説明

文字データ入力システムおよびコンピュータプログラム

【目的】 簡易な構成で文字入力の操作性および利便性を向上させることが可能な技術を提供する。
【構成】 番組データを録画再生可能な記録再生装置(10)と、その記録再生装置(10)とネットワークを介して接続され、文字データの送受信を可能なサーバ(50)と、そのサーバ(50)と電子メールの送受信が可能な端末装置(80)とを備える。記録再生装置(10)が文字データの入力に係る信号を受信した場合に、サーバ(50)に接続し、端末装置(80)に対しユーザによる文字データが入力可能な入力用メールを送信し、それを受信した端末装置(80)は、入力用メールに所定の文字データを入力し、サーバ(50)に返信メールを送信する。返信メールを受信したサーバ(50)は、返信メールの文字データを記録手段(52)に蓄積する。記録再生装置(10)が記録手段(52)にアクセスし、更新された文字データの検出および取得をし、記録再生装置(10)に反映する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字データ入力技術に関し、特に、デジタル記録再生装置に対して文字データ入力を行う際に利用可能な文字データ情報の処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ番組を録画再生可能なデジタル記録再生装置では、テレビ画面に番組表を表示する機能であるEPG(電子番組ガイド)を標準搭載している機種も多く、EPG機能を用いて録画した場合には、録画した映像データに番組タイトルが自動的に付与される。このため、ユーザ自身が文字入力操作を行って番組タイトルを付ける必要性は少なくなってきている。一方で、EPGを搭載していない機種や、録画した映像データを保存用のオリジナルデータとして編集し、その編集作業後の映像データに任意の番組タイトルを付ける場合、また、テレビ番組を録画する際に所定のキーワードを設定し、そのキーワードにヒットした番組を抽出して自動録画するキーワード予約録画等で使用するキーワード登録など、ユーザの利用形態に応じて、いまだ多くの場面で文字入力操作が必要である。
【0003】
なお、本願発明に関連する技術として、特開2002−23930号を抽出した。この発明は、ディスプレイに表示されるキー一覧の中央部に、文字キーの配列数が他よりも少ない「や」「ゆ」「よ」の行を配置する。カーソルは、リモコンを1回操作する毎に文字キー上を1駒ずつ移動する。例えば、カーソルを「い」の位置から「ば」の位置へ移動させるには、まず、カーソルを下方向に「や」の位置へ移動させ、次に、水平方向に「よ」の位置まで移動させ、そして、下方向に「ば」の位置へ移動させる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−23930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、カーソルを行内での移動を経て目的の文字キーへ移動させることにより、より少ないリモコン操作回数で、目的の文字キーを選択することができる工夫がされている。しかしながら、ディスプレイ上の文字を見ながら一文字づつ選択して文字入力を行うという入力方法では、非常に多くの時間を要する。また、操作に慣れるまでには時間も掛かるため、文字入力における操作性および利便性の点で課題を残していた。
【0006】
ここで、ディスプレイを見ながら文字入力を行う際の操作性を考慮すると、入力手段の代表であるキーボードを使用することが考えられる。キーボードは、PCで広く利用されているため、比較的使い慣れているユーザが多く、その操作性も十分に良好であることが知られている。しかしながら、現存するデジタル記録再生装置にはキーボードを接続するためのポートが未搭載である機種が多い。また、一部のポート搭載機種であっても、キーボードを常に接続しておくという使用形態では、キーボードそのものが邪魔になる。しかし、文字入力する際にその都度接続する使用形態では面倒である。また、PCを所持していないユーザにとっては、デジタル記録再生装置専用のキーボードとして新たに購入する必要がありコスト高になってしまう。
【0007】
また、文字入力を行う際の利便性を考慮すると、デジタル記録再生装置とは物理的に離れた位置からの文字入力が可能な手段が所望されていた。これは例えば、前述したキーワード登録をする際に、外出先で思いついた録画用のキーワードを外出先からも登録することができれば、デジタル記録再生装置のある自宅などから直接操作する必要もなく飛躍的に利便性が向上する。また、キーワードに限らず、番組タイトルの付与に関しても同様である。しかしながら、物理的に離れた位置からの文字入力に対応した技術は存在していない。
【0008】
本発明は、上記課題を考慮して提案されたものであり、簡易な構成で文字入力の操作性および利便性を向上させることが可能な技術を提供することを課題とする。
【0009】
請求項1から請求項8記載の発明の目的は、簡易な構成で文字入力の操作性および利便性を向上させることが可能なシステムを提供することである。
請求項9記載の発明の目的は、簡易な構成で文字入力の操作性および利便性を向上させることが可能なプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(請求項1)
請求項1記載の発明は、番組データを録画再生可能なデジタル記録再生装置と、そのデジタル記録再生装置とネットワークを介して接続され、文字データの送受信を可能としたサーバと、そのサーバとデータの送受信を可能としたデジタル記録再生装置のユーザに係る端末装置とを備えた文字データ入力システムを提供する。
すなわち、前記デジタル記録再生装置が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置がネットワークを介してサーバに接続するサーバ接続手段と、前記端末装置に対し、ユーザによる文字データが入力可能な文字データ催促通知を送信する催促通知送信手段と、文字データ催促通知を受信した前記端末装置が、文字データ催促通知に所定の文字データを入力し、前記サーバに返信通知として送信し、その返信通知を受信する返信通知受信手段と、その返信通知受信手段が受信した返信通知の文字データを記録手段に蓄積する文字データ記録手段と、を備え、前記デジタル記録再生装置が前記記録手段に対して所定間隔毎にアクセスし、更新された文字データの検出を行う更新データ検出手段と、その更新データ検出手段が更新済み文字データを検出した場合、その更新済み文字データを取得する更新済み文字データ取得手段と、その更新済み文字データ取得手段が取得した更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する文字データ反映手段と、を備えた文字データ入力システムに係る。
【0011】
(用語説明)
「文字データ」とは、ユーザが所定の入力手段によって入力した文字のことであり、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字などがある。具体的には、番組タイトルや予約用キーワード、検索用キーワードのことである。
「端末装置」とは、少なくとも電子メールの送受信機能を備えた端末装置のことである。代表的には、通話機能を備えた携帯電話であり、このほかデスクトップパソコン、ノートパソコンおよびPDAなどの場合もある。
「入力信号」とは、デジタル記録再生装置がサーバに接続するためのトリガーとなる信号のことである。例えば、デジタル記録再生装置のリモートコントローラなどによって入力される場合がある。
