説明

文書処理装置、テープ印刷装置、及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】記号の選択操作が容易な文書処理装置を提供する。
【解決手段】文書処理装置(テープ印刷装置1)は、複数の記号の情報を記憶する記号記憶部34bと、選択された記号を格納する記号格納部(記号格納バッファー32b)と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部(キーボード11)と、操作受付部が受け付けた文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を記号記憶部34bに記憶された記号の中から検索する同義記号検索部(制御部30)と、同義記号検索部が検索した結果の記号である同義記号を表示する記号表示部(表示部12)と、操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、記号表示部に表示されている同義記号を選択して、記号格納部に格納する記号格納制御部(制御部30)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書処理装置、テープ印刷装置、及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープ印刷装置などの文書処理装置において、通常の文字以外の様々な記号や絵文字が記憶されたものが知られている。このような文書処理装置においては、ユーザーが記号・絵文字選択画面によって記号や絵文字を選択して、編集中の文書(文字列)に挿入することが可能となっている。特許文献1には、絵文字指定データ記憶手段に記憶された複数の絵文字指定データの中から、ランダムに1つの絵文字指定データを選択して印刷する印刷装置(テープ印刷装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−103695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のテープ印刷装置などの文書処理装置では、記号や絵文字の一覧が表示される記号・絵文字選択画面において、カーソルを移動して記号や絵文字を選択させるようになっていた。このため、ユーザーが所望の記号や絵文字を編集中の文書(文字列)に挿入するためには、記号・絵文字選択画面においてカーソルを移動させて記号や絵文字を探し、選択するという操作を行わなければならなかった。特に、複数の記号や絵文字を選択する場合には、このような操作を複数回行う必要があり、手間が掛かっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る文書処理装置は、複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、選択された記号を格納する記号格納部と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索部と、前記同義記号検索部が検索した結果の記号である同義記号を表示する記号表示部と、前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示部に表示されている前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このような文書処理装置によれば、同義記号検索部は、操作受付部が受け付けた文字キーに割り当てられた文字と同義の記号(以降、絵文字も記号とする)を記号記憶部の中から検索し、記号表示部がこの同義記号を表示する。所定の制御キーが押下されると、記号格納制御部は、この同義記号を選択して記号格納部に格納する。これにより、文字キーに割り当てられた文字の同義記号の選択操作が容易になる。つまり、ユーザーは、記号を選択する際に、カーソルを移動させて記号を探し、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係る文書処理装置において、前記操作受付部が同一の前記文字キーの押下操作を連続して受け付けると、前記同義記号検索部は、前記記号記憶部に記憶されている前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を順次検索することを特徴とする。
【0009】
このような文書処理装置によれば、同一の文字キーの押下操作を連続して受け付けると、同義記号検索部は、記号記憶部に記憶されている同義の記号を順次検索する。これにより、同一の文字キーを連続押下することにより、同義記号の候補が順次表示され、選択することが可能になる。よって、ユーザーは、同義記号の選択を容易に行うことができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係る文書処理装置において、前記記号格納制御部が、一の文字キーに割り当てられた文字と同義の一の同義記号を前記記号格納部に格納した後、次に、前記操作受付部が他の文字キーを受け付けると、前記同義記号検索部は、前記他の文字キーに割り当てられた文字と同義で、且つ前回選択された前記一の同義記号と同種の記号を検索することを特徴とする。
【0011】
このような文書処理装置によれば、一の同義記号が選択された後、他の文字キーを受け付けると、同義記号検索部は、他の文字キーに割り当てられた文字と同義で、且つ前回選択された一の同義記号と同種の記号を検索する。これにより、ユーザーは、他の文字キーに割り当てられた文字と同義で、且つ前回選択された一の同義記号と同種の記号を選択することが可能になる。つまり、連続して同種の記号を入力することが可能になる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係る文書処理装置において、前記同義記号検索部は、文字キーに割り当てられた文字と、前記記号記憶部に記憶されている同義の記号と、を関連付けて記憶する同義記号テーブルを有することを特徴とする。
【0013】
このような文書処理装置によれば、同義記号検索部は、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を、同義記号テーブルを用いて検索することができる。これにより、同義の記号の検索処理が簡易になる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係る文書処理装置において、文字の入力操作を受け付ける第1の状態と記号の選択操作を受け付ける第2の状態とを切り換える制御部をさらに有し、前記同義記号検索部が、前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を検索するのは、前記制御部が前記第2の状態に切り換えている場合であることを特徴とする。
【0015】
