説明

文書編集装置及びこれを用いたデータ転送方法

【課題】テキスト編集機能に特化した文書編集装置において、新たなハードウェアの追加をすることなく、他の電子デバイスにデータを簡単に転送する。
【解決手段】本発明は、テキスト編集に特化した文書編集装置であって、テキストデータを記憶するための編集データ記憶手段と、キーボードからテキスト編集のためのキー情報を受け付けて、当該キー情報に従って編集データ記憶手段に記憶されたテキストデータを編集するテキスト編集手段と、編集データ記憶手段に記憶されたテキストデータをディスプレイに表示するための制御を行う表示制御手段と、キーボードから2次元コード表示のためのキー情報を受け付けて、編集データ記憶手段に記憶されたテキストデータに基づいて2次元コードを生成する2次元コード生成手段とを備え、表示制御手段は当該2次元コードに基づく2次元コードパターンをディスプレイに表示するための制御を行う、文書編集装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書編集装置に関し、特に、テキスト編集機能に特化した文書編集装置及びこれを用いたデータ転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯性を追求しつつ、軽快なテキスト入力を可能にした文書編集装置が普及しつつある。このような文書編集装置は、ハードウェア/ソフトウェアの性能等を考慮して、実装すべき機能を大胆にカットしてテキスト編集機能に特化する一方、ノート型コンピュータ並みのフルキーボードを備えることにより、軽快なテキスト入力を実現し、商用的価値を高めたものである。このため、典型的には、入力/編集したテキストデータは、より高度な機能を持つ他の電子デバイス(例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話機)に転送され、利用されることになる。従って、テキスト編集機能に特化した文書編集装置では、データ転送のための手段として、USBインターフェースやMicroSD(登録商標)カードインターフェースが用意されているに過ぎない。
【0003】
一方、携帯電話機は、小型化、高機能化が図られ、例えば、撮像機能や無線通信機能を備えている。ユーザは、このような携帯電話機を用いて、無線ネットワークに接続して、インターネットメールを介して撮像データを送受したり、WWW上のリソースにアクセスしたりすることができる。しかしながら、携帯電話機は、その筐体自体のサイズの制約から、フルキーボードを搭載することができず、従って、携帯電話機の数字キーを用いた独自の入力環境をユーザに提供するため、テキスト入力の操作性が十分であるとは言い難い。このため、携帯電話機は、例えば、メールアドレスやURLのキー入力を省略できるように、撮像機能を用いてQRコードのような2次元コードを読み取り、解析し、その解析結果を入力データとして処理することを可能にしている。
【0004】
下記特許文献1は、アドレス情報のキー入力操作を行うことなく特定のネットワーク上の機器にアクセスする携帯通信端末及びそれを利用した通信システムを開示する。具体的には、特許文献1は、撮影部を備えた携帯通信端末であって、撮影部によって撮影された2次元コードを解析し、その解析の結果、ネットワーク上の固有のアドレス情報が含まれていると判断する場合に、当該アドレス情報に基づいてネットワーク上の機器にアクセスする携帯通信端末を開示する。また、特許文献1の携帯通信端末は、2次元コードに含まれる指示情報が含まれていると判断する場合には、当該指示情報に従った処理を行う。
【0005】
また、下記特許文献2では、テレビ番組の内容とともに当該番組の提供者が提供する情報を含む2次元バーコードをテレビ受像機の画面上に表示し、2次元コード読み取り装置が、当該2次元コードを読み込み、デコードを行って、その結果として、文字や画像の表示、或いは音声出力を行う情報提供方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-57501号公報
【特許文献2】特開2005-159569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したようなテキスト編集機能に特化した文書編集装置は、必要最低限のデータ転送手段のみを提供するに過ぎない。文書編集装置が例えばUSBマスストレージクラスに準拠するように構成されている場合、ユーザは、パーソナルコンピュータを操作して、USBポートを介して文書編集装置内のメモリから所望のデータをパーソナルコンピュータ内に取り込むことができる。
【0008】
しかしながら、このようなUSBによるデータ転送では、USBケーブルによる物理的な接続が要求され、従って、ユーザは、USBケーブルを常備する必要がある。また、出先において文書編集装置を用いてテキストデータを入力し、そこでデータ転送が要求される場合、結局、マスターとなるデバイス(典型的には、モバイルコンピュータ)が必要とされることから、文書編集装置のみならずマスターデバイスを携帯しなければならず、携帯性に優れた文書編集装置の意義を失ってしまう。
【0009】
なお、物理的接続を不要としたBluetooth(登録商標)のような無線通信機能を採用することも考えられるが、消費電力やコストの観点から、これを実装することは現実的でない。
【0010】
