説明

文書管理装置、文書管理方法および文書管理プログラム

【課題】 閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成すること。
【解決手段】 ファイルサーバは、予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶する文書管理部67と、閲覧先情報を受け付ける閲覧先情報受付部53と、処理対象文書からキーワードを抽出するキーワード抽出部51と、抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索する文書検索部65と、文書検索部65による検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定する関連ユーザ特定部69と、特定された関連ユーザと受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、キーワードが閲覧先に周知か否かを判断する判断部81と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書管理装置、文書管理方法および文書管理プログラムに関し、特に、文書を閲覧するユーザに適した文書をキーワードで文書を検索する機能を備えた情報検索装置、その情報検索装置で実行される文書管理方法および文書管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書を作成する際に、文書を閲覧する人に理解しやすい文書を作成することが重要である。閲覧者の有する知識に関する事項を詳細に記載する必要はなく、閲覧者の有しない知識に関する事項を詳細に記載する必要がある。このため、これから作成しようとする文書が閲覧者に周知であるか否かが事前に分かると便利である。また、既存の文書を閲覧する場合に、既知の事項を閲覧する必要はなく、未知の事項のみを閲覧できれば効率的に文書を閲覧することができる。
【0003】
キーワードに関して知識を有するユーザを検出する技術として、特開2008−191894号公報(特許文献2)には、ユーザによって操作される複数のクライアント計算機にインターネットを介して接続され、プロセッサ、メモリ及びインターフェースを備えるWEBサーバであって、検索キーワードと、当該検索キーワードを検索したユーザとの対応を示す検索履歴を記憶し、検索キーワードを含む検索要求を、前記クライアント計算機から受信し、前記受信した検索要求から検索キーワードを抽出し、前記検索履歴に基づいて、前記抽出された検索キーワードに対応するユーザを特定し、前記特定されたユーザに関する情報を、同一の検索キーワードを過去に検索したユーザに関する情報として、前記受信した検索要求の送信元であるクライアント計算機に送信することを特徴とするWEBサーバが記載されている。
【0004】
しかしながら、検索結果がすべて成功するとは限らず、また、検索に成功したとしてもユーザが検索結果を利用しているとは限らない。このため、従来のWEBサーバは、過去に同じ検索を実行したユーザを特定することはできるが、特定されたユーザがキーワードに関する知識を有する有識者であるとは限らないといった問題がある。
【特許文献1】特開2007−293746号公報
【特許文献2】特開2008−191894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成することが可能な文書管理装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成することが可能な文書管理方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成することが可能な文書管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、文書管理装置は、予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶するアクセス履歴記憶手段と、処理対象文書の閲覧先に関する閲覧先情報を受け付ける閲覧先情報受付手段と、処理対象文書からキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、予め記憶された文書のうちから抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索する文書検索手段と、文書検索手段による検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定する関連ユーザ特定手段と、特定された関連ユーザと受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、キーワードが閲覧先に周知か否かを判断する判断手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、処理対象文書からキーワードが抽出され、予め記憶された文書のうちから抽出されたキーワードを含む1以上の文書が抽出され、抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、キーワードに関連する関連ユーザが特定され、関連ユーザと閲覧者情報とに基づいて、キーワードが閲覧先に周知か否かが判断される。このため、文書が閲覧先に周知なキーワードを含んでいるか否かを判断するので、閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成することが可能な文書管理装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、文書を作成し、記憶する文書作成手段と、判断手段により周知と判断されることに応じて、キーワードが周知であることを通知する通知手段と、をさらに備え、キーワード抽出手段は、文書作成手段によって、文書の作成中に、文書を構成する文字列として決定された文字列から所定の条件に適合する文字列をキーワードとして抽出する。
【0011】
この局面に従えば、文書の作成中に文書を構成する文字列がキーワードとして抽出され、抽出されたキーワードが周知と判断されると、ユーザに通知されるので、ユーザは、文書の作成中の文字列が周知か否かをしることができる。このため、ユーザが文書を作成するのを容易にすることができる。
【0012】
好ましくは、判断手段により周知と判断される場合、文書に含まれる複数の部分のうちキーワードが抽出された部分を、他の部分と異なる形態で出力する出力手段を、さらに備える。
【0013】
この局面に従えば、文書中の周知なキーワードが抽出された部分が、他の部分と異なる形態で出力されるので、周知な部分を周知でない部分と区別して出力することができる。特に、周知な部分を出力しない形態とすれば、文書を周知でない部分のみから構成される文書に変更して出力することができる。
【0014】
好ましくは、出力手段が出力する対象となる文書を指定する指定操作を受け付ける指定受付手段を、さらに備え、閲覧先情報受付手段は、指定操作をしたユーザを特定するユーザ特定手段を含む。
【0015】
この局面に従えば、文書を出力する指示をしたユーザに適した文書を出力することができる。例えば、文書を出力する指示をしたユーザが周知でない部分のみを出力することができる。
【0016】
好ましくは、閲覧情報受付手段は、文書の送信先を受け付ける送信先受付手段を、含む。
【0017】
この局面に従えば、文書の送信先のユーザに適した文書を出力することができる。例えば、文書の送信先のユーザが周知でない部分のみを含む文書を送信することができる。
【0018】
この発明の他の局面によれば、文書管理方法は、予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、処理対象文書の閲覧先に関する閲覧先情報を受け付けるステップと、処理対象文書からキーワードを抽出するステップと、予め記憶された文書のうちから抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索するステップと、文書を検索するステップにおいて文書を検索することによって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、特定された関連ユーザと受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、キーワードが閲覧先に周知か否かを判断するステップと、を含む。
【0019】
この局面に従えば、閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成することが可能な文書管理方法を提供することができる。
【0020】
