説明

文書管理システム、装置及びプログラム

【課題】文書管理サーバ内の複数のキャビネット(文書保存領域)が統合された場合にも、画像処理装置が統合後のキャビネットにアクセスできるようにする
【解決手段】画像処理装置にはアクセス先のキャビネットのIDが登録されており、利用者から文書管理サービスの利用が指示されると、そのキャビネットIDを含むアクセス要求を送信する。文書管理サーバ100のキャビネット関係表126は統合対象のキャビネットと統合先のキャビネットの対応関係を示す。アクセス要求中のキャビネットIDに対応する統合先のキャビネットIDがキャビネット関係表126にあれば、領域統合通知部119がその統合先のキャビネットIDを画像処理装置に返す。アクセス要求に対して統合先のキャビネットIDを受け取った場合、画像処理装置は、そのIDを新たなアクセス先のキャビネットIDとして記憶し、以降その新たなアクセス先にアクセスする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、スキャナ、コピー機、ファクシミリ装置等の機能を兼ね備えたいわゆるデジタル複合機等の画像処理装置が広く普及している。近年、このような画像処理装置に対して、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワークを経由して文書共有サービスを提供するASP(Application Service Provider)も普及しつつある。
【0003】
この種の文書共有サービスは、指定された利用者のグループの中で文書の共有を可能とする。このサービスでは、ASPサーバは、利用契約を結んだ契約者(個人、又は企業等の組織)に対して文書共有のために用いる文書保存領域を提供する。
【0004】
一方、このような文書共有サービスを受けるために、画像処理装置に対し、あらかじめアクセス先の文書保存領域を特定するアクセス情報を設定しておくことが行われている。例えば、オフィスに設置された画像処理装置には、そのオフィスが契約している文書保存領域に対応するアクセス情報が設定されており、利用者はアクセス情報を入力しなくてもその領域にアクセスできるようになっている。
【0005】
ところで、文書共有サービスの中には、既存の複数の文書保存領域を統合することができるものもある。例えば、それぞれ個別にサービス提供者と利用契約を結んでいた複数の部門が1つに統合した場合や、複数の契約を統合してより高級な1つの契約へと変更する場合に、そのような領域の統合が行われる。文書保存領域の統合が行われた場合、統合前の文書保存領域に対するアクセス情報が設定されていた画像処理装置は、その設定のままでは統合後の文書保存領域にアクセスすることができない。
【0006】
特許文献1に記載のシステムでは、複数の周辺機器が接続されたネットワークに接続されたサーバは、これら複数の周辺機器が用いているリソースを保持する。そして、ネットワーク上の各クライアントに問い合わせを行うことにより、当該ネットワークへ新たに機器が接続されたかどうかを判断する。この判断の結果、新たな機器の接続が検出された場合には、当該新たな機器に、上記保持されているリソースを、ネットワークを介してダウンロードする。
【0007】
【特許文献1】特開2001−243138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、文書管理装置内の複数の文書保存領域が統合された場合において、画像処理装置が統合後の文書保存領域にアクセスできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、利用者装置と、前記利用者装置に対して文書保存領域を提供する文書管理装置とを備え、前記利用者装置は、アクセス先の文書保存領域の領域識別情報を記憶する第1の記憶手段と、前記文書管理装置へのアクセスが指示された場合、前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を含むアクセス要求を送信する第1の送信手段と、を備え、前記文書管理装置は、複数の文書保存領域が統合された場合に、統合前の文書保存領域の領域識別情報と統合後の文書保存領域の領域識別情報との対応関係を第2の記憶手段に登録する第1の登録手段と、前記利用者装置からアクセス要求を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されていない場合に、前記アクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されている場合に、前記統合後の文書保存領域の領域識別情報を前記利用者装置に送信する第2の送信手段と、を備える文書管理システムを提供する。
【0010】
また本発明は、利用者装置と、前記利用者装置に対して文書保存領域を提供する文書管理装置とを含む文書管理システムであって、前記利用者装置は、アクセス先の文書保存領域の領域識別情報を記憶する第1の記憶手段と、前記文書管理装置へのアクセスが指示された場合、前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を含むアクセス要求を送信する第1の送信手段と、を備え、前記文書管理装置は、複数の文書保存領域が統合された場合に、統合前の文書保存領域の領域識別情報と統合後の文書保存領域の領域識別情報との対応関係を第2の記憶手段に登録する第1の登録手段と、前記利用者装置からアクセス要求を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されていない場合には、前記アクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する文書保存領域へのアクセスを許可し、前記アクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されている場合には、前記統合後の文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、を備える文書管理システムを提供する。
【0011】
