説明

文字入力装置及び画像形成装置

【課題】ユーザが意図する文字を的確かつ容易に指定して編集する。
【解決手段】文字の入力及び編集の指示をすると共に入力された文字を表示する操作表示部1と、操作表示部1から入力された文字を記憶すると共に操作表示部1にカーソルと共に表示させる制御部7とを備えた文字入力装置であって、制御部7は、操作表示部1からBSキー12が長押しされると、当該長押しの継続時間に応じてカーソル1を基点として予め設定されたS文字を順次削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置及び文字入力機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機あるいはプリンタ装置、複写機装置、ファクシミリ装置等に代表される画像形成装置には、文字入力機能を備えたものがある。このような携帯電話機や画像形成装置では、主に電子メールを作成する際に文字入力機能を使用している。下記特許文献1には、携帯電話機の文字入力(文書作成)において、入力済みの文字を効率良く削除して編集する技術が開示されている。この従来技術は、クリアキーを長押しすることによって文字の削除範囲を指定するための文字削除範囲指定が表示されると、カーソルの位置を認識し、当該カーソルの前の文章を一括して削除するものである。
【特許文献1】特開2004−078819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では、カーソルの前の文章を一括して削除するので、ユーザが意図する範囲を容易に削除することができない。例えば、文章中のある行の第6列目にカーソルが位置し、当該行の先頭から第3列目までの文字を削除しようとした場合、従来技術ではカーソルのある行の全文字が削除されてしまうので、ユーザが削除を意図しない第1列目と第2列目の文字までも削除されてしまうために、文字入力後の文章編集操作の作業性が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであり、ユーザが意図する文字数を容易かつスピーディに削除することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、文字入力装置に係る第1の解決手段として、文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数を順次削除する、という手段を採用する。
【0006】
また、文字入力装置に係る第2の解決手段として、文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、予め設定された削除文字数を順次増加させた文字数を削除する、という手段を採用する。
【0007】
文字入力装置に係る第3の解決手段として、文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、予め設定された削除文字数を順次減少させた文字数を削除する、という手段を採用する。
【0008】
文字入力装置に係る第4の解決手段として、文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数毎に区切り番号を順次付与し、前記操作部から削除対象番号が入力されると、当該削除対象番号に該当する文字を削除する、という手段を採用する。
【0009】
文字入力装置に係る第5の解決手段として、文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数を順次増加させた文字数毎に区切り番号を順次付与し、前記操作部から削除対象番号が入力されると、当該削除対象番号に該当する文字を削除する、という手段を採用する。
【0010】
文字入力装置に係る第6の解決手段として、文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数を順次減少させた文字数毎に区切り番号を順次付与し、前記操作部から削除対象番号が入力されると、当該削除対象番号に該当する文字を削除する、という手段を採用する。
【0011】
文字入力装置に係る第7の解決手段として、上記第1〜第6の何れかの文字入力装置において、前記制御部は、所定の操作キーの長押し時間に基づいて文字削除指示の操作回数を判断する、という手段を採用する。
【0012】
また、本発明では、画像形成装置に係る解決手段として、上記第1〜第7の何れかの文字入力装置を備える、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、文字削除指示が入力される度に、予め設定された削除文字数あるいは当該削除文字数を順次減少/増加させた文字数が順次削除されるので、ユーザが意図する文字数を容易かつスピーディに削除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本第1実施形態に係る複合機Aの機能構成を示すブロック図である。本複合機Aは、プリンタ、ファクシミリ装置、スキャナ及び複写機としての機能を備えるものであり、図示するように操作表示部1、画像読取部2、画像記憶部3、通信部4、画像処理部5、印刷部6及び制御部7を備えている。