「文字データ催促通知」とは、ユーザに文字データの入力を促すためのフォーマット(様式)を通知する通知手段である。例えば、ユーザによって文字データを入力してもらうための空欄を設けた電子メールなどによって通知される。
「記録手段」とは、OS、アプリケーション、各種データなどが格納されたハードディスクなどのことである。各種データは、文字データを蓄積可能なデータベースとして構築されている場合もある。
「更新データ検出手段」とは、デジタル記録再生装置がサーバに対してアクセスして更新された文字データを検出する形態である。
「更新済み文字データ取得手段」とは、更新された文字データが検出された場合にデジタル記録再生装置がサーバにアクセスして更新済み文字データを取得する手段である。このほか、更新済み文字データをデジタル記録再生装置にサーバ側から配信する形態の場合もある。
「文字データ反映手段」とは、サーバから取得したキーワードやタイトルなどの更新済み文字データを、デジタル記録再生装置に接続されたディスプレイなどに表示することである。
【0012】
(作用)
デジタル記録再生装置が入力信号を受信すると、サーバ接続手段がネットワークを介してサーバに接続する。サーバは、端末装置に対し、文字データが入力可能な文字データ催促通知を送信する。文字データ催促通知を受信した端末装置は、文字データ催促通知に所定の文字データを入力し、サーバに返信通知として送信する。返信通知受信手段が返信通知を受信し、受信した返信通知の文字データを記録手段に蓄積する。更新データ検出手段が記録手段に対して所定間隔毎にアクセスし、更新済み文字データを検出した場合、更新済み文字データ取得手段が更新済み文字データを取得する。文字データ反映手段が更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する。
すなわち、デジタル記録再生装置に対しての文字データの入力を、端末装置から行うことでユーザが使い慣れた入力手段を用いて文字データの入力が可能となるので、操作性が向上する。また、文字データの入力にネットワークを介してデータの授受が可能な文字データ催促通知を用いることで、デジタル記録再生装置とは物理的に離れた場所からでもデジタル記録再生装置に文字データの入力を行うことができ、利便性が向上する。
【0013】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、番組データを録画再生可能なデジタル記録再生装置と、そのデジタル記録再生装置とネットワークを介して接続され、文字データの送受信を可能としたサーバと、そのサーバと電子メールの送受信を可能とし、文字データで入力するテキスト通知または音声データで入力するボイス通知のいずれで入力するかを選択可能なデジタル記録再生装置のユーザに係る端末装置とを備えた文字データ入力システムを提供する。
すなわち、前記デジタル記録再生装置が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置がネットワークを介してサーバに接続するサーバ接続手段と、
前記端末装置に対し、ユーザによる文字データが入力可能な文字データ催促通知を送信する文字データ催促通知送信手段と
文字データ催促通知を受信した前記端末装置が、テキスト通知またはボイス通知のいずれかの入力方法によって文字データ催促通知に所定の文字データを入力して前記サーバに返信通知として送信し、その返信通知を受信する返信通知受信手段と、
その返信通知がボイス通知によって送信された場合に、受信した音声データを文字データに変換する文字データ変換手段と、
前記文字データを記録手段に蓄積する文字データ記録手段と、を備える。
また、前記デジタル記録再生装置が前記記録手段に対して所定間隔毎にアクセスし、更新された文字データの検出を行う更新データ検出手段と、その更新データ検出手段が更新済み文字データを検出した場合、その更新済み文字データを取得する更新済み文字データ取得手段と、その更新済み文字データ取得手段が取得した更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する文字データ反映手段を備える。
【0014】
(用語説明)
「音声データ」とは、携帯電話などに搭載されたマイク機能を用いてユーザが入力した音声データのことである。この音声データは、コンバータ等によってデジタル音声に変換され、規定のデジタル音声圧縮方式(例えば、MP3等)によって圧縮される場合がある。
「選択可能」とは、テキスト通知またはボイス通知のどちらで入力するかをユーザに選択させる選択肢のことである。このほか、オプション機能として「オペレータに切り替え」という選択肢を用意しておき、人間またはロボットによるオペレータと直接通話し、入力したい音声データを伝達するようにしても良い。
「テキスト通知」とは、所望する文字データを文字データとして入力して通知する形式である。例えば、携帯電話のメール機能を用いる。
「ボイス通知」とは、所望する文字データを音声データとして入力して通知する形式である。例えば、携帯電話のマイク機能を用い、音声データを添付ファイルとして送信する。
「文字データ変換手段」とは、音声データを文字データに変換するための機能である。
【0015】
(作用)
請求項2の発明は、デジタル記録再生装置が入力信号を受信すると、サーバ接続手段がネットワークを介してサーバに接続する。サーバは、端末装置に対し、文字データが入力可能な文字データ催促通知を送信する。端末装置は、文字データ催促通知に所定の文字データを入力する際に、テキスト通知またはボイス通知のうち、所望する入力形式を選択してサーバに返信通知として送信する。返信通知受信手段がその返信通知を受信する。
返信通知がボイス通知によって送信された場合に、文字データ変換手段が、受信した音声データを文字データに変換する。文字データ記録手段が受信した文字データまたは、音声データから変換された文字データを記録手段に蓄積する。
また、更新データ検出手段が記録手段に対して所定間隔毎にアクセスし、更新済み文字データを検出した場合、更新済み文字データ取得手段が更新済み文字データを取得する。文字データ反映手段が更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する。
請求項2の発明では、請求項1の効果に加え、文字データの入力形式をユーザが選択することが可能となっている。すなわち、携帯電話などのメール機能を用いてテキスト通知で入力するほか、マイク機能を用いてボイス通知で入力することもできる。ボイス通知によって文字データの入力がされた場合でも、音声データを文字データとして蓄積することができるので、ユーザの選択肢の幅が広がるため好ましい。また、ユーザが入力したい文字データに係る漢字を思い出せずに入力を諦めてしまうような場合に、ボイス通知に切り替える、といった使い方も可能となる。
したがって、使用する場所や状況に応じて文字データの入力方法を適宜選択することができるため、利便性を向上させることになる。例えば、電車内ではテキスト通知で入力し、その他の場所ではボイス通知で入力するようにできる。
また、例えば、障害者などのテキスト通知を入力する際のボタン操作が困難なユーザやメール入力自体が苦手なユーザにとっては、ボイス通知を用いることで迅速に文字データを入力することができる。
【0016】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の文字データ入力システムを限定したものであり、前記記録手段に蓄積される文字データは、前記デジタル記録再生装置が番組データの予約、保存および検索するために設定する文字列であって、前記サーバは、前記端末装置から受信した前記文字列を識別するための文字列識別手段と、その文字列識別手段が識別した文字列が特定不能であった場合に、デジタル記録再生装置に接続されたディスプレイ画面や前記端末装置に文字列の修正および確認を通知する修正確認通知送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