また本発明は、文書保存領域を特定する領域識別情報と、当該文書保存領域に対するアクセスが認められた利用者側装置を特定する装置識別情報と、の対応関係の情報を記憶する第1の記憶手段と、利用者側装置から、アクセス先の文書保存領域を特定する第1の領域識別情報と、当該利用者側装置を特定する装置識別情報と、を含むアクセス要求を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる装置識別情報に対応する第2の領域識別情報を前記第1の記憶手段から検索する検索手段と、前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応する場合に、前記第1の領域識別情報が示す文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応しない場合に、前記第1の領域識別情報に対応する文書保存領域に対し前記第2の領域識別情報に対応する文書保存領域を併合し、前記アクセス要求に含まれる装置識別情報と前記第1の領域識別情報との対応関係を前記第1の記憶手段に登録する登録手段と、を備える文書管理装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第1のネットワークに接続された1以上の利用者装置と、前記利用者装置に対して文書保存領域を提供する文書管理装置と、文書保存領域の統合についての指示を受け付ける受付装置と、を備え、前記1以上の利用者装置のうちの各利用者装置は、アクセス先の文書保存領域の領域識別情報を記憶する第1の記憶手段と、前記文書管理装置へのアクセスが指示された場合、前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を含むアクセス要求を送信する第1の送信手段と、前記受付装置から書き換え要求を受けた場合に、当該書き換え要求に従って前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を書き換える書き換え手段と、を備え、前記文書管理装置は、文書保存領域と当該文書保存領域の領域識別情報との対応関係を記憶する第2の記憶手段と、前記利用者装置からアクセス要求を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、前記受付装置から領域統合要求を受け取った場合に、前記領域統合要求に従って統合対象の文書保存領域を統合先の文書保存領域に統合する統合手段と、を備え、前記受付装置は、前記第1のネットワーク上の前記各利用者装置の前記第1の記憶手段が記憶する領域識別情報に対応する文書保存領域の一覧を操作者に提示し、当該一覧の中から統合対象の文書保存領域と、当該統合対象の文書保存領域に対応する統合先の文書保存領域と、の指定を受け付ける指定受付手段と、前記指定受付手段に対して指定された統合対象の文書保存領域及び統合先の文書保存領域の領域識別情報の組を含む領域統合要求を前記文書管理装置に対して送信する第2の送信手段と、前記指定受付手段に対して指定された前記統合対象の文書保存領域の領域識別情報を前記第1の記憶手段に記憶している利用者装置に対して、前記第1の記憶手段に記憶される領域識別情報を前記統合先の文書保存領域の領域識別情報に書き換える書き換え要求を送信する第3の送信手段と、を備える、文書管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、文書管理装置内の複数の文書保存領域が統合された場合において、画像処理装置が統合後の文書保存領域にアクセスできるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態の方式が適用されるシステムの一例を説明する。図示のシステムでは、文書配布サービスを提供する文書管理サーバ100と、デジタル複写機又はデジタル複合機(プリンタ、スキャナ、コピー機、ファクシミリ等の機能を兼ね備えた装置)などの画像処理装置200とが、インターネット等のネットワーク300に接続されている。 画像処理装置200は、紙の原稿を読み取り、読取結果の画像を文書管理サーバ100に登録する機能を備える。また、画像処理装置200は、文書管理サーバ100から文書ファイルをダウンロードし、その文書ファイルを印刷したり、付属の表示装置に表示したりする機能を備えている。画像処理装置200は、例えばタッチパネルディスプレイなどの表示装置を備えており、文書管理サーバ100の提供するUI(ユーザインタフェース)画面をその表示装置に表示する。また、画像処理装置200は、そのUI画面に対する利用者の入力を受け付けるための入力装置を備える。入力装置は、例えば、キーボード、又はタッチパネルディスプレイである。また、画像処理装置200は、上述のような表示や入力などの処理を制御するための情報処理部を備えている。画像処理装置200は、文書管理サーバ100からサービスを受けるクライアントの一例である。文書管理サーバ100は、この他に、パーソナルコンピュータ等の情報処理部に対してサービスを提供してもよい。
【0015】
文書管理サーバ100は、利用者から登録された文書ファイルを格納する機能と、保存した文書ファイルを利用者に配布する機能とを備える。この配布機能は、例えば、文書管理サーバ100内に格納されたその文書ファイルに対するアクセス情報(例えばURL(Uniform Resource Locator)を記載した電子メール(以下「通知メール」と呼ぶ)を通知先に送ることにより実現される。この場合、電子メールを受け取った利用者がそのアクセス情報を用いて文書管理サーバ100にアクセスすると、文書管理サーバ100はそのアクセスの際に利用者側から送られてくる情報に基づき、対象の文書ファイルを特定し、そのファイルを利用者側に提供するための処理を行う。
【0016】
この例の文書管理サーバ100は、例えば図2に示すように、「キャビネット」400−1,2,3,・・・(以下、キャビネット400と総称)と呼ばれる文書空間を提供する。1つのキャビネット400は1つの利用者グループに対して割り当てられる。1つの利用者グループは、例えば、1つの企業又は1つの部門などというように、1つの組織に属する利用者から構成される。このシステムでは、ある利用者があるキャビネット400に登録した文書ファイルは、そのキャビネット400に対応するグループの利用者(又はその一部)に提供される。このシステムの利用形態の一例では、例えば、サービス提供業者が文書管理サーバ100を運営し、利用者グループがそのサービス提供業者と利用契約を結ぶことで、当該グループ用のキャビネットの割り当てを受ける。
