説明

文字入力装置、文字入力方法、及びプログラム

【課題】文字入力において当該入力された文字列の特定位置に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に挿入する。
【解決手段】文字列を入力する第1の操作部と、前記第1の操作部により入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の操作部と、前記第1及び第2の操作部によりそれぞれ入力された入力内容を解析する操作解析部と、前記文字列又は当該文字列に挿入された前記特殊文字列により区分された文字列をそれぞれ変換するための辞書を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記辞書に基づいて、前記操作解析部により解析された前記入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成部と、前記確定候補生成部により生成された前記確定候補を表示する表示部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字列に対して記号又は絵文字等の特殊文字列を挿入する文字入力装置、文字入力方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、平仮名及び片仮名の総称である「かな文字」と「漢字」との間で文字列の変換を行う文字入力装置は、キーボード等の入力装置を介して入力された「かな文字列」自身に対して辞書を検索して適切な日本語表記に変換してディスプレイ等の出力装置に当該変換結果を出力する。辞書には、例えば、単語の読みであって入力された文字列とのマッチングに使用される「かな見出し」と、当該入力された文字列と当該かな見出しとがマッチングした際に変換結果として出力される「表記文字列」と、必要に応じて当該表記文字列の「品詞情報」等が関連付けされた複数の組データが記憶されている。
【0003】
従って、従来の文字入力装置は、長音又は中点等の特殊文字列の無い文字列、例えば「てんき」という文字列が入力された場合に適切な漢字に変換することができる。ところが、長音又は中点等の特殊文字列を含む文字列として例えば「こんぴゅーたー」又は「こんぴゅーた」という文字列が入力された場合、従来の文字入力装置は、それぞれの入力に対して「コンピュータ」を出力する。このため、当該文字入力装置の辞書には、かな見出し「こんぴゅーたー」と表記文字列「コンピュータ」との組データ、及びかな見出し「こんぴゅーた」と表記文字列「コンピュータ」との組データの両方の組データが記憶される必要があり、結果的に当該辞書の容量が著しく増大する。なお、このような辞書の容量の増大を回避するために、特許文献1が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、長音又は中点等の符号を含む文字列が入力されたとき、当該符号の削除により変換された状態の入力文字列に対して辞書を検索し、当該削除された状態の入力文字列に付与するべき長音及び中点等の符号に関する情報を当該辞書から抽出し、当該抽出された符号に関する情報を入力文字列に付与することにより適切な位置に符号が付与された文字列を出力するかな漢字変換装置が開示されている。このような特許文献1に開示されているかな漢字変換装置によれば、入力文字列に対して長音又は中点等の符号を適切な位置に付与した文字列を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−319864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザが携帯電話機等の文字入力装置を操作して中点等の区切り文字を含む単語を入力するのは非常に煩雑な手続きが必要であった。例えば中点等の区切り文字を含む文字列、例えば「マイ・ダイアリー」を入力する場合が該当する。具体的には、ユーザは、当該携帯電話機においてかな文字が入力可能な状態に遷移して「マイ」と入力した後に、記号が入力可能な状態に遷移して区切り文字である中点「・」を入力し、再度かな文字が入力可能な状態に遷移して「ダイアリー」と入力する必要があった。
【0007】
前述した特許文献1によれば、中点等の区切り文字を含む文字列が入力された場合に、当該入力された文字列に対して適切な位置に区切り文字を付与した文字列を出力することはできる。しかしながら、当初の入力された文字列に対して区切り文字の削除により得られた文字列と、当該当初の入力された文字列の適切な日本語表記と、当該適切な日本語表記とするために再度付与する符号に関する情報とを対応付けする組データが辞書に予め登録されている必要がある。結果的に、辞書の容量の増大を避けることが困難である。仮に膨大な容量を有する辞書が文字入力装置に記憶されていても、新語等の文字列が入力された場合には簡易な操作で適切な日本語表記を出力することは非常に困難であった。
【0008】
本発明は、前述の従来の事情に鑑みてなされたもので、文字入力において当該入力された文字列に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に挿入する文字入力装置、文字入力方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の文字入力装置は、文字列を入力する第1の操作部と、第1の操作部により入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の操作部と、第1及び第2の操作部によりそれぞれ入力された入力内容を解析する操作解析部と、文字列又は文字列に挿入された特殊文字列により区分された文字列をそれぞれ変換するための辞書を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている辞書に基づいて、操作解析部により解析された入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成部と、確定候補生成部により生成された確定候補を表示する表示部と、を備える。
【0010】
また、本発明の文字入力方法は、文字列を入力する第1の入力ステップと、入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の入力ステップと、それぞれ入力された入力内容を解析する操作解析ステップと、記憶部に記憶されている辞書を検索して、入力された文字列又は文字列に挿入された特殊文字列により区分された文字列を変換する変換ステップと、変換ステップを介して変換された結果に基づいて、解析された入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成ステップと、生成された確定候補を表示する表示ステップと、を備える。
【0011】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、文字列を入力する第1の入力ステップと、入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の入力ステップと、それぞれ入力された入力内容を解析する操作解析ステップと、記憶部に記憶されている辞書を検索して、入力された文字列又は文字列に挿入された特殊文字列により区分された文字列を変換する変換ステップと、変換された結果に基づいて、解析された入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成ステップと、生成された確定候補を表示する表示ステップと、を実現させる。
【0012】
前述した構成によれば、文字入力において当該入力された文字列に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に挿入することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る文字入力装置、文字入力方法、及びプログラムは、文字入力において当該入力された文字列に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】各実施形態の文字入力装置である携帯電話機の外観を示す説明図
【図2】第1の実施形態の文字入力装置である携帯電話機の内部構成を示すブロック図
【図3】第1の実施形態において入力された文字列の各状態における表示部に表示された入力内容の様子を示す説明図、(a)初期状態時、(b)文字入力時、(c)確定候補選択時、(d)ボタンAの押下時、(e)ボタンAの再押下時、(f)ボタンBの押下時、(g)ボタンAの押下時、(i)ボタンBの再押下時
【図4】第1の実施形態における文字入力装置である携帯電話機の動作を示すフローチャート
【図5】第1の実施形態の変形例において入力された文字列の各状態における表示部に表示された入力内容の様子を示す説明図、(a)初期状態時、(b)文字入力時、(c)ボタンAの押下時、(d)ボタンAの再押下時、(e)確定候補選択時、(f)確定候補選択時
【図6】第1の実施形態の変形例における文字入力装置である携帯電話機の動作を示すフローチャート
【図7】第2の実施形態の文字入力装置である携帯電話機の構成を示すブロック図
【図8】第2の実施形態において入力された文字列の各状態における表示部に表示された入力内容の様子を示す説明図、(a)初期状態時、(b)文字入力時、(c)確定候補選択時、(d)ボタンAの押下時、(e)確定候補選択時、(f)ボタンBの押下時、(g)確定候補選択時
【図9】第2の実施形態における文字入力装置である携帯電話機の動作を示すフローチャート
【図10】第3の実施形態の文字入力装置である携帯電話機の構成を示すブロック図
【図11】第3の実施形態において入力された文字列の各状態における表示部に表示された入力内容の様子を示す説明図、(a)初期状態時、(b)文字入力時、(c)確定候補選択時、(d)ボタンAの押下時又はボタンCの長押し時、(e)ボタンAの再押下時、(f)ボタンCの短押し時、(g)ボタンAの押下時、(i)ボタンAの再押下時
【図12】第3の実施形態における文字入力装置である携帯電話機の動作を示すフローチャート
【図13】第4の実施形態の文字入力装置である携帯電話機の構成を示すブロック図
【図14】第4の実施形態において入力された文字列の各状態における表示部に表示された入力内容の様子を示す説明図、(a)初期状態時、(b)文字入力時、(c)確定候補選択時、(d)ボタンDの押下時、(e)ボタンDの再押下時、(f)ボタンBの押下時
【図15】第4の実施形態における文字入力装置である携帯電話機の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。以下の各実施形態においては、本発明の文字入力装置として、図1に示す携帯電話機1を例に挙げて説明する。但し、本発明の文字入力装置は、携帯電話機1に限定されない。なお、本発明は、図1に示す携帯電話機1のような装置、又は当該装置であるコンピュータを動作させるための「プログラム」として表現することも可能であり、更に、携帯電話機1により実行されるステップを含む「方法」として表現することも可能である。即ち、本発明は、装置、方法及びプログラムのうちいずれのカテゴリーでも表現可能である。
【0016】
(第1の実施形態)
1.本発明の文字入力装置である携帯電話機1の概要
図1は、本発明の文字入力装置の一例である携帯電話機1の外観を示す説明図である。図1に示すように、携帯電話機1は、ヒンジ4を介して当該携帯電話機1の上筺体U又は下筺体Dがそれぞれ回動可能に設けられて構成されたものである。上筺体Uには、表示画面である表示部15が設けられている。下筺体Dには、文字を入力するためのテンキー2a、当該テンキー2aの押下により入力された文字列を選択又は表示部15に表示されたカーソル位置を移動するための方向キー2b、及びテンキー2aにより入力された文字を確定するための決定ボタン2c等により構成される操作部2が設けられている。
【0017】
2.第1の実施形態における携帯電話機1の構成
図2は、第1の実施形態の携帯電話機1の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機1は、操作部2と、操作受付部5と、制御部10と、記憶部20とを備える。
【0018】
制御部10は、主に操作解析部12と、挿入位置判断部14と、特殊文字列判断部16と、確定候補生成部18と、表示制御部19とを含む。なお、制御部10は操作受付部5を含めても良い。
【0019】
記憶部20には、特殊文字列挿入有無フラグデータ21と、挿入済み特殊文字列位置データ22と、特殊文字リストデータ23と、挿入対象特殊文字列データ24と、辞書データ25とが記憶されている。なお、特殊文字列挿入有無フラグデータ21と、挿入済み特殊文字列位置データ22と、挿入対象特殊文字列データ24とは、テンキー2aにより入力された特定の文字列に対して関連付けて記憶部20内に記憶される。
【0020】
なお、操作受付部5及び制御部10は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能であり、特にソフトウェアにより構成される際には、当該操作受付部5及び制御部10の動作が規定されたプログラムがCPU(Central Processing Unit)により読み込まれることにより、操作受付部5及び制御部10が動作可能となる。なお、操作受付部5及び制御部10の動作が規定されたプログラムは、携帯電話機1内の記憶部20に予め記憶されても良い。以下、前述した各要素について説明する。
【0021】
操作部2は、図1に示した携帯電話機1の下筺体Dに設けられた各種ボタンにより構成され、主に、テンキー2aと、方向キー2bと、決定ボタン2cと、ボタンA、ボタンB、ボタンC、ボタンDとを含む。この他、操作部2には、クリアボタンと、通話ボタンと、切断ボタンと等が含まれる。また、第1の実施形態ではボタンC及びボタンDは使用されないため、ボタンCの機能については第3の実施形態、ボタンDの機能については第4の実施形態にて説明する。
【0022】
ボタンAの機能について説明する。ボタンAは、テンキー2aにより入力された文字列に対して所定の特殊文字列が全く挿入されていない場合又は後述するボタンCにより当該特殊文字列の挿入位置が固定(保持)された場合に、当該ボタンAの押下に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の所定位置に1文字分の所定の特殊文字列が挿入されるために使用される。また、ボタンAは、テンキー2aにより入力された文字列の所定位置に1文字分の所定の特殊文字列が既に挿入されている場合には、当該ボタンAの押下に応じて、当該挿入されている特殊文字列を1文字分進めるような方向に移動するために使用される。
【0023】
所定の特殊文字列が挿入される所定位置とは、例えばテンキー2aにより入力された文字列の先頭文字列(1文字目)の次の2文字目の位置に対応する位置である。但し、この所定位置は任意の位置に設定可能としても良い。また、所定の特殊文字列とは、例えば長音又は中点等の記号の文字列、又は携帯電話機1のユーザにより入力された文字の装飾に用いられる絵文字等の文字列を含み、携帯電話機1の記憶部20の特殊文字リスト23に予め記憶されている。以下、所定の特殊文字列を単に、「特殊文字列」と表記する。また、ボタンAの押下に応じて初期的に挿入される特殊文字列は、記憶部20において予め設定されている。但し、このボタンAの押下に応じて表示される特殊文字列は任意に設定可能である。以下、初期的に挿入される特殊文字列は、中点「・」であるとして説明する。
【0024】
ボタンBの機能について説明する。ボタンBは、テンキー2aにより入力された文字列又は当該テンキー2aにより入力された文字列の変更後の文字列のいずれかの位置に挿入された特殊文字列を変更するために使用される。