(用語説明)
「文字列」とは、ひらがな、カナカナ、漢字、数字、ローマ字などの単語を構成する文字列のほか、「、」や「。」などの句読点も含まれる。これらは、番組データを予約する際の予約用キーワード、録画された番組データの検索に用いる検索用キーワードおよび録画した番組データに任意のタイトルデータを付与する番組タイトルなどに使用される。
「文字列識別手段」とは、入力された文字列を、各種データベース等を参照して識別するための識別エンジンまたは識別プログラムである。データベースとしては、言語データベース、人名データベース、番組データベースなどがある。また、文字列識別手段には、誤って入力されたキーワードから予想されるであろう適切なキーワードに変換するインテリジェンス機能を備えている場合もある。例えば、ユーザが同姓の俳優名を勘違いしたような場合に、正しい俳優名に修正して変換するような機能である。
【0018】
(作用)
請求項3の発明は、文字列識別手段が端末装置から受信した文字列を識別する。文字列が識別できれば記録手段に蓄積し、文字列が識別できなければ、修正確認通知送信手段がデジタル記録再生装置に接続されたディスプレイ画面や端末装置に対して文字列の修正および確認を通知する。
すなわち、ユーザが入力した文字列(例えば、文字、スペル、番組名など)が間違っていても、サーバからディスプレイ画面や端末装置に修正確認通知が送信されるので、録画予約の失敗を防止することができる。
【0019】
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の文字データ入力システムを限定したものである。
すなわち、前記文字データ催促通知を電子メールとするとともに、当該電子メールを送信する送信者アドレスは、録画された文字入力機会毎に異なるメールアドレスとして送信されることを特徴とする。
【0020】
(用語説明)
「文字入力機会」とは、大別すると番組予約時(予約用キーワード)、録画済み番組データの検索時(検索用キーワード)および録画済み番組データの編集・保存によるタイトル付与時(タイトルデータ)ユーザ名や電子メールアドレスなどの属性情報の登録時の4つの入力機会が挙げられる。
(作用)
請求項4の発明は、文字データ催促通知を電子メールとして限定し、送信者アドレスを文字入力機会毎に異なるメールアドレスとしている。つまり、ユーザにとってはデジタル記録再生装置の使用において様々なシーンで文字入力の機会が想定される。しかし、本発明では文字入力機会毎にメールアドレスを異ならせ、各文字入力機会に対してユニークなメールアドレスを割り当てて管理している。このため、文字入力機会が複数存在しても、サーバおよびユーザ双方の混乱を回避することが可能となり、管理面での利便性を向上させている。
【0021】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、請求項5に記載の文字データ入力システムを限定したものであり、
前記電子メールには、録画された番組データの日付を識別可能な日付データとして備えたことを特徴とする。
【0022】
(作用)
請求項5の発明は、請求項4に記載の文字データ入力システムを限定したものであり、前記電子メールに日付データを備えることで、ユーザは、いつ録画または保存した番組データであるかの認識が容易となる。また、タイトルデータや予約用あるいは検索用キーワード等の修正などを行う際にも、日付データで判断することができるため好ましい。
【0023】
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の文字データ入力システムを限定したものであり、
前記電子メールには、録画された番組データを識別可能な番組識別データが付与されていることを特徴とする。
【0024】
(用語説明)
「番組識別データ」とは、例えば、番組データに付けられている番組タイトルのことである。
(作用)
請求項6の発明は、送信される電子メールに番組識別データが付与されているので、ユーザは、どの番組データに対して文字データを入力していくかの判断が容易となる。また、タイトルデータや予約用あるいは検索用キーワード等の修正などを行う際にも、番組識別データで判断することができるので好ましい。
【0025】
(請求項7)
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の文字データ入力システムを限定したものであり、前記文字データベースには、ユーザ毎に分別された複数のユーザ固有エリアを備え、その複数のユーザ固有エリアにユーザ毎に異なる文字データを記録可能としたことを特徴する。
【0026】
(作用)
請求項7の発明は、文字データベースは、ユーザ毎の文字データを記録可能なユーザ固有エリアを備えている。サーバの文字データベースに記録される文字データは、複数のユーザから構成されているので、ユーザ固有エリアを備えることで、管理面の向上を図ることができる。また、個人毎に異なる自分だけの「マイキーワード」などを登録しておくことができるので便利である。
【0027】
(請求項8)
請求項8記載の発明は、端末装置から送信された文字データの送受信を可能なサーバに対して、ネットワークを介してデータの授受を行うデジタル記録再生装置の制御プログラムを提供する。
そのプログラムは、前記デジタル記録再生装置が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置がネットワークを介してサーバに接続するサーバ接続手順と、
前記端末装置が入力した文字データを記録した記録手段に対して、所定間隔毎にアクセスし、更新された文字データの検出を行う更新データ検出手順と、
その更新データ検出手順が更新済み文字データを検出した場合、その更新済み文字データを取得する更新済み文字データ取得手順と、
その更新済み文字データ取得手順が取得した更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する文字データ反映手順と、
をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラムに係る。
【0028】
請求項8に記載のコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−R、MO(光磁気ディスク)、DVD−Rなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他のコンピュータへ伝送することも可能である。
【発明の効果】
【0029】
請求項1から請求項7記載の発明によれば、簡易な構成で文字入力の操作性および利便性を向上させることが可能なシステムを提供することができた。
請求項8記載の発明によれば、簡易な構成で文字入力の操作性および利便性を向上させることが可能なプログラムを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、本発明に係る文字データ入力システムの全体構成を示す概念図であり、図2は、デジタル記録再生装置10のハードウェア構成を示したブロック図であり、図3は、サーバ50のハードウェア構成を示したブロック図であり、図4は、キーワードDB60およびタイトルDB61の内部データの形態を示した概略図であり、図5は、文字データ入力システムの処理手順を示したフローチャートである。