この発明の他の局面によれば、文書管理プログラムは、予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報をアクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、処理対象文書の閲覧先に関する閲覧先情報を受け付けるステップと、処理対象文書からキーワードを抽出するステップと、予め記憶された文書のうちから抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために記憶された文書を検索するステップと、文書を検索するステップにおいて文書を検索することによって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、特定された関連ユーザと受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、キーワードが閲覧先に周知か否かを判断するステップと、をコンピュータを実行させる。
【0021】
この局面に従えば、閲覧者に周知な部分と周知でない部分とを異ならせた文書を生成することが可能な文書管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける文書管理システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観の一例を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ファイルサーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】ファイルサーバが備えるCPUの機能の一例を、HDD205に記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図6】ユーザデータの一例を示す図である。
【図7】文書作成処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図8】作成時キーワード抽出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】文書作成処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図11】関連グループ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】文書閲覧処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】文書送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける文書管理システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、文書管理システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)100,100A,100Bと、ファイルサーバ200と、認証サーバ300と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400〜402と、を含む。なお、図ではネットワーク3に3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100Bが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A,100Bに代えて、ジョブを実行する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0025】
PC400〜402、ファイルサーバ200および認証サーバ300は、一般的なコンピュータである。認証サーバ300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bを使用するユーザを認証する処理を実行する。認証サーバ300は、ユーザごとに予め割り当てられ、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と認証情報(例えば、パスワード)とを含む認証用データを記憶しており、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから、ユーザによりそれに入力されたユーザ識別情報と認証情報とを受信すると、受信されたユーザ識別情報と認証情報とを予め記憶されている認証用データと比較する。認証サーバ300は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから受信されるユーザ識別情報と認証情報と同じ認証用データが存在すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、存在しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。
【0026】
なお、認証情報としてパスワードを用いる例を示すが、ユーザの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報を用いて認証するようにしてもよい。この場合、PC400〜402、MFP100,100A,100Bには、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバ300に記憶される認証用データは、ユーザ識別情報と生体情報とを含む。そして、PC400〜402、MFP100,100A,100Bそれぞれは、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。PC400〜402、MFP100,100A,100Bそれぞれは、読取装置から入力される生体情報を認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。
【0027】
なお、MFP100,100A,100B、ファイルサーバ200、およびPC400〜402それぞれが認証サーバ300を兼ねる場合があり、この場合には認証サーバ300は不要である。
【0028】
MFP100,100A,100Bは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成部を備えている。MFP100,100A,100B各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP100A,100Bの少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
【0029】
図2は、MFPの外観の一例を示す斜視図である。図2を参照して、MFP100は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50と、を含む。
【0030】
ADF10は、原稿給紙トレイ11上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ12上に排出する。画像読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部30に出力する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0031】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、外部から受信された画像データ、または、画像読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。
【0032】
後処理部50は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部50は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理部50は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。また、MFP100は、その上面にユーザとのユーザインターフェースとしての操作パネル9を備えている。
【0033】
図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、メイン回路101と、ファクシミリ部122と、通信制御部123と、を含む。メイン回路101は、自動原稿搬送装置(ADF)10と、画像読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、後処理部50とに接続されている。
【0034】
メイン回路101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、表示部114と、操作部115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、データ通信制御部117と、を含む。
【0035】
