説明

文字データ処理システム、当該システムに供する振り分け装置、データエントリ用装置、及びプログラム

【課題】用紙に手書きされた文字の文字データを短時間でかつ正確に取得する。
【解決手段】用紙毎に、実行すべき処理を、手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正処理と、ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正処理と、用紙の画像データに基づく文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理との中のいずれかに振り分ける振り分け装置240と、振り分け装置によって生成された振り分け識別データに基づいて、手書き認識修正部とストローク認識修正部とイメージエントリ処理部との中からいずれかの処理部を選択し、選択した処理部に処理を実行させるデータエントリ用装置410とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に記載された文字(特に、手書き文字)に相当する文字データを短時間でかつ正確に取得するための文字データ処理システム、当該システムに供する振り分け装置、データエントリ用装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙に記載された文字に相当する文字データをコンピュータに入力して、その文字データを所望の目的に利用することが、様々な分野で行われている。
例えば、保険診療の分野では、公的医療保険の審査支払機関が、医療機関から送付された診療報酬明細書(以下、「レセプト」と称する)に記載された文字(主に、診療報酬等の手書き文字)に相当する文字データをコンピュータに入力して、コンピュータに、その文字データに基づいて診療報酬の対価を計算させている。
【0003】
以下、文字データの利用につき、保険診療の分野を例にして説明する。
保険診療の分野では、診療報酬(例えば、医師又は歯科医師の医療行為に対する技術料や薬剤師の調剤行為に対する技術料等)は、一部(1〜3割)が患者によって医療機関の窓口で支払われ、残りが公的医療保険で支払われる。そこで、医療機関は、実施した診療内容に基づいてレセプトを作成し、作成したレセプトを審査支払機関(例えば、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会等)に送付する。これによって、医療機関は、公的医療保険で支払われる診療報酬を審査支払機関に請求する。なお、レセプトは、各項目が、金額ではなく、厚生労働省によって規定された診療報酬点数表に基づいて計算された点数(1点=10円)を記入する形式となっている。
【0004】
審査支払機関は、医療機関からレセプトが送付されると、文字データの入力処理及び修正処理(以下、「入力・修正処理」と称する)を行い、文字データの修正処理が終了すると、コンピュータに、診療報酬の対価を計算させる。
なお、文字データの入力処理は、審査支払機関が、手作業でレセプトに記載された文字に相当する文字データをコンピュータに入力するか、又は、レセプトの画像データを、画素の並びに基づいて文字認識する機能が付加されたコンピュータに入力して、レセプトに記載された文字を、このコンピュータに文字認識させて、文字データを生成させることによって、行われる。
また、文字データの修正処理は、審査支払機関が、手作業で、文字データの正誤をチェックして、文字データが誤っている場合に、誤っている文字データを正しい文字データに修正することによって、行われる。
【0005】
ところで、レセプトは、診療報酬等が手書きで記入されているため、手書きで記入された文字(以下、「手書き文字」と称する)が記載者の書き癖によって別の文字と類似して見える場合がある。
そのため、手作業で文字データをコンピュータに入力する場合に、審査支払機関は、手書き文字を分析するための時間、文字データを入力するための時間、及び入力された文字データの正誤をチェックして修正するための時間が必要であった。
また、コンピュータに文字認識させる場合に、コンピュータは、画素の並びに基づいて文字認識するだけであるので、誤った文字データを生成するときがある。そのため、審査支払機関は、生成された文字データの正誤をチェックして修正するための時間が必要であった。
【0006】
しかしながら、診療報酬は、医療機関に速やかに支払われる必要がある。そのため、審査支払機関がレセプトを受け取ってから診療報酬を支払うまでの期間には、期限が設定されている。
したがって、審査支払機関は、期限内に、文字データの入力・修正処理を行うために、多大な労力を必要としていた。
しかも、文字データは、誤ってコンピュータに入力される可能性及び誤って入力されたデータが修正されずに残る可能性があった。
【0007】
これらの点を解決するために、医療機関のコンピュータにレセプトを作成させるシステムも存在する(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、医療機関では、コンピュータに文字データの入力処理を行うための人員及び時間が、不足している。そのため、レセプトは、依然として、手作業で作成される場合があった。
【0008】
そこで、審査支払機関は、文字データの入力・修正処理の時間を短縮するために、また、誤った文字データが入力される可能性を低減するために、データの処理経験が豊富なデータエントリ業者に、文字データの入力・修正処理を委託していた。
【0009】
そのデータエントリ業者は、文字データを入力するための時間を短縮すること及び誤った文字データが入力される可能性を低減することはできる。
しかしながら、たとえデータの処理経験が豊富なデータエントリ業者であっても、手書き文字が別の文字と類似して見える場合に、手書き文字を分析するための時間及び入力された文字の正誤をチェックして修正するための時間が必要である。そのため、たとえデータエントリ業者であっても、期限内に、文字データの入力・修正処理を完了することは、困難であった。また、誤った文字データが入力される可能性が、依然としてあった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】社会保険診療報酬支払基金のホームページ(http://www.ssk.or.jp/yoshiki/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記した通り、たとえデータの処理経験が豊富なデータエントリ業者であっても、期限内に、文字データの入力・修正処理を完了することが困難であるという課題、及び、誤った文字データが入力される可能性が依然としてあるという課題があった。
そのため、用紙に記載された文字(特に、手書き文字)に相当する文字データを短時間でかつ正確に取得する文字データ処理システム及び装置等の提供が要望されていた。
【0012】
そこで、発明者は、文字データを必要とする機関(ここでは、審査支払機関)やデータエントリ業者のコンピュータに、用紙に記載された手書き文字の画素の並びに基づいて文字認識する機能に加え、文字の筆跡に基づいて文字認識する機能を付加し、さらに、用紙毎に、これらの文字認識機能の中で、好適な側の文字認識機能(すなわち、短時間でかつ高精度に文字データを取得できる側の文字認識機能)による文字データの入力・修正処理を自動的に選択・実行するように構成すれば、文字データを短時間でかつ正確に(少なくとも、従来の装置(すなわち、手書き文字の画素の並びに基づいて文字認識することにより文字データを取得するだけのコンピュータ)よりも高精度に)取得することができると考えた。
【0013】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、文字データを短時間でかつ正確に取得することができる文字データ処理システム、当該システムに供する振り分け装置、データエントリ用装置、及びプログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、第1発明は、文字データ処理システムであって、用紙に記載された手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データを手書き認識結果データとし、当該手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データをストローク認識結果データとし、前記手書き認識結果データの修正処理、前記ストローク認識結果データの修正処理、及び、欠落している文字データの入力処理の中から、実行すべき処理を振り分ける(選択・実行させる)ための振り分け識別データを生成する振り分け識別データ生成部を備え、前記振り分け識別データ生成部によって、前記用紙毎に、前記振り分け識別データを生成することにより、実行すべき処理を、前記手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正処理と、前記ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正処理と、前記用紙の画像データに基づく作業者による入力部からの前記欠落している文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理との中のいずれかに振り分ける振り分け装置と、前記振り分け装置から、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に取得するデータ取得部と、前記手書き認識修正処理を実行する手書き認識修正部と、前記ストローク認識修正処理を実行するストローク認識修正部と、前記イメージエントリ処理を実行するイメージエントリ処理部と、実行すべき処理を振り分ける振り分け処理部とを備え、前記振り分け処理部によって、前記用紙毎に、前記振り分け識別データに基づいて、前記手書き認識修正部と前記ストローク認識修正部と前記イメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、当該選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させることにより、前記用紙に記載された前記手書き文字に相当する文字データを取得するデータエントリ用装置とを有する構成とする。
【0015】
この文字データ処理システムは、振り分け装置とデータエントリ用装置とを有している。振り分け装置は、保険診療の分野では、審査支払機関で用いられる装置であり、データエントリ用装置は、データエントリ業者で用いられる装置である。
【0016】
前者の振り分け装置は、データエントリ用装置の実施すべき処理を振り分ける装置である。振り分け装置は、振り分け識別データを生成して、データエントリ用装置に供給する。これにより、振り分け装置は、データエントリ用装置に、好適な文字データの入力・修正処理を自動的に選択・実行させる。なお、振り分け装置は、好ましくは、文字を記載した機関(個人の場合を含む)に応じて、振り分け識別データを生成するとよい。これにより、振り分け装置は、文字を記載した機関に応じて、データエントリ用装置に、好適な文字データの入力・修正処理を自動的に選択・実行させることができる。
【0017】
後者のデータエントリ用装置は、用紙に記載された手書き文字に相当する文字データを取得する装置である。データエントリ用装置は、手書き認識修正部、ストローク認識修正部、及びイメージエントリ処理部を備えている。
【0018】
手書き認識修正部は、手書き認識修正処理(すなわち、画素の並びに基づいて文字認識された手書き文字の文字データを手書き認識結果データとし、その手書き認識結果データの修正を受け付ける処理)を実行する機能手段である。ストローク認識修正部は、ストローク認識修正処理(すなわち、手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて文字認識された手書き文字の文字データをストローク認識結果データとし、そのストローク認識結果データの修正を受け付ける処理)を実行する機能手段である。イメージエントリ処理部は、イメージエントリ処理(すなわち、用紙の画像データに基づく作業者による入力部からの手書き文字に相当する文字データの入力を受け付ける処理)を実行する機能手段である。
【0019】
なお、手書き認識は、ストローク認識と比較すると、認識の対象となる画像データのデータ量が比較的少ないため、短時間で処理を実行できるという長所を有しているが、短所として、画像データの文字が不明瞭な場合に、文字を誤って認識する可能性がある。一方、ストローク認識は、手書き認識と比較すると、画像データの文字が不明瞭な場合であっても、文字の筆跡に基づいて文字認識するため、文字を正確に認識できる可能性が高いという長所を有しているが、短所として、認識の対象となるストロークデータのデータ量が比較的多いため、処理に時間を要する可能性がある。そのため、文字データ処理システムは、運用に応じて、例えば、文字を記載した機関の過去の手書き認識及びストローク認識の認識精度に応じて、用紙毎に、手書き認識修正処理、ストローク認識修正処理、及びイメージエントリ処理を使い分けることによって、文字データを効率よく(すなわち、短時間でかつ正確に)取得することが可能となる。
【0020】
データエントリ用装置は、データ取得部によって、振り分け装置から、用紙毎に、振り分け識別データ及び用紙の画像データと、振り分け識別データ及び用紙の画像データ及び手書き認識結果データと、振り分け識別データ及び用紙の画像データ及びストローク認識結果データとのいずれかの組み合わせを含むデータを取得する。用紙の画像データ、手書き認識結果データ、及びストローク認識結果データは、手書き認識修正処理、ストローク認識修正処理、及びイメージエントリ処理に用いられるデータである。
【0021】
データエントリ用装置は、振り分け処理部によって、用紙毎に、振り分け識別データに基づいて、手書き認識修正部とストローク認識修正部とイメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させる。
【0022】
したがって、この文字データ処理システムは、用紙毎に、手書き認識修正、ストローク認識修正及びイメージエントリ処理の中のいずれかの好適な処理を選択・実行する構成となっている。
【0023】
また、第2発明は、用紙に記載された手書き文字に相当する文字データを取得するために、実行すべき処理を振り分ける振り分け装置であって、前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得する手書き認識処理部と、前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得するストローク認識処理部と、前記用紙の画像データを取得する画像取得処理部と、前記手書き認識処理部によって取得された文字データを手書き認識結果データとし、前記ストローク認識処理部によって取得された文字データをストローク認識結果データとし、当該手書き認識結果データの認識精度データ及び当該ストローク認識結果データの認識精度データを格納する認識精度データ蓄積部と、用紙に記載された手書き文字を文字認識する場合に、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記手書き認識処理部と前記ストローク認識処理部と前記画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択し、当該選択した処理部に処理を振り分けて実行させる振り分け指示部と、前記手書き認識処理部によって取得された前記手書き認識結果データと、前記ストローク認識処理部によって取得された前記ストローク認識結果データと、前記画像取得処理部によって取得された前記用紙の画像データとを格納する文字・画像データ蓄積部と、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記用紙毎に、前記手書き認識結果データの修正処理、前記ストローク認識結果データの修正処理、及び、欠落している文字データの入力処理の中から、実行すべき処理を振り分けるための振り分け識別データを生成する振り分け識別データ生成部とを備える構成とする。
【0024】
なお、認識精度データは、過去の用紙に基づいて、手書き認識結果データ(すなわち、画素の並びに基づいて文字認識することによって取得された文字データ)の正誤率、及び、ストローク認識結果データ(すなわち、ストロークデータに基づいて文字認識することによって取得された文字データ)の正誤率を統計的に割り出したデータである。振り分け装置は、過去の認識精度データに基づいて、手書き認識処理部とストローク認識処理部と画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択し、選択した処理部に処理を実行させる。これによって、振り分け装置は、外部装置(ここでは、第3発明のデータエントリ用装置)に処理を実行させるためのデータとして、手書き認識結果データ、ストローク認識結果データ、及び画像データを選択的に取得する。また、振り分け装置は、過去の認識精度データに基づいて、振り分け識別データを生成する。これによって、振り分け装置は、外部装置の実行すべき処理を好適に振り分ける。
