説明

整理ケース及び整理方法

【課題】生物組織が表面に露出する状態で固化剤中に埋められた多数の包埋ブロックと、包埋ブロックから切り出した組織片が載せてあるスライドガラス6との対応関係の把握に役立つ整理ケース及び整理方法を提供することである。
【解決手段】多数の包埋ブロック4を平面視して縦横に区画して収容する包埋ブロック収納部13と、スライドガラス6を収容するスライドガラス収納部14と、を備え、包埋ブロック4とスライドガラス6の配列を対応させる。また、包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部は、包埋ブロック及びスライドガラスを上向きに収容する。スライドガラス収納部は、複数枚のファイルシート27を横に位置をずらして部分的に重なり合う状態でプレートに止める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に生物組織が埋められた多数の包埋ブロックと、各包埋ブロックから切り出した組織片を載せたスライドガラスとを、収納する際に、これらの対応関係を把握するのに役立つ整理ケース、整理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物組織、例えば病理組織の検査は、患者の患部より切除した組織をホルマリン液等に漬けた後、図5に示すように、俗にカセットと呼ばれる孔あき台1の上に生物組織2を載せ、生物組織2が表面に露出する状態でパラフィン(固化剤:ろう)3で固めて直方体状包埋ブロック4とし、包埋ブロック4の上面を薄切りし、図4に示すように切り出した組織片5をスライドガラス6に載せ、色々な染色をしてカバーガラス7を被せ、染色された組織片5を顕微鏡で観察する手法が用いられている(非特許文献1)。
【非特許文献1】平澤浩、病理染色画像館、標本作成法、[online]、[平成18年3月3日検索]、インターネット<URL:http://info.fujita-hu.ac.jp/~hirasawa/>
【0003】
上述した包埋ブロック及びスライドガラスは、次の機会に利用できるように、整理ケースに収納して保管しておく。そして、病理組織を再度、観察したい場合には、整理ケースからスライドガラスを取り出し、また、病理組織を所望の試薬等で検査したい場合には、整理ケースから包埋ブロックを取り出して薄切りし、試薬で染色等して使用する。
【0004】
従来の整理ケースの大半は、引き出しの中が左右に複数列に仕切られており、包埋ブロックやスライドガラスを立てて多数個収容するものが知られている(非特許文献2)。包埋ブロックとスライドガラスは寸法が異なるので、各々の寸法に対応する間仕切りの付いた整理ケースに分けて収容し、各整理ケースに見出しを付け、見出しに包埋ブロック等に関連する情報を記載することが一般的に行われている。
【非特許文献2】株式会社ハギテック、はぎてんネット、実験室大型器具汎用実験器具、ブロビオカセット、[online]、[平成18年3月3日検索]、インターネット<URL:http://www.hagitec.co.jp/hagiten/048-02.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、保管時期と次回の利用時期との間には、長期間経つことも多く、その間に、包埋ブロックの整理ケースと、対応するスライドガラスの整理ケースの保管場所が、別の場所となることがある。また、その間に整理ケースが増えていくこともある。そうすると、必要とする包埋ブロックとスライドガラスを取り出そうとした時に、保管場所の記憶が曖昧となれば、探し出すのに時間がかかる。
【0006】
上記事情は主に保管者自身が探した場合であるが、保管者が別人の第三者に依頼して探してもらうことになれば、整理ケースの保管場所や、整理ケース内での収納の仕方等を説明せねばならず、探し出しに要する労力は多大なものとなる。
【0007】
また、通常、個々の包埋ブロックに埋め込まれた病理組織に関連のある各種の情報をデーターベース化して保存し、コンピュータで利用することが行われている。各種の情報とは、組織提供者(患者)の氏名、年齢、身長、体重等の個人情報や、癌等の病名や、症状、手術後の経過、薬の効果、副作用等の臨床情報、或いは病理組織自体の情報(数百から数千のタンパク質の発現の有無等)が挙げられる。保存された病理組織の検体数が多くなれば、現在病気を患っている者の病理組織に深い相関関係のある病理組織の情報を抽出して、今後の治療等に役立てることもできる。ところが、相関関係の深い病理組織をデーターベースの中から抽出できても、その病理組織を観察したり、その病理組織に新たな検査をする場合には、対応するスライドガラスや包埋ブロックを探さねばならず、前記した問題が起こる。