【0017】
キャビネット400には、それぞれ一意なキャビネットID(識別情報)が割り当てられる。また、キャビネット400にはキャビネット属性405が対応づけられている。キャビネット属性405には、画面表示などに用いられるキャビネット名称や説明文、キャビネットの管理機能を利用する場合に必要な管理パスワード、キャビネットにアクセスするために必要なアクセス用パスワード、契約関連情報などが含まれる。グループに属する利用者は、キャビネットに設定された正しいアクセス用パスワードを入力することで、キャビネットにログインすることができる。
【0018】
キャビネット400の中には、1以上のボックス410を設けることができる。ボックス410は、一般的なファイルシステムにおけるフォルダ又はディレクトリに該当する。キャビネット400の管理者又は利用者は、目的に応じてボックス410を作成し、その中に文書ファイル420を登録することができる。ボックス410には、一意なボックスIDが割り当てられ、ボックス属性415が対応づけられる。ボックス属性415には、例えば、画面表示などに用いるボックス名称や説明文、ボックスにアクセスするために必要なアクセス用パスワード、そのボックス410に登録された文書ファイルの保持期間などの情報が含まれる。また、ボックス属性415には、そのボックス410に文書ファイルが登録されたときに通知メールを出すべき通知先メールアドレスのリストが含まれていてもよい。利用者は、キャビネットにログインした後、所望のボックス410を指定し、そのボックス410に対してファイルを登録したり、所望のボックス410に格納されたファイルをダウンロードしたりすることができる。また、例えば、あるボックス410に文書ファイルが登録されると、その文書ファイルのURLを含んだ通知メールがそのボックス410の属性415に含まれる通知先に送信される。そのメールを受け取った利用者は、そのURLを用いてその文書ファイルにアクセスする。
【0019】
次に図3を参照して文書管理サーバ100の機能的な構成の一例を説明する。図3に示すように、文書管理サーバ100は、処理部110とデータベース120を備える。処理部110は、UI部111,認証部113,データベース管理部115,領域統合処理部117及び領域統合通知部119を備える。UI部111は、画像処理装置200等のクライアント装置に対してUI画面データを提供する。UI画面データは、例えばWebページである。
【0020】
認証部113は、画像処理装置200からのアクセス要求に対する認証処理を行う。個々の画像処理装置200がアクセス可能なキャビネットが利用契約に基づきあらかじめ定められており、認証部113は、画像処理装置200からアクセス要求が当該画像処理装置200のアクセス可能なキャビネットに対するものか否かを判定する。そして、アクセス可能なキャビネットへのアクセス要求は許可する。例えば、画像処理装置200はアクセス先のキャビネットの識別情報(キャビネットID)と当該装置の識別情報(装置IDと呼ぶ)とを含んだアクセス要求を送信し、これを受け取った認証部113は、キャビネットIDと装置IDの組合せが正しいか否かを判定する。なお、アクセス要求には、装置IDの代わりに、あらかじめ文書管理サーバ100に登録されたパスワードなどのような、他の認証情報を含めてもよい。また認証部113は、画像処理装置200を操作する利用者から入力された認証情報(パスワード等)に基づき、利用者の認証を行ってもよい。
【0021】
データベース管理部115は、データベース120に対する文書ファイルやキャビネット管理情報の登録や読み出しを管理する。
【0022】
領域統合処理部117は、利用者からキャビネットの統合要求を受け付け、その要求に応じて複数のキャビネットを1つに統合する。例えば、利用者(例えば企業等の組織)が管理の簡素化のために既に契約している複数のキャビネットを1つにまとめる場合に、そのような統合要求がなされる。また、利用者が契約をグレードアップしてより大きな容量のキャビネットの権利を取得した場合に、その利用者がそれまで利用していたキャビネットをその新たなキャビネットに統合する場合もある。例えば、利用者は、UI部111が提供するキャビネット統合用の操作画面(例えばWebページで構成される)を受け取る。例えば、その操作画面には、その利用者が契約している1以上のキャビネットの一覧が表示される。利用者は、その操作画面を用いて、例えば統合対象の複数のキャビネットを指定してそれらの統合を指示する。この場合、領域統合処理部117は、新たなキャビネットを生成し、その新キャビネットに対し、統合対象の各キャビネット内のボックスや文書ファイルを移動させる。また、キャビネットの一覧表示の中から統合対象のキャビネットと統合先のキャビネットとを利用者に選択させてもよい。この場合領域統合処理部117は、統合対象のキャビネット内のボックスや文書ファイルを統合先のキャビネットへと移動させる。
【0023】
領域統合通知部119は、画像処理装置200又はその管理者に対して、キャビネットの統合に伴う設定変更のための通知情報を送信する。例えば、画像処理装置200が、既に統合された消滅したキャビネットに対するアクセス要求を送信してきた場合に、領域統合通知部119は、そのキャビネットの統合先のキャビネットIDを含む通知情報を送信する。
【0024】
データベース120は、キャビネット情報122,文書ファイル群124及びキャビネット関係表126を記憶している。キャビネット情報122は、当該文書管理サーバ100が管理している各キャビネットについての情報であり、上述したキャビネット属性405やボックス属性415、各キャビネット内の個々の文書ファイルのファイル属性などの情報を含む。文書ファイル群124は、文書管理サーバ100が管理する文書ファイルの実体データである。キャビネット関係表126は、統合対象のキャビネットと統合先のキャビネットとの対応関係を表す表である。この表には、キャビネットのIDに対応づけて、そのキャビネットの統合先のキャビネットのIDが登録されている。例えば、図4に例示した表では、キャビネットAとBがそれぞれキャビネットCに統合されたことを表している。また、キャビネットID”C”に対応する統合先のIDは”null(すなわち「存在しない」)”であるが、このことは、キャビネットCは統合されずに現存していることを表している。