また、MicroSD(登録商標)カードのようなメモリカードが用いられる場合、典型的には、パーソナルコンピュータや携帯電話機へのデータの授受が想定される。ユーザは、文書編集装置によって入力したテキストデータをメモリカードに保存した後、当該メモリカードをパーソナルコンピュータ等の対応スロットに装着することで、パーソナルコンピュータ上でテキストデータを利用できるようになる。
【0011】
しかしながら、このようなメモリカードを媒介としたデータの授受に当たっては、構造上の問題から、ユーザは、機器本体への装着及び機器本体からの脱離に細心の注意を払う必要がある。また、メモリカード内のデータ保護の観点から、とりわけ、メモリカードの脱離時に、機器本体又はメモリカードインターフェースの電源をOFFにするセーフティ操作が推奨される。従って、メモリカードの脱離の度に、ユーザにセーフティ操作を要求することは、操作が煩雑になり、操作性が低下する。さらに、カードインターフェースにメモリカードを装着したままでは、電力を消費し、文書編集装置を長時間駆動させることの弊害になる。
【0012】
そこで、本発明は、テキスト編集機能に特化した文書編集装置であって、ハードウェアコンポーネントを新たに追加することなく、他の電子デバイスにデータを簡単に転送することができる文書編集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、以下の技術的特徴を有する。
【0014】
即ち、ある観点に従う本発明は、キーボード及びディスプレイを備え、ユーザによって前記キーボードから入力されたテキストデータを前記ディスプレイに表示しながらテキスト編集を可能にする文書編集装置であって、前記テキストデータを記憶するための編集データ記憶手段と、前記キーボードからテキスト編集のためのキー情報を受け付けた場合に、当該キー情報に従って前記編集データ記憶手段に記憶されたテキストデータを編集するテキスト編集手段と、前記編集データ記憶手段に記憶された前記テキストデータを前記ディスプレイに表示するための制御を行う表示制御手段と、前記キーボードから2次元コード表示のためのキー情報を受け付けた場合に、前記編集データ記憶手段に記憶された前記テキストデータに基づいて2次元コードを生成する2次元コード生成手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記2次元コード生成手段によって2次元コードが生成された場合に、当該2次元コードに基づく2次元コードパターンを前記ディスプレイに表示するための制御を行う、文書編集装置である。
【0015】
これにより、接続ケーブルやメモリカードを用いることなく、既存のハードウェアコンポーネントを活用して、文書編集装置から他の電子デバイスにデータを簡単に転送することができるようになる。
【0016】
また、本発明は、メールアドレスを記憶するメールアドレス記憶手段と、前記メールアドレス記憶手段に記憶されたメールアドレスの少なくとも1つを選択するメールアドレス選択手段と、をさらに備える。そして、前記2次元コード生成手段は、前記選択されたメールアドレス及び前記編集データ記憶手段に記憶された前記テキストデータに基づいて、外部のアプリケーションプログラムが解釈可能なコマンドデータを作成し、当該作成したコマンドデータに基づいて2次元コードを生成する、文書編集装置である。
【0017】
これにより、生成された2次元コードは、携帯電話機に対するコマンドデータとして機能するので、携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取り、コマンドヘッダを認識すると、各セクションの内容をメールの対応するフィールドに割り当てることによってメールを作成することができる。ユーザは、携帯電話機を操作してメール送信を指示することにより、携帯電話機は、作成したメールを送信する。このため、ユーザは、携帯電話機に対する操作を必要最小限に抑えつつ、文書編集装置1で編集したテキストデータを所定の宛先に簡単に転送できるようになる。
【0018】
さらに、本発明は、所定の書式に従ったテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、前記テンプレート記憶手段に記憶されたテンプレートの1つを選択するためのキー情報を受け付けた場合に、前記選択されたテンプレートに基づくテキストデータを前記編集データ記憶手段にセットするテンプレート選択手段と、をさらに備え、前記2次元コード生成手段は、前記編集データ記憶手段に記憶された前記テンプレートに基づく前記テキストデータを所定のアプリケーションデータに変換し、前記選択されたメールアドレス及び前記変換された所定のアプリケーションデータに基づいて、外部プログラムが解釈可能なコマンドデータを作成し、当該作成したコマンドデータに基づいて2次元コードを生成する、文書編集装置である。
【0019】
これにより、生成された2次元コードは、他のアプリケーションプログラムで利用可能なデータ(例えばCSV形式のデータ)を含む、携帯電話機に対するコマンドデータとして機能するので、携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取り、コマンドヘッダを認識すると、各セクションの内容をメールの対応するフィールドに割り当てることによってメールを作成することができる。ユーザは、携帯電話機を操作してメール送信を指示することにより、携帯電話機は、作成したメールを送信する。このため、ユーザは、携帯電話機に対する操作を必要最小限に抑えつつ、文書編集装置1で編集したテキストデータを所定の宛先に簡単に転送できるようになる。また、本実施形態によれば、テンプレートに基づいて作成されたテキストデータは、他のアプリケーションプログラムで利用可能なデータに変換されるので、ユーザは、携帯電話機から当該メールを受信したコンピュータのアプリケーションプログラム上で当該データを直ちに利用することができるようになる。
