文書管理装置及びプログラム
【課題】紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係をより的確にとることを可能にする文書管理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】端末装置から電子文書IDが「Fdoc1」の電子文書について複数部数の印刷指示が行われたときには、文書サーバにその指示が送信される(S201)。文書サーバがその指示を受け取ると、ID管理モジュールは、指示があった部数の同じ数のストローク連動文書IDを生成し(S202)、データベース管理システムは、テーブルに書き込んで格納する(S203)。文書サーバの印刷管理モジュールは、紙文書ID、ページサイズから重畳する符号画像を生成し、その後、印刷用文書に合成して画像形成装置により印刷出力が行われる(S204)。
【解決手段】端末装置から電子文書IDが「Fdoc1」の電子文書について複数部数の印刷指示が行われたときには、文書サーバにその指示が送信される(S201)。文書サーバがその指示を受け取ると、ID管理モジュールは、指示があった部数の同じ数のストローク連動文書IDを生成し(S202)、データベース管理システムは、テーブルに書き込んで格納する(S203)。文書サーバの印刷管理モジュールは、紙文書ID、ページサイズから重畳する符号画像を生成し、その後、印刷用文書に合成して画像形成装置により印刷出力が行われる(S204)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、位置コードが印刷されている媒体から位置コードを読み取ってペンの移動軌跡データを生成する複数の電子ペンから受け取った移動軌跡データ及び当該電子ペンの識別情報を格納する手段と、前記格納手段から移動軌跡データを読出し、特定の電子ペンから入力された移動軌跡データを抽出して表示する手段と、を備え、1つの紙に複数のペンで情報が記載される場合等にそれらの情報を識別する情報処理装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−308169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電子文書をオンデマンドで座標情報を重畳して印刷した紙文書に対してデジタルペンによって紙文書に対する操作処理をデジタル化できるシステムにおいて、例えば、内容が同じ紙文書の各々に異なる人がデジタルペンで書き入れる場合に、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係がとれなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係をより的確にとることが可能な文書管理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付手段と、前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成手段と、前記電子文書の電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持手段と、を含む文書管理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記受付手段により受け付けられた指示に応じて、前記保持手段に保持されている関連情報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置である。
請求項3に記載の発明は、媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成手段を更に含み、前記保持手段は、前記筆記識別情報を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項2に記載の文書管理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記筆記識別情報生成手段は、前記受付手段により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項3に記載の文書管理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記受付手段が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信手段により送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の文書管理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段を更に含み、前記保持手段は、前記合成画像作成手段により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の文書管理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記受付手段により印刷指示が受け付けられた電子文書の画像と取得したコード情報を印刷用に変換して得たコード画像とを合成した合成画像を前記送信手段により送信し、前記コード情報は、印刷される媒体を一意に特定するための情報と当該媒体内のアドレス情報を含むことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の文書管理装置である。
【0007】
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付機能と、前記受付機能による印刷指示の受け付けにより前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成機能と、印刷指示された前記電子文書に対応する電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項9に記載の発明は、媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成機能を更に実現させ、前記保持機能は、前記筆記識別情報生成機能を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項8に記載のプログラムである。
請求項10に記載の発明は、前記筆記識別情報生成機能は、前記受付機能により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項9に記載のプログラムである。
請求項11に記載の発明は、前記受付機能により受け付けられた指示に応じて、前記保持機能に保持されている関連情報を送信する送信機能を更に実現させ、前記受付機能が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持機能により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信機能により送信する請求項9又は10に記載のプログラムである。
請求項12に記載の発明は、前記保持機能により保持される前記関連情報により前記媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成機能を更に含み、前記保持機能は、前記合成画像作成機能により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1によれば、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係を従来よりも的確にとることが可能になる。
請求項2によれば、保持手段に保持される電子文書に関連する関連情報を送信することが可能になる。
請求項3によれば、筆記識別情報の関連情報を保持することが可能になる。
請求項4によれば、印刷された複数部数の各々に筆記された情報を個別に管理することが可能になる。
請求項5によれば、複数部数印刷された各々の紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報とを矛盾なく反映させることが可能になる。
請求項6によれば、合成画像の関連情報を保持することが可能になる。
請求項7によれば、印刷紙を一意に特定するための情報と媒体内のアドレス情報とを備えたコード画像を印刷することが可能になる。
請求項8によれば、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係を従来よりも的確にとることが可能になる。
請求項9によれば、筆記識別情報の関連情報を保持することが可能になる。
請求項10によれば、印刷された複数部数の各々に筆記された情報を個別に管理することが可能になる。
請求項11によれば、複数部数印刷された各々の紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報とを矛盾なく反映させることが可能になる。
請求項12によれば、合成画像の関連情報を保持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本実施の形態におけるコンピュータシステムの全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態のコンピュータシステムの構成例を示す図である。
同図に示すコンピュータシステムは、紙文書作成機能及び紙文書操作機能を提供する紙文書管理システムである。この紙文書作成機能とは、出力紙文書へ情報を付加し、かつ、付加された情報を紙文書と関連付けるものをいう。また、紙文書操作機能とは、出力された紙文書に付加されたコード情報の読み取りを行い、紙文書作成機能で付加された情報へのアクセスと紙文書に対して付加された情報の保持をするものをいう。
これらの機能を実現するために、本実施の形態のコンピュータシステムは、端末装置10、文書サーバ(文書管理装置)20、画像形成装置40及び端末装置50がネットワーク80に接続されて構成されている。また、本実施の形態のコンピュータシステムでは、端末装置50にペンデバイスとしてのデジタルペン60が通信装置70を介して接続されている。なお、端末装置10と端末装置50は同一の端末であっても構わない。
【0010】
端末装置10は、電子文書と関連付けられるテンプレートを定義して文書サーバ20に送信するコンピュータ装置である。このテンプレートは、後述するように、ページ単位で文書との関係付けがなされる。また、端末装置10は、文書サーバ20に対して電子文書の印刷を要求するものである。
付言すると、端末装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。なお、この電子文書を端末文書10で生成する形態のほか、予め文書サーバ20に記憶しておき、テンプレート定義時に端末装置10から文書サーバ20を取得する形態も考えられる。
【0011】
ここで、テンプレートとは、ページ単位で定義されたフィールド(矩形領域)の集合をいい、他のテンプレートとの識別のためのテンプレートIDやフィールドごとに付されるフィールドID等を有する。端末装置10での通常のテンプレート定義について説明すると、UI部13(図2参照)の画面上にテンプレート定義用文書の該当ページを表示し、定義対象とするテンプレートの生成を行う。テンプレートが新規の場合には、サイズの指定(例えば、A4縦やA4横など)を行う。また、テンプレートが既存の場合には、文書サーバ20に対して検索を指示し、選択指定する。その上で、フィールドの作成(矩形領域の指定)をし、各フィールドと属性値の設定を行う。これらの設定内容は、文書サーバ20にて例えばテーブル構成で管理される。
【0012】
文書サーバ20は、電子文書を記憶し管理するコンピュータ装置であり、また、媒体に付与する識別情報を発行するコンピュータ装置である。更に説明すると、文書サーバ20は、端末装置10から電子文書の印刷要求がなされると、まず識別情報を生成し、識別情報及び位置情報を表す符号画像(図6参照)を生成する。その後、文書サーバ20は、電子文書の画像と符号画像(コード画像)とを互いに合成して媒体に印刷する印刷命令を画像形成装置40に対して出力する。そして、文書サーバ20は、識別情報を、その識別情報が付与される媒体に印刷される電子文書と関連付けて記憶する。この場合、識別情報とは、媒体を一意に特定するための情報をいい、位置情報とは、媒体上の座標位置を特定するための情報をいう。ここで、文書サーバ20としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。
【0013】
画像形成装置40は、媒体に画像を印刷し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置40は、単体のプリンタや印刷機であってもよいし、他にスキャナや通信の機能を備えた所謂複合機であってもよい。ここで、画像形成装置40における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式を用いるとよいが、その他の方式を用いてもよい。
【0014】
端末装置50は、印刷文書に対する筆記を電子化した情報(以下、「筆跡情報」ないし「ストローク情報」という)を、印刷文書に記録された画像の元となる電子文書に反映させるために文書サーバ20に送信するコンピュータ装置である。その際に、端末装置50は、印刷文書に対応するテンプレートについての各フィールドの情報を文書サーバ20から取得する。なお、筆跡情報を反映する対象の電子文書をUI部53(図5参照)に表示し、その上に筆跡情報を重ねて表示するようにしてもよい。ここで、端末装置50としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。付言すると、本実施の形態では、筆記の内容を電子化した筆記情報の一例として、筆跡情報を用いている。また、筆跡情報を主に手書き情報として説明するが、これに限らず、例えば、建築や機械等の図面データを出力する装置であるプロッタ等によって機械的に描画された情報であってもよい。
【0015】
デジタルペン60は、電子筆記具の一例であり、印刷文書上に文字又は図形を筆記するために用いられるペンデバイスである。また、媒体に印刷された符号画像を読み取る撮像素子を備える。そして、撮像素子で読み取った符号画像から位置情報を検出し、筆記した文字又は図形をストローク化(始点と終点のある座標列を1ストロークとする)した筆跡情報をこの位置情報に基づいて生成し記憶する。デジタルペン60の具体的な構成については後述する。
【0016】
通信装置70は、デジタルペン60から筆跡情報を取得して端末装置50に送信する装置である。例えば、デジタルペン60を差し込む差込口を設け、この差込口にデジタルペン60が差し込まれると、デジタルペン60に記憶された筆跡情報を端末装置50に送信するようにするとよい。ここで、端末装置50との間の通信の方式としては、USB(Universal Serial Bus)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信機能等、種々の方式が考えられる。また、図では、通信装置70をデジタルペン60と別体のものとして示しているが、必ずしも別体である必要はなく、一体に構成してもよい。
【0017】
なお、本明細書では、媒体に記録する画像の元となる電子データを「電子文書」と表記するが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、データベース管理ソフトウェアや表計算ソフトウェアで記録されるデータ、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
また、本明細書において、「媒体」としては、画像を印刷可能な媒体であれば、その材質を問わない。その代表例は紙であるが、OHPシートや金属板等であっても構わない。
更に、本明細書では、電子文書、媒体、更にはデジタルペン60やユーザについて、それぞれを一意に識別するための識別情報を用いて処理を行うが、単に「識別情報」というときは、このうち、媒体の識別情報を意味するものとする。すなわち、本実施の形態では、媒体に固有に付与される媒体識別情報の一例として、この識別情報を用いる。また、この識別情報の一例として、媒体へのプリントを行う画像形成装置40の機械番号と画像形成装置40におけるプリントカウントの値とを結合したものを用いることも考えられる。
【0018】
図2は、端末装置10の機能構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、端末装置10は、端末装置10上でのテンプレートを管理するためのテンプレート管理モジュール11と、端末装置10上での電子文書を管理するための電子文書管理モジュール12と、各種の画像を表示するUI部13と、文書サーバ20との間で各種の情報を送受信する送受信部14と、を有する。
【0019】
テンプレート管理モジュール11は、端末装置10上でのテンプレートの定義、登録、削除、検索及び編集ないし更新の機能を提供すると共に、電子文書とテンプレートとを互いに関連付ける機能を提供する。
【0020】
電子文書管理モジュール12は、紙文書へ出力するための電子文書に対する情報を管理する機能を提供する。すなわち、電子文書管理モジュール12は、端末装置10上での電子文書の登録、削除、検索及び編集ないし更新の機能を提供する。ここにいう電子文書には、テンプレート定義と関連付けが行われるフォーム文書と、フォーム文書から派生し、電子的な編集を行うためのフィールド編集可能文書と、フィールド編集可能文書から派生し、印刷処理時の状態を保つためのスナップショット文書と、スナップショット文書の印刷時に派生し、紙文書と一対一の関係を保つためのストローク連動文書と、が含まれる。なお、これらフォーム文書、フィールド編集可能文書、スナップショット文書及びストローク連動文書は、後述するように、それぞれ電子文書ID(電子文書識別情報)が付与されて管理される。
【0021】
図3は、文書サーバ20の機能構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、文書サーバ20は、文書サーバ20でのテンプレートを管理するテンプレート管理モジュール21と、文書サーバ20での電子文書を管理するための電子文書管理モジュール(合成画像作成手段)22と、文書サーバ20での紙文書を管理するための紙文書管理モジュール23と、を有する。また、文書サーバ20は、電子文書への印刷処理を行い、紙文書に識別情報を付加して印刷する処理を行う印刷管理モジュール24と、電子文書用のID及び紙文書用のIDの生成と管理を行うID管理モジュール(媒体識別情報生成手段、筆記識別情報生成手段)25と、端末装置10,50との間で各種の情報を送受信する送受信部(受付手段、送信手段)26と、を有する。また、文書サーバ20は、各種のテーブルを管理するデータベース管理システム(保持手段)27と、を有する。
【0022】
紙文書管理モジュール23は、印刷出力された紙文書を管理すると共に、紙文書に追加された情報を管理する機能を提供する。すなわち、紙文書管理モジュール23は、電子文書の印刷時に紙文書との対応付けを行い、かつ、紙文書と電子文書との対応付け管理を行う。また、紙文書管理モジュール23は、紙文書の利用時に電子文書の検索、紙文書関連情報の取得及び登録を行い、また、紙文書に対して行われた処理のデータ管理(追記データの管理)を行う。
印刷管理モジュール24は、印刷対象プリンタを管理すると共に、指定されたプリンタに対する印刷処理を実行する。
【0023】
ここで、文書サーバ20のデータベース管理システム27が有するテーブル構成を説明する。図4は、データベース管理システム27が有するテーブル構成例を示す図である。なお、図4に示すテーブル構成例は、その一例を示すものであり、他の項目を含むように構成することも考えられる。