【0025】
操作受付部5は、操作部2により操作入力された入力内容を含む入力イベントを検出し、当該検出された入力イベントに対応する入力内容を制御部10の操作解析部12へ出力する。
【0026】
操作解析部12は、操作受付部5により出力された入力イベントに対応する入力内容を取得すると共に、当該取得された入力イベントに対応する入力内容、即ち、操作部2により操作入力された入力内容を解析する。入力内容には、テンキー2aの操作により文字列が入力される旨、方向キー2bの操作により入力された文字列が選択される旨、ボタンAの操作により特殊文字列が挿入又は移動される旨、ボタンBの操作により特殊文字列が変更される旨、及び決定ボタン2cの操作により入力された文字列が確定される旨の情報等が含まれる。操作解析部12は、解析された入力内容に応じて、挿入位置判断部14、特殊文字列判断部16、及び確定候補生成部18のうちいずれか又は全てに対して当該解析された入力内容に応じた動作指示をそれぞれ出力する。
【0027】
挿入位置判断部14は、操作解析部12により出力された動作指示を取得する。また、挿入位置判断部14は、この取得された動作指示に応じて、ボタンA又はボタンBの押下に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対する特殊文字列の挿入有無及び挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14は、当該判断された特殊文字列の挿入有無及び挿入位置に関する情報を、特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。
【0028】
また、挿入位置判断部14は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が挿入されていない場合にボタンAが押下されたことを操作解析部12から取得した場合、当該判断された挿入位置に特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。
【0029】
また、挿入位置判断部14は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンAが押下されたことを操作解析部12から取得した場合、当該既に挿入されている特殊文字列の挿入位置を1文字列分進めるように挿入位置を変更する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。
【0030】
更に、挿入位置判断部14は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンBが押下されたことを操作解析部12から取得した場合、当該判断された挿入位置における特殊文字列を変更する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。
【0031】
特殊文字列判断部16は、操作解析部12により出力された動作指示及び挿入位置判断部14により出力された情報を取得する。また、特殊文字列判断部16は、当該取得された動作指示及び情報に応じて、ボタンA又はボタンBの押下に応じて、挿入、移動又は変更される対象の特殊文字列の種別を記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23及び挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。特殊文字列判断部16は、当該判断された特殊文字列の種別に関する情報を、確定候補生成部18に出力する。
【0032】
具体的には、特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により判断された挿入位置に特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を挿入位置判断部14から取得した場合、初期的に挿入するように予め設定された種別の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する。
【0033】
また、特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により判断された挿入位置における特殊文字列を1文字列分進めるように挿入位置を変更する必要がある旨の情報を挿入位置判断部14から取得した場合、当該判断された種別の特殊文字列を1文字列分進めるように挿入位置を変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する。
【0034】
更に、特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により判断された挿入位置における特殊文字列を変更する必要がある旨の情報を挿入位置判断部14から取得した場合、当該判断された種別の特殊文字列に変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する。
【0035】
例えば、挿入対象特殊文字列データ24の参照により現在既に挿入されている特殊文字列が中点「・」であり且つ特殊文字列リストデータ23の参照により変更後の特殊文字列が記号「☆」であると判断された場合には、特殊文字列判断部16は、現在既に挿入されている特殊文字列である中点「・」を記号「☆」に変更する必要がある旨を確定候補生成部18に出力する。
【0036】
確定候補生成部18は、操作解析部12により出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14及び特殊文字列判断部16によりそれぞれ出力された情報を取得する。また、確定候補生成部18は、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補、ボタンAの押下に応じて特殊文字列が挿入或いは移動された文字列の確定候補、及びボタンBの押下に応じて特殊文字列の種別が変更された文字列の確定候補のうちいずれかを生成し、当該生成された文字列の確定候補を表示制御部19に出力する。
【0037】
表示制御部19は、確定候補生成部18により生成されたいずれかの文字列の確定候補を取得すると共に、当該取得された文字列の確定候補を表示部15に表示するように制御する。
【0038】
特殊文字列挿入有無フラグデータ21は、テンキー2aにより入力された文字列に対して挿入された特殊文字列の有無に関するフラグデータである。例えば、挿入位置判断部14により特殊文字列挿入有無フラグデータ21が「1」であると判断された場合には、入力又は選択された確定候補の文字列の中に少なくとも1文字列分の特殊文字列が挿入されている。また、同様に挿入位置判断部14により特殊文字列挿入有無フラグデータ21が「0」であると判断された場合には、入力又は選択された確定候補の文字列の中に特殊文字列は挿入されていない。
【0039】
挿入済み特殊文字列位置データ22は、テンキー2aにより入力された文字列に対して挿入された特殊文字列の挿入位置を示すデータである。例えば、挿入位置判断部14により挿入済み特殊文字列位置データ22が「3」であると判断された場合には、入力又は選択された確定候補の文字列の先頭から3文字目に特殊文字列が挿入されている。
【0040】
特殊文字列リストデータ23は、予め設定された所定の順序に従って複数の特殊文字列がリスト化されたデータである。例えば、特殊文字列リストデータ23は、1番目の特殊文字列である中点「・」、2番目の特殊文字列である記号「☆」、3番目の特殊文字列である記号「○」、…というように予め使用される特殊文字列が設定されている。
【0041】
挿入対象特殊文字列データ24は、テンキー2aにより入力された文字列に既に挿入されている特殊文字列の種別を示すデータである。例えば、特殊文字列判断部16により挿入対象特殊文字列データ24が中点「・」であると判断された場合には、テンキー2aにより入力された文字列には、中点「・」が挿入されている。
【0042】
辞書データ25は、テンキー2aにより入力された文字列とのマッチングに使用される「かな見出し」と、当該テンキー2aにより入力された文字列と当該かな見出しとがマッチングした際に変換結果として出力される「表記文字列」とが関連付けされた組データを複数有する。
【0043】
3.テンキー2aにより入力された文字列の状態変化
図3は、第1の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1において入力された文字列の各状態における表示部15の様子を示す説明図である。図3(a)は初期状態時、同図(b)は文字入力時、同図(c)は確定候補選択時、同図(d)はボタンAの押下時、同図(e)はボタンAの再押下時、同図(f)はボタンBの押下時、同図(g)はボタンAの押下時、同図(i)はボタンBの再押下時の状態をそれぞれ示す。
【0044】
図3(a)は文字列が全く入力されていない状態であり、表示画面である表示部15には入力欄のみが表示されている。図3(a)に示される状態でテンキー2aにより文字列「まいだいありー」が入力された場合には、図3(b)に示すように、確定候補欄に文字列「まいだいありー」及び文字列「マイダイアリー」が確定候補の文字列として表示され、入力欄には確定候補欄の1番目の文字列「まいだいありー」が表示される。この図3(b)に示される状態では、挿入位置判断部14により、文字列「まいだいありー」及び文字列「マイダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。
【0045】
図3(b)の状態で方向キー2bが例えば2回押下された場合には、図3(c)に示すように、確定候補欄には文字例「まいだいありー」及び当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイダイアリー」が表示され、入力欄には方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイダイアリー」が表示される。この図3(c)に示される状態では、挿入位置判断部14により、反転された文字列「マイダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。なお、文字列「まいだいありー」に対応する特殊文字列挿入有無フラグデータ21に関しては図3(b)に示される状態と同様である。
【0046】
図3(c)の状態でボタンAが1回押下された場合には、図3(d)に示すように、確定候補欄には文字列「まいだいありー」及び反転された文字列「マ・イダイアリー」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「マ・イダイアリー」が表示される。即ち、ボタンAの押下に応じて、図3(c)の状態で反転表示された文字列「マイダイアリー」の1文字目「マ」の次の文字列である2文字目の位置に特殊文字列である中点「・」が挿入されて表示される。この図3(d)に示される状態では、挿入位置判断部14により、反転された文字列「マ・イダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0047】
図3(d)の状態でボタンAが更に1回押下された場合には、図3(e)に示すように、確定候補欄には文字列「まいだいありー」及び反転された文字列「マイ・ダイアリー」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「マイ・ダイアリー」が表示される。即ち、ボタンAの2回連続した押下に応じて、図3(d)の状態で反転表示された文字列「マ・イダイアリー」の2文字目の中点「・」が次の文字列の位置に移動するように表示される。また、この図3(e)に示される状態では、挿入位置判断部14により、反転された文字列「マイ・ダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、反転された文字列「マイ・ダイアリー」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0048】
図3(e)の状態でボタンBが押下された場合には、図3(f)に示すように、確定候補欄には文字列「まいだいありー」及び反転された文字列「マイ☆ダイアリー」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「マイ☆ダイアリー」が表示される。即ち、ボタンBの押下に応じて、図3(e)の状態で反転表示された文字列「マイ・ダイアリー」の3文字目の中点「・」が記号「☆」に変更されて表示される。また、この図3(f)に示される状態では、挿入位置判断部14により、反転された文字列「マイ☆ダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、反転された文字列「マイ☆ダイアリー」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として記号「☆」が設定される。
【0049】
図3(f)の状態でボタンAが押下された場合には、図3(g)に示すように、確定候補欄には文字列「まいだいありー」及び反転された文字列「マイダ☆イアリー」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「マイダ☆イアリー」が表示される。即ち、ボタンAの押下に応じて、図3(f)の状態で反転表示された文字列「マイ☆ダイアリー」の3文字目の記号「☆」が次の文字列の位置に移動するように表示される。また、この図3(g)に示される状態では、挿入位置判断部14により、反転された文字列「マイダ☆イアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「4」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、反転された文字列「マイダ☆イアリー」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として記号「☆」が設定される。
【0050】
図3(f)の状態でボタンBが押下された場合には、図3(i)に示すように、確定候補欄には文字列「まいだいありー」及び反転された文字列「マイ○ダイアリー」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「マイ○ダイアリー」が表示される。即ち、ボタンBの押下に応じて、図3(f)の状態で反転表示された文字列「マイ☆ダイアリー」の3文字目の記号「☆」が記号「○」に変更されて表示される。また、この図3(i)に示される状態では、挿入位置判断部14により、反転された文字列「マイ○ダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、反転された文字列「マイ○ダイアリー」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として記号「○」が設定される。
【0051】
4.第1の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1の動作
図4は、第1の実施形態における文字入力装置である携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。図4において、先ず、携帯電話機1のユーザにより、テンキー2a、方向キー2b、決定ボタン2c、ボタンA、及びボタンBのうちいずれかのボタンである操作部2が押下される(S11)。操作受付部5は、操作部2により操作された入力内容を含む入力イベントを検出し、当該検出された入力イベントに対応する入力内容を制御部10の操作解析部12へ出力する。操作解析部12は、操作受付部5により出力された入力イベントに対応する入力内容、即ち、操作部2により操作された入力内容を解析する。
