説明

敷具

【課題】人体に対して、充電された炭層からの電荷力によって、また炭の遠赤外線効果や人体帯電を除電することによる体調不良の改善・防止を図ることができる敷具を提供する。
【解決手段】敷具10は、炭マット12の炭層14内に、アース線26の導線24が配設されており、前記炭マット12の人体側(上面12A)以外の5面が、アルミ反射シート16と、絶縁性及び断熱性を有する外装材18で覆われた構造となっている。前記アース線26をアース端子コンセント36に接続してアースすると、前記炭層14に地電位が充電されイオンの増射によって、また上面12A側に炭の遠赤外線が効率良く集中放射し、更に人体帯電気が前記通電性布カバー22及び除電シート20を介して炭層14に逃げるため、体調不良の改善及び予防を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝具(枕を含む)や座具などとして利用される敷具に関し、更に具体的には、炭を利用した敷具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地電位と建造物内での電位差が人体に与える悪影響を軽減するための技術として、例えば、下記特許文献1の寝具装置がある。該特許文献1によれば、炭類を充填してその内部に導電体を配設した炭マットを寝具の上面又は下面に設け、上記導電体を、アース線を介して地中にアースするとともに、前記炭マットの下にアルミ箔シートを敷設した寝具装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−113266公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上のような背景技術には次のような不都合がある。まず、アース線から炭マット内に流れる地電流(電位)が、該炭マット内に充電される構造(すなわち絶縁環境)になっていないため地電流の殆どが逃げてしまう。このため、炭に電位が得られにくく、前記炭マットを利用する人の体内電位と地電位とのバランスを調整することが難しいという不都合がある。また、炭の遠赤外線は温度が30℃程度に高まらないと効果が得られにくいが、前記特許文献1に記載の技術では、人体の熱量を保温できる構造がなく、炭マットの下に敷くアルミ箔シートは熱や電気(地電流)が逃げやすいため、炭の遠赤外線効果が十分に得られないという不都合がある。更に、絶縁建材(コンクリート材,化学加工材,合成繊維材など)に囲まれている現代建築環境においては、静電気障害という人体帯電を生じやすく、それが疲れやストレスの回復を妨げる要因になるが、上述した背景技術では、除電性を考慮した構造となってはいない。
【0004】
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、地電位が充電された炭層からの電荷力を高め、十分な遠赤外線効果、更に人体帯電の除電による体調不良の改善や防止を図ることができる敷具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明は、人体の少なくとも一部を受ける敷具であって、炭の充填によって炭層が形成された炭マット,導線の一部が前記炭層内に配設されており、前記炭マットから外部に引き出された部分を介して接地されるアース線,前記炭マットの人体側以外の面を被覆するアルミ反射シート,該アルミ反射シートの外側を同範囲で被覆しており、絶縁性及び断熱性を有する外装材,前記炭マットの人体側の面に設けられた除電シート,該除電シートの上に設けられた通電性の布カバー,を備えたことを特徴とする。
【0006】
主要な形態の一つは、前記炭層が、炭以外の充填物を含むことを特徴とする。他の形態は、前記炭以外の充填物が、ゼオライトであることを特徴とする。更に他の形態は、前記炭マットが6面体であって、人体側以外の5面を、前記アルミ反射シート及び外装材で被覆したことを特徴とする。更に他の形態は、前記敷具が、寝具,座具,寝具及び座具の組み合わせのいずれかであることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、炭が充填された炭マットの人体側以外の面を、アルミ反射シートと絶縁性及び断熱性を有する外装材で被覆し、前記炭マットの炭層内に配設したアース線を接地して、前記炭層における地電位の充電と人体の熱量の保温を可能とした。このため、地電流の充電により炭の電荷力の増加や十分な遠赤外線が得られ、また、前記炭マットの人体側の面に除電シートと通電性の布カバーを設けることにより、炭層に人体の帯電気を逃がして体内電気信号の流れを円滑にし、体調を良好に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0009】