CPU111は、RAM112、ROM113、表示部114、操作部115、HDD116およびデータ通信制御部117とそれぞれ接続され、メイン回路101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部122、通信制御部123、ADF10、画像読取部20、画像形成部30、給紙部40、後処理部50と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0036】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルを含む。
【0037】
データ通信制御部117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118と、シリアル通信のためのシリアル通信インターフェース端子119とを有する。データ通信制御部117は、CPU111からの指示に従って、LAN端子118またはシリアル通信インターフェース端子119に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。
【0038】
LAN端子118に、ネットワーク3に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部117は、LAN端子118を介して接続された他のMFP100A,100B、PC400〜402、ファイルサーバ200および認証サーバ300と通信する。さらに、データ通信制御部117は、インターネットに接続された他のコンピュータと通信する。
【0039】
シリアル通信インターフェース端子119に機器が接続された場合、データ通信制御部117は、シリアル通信インターフェース端子119に接続された機器、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラまたは携帯情報端末との間で通信して画像データを入出力する。また、シリアル通信インターフェース端子119には、フラッシュメモリを内蔵したメモリカード119Aが接続可能である。CPU111は、データ通信制御部117を制御して、メモリカード119AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM112に記憶し、実行する。
【0040】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、メモリカード119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD116に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD116に書込みするようにして、HDD116に記憶されたプログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0041】
通信制御部123は、CPU111をPSTN7に接続するためのモデムである。MFP100には、PSTN7における電話番号が予め割り当てられており、PSTN7に接続されたファクシミリ装置からMFP100に割り当てられた電話番号に発呼があると、通信制御部123がその発呼を検出する。通信制御部123は、発呼を検出すると通話を確立し、ファクシミリ部122に通信させる。
【0042】
ファクシミリ部122は、PSTN7に接続され、PSTN7にファクシミリデータを送信する、またはPSTN7からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部122は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶するとともに、画像形成部30でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部30に出力する。これにより、画像形成部30は、ファクシミリ部122により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部122は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN7に接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0043】
図4は、ファイルサーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、ファイルサーバ200は、それぞれがバス208に接続され、ファイルサーバ200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、ファイルサーバ200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
【0044】
外部記憶装置209は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ファイルサーバ200が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0045】
図5は、ファイルサーバが備えるCPUの機能の一例を、HDD205に記憶されるデータとともに示すブロック図である。図5に示すファイルサーバ200が備えるCPU201の機能は、CPU201がROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された文書管理プログラムを実行することにより、CPU201に形成される機能である。
【0046】
図5を参照して、ファイルサーバ200が備えるHDD205は、文書93と、アクセス履歴情報95と、ユーザデータ97とを記憶する。文書93は、後述する文書管理部67により生成されるデータ、PC400〜402がアプリケーションプログラムを実行することにより生成されるアプリケーションデータ、MFP100,100A、100Bが原稿を読み取って得られる画像データを含む。アクセス履歴情報95については後述する。ユーザデータ97は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザに関連するユーザ関連情報と、ユーザが所属するグループを識別するためのグループ識別情報と、を含む。ユーザ関連情報は、ユーザに割り当てられた電話番号または/および電子メールアドレス等の連絡先情報を含む。グループ情報は、予め定められた複数のグループのうちで、ユーザが分類されるグループを識別するためのグループ識別情報である。グループは、複数のユーザを分類するために、予め定められた類であり、特に限定されるものではない。ここでは、グループを、ユーザが所属する会社としている。また、グループは、ユーザが有する知識で分類するグループであってもよく、例えば、専門とする知識分野別であってもよい。
【0047】
図6は、ユーザデータの一例を示す図である。図6を参照して、ユーザデータ97は、ユーザレコードを複数含む。ユーザレコードは、1人のユーザに対応する。ユーザレコードは、ユーザ名の項目と、E−mailの項目と、電話番号の項目と、所属の項目と、を含む。ユーザ名の項目は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報が設定される。E−mailの項目は、ユーザの連絡先としてユーザに割り当てられた電子メールアドレスが設定される。電話番号の項目は、ユーザの連絡先としてユーザに割り当てられた電話番号が設定される。所属の項目は、ユーザが属するグループとしてユーザが所属する部署名が設定される。
【0048】
図5に戻って、CPU201は、文書管理部67と、キーワードを受け付けるキーワード受付部63と、キーワードを用いて文書93を検索する文書検索部65と、検索により抽出される少なくとも1つの文書に基づいて関連ユーザを特定する関連ユーザ特定部69と、判断部81と、を含む。
【0049】
文書管理部67は、新たな文書を作成する処理と、HDD205に記憶される文書93を管理する処理とを実行する。具体的には、文書管理部67は、新たな文書を作成する処理を実行する場合は、ユーザによる文書作成操作に従って、新たな文書を生成し、HDD205に新たな文書を記憶する処理を実行する。また、文書管理部67は、文書93を管理する処理を実行する場合、ユーザによるアクセス操作に従って、外部から受信される新たな文書を記憶する処理、HDD205に記憶された文書93を出力する処理、HDD205に記憶された文書93を変更または削除する処理を実行する。文書を出力する処理は、文書を表示部206に表示する処理、文書をネットワークI/F204を介して電子メールで送信する処理、ファイル転送する処理、文書をMFP100,100A,100Bのいずれかでプリントアウトする処理、プロジェクタなどに表示する処理、を含む。
【0050】
