文書管理システム
【課題】ユーザがスキャン文書を文書管理サーバに格納する場合、複合機の前で格納先フォルダを選択したり、クライアントPCで格納先フォルダをあらかじめ選択する必要があった。
【解決手段】ユーザが複合機等で文書をスキャンした場合、当該ユーザが過去にスキャンした文書の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定し、今回スキャンした文書のショートカットを当該特定のフォルダに作成する。
【解決手段】ユーザが複合機等で文書をスキャンした場合、当該ユーザが過去にスキャンした文書の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定し、今回スキャンした文書のショートカットを当該特定のフォルダに作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャン文書の格納履歴からスキャン文書の格納先を決定する文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスPC環境のWeb化は定着してきている。これに伴い、MFPデバイス(複合機)の世界でもUIのWeb化が進んでおり他社との差別化技術の1つとなってきている。
【0003】
ここで、PCは各個人の下で利用され、複合機は複数人によって共同で利用されるのが通常である。そのため、個人が複合機を占有する時間は最低限に抑えたいという基本的な要望がある。そこで、Webで繋がるPCと複合機の各特性を活かした効率的な利用方法が注目されている。これに対応する機能として、現状の複合機は、スキャンした文書を文書管理サーバやファイルサーバのフォルダに保存することができるようになっている。その場合、複合機において文書管理サーバの格納先フォルダを選択したり、または予めクライアントPCで格納先フォルダを設定してその設定(ボタン)を複合機のブラウザから選択することで、文書管理サーバ等のフォルダに文書を保存することができる。
【0004】
たとえば、特許文献1では、スキャン設定の付加情報として、使用者識別ID、登録日時、最終使用日時、共有設定の情報などを予め登録しておき、ユーザがいずれかの付加情報を選択することでスキャン設定を効率的に選択するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−307782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複合機においてスキャンした文書を文書管理サーバやファイルサーバのフォルダに保存する場合、従来技術では、その都度格納先フォルダを複合機でユーザが選択するか、あるいは、クライアントPCで格納先フォルダを予め選択しておく必要があった。つまり、スキャンの都度、その格納先の設定を行わなければならなかった。そのため、スキャンした文書を文書管理サーバやファイルサーバのフォルダに保存するためだけにユーザは複数の手順を踏まなければならないという問題があった。また、自動的に格納先を選択したり、複数箇所の格納先に自動的に文書を送信して格納したりする場合には、ユーザの意図する場所に必ずしも格納されないという問題もあった。
【0007】
特許文献1に開示された技術では、予め登録された複数のスキャン設定からユーザの希望に合う格納先が設定されたスキャン設定を優先的に探すことが可能である。しかし、やはりスキャンの都度ユーザが複合機の前で格納先を設定しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る文書管理システムは、クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムであって、前記Webサーバは、前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信する手段と、前記受信したスキャン文書をテンポラリフォルダに格納する手段と、過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定する手段と、前記受信したスキャン文書のショートカットを前記特定のフォルダに作成する手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、ユーザの過去のスキャン文書の格納履歴を基にスキャンした文書の格納先を決定するので、ユーザが予めPCにおいて格納先を登録したり、複合機の前で格納先をその都度選択したりする必要がない。したがって、効率的にスキャンした文書を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る文書管理システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る文書管理システムを構成するクライアントPCおよび各サーバのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る文書管理システムを構成する複合機のハードウェア構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る文書管理システムのソフトウェア構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を格納する処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書を整理する様子を示した概念図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書を格納する処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書を整理する様子を示した概念図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本発明の第1の実施形態について図1乃至図11に基づき説明する。
【0012】
(システム構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムのシステム構成図である。文書管理システムは、クライアントPC10、Webアプリケーションサーバ(Webサーバ)20、ユーザ管理サービスサーバ30、文書管理サービスサーバ40、複合機50がネットワークを介して接続されている。
【0013】
ユーザはブラウザを介してクライアントPC10から各サーバにアクセスでき、さらに、ユーザは、ブラウザ表示機能を備えた複合機50のUI(ユーザインタフェース)を介して各サーバにアクセスできる。複合機50には、プリンタ機能に加え、コピー、FAXおよびスキャナ機能を備えている。
【0014】
Webアプリケーションサーバ20は、Webアプリケーションを提供するサーバである。ユーザ管理サービスサーバ30は、ユーザの情報を管理するサーバである。文書管理サービスサーバ40は、文書を保存/管理するサーバである。
【0015】
ここで、図1においては、Webアプリケーションサーバ20、ユーザ管理サービスサーバ30及び文書管理サービスサーバ40は、それぞれ別個のサーバとして示されている。しかしながら、それぞれが独立のサーバである必要はなく、各サーバの機能を統合した一つのサーバで構成されてもよい。
【0016】
また、サーバとは別個に設けられたクライアントPC10または複合機50を介して、ユーザが各サーバにアクセスする構成としているが、いずれか或いはすべてのサーバがクライアントPCの機能を兼ね備えてもよい。
【0017】
さらに、複合機50でスキャンする構成としているが、クライアントPC10にスキャナを備えてもよい。
【0018】
本実施形態に係る文書管理システムでは、ユーザは、クライアントPC10においてはブラウザを介して、複合機50においてはブラウザ表示機能を備えたユーザインタフェース(UI)を介してWebアプリケーションサーバ20にアクセスする構成としている。
【0019】
さらに、たとえば、専用のクライアントアプリケーションをクライアントPC10および複合機50に配置し、ユーザはこれを介して各サーバにアクセスする構成であっても構わない。この場合、Webアプリケーションサーバ20を省略し、文書管理サービスサーバ40と専用クライアントアプリケーションとが通信するように構成してもよい。
【0020】
なお、複合機50からWebアプリケーションサーバ20にアクセスするユーザと、クライアントPC10からWebアプリケーションサーバ20にアクセスするユーザとは、同一ユーザでも異なるユーザでもよい。すなわち、スキャン文書を格納するユーザと、格納したスキャン文書にアクセスするユーザとが一致していなくてもよい。
【0021】
(ハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る文書管理システムを構成するクライアントPCおよび各サーバのハードウェア構成図であり、図3は、本実施形態に係る文書管理システムを構成する複合機のハードウェア構成図である。図2および図3に示されるハードウェア構成図は一般的な情報処理装置および複合機のハードウェア構成図であり、本実施形態のクライアントPC、サーバおよび複合機には一般的な情報処理装置のハードウェア構成を適用できる。
【0022】
図2において、CPU100は、ROM102のプログラム用ROMに記憶された、或いはハードディスク109からRAM101にロードされたOSやアプリケーション等のプログラムを実行する。なお、OSとはコンピュータ上で稼動するオペレーティングシステムの略語である。後述する各フローチャートの処理はプログラムの実行により実現できる。RAM101は、CPU100の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ103は、キーボード107や図示しないポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ104は、各種ディスプレイ108の表示を制御する。ディスクコントローラ105は、各種データを記憶するハードディスク(HD)109やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等におけるデータアクセスを制御する。NC106はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0023】
図3において、CPU200は、内部バス207を介して後述する各部と接続され、複合機を制御する。表示部201には、タッチパネルなどのUI画面が表示される。ユーザは、所望の操作等を表示部201に表示されるUI画面を介して行う。スキャナ202では、文書のスキャン(走査)を行い、スキャナ情報管理部203は、スキャナ202の機能/状態の情報を管理/保持する。
【0024】
メモリ204は、CPU200が複合機50を制御するために実行する各種命令(アプリケーションプログラム含む)を記憶し、大容量記憶部205には、スキャナ202でスキャンしたデータを一時保存する。また、ネットワークインターフェース206は、CPU200に従いLANを介して信号の送受信を行う。
【0025】
(ソフトウェア構成)
図4は、本実施形態に係る文書管理システムのソフトウェア構成図である。Webアプリケーションサーバ20、ユーザ管理サービスサーバ30、及び文書管理サービスサーバ40内のソフトウェア構成を示している。
【0026】
メイン制御部200は、本実施形態に係る文書管理システムの全体を制御し、各部に対する指示、管理を行う。
【0027】
データ送受信部201では、クライアントPC10および複合機50におけるユーザからの命令や各種データをブラウザを介して受け取る。また、データ送受信部201は、メイン制御部200の指示に従い命令や各種データを、クライアントPC10および複合機50に送信する。