【0015】
図2は、操作表示部1のレイアウトを示す模式図である。操作表示部1は、図1及び図2に示すように、タッチパネル1a及び操作キー1bから構成されており、ユーザと本複合機Aとを関係付けるマンマシンインタフェースとして機能する。タッチパネル1aは、周知のように表示パネルの表示面に抵抗膜方式等の透明な面状押圧センサを設けたものであり、制御部7によって表示パネルに表示された操作キーにユーザが指等で押圧すると、面状押圧センサが押圧位置(押圧座標)を示す操作信号を制御部7に出力するものである。
【0016】
このようなタッチパネル1aには、各種機能がそれぞれ割り付けられた複数の操作キーが制御部7によって所定のレイアウトで表示されるが、これに加えて、タッチパネル1aは、制御部7による制御の下に、電子メール作成等に用いられる文字入力画面をも表示する。
【0017】
図3は、上記文字入力画面のレイアウトを示す模式図である。この文字入力画面は、ソフトウエアキーボード8と当該ソフトウエアキーボード8を介してユーザから入力された文字を表示する文字表示部9とを含むものである。なお、文字表示部9は、ユーザから入力された文字に加え、文字入力や文字変種におけるフォーカス位置を示すカーソル10(図5参照)を表示する。
【0018】
ソフトウエアキーボード8は、数字キーやアルファベットキーの他に、文字表示部9に文字と一緒に表示されるカーソルの移動方向を指示するための矢印キー11a,11b,11c,11d、カーソルを基点として後方の文字の削除を指示するためのBSキー12、カーソルを基点として前方の文字の削除を指示するためのDELキー13、入力操作をキャンセルするためのCancelキー14及び入力操作の確定を指示するためのenterキー15等を含んでいる。
【0019】
操作キー1bは、例えば機能選択キー、数字キー、C(クリア)キー、処理の開始を指示するスタートキー等からなる各種のハードウエアキーである。タッチパネル1aに表示される操作キーは、制御部7が所定のプログラムに基づいてソフトウエア的に表示させるものであるが、操作キー1bは、ハードウエアキーとして物理的に備えられたものであり、ユーザの操作に基づいた操作信号を制御部7に出力する。
【0020】
図2に示すように、操作キー1bのうち、機能選択キーはタッチパネル1aの左側に、また残りの数字キー、クリアキー及びスタートキー等は、タッチパネル1aの右側にそれぞれ配置されている。
このような操作表示部1は、本複合機Aに対して各種の操作指示を入力するためだけではなく、本複合機Aに平仮名、漢字、アルファベット及び数字等の各種文字を入力するためのものである。例えば本複合機Aから外部に電子メールを送信する際、ユーザは、操作表示部1を操作して文字を本複合機Aに入力することにより電子メールのタイトルや本文を作成することになるが、このように電子メールの作成等において、操作表示部1は、後述するように制御部7と協働することにより文字入力装置として機能する。
【0021】
画像読取部2は、原稿台及びスキャナ等を備えており、制御部7による制御の下に、原稿台に載置された原稿の画像(原稿画像)をスキャナで読み取って画像記憶部3に出力する。画像記憶部3は、ハードディスク等の外部記憶装置あるいは/及び半導体メモリから構成されており、制御部7から入力される制御指令に基づいて上記原稿画像の画像データの書き込む一方、当該画像データを読み出して画像処理部5に出力する。
【0022】
通信部4は、制御部7による制御の下に、LAN(Local Area Network)や電話回線を用いて外部の複合機やファクシミリ装置、あるいはPC(Personal Computer)等と通信を行うものである。すなわち、この通信部4は、イーサネット(登録商標)等のLAN規格に準拠した通信機能とG3等のファクシミリ規格に準拠した通信機能とを兼ね備えたものである。例えば、通信部4は、制御部7から入力された電子メールに画像記憶部3から取得した送信画像を添付してLANに送信する一方、LANから画像が添付された電子メールを受信すると、電子メールの本体を制御部7に、画像(受信画像)を画像記憶部3にそれぞれ出力する。
【0023】
画像処理部5は、本実施形態における画像合成部に相当するものであり、画像記憶部3と共同することにより当該画像記憶部3に記憶された原稿の画像データ(RGB型式画像データ)に各種の画像処理を施すと共に、当該画像処理によって生成された画像データ(RGB型式画像データ)を印刷形式の画像データ(YCMK型式画像データ)に変換して印刷部6に出力する。
【0024】