文書管理部67は、操作部207に入力される文書作成操作またはアクセス操作を受け付ける。また文書管理部67は、ネットワークI/F204を介して、PC400〜402を操作するユーザがPC400〜402に入力する文書作成操作またはアクセス操作を受け付ける。また、文書管理部67は、ネットワークI/F204を介して、MFP100,100A,100Bを操作するユーザがMFP100,100A,100Bに入力する文書作成操作またはアクセス操作を受け付ける。
【0051】
文書管理部67は、操作部207にアクセス操作が入力される場合、アクセス操作に対応するアクセス処理を実行する。また、文書管理部67は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかからアクセス操作を受信する場合、受信されたアクセス操作に対応するアクセス処理を実行する。文書管理部67は、受信されたアクセス操作に対応するアクセス処理を実行すると、アクセス処理を実行した履歴を示すアクセス履歴情報を生成し、HDD205に記憶する。これにより、HDD205にアクセス履歴情報95が記憶される。アクセス履歴情報は、アクセス操作を識別するための操作識別情報と、アクセス操作を入力したユーザのユーザ識別情報と、アクセス操作に基づく処理の対象となった文書93の文書識別情報と、を少なくとも含む。
【0052】
文書管理部67は、キーワード抽出部51と、閲覧先情報受付部53と、通知部55と、指示操作受付部57と、出力部59と、を含む。キーワード抽出部51、閲覧先情報受付部53および通知部は、文書管理部67が文書作成操作を受け付け、文書作成処理を実行する場合に能動化する。キーワード抽出部51、指示操作受付部57および出力部59は、文書管理部67がアクセス操作を受け付け、アクセス処理を実行する場合に能動化する。以下、文書管理部67が、文書作成処理を実行する場合と、アクセス処理を実行する場合とを分けて説明する。
【0053】
<文書作成処理>
文書作成操作は、新たな文書を作成するための操作であり、具体的には、文書の閲覧先を示す閲覧先情報を入力する操作、文書の内容となる文字列を入力する操作を含む。文書管理部67が、操作部207で受け付ける文書作成操作、またはPC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから受信する文書作成操作は、文書作成操作を識別するための操作識別情報と、文書作成操作を入力したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、文書作成操作に基づく処理の対象となる文書を識別するための文書識別情報とを含む。
【0054】
文書管理部67は、ユーザが操作部207に文書作成操作を入力する場合、または、クライアントとなるPC400〜402に文書作成操作を入力する場合、入力される文書作成操作に従って、文書を作成する。
【0055】
キーワード抽出部51は、ユーザが操作部207またはPC400〜402を操作して、文書を作成する操作を入力する場合、入力される文字列からキーワードを抽出する。キーワードは、文書の見出しを構成する文字列をキーワードとして抽出する。キーワード抽出部51は、キーワードを抽出するごとに、抽出されたキーワードをキーワード受付部63に出力する。
【0056】
閲覧先情報受付部53は、ユーザが操作部207またはPC400〜402を操作して、文書を作成する操作を入力する場合、文書の閲覧先のユーザまたはグループを閲覧先情報として受け付ける。ユーザが、操作部207またはPC400〜402にユーザを識別するためのユーザ識別情報を入力する場合、ユーザ識別情報を閲覧先情報として受け付ける。また、ユーザが操作部207またはPC400〜402に部署名を入力する場合、部署名を閲覧先情報として受け付ける。HDD205に記憶されているユーザデータ97を表示して、ユーザデータ97のうちから選択されたユーザ名を閲覧先情報のユーザ識別情報として受け付けてもよいし、ユーザデータ97のうちから選択された所属を、閲覧先情報のグループとして受け付けてもよい。閲覧先情報受付部53は、受け付けられた閲覧先情報を判断部81に出力する。
【0057】
キーワード受付部63は、キーワード抽出部51からキーワードが入力される。キーワード受付部63は、入力されるキーワードを文書検索部65に出力する。文書検索部65は、キーワードが入力されると、入力されたキーワードでHDD205に記憶されている文書93を検索し、HDD205に記憶されている文書93のうちからキーワードを含む文書93を抽出する。文書検索部65は、抽出された文書93を、関連ユーザ特定部69に出力する。
【0058】
関連ユーザ特定部69は、文書選択部73と、ユーザ別アクセス回数集計部75と、グループ集計部79と、を含む。文書選択部73は、文書検索部65から少なくとも1つの文書93が入力される場合、入力される少なくとも1つの文書93のうちから、アクセス数の多い順に少なくとも1つを選択文書として選択する。
【0059】
具体的には、文書選択部73は、まず、HDD205に記憶されているアクセス履歴情報95のうちから、文書検索部65から入力される少なくとも1つの文書93それぞれに対応するアクセス履歴情報95のすべてを抽出する。例えば、文書検索部65から文書識別情報「文書A」と「文書B」の2つの文書93が入力される場合、文書識別情報「文書A」の文書93に対して、文書識別情報「文書A」を含むアクセス履歴情報のすべてを抽出し、文書識別情報「文書B」の文書93に対して、文書識別情報「文書B」を含むアクセス履歴情報のすべてを抽出する。次ぎに、文書選択部73は、文書検索部65からL個以上の文書93が入力される場合、アクセス履歴情報の数が多い順に上位L個を選択文書として選択する。ここでLは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、ファイルサーバ200に予め入力することにより設定される。そして、文書選択部73は、選択された最大でL個の選択文書のすべてをユーザ別アクセス回数集計部75に出力する。
【0060】
ユーザ別アクセス回数集計部75は、文書選択部73から入力される最大でL個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計し、ユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数は、ユーザ識別情報ごとのアクセス回数である。アクセス履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、アクセス履歴情報を同じユーザ識別情報を含むユーザに分類し、ユーザ識別情報ごとにアクセス履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別アクセス回数を算出する。
【0061】
ユーザ別アクセス回数集計部75は、ユーザ別アクセス回数をアクセス回数が多い順に並び換え、アクセス回数が多い順に優先順位を付けたユーザ識別情報を判断部81に出力する。また、ユーザ別アクセス回数集計部75は、ユーザ識別情報の数がN個以上の場合、ユーザ識別情報をユーザ別アクセス回数が多い順に並び換え、ユーザ別アクセス回数が多い順に上位N個のユーザ識別情報を、関連ユーザのユーザ識別情報として判断部81に出力する。ここでNは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、ファイルサーバ200に予め入力することにより設定される。
【0062】
ユーザ別アクセス回数集計部75は、ユーザ別アクセス回数を、グループ集計部79に出力する。グループ集計部79は、ユーザ別アクセス回数集計部75から入力されるユーザ別アクセス回数のすべてを対象として、ユーザ別アクセス回数をグループ別に集計し、グループ別アクセス回数を算出する。グループ別アクセス回数は、グループ別のアクセス回数である。グループ集計部79は、ユーザデータ97を参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。そして、グループ識別情報が同じユーザ識別情報を同じグループに分類し、グループ別アクセス回数を算出する。グループ集計部79は、グループの数がM個以上の場合、グループをグループ別アクセス回数が多い順に並び換え、グループ別アクセス回数が多い順に上位M個のグループ識別情報を、関連ユーザが属するグループのグループ識別情報として判断部81に出力する。ここでMは、予め定められたしきい値であり、ユーザが、ファイルサーバ200に予め入力することにより設定される。
【0063】