このような文書処理装置によれば、記号の選択操作を受け付ける第2の状態に切り換わっている場合に、同義記号検索部は、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を検索する。これにより、記号の選択操作を受け付ける第2の状態の場合のみ、同義記号が検索して表示されるので、第1の状態での文字の入力効率を低下させることがない。
【0016】
[適用例6]本適用例に係る文書処理装置の制御方法は、複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、選択された記号を格納する記号格納部と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、を有する文書処理装置の制御方法であって、前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索ステップと、前記同義記号検索ステップによって検索された結果の記号である同義記号を表示する記号表示ステップと、前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示ステップによって表示された前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【0017】
このような文書処理装置の制御方法によれば、文字キーに割り当てられた文字の同義記号の選択操作が容易になる。つまり、ユーザーは、記号を選択する際に、カーソルを移動させて記号を探し、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【0018】
[適用例7]本適用例に係るプログラムは、コンピューターに、上記適用例に記載の文書処理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0019】
このようなプログラムをコンピューターに実行させることにより、文字キーに割り当てられた文字の同義記号の選択操作が容易になる。つまり、ユーザーは、記号を選択する際に、カーソルを移動させて記号を探し、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【0020】
[適用例8]本適用例に係るテープ印刷装置は、選択された文字や記号に基づいた画像をテープに印刷するテープ印刷装置であって、複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、選択された記号を格納する記号格納部と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索部と、前記同義記号検索部が検索した結果の記号である同義記号を表示する記号表示部と、前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示部に表示されている前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御部と、前記記号格納部に格納された記号に基づいた画像を前記テープに印刷する印刷部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
このようなテープ印刷装置によれば、文字キーに割り当てられた文字の同義記号の選択操作を容易に行うことができる。そして、選択した記号をテープに印刷することができる。つまり、ユーザーは、記号を選択する際に、カーソルを移動させて記号を探し、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【0022】
[適用例9]本適用例に係るテープ印刷装置の制御方法は、複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、選択された記号を格納する記号格納部と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、を有し、選択された文字や記号に基づいた画像をテープに印刷するテープ印刷装置の制御方法であって、前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索ステップと、前記同義記号検索ステップによって検索された結果の記号である同義記号を表示する記号表示ステップと、前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示ステップによって表示された前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御ステップと、前記記号格納部に格納された記号に基づいた画像を前記テープに印刷する印刷ステップと、を備えることを特徴とする。
【0023】
このようなテープ印刷装置の制御方法によれば、文字キーに割り当てられた文字の同義記号の選択操作を容易に行うことができる。そして、選択した記号をテープに印刷することができる。つまり、ユーザーは、記号を選択する際に、カーソルを移動させて記号を探し、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【0024】
[適用例10]本適用例に係るプログラムは、コンピューターに、上記適用例に記載のテープ印刷装置の制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0025】
このようなプログラムをコンピューターに実行させることにより、文字キーに割り当てられた文字の同義記号の選択操作を容易に行うことができる。そして、選択した記号をテープに印刷することができる。つまり、ユーザーは、記号を選択する際に、カーソルを移動させて記号を探し、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図。
【図2】実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図。
【図3】テープ印刷装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】同義記号テーブルの説明図であり、(a)は、数字に対する同義記号テーブル、(b)は、アルファベットに対する同義記号テーブル。
【図5】テープ印刷装置の記号入力についての状態遷移図。
【図6】テープ印刷装置において同種の記号を入力する場合の画面とその遷移の説明図。
【図7】テープ印刷装置において同種の記号を入力する場合の画面とその遷移の説明図。
【図8】テープ印刷装置において記号種類を切り換えて入力する場合の画面とその遷移の説明図。
【図9】テープ印刷装置において記号種類を切り換えて入力する場合の画面とその遷移の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態について説明する。
【0028】
本実施形態では、文書処理装置の実施形態として、入力された文字列や記号に基づいた画像をテープに印刷するテープ印刷装置について説明する。
