説明

文書管理システム、文書管理サーバ、文書管理方法

【課題】文書管理システムにおいて、容量の大きいファイルにアクセスする場合の操作レスポンス、ネットワーク負荷の問題を解決する。
【解決手段】文書管理システム内に登録されている文書が保有するファイルをネットワーク上の複数のファイルサーバに冗長に配置し、クライアントに近いファイルサーバを使用してファイルを参照、更新する手段を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システムに関し、特に実体ファイルの分散管理を行う文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の文書管理システムでは、文書番号やタイトルなどの文書管理属性と文書が保有する実体ファイルを1つのサーバに配置するか、文書管理属性管理用のサーバと実体ファイル格納用のサーバに別々に配置する。実体ファイル格納用のサーバが複数ある場合でも、あるファイルはどれか1つのサーバ上にしか存在しない。このため、この従来技術には、以下のような問題点があった。
【0003】
第1の問題点は、クライアントと実体ファイル格納用のサーバ間のネットワーク性能が低い場合、サイズの大きいファイルを参照、更新する際に、操作レスポンス劣化とネットワークの高負荷が発生することである。
【0004】
第2の問題点は、第1の問題点を解決するために、複数のファイルサーバ上に同一ファイルを冗長に配置可能にした場合、それぞれのファイルサーバ上で同一ファイルが別々に更新されることによって不整合が発生することである。
【0005】
第3の問題点は、第2の問題点の解決するために、ファイル更新時に複数のファイルサーバ上の同一ファイルを全て同様に更新するとした場合、操作レスポンスとネットワークの高負荷が発生することである。
【0006】
第4の問題点は、第2、第3の問題点を解決するために、1つのファイルにつき、ファイルを更新可能なファイルサーバを1箇所に限定するとした場合、クライアントとそのファイルサーバ間のネットワーク性能が低い場合、ファイル更新時の操作レスポンス劣化が発生することである。
【0007】
従って、いずれのシステム構成にしても、クライアントと実体ファイル格納用のサーバ間のネットワーク性能が低い場合、サイズの大きいファイルを参照、更新する際に、操作レスポンス劣化とネットワーク高負荷の問題が発生する。
【0008】
文書管理システムから分散ファイルシステムまで対象を広げると、特開2000−066941号公報(特許文献1)に、ネットワーク上で同一ファイルを複数のファイルサーバに配置して論理レコード単位で更新を同期するシステムの一例が記載されている。
ここで開示されている分散ファイル更新システムは、一つの通信網に分散して接続される複数のファイルサーバが、それぞれにクライアントを収容し、且つ、前記複数のファイルサーバにおけるデータファイルのファイル内容を一致させる更新処理を行う。この分散ファイル更新システムでは、前記クライアントが、イベント発生時の追加、変更、削除によって更新した論理レコード及び更新フラグを、収容先のファイルサーバに送信する。前記複数のファイルサーバは、それぞれが受信した更新が、追加の場合にデータファイルに論理レコード及び更新フラグを格納し、変更の場合にデータファイルの該当する論理レコードと置換する。また、更新フラグをデータファイルに格納し、削除の場合にデータファイルの該当する論理レコードに更新フラグを格納する。その後、前記複数のファイルサーバ間で前記通信網を通じ、データファイルにおける更新した論理レコード及び更新フラグのみを送受信して、データファイルのファイル内容を一致させる更新処理を実行する。
【0009】
しかし、文書管理システムでは、クライアント側でのファイルの編集と編集したファイルの文書管理システムへの登録は独立した処理であることが前提であるため、文書管理システムにファイルが格納される際には、特開2000−066941号公報など分散ファイルシステムにあるようなレコード単位の更新ではなく、必ずファイル全体の更新となる。従って、上記の分散ファイルシステムは、文書管理システムには適用できない。
【0010】
関連する技術として、特開平10−063557号公報(特許文献2)に分散ファイルの同期方式が開示されている。
この分散ファイルの同期方式は、ファイルの集合全体を管理するセンタコンピュータと、このセンタコンピュータと間欠的に接続され一部分のファイルのコピーを分散して持つローカルコンピュータと、前記センタコンピュータ及び前記ローカルコンピュータ上にスタンドアロン用のファイル操作手段とファイル管理テーブルとを備え、前記センタコンピュータ及び前記ローカルコンピュータのそれぞれでファイルの生成,更新及び削除を非同期に行うコンピュータシステムを用いる。また、このコンピュータシステムにおいて、ファイル実体の一つ一つを識別するために識別子を付け、そのファイル実体の状態として新規,内容変更,パス名変更,削除,保管等を管理する拡張ファイル管理テーブルと、上位プログラムからのファイル操作指示を検出し、ファイルの状態変化を前記拡張ファイル管理テーブルに反映する拡張ファイル操作手段と、前記センタコンピュータと前記ローカルコンピュータとを接続する通信手段と、前記センタコンピュータ及び前記ローカルコンピュータの前記拡張ファイル管理テーブルの内容を前記通信手段を通して入手して比較し、相互のファイルの状態変更を同期させるための処理を決定し、必要なだけのデータ交換を前記通信手段を通して実行する同期処理手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、特開2006−018370号公報(特許文献3)に文書管理システムが開示されている。
この文書管理システムは、文書管理クライアントと文書管理情報を保存する文書管理サーバと、複数の文書ファイルを保存する文書ファイルサーバを有するクライアントサーバ型の文書管理システムである。また、前記管理サーバが、文書種別に応じた複数の管理レベルを格納した文書別管理レベルテーブルと、複数のユーザIDに対応した管理レベル及び更新通知先とを格納したユーザ管理テーブルと、複数の文書ファイルに対応した文書種別とファイル保管場所とファイル更新日時と管理者承認日時とを格納した文書情報管理テーブルとを備える。更に、入力された文書種別を基に文書別管理レベルテーブルを参照して求めた管理レベルに比して高度な管理レベルのユーザIDに対応した更新通知先を前記文書管理テーブルに格納する。
【0012】
【特許文献1】特開2000−066941号公報
【特許文献2】特開平10−063557号公報
【特許文献3】特開2006−018370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、クライアントと実体ファイル格納用のサーバ間のネットワーク性能が低い場合、サイズの大きいファイルを参照、更新する際に、操作レスポンス劣化とネットワーク高負荷の問題が発生するのを抑制する文書管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。但し、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0015】
本発明の文書管理システムは、文書管理サーバ(1)と、第1ファイルサーバ(2)及び第2ファイルサーバ(3)を含む複数のファイルサーバ(2,3)と、クライアント(4)とを有する。
前記文書管理サーバ(1)は、文書を表す文書レコードを保持する文書テーブル(11)と、前記文書に対応するファイルを表すファイル定義レコードを保持するファイル定義テーブル(12)と、前記ファイルの前記複数のファイルサーバ(2,3)の各々への配置状態を表すファイル配置レコードを保持するファイル配置テーブル(13)と、前記各ファイルサーバ(2,3)を表すファイルサーバ管理レコードを保持するファイルサーバ管理テーブル(14)と、前記クライアント(4)から最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持するクライアントサーバ対応テーブル(15)と、前記各ファイルサーバ(2,3)及び前記クライアント(4)からのファイル入出力要求を制御するファイル入出力制御部とを具備する。
前記各ファイルサーバ(2,3)は、前記ファイルを前記文書用のフォルダ配下に配置しているファイル格納領域と、前記ファイル格納領域に前記ファイルの格納を行うファイル格納部とを具備する。
前記ファイル入出力制御部は、前記クライアント(4)からの前記ファイルに該当するファイル定義レコードの指定に基づき、前記クライアントサーバ対応テーブル(15)を検索して前記第1ファイルサーバ(2)を選択し、且つ、前記ファイル配置テーブル(13)上で、前記ファイルと前記第1ファイルサーバ(2)の組み合わせに一致する前記ファイル配置レコードを検索し、且つ、前記ファイル配置レコードの最新フラグの値が最新かどうか調べ、前記最新フラグの値が最新の場合、前記ファイルサーバ管理テーブル(14)を参照して、前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスを前記クライアント(4)に返却する。