判断部81は、閲覧先情報受付部53から閲覧先情報が入力され、関連ユーザ特定部69から最大でM個のユーザ識別情報が関連ユーザのユーザ識別情報として入力され、関連ユーザ特定部69から最大でN個のグループ識別情報が関連グループのグループ識別情報として入力される。判断部81は、閲覧先情報がユーザ識別情報の場合、閲覧情報として入力されるユーザ識別情報のすべてが、関連ユーザのユーザ識別情報に含まれるか否かを判断する。閲覧先情報として入力されるユーザ識別情報のすべてが、関連ユーザのユーザ識別情報に含まれるならば、キーワードが閲覧先の全てのユーザに周知と判断するが、一人でも含まれなければ周知と判断しない。また、閲覧先情報として入力されるユーザ識別情報のうち関連ユーザのユーザ識別情報に含まれるユーザ識別情報の割合が所定の値以上ならば、キーワードが閲覧先の一部のユーザに周知なので、キーワードが周知と判断するようにしてもよい。
【0064】
判断部81は、閲覧先情報がグループ識別情報の場合、閲覧先情報として入力されるグループ識別情報が、関連ユーザ特定部69から入力されるグループ識別情に含まれるか否かを判断する。閲覧先情報として入力されるグループ識別情報が、関連ユーザ特定部69から入力されるグループ識別情に含まれるならば、キーワードが閲覧先のグループに周知と判断するが、関連ユーザ特定部69から入力されるグループ識別情に含まれていなければ周知と判断しない。判断部81は、キーワードが閲覧先に周知と判断する場合、キーワードが周知であることを示す信号を通知部55に出力するが、キーワードが閲覧先に周知と判断しない場合、非周知であることを示す信号を通知部55に出力する。
【0065】
通知部55は、判断部81からキーワードが周知であることを示す信号が入力される場合、キーワードが周知であることをユーザに通知する。具体的には、ユーザが操作部207から文字を入力し、文書を作成している場合は、キーワードが周知であることを示すメッセージを表示部206に表示する。例えば、「閲覧者は、この見出しの事項は周知です。」のメッセージを表示する。また、ユーザがPC400〜402のいずれかを操作し、文書を作成している場合は、キーワードが周知であることを示すメッセージを、PC400〜402のうちユーザが操作するものに送信する。これにより、PC400〜402のうちユーザが操作するものに、メッセージが表示される。キーワードが周知であることを示すメッセージを見るユーザは、文書の作成途中で、見出しを入力した後に、その見出しに関しては詳細を記述する必要がないことを知ることができる。
【0066】
<アクセス処理>
アクセス操作は、HDD205に新たな文書を記憶する処理の実行を指示する操作、HDD205に記憶されている文書93を出力する処理の実行を指示する操作、HDD205に記憶された文書93を変更または削除する処理の実行を指示する操作を含む。文書管理部67が、操作部207で受け付けるアクセス操作、またはPC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかから受信するアクセス操作は、アクセス操作を識別するための操作識別情報と、アクセス操作を入力したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、アクセス操作に基づく処理の対象となるHDD205に記憶された文書93を識別するための文書識別情報とを含む。文書を出力する処理は、文書を表示部206に表示する処理、文書をネットワークI/F204を介して電子メールまたはFTP等で送信する処理、文書をMFP100,100A,100Bのいずれかでプリントアウトする処理、プロジェクタなどに表示する処理、を含む。
【0067】
例えば、PC400にログインしたユーザが、PC400に、HDD205に記憶されている文書93を閲覧する操作を入力すれば、PC400は、ファイルサーバ200に文書93を閲覧することを示すアクセス操作を送信するので、ファイルサーバ200は、ネットワークI/F204でPC400が送信するアクセス操作を受信する。文書管理部67は、ネットワークI/F204からアクセス操作を受け付ける。この場合、PC400から受信するアクセス操作は、文書93の文書識別情報と、その文書93を閲覧する処理を指示する操作であることを示す操作識別情報と、PC400にログインしたユーザのユーザ識別情報と、を含む。また、MFP100にログインしたユーザが、MFP100に、HDD205に記憶されている文書93をプリントする操作を入力すれば、MFP100は、ファイルサーバ200に文書93をプリントするアクセス操作を送信するので、ファイルサーバ200は、ネットワークI/F204でMFP100が送信するアクセス操作を受信する。文書管理部67は、ネットワークI/F204からアクセス操作を受け付ける。この場合、MFP100から受信するアクセス操作は、文書93の文書識別情報と、その文書93をプリントする処理を指示する操作であることを示す操作識別情報と、MFP100にログインしたユーザのユーザ識別情報と、を含む。
【0068】
文書管理部67の指示操作受付部57は、操作部207にアクセス操作が入力される場合、操作部207からアクセス操作を受け付ける。また、指示操作受付部57は、PC400〜402、MFP100,100A,100Bのいずれかからアクセス操作を受信する場合、受信されたアクセス操作を受け付ける。指示操作受付部57は、アクセス操作に含まれる文書識別情報をキーワード抽出部51に出力する。
【0069】
また、指示操作受付部57は、アクセス操作に基づいて閲覧先情報を決定し、閲覧先情報を判断部81に出力する。アクセス操作がHDD205に記憶されている文書93を出力する処理の実行を指示する操作の場合、文書93の出力先を閲覧先情報に決定する。具体的には、指示操作受付部57は、アクセス操作に基づく出力処理が、文書を表示部206に表示する処理、または、文書をMFP100,100A,100Bのいずれかでプリントアウトする処理の場合、ログインユーザのユーザ識別情報を閲覧先情報に決定する。指示操作受付部57は、アクセス操作に基づく出力処理が、文書をネットワークI/F204を介して電子メールで送信する処理の場合、送信先の電子メールが割り当てられたユーザのユーザ識別情報を閲覧先情報に決定する。また、指示操作受付部57は、アクセス操作に基づく出力処理が、文書をネットワークI/F204を介してファイル転送する処理の場合、ファイルの転送先の記憶領域が割り当てられたユーザのユーザ識別情報を閲覧先情報に決定する。さらに、指示操作受付部57は、アクセス操作に基づく出力処理が、文書をプロジェクタに表示する処理の場合、会議の参加者のユーザ識別情報、または会議の参加者の所属する部署名を受け付け、それらを閲覧先情報に決定する。
【0070】
キーワード抽出部51は、指示操作受付部57から文書識別情報が入力されると、HDD205に記憶された文書93のうちから指示操作受付部57から入力される文書識別情報で特定される文書93を読出し、読み出された文書93に含まれる見出し部分をキーワードとして抽出する。読み出された文書93が複数の見出しを含む場合、複数の見出しそれぞれをキーワードとして抽出し、複数のキーワードを順にキーワード受付部63に出力する。また、キーワード抽出部51は、HDD205から読み出された文書93と、抽出されたキーワードを出力部59に出力する。
【0071】
キーワード受付部63、文書検索部65および関連ユーザ特定部69の動作は、文書作成処理の場合の動作と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
【0072】
判断部81は、指示操作受付部57から閲覧先情報が入力され、関連ユーザ特定部69から最大でM個のユーザ識別情報と、最大でN個のグループ識別情報が入力される。判断部81は、閲覧先情報がユーザ識別情報の場合、閲覧情報として入力されるユーザ識別情報のすべてが、関連ユーザのユーザ識別情報に含まれるか否かを判断する。閲覧先情報として入力されるユーザ識別情報のすべてが、関連ユーザのユーザ識別情報に含まれるならば、キーワードが閲覧先の全てのユーザに周知と判断するが、一人でも含まれなければ周知と判断しない。また、閲覧先情報として入力されるユーザ識別情報のうち関連ユーザのユーザ識別情報に含まれるユーザ識別情報の割合が所定の値以上ならば、キーワードが閲覧先の一部のユーザに周知なので、キーワードが周知と判断するようにしてもよい。
【0073】
判断部81は、閲覧先情報がグループ識別情報の場合、閲覧先情報として入力されるグループ識別情報が、関連ユーザ特定部69から入力されるグループ識別情に含まれるか否かを判断する。閲覧先情報として入力されるグループ識別情報が、関連ユーザ特定部69から入力されるグループ識別情に含まれるならば、キーワードが閲覧先のグループに周知と判断するが、関連ユーザ特定部69から入力されるグループ識別情に含まれていなければ周知と判断しない。判断部81は、キーワードが閲覧先に周知と判断する場合、キーワードが周知であることを示す信号を出力部59に出力するが、キーワードが閲覧先に周知と判断しない場合、非周知であることを示す信号を出力部59に出力する。
【0074】