【0008】
以前までは、新たな検査をする場合には、探し出した包埋ブロックを薄く切り出して、試薬で染色し、一枚一枚を顕微鏡で調べていた。ところが、病理組織の検査に用いるタンパクの抗体試薬は非常に高価であるため、少量で多数の病理組織を検査できることが望まれる。このため図4に示すように、検査に必要な箇所(タンパクの核になる部分)をスライドガラスの観察によって印8(図中、白抜き)をつけて特定し、図3に示すように特定箇所に対応する箇所を包埋ブロック4から極細の柱状に抜き取り、異なる包埋ブロックから抜き取った多数の柱状組織9をパラフィンで高密度に固化した高集積アレイブロック10の作成が行われている。高集積アレイブロック10を薄く切り出して、試薬を使えば、試験費用が格安になるのであるが、その反面、高集積アレイブロックを完成させるまでの間も、長期間に亘って包埋ブロック、スライドガイドを整理して保管しておかねばならず、効率的な整理の仕方が求められる。
【0009】
本発明は上記実情を考慮して創作されたもので、その目的は、包埋ブロックとスライドガラスとの対応関係の把握に役立つ整理ケース及び整理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、生物組織が表面に露出する状態で固化剤中に埋められた多数の包埋ブロックと、包埋ブロックから切り出した組織片が載せてあるスライドガラスと、を収容する整理ケースに関する。そして、多数の包埋ブロックを平面視して縦横に区画して収容する包埋ブロック収納部と、スライドガラスを収容するスライドガラス収納部と、を備え、包埋ブロック収納部による包埋ブロックの配列に、スライドガラス収納部によるスライドガラスの配列を対応させてあることを特徴とする。
【0011】
包埋ブロック収納部に包埋ブロックを収納する際の、包埋ブロックの向きは問わないし、スライドガラス収納部にスライドガラスを収納する際の、スライドガラスの向きも問わない。但し、包埋ブロック収納部内の包埋ブロックの配列、スライドガラス収納部内のスライドガラスの配列が対応していることを視認するには、請求項2の発明のようにすることが望ましい。
【0012】
即ち、請求項2の発明は、包埋ブロック収納部は、その縦横に区画された各領域には包埋ブロックを、その生物組織が上向きとなる状態で収容するものであって、スライドガラス収納部は、柔軟性を有する複数枚のファイルシートを横に位置をずらして部分的に重なり合う状態でプレートに止めたものであって、各ファイルシートは、包埋ブロックよりも幅広のスライドガラスを収容する透明なポケットを、包埋ブロック収納部の縦一列分の配列に対応させて設け、ポケット越しにスライドガラスの組織片を視認可能に設けてあることを特徴とする。
【0013】
スライドガラスは包埋ブロックよりも幅広なので、包埋ブロック収納部の寸法を包埋ブロックを収納するのに必要最低限の大きさとした場合に、スライドガラス収納部を縦横に区画したものとすると、その寸法は包埋ブロックよりもかなり幅広となるが、ファイルシートを横に位置をずらして部分的に重なり合う状態でプレートに止めることによって、横幅寸法を短くできる。
【0014】
包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部の配置関係は問わない。但し、両収納部を平面的に並べる配置の場合は、整理ケースの寸法が大きくなる。従って、寸法をコンパクトにするには、請求項3の発明のようにすることが望ましい。
【0015】
即ち、請求項3の発明は、ケース本体を上下二段に仕切り、下段に包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部の一方を引き出しとして出し入れ可能に収容し、上段に包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部の他方を収容し、ケース本体の上蓋を開閉可能に設けてあることを特徴とする。
【0016】