最初に、図1を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1(A)は本実施例の敷具を一部破断して示す斜視図,図1(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し、矢印方向に見た断面図,図1(C)は使用状態の一例を示す断面図である。本実施例は、本発明の敷具を、床と敷布団の間に敷くマットレスに適用したものである。図1(A)及び(B)に示すように、本実施例の敷具10は、炭層14が形成された炭マット12の内側に、アース線26の導線24が配設されており、前記炭マット12の外側が、アルミ反射シート16,外装材18,除電シート20,通電性布カバー22によって覆われた構造となっている。
【0010】
前記炭マット12は、本実施例では6面体形状であって、前記炭層14は、炭を主成分とする充填物によって形成されている。前記充填物としては、基本的には炭のみでよいが、本実施例では、前記炭に加えてゼオライトも利用されている。これら炭及びゼオライトは、例えば、粉末状や粒状である。このような炭マット12は、人体を受ける上面12A以外の5面,すなわち、底面12B,側面12C〜12F(12Fは図示せず)が、アルミ反射シート16によって覆われている。
【0011】
また、前記アルミ反射シート16の外側は、絶縁性及び断熱性を有する外装材18によって覆われている。すなわち、前記外装材18によって、前記炭マット12の上面12A以外の範囲が覆われている。一方、人体を受ける前記上面12Aは、除電シート20で覆われており、該除電シート20の上には、通電性布カバー22が設けられている。該通電性布カバー22は、図示の例では、敷具10の外側全体を覆っているが、これは一例であり、前記除電シート20の上を被覆していればよい。なお、後述するように、前記炭層14は、地電位を充電する都合上、ある程度の厚みを要する。
【0012】
前記炭層14をアース(接地)するためのアース線26は、導線24を被覆材24Aで被覆した構成となっているが、前記炭層14の内側には、前記被覆材24Aで覆われていないむき出しの導線24が配設されている。本実施例では、図1(A)に示すように、前記導線24は略U字状に炭層14に配設されている。また、前記アース線26は、前記アルミ反射シート16,外装材18,通電性布カバー22を貫通して、敷具10の本体外部に引き出されている。
【0013】
以上のような構成の敷具10は、例えば、長さ200cm,幅90cm,高さ(厚み)8cmに設定されており、図1(C)に示すように、建造物30(例えば、家屋など)の床32に敷かれ、その上に、敷布団34などを敷いて利用される。そして、前記アース線26を、室内の壁などに設けられたアース端子コンセント36に接続することにより、前記アース端子コンセント36に接続された他のアース線38に接続され、地中40にアース(接地)される。
【0014】
次に、本実施例の作用を説明する。図1(C)に示すように、アース線26,アース端子コンセント36,アース線38を介してアースすることにより、地電流が導線24を流れ、絶縁性を有する外装材18によって上面12A以外の5面が覆われた炭マット12の炭層14に地電位が充電される。電位を得られた炭層14は、イオン力(電荷力)が高められ、磁場作用をもたらすと同時に、炭とゼオライトへ常時変動する地磁場変動によって炭の特性であるポーラス内に振動活動が働いて低周波を生じる。以上の働きによって、前記敷具10の上に利用者が横たわったり座ったりすると、人体細胞が活性化し、血流等が促されて、体調を整える抗酸化作用が得られる。
【0015】
また、前記敷具10の利用者の体温は、断熱性を有する外装材18で5面が覆われた炭マット12の炭層14に保温され、炭が遠赤外線効果を発揮する30℃程度まで炭層14の温度が高められる。このとき、前記炭マット12の上面12A以外をアルミ反射シート16によって覆っているため、前記上面12Aから人体面に遠赤外線を集中放射することができる。一方、疲労やストレスによって人体が帯電すると体調不良の原因の一つになるが、前記敷具10は、炭マット上面12Aに除電シート20と通電性布カバー22を設けているため、前記炭層14に人体帯電気が逃げる。このため、体内電気信号の円滑な流れを促し、良好な体調を保つことができる。また、既に体調不良の場合であっても、前記除電により体調の回復を図ることができる。本発明は、平成19年〜20年3月に日本大学医療工学研究室においての動物実験によって、抗酸化作用を有することが判明している。
【0016】
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)炭及びゼオライトが充填された炭マット12の人体側(上面12A)以外の面を、アルミ反射シート16と絶縁性及び断熱性を有する外装材18で被覆し、前記炭マット12の炭層14にアース線26の導線24を配設するとともに、前記アース線26を地中40に接地(アース)することにより、地電流が炭層14に十分に充電される。
(2)前記炭マット12の上面12A以外の面を、断熱性を有する外装材18で被覆することで保温可能としたので、炭の遠赤外線効果が得られるとともに、アルミ反射シート16により、炭から放射された遠赤外線を人体へ集中放射することができる。