出力部59は、キーワード抽出部51から文書93とキーワードが入力され、判断部81からキーワードが周知であるか否かを示す信号が入力される。出力部59は、判断部81からキーワードが周知であるか否かを示す信号に基づいて、文書93を改変し、改変された文書93をアクセス操作に基づき定まる出力先に出力する。具体的には、出力部59は、判断部81からキーワードが周知であることを示す信号が入力される場合、そのキーワードを見出しに含む部分のうち見出しを除く部分を、他の部分を表示形態を異ならせる。キーワードを見出しに含む部分とは、キーワードを含む見出しから次の見出しの前までの部分である。例えば、文書93が、第1章から第5章で構成される場合、章ごとに見出しが付されていれば、章ごとに付された見出しがキーワードに設定され、第1〜5章それぞれが、キーワードを含む部分である。
【0075】
表示形態を異ならせる具体例は、文書93からキーワードを見出しに含む部分のうち見出しを除く部分を削除したり、キーワードを見出しに含む部分を他の部分よりも明度を高くして、目立たないようにしたりする。また、表示サイズを小さくして、吹き出しで囲んで、コメント化したり、文書93から削除し、所定の操作によって表示されるようにしてもよい。周知と判断されたキーワードを見出しに含む部分は、閲覧先情報で特定されるユーザに対して周知である可能性が高いため、文書93中において、他の部分と表示形態を異ならせることにより、周知の部分の文書を読み飛ばすことができ、効率的に文書を読むことができる。特に、文書93から削除する場合には、文書の内容が簡潔になるとともに、閲覧先のユーザに対しては冗長とならないようにすることができる。
【0076】
出力部59は、文書93が複数の見出しを含む場合、複数の見出しごとにキーワードが周知であるか否かを示す信号が判断部81から入力される。このため、出力部59は、文書93に含まれる複数の部分それぞれを、キーワードが周知であるか否かを示す信号に基づいて、他の部分と表示形態を異ならせる。
【0077】
このため、閲覧先情報で特定され、文書93の出力先となるユーザは、自分に周知な事項の記載を省略した文書を閲覧することができる。また、1つの文書であっても、出力先となるユーザの知識レベルが異なれば、異なる表示形態で表示することができる。このため、閲覧者の知識レベルに合わせた内容に文書93を改変して出力することができる。
【0078】
図7は、文書作成処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。文書作成処理は、ファイルサーバ200が備えるCPU201が、ROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された文書管理プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0079】
ここでは、ユーザがファイルサーバ200にログインし、文書を作成する場合の処理を説明する。この場合のログインユーザは、操作部207を操作し、表示部206に表示される画面を見ながら文書を作成する。なお、PC400〜402のいずれかを操作して、ファイルサーバ200にログインするようにしてもよい。
【0080】
図7を参照して、CPU201は、閲覧ユーザを受け付けたか否かを判断する。閲覧先情報として、閲覧するユーザのユーザ識別情報を受け付けつけたか否かを判断する(ステップS01)。閲覧ユーザを受け付けるまで待機状態となり、閲覧ユーザを受け付けたならば処理をステップS02に進める。ステップS02においては、受け付けられた閲覧ユーザのユーザ識別情報を一時記憶する。
【0081】
次のステップS03においては、文字列を受け付けたか否かを判断する。ログインユーザが、操作部207に入力する文字列を受け付ける。次に、作成時キーワード抽出処理を実行する。
【0082】
図8は、作成時キーワード抽出処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8を参照して、見出し警告が設定されているか否かを判断する(ステップS21)。見出し警告は、予めユーザによってファイルサーバ200に設定される。見出し警告が設定されているならば処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS24に進める。
【0083】
ステップS22においては、ユーザによって入力された文字列が見出しか否かを判断する。入力された文字列が見出しに相当するならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理をステップS24に進める。見出し部分に相当するか否かは、ユーザが文字列を入力する際に見出しであることを指定するようにすればよい。ステップS23においては、見出し部分をキーワードに設定し、処理をステップS24に進める。
【0084】
ステップS24においては、ユーザがキーワードとなる文字列を指定したか否かを判断する。ユーザがキーワードとなる文字列を指定したならば処理をステップS25に進めるが、そうでなければ処理を文書作成処理に戻す。ステップS25においては、指定された文字列をキーワードに設定し、処理を文書作成処理に戻す。
【0085】
図7に戻って、ステップS05においては、キーワードが設定されたか否かを判断する。ステップS04における作成時キーワード抽出処理を実行した結果、キーワードが設定されたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS03に戻す。ステップS06においては、関連ユーザ検索処理を実行する。関連ユーザ検索処理の詳細は後述するが、キーワードが周知なユーザを関連ユーザに決定する処理である。ステップS07においては、ステップS01において受け付けられた閲覧ユーザがステップS06において検索された関連ユーザであるか否かを判断する。閲覧ユーザが関連ユーザならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS08においては、キーワードが周知であることを通知し、処理をステップS03に戻す。具体的には、「閲覧者は、この見出しの事項は周知です。」のメッセージを表示部206に表示する。一方ステップS09においてはキーワードが周知でないことを通知し処理をステップS03に戻す。
【0086】
図9は、関連ユーザ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。関連ユーザ検索処理は、図7のステップS06において実行される処理である。図9を参照して、キーワードでHDD205に記憶されている文書93を検索する(ステップS31)。HDD205に記憶されている文書93のうちからキーワードを含む文書93を抽出する。そして、HDD205に記憶されているアクセス履歴情報95のうちから、ステップS31において抽出された少なくとも1つの文書93それぞれに対応するアクセス履歴情報95のすべてを抽出する(ステップS32)。そして、ステップS31において抽出された少なくとも1つの文書93を、アクセス回数が多い順に並べ替える(ステップS33)。アクセス回数は、ステップS32において、文書に対して抽出されたアクセス履歴情報95の数である。
【0087】
次のステップS34においては、抽出された少なくとも1つの文書93のうちからアクセス回数が多い順に上位L個を選択文書として選択する。ここでLは、予め定められたしきい値である。抽出された少なくとも1つの文書93がL個以下ならば、抽出された少なくとも1つの文書93のすべてを選択文書として選択する。
【0088】
次のステップS35においては、最大でL個の選択文書それぞれに対応するアクセス履歴情報のすべてを対象として、アクセス履歴情報の数をユーザ別に集計することによりユーザ別アクセス回数を算出する。ユーザ別アクセス回数は、ユーザ識別情報ごとのアクセス回数である。アクセス履歴情報は、ユーザ識別情報を含むので、アクセス履歴情報を同じユーザ識別情報を含むユーザに分類し、ユーザ識別情報ごとにアクセス履歴情報の数をカウントすることによってユーザ別アクセス回数を算出する。
【0089】
次のステップS36においては、ステップS35において算出されたユーザ別アクセス回数が多い順にユーザ識別情報を並び換える。そして、ユーザ別アクセス回数が多い順に上位N個のユーザ識別情報を選択する(ステップS37)。そして、選択されたユーザ識別情報のユーザを関連ユーザに設定し(ステップS38)、処理を文書作成処理に戻す。最大でN人のユーザが関連ユーザに設定される。
【0090】
図10は、文書作成処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。図7に示した文書作成処理と異なる点は、ステップS01、S02、S06およびS07がそれぞれ、ステップS01A、S02A、S06AおよびS07Aに変更された点である。以下、図7に示した処置と異なる点を主に説明する。
【0091】