【0025】
また、第3発明は、用紙に記載された手書き文字を文字認識することによって取得された文字データの修正処理及び欠落している文字データの入力処理を行うデータエントリ用装置であって、前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データを手書き認識結果データとし、当該手書き認識結果データを表示手段に表示させて、作業者による入力部からの当該手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正部と、前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データをストローク認識結果データとし、当該ストローク認識結果データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの当該ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正部と、用紙の画像データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの前記欠落している文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理部と、実行すべき処理を識別するためのデータを振り分け識別データとし、外部から、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に取得した場合に、前記用紙毎に、当該振り分け識別データに基づいて、前記手書き認識修正部と前記ストローク認識修正部と前記イメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、当該振り分け識別データに組み合わされたデータを当該選択した修正部若しくは処理部に供給することにより、当該選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させる振り分け処理部とを備える構成とする。
【0026】
また、第4発明は、コンピュータを、用紙に記載された手書き文字に相当する文字データを取得するために、実行すべき処理を振り分ける振り分け装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得する手書き認識処理部と、前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得するストローク認識処理部と、前記用紙の画像データを取得する画像取得処理部と、前記手書き認識処理部によって取得された文字データを手書き認識結果データとし、前記ストローク認識処理部によって取得された文字データをストローク認識結果データとし、当該手書き認識結果データの認識精度データ及び当該ストローク認識結果データの認識精度データを格納する認識精度データ蓄積部と、用紙に記載された手書き文字を文字認識する場合に、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記手書き認識処理部と前記ストローク認識処理部と前記画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択し、当該選択した処理部に処理を振り分けて実行させる振り分け指示部と、前記手書き認識処理部によって取得された前記手書き認識結果データと、前記ストローク認識処理部によって取得された前記ストローク認識結果データと、前記画像取得処理部によって取得された画像データとを格納する文字・画像データ蓄積部と、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記用紙毎に、前記手書き認識結果データの修正処理、前記ストローク認識結果データの修正処理、及び、欠落している文字データの入力処理の中から、実行すべき処理を振り分けるための振り分け識別データを生成する振り分け識別データ生成部として機能させる構成とする。
【0027】
また、第5発明は、コンピュータを、用紙に記載された手書き文字を文字認識することによって取得された文字データの修正処理及び欠落している文字データの入力処理を行うデータエントリ用装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データを手書き認識結果データとし、当該手書き認識結果データを表示手段に表示させて、作業者による入力部からの当該手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正部と、前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データをストローク認識結果データとし、当該ストローク認識結果データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの当該ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正部と、用紙の画像データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの前記欠落している文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理部と、実行すべき処理を識別するためのデータを振り分け識別データとし、外部から、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に取得した場合に、前記用紙毎に、当該振り分け識別データに基づいて、前記手書き認識修正部と前記ストローク認識修正部と前記イメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、当該振り分け識別データに組み合わされたデータを当該選択した修正部若しくは処理部に供給することにより、当該選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させる振り分け処理部として機能させる構成とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0028】
第1発明によれば、文字データを短時間でかつ正確に取得することができる文字データ処理システムを、また、第2発明によれば、第1発明のシステムに供する振り分け装置を、また、第3発明によれば、第1発明のシステムに供するデータエントリ用装置を、また、第4発明によれば、第2発明の振り分け装置を実現するプログラムを、また、第5発明によれば、第3発明のデータエントリ用装置を実現するプログラムを、それぞれ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態に係る文字データ処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る用紙印刷指示装置の構成を示す図である。
【図3】実施形態に係る振り分け装置の構成を示す図(1)である。
【図4】実施形態に係る振り分け装置の構成を示す図(2)である。
【図5】実施形態に係る電子ペンデータ受信装置の構成を示す図である。
【図6】実施形態に係るデータエントリ用装置の構成を示す図である。
【図7】システム全体の動作を示すフローチャートである。
【図8】用紙印刷指示装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】電子ペンデータ受信装置の動作を示すフローチャートである。
【図10A】振り分け装置の動作を示すフローチャート(1)である。
【図10B】振り分け装置の動作を示すフローチャート(2)である。
【図11】振り分け装置の動作を示すフローチャート(3)である。
【図12】振り分け装置の動作を示すフローチャート(4)である。
【図13】データエントリ用装置の動作を示すフローチャート(1)である。
【図14】データエントリ用装置の動作を示すフローチャート(2)である。
【図15】データエントリ用装置の動作を示すフローチャート(3)である。
【図16】振り分け装置の動作を示すフローチャート(5)である。
【図17】用紙印刷指示装置の表示画面の一例を示す図である。
【図18】電子ペンデータ受信装置の表示画面の一例を示す図(1)である。
【図19】電子ペンデータ受信装置の表示画面の一例を示す図(2)である。
【図20】電子ペンデータ受信装置の表示画面の一例を示す図(3)である。
【図21】振り分け装置の表示画面の一例を示す図(1)である。
【図22】振り分け装置の表示画面の一例を示す図(2)である。
【図23】振り分け装置の表示画面の一例を示す図(3)である。
【図24】振り分け装置の表示画面の一例を示す図(4)である。
【図25】振り分け装置の表示画面の一例を示す図(5)である。
【図26】データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図(1)である。
【図27】データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図(2)である。
【図28】データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図(3)である。
【図29】データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図(4)である。
【図30】振り分け装置の表示画面の一例を示す図(6)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0031】
<文字データ処理システムの構成>
以下、図1を参照して、本実施形態に係る文字データ処理システムの構成につき説明する。図1は、本実施形態の文字データ処理システムの構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る文字データ処理システム100は、審査支払機関200で用いられる機器と、医療機関300で用いられる機器と、データエントリ業者400で用いられる機器とに分かれている。「審査支払機関200」とは、医療機関300から送付されたレセプト500aの記載内容を審査して、診療報酬の対価を医療機関300に支払う機関である。審査支払機関200としては、例えば、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会等がある。また、「医療機関300」とは、患者に、医療行為を行う機関(個人の医者の場合を含む)である。また、「データエントリ業者400」とは、レセプト500aに記載された文字(主に、診療報酬等の手書き文字)に相当する文字データのコンピュータへの入力処理及び修正処理を行う業者である。以下、入力処理及び修正処理を総称する場合に、「入力・修正処理」と称する。
【0033】
審査支払機関200で用いられる機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)210,240、プリンタ220、及びスキャナ230がある。なお、プリンタ220及びスキャナ230は、公知の装置であるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0034】
PC210は、プリンタ220と通信可能に接続されたコンピュータである。PC210は、記憶部214(図2参照)の図示せぬ格納部に、印刷処理用プログラム210aが格納されている。この印刷処理用プログラム210aは、PC210を用紙印刷指示装置(すなわち、プリンタ220に用紙の印刷を指示する装置)として機能させるためのプログラムである。
【0035】
PC210は、印刷処理用プログラム210aを実行することによって、例えば、図2に示す構成要素が構築される。このPC210は、印刷指示213a(図2参照)をプリンタ220に送信して、プリンタ220に、電子ペン専用紙500を印刷させる。以下、PC210を「用紙印刷指示装置210」と称する。用紙印刷指示装置210の具体的な構成については、図2を用いて後記する。なお、電子ペン専用紙500は、審査支払機関200から医療機関300に送付されて、医療機関300で文字が記入される用紙である。ここでは、文字が記入された電子ペン専用紙500を「レセプト500a」と称する。
【0036】
一方、PC240は、スキャナ230と通信可能に接続されたコンピュータである。PC240は、記憶部244(図3参照)の図示せぬ格納部に、振り分け処理用プログラム240aが格納されている。この振り分け処理用プログラム240aは、PC240を、データエントリ用装置410の実行すべき処理を振り分ける(選択・実行させる)装置として機能させるためのプログラムである。
【0037】
PC240は、振り分け処理用プログラム240aを実行することによって、例えば、図3に示す構成要素が構築される。このPC240は、スキャナ230を作動させて、レセプト500aの画像データ230a(図3及び図4参照)を取得する。また、このPC240は、データエントリ用装置410の実行すべき処理を振り分ける(選択・実行させる)ためのファイルデータ(以下、「振り分け識別データ256a(図3参照)」と称する)を生成する。以下、PC240を「振り分け装置240」と称する。振り分け装置240の具体的な構成については、図3及び図4を用いて後記する。
【0038】
医療機関300で用いられる機器としては、電子ペン310及び電子ペンデータ受信装置320がある。
【0039】
電子ペン310は、記載された文字の座標位置や文字の筆跡等を検出する機能が付加されたペンである。ここでは、電子ペン310は、電波を送信する機能が付加されて、電子ペンデータ受信装置320と組み合わされる装置として説明する。
電子ペン310は、文字が電子ペン専用紙500に記載されると、電子ペン専用紙500のページ毎に、記載された文字の筆跡(厳密には、文字の座標位置及び各時系列における文字を構成する画素)を検出して、検出した文字の筆跡を表すデータ(以下、「ストロークデータ」と称する)310aa(図5参照)を生成する。そして、電子ペン310は、電子ペン専用紙500の各ページに予め定められた固有のデータ(以下、「用紙固有データ」と称する)500Aa(図5参照)とそのストロークデータ310aaとを組み合わせて、記載された文字に関するデータ(以下、「電子ペンデータ」と称する)310a(図5参照)を生成し、生成した電子ペンデータ310aを電子ペンデータ受信装置320に送信する。なお、電子ペン310は、公知の装置であるので、ここでは、詳細な説明を省略する(例えば、特開平06−162120号公報参照)。
【0040】
一方、電子ペンデータ受信装置320は、電子ペン310から送信された電子ペンデータ310aを受信する装置である。電子ペンデータ受信装置320の具体的な構成については、図5を用いて後記する。
電子ペンデータ受信装置320は、受信した電子ペンデータ310aを内部の記憶部(具体的には、電子ペンデータ蓄積部314A(図5参照))に格納する。そして、電子ペンデータ受信装置320は、外部記憶媒体やネットワーク等を介して、記憶部に格納された電子ペンデータ310aを外部のコンピュータ(ここでは、審査支払機関200の振り分け装置240)に出力して、コンピュータに、電子ペンデータ310aに含まれているストロークデータ310aaに基づいて文字認識を行わせて文字データを取得させる。なお、ここでは、電子ペンデータ310aは、外部記憶媒体601(図1参照)に格納されて、医療機関300から審査支払機関200に送付されるものとして説明する。
【0041】
データエントリ業者400で用いられる機器としては、PC410がある。
PC410は、記憶部414(図6参照)の図示せぬ格納部に、エントリ処理用プログラム410aが格納されたコンピュータである。このエントリ処理用プログラム410aは、PC410をデータエントリ用装置(すなわち、文字データの入力・修正処理を行う装置)として機能させるためのプログラムである。PC410は、エントリ処理用プログラム410aを実行することによって、例えば、図6に示す構成要素が構築される。以下、PC410を「データエントリ用装置410」と称する。
【0042】
なお、審査支払機関200と医療機関300との間、及び、審査支払機関200とデータエントリ業者400との間では、以下の物品が送付される。
【0043】
審査支払機関200と医療機関300との間では、電子ペン専用紙500が、審査支払機関200から医療機関300に送付される。