【0028】
セッション記憶部202は、クライアントPC10および複合機50からユーザがブラウザを介してアクセスして以降、同一ユーザによるアクセスであることを示すためのセッション情報を生成する。更に、ユーザが本文書管理システムへのアクセスをやめる(ログアウト)、もしくは自動タイムアウトなどでセッションが切れるまでの間、繰り返し使用する各種情報をセッション情報と関連付けて保持する。
【0029】
WebUI生成部203は、メイン制御部200の指示を受け、状況に応じたWebUI(たとえば、HTML)を生成する。ここで、WebUI生成部203が生成するWebUIは、HTMLに限定されるものではなく、Java(登録商標)Scriptなどのスクリプト言語が埋まっていても構わない。
【0030】
ユーザ情報操作部300は、メイン制御部200からの指示に従い、ユーザ情報記憶部301に保存されている本文書管理システムにアクセス可能なユーザおよびユーザ特性(印刷設定情報など)の抽出、編集などの操作を行う。なお、ユーザ管理に関しては、本文書管理システム独自の管理ではなく、既知の技術を利用してもよい。すなわち、Active DirectoryやLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)などとユーザ情報操作部300が連携し、ユーザ情報記憶部301においてはユーザ特性のみを保存してもよい。
【0031】
文書情報操作部400は、メイン制御部200からの指示に従い、文書情報記憶部401に保存されている文書の実体およびインデックス情報を含む文書属性の登録、保存、抽出、編集などの操作を行う。
【0032】
文書検索部402は、メイン制御部200からの指示に従い、文書を検索するための方法を決定し、文書情報操作部400を介して文書情報記憶部401より検索結果を取得する。
【0033】
文書格納履歴操作部403は、メイン制御部200からの指示に従い、文書情報記憶部401に格納した文書の格納履歴の追加、保存、抽出、編集などの操作を文書格納履歴記憶部404に対して行う。
【0034】
なお、前述のとおり、上記各部の機能は1のサーバで実現してもよい。たとえば、Webアプリケーションサーバ20内で上記各部の機能をすべて実現するようにソフトウェアを構成してもよい。
【0035】
以下、本実施形態に係る文書管理システムにおけるスキャン文書の格納処理について、図1乃至図8を用いて具体的に説明する。
【0036】
(スキャン文書の格納)
図5は、本実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図であり、図6はスキャン文書を格納する処理のフローチャートである。以下、図5および図6を用いて詳細に説明する。
【0037】
なお、図6において、ユーザ管理サービスサーバ30および文書管理サービスサーバ40は、Webアプリケーションサーバ20のメイン制御部200の制御下において所定の機能を担うものであるため独立の構成としては省略している。
【0038】
ステップ100で複合機50は、ログインしようとするユーザのユーザ情報(たとえば、ユーザIDやパスワード)をUI画面を介して受け付け、Webアプリケーションサーバ20に対する接続およびログイン認証を行う。具体的には、メイン制御部200からユーザ管理サービスサーバ30のユーザ情報操作部300に対し、受け付けたユーザ情報の送信と共にログイン認証の指示がなされ、ユーザ情報操作部300がユーザ情報記憶部301を用いてログインの許否を判断する。認証の結果は、メイン制御部200に送られる。本実施形態では、ユーザAについてログイン認証がなされ、ログインが許可されている。
【0039】
ステップ101でWebアプリケーションサーバ20は、ログインが許可されたユーザAのスキャン文書格納履歴503を文書管理サービスサーバ40の文書格納履歴記憶部404から取得する。スキャン文書格納履歴503は、文書格納履歴記憶部404において、過去にスキャンした文書のフォルダ別の格納回数を、ユーザ毎に記録したものである。503の例ではユーザAが過去にスキャン文書を、フォルダCに5回、フォルダFに4回、フォルダHに4回、フォルダBに3回およびフォルダEに2回、格納したことが記録されている。
【0040】
ステップ102で複合機50は、ブラウザを介してWebアプリケーションサーバ20からスキャンボタンを取得し、表示部201上の画面501にスキャンボタン502を表示する。したがって、表示部201上の画面501に表示されるスキャンボタン502は、複合機50に元々備わっているスキャナ操作のためのボタンとは異なるボタンである。ステップ102において表示されたスキャンボタン502がユーザAによって選択されると、複合機50はスキャナ202によって文書のスキャンを行う。本実施形態では、文書Aがスキャンされたものとする。
【0041】
ステップ103で複合機50は、スキャン文書AをWebアプリケーションサーバ20に送信する。
【0042】
ステップ104でWebアプリケーションサーバ20は、データ送受信部201を介してスキャン文書Aを取得し、文書管理サービスサーバ40の文書情報記憶部401内にあるテンポラリフォルダにスキャン文書Aを格納する。そして、格納される際には、スキャンされた文書ファイルであることを示す属性フラグが当該スキャン文書Aにセットされる。属性フラグは、たとえば、「1」または「0」の2値からなる情報であり、「1」がスキャン文書、「0」がスキャン文書以外の文書を示す。なお、スキャン文書であること識別可能な何らかの情報が格納時に付与されればよく、本実施形態の属性フラグはその一例にすぎないものである。また、スキャン文書のファイル名としてはスキャンした日時や、あらかじめユーザが設定した文書名を設定することができる。
【0043】
次に、ステップ105でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ101において取得したスキャン文書格納履歴503から、ユーザAのフォルダ別スキャン文書格納回数を抽出する。
【0044】
そして、ステップ106でWebアプリケーションサーバ20は、抽出したフォルダ別スキャン文書格納回数と閾値とを比較し、閾値を超える格納回数のフォルダが存在するかどうかを判定する。本実施形態では、閾値として「4」が設定されているが、閾値の数値は任意に設定可能である。比較の結果、閾値を超える格納回数のフォルダが存在すると判定された場合にはステップ107に進む。
【0045】
ステップ107でWebアプリケーションサーバ20は、スキャン文書格納回数が多いフォルダ(格納回数が4以上のフォルダ)を格納対象フォルダに決定する。格納対象フォルダとは、受信したスキャン文書のショートカットである。本実施形態においては、格納回数が5のフォルダC、格納回数が4のフォルダFおよびフォルダHを格納対象フォルダに決定している。
【0046】
続いてステップ108でWebアプリケーションサーバ20は、テンポラリフォルダに格納されているスキャン文書Aについてのショートカットを、ステップ107において決定した各格納対象フォルダに作成する。すなわち、テンポラリフォルダに実体が格納されているスキャン文書AのショートカットをフォルダC、フォルダFおよびにフォルダHに作成する。この際、ユーザの設定によって、スキャンを行ったユーザのみにショートカットを公開するか、共有のスキャン文書として他のユーザにも公開するかを決定してもよい。一方、ステップ106において、閾値を超える格納回数のフォルダが存在しないと判定された場合は、ステップ109に進む。
【0047】
ステップ109でWebアプリケーションサーバ20は、ユーザAのメールアドレスをユーザ管理サービスサーバ30から取得し、テンポラリフォルダにスキャン文書Aが格納された事実をメールでユーザAに通知する。通知されるメールには、スキャン文書Aの格納先を指定するように促すメッセージが記載される。
【0048】
ついでに説明すると、ユーザはクライアントPCにおいて当該メールを受信し、スキャン文書Aの格納先を指定する。格納先が指定されると、Webアプリケーションサーバ20のメイン制御部200は、テンポラリフォルダにあるスキャン文書Aを指定された格納先に移すよう文書管理サービスサーバ40に指示する。当該指示を受けて文書管理サービスサーバ40は、スキャン文書Aを指定されたフォルダに移動する。なお、図6のフローチャートには示されていないが、テンポラリフォルダからユーザが指定した格納先にスキャン文書を移動する処理が終了すると、後述するスキャン文書の整理処理における図8のステップ212と同様、格納履歴の更新がなされる。
【0049】
以上のような処理により、複合機501でスキャンしたスキャン文書に対し、過去のスキャン文書の格納履歴から当該ユーザにとって最適と考えられる格納先にスキャン文書のショートカットが作成される。
【0050】
なお、上述の例では格納対象フォルダにスキャンした文書のショートカットを作成・格納しているが、ショートカットではなくスキャン文書ファイルの実体を格納(格納対象フォルダが複数の場合にはその数だけコピーして格納)してもよい。この場合には、テンポラリフォルダにはスキャンした文書の実体を格納する必要がなくなる。
【0051】
このように、過去のスキャン文書の格納回数が一定の閾値以上のすべてのフォルダに自動的にスキャンした文書のショートカット等が作成・格納される。したがって、ユーザはスキャンした文書の格納先を予めクライアントPCで設定したり、複合機の前で格納先を設定したりする必要がない。スキャン後にスキャン文書の閲覧・編集などの操作をしたいユーザは、自分が普段よく使用するフォルダにアクセスするだけでよい。
【0052】
特に、データサイズの小さいショートカットを格納対象フォルダに作成・格納する態様であれば、有限なフォルダ容量を圧迫することもない。
【0053】
なお、上述のステップ103においてユーザは、スキャン文書Aの格納先として特定のフォルダを指定することも可能である。ユーザが特定の格納先を指定した場合にはその格納先フォルダの情報が格納履歴に登録され、次回以降の格納対象フォルダの決定処理において活かされることになる。
【0054】
(スキャン文書の整理)
本発明によってスキャン文書は複数のフォルダ(格納対象フォルダ)に自動的に格納され、ユーザはそのまま使用を継続してもよい。特にショートカットの場合には、実用上の問題はほとんど生じない。しかし、ユーザがスキャン文書に対して何らかの操作を行うためにいずれかのフォルダのショートカットを使用した時点で、当該スキャン文書にアクセスするためにはどのフォルダを開けばよいかをユーザは認識できている。また、スキャンを行ったユーザとスキャン文書にアクセスしたユーザが異なっていたとしても、両ユーザ間には何らかの繋がりがあるはずであるから、どのフォルダにあるショートカットを使用したかについての情報をユーザ間で共有することも可能である。したがって、あるショートカットが使用された時点で、それ以降は、同一スキャン文書にアクセスするためのショートカットを他のフォルダに残しておく必要性は小さくなる。また、テンポラリフォルダの容量も有限であることからすれば、スキャン文書の実体を適宜テンポラリフォルダから移すことが望ましい。
【0055】
そこで、以下では、上述の格納処理が行われた後に、ユーザがいずれかのフォルダにあるショートカットにアクセスした場合に、ショートカット等を整理する処理について説明する。
【0056】
図7は、本文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する様子を示した概念図であり、図8はスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。なお、図7および図8は前述の図5に示されたユーザAに係る具体例の内容を前提としている。