前記クライアント(4)は、前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスに基づき、前記第1ファイルサーバ(2)に前記ファイルの取り出しを要求する。
前記第1ファイルサーバ(2)は、前記ファイル格納領域にある前記ファイルを前記クライアント(4)に返却する。
【0016】
前記ファイル入出力制御部(16)は、前記クライアント(4)からの前記ファイルに該当するファイル定義レコードの指定に基づき、前記クライアントサーバ対応テーブル(15)を検索し、前記第1ファイルサーバ(2)を選択し、且つ、前記ファイル配置テーブル(13)上で、前記ファイルと前記第1ファイルサーバ(2)の組み合わせに一致する前記ファイル配置レコードを検索する。また、、前記ファイル配置テーブル(13)を参照し、前記第1ファイルサーバ(2)に前記ファイルの更新権があるかどうか調べ、更新権がある場合、前記ファイルサーバ管理テーブル(14)を参照して、前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスを前記クライアント(4)に返却する。
前記クライアント(4)は、前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスに基づき、前記第1ファイルサーバ(2)に前記ファイルの格納を要求する。
前記第1ファイルサーバ(2)は、前記クライアント(4)から前記ファイルを前記ファイル格納領域(21)に保存した後、前記ファイル入出力制御部(16)に前記ファイルの格納が終了したことを通知する。
前記ファイル入出力制御部(16)は、前記ファイル配置テーブル(13)に、前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)上の前記ファイルが最新でなくなったことを記録する。
【0017】
本発明の文書管理システムは、一定時間おき、又は不定期に前記文書管理サーバ(1)内の情報を検索し、前記各ファイルサーバ上に最新でないファイルがないかを調べる同期エージェント(6)とを更に有する。
前記同期エージェント(6)は、前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)上の該当するファイルが最新の状態でないことを検出すると、前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)に、最新のファイルを前記第1ファイルサーバ(2)からコピーするように指示する。
前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)は、前記第1ファイルサーバ(2)から前記最新のファイルをコピーして前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)上の該当するファイルを更新し、前記最新のファイルのコピーが終わると、前記最新のファイルがコピーされたことを前記文書管理サーバ(1)に通知する。
前記文書管理サーバ(1)は、前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)上の該当するファイルが最新の状態になったことを記録する。
【0018】
前記文書管理サーバ(1)は、前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)上のファイルが最新の状態になる前に、前記クライアント(4)が前記文書管理サーバ(1)に前記ファイルの参照を要求した場合、前記第1ファイルサーバ(2)から前記第1ファイルサーバ(2)以外のファイルサーバ(3)に前記最新のファイルをコピーした後取り出すか、前記第1ファイルサーバ(2)から前記最新のファイルを直接取り出すかを選択するよう前記クライアント(4)に指示する。
【0019】
前記文書レコードは、文書IDを保持する。
前記ファイル定義レコードは、文書ID、ファイル名を保持する。
前記ファイル配置レコードは、文書ID、ファイル名、ファイルサーバ名、最新フラグ、更新権の有無を保持する。
最新フラグは、前記複数のファイルサーバ(2,3)に配置されている同じファイルの中で最後に更新されたファイルとの相違を表する。最後に更新されたファイルと内容が同じ場合は「最新」、異なる場合は「過去」を保持する。
更新権の有無は、前記複数のファイルサーバ(2,3)に配置されている同じファイルの中で更新可能なものを1つに限定するのに使用する。更新権のあるファイルに対応するファイル配置レコードの場合は「有」を保持する。それ以外の場合は「無」を保持する。
前記ファイルサーバ管理レコードは、ファイルサーバ名、ネットワークアドレスを保持する。
【0020】
前記文書管理サーバ(1)は、前記ファイルを更新可能なファイルサーバを表すファイル所在レコードを保持するファイル所在テーブル(17)とを更に具備する。
前記ファイル所在レコードは、文書ID、ファイルサーバ名、更新権の有無を保持する。
【0021】
本発明の他の文書管理サーバ(1)は、文書を表す文書レコードを保持する文書テーブル(11)と、前記文書に対応するファイルを表すファイル定義レコードを保持するファイル定義テーブル(12)と、前記ファイルの複数のファイルサーバ(2,3)の各々への配置状態を表すファイル配置レコードを保持するファイル配置テーブル(13)と、前記各ファイルサーバを表すファイルサーバ管理レコードを保持するファイルサーバ管理テーブル(14)と、クライアント(4)から最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持するクライアントサーバ対応テーブル(15)と、前記各ファイルサーバ及び前記クライアント(4)からのファイル入出力要求を制御するファイル入出力制御部(16)と、一定時間おき、又は不定期に前記ファイル配置テーブル(13)を検索し、最新でなくなった前記ファイルがないかを調べる同期エージェント(6)とを具備する。
前記複数のファイルサーバ(2,3)は、第1ファイルサーバ(2)及び第2ファイルサーバ(3)を含む。
前記同期エージェント(6)は、前記第1ファイルサーバ(2)に最新でないファイルが存在することを検出すると、前記第1ファイルサーバ(2)に、最新のファイルを前記第2ファイルサーバ(3)からコピーするように指示する。
前記ファイル入出力制御部(16)は、前記第1ファイルサーバ(2)から前記最新のファイルをコピーしたことを通知された時、前記第1ファイルサーバ(2)上の該当するファイルが最新になったことを前記ファイル配置テーブル(13)に記録する。
【0022】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(a1)第1クライアント(4)が、文書管理サーバ(1)に、更新するファイルに該当するファイル定義レコードを指定するステップと、(a2)前記文書管理サーバ(1)が、クライアントサーバ対応テーブル(15)を検索し、第1ファイルサーバ(2)を選択するステップと、(a3)前記文書管理サーバ(1)が、ファイル配置テーブル(13)上で、指定されたファイルと前記第1ファイルサーバ(2)の組み合わせに一致するファイル配置レコードを検索するステップと、(a4)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイル配置テーブル(13)を参照し、前記第1ファイルサーバ(2)に該当する文書配下のファイルの更新権があるかどうか調べるステップと、(a5)更新権がある場合、前記文書管理サーバ(1)が、ファイルサーバ管理テーブル(14)を参照して、前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスを前記第1クライアント(4)に返却するステップと、(a6)前記第1クライアント(4)が、返却されたネットワークアドレスにある前記第1ファイルサーバ(2)にファイルの格納を要求するステップと、(a7)前記第1ファイルサーバ(2)が、前記第1クライアント(4)から送信されたファイルをファイル格納領域(21)に保存した後、前記文書管理サーバ(1)にファイルの格納が終了したことを通知するステップと、(a8)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイル配置テーブル(13)上で、更新されたファイルと同じファイルで、前記第1ファイルサーバ(2)以外に配置されているものに該当するレコードの最新フラグの値を「過去」に更新するステップと、(a9)更新権がない場合、前記文書管理サーバ(1)が、前記第1クライアント(4)からのファイル更新要求をエラーとするステップとを具備する。