データベース管理システム27は、同図の(a)〜(j)に示すテーブルT01〜T10を有する。すなわち、同図の(a)に示すテーブルT01は、テンプレート・フィールド管理テーブル(テンプレートフィールド)であり、テンプレートID、フィールドID、名前、左上座標、右下座標、機能(タイプ)、共通オブジェクトタイプ及び共通オブジェクト内容という項目を含む。ここにいう機能としては、例えば追記やリンク、メール、表示等であり、フィールドのデータをアプリケーションがどのように利用するかを特定し、また、左上座標及び右下座標により領域が画定される。また、共通オブジェクトタイプにON又はOFFが書き込まれと、ONの場合には、そのフィールドIDについては共通のアクション等が設定され、OFFの場合には、そのフィールドIDについては印刷文書ごとのアクション等が設定されることになる。同図の(b)に示すテーブルT02は、テンプレート・電子文書管理テーブル(ドキュメントページ管理)であり、電子文書ID、ページNo、テンプレートID、フォーム文書ID及びフォーム文書ページNoという項目を含む。同図の(c)に示すテーブルT03は、テーブルT04の共通オブジェクトタイプがOFFのときに印刷文書ごとのアクション等を設定するためのフィールド・電子文書データ管理テーブル(流し込みフィールド)であり、電子文書ID、ページNo、フィールドID、オブジェクトタイプ、オブジェクトデータ、表示タイプ及び表示内容という項目を含む。オブジェクトタイプは、紙文書のこの領域から起動するアプリケーションを特定するための情報として用いる。
【0024】
また、同図の(d)に示すテーブルT04は、編集用・紙・フィールドデータテーブル
(ストローク情報)であり、電子文書ID、ページNo、フィールドID、ストローク情報及び文字認識結果という項目を含む。同図の(e)に示すテーブルT05は、紙・電子文書管理テーブル(紙印刷情報)であり、媒体識別情報としての紙文書ID、電子文書ID、ページNo、筆記識別情報としてのストローク連動文書ID及びストローク連動ページNoという項目を含む。同図の(f)に示すテーブルT06は、紙・フィールドデータテーブル(ストローク情報)であり、紙文書ID、フィールドID、ストローク情報及び文字認識結果という項目を含む。
【0025】
また、同図の(g)に示すテーブルT07は、チェックボックス管理テーブルであり、紙文書ID、フィールドID及び判定結果という項目を含む。同図の(h)に示すテーブルT08は、テンプレート管理テーブルであり、テンプレートID、名前、幅、高さ及び更新日時という項目を含む。同図の(i)に示すテーブルT09は、電子文書ファイル管理テーブルであり、電子文書ID、ファイル名、パス名、文書タイプ及び更新日時という項目を含む。同図の(j)に示すテーブルT10は、電子文書派生管理テーブルであり、電子文書ID、ページNo、派生文書ID、派生文書ページNo及び更新日時という項目を含む。なお、ここにいう派生文書としては、例えば、フォーム文書から派生し、電子的な編集を行うための文書であるフィールド編集可能文書や、フィールド編集可能文書から派生し、印刷処理時の状態を保つための文書であるスナップショット文書があり、また、スナップショット文書の印刷時に派生し、紙文書と一対一の関係を保つための文書であるストローク連動文書もある。
【0026】
図5は、端末装置50の機能構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、端末装置50は、端末装置50上でのテンプレートを管理するためのテンプレート管理モジュール51と、端末装置10上での電子文書を管理するための電子文書管理モジュール52と、各種の画像を表示するUI53部と、文書サーバ20との間で各種の情報を送受信する送受信部54と、デジタルペン60を管理するペンデバイス管理モジュール55と、を有する。テンプレート管理モジュール51は、端末装置10のテンプレート管理モジュール11に相当するものであり、電子文書管理モジュール52は、端末装置10の電子文書管理モジュール12に相当するものである。
【0027】
次に、本実施の形態で用いられる符号画像について説明する。
図6は、符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。
まず、符号画像を構成する単位パターンについて説明する。
図6の(a)は、単位パターンの一例を示したものである。
単位パターンとは、情報埋め込みの最小単位である。図では、黒塗りの領域と斜線の領域をドット配置可能な領域とし、その間にある白色の領域をドット配置不可能な領域としている。そして、ドット配置可能な領域のうち、黒塗りの領域にドットが配置され、斜線の領域にはドットが配置されていないことを示している。即ち、図は、ドットを配置可能な9箇所の中から選択した2箇所にドットを配置することで単位パターンを構成した例を示したものである。ここで、9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは36(=9C2)通りなので、単位パターンは、36種類存在する。このうち、4種類の単位パターンは、同期パターンとして使用される。同期パターンとは、画像の回転を検出したり、識別符号及び位置符号の相対的な位置を特定したりするためのパターンである。特に、画像の回転を検出する必要があることから、4種類の同期パターンとしては、そのうちの1つの同期パターンを90度回転するとそのうちの別の同期パターンになるようなものが選ばれる。また、この4種類の単位パターンを除く32種類の単位パターンは、識別符号及び位置符号を表現する情報パターンとして使用され、5ビットの情報が表現される。
【0028】
ところで、図6の(a)に示したドットは、あくまで情報表現のためのドットであり、画像を構成する最小の点を意味するドットとは必ずしも一致しない。本実施の形態において、情報表現のためのドット(図6の(a)の最小の四角)は、600dpiにおける2ドット×2ドットの大きさを有している。600dpiにおける1ドットの大きさは0.0423mmなので、情報表現のためのドット(図6の(a)の最小の四角)の一辺は、84.6μm(=0.0423mm×2)である。情報表現のためのドットは、大きくなればなるほど目に付きやすくなるため、できるだけ小さいほうが好ましい。ところが、あまり小さくすると、プリンタで印刷できなくなってしまう。そこで、情報表現のためのドットの大きさとして、50μmより大きく100μmより小さい上記の値を採用している。ただし、上記の値84.6μmは、あくまで計算上の数値であり、実際に印刷されたトナー像では100μm程度になる。尚、本明細書で「ドット」というときは、特に明示しない限り、画像を構成する最小の点を意味するドットではなく、情報表現のためのドットを指すものとする。
【0029】
次に、このような単位パターンから構成される符号ブロックについて説明する。
図6の(b)に、符号ブロックのレイアウトの一例を示す。なお、ここでは、画像ではなく、パターン画像によって置き換えられる直前の符号配列で示している。すなわち、図6の(b)の最小の四角(以下、「単位ブロック」という)に、図6の(a)のような単位パターン(36通りの単位パターンのいずれか)が配置され、その画像が媒体に形成されることになる。
図6の(b)のレイアウトでは、符号ブロックの左上の1つの単位ブロックに、同期符号が配置されている。また、同期符号が配置された単位ブロックの右側の4つの単位ブロックにX位置符号が配置され、同期符号が配置された単位ブロックの下側の4つの単位ブロックにY位置符号が配置されている。更に、これらの位置符号が配置された単位ブロックに囲まれた16(=4×4)個の単位ブロックに識別符号が配置されている。
【0030】
ここで、識別情報の符号化について述べる。
識別情報を符号化する場合、識別情報を構成するビット列は、RS符号化を行うために複数のブロックに分割される。符号化には、いくつかの方法があるが、本実施の形態では、RS符号化が適している。RS符号は多値の符号法であり、この場合、単位ブロックで表現される値がRS符号の多値に対応するからである。例えば、1つの単位ブロックで5ビットの情報を表現する場合、60ビットの識別情報は、ブロック長が5ビットの12個のブロックに分割される。そして、2ブロックの誤りを訂正可能なRS符号を採用したとすると、符号長は16ブロックとなり、図6の(b)の符号ブロックにおける識別符号が配置される単位ブロックに収まることになる。なお、符号化方式はRS符号に限定するものでなく、その他の符号化方式、例えば、BCH符号等を使用してもよい。
【0031】
次に、位置情報の符号化について述べる。
位置情報の符号化には、擬似乱数系列の一種であるM系列符号が使用される。ここで、M系列とは、ある長さのシフトレジスタとフィードバックによって生成される符号系列のうち、その周期が最長になる系列をいう。Kをシフトレジスタの段数とすると、M系列の系列長は2K−1となる。このM系列から取り出した任意の連続したKビットは、同じM系列中の他の位置に現れない性質を持つ。そこで、この性質を利用して位置情報を符号化する。
ところで、本実施の形態では、符号化すべき位置情報の長さから、必要なM系列の次数を求め、M系列を生成している。しかしながら、符号化する位置情報の長さが予め分かっている場合は、M系列を毎回生成する必要はない。即ち、固定のM系列を予め生成しておき、それをメモリ等に格納しておけばよい。
例えば、系列長8191のM系列(K=13)を使用したとする。この場合、位置符号も5ビット単位で埋め込むため、系列長8191のM系列から5ビットずつ取り出してブロック化する。
【0032】
なお、本明細書では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いている。しかしながら、広範な位置情報を用意しておき、媒体ごとに異なる範囲から位置情報を切り出して埋め込み、位置情報の違いによって媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法においては、媒体を識別する機能が位置情報に備わっているものと見て、位置情報を識別情報としても考えるものとする。
【0033】
図7は、デジタルペン60の構成例を示した図である。
同図に示すように、デジタルペン60は、ペン全体の動作を制御する制御回路61を備える。この制御回路61は、読み取った符号画像を処理する画像処理部61aと、そこでの処理結果から識別情報及び位置情報を抽出するデータ処理部61bと、を含む。
また、制御回路61には、デジタルペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62が接続されている。更に、媒体上に赤外光を照射する赤外LED63と、反射光を検知することによって符号画像を読み取る赤外CMOS64も接続されている。更にまた、識別情報及び位置情報を記憶するための情報メモリ65と、外部装置と通信するための通信回路66と、ペンを駆動するためのバッテリ67と、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68も接続されている。
【0034】
〔第1の実施の形態〕
次に、第1の実施の形態についての処理を説明する。本実施の形態は、テンプレート定義して印刷した紙文書にデジタルペン60で記入する場合である。以下、テンプレート定義時、印刷処理時、紙文書への記入時及び紙文書に対応する電子文書の表示時における処理手順について説明する。
図8は、第1の実施の形態のテンプレート定義時での処理手順を示すフローチャートであり、図9は、テンプレート定義用文書を説明する図であり、図10は、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを説明する図である。図11の(a)は、テーブルT01の構成図であり、(b)はテーブルT02の構成図である。
図8に示すフローチャートでは、端末装置10のテンプレート管理モジュール11が図示しない紙文書管理ツールの立ち上げ対象とするサーバ情報を指定することにより文書サーバ20を特定し(ステップ101)、テンプレート定義用文書を特定する(ステップ102)。すなわち、テンプレート管理モジュール11は、テンプレート定義の対象とするフォーム文書(電子文書)として図9に示す文書Aを指定する。そして、その情報を文書サーバ20に送受信部14を介して送信する。
【0035】
ここで、図9の文書Aは、任意の例えば文字や数字が記載される記載欄とチェックボックス欄とを有する従業員事前商品アンケートである。記載欄としては、アンケート実施日を記載する個所、アンケートに回答した従業員に関する情報(社員番号、氏名、所属部門、内線番号及びメールアドレス)を記載する個所及び自由記入欄の個所がある。チェックボックス欄としては、デザイン等に関する質問に回答する個所がある。
この文書Aが印刷された紙文書の各々にデジタルペン60で記載された内容は、ストローク情報及び/又はストローク情報を基にOCR(Optical Character Reader)変換して得たテキスト情報として、紙文書と一対一で管理されるものである。
【0036】
一方、文書サーバ20は、端末装置10が送信した情報を送受信部26を介して受信する。これにより、電子文書管理モジュール22は、テンプレート定義用電子文書として文書Aを特定することができ、その文書に電子文書IDを割り当てる(ステップ103)。具体的には、電子文書IDとして文書Aに「Fdoc1」を割り当て、テーブルT04(図4の(d)参照)及びテーブルT09(同図の(i)参照)に書き込む。
その後、電子文書管理モジュール22は、特定された文書Aの画像データを生成し(ステップ104)、生成した画像データを送受信部26を介して端末装置10に送信する。
【0037】
端末装置10は、画像データを送受信部14を介して受信する。その後、電子文書管理モジュール12は、UI部13の画面上にテンプレート定義対象となる文書ページを指定し、図示しないテンプレート定義用ツールに表示する(ステップ105)。そして、テンプレート管理モジュール11は、テンプレートの特定を行う(ステップ106)。なお、本実施の形態では、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを用いる場合を例に説明する。
【0038】
このようなテンプレートの特定には、上述したように、テンプレートを新規作成する場合と既存のテンプレートを利用する場合とがある。後者の場合には、以下のように処理を行う。すなわち、テンプレート管理モジュール11は、テンプレートへの検索を文書サーバ20に対して指示し、文書サーバ20のテンプレート管理モジュール21は、テンプレート検索を実施してその結果を返信する。これにより、テンプレート管理モジュール11は、リスト結果を受け取ってUI部13にリスト表示した後、ユーザによる指示を受け付けることで、利用するテンプレートを特定する。テンプレート管理モジュール21は、特定されたテンプレートについてのテンプレートIDを受け取り、受け取ったテンプレートIDの情報を転送する。
【0039】
そして、テンプレート管理モジュール11は、テンプレート定義を行う(ステップ107)。すなわち、図10に示すテンプレートT1についてユーザによりフィールドIDと各フィールドに関する情報が図示しないUIツールにて定義される。すると、テンプレート管理モジュール11は、そのフィールドID及び情報を、テンプレート情報として文書サーバ20に転送し、テンプレートの登録を指示する。
【0040】
テンプレート管理モジュール21は、定義されたテンプレート情報を受け取り、データベース管理システム27に格納されているテーブルT01及びテーブルT08(図4の(h)参照)にテンプレート情報を登録する(ステップ108)。具体的に説明すると、テーブルT01には、図11の(a)に示すように登録される。
【0041】
また、テンプレート管理モジュール11は、テンプレートT1とフォーム文書Aとの関連付けを指示すると(ステップ109)、データベース管理システム27は、テーブルT02に書き込んでテンプレートIDと電子文書IDとの関連付けを行う(ステップ110)。具体的に説明すると、テーブルT02には、図11の(b)に示すように書き込まれる。
【0042】
このように、テンプレート定義操作時には、図示しない紙文書管理ツールの立ち上げ、テンプレート定義用文書の特定、テンプレートの特定、テンプレート定義処理、テンプレート登録及びテンプレートとフォーム文書との関連付け処理が行われる。
【0043】
図12は、印刷処理時の処理手順を示すフローチャートであり、図13−Aの(a)は、テーブルT05の構成図であり、同図の(b)は、テーブルT06の構成図であり、図13―Bの(c)は、テーブルT07の構成図であり、同図の(d)は、テーブルT10の構成図である。
図12に示すフローチャートでは、端末装置10のUI部13からユーザにより、電子文書IDが「Fdoc1」の電子文書について複数部数の印刷指示が行われたときには、文書サーバ20にその指示が送信される(ステップ201)。文書サーバ20がその指示を受け取ると、ID管理モジュール25は、指示があった部数の同じ数のストローク連動文書IDを生成し(ステップ202)、データベース管理システム27は、テーブルT05,T06,T07,T10に書き込んで格納する(ステップ203)。具体的に説明すると、10部の印刷指示があったときには、ID管理モジュール25が紙文書ID「P1」〜「P10」を生成し、そして、データベース管理システム27は、テーブルT05に、図13−Aの(a)に示すように、紙文書ID「P1」〜「P10」を書き込むと共に、ストローク連動文書IDとして「Sdoc1」〜「Sdoc10」を書き込む。また、テーブルT06には、同図の(b)に示すように、紙文書ID「P1」〜「P10」の各々についてフィールドID、ストローク情報及び文字認識結果が書き込まれ、テーブルT07には、図13−Bの(c)に示すように、紙文書ID「P1」〜「P10」の各々についてフィールドID及び判定結果が書き込まれる。また、テーブルT10には、同図の(d)に示すように、電子文書IDと派生文書IDとを関係付ける関係情報が書き込まれ、かつ、更新されるとページ単位での更新日時が書き込まれる。
【0044】
更に説明すると、アンケートのように印刷内容(可視情報)が同じであるが、用紙それぞれに記入したものを独立に管理するには、紙文書IDと元の電子文書IDとを関連付けただけでは、異なる用紙に記入された情報を別々に管理することができず、不都合が生じる。本実施の場合では、複数部数印刷した中の1部目の用紙への記入情報と、2部目の用紙への記入情報とを1つの電子文書に区別なく反映させると、二重に反映されてしまい、紙文書との対応を取ることができなくなってしまう。そのため、用紙それぞれへの記入情報と一対一に対応するストローク連動文書IDを生成してテーブルT05にて管理する。付言すると、このように管理することで、異なる電子文書IDを付与して一対一の関係で対応する場合よりもデータ量を少なくすることができ、管理が容易になる。
また、テーブルT06では、紙文書への記入が行われた際の紙文書IDのその記入情報を関連付けるものである。テーブルT07は、紙文書上へのチェックボックスへのチェック状態との関連付けを示すものである。
【0045】
その後、文書サーバ20の印刷管理モジュール24は、紙文書ID、ページサイズから重畳する符号画像を生成し、その後、印刷用文書に合成して画像形成装置40により印刷出力が行われる(ステップ204)。
【0046】
図14は、紙文書への記入時の処理手順を示すフローチャートであり、図15は、紙文書の記載欄への記入を説明する図であり、図16は、紙文書の記載欄へ記入されるときのテーブルT06,T07の構成図である。図17は、紙文書のチェックボックス欄へのチェックを説明する図であり、図18は、紙文書のチェックボックス欄へチェックされるときのテーブルT06,T07の構成図である。