また、審査支払機関200と医療機関300との間では、レセプト500a及び第1の外部記憶媒体601(以下、「第1記憶媒体601」と称する)が、医療機関300から審査支払機関200に送付される。なお、第1記憶媒体601は、電子ペンデータ310a(図5参照)が格納される記憶媒体である。第1記憶媒体601は、例えば、DVD等の光記録媒体、USBメモリ等のメモリ装置、SDカード等のメモリカード、その他の中から適宜選択可能な記憶手段として構成されている。
【0044】
一方、審査支払機関200とデータエントリ業者400との間では、第2の外部記憶媒体602(以下、「第2記憶媒体602」と称する)が、審査支払機関200からデータエントリ業者400に送付される。この第2記憶媒体602は、暗号化レセプトデータ244da(図3参照)及び暗号化振り分け識別データ256aa(図3参照)が格納される記憶媒体である。暗号化レセプトデータ244daは、レセプト500aに関するファイルデータ(以下、「レセプトデータ」と称する)244d(図3参照)が暗号化されたデータである。また、暗号化振り分け識別データ256aaは、実行すべき処理を振り分けるためのデータ(以下、「振り分け識別データ」と称する)256a(図3参照)が暗号化されたデータである。ここでは、振り分け識別データ256aは、後記する「イメージエントリ方式」フラグ、「ストローク認識不読修正方式」フラグ、及び「手書き認識不読修正方式」フラグの中のいずれかのフラグに設定されるものとして説明する。
【0045】
また、審査支払機関200とデータエントリ業者400との間では、第3の外部記憶媒体603(以下、「第3記憶媒体603」と称する)が、データエントリ業者400から審査支払機関200に送付される。この第3記憶媒体603は、暗号化更新レセプトデータ425aa(図3参照)が格納される記憶媒体である。暗号化更新レセプトデータ425aaは、最終的なデータとして本登録される文字データが含まれているレセプトデータ(以下、「更新レセプトデータ425a(図3参照)」と称する)が暗号化されたデータである。なお、以下、「最終的なデータとして本登録される文字データ」を、「最終的な文字データ」と称する。この「最終的な文字データ」は、文字データを必要とする機関(ここでは、審査支払機関)のコンピュータの記憶部(ここでは、振り分け装置240のレセプトデータ蓄積部244D)に本登録される。
【0046】
第2記憶媒体602及び第3記憶媒体603は、第1記憶媒体601と同様に、例えば、DVD等の光記録媒体、USBメモリ等のメモリ装置、SDカード等のメモリカード、その他の中から適宜選択可能な記憶手段として構成されている。
【0047】
<各機器の構成>
以下、図2乃至図6を参照して、用紙印刷指示装置の構成、振り分け装置の構成、電子ペンデータ受信装置の構成、及びデータエントリ用装置の構成を順に説明する。なお、図1に示す機器の中で、振り分け装置240とデータエントリ用装置410とが、本実施形態の特徴的な装置となっている。
【0048】
(用紙印刷指示装置の構成)
まず、図2を参照して、用紙印刷指示装置210の構成につき説明する。図2は、本実施形態の用紙印刷指示装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、用紙印刷指示装置210は、入力部211、表示部212、制御部213、及び記憶部214を有する構成となっている。なお、記憶部214には、前記した通り、図示せぬ格納部に、印刷処理用プログラム210a(図1参照)が格納されている。
【0049】
制御部213は、電子ペン専用紙印刷指示部213Aを備えている。電子ペン専用紙印刷指示部213Aは、プリンタ220に電子ペン専用紙500の印刷を指示する機能手段である。
【0050】
また、記憶部214は、用紙レイアウトデータ蓄積部214Aを備えている。用紙レイアウトデータ蓄積部214Aは、用紙のレイアウトデータ(ここでは、厚生労働省によって規定された診療報酬明細書のレイアウトデータ)が予め格納される記憶手段である。なお、診療報酬明細書のレイアウトについては、例えば、社会保険診療報酬支払基金のホームページに開示されている(具体的には、社会保険診療報酬支払基金のホームページの様式集(http://www.ssk.or.jp/yoshiki/index.html)の「業務統計関係」欄の「診療報酬明細書(医科入院)」、「診療報酬明細書(医科入院外)」、「診療報酬明細書(歯科)」、及び「調剤診療報酬明細書」参照)。
【0051】
(振り分け装置の構成)
次に、図3及び図4を参照して、振り分け装置240の構成につき説明する。図3及び図4は、本実施形態の振り分け装置の構成を示すブロック図である。図3は、振り分け装置240の全体の構成を示しており、図4は、振り分け装置240の記憶部244の構成を示している。
図3に示すように、振り分け装置240は、入力部241、表示部242、制御部243、及び記憶部244を有する構成となっている。なお、振り分け装置240は、文字データに基づいて診療報酬の対価を計算するための構成要素を有しているが、ここでは、その構成要素については説明を省略する。
【0052】
制御部243は、データ取得部251、振り分け指示部252、手書き認識処理部253、ストローク認識処理部254、画像取得処理部255、振り分け識別データ生成部256、暗号化処理部257、データ出力部258、復号化処理部259、及びデータ格納処理部260としての各機能を実現する。
【0053】
データ取得部251は、図示せぬI/Oインタフェースを介して、第1記憶媒体601からデータ(ここでは、電子ペンデータ310a)を取得する機能手段である。
振り分け指示部252は、後続の手書き認識処理部253とストローク認識処理部254と画像取得処理部255との中からいずれか好適な処理部を選択し、選択した処理部に処理を振り分けて実行させる機能手段である。以下、好適な処理部を選択し、選択した処理部に処理を振り分けて実行させる処理を、「データ入力方式振り分け処理」と称する。
【0054】
手書き認識処理部253、ストローク認識処理部254、及び画像取得処理部255は、それぞれ、データエントリ用装置410に入力・修正処理を選択的に行わせる際に用いられるデータを生成するための機能手段である。
【0055】
具体的には、手書き認識処理部253は、手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、手書き文字を文字認識することによって文字データを取得する機能手段である。以下、画素の並びに基づいて文字認識することを、「手書き認識(又は、パタン認識)」と称し、また、この手書き認識によって取得された文字データを、「手書き認識結果データ」と称する。なお、手書き認識は、認識の対象となる画像データ230aのデータ量が比較的少ないため、短時間で処理を実行できるという長所を有しているが、短所として、画像データ230aの文字が不明瞭な場合に、文字を誤って認識する可能性がある。
【0056】
また、ストローク認識処理部254は、ストロークデータ(すなわち、検出した文字の筆跡(厳密には、文字の座標位置及び各時系列における文字を構成する画素)を表すデータ)に基づいて、手書き文字を文字認識することによって文字データを取得する機能手段である。以下、ストロークデータに基づいて文字認識することを、「ストローク認識」と称し、また、このストローク認識によって取得された文字データを、「ストローク認識結果データ」と称する。なお、ストローク認識は、画像データ230aの文字が不明瞭な場合であっても、文字の筆跡に基づいて文字認識するため、文字を正確に認識できる可能性が高いという長所を有しているが、短所として、認識の対象となるストロークデータ310aのデータ量が比較的多いため、処理に時間を要する可能性がある。
【0057】
また、画像取得処理部255は、用紙(ここでは、レセプト500a)の画像データを取得する機能手段である。
振り分け識別データ生成部256は、認識精度データ蓄積部244Bに格納された過去の認識精度データ244b(図4参照)に基づいて、実行すべき処理を振り分けるための振り分け識別データ256a(図3参照)を生成する機能手段である。
【0058】
暗号化処理部257は、予め定められたアルゴリズムに基づいてデータを暗号化処理する機能手段である。
データ出力部258は、データ(ここでは、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を第2記憶媒体602に格納させる機能手段である。
復号化処理部259は、予め定められたアルゴリズムに基づいてデータを復号化処理する機能手段である。
データ格納処理部260は、データ(ここでは、更新レセプトデータ425a)を記憶部244(ここでは、レセプトデータ蓄積部244D)に格納させる機能手段である。
【0059】
記憶部244は、用紙対応医療機関テーブルデータ蓄積部244A、認識精度データ蓄積部244B、電子ペンデータ蓄積部244C、及びレセプトデータ蓄積部244Dを備えている。なお、記憶部244には、前記した通り、図示せぬ格納部に、振り分け処理用プログラム240a(図1参照)が格納されている。
【0060】
用紙対応医療機関テーブルデータ蓄積部244A(以下、適宜「テーブルデータ蓄積部244A」と称する)は、用紙対応医療機関テーブルデータ244a(図4(a)参照)を格納する記憶手段である。「用紙対応医療機関テーブルデータ244a」とは、図4(a)に示すように、用紙固有データ500Aaと医療機関番号データ244abとが1対1で対応付けられたテーブルデータである。なお、「用紙固有データ500Aa」とは、電子ペン専用紙500の各ページに予め定められた固有のデータである。この用紙固有データ500Aaは、例えば、ユニークな固有データ(具体的には、シリアル番号)として、電子ペン専用紙500の各ページに印刷されている。また、「医療機関番号データ244ab」とは、医療機関(ただし、個々の医者単位の場合もある)毎に割り振られた番号を表すデータである。振り分け装置240は、用紙対応医療機関テーブルデータ244aが用紙固有データ500Aaと医療機関番号データ244abとを1対1で対応付けているので、各レセプト500aに対して、どの医療機関(個人の医者の場合を含む)300から送付されたレセプトであるのかを認識することができる。
【0061】
認識精度データ蓄積部244Bは、各医療機関300の過去の認識精度データ244b(図4(b)参照)を格納する記憶手段である。「認識精度データ244b」とは、医療機関300から送付された過去のレセプト500aに基づいて、手書き認識結果データ(すなわち、画素の並びに基づいて文字認識することによって取得された文字データ)の正誤率、及び、ストローク認識結果データ(すなわち、ストロークデータに基づいて文字認識することによって取得された文字データ)の正誤率を統計的に割り出したデータである。なお、正誤率は過去の認識率と修正率から割り出した率である。以下、手書き認識結果データの正誤率を表すデータを「手書き認識精度データ244ba」と称し、ストローク認識結果データの正誤率を表すデータを「ストローク認識精度データ244bb」と称する。
【0062】
図4(b)に示す例では、認識精度データ244bは、医療機関番号データ244abと手書き認識精度データ244baとストローク認識精度データ244bbとが対応付けられている。この認識精度データ244bは、例えば、以下のようにして、任意のタイミングで、更新される。すなわち、データエントリ業者400(又は審査支払機関200)が、いずれかの時点で、各医療機関300から送付された複数のレセプト500aを対象にして手書き認識及びストローク認識を行って、手書き認識結果データ及びストローク認識結果データを取得する。そして、データエントリ業者400(又は審査支払機関200)は、それぞれデータの正誤を検証することによって、最新の認識精度データ244bを算出し、その最新の認識精度データ244bを認識精度データ蓄積部244Bに格納させる。これによって、認識精度データ244bが、更新される。
【0063】
電子ペンデータ蓄積部244Cは、第1記憶媒体601から取得された各医療機関300の電子ペンデータ310a(図4(c)参照)を格納する記憶手段である。この電子ペンデータ蓄積部244Cは、「課題を解決するための手段」に記載された「ストロークデータ蓄積部」として機能する。
電子ペンデータ蓄積部244Cは、図4(c)に示すように、電子ペンデータ310aとして、用紙固有データ500Aaとストロークデータ310aaとが対応付けられたデータを格納する。
【0064】
レセプトデータ蓄積部244Dは、レセプトデータ244d(図4(d)参照)を格納する記憶手段である。このレセプトデータ蓄積部244Dは、「課題を解決するための手段」に記載された「文字・画像データ蓄積部」として機能する。
レセプトデータ蓄積部244Dは、図4(d)に示すように、レセプトデータ244dとして、レセプト500aの画像データ230a、手書き認識結果データ253a、及びストローク認識結果データ254aを格納する。ここでは、ストローク認識結果データ254aは、ストロークデータ310aaをストローク認識することによって取得された文字データに加え、当該文字データに対応するストロークデータ310aaも含んでいるものとして説明する。
【0065】
なお、図4(d)に示す例では、用紙固有データ500Aaと手書き認識処理部253によって取得された画像データ230aと手書き認識結果データ253aとが組み合わされたデータを、レセプトデータ244dAとし、用紙固有データ500Aaとストローク認識処理部254によって取得された画像データ230aとストローク認識結果データ254aとが組み合わされたデータを、レセプトデータ244dBとし、用紙固有データ500Aaと画像取得処理部255によって取得された画像データ230aとが組み合わされたデータを、レセプトデータ244dCとし、レセプトデータ244dは、これらレセプトデータ244dA、レセプトデータ244dB、及びレセプトデータ244dCを含むデータであるものとして説明する。
【0066】
(電子ペンデータ受信装置の構成)
次に、図5を参照して、電子ペンデータ受信装置320の構成につき説明する。図5は、本実施形態の電子ペンデータ受信装置の構成を示すブロック図である。電子ペンデータ受信装置320は、公知の装置であるので、ここでは、概略を説明する。
図5に示すように、電子ペンデータ受信装置320は、入力部311、表示部312、制御部313、記憶部314、及び電子ペンデータ受信部315を有する構成となっている。なお、電子ペンデータ受信部315は、電子ペン310から電子ペンデータ310aを受信するための構成要素である。
【0067】
制御部313は、電子ペンデータ格納処理部313A及びデータ出力部313Bを備えている。電子ペンデータ格納処理部313Aは、電子ペン310から受信した電子ペンデータ310aを電子ペンデータ蓄積部314Aに格納させる機能手段である。データ出力部313Bは、電子ペンデータ310aを第1記憶媒体601に格納させる機能手段である。
【0068】
また、記憶部314は、電子ペンデータ蓄積部314Aを備えている。電子ペンデータ蓄積部314Aは、電子ペンデータ310aが格納される記憶手段である。この電子ペンデータ310aには、前記した通り、用紙固有データ500Aa(すなわち、電子ペン専用紙500の各ページに予め定められた固有のデータ)及びストロークデータ310aa(すなわち、記載された文字の座標位置やその筆跡等を表すデータ)が含まれている。
【0069】
(データエントリ用装置の構成)
次に、図6を参照して、データエントリ用装置410の構成につき説明する。図6は、本実施形態のデータエントリ用装置の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、データエントリ用装置410は、入力部411、表示部412、制御部413、及び記憶部414を有する構成となっている。なお、記憶部414には、前記した通り、図示せぬ格納部に、エントリ処理用プログラム410a(図1参照)が格納されている。
【0070】
制御部413は、データ取得部421、復号化処理部422、データ格納処理部423、振り分け処理部424、データ入力部425、データ読取部426、暗号化処理部427、及びデータ出力部428としての各機能を実現する。
【0071】
データ取得部421は、図示せぬI/Oインタフェースを介して、第2記憶媒体602からデータ(ここでは、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を取得する機能手段である。
復号化処理部422は、予め定められたアルゴリズムに基づいてデータを復号化処理する機能手段である。
データ格納処理部423は、データを記憶部414に格納させる機能手段である。ここでは、データ格納処理部423は、レセプトデータ244dをレセプトデータ蓄積部414Aに、また、振り分け識別データ256aを振り分け識別データ蓄積部414Bに格納させる。
【0072】
振り分け処理部424は、実行すべき処理を振り分ける機能手段である。振り分け処理部424は、後続のデータ入力部425に設けられたイメージエントリ処理部431と手書き認識修正部432とストローク認識修正部433との中からいずれか好適な修正部又は処理部を選択し、選択した修正部又は処理部に処理を振り分けて実行させる。