【0023】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(b1)同期エージェント(6)が、前記文書管理サーバ(1)に、前記ファイル配置テーブル(13)内で最新フラグの値が「過去」のファイル配置レコードを検索するよう指示するステップと、(b2)前記文書管理サーバ(1)が、条件に一致するレコードを返却するステップと、(b3)前記同期エージェント(6)が、前記文書管理サーバ(1)から返却されたレコードごとに、繰り返し以下の処理を行うステップと、(b4)前記同期エージェント(6)が、返却されたファイル配置レコードが保持する第2ファイルサーバ(3)のファイルサーバ名を指定して、前記文書管理サーバ(1)から前記ネットワークアドレスを取得するステップと、
(b5)前記同期エージェント(6)が、更新権があるファイルが存在するファイルサーバを検索するよう、前記文書管理サーバ(1)に指示するステップと、(b6)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイル配置テーブル(13)を検索して、更新権があるファイルが前記第1ファイルサーバ(2)上に存在することを検出するステップと、(b7)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイルサーバ管理テーブル(14)から前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスを取得して、前記同期エージェント(6)に返却するステップと、(b8)前記同期エージェント(6)が、返却されたネットワークアドレスにある前記第2ファイルサーバ(3)に、同期をとるべきファイルとコピー元となる前記第1ファイルサーバ(2)のネットワークアドレスを指定して、ファイルのコピーを要求するステップと、(b9)前記第2ファイルサーバ(3)が、前記第1ファイルサーバ(2)にファイルの取り出しを要求するステップと、(b10)前記第1ファイルサーバ(2)が、指定されたファイルを前記第2ファイルサーバ(3)に返却するステップと、(b11)前記第2ファイルサーバ(3)が、受け取ったファイルをファイル格納領域(21)に保存した後、前記文書管理サーバ(1)にファイルのコピーが終了したことを通知するステップと、(b12)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイル配置テーブル(13)上で、コピー先に該当するファイル配置レコードの最新フラグの値を「最新」に更新するステップとを更に具備する。
【0024】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(c1)前記第2クライアント(4)は前記文書管理サーバ(1)に、参照するファイルに該当するファイル定義レコードを指定するステップと、(c2)前記文書管理サーバ(1)が、前記クライアントサーバ対応テーブル(15)を検索し、前記第2ファイルサーバ(3)を選択するステップと、(c3)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイル配置テーブル(13)上で、指定されたファイルと前記第2ファイルサーバ(3)の組み合わせに一致するファイル配置レコードを検索するステップと、(c4)前記文書管理サーバ(1)が、ファイル配置レコードの最新フラグの値が最新かどうか調べるステップと、(c5)ファイルが最新の場合、前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイルサーバ管理テーブル(14)を参照して、前記第2ファイルサーバ(3)のネットワークアドレスを前記第2クライアント(4)に返却するステップと、(c6)前記第2クライアント(4)が、返却されたネットワークアドレスにある前記第2ファイルサーバ(3)に、ファイルの取り出しを要求するステップと、(c7)前記第2ファイルサーバ(3)は、ファイル格納領域(31)にある指定されたファイルを前記第2クライアント(4)に返却するステップと、(c8)ファイルが最新でない場合、前記文書管理サーバ(1)が、前記第2クライアント(4)にファイルが最新でないことを通知するステップと、(c9)前記第2クライアント(4)が、利用者からの入力に従って、前記第1ファイルサーバ(2)から直接最新のファイルを取り出すか、前記第2ファイルサーバ(3)に最新のファイルをコピーして、そこから取り出すかを選択するステップとを更に具備する。
【0025】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(d1)前記第1クライアント(4)が、前記文書管理サーバ(1)に、更新権の移動元となるファイル配置レコードと移動先となるファイル配置レコードを指定するステップと、(d2)前記文書管理サーバ(1)が、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」かどうか調べるステップと、(d3)前記文書管理サーバ(1)が、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」の場合、移動元となるファイル配置レコードの更新権の値を「無」に、移動先となるファイル配置レコードの更新権の値を「有」に変更するステップと、(d4)前記文書管理サーバ(1)が、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「過去」の場合、更新権の移動要求をエラーとするステップとを更に具備する。
【0026】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(e1)第1クライアント(4)が、文書管理サーバ(1)に、更新するファイルに該当するファイル定義レコードを指定するステップと、(e2)前記文書管理サーバ(1)が、前記クライアントサーバ対応テーブル(15)を検索し、前記第1ファイルサーバ(2)を選択するステップと、(e3)前記文書管理サーバ(1)が、ファイル所在テーブル(17)上で、該当する文書と前記第1ファイルサーバ(2)の組み合わせに一致するファイル所在レコードを検索するステップと、(e4)前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイル所在テーブル(17)を参照し、前記第1クライアント(4)に該当する文書の更新権があるかどうか調べるステップと、(e5)更新権がある場合、前記文書管理サーバ(1)が、前記ファイルサーバ管理テーブル(14)を参照して、前記第1ファイルサーバ(2)にファイルの格納を要求するステップと、(e6)前記第1ファイルサーバ(2)が、前記第1クライアント(4)から送信されたファイルをファイル格納領域(21)に保存した後、前記文書管理サーバ(1)にファイルの格納が終了したことを通知するステップと、(e7)前記文書管理サーバ(1)が、ファイル配置テーブル(13)上で、更新されたファイルと同じファイルで、前記第1ファイルサーバ(2)以外に配置されているものに該当するレコードの最新フラグの値を「過去」に更新するステップと、(e8)更新権がない場合、前記文書管理サーバ(1)が、前記第1クライアント(4)からのファイル更新要求をエラーとするステップと
を具備する。
【0027】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(f1)前記第1クライアント(4)が、前記文書管理サーバ(1)に、更新権の移動元となるファイル所在レコードと移動先となるファイル所在レコードを指定するステップと、(f2)前記文書管理サーバ(1)が、前記移動先となるファイル所在レコードと同じ文書、ファイルサーバの組み合わせを持つファイル配置レコードを前記ファイル配置テーブル(13)内で検索し、それぞれの最新フラグの値を調べるステップと、(f3)前記最新フラグの値が「最新」かどうか調べるステップと、(f4)検索した全てのファイル配置レコードにおいて、前記最新フラグの値が「最新」である場合、移動元となるファイル所在レコードの更新権の値を「無」に、移動先となるファイル所在レコードの更新権の値を「有」に変更するステップと、(f5)前記検索した全てのファイル配置レコードの中に前記最新フラグの値が「過去」のものがあった場合、更新権の移動要求をエラーとするステップとを更に具備する。
【0028】
本発明の文書管理方法及びプログラムは、(A1)文書を表す文書レコードを保持するステップと、(A2)前記文書ごとに保有するファイルを表すファイル定義レコードを保持するステップと、
(A3)夫々のファイルのファイルサーバへの配置状態を表すファイル配置レコードを保持するステップと、(A4)前記ファイルサーバを表すファイルサーバ管理レコードを保持するステップと、(A5)クライアント(4)ごとにネットワーク上最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持するステップと、(A6)前記ファイルサーバ及び前記クライアント(4)からのファイル入出力要求を制御するステップと、(A7)一定時間おき、又は不定期に前記ファイル配置テーブル(13)を検索し、最新でなくなった前記ファイルがないかを調べるステップと、(A8)第1ファイルサーバ(2)に最新でないファイルが存在することを検出すると、前記第1ファイルサーバ(2)に、更新されたファイルを第2ファイルサーバ(3)からコピーするように指示するステップと、(A9)前記第1ファイルサーバ(2)から前記更新されたファイルをコピーしたことを通知された時、前記第1ファイルサーバ(2)上の該当するファイルが最新になったことを記録するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0029】
