説明

整髪用鋏

【課題】 整髪用鋏の提供。
【解決手段】 本発明は一種の整髪用鋏に係り、第1、第2本体が重ね合わされ枢設されてなり、第1本体の第1切刃部が複数の間隙を具え、間隙内に左、右側面及び底端面が設けられ、第1切刃部の内、外側に接触面と遠離面があり、間隙と第2本体とが接合される時、髪収容空間が形成され、接触面と髪収容空間エリア内の左、右側面及び底端面の接続部分、及び遠離面と左、右側面及び底端面の接続部分に円弧面が形成され、円弧面の設置により、鋏で頭髪を切る時、間隙及び髪収容空間内に位置する未切断の髪が、鋏の引っ張り移動の過程で、円弧面に沿って間隙より急速脱出し、切断操作が順調に、急速に抵抗なく行なえ、並びに未切断の残りの頭髪を傷つけることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の整髪用鋏に係り、頭髪を切る時に、未切断の頭髪を損傷することなく、未切断の頭髪を急速に整髪用鋏より離脱させられるよう形成された整髪用鋏に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の整髪用鋏は、図1、2に示されるように、第1、2本体100、200の所定部分が枢設部品300で枢設され、第1本体100に第1握持部101及び第1切刃部102が設けられ、第1切刃部102に複数の離間配列された歯部103が設けられ、二つの歯部103の間に間隙104が形成され、間隙104が広くなるほど、未切断の残留頭髪両が多くなり(図1)、反対に、間隙104が狭くなるほど、未切断の残留頭髪が少なくなる(図2)。歯部103の離間端部に切断部105が形成され、第1切刃部102の内、外側に刃部203と切断部204が設けられ、第1本体100の複数の歯部103の切断部105と相互に接合されて髪を切断する。第1切刃102の接触面106と遠離面107及と間隙104の左、右側面及び底端面の接続部分はいずれも直線部Xを呈し(図3、4)、髪を切断する時、間隙104が未切断の髪を収容し、整髪用鋏が髪を切る時に行なう引っ張り移動の過程で、直線部Xが髪のキューティクルを傷つけやすい。更に直線部Xは未切断の髪に付着し、未切断の髪が急速に整髪用鋏より脱出できなくなって間隙104内に挟持され、整髪の障害となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主要な目的は、第1、第2本体が枢設されてなる整髪用鋏を提供することにあり、それは、第1本体に複数の間隙が設けられ、間隙と第2本体が接合される時に髪収容空間を形成し、間隙内に左側面、右側面及び底端面が設けられ、第1本体の内、外側に接触面と遠離面が形成され、接触面と収容空間区域内に位置する左、右側面及び底端面の接続部分、及び遠離面と左、右側面及び底端面の接続部分がいずれも円弧面を形成し、これにより整髪用鋏で髪を切断する時、間隙及び髪収容空間内の未切断の頭髪が各円弧面に沿って急速に間隙及び髪収容空間より離脱し、髪を順調、急速に障害なく切断でき、並びに未切断の頭髪の損傷を防止でき、残りの頭髪を保護して損傷を防止できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、第1本体、第2本体が重ね合わされ枢設され、第1、2本体が第1、2切刃部を具え、第1切刃部に複数の歯部が設けられ、二つの歯部の間に間隙が形成され、第2切刃部と間隙が接合される時に髪収容空間を形成し、各歯部の離間端部に切断部が設けられ、間隙内に左側面、右側面及び底端面があり、第1切刃部の内、外側に接触面と遠離面がある整髪用鋏において、
接触面と髪収容空間エリア内の左、右側面及び底端面の接続部分、及び遠離面の切断部以外のエリアと左、右側面及び底端面の接続部分にそれぞれ円弧面が形成されたことを特徴とする、整髪用鋏としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の整髪用鋏において、間隙内の左、右側面と切断部の接続部分全てが円弧面を呈することを特徴とする、整髪用鋏としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の整髪用鋏において、間隙内の左、右側面と切断部の接続部分の底部が円弧面を呈することを特徴とする、整髪用鋏としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明は一種の整髪用鋏に係り、第1、第2本体が重ね合わされ枢設されてなり、第1本体の第1切刃部が複数の間隙を具え、間隙内に左、右側面及び底端面が設けられ、第1切刃部の内、外側に接触面と遠離面があり、間隙と第2本体とが接合される時、髪収容空間が形成され、接触面と髪収容空間エリア内の左、右側面及び底端面の接続部分、及び遠離面と左、右側面及び底端面の接続部分に円弧面が形成され、円弧面の設置により、鋏で頭髪を切る時、間隙及び髪収容空間内に位置する未切断の髪が、鋏の引っ張り移動の過程で、円弧面に沿って間隙より急速脱出し、切断操作が順調に、急速に抵抗なく行なえ、並びに未切断の残りの頭髪を傷つけることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図5、6に示されるように、本発明の整髪用鋏Bは、第1本体10、第2本体20が相互に重ね合わされ、並びに第1、2本体10、20の所定部分が枢設部品30で枢設され、第1本体10が第1握持部11と第1切刃部12を具え、第1切刃部12が複数の離間配列された歯部13を具え、二つの歯部13の間に間隙14が形成され、第1切刃部12の内、外側に接触面15と遠離面16が設けられ、各歯部13の離間端部に切断部17が形成され、第1切刃部12と第2切刃部22が相互に接合される時、間隙14と第2切刃部22が髪収容空間Cを形成し(図6、11)、髪収容空間Cは間隙14の底部に位置し、該間隙14内に左側面141、右側面142及び底端面143があり、接触面15と髪収容空間Cエリア内に位置する左側面141、右側面142及び底端面143との接続部分に、それぞれ円弧面151、152、153が形成され(図7)、遠離面16の切断部17以外の区域と、左側面141、右側面142及び底端面143の接続部分に、円弧面161、162、163が形成されている(図8)。第2本体20は第2握持部21と第2切刃部22を具え、第2切刃部22の内、外側に刃部23と切断部24が設けられ、第1切刃部12の接触面15及び切断部17と相互に接合され(図6)ることで髪切断動作を行なう。