【0073】
データ入力部425は、文字データの入力・修正処理を行う機能手段である。
データ入力部425は、イメージエントリ処理部431、手書き認識修正部432、及びストローク認識修正部433を備えている。「イメージエントリ処理部431」は、作業者による入力部411からの欠落している文字データ(すなわち、未入力な状態の文字データ)の入力を受け付ける機能手段である。イメージエントリ処理部431は、表示部412に画像データ230aを表示させる。そして、イメージエントリ処理部431は、作業者が入力部411を操作してその画像データ230aに含まれている文字に対応する文字データを入力した場合に、その文字データを受け付ける。「手書き認識修正部432」は、作業者による入力部411からの手書き認識結果データの修正を受け付ける機能手段である。手書き認識修正部432は、表示部412に手書き認識結果データ253aを表示させる。そして、手書き認識修正部432は、作業者が入力部411を操作してその手書き認識結果データ253aを正しい文字データに修正した場合に、その文字データを受け付ける。「ストローク認識修正部433」は、作業者による入力部411からのストローク認識結果データの修正を受け付ける機能手段である。ストローク認識修正部433は、表示部412にストローク認識結果データ254aを表示させる。そして、ストローク認識修正部433は、作業者が入力部411を操作してそのストローク認識結果データ254aを正しい文字データに修正した場合に、その文字データを受け付ける。
【0074】
データ読取部426は、レセプトデータ蓄積部414Aからデータ(ここでは、更新レセプトデータ425a)を読み取る機能手段である。
暗号化処理部427は、予め定められたアルゴリズムに基づいてデータを暗号化処理する機能手段である。
データ出力部428は、データ(ここでは、暗号化更新レセプトデータ425aa)を第3記憶媒体603に格納させる機能手段である。
【0075】
また、記憶部414は、レセプトデータ蓄積部414A及び振り分け識別データ蓄積部414Bを備えている。「レセプトデータ蓄積部414A」は、振り分け装置240によって生成されたレセプトデータ244d及びデータエントリ用装置410によって取得された最終的な文字データを含む更新レセプトデータ425a(すなわち、データ入力部425のイメージエントリ処理部431によって受け付けられた入力文字データ、データ入力部425の手書き認識修正部432によって受け付けられた修正文字データ、及びデータ入力部425のストローク認識修正部433によって受け付けられた修正文字データ)を格納する記憶手段である。「振り分け識別データ蓄積部414B」は、振り分け装置240によって生成された振り分け識別データ256aを格納する記憶手段である。
【0076】
<文字データ処理システムの動作>
以下、図7及び図1を参照して、本実施形態に係る文字データ処理システム100の動作につき説明する。図7は、システム全体の動作を示すフローチャートである。ここでは、システム全体の動作の概要を説明し、各動作の詳細については、図8乃至図30を参照して、後記する。
なお、一連の動作において、各装置は、図示せぬタイマによって計測された時間に基づいて動作する。また、各装置の一連の動作は、各装置の格納部に読み出し自在に予め格納されたプログラムによって規定されている。また、装置間の通信は、受信側の装置が通信によって受信されたデータを格納部に一旦格納し、その後に、データを格納部から読み出すことによって、行われる。以下、これらの点については、情報処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
【0077】
図7に示すように、文字データ処理システム100は、まず、審査支払機関200の用紙印刷指示装置210が、プリンタ220に、用紙(ここでは、電子ペン専用紙500(図2参照))を印刷させる(S10)。審査支払機関200は、印刷された電子ペン専用紙500を医療機関300に送付する。
【0078】
医療機関300では、レセプト500aの作成時に、医療機関300の医者が、電子ペン310で所定の事項(主に、診療報酬等)を電子ペン専用紙500に記入する。このとき、電子ペンデータ受信装置320が、電子ペン310から送信された電子ペンデータ310a(図5参照)を受信(取得)し(S15)、電子ペンデータ310aを第1記憶媒体601に格納させる(S20)。医療機関300は、レセプト500a(すなわち、記入済みの電子ペン専用紙500)及び第1記憶媒体601を審査支払機関200に送付する。
【0079】
審査支払機関200では、振り分け装置240が、第1記憶媒体601から電子ペンデータ310aを読み取る(S25)。この後、振り分け装置240は、所定の工程を経て、レセプトデータ244d(図3及び図4参照)を生成し(S30)、さらに、振り分け識別データ256a(図3参照)を生成して(S35)、生成されたレセプトデータ244d及び振り分け識別データ256a(ただし、実際には暗号化された暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を第2記憶媒体602に格納させる(S40)。審査支払機関200は、第2記憶媒体602をデータエントリ業者400に送付する。
【0080】
データエントリ業者400では、データエントリ用装置410が、第2記憶媒体602からレセプトデータ244d及び振り分け識別データ256a(ただし、実際には暗号化された暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を読み取る(S45)。この後、データエントリ用装置410は、所定の工程を経て、更新レセプトデータ425a(図6参照)を生成し(S50)、更新レセプトデータ425a(ただし、実際には暗号化された暗号化更新レセプトデータ425aa)を第3記憶媒体603に格納させる(S55)。データエントリ業者400は、第3記憶媒体603を審査支払機関200に送付する。
【0081】
審査支払機関200では、振り分け装置240が、第3記憶媒体603から更新レセプトデータ425aを読み取る(S60)。この後、振り分け装置240は、所定の工程を経て、更新レセプトデータ425aに含まれている文字データを最終的なデータとして記憶部244(具体的には、レセプトデータ蓄積部244D)に本登録する(S65)。
これにより、文字データ処理システム100は、図7に示す処理を終了する。
【0082】
<各機器の動作>
以下、図8乃至図30を参照して、図7に示すS10からS65までの動作の詳細を説明する。なお、一連の動作の中で、振り分け装置240とデータエントリ用装置410の動作が、本実施形態の特徴的な動作となっている。
【0083】
(用紙印刷指示装置の用紙印刷時の動作)
まず、図8及び図17を参照して、図7に示すS10(「用紙印刷」)の動作につき説明する。図8は、用紙印刷指示装置の動作を示すフローチャートである。また、図17は、用紙印刷指示装置の表示画面の一例を示す図である。
【0084】
図8に示すように、審査支払機関200では、図7に示すS10(「用紙印刷」)の動作時に、審査支払機関200の作業者が、用紙印刷指示装置210の電源を投入する。これにより、用紙印刷指示装置210は、動作を開始する。
【0085】
用紙印刷指示装置210は、まず、初期画面として、用紙印刷メニュー画面SC11(図17参照)を表示する(S105)。用紙印刷メニュー画面SC11には、「点数表」キーSC11a及び「印刷」キーSC11bが表示されている。点数表キーSC11aは、用紙のレイアウトデータ(ここでは、厚生労働省によって規定された診療報酬明細書のレイアウトデータ)を指定するためのキーである。また、印刷キーSC11bは、プリンタ220に印刷を実行させるためのキーである。
【0086】
作業者は、用紙印刷指示装置210の入力部211(図2参照)を操作して、所望の用紙に該当する点数表キーSC11aを入力し、さらに、印刷キーSC11bを入力する。すると、用紙印刷指示装置210は、図示せぬ検出手段によって、キーSC11a,11bの入力を検出する(S110)。このとき、用紙印刷指示装置210は、電子ペン専用紙印刷指示部213Aが、入力された点数表キーSC11aに該当する電子ペン専用紙500のレイアウトデータ214a(図2参照)を用紙レイアウトデータ蓄積部214A(図2参照)から読み取る(S115)。そして、電子ペン専用紙印刷指示部213Aは、レイアウトデータ214aに基づいて、印刷指示213a(図2参照)を生成して、図示せぬI/Oインタフェースを介して、プリンタ220に送信する。これにより、用紙印刷指示装置210は、プリンタ220に、所定の様式に規定された電子ペン専用紙500を印刷させる(S120)。
そして、用紙印刷指示装置210は、図8に示す処理を終了する。なお、審査支払機関200は、電子ペン専用紙500を医療機関300に送付する。
【0087】
(電子ペンデータ受信装置の電子ペンデータ取得・電子ペンデータの第1記憶媒体への格納時の動作)
次に、図9、及び、図18乃至図20を参照して、図7に示すS15(「電子ペンデータ取得」)からS20(「電子ペンデータの第1記憶媒体への格納」)までの動作につき説明する。図9は、電子ペンデータ受信装置の動作を示すフローチャートである。また、図18乃至図20は、それぞれ、電子ペンデータ受信装置の表示画面の一例を示す図である。
【0088】
図9に示すように、医療機関300では、図7に示すS15(「電子ペンデータ取得」)の動作時に、医療機関300の作業者(主に、医者)が、電子ペンデータ受信装置320の電源を投入する。これにより、電子ペンデータ受信装置320は、動作を開始する。
【0089】
電子ペンデータ受信装置320は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC21(図18参照)を表示する(S205)。メインメニュー画面SC21には、「電子ペンデータ受信」キーSC21a及び「外部記憶媒体データ出力」キーSC21bが表示されている。電子ペンデータ受信キーSC21aは、電子ペンデータ受信部315(図5参照)を作動させて電子ペン310から電子ペンデータ310aを受信するモード(以下、「受信モード」と称する)を選択するためのキーである。また、外部記憶媒体データ出力キーSC21bは、電子ペンデータ310aを第1記憶媒体601に格納させるモード(以下、「格納モード」と称する)を選択するためのキーである。
【0090】
医者は、電子ペンデータ受信装置320の入力部311(図5参照)を操作して、メインメニュー画面SC21に表示されている電子ペンデータ受信キーSC21aを入力する。すると、電子ペンデータ受信装置320は、図示せぬ検出手段によって、キーSC21aの入力を検出し(S210)、電子ペンデータ受信メニュー画面SC22(図19参照)を表示する(S215)。この電子ペンデータ受信メニュー画面SC22には、「データ受信」キーSC22aが表示されている。データ受信キーSC22aは、受信モードを実行させるためのキーである。
【0091】
医者は、データ受信キーSC22aを入力する。すると、電子ペンデータ受信装置320は、キーSC22aの入力を検出する(S220)。このとき、電子ペンデータ受信装置320は、電子ペンデータ受信部315が、電子ペンデータ310aの受信(取得)を開始し(S225)、電子ペンデータ格納処理部313Aが、受信された電子ペンデータ310aを電子ペンデータ蓄積部314Aに格納させる(S230)。
【0092】
医者は、レセプト500aの作成が終了すると、入力部311(図5参照)を操作して、電子ペンデータ受信装置320に、メインメニュー画面SC21の表示を指示する。この指示は、例えば、電子ペンデータ受信メニュー画面SC22に表示された「メインメニューへ戻る」キー(以下、「復帰キー」と称する)を入力することにより、行われる。電子ペンデータ受信装置320は、この指示に応答して、メインメニュー画面SC21を表示する(S235)。
【0093】
医者は、入力部311(図5参照)を操作して、メインメニュー画面SC21に表示されている外部記憶媒体データ出力キーSC21bを入力する。すると、電子ペンデータ受信装置320は、キーSC21bの入力を検出し(S240)、外部記憶媒体データ出力メニュー画面SC23(図20参照)を表示する(S245)。この外部記憶媒体データ出力メニュー画面SC23には、「データ出力」キーSC23aが表示されている。データ出力キーSC23aは、格納モードを実行させるためのキーである。
【0094】
医者は、データ出力キーSC23aを入力する。すると、電子ペンデータ受信装置320は、キーSC23aの入力を検出する(S250)。このとき、電子ペンデータ受信装置320は、データ出力部313Bが、電子ペンデータ蓄積部314Aから電子ペンデータ310aが読み取り(S255)、電子ペンデータ310aを第1記憶媒体601に格納させる(S260)。
そして、電子ペンデータ受信装置320は、図9に示す処理を終了する。なお、医療機関300は、レセプト500a(すなわち、所定の事項が記入された電子ペン専用紙500)及び第1記憶媒体601を、審査支払機関200に送付する。
【0095】
(振り分け装置の第1記憶媒体からの電子ペンデータ読取・レセプトデータ生成時の動作)
次に、図10A、図10B、及び、図21乃至図23を参照して、図7に示すS25(「第1記憶媒体からの電子ペンデータ読取」)からS30(「レセプトデータ生成」)までの動作につき説明する。図10A及び図10Bは、それぞれ、振り分け装置の動作を示すフローチャートである。また、図21乃至図23は、それぞれ、振り分け装置の表示画面の一例を示す図である。
【0096】
図10A及び図10Bに示すように、審査支払機関200では、医療機関300からレセプト500a及び第1記憶媒体601が送付されると、審査支払機関200の作業者が、振り分け装置240の電源を投入する。これにより、振り分け装置240は、図10A及び図10Bに示す動作を開始する。
【0097】
振り分け装置240は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC31(図21参照)を表示する(S305)。メインメニュー画面SC31には、「外部記憶媒体データ読取(医療機関から)」キーSC31a、「データ入力方式振り分け処理」キーSC31b、「振り分け識別データ生成」キーSC31c、「外部記憶媒体データ出力」キーSC31d、及び「外部記憶媒体データ読取(エントリ業者から)」キーSC31eが表示されている。
【0098】
「外部記憶媒体データ読取(医療機関から)」キーSC31aは、外部記憶媒体(ここでは、第1記憶媒体601)からデータ(ここでは、電子ペンデータ310a)を取得するためのキーである。また、「データ入力方式振り分け処理」キーSC31bは、データエントリ用装置410に入力・修正処理を実行させる際に用いられるデータ(具体的には、画像データ230a、手書き認識結果データ253a、及びストローク認識結果データ254a)を生成するためのキーである。また、「振り分け識別データ生成」キーSC31cは、振り分け装置240に振り分け識別データ256aを生成させるためのキーである。また、「外部記憶媒体データ出力」キーSC31dは、データ(ここでは、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を外部記憶媒体(ここでは、第2記憶媒体602)に格納させるためのキーである。また、「外部記憶媒体データ読取(エントリ業者から)」キーSC31eは、第3記憶媒体603からデータ(ここでは、暗号化更新レセプトデータ425aa)を取得するためのキーである。
【0099】
作業者は、振り分け装置240の入力部241(図3参照)を操作して、「外部記憶媒体データ読取(医療機関から)」キーSC31aを入力する。すると、振り分け装置240は、図示せぬ検出手段によって、キーSC31aの入力を検出し(S310)、外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC32(図22参照)を表示する(S315)。この外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC32には、「データ読取」キーSC32aが表示されている。データ読取キーSC32aは、外部記憶媒体(ここでは、第1記憶媒体601)からのデータ(ここでは、電子ペンデータ310a)の読み取りを実行させるためのキーである。
【0100】
作業者は、データ読取キーSC32aを入力する。すると、振り分け装置240は、キーSC32aの入力を検出する(S320)。このとき、振り分け装置240は、データ取得部251が、図示せぬI/Oインタフェースを介して、第1記憶媒体601から電子ペンデータ310aを読み取り(S325)、電子ペンデータ310aを電子ペンデータ蓄積部244Cに格納させる(S330)。