【0029】
図1および図2は、本実施形態のテープ印刷装置を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、テープ印刷装置1は、本体が筐体10に収容された構成を有しており、筐体10の上面手前側には、操作受付部であるキーボード11が備えられている。キーボード11は、文字列の入力等、ユーザーによる各種入力操作、選択操作を受け付ける入力部であり、仮名、漢字、アルファベット、数字、および記号等からなる文字列を入力可能な多数の文字キーと、テープ印刷装置1に対して各種動作を指示するための複数の制御キーとを有している。
【0030】
キーボード11が備える制御キーには、電源のオンとオフとを切り替えるための電源キー、入力した仮名を漢字に変換するための変換キー、入力した文字列等を確定させるための選択キー、入力した文字列を削除するための削除キー、カーソルの移動等に用いられるカーソルキー、印刷を実行させるための印刷キー、メニュー画面を表示させるためのメニューキー、記号選択画面を表示させるための記号キー、シフトキー等が含まれる。
【0031】
筐体10の上面奥側には、液晶表示装置等からなる表示部12が備えられている。表示部12は、マトリクス状に配列された多数の画素で画像を形成するものであり、キーボード11から入力された文字の表示や、メニュー画面やメッセージ画面の表示等に用いられる。
【0032】
筐体10の上面奥側には、表示部12に隣接して、テープカートリッジ2を装着するための凹部13が形成されている。凹部13の開口部上には、開閉蓋14が開閉可能に備えられており、開閉蓋14を開放状態にすることによって、テープカートリッジ2を着脱することが可能となる。また、開閉蓋14には、透光性を有する確認窓14aが備えられており、凹部13にテープカートリッジ2が装着されているか否かを外部から視認可能になっている。凹部13の底面には、サーマルヘッド15や、搬送機構16(図3参照)を構成する回転軸16a,16bが設けられており、凹部13にテープカートリッジ2を装着すると、テープカートリッジ2に設けられた孔状のヘッド嵌合部21にサーマルヘッド15が嵌合するとともに、孔状の被駆動部22a,22bに回転軸16a,16bがそれぞれ係合する。
【0033】
テープカートリッジ2には、カートリッジケース20の内部に、ともに帯状のテープTとインクリボンRとが内蔵されている。テープTは、テープ印刷装置1の印刷媒体であり、PET(ポリエチレンテレフタレート)或いは紙材等からなる基材の裏面に接着剤層が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープ印刷装置1は、テープTの幅や素材(基材の材質)、色等が異なる複数種類のテープカートリッジ2に対応可能であり、ユーザーは、用途や好みに応じたテープカートリッジ2を使用することができる。なお、テープカートリッジ2の裏面には、内蔵するテープTを識別するための複数の孔(図示せず)が設けられており、テープ印刷装置1は、凹部13の底面に備えられたマイクロスイッチ等の識別センサー19(図3参照)によって、装着されたテープカートリッジ2のテープ種別を識別することができる。
【0034】
テープカートリッジ2を凹部13に装着すると、テープTの表面は、ヘッド嵌合部21において、インクリボンRを介してサーマルヘッド15と対向する。サーマルヘッド15には、テープTの長手方向(搬送方向)と直交する方向に1列に配列された多数の発熱素子(図示せず)が形成されており、各発熱素子を選択的に発熱させることにより、インクリボンRのインクがテープTの表面に転写(熱転写)される。つまり、テープTの表面には、発熱した発熱素子に対応する位置にドットが形成される。ここで、回転軸16a,16bを回転駆動すると、テープTとインクリボンRは搬送されて、テープTはカートリッジケース20の外部に排出され、インクリボンRはカートリッジケース20の内部で巻き取られる。そして、テープTとインクリボンRとを少しずつ搬送しながら上記の熱転写を繰り返すことにより、複数のドットで構成される画像がテープTの表面に印刷される。
【0035】
筐体10の側面には、筐体10の外部と凹部13とを連通するスリット17が設けられており、カートリッジケース20から排出された印刷済みのテープTは、スリット17を通って筐体10の外部に向けて所定量だけ搬送される。筐体10の内部には、スリット17を横断するテープTを切断するためのカッターユニット18が配設されており、テープTの印刷済みの部位は、このカッターユニット18によって切り離され、テープ片(ラベル)としてスリット17の開口部(テープ排出口)から排出される。
【0036】
図3は、テープ印刷装置1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、テープ印刷装置1は、上述したキーボード11、表示部12、サーマルヘッド15、回転軸16a,16b(図2参照)を含む搬送機構16、カッターユニット18、識別センサー19の他に、テープ印刷装置1の動作を統括制御する制御部30、表示部12に画像を表示させる表示駆動部41、サーマルヘッド15を発熱駆動するヘッド駆動部42、搬送機構16を駆動する搬送駆動部43、カッターユニット18を駆動するカッター駆動部44等を備えている。
【0037】
制御部30は、コンピューターとして機能するものであり、互いにバス30aを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、CGROM(キャラクタージェネレーターROM)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36等を有している。
【0038】
CPU31は、ROM33に記憶されている制御プログラムに従って動作し、テープ印刷装置1全体の各種動作を制御する。
【0039】
RAM32は、揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、CPU31の各種処理結果や、キーボード11から入力された文字コード列、表示部12に表示される表示画像データ、サーマルヘッド15により印刷される印刷画像データ等を一時的に記憶する。本実施形態では、文字コード列を格納するバッファーを文字列格納バッファー32aと呼ぶ。また、選択された記号コード列を一時的に格納するバッファーを記号格納バッファー32bと呼ぶ。記号格納バッファー32bが記号格納部に相当する。なお、これらの文字コード列や記号コード列等は、不揮発性の記憶装置であるフラッシュメモリー等に記憶してもよい。
【0040】