【0025】
なお、文書管理サーバ100は、キャビネットの管理情報の一種として、キャビネットごとに、そのキャビネットに対してアクセスが認められた画像処理装置200の装置IDのリストを保持していてもよい。このようなリストは、例えば、利用契約に基づいてキャビネットが生成された際に、文書管理サーバ100の管理者により作成される。また、キャビネットが統合された場合に、統合対象のキャビネットについてのリストを、統合先のキャビネットのリストに併合してもよい。
【0026】
次に、図5を参照して、画像処理装置200の構成の例について説明する。画像処理装置200は、アクセス処理部202,アクセス先領域ID記憶部204,領域ID更新部206を備える。アクセス処理部202は、画像処理装置200を操作する利用者からの指示に応じて、文書管理サーバ100に対してアクセス要求を送る。このアクセス要求には、アクセス先領域ID記憶部204に登録されたキャビネットIDが含まれる。このキャビネットIDは、例えば、当該画像処理装置200が設置された組織が文書管理サーバ100の運営者と交わした利用契約に応じて付与されたものである。また、アクセス要求には、当該画像処理装置200の装置ID又は認証情報又はその両方が含まれていてもよい。例えば、利用者は、画像処理装置200の備える表示装置(例えば液晶タッチパネル)に表示されたメニュー画面上で、文書共有サービスの利用を選択する。この選択に応じ、アクセス処理部202がアクセス要求を生成して文書管理サーバ100に送る。
【0027】
領域ID更新部206は、キャビネットの統合に応じて、アクセス先領域ID記憶部204に記憶されたキャビネットIDの更新を行う。すなわち、画像処理装置200がアクセス先領域ID記憶部204に記憶されたキャビネットIDに対するアクセス要求を発したときに、そのキャビネットIDに対応するキャビネットが統合により既に消滅していると、文書管理サーバ100から統合先のキャビネットIDを含んだ通知情報が返される。これに応じ、領域ID更新部206は、アクセス先領域ID記憶部204に記憶された値を、その通知情報に含まれるキャビネットIDへと更新する。
【0028】
画像処理装置200は、この他に、ユーザインタフェース、印刷、スキャンなどの各種の機能モジュールを含むが、これらについての図示は省略する。
【0029】
なお、画像処理装置200から文書管理サーバ100に対し、キャビネットの統合を指示することもできる。この指示の入力のために利用者が用いる操作画面の情報は、例えばWebページとして文書管理サーバ100から提供される。例えば、画像処理装置200の操作メニューからキャビネット統合処理を指示すると、画像処理装置200は文書管理サーバ100に対して当該装置200の装置IDを含むキャビネット統合要求を送る。文書管理サーバ100は、その要求に応じて、その装置IDからアクセス可能なキャビネットを特定し、それらキャビネットの一覧を示した統合操作用のWebページを生成し、画像処理装置200に返す。利用者はそのWebページ上で、キャビネットの統合を指示する。
【0030】
以上に説明したシステムにおいて、画像処理装置200が統合先のキャビネットにアクセスできるようにするための処理の流れを説明する。
【0031】
利用者の指示に応じて画像処理装置200があるキャビネットIDに対するアクセス要求を発したとする。このキャビネット要求を受け取った画像処理装置200の認証部113は、アクセス要求に含まれるキャビネットIDと装置ID(又は認証情報)とに基づき、その画像処理装置200がそのキャビネットIDにアクセスできる正当な装置であるか否かを判定する。なお、この判定のために、画像処理装置200には、統合により消滅したキャビネットについても、そのキャビネットにアクセスが認められる画像処理装置200を判定するための情報が残されている。このような情報としては、例えばそのキャビネットにアクセスが認められた装置IDのリスト、又はそのキャビネットに対して設定されたパスワード等の認証情報、がある。その判定で、その画像処理装置200がそのキャビネットにアクセス不可と判定した場合、認証部113はアクセス不可の旨を示すエラー通知を画像処理装置200に返す。
【0032】
一方、その判定でその画像処理装置がそのキャビネットにアクセス可能と判定した場合、認証部113は、更にキャビネット関係表126に、そのキャビネットIDに対応する統合先のキャビネットIDが存在するか否かを判定する。統合先のキャビネットIDが存在しない場合、アクセス要求に含まれるキャビネットIDに対応するキャビネットは現存しているということなので、認証部113は画像処理装置200にそのキャビネットに対するアクセスを許可する。キャビネット関係表126に統合先のキャビネットIDが存在する場合は、認証部113は、領域統合通知部119に、統合先のキャビネットIDを含む通知情報を画像処理装置200へと送信させる。通知情報を受け取った画像処理装置200の領域ID更新部206は、アクセス先領域ID記憶部204に記憶されたキャビネットIDを、その通知情報に含まれるキャビネットIDへと更新する。この更新のあと、アクセス処理部202は、その更新後のキャビネットIDを含んだアクセス要求を文書管理サーバ100に送る。これにより、画像処理部200は統合後のキャビネットにアクセスできる。
【0033】
以上の例では、領域統合通知部119が画像処理装置200に通知情報を送り、画像処理装置200がその通知情報に基づきアクセス先領域ID記憶部204の値を更新した。しかしこれは一例に過ぎない。この代わりに、画像処理装置200が、その通知情報に含まれる統合後のキャビネットIDを画像処理装置200の表示画面に表示し、利用者にそのキャビネットIDをアクセス先として設定するように促してもよい。この場合、利用者は、例えばアクセス先キャビネットIDの設定画面を呼び出し、その統合先のキャビネットIDを設定すればよい。その設定画面は、画像処理装置200が自動的に開いて、利用者に設定を促してもよい。