【0101】
振り分け装置240は、電子ペンデータ310aの電子ペンデータ蓄積部244Cへの格納が終了すると、メインメニュー画面SC31(図21参照)を表示する(S335)。
【0102】
作業者は、データ入力方式振り分け処理キーSC31bを入力する。すると、振り分け装置240は、キーSC31bの入力を検出し(S340)、データ入力方式振り分け処理メニュー画面SC33(図23参照)を表示する(S345)。このデータ入力方式振り分け処理メニュー画面SC33には、「処理開始」キーSC33aが表示されている。処理開始キーSC33aは、データ入力方式振り分け処理(すなわち、好適な処理部を選択し、選択した処理部に処理を振り分けて実行させる処理)を実行させるためのキーである。
【0103】
作業者は、処理開始キーSC33aを入力する。すると、振り分け装置240は、キーSC33aの入力を検出する(S350)。このとき、振り分け装置240は、振り分け指示部252が、電子ペンデータ蓄積部244C(図4(c)参照)から電子ペンデータ310aを読み取る(S355)。そして、振り分け指示部252は、用紙対応医療機関テーブルデータ蓄積部244A(図4(a)参照)に格納された用紙対応医療機関テーブルデータ244aを参照して、電子ペンデータ310aに含まれている用紙固有データ500Aaに対応する医療機関番号データ244abを検索し(S360)、さらに、認識精度データ蓄積部244B(図4(b)参照)に格納された認識精度データ244bを参照して、S360で検索された医療機関番号データ244abに対応する認識精度データ244b(ここでは、手書き認識精度データ244ba及びストローク認識精度データ244bbの双方)を検索する(S365)。
【0104】
S365の後、振り分け指示部252は、S365で検索された認識精度データ244bと予め定められた閾値とを比較し(S370)、認識精度データ244bが閾値より大きいか否かを判定する(S375)。このS375の判定では、手書き認識精度データ244ba及びストローク認識精度データ244bbの双方が、それぞれに対して予め定められた閾値より大きいか否かを判定するものとして説明する。しかしながら、運用によっては、いずれか一方の認識精度データ244bのみで判定することも可能である。
【0105】
S375の判定で、認識精度データ244bが閾値より大きいと判定された場合(“Yes”の場合)に、振り分け指示部252は、S365で検索されたストローク認識精度データ244bb(図4(b)参照)と手書き認識精度データ244ba(図4(b)参照)とを比較する(S380)。
【0106】
一方、S375の判定で、認識精度データ244bが閾値以下と判定された場合(“No”の場合)に、振り分け指示部252は、処理を画像取得処理部255(図3参照)に振り分けることを決定する。そして、振り分け指示部252は、処理指示252a(図3参照)を生成して、画像取得処理部255に出力し、画像取得処理部255を起動させる(S385)。この処理指示252aには、個々のレセプト500aを指定するための指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)を含んでいる。後続の構成要素(ここでは、手書き認識処理部253、ストローク認識処理部254、及び画像取得処理部255)は、この指定データに指定されたレセプト500aに対して、所定の処理を行う。
【0107】
画像取得処理部255は、処理指示252aに応答して、画像取得処理を実行する(S390)。具体的には、画像取得処理部255は、スキャナ230を作動させて、処理指示252aに含まれている指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)によって指定されたレセプト500a毎に、レセプト500aの画像データ230aを取得する(S390)。なお、ここでは、スキャナ230は、連続読み取り機能を有する装置であるものとする。そして、画像取得処理部255は、指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)とレセプト500aの画像データ230aとを組み合わせて、レセプトデータ244dC(図4(d)参照)として、レセプトデータ蓄積部244Dに格納させる(S395)。これにより、振り分け装置240は、図10A及び図10Bに示す処理を終了する。
【0108】
S380の後、振り分け指示部252は、ストローク認識精度データ244bb(図4(b)参照)が手書き認識精度データ244ba(図4(b)参照)より大きいか否かを判定する(S400)。
【0109】
S400の判定で、ストローク認識精度データ244bbが手書き認識精度データ244baより大きいと判定された場合(“Yes”の場合)に、振り分け指示部252は、処理をストローク認識処理部254(図3参照)に振り分けることを決定する。そして、振り分け指示部252は、処理指示252a(図3参照)を生成して、ストローク認識処理部254に出力し、ストローク認識処理部254を起動させる(S405)。また、このとき、振り分け指示部252は、電子ペンデータ蓄積部244C(図4(c)参照)から読み出された電子ペンデータ310aをストローク認識処理部254に出力する。
【0110】
ストローク認識処理部254は、処理指示252aに応答して、ストローク認識処理を実行する(S410)。具体的には、ストローク認識処理部254は、スキャナ230を作動させて、処理指示252aに含まれている指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)によって指定されたレセプト500a毎に、レセプト500aの画像データ230aを取得する。また、ストローク認識処理部254は、指定データによって指定されたレセプト500a毎に、電子ペンデータ310aからストロークデータ310aaを抽出し、ストロークデータ310aaに基づいて文字認識して、各レセプト500aに記載された文字(主に、診療報酬等)に相当する文字データを生成する。これにより、ストローク認識処理部254は、ストロークデータ310aaに相当する文字データを取得する。このとき、ストローク認識処理部254は、文字認識できなかった文字データや誤って認識された可能性の高い文字データがある場合に、これらの文字が不読部分の文字であることを表すフラグ(以下、「不読フラグ」と称する)をこれらの文字に対応付けて、文字データを生成する。
【0111】
なお、「不読」とは、文字認識が適正にできないことを意味している。「不読」は、例えば、文字辞書(図示せず)の中から候補となる文字を検索できなかったり、候補となる文字群の中から一意の文字を特定できなかったりすることにより、生じる。「不読」は、例えば、認識対象のデータの特徴量が不足している場合や、認識対象のデータに異常がある場合に、生じ易い。不読フラグが対応付けられた文字は、表示部(具体的には、振り分け装置240の表示部242やデータエントリ用装置410の表示部412)に表示された場合に、他の文字から区別された状態で表示される。例えば、文字認識されていない文字は、他の文字と異なる色に着色されたスペースとして表示される。
【0112】
ストローク認識処理部254は、ストロークデータ310aaに相当する文字データを生成すると、ストロークデータ310aaと、このストロークデータ310aaに相当する文字データとを組み合わせることにより、ストローク認識結果データ254aを取得する。
【0113】
この後、ストローク認識処理部254は、指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)とレセプト500aの画像データ230aとストローク認識結果データ254aとを組み合わせて、レセプトデータ244dB(図4(d)参照)として、レセプトデータ蓄積部244Dに格納させる(S415)。これにより、振り分け装置240は、図10A及び図10Bに示す処理を終了する。
【0114】
一方、S400の判定で、ストローク認識精度データ244bbが手書き認識精度データ244ba以下と判定された場合(“No”の場合)に、振り分け装置240は、振り分け指示部252が、処理を手書き認識処理部253(図3参照)に振り分けることを決定する。そして、振り分け指示部252は、処理指示252a(図3参照)を生成して、手書き認識処理部253に出力し、手書き認識処理部253を起動させる(S420)。
【0115】
手書き認識処理部253は、処理指示252aに応答して、手書き認識処理を実行する(S425)。具体的には、手書き認識処理部253は、スキャナ230を作動させて、処理指示252aに含まれている指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)によって指定されたレセプト500a毎に、レセプト500aの画像データ230aを取得する。また、手書き認識処理部253は、指定データによって指定されたレセプト500a毎に、画像データ230aに基づいて文字認識して、各レセプト500aに記載された文字(主に、診療報酬等)に相当する文字データを生成する。このとき、手書き認識処理部253は、文字認識できなかった文字データや誤って認識された可能性の高い文字データがある場合に、不読フラグ(すなわち、これらの文字が不読部分の文字であることを表すフラグ)をこれらの文字に対応付けて、文字データを生成する。これにより、手書き認識処理部253は、手書き認識結果データ253aを取得する。
【0116】
この後、手書き認識処理部253は、指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)とレセプト500aの画像データ230aと手書き認識結果データ253aとを組み合わせて、レセプトデータ244dA(図4(d)参照)として、レセプトデータ蓄積部244Dに格納させる(S430)。これにより、振り分け装置240は、図10A及び図10Bに示す処理を終了する。
なお、前記したS395、S415、及びS430の処理が、図7に示すS30(「レセプトデータ生成」)の動作に相当している。
【0117】
(振り分け装置の振り分け識別データ生成時の動作)
次に、図11、図21、及び図24を参照して、図7に示すS35(「振り分け識別データ生成」)の動作につき説明する。図11は、振り分け装置の動作を示すフローチャートである。また、図24は、振り分け装置の表示画面の一例を示す図である。
【0118】
図11に示すように、審査支払機関200では、図10A及び図10Bに示す処理が終了すると、例えば、審査支払機関200の作業者が、データ入力方式振り分け処理メニュー画面SC33(図23参照)に表示された復帰キー(すなわち、「メインメニューへ戻る」キー)を入力する。これにより、振り分け装置240は、図11に示す動作を開始する。
【0119】
振り分け装置240は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC31(図21参照)を表示する(S505)。
【0120】
作業者は、振り分け装置240の入力部241(図3参照)を操作して、「振り分け識別データ生成」キーSC31cを入力する。すると、振り分け装置240は、図示せぬ検出手段によって、キーSC31cの入力を検出し(S510)、振り分け識別データ生成メニュー画面SC34(図24参照)を表示する(S515)。この振り分け識別データ生成メニュー画面SC34には、「生成」キーSC34aが表示されている。生成キーSC34aは、振り分け識別データ256aを生成させるためのキーである。
【0121】
作業者は、生成キーSC34aを入力する。すると、振り分け装置240は、キーSC34aの入力を検出する(S520)。このとき、振り分け装置240は、振り分け識別データ生成部256が、電子ペンデータ蓄積部244C(図4(c)参照)から電子ペンデータ310aを読み取る(S525)。そして、振り分け識別データ生成部256は、用紙対応医療機関テーブルデータ蓄積部244A(図4(a)参照)に格納された用紙対応医療機関テーブルデータ244aを参照して、電子ペンデータ310aに含まれている用紙固有データ500Aaに対応する医療機関番号データ244abを検索し(S530)、さらに、認識精度データ蓄積部244B(図4(b)参照)に格納された認識精度データ244bを参照して、S530で検索された医療機関番号データ244abに対応する認識精度データ244b(ここでは、手書き認識精度データ244ba及びストローク認識精度データ244bbの双方)を検索する(S535)。
【0122】
S535の後、振り分け識別データ生成部256は、S535で検索された認識精度データ244bと予め定められた閾値とを比較し(S540)、認識精度データ244bが閾値より大きいか否かを判定する(S545)。
【0123】
S545の判定で、認識精度データ244bが閾値より大きいと判定された場合(“Yes”の場合)に、振り分け識別データ生成部256は、S535で検索されたストローク認識精度データ244bb(図4(b)参照)と手書き認識精度データ244ba(図4(b)参照)とを比較する(S550)。
【0124】
一方、S545の判定で、認識精度データ244bが閾値以下と判定された場合(“No”の場合)に、振り分け識別データ生成部256は、「イメージエントリ方式」フラグを振り分け識別データ256aとして認識精度データ蓄積部244Bに格納させる(S555)。これにより、振り分け装置240は、図11に示す処理を終了する。
【0125】
なお、「イメージエントリ方式」フラグとは、データエントリ用装置410に、レセプト500aの画像データ230aに基づく文字データの入力処理を実行させるための識別データである。以下、レセプト500aの画像データ230aに基づく文字データの入力処理を、「イメージエントリ方式の入力処理」と称する。
【0126】
S550の後、振り分け識別データ生成部256は、ストローク認識精度データ244bb(図4(b)参照)が手書き認識精度データ244ba(図4(b)参照)より大きいか否かを判定する(S560)。
【0127】
S560の判定で、ストローク認識精度データ244bbが手書き認識精度データ244baより大きいと判定された場合(“Yes”の場合)に、振り分け識別データ生成部256は、「ストローク認識不読修正方式」フラグを振り分け識別データ256aとして認識精度データ蓄積部244Bに格納させる(S565)。これにより、振り分け装置240は、図11に示す処理を終了する。
【0128】
なお、「ストローク認識不読修正方式」フラグとは、データエントリ用装置410に、ストローク認識結果データ254aの不読部分に対する修正処理を実行させるための識別データである。以下、ストローク認識結果データ254aの不読部分に対する修正処理を、「ストローク認識不読修正方式の修正処理」と称する。ストローク認識不読修正方式の修正処理は、不読部分に限らず、他の部分の文字データの修正処理及び未入力な状態の文字データの入力処理を行うこともできる。
【0129】
一方、S560の判定で、ストローク認識精度データ244bbが手書き認識精度データ244ba以下と判定された場合(“No”の場合)に、振り分け識別データ生成部256は、「手書き認識不読修正方式」フラグを振り分け識別データ256aとして認識精度データ蓄積部244Bに格納させる(S570)。これにより、振り分け装置240は、図11に示す処理を終了する。
【0130】
なお、「手書き認識不読修正方式」フラグとは、データエントリ用装置410に、手書き認識結果データ253aの不読部分に対する修正処理を実行させるための識別データである。以下、手書き認識結果データ253aの不読部分に対する修正処理を、「手書き認識不読修正方式の修正処理」と称する。手書き認識不読修正方式の修正処理は、不読部分に限らず、他の部分の文字データの修正処理及び未入力な状態の文字データの入力処理を行うこともできる。
【0131】
(振り分け装置のレセプトデータ及び振り分け識別データの第2記憶媒体への格納時の動作)
次に、図12、図21、及び図25を参照して、図7に示すS40(「レセプトデータ及び振り分け識別データの第2記憶媒体への格納」)の動作につき説明する。図12は、振り分け装置の動作を示すフローチャートである。また、図25は、振り分け装置の表示画面の一例を示す図である。
【0132】
図12に示すように、審査支払機関200では、図11に示す処理が終了すると、例えば、審査支払機関200の作業者が、振り分け識別データ生成メニュー画面SC34(図24参照)に表示された復帰キーを入力する。これにより、振り分け装置240は、図12に示す動作を開始する。
【0133】
振り分け装置240は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC31(図21参照)を表示する(S605)。
【0134】