【0052】
文字入力用のテンキー2aが操作されたと操作解析部12により解析された場合には(S12のYES)、操作解析部12は、テンキー2aにより入力された文字列を確定候補の文字列として生成するように確定候補生成部18に動作指示を出力する。確定候補生成部18は、操作解析部12により出力された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補を生成する(S13)。確定候補生成部18は、この生成された確定候補の文字列を表示制御部19に出力する。表示制御部19は、確定候補生成部18により生成された文字列の確定候補を表示部15に表示するように制御する(S13)。
【0053】
入力された文字列の選択用の方向キー2bが操作されたと操作解析部12により解析された場合には(S14のYES)、操作解析部12は、当該方向キー2bの操作回数に応じてテンキー2aにより入力された文字列を選択する(S15)。
【0054】
特殊文字列の挿入用のボタンAの操作であると操作解析部12により解析された場合には(S16のYES)、操作解析部12は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されているか否かを挿入位置判断部14が判断するように動作指示を出力する。挿入位置判断部14は、操作解析部12により出力された動作指示に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して、テンキー2aにより入力された文字列に対する特殊文字列の挿入有無及び挿入位置を判断する(S17)。
【0055】
特殊文字列が全く挿入されていないと判断された場合には(S17のNO)、挿入位置判断部14は、テンキー2aにより入力された文字列の先頭文字列の次の文字列の位置に、特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する(S18)。特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により出力された情報に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列データ23を参照して、初期的に挿入するように予め設定された特殊文字列の種別を判断する。特殊文字列判断部16は、当該判断された種別の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する(S18)。確定候補生成部18は、操作解析部14及び特殊文字列判断部16によりそれぞれ出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の先頭文字列の次の文字列の位置に、初期的に挿入するように予め設定された特殊文字列が挿入された文字列の確定候補を生成する(S13)。
【0056】
特殊文字列が既に挿入されていると判断された場合には(S17のYES)、挿入位置判断部14は、当該既に挿入されている特殊文字列の挿入位置を1文字列分進めるように挿入位置を変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する(S19)。確定候補生成部18は、挿入位置判断部14により出力された情報に応じて、現在既に挿入されている特殊文字列の挿入位置を1文字列分進めることにより挿入位置が変更された文字列の確定候補を生成する(S13)。
【0057】
特殊文字列の変更用のボタンBの操作であると操作解析部12により解析された場合には(S20のYES)、操作解析部12は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されているか否かを挿入位置判断部14が判断するように動作指示を出力する。挿入位置判断部14は、操作解析部12により出力された動作指示に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して、テンキー2aにより入力された文字列に対する特殊文字列の挿入有無及び挿入位置を判断する。挿入位置判断部14は、この判断された挿入位置における特殊文字列を変更する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により出力された情報に応じて、変更後の特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23及び挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。特殊文字列判断部16は、当該判断された種別の特殊文字列に変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する(S21)。確定候補生成部18は、挿入位置判断部14及び特殊文字列判断部16により出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に現在既に挿入されている特殊文字列の種別が変更された確定候補の文字列を生成する(S13)。
【0058】
確定候補生成部18により生成された確定候補の文字列のうち方向キー2bの押下により選択された確定候補の文字列に対して確定用の決定ボタン2cが操作されたと操作解析部12により解析された場合(S22のYES)、制御部10は、当該決定ボタン2cの操作に基づいて確定候補生成部18により生成された確定候補の文字列を確定する(S23)。
【0059】
以上説明したように、第1の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1は、操作された操作部2の種別及び当該操作部2による入力内容を解析し、当該解析された入力内容に応じて、入力された文字列の確定候補の生成、特殊文字列の挿入、既に挿入済みの特殊文字列の挿入位置の変更、及び既に挿入済みの特殊文字列の変更、及び確定候補の文字列のうち選択された文字列の確定のいずれかを実行する。
【0060】
従来では、例えば図3に示すような文字列「マ・イダイアリー」を入力する際には、「かな文字」が入力可能な状態に遷移して「マ」と入力した後に、「記号」が入力可能な状態に遷移して区切り文字である中点「・」を入力し、再度「かな文字」が入力可能な状態に遷移して「イダイアリー」と入力することで全体の文字列「マ・イダイアリー」を入力することができた。しかし、このような手続きは、複数回のボタンの操作がユーザに求められるために非常に煩雑であった。
【0061】
また、テンキー2aにより入力された文字列「マイ・ダイアリー」という用語を「まいだいありー」という振り仮名を関連付けた組データを辞書データ25として予め登録することにより、文字列「マイ・ダイアリー」への変換は比較的容易であった。しかし、辞書データ25に「まいだいありー」と「マイ・ダイアリー」とを関連付けた組データを予め登録する必要があり、辞書データ25に予め登録されていない新語等の文字を変換することは実質的に困難であった。更に、入力された文字を装飾するためには、挿入される特殊文字列がユーザ個人の嗜好性に極度に依存するために、当該装飾目的に使用される特殊文字列を含めた組データを予め辞書データ25に登録することは辞書の容量が著しく増大するという問題があった。
【0062】
従って、第1の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1によれば、文字入力において当該入力された文字列の特定位置に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に挿入することができる。更に、挿入される特殊文字列は任意に設定可能であるため、当該特殊文字列に区切り文字である中点「・」又は絵文字等を使用することにより、様々な区切り文字又は絵文字を使用して入力された文字列の装飾性をユーザ個人の嗜好性に合わせて簡易な操作で向上することができる。
【0063】
(第1の実施形態の変形例)
5.テンキー2aにより入力された文字列の状態変化
次に、第1の実施形態の変形例について図5及び図6を参照して説明する。図5は、第1の実施形態の変形例において入力された文字列の各状態における表示部15の様子を示す説明図である。図5(a)は初期状態時、図5(b)は文字入力時、図5(c)はボタンAの押下時、図5(d)はボタンAの再押下時、図5(e)は確定候補選択時、図5(f)は確定候補選択時の状態をそれぞれ示す。
【0064】
第1の実施形態の変形例では、テンキー2aにより入力された文字列が方向キー2bの押下に応じて選択される前に、特殊文字列を挿入可能とする。これにより、挿入された特殊文字列により区分された前後の各々の文字列に対してそれぞれ辞書データ25に基づいて簡易な操作で変換することができる。なお、第1の実施形態の変形例における携帯電話機1は、第1の実施形態の携帯電話機1と同等の構成を有するため、当該構成の説明は省略する。
【0065】
図5(a)では、文字列が全く入力されていない状態であり、表示画面である表示部15には、入力欄のみが表示されている。図5(a)に示される状態でテンキー2aにより文字列「いぬどうが」が入力された場合には、図5(b)に示すように、確定候補欄に文字列「いぬどうが」及び文字列「イヌドウガ」が確定候補の文字列として表示され、入力欄には確定候補欄の1番目の確定候補の文字列「いぬどうが」が表示される。この図5(b)に示される状態では、挿入位置判断部14により、文字列「いぬどうが」及び文字列「イヌドウガ」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。
【0066】
図5(b)の状態でボタンAが1回押下された場合には、図5(c)に示すように、確定候補欄には文字列「い・ぬどうが」及び文字列「イ・ヌドウガ」が表示され、入力欄には確定候補欄の1番目の文字列「い・ぬどうが」が表示される。即ち、ボタンAが方向キー2bによる選択前に押下されたため、図5(b)の状態で表示された確定候補の文字列「いぬどうが」及び文字列「イヌドウガ」のそれぞれの先頭文字列「い」及び「イ」の次の文字列の位置に特殊文字列である中点「・」が挿入されて表示される。また、この図5(c)に示される状態では、挿入位置判断部14により、文字列「い・ぬどうが」及び文字列「イ・ヌドウガ」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」がそれぞれ設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」がそれぞれ設定される。更に、特殊文字列判断部16により、文字列「い・ぬどうが」及び文字列「イ・ヌドウガ」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0067】
図5(c)の状態でボタンAが更に1回押下された場合には、図5(d)に示すように、確定候補欄には文字列「いぬ・どうが」、文字列「イヌ・ドウガ」及び辞書データ25により変換された文字列「犬・動画」が表示され、入力欄には確定候補の1番目の文字列「いぬ・どうが」が表示される。即ち、ボタンAが方向キー2bによる選択前に押下されたため、図5(c)の状態で表示された確定候補の文字列「い・ぬどうが」及び文字列「イ・ヌドウガ」のそれぞれの2文字目の中点「・」が1文字進むように移動して表示される。更に、当該中点「・」の移動により文字列「いぬ・どうが」のうち中点「・」により区分された前後の文字列「いぬ」及び「どうが」がそれぞれ辞書データ25により変換された文字列「犬・動画」も追加的に表示される。また、この図5(d)に示される状態では、挿入位置判断部14により、文字列「いぬ・どうが」、文字列「イヌ・ドウガ」及び文字列「犬・動画」に対して特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」がそれぞれ設定される。更に、挿入位置判断部14により、文字列「いぬ・どうが」及び文字列「イヌ・ドウガ」に対して挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定され、文字列「犬・動画」に対して挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、文字列「いぬ・どうが」、文字列「イヌ・ドウガ」及び文字列「犬・動画」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0068】
図5(c)の状態で方向キー2bが例えば2回押下された場合には、図5(e)に示すように、確定候補欄には文字列「い・ぬどうが」及び当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「イ・ヌドウガ」が表示され、入力欄には方向キー2bの押下選択により反転された文字列「イ・ヌドウガ」が表示される。この図5(e)に示される状態では、挿入位置判断部14により、文字列「い・ぬどうが」及び反転された文字列「イ・ヌドウガ」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定される。更に、挿入位置判断部14により、文字列「い・ぬどうが」及び反転された文字列「イ・ヌドウガ」に対して、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、文字列「い・ぬどうが」及び反転された文字列「イ・ヌドウガ」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0069】
図5(d)の状態で方向キー2bが例えば2回押下された場合には、図5(f)に示すように、確定候補欄には文字列「いぬ・どうが」、文字列「イヌ・ドウガ」及び当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「犬・動画」が表示され、入力欄には方向キー2bの押下選択により反転された文字列「犬・動画」が表示される。この図5(f)に示される状態では、挿入位置判断部14により、文字列「いぬ・どうが」、文字列「イヌ・ドウガ」及び反転された文字列「犬・動画」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」がそれぞれ設定される。更に、挿入位置判断部14により、文字列「いぬ・どうが」及び文字列「イヌ・ドウガ」に対して挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定され、文字列「犬・動画」に対して挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」が設定される。更に、特殊文字列判断部16により、文字列「いぬ・どうが」、文字列「イヌ・ドウガ」及び文字列「犬・動画」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0070】
6.第1の実施形態の変形例の文字入力装置である携帯電話機1の動作
図6は、第1の実施形態の変形例における文字入力装置である携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。図6において、先ず、携帯電話機1のユーザにより、テンキー2a、方向キー2b、ボタンA、及びボタンBのいずれかのボタンであるが押下される(S31)。操作受付部5は、操作部2により操作された入力内容を含む入力イベントを検出し、当該検出された入力イベントに対応する入力内容を制御部10の操作解析部12へ出力する。操作解析部12は、操作受付部5により出力された入力イベントに対応する入力内容、即ち、操作部2により操作された入力内容を解析する。
【0071】
