に移行する。より詳細には、選択数値に底n(但し、nは2以上の自然数)の累乗数nm(mは2以上の自然数)が整数形式の因数として含まれている場合には、CPU60は、この因数を累乗形式の因数nmとすることにより、数式を等価変形する。
【0053】
一方、ステップS43において因数がないと判定した場合(ステップS43;No)には、CPU60は、操作が無効であり、数式を等価変形できない旨のエラー音をスピーカ5に音声出力させ(ステップS45)、上述のステップS1の処理に移行する。
【0054】
そして、上述のステップS41において選択数値が指数部分にドラッグされないと判定した場合(ステップS41;No)には、CPU60は、他の処理へ移行する。
【0055】
<動作例>
続いて、上記のペン入力計算処理を具体的に説明する。
【0056】
(動作例1)
例えば図5(a)に示すように、数式「√12」が入力表示された状態(ステップS3)で、根号内の数値部分「12」の位置がペンタッチされ(ステップS11;Yes)、この選択数値「12」が根号外にドラッグされた場合(ステップS13;Yes)には、図5(b)に示すように、根号外に出せる因数「22」(=4)がドラッグ操作に合わせて根号内から根号外へ移動するよう表示される。但し、このとき、根号外に出せる因数として、「2×2」や「4」が表示されることとしても良い。そして、図5(c)に示すように、当該因数「22」が根号の外に出されて数式「√12」と等価な数式「2√3」が表示される(ステップS16)。なお、この図5や後述の図6等では、図示の便宜上、入力ペン3によるドラッグ操作を白抜きの矢印記号で示している。
【0057】
(動作例2)
例えば図6(a)に示すように、数式「3√24」が入力表示された状態(ステップS3)で、根号内の数値部分「24」の位置がペンタッチされ(ステップS11;Yes)、この選択数値「24」が根号外にドラッグされた場合(ステップS13;Yes)には、図6(b)に示すように、根号外に出せる因数「23」(=8)がドラッグ操作に合わせて根号内から根号外へ移動するよう表示される。但し、このとき、根号外に出せる因数として、「2×2×2」や「8」が表示されることとしても良い。そして、図6(c)に示すように、当該因数「23」が根号の外に出されて数式「3√24」と等価な数式「23√3」が表示される(ステップS16)。
【0058】
(動作例3)
例えば図7(a)〜(c)に示すように、数式「√12」が入力表示された状態(ステップS3)で、根号内の数値部分「12」の位置がペンタッチされ(ステップS11;Yes)、この選択数値「12」の位置で素因数分解の指示操作がされると、図7(d)に示すように、選択数値「12」が素因数分解されて数式「√12」と等価な数式「√(22×3)」が表示される(ステップS22)。但し、このとき、数式「√12」と等価な数式として、「√(2×2×3)」が表示されることとしても良い。なお、本動作例では、図7(c)に示すように、入力ペン3による「×」の入力操作を素因数分解の指示操作として用いている。また、この図では、図示の便宜上、素因数分解の指示操作を選択数値「12」の下方で行っている。
【0059】
次に、図7(e)に示すように、数式「√(22×3)」における根号内の数値部分「22」の位置がペンタッチされ、この選択数値「22」が根号外にドラッグされた場合(ステップS13;Yes)には、根号外に出せる因数「22」がドラッグ操作に合わせて根号内から根号外へ移動するよう表示される。但し、このとき、根号外に出せる因数として、「2×2」や「4」が表示されることとしても良い。そして、図7(f)に示すように、当該因数「22」が根号の外に出されて数式「√(22×3)」と等価な数式「2√3」が表示される(ステップS16)。
【0060】
(動作例4)
例えば図8(a),(b)に示すように、数式「√(4×3)」が入力表示された状態(ステップS3)で、根号内の数値部分「4」の位置がペンタッチされ、この選択数値「4」が根号外にドラッグされた場合(ステップS13;Yes)には、図8(c)に示すように、根号外に出せる因数「22」がドラッグ操作に合わせて根号内から根号外へ移動するよう表示される。但し、このとき、根号外に出せる因数として、「2×2」や「4」が表示されることとしても良い。そして、図8(d)に示すように、当該因数「22」が根号の外に出されて数式「√(4×3)」と等価な数式「2√3」が表示される(ステップS16)。
【0061】
(動作例5)
例えば図9(a),(b)に示すように、数式「32」が入力表示された状態(ステップS3)で、指数部分「2」の位置がペンタッチされ、この選択数値「2」が底「3」の部分にドラッグされた場合(ステップS31;Yes)には、図9(c)に示すように、底「3」を選択数値「2」の分だけ累乗した累乗数「3×3」が指数部分の位置から底部分の位置へ移動するように表示される。但し、このとき、累乗数として「9」が表示されることとしても良い。そして、図9(d)に示すように、底「3」が選択数値「2」の分だけ累乗されて数式「32」と等価な数式「9」が表示される(ステップS32)。
【0062】
(動作例6)
例えば図10(a),(b)に示すように、数式「8」が入力表示された状態(ステップS3)で、数値部分「8」の位置がペンタッチされ、この選択数値「8」が指数部分にドラッグされた場合(ステップS41;Yes)には、累乗形式にできる因数「23」(=8)が選択数値の位置から指数部分の位置へ移動するように表示される。但し、このとき、当該因数として「2×2×2」が表示されることとしても良い。そして、図10(c)に示すように、整数形式の因数「8」が累乗形式の因数「23」とされることにより、数式「8」と等価な数式「23」が表示される(ステップS44)。
【0063】
(動作例7)