文字データ入力システムは、テレビ番組(以下、番組データと表記する)を録画し、録画した番組データを再生可能なデジタル記録再生装置10と、そのデジタル記録再生装置10とインターネット(ネットワーク)で接続されたサーバ50と、そのサーバ50と電子メール(文字データ催促通知)の送受信を可能とした携帯電話(端末装置)80とから構成されている。なお、デジタル記録再生装置10および携帯電話80を所有するユーザは、同一ユーザであることを前提として説明する。
【0031】
(デジタル記録再生装置)
図2に示すように、デジタル記録再生装置10は、テレビジョン信号の電波を受信するアンテナ11と、アンテナ11が受信した電波をユーザの指定したチャンネルの電波として選択し、アナログのテレビジョン信号に復調する複数のチューナ12と、その複数のチューナ12からのアナログ信号を映像用およびオーディオ用のデジタル信号へそれぞれ変換するA/Dコンバータ13a、13bと、A/Dコンバータ13aおよび13bによって変換されたデジタル信号のうち、映像信号を受信するMPEGエンコーダ14と、音声信号を受信するオーディオエンコーダ15と、MPEGエンコーダ14およびオーディオエンコーダ15によって圧縮符号化された映像信号および音声信号を受信し、圧縮符号化されたストリームを多重化してMPEGのシステムストリームに変換するマルチプレクサ16と、番組データを記録するとともに、ランダムアクセス可能な複数のハードディスクドライブ(以下、HDDと表記する)17(17a,17b)と、HDD17に対してデータの書き込み、読み出しおよび各種制御を行うHDD制御部18と、HDD17から読み出されたMPEGストリームを映像信号のストリームと音声信号のストリームとに分離するデマルチプレクサ19と、映像信号のストリームを受信するMPEGデコーダ20と、音声信号のストリームを受信するオーディオデコーダ21と、MPEGデコーダ20がデコードした映像信号のストリームを受信し、受信した映像信号をアナログ信号に変換してTVに出力するデジタルアナログ(D/A)コンバータ22aと、オーディオデコーダ21がデコードした音声信号のストリームを受信し、受信した音声信号をアナログ信号に変換してスピーカ等に出力するD/Aコンバータ22bを備えている。
【0032】
また、デジタル記録再生装置10全体の制御を行うCPU23と、CPU23の作業領域およびシステムストリームを一時的に記憶するとともに、HDD17に記録するための作業領域として使用されるメモリ24と、リモートコントローラやデジタル記録再生装置本体の入力部28からの各種の入力信号を受信し、その入力信号をCPU23に送信する信号受信部25と、LANおよびWANと接続され、インターネット通信が可能なネットワークコントローラ26と、ネットワークコントローラ26のNTP(Network Time Protocol)を用いてサーバ50にアクセスし、現在時刻を問い合わせて時刻データを同期させるリアルタイムクロック26bと、番組データの再生、番組データの編集およびメニュー表示中にメニュー画面の表示命令に係る入力信号が送信された場合でも再生、編集時には再生、編集を続行した状態でメニュー画面の表示をし、メニュー表示中にはそのメニューにかぶさるようにしてメニュー画面の表示をするOSD(On Screen Display)27と、録画された番組データをDVDなどの光ディスクに記録するためのDVDドライブ29を備えている。
【0033】
ネットワークコントローラ26は、EPGや時刻データを受信する機能およびユーザに係る視聴データを送信する機能のほか、サーバ50に定期的にアクセスすることで情報更新を行い、最新データの有無をチェックしている(更新データ検出手段)。ここで、サーバ50に最新データの存在が確認されると、その最新データを取得する(更新済み文字データ取得手段)。取得する最新データとしては、後述するキーワードDB60のキーワードおよびタイトルDB61のタイトルデータなどである。HDD17は、録画用として設けられたHDDであるが、タイトルデータやキーワードデータなどのメタデータのデータベースも合わせて記録している。
【0034】
また、デジタル記録再生装置10は、ユーザが登録したキーワードにヒットした番組を抽出して自動録画するキーワード自動録画機能を備えている。キーワード自動録画機能で用いるキーワードは、HDD17に記録され、ユーザの上書き入力等に応じてキーワードが書き換えられる。
【0035】
(キーワード)
ここで、キーワードについて説明する。
まず、キーワードの入力は、デジタル記録再生装置10を使用する際の文字入力シーン(文字入力機会)である「予約」、「検索」、「編集・保存」の三つに大別される。本実施形態では、文字入力シーンの「予約」で使用するキーワードを「予約用キーワード」とし、「検索」で使用するキーワードを「検索用キーワード」としている。「予約用キーワード」とは、ユーザが録画予約を所望する番組名やタレント名などのことであり、「検索用キーワード」とは、すでにデジタル記録再生装置10に録画した番組データから、所望する番組名やタレント名などを入力して検索するためのキーワードのことである。また、「編集・保存」では録画した番組データを編集した際のタイトル名が入力される。
【0036】
(サーバ)
図3に示すように、サーバ50は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)やメインメモリ等により構成され、文字データの変換処理および文字列の識別処理等を行う演算処理部51、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト、各種キーワード、タイトルデータ、言語データなどからなる各種データが記録された複数のデータベースを備えた記録部52、各種データの入出力部である入出力ポート53を少なくとも備えている。入出力ポート53には、入力部であるキーボード54、マウス55、インターネットに接続可能な通信部56、モニタなどの表示部57およびプリンタなどの出力部58などの周辺機器が接続されている。通信部56は、インターネットを介してデジタル記録再生装置10および携帯電話80と接続され、各種データの送受信が行われる。演算処理部51には、携帯電話80から受信したキーワードを識別するための文字列識別エンジン(文字列識別手段)59を搭載している。なお、詳細は後述するが、記録部52には、携帯電話80から受信した文字列を識別するために、文字列識別エンジン59が参照する言語データなどが格納された識別用DB62を備えている。
【0037】
(データベース)
図4は、サーバ50の記録部52に格納されたデータベース(記録手段)のうち、キーワードDB60およびタイトルDB61の形態を示している。これらのデータベースは、本システムを使用するユーザ毎にエリア分けされており、各ユーザ固有のエリア内にキーワードDB60およびタイトルDB61が備えられている。
キーワードDB60は、キーワード自動録画機能に必要な予約用キーワードや録画済み番組を検索するのに必要な検索用キーワードが格納されたデータ群のことであり、図4に示すように、ユーザAは〔格闘技〕,〔全米テニス〕という予約用あるいは検索用キーワードを登録しており、ユーザBは〔増税〕,〔音楽ランキング〕という予約用あるいは検索用キーワードをそれぞれ登録している。つまり、デジタル記録再生装置10は、ユーザが所望する予約用キーワードに応じて録画するキーワード自動録画機能を備えているため、ユーザが予め予約用キーワードを登録しておけば、その予約用キーワードに該当する番組データが自動的に録画される仕組みとなっている。また、デジタル記録再生装置10は、強力な番組検索機能を持っているため、ユーザがよく検索するキーワードを登録しておけば、その検索用キーワードから一発で録画済み番組からキーワードに合致する番組が再生できて便利である。
【0038】