図14に示すフローチャートでは、端末装置50の電子文書管理モジュール52が、対象とするサーバ情報を指定して文書サーバ20を特定し、図示しない紙文書アクセスツールを立ち上げる(ステップ301)。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、デジタルペン60を通じて紙文書IDとしての「P1」を読み込み(ステップ302)、紙文書IDを送受信部54を介して文書サーバ20に送信する。紙文書IDの読み込みについて更に説明すると、符号画像が重畳された紙文書に対してデジタルペン60を接触させると、ペン先が押されている間の画像を読み込み、紙文書IDを解釈する。
なお、紙文書IDの情報が端末装置50側に取得されていなければ上述のように、文書サーバ20に紙文書IDを通知して、紙文書IDに関連する情報を取得するが、紙文書IDの情報が端末装置50側に取得されている場合には、その処理は省略される。
【0047】
文書サーバ20の紙文書管理モジュール23は、紙文書IDが「P1」であることを送受信部26を介して受信し(ステップ303)、受け取った紙文書IDに関連する情報をデータベース管理システム27の各種のテーブルから読み出し(ステップ304)、送受信部26を介して端末装置50に送信する。各種のテーブルの読み出しについて具体的に説明すると、テーブルT05(図13−Aの(a)参照)の紙文書ID「P1」から電子文書ID「Fdoc1」及びページNo「1」を取得し、テーブルT02(図11の(b)参照)の電子文書ID「Fdoc1」から関連するテンプレートID「T1」を取得し、テーブルT01(図11の(a)参照)のテンプレートID「T1」から関連するフィールドID「f11、f12、…f31」を取得する。
【0048】
そして、ペンデバイス管理モジュール55は、端末装置50に接続されているデジタルペン60による紙文書に対する処理を実施する(ステップ305)。すなわち、デジタルペン60による記入の場合には、ペン先のオン・オフのスイッチによりオンになっている間に取得した画像から得られる位置情報の集合を1ストロークとして管理する。
【0049】
図15及び図17を用いてデジタルペン60による記入について具体的に説明する。図15の(a)に示すようにデジタルペン60が紙文書に記入する場合において、デジタルペン60が取得した位置情報が(x7,y7)と(x8,y8)とで画定される領域にあるときには、ペンデバイス管理モジュール55は、フィールドID「f14」のフィールド、すなわち社員番号について記入していることを認識する。そして、同図の(b)に示すように、一筆目の情報としてストロークS1が得られ、二筆目の情報としてストロークS2が得られ、三筆目の情報としてストロークS3が得られる。これらストロークS1,S2,S3は、複数の位置情報である座標点列からなるストローク情報として管理される。すなわち、ストロークS1の座標点列は、((xx1,yy1)、(xx2,yy2)、・・・(xxn,yyn))であり、ストロークS2の座標点列は、((xx21,yy21)、(xx22,yy22)、・・・(xx2n,yy2n))であり、ストロークS3の座標点列は、((xx31,yy31)、(xx32,yy32)、・・・(xx3n,yy3n))である。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、ストロークS1〜S3のストローク情報を基にOCR変換することによりテキスト情報として「24」を得るので、このテキスト情報とストローク情報とを関連付けて管理する。なお、OCR変換を行う時期は、特に限定されるものではない。
【0050】
また、図17の(a)に示すようにデジタルペン60が紙文書に記入する場合において、デジタルペン60が取得した位置情報が、(x59,y59)と(x60,y60)とで画定される領域であると共に(x49,y49)と(x50,y50)とで画定される領域でもあるときには、フィールドID「f25」のフィールド、すなわちチェックボックス6についてチェックしていることを認識する。そして、同図の(b)に示すように、ストロークS4が得られる。すなわち、ストロークS4の座標点列は、((xx41,yy41)、(xx42,yy42)、・・・(xx4n,yy4n))である。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、ストローク情報を基に判定することにより、フィールドID「f25」がONであることが得られる。なお、このような判定を行う時期は、特に限定されるものではない。
【0051】
そして、デジタルペン60からの登録指示を実施し、紙文書IDと紙文書への処理情報を文書サーバ20に転送すると(ステップ306)、紙文書管理モジュール23が受け取り(ステップ307)、データベース管理システム27にて、図16及び図18に示すように、テーブルT06,T07へデータの書きこみを行う(ステップ308)。なお、デジタルペン60のボタンが押され、かつ、ペン先の位置がリンク領域でない場合に、端末装置50で保持している紙文書に対する処理結果を文書サーバ20側に転送する。
【0052】
このようにして、紙文書に対する処理時には、図示しない紙文書アクセスツールの立ち上げ、紙文書に関連する情報の取得、紙文書に対するデジタルペン60の処理の実施及び文書サーバ20への登録が行われる。
【0053】
図19は、紙文書に対応する電子文書の表示時での処理手順を示すフローチャートであり、図20は、合成文書Bを説明する図である。
図19に示すフローチャートでは、デジタルペン60及び紙文書を用いることで、端末装置50のペンデバイス管理モジュール55が紙文書ID「P1」を取得する(ステップ401)。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、送受信部54を介して文書サーバ20の電子文書管理モジュール22に対して、紙文書IDについて問合せを行う(ステップ402)。電子文書管理モジュール22が問合せを受けると、データベース管理システム27は、対応するテーブルから紙文書IDに関連する情報の読み出しを行う(ステップ403)。具体的には、データベース管理システム27は、テーブルT05(図13−Aの(a)参照)の紙文書ID「P1」から電子文書ID「Fdoc1」及びページNo「1」を取得し、また、テーブルT06,T07(図16及び図18参照)の紙文書ID「P1」から文字認識結果及び判定結果を取得する。
【0054】
そして、電子文書管理モジュール22は、読み出した情報を電子文書と合成する(ステップ404)。具体的には、電子文書管理モジュール22は、電子文書IDに対応する電子文書の内容(図9参照)と文字認識結果及び判定結果とを互いに合成して合成文書Bを作成する。その後、合成文書Bを送受信部26を介して端末装置50に転送する(ステップ405)。端末装置50では送受信部54を介して受信すると、図20に示す合成文書BをUI部53に表示する(ステップ406)。
【0055】
なお、図19に示すフローチャートでは、端末装置50からの問合せがあったときに文書サーバ20で合成文書Bを作成しているが、文書サーバ20で予め合成文書Bを作成する処理手順も考えられる。その場合には、合成文書BのIDとしては、テーブルT05(図13−Aの(a)参照)でのストローク連動文書ID「Sdoc1」が用いられる。すなわち、端末装置50からの問合せがあると、文書サーバ20は、テーブルT05から「Sdoc1」を取得し、それに対応する合成文書Bとしての電子文書を端末装置50に転送する。
【0056】
ここで、本実施の形態で用いられる符号画像は、図6を用いて説明したように、識別情報及び位置情報を備えているが、位置情報のみ備えた符号画像を用いる場合も考えられる。
図21は、本実施の形態の一変形例を説明する図であり、(a)は、追加のテーブルを説明する図で、(b)は、座標空間を説明する図である。
図21の(a)に示すテーブルT11は、印刷時の紙文書IDが生成されたときに、その紙文書IDと、位置情報としての左上座標及び右下座標とを関連付けるものである。すなわち、紙文書ID「P1」は、同図の(b)に示す座標空間において左上座標が(x1,y1)で右下座標が(x2,y2)であり、紙文書ID「P2」は、左上座標が(x3,y3)で右下座標が(x4,y4)である。したがって、このテーブルT11を備えることにより、位置情報としての座標情報を基に、紙文書IDを特定することができる。
付言すると、紙文書から抽出された位置情報である座標データから、左上座標分を減算することで、左上を原点とした相対座標データが得られる。
【0057】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態についての処理を説明する。本実施の形態は、テンプレート定義して印刷した紙文書にデジタルペン60で操作指示し、記入する場合である。
まず、テンプレート定義について説明する。本実施の形態におけるテンプレート定義時での処理手順は、第1の実施の形態の場合(図8参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図22は、本実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書Aを説明する図であり、(a)は文書Aの1ページ目、(b)は文書Aの2ページ目を示す。図23の(a)は、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを説明する図であり、同図の(b)はテンプレートIDが「T2」のテンプレートを説明する図である。図24の(a)は、テーブルT01の構成図であり、同図の(b)はテーブルT02の構成図である。なお、図22は、第1の実施の形態を説明する図9に対応するものであり、図23は、第1の実施の形態を説明する図10に対応するものであり、図24は、第1の実施の形態を説明する図11に対応するものである。
図22に示す文書Aは、本実施の形態でのテンプレート定義の対象とするフォーム文書である。更に説明すると、文書Aの1ページ目は、複数の氏名欄を備えると共に複数の氏名欄の各々についてのメールアドレス欄、電話番号欄及び住所欄を備えるアドレス帳であり、2ページ目はメモ欄からなるメモ帳である。このようなフォーム文書には、文書サーバ20にて電子文書ID「Fdoc1」が割り当てられる。
【0058】
また、図23の(a)に示すテンプレートIDが「T1」のテンプレートには、氏名欄及びメールアドレス欄にフィールドID「f11」,「f12」,「f13」,「f14」のフィールドが設定されている。また、同図の(b)に示すテンプレートIDが「T2」のテンプレートには、メモ欄にフィールドID「f21」のフィールドが設定されている。
このようなテンプレートIDが「T1」,「T2」の各フィールドについては、図24の(a)に示すテーブルT01にて関連付けが行われる。また、同図の(b)に示すテーブルT02により、テンプレートID「T1」は、電子文書ID「Fdoc1」の1ページ目と関連付けられ、テンプレートID「T2」は、電子文書ID「Fdoc1」の2ページ目と関連付けられる。このように、同図の(b)に示すテーブルT02は、テンプレートIDと電子文書IDとの間の関連付けを行うものである。
【0059】
図25は、電子文書操作時での処理手順を示すフローチャートであり、図26−Aの(a)は、テーブルT02の構成図であり、同図の(b)は、テーブルT10の構成図であり、図26−Bの(c)及び(d)は、テーブルT03の構成図である。
図25に示すフローチャートでは、端末装置10の電子文書管理モジュール12は、フィールド編集可能文書の作成を行う。すなわち、電子文書管理モジュール12は、フォーム文書を特定し、フィールド編集可能文書の生成を文書サーバ20に指示する(ステップ501)。
文書サーバ20がその指示を受け取ると、ID管理モジュール25は、フィールド編集可能文書のIDを生成する(ステップ502)。すなわち、フィールド編集可能文書のIDとして、「Fdoc2」という電子文書IDを生成する。この「Fdoc2」は、図22に示す「Fdoc1」の複製であるが、ファイル自体を生成しなくてもよい。
そして、データベース管理システム27は、フィールド編集可能文書について図26−Aの(a),(b)に示すようにテーブルT02,T10に書き込むことで、電子文書ID「Fdoc1」に関連する情報をフィールド編集可能文書のID「Fdoc2」に関連付け(ステップ503)、また、電子文書IDと派生文書IDとを関連付ける。これらのテーブルT02,T10は、データベース管理システム27により格納される。そして、電子文書管理モジュール22は、生成したフィールド編集可能文書のIDを送受信部26を介して端末装置10に送信する(ステップ504)。
【0060】
端末装置10のUI部13には、フィールド編集可能文書としてのフォーム文書が表示され、このUI部13を通じてユーザによりフィールドの特定が行われると、電子文書管理モジュール12は、そのフィールドに関連する情報の入力を受け付け、電子文書IDが「Fdoc2」であるフィールド編集可能文書についての編集が行われる(ステップ505)。具体的に説明すると、フィールドIDが「f11」には表示データとして「富士太郎」が設定され、フィールドIDが「f12」には表示データとして「aaa@bbb」が設定されると共にフィールドデータとして「aaa@bbb」が設定される。また、フィールドIDが「f13」には表示データとして「富士花子」が設定され、フィールドIDが「f14」には表示データとして「ccc@ddd」が設定されると共にフィールドデータとして「ccc@ddd」が設定される。更に説明すると、フィールドIDが「f12」及び「f14」には、「リンク」が設定される。すなわち、紙文書におけるフィールドID「f12」又は「f14」のフィールド内をデジタルペン60でタッチすると、フィールドの値を取り出し、メールアプリケーションを立ち上げ(紙文書からのアプリケーションの起動)、その情報を転送するように機能する。
【0061】
このようにしてフィールド編集可能文書の編集が完了すると、文書サーバ20に対して登録の指示を行う(ステップ506)。文書サーバ20がその指示を受け取ると、データベース管理システム27は、図26−Bの(c)に示すテーブルT03に編集内容を書き込むことで同図の(d)に示すテーブルT03にして格納することで編集内容の登録を行う(ステップ507)。なお、図26−Bの(c)に示すテーブルT03は、上述した図4の(c)に示すテーブルT03の項目に、表示タイプ及び表示内容の項目が追加されている。
【0062】
図27は、印刷処理時の処理手順を示すフローチャートであり、図28の(a)は、テーブルT02の構成図であり、同図の(b)は、テーブルT03の構成図であり、同図の(c)は、テーブルT05の構成図であり、同図の(d)は、テーブルT06の構成図である。図29は、印刷された紙文書を説明する図であり、(a)は1ページ目、(b)は2ページ目を示す。
図27に示すフローチャートでは、端末装置10のUI部13からユーザにより、フィールド編集可能文書についての印刷指示を受けると(ステップ601)、まず、電子文書管理モジュール12は、文書サーバ20にスナップショット文書の作成指示を行う(ステップ602)。すなわち、電子文書管理モジュール12は、フィールド編集可能文書を特定し、特定したフィールド編集可能文書のIDと共にスナップショット文書の生成を文書サーバ20に指示する。このように、フィールド編集可能文書を印刷する際にスナップショット文書を生成するのは、フィールド編集可能文書を印刷した紙文書にデジタルペン60を用いた記入があったときに、記入後と同じ状態の電子文書が必要になることから、これに対応するためである。
【0063】
文書サーバ20がフィールド編集可能文書のID及びスナップショット文書の生成指示を受け取ると、ID管理モジュール25は、スナップショット文書のIDとして電子文書ID「Fdoc3」を生成し(ステップ603)、データベース管理システム27は、図28の(a)に示すようにテーブルT02に書き込む。付言すると、フィールド編集可能文書である電子文書ID「Fdoc2」は、編集可能であるが、スナップショット文書である電子文書ID「Fdoc3」は、編集不可能である。
また、データベース管理システム27は、同図の(b)に示すように、テーブルT03に書き込んでスナップショット文書にフィールド編集可能文書の情報を関連付ける(ステップ604)。
そして、データベース管理システム27は、紙文書IDとの関連付けを行う(ステップ605)。すなわち、データベース管理システム27は、同図の(c)に示すように、テーブルT05に、紙文書IDとして「P1」,「P2」を書き込むと共に、電子文書IDとして「Fdoc3」、ページNoとして「1」,「2」、ストローク連動文書IDとして「Sdoc1」及びストローク連動ページNoとして「1」,「2」を書き込む。また、データベース管理システム27は、同図の(d)に示すように、テーブルT06に紙文書IDとして「P2」及びフィールドIDとして「f21」を書き込んで、紙文書IDとフィールドIDとの関連付けを行う。なお、テーブルT06は、紙文書への記入が行われた場合に紙文書IDとその記入情報との関連付けを示すものである。
【0064】
その後、文書サーバ20の印刷管理モジュール24は、紙文書ID、ページサイズから重畳する符号画像を生成し、印刷用文書に合成して画像形成装置40により印刷出力が行われる(ステップ606)。これにより、図29に示すような紙文書が得られる。この紙文書の1枚目(同図の(a)参照)は紙文書IDが「P1」であり、2枚目(同図の(b)参照)は紙文書IDが「P2」である。1枚目には、フィールド編集可能文書の内容が印刷されており、具体的には、氏名欄に「富士太郎」と「富士花子」の表示があり、また、「富士太郎」のメールアドレス欄に「aaa@bbb」の表示があり、「富士花子」のメールアドレス欄に「ccc@ddd」の表示がある。
【0065】
図30は、紙文書からの情報アクセス時の処理手順を示すフローチャートである。より具体的には、同図に示すフローチャートは、図29の(a)に示す紙文書のメールアドレス欄にデジタルペン60を接触させたときの処理手順を示すものである。そして、図30でのステップ701,702,703は、図14でのステップ301,302,303に対応するものであり、その説明を省略するので、ステップ704から以下説明する。
文書サーバ20の紙文書管理モジュール23は、受け取った紙文書ID「P1」に関連する情報をデータベース管理システム27の各種のテーブルから読み出す(ステップ704)。すなわち、テーブルT05(図28の(c)参照)の紙文書ID「P1」から電子文書ID「Fdoc3」及びページNo「1」を取得し、テーブルT02(図28の(a)参照)の電子文書ID「Fdoc3」及びページNo「1」から、テンプレートID「T1」を取得する。そして、テーブルT01(図24の(a)参照)のテンプレートID「T1」からフィールドID「f11、f12、…f21」と関連する情報を取得する。また、テーブルT03(図28の(b)参照)の電子文書ID「Fdoc3」及びページNo「1」から、フィールドID「f11、f12、…f21」の各々のオブジェクトタイプやオブジェクトデータ等の個別のフィールドの情報を取得する。
そして、紙文書管理モジュール23は、取得したフィールドID「f11、f12、…f21」及びその情報を、送受信部26を介して端末装置50に送信する。
【0066】
ペンデバイス管理モジュール55は、紙文書に対する処理の実施を行う(ステップ705)。すなわち、ペンデバイス管理モジュール55は、デジタルペン60が取得した位置情報を基に、デジタルペン60が接触した紙文書の場所に対応するフィールドIDを特定し、特定したフィールドIDに対応する処理を実行する。具体的に説明すると、デジタルペン60が接触した紙文書の場所はフィールドID「f12」であることをペンデバイス管理モジュール55が認識した場合には、フィールドID「f12」のオブジェクトタイプが「リンク」であり、オブジェクトデータが「aaa@bbb」であるので、メールアプリケーションを起動してあて先を「aaa@bbb」に設定する。