請求項1〜3の発明の整理ケースを有効活用するには、請求項4の発明のようにすることが望ましい。即ち、請求項4の発明は、包埋ブロックから局部的に抽出した柱状組織を多数、縦横に配列して固化剤中に埋めてグループを形成すると共に複数のグループを離して搭載してある高集積アレイブロックに対し、グループに対応する包埋ブロック及びスライドガラスを収納する整理方法であって、グループに対応する包埋ブロック及びスライドガラスを、請求項1、2又は3記載の整理ケースを用いて収納し、整理ケース内の包埋ブロック及びスライドガラスの配列を、グループ内の生物組織の配列に対応させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の整理ケースは、包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部の双方を備え、その上、包埋ブロックの配列とスライドガラスの配列を対応させてあるので、包埋ブロックとそれに対応するスライドガラスを一度に収納できるし、次の機会に一挙に探し出すことができ、便利である。また、包埋ブロック収納部を縦横に区画してあるので、包埋ブロックの配列具合を目で確認できる。
【0018】
請求項2の発明は、包埋ブロック収納部内の包埋ブロックの生物組織が上向きとなるし、スライドガラス収納部内のスライドガラスの組織片を透明なポケットによって視認可能に設けてあるので、包埋ブロックとスライドガラスの対応関係を、生物組織や組織片の形状から目で把握でき、収納する際に包埋ブロックとスライドガラスの収納位置を作業者が間違って、対応関係が崩れるのを予防できる。また、各ファイルシートのポケットを、包埋ブロック収納部の縦一列分の配列に対応させて設けてあるので、ファイルシートを横に位置をずらして部分的に重なり合う状態でプレートに止めることによって、包埋ブロック収納部の包埋ブロックとスライドガラス収納部のスライドガラスとの配列を対応させたものとしながら、スライドガラス収納部の横幅寸法を短くでき、商品価値を向上できる。スライドガラス収納部と包埋ブロック収納部の横幅寸法を合わせることもできる。なお、ファイルシートが柔軟性を有するので、重なったファイルシートをめくるのにも好適である。
【0019】
請求項3の発明は、ケース本体を上下に仕切って包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部を入れてあるので、寸法をコンパクトにできるし、その上、下段の引き出し及び上蓋を開ければ、包埋ブロック収納部とスライドガラス収納部の配列が一挙に目視でき、確認しやすい。
【0020】
請求項4の発明は、高集積アレイブロックのグループにおける柱状組織の配列と、整理ケース内の包埋ブロック及びスライドガラスの配列を対応させてあるので、グループ内の任意の柱状組織に対応する包埋ブロック及びスライドガラスを次の機会に探し出すのに、好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を説明するが、背景技術で説明した事項については説明を割愛する。整理ケース11は図1又は図2に示すように、ケース本体12内の下段に、引き出しとしての包埋ブロック収納部13を出し入れ可能に収容し、ケース本体12内の上段に、トレイ状のスライドガラス収納部14を出し入れ可能に収容し、ケース本体12の上蓋15を開閉可能に設けたものである。
【0022】
ケース本体12は矩形の箱であって、底板16の左右に側板17,18を起立し、底板16の後端に後板19を起立し、左右側板17,18の高さ中間部の間に仕切板20を止め、仕切板20によって内部を上下二段に区画してある。また、後板19の上端に上蓋15、前板21、差込片22を屈曲可能に順次連続し、後板19の上端を支点として上蓋15を開閉可能に設けてある。ケース本体12内の下段に包埋ブロック4を収納してから上蓋15を閉じ、差込片22を挿入すると、前板21で包埋ブロック収納部13とスライドガラス収納部14が覆われ、ケース本体12を閉めた状態が維持される。
【0023】
包埋ブロック収納部13は、上面が開放した底の浅い引き出しであって、内部を桟23によって縦横に区画し、n行×m列(図では10×10)の区画された領域24を形成し、各領域24に包埋ブロック4を生物組織2が上を向き且つ遊びのある状態で収容してある。
【0024】
スライドガラス収納部14は、全体の縦幅、横幅を包埋ブロック収納部13と同等(同じか殆ど差が無い程度)の寸法に形成したもので、仕切板20の上に載せたり、持ち上げたりして出し入れできる。具体的には、矩形トレイの底面を形成するプレート25の左右の片側に寄せて、複数の固定ユニット26を左右に間隔をあけて止め、スライドガラス6が収納されたファイルシート27を各固定ユニット26に止め、全てのファイルシート27を横に位置ずれした形態で部分的に重ね合わせながら、全スライドガラス6の配列を、包埋ブロック収納部13による包埋ブロック4の配列に対応させてある。