タイトルDB61は、録画された番組データに対して、ユーザが所望するタイトルを付与する際のタイトルデータが格納されたデータ群のことである。このタイトルデータは、主に、録画された番組データを保存用のオリジナルデータとして編集し、その編集作業後の番組データにタイトルを付ける場合に用いることになるが、このほか、EPG機能を搭載していない機種などにも利用可能である。
なお、前述の予約用あるいは検索用キーワードおよびタイトルデータを登録するには、ユーザが所有する携帯電話80を用いる。この携帯電話80は、通話機能およびメール送受信機能を備えた一般的な携帯電話であれば良い。
【0039】
(タイトルデータ登録手順)
図5は、文字入力システムのタイトルデータ登録の処理を示したフローチャートである。なお、ユーザが登録するタイトルデータは、図4に示したユーザAを適用して説明することとし、ユーザAは、デジタル録画再生装置10に自らが使用している携帯電話80のメールアドレスをすでに登録済みであることとする。
ユーザAは、デジタル記録再生装置10のHDD17に録画された〔格闘王国〕という格闘技番組に対して、シーン編集やCMカット等の編集を施す。編集終了後、リモートコントローラなどを用いて編集終了ボタンを押すと、番組データのタイトルを入力するタイトル入力画面に移行する。
なお、EPGによる録画を用いていれば〔格闘王国〕というタイトルが既に付与されているが、ここでは新たに編集作業が発生しているので、新規にタイトル入力画面が表示される。このタイトル入力画面でタイトル入力決定キーを押すと(入力信号)、ネットワークコントローラ26がインターネットを介してサーバ50に接続するための接続要求を送信する(サーバ接続手段)。
【0040】
サーバ50は、接続要求を受信すると、ユーザAが登録した携帯電話80のメールアドレスに対してタイトルデータを入力するためのタイトル入力用メールを送信する(催促通知送信手段)。携帯電話80は、サーバ50からのタイトル入力用メールを受信する。なお、携帯電話80がタイトル入力用メールを受信した際の形態を図6(a)、(c)に示す。
図6(a)に示すように、タイトル入力用メールには、メール情報表示エリアおよび番組タイトル入力エリアから構成され、メール情報表示エリアには、受信時刻(日付データ)、送信者アドレス、題名(番組識別データ)の各情報が表示されている。図6(a)では、〔受信時刻:2005/11/10 12:55〕、〔送信者:051110-001-user_a@moji.jp〕、〔題名:格闘王国〕となっている。送信者アドレスの〔051110-001-user_a@moji.jp〕は、番組データ(文字入力機会)毎に異なるメールアドレスが付与されており、〔051110-001-user_a〕は〔年月日―番組整理番号―ユーザ名〕として後から見た場合でも容易に識別可能に構成されている。また、題名には編集前番組タイトルが表示されるため、送信者アドレスと題名とによって、いつ、何の番組データを録画したのかを容易に識別可能としている。
【0041】
番組タイトル入力エリアは、ユーザAが携帯電話80のメール返信機能を用いて所望のタイトルデータを入力するためのエリアである。ここには、「このメールへの返信メールで本文に番組タイトルを入力してください」と表示されている。このタイトル入力用メールに対して返信する返信メールを示したのが図6(b)である。図6(b)では、サーバ50から受信した入力用メールに対して〔返信〕ボタンを押し、タイトルデータとして〔05.11ベスト映像1〕が入力されている。そして、入力した返信メールをサーバ50に送信する(返信通知送信手段)。
【0042】
サーバ50は、返信メールを受信する際に、返信メールのメールアドレスが登録済みメールアドレスであるか否かを判別する。メールアドレスが登録済みで無ければエラー処理として受信拒否をする。メールアドレスが登録済みであれば返信メールを受信し、入力されたタイトルデータをタイトルDB61に記録する。ここで記録するタイトルデータは、ユーザA固有のエリアに格納される(文字データ記録手段)。この際、タイトルDB61は、最新のタイトルデータのみを差分データとして差分DB66に記録しておく。
【0043】
デジタル録画再生装置10のネットワークコントローラ26は、サーバ50の差分DB66にアクセスした際に、更新された更新済みタイトルデータがあれば(更新データ検出手段)、その更新済みタイトルデータを取得する(更新済み文字データ取得手段)。
取得した更新済みタイトルデータ〔05.11ベスト映像1〕は、メモリ24またはHDD17に記憶され、デジタル記録再生装置10のタイトル入力欄に〔05.11ベスト映像1〕として表示される(文字データ反映手段)。
【0044】
また、図6(c)に示すように、別の番組データに対してタイトルデータを登録する場合に送信される送信者アドレスは、〔051110-002-user_a@moji.jp〕と番組整理番号が変更されている。このため、〔題名:全米オープンテニス〕と併せることで、録画された番組に対して、どのタイトルデータを付与したのかを容易に識別することが可能となる。
【0045】
(キーワード登録手順)
図7は、本システムのキーワード登録の処理を示したフローチャートである。なお、ユーザが登録するキーワードは予約用あるいは検索用キーワードであるとともに、図4に示したユーザBを適用して説明する。また、ユーザBは、デジタル録画再生装置10に自らが使用している携帯電話80のメールアドレスをすでに登録済みであることとする。
ユーザBは、デジタル録画再生装置10のキーワード登録画面でキーワード入力決定キーを押すと、ネットワークコントローラ26がインターネットを介してサーバ50に接続するための接続要求を送信する(サーバ接続手段)。
【0046】
サーバ50は、接続要求を受信すると、ユーザBが登録した携帯電話80のメールアドレスに対して予約用あるいは検索用キーワードを入力するためのキーワード入力用メールを送信する(催促通知送信手段)。携帯電話80は、サーバ50からのキーワード入力用メールを受信する。なお、携帯電話80がキーワード入力用メールを受信した際の形態を図8(a)に示す。
図8(a)に示すように、キーワード入力用メールには、メール情報表示エリアおよびキーワード入力エリアから構成され、メール情報表示エリアには、受信時刻、送信者アドレス、題名の各情報が表示されている。図8(a)では、〔受信時刻:2005/11/10 19:00〕、〔送信者:keyword-user_b@moji.jp〕、〔題名:キーワード登録〕となっている。送信者アドレスの〔keyword-user_b@moji.jp〕は、ユーザ名が付与されており、ユーザの識別を容易としている。
【0047】
キーワード入力エリアは、ユーザBが携帯電話80のメール返信機能を用いて所望の予約用あるいは検索用キーワードを入力するためのエリアである。ここには、「このメールへの返信メールで本文にキーワードを入力してください」と表示されている。このキーワード入力用メールに対して返信する返信メールを示したのが図8(b)である。図8(b)では、サーバ50から受信したキーワード入力用メールに対して〔返信〕ボタンを押し、予約用あるいは検索用キーワードとして〔所得税減税・音楽ランキング〕が入力されている。そして、入力した返信メールをサーバ50に送信する(返信通知送信手段)。
【0048】
サーバ50は、返信メールを受信する際に、返信メールのメールアドレスが登録済みメールアドレスであるか否かを判別する。メールアドレスが登録済みで無ければエラー処理として受信拒否をする。メールアドレスが登録済みであれば返信メールを受信し、入力された予約用あるいは検索用キーワードをキーワードDB60に記録する。ここで記録する予約用あるいは検索用キーワードは、ユーザB固有のエリアに格納される(文字データ記録手段)。この際、キーワードDB60は、最新の予約用あるいは検索用キーワードのみを差分データとして差分DB66に記録しておく。