文字入力用のテンキー2aが操作されたと操作解析部12により解析された場合には(S32のYES)、操作解析部12は、テンキー2aにより入力された文字列を確定候補の文字列として生成するように確定候補生成部18に動作指示を出力する。確定候補生成部18は、操作解析部12により出力された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補を生成する(S41)。確定候補生成部18は、この生成された確定候補の文字列を表示制御部19に出力する。表示制御部19は、確定候補生成部18により生成された文字列の確定候補を表示部15に表示するように制御する(S41)。
【0072】
特殊文字列の挿入用のボタンAの操作であると操作解析部12により解析された場合には(S33のYES)、操作解析部12は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されているか否かを挿入位置判断部14が判断するように動作指示を出力する。挿入位置判断部14は、操作解析部12により出力された動作指示に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して、テンキー2aにより入力された文字列に対する特殊文字列の挿入有無及び挿入位置判断する(S34)。
【0073】
特殊文字列が全く挿入されていないと判断された場合には(S34のNO)、挿入位置判断部14は、テンキー2aにより入力された文字列の先頭文字列の次の文字列の位置に、特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する(S35)。特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により出力された情報に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列データ23を参照して、初期的に挿入するように予め設定された特殊文字列の種別を判断する。特殊文字列判断部16は、当該判断された種別の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する(S35)。確定候補生成部18は、操作解析部14及び特殊文字列判断部16によりそれぞれ出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の先頭文字列の次の文字列の位置に、初期的に挿入するように予め設定された特殊文字列が挿入された文字列の確定候補を生成する(S41)。
【0074】
特殊文字列が既に挿入されていると判断された場合には(S34のYES)、挿入位置判断部14は、当該既に挿入されている特殊文字列の挿入位置を1文字列分進めるように挿入位置を変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する(S36)。確定候補生成部18は、挿入位置判断部14により出力された情報に応じて、現在既に挿入されている特殊文字列の挿入位置を1文字列分進めることにより挿入位置が変更された文字列の確定候補を生成する(S41)。
【0075】
入力された文字列の選択用の方向キー2bが操作されたと操作解析部12により解析された場合には(S37のYES)、操作解析部12は、当該方向キー2bの操作回数に応じてテンキー2aにより入力された文字列を選択する(S38)。
【0076】
特殊文字列の変更用のボタンBの操作であると操作解析部12により解析された場合には(S39のYES)、操作解析部12は、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されているか否かを挿入位置判断部14が判断するように動作指示を出力する。挿入位置判断部14は、操作解析部12により出力された動作指示に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して、テンキー2aにより入力された文字列に対する特殊文字列の挿入有無及び挿入位置を判断する。挿入位置判断部14は、この判断された挿入位置における特殊文字列を変更する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。特殊文字列判断部16は、挿入位置判断部14により出力された情報に応じて、変更後の特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23及び挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。特殊文字列判断部16は、当該判断された種別の特殊文字列に変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する(S40)。確定候補生成部18は、挿入位置判断部14及び特殊文字列判断部16により出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に現在既に挿入されている特殊文字列の種別が変更された確定候補の文字列を生成する(S41)。
【0077】
以上説明したように、第1の実施形態の変形例の文字入力装置である携帯電話機1は、テンキー2aにより入力された文字列が方向キー2bである操作部2の操作により確定候補の文字列が選択される前に、第1の実施形態と同様に、操作部2の種別及び当該操作部2による入力内容を解析する。第1の実施形態の変形例の文字入力装置である携帯電話機1は、この解析された入力内容に応じて、入力された文字列の確定候補の生成、特殊文字列の挿入、既に挿入済みの特殊文字列の挿入位置の変更、及び既に挿入済みの特殊文字列の変更のいずれかを実行する。
【0078】
従来では、例えば文字列「犬」及びかな見出し「いぬ」の組データと、文字列「動画」及びかな見出し「どうが」の組データとが辞書データ25として予め登録されていたため、文字列「いぬ」又は文字列「どうが」が入力された際には当該辞書データ25により、文字列「犬」又は文字列「動画」とそれぞれ変換することができた。しかし、テンキー2aにより入力された文字列「いぬどうが」が文字列「犬」及び文字列「動画」の組み合わせからなる文字列であることが解析できない限り、簡易な操作で、当該テンキー2aにより入力された文字列「いぬどうが」を文字列「犬」及び文字列「動画」に個別に変換することはできなかった。
【0079】
従って、第1の実施形態の変形例の文字入力装置である携帯電話機1によれば、文字入力において当該入力された文字列の特定位置に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に挿入することができる。更に、挿入される特殊文字列は任意に設定可能であるため、当該特殊文字列に区切り文字である中点「・」又は絵文字等を使用することにより、様々な区切り文字又は絵文字を使用して入力された文字列の装飾性をユーザ個人の嗜好性に合わせて簡易な操作で向上することができる。更に、第1の実施形態の変形例の文字入力装置である携帯電話機1によれば、テンキー2aにより入力された文字列に対して確定候補が個別に選択される前に、区切り文字等の特殊文字を簡易な操作で挿入可能なため、テンキー2aにより入力された文字列の個別変換を簡易に実行可能である。
【0080】
(第2の実施形態)
7.第2の実施形態における携帯電話機1aの構成
図7は、第2の実施形態の携帯電話機1aの内部構成を示すブロック図である。なお、図7において、図2に示した第1の実施形態の携帯電話機1と同等の構成及び同様の動作を行うものについては同様の参照符号が付され、以下、第1の実施形態の携帯電話機1の構成ごとの動作に加えて実行される動作内容について説明する。
【0081】
操作解析部12aは、特殊文字列の挿入用のボタンAの押下に応じて、テンキー2aにより入力された文字列及び文字列リストAを生成するように、挿入位置判断部14a、特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aに動作指示を出力する。ここで、文字列リストAとは、テンキー2aにより入力された文字列のうち選択された文字列の先頭文字列の次の挿入位置から当該文字列の最終文字列の直前の挿入位置のいずれかの挿入位置に特殊文字列が挿入された場合の全ての確定候補の文字列のリストであると定義する。
【0082】
また、操作解析部12aは、特殊文字列の変更用のボタンBの押下に応じて、文字列リストBを生成するように、挿入位置判断部14a、特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aに動作指示を出力する。ここで、文字列リストBとは、前述した文字列リストAのうち選択された確定候補の文字列の特殊文字列の挿入位置に、特殊文字列リストデータ23に記憶されている全ての特殊文字列が挿入された場合の全ての確定候補の文字列のリストであると定義する。
【0083】
挿入位置判断部14aは、操作解析部12aにより出力された動作指示を取得する。また、挿入位置判断部14aは、この取得された動作指示に応じて、ボタンA又はボタンBの押下に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対する文字列リストA又は文字列リストBを生成する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aに出力する。
【0084】
特に、挿入位置判断部14aは、既に文字列リストAが生成されている場合にボタンBが押下されたことを操作解析部12aから取得した場合、既に当該文字列リストAに挿入されている特殊文字列の種別を判断する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16aに出力する。
【0085】
特殊文字列判断部16aは、操作解析部12aにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14aにより出力された情報を取得する。また、特殊文字列判断部16aは、当該取得された動作指示及び情報に応じて、ボタンA又はボタンBの押下に応じて、文字列リストAの生成のために初期的に挿入するように予め設定された特殊文字列の種別又は文字列リストBの生成のために必要な全ての特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23を参照して判断する。特殊文字列判断部16aは、当該判断された特殊文字列の種別に関する情報を確定候補生成部18aに出力する。
【0086】
具体的には、特殊文字列判断部16aは、挿入位置判断部14aにより判断された文字列リストAに挿入される特殊文字列の種別を判断する必要がある旨の情報を挿入位置判断部14aにより取得した場合、初期的に挿入するように予め設定された種別の特殊文字列を挿入して文字列リストAを生成する必要がある旨の情報を確定候補生成部18に出力する。
【0087】
また、特殊文字列判断部16aは、挿入位置判断部14aにより判断された文字列リストBに挿入される特殊文字列の種別を判断する必要がある旨の情報を挿入位置判断部14aにより取得した場合、挿入位置判断部14aにより判断された全ての特殊文字列の種別を挿入して文字列リストBを生成する必要がある旨の情報を確定候補生成部18aに出力する。
【0088】
確定候補生成部18aは、操作解析部12aにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14a及び特殊文字列判断部16aによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18aは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補、文字列リストA及び文字列リストBのうちいずれかを生成し、当該生成された文字列の確定候補を表示制御部19に出力する。
【0089】
8.テンキー2aにより入力された文字列の状態変化
図8は、第2の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1aにおいて入力された文字列の各状態における表示部15の様子を示す説明図である。図8(a)は初期状態時、同図(b)は文字入力時、同図(c)は確定候補選択時、同図(d)はボタンAの押下時、同図(e)は確定候補選択時、同図(f)はボタンBの押下時、同図(g)は確定候補選択時の状態をそれぞれ示す。
【0090】
図8(a)では、文字列が全く入力されていない状態であるため、表示画面である表示部15には、入力欄のみが表示されている。この図8(a)に示される状態でテンキー2aにより文字列「まいだいありー」が入力された場合には、図8(b)に示すように、確定候補欄に文字列「まいだいありー」及び文字列「マイダイアリー」が確定候補の文字列として表示され、入力欄には確定候補欄の1番目の文字列「まいだいありー」が表示される。この図8(b)に示される状態では、挿入位置判断部14aにより、文字列「まいだいありー」及び文字列「マイダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「0」が設定される。
【0091】
図8(b)の状態で方向キー2bが例えば2回押下された場合には、図8(c)に示すように、確定候補欄には文字列「まいだいありー」及び当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイダイアリー」が表示され、入力欄には方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイダイアリー」が表示される。この図8(c)に示される状態では、挿入位置判断部14aにより、反転された文字列「マイダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「0」が設定される。なお、文字列「まいだいありー」に対応する特殊文字列挿入有無フラグデータ21aに関しては図8(b)に示される状態と同様である。
【0092】
図8(c)の状態でボタンAが1回押下された場合には、図8(d)に示すように、確定候補欄には図8(c)の状態で選択されている文字列「マイダイアリー」及び当該文字列「マイダイアリー」に対応する文字列リストAが表示され、入力欄には当該文字列リストAのうち方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マ・イダイアリー」が表示される。即ち、ボタンAの押下に応じて、図8(c)の状態で選択されたことにより反転表示された文字列「マイダイアリー」の先頭文字列「マ」の次の文字列の位置から当該文字列「マイダイアリー」の最終文字列「―」の直前の位置のいずれかの位置に中点「・」が挿入された文字列リストAが一斉に表示される。また、この図8(d)に示される状態では、挿入位置判断部14aにより、文字列「マイダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「0」が設定される。同様に、挿入位置判断部14aにより、文字列「マ・イダイアリー」、文字列「マイ・ダイアリー」〜文字列「マイダイアリー・」に対しては、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定される。また、例えば確定候補の文字列リストの文字列「マ・イダイアリー」に対して、挿入済み特殊文字列位置データ22aに位置データ「2」が設定され、他の文字列リストAを構成する各文字列にはそれぞれ異なる位置データが設定される。更に、特殊文字列判断部16aにより、確定候補の文字列リストの全てに対して、挿入対象特殊文字列データ24aに挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0093】