図10を参照して、CPU201は、閲覧グループを受け付けたか否かを判断する。閲覧先情報として、閲覧するユーザが所属する部署名を受け付けつけたか否かを判断する(ステップS01A)。閲覧グループを受け付けるまで待機状態となり、閲覧グループを受け付けたならば処理をステップS02Aに進める。ステップS02Aにおいては、受け付けられた閲覧グループのグループ識別情報を一時記憶する。
【0092】
ステップS06Aにおいては、関連グループ検索処理を実行する。関連グループ検索処理の詳細は後述するが、キーワードが周知なグループを関連グル−プとして検索する処理である。ステップS07Aにおいては、ステップS01Aにおいて受け付けられた閲覧グループがステップS06Aにおいて検索された関連グループであるか否かを判断する。閲覧グループが関連グループならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。
【0093】
図11は、関連グループ検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。関連グループ検索処理は、図10のステップS06Aにおいて実行される処理である。図11を参照して、図9に示した関連ユーザ検索処理と異なる点は、ステップS35とステップS36との間にステップS41およびステップS42が挿入された点、ステップS36〜S38が、ステップS36A〜ステップS38Aに変更された点である。その他の処理は図9に示した処理を同じなのでここでは説明を繰り返さない。
【0094】
ステップS35において、ユーザ別アクセス回数を集計した後、ステップS41において、HDD205に記憶されているユーザデータ97を読み出す。そして、読み出されたユーザデータ97を参照して、ユーザ識別情報のユーザが分類されているグループのグループ識別情報を特定する。
【0095】
そして、次のステップS42においては、ユーザ別アクセス回数のすべてを対象として、グループ別に集計し、グループ別アクセス回数を算出する。グループ識別情報が同じユーザ識別情報を同じグループに分類し、グループ別アクセス回数を算出する。
【0096】
次のステップS36Aにおいては、ステップS42において算出されたグループ別アクセス回数が多い順にグループ識別情報を並び換える。そして、グループ別アクセス回数が多い順に上位M個のユーザ識別情報を選択する(ステップS37A)。そして、選択されたグループ識別情報のグループを関連グループに設定し(ステップS38A)、処理を文書作成処理に戻す。
【0097】
図12は、文書閲覧処理の流れの一例を示すフローチャートである。文書閲覧処理は、ファイルサーバ200が備えるCPU201が、ROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された文書管理プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0098】
図12を参照して、CPU201は、閲覧操作を受け付けたか否かを判断する。HDD205に記憶されている文書93のいずれかを閲覧するアクセス操作を受け付けたならば、閲覧操作受け付けたと判断する。閲覧操作を受け付けるまで待機状態となり(ステップS51でNO)、閲覧操作を受け付けたならば(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。ステップS52においては、閲覧操作をした操作ユーザを特定する。ここでは、ファイルサーバ200にログインしたユーザを操作ユーザとして特定する。
【0099】
次のステップS53においては、ステップS51において受け付けられた閲覧操作により定まる文書をHDD205に記憶された文書93のうちから読み出す。次のステップS54においては、文書から見出しを抽出する。文書が複数の見出しを含む場合には、複数の見出しのすべてを抽出する。次のステップS55においては、複数の見出しのうちから1つを処理対象に選択する。
【0100】
そして、処理対象に選択された見出しをキーワードに設定する(ステップS56)。次のステップS57においては関連ユーザ検索処理を実行する。ステップS56において設定されたキーワードに基づいて、図9に示した関連ユーザ検索処理を実行する。次のステップS58においては、ステップS52において特定された操作ユーザが関連ユーザか否かを判断する。操作ユーザが関連ユーザならば処理をステップS59に進めるが、そうでなければステップS59をスキップして処理をステップS60に進める。
【0101】
ステップS59においては、ステップS55において処理対象に選択された見出しを含む見出し部分を変更する。見出し部分は、見出しで始まり、次の見出しの前で終わる部分である。見出し部分の表示態様を他の部分の表示態様と異なるように変更する。具体的には、見出し部分の見出しを除く部分を文書から削除したり、明度を高くしたりする。ステップS60においては、ステップS54において抽出された見出しのうちステップS55において未だ処理対象に設定されていない見出しが存在するか否かを判断する。
【0102】
未処理の見出しが存在するならば処理をステップS55に戻すが、そうでなければ処理をステップS61に進める。ステップS61においては、見出し部分が変更された文書を表示部206に表示する。
【0103】
図13は、文書送信処理の流れの一例を示すフローチャートである。文書送信処理は、ファイルサーバ200が備えるCPU201が、ROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶された文書管理プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0104】
図13を参照して、図12に示した文書閲覧処理と異なる点は、ステップS51、S52およびS58が、ステップS51A、S52AおよびS58Aに変更された点である。その他の処理は同じなので、ここでは異なる処理を説明する。図13を参照して、CPU201は、送信操作を受け付けたか否かを判断する。HDD205に記憶されている文書93のいずれかを電子メールで送信するアクセス操作を受け付けたならば、送信操作受け付けたと判断する。送信操作を受け付けるまで待機状態となり(ステップS51AでNO)、送信操作を受け付けたならば(ステップS51AでYES)、処理をステップS52Aに進める。ステップS52Aにおいては、送信先のユーザを特定する。ここでは、送信操作によって電子メールの送信先に設定された電子メールアドレスが割り当てられたユーザを送信先のユーザに特定する。
【0105】
ステップS58Aにおいては、ステップS52Aにおいて送信先のユーザに特定された送信先ユーザが関連ユーザか否かを判断する。送信先ユーザが関連ユーザならば処理をステップS59に進めるが、そうでなければステップS59をスキップして処理をステップS60に進める。
【0106】
なお、ここでは、文書を出力する処理の一例として、文書閲覧処理および文書送信処理を示したが、プロジェクタに出力する処理、MFP400〜402にプリントする処理についても、会議の参加者またはプリントを閲覧するユーザを閲覧先のユーザとして指定するようにすれば、閲覧先のユーザに周知名部分を、他の部分と異なる形態、例えば、文書から削除したりコメント化したりするようにして、文書を出力することができる。
【0107】
このため、送信先ユーザが受信する電子メールで送信される文書は、送信先ユーザが周知の部分が他の部分と表示態様が異なる文書に変更される。このため、送信先ユーザは、効率的に文書を閲覧することができる。
【0108】
以上説明したように本実施の形態におけるファイルサーバ200は、文書作成処理を実行する際に、見出しとして入力された文字列をキーワードに設定し、HDD205に記憶された文書93のうちからキーワードを含む1以上の文書を抽出し、抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報の数の多いユーザを関連ユーザに特定し、閲覧者として指定されたユーザが関連ユーザに含まれていれば、キーワードが閲覧者に周知であると判断する。このため、見出しが閲覧者に周知か否かを作成者に通知するので、作成者が詳細に記述するべきか否かを判断するための情報を通知することができる。このため、作成者が、閲覧者に対して必要な情報を含む文書を作成するのが容易になる。
【0109】
また、ファイルサーバ200は、文書閲覧処理を実行する際に、閲覧の対象となる文書の見出しをキーワードに設定し、HDD205に記憶された文書93のうちからキーワードを含む1以上の文書を抽出し、抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報の数の多いユーザを関連ユーザに特定し、文書の閲覧者が関連ユーザに含まれていれば、見出しを含む部分が文書の閲覧者に周知であると判断する。さらに、見出しを含む部分が文書の閲覧者に周知であると判断した場合に、周知と判断された見出しを含む部分を他の部分と形態を異ならせて表示する。このため、文書の閲覧者は、文書の閲覧時に周知な部分と周知でない部分とを区別することができる。特に、周知な部分を削除またはコメント化して表示または送信する場合には、周知な部分が表示されないので、効率的に文書を閲覧することができる。