【0025】
全てのファイルシート27を横に位置ずれした形態で部分的に重ね合わせたのは、包埋ブロック4よりも横幅の広いスライドガラス6を、包埋ブロック収納部13と同等の寸法のスライドガラス収納部14に収納するためである。即ち、スライドガラス6は図4、図5に示すように包埋ブロック4に比べて縦幅を同等としてあるが、横幅を広く形成してあるので、包埋ブロック収納部13の包埋ブロック4の縦一列分の配列と同じ配列で、スライドガラス収納部14の縦幅内に同数のスライドガラス6を収納できても、固定ユニット26から外した全てのファイルシート27を重ねることなく横一列に揃えて並べると、スライドガラス収納部14よりも遥かに幅広い形態となるからである。但し、横一列に揃えて並べた場合の、全ファイルシート27内のスライドガラス6の配列は、包埋ブロック収納部13内に収容された包埋ブロック4のn行×m列の配列と全く同じ配列となる。言うなれば、全てのファイルシート27が横に位置ずれした形態で部分的に重なり合っている様は、横一列に揃えて並べた場合のスライドガラス6の配列を恰も横方向に圧縮した形態であって、包埋ブロック収納部13による包埋ブロック4の配列に対応したものである。ファイルシート27をめくることによって、包埋ブロック収納部13内の特定箇所の包埋ブロック4に対応する、スライドガラス6を容易に見つけ出せる。
【0026】
固定ユニット26は、プレート25にとめる幅狭の短冊28と、短冊28の前後に間隔をあけて逆「八」の字状に突出する二本の柔軟なバンド29から構成してある。
【0027】
ファイルシート27は、スライドガラス収納部14の縦幅よりも僅かに短く、その横幅の約1/2の寸法であって、薄い透明な柔軟性を有する合成樹脂製のシート本体30の左右一端部に、バンド29を通す複数の抜穴31を前後に間隔をあけて設け、シート本体30に多数の透明なポケット用シートを重ね、重ね合わせた箇所の適宜箇所を縦横に熱溶着や縫着等で止めて、包埋ブロック収納部13内の縦二列分の配列に合わせてポケット32を、10行×2列に形成する。各ポケット32は、スライドガラス6よりも一回り大きな矩形空間のうち三辺を閉じ、開口する一辺から内部にスライドガラス6を差し込むものである。
【0028】
高集積アレイブロック10は図3に示すように、固化剤3からなるブロック本体33内に複数のグループGを間隔をあけて搭載し、各グループGには、多数の包埋ブロック4から局部的に抽出した柱状組織9を縦横に配列して固化剤3中に埋めてある。上述した整理ケース11内に収納された包埋ブロック4及びスライドガラス6は、高集積アレイブロック10の特定のグループG内のものであって、これら包埋ブロック4及びスライドガラス6の配列を、そのグループG内の柱状組織9の配列に対応させる。
【0029】
図示しないが、ケース本体12内には、整理ケース11内の包埋ブロック4等の番号、又は包埋ブロック4等から得られる各種の情報のうち少なくとも一つを、包埋ブロック4の配列に対応させて記載した書面を挿入するか、図1又図2に示すように上蓋15の内面に記した升目内に記載することが望ましい。また、ケース本体12の表面には、どの高集積アレイブロック10のどのグループGのものかを把握できる情報を記載しておくことが望ましい。
【0030】
上述した整理ケース11を、高集積アレイブロック10のグループGの数に対応させて利用し、各々の整理ケース11内の包埋ブロック4及びスライドガラス6を、グループGの柱状組織9の配列に対応させて収納した場合に、全ての柱状組織9に関連する情報をコンピューター用のデーターベースとして保存するには、データーベースソフト(プログラム)を用いる。データーベースソフトを実行すると、ディスプレイ等の出力手段に表示される初期入力フォームを、高集積アレイブロック10の柱状組織9の配列に対応させてn行×m列のセルが表示される形式に形成する。初期入力フォーム中のセルに、操作位置を示すポインタを合わせて、マウス等の入力手段で該当セルをクリックして特定すると、入力フォームが出力手段に表示される。入力フォームには各種の情報を入力する欄が設けてあって、入力フォームから入力した情報は、多数の入力フォームで入力したセルごとのデーターをまとめたテーブルとなって、データー蓄積手段によって記憶装置に保存される。