ステップ200で、クライアントPC10は、ログインしようとするユーザ(ユーザA)のユーザ情報(たとえば、ユーザIDやパスワード)をキーボード107を介して受け付け、Webアプリケーションサーバ20に対する接続およびログイン認証を行う。ログイン認証の詳細は、図6の格納処理の場合と異なるところがないので省略するが、ユーザAについてのログインが許可されたものとする。
【0057】
ステップ201でWebアプリケーションサーバ20は、文書管理サービスサーバ40内の文書情報記憶部401からユーザAに関する文書ファイル等が格納されているフォルダの一覧情報601を取得し、ディスプレイ108上にツリー表示する。本実施形態では、フォルダB乃至Hおよびテンポラリフォルダの一覧がツリー表示されている。
【0058】
ステップ203でクライアントPC10は、ユーザの指示に従った処理を当該対象文書に対して実行する。すなわち、ユーザは、これら一覧表示されたフォルダの中から任意のフォルダを開き、その中の所望の文書について、閲覧や編集などの操作を行う。ここでは、ユーザAが、フォルダFを開き、その中にあるスキャン文書Aのショートカットを使用してテンポラリフォルダ内のスキャン文書Aに対して編集操作を行ったものとする。なお、各フォルダ内には、図6のステップ108において作成・格納されるスキャン文書のショートカット以外に、通常の文書ファイルも当然格納され得るので、これら通常の文書ファイルに対しても閲覧や編集などの操作をユーザは行うことができる。
【0059】
ステップ204でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ203において閲覧や編集などの操作がなされた文書の情報(ファイル名および属性フラグに関する情報)を取得する。
【0060】
ステップ205でWebアプリケーションサーバ20は、取得した情報に含まれる属性フラグが「1」か「0」かをチェックし、当該編集等がされた文書がスキャン文書であるかどうかを判定する。スキャン文書でないと判定された場合には処理を終了する。属性フラグが「1」であり、スキャン文書であると判定された場合には、ステップ206に進む。ここでは、スキャン文書Aに対して編集がされているのでステップ206に進む。
【0061】
ステップ206でWebアプリケーションサーバ20は、閲覧や編集などの操作が、ショートカットを使用してなされた場合にはステップ207に進み、テンポラリフォルダの実体に対して直接なされた場合にはステップ209に進む。ここでは、フォルダFに格納されたショートカットを使用してスキャン文書Aの編集がなされているので、ステップ207に進む。
【0062】
ステップ207でWebアプリケーションサーバ20は、テンポラリフォルダに格納されているスキャン文書の実体のコピーを、当該編集に使用されたショートカットのあるフォルダに作成する。ここでは、フォルダFに、スキャン文書Aの実体のコピーを作成する。コピーの作成が終わるとステップ208に進む。なお、使用されたショートカットの存在するフォルダに実体をコピーするタイミングとして、本実施形態では、ショートカットを使用した直後としている。しかし、たとえば、ショートカットの使用回数に閾値を設けて、当該閾値を超えた時点で実体をコピーするようにしてもよい。さらに、ショートカットの使用回数ではなく、特定の操作(たとえば、内容の編集)が行われることを条件に実体をコピーするようにしてもよい。これらはユーザが任意に設定可能である。
【0063】
ステップ208でWebアプリケーションサーバ20は、当該編集されたスキャン文書のすべてのショートカットとテンポラリフォルダに格納されているスキャン文書の実体を削除する。本実施形態の場合は、フォルダF、フォルダC、フォルダHに作成されたスキャン文書Aのショートカットおよびテンポラリフォルダにあるスキャン文書Aの実体が削除される。なお、削除のタイミングは任意に設定することができ、たとえば、実体をテンポラリフォルダからコピーして所定の日時が経過した後など、時間を指定して削除するタイミングを決定してもよい。削除が終わるとステップ212に進む。
【0064】
一方、テンポラリフォルダ内の実体に対して編集等の操作がなされた場合、ステップ209でWebアプリケーションサーバ20は、ユーザの指示に従い、テンポラリフォルダからスキャン文書の実体を移動する。具体的には、まず、ユーザに対し、今回編集等を行ったスキャン文書をどのフォルダに格納するのか指示すべき旨のメッセージをクライアントPC10のディスプレイ108に表示する。そして、ユーザによるキーボード107等を介した格納先を指定する指示を受け付けると、指定された格納先のフォルダにスキャン文書の実体を移動させる。
【0065】
ステップ210でWebアプリケーションサーバ20は、移動先のフォルダの情報を取得し、当該移動先のフォルダに当該スキャン文書のショートカットが存在するかどうかを判定する。ショートカットが存在する場合には、実体が移されている以上もはや不要となったショートカット等を削除するためステップ208に進む。ショートカットが存在しない場合には、今回移動した先のフォルダの格納履歴を更新するためステップ212に進む。
【0066】
ステップ212でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ207およびステップ209において実体が格納されることになったフォルダの格納回数に1を加え、格納履歴を更新する。本実施形態においては、フォルダFの格納回数に1を加え5として、格納履歴を更新する。
【0067】
なお、格納対象フォルダにショートカットではなくスキャン文書のコピーが作成されていた場合には、ステップ206乃至ステップ211の処理に代えて、以下のような処理となる(不図示)。すなわち、ステップ205において編集等が行われたのがスキャン文書であると判定されると、次に、当該編集において使用されなかった他のフォルダ内にあるスキャン文書のコピーを削除する処理が行われる。そして、ステップ212と同様の格納履歴の更新処理が行われる。
【0068】
このような処理によって、ユーザがクライアントPCからショートカットを使用してスキャン文書に対して編集等の操作を行った時点でショートカット等が整理される。
【0069】
なお、上述のとおり、スキャン文書の格納を行うユーザと格納されたスキャン文書に対して編集等を行うユーザは、必ずしも同一ユーザである必要はない。たとえば、先の格納処理を行ったユーザの同僚などが、格納されたスキャン文書を利用する場合もあり得る。文書をスキャンして格納編集等するユーザと格納されたスキャン文書に対して編集等を行うユーザは異なっていてもよい。この場合であってもショートカットが作成・格納されるフォルダは、スキャンを行ったユーザがよく使うフォルダに限られるため、スキャンを行ったユーザにとって不都合は生じない。
【0070】
(実施例2)
本発明の第2の実施形態について図1乃至図12に基づき説明する。第1の実施形態と異なるのは、スキャンされた文書の格納先を決定する際に利用される文書の格納履歴が、格納回数ではなく格納日時であるという点である。以下、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0071】
(スキャン文書の格納)
図9は本実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図であり、図10はスキャン文書を格納する処理のフローチャートである。以下、図9および図10を用いて詳細に説明するが、第1の実施形態と共通する点については簡略化あるいは省略する。
【0072】
ステップ300で、ユーザのログインが許可されると、ステップS301でWebアプリケーションサーバ20は、ログインに成功したユーザのスキャン文書格納履歴703を取得する。本実施形態において取得されるスキャン文書格納履歴は、過去のスキャン文書のスキャン日時を、ユーザ毎に記録したものである。703の場合には、一番古いスキャン日時の記録としてフォルダFの2008年6月4日13時01分を先頭に、スキャン文書のスキャン日時の履歴が時系列で記録されている。
【0073】
ステップ302およびステップ303を経て、スキャンされた文書(ここでは、スキャン文書A)を受け取ったWebアプリケーションサーバ20は、ステップ304で当該スキャン文書にフラグ「1」をセットしてテンポラリフォルダに格納する。格納される際のファイル名は、スキャンを行った日時の情報(スキャン日時情報)を含んだものとする。本実施形態におけるスキャン文書Aのスキャン日時は2008年8月4日11時51分であるので、たとえば、「scan2008-0804-1151」のようなファイル名が付けられる。
【0074】
次に、ステップ305でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ301において取得したスキャン文書格納履歴703から、フォルダ別にスキャン文書のスキャン日時を抽出する。
【0075】
ステップ306でWebアプリケーションサーバ20は、抽出したフォルダ別のスキャン日時を解析し、何らかの規則性を見出すことができるかどうか(格納先パターンを取得できるかどうか)を判定する。ここで、何らかの規則性とは、たとえば、毎週金曜の18時から19時の間にスキャンがなされ当該スキャン文書が特定のフォルダに格納されている等、スキャン文書の格納先とスキャン日時との間に一定の傾向(パターン)が存在することを意味する。本実施形態におけるスキャン文書格納履歴703の場合には、1週間間隔で同じ11時台という時間帯にスキャンされた文書がフォルダBの下位フォルダであるフォルダCおよびフォルダDに1月分毎に格納されている。また、毎月4日にスキャンされた文書がフォルダEの下位フォルダであるフォルダFおよびフォルダGにそれぞれ格納されている。
【0076】
したがって、一週間間隔の(特定の曜日の)11時台にスキャン文書をフォルダBの下位フォルダに格納というパターンと、毎月4日にスキャン文書をフォルダEの下位フォルダに格納というパターンとの計2つの格納先パターンを取得することができる。規則性に基づく格納先パターンの識別については、ユーザが予め基準を設定しておけばよい。すなわち、本実施形態のように識別したい場合には、同一間隔の同一時間帯(毎週同じ曜日の同じ時間帯)という基準と同一間隔(毎月同じ日)という2つの基準を設定しておけばよい。このような基準以外にも、たとえば、毎月第1月曜やいわゆるゴトウ日(5の倍数の日)といった日付に関する基準を設定してもよい。さらに時刻の差異が30分以内あるいは午前/午後といったような時間に関する基準を、上記日付に関する基準と併せてまたは別個に設定してもよい。また、本実施形態では、上位のフォルダレベル(フォルダBおよびフォルダEのレベル)において規則性を見出しているが、対象となるフォルダの階層レベルを予め設定し、たとえば、最下位のフォルダに限定して規則性を見出すようにしてもよい。さらには、フォルダ名に日付が含まれているフォルダに限定し、フォルダ名において規則性の有無を判定するようにしてもよい。
【0077】