例えば図11(a),(b)に示すように、数式「24」が入力表示された状態(ステップS3)で、数値部分「24」の位置がペンタッチされ、この選択数値「24」が指数部分にドラッグされた場合(ステップS41;Yes)には、累乗形式にできる因数「23」(=8)が選択数値の位置から指数部分の位置へ移動するように表示される。但し、このとき、当該因数として「2×2×2」が表示されることとしても良い。そして、図11(c)に示すように、整数形式の因数「8」が累乗形式の因数「23」とされることにより、数式「24」と等価な数式「3×23」が表示される(ステップS44)。
【0064】
(動作例8)
例えば図12(a),(b)に示すように、数式「5」が入力表示された状態(ステップS3)で、数値部分「5」の位置がペンタッチされ、この選択数値「5」が指数部分にドラッグされた場合(ステップS41;Yes)には、図12(c)に示すように、数式を等価変形できない旨のエラー音がスピーカ5から音声出力される。なお、図12(b)では、累乗形式にできる因数が選択数値「5」に含まれないことを示す観点から、当該選択数値「5」自体が選択数値の位置から指数部分の位置へ移動するよう半透明の文字で表示されているが、このような半透明の文字は表示されないこととしても良い。
【0065】
以上の関数電卓1によれば、図3のステップS13〜S16や、図5〜図8に示したように、根号の外部にドラッグされる選択数値が素因数分解されることにより、根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かが判定され、このような因数が選択数値に含まれる場合には、根号内の前記因数が当該根号の外部に出されることにより数式が等価変形されて表示されるので、数式中において累乗根の形式で表示された少なくとも1部の因数を、整数の形式の因数に変換することができる。また、選択数値を根号の外部にドラッグすることにより累乗根の形式の因数を整数の形式の因数に変換することができるため、キー入力によって変換操作を行う場合と比較して操作を簡易化するとともに、視覚的、概念的に数式の変換内容の理解を容易化することができる。また、数式の変換を繰り返すことにより、変換前後の数式をユーザ自身の思考によって導くことが可能となるため、脳を活性化することができる。
【0066】
また、図5(b)や図6(b)等に示したように、数式が等価変形されて表示される前に前記因数が表示されるので、選択数値における何れの因数が根号の外に出されたのかについて、理解を容易化することができる。更に、選択数値が根号の外部にドラッグされるのに伴って前記因数が根号の内部から外部に移動するよう表示されるので、選択数値における何れの因数が根号の外に出されたのかについて、理解をいっそう容易化することができる。
【0067】
また、図3のステップS22や図7に示したように、選択数値が素因数分解されることによって数式が等価変形されて表示されるので、素因数分解の後に表示される何れかの素因数を選択数値として根号の外部にドラッグし、根号の外部に出すことができる。従って、根号内の何れの因数が根号の外に出されたのかについて、理解をいっそう容易化することができる。
【0068】
また、図4のステップS41〜S44や図10〜図11に示したように、累乗形式の指数部分にドラッグされる選択数値が素因数分解されることにより、累乗形式で表現可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かが判定され、このような因数が選択数値に含まれる場合には、前記因数が累乗形式とされることにより数式が等価変形されて表示されるので、数式中において整数の形式で表示された少なくとも1部の因数を、累乗の形式の因数に変換することができる。また、選択数値を指数部分にドラッグすることにより整数の形式の因数を累乗の形式の因数に変換することができるため、キー入力によって変換操作を行う場合と比較して操作を簡易化するとともに、視覚的、概念的に数式の変換内容の理解を容易化することができる。また、数式の変換を繰り返すことにより、変換前後の数式をユーザ自身の思考によって導くことが可能となるため、脳を活性化することができる。
【0069】
また、図10(b)や図11(b)に示したように、数式が等価変形されて表示される前に前記因数が表示されるので、選択数値における何れの因数が累乗形式とされたのかについて、理解を容易化することができる。更に、選択数値が指数部分にドラッグされるのに伴って前記因数が選択数値の位置から指数部分に移動するよう表示されるので、選択数値における何れの因数が累乗形式とされたのかについて、理解をいっそう容易化することができる。
【0070】
また、図3のステップS17や図4のステップS45,図12に示したように、数式を等価変形できない場合にその旨が報知されるので、ユーザ操作が無効であることをユーザに報知することができる。
【0071】
また、図4のステップS31〜S32や図9に示したように、累乗形式の指数部分における選択数値が底の部分にドラッグされる場合に、底が選択数値の数だけ累乗されることにより数式が等価変形されて表示されるので、数式中において累乗の形式で表示された少なくとも1部の因数を、整数の形式の因数に変換することができる。また、選択数値を底部分にドラッグすることにより累乗の形式の因数を整数の形式の因数に変換することができるため、キー入力によって変換操作を行う場合と比較して操作を簡易化するとともに、視覚的、概念的に数式の変換内容の理解を容易化することができる。また、数式の変換を繰り返すことにより、変換前後の数式をユーザ自身の思考によって導くことが可能となるため、脳を活性化することができる。
【0072】
また、図9(b)に示したように、数式が等価変形されて表示される前に前記底が選択数値の数だけ累乗された累乗数が表示されるので、数式の変換内容の理解をいっそう容易化することができる。更に、選択数値が底部分にドラッグされるのに伴って前記累乗数が選択数値の位置から底部分に移動するよう表示されるので、数式の変換内容の理解をいっそう容易化することができる。
【0073】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更をおこなっても良い。