第一の効果は、クライアントがファイルの更新、参照を実行する際に、クライアントに近いファイルサーバとの間で入出力を行うため、1つのファイルサーバでファイルを一元管理する方式に比べて、操作レスポンスが速く、ネットワーク負荷が低いという点である。
第二の効果は、クライアントがファイルの更新を実行する際に、特定のファイルサーバ上でファイルの更新が完了した時点でクライアント側に制御が戻り、他のファイルサーバ上の該当するファイルの更新はその時点では実行されないため、同じファイルを複数のファイルサーバに配置していても更新時の操作レスポンスが劣化しないという点である。
第三の効果は、更新権を有することよって、複数のファイルサーバに配置された同じファイルが、別々に更新されるのを禁止できるという点である。
第四の効果は、更新権の移動によって、複数のファイルサーバに配置された同じファイルは、オリジナル、コピーの区別なく、どのファイルサーバ上でも更新できるという点である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1では、本実施形態におけるシステム構成を示す。
本発明の文書管理システムは、文書管理サーバ1と、複数のファイルサーバ2、3と、複数のクライアント4、5と、同期エージェント6を有する。
【0031】
文書管理サーバ1は、文書テーブル11と、ファイル定義テーブル12と、ファイル配置テーブル13と、ファイルサーバ管理テーブル14と、クライアント−ファイルサーバ対応テーブル15と、ファイル入出力制御部16を備えている。
【0032】
文書テーブル11は、文書を表す文書レコードを保持する。文書レコードは、文書ID、タイトル、作成者等を保持する。
【0033】
ファイル定義テーブル12は、文書ごとに保有するファイルを表すファイル定義レコードを保持する。ファイル定義レコードは、文書ID、ファイル名を保持する。
【0034】
ファイル配置テーブル13は、それぞれのファイルのファイルサーバ2、3への配置状態を表すファイル配置レコードを保持する。ファイル配置レコードは、文書ID、ファイル名、ファイルサーバ名、最新フラグ、更新権の有無を保持する。最新フラグは、複数のファイルサーバ2、3に配置されている同じファイルの中で最後に更新されたファイルとの相違を表す。最後に更新されたファイルと内容が同じ場合は「最新」、異なる場合は「過去」を保持する。更新権の有無は、複数のファイルサーバ2、3に配置されている同じファイルの中で更新可能なものを1つに限定するのに使用する。更新権のあるファイルに対応するファイル配置レコードの場合は「有」を保持する。それ以外の場合は「無」を保持する。更新権の有無の値が「有」の場合、最新フラグの値は必ず「最新」であることとする。
【0035】
ファイルサーバ管理テーブル14は、文書管理システムを構成するファイルサーバ2、3を表すファイルサーバ管理レコードを保持する。ファイルサーバ管理レコードは、ファイルサーバ名、ネットワークアドレスを保持する。
【0036】
クライアント−ファイルサーバ対応テーブル15は、クライアント4、5ごとにネットワーク上最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持する。
【0037】
ファイル入出力制御部16は、ファイルサーバ2、3、クライアント4、5、同期エージェント6からのファイル入出力要求を制御する。なお、同期エージェント6は、文書管理サーバ1の内部に含まれていても良い。例えば、ファイル入出力制御部16が同期エージェント6の機能を有するようにする。この場合、ファイル入出力制御部16は、ファイルサーバ2、3、クライアント4、5からのファイル入出力要求を制御する。
【0038】
以降、図1に示すように、ファイルサーバ2、3、及び、クライアント4、5は夫々、ファイルサーバA:2、ファイルサーバB:3、クライアントX:4、クライアントY:5として説明する。
【0039】
ファイルサーバA:2は、ファイル格納領域21と、ファイル格納部22と、ファイル取り出し部23と、ファイルコピー部24を備えている。
【0040】
ファイル格納領域21は、文書ごとのフォルダを有する。文書が保有するファイルは各文書用のフォルダ配下に配置される。ファイル格納部22は、クライアント4、5との間のファイルの格納を行う。なお、ファイル格納部22は、クライアント4、5から取得したファイルを自動的に、該当する文書用のフォルダに振り分けて格納するようにしても良い。例えば、ファイル名やファイルの内容、取得元のクライアント名に基づいて該当する文書用のフォルダを判断することが考えられる。ファイル取り出し部23は、クライアント4、5との間のファイルの取り出しを行う。例えば、クライアント4、5からの要求に応じてファイル格納領域21からファイルの取り出しを行う。また、クライアント4、5が保有するファイルの自動取得を行うようにしても良い。ファイルコピー部24は、ファイルサーバ2、3間のファイルのコピーを行う。
【0041】
ファイルサーバB:3は、ファイル格納領域31と、ファイル格納部32と、ファイル取り出し部33と、ファイルコピー部34を備えている。
【0042】
ファイル格納領域31は、文書ごとのフォルダを有する。文書が保有するファイルは各文書用のフォルダ配下に配置される。ファイル格納部32は、クライアント4、5との間のファイルの格納を行う。なお、ファイル格納部32は、クライアント4、5から取得したファイルを自動的に、該当する文書用のフォルダに振り分けて格納するようにしても良い。例えば、ファイル名やファイルの内容、取得元のクライアント名に基づいて該当する文書用のフォルダを判断することが考えられる。ファイル取り出し部33は、クライアント4、5との間のファイルの取り出しを行う。例えば、クライアント4、5からの要求に応じてファイル格納領域31からファイルの取り出しを行う。また、クライアント4、5が保有するファイルの自動取得を行うようにしても良い。ファイルコピー部34は、ファイルサーバ2、3間のファイルのコピーを行う。
【0043】
クライアントX:4が所定のファイルの参照を文書管理サーバ1に要求すると、文書管理サーバ1は、クライアントX:4にファイルサーバA:2から参照するように指示する。クライアントX:4は、ファイルサーバA:2からファイルを取り出す。
【0044】
クライアントX:4が所定のファイルの更新を文書管理サーバ1に要求すると、文書管理サーバ1は、クライアントX:4にファイルサーバA:2で更新するように指示する。クライアントX:4は、ファイルサーバA:2にファイルを格納する。ファイルの更新が終わると、ファイルサーバA:2は、文書管理サーバ1にファイルが更新されたことを通知する。文書管理サーバ1は、ファイルサーバB:3上の該当するファイルが最新でなくなったことを記録する。ファイルサーバB:3上の該当するファイルは、この時点では更新しない。
【0045】
同期エージェント6は、一定時間おき、又は不定期に文書管理サーバ1内の情報を検索し、最新でなくなったファイルがないかを調べる。同期エージェント6は、ファイルサーバB:3に最新でないファイルが存在することを検出すると、ファイルサーバB:3に、更新されたファイルをファイルサーバA:2からコピーするように指示する。ファイルサーバB:3は、ファイルサーバA:2から更新されたファイルを取得して、ファイルサーバB:3上のファイルを更新する。ファイルのコピーが終わると、ファイルサーバB:3は、文書管理サーバ1にファイルがコピーされたことを通知する。文書管理サーバ1は、ファイルサーバB:3上の該当するファイルが最新になったことを記録する。この時、同期エージェント6は、文書管理サーバ1の内部に含まれていても良い。
【0046】
ファイルサーバB:3上のファイルが最新の状態になる前に、クライアントY:5が文書管理サーバ1にそのファイルの参照を要求した場合、文書管理サーバ1は、ファイルサーバA:2からファイルサーバB:3にファイルをコピーした後取り出すか、ファイルサーバA:2から直接取り出すかを選択するようクライアントY:5に指示する。クライアントY:5は利用者からの入力に従って、いずれかの処理を選択する。
【0047】
図2を参照して、クライアントが文書管理システム上のファイルを更新する場合について説明する。
(1)ステップS111
クライアントX:4は、文書管理サーバ1のファイル入出力制御部16に、更新するファイルに該当するファイル定義レコードを指定する。
(2)ステップS112