ステップ307でWebアプリケーションサーバ20は、テンポラリフォルダに格納したスキャン文書のファイル名からスキャン日時情報を読み取り、ステップ306において解析した格納先パターンと照合する。そして、格納先パターンに合致している格納対象フォルダを決定する。なお、ステップ306において複数のパターンが取得できている場合には、当該パターンに応じた複数の格納対象フォルダが決定されることになる。格納対象フォルダを決定すると、ステップ308に進む。本実施形態では、スキャン文書Aのファイル名「scan2008-0804-1151」からスキャン日時として2008年8月4日11時51分が読み取られ、ステップ306において取得された2つの格納先パターンと照合される。スキャン文書Aの場合は、ステップ306において取得された2つのパターンのいずれにも合致するため、当該2つのパターンに沿った格納対象フォルダが格納先として決定される。すなわち、フォルダBの下でフォルダCやDと同じ階層レベルの新規フォルダおよびフォルダEの下でフォルダFやGと同じ階層レベルの新規フォルダが格納先に決定される。なお、本実施形態においては、新規のフォルダを格納先に決定しているが、照合されるパターンによっては既存のフォルダを格納先に決定し得る。また、今回スキャンした文書のスキャン日時が、取得したどの格納先パターンとも合致しない場合には、既存のフォルダグループに属さない新規フォルダ(本実施形態で言えばフォルダB、E,Hと同階層レベルの新規フォルダ)を格納先に決定してもよい。あるいは、格納先を決定しない(つまり、ショートカットの作成自体を行わない)ようにしてもよい。格納先を決定しなかった場合には、ステップ308ではなくステップ309に進むことになる。図10のフローチャートにおける破線の矢印は、格納先を決定しなかった場合を表している。
【0078】
ステップ308でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ304においてテンポラリフォルダに格納したスキャン文書についてのショートカットを、ステップ307において決定した格納対象フォルダに作成する。決定した格納対象フォルダが既存のフォルダではない場合には、決定された格納先に新規フォルダが作成され、当該新規フォルダ内にショートカットが作成される。本実施形態では、フォルダBの下に新規フォルダ1、フォルダEの下に新規フォルダ2が作成され、それぞれの新規フォルダ内にスキャン文書Aのショートカットが格納されている。なお、新規フォルダのフォルダ名は、本実施形態のように「新規フォルダN(Nは自然数)」でもよいし、たとえば、規則性の基になっている他のフォルダと同じ形式となるようにしてもよい。どのようなフォルダ名とするかについては、ユーザがあらかじめ設定しておくことができる。
【0079】
ステップ309で、スキャン文書Aがテンポラリフォルダに格納された事実が、メールでユーザに通知される。
【0080】
以上のようにして、過去にスキャンした文書の各フォルダへの格納日時の履歴を基にした格納処理がなされる。
【0081】
(スキャン文書の整理)
次に、第2の実施形態におけるショートカット等を整理する処理について説明する。
【0082】
図11は、第2の実施形態にかかる本文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する様子を示した概念図であり、図12はスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。図12のステップ400乃至412は、第1の実施形態における整理処理のフローチャート(図8)のステップ200乃至212に対応し、このうち内容が異なるのはステップ408である。よって、共通する部分については説明を省略し、内容の異なっているステップ408を中心に説明する。
【0083】
ユーザが編集等の操作を行うのに使用したショートカットの存在するフォルダに、スキャン文書の実体をコピーすると(ステップ407)、ステップ408へと進む。本実施形態では、新規フォルダ1にあったショートカットを使用してスキャン文書Aに編集が加えられたとの前提で、テンポラリフォルダにあるスキャン文書Aの実体が新規フォルダ1にコピーされている(図11参照)。
【0084】
ステップ408でWebアプリケーションサーバ20は、実施形態1のステップ208と同様、すべてのショートカットおよびテンポラリフォルダに格納されているスキャン文書の実体を削除する。ここで、先の格納処理のステップ307において、ショートカットを格納するための新規フォルダが作成されていた場合には、編集の際にアクセスされなかった新規フォルダごとショートカットを削除する。本実施形態では、新規フォルダ2のショートカットは使用されなかったため、新規フォルダ2が中のショートカットと共に削除される。
【0085】
その後、ステップ412で、ステップ212と同様に格納履歴の更新処理がなされる。ただし、ステップ412の更新では、回数ではなく、テンポラリフォルダに格納されていたスキャン文書のスキャン日時が格納先フォルダの情報と共に追加される。
【0086】
第2の実施形態によれば、過去のスキャン文書のスキャン日時を基にした格納先パターンからユーザに適した格納先を決定するので、ユーザ毎の傾向に合った格納先にスキャン文書を自動的に格納することができる。
【0087】
(その他の実施形態)
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0088】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0089】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0090】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスクがある。また、更に、記録媒体としては、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0091】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、その接続先のホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0092】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0093】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャン文書の格納履歴からスキャン文書の格納先を決定する文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスPC環境のWeb化は定着してきている。これに伴い、MFPデバイス(複合機)の世界でもUIのWeb化が進んでおり他社との差別化技術の1つとなってきている。
【0003】
ここで、PCは各個人の下で利用され、複合機は複数人によって共同で利用されるのが通常である。そのため、個人が複合機を占有する時間は最低限に抑えたいという基本的な要望がある。そこで、Webで繋がるPCと複合機の各特性を活かした効率的な利用方法が注目されている。これに対応する機能として、現状の複合機は、スキャンした文書を文書管理サーバやファイルサーバのフォルダに保存することができるようになっている。その場合、複合機において文書管理サーバの格納先フォルダを選択したり、または予めクライアントPCで格納先フォルダを設定してその設定(ボタン)を複合機のブラウザから選択することで、文書管理サーバ等のフォルダに文書を保存することができる。
【0004】
たとえば、特許文献1では、スキャン設定の付加情報として、使用者識別ID、登録日時、最終使用日時、共有設定の情報などを予め登録しておき、ユーザがいずれかの付加情報を選択することでスキャン設定を効率的に選択するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−307782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複合機においてスキャンした文書を文書管理サーバやファイルサーバのフォルダに保存する場合、従来技術では、その都度格納先フォルダを複合機でユーザが選択するか、あるいは、クライアントPCで格納先フォルダを予め選択しておく必要があった。つまり、スキャンの都度、その格納先の設定を行わなければならなかった。そのため、スキャンした文書を文書管理サーバやファイルサーバのフォルダに保存するためだけにユーザは複数の手順を踏まなければならないという問題があった。また、自動的に格納先を選択したり、複数箇所の格納先に自動的に文書を送信して格納したりする場合には、ユーザの意図する場所に必ずしも格納されないという問題もあった。
【0007】
特許文献1に開示された技術では、予め登録された複数のスキャン設定からユーザの希望に合う格納先が設定されたスキャン設定を優先的に探すことが可能である。しかし、やはりスキャンの都度ユーザが複合機の前で格納先を設定しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る文書管理システムは、クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムであって、前記Webサーバは、前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信する手段と、前記受信したスキャン文書をテンポラリフォルダに格納する手段と、過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定する手段と、前記受信したスキャン文書のショートカットを前記特定のフォルダに作成する手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、ユーザの過去のスキャン文書の格納履歴を基にスキャンした文書の格納先を決定するので、ユーザが予めPCにおいて格納先を登録したり、複合機の前で格納先をその都度選択したりする必要がない。したがって、効率的にスキャンした文書を保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る文書管理システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る文書管理システムを構成するクライアントPCおよび各サーバのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る文書管理システムを構成する複合機のハードウェア構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る文書管理システムのソフトウェア構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を格納する処理のフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書を整理する様子を示した概念図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書を格納する処理のフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書を整理する様子を示した概念図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本発明の第1の実施形態について図1乃至図11に基づき説明する。
【0012】
(システム構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る文書管理システムのシステム構成図である。文書管理システムは、クライアントPC10、Webアプリケーションサーバ(Webサーバ)20、ユーザ管理サービスサーバ30、文書管理サービスサーバ40、複合機50がネットワークを介して接続されている。
【0013】
ユーザはブラウザを介してクライアントPC10から各サーバにアクセスでき、さらに、ユーザは、ブラウザ表示機能を備えた複合機50のUI(ユーザインタフェース)を介して各サーバにアクセスできる。複合機50には、プリンタ機能に加え、コピー、FAXおよびスキャナ機能を備えている。
【0014】
Webアプリケーションサーバ20は、Webアプリケーションを提供するサーバである。ユーザ管理サービスサーバ30は、ユーザの情報を管理するサーバである。文書管理サービスサーバ40は、文書を保存/管理するサーバである。
【0015】