作業者は、振り分け装置240の入力部241(図3参照)を操作して、「外部記憶媒体データ出力」キーSC31dを入力する。すると、振り分け装置240は、図示せぬ検出手段によって、キーSC31dの入力を検出し(S610)、外部記憶媒体データ出力メニュー画面SC35(図25参照)を表示する(S615)。この外部記憶媒体データ出力メニュー画面SC35には、「データ出力」キーSC35aが表示されている。データ出力キーSC35aは、データ(ここでは、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を外部記憶媒体(ここでは、第2記憶媒体602)に格納させるためのキーである。
【0135】
作業者は、データ出力キーSC35aを入力する。すると、振り分け装置240は、キーSC35aの入力を検出する(S620)。このとき、振り分け装置240は、振り分け識別データ生成部256が、レセプトデータ蓄積部244D(図4(d)参照)からレセプトデータ244dを読み取るとともに(S625)、認識精度データ蓄積部244B(図4(b)参照)から振り分け識別データ256aを読み取り(S630)、レセプトデータ244d及び振り分け識別データ256aを暗号化処理部257に出力する。
【0136】
暗号化処理部257は、レセプトデータ244d及び振り分け識別データ256aを暗号化して(S635)、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aaを生成し、データ出力部258に出力する。すると、データ出力部258は、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aaを外部記憶媒体(ここでは、第2記憶媒体602)に格納させる(S640)。
これにより、振り分け装置240は、図12に示す処理を終了する。なお、審査支払機関200は、第2記憶媒体602をデータエントリ業者400に送付する。
【0137】
(データエントリ用装置の第2記憶媒体からのレセプトデータ及び振り分け識別データ読取時の動作)
次に、図13、図26、及び図27を参照して、図7に示すS45(「第2記憶媒体からのレセプトデータ及び振り分け識別データ読取」)の動作につき説明する。図13は、データエントリ用装置の動作を示すフローチャートである。また、図26及び図27は、それぞれ、データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図である。
【0138】
図13に示すように、データエントリ業者400では、審査支払機関200から第2記憶媒体602が送付されると、データエントリ業者400の作業者が、データエントリ用装置410の電源を投入する。これにより、データエントリ用装置410は、図13に示す動作を開始する。
【0139】
データエントリ用装置410は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC41(図26参照)を表示する(S705)。メインメニュー画面SC41には、「外部記憶媒体データ読取」キーSC41a、「データ入力」キーSC41b、及び「外部記憶媒体データ出力」キーSC41cが表示されている。
【0140】
「外部記憶媒体データ読取」キーSC41aは、外部記憶媒体(ここでは、第2記憶媒体602)からデータ(ここでは、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aa)を取得するためのキーである。「データ入力」キーSC41bは、入力・修正処理を行うためのキーである。また、「外部記憶媒体データ出力」キーSC41cは、データ(ここでは、暗号化更新レセプトデータ425aa)を外部記憶媒体(ここでは、第3記憶媒体603)に格納させるためのキーである。
【0141】
作業者は、データエントリ用装置410の入力部411(図6参照)を操作して、「外部記憶媒体データ読取」キーSC41aを入力する。すると、データエントリ用装置410は、図示せぬ検出手段によって、キーSC41aの入力を検出し(S710)、外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC42(図27参照)を表示する(S715)。この外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC42には、「データ読取」キーSC42aが表示されている。
【0142】
作業者は、データ読取キーSC42aを入力する。すると、データエントリ用装置410は、キーSC42aの入力を検出する(S720)。このとき、データエントリ用装置410は、データ取得部421(図6参照)が、図示せぬI/Oインタフェースを介して、第2記憶媒体602から暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aaを読み取り(S725)、復号化処理部422に出力する。
【0143】
復号化処理部422は、暗号化レセプトデータ244da及び暗号化振り分け識別データ256aaを復号化して(S730)、レセプトデータ244d及び振り分け識別データ256aを生成し、用紙固有データ500Aa(図4(d)参照)順に、レセプトデータ244dをレセプトデータ蓄積部414A(図6参照)に格納させるとともに(S735)、振り分け識別データ256aを振り分け識別データ蓄積部414Bに格納させる(S740)。
これにより、データエントリ用装置410は、図13に示す処理を終了する。
【0144】
なお、ここでは、データエントリ用装置410は、用紙固有データ500Aa(図4(d)参照)順に、レセプトデータ244d及び振り分け識別データ256aをそれぞれに対応する蓄積部414A,414Bに格納している。これは、データエントリ業者が、用紙順に、レセプトデータ244dの入力・修正処理を行い易くするためである。
しかしながら、例えば、振り分け装置240が各レセプトデータ244dに対応して医療機関番号データ244ab(図4(a)参照)を第2記憶媒体602に格納することにより、データエントリ用装置410は、医療機関番号データ244ab毎に区分して、用紙固有データ500Aa順に、レセプトデータ244d及び振り分け識別データ256aをそれぞれに対応する蓄積部414A,414Bに格納することが可能となる。この場合、データエントリ業者は、医療機関毎に一括して、レセプトデータ244dの入力・修正処理を行うことができる。
【0145】
(データエントリ用装置の更新レセプトデータ生成時の動作)
次に、図14、図26、及び図28を参照して、図7に示すS50(「更新レセプトデータ生成」)の動作につき説明する。図14は、データエントリ用装置の動作を示すフローチャートである。また、図28は、データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図である。
【0146】
図14に示すように、データエントリ業者400では、図13に示す処理が終了すると、例えば、データエントリ業者400の作業者が、外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC42(図27参照)に表示された復帰キーを入力する。これにより、データエントリ用装置410は、図14に示す動作を開始する。
【0147】
データエントリ用装置410は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC41(図26参照)を表示する(S805)。
【0148】
作業者は、データエントリ用装置410の入力部411(図6参照)を操作して、「データ入力」キーSC41bを入力する。すると、データエントリ用装置410は、図示せぬ検出手段によって、キーSC41bの入力を検出し(S810)、レセプト500a毎に、各レセプト500aに対応したデータ入力作業画面SC43(図28参照)を表示する(S815)。作業者は、データエントリ用装置410の入力部411(図6参照)を操作して、データ入力作業画面SC43に文字データを入力したり、データ入力作業画面SC43に表示された文字データを修正したりすることによって、最終的な文字データをデータエントリ用装置410に入力することになる。
【0149】
このデータ入力作業画面SC43には、「認識結果データ」表示欄SC43aや、「全体画像データ」表示欄SC43b、「部分画像データ」表示欄SC43d等が表示される。データ入力作業画面SC43は、当初はデータが未表示な状態となっており、S820で、データ入力部425が、レセプトデータ蓄積部414Aから各レセプト500aのレセプトデータ244dを読み取ることによって、表示される。なお、データエントリ用装置410は、図示せぬ割り込み画面を介して用紙を指定するデータ(例えば、用紙固有データ500Aa)を入力することにより、任意の用紙のデータ入力作業画面SC43を表示させることが可能な構成となっている。これにより、作業者は、データエントリ用装置410の入力部411を操作して、データエントリ用装置410に任意の用紙のデータ入力作業画面SC43を表示させることができる。なお、ここでは、「用紙を指定するデータ」として、用紙固有データ500Aaが用いられているが、その他のデータ(例えば、医療機関番号データ244ab(図4(a)参照)等)が用紙固有データ500Aaと併用又は単独で用いられるようにしてもよい。
【0150】
「認識結果データ」表示欄SC43aは、レセプト500aに記載された文字に対応する文字データの入力・修正処理を行うための欄である。作業者は、「認識結果データ」表示欄SC43aの各入力エリアSC43cに文字データを入力したり、入力されている文字データを修正したりすることによって、各レセプト500aの文字データを更新する。
【0151】
なお、「認識結果データ」表示欄SC43aの各入力エリアSC43cは、手書き認識結果データ253aの文字データが表示された状態、又は、ストローク認識結果データ254aの文字データが表示された状態、又は、文字データが未入力な状態のいずれかとなる。具体的には、各入力エリアSC43cは、第2記憶媒体602に格納された暗号化レセプトデータ244daの中に手書き認識結果データ253aが含まれている場合に、手書き認識結果データ253aの文字データが表示され、また、第2記憶媒体602に格納された暗号化レセプトデータ244daの中にストローク認識結果データ254aが含まれている場合に、ストローク認識結果データ254aの文字データが表示され、また、第2記憶媒体602に格納された暗号化レセプトデータ244daの中に手書き認識結果データ253a及びストローク認識結果データ254aが含まれていない場合に、文字データが未入力な状態となる。なお、手書き認識結果データ253aやストローク認識結果データ254aの中に、文字認識されていない文字や誤って認識された可能性の高い文字(すなわち、不読フラグが対応付けられた文字)がある場合に、これらの文字は、不読フラグに基づいて識別され、他の文字から区別された状態(例えば、他の文字と異なる色に着色された状態)で表示される。
【0152】
「全体画像データ」表示欄SC43bは、レセプト500aの画像データ230aに基づいて、レセプト500aの全体画像を表示するための欄である。
「部分画像データ」表示欄SC43dは、文字データに対応して、Tiff等の文字の部分画像を表示するための欄である。「部分画像データ」表示欄SC43dは、入力エリア43cの近傍に表示される。
【0153】
S815の後、データエントリ用装置410は、データ入力部425が、レセプトデータ蓄積部414Aから各レセプト500aのレセプトデータ244dを読み取る(S820)。
【0154】
また、データエントリ用装置410は、振り分け処理部424が、振り分け識別データ蓄積部414Bから各レセプト500aの振り分け識別データ256aを読み取る(S825)。そして、振り分け処理部424は、レセプト500a毎に、振り分け識別データ256aの値が「イメージエントリ方式」フラグの値か否かを判定する(S830)。
【0155】
S830の判定で、振り分け識別データ256aの値が「イメージエントリ方式」フラグの値であると判定された場合(“Yes”の場合)に、振り分け処理部424は、処理をイメージエントリ処理部431(図6参照)に振り分けることを決定する。そして、振り分け処理部424は、処理指示424a(図6参照)を生成して、データ入力部425に出力し、イメージエントリ処理部431を起動させる(S835)。この処理指示424aは、個々のレセプト500aを指定するための指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)を含んでいる。後続の構成要素(ここでは、イメージエントリ処理部431、手書き認識修正部432、及びストローク認識修正部433)は、この指定データに基づいて、該当するレセプト500aに対して所定の処理を行う。
【0156】
S835の後、イメージエントリ処理部431は、処理指示424aに応答して、イメージエントリ方式のデータ入力処理を実行する(S840)。具体的には、イメージエントリ処理部431は、処理指示424aに含まれている指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)によって指定されたレセプト500a毎に、各レセプト500aのデータ入力作業画面SC43(図28参照)を表示部412に表示する。このとき、データ入力作業画面SC43には、図28に示すように、各レセプト500aの「全体画像データ」表示欄SC43b(図28参照)と各入力エリアSC43cが未入力な状態となっている「認識結果データ」表示欄SC43a(図28参照)とが表示される。作業者は、レセプト500a毎に、データ入力作業画面SC43の「全体画像データ」表示欄SC43bを見ながら、各入力エリアSC43cに文字データを入力する。イメージエントリ処理部431は、その文字データを図示せぬ格納部に一時的に格納させて受け付ける。これにより、各レセプト500aの最終的な文字データが、データエントリ用装置410に入力される。
【0157】
S840の後、イメージエントリ処理部431は、イメージエントリ方式で入力処理されたレセプト500aの最終的な文字データ(以下、「イメージエントリ文字データ431a(図6参照)」と称する)を、更新レセプトデータ425a(図6参照)として、レセプトデータ蓄積部414Aに格納させる(S845)。これによりデータエントリ用装置410は、図14に示す処理を終了する。
【0158】
一方、S830の判定で、振り分け識別データ256aの値が「イメージエントリ方式」フラグの値でないと判定された場合(“No”の場合)に、振り分け処理部424は、振り分け識別データ256aの値が「手書き識別不読修正方式」フラグの値であるか否かを判定する(S850)。
【0159】
S850の判定で、振り分け識別データ256aの値が「手書き識別不読修正方式」フラグの値であると判定された場合(“Yes”の場合)に、振り分け処理部424は、データ入力作業画面SC43の入力エリア近傍に、「部分画像データ」表示欄SC43d(ただし、文字データが未表示な状態となっている欄のみ)を表示させる(S855)。そして、振り分け処理部424は、処理を手書き認識修正部432(図6参照)に振り分けることを決定し、処理指示424a(図6参照)を生成して、データ入力部425に出力し、手書き認識修正部432を起動させる(S860)。
【0160】
手書き認識修正部432は、処理指示424aに応答して、手書き認識不読修正方式のデータ入力処理を実行する(S865)。具体的には、手書き認識修正部432は、処理指示424aに含まれている指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)によって指定されたレセプト500a毎に、各レセプト500aのデータ入力作業画面SC43(図28参照)を表示部412に表示する。このとき、データ入力作業画面SC43には、図28に示すように、各レセプト500aの「全体画像データ」表示欄SC43bと、各入力エリアSC43cに該当する手書き認識の文字データが表示された「認識結果データ」表示欄SC43aと、文字データに対応する「部分画像データ」表示欄SC43dとが表示される。作業者は、レセプト500a毎に、データ入力作業画面SC43の「認識結果データ」表示欄SC43aと「部分画像データ」表示欄SC43dとを見比べながら、各入力エリアSC43cに表示された文字データを修正する。手書き認識修正部432は、その文字データを図示せぬ格納部に一時的に格納させて受け付ける。これにより、各レセプト500aの最終的な文字データが、データエントリ用装置410に入力される。
【0161】
S865の後、手書き認識修正部432は、手書き認識不読修正方式で修正処理されたレセプト500aの最終的な文字データ(以下、「手書き認識修正文字データ432a(図6参照)」と称する)を、更新レセプトデータ425a(図6参照)として、レセプトデータ蓄積部414Aに格納させる(S870)。これによりデータエントリ用装置410は、図14に示す処理を終了する。
【0162】