【0049】
デジタル録画再生装置10のネットワークコントローラ26は、サーバ50の差分DB66にアクセスした際に、更新された更新済みキーワードがあれば(更新データ検出手段)、その更新済みキーワードを取得する(更新済み文字データ取得手段)。
取得した更新済みキーワード〔所得税減税・音楽ランキング〕は、ユーザBの予約用あるいは検索用キーワードとしてメモリ24またはHDD17に記憶されるとともに、予約用あるいは検索用キーワード登録欄に表示される(文字データ反映手段)。
【0050】
なお、キーワード入力用メールに登録する予約用あるいは検索用キーワードは、本実施形態のように複数の予約用あるいは検索用キーワードを記入しても良いし、(その場合、キーワード間はスペースや”,”で区切る等のルール設定を行う)一つのキーワード入力用メールに対して一つの予約用あるいは検索用キーワードを登録するようにしても良い。
【0051】
したがって、デジタル記録再生装置10に対しての文字データの入力を、ユーザが所有する携帯電話80のメール機能というユーザが使い慣れた入力手段によって入力することで、文字データの入力に伴う操作性を向上させることができる。また、電子メールを用いれば、デジタル記録再生装置10とは物理的に離れた場所からでも文字データの入力を簡単に行うことができる。例えば、番組タイトルや予約用あるいは検索用キーワードの登録を外出先からでも簡単に実現することができ、利便性が格段に向上する。
【0052】
また、本システムは、インターネットと電子メールを利用して文字データの入力を行っているが、セキュリティ上も優れたシステムとなっている。これは、文字データの入力に必要な携帯電話80のメールアドレスは、デジタル記録再生装置10で登録してからはじめて利用可能となる。したがって、第三者が「なりすまし」を試みようとしても、登録したメールアドレスからの返信でなければ文字データの入力は受付けないことになる。
さらに、デジタル記録再生装置10から携帯電話80に送信される送信者アドレスは、ユーザ毎、番組データ毎によって異なるユニークなメールアドレスである。このユニークなメールアドレスに対して返信できるのは、ユーザが自ら登録した携帯電話のみであるため、たとえユニークなメールアドレスが分かったとしてもユーザ本人の携帯電話からしか文字データの入力を受付けないという、セキュリティに強固なシステムとなっている。
【0053】
(第二実施形態)
次に、本発明に係る第二実施形態について図9から図11を参照して説明する。
第二実施形態の文字データ入力システムは、番組データを録画再生可能なデジタル記録再生装置10と、そのデジタル記録再生装置10とインターネットを介して接続され、文字データの送受信を可能としたサーバ50と、そのサーバ50と電子メールの送受信を可能としたデジタル記録再生装置10のユーザに係る携帯電話80とを備え、デジタル記録再生装置10が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置10がインターネットを介してサーバ50に接続し、携帯電話80に対し、ユーザによる文字データが入力可能なキーワード入力用メールを送信する点は、上述した第一実施形態と全く同様である。
しかしながら、本実施形態では、キーワード入力用メールを受信した携帯電話80が、キーワード入力用メールに所定の文字データを入力する際に、文字データで入力するテキストメール(テキスト通知)または音声データで入力するボイスメール(ボイス通知)のいずれで入力するかを選択可能な選択肢を備える点で異なる。
【0054】
ここで、「テキストメール」とは、ユーザが入力を所望する文字を文字データとして入力して通知する形式のことであり、第一実施形態のように、携帯電話80のメール機能を用いる。一方、「ボイスメール」とは、ユーザが入力を所望する文字データを音声データとして入力して通知する形式であり、携帯電話80のマイク機能を用いる。ここでは、ボイスメールを用いた場合でもサーバ50に送信されるファイルは、テキストメールに音声データを添付して送信されることになっている。なお、オプション機能として「オペレータに切り替え」という選択肢を用意しておき、人間またはロボットによるオペレータと直接通話し、入力したい音声データを伝達するようにしても良い。
【0055】
(文字データ変換機能)
また、図示は省略するが、サーバ50には、音声データから文字データに変換する文字データ変換機能(文字データ変換手段)を備えている。文字データをボイスメールで入力した場合、サーバ50に対しての返信メールの一例として、音声データが添付されることになる。この音声データを受信したサーバ50は、文字データ変換機能が音声データから文字データに変換し、変換された文字データは、タイトルDB61やキーワードDB60に蓄積されることになる。
【0056】
(文字列識別エンジン)
次に、入力された文字データが予約用あるいは検索用キーワードであった場合、その予約用あるいは検索用キーワードの文字やスペル等を識別可能とする文字列識別エンジン(文字列識別手段)59について説明する。
ここで、「文字列」とは、ひらがな、カナカナ、漢字、数字、ローマ字などの単語を構成する文字列のほか、「、」や「。」などの句読点も含まれる。「文字列識別エンジン」とは、入力された予約用あるいは検索用キーワードを、識別用DB62を参照して識別するプログラムが格納されたエンジンのことである。
【0057】
識別用DB62には、言語データベース、人名データベース、番組データベースなどの予約用あるいは検索用キーワードを識別するために必要となる各種データが格納されている。例えば、ユーザが入力した予約用あるいは検索用キーワードの漢字やスペルが間違っていた場合などには、文字列識別エンジン59が識別不能と判断し、デジタル記録再生装置に接続されたディスプレイ画面や携帯電話80にキーワードの修正および確認を促す修正確認メール(修正確認通知送信手段)を送信する。
なお、文字列識別エンジンには、誤って入力された予約用あるいは検索用キーワードから予想されるであろう適切なキーワードに変換するインテリジェンス機能を備えている場合もある。例えば、ユーザが同姓の俳優名を勘違いしたような場合に、正しい俳優名に修正して変換するような機能である。
【0058】
次に、ユーザが予約用あるいは検索用キーワードの登録をする際の一例を図10および図11を参照して説明する。
サーバ50からキーワード入力用メールを受信したユーザは、戦国武将の「織田信長」に係る番組を予約用あるいは検索用キーワードとして登録しようとしたが、メール入力中に漢字変換を誤って「尾田信長」としてしまい送信してしまったとする。この場合、サーバ50の文字列識別エンジン59は、「尾田信長」という予約用あるいは検索用キーワードを登録する際に、識別用DB62の人名データベースを参照し、同様の人名データがあるか否かを判別する。その結果、「尾田信長」という人名データは無いが、「織田信長」であれば人名データベースに存在したため、この旨をユーザに伝達する。
【0059】
図10は、デジタル記録再生装置10に接続されたディスプレイ画面上に修正確認画面が表示された形態を示している。この修正確認画面では、『「尾田信長」というキーワードは以下のキーワードと推測されます。リモコンの上下キーで選択し、決定を押してください。』と表示される。ここでは、「織田信長」、「織田裕二」、「尾田信長で登録する」、「キャンセル」という4つの修正候補が表示され、ユーザはこの修正候補の中から任意の修正候補を選択し、リモコンの決定ボタンを押すことによって修正通知がサーバに送信される。