ここで、図1においては、Webアプリケーションサーバ20、ユーザ管理サービスサーバ30及び文書管理サービスサーバ40は、それぞれ別個のサーバとして示されている。しかしながら、それぞれが独立のサーバである必要はなく、各サーバの機能を統合した一つのサーバで構成されてもよい。
【0016】
また、サーバとは別個に設けられたクライアントPC10または複合機50を介して、ユーザが各サーバにアクセスする構成としているが、いずれか或いはすべてのサーバがクライアントPCの機能を兼ね備えてもよい。
【0017】
さらに、複合機50でスキャンする構成としているが、クライアントPC10にスキャナを備えてもよい。
【0018】
本実施形態に係る文書管理システムでは、ユーザは、クライアントPC10においてはブラウザを介して、複合機50においてはブラウザ表示機能を備えたユーザインタフェース(UI)を介してWebアプリケーションサーバ20にアクセスする構成としている。
【0019】
さらに、たとえば、専用のクライアントアプリケーションをクライアントPC10および複合機50に配置し、ユーザはこれを介して各サーバにアクセスする構成であっても構わない。この場合、Webアプリケーションサーバ20を省略し、文書管理サービスサーバ40と専用クライアントアプリケーションとが通信するように構成してもよい。
【0020】
なお、複合機50からWebアプリケーションサーバ20にアクセスするユーザと、クライアントPC10からWebアプリケーションサーバ20にアクセスするユーザとは、同一ユーザでも異なるユーザでもよい。すなわち、スキャン文書を格納するユーザと、格納したスキャン文書にアクセスするユーザとが一致していなくてもよい。
【0021】
(ハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る文書管理システムを構成するクライアントPCおよび各サーバのハードウェア構成図であり、図3は、本実施形態に係る文書管理システムを構成する複合機のハードウェア構成図である。図2および図3に示されるハードウェア構成図は一般的な情報処理装置および複合機のハードウェア構成図であり、本実施形態のクライアントPC、サーバおよび複合機には一般的な情報処理装置のハードウェア構成を適用できる。
【0022】
図2において、CPU100は、ROM102のプログラム用ROMに記憶された、或いはハードディスク109からRAM101にロードされたOSやアプリケーション等のプログラムを実行する。なお、OSとはコンピュータ上で稼動するオペレーティングシステムの略語である。後述する各フローチャートの処理はプログラムの実行により実現できる。RAM101は、CPU100の主メモリ、ワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ103は、キーボード107や図示しないポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ104は、各種ディスプレイ108の表示を制御する。ディスクコントローラ105は、各種データを記憶するハードディスク(HD)109やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)等におけるデータアクセスを制御する。NC106はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0023】
図3において、CPU200は、内部バス207を介して後述する各部と接続され、複合機を制御する。表示部201には、タッチパネルなどのUI画面が表示される。ユーザは、所望の操作等を表示部201に表示されるUI画面を介して行う。スキャナ202では、文書のスキャン(走査)を行い、スキャナ情報管理部203は、スキャナ202の機能/状態の情報を管理/保持する。
【0024】
メモリ204は、CPU200が複合機50を制御するために実行する各種命令(アプリケーションプログラム含む)を記憶し、大容量記憶部205には、スキャナ202でスキャンしたデータを一時保存する。また、ネットワークインターフェース206は、CPU200に従いLANを介して信号の送受信を行う。
【0025】
(ソフトウェア構成)
図4は、本実施形態に係る文書管理システムのソフトウェア構成図である。Webアプリケーションサーバ20、ユーザ管理サービスサーバ30、及び文書管理サービスサーバ40内のソフトウェア構成を示している。
【0026】
メイン制御部200は、本実施形態に係る文書管理システムの全体を制御し、各部に対する指示、管理を行う。
【0027】
データ送受信部201では、クライアントPC10および複合機50におけるユーザからの命令や各種データをブラウザを介して受け取る。また、データ送受信部201は、メイン制御部200の指示に従い命令や各種データを、クライアントPC10および複合機50に送信する。
【0028】
セッション記憶部202は、クライアントPC10および複合機50からユーザがブラウザを介してアクセスして以降、同一ユーザによるアクセスであることを示すためのセッション情報を生成する。更に、ユーザが本文書管理システムへのアクセスをやめる(ログアウト)、もしくは自動タイムアウトなどでセッションが切れるまでの間、繰り返し使用する各種情報をセッション情報と関連付けて保持する。
【0029】
WebUI生成部203は、メイン制御部200の指示を受け、状況に応じたWebUI(たとえば、HTML)を生成する。ここで、WebUI生成部203が生成するWebUIは、HTMLに限定されるものではなく、Java(登録商標)Scriptなどのスクリプト言語が埋まっていても構わない。
【0030】
ユーザ情報操作部300は、メイン制御部200からの指示に従い、ユーザ情報記憶部301に保存されている本文書管理システムにアクセス可能なユーザおよびユーザ特性(印刷設定情報など)の抽出、編集などの操作を行う。なお、ユーザ管理に関しては、本文書管理システム独自の管理ではなく、既知の技術を利用してもよい。すなわち、Active DirectoryやLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)などとユーザ情報操作部300が連携し、ユーザ情報記憶部301においてはユーザ特性のみを保存してもよい。
【0031】
文書情報操作部400は、メイン制御部200からの指示に従い、文書情報記憶部401に保存されている文書の実体およびインデックス情報を含む文書属性の登録、保存、抽出、編集などの操作を行う。
【0032】
文書検索部402は、メイン制御部200からの指示に従い、文書を検索するための方法を決定し、文書情報操作部400を介して文書情報記憶部401より検索結果を取得する。
【0033】
文書格納履歴操作部403は、メイン制御部200からの指示に従い、文書情報記憶部401に格納した文書の格納履歴の追加、保存、抽出、編集などの操作を文書格納履歴記憶部404に対して行う。
【0034】
なお、前述のとおり、上記各部の機能は1のサーバで実現してもよい。たとえば、Webアプリケーションサーバ20内で上記各部の機能をすべて実現するようにソフトウェアを構成してもよい。
【0035】
以下、本実施形態に係る文書管理システムにおけるスキャン文書の格納処理について、図1乃至図8を用いて具体的に説明する。
【0036】
(スキャン文書の格納)
図5は、本実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図であり、図6はスキャン文書を格納する処理のフローチャートである。以下、図5および図6を用いて詳細に説明する。
【0037】
なお、図6において、ユーザ管理サービスサーバ30および文書管理サービスサーバ40は、Webアプリケーションサーバ20のメイン制御部200の制御下において所定の機能を担うものであるため独立の構成としては省略している。
【0038】
ステップ100で複合機50は、ログインしようとするユーザのユーザ情報(たとえば、ユーザIDやパスワード)をUI画面を介して受け付け、Webアプリケーションサーバ20に対する接続およびログイン認証を行う。具体的には、メイン制御部200からユーザ管理サービスサーバ30のユーザ情報操作部300に対し、受け付けたユーザ情報の送信と共にログイン認証の指示がなされ、ユーザ情報操作部300がユーザ情報記憶部301を用いてログインの許否を判断する。認証の結果は、メイン制御部200に送られる。本実施形態では、ユーザAについてログイン認証がなされ、ログインが許可されている。
【0039】
ステップ101でWebアプリケーションサーバ20は、ログインが許可されたユーザAのスキャン文書格納履歴503を文書管理サービスサーバ40の文書格納履歴記憶部404から取得する。スキャン文書格納履歴503は、文書格納履歴記憶部404において、過去にスキャンした文書のフォルダ別の格納回数を、ユーザ毎に記録したものである。503の例ではユーザAが過去にスキャン文書を、フォルダCに5回、フォルダFに4回、フォルダHに4回、フォルダBに3回およびフォルダEに2回、格納したことが記録されている。
【0040】
ステップ102で複合機50は、ブラウザを介してWebアプリケーションサーバ20からスキャンボタンを取得し、表示部201上の画面501にスキャンボタン502を表示する。したがって、表示部201上の画面501に表示されるスキャンボタン502は、複合機50に元々備わっているスキャナ操作のためのボタンとは異なるボタンである。ステップ102において表示されたスキャンボタン502がユーザAによって選択されると、複合機50はスキャナ202によって文書のスキャンを行う。本実施形態では、文書Aがスキャンされたものとする。
【0041】
ステップ103で複合機50は、スキャン文書AをWebアプリケーションサーバ20に送信する。
【0042】
ステップ104でWebアプリケーションサーバ20は、データ送受信部201を介してスキャン文書Aを取得し、文書管理サービスサーバ40の文書情報記憶部401内にあるテンポラリフォルダにスキャン文書Aを格納する。そして、格納される際には、スキャンされた文書ファイルであることを示す属性フラグが当該スキャン文書Aにセットされる。属性フラグは、たとえば、「1」または「0」の2値からなる情報であり、「1」がスキャン文書、「0」がスキャン文書以外の文書を示す。なお、スキャン文書であること識別可能な何らかの情報が格納時に付与されればよく、本実施形態の属性フラグはその一例にすぎないものである。また、スキャン文書のファイル名としてはスキャンした日時や、あらかじめユーザが設定した文書名を設定することができる。
【0043】
次に、ステップ105でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ101において取得したスキャン文書格納履歴503から、ユーザAのフォルダ別スキャン文書格納回数を抽出する。
【0044】
そして、ステップ106でWebアプリケーションサーバ20は、抽出したフォルダ別スキャン文書格納回数と閾値とを比較し、閾値を超える格納回数のフォルダが存在するかどうかを判定する。本実施形態では、閾値として「4」が設定されているが、閾値の数値は任意に設定可能である。比較の結果、閾値を超える格納回数のフォルダが存在すると判定された場合にはステップ107に進む。
【0045】
ステップ107でWebアプリケーションサーバ20は、スキャン文書格納回数が多いフォルダ(格納回数が4以上のフォルダ)を格納対象フォルダに決定する。格納対象フォルダとは、受信したスキャン文書のショートカットである。本実施形態においては、格納回数が5のフォルダC、格納回数が4のフォルダFおよびフォルダHを格納対象フォルダに決定している。
【0046】