印刷部6は、画像処理部5から入力された印刷形式の画像データに基づいて原稿の画像を用紙に印刷するものである。この印刷部6は、例えばタンデムン方式を採用するものであり、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンダ)、K(ブラック)の各色に対応する複数の感光ドラムを中間転写ベルトに沿って並設し、レーザ光を用いて各感光ドラム上に単色のトナー画像を個別に形成し、各感光ドラム上のトナー画像を中間転写ベルトに転送(一次転写)し、さらに中間転写ベルト上の全色のトナー画像を用紙に二次転写するものである。
【0025】
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)及びROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の内部メモリ、並びに上記操作表示部1、画像読取部2、画像記憶部3、通信部4、画像処理部5及び印刷部6とのデータ授受を行う各種入出力インターフェース回路等から構成されている。制御部7は、CPUが操作表示部1から入力される操作指示等に基づいてROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、制御対象である操作表示部1、画像読取部2、画像記憶部3、通信部4、画像処理部5及び印刷部6を全体的に制御する。
【0026】
上記制御プログラムは、制御対象の制御機能だけではなく、操作表示部1を用いた文字入力機能を実現するための文字入力機能を含むものである。この文字入力機能は、日本語の仮名漢字変換機能をも含むものであり、ユーザが操作表示部1を操作して文字を入力する場合(例えば電子メールを作成する場合等)に起動してCPUによって実行される。
すなわち、制御部7と操作表示部1とは、本複合機Aにおける文字入力装置を構成しており、このような文字入力装置は、本複合機Aの特徴点である。
【0027】
次に、このように構成された本複合機Aの特徴的動作、つまり本複合機Aの文字入力に関する動作について、図4のフローチャート及び図5の模式図を参照して詳しく説明する。なお、この動作説明では、ユーザが電子メールを作成する際における文字入力動作を例にとって説明する。
【0028】
ユーザがファクシミリ機能の1つである電子メールの作成指示を操作表示部1に入力すると、制御部7は、制御プログラムに基づいて文字入力画面としての電子メール作成画面(図3参照)をタッチパネル1aに表示させる。ユーザは、このタッチパネル1aに表示されたソフトウエアキーボード8を操作することによって、電子メールのタイトルや本文に関する文字入力と自らが入力した文字の編集とを行う。
【0029】
すなわち、制御部7は、例えばソフトウエアキーボード8から順次入力されたアルファベットを平仮名や漢字に順次変換して日本語の文字として内部メモリに順次記憶させると共に文字表示部9に順次表示させると共に、カーソル10の位置を文字の末尾に移動させる。このような文字入力が繰り返されることによって、制御部7の内部メモリには、例えば図5(a)に示すようなメール本文の文章が最終的に記憶される一方、文字表示部9には当該文章が表示される。
【0030】
さて、制御部7は、このような文字入力(文章作成)の途中において、ユーザがBSキー12を操作すると、図4に示す文字削除処理を実行する。
すなわち、制御部7は、ユーザの操作によってBSキー12の状態が「ON」状態になると(ステップS1)、内部タイマ値tを「0」に初期設定する(ステップS2)。そして、制御部7は、BSキー12のON状態が継続していない場合(ステップS3)、つまりBSキー12の「ON」状態が「OFF」状態に変化すると、カーソル10の位置を基点として1文字を内部メモリ及び文字表示部9から削除し(ステップS4)、文字削除処理を終了する。
【0031】
これに対して、制御部7は、BSキー12のON状態が継続している場合(ステップS3)、上記内部タイマ値tが第1の単位時間である「1」に至ったか否かを判断し(ステップS5)、この判断が「NO」の場合は、ステップS3を繰り返すことによりユーザがBSキー12を長押し(t>1を満足するBSキー12のON状態)ではなく通常操作した場合には、制御部7は、カーソル10の位置を基点として1文字のみを削除する(ステップS4)。
【0032】
そして、制御部7は、BSキー12が長押しされたと判断すると、つまりステップS5の判断が「YES」となると、カーソル10の位置を基点として内部メモリに予め記憶設定された所定の削除文字数(S文字)を内部メモリ及び文字表示部9から削除する(ステップS6)。上記削除文字数が例えば9文字(S=9)の場合、図5(a)に示すメール本文は、図5(b)に示すように、カーソル10の位置を基点とする9文字が削除される。そして、このようにしてS文字を削除すると、制御部7は、内部タイマ値tを「0」に再び初期設定し(ステップS7)、BSキー12のON状態が継続しているか否かを判断する(ステップS8)。
【0033】