テーブル内に整理された多種類の情報のうち、所望の同一種類の情報(例えば、所定の試薬による試験結果)を抽出する操作をすると、データー加工手段によって同一種類の情報が初期入力フォームと同一形式でn行×m列のセル中に、文字や色等の識別情報結果となって出力手段に出力される。かかるデーター加工手段を利用することによって、データー加工者が必要とする情報を、高集積アレイブロック10の柱状組織9の配列に対応する形で入手できる。そうすると、配列の中から所定セルの情報結果に対応する、スライドガラス6や包埋ブロック4を調べたいと思った場合に、データー加工者が、対応する整理ケース11内から迅速にスライドガラス6等を探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】整理ケースを示す斜視図である。
【図2】整理ケースを示す斜視図である。
【図3】高集積アレイブロックを示す斜視図である。
【図4】スライドガラスを示す斜視図である。
【図5】包埋ブロックを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1孔あき台、2生物組織、3固化剤、4包埋ブロック、5組織片、6スライドガラス、7カバーガラス、8印、9柱状組織、10高集積アレイブロック、11整理ケース、12ケース本体、13包埋ブロック収納部、14スライドガラス収納部、15上蓋、16底板、17側板、18側板、19後板、20仕切板、21前板、22差込片、23桟、24領域、25プレート、26固定ユニット、27ファイルシート、28短冊、29バンド、30シート本体、31抜穴、32ポケット、33ブロック本体、Gグループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織(2)が表面に露出する状態で固化剤(3)中に埋められた多数の包埋ブロック(4)と、包埋ブロック(4)から切り出した組織片(5)が載せてあるスライドガラス(6)と、を収容する整理ケース(11)であって、
多数の包埋ブロック(4)を平面視して縦横に区画して収容する包埋ブロック収納部(13)と、スライドガラス(6)を収容するスライドガラス収納部(14)と、を備え、
包埋ブロック収納部(13)による包埋ブロック(4)の配列に、スライドガラス収納部(14)によるスライドガラス(6)の配列を対応させてあることを特徴とする整理ケース。
【請求項2】
包埋ブロック収納部(13)は、その縦横に区画された各領域(24)には包埋ブロック(4)を、その生物組織(2)が上向きとなる状態で収容するものであって、
スライドガラス収納部(14)は、柔軟性を有する複数枚のファイルシート(27)を横に位置をずらして部分的に重なり合う状態でプレート(25)に止めたものであって、
各ファイルシート(27)は、包埋ブロック(4)よりも幅広のスライドガラス(6)を収容する透明なポケット(32)を、包埋ブロック収納部(13)の縦一列分の配列に対応させて設け、ポケット(32)越しにスライドガラス(6)の組織片(5)を視認可能に設けてあることを特徴とする請求項1記載の整理ケース。
【請求項3】
ケース本体(12)を上下二段に仕切り、下段に包埋ブロック収納部(13)とスライドガラス収納部(14)の一方を引き出しとして出し入れ可能に収容し、上段に包埋ブロック収納部(13)とスライドガラス収納部(14)の他方を収容し、ケース本体(12)の上蓋(15)を開閉可能に設けてあることを特徴とする請求項2記載の整理ケース。
【請求項4】
包埋ブロック(4)から局部的に抽出した柱状組織(9)を多数、縦横に配列して固化剤(3)中に埋めてグループ(G)を形成すると共に複数のグループ(G)を離して搭載してある高集積アレイブロック(10)に対し、グループ(G)に対応する包埋ブロック(4)及びスライドガラス(6)を収納する整理方法であって、
グループ(G)に対応する包埋ブロック(4)及びスライドガラス(6)を、請求項1、2又は3記載の整理ケース(11)を用いて収納し、整理ケース(11)内の包埋ブロック(4)及びスライドガラス(6)の配列を、グループ(G)内の柱状組織(9)の配列に対応させることを特徴とする整理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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