【0020】
さらにまた、本発明は、辞書データを記憶する辞書記憶手段と、前記辞書記憶手段に記憶された辞書データを参照して、前記キーボードから入力されたキー情報に基づく第1の形態のテキストデータを第2の形態のテキストデータに変換する変換手段とをさらに備え、前記変換手段は、前記第1の形態の第1のテキストデータと前記第2の形態の第2のテキストデータとの組み合わせが前記辞書データとして登録されていない場合に、当該組み合わせを新たな辞書データとして登録する辞書登録手段を含み、前記2次元コード生成手段は、前記辞書記憶手段に記憶された前記新たな辞書データに基づいて2次元コードを生成する、文書編集装置である。
【0021】
これにより、生成された2次元コードは、ユーザによって登録された辞書データを含む、携帯電話機に対するコマンドデータとして機能するので、携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取り、コマンドヘッダを認識すると、各セクションの内容をメールの対応するフィールドに割り当てることによってメールを作成することができる。ユーザは、携帯電話機を操作してメール送信を指示することにより、携帯電話機は、作成したメールを送信する。このため、ユーザは、携帯電話機に対する操作を必要最小限に抑えつつ、辞書データを所定の宛先に簡単に転送できるようになる。従って、ユーザは、コンピュータ上の辞書データを、メールで受信した辞書データで更新することができ、従って、文書編集装置1とコンピュータとの間で辞書データの共有(同期)を図ることができるようになる。
【0022】
また、別の観点に従う本発明は、キーボード及びディスプレイを備え、ユーザによって前記キーボードから入力されたテキストデータを前記ディスプレイに表示しながらテキスト編集を可能にする文書編集装置を用いたデータ転送方法である。当該データ転送方法は、前記文書編集装置のプロセッサが、前記キーボードから入力されたテキストデータをメモリに記憶するステップと、前記プロセッサが、前記キーボードから2次元コード表示のためのキー情報を受け付けるステップと、前記プロセッサが、前記メモリに記憶された所定のメールアドレス及び前記テキストデータに基づいて、外部のアプリケーションプログラムが解釈可能なコマンドデータを作成するステップと、前記プロセッサが、前記作成したコマンドデータに基づいて2次元コードを生成するステップと、前記プロセッサが、前記生成された2次元コードに基づく2次元コードパターンを前記ディスプレイに表示する制御を行うステップと、携帯電話機が、前記ディスプレイに表示された前記2次元コードパターンを読み取って、前記コマンドデータを解釈してメールを作成し、メールを送信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、テキスト編集機能に特化した携帯型の文書編集装置において、他の電子デバイスにデータを簡単に転送することができるようになる。また、既存のハードウェアコンポーネントを活用するため、ハードウェアコンポーネントを新たに追加する必要がなく、この結果、製造コストを抑制することができるようになる。
【0024】
本発明の他の技術的特徴及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る文書編集装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る文書編集装置のコントローラボードのハードウェア構成を示すブロックダイアグラムである。
【図3】本発明の一実施形態に係る文書編集装置における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図4】本発明の一実施形態に係る文書編集装置におけるメニュー選択画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る文書編集装置における2次元コード生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る文書編集装置における2次元コードパターン表示画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の一の実施形態に係る文書編集装置における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図8】本発明の一の実施形態に係る文書編集装置におけるメニュー選択画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る文書編集装置における2次元コード生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の一の実施形態に係る文書作成装置において作成されたコマンドデータの一例を説明するための図である。
【図11】本発明の一の実施形態に係る文書編集装置における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。