ROM33およびCGROM34は、マスクROMやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置で構成された記憶部であり、ROM33には、上述した制御プログラムや各種データ等が記憶されている。また、ROM33には、CGROM34の記号記憶部34bに記憶された記号のうち、キーボード11に備わる文字キーに対応する文字と同義の記号をグループ化してテーブルとして記憶する同義記号テーブル33tが記憶されている。CPU31は、同義記号テーブル33tを検索することで同義記号を検出する。
【0041】
ここで、同義記号テーブル33tについて説明する。同義記号テーブル33tは、キーボード11に備わる文字キーに対応する文字コードと、その文字に同義の記号コードをテーブルとして記憶する。
図4は、同義記号テーブル33tの説明図であり、図4(a)は、数字に対する同義記号テーブルであり、図4(b)は、アルファベットに対する同義記号テーブルである。
【0042】
図4(a)に示すように、数字に対する同義記号テーブル33t1は、文字キー(数字キー)に対応する文字(数字)33t1aを横方向に複数並べた状態で記憶している。そして、それぞれの文字33t1aに対して、同義の記号33t1bを縦方向に並べた状態で記憶している。ここでは、同義の記号33t1bは、丸付き数字、漢数字、ローマ数字大文字、ローマ数字小文字、下付き数字、上付き数字を記憶している。例えば、文字「1」に同義の記号33t1bは、「丸付き数字の1(以降、<1>で表す)」、「漢数字の1(一)」、「ローマ数字大文字の1」、「ローマ数字小文字の1」、「下付き数字の1」、「上付き数字の1」が記憶されている。
【0043】
また、図4(b)に示すように、アルファベットに対する同義記号テーブル33t2は、文字キー(アルファベットキー)に対応する文字(アルファベット)33t2aを横方向に複数並べた状態で記憶している。そして、それぞれの文字33t2aに対して、同義の記号33t2bが縦方向に記憶されている。なお、図4では、数字およびアルファベットに関する同義の記号を記しているが、キーボード11に備わる文字キーに対応していれば、その他の文字についても同義記号テーブル33tに記憶してもよい。また、文字キーに対応する文字と同義の記号との関連付け方法は、上記の同義記号テーブル33tのような方法に限定するものではなく、他の関連付け方法としてもよい。
【0044】
図3に戻り、CGROM34には、テープ印刷装置1で印刷可能な文字(記号・絵文字も含む)のフォントデータが記憶されている。フォントデータは、サーマルヘッド15により印刷される文字や、表示部12に表示される文字を生成するためのビットマップ形式のデータである。ビットマップ形式のフォントデータは多数のドットで構成されており、各ドットはサーマルヘッド15の発熱素子や表示部12の画素に対応する。CGROM34には、複数のフォントのフォントデータが記憶されており、CPU31は、フォントの種別、文字サイズおよび文字コードを指定することによって、対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示画像データおよび印刷画像データを形成する。本実施形態では、文字のフォントデータはCGROM34の文字記憶部34aに記憶される。また、記号(絵文字)のフォントデータはCGROM34の記号記憶部34bに記憶される。なお、フォントデータとしては、種々の文字サイズに対応させやすいアウトライン形式のフォントデータを用いるようにしてもよい。
【0045】
入力インターフェイス35には、キーボード11および識別センサー19が接続されている。ユーザーによりキーボード11が操作されると、キーボード11は、この操作を入力操作として受け付けて、操作されたキーに対応するキー情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。また、識別センサー19は、装着されたテープカートリッジ2のテープ種別に応じた識別情報を、入力インターフェイス35を介してCPU31に出力する。
【0046】
出力インターフェイス36には、表示駆動部41、ヘッド駆動部42、搬送駆動部43、およびカッター駆動部44が接続されており、これらは、CPU31の制御に基づいて、表示部12、サーマルヘッド15、搬送機構16、およびカッターユニット18をそれぞれ駆動する。
【0047】
上記のように構成されたテープ印刷装置1において、ユーザーにより電源キーが操作されると、テープ印刷装置1は、動作を開始し、文字キーによる文字の入力や、制御キーによる各種指示が可能な状態となる。
【0048】
ここで、ユーザーにより文字キーが操作されて文字が入力されると、キーボード11は、この入力を受け付けて制御部30にキー情報を出力する。制御部30は、キーボード11から入力されるキー情報に基づいて、入力された文字の文字コードを特定し、この文字コードをRAM32の文字列格納バッファー32aに記憶する。また、記号や絵文字の入力の場合には、制御部30は、記号(絵文字)入力状態おいて選択された記号や絵文字の文字コードを特定し、この文字コードをRAM32の文字列格納バッファー32aに記憶する。そして、制御部30は、これらの文字コードに対応するフォントデータをCGROM34から取得し、このフォントデータを用いて表示画像データを生成する。制御部30がこの表示画像データを表示駆動部41に供給すると、入力された文字や記号が表示部12に表示される。そして、ユーザーが文字の入力を複数回繰り返せば、RAM32の文字列格納バッファー32aには、複数の文字コードを含んだ文字コード列(テキストデータ)が記憶され、表示部12には、複数の文字や記号からなる文字列が表示される。
【0049】
文字(文字列)が入力された後、ユーザーにより印刷キーが操作されると、テープ印刷装置1は、文字列格納バッファー32aに格納された文字コード列に基づいて印刷処理を実行する。このときの制御部30、ヘッド駆動部42、サーマルヘッド15、搬送駆動部43、および搬送機構16が印刷部に相当する。
【0050】
以降、テープ印刷装置1の記号(絵文字)入力の動作について説明する。
まず、テープ印刷装置1の記号入力の状態遷移について、状態遷移図を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るテープ印刷装置1の記号入力についての状態遷移図である。
【0051】
図5に示すように、テープ印刷装置1は、文字入力状態ST11、記号入力状態ST12、および連続記号入力状態ST13に遷移可能となっている。
【0052】
テープ印刷装置1は、電源キーが押下されると、文字入力状態ST11となる。文字入力状態ST11は、テープ印刷装置1が、文字入力を受け付ける状態である。文字入力状態ST11においては、表示部12に文字入力のための画面が表示されている。文字入力のための画面については後述する。ここで、文字入力状態ST11は第1の状態に相当する。
【0053】