続いてステップ108でWebアプリケーションサーバ20は、テンポラリフォルダに格納されているスキャン文書Aについてのショートカットを、ステップ107において決定した各格納対象フォルダに作成する。すなわち、テンポラリフォルダに実体が格納されているスキャン文書AのショートカットをフォルダC、フォルダFおよびにフォルダHに作成する。この際、ユーザの設定によって、スキャンを行ったユーザのみにショートカットを公開するか、共有のスキャン文書として他のユーザにも公開するかを決定してもよい。一方、ステップ106において、閾値を超える格納回数のフォルダが存在しないと判定された場合は、ステップ109に進む。
【0047】
ステップ109でWebアプリケーションサーバ20は、ユーザAのメールアドレスをユーザ管理サービスサーバ30から取得し、テンポラリフォルダにスキャン文書Aが格納された事実をメールでユーザAに通知する。通知されるメールには、スキャン文書Aの格納先を指定するように促すメッセージが記載される。
【0048】
ついでに説明すると、ユーザはクライアントPCにおいて当該メールを受信し、スキャン文書Aの格納先を指定する。格納先が指定されると、Webアプリケーションサーバ20のメイン制御部200は、テンポラリフォルダにあるスキャン文書Aを指定された格納先に移すよう文書管理サービスサーバ40に指示する。当該指示を受けて文書管理サービスサーバ40は、スキャン文書Aを指定されたフォルダに移動する。なお、図6のフローチャートには示されていないが、テンポラリフォルダからユーザが指定した格納先にスキャン文書を移動する処理が終了すると、後述するスキャン文書の整理処理における図8のステップ212と同様、格納履歴の更新がなされる。
【0049】
以上のような処理により、複合機501でスキャンしたスキャン文書に対し、過去のスキャン文書の格納履歴から当該ユーザにとって最適と考えられる格納先にスキャン文書のショートカットが作成される。
【0050】
なお、上述の例では格納対象フォルダにスキャンした文書のショートカットを作成・格納しているが、ショートカットではなくスキャン文書ファイルの実体を格納(格納対象フォルダが複数の場合にはその数だけコピーして格納)してもよい。この場合には、テンポラリフォルダにはスキャンした文書の実体を格納する必要がなくなる。
【0051】
このように、過去のスキャン文書の格納回数が一定の閾値以上のすべてのフォルダに自動的にスキャンした文書のショートカット等が作成・格納される。したがって、ユーザはスキャンした文書の格納先を予めクライアントPCで設定したり、複合機の前で格納先を設定したりする必要がない。スキャン後にスキャン文書の閲覧・編集などの操作をしたいユーザは、自分が普段よく使用するフォルダにアクセスするだけでよい。
【0052】
特に、データサイズの小さいショートカットを格納対象フォルダに作成・格納する態様であれば、有限なフォルダ容量を圧迫することもない。
【0053】
なお、上述のステップ103においてユーザは、スキャン文書Aの格納先として特定のフォルダを指定することも可能である。ユーザが特定の格納先を指定した場合にはその格納先フォルダの情報が格納履歴に登録され、次回以降の格納対象フォルダの決定処理において活かされることになる。
【0054】
(スキャン文書の整理)
本発明によってスキャン文書は複数のフォルダ(格納対象フォルダ)に自動的に格納され、ユーザはそのまま使用を継続してもよい。特にショートカットの場合には、実用上の問題はほとんど生じない。しかし、ユーザがスキャン文書に対して何らかの操作を行うためにいずれかのフォルダのショートカットを使用した時点で、当該スキャン文書にアクセスするためにはどのフォルダを開けばよいかをユーザは認識できている。また、スキャンを行ったユーザとスキャン文書にアクセスしたユーザが異なっていたとしても、両ユーザ間には何らかの繋がりがあるはずであるから、どのフォルダにあるショートカットを使用したかについての情報をユーザ間で共有することも可能である。したがって、あるショートカットが使用された時点で、それ以降は、同一スキャン文書にアクセスするためのショートカットを他のフォルダに残しておく必要性は小さくなる。また、テンポラリフォルダの容量も有限であることからすれば、スキャン文書の実体を適宜テンポラリフォルダから移すことが望ましい。
【0055】
そこで、以下では、上述の格納処理が行われた後に、ユーザがいずれかのフォルダにあるショートカットにアクセスした場合に、ショートカット等を整理する処理について説明する。
【0056】
図7は、本文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する様子を示した概念図であり、図8はスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。なお、図7および図8は前述の図5に示されたユーザAに係る具体例の内容を前提としている。
ステップ200で、クライアントPC10は、ログインしようとするユーザ(ユーザA)のユーザ情報(たとえば、ユーザIDやパスワード)をキーボード107を介して受け付け、Webアプリケーションサーバ20に対する接続およびログイン認証を行う。ログイン認証の詳細は、図6の格納処理の場合と異なるところがないので省略するが、ユーザAについてのログインが許可されたものとする。
【0057】
ステップ201でWebアプリケーションサーバ20は、文書管理サービスサーバ40内の文書情報記憶部401からユーザAに関する文書ファイル等が格納されているフォルダの一覧情報601を取得し、ディスプレイ108上にツリー表示する。本実施形態では、フォルダB乃至Hおよびテンポラリフォルダの一覧がツリー表示されている。
【0058】
ステップ203でクライアントPC10は、ユーザの指示に従った処理を当該対象文書に対して実行する。すなわち、ユーザは、これら一覧表示されたフォルダの中から任意のフォルダを開き、その中の所望の文書について、閲覧や編集などの操作を行う。ここでは、ユーザAが、フォルダFを開き、その中にあるスキャン文書Aのショートカットを使用してテンポラリフォルダ内のスキャン文書Aに対して編集操作を行ったものとする。なお、各フォルダ内には、図6のステップ108において作成・格納されるスキャン文書のショートカット以外に、通常の文書ファイルも当然格納され得るので、これら通常の文書ファイルに対しても閲覧や編集などの操作をユーザは行うことができる。
【0059】
ステップ204でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ203において閲覧や編集などの操作がなされた文書の情報(ファイル名および属性フラグに関する情報)を取得する。
【0060】
ステップ205でWebアプリケーションサーバ20は、取得した情報に含まれる属性フラグが「1」か「0」かをチェックし、当該編集等がされた文書がスキャン文書であるかどうかを判定する。スキャン文書でないと判定された場合には処理を終了する。属性フラグが「1」であり、スキャン文書であると判定された場合には、ステップ206に進む。ここでは、スキャン文書Aに対して編集がされているのでステップ206に進む。
【0061】
ステップ206でWebアプリケーションサーバ20は、閲覧や編集などの操作が、ショートカットを使用してなされた場合にはステップ207に進み、テンポラリフォルダの実体に対して直接なされた場合にはステップ209に進む。ここでは、フォルダFに格納されたショートカットを使用してスキャン文書Aの編集がなされているので、ステップ207に進む。
【0062】
ステップ207でWebアプリケーションサーバ20は、テンポラリフォルダに格納されているスキャン文書の実体のコピーを、当該編集に使用されたショートカットのあるフォルダに作成する。ここでは、フォルダFに、スキャン文書Aの実体のコピーを作成する。コピーの作成が終わるとステップ208に進む。なお、使用されたショートカットの存在するフォルダに実体をコピーするタイミングとして、本実施形態では、ショートカットを使用した直後としている。しかし、たとえば、ショートカットの使用回数に閾値を設けて、当該閾値を超えた時点で実体をコピーするようにしてもよい。さらに、ショートカットの使用回数ではなく、特定の操作(たとえば、内容の編集)が行われることを条件に実体をコピーするようにしてもよい。これらはユーザが任意に設定可能である。
【0063】
ステップ208でWebアプリケーションサーバ20は、当該編集されたスキャン文書のすべてのショートカットとテンポラリフォルダに格納されているスキャン文書の実体を削除する。本実施形態の場合は、フォルダF、フォルダC、フォルダHに作成されたスキャン文書Aのショートカットおよびテンポラリフォルダにあるスキャン文書Aの実体が削除される。なお、削除のタイミングは任意に設定することができ、たとえば、実体をテンポラリフォルダからコピーして所定の日時が経過した後など、時間を指定して削除するタイミングを決定してもよい。削除が終わるとステップ212に進む。
【0064】
一方、テンポラリフォルダ内の実体に対して編集等の操作がなされた場合、ステップ209でWebアプリケーションサーバ20は、ユーザの指示に従い、テンポラリフォルダからスキャン文書の実体を移動する。具体的には、まず、ユーザに対し、今回編集等を行ったスキャン文書をどのフォルダに格納するのか指示すべき旨のメッセージをクライアントPC10のディスプレイ108に表示する。そして、ユーザによるキーボード107等を介した格納先を指定する指示を受け付けると、指定された格納先のフォルダにスキャン文書の実体を移動させる。
【0065】
ステップ210でWebアプリケーションサーバ20は、移動先のフォルダの情報を取得し、当該移動先のフォルダに当該スキャン文書のショートカットが存在するかどうかを判定する。ショートカットが存在する場合には、実体が移されている以上もはや不要となったショートカット等を削除するためステップ208に進む。ショートカットが存在しない場合には、今回移動した先のフォルダの格納履歴を更新するためステップ212に進む。
【0066】
ステップ212でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ207およびステップ209において実体が格納されることになったフォルダの格納回数に1を加え、格納履歴を更新する。本実施形態においては、フォルダFの格納回数に1を加え5として、格納履歴を更新する。
【0067】
なお、格納対象フォルダにショートカットではなくスキャン文書のコピーが作成されていた場合には、ステップ206乃至ステップ211の処理に代えて、以下のような処理となる(不図示)。すなわち、ステップ205において編集等が行われたのがスキャン文書であると判定されると、次に、当該編集において使用されなかった他のフォルダ内にあるスキャン文書のコピーを削除する処理が行われる。そして、ステップ212と同様の格納履歴の更新処理が行われる。
【0068】
このような処理によって、ユーザがクライアントPCからショートカットを使用してスキャン文書に対して編集等の操作を行った時点でショートカット等が整理される。
【0069】
なお、上述のとおり、スキャン文書の格納を行うユーザと格納されたスキャン文書に対して編集等を行うユーザは、必ずしも同一ユーザである必要はない。たとえば、先の格納処理を行ったユーザの同僚などが、格納されたスキャン文書を利用する場合もあり得る。文書をスキャンして格納編集等するユーザと格納されたスキャン文書に対して編集等を行うユーザは異なっていてもよい。この場合であってもショートカットが作成・格納されるフォルダは、スキャンを行ったユーザがよく使うフォルダに限られるため、スキャンを行ったユーザにとって不都合は生じない。
【0070】
(実施例2)
本発明の第2の実施形態について図1乃至図12に基づき説明する。第1の実施形態と異なるのは、スキャンされた文書の格納先を決定する際に利用される文書の格納履歴が、格納回数ではなく格納日時であるという点である。以下、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。