【0060】
また、図11では、ユーザに係る携帯電話に修正確認メールを送信した場合の形態を示しており、図11の下側に示す修正確認メールでは、題名に「修正確認―キーワード登録」とし、本文に、以下の二つの確認文を表示している。
・「尾田信長」というキーワードはありません。新規登録する場合は以下のメールアドレスへ「mail to:keyword-new@moji.jp」。
・ 類似ワードに「織田信長」があります。変更する場合は以下のメールアドレスへ「mail to:keyword-change@moji.jp」。
【0061】
ここで、類似ワードとして抽出された「織田信長」に変更するメールアドレス「mail to:keyword-change@moji.jp」を選択して送信すると、サーバ50は、「織田信長」を予約用あるいは検索用キーワードとしてキーワードDB60に記録するとともに、差分データを差分DB66に記録する。
【0062】
また、差分DB66に記録された予約用あるいは検索用キーワードは、デジタル記録再生装置が差分DB66に対して所定間隔毎にアクセスし、更新された予約用あるいは検索用キーワードの検出を行い、更新済み文字データが検出されると、その更新済み文字データを取得する。取得した更新済み文字データは、デジタル記録再生装置10の予約用あるいは検索用キーワード登録欄に表示されることになる。
【0063】
図9を参照して一連の処理手順を説明する。
ユーザは、デジタル録画再生装置10のキーワード登録画面でキーワード入力決定キーを押すと、ネットワークコントローラ26がインターネットを介してサーバ50に接続するための接続要求を送信する(サーバ接続手段)。
【0064】
サーバ50は、接続要求を受信すると、ユーザが登録した携帯電話80のメールアドレスに対して予約用あるいは検索用キーワードを入力するためのキーワード入力用メールを送信する(催促通知送信手段)。携帯電話80は、サーバ50からのキーワード入力用メールを受信する(催促通知受信手段)。このキーワード入力用メールには、ユーザがテキスト通知またはボイス通知のいずれで入力するかを選択可能となっている。
【0065】
携帯電話80がキーワード入力用メールに所定の文字データを入力するとともに、テキスト通知またはボイス通知から所望する入力形式を選択してサーバ50に返信メール(返信通知)として送信する。
【0066】
サーバ50は、返信メールを受信する際に、返信メールのメールアドレスが登録済みメールアドレスであるか否かを判別する。メールアドレスが登録済みで無ければエラー処理として受信拒否をし、メールアドレスが登録済みであれば返信メールを受信する。なお、返信メールがボイス通知によって送信された場合に、文字データ変換手段が、受信した音声データを文字データに変換する。また、文字列識別エンジン59が文字データ(文字列)の識別をする。ここで、文字列の識別が特定できなければ、デジタル記録再生装置に接続されたディスプレイ画面に修正候補を表示して修正を促したり、携帯電話80に修正確認メールを送信する(修正確認通知送信手段)。修正候補が画面ディスプレイに表示されたら、ユーザは候補どおりに修正するか否かをリモコンで選択をする。また、携帯電話で修正を行う場合、携帯電話80は、修正確認メールを受信した際に、修正するか否かのいずれかを行い修正済みメールとして送信する。サーバ50は、デジタル記録再生装置で画面から選択された修正キーワードを受信し、または、携帯電話の場合、修正済みメールを受信し、画面上で選択あるいは、メールで入力された正しい予約用あるいは検索用キーワードをキーワードDB60に記録する。ここで記録する予約用あるいは検索用キーワードは、ユーザ固有のエリアに格納される(文字データ記録手段)。この際、キーワードDB60は、最新の予約用あるいは検索用キーワードのみを差分データとして差分DB66に記録しておく。
【0067】
デジタル録画再生装置10のネットワークコントローラ26は、サーバ50のキーワードDB60にアクセスした際に、更新された更新済みキーワードがあれば(更新データ検出手段)、その更新済みキーワードを取得する(更新済み文字データ取得手段)。
取得した更新済みキーワードは、ユーザの予約用あるいは検索用キーワードとしてメモリ24またはHDD17に記憶されるとともに、予約用あるいは検索用キーワード登録欄に表示される(文字データ反映手段)。
【0068】
つまり、第二実施形態の文字入力システムでは、文字データの入力形式をユーザが選択することが可能となっている。このため、使用する場所や状況に応じて文字データの入力方法を適宜選択することができ、利便性を向上させることができる。例えば、電車内ではテキストメールで入力し、その他の場所ではボイスメールで入力するようにすることもできる。
また、文字データを入力する際に、正しい漢字、人名、スペルなどが分からない場合でもボイスメールを用いればよいため、容易に対応可能となる。また、例えば、障害者などのテキストメールを入力する際のボタン操作が困難なユーザや、メール入力自体が苦手なユーザにとっては、ボイスメールを用いることで迅速に文字データを入力することができる。
【0069】
また、文字列識別エンジン59には、誤って入力された予約用あるいは検索用キーワードから予想される適切な予約用あるいは検索用キーワードに変換するインテリジェンス機能を備えている。このため、ユーザが入力した予約用あるいは検索用キーワードが間違っていても、サーバ50からディスプレイ画面または携帯電話80に修正確認候補が送信されるので、録画予約の失敗を防止することができる。なお、ボイスメールで入力した文字データにおいても、文字データ変換手段が音声データから文字データに変換するので、キーワード識別エンジン59の機能を用いることができる。
【0070】
なお、本実施形態においては、予約用あるいは検索用キーワードおよびタイトルデータを登録する入力手段として携帯電話を採用しているが、受信したメールに文字入力をして送信可能な機能を備えた端末であれば良く、携帯電話に限定されるものではない。例えば、PDAやノートパソコンなどのモバイル端末でも良いし、デスクトップ型パソコンなどでも良い。ただし、携帯電話を使用すれば次のような利点がある。
【0071】
まず、携帯電話のメール入力操作と同じようにして文字データも入力できるので、文字入力に伴う操作性が格段に向上することになる。特に、携帯電話のヘビーユーザにとっては、ブラインドタッチによる入力操作が可能となっているため、よりスピーディーな文字入力が可能となる。
また、広く普及している携帯電話を用いるため、汎用性が高くキーボード等の追加購入を必要としない。そして、近年のパケット定額制の導入からメール送受信の際に掛かるパケット代を気にせずにすむため、コストメリットにも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る文字データ入力システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】デジタル記録再生装置10のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】サーバのハードウェア構成を示したブロック図である。
【図4】キーワードDBおよびタイトルDBの内部データの形態を示した概略図である。
【図5】文字入力システムのタイトル登録の処理を示したフローチャートである。
【図6】携帯電話がタイトル入力用メールを受信した際の表示形態を示した概略図である。
【図7】文字入力システムのキーワード登録の処理を示したフローチャートである。
【図8】携帯電話がキーワード入力用メールを受信した際の表示形態を示した概略図である。
【図9】第二実施形態における文字データ入力システムの処理を示したフローチャートである。