ファイル入出力制御部16は、クライアント−ファイルサーバ対応テーブル15を検索し、ファイルサーバA:2を選択する。
(3)ステップS113
次に、ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13上で、指定されたファイルとファイルサーバA:2の組み合わせに一致するファイル配置レコードを検索する。
(4)ステップS114
ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13を参照し、ファイルサーバA:2に当該指定されたファイルの更新権があるかどうか調べる。この時、ファイル配置テーブル13は、更新権のあるファイルに対応するファイル配置レコードの場合(更新権がある場合)は「有」を保持する。それ以外のファイル配置レコードの場合(更新権がない場合)は「無」を保持する。
(5)ステップS115
更新権がある場合、ファイル入出力制御部16は、ファイルサーバ管理テーブル14を参照して、ファイルサーバA:2のネットワークアドレスをクライアントX:4に返却する。
(6)ステップS116
クライアントX:4は、返却されたネットワークアドレスにあるファイルサーバA:2のファイル格納部22にファイルの格納を要求する。
(7)ステップS117
ファイル格納部22は、クライアントX:4から送信されたファイルをファイル格納領域21に保存した後、ファイル入出力制御部16にファイルの格納が終了したことを通知する。
(8)ステップS118
ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13上で、更新されたファイルと同じファイルで、ファイルサーバA:2以外に配置されているものに該当するレコードの最新フラグの値を「過去」に更新する。
(9)ステップS119
更新権がない場合、ファイル入出力制御部16は、クライアントX:4からのファイル更新要求をエラーとする。
【0048】
図3を参照して、同期エージェントがファイルサーバ間でファイルの内容を同期する場合について説明する。
同期エージェント6は、一定時間おき、又は不定期に以下の処理を行う。
(1)ステップS121
同期エージェント6は、文書管理サーバ1のファイル入出力制御部16に、ファイル配置テーブル13内で最新フラグの値が「過去」のファイル配置レコードを検索するよう指示する。ファイル入出力制御部16は、条件に一致するレコードを返却する。なお、検索結果は複数件返却される場合がある。
(2)ステップS122
同期エージェント6は、ファイル入出力制御部16から返却されたレコードごとに、繰り返し以下の処理を行う。返却されたレコードが全て処理された場合は終了する。
(3)ステップS123
同期エージェント6は、返却されたファイル配置レコードが保持するファイルサーバB:3のファイルサーバ名を指定して、ファイル入出力制御部16からそのネットワークアドレスを取得する。
(4)ステップS124
更に、同期エージェント6は、更新権があるファイルが存在するファイルサーバを検索するよう、ファイル入出力制御部16に指示する。ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13を検索して、更新権があるファイルがファイルサーバA:2上に存在することを検出する。
(5)ステップS125
ファイル入出力制御部16は、更に、ファイルサーバ管理テーブル14からファイルサーバA:2のネットワークアドレスを取得して、同期エージェント6に返却する。
(6)ステップS126
同期エージェント6は、返却されたネットワークアドレスにあるファイルサーバB:3のファイルコピー部34に、同期をとるべきファイルとコピー元となるファイルサーバA:2のネットワークアドレスを指定して、ファイルのコピーを要求する。
(7)ステップS127
ファイルサーバB:3のファイルコピー部34は、ファイルサーバA:2のファイルの取り出し部23にファイルの取り出しを要求する。
(8)ステップS128
ファイルサーバA:2のファイル取り出し部23は、指定されたファイルをファイルサーバB:3のファイルコピー部34に返却する。
(9)ステップS129
ファイルサーバB:3のファイルコピー部34は、受け取ったファイルをファイル格納領域31に保存した後、ファイル入出力制御部16にファイルのコピーが終了したことを通知する。
(10)ステップS130
ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13上で、コピー先に該当するファイル配置レコードの最新フラグの値を「最新」に更新する。
【0049】
図4を参照して、クライアントが文書管理システム上のファイルを参照する場合について説明する。
(1)ステップS131
クライアントY:5は文書管理サーバ1のファイル入出力制御部16に、参照するファイルに該当するファイル定義レコードを指定する。
(2)ステップS132
ファイル入出力制御部16は、クライアント−ファイルサーバ対応テーブル15を検索し、ファイルサーバB:3を選択する。
(3)ステップS133
次に、ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13上で、指定されたファイルとファイルサーバB:3の組み合わせに一致するファイル配置レコードを検索する。
(4)ステップS134
ファイル入出力制御部16は、ファイル配置レコードの最新フラグの値が最新かどうか調べる。
(5)ステップS135
ファイルが最新の場合、ファイル入出力制御部16は、ファイルサーバ管理テーブル14を参照して、ファイルサーバB:3のネットワークアドレスをクライアントY:5に返却する。
(6)ステップS136
クライアントY:5は、返却されたネットワークアドレスにあるファイルサーバB:3のファイル取り出し部33に、ファイルの取り出しを要求する。
(7)ステップS137
ファイルサーバB:3のファイル取り出し部33は、ファイル格納領域31にある指定されたファイルをクライアントY:5に返却する。
(8)ステップS138
ファイルが最新でない場合、ファイル入出力制御部16は、クライアントY:5にファイルが最新でないことを通知する。
(9)ステップS139
クライアントY:5は、利用者からの入力に従って、ファイルサーバA:2から直接最新のファイルを取り出すか、ファイルサーバA:2からファイルサーバB:3に最新のファイルをコピーして、そこから取り出すかを選択する。
【0050】
図5を参照して、クライアントがファイルの更新権を移動する場合について説明する。
(1)ステップS141
クライアントX:4は、文書管理サーバ1のファイル入出力制御部16に、更新権の移動元となるファイル配置レコードと移動先となるファイル配置レコードを指定する。
(2)ステップS142
ファイル入出力制御部16は、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」かどうか調べる。
(3)ステップS143
ファイル入出力制御部16は、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」の場合、移動元となるファイル配置レコードの更新権の値を「無」に、移動先となるファイル配置レコードの更新権の値を「有」に変更する。
(4)ステップS144
ファイル入出力制御部16は、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「過去」の場合、更新権の移動要求をエラーとする。
【0051】
以下に本発明の第2実施形態について説明する。
図6を参照すると、本実施形態は、文書管理サーバ1がファイル所在テーブル17を有する点が第1実施形態と異なる。ファイル所在テーブル17は、文書ごとにどのファイルサーバ2、3でファイルを更新可能かを表すファイル所在レコードを保持する。ファイル所在レコードは、文書ID、ファイルサーバ名、更新権の有無を保持する。これに合わせて、ファイル配置テーブル13内のファイル配置レコードでは、更新権の有無は保持しない。
【0052】
図7を参照して、クライアントが文書管理システム上のファイルを更新する場合について説明する。
(1)ステップS211
クライアントX:4は文書管理サーバ1のファイル入出力制御部16に、更新するファイルに該当するファイル定義レコードを指定する。
(2)ステップS212
ファイル入出力制御部16は、クライアント−ファイルサーバ対応テーブル15を検索し、ファイルサーバA:2を選択する。
(3)ステップS213
次に、ファイル入出力制御部16は、ファイル所在テーブル17上で、該当する文書とファイルサーバA:2の組み合わせに一致するファイル所在レコードを検索する。
(4)ステップS214
ファイル入出力制御部16は、ファイル所在テーブル17を参照し、ファイルサーバA:2に、該当する文書配下のファイルの更新権があるかどうか調べる。この時、ファイル所在テーブル17は、更新権のあるファイルサーバと文書の組み合わせに対応するファイル所在レコードの場合(更新権がある場合)は「有」を保持する。それ以外のファイル所在レコードの場合(更新権がない場合)は「無」を保持する。