【0074】
例えば、上述の実施形態では、本発明に係る数式表示制御装置が関数電卓に適用されることとして説明したが、携帯電話やパソコン、電子時計、PDA(Personal Digital Assistants)など、他の電子機器に適用されることとしても良い。
【0075】
また、入力ペン3及びタブレット11によって選択数値をドラッグすることとして説明したが、マウス等、他のポインティングデバイスによってドラッグすることとしても良い。
【0076】
また、数式を等価変形できない場合には、その旨のエラー音をスピーカ5に出力させることとして説明したが、エラーメッセージをディスプレイ2に表示させることとしても良い。
【0077】
また、数式表示制御プログラム31はROM30に記憶されることとして説明したが、記憶媒体51に記憶されることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係る数式表示制御装置を適用した関数電卓の概略構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る数式表示制御装置を適用した関数電卓の概略構成を示すブロック図である。
【図3】ペン入力計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】ペン入力計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図6】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図7】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図8】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図9】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図10】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図11】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【図12】ペン入力計算処理における画面遷移を示す概念図である。
【符号の説明】
【0079】
1 関数電卓(数式表示制御装置)
10 入力部(選択手段、ドラッグ手段)
20 表示部(表示手段)
25 音声出力部(エラー報知手段)
31 数式表示制御プログラム
60 CPU(演算手段、表示制御手段、因数表示制御手段、因数移動表示制御手段、
素因数分解手段、素因数表示制御手段、累乗数表示制御手段、
累乗数移動表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数式を自然表示形式で表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された前記数式から、根号内の少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を前記根号の外部にドラッグするドラッグ手段と、
前記ドラッグ手段によって前記根号の外部にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、前記根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算手段と、
前記根号の外部に出すことの可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を当該根号の外部に出すことにより、前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の数式表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる前に、前記因数を表示させる因数表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項3】
請求項2記載の数式表示制御装置において、
前記因数表示制御手段は、
前記選択数値が前記根号の外部にドラッグされるのに伴って前記因数が前記根号の内部から外部に移動するよう、当該因数を前記表示手段に表示させる因数移動表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の数式表示制御装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を素因数分解する素因数分解手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記選択数値を素因数分解することにより、前記数式を等価変形して表示させる素因数表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項5】
数式を自然表示形式で表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された前記数式から、少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の指数部分にドラッグするドラッグ手段と、
前記ドラッグ手段によって指数部分にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、累乗形式で表現可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算手段と、
累乗形式で表現可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を累乗形式とすることにより、前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項6】