【0071】
(スキャン文書の格納)
図9は本実施形態に係る文書管理システムにおいてスキャン文書が格納される様子を示した概念図であり、図10はスキャン文書を格納する処理のフローチャートである。以下、図9および図10を用いて詳細に説明するが、第1の実施形態と共通する点については簡略化あるいは省略する。
【0072】
ステップ300で、ユーザのログインが許可されると、ステップS301でWebアプリケーションサーバ20は、ログインに成功したユーザのスキャン文書格納履歴703を取得する。本実施形態において取得されるスキャン文書格納履歴は、過去のスキャン文書のスキャン日時を、ユーザ毎に記録したものである。703の場合には、一番古いスキャン日時の記録としてフォルダFの2008年6月4日13時01分を先頭に、スキャン文書のスキャン日時の履歴が時系列で記録されている。
【0073】
ステップ302およびステップ303を経て、スキャンされた文書(ここでは、スキャン文書A)を受け取ったWebアプリケーションサーバ20は、ステップ304で当該スキャン文書にフラグ「1」をセットしてテンポラリフォルダに格納する。格納される際のファイル名は、スキャンを行った日時の情報(スキャン日時情報)を含んだものとする。本実施形態におけるスキャン文書Aのスキャン日時は2008年8月4日11時51分であるので、たとえば、「scan2008-0804-1151」のようなファイル名が付けられる。
【0074】
次に、ステップ305でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ301において取得したスキャン文書格納履歴703から、フォルダ別にスキャン文書のスキャン日時を抽出する。
【0075】
ステップ306でWebアプリケーションサーバ20は、抽出したフォルダ別のスキャン日時を解析し、何らかの規則性を見出すことができるかどうか(格納先パターンを取得できるかどうか)を判定する。ここで、何らかの規則性とは、たとえば、毎週金曜の18時から19時の間にスキャンがなされ当該スキャン文書が特定のフォルダに格納されている等、スキャン文書の格納先とスキャン日時との間に一定の傾向(パターン)が存在することを意味する。本実施形態におけるスキャン文書格納履歴703の場合には、1週間間隔で同じ11時台という時間帯にスキャンされた文書がフォルダBの下位フォルダであるフォルダCおよびフォルダDに1月分毎に格納されている。また、毎月4日にスキャンされた文書がフォルダEの下位フォルダであるフォルダFおよびフォルダGにそれぞれ格納されている。
【0076】
したがって、一週間間隔の(特定の曜日の)11時台にスキャン文書をフォルダBの下位フォルダに格納というパターンと、毎月4日にスキャン文書をフォルダEの下位フォルダに格納というパターンとの計2つの格納先パターンを取得することができる。規則性に基づく格納先パターンの識別については、ユーザが予め基準を設定しておけばよい。すなわち、本実施形態のように識別したい場合には、同一間隔の同一時間帯(毎週同じ曜日の同じ時間帯)という基準と同一間隔(毎月同じ日)という2つの基準を設定しておけばよい。このような基準以外にも、たとえば、毎月第1月曜やいわゆるゴトウ日(5の倍数の日)といった日付に関する基準を設定してもよい。さらに時刻の差異が30分以内あるいは午前/午後といったような時間に関する基準を、上記日付に関する基準と併せてまたは別個に設定してもよい。また、本実施形態では、上位のフォルダレベル(フォルダBおよびフォルダEのレベル)において規則性を見出しているが、対象となるフォルダの階層レベルを予め設定し、たとえば、最下位のフォルダに限定して規則性を見出すようにしてもよい。さらには、フォルダ名に日付が含まれているフォルダに限定し、フォルダ名において規則性の有無を判定するようにしてもよい。
【0077】
ステップ307でWebアプリケーションサーバ20は、テンポラリフォルダに格納したスキャン文書のファイル名からスキャン日時情報を読み取り、ステップ306において解析した格納先パターンと照合する。そして、格納先パターンに合致している格納対象フォルダを決定する。なお、ステップ306において複数のパターンが取得できている場合には、当該パターンに応じた複数の格納対象フォルダが決定されることになる。格納対象フォルダを決定すると、ステップ308に進む。本実施形態では、スキャン文書Aのファイル名「scan2008-0804-1151」からスキャン日時として2008年8月4日11時51分が読み取られ、ステップ306において取得された2つの格納先パターンと照合される。スキャン文書Aの場合は、ステップ306において取得された2つのパターンのいずれにも合致するため、当該2つのパターンに沿った格納対象フォルダが格納先として決定される。すなわち、フォルダBの下でフォルダCやDと同じ階層レベルの新規フォルダおよびフォルダEの下でフォルダFやGと同じ階層レベルの新規フォルダが格納先に決定される。なお、本実施形態においては、新規のフォルダを格納先に決定しているが、照合されるパターンによっては既存のフォルダを格納先に決定し得る。また、今回スキャンした文書のスキャン日時が、取得したどの格納先パターンとも合致しない場合には、既存のフォルダグループに属さない新規フォルダ(本実施形態で言えばフォルダB、E,Hと同階層レベルの新規フォルダ)を格納先に決定してもよい。あるいは、格納先を決定しない(つまり、ショートカットの作成自体を行わない)ようにしてもよい。格納先を決定しなかった場合には、ステップ308ではなくステップ309に進むことになる。図10のフローチャートにおける破線の矢印は、格納先を決定しなかった場合を表している。
【0078】
ステップ308でWebアプリケーションサーバ20は、ステップ304においてテンポラリフォルダに格納したスキャン文書についてのショートカットを、ステップ307において決定した格納対象フォルダに作成する。決定した格納対象フォルダが既存のフォルダではない場合には、決定された格納先に新規フォルダが作成され、当該新規フォルダ内にショートカットが作成される。本実施形態では、フォルダBの下に新規フォルダ1、フォルダEの下に新規フォルダ2が作成され、それぞれの新規フォルダ内にスキャン文書Aのショートカットが格納されている。なお、新規フォルダのフォルダ名は、本実施形態のように「新規フォルダN(Nは自然数)」でもよいし、たとえば、規則性の基になっている他のフォルダと同じ形式となるようにしてもよい。どのようなフォルダ名とするかについては、ユーザがあらかじめ設定しておくことができる。
【0079】
ステップ309で、スキャン文書Aがテンポラリフォルダに格納された事実が、メールでユーザに通知される。
【0080】
以上のようにして、過去にスキャンした文書の各フォルダへの格納日時の履歴を基にした格納処理がなされる。
【0081】
(スキャン文書の整理)
次に、第2の実施形態におけるショートカット等を整理する処理について説明する。
【0082】
図11は、第2の実施形態にかかる本文書管理システムにおいてスキャン文書のショートカット等を整理する様子を示した概念図であり、図12はスキャン文書のショートカット等を整理する処理のフローチャートである。図12のステップ400乃至412は、第1の実施形態における整理処理のフローチャート(図8)のステップ200乃至212に対応し、このうち内容が異なるのはステップ408である。よって、共通する部分については説明を省略し、内容の異なっているステップ408を中心に説明する。
【0083】
ユーザが編集等の操作を行うのに使用したショートカットの存在するフォルダに、スキャン文書の実体をコピーすると(ステップ407)、ステップ408へと進む。本実施形態では、新規フォルダ1にあったショートカットを使用してスキャン文書Aに編集が加えられたとの前提で、テンポラリフォルダにあるスキャン文書Aの実体が新規フォルダ1にコピーされている(図11参照)。
【0084】
ステップ408でWebアプリケーションサーバ20は、実施形態1のステップ208と同様、すべてのショートカットおよびテンポラリフォルダに格納されているスキャン文書の実体を削除する。ここで、先の格納処理のステップ307において、ショートカットを格納するための新規フォルダが作成されていた場合には、編集の際にアクセスされなかった新規フォルダごとショートカットを削除する。本実施形態では、新規フォルダ2のショートカットは使用されなかったため、新規フォルダ2が中のショートカットと共に削除される。
【0085】
その後、ステップ412で、ステップ212と同様に格納履歴の更新処理がなされる。ただし、ステップ412の更新では、回数ではなく、テンポラリフォルダに格納されていたスキャン文書のスキャン日時が格納先フォルダの情報と共に追加される。
【0086】
第2の実施形態によれば、過去のスキャン文書のスキャン日時を基にした格納先パターンからユーザに適した格納先を決定するので、ユーザ毎の傾向に合った格納先にスキャン文書を自動的に格納することができる。
【0087】
(その他の実施形態)
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0088】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0089】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0090】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスクがある。また、更に、記録媒体としては、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0091】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、その接続先のホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0092】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0093】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムであって、
前記Webサーバは、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信する手段と、
前記受信したスキャン文書をテンポラリフォルダに格納する手段と、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定する手段と、
前記受信したスキャン文書のショートカットを前記特定のフォルダに作成する手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記Webサーバは、
ユーザが前記クライアントPCから前記ショートカットを使用して前記テンポラリフォルダに格納されているスキャン文書にアクセスした場合に、当該アクセスされたスキャン文書のコピーを、当該使用されたショートカットが存在する前記特定のフォルダに作成する手段と、
前記コピーが作成された後に、ユーザが使用しなかったショートカットおよび前記テンポラリフォルダに格納されたスキャン文書を削除する手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記Webサーバは、
前記過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴として、フォルダ別の格納回数を保存する手段をさらに備え、