そして、制御部7は、ステップS8においてBSキー12のON状態がさらに継続していると判断すると、上記内部タイマ値tが第2の単位時間である「0.2」に至ったか否かを判断し(ステップS9)、この判断が「NO」の場合はステップS8の処理を繰り返すことにより、1回目のS文字削除の後、BSキー12のON状態が0.2を超えない場合は、BSキー12の長押し状態が解除されたものとして文字削除処理を終了する。
【0034】
一方、制御部7は、ステップS9の判断が「YES」、つまり1回目のS文字削除の後、t>0.2を満足するBSキー12のON状態が継続している場合には、2回目のS文字削除を行い(ステップS10)、その上で内部タイマ値tを再び「0」に初期設定し(ステップS11)、さらにステップS9の判断処理を繰り返す。
すなわち、制御部7は、1回目のS文字削除の後においては、BSキー12のON状態が内部タイマ値tとして「0.2」だけ継続する度にS文字を繰り返し削除する。この結果、図5(b)に示すメール本文は、図5(c)に示すようにカーソルを基点としてさらに9文字が削除され、最終的には図5(d)に示すように全文が削除される、
【0035】
このような本実施形態によれば、BSキー12のON状態の継続時間、つまりBSキー12の長押しの継続時間に応じてS文字が順次削除される。したがって、本実施形態によれば、ユーザが意図する文字数を容易かつスピーディに削除することができる。
【0036】
ところで、上記実施形態における文字削除処理では、BSキー12の長押し判定後はS文字単位で文字が削除される。これに対して、BSキー12の長押し判定後における削除文字数を順次増加させて文字を削除するという変形例が考えられる。
【0037】
図6は、このような変形例に係る文字削除処理を示すフローチャートである。なお、この文字削除処理におけるステップSa1〜Sa7までの処理は、上記実施形態におけるステップS1〜S7までの処理と全く同一なので説明を省略し、以下ではステップSa8以降の処理について説明する。
【0038】
制御部7は、ステップSa7において内部タイマ値tを「0」に再度初期設定すると、制御変数nを「0」に初期設定する(ステップSa8)。そして、制御部7は、BSキー12のON状態が継続していると判断すると(ステップSa9)、上記内部タイマ値tが第2の単位時間である「0.2」に至ったか否かを判断し(ステップSa10)、この判断が「NO」の場合はステップSa9の処理を繰り返すことにより、1回目のS文字削除の後、t>0.2を満足するBSキー12のON状態が継続していない場合は文字削除処理を終了する。
【0039】
これに対して、制御部7は、1回目のS文字削除の後、t>0.2を満足するBSキー12のON状態が継続している場合には、制御変数nをインクリメントし(ステップSa11)、この制御変数nの値(この状態ではn=1)と削除文字数を示すSとを合計した文字数(S+n文字)を削除する(ステップSa12)。そして、制御部7は、内部タイマ値tを再び「0」に初期設定し(ステップSa13)、さらにステップSa10の判断処理を繰り返す。
すなわち、制御部7は、1回目のS文字削除の後においては、BSキー12のON状態が内部タイマ値tとして「0.2」だけ継続する度に削除文字数はS文字から順次1ずつ増加するので、上記実施形態よりもスピーディに文字を削除することができる。
【0040】
なお、上記変形例では、BSキー12のON状態が内部タイマ値tとして「0.2」だけ継続する度に削除文字数はS文字から順次1ずつ増加するようにしたが、さらなる変形例として、BSキー12のON状態が「0.2」だけ継続する度に削除文字数をS文字から順次1ずつ減少させるようにしても良い。
【0041】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態に係る複合機の機能構成及び機構構成は、上記第1実施形態の複合機Aと全く同一であり、第2実施形態に係る複合機は、文字の削除方法のみが複合機Aと相違する。したがって、以下では、第2実施形態における文字の削除方法について、図7のフローチャート及び図8の模式図を参照して詳しく説明する。
【0042】
制御部7は、このような文字入力(文章作成)の途中において、ユーザがBSキー12を操作すると、図7に示す文字削除処理を実行する。すなわち、制御部7は、ユーザの操作によってBSキー12の状態が「ON」状態になると(ステップSb1)、内部タイマ値tを「0」に、また制御変数Nを「1」にそれぞれ初期設定する(ステップSb2)。そして、制御部7は、BSキー12のON状態が継続していない場合(ステップSb3)、つまりBSキー12の「ON」状態が「OFF」状態に変化すると、カーソル10の位置を基点として文頭方向の1文字を内部メモリ及び文字表示部9から削除し(ステップSb4)、文字削除処理を終了する。
【0043】