【0034】
また、別の例では、文書管理サーバ100に、キャビネットごとにそのキャビネットの利用者組織側の管理者の通知先情報(例えば電子メールアドレス)を登録しておいてもよい。そして、画像処理装置200から要求したアクセス先のキャビネットが統合により消滅している場合、領域統合通知部119は、そのキャビネットに対応する管理者の通知先情報を用いて、その管理者に対して統合先のキャビネットのIDを通知してもよい。管理者は、この通知を受けて、その画像処理装置200のアクセス先領域ID記憶部204内の値を、その統合先のキャビネットIDへと変更する。なお、領域統合通知部119は、管理者に統合先のキャビネットIDを通知するのと並行して、アクセス要求を発した画像処理装置200に対してアクセス先のキャビネットが統合により消滅した場合の所定の情報を通知してもよい。画像処理装置200は、その情報に応じて、例えば「キャビネットにアクセスするには管理者による設定変更が必要です。」などといったメッセージを付属の表示装置に表示すればよい。
【0035】
また、領域統合通知部119の代わりに、画像処理装置200が、管理者に統合先のキャビネットIDを通知してもよい。すなわち、この場合は、領域統合通知部119は、統合先のキャビネットIDを画像処理装置200に通知し、画像処理装置200が、自ら記憶している管理者の通知先情報を用いて、そのキャビネットIDを管理者に通知する。
【0036】
次に、図6〜図9を参照して、変形例を説明する。図6に、この変形例における文書管理サーバ100の内部構成を示す。図において、図3に示した構成要素と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
この変形例のシステム構成は、図1に示したシステムに対し、契約管理用のサーバ(図示省略)を追加したものである。
【0038】
この文書管理サーバ100は、図3の構成と異なり、領域統合通知部119を持たない。また、データベース120には、キャビネット関係表126の代わりに、キャビネット・装置対応表128を備える。この対応表128には、図7に例示するように、キャビネットIDごとに、そのIDが示すキャビネットに対してアクセスが許される1以上の画像処理装置200の装置IDのリストが登録されている。
【0039】
この変形例では、利用者組織が、文書管理サービスの運営者側にキャビネットの統合を依頼する。依頼は、例えば、複数の統合対象のキャビネットを指定し、それらを統合した新規なキャビネットの生成を依頼するものである。また、依頼は、統合対象の1以上のキャビネットと、それらを統合する統合先の1つのキャビネット(統合対象及び統合先のキャビネットはいずれも当該利用者組織が権利を持っているものとする)とを指定するものであってもよい。このような依頼を受けた運営者側の契約管理用サーバは、統合先のキャビネットのIDを含んだ通知情報を生成し、この通知情報を利用者組織に送る。この通知情報は暗号化しておいてもよい。通知情報を受け取った利用者組織では、管理者がその通知情報を画像処理装置200に入力する。すると、画像処理装置200は、その通知情報に含まれる統合先のキャビネットIDと、当該画像処理装置200の装置IDとを含んだアクセス要求を文書管理サーバ100に送信する。
【0040】
アクセス要求を受けた文書管理サーバ100は、例えば図8に示す処理を実行する。この処理手順では、認証部113aは、アクセス要求を取得すると(S1)、そのアクセス要求に含まれるキャビネットIDと装置IDの組合せが、キャビネット・装置対応表128に登録されているか否かを判定する(S2)。この変形例では、キャビネットの統合が依頼されたあと、利用者組織の画像処理装置200から統合先のキャビネットIDを含んだアクセス要求が送られてくるまでは、文書管理サーバ100は、キャビネットの統合についての情報を知らない。すなわち、この時点では、対応表128には、その画像処理装置200のアクセス先キャビネットとして統合対象のキャビネットIDが登録されている。したがって、この場合、統合先のキャビネットIDと装置IDの対応関係は対応表128にないので、ステップS2の判定結果はNoとなる。この場合、認証部113aは、対応表128からそのアクセス要求中の装置IDに対応するキャビネットID(即ち統合対象)を検索し(S3)、検索された統合対象のキャビネットIDが示すキャビネット内の各ボックス及び各文書ファイルを、アクセス要求中の統合対象のキャビネットIDが示すキャビネットに組み込む(S4)。そして、領域統合処理部117aは、対応表128の中の統合対象のキャビネットIDに対応するエントリから、そのアクセス要求中の装置IDを削除する。また、統合先のキャビネットIDに対応するエントリを作成し、そのエントリにアクセス要求中の装置IDを登録する(S5)。そして、認証部113aは、画像処理装置200に対し、その統合先のキャビネットへのログインを許可する(S6)。
【0041】
ステップS5で統合先のキャビネットIDのエントリにいったん画像処理装置の装置IDが登録されると、その画像処理装置からのアクセス要求に対するステップS2の判定結果はYesとなる。この場合、認証部113aは、画像処理装置200に対し、アクセス要求中のキャビネットIDが示すキャビネットへのログインを許可する(S7)。
【0042】
なお、この変形例において、文書管理サーバ100のデータベース120に、契約条件情報(図示省略)が登録されていてもよい。契約条件情報には、契約プランの識別番号(プラン番号)に対応づけて、その契約プランにより用意されるキャビネットの設定内容が登録される。キャビネットの設定内容には、キャビネットの容量や、ウイルスチェックなどの各種付加サービスの有無などがある。
【0043】