文字入力状態ST11において、キーボード11に備わる記号キーが押下されると、テープ印刷装置1は、記号入力状態ST12に遷移する。記号入力状態ST12は、テープ印刷装置1が、記号や絵文字の変更操作や選択操作を受け付ける状態である。記号入力状態ST12においては、表示部12に記号選択のための画面が表示されている。記号選択のための画面については後述する。ここで、記号入力状態ST12は第2の状態に相当する。
【0054】
記号入力状態ST12において、キーボード11に備わるシフトキーおよび選択キーが同時に押下されると、テープ印刷装置1は、連続記号入力状態ST13に遷移する。また、記号入力状態ST12において、キーボード11に備わる選択キーが押下されると、テープ印刷装置1は、文字入力状態ST11に遷移する。
【0055】
連続記号入力状態ST13は、テープ印刷装置1が、記号や絵文字の変更操作や連続選択操作を受け付ける状態である。連続記号入力状態ST13においては、表示部12に連続記号選択のための画面が表示されている。連続記号選択のための画面については後述する。ここで、連続記号入力状態ST13は第2の状態に相当する。
【0056】
連続記号入力状態ST13において、キーボード11に備わる選択キーが押下されると、テープ印刷装置1は、文字入力状態ST11に遷移する。
【0057】
次に、テープ印刷装置1において記号入力を行う際の操作と画面の遷移と処理について説明する。
まずは、同種の記号を入力する場合の操作と画面遷移および処理について説明する。
【0058】
図6および図7は、テープ印刷装置1において同種の記号を入力する場合の画面とその遷移の説明図である。
【0059】
図6の画面G101は、文字入力状態ST11であり、文字がまだ入力されていない状態の画面を表している。ここで、数字の「1」は、1行目を表したマークである。画面G101において、キーボード11に備わる記号キーが押下されると、制御部30は、表示部12に記号選択のための画面G102を表示させ、記号入力状態ST12に遷移させる。画面G102の上部には、「記号」の文字列が表示される。そして、画面G102の「記号」の下部には、「記号」に含まれるカテゴリーの候補として、「仕事」、「公共用」、「環境」の文字列が縦に並んで表示されている。ここで、「公共用」の文字列は、反転表示されており、カーソルがあることを表している。画面G102のカテゴリー表示の右側には、現在カーソルがある「公共用」カテゴリーに含まれる記号(絵文字)が表示されている。
【0060】
画面G102において、下カーソルキーが数回押下されると、制御部30は、画面G103のように、記号入力状態ST12を維持したまま、異なるカテゴリーの候補を表示させる。画面G103では「創作字」カテゴリーにカーソルがある状態となっており、その右側には、「創作字」カテゴリーに含まれる記号(絵文字)が表示されている。
【0061】
画面G103において、キーボード11に備わる文字キーである[A]キーが押下されると、制御部30は、「創作字」カテゴリーに含まれる文字[A]と同義の記号「A」を同義記号テーブル33tから検索し、記号「A」にカーソルを移動させる。このように、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を同義記号テーブル33tから検索する制御部30が、同義記号検索部に相当する。そして、制御部30は、表示部12に画面G104のように、記号選択のための画面を表示させる。記号選択画面G104の下部には、右側に「創作字」カテゴリーに含まれる記号の候補が一覧表示され、その中で、現在カーソルがある記号「A」は反転表示されている。そして、現在カーソルがある記号「A」は、候補一覧の左側に、拡大して表示される。このときの表示部12が記号表示部に相当する。
【0062】
画面G104において、選択キーが押下されると、制御部30は記号「A」を選択し、記号「A」の文字コードを文字列格納バッファー32aに格納する。このときの選択キーの押下が所定の制御キーの押下に相当する。また、このように、選択された記号の文字コードを文字列格納バッファー32aに格納する制御部30が、記号格納制御部に相当する。そして、制御部30は、表示部12に文字入力のための画面G105を表示させ、文字入力状態ST11に遷移させる。画面G105では、記号「A」が挿入されている。
【0063】
また、画面G104において、キーボード11に備わる文字キーである[E]キーが押下されると、制御部30は、「創作字」カテゴリーに含まれる記号「E」と同義の記号「E」を同義記号テーブル33tから検索し、記号「E」にカーソルを移動させる。そして、表示部12に画面G106を表示させる。記号選択画面G106では、現在カーソルがある記号「E」は反転表示されている。また、現在カーソルがある記号「E」は、候補一覧の左側に、拡大して表示される。
このように、制御部30は、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を同義記号テーブル33tから検索して、検出した同義記号にカーソルを移動して表示部12に表示させる。
【0064】
画面G106において、選択キーが押下されると、制御部30は記号「E」を選択し、記号「E」の文字コードを文字列格納バッファー32aに格納する。そして、制御部30は、表示部12に文字入力のための画面G107を表示させ、文字入力状態ST11に遷移させる。画面G107では、記号「E」が挿入されている。
【0065】
また、画面G106において、シフトキーおよび選択キーが同時押下されると、制御部30は記号「E」を選択し、記号「E」の文字コード(記号コード)を記号格納バッファー32bに格納する。このときのシフトキーおよび選択キーの押下も所定の制御キーの押下に相当する。また、このように、選択された記号の文字コードを記号格納バッファー32bに格納する制御部30も、記号格納制御部に相当する。そして、制御部30は、表示部12に連続記号選択のための画面G108を表示させ、連続記号入力状態ST13に遷移させる。
【0066】
画面G108では、画面の上部に、「記号」と「創作字」と連続記号入力状態ST13を示す「連続」の文字列が表示される。そして、その下部には、連続入力されている記号を表示するための連続入力記号表示欄PCを示す括弧が表示されている。ここでは、連続入力記号表示欄PCには、選択されて記号格納バッファー32bに格納された記号「E」が表示される。さらに、記号選択画面G108の下部には、右側に「創作字」カテゴリーに含まれる記号の候補が一覧表示され、その中で、現在カーソルがある記号は反転表示されている。そして、現在カーソルがある記号は、候補一覧の左側に、拡大して表示されている。本実施形態では、記号「E」が拡大表示されている。
【0067】
画面G108において、キーボード11に備わる文字キーである[P]キーが押下されると、制御部30は、連続記号入力状態ST13を維持したまま、表示部12に図7に示す画面G201を表示させる。画面G201では、記号「P」にカーソルがある状態となっている。
【0068】