(3)炭マット12の上面12Aを、除電シート20及び通電性布カバー22で覆うこととしたので、人体帯電気を炭層14に逃がし、体内電気信号の流れを円滑にして、良好な体調を保つことができる。
(4)地電流が十分に充電された炭層14からの電荷力・イオン力や、遠赤外線効果及び人体除電の効果により、血液循環や自律神経の働きを促し、抗酸化作用を得ることができる。
(5)炭マット12の充填物として、炭に加えてゼオライトを用いることとしたので、イオンの増射という効果がある。
【0017】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、前記実施例では、炭マット12を6面体としたが、これも一例であり、平袋の内側に充填物を充填したような形状であってもよいし、他の形状としてもよい。
(2)前記実施例で示した充填物も一例であり、炭のみを充填するようにしてもよい。
【0018】
(3)前記実施例では、導線24を略U字状に配設したが、これも一例であり、図2(B)に示す敷具10Aのように、導線24を炭マット12の内部につづら折り状に配設するなど、同様の効果を奏するように適宜設計変更してよい。
(4)前記実施例では、敷具10を床32と敷布団34の間に敷くマットレスとして利用することとしたが、これも一例であり、図2(A)に示す例のように、ベッド50に設けたマットレス52の上に前記敷具10を敷き、その上に、敷布団54,掛布団56,枕58などを置くようにしてもよい。むろん、図2(A)に示す例も一例であり、敷具10の上に直接寝るようにしてもよいし、敷具の形状を工夫して枕として利用するなど、本発明の敷具は、他の公知の各種の寝具や座具など、人体の少なくとも一部を受ける敷具全般に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明によれば、炭が充填された炭マットの人体側以外の面を、アルミ反射シートと絶縁性及び断熱性を有する外装材で被覆し、前記炭マットの炭層内に配設した導線を外部に引き出して接地するとともに、前記炭マットの人体側の面に除電シートと通電性布カバーを設けることとした。これにより、前記炭層の地電位の充電と保温が可能になり、炭の電荷力の増加と遠赤外線効果が得られ、更に、人体の除電を瞬時に行うことによって、体調不良の改善や防止を図ることができるため、人体の少なくとも一部を受ける敷具の用途に適用できる。特に、一定時間以上利用する寝具用の敷具として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1を示す図であり、(A)は敷具を一部破断して示す斜視図,(B)は前記(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,(C)は使用状態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
10,10A:敷具
12:炭マット
12A:上面
12B:底面
12C〜12F:側面
14:炭層
16:アルミ反射シート
18:外装材
20:除電シート
22:通電性布カバー
24:導線
24A:被覆材
26:アース線
30:建造物
32:床
34:敷布団
36:アース端子コンセント
38:アース線
40:地中
50:ベッド
52:マットレス
54:敷布団
56:掛布団
58:枕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の少なくとも一部を受ける敷具であって、
炭の充填によって炭層が形成された炭マット,
導線の一部が前記炭層内に配設されており、前記炭マットから外部に引き出された部分を介して接地されるアース線,
前記炭マットの人体側以外の面を被覆するアルミ反射シート,
該アルミ反射シートの外側を同範囲で被覆しており、絶縁性及び断熱性を有する外装材,
前記炭マットの人体側の面に設けられた除電シート,
該除電シートの上に設けられた通電性の布カバー,
を備えたことを特徴とする敷具。
【請求項2】
前記炭層が、炭以外の充填物を含むことを特徴とする請求項1記載の敷具。
【請求項3】
前記炭以外の充填物が、ゼオライトであることを特徴とする請求項2記載の敷具。
【請求項4】
前記炭マットが6面体であって、人体側以外の5面を、前記アルミ反射シート及び外装材で被覆したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の敷具。
【請求項5】
前記敷具が、寝具,座具,寝具及び座具の組み合わせ,のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の敷具。

【図1】
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【図2】
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