(5)ステップS215
更新権がある場合、ファイル入出力制御部16は、ファイルサーバ管理テーブル14を参照して、ファイルサーバA:2のネットワークアドレスをクライアントX:4に返却する。
(6)ステップS216
クライアントX:4は、返却されたネットワークアドレスにあるファイルサーバA:2のファイル格納部22にファイルの格納を要求する。
(7)ステップS217
ファイル格納部22は、クライアントX:4から送信されたファイルをファイル格納領域21に保存した後、ファイル入出力制御部16にファイルの格納が終了したことを通知する。
(8)ステップS218
ファイル入出力制御部16は、ファイル配置テーブル13上で、更新されたファイルと同じファイルで、ファイルサーバA:2以外に配置されているものに該当するレコードの最新フラグの値を「過去」に更新する。
(9)ステップS219
更新権がない場合、ファイル入出力制御部16は、クライアントX:4からのファイル更新要求をエラーとする。
【0053】
図8を参照して、クライアントがファイル更新権を移動する場合について説明する。
(1)ステップS221
クライアントX:4は、文書管理サーバ1のファイル入出力制御部16に、更新権の移動元となるファイル所在レコードと移動先となるファイル所在レコードを指定する。
(2)ステップS222
ファイル入出力制御部16は、移動先となるファイル所在レコードと同じ文書、ファイルサーバの組み合わせを持つファイル配置レコードをファイル配置テーブル13内で検索し、それぞれの最新フラグの値を調べる。
(3)ステップS223
ファイル入出力制御部16は、移動先となるファイル所在レコードと同じ文書、ファイルサーバの組み合わせを持つファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」かどうか調べる。
(4)ステップS224
検索した全てのファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」の場合、移動元となるファイル所在レコードの更新権の値を「無」に、移動先となるファイル所在レコードの更新権の値を「有」に変更する。
(5)ステップS225
検索した全てのファイル配置レコードの中に最新フラグの値が「過去」のものがあった場合、更新権の移動要求をエラーとする。
【0054】
本実施形態では、更新権を文書ごとにまとめて設定できるという、操作性に関する効果がある。
【0055】
なお、各実施形態で説明した動作については、これらの動作を定義したプログラムを諸般のコンピュータに実行させることで実施しても良い。この時、当該プログラムは、コンピュータの記憶装置(メモリ、ハードディスク、記憶媒体)に記憶されており、処理装置(CPU)に読み出されて実行される。
【0056】
本発明は、システムの利用者がネットワーク的に広い範囲に分布している企業の文書管理システム、又は、製造業の設計、生産業務等、CAD、動画などサイズの大きいファイルを共有する業務で使用する文書管理システムとしての利用が考えられる。
【0057】
以上のように、本発明では、文書管理システム内に登録されている文書が保有するファイルをネットワーク上の複数のファイルサーバに冗長に配置し、クライアントに近いファイルサーバを使用してファイルを参照、更新する手段を提供することによって、容量の大きいファイルにアクセスする場合の操作レスポンス、ネットワーク負荷の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の第1の文書管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、クライアントが文書管理システム上のファイルを更新する場合の動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、同期エージェントがファイルサーバ間でファイルの内容を同期する場合の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、クライアントが文書管理システム上のファイルを参照する場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、クライアントがファイルの更新権を移動する場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第2の文書管理システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、クライアントが文書管理システム上のファイルを更新する場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、クライアントがファイル更新権を移動する場合の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1… 文書管理サーバ
11… 文書テーブル
12… ファイル定義テーブル
13… ファイル配置テーブル
14… ファイルサーバ管理テーブル
15… クライアント−ファイルサーバ対応テーブル
16… ファイル入出力制御部
17… ファイル所在テーブル
2… ファイルサーバ(ファイルサーバA)
21… ファイル格納領域
22… ファイル格納部
23… ファイル取り出し部
24… ファイルコピー部
3… ファイルサーバ(ファイルサーバB)
31… ファイル格納領域
32… ファイル格納部
33… ファイル取り出し部
34… ファイルコピー部
4… クライアント(クライアントX)
5… クライアント(クライアントY)
6… 同期エージェント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書管理サーバと、
第1ファイルサーバを含む複数のファイルサーバと、
クライアントと
を有し、
前記文書管理サーバは、
文書を表す文書レコードを保持する文書テーブルと、
前記文書に対応するファイルを表すファイル定義レコードを保持するファイル定義テーブルと、
前記ファイルの前記複数のファイルサーバの各々への配置状態を表すファイル配置レコードを保持するファイル配置テーブルと、
前記各ファイルサーバを表すファイルサーバ管理レコードを保持するファイルサーバ管理テーブルと、
前記クライアントから最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持するクライアントサーバ対応テーブルと、
前記各ファイルサーバ及び前記クライアントからのファイル入出力要求を制御するファイル入出力制御部と
を具備し、
前記各ファイルサーバは、
前記ファイルを前記文書用のフォルダ配下に配置しているファイル格納領域と、
前記ファイル格納領域に前記ファイルの格納を行うファイル格納部と
を具備し、
前記ファイル入出力制御部は、前記クライアントからの前記ファイルに該当するファイル定義レコードの指定に基づき、前記クライアントサーバ対応テーブルを検索して前記第1ファイルサーバを選択し、且つ、前記ファイル配置テーブル上で、前記ファイルと前記第1ファイルサーバの組み合わせに一致する前記ファイル配置レコードを検索し、且つ、前記ファイル配置レコードの最新フラグの値が最新かどうか調べ、前記最新フラグの値が最新の場合、前記ファイルサーバ管理テーブルを参照して、前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスを前記クライアントに返却し、
前記クライアントは、前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスに基づき、前記第1ファイルサーバに前記ファイルの取り出しを要求し、
前記第1ファイルサーバは、前記ファイル格納領域にある前記ファイルを前記クライアントに返却する
文書管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の文書管理システムにおいて、
前記ファイル入出力制御部は、前記クライアントからの前記ファイルに該当するファイル定義レコードの指定に基づき、前記クライアントサーバ対応テーブルを検索し、前記第1ファイルサーバを選択し、且つ、前記ファイル配置テーブル上で、前記ファイルと前記第1ファイルサーバの組み合わせに一致する前記ファイル配置レコードを検索し、且つ、前記ファイル配置テーブルを参照し、前記第1ファイルサーバに前記ファイルの更新権があるかどうか調べ、更新権がある場合、前記ファイルサーバ管理テーブルを参照して、前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスを前記クライアントに返却し、
前記クライアントは、前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスに基づき、前記第1ファイルサーバに前記ファイルの格納を要求し、
前記第1ファイルサーバは、前記クライアントから前記ファイルを前記ファイル格納領域に保存した後、前記ファイル入出力制御部に前記ファイルの格納が終了したことを通知し、