【0067】
図31の(a)は、紙文書のメモ欄への記入を説明する図であり、(b)は、記入されたストロークを説明する図であり、(c)は、テーブルT06の構成図である。なお、処理手順については、図14に示すフローチャートと同じゆえ、その図示及び説明を省略する。
図31の(a)に示すように紙文書にデジタルペン60で記入した場合には、端末装置50のペンデバイス管理モジュール55は、文書サーバ20への問合せ(図14のステップ301〜304参照)によって紙文書ID「P2」のメモ欄への記入であることを認識する。すなわち、文書サーバ20は、紙文書ID「P2」を基に、テーブルT05(図28の(c)参照),T02(同図の(a)参照),T01(図24の(a)参照),T06(図28の(d)参照)を参照して、フィールドID「f21」、左上座標「(x9,y9)」、右下座標「(x10,y10)」及び機能「追記」を取得すると共に、ストローク情報及び文字認識結果のテーブル情報を取得し、端末装置50に転送する。
【0068】
そして、同図の(b)に示すように、ペンデバイス管理モジュール55は、デジタルペン60により一筆目の情報としてストロークS1を取得し、二筆目の情報としてストロークS2を取得し、三筆目の情報としてストロークS3を取得する。また、ペンデバイス管理モジュール55は、ストロークS1〜S3のストローク情報を基にOCR変換してテキスト情報として「テ」を得る。
その後、ペンデバイス管理モジュール55が、このテキスト情報及びストローク情報を文書サーバ20に転送すると、データベース管理システム27に格納されているテーブルT06に、同図の(c)に示すように、テキスト情報及びストローク情報を書き込む。これにより、このテキスト情報とストローク情報との関連付けが行われる。
【0069】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態についての処理を説明する。本実施の形態は、テンプレート定義して印刷した紙文書にデジタルペン60で操作指示し、記入する場合であり、更に、ストローク連動文書からフィールド編集可能文書に戻す場合である。本実施の形態での処理の流れは、第2の実施の形態と共通する個所があることから、その個所の図示及び説明を省略することがある。
まず、テンプレート定義について説明する。本実施の形態におけるテンプレート定義時での処理手順は、第1の実施の形態(図8参照)及び第2の実施の形態の場合と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図32は、本実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書Aを説明する図であり、図33は、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを説明する図であり、図34の(a)は、テーブルT01の構成図であり、同図の(b)はテーブルT02の構成図である。付言すると、図32は、第2の実施の形態を説明する図22に対応するものであり、図33は、第2の実施の形態を説明する図23に対応するものであり、図34は、第2の実施の形態を説明する図24に対応するものである。
図32に示す文書Aは、1ページからなるものであり、第2の実施の形態における文書A(図22参照)の1ページと2ページを同一ページとしたものである。図32に示す文書Aは、文書サーバ20にて電子文書ID「Fdoc1」が割り当てられる。
【0070】
図33に示すテンプレートIDが「T1」のテンプレートは、第2の実施の形態における2つのテンプレート(図23の(a)及び(b)参照)を一つにまとめて構成されたものである。
図34の(a)に示すように、テーブルT01には、フィールドID「f11」,「f12」,「f13」,「f14」,「f15」のフィールドが設定されている。付言すると、フィールドID「f15」は、第2の実施の形態の場合のフィールドID「f21」(図24の(a)参照)に対応するものである。
また、図34の(b)に示すテーブルT02は、テンプレートIDと電子文書IDとの間の関連付けを行うものである。
【0071】
次に、電子文書操作について説明する。電子文書操作時での処理手順は、第2の実施の形態の場合(図25参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図35の(a)は、電子文書操作の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT10の構成図であり、(c)はテーブルT03の構成図である。なお、図35は、第2の実施の形態を説明する図26−A及び図26−Bに対応するものである。
図35の(a)に示すテーブルT02により、電子文書ID「Fdoc1」に関連する情報がフィールド編集可能文書のID「Fdoc2」と関連付けられ、また、同図の(b)に示すテーブルT10により、電子文書ID「Fdoc1」と派生文書ID「Fdoc2」とがページ単位でその更新日時を含んで関連付けられる。また、同図の(c)に示すテーブルT03には、フィールド編集可能文書の編集内容が電子文書ID「Fdoc2」のフィールド情報として書き込まれるものである。
【0072】
次に、印刷処理について説明する。印刷処理時の処理手順は、第2の実施の形態の場合(図27参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図36−Aの(a)は、印刷処理の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT03の構成図であり、(c)は、テーブルT05の構成図である。図36−Bの(d)は、テーブルT06の構成図であり、(e)はテーブルT10である。図37は、印刷された紙文書を説明する図である。なお、図36−A及び図36−Bは、第2の実施の形態を説明する図28に対応するものであり、図37は、第2の実施の形態を説明する図29に対応するものである。
図36−Aの(a)に示すテーブルT02により、スナップショット文書のIDとして電子文書ID「Fdoc3」とフォーム文書ID「Fdoc1」とが関連付けられる。また、同図の(b)に示すテーブルT03は、電子文書ID「Fdoc3」のフィールド情報が書き込まれるものである。
同図の(c)に示すように、テーブルT05には、紙文書ID「P1」、電子文書ID「Fdoc3」及びストローク連動文書ID「Sdoc1」等が書き込まれる。また、図36―Bの(d)に示すように、テーブルT06には、紙文書ID「P1」及びフィールドID「f15」が書き込まれ、更に、紙文書への記入が行われるのに対応すべく、ストローク情報及び文字認識結果の項目を有する。また、同図の(e)に示すように、テーブルT10には、電子文書IDと派生文書IDとがページ単位での更新日時を含んで書き込まれる。
印刷処理時の処理によって得られる紙文書は、図37に示すように、紙面左側の氏名欄に「富士太郎」及び「富士花子」が表示され、メールアドレス欄に「aaa@bbb」及び「ccc@ddd」が表示されている。紙面右側のメモ欄には、表示がない。
【0073】
ここで、紙文書からの情報アクセスについての説明は、その処理手順が第2の実施の形態の場合(図30参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略する。
また、紙文書のメモ欄への記入についての説明は、その処理手順が第2の実施の形態の場合(第1の実施の形態の説明に用いられる図14参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略する。また、紙文書のメモ欄への記入の際に書き込まれるテーブルT06は、第2の実施の形態を説明する図31の(c)に示すテーブルT06の紙文書ID「P2」を「P1」、フィールドID「f21」を「f15」にそれぞれ置き換えたものである。
【0074】
次に、フィールド情報の変更ないし追加について説明する。更に説明すると、上述した図37に示す紙文書では、氏名欄が「富士花子」のメールアドレス欄は「ccc@ddd」であるが、メールアドレスが例えば「eee@fff」に変わったときに対処しなければならない。電子文書IDが「Fdoc3」であるスナップショット文書やストローク連動文書IDが「Sdoc1」であるストローク連動文書については、印刷された紙文書の内容と同じものを残す必要があることから印刷前に電子的に編集された部分については、編集不可能になっており、変更することができない。そこで、新たなフィールド編集可能文書の電子文書IDとして「Fdoc4」を生成し、ストローク連動文書ID「Sdoc1」の内容をコピーする。
なお、フィールド情報の変更時ないし追加時の処理手順は、第2の実施の形態の場合(図25参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
【0075】
図38の(a)は、フィールド情報の変更の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT04の構成図である。また、図39の(a)は、フィールド情報の変更前のテーブルT03の構成図であり、(b)は、フィールド情報の変更後のテーブルT03の構成図である。
図38の(a)に示すテーブルT02により、新たな編集可能文書の電子文書ID「Fdoc4」とフォーム文書ID「Fdoc1」とが関連付けられる。また、同図の(b)に示すテーブルT04は、電子文書ID「Fdoc4」とフィールドID「f15」、ストローク情報「S1,S2,S3」及び文字認識結果「テ」とが関連付けられる。
図39の(a)に示すテーブルT03は、電子文書ID「Fdoc4」に電子文書ID「Fdoc3」のフィールド情報と同じ内容を関連付けている。また、同図の(b)のテーブルT03は、生成した電子文書ID「Fdoc4」におけるフィールドID「f14」のオブジェクトデータ及び表示内容「ccc@ddd」を「eee@fff」に変更した状態を示している。
【0076】
次に、印刷処理について説明する。印刷処理時の処理手順は、第2の実施の形態の場合(図27参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図40の(a)は、印刷処理の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT03の構成図であり、(c)は、テーブルT05の構成図であり、(d)は、テーブルT06の構成図である。図41は、印刷された紙文書を説明する図である。なお、図40の(a)〜(d)は、図28の(a)〜(d)に対応するものであり、図41は、図29に対応するものである。
図40の(a)に示すテーブルT02により、スナップショット文書のIDとして電子文書ID「Fdoc5」とフォーム文書ID「Fdoc1」とが関連付けられる。また、同図の(b)に示すテーブルT03は、電子文書ID「Fdoc5」のフィールド情報が書き込まれるものである。
同図の(c)に示すように、テーブルT05には、紙文書ID「P1」,「P2」、電子文書ID「Fdoc3」及びストローク連動文書ID「Sdoc1」,「Sdoc2」等が書き込まれる。また、同図の(d)に示すように、テーブルT06には、紙文書ID「P1」,「P2」及びフィールドID「f15」が書き込まれ、更に、紙文書への記入を反映させるべく、ストローク情報「S1,S2,S3」及び文字認識結果「テ」が書き込まれる。
印刷処理時の処理によって得られる紙文書は、図41に示すように、紙面左側の氏名欄に「富士太郎」及び「富士花子」が表示され、メールアドレス欄に「aaa@bbb」及び「eee@fff」が表示されている。紙面右側のメモ欄には、デジタルペン60により紙文書に追記された内容が表示されている。すなわち、図41に示す紙文書ID「P2」の紙文書には、図40の(b)に示すテーブルT05の表示内容(属性情報)及び同図の(d)に示すテーブルT06のストローク情報(筆記情報)がフォーム文書ID「Fdoc1」の画像に反映した画像が印刷される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施の形態のコンピュータシステムの構成例を示した図である。
【図2】端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】文書サーバの機能構成例を示すブロック図である。
【図4】データベース管理システムが有するテーブル構成例を示す図である。
【図5】端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。
【図7】デジタルペンの構成例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態のテンプレート定義時での処理手順を示すフローチャートである。
【図9】テンプレート定義用文書を説明する図である。
【図10】テンプレートを説明する図である。
【図11】テーブルの構成図である。
【図12】印刷処理時の処理手順を示すフローチャートである。
【図13−A】テーブルの構成図である。
【図13−B】テーブルの構成図である。
【図14】紙文書への記入時の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】紙文書の記載欄への記入を説明する図である。
【図16】テーブルの構成図である。
【図17】紙文書のチェックボックス欄へのチェックを説明する図である。
【図18】テーブルの構成図である。
【図19】紙文書に対応する電子文書の表示時での処理手順を示すフローチャートである。
【図20】合成文書を説明する図である。
【図21】第1の実施の形態の一変形例を説明する図であり、(a)は、追加のテーブルを説明する図で、(b)は、座標空間を説明する図である。
【図22】第2の実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書を説明する図である。
【図23】テンプレートを説明する図である。
【図24】テーブルの構成図である。
【図25】電子文書操作時での処理手順を示すフローチャートである。
【図26−A】テーブルの構成図である。
【図26−B】テーブルの構成図である。
【図27】印刷処理時の処理手順を示すフローチャートである。
【図28】テーブルの構成図である。
【図29】印刷された紙文書を説明する図である。
【図30】紙文書からの情報アクセス時の処理手順を示すフローチャートである。
【図31】(a)は、紙文書のメモ欄への記入を説明する図であり、(b)は、記入されたストロークを説明する図であり、(c)は、テーブルの構成図である。
【図32】第3の実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書を説明する図である。
【図33】テンプレートを説明する図である。
【図34】テーブルの構成図である。
【図35】テーブルの構成図である。
【図36−A】テーブルの構成図である。
【図36−B】テーブルの構成図である。
【図37】印刷された紙文書を説明する図である。
【図38】テーブルの構成図である。
【図39】(a)は、フィールド情報の変更前のテーブルの構成図であり、(b)は、フィールド情報の変更後のテーブルの構成図である。
【図40】テーブルの構成図である。
【図41】印刷された紙文書を説明する図である。
【符号の説明】
【0078】
10,50…端末装置、11,21,51…テンプレート管理モジュール、12,22,52…電子文書管理モジュール、13,53…UI部、14,26,54…送受信部、20…文書サーバ、23…紙文書管理モジュール、24…印刷管理モジュール、25…ID管理モジュール、27…データベース管理システム、55…ペンデバイス管理モジュール、60…デジタルペン、70…通信装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、位置コードが印刷されている媒体から位置コードを読み取ってペンの移動軌跡データを生成する複数の電子ペンから受け取った移動軌跡データ及び当該電子ペンの識別情報を格納する手段と、前記格納手段から移動軌跡データを読出し、特定の電子ペンから入力された移動軌跡データを抽出して表示する手段と、を備え、1つの紙に複数のペンで情報が記載される場合等にそれらの情報を識別する情報処理装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−308169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電子文書をオンデマンドで座標情報を重畳して印刷した紙文書に対してデジタルペンによって紙文書に対する操作処理をデジタル化できるシステムにおいて、例えば、内容が同じ紙文書の各々に異なる人がデジタルペンで書き入れる場合に、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係がとれなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係をより的確にとることが可能な文書管理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付手段と、前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成手段と、前記電子文書の電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持手段と、を含む文書管理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記受付手段により受け付けられた指示に応じて、前記保持手段に保持されている関連情報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置である。
請求項3に記載の発明は、媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成手段を更に含み、前記保持手段は、前記筆記識別情報を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項2に記載の文書管理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記筆記識別情報生成手段は、前記受付手段により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項3に記載の文書管理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記受付手段が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信手段により送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の文書管理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段を更に含み、前記保持手段は、前記合成画像作成手段により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の文書管理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記受付手段により印刷指示が受け付けられた電子文書の画像と取得したコード情報を印刷用に変換して得たコード画像とを合成した合成画像を前記送信手段により送信し、前記コード情報は、印刷される媒体を一意に特定するための情報と当該媒体内のアドレス情報を含むことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の文書管理装置である。
【0007】