一方、S850の判定で、振り分け識別データ256aの値が「手書き識別不読修正方式」フラグの値でないと判定された場合(“No”の場合)に、振り分け処理部424は、データ入力作業画面SC43の入力エリア近傍に、ストロークデータ310aaの筆跡用の表示欄を表示させる(S875)。そして、振り分け処理部424は、処理をストローク認識修正部433(図6参照)に振り分けることを決定し、処理指示424a(図6参照)を生成して、データ入力部425に出力し、ストローク認識修正部433を起動させる(S880)。
【0163】
ストローク認識修正部433は、処理指示424aに応答して、ストローク認識不読修正方式のデータ入力処理を実行する(S885)。具体的には、ストローク認識修正部433は、処理指示424aに含まれている指定データ(例えば、用紙固有データ500Aa)によって指定されたレセプト500a毎に、各レセプト500aのデータ入力作業画面SC43(図28参照)を表示部412に表示する。このとき、データ入力作業画面SC43には、各レセプト500aの「全体画像データ」表示欄SC43b(図28参照)と、各入力エリアSC43cに該当するストローク認識の文字データが表示された「認識結果データ」表示欄SC43a(図28参照)と、文字データに対応する文字の筆跡の表示欄(図示せず)とが表示される。なお、「文字の筆跡の表示欄」は、ストローク認識結果データ254aに含まれているストロークデータ310aaによって表される文字の筆跡の画像(好ましくは、動画像)を表示するための欄である。「文字の筆跡の表示欄」は、「部分画像データ」表示欄SC43d(図28参照)と同様に、各入力エリアSC43cの近傍に表示される。作業者は、レセプト500a毎に、データ入力作業画面SC43の「認識結果データ」表示欄SC43aと文字の筆跡の表示欄(図示せず)とを見比べながら、各入力エリアSC43cに表示された文字データを修正する。ストローク認識修正部433は、その文字データを図示せぬ格納部に一時的に格納させて受け付ける。これにより、各レセプト500aの最終的な文字データが、データエントリ用装置410に入力される。
【0164】
S885の後、ストローク認識修正部433は、ストローク認識不読修正方式で修正処理されたレセプト500aの最終的な文字データ(以下、「ストローク認識修正文字データ433a(図6参照)」と称する)を、更新レセプトデータ425a(図6参照)として、レセプトデータ蓄積部414Aに格納させる(S890)。これによりデータエントリ用装置410は、図14に示す処理を終了する。
【0165】
(データエントリ用装置の更新レセプトデータの第3記憶媒体への格納時の動作)
次に、図15、図26、及び図28を参照して、図7に示すS55(「更新レセプトデータの第3記憶媒体への格納」)の動作につき説明する。図15は、データエントリ用装置の動作を示すフローチャートである。また、図29は、データエントリ用装置の表示画面の一例を示す図である。
【0166】
図15に示すように、データエントリ業者400では、図14に示す処理が終了すると、例えば、データエントリ業者400の作業者が、データ入力作業画面SC43(図28参照)に表示された復帰キー(ここでは、「修正完了」キー)を入力する。これにより、データエントリ用装置410は、図15に示す動作を開始する。
【0167】
データエントリ用装置410は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC41(図26参照)を表示する(S905)。
【0168】
作業者は、データエントリ用装置410の入力部411(図6参照)を操作して、「外部記憶媒体データ出力」キーSC41cを入力する。すると、データエントリ用装置410は、図示せぬ検出手段によって、キーSC41cの入力を検出し(S910)、外部記憶媒体データ出力メニュー画面SC44(図29参照)を表示する(S915)。この外部記憶媒体データ出力メニュー画面SC44には、「データ出力」キーSC44aが表示されている。データ出力キーSC44aは、データ(ここでは、暗号化更新レセプトデータ425aa)を外部記憶媒体(ここでは、第3記憶媒体603)に格納させるためのキーである。
【0169】
作業者は、データ出力キーSC44aを入力する。すると、データエントリ用装置410は、キーSC44aの入力を検出する(S920)。このとき、データエントリ用装置410は、データ読取部426(図6参照)が、レセプトデータ蓄積部414A(図6参照)から更新レセプトデータ425aを読み取り(S925)、暗号化処理部427に出力する。
【0170】
暗号化処理部427は、更新レセプトデータ425aを暗号化して(S930)、暗号化更新レセプトデータ425aaを生成し、データ出力部428に出力する。すると、データ出力部428は、暗号化更新レセプトデータ425aaを外部記憶媒体(ここでは、第3記憶媒体603)に格納させる(S935)。
これにより、データエントリ用装置410は、図15に示す処理を終了する。なお、データエントリ業者400は、第3記憶媒体603を審査支払機関200に送付する。このとき、データエントリ業者400は、好ましくは、第2記憶媒体602も審査支払機関200に送付するようにするとよい。
【0171】
(振り分け装置の第3記憶媒体からの更新レセプトデータ読取・レセプトデータ本登録時の動作)
次に、図16、図21、及び図30を参照して、図7に示すS60(「第3記憶媒体からの更新レセプトデータ読取」)からS65(「レセプトデータ本登録」)までの動作につき説明する。図16は、振り分け装置の動作を示すフローチャートである。また、図30は、振り分け装置の表示画面の一例を示す図である。
【0172】
図16に示すように、審査支払機関200では、データエントリ業者400から第3記憶媒体603が送付されると、審査支払機関200の作業者が、振り分け装置240の電源を投入する。これにより、振り分け装置240は、図16に示す動作を開始する。
【0173】
振り分け装置240は、まず、初期画面として、メインメニュー画面SC31(図21参照)を表示する(S1005)。
【0174】
作業者は、振り分け装置240の入力部241(図3参照)を操作して、「外部記憶媒体データ読取(エントリ業者から)」キーSC31e(図21参照)を入力する。すると、振り分け装置240は、図示せぬ検出手段によって、キーSC31eの入力を検出し(S1010)、外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC36(図30参照)を表示する(S1015)。この外部記憶媒体データ読取メニュー画面SC36には、「データ読取」キーSC36aが表示されている。データ読取キーSC36aは、外部記憶媒体(ここでは、第3記憶媒体603)からのデータ(ここでは、暗号化更新レセプトデータ425aa)の読み取りを実行させるためのキーである。
【0175】
作業者は、データ読取キーSC36aを入力する。すると、振り分け装置240は、キーSC36aの入力を検出する(S1020)。このとき、振り分け装置240は、復号化処理部259が、図示せぬI/Oインタフェースを介して、第3記憶媒体603から暗号化更新レセプトデータ425aaを読み取り(S1025)、暗号化更新レセプトデータ425aaを復号化して(S1030)、更新レセプトデータ425aを取得し、更新レセプトデータ425aをデータ格納処理部260(図3参照)に出力する。データ格納処理部260は、更新レセプトデータ425aに含まれている文字データを最終的なデータとしてレセプトデータ蓄積部244Dに本登録(格納)させる(S1035)。
これにより、振り分け装置240は、図16に示す処理を終了する。
【0176】
以上の通り、本実施形態に係る文字データ処理システム100によれば、振り分け装置240及びデータエントリ用装置410に、手書き認識機能(すなわち、画素の並びに基づいて文字認識する機能)に加え、ストローク認識機能(すなわち、文字の筆跡に基づいて文字認識する機能)が付加されており、さらに、用紙毎に、これらの文字認識機能の中で、好適な側の文字認識機能による文字データの入力・修正処理を自動的に選択・実行する構成となっている。そのため、文字データを短時間でかつ正確に(少なくとも、従来の装置よりも高精度に)取得することができる。しかも、本実施形態に係る文字データ処理システム100によれば、文字を記載した機関(個人の場合を含む)に応じて、好適な文字データの入力・修正処理を自動的に選択・実行することができるので、効率的に、文字データを短時間でかつ正確に取得することができる。
【0177】
また、振り分け装置240によれば、データエントリ用装置410が文字データを短時間でかつ正確に取得できるように、文字を記載した機関(個人の場合を含む)に応じて、用紙毎に、振り分け識別データ256aを生成することにより、データエントリ用装置410が実行すべき処理を、「イメージエントリ方式」、「ストローク認識不読修正方式」、及び「手書き認識不読修正方式」の入力・修正処理の中から好適に振り分けることができる。
【0178】
また、データエントリ用装置410によれば、振り分け装置240によって生成された振り分け識別データ256aに基づいて、「イメージエントリ方式」、「ストローク認識不読修正方式」、及び「手書き認識不読修正方式」の中のいずれかの入力・修正処理を実行することにより、文字データを短時間でかつ正確に(少なくとも、従来の装置よりも高精度に)取得することができる。
【0179】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0180】
例えば、本実施形態では、文字データ処理システム100は、保険診療の分野で用いられる場合を例にして説明した。しかしながら、文字データ処理システム100は、保険診療以外の分野でも用いることができる。なお、保険診療以外の分野で用いる場合に、各用語(例えば、「審査支払機関」や「医療機関」、「レセプト」等)は、用いる分野に合わせた用語に読み替えることになる。
【0181】
また、例えば、本実施形態では、文字データに基づいて診療報酬の対価を計算するための構成要素(図示せず)が振り分け装置240に設けられているものとして説明した。しかしながら、この構成要素は、他のコンピュータに設けられることにより、振り分け装置240から排除することができる。
【0182】
また、例えば、振り分け装置240は、認識精度データ244bが認識精度データ蓄積部244Bに格納されていない医療機関300のレセプト500aについては、手書き認識及びストローク認識の双方又は予め定められた方式の認識を行うようにすることができる。
【0183】
また、例えば、振り分け装置240は、ネットワークを介して、データエントリ用装置410と接続して、データエントリ用装置410から最新の認識精度データ244bを取得するように構成してもよい。これにより、振り分け装置240は、認識精度データ蓄積部244Bに格納された認識精度データ244bを最新のデータに随時更新することができる。
【0184】
また、例えば、振り分け装置240は、ストローク認識処理部254によるストローク認識の精度が一定水準以上である場合に、レセプト500aの画像データ230aを取得しないように構成してもよい。これにより、振り分け装置240は、レセプト500aの画像データ230aを取得するための時間及びその画像データ230aを第2記憶媒体602に格納させるための時間を短縮することができる。
【0185】
また、例えば、データエントリ用装置410(図6参照)は、データ入力部425の中の振り分け処理部424によって選択された修正部又は処理部(すなわち、イメージエントリ処理部431、手書き認識修正部432、及びストローク認識修正部433)を、他の処理部に任意に変更できるように構成してもよい。
【0186】
また、例えば、図10Bに示す「画像取得処理」、「ストローク認識処理」、及び「手書き認識処理」を実行させるための処理の順番、並びに、図14に示す「イメージエントリ方式のデータ入力」、「手書き認識不読修正方式のデータ入力」、及び「ストローク認識不読修正方式のデータ入力」を実行させるための処理の順番は、運用に応じて、変更することができる。
【0187】
また、例えば、本実施形態では、データは、外部記憶媒体601,602,603に格納されて、各機関の間で受け渡しされるものとして説明した。しかしながら、データは、ネットワークを介して、受け渡しされるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0188】
100 文字データ処理システム
200 審査支払機関
210 用紙印刷指示装置
220 プリンタ
230 スキャナ
240 振り分け装置
241 入力部
242 表示部
243 制御部
244 記憶部
244A 用紙対応医療機関テーブルデータ蓄積部(テーブルデータ蓄積部)
244a 用紙対応医療機関テーブルデータ
244B 認識精度データ蓄積部
244b 認識精度データ
244C 電子ペンデータ蓄積部(ストロークデータ蓄積部)
244D レセプトデータ蓄積部(文字・画像データ蓄積部)
244d レセプトデータ
244da 暗号化レセプトデータ
251 データ取得部
252 振り分け指示部
252a 処理指示
253 手書き認識処理部
254 ストローク認識処理部
255 画像取得処理部
256 振り分け識別データ生成部
256a 振り分け識別データ
256aa 暗号化振り分け識別データ
257 暗号化処理部
258 データ出力部
259 復号化処理部
260 データ格納処理部
300 医療機関
310 電子ペン
310a 電子ペンデータ(用紙固有データ500Aa及びストロークデータ310aa含有)
310aa ストロークデータ
320 電子ペンデータ受信装置
400 データエントリ業者
410 データエントリ用装置
411 入力部
412 表示部
413 制御部
414 記憶部
414A レセプトデータ蓄積部(更新用データ蓄積部)
414B 振り分け識別データ蓄積部
421 データ取得部
422 復号化処理部
423 データ格納処理部
424 振り分け指示部
424a 処理指示
425 データ入力部
425a 更新レセプトデータ(イメージエントリ文字データ431a、手書き認識修正文字データ432a及びストローク認識修正文字データ433a含有)
425aa 暗号化更新レセプトデータ
426 データ読取部
427 暗号化処理部
428 データ出力部
431 イメージエントリ処理部
イメージエントリ文字データ431a
432 手書き認識修正部
手書き認識修正文字データ432a
433 ストローク認識修正部
ストローク認識修正文字データ433a
500 電子ペン専用紙
500a レセプト(記入済み電子ペン専用紙)
500Aa 用紙固有データ
601 第1の外部記憶媒体(第1記憶媒体)
602 第2の外部記憶媒体(第2記憶媒体)
603 第3の外部記憶媒体(第3記憶媒体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に記載された手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データを手書き認識結果データとし、当該手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データをストローク認識結果データとし、
前記手書き認識結果データの修正処理、前記ストローク認識結果データの修正処理、及び、欠落している文字データの入力処理の中から、実行すべき処理を振り分けるための振り分け識別データを生成する振り分け識別データ生成部を備え、
前記振り分け識別データ生成部によって、前記用紙毎に、前記振り分け識別データを生成することにより、実行すべき処理を、前記手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正処理と、前記ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正処理と、前記用紙の画像データに基づく作業者による入力部からの前記欠落している文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理との中のいずれかに振り分ける振り分け装置と、
前記振り分け装置から、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に取得するデータ取得部と、前記手書き認識修正処理を実行する手書き認識修正部と、前記ストローク認識修正処理を実行するストローク認識修正部と、前記イメージエントリ処理を実行するイメージエントリ処理部と、実行すべき処理を振り分ける振り分け処理部とを備え、
前記振り分け処理部によって、前記用紙毎に、前記振り分け識別データに基づいて、前記手書き認識修正部と前記ストローク認識修正部と前記イメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、当該選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させることにより、前記用紙に記載された前記手書き文字に相当する文字データを取得するデータエントリ用装置とを有する