画面G201において、シフトキーおよび選択キーが同時押下されると、制御部30は、記号「P」を選択し、記号「P」の文字コードを記号格納バッファー32bに追加格納する。そして、制御部30は、連続記号入力状態ST13を維持しつつ、表示部12に画面G202を表示させる。ここで、連続入力記号表示欄PCには、選択されて記号格納バッファー32bに格納された記号「P」が追加表示される。
【0069】
画面G202において、キーボード11に備わる文字キーである[S]キーが押下されると、制御部30は、連続記号入力状態ST13を維持したまま、表示部12に画面G203を表示させる。画面G203では、記号「S」にカーソルがある状態となっている。
【0070】
画面G203において、シフトキーおよび選択キーが同時押下されると、制御部30は、記号「S」を選択し、記号「S」の文字コードを記号格納バッファー32bに追加格納する。そして、制御部30は、連続記号入力状態ST13を維持しつつ、表示部12に画面G204を表示させる。ここで、連続入力記号表示欄PCには、選択されて記号格納バッファー32bに格納された記号「S」が追加表示される。
【0071】
画面G204において、選択キーが押下されると、制御部30は、記号格納バッファー32bに格納されている記号「E」「P」「S」の文字コードを読み出して、文字列格納バッファー32aに格納する。そして、制御部30は、表示部12に文字入力のための画面G205を表示させ、文字入力状態ST11に遷移する。画面G205では、記号「E」「P」「S」が挿入される。
【0072】
上述したように、キーボード11に備わる文字キーを押下することにより、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を選択することができる。そして、シフトキーと選択キーを同時押下することで、記号格納バッファー32bに格納し、さらに、選択キーを押下することで文字列格納バッファー32aに格納することができる。
【0073】
次に、記号種類を切り換えて入力する際の操作と画面遷移および処理について説明する。
図8および図9は、テープ印刷装置1において記号種類を切り換えて入力する場合の画面とその遷移の説明図である。
【0074】
図8の画面G301は、記号入力状態ST12であり、記号選択を受け付ける状態を示している。画面G301の上部には、「記号」の文字列が表示される。そして、画面G301の「記号」の下部には、「記号」に含まれるカテゴリーの候補として、「算数」、「数字」、「2桁数(2桁数字の略)」の文字列が縦に並んで表示されている。ここで、「数字」の文字列は、反転表示されており、カーソルがあることを表している。画面G301のカテゴリー表示の右側には、現在カーソルがある「数字」カテゴリーに含まれる記号(絵文字)が表示されている。
【0075】
画面G301において、キーボード11に備わる文字キーである[1]キーが押下されると、制御部30は、「数字」カテゴリーに含まれる記号「1」と同義の記号「丸付き数字の1(<1>)」を同義記号テーブル33tから検索し、記号「<1>」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に画面G302を表示させる。記号選択画面G302の下部には、右側に「数字」カテゴリーに含まれる記号の候補が一覧表示され、その中で、現在カーソルがある記号「<1>」は反転表示されている。そして、現在カーソルがある記号「<1>」は、候補一覧の左側に、拡大して表示される。
【0076】
画面G302において、キーボード11に備わる文字キーである[1]キーが再度押下されると、制御部30は、同義記号テーブル33tを参照し、文字[1]と同義の記号を順次検索する。そして、制御部30は、「漢数字の1(一)」を検出し、記号「漢数字の1(一)」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に画面G303を表示させる。画面G303では、現在カーソルがある記号「漢数字の1(一)」は反転表示されている。また、現在カーソルがある記号「漢数字の1(一)」は、候補一覧の左側に、拡大して表示される。
【0077】
画面G303において、シフトキーおよび選択キーが同時押下されると、制御部30は記号「漢数字の1(一)」を選択し、記号「漢数字の1(一)」の文字コードを記号格納バッファー32bに格納する。そして、制御部30は、表示部12に連続記号選択のための画面G304を表示させ、連続記号入力状態ST13に遷移させる。
【0078】
画面G304では、画面の上部に、「記号」と「数字」と連続記号入力状態を示す「連続」の文字列が表示される。そして、その下部には、連続入力されている記号を表示するための連続入力記号表示欄PCを示す括弧が表示されている。ここでは、連続入力記号表示欄PCには、選択されて記号格納バッファー32bに格納された記号「漢数字の1(一)」が表示される。さらに、記号選択画面G304の下部には、右側に「数字」カテゴリーに含まれる記号の候補が一覧表示され、その中で、現在カーソルがある記号は反転表示されている。そして、現在カーソルがある記号は、候補一覧の左側に、拡大して表示されている。本実施形態では、記号「漢数字の1(一)」が拡大表示されている。
【0079】
画面G304において、キーボード11に備わる文字キーである[8]キーが押下されると、制御部30は、文字[8]と同義で、且つ前回選択された記号「漢数字の1(一)」と同種の記号を同義記号テーブル33tから検索する。そして、制御部30は、「漢数字の8(八)」を検出し、「漢数字の8(八)」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に画面G305を表示させる。つまり、制御部30は、押下された文字と同義で、且つ前回選択された記号と同種の記号を検索して、表示部12に表示させる。
【0080】
画面G305において、キーボード11に備わる文字キーである[8]キーが再度押下されると、制御部30は、同義記号テーブル33tを参照し、文字[8]と同義の記号を順次検索する。そして、制御部30は、「ローマ数字大文字の8」を検出し、記号「ローマ数字大文字の8」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に画面G306を表示させる。
【0081】
画面G306において、キーボード11に備わる文字キーである[8]キーが再度押下されると、制御部30は、同義記号テーブル33tを参照し、文字[8]と同義の記号を順次検索する。そして、制御部30は、「ローマ数字小文字の8」を検出し、記号「ローマ数字小文字の8」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に画面G307を表示させる。
【0082】