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付機能と、前記受付機能による印刷指示の受け付けにより前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成機能と、印刷指示された前記電子文書に対応する電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項9に記載の発明は、媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成機能を更に実現させ、前記保持機能は、前記筆記識別情報生成機能を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項8に記載のプログラムである。
請求項10に記載の発明は、前記筆記識別情報生成機能は、前記受付機能により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項9に記載のプログラムである。
請求項11に記載の発明は、前記受付機能により受け付けられた指示に応じて、前記保持機能に保持されている関連情報を送信する送信機能を更に実現させ、前記受付機能が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持機能により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信機能により送信する請求項9又は10に記載のプログラムである。
請求項12に記載の発明は、前記保持機能により保持される前記関連情報により前記媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成機能を更に含み、前記保持機能は、前記合成画像作成機能により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1によれば、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係を従来よりも的確にとることが可能になる。
請求項2によれば、保持手段に保持される電子文書に関連する関連情報を送信することが可能になる。
請求項3によれば、筆記識別情報の関連情報を保持することが可能になる。
請求項4によれば、印刷された複数部数の各々に筆記された情報を個別に管理することが可能になる。
請求項5によれば、複数部数印刷された各々の紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報とを矛盾なく反映させることが可能になる。
請求項6によれば、合成画像の関連情報を保持することが可能になる。
請求項7によれば、印刷紙を一意に特定するための情報と媒体内のアドレス情報とを備えたコード画像を印刷することが可能になる。
請求項8によれば、紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報との対応関係を従来よりも的確にとることが可能になる。
請求項9によれば、筆記識別情報の関連情報を保持することが可能になる。
請求項10によれば、印刷された複数部数の各々に筆記された情報を個別に管理することが可能になる。
請求項11によれば、複数部数印刷された各々の紙文書に対するデジタルペン入力と電子上の入力情報とを矛盾なく反映させることが可能になる。
請求項12によれば、合成画像の関連情報を保持することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本実施の形態におけるコンピュータシステムの全体構成について説明する。
図1は、本実施の形態のコンピュータシステムの構成例を示す図である。
同図に示すコンピュータシステムは、紙文書作成機能及び紙文書操作機能を提供する紙文書管理システムである。この紙文書作成機能とは、出力紙文書へ情報を付加し、かつ、付加された情報を紙文書と関連付けるものをいう。また、紙文書操作機能とは、出力された紙文書に付加されたコード情報の読み取りを行い、紙文書作成機能で付加された情報へのアクセスと紙文書に対して付加された情報の保持をするものをいう。
これらの機能を実現するために、本実施の形態のコンピュータシステムは、端末装置10、文書サーバ(文書管理装置)20、画像形成装置40及び端末装置50がネットワーク80に接続されて構成されている。また、本実施の形態のコンピュータシステムでは、端末装置50にペンデバイスとしてのデジタルペン60が通信装置70を介して接続されている。なお、端末装置10と端末装置50は同一の端末であっても構わない。
【0010】
端末装置10は、電子文書と関連付けられるテンプレートを定義して文書サーバ20に送信するコンピュータ装置である。このテンプレートは、後述するように、ページ単位で文書との関係付けがなされる。また、端末装置10は、文書サーバ20に対して電子文書の印刷を要求するものである。
付言すると、端末装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。なお、この電子文書を端末文書10で生成する形態のほか、予め文書サーバ20に記憶しておき、テンプレート定義時に端末装置10から文書サーバ20を取得する形態も考えられる。
【0011】
ここで、テンプレートとは、ページ単位で定義されたフィールド(矩形領域)の集合をいい、他のテンプレートとの識別のためのテンプレートIDやフィールドごとに付されるフィールドID等を有する。端末装置10での通常のテンプレート定義について説明すると、UI部13(図2参照)の画面上にテンプレート定義用文書の該当ページを表示し、定義対象とするテンプレートの生成を行う。テンプレートが新規の場合には、サイズの指定(例えば、A4縦やA4横など)を行う。また、テンプレートが既存の場合には、文書サーバ20に対して検索を指示し、選択指定する。その上で、フィールドの作成(矩形領域の指定)をし、各フィールドと属性値の設定を行う。これらの設定内容は、文書サーバ20にて例えばテーブル構成で管理される。
【0012】
文書サーバ20は、電子文書を記憶し管理するコンピュータ装置であり、また、媒体に付与する識別情報を発行するコンピュータ装置である。更に説明すると、文書サーバ20は、端末装置10から電子文書の印刷要求がなされると、まず識別情報を生成し、識別情報及び位置情報を表す符号画像(図6参照)を生成する。その後、文書サーバ20は、電子文書の画像と符号画像(コード画像)とを互いに合成して媒体に印刷する印刷命令を画像形成装置40に対して出力する。そして、文書サーバ20は、識別情報を、その識別情報が付与される媒体に印刷される電子文書と関連付けて記憶する。この場合、識別情報とは、媒体を一意に特定するための情報をいい、位置情報とは、媒体上の座標位置を特定するための情報をいう。ここで、文書サーバ20としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。
【0013】
画像形成装置40は、媒体に画像を印刷し、印刷文書として出力する装置である。この画像形成装置40は、単体のプリンタや印刷機であってもよいし、他にスキャナや通信の機能を備えた所謂複合機であってもよい。ここで、画像形成装置40における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式を用いるとよいが、その他の方式を用いてもよい。
【0014】
端末装置50は、印刷文書に対する筆記を電子化した情報(以下、「筆跡情報」ないし「ストローク情報」という)を、印刷文書に記録された画像の元となる電子文書に反映させるために文書サーバ20に送信するコンピュータ装置である。その際に、端末装置50は、印刷文書に対応するテンプレートについての各フィールドの情報を文書サーバ20から取得する。なお、筆跡情報を反映する対象の電子文書をUI部53(図5参照)に表示し、その上に筆跡情報を重ねて表示するようにしてもよい。ここで、端末装置50としては、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、その他のコンピュータを用いるとよい。付言すると、本実施の形態では、筆記の内容を電子化した筆記情報の一例として、筆跡情報を用いている。また、筆跡情報を主に手書き情報として説明するが、これに限らず、例えば、建築や機械等の図面データを出力する装置であるプロッタ等によって機械的に描画された情報であってもよい。
【0015】
デジタルペン60は、電子筆記具の一例であり、印刷文書上に文字又は図形を筆記するために用いられるペンデバイスである。また、媒体に印刷された符号画像を読み取る撮像素子を備える。そして、撮像素子で読み取った符号画像から位置情報を検出し、筆記した文字又は図形をストローク化(始点と終点のある座標列を1ストロークとする)した筆跡情報をこの位置情報に基づいて生成し記憶する。デジタルペン60の具体的な構成については後述する。
【0016】
通信装置70は、デジタルペン60から筆跡情報を取得して端末装置50に送信する装置である。例えば、デジタルペン60を差し込む差込口を設け、この差込口にデジタルペン60が差し込まれると、デジタルペン60に記憶された筆跡情報を端末装置50に送信するようにするとよい。ここで、端末装置50との間の通信の方式としては、USB(Universal Serial Bus)、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信機能等、種々の方式が考えられる。また、図では、通信装置70をデジタルペン60と別体のものとして示しているが、必ずしも別体である必要はなく、一体に構成してもよい。
【0017】
なお、本明細書では、媒体に記録する画像の元となる電子データを「電子文書」と表記するが、これは、テキストを含む「文書」を電子化したデータのみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、データベース管理ソフトウェアや表計算ソフトウェアで記録されるデータ、その他の印刷可能な電子データも含めて「電子文書」としている。
また、本明細書において、「媒体」としては、画像を印刷可能な媒体であれば、その材質を問わない。その代表例は紙であるが、OHPシートや金属板等であっても構わない。
更に、本明細書では、電子文書、媒体、更にはデジタルペン60やユーザについて、それぞれを一意に識別するための識別情報を用いて処理を行うが、単に「識別情報」というときは、このうち、媒体の識別情報を意味するものとする。すなわち、本実施の形態では、媒体に固有に付与される媒体識別情報の一例として、この識別情報を用いる。また、この識別情報の一例として、媒体へのプリントを行う画像形成装置40の機械番号と画像形成装置40におけるプリントカウントの値とを結合したものを用いることも考えられる。
【0018】
図2は、端末装置10の機能構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、端末装置10は、端末装置10上でのテンプレートを管理するためのテンプレート管理モジュール11と、端末装置10上での電子文書を管理するための電子文書管理モジュール12と、各種の画像を表示するUI部13と、文書サーバ20との間で各種の情報を送受信する送受信部14と、を有する。
【0019】
テンプレート管理モジュール11は、端末装置10上でのテンプレートの定義、登録、削除、検索及び編集ないし更新の機能を提供すると共に、電子文書とテンプレートとを互いに関連付ける機能を提供する。
【0020】
電子文書管理モジュール12は、紙文書へ出力するための電子文書に対する情報を管理する機能を提供する。すなわち、電子文書管理モジュール12は、端末装置10上での電子文書の登録、削除、検索及び編集ないし更新の機能を提供する。ここにいう電子文書には、テンプレート定義と関連付けが行われるフォーム文書と、フォーム文書から派生し、電子的な編集を行うためのフィールド編集可能文書と、フィールド編集可能文書から派生し、印刷処理時の状態を保つためのスナップショット文書と、スナップショット文書の印刷時に派生し、紙文書と一対一の関係を保つためのストローク連動文書と、が含まれる。なお、これらフォーム文書、フィールド編集可能文書、スナップショット文書及びストローク連動文書は、後述するように、それぞれ電子文書ID(電子文書識別情報)が付与されて管理される。
【0021】
図3は、文書サーバ20の機能構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、文書サーバ20は、文書サーバ20でのテンプレートを管理するテンプレート管理モジュール21と、文書サーバ20での電子文書を管理するための電子文書管理モジュール(合成画像作成手段)22と、文書サーバ20での紙文書を管理するための紙文書管理モジュール23と、を有する。また、文書サーバ20は、電子文書への印刷処理を行い、紙文書に識別情報を付加して印刷する処理を行う印刷管理モジュール24と、電子文書用のID及び紙文書用のIDの生成と管理を行うID管理モジュール(媒体識別情報生成手段、筆記識別情報生成手段)25と、端末装置10,50との間で各種の情報を送受信する送受信部(受付手段、送信手段)26と、を有する。また、文書サーバ20は、各種のテーブルを管理するデータベース管理システム(保持手段)27と、を有する。
【0022】
紙文書管理モジュール23は、印刷出力された紙文書を管理すると共に、紙文書に追加された情報を管理する機能を提供する。すなわち、紙文書管理モジュール23は、電子文書の印刷時に紙文書との対応付けを行い、かつ、紙文書と電子文書との対応付け管理を行う。また、紙文書管理モジュール23は、紙文書の利用時に電子文書の検索、紙文書関連情報の取得及び登録を行い、また、紙文書に対して行われた処理のデータ管理(追記データの管理)を行う。
印刷管理モジュール24は、印刷対象プリンタを管理すると共に、指定されたプリンタに対する印刷処理を実行する。
【0023】
ここで、文書サーバ20のデータベース管理システム27が有するテーブル構成を説明する。図4は、データベース管理システム27が有するテーブル構成例を示す図である。なお、図4に示すテーブル構成例は、その一例を示すものであり、他の項目を含むように構成することも考えられる。
データベース管理システム27は、同図の(a)〜(j)に示すテーブルT01〜T10を有する。すなわち、同図の(a)に示すテーブルT01は、テンプレート・フィールド管理テーブル(テンプレートフィールド)であり、テンプレートID、フィールドID、名前、左上座標、右下座標、機能(タイプ)、共通オブジェクトタイプ及び共通オブジェクト内容という項目を含む。ここにいう機能としては、例えば追記やリンク、メール、表示等であり、フィールドのデータをアプリケーションがどのように利用するかを特定し、また、左上座標及び右下座標により領域が画定される。また、共通オブジェクトタイプにON又はOFFが書き込まれと、ONの場合には、そのフィールドIDについては共通のアクション等が設定され、OFFの場合には、そのフィールドIDについては印刷文書ごとのアクション等が設定されることになる。同図の(b)に示すテーブルT02は、テンプレート・電子文書管理テーブル(ドキュメントページ管理)であり、電子文書ID、ページNo、テンプレートID、フォーム文書ID及びフォーム文書ページNoという項目を含む。同図の(c)に示すテーブルT03は、テーブルT04の共通オブジェクトタイプがOFFのときに印刷文書ごとのアクション等を設定するためのフィールド・電子文書データ管理テーブル(流し込みフィールド)であり、電子文書ID、ページNo、フィールドID、オブジェクトタイプ、オブジェクトデータ、表示タイプ及び表示内容という項目を含む。オブジェクトタイプは、紙文書のこの領域から起動するアプリケーションを特定するための情報として用いる。
【0024】
また、同図の(d)に示すテーブルT04は、編集用・紙・フィールドデータテーブル
(ストローク情報)であり、電子文書ID、ページNo、フィールドID、ストローク情報及び文字認識結果という項目を含む。同図の(e)に示すテーブルT05は、紙・電子文書管理テーブル(紙印刷情報)であり、媒体識別情報としての紙文書ID、電子文書ID、ページNo、筆記識別情報としてのストローク連動文書ID及びストローク連動ページNoという項目を含む。同図の(f)に示すテーブルT06は、紙・フィールドデータテーブル(ストローク情報)であり、紙文書ID、フィールドID、ストローク情報及び文字認識結果という項目を含む。
【0025】
また、同図の(g)に示すテーブルT07は、チェックボックス管理テーブルであり、紙文書ID、フィールドID及び判定結果という項目を含む。同図の(h)に示すテーブルT08は、テンプレート管理テーブルであり、テンプレートID、名前、幅、高さ及び更新日時という項目を含む。同図の(i)に示すテーブルT09は、電子文書ファイル管理テーブルであり、電子文書ID、ファイル名、パス名、文書タイプ及び更新日時という項目を含む。同図の(j)に示すテーブルT10は、電子文書派生管理テーブルであり、電子文書ID、ページNo、派生文書ID、派生文書ページNo及び更新日時という項目を含む。なお、ここにいう派生文書としては、例えば、フォーム文書から派生し、電子的な編集を行うための文書であるフィールド編集可能文書や、フィールド編集可能文書から派生し、印刷処理時の状態を保つための文書であるスナップショット文書があり、また、スナップショット文書の印刷時に派生し、紙文書と一対一の関係を保つための文書であるストローク連動文書もある。
【0026】
図5は、端末装置50の機能構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、端末装置50は、端末装置50上でのテンプレートを管理するためのテンプレート管理モジュール51と、端末装置10上での電子文書を管理するための電子文書管理モジュール52と、各種の画像を表示するUI53部と、文書サーバ20との間で各種の情報を送受信する送受信部54と、デジタルペン60を管理するペンデバイス管理モジュール55と、を有する。テンプレート管理モジュール51は、端末装置10のテンプレート管理モジュール11に相当するものであり、電子文書管理モジュール52は、端末装置10の電子文書管理モジュール12に相当するものである。
【0027】
次に、本実施の形態で用いられる符号画像について説明する。
図6は、符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。
まず、符号画像を構成する単位パターンについて説明する。
図6の(a)は、単位パターンの一例を示したものである。
単位パターンとは、情報埋め込みの最小単位である。図では、黒塗りの領域と斜線の領域をドット配置可能な領域とし、その間にある白色の領域をドット配置不可能な領域としている。そして、ドット配置可能な領域のうち、黒塗りの領域にドットが配置され、斜線の領域にはドットが配置されていないことを示している。即ち、図は、ドットを配置可能な9箇所の中から選択した2箇所にドットを配置することで単位パターンを構成した例を示したものである。ここで、9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは36(=9C2)通りなので、単位パターンは、36種類存在する。このうち、4種類の単位パターンは、同期パターンとして使用される。同期パターンとは、画像の回転を検出したり、識別符号及び位置符号の相対的な位置を特定したりするためのパターンである。特に、画像の回転を検出する必要があることから、4種類の同期パターンとしては、そのうちの1つの同期パターンを90度回転するとそのうちの別の同期パターンになるようなものが選ばれる。また、この4種類の単位パターンを除く32種類の単位パターンは、識別符号及び位置符号を表現する情報パターンとして使用され、5ビットの情報が表現される。
【0028】