ことを特徴とする文字データ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の文字データ処理システムにおいて、
前記振り分け装置は、
前記手書き認識結果データを取得する手書き認識処理部と、
前記ストローク認識結果データを取得するストローク認識処理部と、
前記用紙の画像データを取得する画像取得処理部と、
前記手書き認識処理部によって取得された前記手書き認識結果データの認識精度データ及び前記ストローク認識処理部によって取得された前記ストローク認識結果データの認識精度データを格納する認識精度データ蓄積部と、
用紙に記載された手書き文字を文字認識する場合に、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記手書き認識処理部と前記ストローク認識処理部と前記画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択し、当該選択した処理部に処理を振り分けて実行させる振り分け指示部と、
前記手書き認識処理部によって取得された前記手書き認識結果データと、前記ストローク認識処理部によって取得された前記ストローク認識結果データと、前記画像取得処理部によって取得された前記用紙の画像データとを格納する文字・画像データ蓄積部と、
前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記振り分け識別データを生成する前記振り分け識別データ生成部とを備える
ことを特徴とする文字データ処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の文字データ処理システムにおいて、
さらに、前記手書き文字を前記用紙に記載するための筆記用具として用いられ、かつ、前記手書き文字の記載時に前記ストロークデータを外部に送信する電子ペンと、
前記電子ペンから送信された前記ストロークデータを受信して、第1の外部記憶媒体に格納する電子ペン受信装置とを有し、
前記振り分け装置は、前記第1の外部記憶媒体を介して前記電子ペン受信装置から前記ストロークデータを取得する
ことを特徴とする文字データ処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の文字データ処理システムにおいて、
前記振り分け装置は、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、前記振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に生成して、第2の外部記憶媒体に格納し、
前記データエントリ用装置は、データ取得部によって、前記第2の外部記憶媒体を介して前記振り分け装置から前記いずれかの組み合わせのデータを取得する
ことを特徴とする文字データ処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の文字データ処理システムにおいて、
前記データエントリ用装置は、前記手書き認識修正部によって受け付けられた前記手書き認識結果データの修正データを手書き認識修正文字データとし、前記ストローク認識修正部によって受け付けられた前記ストローク認識結果データの修正データをストローク認識修正文字データとし、前記イメージエントリ部によって受け付けられた文字データをイメージエントリ文字データとし、当該手書き認識修正文字データと当該ストローク認識修正文字データと当該イメージエントリ文字データとを更新用の文字データとして第3の外部記憶媒体に格納し、
前記振り分け装置は、前記第3の外部記憶媒体を介して前記データエントリ用装置から前記更新用の文字データを取得し、当該更新用の文字データを前記文字データの最終データとして蓄積部に登録する
ことを特徴とする文字データ処理システム。
【請求項6】
用紙に記載された手書き文字に相当する文字データを取得するために、実行すべき処理を振り分ける振り分け装置において、
前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得する手書き認識処理部と、
前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得するストローク認識処理部と、
前記用紙の画像データを取得する画像取得処理部と、
前記手書き認識処理部によって取得された文字データを手書き認識結果データとし、前記ストローク認識処理部によって取得された文字データをストローク認識結果データとし、当該手書き認識結果データの認識精度データ及び当該ストローク認識結果データの認識精度データを格納する認識精度データ蓄積部と、
用紙に記載された手書き文字を文字認識する場合に、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記手書き認識処理部と前記ストローク認識処理部と前記画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択し、当該選択した処理部に処理を振り分けて実行させる振り分け指示部と、
前記手書き認識処理部によって取得された前記手書き認識結果データと、前記ストローク認識処理部によって取得された前記ストローク認識結果データと、前記画像取得処理部によって取得された前記用紙の画像データとを格納する文字・画像データ蓄積部と、
前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記用紙毎に、前記手書き認識結果データの修正処理、前記ストローク認識結果データの修正処理、及び、欠落している文字データの入力処理の中から、実行すべき処理を振り分けるための振り分け識別データを生成する振り分け識別データ生成部とを備える
ことを特徴とする振り分け装置。
【請求項7】
請求項6に記載の振り分け装置において、
さらに、前記用紙毎に予め設定された用紙固有データと前記手書き文字を記載した機関を表す機関データとを対応付けるテーブルデータを格納するテーブルデータ蓄積部とを備えるとともに、
前記認識精度データ蓄積部は、前記認識精度データを、前記機関データと対応付けて格納しており、かつ、
前記振り分け指示部は、
前記テーブルデータ蓄積部に格納された前記テーブルデータを参照して、用紙毎に、前記手書き文字を記載した機関を特定し、
特定された機関に応じて、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記手書き認識処理部と前記ストローク認識処理部と前記画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択する
ことを特徴とする振り分け装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の振り分け装置において、
さらに、前記ストロークデータが格納された第1の外部記憶媒体から前記ストロークデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって前記第1の外部記憶媒体からから取得された前記ストロークデータを格納するストロークデータ蓄積部とを備え、
前記ストローク認識処理部は、前記ストロークデータ蓄積部に格納された前記ストロークデータに基づいて前記手書き文字を文字認識する
ことを特徴とする振り分け装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の振り分け装置において、
前記手書き認識処理部は、前記手書き認識結果データに加え、前記用紙の画像データも取得するとともに、
前記ストローク認識処理部は、前記ストローク認識結果データに加え、前記用紙の画像データも取得し、かつ、
前記文字・画像データ蓄積部は、前記用紙毎に、前記用紙毎に予め設定された用紙固有データに対応して、前記画像取得処理部によって取得された前記用紙の画像データ、又は、前記手書き認識処理部によって取得された前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データ、又は、前記ストローク認識処理部によって取得された前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データのいずれかの組み合わせを含むデータを格納する
ことを特徴とする振り分け装置。
【請求項10】
請求項9に記載の振り分け装置において、
さらに、データを第2の外部記憶媒体に格納させるデータ出力部を備え、
前記振り分け識別データ生成部は、
前記認識精度データ蓄積部に格納された前記認識精度データに基づいて前記振り分け識別データを生成するとともに、
前記文字・画像データ蓄積部から、前記用紙毎に、前記用紙固有データに対応して、前記用紙の画像データ、又は、前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データ、又は、前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データのいずれかの組み合わせを含むデータを取得し、
生成した前記振り分け識別データと取得した当該いずれかの組み合わせを含むデータとを対応付けて、前記データ出力部を介して前記第2の外部記憶媒体に格納させる
ことを特徴とする振り分け装置。
【請求項11】
請求項10に記載の振り分け装置において、
さらに、第3の外部記憶媒体から更新用の文字データを取得した場合に、当該更新用の文字データを前記文字データの最終データとして前記文字・画像データ蓄積部に登録させる格納処理部とを備える
ことを特徴とする振り分け装置。
【請求項12】
用紙に記載された手書き文字を文字認識することによって取得された文字データの修正処理及び欠落している文字データの入力処理を行うデータエントリ用装置において、
前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データを手書き認識結果データとし、当該手書き認識結果データを表示手段に表示させて、作業者による入力部からの当該手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正部と、
前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データをストローク認識結果データとし、当該ストローク認識結果データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの当該ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正部と、
用紙の画像データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの前記欠落している文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理部と、
実行すべき処理を識別するためのデータを振り分け識別データとし、外部から、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に取得した場合に、前記用紙毎に、当該振り分け識別データに基づいて、前記手書き認識修正部と前記ストローク認識修正部と前記イメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、当該振り分け識別データに組み合わされたデータを当該選択した修正部若しくは処理部に供給することにより、当該選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させる振り分け処理部とを備える
ことを特徴とするデータエントリ用装置。
【請求項13】
請求項12に記載のデータエントリ用装置において、
さらに、前記手書き認識修正処理部によって受け付けられた前記手書き認識結果データの修正データを手書き認識修正文字データとし、前記ストローク認識修正処理部によって受け付けられた前記ストローク認識結果データの修正データをストローク認識修正文字データとし、前記イメージエントリ処理部によって受け付けられた文字データをイメージエントリ文字データとし、当該手書き認識修正文字データと当該ストローク認識修正文字データと当該イメージエントリ文字データとを、前記文字データの最終データとなる更新用の文字データとして、格納する蓄積部とを備える
ことを特徴とするデータエントリ用装置。
【請求項14】
コンピュータを、用紙に記載された手書き文字に相当する文字データを取得するために、実行すべき処理を振り分ける振り分け装置として機能させるためのプログラムであって、
当該コンピュータを、
前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得する手書き認識処理部と、
前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって文字データを取得するストローク認識処理部と、
前記用紙の画像データを取得する画像取得処理部と、
前記手書き認識処理部によって取得された文字データを手書き認識結果データとし、前記ストローク認識処理部によって取得された文字データをストローク認識結果データとし、当該手書き認識結果データの認識精度データ及び当該ストローク認識結果データの認識精度データを格納する認識精度データ蓄積部と、
用紙に記載された手書き文字を文字認識する場合に、前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記手書き認識処理部と前記ストローク認識処理部と前記画像取得処理部との中からいずれかの処理部を選択し、当該選択した処理部に処理を振り分けて実行させる振り分け指示部と、
前記手書き認識処理部によって取得された前記手書き認識結果データと、前記ストローク認識処理部によって取得された前記ストローク認識結果データと、前記画像取得処理部によって取得された前記用紙の画像データとを格納する文字・画像データ蓄積部と、
前記認識精度データ蓄積部に格納された過去の前記認識精度データに基づいて、前記用紙毎に、前記手書き認識結果データの修正処理、前記ストローク認識結果データの修正処理、及び、欠落している文字データの入力処理の中から、実行すべき処理を振り分けるための振り分け識別データを生成する振り分け識別データ生成部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、用紙に記載された手書き文字を文字認識することによって取得された文字データの修正処理及び欠落している文字データの入力処理を行うデータエントリ用装置として機能させるためのプログラムであって、
当該コンピュータを、
前記手書き文字を構成する画素の並びに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データを手書き認識結果データとし、当該手書き認識結果データを表示手段に表示させて、作業者による入力部からの当該手書き認識結果データの修正を受け付ける手書き認識修正部と、
前記手書き文字の筆跡を表すストロークデータに基づいて、当該手書き文字を文字認識することによって取得される文字データをストローク認識結果データとし、当該ストローク認識結果データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの当該ストローク認識結果データの修正を受け付けるストローク認識修正部と、
用紙の画像データを前記表示手段に表示させて、前記作業者による前記入力部からの前記欠落している文字データの入力を受け付けるイメージエントリ処理部と、
実行すべき処理を識別するためのデータを振り分け識別データとし、外部から、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データとが組み合わされたデータ、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記手書き認識結果データとが組み合わされたデータ、及び、当該振り分け識別データと前記用紙の画像データと前記ストローク認識結果データとが組み合わされたデータの中のいずれかの組み合わせのデータを前記用紙毎に取得した場合に、前記用紙毎に、当該振り分け識別データに基づいて、前記手書き認識修正部と前記ストローク認識修正部と前記イメージエントリ処理部との中からいずれかの修正部若しくは処理部を選択し、当該振り分け識別データに組み合わされたデータを当該選択した修正部若しくは処理部に供給することにより、当該選択した修正部若しくは処理部に処理を実行させる振り分け処理部として機能させる
ことを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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