図8(d)の状態で方向キー2bが例えば1回押下された場合には、図8(e)に示すように、確定候補欄には当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイ・ダイアリー」を含む確定候補の文字列リストAが表示され、入力欄には当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイ・ダイアリー」が表示される。また、この図8(e)に示される状態では、挿入位置判断部14aにより、文字列「マイダイアリー」を除く当該確定候補の文字列リストAに対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「1」が設定される。同様に、挿入位置判断部14aにより、文字列「マイダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「0」が設定される。また、例えば確定候補の文字列リストの文字列「マイ・ダイアリー」に対して、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定され、他の文字列リストAを構成する各文字列にはそれぞれ異なる位置データが設定される。更に、特殊文字列判断部16aにより、確定候補の文字列リストの全てに対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0094】
図8(e)の状態でボタンBが押下された場合には、図8(f)に示すように、確定候補欄には文字列「マイ☆ダイアリー」の特殊文字列である記号「☆」を含む全ての特殊文字列が挿入された確定候補の文字列リストBが表示され、入力欄には方向キー2bの選択押下により反転された文字列「マイ☆ダイアリー」が表示される。即ち、ボタンBの押下に応じて、図8(e)の状態で方向キー2bの押下選択により反転表示された文字列「マイ☆ダイアリー」の挿入位置である3文字目に、記号「☆」の他に特殊文字列リスト23aに予め設定されている全ての記号が挿入された文字列リストBが一斉に表示される。また、この図8(f)に示される状態では、挿入位置判断部14aにより、例えば反転された文字列「マイ☆ダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22aに位置データ「3」が設定される。更に、特殊文字列判断部16aにより、反転された文字列「マイ☆ダイアリー」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として記号「☆」が設定される。また、図8(f)の確定候補欄に表示された文字列リストの一例として「マイ☆ダイアリー」について説明したが、当該文字列リストのうち他の文字列についても同様である。
【0095】
図8(f)の状態で方向キー2bが例えば1回押下された場合には、図8(g)に示すように、確定候補欄には当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイ○ダイアリー」を含む確定候補の文字列リストBが表示され、入力欄には当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「マイ○ダイアリー」が表示される。また、この図8(g)に示される状態では、挿入位置判断部14aにより、例えば反転された文字列「マイ○ダイアリー」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21aにフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22aに位置データ「3」が設定される。更に、特殊文字列判断部16aにより、反転された文字列「マイ○ダイアリー」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として記号「○」が設定される。また、図8(g)の確定候補欄に表示された文字列リストの一例として「マイ○ダイアリー」について説明したが、当該文字列リストのうち他の文字列についても同様である。
【0096】
9.第2の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1aの動作
図9は、第2の実施形態における文字入力装置である携帯電話機1aの動作を示すフローチャートである。図9において、先ず、携帯電話機1のユーザにより、テンキー2a、方向キー2b、決定ボタン2c、ボタンA及びボタンBのいずれかのボタンであるが押下される(S41)。操作受付部5は、操作部2により操作された入力内容を入力イベントを検出し、当該検出された入力イベントに対応する入力内容を制御部10aの操作解析部12aへ出力する。操作解析部12aは、操作受付部5により出力された入力イベントに対応する入力内容、即ち、操作部2により操作された入力内容を解析する。
【0097】
文字入力用のテンキー2aが操作されたと操作解析部12により解析された場合には(S42のYES)、操作解析部12aは、テンキー2aにより入力された文字列を確定候補の文字列として生成するように確定候補生成部18aに動作指示を出力する。確定候補生成部18aは、操作解析部12aにより出力された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補を生成する(S43)。確定候補生成部18aは、この生成された確定候補の文字列を表示制御部19aに出力する。表示制御部19aは、確定候補生成部18aにより生成された文字列の確定候補を表示部15に表示するように制御する(S43)。
【0098】
入力された文字列の選択用の方向キー2bが操作されたと操作解析部12aにより解析された場合には(S44のYES)、操作解析部12aは、当該方向キー2bの操作回数に応じてテンキー2aにより入力された文字列を選択する(S45)。
【0099】
特殊文字列の挿入用のボタンAの操作であると操作解析部12aにより解析された場合には(S46のYES)、操作解析部12aは、テンキー2aにより入力された文字列に対する文字列リストAを生成するように、挿入位置判断部14a、特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aに動作指示を出力する(S47)。
【0100】
ここで、ステップS47の動作の詳細について説明する。操作解析部12aは、確定候補生成部18aによる文字列リストAの生成のため、挿入位置判断部14a、特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aにそれぞれ動作指示を出力する。
【0101】
挿入位置判断部14aは、操作解析部12aにより出力された動作指示に応じて、ボタンAの押下に応じてテンキー2aにより入力された文字列に対する文字列リストAを生成する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aに出力する。
【0102】
特殊文字列判断部16aは、操作解析部12aにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14aにより出力された情報に応じて、初期的に挿入するように予め設定された特殊文字列の種別を記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23を参照して判断する。特殊文字列判断部16aは、当該判断された特殊文字列の種別に関する情報を確定候補生成部18aに出力する。確定候補生成部18aは、操作解析部12aにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14a及び特殊文字列判断部16aによりそれぞれ出力された情報を取得する。
【0103】
確定候補生成部18は、操作解析部12aにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14a及び特殊文字列判断部16aによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18aは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対する文字列リストAを生成し、当該生成された文字列の文字列リストAの確定候補を表示制御部19に出力する。以上で、ステップS47の動作の詳細についての説明は終了する。
【0104】
特殊文字列の変更用のボタンBの操作であると操作解析部12aにより解析された場合には(S48のYES)、操作解析部12aは、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補のうち選択された文字列に対する文字列リストBを生成するように、挿入位置判断部14a、特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aに動作指示を出力する(S49)。
【0105】
ここで、ステップS49の動作の詳細について説明する。操作解析部12aは、確定候補生成部18aによる文字列リストBの生成のため、挿入位置判断部14a、特殊文字列判断部16a及び確定候補生成部18aにそれぞれ動作指示を出力する。
【0106】
挿入位置判断部14aは、操作解析部12aにより出力された動作指示に応じて、ボタンBの押下に応じてテンキー2aにより入力された文字列に対する文字列リストBを生成する必要がある旨の情報を確定候補生成部18aに出力する。更に、挿入位置判断部14aは、既に文字列リストAが生成されている場合にボタンBが押下されたことを操作解析部12aから取得した場合、既に当該文字列リストAに挿入されている特殊文字列の種別を判断する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16aに出力する。
【0107】
特殊文字列判断部16aは、操作解析部12aにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14aにより出力された情報に応じて、文字列リストBの生成のために必要な全ての特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23を参照して判断する。特種文字列判断部16aは、当該判断された特殊文字列の種別に関する情報を確定候補生成部18aに出力する。
【0108】
確定候補生成部18aは、操作解析部12aにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14a及び特殊文字列判断部16aによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18は、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対する文字列リストBを生成し、当該生成された文字列の文字列リストBの確定候補を表示制御部19に出力する。以上で、ステップS49の動作の詳細についての説明は終了する。
【0109】
確定候補生成部18aにより生成された確定候補の文字列のうち方向キー2bの押下により選択された確定候補の文字列に対して確定用の決定ボタン2cの操作であると操作解析部12により解析された場合(S50のYES)、制御部10aは、当該決定ボタン2cの操作に基づいて確定候補生成部18aにより生成された確定候補の文字列を確定する(S51)。
【0110】
以上説明したように、第2の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1aは、操作された操作部2の種別及び当該操作部2による入力内容を解析し、当該解析された入力内容に応じて、入力された文字列の確定候補の生成、文字列リストAの生成、文字列リストBの生成、及び確定候補の文字列のうち選択された文字列の確定のいずれかを実行する。
【0111】
従って、第2の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1aによれば、確定候補の文字列として入力された文字だけでなく、文字列リストA又は文字列リストBを生成するため、ユーザに対する確定候補の文字列の一覧を当該ユーザに提示して効率的な選択を促すことができる。
【0112】
(第3の実施形態)
10.第3の実施形態における携帯電話機1bの構成
図10は、第3の実施形態の携帯電話機1bの内部構成を示すブロック図である。なお、図10において、図2に示した第1の実施形態の携帯電話機1と同等の構成及び同様の動作を行うものについては同様の参照符号が付され、以下、第1の実施形態の携帯電話機1の構成ごとの動作に加えて実行される動作内容について説明する。
【0113】
先ず、図1に示すボタンCの機能について説明する。ボタンCは、テンキー2aにより入力された文字列に対して少なくとも1つの特殊文字列が既に挿入されている場合に、当該ボタンCの短時間押下(以下、単に「短押し」という)に応じて、当該特殊文字列の挿入位置が固定されるために使用される。また、ボタンCは、テンキー2aにより入力された文字列に対して1つの特殊文字列が既に挿入されている場合に、当該ボタンCの長時間押下(以下、単に「長押し」という)に応じて、当該挿入位置が固定された特殊文字列の挿入位置の固定を解除するために使用される。
【0114】
操作解析部12bは、特殊文字列の固定用及び解除用のボタンCの短押し及び長押しのいずれがなされたかを解析する。
【0115】
操作解析部12bは、特殊文字列の固定用及び解除用のボタンCの短押しに応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対して少なくとも1つの特殊文字列が既に挿入されている場合に、当該特殊文字列の挿入位置が固定された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14b、特殊文字列判断部16b、及び確定候補生成部18bにそれぞれ動作指示を出力する。
【0116】
また、操作解析部12bは、特殊文字列の固定用及び解除用のボタンCの長押しに応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対して少なくとも1つの特殊文字列が既に挿入されている場合に、当該特殊文字列の挿入位置の固定が解除された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14b、特殊文字列判断部16b、及び確定候補生成部18bにそれぞれ動作指示を出力する。
【0117】
挿入位置判断部14bは、操作解析部12bにより出力された動作指示を取得する。また、挿入位置判断部14bは、当該取得された動作指示に応じて、ボタンCの短押し又は長押しに応じて固定又は当該固定が解除される対象の特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。この動作指示とは、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンCが短押し又は長押しされたことが操作解析部12bにより解析された場合の動作指示である。挿入位置判断部14bは、ボタンCの短押し又は長押しに応じて、この判断された挿入位置における特殊文字列を固定又は当該固定を解除する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16b及び確定候補生成部18bに出力する。
【0118】