そして、利用者組織は、キャビネットの統合の依頼の際に、統合先のキャビネットに適用する契約プランもあわせて指定する。利用者組織は、運営者側から提示されるプランの一覧から、統合先に適用したいプランを選択する。このような依頼を受けた運営者側の契約管理用サーバは、統合先のキャビネットのID及び契約プラン番号の情報を含んだ通知情報を生成し、この通知情報を利用者組織に送る。この通知情報は暗号化しておいてもよい。通知情報を受け取った利用者組織では、管理者がその通知情報を画像処理装置200に入力する。すると、画像処理装置200は、その通知情報に含まれる統合先キャビネットID、契約プラン番号及び当該画像処理装置の装置IDを含んだアクセス要求を文書管理サーバ100に送信する。
【0044】
アクセス要求を受けた文書管理サーバ100は、例えば図9に示す処理を実行する。この手順は、ステップS8を除き、図8の手順と同様である。すなわち、この手順では、アクセス要求に含まれるキャビネットIDと装置IDの組合せが対応表128にない場合、文書管理サーバ100は、そのアクセス要求に含まれるプラン番号に対応する設定内容を契約条件情報から検索する。そして、文書管理サーバ100は、そのキャビネットIDに対応するキャビネットをその設定内容にしたがって設定する(S8)。これにより、統合先のキャビネットが、契約プランに合った形に設定されることになる。そして、このように設定された統合先のキャビネットに対し、ステップS4で統合対象のキャビネットを統合する。
【0045】
このように、この例では、統合先キャビネットIDとプラン番号を含んだ通知情報を契約管理用サーバから利用者組織側に提供し、利用者組織の画像処理装置からのアクセス要求に含まれるプラン番号に応じて統合先のキャビネットを設定する。このような構成によれば、文書管理サーバ100の管理者が統合先のキャビネットの設定を行う必要が無くなる。
【0046】
次に、図10を参照して更なる変形例について説明する。この変形例では、図10に示すように、利用者組織のイントラネット310内に、キャビネットの統合についての設定のための設定装置250を設ける。設定装置250は、例えば、以下に説明するUI部252,領域情報収集部254及び設定変更部256の機能モジュールの処理内容を表すコンピュータを、汎用のコンピュータに実行させることにより実現される。画像処理装置200は、図5に示す構成と同様のものでよい。
【0047】
UI部252は、キャビネットの統合のための操作画面を提供し、その操作画面に対応する管理者からの入力を受け取る。管理者は、設定装置250を直接操作するか、或いはイントラネット310内のコンピュータから設定装置250の操作画面(例えばWebページ)を取得して入力を行う。領域情報収集部254は、イントラネット310内に存在する各画像処理装置200から、当該装置200のアクセス先領域ID記憶部204に登録されているアクセス先のキャビネットIDを収集する。キャビネットにIDだけでなく人間にとって分かりやすい名前がつけられている場合、そのキャビネット名をあわせて収集してもよい。UI部252は、収集されたキャビネットIDの一覧(キャビネット名も収集した場合はキャビネット名の一覧)を含んだ操作画面を提供する。操作画面では、例えば統合対象の1以上のキャビネットと、それらを統合する統合先の1つのキャビネットとが指定できる。この場合、統合対象も、統合先も、利用者組織のイントラネット310内の画像処理装置200に登録されたキャビネット(利用者組織のいずれかの部署が既に契約済みのキャビネット)である。設定変更部256は、UI部252の操作画面に対して管理者が入力した内容に従って、文書管理サーバ100及びイントラネット310内の画像処理装置200群に対して設定変更情報を送信する。すなわち、設定変更部256は、文書管理サーバ100に対しては、統合対象のキャビネットIDと統合先のキャビネットIDの対応関係の情報を送信し、統合対象のキャビネットを統合先のキャビネットに統合させる。また、設定変更部256は、イントラネット310内の画像処理装置200のうち、アクセス先領域ID記憶部204に統合対象のキャビネットIDを記憶している画像処理装置200(このような画像処理装置200は、領域情報収集部254による収集結果から特定できる)に対し、統合先のキャビネットIDへの更新指示を送信する。この指示を受けた画像処理装置200は、アクセス先領域ID記憶部204内の値を統合先のキャビネットIDに書き換える。これにより、この画像処理装置200は、それ以降、統合先のキャビネットIDにアクセス可能となる。
【0048】
以上の例は、統合先のキャビネットを既存のキャビネットから選択する例であったが、統合先のキャビネットを新規に生成するようにしてもよい。この場合、UI部252が提供する操作画面は、統合対象のキャビネットを指定するために用いられる。統合先の新規のキャビネットはまだ利用者組織に割り当てられていないので、設定装置250は、インターネット320を介して文書管理サーバ100に新規キャビネットの生成を依頼し、その新規キャビネットのIDを文書管理サーバ100から取得する。このとき、設定装置250は、新規キャビネットに統合するキャビネットのIDを文書管理サーバ100に通知し、これに応じて文書管理サーバ100は新規に生成したキャビネットに対し、その統合対象のキャビネットを統合する。また、設定装置250は、統合対象のキャビネットIDをアクセス先として記憶している各画像処理装置200に対し、アクセス先をその統合先のキャビネットIDに変更するように指示する。画像処理装置200は、それ以降、統合先のキャビネットIDにアクセス可能となる。
【0049】
以上の変形例では、領域情報収集部254がイントラネット310内の各画像処理装置200からアクセス先のキャビネットIDを収集したが、これは一例に過ぎない。この代わりに、設定装置250がキャビネット統合の際に各画像処理装置200に通知した統合先のキャビネットIDの履歴を記録しておけば、設定装置250は上述の収集を行わなくても、各画像処理装置200のアクセス先のキャビネットIDを知ることができる。
【0050】