一方、制御部7は、BSキー12のON状態が継続している場合(ステップSb3)、上記内部タイマ値tが第1の単位時間である「1」に至ったか否かを判断し(ステップSb5)、この判断が「NO」の場合は、ステップSb3を繰り返すことによりユーザがBSキー12を長押し(t>1を満足するBSキー12のON状態)ではなく通常操作した場合には、制御部7は、カーソル10を基点として1文字のみを削除する(ステップSb4)。そして、制御部7は、BSキー12が長押しされたと判断すると、つまりステップSb5の判断が「YES」となると、S文字先に制御変数N(=1)を示す文字を挿入する(ステップSb6)。
【0044】
ここで、削除文字数Sが「9」(S=9)に予め設定されている場合、制御変数Nは「1」に初期設定された状態なので、図8(b)に示すように、制御変数N(=1)を示す文字「(1)」が、カーソル10を基点として文頭方向に9文字目の文字「晴」の先に補助符号として挿入される。
【0045】
このようにして補助符号(1)のメール本文への挿入が完了すると、制御部7は、内部タイマ値tを「0」に再び初期設定し(ステップSb7)、その上でBSキー12のON状態がさらに継続しているか否かを判断する(ステップSb8)。そして、制御部7は、ステップSb8においてBSキー12のON状態がさらに継続していると判断すると、上記内部タイマ値tが第2の単位時間である「0.2」に至ったか否かを判断する(ステップSb9)。
【0046】
そして、制御部7は、このステップSb9の判断が「Yes」の場合、つまり補助符号(1)の挿入後、BSキー12のON状態が0.2を超えて継続している場合は、制御変数Nをインクリメントし(ステップSb10)、さらに予め設定された削除文字数Sに制御変数Nを乗算することにより新たな制御変数S’を求める(ステップSb11)。ここで、制御変数NはステップSb10の処理によって「2」となるので、上記制御変数S’は「18」(=9×2)となる。制御部7は、カーソル10を基点として18文字(S’文字)先に制御変数N(=2)を示す文字、つまり図8(b)に示すように「(2)」を補助符号として挿入する(ステップSb12)。
【0047】
この2つ目の補助符号(2)の挿入が完了すると、制御部7は、内部タイマ値tを再び「0」に初期設定し(ステップSb13)、さらにステップSb9の判断処理を繰り返す。すなわち、制御部7は、1つ目の補助符号(1)のメール本文への挿入後においては、BSキー12のON状態が内部タイマ値tとして「0.2」だけ継続する度に、カーソル10を基点として制御変数S’(=18,27,……)の先に制御変数N値を示す補助符号「(2)」,「(3)」、……を順次挿入する。
【0048】
そして、BSキー12の長押し状態が解除されてBSキー12のON状態がOFF状態に移行すると、ステップSb9の判断が「No」となり、補助符号の挿入処理が終了する。そして、制御部7は、引き続いてステップSb8の判断処理を実行するが、BSキー12はOFF状態にあるので、削除番号Mの入力待ち状態となる(ステップSb14)。
【0049】
ここで、ユーザがソフトウエアキーボード8内の数字キーあるいは操作キー1b内の数字キーを操作することによって削除番号Mを指定すると(ステップSb14)、制御部7は、削除番号Mが制御変数N内の数字であるか否かを判断し(ステップSb15)、この判断が「Yes」の場合、つまりユーザがメール本文に挿入された補助符号(1),(2),……の範囲内の数字を削除番号Mとして指定した場合は、削除番号Mに該当する補助符号の文字を削除し(ステップSb15)、全ての文字削除処理を終了する。なお、ステップSb15の判断が「No」の場合には、ユーザが指示した削除番号Mを無効とし、文字を削除することなく全ての文字削除処理を終了する。
【0050】
例えば、ユーザが削除番号Mとして「1」を指定した場合、図8(c)に示すように、補助符号(1)に該当する文字、つまり補助符号(1)から文末側に位置する文字「晴れでしょう!!!」が削除される。
【0051】
このような本第2実施形態によれば、BSキー12のON状態の継続時間、つまりBSキー12の長押しの継続時間に応じて補助符号がメール本文に順次付与され、ユーザが指定した削除番号Mに該当する補助符号のS文字が削除される。したがって、本実施形態によれば、ユーザが意図する文字を容易かつスピーディに削除することができる。
なお、この第2実施形態において、第1実施形態の変形例として説明した文字削除方法を流用することにより、予め設定された削除文字数Sを順次増加あるいは順次減少させた文字数毎に補助符号を付与するようにしても良い。
【0052】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例がさらに考えられる。
【0053】
(1)上記実施形態は、画像形成装置の1つである複合機Aにおける文字入力に関するものであるが、本発明は画像形成装置だけではなく、文字入力機能を有する各種の電子機器に適用することが可能である。
【0054】