特殊文字列判断部16bは、操作解析部12bにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14bにより出力された情報を取得する。また、特殊文字列判断部16bは、この取得された動作指示及び情報に応じて、ボタンCの短押し又は長押しに応じて固定又は当該固定が解除される対象の特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。この動作指示とは、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンCが短押し又は長押しされたことが操作解析部12bにより解析された場合の動作指示である。特殊文字列判断部16bは、ボタンCの短押し又は長押しに応じて、この判断された種別の特殊文字列を固定又は当該固定を解除する必要がある旨の情報を確定候補生成部18bに出力する。
【0119】
確定候補生成部18bは、操作解析部12bにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14b及び特殊文字列判断部16bによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18bは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列の確定候補、ボタンAの押下に応じて特殊文字列が挿入或いは移動された文字列の確定候補、ボタンBの押下に応じて特殊文字列の種別が変更された文字列の確定候補、及びボタンCの押下に応じて固定或いは当該固定が解除された特殊文字列を含む文字列の確定候補を生成し、当該生成された文字列の確定候補を表示制御部19に出力する。
【0120】
記憶部20の挿入済み特殊文字列数データ26は、テンキー2aにより入力された文字列の中に挿入された特殊文字列の数を示すデータである。例えば、特殊文字列判断部16bにより挿入済み特殊文字列数データ26が「2」である場合には、テンキー2aにより入力された文字列に2つの特殊文字列が挿入されている。
【0121】
11.テンキー2aにより入力された文字列の状態変化
図11は、第3の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1bにおいて入力された文字列の各状態における表示部15の様子を示す説明図である。図11(a)は初期状態時、同図(b)は文字入力時、同図(c)は確定候補選択時、同図(d)はボタンAの押下時又はボタンCの長押し時、同図(e)はボタンAの再押下時、同図(f)はボタンCの短押し時、同図(g)はボタンAの押下時、同図(i)はボタンAの再押下時の状態をそれぞれ示す。
【0122】
図11(a)では文字列が全く入力されていない状態であり、表示画面である表示部15には、入力欄のみが表示されている。図11(a)に示される状態でテンキー2aにより文字列「あらかると」が入力された場合には、図11(b)に示すように、確定候補欄に文字列「あらかると」及び文字列「アラカルト」が確定候補の文字列として表示され、入力欄には確定候補欄の1番目の文字列「あらかると」が表示される。この図11(b)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、文字列「あらかると」及び文字列「アラカルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。
【0123】
図11(b)の状態で方向キー2bが例えば2回押下された場合には、図11(c)に示すように、確定候補欄には文字例「あらかると」及び当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「アラカルト」が表示され、入力欄には方向キー2bの押下選択により反転された文字列「アラカルト」が表示される。この図11(c)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、反転された文字列「アラカルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。なお、文字列「あらかると」に対応する特殊文字列挿入有無フラグデータ21に関しては図11(b)に示される状態と同様である。
【0124】
図11(c)の状態でボタンAが1回押下された場合には、図11(d)に示すように、確定候補欄には文字列「あらかると」及び反転された文字列「ア・ラカルト」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「ア・ラカルト」が表示される。即ち、ボタンAの押下に応じて、図11(c)の状態で反転表示された文字列「アラカルト」の先頭文字列「ア」の次の文字列の位置に中点「・」が挿入されて表示される。この図11(d)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、反転された文字列「ア・ラカルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0125】
図11(d)の状態でボタンAが更に1回押下された場合には、図11(e)に示すように、確定候補欄には文字列「あらかると」及び反転された文字列「アラ・カルト」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「アラ・カルト」が表示される。即ち、ボタンAの2回連続した押下に応じて、図11(d)の状態で反転表示された文字列「ア・ラカルト」の2文字目の中点「・」が次の文字列の位置に移動するように表示される。また、この図11(e)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、反転された文字列「アラ・カルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「3」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、反転された文字列「アラ・カルト」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0126】
図11(d)の状態でボタンCが短押しされた場合には、図11(f)に示すように、確定候補欄には文字列「あらかると」及び反転された文字列「ア・ラカルト」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「ア・ラカルト」が表示される。即ち、ボタンCの短押しに応じて、図11(d)の状態で反転表示された文字列「ア・ラカルト」の2文字目の中点「・」が当該2文字目の挿入位置で固定される。また、この図11(f)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、反転された文字列「ア・ラカルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にはフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22には位置データ「2」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、反転された文字列「ア・ラカルト」に対して、挿入対象特殊文字列データ24には挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。更に、ボタンCの短押しに応じて、挿入位置判断部14b又は特殊文字列判断部16bにより、当該固定された中点「・」に関する情報が記憶部20に記憶されても良い。
【0127】
反対に図11(f)の状態でボタンCが長押しされた場合には、図11(d)に示すように、確定候補欄には文字列「あらかると」及び反転された文字列「ア・ラカルト」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「ア・ラカルト」が表示される。即ち、ボタンCの長押しに応じて、図11(f)の状態で反転表示された文字列「ア・ラカルト」の2文字目の中点「・」が当該2文字目の挿入位置における固定が解除される。更に、ボタンCの長押しに応じて、挿入位置判断部14b又は特殊文字列判断部16bにより、当該固定された中点「・」に関する情報が記憶部20に記憶されても良い。
【0128】
図11(f)の状態でボタンAが1回押下された場合には、図11(g)に示すように、確定候補欄には文字列「あらかると」及び反転された文字列「ア・ラ・カルト」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「ア・ラ・カルト」が表示される。即ち、ボタンCの短押しに応じて1つ目の中点「・」の挿入位置が固定された状態で、ボタンAの押下に応じて初期的に挿入されるように予め設定された特殊文字列である中点「・」が図11(f)に示される3文字目「ラ」の次の位置に挿入されて表示される。また、この図11(g)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、反転された文字列「ア・ラ・カルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「2」及び「4」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、反転された文字列「ア・ラ・カルト」に対して、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、反転された文字列「ア・ラ・カルト」に対して、挿入済み特殊文字列数データ26に「2」が設定される。
【0129】
図11(g)の状態でボタンAが更に1回押下された場合には、図11(h)に示すように、確定候補欄には文字列「あらかると」及び反転された文字列「ア・ラカ・ルト」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「ア・ラカ・ルト」が表示される。即ち、ボタンCの短押しに応じて1つ目の中点「・」の挿入位置が固定された状態で、ボタンAの更なる押下に応じて初期的に挿入されるように予め設定された特殊文字列である中点「・」が図11(g)に示される4文字目「カ」の次の位置に移動するように表示される。また、この図11(h)に示される状態では、挿入位置判断部14bにより、反転された文字列「ア・ラカ・ルト」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にはフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22には位置データ「2」及び「5」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、反転された文字列「ア・ラカ・ルト」に対して、挿入対象特殊文字列データ24には挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。更に、特殊文字列判断部16bにより、反転された文字列「ア・ラカ・ルト」に対して、挿入済み特殊文字列数データ26には「2」が設定される。
【0130】
12.第3の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1bの動作
図12は、第3の実施形態における文字入力装置である携帯電話機1bの動作を示すフローチャートである。なお、図12に示すステップS61〜S71の処理に関しては、図4に示すステップS11〜S21と同一の処理のため当該説明は省略する。
【0131】
操作解析部12bは、特殊文字列の固定及び解除用のボタンCの短押し及び長押しのいずれがなされたかを判断する(S72)。
【0132】
ボタンCの短押しであると操作解析部12bにより解析された場合(S73の短押し)、操作解析部12bは、テンキー2aにより入力された文字列に対して少なくとも1つ挿入された特殊文字列の挿入位置が固定された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14b、特殊文字列判断部16b、及び確定候補生成部18bにそれぞれ動作指示を出力する。
【0133】
より具体的には、挿入位置判断部14bは、操作解析部12bにより出力された動作指示を取得する。挿入位置判断部14bは、当該取得された動作指示に応じて、ボタンCの短押しに応じて固定される特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14bは、ボタンCの短押しに応じて、当該判断された挿入位置における特殊文字列を固定する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16b及び確定候補生成部18bに出力する。
【0134】
特殊文字列判断部16bは、操作解析部12bにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14bにより出力された情報を取得する。特殊文字列判断部16bは、この取得された動作指示及び情報に応じて、ボタンCの短押しに応じて固定される対象の特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。特殊文字列判断部16bは、この判断された種別の特殊文字列を固定する必要がある旨の情報を確定候補生成部18bに出力する。
【0135】
確定候補生成部18bは、操作解析部12bにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14b及び特殊文字列判断部16bによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18bは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、ボタンCの短押しに応じて固定された特殊文字列を含む文字列の確定候補を生成し、当該生成された文字列の確定候補を表示制御部19に出力する(S74)。
【0136】
ボタンCの長押しであると操作解析部12bにより解析された場合(S73の長押し)、操作解析部12bは、テンキー2aにより入力された文字列に対して少なくとも1つ挿入された特殊文字列の挿入位置の固定が解除された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14b、特殊文字列判断部16b、及び確定候補生成部18bにそれぞれ動作指示を出力する。
【0137】
より具体的には、挿入位置判断部14bは、操作解析部12bにより出力された動作指示を取得する。挿入位置判断部14bは、当該取得された動作指示に応じて、ボタンCの長押しに応じて解除される特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14bは、ボタンCの長押しに応じて、当該判断された挿入位置における特殊文字列の固定を解除する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16b及び確定候補生成部18bに出力する。
【0138】
特殊文字列判断部16bは、操作解析部12bにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14bにより出力された情報を取得する。特殊文字列判断部16bは、この取得された動作指示及び情報に応じて、ボタンCの長押しに応じて固定が解除される対象の特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。特殊文字列判断部16bは、この判断された種別の特殊文字列の固定を解除する必要がある旨の情報を確定候補生成部18bに出力する。
【0139】
確定候補生成部18bは、操作解析部12bにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14b及び特殊文字列判断部16bによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18bは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、ボタンCの長押しに応じて固定が解除された特殊文字列を含む文字列の確定候補を生成し、当該生成された文字列の確定候補を表示制御部19に出力する(S75)。