以上に説明した文書管理サーバ100、及び画像処理装置200の制御部は、典型的には、コンピュータにて上述の各部の機能又は処理内容を記述したプログラムを実行することにより実現される。コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU(中央演算装置)、メモリ(一次記憶)、各種I/O(入出力)インタフェース等がバスを介して接続された回路構成を有する。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、ハードディスクドライブやCDやDVD、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体を読み取るためのディスクドライブが接続される。このようなドライブは、メモリに対する外部記憶装置として機能する。実施形態の処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク経由で、ハードディスクドライブ又は他の方式の不揮発性記憶装置などの固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがメモリに読み出されCPUにより実行されることにより、実施形態の処理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態の方式が適用されるシステムの一例の概略構成を示す図である。
【図2】文書管理サーバが管理する文書空間の構造の一例を示す図である。
【図3】文書管理サーバの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図4】キャビネット関係表のデータ内容の一例を示す図である。
【図5】画像処理装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】変形例における文書管理サーバの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】キャビネット・装置対応表のデータ内容の一例を示す図である。
【図8】変形例における文書管理サーバの処理手順の一例を示す図である。
【図9】変形例における文書管理サーバの処理手順の別の例を示す図である。
【図10】別の変形例のシステム構成の例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
100 文書管理サーバ、111 UI部、113 認証部、115 データベース管理部、117 領域統合処理部、119 領域統合通知部、122 キャビネット情報、124 文書ファイル群、126 キャビネット関係表、200 画像処理装置、202 アクセス処理部、204 アクセス先領域ID記憶部、206 領域ID更新部、300 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者装置と、前記利用者装置に対して文書保存領域を提供する文書管理装置とを備え、
前記利用者装置は、
アクセス先の文書保存領域の領域識別情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記文書管理装置へのアクセスが指示された場合、前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を含むアクセス要求を送信する第1の送信手段と、
を備え、
前記文書管理装置は、
複数の文書保存領域が統合された場合に、統合前の文書保存領域の領域識別情報と統合後の文書保存領域の領域識別情報との対応関係を第2の記憶手段に登録する第1の登録手段と、
前記利用者装置からアクセス要求を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されていない場合に、前記アクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されている場合に、前記統合後の文書保存領域の領域識別情報を前記利用者装置に送信する第2の送信手段と、
を備える文書管理システム。
【請求項2】
前記利用者装置は、
前記第2の送信手段が送信したアクセス要求に対して、前記文書管理装置から前記統合後の文書保存領域の領域識別情報を受け取った場合、当該領域識別情報を前記第2の記憶手段に登録する第2の登録手段、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
コンピュータを、
複数の文書保存領域が統合された場合に、統合前の文書保存領域の領域識別情報と統合後の文書保存領域の領域識別情報との対応関係を記憶部に登録する登録手段、
利用者装置からのアクセス先の文書保存領域の領域識別情報を含むアクセス要求を受信する受信手段、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記記憶部に登録されている場合に、前記統合後の文書保存領域の領域識別情報を前記利用者装置に提供する提供手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
利用者装置と、前記利用者装置に対して文書保存領域を提供する文書管理装置とを含む文書管理システムであって、
前記利用者装置は、
アクセス先の文書保存領域の領域識別情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記文書管理装置へのアクセスが指示された場合、前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を含むアクセス要求を送信する第1の送信手段と、
を備え、
前記文書管理装置は、
複数の文書保存領域が統合された場合に、統合前の文書保存領域の領域識別情報と統合後の文書保存領域の領域識別情報との対応関係を第2の記憶手段に登録する第1の登録手段と、
前記利用者装置からアクセス要求を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されていない場合には、前記アクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する文書保存領域へのアクセスを許可し、前記アクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する統合後の文書保存領域の領域識別情報が前記第2の記憶手段に登録されている場合には、前記統合後の文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、