ところで、図6の(a)に示したドットは、あくまで情報表現のためのドットであり、画像を構成する最小の点を意味するドットとは必ずしも一致しない。本実施の形態において、情報表現のためのドット(図6の(a)の最小の四角)は、600dpiにおける2ドット×2ドットの大きさを有している。600dpiにおける1ドットの大きさは0.0423mmなので、情報表現のためのドット(図6の(a)の最小の四角)の一辺は、84.6μm(=0.0423mm×2)である。情報表現のためのドットは、大きくなればなるほど目に付きやすくなるため、できるだけ小さいほうが好ましい。ところが、あまり小さくすると、プリンタで印刷できなくなってしまう。そこで、情報表現のためのドットの大きさとして、50μmより大きく100μmより小さい上記の値を採用している。ただし、上記の値84.6μmは、あくまで計算上の数値であり、実際に印刷されたトナー像では100μm程度になる。尚、本明細書で「ドット」というときは、特に明示しない限り、画像を構成する最小の点を意味するドットではなく、情報表現のためのドットを指すものとする。
【0029】
次に、このような単位パターンから構成される符号ブロックについて説明する。
図6の(b)に、符号ブロックのレイアウトの一例を示す。なお、ここでは、画像ではなく、パターン画像によって置き換えられる直前の符号配列で示している。すなわち、図6の(b)の最小の四角(以下、「単位ブロック」という)に、図6の(a)のような単位パターン(36通りの単位パターンのいずれか)が配置され、その画像が媒体に形成されることになる。
図6の(b)のレイアウトでは、符号ブロックの左上の1つの単位ブロックに、同期符号が配置されている。また、同期符号が配置された単位ブロックの右側の4つの単位ブロックにX位置符号が配置され、同期符号が配置された単位ブロックの下側の4つの単位ブロックにY位置符号が配置されている。更に、これらの位置符号が配置された単位ブロックに囲まれた16(=4×4)個の単位ブロックに識別符号が配置されている。
【0030】
ここで、識別情報の符号化について述べる。
識別情報を符号化する場合、識別情報を構成するビット列は、RS符号化を行うために複数のブロックに分割される。符号化には、いくつかの方法があるが、本実施の形態では、RS符号化が適している。RS符号は多値の符号法であり、この場合、単位ブロックで表現される値がRS符号の多値に対応するからである。例えば、1つの単位ブロックで5ビットの情報を表現する場合、60ビットの識別情報は、ブロック長が5ビットの12個のブロックに分割される。そして、2ブロックの誤りを訂正可能なRS符号を採用したとすると、符号長は16ブロックとなり、図6の(b)の符号ブロックにおける識別符号が配置される単位ブロックに収まることになる。なお、符号化方式はRS符号に限定するものでなく、その他の符号化方式、例えば、BCH符号等を使用してもよい。
【0031】
次に、位置情報の符号化について述べる。
位置情報の符号化には、擬似乱数系列の一種であるM系列符号が使用される。ここで、M系列とは、ある長さのシフトレジスタとフィードバックによって生成される符号系列のうち、その周期が最長になる系列をいう。Kをシフトレジスタの段数とすると、M系列の系列長は2K−1となる。このM系列から取り出した任意の連続したKビットは、同じM系列中の他の位置に現れない性質を持つ。そこで、この性質を利用して位置情報を符号化する。
ところで、本実施の形態では、符号化すべき位置情報の長さから、必要なM系列の次数を求め、M系列を生成している。しかしながら、符号化する位置情報の長さが予め分かっている場合は、M系列を毎回生成する必要はない。即ち、固定のM系列を予め生成しておき、それをメモリ等に格納しておけばよい。
例えば、系列長8191のM系列(K=13)を使用したとする。この場合、位置符号も5ビット単位で埋め込むため、系列長8191のM系列から5ビットずつ取り出してブロック化する。
【0032】
なお、本明細書では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いている。しかしながら、広範な位置情報を用意しておき、媒体ごとに異なる範囲から位置情報を切り出して埋め込み、位置情報の違いによって媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法においては、媒体を識別する機能が位置情報に備わっているものと見て、位置情報を識別情報としても考えるものとする。
【0033】
図7は、デジタルペン60の構成例を示した図である。
同図に示すように、デジタルペン60は、ペン全体の動作を制御する制御回路61を備える。この制御回路61は、読み取った符号画像を処理する画像処理部61aと、そこでの処理結果から識別情報及び位置情報を抽出するデータ処理部61bと、を含む。
また、制御回路61には、デジタルペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62が接続されている。更に、媒体上に赤外光を照射する赤外LED63と、反射光を検知することによって符号画像を読み取る赤外CMOS64も接続されている。更にまた、識別情報及び位置情報を記憶するための情報メモリ65と、外部装置と通信するための通信回路66と、ペンを駆動するためのバッテリ67と、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68も接続されている。
【0034】
〔第1の実施の形態〕
次に、第1の実施の形態についての処理を説明する。本実施の形態は、テンプレート定義して印刷した紙文書にデジタルペン60で記入する場合である。以下、テンプレート定義時、印刷処理時、紙文書への記入時及び紙文書に対応する電子文書の表示時における処理手順について説明する。
図8は、第1の実施の形態のテンプレート定義時での処理手順を示すフローチャートであり、図9は、テンプレート定義用文書を説明する図であり、図10は、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを説明する図である。図11の(a)は、テーブルT01の構成図であり、(b)はテーブルT02の構成図である。
図8に示すフローチャートでは、端末装置10のテンプレート管理モジュール11が図示しない紙文書管理ツールの立ち上げ対象とするサーバ情報を指定することにより文書サーバ20を特定し(ステップ101)、テンプレート定義用文書を特定する(ステップ102)。すなわち、テンプレート管理モジュール11は、テンプレート定義の対象とするフォーム文書(電子文書)として図9に示す文書Aを指定する。そして、その情報を文書サーバ20に送受信部14を介して送信する。
【0035】
ここで、図9の文書Aは、任意の例えば文字や数字が記載される記載欄とチェックボックス欄とを有する従業員事前商品アンケートである。記載欄としては、アンケート実施日を記載する個所、アンケートに回答した従業員に関する情報(社員番号、氏名、所属部門、内線番号及びメールアドレス)を記載する個所及び自由記入欄の個所がある。チェックボックス欄としては、デザイン等に関する質問に回答する個所がある。
この文書Aが印刷された紙文書の各々にデジタルペン60で記載された内容は、ストローク情報及び/又はストローク情報を基にOCR(Optical Character Reader)変換して得たテキスト情報として、紙文書と一対一で管理されるものである。
【0036】
一方、文書サーバ20は、端末装置10が送信した情報を送受信部26を介して受信する。これにより、電子文書管理モジュール22は、テンプレート定義用電子文書として文書Aを特定することができ、その文書に電子文書IDを割り当てる(ステップ103)。具体的には、電子文書IDとして文書Aに「Fdoc1」を割り当て、テーブルT04(図4の(d)参照)及びテーブルT09(同図の(i)参照)に書き込む。
その後、電子文書管理モジュール22は、特定された文書Aの画像データを生成し(ステップ104)、生成した画像データを送受信部26を介して端末装置10に送信する。
【0037】
端末装置10は、画像データを送受信部14を介して受信する。その後、電子文書管理モジュール12は、UI部13の画面上にテンプレート定義対象となる文書ページを指定し、図示しないテンプレート定義用ツールに表示する(ステップ105)。そして、テンプレート管理モジュール11は、テンプレートの特定を行う(ステップ106)。なお、本実施の形態では、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを用いる場合を例に説明する。
【0038】
このようなテンプレートの特定には、上述したように、テンプレートを新規作成する場合と既存のテンプレートを利用する場合とがある。後者の場合には、以下のように処理を行う。すなわち、テンプレート管理モジュール11は、テンプレートへの検索を文書サーバ20に対して指示し、文書サーバ20のテンプレート管理モジュール21は、テンプレート検索を実施してその結果を返信する。これにより、テンプレート管理モジュール11は、リスト結果を受け取ってUI部13にリスト表示した後、ユーザによる指示を受け付けることで、利用するテンプレートを特定する。テンプレート管理モジュール21は、特定されたテンプレートについてのテンプレートIDを受け取り、受け取ったテンプレートIDの情報を転送する。
【0039】
そして、テンプレート管理モジュール11は、テンプレート定義を行う(ステップ107)。すなわち、図10に示すテンプレートT1についてユーザによりフィールドIDと各フィールドに関する情報が図示しないUIツールにて定義される。すると、テンプレート管理モジュール11は、そのフィールドID及び情報を、テンプレート情報として文書サーバ20に転送し、テンプレートの登録を指示する。
【0040】
テンプレート管理モジュール21は、定義されたテンプレート情報を受け取り、データベース管理システム27に格納されているテーブルT01及びテーブルT08(図4の(h)参照)にテンプレート情報を登録する(ステップ108)。具体的に説明すると、テーブルT01には、図11の(a)に示すように登録される。
【0041】
また、テンプレート管理モジュール11は、テンプレートT1とフォーム文書Aとの関連付けを指示すると(ステップ109)、データベース管理システム27は、テーブルT02に書き込んでテンプレートIDと電子文書IDとの関連付けを行う(ステップ110)。具体的に説明すると、テーブルT02には、図11の(b)に示すように書き込まれる。
【0042】
このように、テンプレート定義操作時には、図示しない紙文書管理ツールの立ち上げ、テンプレート定義用文書の特定、テンプレートの特定、テンプレート定義処理、テンプレート登録及びテンプレートとフォーム文書との関連付け処理が行われる。
【0043】
図12は、印刷処理時の処理手順を示すフローチャートであり、図13−Aの(a)は、テーブルT05の構成図であり、同図の(b)は、テーブルT06の構成図であり、図13―Bの(c)は、テーブルT07の構成図であり、同図の(d)は、テーブルT10の構成図である。
図12に示すフローチャートでは、端末装置10のUI部13からユーザにより、電子文書IDが「Fdoc1」の電子文書について複数部数の印刷指示が行われたときには、文書サーバ20にその指示が送信される(ステップ201)。文書サーバ20がその指示を受け取ると、ID管理モジュール25は、指示があった部数の同じ数のストローク連動文書IDを生成し(ステップ202)、データベース管理システム27は、テーブルT05,T06,T07,T10に書き込んで格納する(ステップ203)。具体的に説明すると、10部の印刷指示があったときには、ID管理モジュール25が紙文書ID「P1」〜「P10」を生成し、そして、データベース管理システム27は、テーブルT05に、図13−Aの(a)に示すように、紙文書ID「P1」〜「P10」を書き込むと共に、ストローク連動文書IDとして「Sdoc1」〜「Sdoc10」を書き込む。また、テーブルT06には、同図の(b)に示すように、紙文書ID「P1」〜「P10」の各々についてフィールドID、ストローク情報及び文字認識結果が書き込まれ、テーブルT07には、図13−Bの(c)に示すように、紙文書ID「P1」〜「P10」の各々についてフィールドID及び判定結果が書き込まれる。また、テーブルT10には、同図の(d)に示すように、電子文書IDと派生文書IDとを関係付ける関係情報が書き込まれ、かつ、更新されるとページ単位での更新日時が書き込まれる。
【0044】
更に説明すると、アンケートのように印刷内容(可視情報)が同じであるが、用紙それぞれに記入したものを独立に管理するには、紙文書IDと元の電子文書IDとを関連付けただけでは、異なる用紙に記入された情報を別々に管理することができず、不都合が生じる。本実施の場合では、複数部数印刷した中の1部目の用紙への記入情報と、2部目の用紙への記入情報とを1つの電子文書に区別なく反映させると、二重に反映されてしまい、紙文書との対応を取ることができなくなってしまう。そのため、用紙それぞれへの記入情報と一対一に対応するストローク連動文書IDを生成してテーブルT05にて管理する。付言すると、このように管理することで、異なる電子文書IDを付与して一対一の関係で対応する場合よりもデータ量を少なくすることができ、管理が容易になる。
また、テーブルT06では、紙文書への記入が行われた際の紙文書IDのその記入情報を関連付けるものである。テーブルT07は、紙文書上へのチェックボックスへのチェック状態との関連付けを示すものである。
【0045】
その後、文書サーバ20の印刷管理モジュール24は、紙文書ID、ページサイズから重畳する符号画像を生成し、その後、印刷用文書に合成して画像形成装置40により印刷出力が行われる(ステップ204)。
【0046】
図14は、紙文書への記入時の処理手順を示すフローチャートであり、図15は、紙文書の記載欄への記入を説明する図であり、図16は、紙文書の記載欄へ記入されるときのテーブルT06,T07の構成図である。図17は、紙文書のチェックボックス欄へのチェックを説明する図であり、図18は、紙文書のチェックボックス欄へチェックされるときのテーブルT06,T07の構成図である。
図14に示すフローチャートでは、端末装置50の電子文書管理モジュール52が、対象とするサーバ情報を指定して文書サーバ20を特定し、図示しない紙文書アクセスツールを立ち上げる(ステップ301)。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、デジタルペン60を通じて紙文書IDとしての「P1」を読み込み(ステップ302)、紙文書IDを送受信部54を介して文書サーバ20に送信する。紙文書IDの読み込みについて更に説明すると、符号画像が重畳された紙文書に対してデジタルペン60を接触させると、ペン先が押されている間の画像を読み込み、紙文書IDを解釈する。
なお、紙文書IDの情報が端末装置50側に取得されていなければ上述のように、文書サーバ20に紙文書IDを通知して、紙文書IDに関連する情報を取得するが、紙文書IDの情報が端末装置50側に取得されている場合には、その処理は省略される。
【0047】
文書サーバ20の紙文書管理モジュール23は、紙文書IDが「P1」であることを送受信部26を介して受信し(ステップ303)、受け取った紙文書IDに関連する情報をデータベース管理システム27の各種のテーブルから読み出し(ステップ304)、送受信部26を介して端末装置50に送信する。各種のテーブルの読み出しについて具体的に説明すると、テーブルT05(図13−Aの(a)参照)の紙文書ID「P1」から電子文書ID「Fdoc1」及びページNo「1」を取得し、テーブルT02(図11の(b)参照)の電子文書ID「Fdoc1」から関連するテンプレートID「T1」を取得し、テーブルT01(図11の(a)参照)のテンプレートID「T1」から関連するフィールドID「f11、f12、…f31」を取得する。
【0048】
そして、ペンデバイス管理モジュール55は、端末装置50に接続されているデジタルペン60による紙文書に対する処理を実施する(ステップ305)。すなわち、デジタルペン60による記入の場合には、ペン先のオン・オフのスイッチによりオンになっている間に取得した画像から得られる位置情報の集合を1ストロークとして管理する。
【0049】
図15及び図17を用いてデジタルペン60による記入について具体的に説明する。図15の(a)に示すようにデジタルペン60が紙文書に記入する場合において、デジタルペン60が取得した位置情報が(x7,y7)と(x8,y8)とで画定される領域にあるときには、ペンデバイス管理モジュール55は、フィールドID「f14」のフィールド、すなわち社員番号について記入していることを認識する。そして、同図の(b)に示すように、一筆目の情報としてストロークS1が得られ、二筆目の情報としてストロークS2が得られ、三筆目の情報としてストロークS3が得られる。これらストロークS1,S2,S3は、複数の位置情報である座標点列からなるストローク情報として管理される。すなわち、ストロークS1の座標点列は、((xx1,yy1)、(xx2,yy2)、・・・(xxn,yyn))であり、ストロークS2の座標点列は、((xx21,yy21)、(xx22,yy22)、・・・(xx2n,yy2n))であり、ストロークS3の座標点列は、((xx31,yy31)、(xx32,yy32)、・・・(xx3n,yy3n))である。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、ストロークS1〜S3のストローク情報を基にOCR変換することによりテキスト情報として「24」を得るので、このテキスト情報とストローク情報とを関連付けて管理する。なお、OCR変換を行う時期は、特に限定されるものではない。
【0050】
また、図17の(a)に示すようにデジタルペン60が紙文書に記入する場合において、デジタルペン60が取得した位置情報が、(x59,y59)と(x60,y60)とで画定される領域であると共に(x49,y49)と(x50,y50)とで画定される領域でもあるときには、フィールドID「f25」のフィールド、すなわちチェックボックス6についてチェックしていることを認識する。そして、同図の(b)に示すように、ストロークS4が得られる。すなわち、ストロークS4の座標点列は、((xx41,yy41)、(xx42,yy42)、・・・(xx4n,yy4n))である。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、ストローク情報を基に判定することにより、フィールドID「f25」がONであることが得られる。なお、このような判定を行う時期は、特に限定されるものではない。
【0051】
そして、デジタルペン60からの登録指示を実施し、紙文書IDと紙文書への処理情報を文書サーバ20に転送すると(ステップ306)、紙文書管理モジュール23が受け取り(ステップ307)、データベース管理システム27にて、図16及び図18に示すように、テーブルT06,T07へデータの書きこみを行う(ステップ308)。なお、デジタルペン60のボタンが押され、かつ、ペン先の位置がリンク領域でない場合に、端末装置50で保持している紙文書に対する処理結果を文書サーバ20側に転送する。
【0052】
このようにして、紙文書に対する処理時には、図示しない紙文書アクセスツールの立ち上げ、紙文書に関連する情報の取得、紙文書に対するデジタルペン60の処理の実施及び文書サーバ20への登録が行われる。
【0053】
図19は、紙文書に対応する電子文書の表示時での処理手順を示すフローチャートであり、図20は、合成文書Bを説明する図である。
図19に示すフローチャートでは、デジタルペン60及び紙文書を用いることで、端末装置50のペンデバイス管理モジュール55が紙文書ID「P1」を取得する(ステップ401)。そして、ペンデバイス管理モジュール55は、送受信部54を介して文書サーバ20の電子文書管理モジュール22に対して、紙文書IDについて問合せを行う(ステップ402)。電子文書管理モジュール22が問合せを受けると、データベース管理システム27は、対応するテーブルから紙文書IDに関連する情報の読み出しを行う(ステップ403)。具体的には、データベース管理システム27は、テーブルT05(図13−Aの(a)参照)の紙文書ID「P1」から電子文書ID「Fdoc1」及びページNo「1」を取得し、また、テーブルT06,T07(図16及び図18参照)の紙文書ID「P1」から文字認識結果及び判定結果を取得する。