【0140】
確定候補生成部18bにより生成された確定候補の文字列のうち方向キー2bの押下により選択された確定候補の文字列に対して確定用の決定ボタン2cの操作であると操作解析部12bにより解析された場合(S76のYES)、制御部10bは、当該決定ボタン2cの操作に基づいて確定候補生成部18bにより生成された確定候補の文字列を確定する(S77)。
【0141】
以上説明したように、第3の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1bは、操作された操作部2の種別及び当該操作部2による入力内容を解析し、当該入力内容に応じて、入力された文字列の確定候補の生成、特殊文字列の挿入、既に挿入済みの特殊文字列の挿入位置の変更、及び既に挿入済みの特殊文字列の変更、既に挿入済みの特殊文字列の当該挿入位置における固定及び解除、及び確定候補の文字列のうち選択された文字列の確定のいずれかを実行する。
【0142】
従って、第3の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1によれば、第1の実施形態の効果に加えて、文字入力において当該入力された文字列の特定位置に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に複数挿入することができる。更に、挿入される特殊文字列は任意に複数設定可能であり、且つ、当該挿入された特殊文字列を容易に固定又は当該固定を解除するため、当該特殊文字列に区切り文字である中点「・」又は絵文字等を使用することにより、様々な区切り文字又は絵文字を使用して入力された文字列の装飾性をユーザ個人の嗜好性に合わせて簡易な操作で向上することができる。更に、一度挿入した特殊文字の固定を簡易な操作で解除することにより、文字列全体の入力し直しが必要なくユーザの嗜好に合わせた文字列の入力を支援することができる。
【0143】
(第4の実施形態)
13.第4の実施形態における携帯電話機1cの構成
図13は、第4の実施形態の携帯電話機1cの内部構成を示すブロック図である。なお、図13において、図10に示した第3の実施形態の携帯電話機1と同等の構成及び同様の動作を行うものについては同様の参照符号が付され、以下、第3の実施形態の携帯電話機1bの構成ごとの動作に加えて実行される動作内容について説明する。
【0144】
先ず、図1に示すボタンDの機能について説明する。ボタンDは、少なくとも1種類の特殊文字列がテンキー2aにより入力された文字列の複数の挿入位置に一括挿入されるために使用される。また、ボタンDは、当該ボタンDが押下される度に、複数の挿入位置に一括挿入される特殊文字列の種類が逐次異なっても良いし、当該挿入位置が逐次変更されても良い。
【0145】
操作解析部12cは、複数の特殊文字列挿入用のボタンDの押下の有無を解析する。
【0146】
操作解析部12cは、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が全く挿入されていない場合において複数の特殊文字列挿入用のボタンDの押下に応じて、複数の挿入位置に少なくとも1種類の特殊文字列が一括挿入された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14c、特殊文字列判断部16c、及び確定候補生成部18cにそれぞれ動作指示を出力する。
【0147】
また、操作解析部12cは、複数の特殊文字列が既に挿入された場合においてボタンDの押下に応じて、当該既に挿入されている特殊文字列の挿入位置が変更された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14c及び確定候補生成部18cにそれぞれ動作指示を出力する。
【0148】
また、操作解析部12cは、複数の特殊文字列が既に挿入された場合においてボタンBの押下に応じて、当該既に挿入されている特殊文字列の種別が変更された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14c、特殊文字列判断部16c、及び確定候補生成部18cにそれぞれ動作指示を出力する。
【0149】
挿入位置判断部14cは、操作解析部12cにより出力された動作指示を取得する。また、挿入位置判断部14cは、当該取得された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が挿入されていない場合にボタンDの押下に応じて一括挿入される特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。例えば、特殊文字列が全く挿入されていない場合には、挿入位置判断部14cは、テンキー2aにより入力された文字列の各文字列の間に全て挿入する。挿入位置判断部14cは、この判断された挿入位置に少なくとも1種類の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を、特殊文字列判断部16c及び確定候補生成部18cに出力する。
【0150】
同様に、挿入位置判断部14cは、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンDの押下に応じて一括挿入される特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。例えば、特殊文字列が各文字列の間に全て挿入されている場合には、挿入位置判断部14cは、テンキー2aにより入力された文字列の先頭文字列の直前の位置と、当該文字列の最終文字列の直後の位置とに特殊文字列を挿入する旨を判断する。挿入位置判断部14cは、この判断された挿入位置に少なくとも1種類の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を、確定候補生成部18cに出力する。
【0151】
また、挿入位置判断部14cは、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンBの押下に応じて変更される特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14cは、当該判断された挿入位置における特殊文字列を変更する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。
【0152】
特殊文字列判断部16cは、操作解析部12cにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14cにより出力された情報を取得する。また、特殊文字列判断部16cは、この取得された動作指示及び情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が挿入されていない場合にボタンDの押下に応じて一括挿入される特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23を参照して判断する。特殊文字列判断部16cは、この判断された種別の特殊文字列を一括挿入する必要がある旨の情報を確定候補生成部18cに出力する。
【0153】
また、特殊文字列判断部16cは、操作解析部12cにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14cにより出力された情報を取得する。また、特殊文字列判断部16cは、この取得された動作指示及び情報に応じて、複数の特殊文字列が既に一括挿入されている場合に特殊文字列の変更用のボタンBの押下に応じて、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23を参照して、当該一括挿入されている特殊文字列の変更後の当該特殊文字列の種別を判断する。特殊文字列判断部16cは、この判断された種別の特殊文字列に変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18cに出力する。
【0154】
確定候補生成部18cは、操作解析部12cにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14c及び特殊文字列判断部16cによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18cは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対して複数の特殊文字列の一括挿入された確定候補の文字列、及び、入力された文字列のうち既に挿入されている特殊文字列が一括変更された確定候補の文字列のうちいずれかを生成する。確定候補生成部18cは、当該生成された文字列の確定候補を表示制御部19に出力する。
【0155】
14.テンキー2aにより入力された文字列の状態変化
図14は、第4の実施形態において入力された文字列の各状態における表示部15に表示された入力内容の様子を示す説明図である。図14(a)は初期状態時、同図(b)は文字入力時、同図(c)は確定候補選択時、同図(d)はボタンDの押下時、同図(e)はボタンDの再押下時、同図は(f)ボタンBの押下時の状態をそれぞれ示す。
【0156】
図14(a)では文字列が全く入力されていない状態であり、表示画面である表示部15には、入力欄のみが表示されている。図14(a)に示される状態で操作部2であるテンキー2aにより文字列「おめでとう」が入力された場合には、図14(b)に示すように、確定候補欄に文字列「おめでとう」及び文字列「オメデトウ」が確定候補の文字列として表示され、入力欄には確定候補欄の1番目の文字列「おめでとう」が表示される。この図14(b)に示される状態では、挿入位置判断部14cにより、文字列「おめでとう」及び文字列「オメデトウ」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。
【0157】
図14(b)の状態で方向キー2bが例えば2回押下された場合には、図14(c)に示すように、確定候補欄には文字例「おめでとう」及び当該方向キー2bの押下選択により反転された文字列「オメデトウ」が表示され、入力欄には方向キー2bの押下選択により反転された文字列「オメデトウ」が表示される。この図14(c)に示される状態では、挿入位置判断部14cにより、反転された文字列「オメデトウ」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「0」が設定される。なお、文字列「おめでとう」に対応する特殊文字列挿入有無フラグデータ21に関しては図14(b)に示される状態と同様である。
【0158】
図14(c)の状態でボタンDが1回押下された場合には、図14(d)に示すように、確定候補欄には文字列「おめでとう」及び反転された文字列「・オ・メ・デ・ト・ウ・」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「・オ・メ・デ・ト・ウ・」が表示される。即ち、ボタンDの押下に応じて、図14(c)の状態で反転表示された文字列「オメデトウ」の先頭文字列「オ」の直前の位置から当該文字列「オメデトウ」の最終文字列「ウ」の直後の位置までの各挿入位置に複数の中点「・」が一括挿入されて表示される。この図14(d)に示される状態では、挿入位置判断部14cにより、反転された文字列「・オ・メ・デ・ト・ウ・」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」が設定される。更に、特殊文字列判断部16cにより、挿入対象特殊文字列データ24には挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0159】
図14(d)の状態でボタンDが更に1回押下された場合には、図14(e)に示すように、確定候補欄には文字列「おめでとう」及び反転された文字列「・オメデトウ・」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「・オメデトウ・」が表示される。即ち、ボタンDの更なる1回の押下に応じて、図14(d)の状態で反転表示された文字列「・オ・メ・デ・ト・ウ・」の先頭文字列の位置に中点「・」及び最終文字列の位置に中点「・」が一括挿入されて表示される。この図14(e)に示される状態では、挿入位置判断部14cにより、反転された文字列「・オメデトウ・」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「1」及び「7」が設定される。更に、特殊文字列判断部16cにより、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として中点「・」が設定される。
【0160】
図14(e)の状態でボタンBが1回押下された場合には、図14(f)に示すように、確定候補欄には文字列「おめでとう」及び反転された文字列「☆オメデトウ☆」が表示され、入力欄には当該反転された文字列「☆オメデトウ☆」が表示される。即ち、ボタンBの1回の押下に応じて、図14(e)の状態で反転表示された文字列「・オメデトウ・」の先頭文字列の位置及び最終文字列の位置にそれぞれ挿入された特殊文字列である中点「・」が記号「☆」に一括変更されて表示される。この図14(f)に示される状態では、挿入位置判断部14cにより、反転された文字列「☆オメデトウ☆」に対して、特殊文字列挿入有無フラグデータ21にフラグ「1」が設定され、挿入済み特殊文字列位置データ22に位置データ「1」及び「7」が設定される。更に、特殊文字列判断部16cにより、挿入対象特殊文字列データ24に挿入対象の特殊文字列の種別として記号「☆」が設定される。
【0161】
15.第4の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1cの動作
図15は、第4の実施形態における文字入力装置である携帯電話機1cの動作を示すフローチャートである。なお、図15に示すステップS81〜S85の処理に関しては、図4に示すステップS11〜S15と同一の処理のため当該説明は省略する。
【0162】
操作解析部12cは、特殊文字列の一括挿入用のボタンDの押下の有無を解析する(S86)。
【0163】
テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が全く挿入されていない場合においてボタンDが押下されたと操作解析部12cに解析された場合には(S87のNO)、操作解析部12cは、複数の挿入位置に少なくとも1種類の特殊文字列が一括挿入された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14c、特殊文字列判断部16c、及び確定候補生成部18cにそれぞれ動作指示を出力する。
【0164】
より具体的には、挿入位置判断部14cは、操作解析部12cにより出力された動作指示を取得する。また、挿入位置判断部14cは、当該取得された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が全く挿入されていない場合にボタンDの押下に応じて一括挿入する特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14cは、この判断された挿入位置に少なくとも1種類の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を、特殊文字列判断部16c及び確定候補生成部18cに出力する。
【0165】