画面G307において、キーボード11に備わる文字キーである[8]キーが再度押下されると、制御部30は、同義記号テーブル33tを参照し、文字[8]と同義の記号を順次検索する。そして、制御部30は、「下付き数字の8」を検出し、記号「下付き数字の8」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に図9の画面G401を表示させる。
【0083】
画面G401において、キーボード11に備わる文字キーである[8]キーが再度押下されると、制御部30は、同義記号テーブル33tを参照し、文字[8]と同義の記号を順次検索する。そして、制御部30は、「上付き数字の8」を検出し、記号「上付き数字の8」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に、画面G402を表示させる。
【0084】
画面G402において、キーボード11に備わる文字キーである[8]キーが再度押下されると、制御部30は、同義記号テーブル33tを参照し、文字[8]と同義の記号を順次検索する。本実施形態では、同義記号テーブル33tの最後尾の記号まで検索したら、次は同義記号テーブル33tの先頭の記号に戻るものとする。よって、制御部30は、「丸付き数字の8(<8>)」を検出し、記号「<8>」にカーソルを移動した状態に切り換える。そして、表示部12に、画面G403を表示させる。
【0085】
画面G403において、シフトキーおよび選択キーが同時押下されると、制御部30は記号「<8>」を選択し、記号「<8>」の文字コードを記号格納バッファー32bに格納する。そして、制御部30は、表示部12に画面G404を表示させる。ここで、連続入力記号表示欄PCには、選択されて記号格納バッファー32bに格納された「<8>」が追加表示される。
【0086】
画面G404において、選択キーが押下されると、制御部30は、記号格納バッファー32bに格納されている「漢数字の1(一)」および「<8>」の文字コードを読み出して、文字列格納バッファー32aに格納する。そして、制御部30は、表示部12に文字入力のための画面G405を表示させ、文字入力状態ST11に遷移する。画面G405では、「漢数字の1(一)」および「丸付き数字の8<8>」が表示される。
【0087】
上述したように、キーボード11に備わる文字キーを押下することにより、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を選択することができる。また、同じ文字キーを複数回押下することで、同義の他種の記号を選択することができる。さらに、記号格納バッファー32bに記号を格納した直後の文字キーの押下では、記号格納バッファー32bに格納した記号と同種の記号を選択することができる。
そして、テープ印刷装置1は、文字列格納バッファー32aに格納された文字列をテープTに印刷することができる。
【0088】
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)テープ印刷装置1は、記号入力状態ST12または連続記号入力状態ST13において、キーボード11に備わる文字キーが押下されると、当該文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を検索し、表示する。そして、シフトキーと選択キーの同時押下や選択キーの単独押下によって、同義の記号を選択する。これにより、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号の選択操作が容易になる。つまり、ユーザーは、記号の選択の際に、カーソルを移動させて記号を探して、選択するという操作を行う必要がないため、利便性が向上する。
【0089】
(2)テープ印刷装置1は、記号入力状態ST12または連続記号入力状態ST13において、同一の文字キーの押下操作が連続して行われると、同義記号テーブル33tを順次検索して同義記号を検出して表示する。これにより、ユーザーは、同一の文字キーを連続押下すれば、同義記号の候補が順次表示され、選択することが可能になる。よって、同義記号の選択を容易に行うことができる。
【0090】
(3)テープ印刷装置1は、連続記号入力状態ST13において、1つの同義記号が選択された後、別の文字キーが押下されると、押下された文字キーに割り当てられた文字と同義で、且つ前回選択された記号と同種の記号を、同義記号テーブル33tを検索して表示する。これにより、ユーザーは、押下した文字キーに割り当てられた文字と同義で、且つ前回選択した記号と同種の記号を選択することが可能になる。つまり、連続して同種の記号を入力することが可能になるため、利便性が向上する。
【0091】
(4)テープ印刷装置1は、キーボード11に備わる文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を、同義記号テーブル33tを用いて検索する。これにより、同義の記号の検索処理が簡易になり、ソフトウェアの負荷を低減することができる。
【0092】
(5)テープ印刷装置1は、記号入力状態ST12または連続記号入力状態ST13に切り換わっている場合に、文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を検索する。これにより、記号入力状態ST12または連続記号入力状態ST13の場合のみ、同義記号を検索して表示するので、文字入力状態ST11での文字の入力効率を低下させることがない。
【0093】
また、上述した実施形態は、上記機能を実現するためのプログラムをコンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやハードディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu−ray Disc(登録商標)、光磁気ディスク、不揮発性メモリーカード、テープ印刷装置の内部記憶装置(RAMやROM等の半導体メモリー)、及び外部記憶装置(USB(Universal Serial Bus)メモリー等)等、前記コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【0094】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
【0095】
(変形例1)上記実施形態では、記号入力状態ST12において、シフトキーと選択キーの同時押下によって、連続記号入力状態ST13に遷移するものとしたが、連続記号入力状態ST13に遷移するためのキーは、他の単独のキーとしてもよい。
【0096】
(変形例2)上記実施形態では、文書処理装置としてテープ印刷装置1を例にして説明しているが、文書処理装置はテープ印刷装置に限定するものではない。例えば、記号や絵文字の選択が可能なワードプロセッサー等に適用することも可能である。
【0097】