【0054】
そして、電子文書管理モジュール22は、読み出した情報を電子文書と合成する(ステップ404)。具体的には、電子文書管理モジュール22は、電子文書IDに対応する電子文書の内容(図9参照)と文字認識結果及び判定結果とを互いに合成して合成文書Bを作成する。その後、合成文書Bを送受信部26を介して端末装置50に転送する(ステップ405)。端末装置50では送受信部54を介して受信すると、図20に示す合成文書BをUI部53に表示する(ステップ406)。
【0055】
なお、図19に示すフローチャートでは、端末装置50からの問合せがあったときに文書サーバ20で合成文書Bを作成しているが、文書サーバ20で予め合成文書Bを作成する処理手順も考えられる。その場合には、合成文書BのIDとしては、テーブルT05(図13−Aの(a)参照)でのストローク連動文書ID「Sdoc1」が用いられる。すなわち、端末装置50からの問合せがあると、文書サーバ20は、テーブルT05から「Sdoc1」を取得し、それに対応する合成文書Bとしての電子文書を端末装置50に転送する。
【0056】
ここで、本実施の形態で用いられる符号画像は、図6を用いて説明したように、識別情報及び位置情報を備えているが、位置情報のみ備えた符号画像を用いる場合も考えられる。
図21は、本実施の形態の一変形例を説明する図であり、(a)は、追加のテーブルを説明する図で、(b)は、座標空間を説明する図である。
図21の(a)に示すテーブルT11は、印刷時の紙文書IDが生成されたときに、その紙文書IDと、位置情報としての左上座標及び右下座標とを関連付けるものである。すなわち、紙文書ID「P1」は、同図の(b)に示す座標空間において左上座標が(x1,y1)で右下座標が(x2,y2)であり、紙文書ID「P2」は、左上座標が(x3,y3)で右下座標が(x4,y4)である。したがって、このテーブルT11を備えることにより、位置情報としての座標情報を基に、紙文書IDを特定することができる。
付言すると、紙文書から抽出された位置情報である座標データから、左上座標分を減算することで、左上を原点とした相対座標データが得られる。
【0057】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態についての処理を説明する。本実施の形態は、テンプレート定義して印刷した紙文書にデジタルペン60で操作指示し、記入する場合である。
まず、テンプレート定義について説明する。本実施の形態におけるテンプレート定義時での処理手順は、第1の実施の形態の場合(図8参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図22は、本実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書Aを説明する図であり、(a)は文書Aの1ページ目、(b)は文書Aの2ページ目を示す。図23の(a)は、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを説明する図であり、同図の(b)はテンプレートIDが「T2」のテンプレートを説明する図である。図24の(a)は、テーブルT01の構成図であり、同図の(b)はテーブルT02の構成図である。なお、図22は、第1の実施の形態を説明する図9に対応するものであり、図23は、第1の実施の形態を説明する図10に対応するものであり、図24は、第1の実施の形態を説明する図11に対応するものである。
図22に示す文書Aは、本実施の形態でのテンプレート定義の対象とするフォーム文書である。更に説明すると、文書Aの1ページ目は、複数の氏名欄を備えると共に複数の氏名欄の各々についてのメールアドレス欄、電話番号欄及び住所欄を備えるアドレス帳であり、2ページ目はメモ欄からなるメモ帳である。このようなフォーム文書には、文書サーバ20にて電子文書ID「Fdoc1」が割り当てられる。
【0058】
また、図23の(a)に示すテンプレートIDが「T1」のテンプレートには、氏名欄及びメールアドレス欄にフィールドID「f11」,「f12」,「f13」,「f14」のフィールドが設定されている。また、同図の(b)に示すテンプレートIDが「T2」のテンプレートには、メモ欄にフィールドID「f21」のフィールドが設定されている。
このようなテンプレートIDが「T1」,「T2」の各フィールドについては、図24の(a)に示すテーブルT01にて関連付けが行われる。また、同図の(b)に示すテーブルT02により、テンプレートID「T1」は、電子文書ID「Fdoc1」の1ページ目と関連付けられ、テンプレートID「T2」は、電子文書ID「Fdoc1」の2ページ目と関連付けられる。このように、同図の(b)に示すテーブルT02は、テンプレートIDと電子文書IDとの間の関連付けを行うものである。
【0059】
図25は、電子文書操作時での処理手順を示すフローチャートであり、図26−Aの(a)は、テーブルT02の構成図であり、同図の(b)は、テーブルT10の構成図であり、図26−Bの(c)及び(d)は、テーブルT03の構成図である。
図25に示すフローチャートでは、端末装置10の電子文書管理モジュール12は、フィールド編集可能文書の作成を行う。すなわち、電子文書管理モジュール12は、フォーム文書を特定し、フィールド編集可能文書の生成を文書サーバ20に指示する(ステップ501)。
文書サーバ20がその指示を受け取ると、ID管理モジュール25は、フィールド編集可能文書のIDを生成する(ステップ502)。すなわち、フィールド編集可能文書のIDとして、「Fdoc2」という電子文書IDを生成する。この「Fdoc2」は、図22に示す「Fdoc1」の複製であるが、ファイル自体を生成しなくてもよい。
そして、データベース管理システム27は、フィールド編集可能文書について図26−Aの(a),(b)に示すようにテーブルT02,T10に書き込むことで、電子文書ID「Fdoc1」に関連する情報をフィールド編集可能文書のID「Fdoc2」に関連付け(ステップ503)、また、電子文書IDと派生文書IDとを関連付ける。これらのテーブルT02,T10は、データベース管理システム27により格納される。そして、電子文書管理モジュール22は、生成したフィールド編集可能文書のIDを送受信部26を介して端末装置10に送信する(ステップ504)。
【0060】
端末装置10のUI部13には、フィールド編集可能文書としてのフォーム文書が表示され、このUI部13を通じてユーザによりフィールドの特定が行われると、電子文書管理モジュール12は、そのフィールドに関連する情報の入力を受け付け、電子文書IDが「Fdoc2」であるフィールド編集可能文書についての編集が行われる(ステップ505)。具体的に説明すると、フィールドIDが「f11」には表示データとして「富士太郎」が設定され、フィールドIDが「f12」には表示データとして「aaa@bbb」が設定されると共にフィールドデータとして「aaa@bbb」が設定される。また、フィールドIDが「f13」には表示データとして「富士花子」が設定され、フィールドIDが「f14」には表示データとして「ccc@ddd」が設定されると共にフィールドデータとして「ccc@ddd」が設定される。更に説明すると、フィールドIDが「f12」及び「f14」には、「リンク」が設定される。すなわち、紙文書におけるフィールドID「f12」又は「f14」のフィールド内をデジタルペン60でタッチすると、フィールドの値を取り出し、メールアプリケーションを立ち上げ(紙文書からのアプリケーションの起動)、その情報を転送するように機能する。
【0061】
このようにしてフィールド編集可能文書の編集が完了すると、文書サーバ20に対して登録の指示を行う(ステップ506)。文書サーバ20がその指示を受け取ると、データベース管理システム27は、図26−Bの(c)に示すテーブルT03に編集内容を書き込むことで同図の(d)に示すテーブルT03にして格納することで編集内容の登録を行う(ステップ507)。なお、図26−Bの(c)に示すテーブルT03は、上述した図4の(c)に示すテーブルT03の項目に、表示タイプ及び表示内容の項目が追加されている。
【0062】
図27は、印刷処理時の処理手順を示すフローチャートであり、図28の(a)は、テーブルT02の構成図であり、同図の(b)は、テーブルT03の構成図であり、同図の(c)は、テーブルT05の構成図であり、同図の(d)は、テーブルT06の構成図である。図29は、印刷された紙文書を説明する図であり、(a)は1ページ目、(b)は2ページ目を示す。
図27に示すフローチャートでは、端末装置10のUI部13からユーザにより、フィールド編集可能文書についての印刷指示を受けると(ステップ601)、まず、電子文書管理モジュール12は、文書サーバ20にスナップショット文書の作成指示を行う(ステップ602)。すなわち、電子文書管理モジュール12は、フィールド編集可能文書を特定し、特定したフィールド編集可能文書のIDと共にスナップショット文書の生成を文書サーバ20に指示する。このように、フィールド編集可能文書を印刷する際にスナップショット文書を生成するのは、フィールド編集可能文書を印刷した紙文書にデジタルペン60を用いた記入があったときに、記入後と同じ状態の電子文書が必要になることから、これに対応するためである。
【0063】
文書サーバ20がフィールド編集可能文書のID及びスナップショット文書の生成指示を受け取ると、ID管理モジュール25は、スナップショット文書のIDとして電子文書ID「Fdoc3」を生成し(ステップ603)、データベース管理システム27は、図28の(a)に示すようにテーブルT02に書き込む。付言すると、フィールド編集可能文書である電子文書ID「Fdoc2」は、編集可能であるが、スナップショット文書である電子文書ID「Fdoc3」は、編集不可能である。
また、データベース管理システム27は、同図の(b)に示すように、テーブルT03に書き込んでスナップショット文書にフィールド編集可能文書の情報を関連付ける(ステップ604)。
そして、データベース管理システム27は、紙文書IDとの関連付けを行う(ステップ605)。すなわち、データベース管理システム27は、同図の(c)に示すように、テーブルT05に、紙文書IDとして「P1」,「P2」を書き込むと共に、電子文書IDとして「Fdoc3」、ページNoとして「1」,「2」、ストローク連動文書IDとして「Sdoc1」及びストローク連動ページNoとして「1」,「2」を書き込む。また、データベース管理システム27は、同図の(d)に示すように、テーブルT06に紙文書IDとして「P2」及びフィールドIDとして「f21」を書き込んで、紙文書IDとフィールドIDとの関連付けを行う。なお、テーブルT06は、紙文書への記入が行われた場合に紙文書IDとその記入情報との関連付けを示すものである。
【0064】
その後、文書サーバ20の印刷管理モジュール24は、紙文書ID、ページサイズから重畳する符号画像を生成し、印刷用文書に合成して画像形成装置40により印刷出力が行われる(ステップ606)。これにより、図29に示すような紙文書が得られる。この紙文書の1枚目(同図の(a)参照)は紙文書IDが「P1」であり、2枚目(同図の(b)参照)は紙文書IDが「P2」である。1枚目には、フィールド編集可能文書の内容が印刷されており、具体的には、氏名欄に「富士太郎」と「富士花子」の表示があり、また、「富士太郎」のメールアドレス欄に「aaa@bbb」の表示があり、「富士花子」のメールアドレス欄に「ccc@ddd」の表示がある。
【0065】
図30は、紙文書からの情報アクセス時の処理手順を示すフローチャートである。より具体的には、同図に示すフローチャートは、図29の(a)に示す紙文書のメールアドレス欄にデジタルペン60を接触させたときの処理手順を示すものである。そして、図30でのステップ701,702,703は、図14でのステップ301,302,303に対応するものであり、その説明を省略するので、ステップ704から以下説明する。
文書サーバ20の紙文書管理モジュール23は、受け取った紙文書ID「P1」に関連する情報をデータベース管理システム27の各種のテーブルから読み出す(ステップ704)。すなわち、テーブルT05(図28の(c)参照)の紙文書ID「P1」から電子文書ID「Fdoc3」及びページNo「1」を取得し、テーブルT02(図28の(a)参照)の電子文書ID「Fdoc3」及びページNo「1」から、テンプレートID「T1」を取得する。そして、テーブルT01(図24の(a)参照)のテンプレートID「T1」からフィールドID「f11、f12、…f21」と関連する情報を取得する。また、テーブルT03(図28の(b)参照)の電子文書ID「Fdoc3」及びページNo「1」から、フィールドID「f11、f12、…f21」の各々のオブジェクトタイプやオブジェクトデータ等の個別のフィールドの情報を取得する。
そして、紙文書管理モジュール23は、取得したフィールドID「f11、f12、…f21」及びその情報を、送受信部26を介して端末装置50に送信する。
【0066】
ペンデバイス管理モジュール55は、紙文書に対する処理の実施を行う(ステップ705)。すなわち、ペンデバイス管理モジュール55は、デジタルペン60が取得した位置情報を基に、デジタルペン60が接触した紙文書の場所に対応するフィールドIDを特定し、特定したフィールドIDに対応する処理を実行する。具体的に説明すると、デジタルペン60が接触した紙文書の場所はフィールドID「f12」であることをペンデバイス管理モジュール55が認識した場合には、フィールドID「f12」のオブジェクトタイプが「リンク」であり、オブジェクトデータが「aaa@bbb」であるので、メールアプリケーションを起動してあて先を「aaa@bbb」に設定する。
【0067】
図31の(a)は、紙文書のメモ欄への記入を説明する図であり、(b)は、記入されたストロークを説明する図であり、(c)は、テーブルT06の構成図である。なお、処理手順については、図14に示すフローチャートと同じゆえ、その図示及び説明を省略する。
図31の(a)に示すように紙文書にデジタルペン60で記入した場合には、端末装置50のペンデバイス管理モジュール55は、文書サーバ20への問合せ(図14のステップ301〜304参照)によって紙文書ID「P2」のメモ欄への記入であることを認識する。すなわち、文書サーバ20は、紙文書ID「P2」を基に、テーブルT05(図28の(c)参照),T02(同図の(a)参照),T01(図24の(a)参照),T06(図28の(d)参照)を参照して、フィールドID「f21」、左上座標「(x9,y9)」、右下座標「(x10,y10)」及び機能「追記」を取得すると共に、ストローク情報及び文字認識結果のテーブル情報を取得し、端末装置50に転送する。
【0068】
そして、同図の(b)に示すように、ペンデバイス管理モジュール55は、デジタルペン60により一筆目の情報としてストロークS1を取得し、二筆目の情報としてストロークS2を取得し、三筆目の情報としてストロークS3を取得する。また、ペンデバイス管理モジュール55は、ストロークS1〜S3のストローク情報を基にOCR変換してテキスト情報として「テ」を得る。
その後、ペンデバイス管理モジュール55が、このテキスト情報及びストローク情報を文書サーバ20に転送すると、データベース管理システム27に格納されているテーブルT06に、同図の(c)に示すように、テキスト情報及びストローク情報を書き込む。これにより、このテキスト情報とストローク情報との関連付けが行われる。
【0069】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態についての処理を説明する。本実施の形態は、テンプレート定義して印刷した紙文書にデジタルペン60で操作指示し、記入する場合であり、更に、ストローク連動文書からフィールド編集可能文書に戻す場合である。本実施の形態での処理の流れは、第2の実施の形態と共通する個所があることから、その個所の図示及び説明を省略することがある。
まず、テンプレート定義について説明する。本実施の形態におけるテンプレート定義時での処理手順は、第1の実施の形態(図8参照)及び第2の実施の形態の場合と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図32は、本実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書Aを説明する図であり、図33は、テンプレートIDが「T1」のテンプレートを説明する図であり、図34の(a)は、テーブルT01の構成図であり、同図の(b)はテーブルT02の構成図である。付言すると、図32は、第2の実施の形態を説明する図22に対応するものであり、図33は、第2の実施の形態を説明する図23に対応するものであり、図34は、第2の実施の形態を説明する図24に対応するものである。
図32に示す文書Aは、1ページからなるものであり、第2の実施の形態における文書A(図22参照)の1ページと2ページを同一ページとしたものである。図32に示す文書Aは、文書サーバ20にて電子文書ID「Fdoc1」が割り当てられる。
【0070】
図33に示すテンプレートIDが「T1」のテンプレートは、第2の実施の形態における2つのテンプレート(図23の(a)及び(b)参照)を一つにまとめて構成されたものである。
図34の(a)に示すように、テーブルT01には、フィールドID「f11」,「f12」,「f13」,「f14」,「f15」のフィールドが設定されている。付言すると、フィールドID「f15」は、第2の実施の形態の場合のフィールドID「f21」(図24の(a)参照)に対応するものである。
また、図34の(b)に示すテーブルT02は、テンプレートIDと電子文書IDとの間の関連付けを行うものである。
【0071】
次に、電子文書操作について説明する。電子文書操作時での処理手順は、第2の実施の形態の場合(図25参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図35の(a)は、電子文書操作の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT10の構成図であり、(c)はテーブルT03の構成図である。なお、図35は、第2の実施の形態を説明する図26−A及び図26−Bに対応するものである。
図35の(a)に示すテーブルT02により、電子文書ID「Fdoc1」に関連する情報がフィールド編集可能文書のID「Fdoc2」と関連付けられ、また、同図の(b)に示すテーブルT10により、電子文書ID「Fdoc1」と派生文書ID「Fdoc2」とがページ単位でその更新日時を含んで関連付けられる。また、同図の(c)に示すテーブルT03には、フィールド編集可能文書の編集内容が電子文書ID「Fdoc2」のフィールド情報として書き込まれるものである。
【0072】
次に、印刷処理について説明する。印刷処理時の処理手順は、第2の実施の形態の場合(図27参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図36−Aの(a)は、印刷処理の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT03の構成図であり、(c)は、テーブルT05の構成図である。図36−Bの(d)は、テーブルT06の構成図であり、(e)はテーブルT10である。図37は、印刷された紙文書を説明する図である。なお、図36−A及び図36−Bは、第2の実施の形態を説明する図28に対応するものであり、図37は、第2の実施の形態を説明する図29に対応するものである。