【0007】
髪切断時には、第1、2本体10、20の第1、2切刃部12、22が相互に接近するよう移動し、刃部23と切断部17、接触面15が連続接触し、刃部23と切断部17が組み合わされて切断作用力を発生し、対応位置の頭髪を切断し、切断後の頭髪Hは切断部17に沿って脱落する(図9)。このとき、間隙14及び髪収容空間C内には不切断で保留したい頭髪H1が収容され、第1、2本体10、20が切断引っ張り移動する時、間隙14及び髪収容空間C内に位置する頭髪H1が各円弧面151、152、153、161、162、163にスライド式に接触して、順調に間隙14及び髪収容空間Cより脱出し、且つ各円弧面151、152、153、161、162、163が頭髪H1を傷つけない(図9、10)。
【0008】
図12に示されるように、本発明の間隙14の左側面141、右側面142及び底端面143と切断部17の接続部分は全て円弧面171を呈するか、或いは上述の接続部分の底部が円弧面171とされ(図13)、この円弧面171が未切断の残留頭髪H1とスライド式に接触することで、同様に未切断の残留頭髪H1を傷つけず、切断動作を順調に障害なく行なえる。
【0009】
ゆえに、本発明は以上の構造により、周知の技術と較べて以下のような進歩性を有している。
【0010】
本発明は円弧面151、152、153、161、162、163の設置により、間隙14及び髪収容空間C内の未切断の頭髪H1がスライド式に上述の円弧面151、152、153、161、162、163に接触し、未切断の頭髪H1が順調に障害なく整髪用鋏Bより脱出し、整髪の動作を更に快速、流暢に行なえ、且つ整髪用鋏Bが抜き取られ移動する時に頭髪H1を傷つけず、未切断の残留頭髪H1の損傷を防止できる。
【0011】
総合すると、本発明は予期された機能及び目的を達成し、産業上の利用価値、進歩性、新規性を有する。なお、以上の実施例に基づきなしうる細部の修飾或いは改変は、いずれも本発明の請求範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】周知の技術の平面外観図である(間隙104の幅が比較的広い)。
【図2】周知の技術の別の実施例の平面外観図である(間隙104の幅が比較的狭い)。
【図3】周知の技術の縦向き組合せ断面図である。
【図4】周知の技術の横向き組合せ断面図である。
【図5】本発明の立体外観図である。
【図6】本発明の部分拡大立体外観図である。
【図7】本発明の第1、2切刃部の縦向き断面図である。
【図8】本発明の第1、2切刃部の横向き断面図である。
【図9】本発明の第1、2切刃部の縦向き断面動作図である。
【図10】本発明の第1、2切刃部の横向き断面動作図である。
【図11】本発明の別方向の部分拡大立体外観図である。
【図12】本発明の部分拡大立体外観図である(円弧面171を表示)。
【図13】本発明の部分拡大立体外観図である(円弧面171を表示)。
【符号の説明】
【0013】
100 第1本体 101 第1握持部 102 第1切刃部
103 歯部 104 間隙 105 切断部
106 接触面 107 遠離面 200 第2本体
201 第1握持部 202 第2切刃部 203 刃部
204 切断部 300 枢設部品 X 直線部
A 整髪用鋏
10 第1本体 11 第1握持部 12 第1切刃部
13 歯部 14 間隙 141 左側面
142 右側面 143 底端面 15 接触面
16 遠離面 17 切断部 20 第2本体
21 第2握持部 22 第2切刃部 23 刃部
24 切断部 30 枢設部品 H、H1 頭髪
B 整髪用鋏 C 髪収容空間
151、152、153、161、162、163、171 円弧面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1本体、第2本体が重ね合わされ枢設され、第1、2本体が第1、2切刃部を具え、第1切刃部に複数の歯部が設けられ、二つの歯部の間に間隙が形成され、第2切刃部と間隙が接合される時に髪収容空間を形成し、各歯部の離間端部に切断部が設けられ、間隙内に左側面、右側面及び底端面があり、第1切刃部の内、外側に接触面と遠離面がある整髪用鋏において、
接触面と髪収容空間エリア内の左、右側面及び底端面の接続部分、及び遠離面の切断部以外のエリアと左、右側面及び底端面の接続部分にそれぞれ円弧面が形成されたことを特徴とする、整髪用鋏。
【請求項2】
請求項1記載の整髪用鋏において、間隙内の左、右側面と切断部の接続部分全てが円弧面を呈することを特徴とする、整髪用鋏。
【請求項3】
請求項1記載の整髪用鋏において、間隙内の左、右側面と切断部の接続部分の底部が円弧面を呈することを特徴とする、整髪用鋏。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−102042(P2006−102042A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291342(P2004−291342)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(599005055)
【Fターム(参考)】