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記フォルダ別の格納回数に基づいて前記特定のフォルダを決定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記フォルダ別の格納回数を閾値と比較し、前記閾値を超える格納回数のフォルダを前記特定のフォルダとして決定し、
前記Webサーバは、
前記特定のフォルダを決定する手段において、前記閾値を超える格納回数のフォルダが存在しない場合に、前記テンポラリフォルダに前記受信したスキャン文書が格納されたことをユーザに通知する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記Webサーバは、
前記過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴として、スキャン日時と格納先を保存する手段をさらに備え、
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記スキャン日時と格納先とに基づいて前記特定のフォルダを決定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記スキャン日時と格納先とから格納先に関するパターンを取得し、前記受信したスキャン文書のスキャン日時の情報と取得した前記パターンとを照合して前記特定のフォルダを決定し、
前記Webサーバは、
前記特定のフォルダを決定する手段において、前記スキャン日時と格納先から格納先に関するパターンが取得できない場合および/または前記受信したスキャン文書が前記パターンに合致しない場合に、前記テンポラリフォルダに前記受信したスキャン文書が格納されたことをユーザに通知する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の文書管理システム。
【請求項7】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムであって、
前記Webサーバは、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信する手段と、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定する手段と、
前記受信したスキャン文書のコピーを前記特定のフォルダに作成する手段と、
ユーザが前記クライアントPCから前記スキャン文書のコピーのいずれかにアクセスした場合に、ユーザがアクセスしなかった他のスキャン文書のコピーを削除する手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項8】
前記装置は、
ブラウザ表示機能を有するユーザインタフェースと、
ブラウザを介して前記Webサーバから取得したスキャンボタンを前記ユーザインタフェースの画面に表示する手段と、
前記ユーザインタフェースの画面に表示されたスキャンボタンをユーザが選択した時に文書をスキャンして前記Webサーバにスキャン文書を送信する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の文書管理システム。
【請求項9】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムの制御方法であって、
前記Webサーバにおいて、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信するステップと、
前記受信したスキャン文書をテンポラリフォルダに格納するステップと、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定するステップと、
前記受信したスキャン文書のショートカットを前記特定のフォルダに作成するステップと、
を含むことを特徴とする文書管理システムの制御方法。
【請求項10】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムの制御方法であって、
前記Webサーバにおいて、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信するステップと、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定するステップと、
前記受信したスキャン文書のコピーを前記特定のフォルダに作成するステップと、
ユーザが前記クライアントPCから前記スキャン文書のコピーのいずれかにアクセスした場合に、ユーザがアクセスしなかった他のスキャン文書のコピーを削除するステップと、
を含むことを特徴とする文書管理システムの制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項9又は10に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムであって、
前記Webサーバは、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信する手段と、
前記受信したスキャン文書をテンポラリフォルダに格納する手段と、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定する手段と、
前記受信したスキャン文書のショートカットを前記特定のフォルダに作成する手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記Webサーバは、
ユーザが前記クライアントPCから前記ショートカットを使用して前記テンポラリフォルダに格納されているスキャン文書にアクセスした場合に、当該アクセスされたスキャン文書のコピーを、当該使用されたショートカットが存在する前記特定のフォルダに作成する手段と、
前記コピーが作成された後に、ユーザが使用しなかったショートカットおよび前記テンポラリフォルダに格納されたスキャン文書を削除する手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記Webサーバは、
前記過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴として、フォルダ別の格納回数を保存する手段をさらに備え、
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記フォルダ別の格納回数に基づいて前記特定のフォルダを決定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記フォルダ別の格納回数を閾値と比較し、前記閾値を超える格納回数のフォルダを前記特定のフォルダとして決定し、
前記Webサーバは、
前記特定のフォルダを決定する手段において、前記閾値を超える格納回数のフォルダが存在しない場合に、前記テンポラリフォルダに前記受信したスキャン文書が格納されたことをユーザに通知する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記Webサーバは、
前記過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴として、スキャン日時と格納先を保存する手段をさらに備え、
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記スキャン日時と格納先とに基づいて前記特定のフォルダを決定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記特定のフォルダを決定する手段は、前記スキャン日時と格納先とから格納先に関するパターンを取得し、前記受信したスキャン文書のスキャン日時の情報と取得した前記パターンとを照合して前記特定のフォルダを決定し、
前記Webサーバは、
前記特定のフォルダを決定する手段において、前記スキャン日時と格納先から格納先に関するパターンが取得できない場合および/または前記受信したスキャン文書が前記パターンに合致しない場合に、前記テンポラリフォルダに前記受信したスキャン文書が格納されたことをユーザに通知する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の文書管理システム。
【請求項7】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムであって、
前記Webサーバは、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信する手段と、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定する手段と、
前記受信したスキャン文書のコピーを前記特定のフォルダに作成する手段と、
ユーザが前記クライアントPCから前記スキャン文書のコピーのいずれかにアクセスした場合に、ユーザがアクセスしなかった他のスキャン文書のコピーを削除する手段と、
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項8】
前記装置は、
ブラウザ表示機能を有するユーザインタフェースと、
ブラウザを介して前記Webサーバから取得したスキャンボタンを前記ユーザインタフェースの画面に表示する手段と、
前記ユーザインタフェースの画面に表示されたスキャンボタンをユーザが選択した時に文書をスキャンして前記Webサーバにスキャン文書を送信する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の文書管理システム。
【請求項9】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムの制御方法であって、
前記Webサーバにおいて、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信するステップと、
前記受信したスキャン文書をテンポラリフォルダに格納するステップと、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定するステップと、
前記受信したスキャン文書のショートカットを前記特定のフォルダに作成するステップと、
を含むことを特徴とする文書管理システムの制御方法。
【請求項10】
クライアントPCと、Webサーバと、スキャナを備えたブラウザ表示機能を有する装置とがネットワークで接続された文書管理システムの制御方法であって、
前記Webサーバにおいて、
前記スキャナでスキャンされたスキャン文書を前記装置から受信するステップと、
過去のスキャン文書のユーザ毎の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定するステップと、
前記受信したスキャン文書のコピーを前記特定のフォルダに作成するステップと、
ユーザが前記クライアントPCから前記スキャン文書のコピーのいずれかにアクセスした場合に、ユーザがアクセスしなかった他のスキャン文書のコピーを削除するステップと、
を含むことを特徴とする文書管理システムの制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項9又は10に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【公開番号】特開2010−251973(P2010−251973A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98102(P2009−98102)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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