(2)また、上記実施形態では、BSキー12を文字削除指示用操作キーとしたが、文字削除指示用操作キーは、これに限定されない。例えば、操作キー1bの中のクリアキーを文字削除指示用操作キーとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態に係る複合機Aの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態における操作表示部1のレイアウトを示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態における文字入力画面のレイアウトを示す模式図である。
【図4】本発明の第1実施形態における文字削除処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態における文字削除動作を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例に係る文字削除処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態における文字削除処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態における文字削除動作を示す模式図である。
【符号の説明】
【0056】
A…複合機、1…操作表示部、1a…タッチパネル、1b…操作キー、2…画像読取部、3画像記憶部、4…通信部、5…画像処理部、6…印刷部、7…制御部、8…ソフトウエアキーボード、9…文字表示部、10…カーソル、11a,11b,11c,11d…矢印キー、12…BSキー、13…DELキー、14…Cancelキー、15…enterキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、
前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数を順次削除することを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、
前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、予め設定された削除文字数を順次増加させた文字数を削除することを特徴とする文字入力装置。
【請求項3】
文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、
前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、予め設定された削除文字数を順次減少させた文字数を削除することを特徴とする文字入力装置。
【請求項4】
文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、
前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数毎に区切り番号を順次付与し、前記操作部から削除対象番号が入力されると、当該削除対象番号に該当する文字を削除することを特徴とする文字入力装置。
【請求項5】
文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、
前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数を順次増加させた文字数毎に区切り番号を順次付与し、前記操作部から削除対象番号が入力されると、当該削除対象番号に該当する文字を削除することを特徴とする文字入力装置。
【請求項6】
文字の入力及び編集の指示をする操作部と、該操作部から入力された文字を表示する表示部と、前記操作部から入力された文字を記憶すると共に前記表示部にカーソルと共に表示させる制御部とを備えた文字入力装置であって、
前記制御部は、前記操作部から文字削除指示が入力される度に、既に記憶して前記表示部に表示させた文字のうち、カーソルを基点として予め設定された削除文字数を順次減少させた文字数毎に区切り番号を順次付与し、前記操作部から削除対象番号が入力されると、当該削除対象番号に該当する文字を削除することを特徴とする文字入力装置。
【請求項7】
前記制御部は、所定の操作キーの長押し時間に基づいて文字削除指示の操作回数を判断することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の文字入力装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の文字入力装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−243035(P2008−243035A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85605(P2007−85605)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】