請求項5記載の数式表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる前に、前記因数を表示させる因数表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項7】
請求項6記載の数式表示制御装置において、
前記因数表示制御手段は、
前記選択数値が指数部分にドラッグされるのに伴って前記因数が当該選択数値の位置から指数部分の位置に移動するよう、当該因数を前記表示手段に表示させる因数移動表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の数式表示制御装置において、
前記数式を等価変形できない場合に、その旨を報知するエラー報知手段を備えることを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項9】
数式を自然表示形式で表示する表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示手段に表示された前記数式から、累乗形式の指数部分における少なくとも1部の指数を選択数値として選択する選択手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の底の部分にドラッグするドラッグ手段と、
前記ドラッグ手段によって前記選択数値が前記底の部分にドラッグされる場合に、前記底を前記選択数値の数だけ累乗することにより、前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項10】
請求項9記載の数式表示制御装置において、
前記表示制御手段は、
前記数式を等価変形して前記表示手段に表示させる前に、前記底を前記選択数値の数だけ累乗した累乗数を表示させる累乗数表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項11】
請求項10記載の数式表示制御装置において、
前記因数表示制御手段は、
前記選択数値が底部分にドラッグされるのに伴って前記累乗数が当該選択数値の位置から底部分の位置に移動するよう、当該累乗数を前記表示手段に表示させる累乗数移動表示制御手段を有することを特徴とする数式表示制御装置。
【請求項12】
ユーザ操作に基づいて数式を表示するコンピュータを制御するための数式表示制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
数式を自然表示形式で表示する表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能によって表示された前記数式から、根号内の少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を前記根号の外部にドラッグするドラッグ機能と、
前記ドラッグ機能によって前記根号の外部にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、前記根号の外部に出すことの可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算機能と、
前記根号の外部に出すことの可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を当該根号の外部に出すことにより、前記数式を等価変形して前記表示機能に表示させる表示制御機能と、
を実現させるための数式表示制御プログラム。
【請求項13】
ユーザ操作に基づいて数式を表示するコンピュータを制御するための数式表示制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
数式を自然表示形式で表示する表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能によって表示された前記数式から、少なくとも1部の数値を選択数値として選択する選択機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の指数部分にドラッグするドラッグ機能と、
前記ドラッグ機能によって指数部分にドラッグされる前記選択数値を素因数分解することにより、累乗形式で表現可能な因数が当該選択数値に含まれるか否かを判定する演算機能と、
累乗形式で表現可能な因数が前記選択数値に含まれる場合に、当該因数を累乗形式とすることにより、前記数式を等価変形して前記表示機能に表示させる表示制御機能と、
を実現させるための数式表示制御プログラム。
【請求項14】
ユーザ操作に基づいて数式を表示するコンピュータを制御するための数式表示制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
数式を自然表示形式で表示する表示機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示機能によって表示された前記数式から、累乗形式の指数部分における少なくとも1部の指数を選択数値として選択する選択機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記選択数値を累乗形式の底の部分にドラッグするドラッグ機能と、
前記ドラッグ機能によって前記選択数値が前記底の部分にドラッグされる場合に、前記底を前記選択数値の数だけ累乗することにより、前記数式を等価変形して前記表示機能に表示させる表示制御機能と、
を実現させるための数式表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−140148(P2008−140148A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325812(P2006−325812)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】