図36−Aの(a)に示すテーブルT02により、スナップショット文書のIDとして電子文書ID「Fdoc3」とフォーム文書ID「Fdoc1」とが関連付けられる。また、同図の(b)に示すテーブルT03は、電子文書ID「Fdoc3」のフィールド情報が書き込まれるものである。
同図の(c)に示すように、テーブルT05には、紙文書ID「P1」、電子文書ID「Fdoc3」及びストローク連動文書ID「Sdoc1」等が書き込まれる。また、図36―Bの(d)に示すように、テーブルT06には、紙文書ID「P1」及びフィールドID「f15」が書き込まれ、更に、紙文書への記入が行われるのに対応すべく、ストローク情報及び文字認識結果の項目を有する。また、同図の(e)に示すように、テーブルT10には、電子文書IDと派生文書IDとがページ単位での更新日時を含んで書き込まれる。
印刷処理時の処理によって得られる紙文書は、図37に示すように、紙面左側の氏名欄に「富士太郎」及び「富士花子」が表示され、メールアドレス欄に「aaa@bbb」及び「ccc@ddd」が表示されている。紙面右側のメモ欄には、表示がない。
【0073】
ここで、紙文書からの情報アクセスについての説明は、その処理手順が第2の実施の形態の場合(図30参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略する。
また、紙文書のメモ欄への記入についての説明は、その処理手順が第2の実施の形態の場合(第1の実施の形態の説明に用いられる図14参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略する。また、紙文書のメモ欄への記入の際に書き込まれるテーブルT06は、第2の実施の形態を説明する図31の(c)に示すテーブルT06の紙文書ID「P2」を「P1」、フィールドID「f21」を「f15」にそれぞれ置き換えたものである。
【0074】
次に、フィールド情報の変更ないし追加について説明する。更に説明すると、上述した図37に示す紙文書では、氏名欄が「富士花子」のメールアドレス欄は「ccc@ddd」であるが、メールアドレスが例えば「eee@fff」に変わったときに対処しなければならない。電子文書IDが「Fdoc3」であるスナップショット文書やストローク連動文書IDが「Sdoc1」であるストローク連動文書については、印刷された紙文書の内容と同じものを残す必要があることから印刷前に電子的に編集された部分については、編集不可能になっており、変更することができない。そこで、新たなフィールド編集可能文書の電子文書IDとして「Fdoc4」を生成し、ストローク連動文書ID「Sdoc1」の内容をコピーする。
なお、フィールド情報の変更時ないし追加時の処理手順は、第2の実施の形態の場合(図25参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
【0075】
図38の(a)は、フィールド情報の変更の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT04の構成図である。また、図39の(a)は、フィールド情報の変更前のテーブルT03の構成図であり、(b)は、フィールド情報の変更後のテーブルT03の構成図である。
図38の(a)に示すテーブルT02により、新たな編集可能文書の電子文書ID「Fdoc4」とフォーム文書ID「Fdoc1」とが関連付けられる。また、同図の(b)に示すテーブルT04は、電子文書ID「Fdoc4」とフィールドID「f15」、ストローク情報「S1,S2,S3」及び文字認識結果「テ」とが関連付けられる。
図39の(a)に示すテーブルT03は、電子文書ID「Fdoc4」に電子文書ID「Fdoc3」のフィールド情報と同じ内容を関連付けている。また、同図の(b)のテーブルT03は、生成した電子文書ID「Fdoc4」におけるフィールドID「f14」のオブジェクトデータ及び表示内容「ccc@ddd」を「eee@fff」に変更した状態を示している。
【0076】
次に、印刷処理について説明する。印刷処理時の処理手順は、第2の実施の形態の場合(図27参照)と基本的に同じものゆえ、その図示及び説明を省略することがある。
図40の(a)は、印刷処理の際に用いられるテーブルT02の構成図であり、(b)は、テーブルT03の構成図であり、(c)は、テーブルT05の構成図であり、(d)は、テーブルT06の構成図である。図41は、印刷された紙文書を説明する図である。なお、図40の(a)〜(d)は、図28の(a)〜(d)に対応するものであり、図41は、図29に対応するものである。
図40の(a)に示すテーブルT02により、スナップショット文書のIDとして電子文書ID「Fdoc5」とフォーム文書ID「Fdoc1」とが関連付けられる。また、同図の(b)に示すテーブルT03は、電子文書ID「Fdoc5」のフィールド情報が書き込まれるものである。
同図の(c)に示すように、テーブルT05には、紙文書ID「P1」,「P2」、電子文書ID「Fdoc3」及びストローク連動文書ID「Sdoc1」,「Sdoc2」等が書き込まれる。また、同図の(d)に示すように、テーブルT06には、紙文書ID「P1」,「P2」及びフィールドID「f15」が書き込まれ、更に、紙文書への記入を反映させるべく、ストローク情報「S1,S2,S3」及び文字認識結果「テ」が書き込まれる。
印刷処理時の処理によって得られる紙文書は、図41に示すように、紙面左側の氏名欄に「富士太郎」及び「富士花子」が表示され、メールアドレス欄に「aaa@bbb」及び「eee@fff」が表示されている。紙面右側のメモ欄には、デジタルペン60により紙文書に追記された内容が表示されている。すなわち、図41に示す紙文書ID「P2」の紙文書には、図40の(b)に示すテーブルT05の表示内容(属性情報)及び同図の(d)に示すテーブルT06のストローク情報(筆記情報)がフォーム文書ID「Fdoc1」の画像に反映した画像が印刷される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施の形態のコンピュータシステムの構成例を示した図である。
【図2】端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】文書サーバの機能構成例を示すブロック図である。
【図4】データベース管理システムが有するテーブル構成例を示す図である。
【図5】端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図6】符号画像を構成する画像等の一例を示した図である。
【図7】デジタルペンの構成例を示した図である。
【図8】第1の実施の形態のテンプレート定義時での処理手順を示すフローチャートである。
【図9】テンプレート定義用文書を説明する図である。
【図10】テンプレートを説明する図である。
【図11】テーブルの構成図である。
【図12】印刷処理時の処理手順を示すフローチャートである。
【図13−A】テーブルの構成図である。
【図13−B】テーブルの構成図である。
【図14】紙文書への記入時の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】紙文書の記載欄への記入を説明する図である。
【図16】テーブルの構成図である。
【図17】紙文書のチェックボックス欄へのチェックを説明する図である。
【図18】テーブルの構成図である。
【図19】紙文書に対応する電子文書の表示時での処理手順を示すフローチャートである。
【図20】合成文書を説明する図である。
【図21】第1の実施の形態の一変形例を説明する図であり、(a)は、追加のテーブルを説明する図で、(b)は、座標空間を説明する図である。
【図22】第2の実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書を説明する図である。
【図23】テンプレートを説明する図である。
【図24】テーブルの構成図である。
【図25】電子文書操作時での処理手順を示すフローチャートである。
【図26−A】テーブルの構成図である。
【図26−B】テーブルの構成図である。
【図27】印刷処理時の処理手順を示すフローチャートである。
【図28】テーブルの構成図である。
【図29】印刷された紙文書を説明する図である。
【図30】紙文書からの情報アクセス時の処理手順を示すフローチャートである。
【図31】(a)は、紙文書のメモ欄への記入を説明する図であり、(b)は、記入されたストロークを説明する図であり、(c)は、テーブルの構成図である。
【図32】第3の実施の形態に用いられるテンプレート定義用文書を説明する図である。
【図33】テンプレートを説明する図である。
【図34】テーブルの構成図である。
【図35】テーブルの構成図である。
【図36−A】テーブルの構成図である。
【図36−B】テーブルの構成図である。
【図37】印刷された紙文書を説明する図である。
【図38】テーブルの構成図である。
【図39】(a)は、フィールド情報の変更前のテーブルの構成図であり、(b)は、フィールド情報の変更後のテーブルの構成図である。
【図40】テーブルの構成図である。
【図41】印刷された紙文書を説明する図である。
【符号の説明】
【0078】
10,50…端末装置、11,21,51…テンプレート管理モジュール、12,22,52…電子文書管理モジュール、13,53…UI部、14,26,54…送受信部、20…文書サーバ、23…紙文書管理モジュール、24…印刷管理モジュール、25…ID管理モジュール、27…データベース管理システム、55…ペンデバイス管理モジュール、60…デジタルペン、70…通信装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付手段と、
前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成手段と、
前記電子文書の電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持手段と、
を含む文書管理装置。
【請求項2】
前記受付手段により受け付けられた指示に応じて、前記保持手段に保持されている関連情報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成手段を更に含み、
前記保持手段は、前記筆記識別情報を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項2に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記筆記識別情報生成手段は、前記受付手段により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項3に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記受付手段が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信手段により送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の文書管理装置。
【請求項6】
前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段を更に含み、
前記保持手段は、前記合成画像作成手段により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の文書管理装置。
【請求項7】
前記受付手段により印刷指示が受け付けられた電子文書の画像と取得したコード情報を印刷用に変換して得たコード画像とを合成した合成画像を前記送信手段により送信し、
前記コード情報は、印刷される媒体を一意に特定するための情報と当該媒体内のアドレス情報を含むことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の文書管理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付機能と、
前記受付機能による印刷指示の受け付けにより前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成機能と、
印刷指示された前記電子文書に対応する電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成機能を更に実現させ、
前記保持機能は、前記筆記識別情報生成機能を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記筆記識別情報生成機能は、前記受付機能により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記受付機能により受け付けられた指示に応じて、前記保持機能に保持されている関連情報を送信する送信機能を更に実現させ、
前記受付機能が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持機能により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信機能により送信する請求項9又は10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記保持機能により保持される前記関連情報により前記媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成機能を更に含み、
前記保持機能は、前記合成画像作成機能により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項1】
所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付手段と、
前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成手段と、
前記電子文書の電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持手段と、
を含む文書管理装置。
【請求項2】
前記受付手段により受け付けられた指示に応じて、前記保持手段に保持されている関連情報を送信する送信手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成手段を更に含み、
前記保持手段は、前記筆記識別情報を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項2に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記筆記識別情報生成手段は、前記受付手段により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項3に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記受付手段が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信手段により送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の文書管理装置。
【請求項6】
前記保持手段により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成手段を更に含み、
前記保持手段は、前記合成画像作成手段により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の文書管理装置。
【請求項7】
前記受付手段により印刷指示が受け付けられた電子文書の画像と取得したコード情報を印刷用に変換して得たコード画像とを合成した合成画像を前記送信手段により送信し、
前記コード情報は、印刷される媒体を一意に特定するための情報と当該媒体内のアドレス情報を含むことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の文書管理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
所定の電子文書についての印刷指示を受け付ける受付機能と、
前記受付機能による印刷指示の受け付けにより前記電子文書を印刷する媒体に対応する媒体識別情報を生成する媒体識別情報生成機能と、
印刷指示された前記電子文書に対応する電子文書識別情報を互いに異なる複数の前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持する保持機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
媒体への筆記及び当該筆記の内容の電子化のために用いられる特定のデジタルペンによる筆記情報を管理するための、前記媒体識別情報に対応する筆記識別情報を生成する筆記識別情報生成機能を更に実現させ、
前記保持機能は、前記筆記識別情報生成機能を前記電子文書識別情報及び/又は前記媒体識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記筆記識別情報生成機能は、前記受付機能により受け付けられる印刷指示が前記電子文書についての複数部数の印刷指示であるときに、互いに異なる前記筆記識別情報を前記複数部数の数と同じ数だけ生成することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記受付機能により受け付けられた指示に応じて、前記保持機能に保持されている関連情報を送信する送信機能を更に実現させ、
前記受付機能が前記媒体識別情報の転送を受け付けたときに、前記保持機能により保持される前記関連情報により当該媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成した画像の情報を前記送信機能により送信する請求項9又は10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記保持機能により保持される前記関連情報により前記媒体識別情報に関連付けられる前記電子文書識別情報の前記電子文書と前記筆記識別情報の前記筆記情報とを合成して合成画像を作成する合成画像作成機能を更に含み、
前記保持機能は、前記合成画像作成機能により作成された合成画像を前記筆記識別情報と関連付ける関連情報を保持することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13−A】
【図13−B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26−A】
【図26−B】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36−A】
【図36−B】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13−A】
【図13−B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26−A】
【図26−B】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36−A】
【図36−B】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2009−181518(P2009−181518A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22124(P2008−22124)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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