(変形例3)上記実施形態では、テープTに文字等を印刷するための印刷方式として、サーマルヘッド15による熱転写方式を用いているが、この方式に限られず、インク滴を吐出するインクジェット方式等、他の印刷方式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…テープ印刷装置、2…テープカートリッジ、10…筐体、11…キーボード、12…表示部、13…凹部、14…開閉蓋、14a…確認窓、15…サーマルヘッド、16…搬送機構、16a,16b…回転軸、17…スリット、18…カッターユニット、19…識別センサー、20…カートリッジケース、21…孔状のヘッド嵌合部、22a,22b…孔状の被駆動部、30…制御部、30a…バス、31…CPU、32…RAM、32a…文字列格納バッファー、32b…記号格納バッファー、33…ROM、33t…同義記号テーブル、34…CGROM、34a…文字記憶部、34b…記号記憶部、35…入力インターフェイス(I/F)、36…出力インターフェイス(I/F)、41…表示駆動部、42…ヘッド駆動部、43…搬送駆動部、44…カッター駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、
選択された記号を格納する記号格納部と、
文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索部と、
前記同義記号検索部が検索した結果の記号である同義記号を表示する記号表示部と、
前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示部に表示されている前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御部と、
を備えることを特徴とする文書処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文書処理装置であって、
前記操作受付部が同一の前記文字キーの押下操作を連続して受け付けると、前記同義記号検索部は、前記記号記憶部に記憶されている前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を順次検索することを特徴とする文書処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の文書処理装置であって、
前記記号格納制御部が、一の文字キーに割り当てられた文字と同義の一の同義記号を前記記号格納部に格納した後、次に、前記操作受付部が他の文字キーを受け付けると、前記同義記号検索部は、前記他の文字キーに割り当てられた文字と同義で、且つ前回選択された前記一の同義記号と同種の記号を検索することを特徴とする文書処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記同義記号検索部は、文字キーに割り当てられた文字と、前記記号記憶部に記憶されている同義の記号と、を関連付けて記憶する同義記号テーブルを有することを特徴とする文書処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
文字の入力操作を受け付ける第1の状態と記号の選択操作を受け付ける第2の状態とを切り換える制御部をさらに有し、
前記同義記号検索部が、前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を検索するのは、前記制御部が前記第2の状態に切り換えている場合であることを特徴とする文書処理装置。
【請求項6】
複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、選択された記号を格納する記号格納部と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、を有する文書処理装置の制御方法であって、
前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索ステップと、
前記同義記号検索ステップによって検索された結果の記号である同義記号を表示する記号表示ステップと、
前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示ステップによって表示された前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御ステップと、
を備えることを特徴とする文書処理装置の制御方法。
【請求項7】
コンピューターに、請求項6に記載の文書処理装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【請求項8】
選択された文字や記号に基づいた画像をテープに印刷するテープ印刷装置であって、
複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、
選択された記号を格納する記号格納部と、
文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索部と、
前記同義記号検索部が検索した結果の記号である同義記号を表示する記号表示部と、
前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示部に表示されている前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御部と、
前記記号格納部に格納された記号に基づいた画像を前記テープに印刷する印刷部と、
を備えることを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項9】
複数の記号の情報を記憶する記号記憶部と、選択された記号を格納する記号格納部と、文字キーおよび制御キーの押下操作を受け付ける操作受付部と、を有し、選択された文字や記号に基づいた画像をテープに印刷するテープ印刷装置の制御方法であって、
前記操作受付部が受け付けた前記文字キーに割り当てられた文字と同義の記号を前記記号記憶部に記憶された記号の中から検索する同義記号検索ステップと、
前記同義記号検索ステップによって検索された結果の記号である同義記号を表示する記号表示ステップと、
前記操作受付部が所定の制御キーの押下操作を受け付けると、前記記号表示ステップによって表示された前記同義記号を選択して、前記記号格納部に格納する記号格納制御ステップと、
前記記号格納部に格納された記号に基づいた画像を前記テープに印刷する印刷ステップと、
を備えることを特徴とするテープ印刷装置の制御方法。
【請求項10】
コンピューターに、請求項9に記載のテープ印刷装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−125929(P2012−125929A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276678(P2010−276678)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】