前記ファイル入出力制御部は、前記ファイル配置テーブルに、前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバ上の前記ファイルが最新でなくなったことを記録する
文書管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の文書管理システムにおいて、
一定時間おき、又は不定期に前記文書管理サーバ内の情報を検索し、前記各ファイルサーバ上に最新でないファイルがないかを調べる同期エージェントと
を更に有し、
前記同期エージェントは、前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバ上の該当するファイルが最新の状態でないことを検出すると、前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバに、最新のファイルを前記第1ファイルサーバからコピーするように指示し、
前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバは、前記第1ファイルサーバから前記最新のファイルをコピーして前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバ上の該当するファイルを更新し、前記最新のファイルのコピーが終わると、前記最新のファイルがコピーされたことを前記文書管理サーバに通知し、
前記文書管理サーバは、前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバ上の該当するファイルが最新の状態になったことを記録する
文書管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書管理サーバは、前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバ上のファイルが最新の状態になる前に、前記クライアントが前記文書管理サーバに前記ファイルの参照を要求した場合、前記第1ファイルサーバから前記第1ファイルサーバ以外のファイルサーバに前記最新のファイルをコピーした後取り出すか、前記第1ファイルサーバから前記最新のファイルを直接取り出すかを選択するよう前記クライアントに指示する
文書管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書レコードは、文書IDを保持し、
前記ファイル定義レコードは、文書ID、ファイル名を保持し、
前記ファイル配置レコードは、文書ID、ファイル名、ファイルサーバ名、最新フラグ、更新権の有無を保持し、
最新フラグは、前記複数のファイルサーバに配置されている同じファイルの中で最後に更新されたファイルとの相違を表し、最後に更新されたファイルと内容が同じ場合は「最新」、異なる場合は「過去」を保持し、
更新権の有無は、前記複数のファイルサーバに配置されている同じファイルの中で更新可能なものを1つに限定するのに使用し、更新権のあるファイルに対応するファイル配置レコードの場合は「有」を保持し、それ以外の場合は「無」を保持し、
前記ファイルサーバ管理レコードは、ファイルサーバ名、ネットワークアドレスを保持する
文書管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の文書管理システムにおいて、
前記文書管理サーバは、
前記ファイルを更新可能なファイルサーバを表すファイル所在レコードを保持するファイル所在テーブルと
を更に具備し、
前記ファイル所在レコードは、文書ID、ファイルサーバ名、更新権の有無を保持する
文書管理システム。
【請求項7】
文書を表す文書レコードを保持する文書テーブルと、
前記文書に対応するファイルを表すファイル定義レコードを保持するファイル定義テーブルと、
前記ファイルの複数のファイルサーバの各々への配置状態を表すファイル配置レコードを保持するファイル配置テーブルと、
前記各ファイルサーバを表すファイルサーバ管理レコードを保持するファイルサーバ管理テーブルと、
クライアントから最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持するクライアントサーバ対応テーブルと、
前記各ファイルサーバ及び前記クライアントからのファイル入出力要求を制御するファイル入出力制御部と、
一定時間おき、又は不定期に前記ファイル配置テーブルを検索し、最新でなくなった前記ファイルがないかを調べる同期エージェントと
を具備し、
前記複数のファイルサーバは、第1ファイルサーバ及び第2ファイルサーバを含み、
前記同期エージェントは、前記第1ファイルサーバに最新でないファイルが存在することを検出すると、前記第1ファイルサーバに、最新のファイルを前記第2ファイルサーバからコピーするように指示し、
前記ファイル入出力制御部は、前記第1ファイルサーバから前記最新のファイルをコピーしたことを通知された時、前記第1ファイルサーバ上の該当するファイルが最新になったことを前記ファイル配置テーブルに記録する
文書管理サーバ。
【請求項8】
請求項7に記載の文書管理サーバにおいて、
前記文書レコードは、文書IDを保持し、
前記ファイル定義レコードは、文書ID、ファイル名を保持し、
前記ファイル配置レコードは、文書ID、ファイル名、ファイルサーバ名、最新フラグ、更新権の有無を保持し、
最新フラグは、前記複数のファイルサーバに配置されている同じファイルの中で最後に更新されたファイルとの相違を表し、最後に更新されたファイルと内容が同じ場合は「最新」、異なる場合は「過去」を保持し、
更新権の有無は、前記複数のファイルサーバに配置されている同じファイルの中で更新可能なものを1つに限定するのに使用し、更新権のあるファイルに対応するファイル配置レコードの場合は「有」を保持し、それ以外の場合は「無」を保持し、
前記ファイルサーバ管理レコードは、ファイルサーバ名、ネットワークアドレスを保持する
文書管理サーバ。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の文書管理サーバにおいて、
前記ファイルを更新可能なファイルサーバを表すファイル所在レコードを保持するファイル所在テーブルと
を更に具備し、
前記ファイル所在レコードは、文書ID、ファイルサーバ名、更新権の有無を保持する
文書管理サーバ。
【請求項10】
(a1)第1クライアントが、文書管理サーバに、更新するファイルに該当するファイル定義レコードを指定するステップと、
(a2)前記文書管理サーバが、クライアントサーバ対応テーブルを検索し、第1ファイルサーバを選択するステップと、
(a3)前記文書管理サーバが、ファイル配置テーブル上で、指定されたファイルと前記第1ファイルサーバの組み合わせに一致するファイル配置レコードを検索するステップと、
(a4)前記文書管理サーバが、前記ファイル配置テーブルを参照し、前記第1ファイルサーバに該当する文書配下のファイルの更新権があるかどうか調べるステップと、
(a5)更新権がある場合、前記文書管理サーバが、ファイルサーバ管理テーブルを参照して、前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスを前記第1クライアントに返却するステップと、
(a6)前記第1クライアントが、返却されたネットワークアドレスにある前記第1ファイルサーバにファイルの格納を要求するステップと、
(a7)前記第1ファイルサーバが、前記第1クライアントから送信されたファイルをファイル格納領域に保存した後、前記文書管理サーバにファイルの格納が終了したことを通知するステップと、
(a8)前記文書管理サーバが、前記ファイル配置テーブル上で、更新されたファイルと同じファイルで、前記第1ファイルサーバ以外に配置されているものに該当するレコードの最新フラグの値を「過去」に更新するステップと、
(a9)更新権がない場合、前記文書管理サーバが、前記第1クライアントからのファイル更新要求をエラーとするステップと
を具備する
文書管理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の文書管理方法において、
(b1)同期エージェントが、前記文書管理サーバに、前記ファイル配置テーブル内で最新フラグの値が「過去」のファイル配置レコードを検索するよう指示するステップと、
(b2)前記文書管理サーバが、条件に一致するレコードを返却するステップと、
(b3)前記同期エージェントが、前記文書管理サーバから返却されたレコードごとに、繰り返し以下の処理を行うステップと、
(b4)前記同期エージェントが、返却されたファイル配置レコードが保持する第2ファイルサーバのファイルサーバ名を指定して、前記文書管理サーバから前記ネットワークアドレスを取得するステップと、
(b5)前記同期エージェントが、更新権があるファイルが存在するファイルサーバを検索するよう、前記文書管理サーバに指示するステップと、