【図10】キーワード識別エンジンを説明した図であり、登録キーワードをディスプレイ上で修正するための形態を示した概略図である。
【図11】キーワード識別エンジンを説明した図であり、登録キーワードを携帯電話で修正するための形態を示した概略図である。
【符号の説明】
【0073】
10 デジタル記録再生装置 11 アンテナ
12 チューナ
13a,13b アナログデジタル(A/D)コンバータ
14 MPEGエンコーダ 15 オーディオエンコーダ
16 マルチプレクサ
17 HDD(ハードディスク) 17a 常時録画HDD
17b 保存用HDD
18 ハードディスク制御部(HDD制御部)
19 デマルチプレクサ 20 MPEGデコーダ
21 オーディオデコーダ
22 デジタルアナログ(D/A)コンバータ
23 CPU 24 メモリ
25 信号受信部 26 ネットワークコントローラ
26b リアルタイムクロック 27 OSD
28 入力部 29 DVDドライブ
50 サーバ 51 演算処理部
52 記憶部 53 入出力ポート
54 キーボード 55 マウス
56 通信部 57 表示部
58 出力部 59 キーワード識別エンジン
60 キーワードデータベース 61 タイトルデータベース
62 識別用データベース 66 差分データベース
80 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組データを録画再生可能なデジタル記録再生装置と、そのデジタル記録再生装置とネットワークを介して接続され、文字データの送受信を可能としたサーバと、そのサーバとデータの送受信を可能としたデジタル記録再生装置のユーザに係る端末装置とを備えた文字データ入力システムであって、
前記デジタル記録再生装置が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置がネットワークを介してサーバに接続するサーバ接続手段と、
前記端末装置に対し、ユーザによる文字データが入力可能な文字データ催促通知を送信する催促通知送信手段と、
文字データ催促通知を受信した前記端末装置が、文字データ催促通知に所定の文字データを入力し、前記サーバに返信通知として送信し、その返信通知を受信する返信通知受信手段と、
その返信通知受信手段が受信した返信通知の文字データを記録手段に蓄積する文字データ記録手段と、を備え、
前記デジタル記録再生装置が前記記録手段に対して所定間隔毎にアクセスし、更新された文字データの検出を行う更新データ検出手段と、
その更新データ検出手段が更新済み文字データを検出した場合、その更新済み文字データを取得する更新済み文字データ取得手段と、
その更新済み文字データ取得手段が取得した更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する文字データ反映手段と、
を備えたことを特徴とする文字データ入力システム。
【請求項2】
番組データを録画再生可能なデジタル記録再生装置と、そのデジタル記録再生装置とネットワークを介して接続され、文字データの送受信を可能としたサーバと、そのサーバと電子メールの送受信を可能とし、文字データで入力するテキスト通知または音声データで入力するボイス通知のいずれで入力するかを選択可能なデジタル記録再生装置のユーザに係る端末装置とを備えた文字データ入力システムであって。
前記デジタル記録再生装置が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置がネットワークを介してサーバに接続するサーバ接続手段と、
前記端末装置に対し、ユーザによる文字データが入力可能な文字データ催促通知を送信する文字データ催促通知送信手段と
文字データ催促通知を受信した前記端末装置が、テキスト通知またはボイス通知のいずれかの入力方法によって文字データ催促通知に所定の文字データを入力して前記サーバに返信通知として送信し、その返信通知を受信する返信通知受信手段と、
その返信通知がボイス通知によって送信された場合に、受信した音声データを文字データに変換する文字データ変換手段と、
前記文字データを記録手段に蓄積する文字データ記録手段と、
前記デジタル記録再生装置が前記記録手段に対して所定間隔毎にアクセスし、更新された文字データの検出を行う更新データ検出手段と、その更新データ検出手段が更新済み文字データを検出した場合、その更新済み文字データを取得する更新済み文字データ取得手段と、その更新済み文字データ取得手段が取得した更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する文字データ反映手段と、
を備えたことを特徴とする文字データ入力システム。
【請求項3】
前記記録手段に蓄積される文字データは、前記デジタル記録再生装置が番組データの予約、保存および検索するために設定する文字列であって、
前記サーバは、前記端末装置から受信した前記文字列を識別するための文字列識別手段と、その文字列識別手段が識別した文字列が特定不能であった場合に、デジタル記録再生装置に接続されたディスプレイ画面や前記端末装置に文字列の修正および確認を通知する修正確認通知送信手段と、を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の文字データ入力システム。
【請求項4】
前記文字データ催促通知を電子メールとするとともに、
当該電子メールを送信する送信者アドレスは、文字入力機会毎に異なるメールアドレスとして送信されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の文字データ入力システム。
【請求項5】
前記電子メールには、録画された番組データの日付を識別可能な日付データとして備えたことを特徴とする請求項4に記載の文字データ入力システム。
【請求項6】
前記電子メールには、録画された番組データを識別可能な番組識別データが付与されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の文字データ入力システム。
【請求項7】
前記文字データベースには、ユーザ毎に分別された複数のユーザ固有エリアを備え、その複数のユーザ固有エリアにユーザ毎に異なる文字データを記録可能としたことを特徴する請求項1から請求項6のいずれかに記載の文字データ入力システム。
【請求項8】
端末装置から送信された文字データの送受信を可能なサーバに対して、ネットワークを介してデータの授受を行うデジタル記録再生装置の制御プログラムであって、
そのプログラムは、前記デジタル記録再生装置が文字データの入力に係る入力信号を受信した場合に、デジタル記録再生装置がネットワークを介してサーバに接続するサーバ接続手順と、
前記端末装置が入力した文字データを記録した文字データベースに対して、所定間隔毎にアクセスし、更新された文字データの検出を行う更新データ検出手順と、
その更新データ検出手順が更新済み文字データを検出した場合、その更新済み文字データを取得する更新済み文字データ取得手順と、
その更新済み文字データ取得手順が取得した更新済み文字データをデジタル記録再生装置に反映する文字データ反映手順とをコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−311118(P2006−311118A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−130175(P2005−130175)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(500304545)株式会社 パワー・トゥ・ザ・ピープル (5)
【Fターム(参考)】