特殊文字列判断部16cは、操作解析部12cにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14cにより出力された情報を取得する。また、特殊文字列判断部16cは、この取得された動作指示及び情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が挿入されていない場合にボタンDの押下に応じて一括挿入される特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23を参照して判断する。特殊文字列判断部16cは、この判断された種別の特殊文字列を一括挿入する必要がある旨の情報を確定候補生成部18cに出力する。
【0166】
確定候補生成部18cは、操作解析部12cにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14c及び特殊文字列判断部16cによりそれぞれ出力された情報を取得する。確定候補生成部18cは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対して特殊文字列が一括挿入された確定候補の文字列を表示制御部19に出力する(S88)。
【0167】
一方、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合においてボタンDが押下されたと操作解析部12cに解析された場合には(S87のYES)、操作解析部12cは、当該既に挿入されている特殊文字列の一括挿入位置が変更された確定候補の文字列の出力のため、挿入位置判断部14c、特殊文字列判断部16c、及び確定候補生成部18cにそれぞれ動作指示を出力する。
【0168】
より具体的には、挿入位置判断部14cは、操作解析部12cにより出力された動作指示を取得する。また、挿入位置判断部14cは、当該取得された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンDの押下に応じて一括挿入する複数の特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14cは、この判断された挿入位置に少なくとも1種類の特殊文字列を挿入する必要がある旨の情報を、確定候補生成部18cに出力する。
【0169】
確定候補生成部18cは、操作解析部12cにより出力された動作指示、並びに、挿入位置判断部14cにより出力された情報を取得する。確定候補生成部18cは、当該取得された動作指示及び当該出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に対して特殊文字列が一括挿入された確定候補の文字列を表示制御部19に出力する(S89)。
【0170】
テンキー2aにより入力された文字列に複数の特殊文字列が既に一括挿入されている場合にボタンBが押下されたと操作解析部12cに解析された場合には(S90のYES)、操作解析部12cは、現在既に一括挿入されている特殊文字列の種別が変更された確定候補の文字列の生成のため、挿入位置判断部14c、特殊文字列判断部16c及び確定候補生成部18cにそれぞれ動作指示を出力する。
【0171】
挿入位置判断部14cは、操作解析部12cにより出力された動作指示を取得する。挿入位置判断部14cは、当該取得された動作指示に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に特殊文字列が既に挿入されている場合にボタンBの押下に応じて変更される特殊文字列の挿入位置を、記憶部20に記憶されている特殊文字列挿入有無フラグデータ21及び挿入済み特殊文字列位置データ22を参照して判断する。挿入位置判断部14cは、当該判断された挿入位置における特殊文字列を変更する必要がある旨の情報を特殊文字列判断部16及び確定候補生成部18に出力する。
【0172】
特殊文字列判断部16cは、操作解析部12cにより出力された動作指示及び挿入位置判断部14cにより出力された情報を取得する。特殊文字列判断部16cは、当該取得された動作指示及び情報に応じて、ボタンBの押下に応じた変更後の特殊文字列の種別を、記憶部20に記憶されている特殊文字列リストデータ23及び挿入対象特殊文字列データ24を参照して判断する。特殊文字列判断部16cは、当該判断された種別の特殊文字列に変更する必要がある旨の情報を確定候補生成部18cに出力する(S91)。確定候補生成部18cは、操作解析部12c、挿入位置判断部14c及び特殊文字列判断部16cにより出力された情報に応じて、テンキー2aにより入力された文字列に現在既に挿入されている複数の特殊文字列の種別が変更された確定候補の文字列を生成する(S83)。
【0173】
確定候補生成部18cにより生成された確定候補の文字列のうち方向キー2bの押下により選択された確定候補の文字列に対して確定用の決定ボタン2cの操作であると操作解析部12cにより解析された場合(S92のYES)、制御部10cは、当該決定ボタン2cの操作に基づいて確定候補生成部18cにより生成された確定候補の文字列を確定する(S93)。
【0174】
以上説明したように、第4の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1cは、操作された操作部2の種別及び当該操作部2による入力内容を解析し、当該入力内容に応じて、入力された文字列の確定候補の生成、複数の特殊文字列の一括挿入、既に挿入済みの特殊文字列の一括変更、及び確定候補の文字列のうち選択された文字列の確定のいずれかを実行する。
【0175】
従って、第4の実施形態の文字入力装置である携帯電話機1cによれば、第3の実施形態の効果に加えて、文字入力において当該入力された文字列の特定位置に記号又は絵文字等の特殊文字列を簡易な操作で任意の位置に複数一括して挿入することができる。更に、挿入された複数の特殊文字列を一括して変更することもできる。特に、当該特殊文字列に区切り文字である中点「・」又は絵文字等を使用することにより、様々な区切り文字又は絵文字を使用して入力された文字列の装飾性をユーザ個人の嗜好性に合わせて簡易な操作で向上することができる。
【0176】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明の文字入力装置、文字入力方法及びプログラムはかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施形態の変更例または修正例、更に各種実施形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0177】
例えば、第4の実施形態において、ボタンDの押下に応じて一括挿入される複数の特殊文字列のパターンに関するデータを記憶部20に記憶し、ボタンDの押下に応じて、確定候補生成部18cは当該記憶部20に記憶されている複数の特殊文字列のパターンに従って確定候補の文字列を生成するようにしても良い。
【0178】
なお、前述した各実施形態では、携帯電話機1〜1cは、ボタンA、ボタンB、ボタンC、及びボタンDというように、それぞれのボタンA〜Dの有する機能と当該機能を担うボタンとが1対1に対応するように割り当てられて設けられているように説明した。しかしながら、携帯電話機1〜1cの操作解析部12〜12cは、例えば1つのボタンAの長押し又は短押しに応じて、ボタンA又はボタンBの機能を区別して実行するようにしても良い。
【0179】
なお、文字入力、入力された文字の確定、更にボタンA〜Dの機能を実行するボタン、テンキー2a及び決定ボタン3に代えて、タッチパネルを携帯電話機1〜1cに設けることにより、当該タッチパネルを介して操作を受け付けても良い。
【0180】
なお、前述した特殊文字列リストデータ23〜23cは、予め設定された所定の順序に従って複数の特殊文字列がリスト化されたデータであった。しかし、複数の特殊文字列の設定順序は、任意に設定可能でも良い、更に、特殊文字列リストデータ23〜23cは、携帯電話機1〜1cにおいて挿入された特殊文字列の使用回数を履歴として記憶しても良い。この場合、特殊文字列リストデータ23〜23cにおける複数の特殊文字列の設定順序は、特殊文字列判断部16〜16cにより判断された特殊文字列の使用回数の多いものが優先的に使用されるように変更されても良い。
【0181】
なお、前述した各実施形態では、携帯電話機1〜1cを例に挙げて説明した。しかし、携帯電話機1〜1cに限定されず、例えば、PC(Personal Computer)、デジタルカメラ等の電子機器にも広く適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明は、入力された文字に対して、記号又は絵文字等の特殊文字を簡易な操作で挿入することが可能な文字入力装置、文字入力方法及びプログラムして有用である。
【符号の説明】
【0183】
1、1a、1b、1c 携帯電話機
2 操作部
2a テンキー
2b 方向キー
2c 決定ボタン
4 ヒンジ
5 操作受付部
10、10a、10b、10c 制御部
12、12a、12b、12c 操作解析部
14、14a、14b、14c 挿入位置判断部
15 表示部
16、16a、16b、16c 特殊文字列判断部
18、18a、18b、18c 確定候補生成部
20 記憶部
21 特殊文字挿入有無フラグ
22 挿入済み特殊文字位置
23 特殊文字リスト
24、24b 挿入対象特殊文字データ
25 辞書データ
26 挿入済み文字数
D 下筺体
U 上筺体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列を入力する第1の操作部と、
前記第1の操作部により入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の操作部と、
前記第1及び第2の操作部によりそれぞれ入力された入力内容を解析する操作解析部と、
前記文字列又は当該文字列に挿入された前記特殊文字列により区分された文字列をそれぞれ変換するための辞書を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記辞書に基づいて、前記操作解析部により解析された前記入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成部と、
前記確定候補生成部により生成された前記確定候補を表示する表示部と、
を備えた文字入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文字入力装置であって、
前記確定候補生成部は、前記第2の操作部による入力の度に、前記生成された確定候補の文字列に挿入されている前記特殊文字列の挿入位置を逐次移動する文字入力装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の文字入力装置であって、
前記確定候補生成部は、前記操作解析部により解析された前記入力内容に応じた確定候補の文字列として、前記第1の操作部により入力された文字列、及び当該文字列のいずれかの位置に前記特殊文字列が挿入された文字列を生成する文字入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の文字入力装置であって、
前記操作解析部は、前記特殊文字列の挿入位置の固定に関する入力内容に応じて、前記確定候補の文字列に挿入された前記特殊文字列の挿入位置を固定するように前記確定候補生成部に指示し、
前記確定候補生成部は、前記操作解析部の指示に応じて、前記確定候補の文字列に挿入された前記特殊文字列の挿入位置を固定した確定候補の文字列を生成する文字入力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の文字入力装置であって、
前記操作解析部は、前記確定候補生成部により生成された前記確定候補の文字列に挿入されている前記特殊文字列の固定の解除に関する入力内容に応じて、前記確定候補の文字列に挿入された前記特殊文字列の挿入位置の固定を解除するように前記確定候補生成部に指示し、
前記確定候補生成部は、前記操作解析部の指示に応じて、前記確定候補の文字列に挿入された前記特殊文字列の挿入位置の固定を解除した確定候補の文字列を生成する文字入力装置。
【請求項6】
請求項1に記載の文字入力装置であって、
前記操作解析部は、複数の特殊文字列の一括挿入に関する入力内容に応じて、前記第1の操作部により入力された文字列に前記複数の特殊文字列が一括挿入された前記確定候補の文字列を生成するように前記確定候補生成部に指示し、
前記確定候補生成部は、前記操作解析部の指示に応じて、前記第1の操作部により入力された文字列に前記複数の特殊文字列を一括挿入した確定候補の文字列を生成する文字入力装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の文字入力装置であって、
前記操作解析部は、前記特殊文字列の変更に関する入力内容に応じて、前記確定候補の文字列に挿入されている前記特殊文字列を変更するように前記確定候補生成部に指示し、
前記確定候補生成部は、前記操作解析部の指示に応じて、前記確定候補の文字列に挿入されている特殊文字列を変更した確定候補の文字列を生成する文字入力装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の文字入力装置であって、
前記操作解析部により解析された前記入力内容に応じて前記確定候補生成部により生成された前記確定候補の文字列に挿入された前記特殊文字列の挿入位置を判断する挿入位置判断部と、を更に備え、
前記挿入位置判断部は、前記判断された前記特殊文字列の挿入位置を前記記憶部に記憶する文字入力装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の文字入力装置であって、
前記操作解析部により解析された前記入力内容に応じて前記確定候補生成部により生成された前記確定候補の文字列に挿入された前記特殊文字列の種別を判断する特殊文字列判断部と、を更に備え、
前記特殊文字列判断部は、前記判断された前記特殊文字列の種別を前記記憶部に記憶する文字入力装置。
【請求項10】
文字列を入力する第1の入力ステップと、
前記入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の入力ステップと、
前記それぞれ入力された入力内容を解析する操作解析ステップと、
記憶部に記憶されている辞書を検索して、前記入力された文字列又は当該文字列に挿入された前記特殊文字列により区分された文字列を変換する変換ステップと、
前記変換された結果に基づいて、前記解析された前記入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成ステップと、
前記生成された前記確定候補を表示する表示ステップと、
を備えた文字入力方法。
【請求項11】
コンピュータに、
文字列を入力する第1の入力ステップと、
入力された文字列に対する特殊文字列の挿入指示を入力する第2の入力ステップと、
前記それぞれ入力された入力内容を解析する操作解析ステップと、
記憶部に記憶されている辞書を検索して、前記入力された文字列又は当該文字列に挿入された前記特殊文字列により区分された文字列を変換する変換ステップと、
前記変換された結果に基づいて、前記解析された前記入力内容に応じた確定候補の文字列を生成する確定候補生成ステップと、
前記生成された前記確定候補を表示する表示ステップと、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−186847(P2011−186847A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52164(P2010−52164)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】