(b6)前記文書管理サーバが、前記ファイル配置テーブルを検索して、更新権があるファイルが前記第1ファイルサーバ上に存在することを検出するステップと、
(b7)前記文書管理サーバが、前記ファイルサーバ管理テーブルから前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスを取得して、前記同期エージェントに返却するステップと、
(b8)前記同期エージェントが、返却されたネットワークアドレスにある前記第2ファイルサーバに、同期をとるべきファイルとコピー元となる前記第1ファイルサーバのネットワークアドレスを指定して、ファイルのコピーを要求するステップと、
(b9)前記第2ファイルサーバが、前記第1ファイルサーバにファイルの取り出しを要求するステップと、
(b10)前記第1ファイルサーバが、指定されたファイルを前記第2ファイルサーバに返却するステップと、
(b11)前記第2ファイルサーバが、受け取ったファイルをファイル格納領域に保存した後、前記文書管理サーバにファイルのコピーが終了したことを通知するステップと、
(b12)前記文書管理サーバが、前記ファイル配置テーブル上で、コピー先に該当するファイル配置レコードの最新フラグの値を「最新」に更新するステップと
を更に具備する
文書管理方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の文書管理方法において、
(c1)前記第2クライアントは前記文書管理サーバに、参照するファイルに該当するファイル定義レコードを指定するステップと、
(c2)前記文書管理サーバが、前記クライアントサーバ対応テーブルを検索し、前記第2ファイルサーバを選択するステップと、
(c3)前記文書管理サーバが、前記ファイル配置テーブル上で、指定されたファイルと前記第2ファイルサーバの組み合わせに一致するファイル配置レコードを検索するステップと、
(c4)前記文書管理サーバが、ファイル配置レコードの最新フラグの値が最新かどうか調べるステップと、
(c5)ファイルが最新の場合、前記文書管理サーバが、前記ファイルサーバ管理テーブルを参照して、前記第2ファイルサーバのネットワークアドレスを前記第2クライアントに返却するステップと、
(c6)前記第2クライアントが、返却されたネットワークアドレスにある前記第2ファイルサーバに、ファイルの取り出しを要求するステップと、
(c7)前記第2ファイルサーバは、ファイル格納領域にある指定されたファイルを前記第2クライアントに返却するステップと、
(c8)ファイルが最新でない場合、前記文書管理サーバが、前記第2クライアントにファイルが最新でないことを通知するステップと、
(c9)前記第2クライアントが、利用者からの入力に従って、前記第1ファイルサーバから直接最新のファイルを取り出すか、前記第2ファイルサーバに最新のファイルをコピーして、そこから取り出すかを選択するステップと
を更に具備する
文書管理方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の文書管理方法において、
(d1)前記第1クライアントが、前記文書管理サーバに、更新権の移動元となるファイル配置レコードと移動先となるファイル配置レコードを指定するステップと、
(d2)前記文書管理サーバが、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」かどうか調べるステップと、
(d3)前記文書管理サーバが、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「最新」の場合、移動元となるファイル配置レコードの更新権の値を「無」に、移動先となるファイル配置レコードの更新権の値を「有」に変更するステップと、
(d4)前記文書管理サーバが、移動先となるファイル配置レコードの最新フラグの値が「過去」の場合、更新権の移動要求をエラーとするステップと
を更に具備する
文書管理方法。
【請求項14】
(e1)第1クライアントが、文書管理サーバに、更新するファイルに該当するファイル定義レコードを指定するステップと、
(e2)前記文書管理サーバが、前記クライアントサーバ対応テーブルを検索し、前記第1ファイルサーバを選択するステップと、
(e3)前記文書管理サーバが、ファイル所在テーブル上で、該当する文書と前記第1ファイルサーバの組み合わせに一致するファイル所在レコードを検索するステップと、
(e4)前記文書管理サーバが、前記ファイル所在テーブルを参照し、前記第1クライアントに該当する文書の更新権があるかどうか調べるステップと、
(e5)更新権がある場合、前記文書管理サーバが、前記ファイルサーバ管理テーブルを参照して、前記第1ファイルサーバにファイルの格納を要求するステップと、
(e6)前記第1ファイルサーバが、前記第1クライアントから送信されたファイルをファイル格納領域に保存した後、前記文書管理サーバにファイルの格納が終了したことを通知するステップと、
(e7)前記文書管理サーバが、ファイル配置テーブル上で、更新されたファイルと同じファイルで、前記第1ファイルサーバ以外に配置されているものに該当するレコードの最新フラグの値を「過去」に更新するステップと、
(e8)更新権がない場合、前記文書管理サーバが、前記第1クライアントからのファイル更新要求をエラーとするステップと
を具備する
文書管理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の文書管理方法において、
(f1)前記第1クライアントが、前記文書管理サーバに、更新権の移動元となるファイル所在レコードと移動先となるファイル所在レコードを指定するステップと、
(f2)前記文書管理サーバが、前記移動先となるファイル所在レコードと同じ文書、ファイルサーバの組み合わせを持つファイル配置レコードを前記ファイル配置テーブル内で検索し、それぞれの最新フラグの値を調べるステップと、
(f3)前記最新フラグの値が「最新」かどうか調べるステップと、
(f4)検索した全てのファイル配置レコードにおいて、前記最新フラグの値が「最新」である場合、移動元となるファイル所在レコードの更新権の値を「無」に、移動先となるファイル所在レコードの更新権の値を「有」に変更するステップと、
(f5)前記検索した全てのファイル配置レコードの中に前記最新フラグの値が「過去」のものがあった場合、更新権の移動要求をエラーとするステップと
を更に具備する
文書管理方法。
【請求項16】
(A1)文書を表す文書レコードを保持するステップと、
(A2)前記文書ごとに保有するファイルを表すファイル定義レコードを保持するステップと、
(A3)夫々のファイルのファイルサーバへの配置状態を表すファイル配置レコードを保持するステップと、
(A4)前記ファイルサーバを表すファイルサーバ管理レコードを保持するステップと、
(A5)クライアントごとにネットワーク上最も高速にアクセス可能なファイルサーバのファイルサーバ名を保持するステップと、
(A6)前記ファイルサーバ及び前記クライアントからのファイル入出力要求を制御するステップと、
(A7)一定時間おき、又は不定期に前記ファイル配置テーブルを検索し、最新でなくなった前記ファイルがないかを調べるステップと、
(A8)第1ファイルサーバに最新でないファイルが存在することを検出すると、前記第1ファイルサーバに、更新されたファイルを第2ファイルサーバからコピーするように指示するステップと、
(A9)前記第1ファイルサーバから前記更新されたファイルをコピーしたことを通知された時、前記第1ファイルサーバ上の該当するファイルが最新になったことを記録するステップと
を具備する
文書管理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の文書管理方法において、
前記文書レコードは、文書IDを保持し、
前記ファイル定義レコードは、文書ID、ファイル名を保持し、
前記ファイル配置レコードは、文書ID、ファイル名、ファイルサーバ名、最新フラグ、更新権の有無を保持し、
最新フラグは、複数のファイルサーバに配置されている同じファイルの中で最後に更新されたファイルとの相違を表し、最後に更新されたファイルと内容が同じ場合は「最新」、異なる場合は「過去」を保持し、
更新権の有無は、前記複数のファイルサーバに配置されている同じファイルの中で更新可能なものを1つに限定するのに使用し、更新権のあるファイルに対応するファイル配置レコードの場合は「有」を保持し、それ以外の場合は「無」を保持し、
前記ファイルサーバ管理レコードは、ファイルサーバ名、ネットワークアドレスを保持する
文書管理方法。
【請求項18】
請求項10乃至17のいずれか一項に記載の文書管理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−323566(P2007−323566A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155859(P2006−155859)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】