を備える文書管理システム。
【請求項5】
文書保存領域を特定する領域識別情報と、当該文書保存領域に対するアクセスが認められた利用者側装置を特定する装置識別情報と、の対応関係の情報を記憶する第1の記憶手段と、
利用者側装置から、アクセス先の文書保存領域を特定する第1の領域識別情報と、当該利用者側装置を特定する装置識別情報と、を含むアクセス要求を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる装置識別情報に対応する第2の領域識別情報を前記第1の記憶手段から検索する検索手段と、
前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応する場合に、前記第1の領域識別情報が示す文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、
前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応しない場合に、前記第1の領域識別情報に対応する文書保存領域に対し前記第2の領域識別情報に対応する文書保存領域を併合し、前記アクセス要求に含まれる装置識別情報と前記第1の領域識別情報との対応関係を前記第1の記憶手段に登録する登録手段と、
を備える文書管理装置。
【請求項6】
契約条件内容を条件識別情報と対応づけて記憶した第2の記憶手段を更に備え、
前記アクセス要求には更に条件識別情報が含まれ、
前記登録手段は、
前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応しない場合に、前記アクセス要求に含まれる条件識別情報に対応する契約条件内容を前記第2の記憶手段から求め、求められた契約条件内容に応じた文書保存領域を生成して前記第1の領域識別情報に対応づける手段、
を含むことを特徴とする請求項5記載の文書管理装置。
【請求項7】
記憶部に文書保存領域を特定する領域識別情報と、当該文書保存領域に対するアクセスが認められた利用者側装置を特定する装置識別情報と、の対応関係の情報を記憶したコンピュータを、
利用者側装置から、アクセス先の文書保存領域を特定する第1の領域識別情報と、当該利用者側装置を特定する装置識別情報と、を含むアクセス要求を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる装置識別情報に対応する第2の領域識別情報を前記記憶部から検索する検索手段と、
前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応する場合に、前記第1の領域識別情報が示す文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、
前記検索手段が検索した第2の領域識別情報が前記アクセス要求に含まれる第1の領域識別情報に対応しない場合に、前記第1の領域識別情報に対応する文書保存領域に対し前記第2の領域識別情報に対応する文書保存領域を併合し、前記アクセス要求に含まれる装置識別情報と前記第1の領域識別情報との対応関係を前記記憶部に登録する登録手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項8】
第1のネットワークに接続された1以上の利用者装置と、前記利用者装置に対して文書保存領域を提供する文書管理装置と、文書保存領域の統合についての指示を受け付ける受付装置と、を備え、
前記1以上の利用者装置のうちの各利用者装置は、
アクセス先の文書保存領域の領域識別情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記文書管理装置へのアクセスが指示された場合、前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を含むアクセス要求を送信する第1の送信手段と、
前記受付装置から書き換え要求を受けた場合に、当該書き換え要求に従って前記第1の記憶手段に記憶された領域識別情報を書き換える書き換え手段と、
を備え、
前記文書管理装置は、
文書保存領域と当該文書保存領域の領域識別情報との対応関係を記憶する第2の記憶手段と、
前記利用者装置からアクセス要求を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したアクセス要求に含まれる領域識別情報に対応する文書保存領域へのアクセスを許可する許可手段と、
前記受付装置から領域統合要求を受け取った場合に、前記領域統合要求に従って統合対象の文書保存領域を統合先の文書保存領域に統合する統合手段と、
を備え、
前記受付装置は、
前記第1のネットワーク上の前記各利用者装置の前記第1の記憶手段が記憶する領域識別情報に対応する文書保存領域の一覧を操作者に提示し、当該一覧の中から統合対象の文書保存領域と、当該統合対象の文書保存領域に対応する統合先の文書保存領域と、の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記指定受付手段に対して指定された統合対象の文書保存領域及び統合先の文書保存領域の領域識別情報の組を含む領域統合要求を前記文書管理装置に対して送信する第2の送信手段と、
前記指定受付手段に対して指定された前記統合対象の文書保存領域の領域識別情報を前記第1の記憶手段に記憶している利用者装置に対して、前記第1の記憶手段に記憶される領域識別情報を前記統合先の文書保存領域の領域識別情報に書き換える書き換え要求を送信する第3の送信手段と、
を備える、
文書管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−310612(P2008−310612A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158186(P2007−158186)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】