【0110】
また、ファイルサーバ200は、文書送信処理を実行する際に、送信の対象となる文書の見出しをキーワードに設定し、HDD205に記憶された文書93のうちからキーワードを含む1以上の文書を抽出し、抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報の数の多いユーザを関連ユーザに特定し、文書の送信先のユーザが関連ユーザに含まれていれば、見出しを含む部分が文書の送信先のユーザに周知であると判断する。さらに、見出しを含む部分が文書の送信先のユーザに周知であると判断した場合に、周知と判断された見出しを含む部分を他の部分と形態を異ならせて表示または送信する。このため、文書を受信するユーザは、受信した文書の閲覧時に周知な部分と周知でない部分とを区別することができる。特に、周知な部分を削除またはコメント化して表示または送信する場合には、周知な部分が表示されないので、効率的に文書を閲覧することができる。また、送信先のユーザが複数の場合、周知な部分と周知でない部分とは、複数のユーザによって異なる場合がある。この場合には、複数のユーザごとに周知な部分と周知でない部分とが区別される。このため、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の形態の文書がそれぞれ送信される。
【0111】
なお、上述した実施の形態においては、文書管理システム1について説明したが、図7〜図13に示した処理をファイルサーバ200に実行させる文書管理方法および文書管理プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0112】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0113】
<付記>
(1) 前記関連ユーザ特定手段は、前記抽出された少なくとも1つの文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数が多い順に1以上を選択する文書選択手段と、
前記選択された1以上の文書それぞれに関連付けられたアクセス履歴情報の数を、該アクセス履歴情報に含まれるユーザ識別情報別に集計し、ユーザ別に集計されたアクセス履歴情報の数をユーザ別アクセス回数に決定するユーザ別アクセス回数集計手段と、
前記決定されたユーザ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する、請求項1〜5のいずれかに記載の情報検索装置。
(2) 前記関連ユーザ特定手段は、複数のユーザを少なくとも1つのグループに分類した分類テーブルを用いて、前記ユーザ別に算出されたユーザ別アクセス回数をグループごとに集計し、グループ別アクセス回数を算出するグループ集計手段をさらに含み、
前記算出されたグループ別アクセス回数に基づいて関連ユーザを特定する、(1)に記載の情報検索装置。
【符号の説明】
【0114】
1 文書管理システム、3 ネットワーク、9 操作パネル、10 ADF、20 画像読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 後処理部、51 キーワード抽出部、53 閲覧先情報受付部、55 通知部、57 指示操作受付部、59 出力部、63 キーワード受付部、65 文書検索部、67 文書管理部、69 関連ユーザ特定部、73 文書選択部、75 ユーザ別アクセス回数集計部、79 グループ集計部、81 判断部、93 文書、95 アクセス履歴情報、97 ユーザデータ、100,100A,100B MFP、101 メイン回路、111 CPU、112 RAM、113 ROM、114 表示部、115 操作部、116 HDD、117 データ通信制御部、119A メモリカード、122 ファクシミリ部、123 通信制御部、200 ファイルサーバ、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 バス、209 外部記憶装置、209A CD−ROM、300 認証サーバ。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を前記アクセスされた文書に関連付けて記憶するアクセス履歴記憶手段と、
処理対象文書の閲覧先に関する閲覧先情報を受け付ける閲覧先情報受付手段と、
前記処理対象文書からキーワードを抽出するキーワード抽出手段と、
予め記憶された文書のうちから前記抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために前記記憶された文書を検索する文書検索手段と、
前記文書検索手段による検索によって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、前記受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定する関連ユーザ特定手段と、
前記特定された関連ユーザと前記受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、前記キーワードが閲覧先に周知か否かを判断する判断手段と、を備えた文書管理装置。
【請求項2】
文書を作成し、記憶する文書作成手段と、
前記判断手段により周知と判断されることに応じて、キーワードが周知であることを通知する通知手段と、をさらに備え、
前記キーワード抽出手段は、前記文書作成手段によって、文書の作成中に、文書を構成する文字列として決定された文字列から所定の条件に適合する文字列をキーワードとして抽出する、請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記判断手段により周知と判断される場合、前記文書に含まれる複数の部分のうち前記キーワードが抽出された部分を、他の部分と異なる形態で出力する出力手段を、さらに備えた請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記出力手段が出力する対象となる文書を指定する指定操作を受け付ける指定受付手段を、さらに備え、
前記閲覧先情報受付手段は、前記指定操作をしたユーザを特定するユーザ特定手段を含む、請求項3に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記閲覧情報受付手段は、前記文書の送信先を受け付ける送信先受付手段を、含む、請求項3に記載の文書管理装置。
【請求項6】
予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を前記アクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、
処理対象文書の閲覧先に関する閲覧先情報を受け付けるステップと、
前記処理対象文書からキーワードを抽出するステップと、
予め記憶された文書のうちから前記抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために前記記憶された文書を検索するステップと、
前記文書を検索するステップにおいて文書を検索することによって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、前記受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、
前記特定された関連ユーザと前記受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、前記キーワードが閲覧先に周知か否かを判断するステップと、を含む文書管理方法。
【請求項7】
予め記憶された文書がアクセスされることに応じて、アクセス主体を識別するためのユーザ識別情報を含むアクセス履歴情報を前記アクセスされた文書に関連付けて記憶するステップと、
処理対象文書の閲覧先に関する閲覧先情報を受け付けるステップと、
前記処理対象文書からキーワードを抽出するステップと、
予め記憶された文書のうちから前記抽出されたキーワードを含む1以上の文書を抽出するために前記記憶された文書を検索するステップと、
前記文書を検索するステップにおいて文書を検索することによって抽出された1以上の文書に関連付けられたアクセス履歴情報に基づいて、前記受け付けられたキーワードに関連する関連ユーザを特定するステップと、
前記特定された関連ユーザと前記受け付けられた閲覧者情報とに基づいて、前記キーワードが閲覧先に周知か否かを判断するステップと、をコンピュータを実行させる文書管理プログラム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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