【図12】本発明の一の実施形態に係る文書編集装置におけるメニュー選択画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の一の実施形態に係る文書編集装置におけるテキスト編集画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る文書編集装置における2次元コード生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の一の実施形態に係る文書編集装置における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施形態]
【0027】
本実施形態は、テキスト編集機能に特化した文書編集装置であって、編集中のテキストデータを2次元コード(例えばQRコード)に変換し、その2次元コードパターンをディスプレイ画面上に表示する文書編集装置及びこれを用いたデータ転送方法を説明している。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る文書編集装置の外観を示す斜視図である。同図に示すように、文書編集装置1は、ベース2と、キーボード3と、ディスプレイ4とを備える。
【0029】
ベース2は、文書編集装置1全体の動作を司るコントローラボード10(図示せず)や文書編集装置1が必要とする電力を供給するバッテリ等を収容する筐体であって、キーボード3及びディスプレイ4を支持している。
【0030】
キーボード3は、ユーザがキー操作をするための入力デバイスである。本実施形態では、キーボード3には、折りたたみ式キーボードが採用されている。キーボード3は、折りたたまれた状態では概ねベース2のサイズになり、また、完全に展開された状態では例えばノート型コンピュータ程度のキーボードのサイズになるように、構成されている。ディスプレイ4は、例えば、液晶ディスプレイであり、ヒンジ機構を介してベース2に開閉自在に接続されている。ディスプレイ4は、キーボード3が折りたたまれた状態で、閉じることができる。キーボード3及びディスプレイ4は、コントローラボード10の制御の下、ユーザインターフェースとして機能する。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態に係る文書編集装置1のコントローラボード10のハードウェア構成を示すブロックダイアグラムである。
【0032】
即ち、同図に示すように、コントローラボード10は、プロセッサ11と、メモリ12と、キーボードコントローラ13と、ディスプレイコントローラ14と、USBインターフェース15と、メモリカードインターフェース16とを含み、これらはシステムバス17を介して接続されている。
【0033】
プロセッサ11は、メモリ12上のプログラムを解釈、実行することにより、コントローラボード10を統括的に制御するコアコンポーネントである。メモリ12は、典型的には、フラッシュメモリのような書き換え可能な不揮発性メモリを含む半導体メモリモジュールで構成される。メモリ12は、例えば、各種のプログラム、システムデータ及びユーザデータ等を記憶する。また、メモリ12は、メールアドレスを含むアドレス帳データや所定の書式に従ったテンプレートデータを記憶する。
【0034】
キーボードコントローラ13は、キーボード3のハードウェア制御を行うためのコンポーネントであり、キーボード3に対するキー操作に応じてスキャンコードを生成し、プロセッサ11に割り込みをかける。また、ディスプレイコントローラ14は、ディスプレイ4のハードウェア制御を行うためのコンポーネントであり、プロセッサ11による画像表示要求に基づいて画像表示データを生成し、これをディスプレイ4に出力する。
【0035】
USBインターフェース15は、USBマスストレージクラスに準拠して構成されたコンポーネントであり、これによって、文書編集装置1を他のホストデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ等)のUSBマスストレージとして機能させることができる。
【0036】
メモリカードインターフェース16は、例えば、MicroSD(登録商標)やSDHC(登録商標)に準拠して構成されたコンポーネントであり、これによって、MicroSDカードにアクセスすることができる。
【0037】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る文書編集装置1における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。かかる機能実現手段は、プロセッサ11が、各種のプログラムを実行し、他のハードウェアコンポーネントとの協働により、実現される。
【0038】
同図に示すように、入力解釈部31は、キーボード3から送られるスキャンコードを解釈し、キー情報を取得する。入力解釈部31は、例えば、テキスト編集モードにおいては、キー情報をテキスト編集部32に送る。一方、コマンドモードにおいては、入力解釈部31は、キー情報をコマンド実行部33に送る。入力解釈部31は、通常は、テキスト編集モードであり、例えば、「メニュー」キーが押された場合に、コマンドモードに移行する。入力解釈31は、コマンドモードにおいて、例えば「ESC」キーが押された場合に、テキスト編集モードに戻る。
【0039】
また、入力解釈部31は、日本語入力を可能にするためのかな漢字変換部311を含む。かな漢字変換部311には、既知のかな漢字変換システムを採用することができる。かな漢字変換部311は、取得されたキー情報に基づいて辞書部34の辞書データを参照し、変換候補を抽出する。また、かな漢字変換部311は、ユーザのキー操作に従って確定された文字セットをテキスト編集部32に送る。さらに、かな漢字変換部311は、特定の文字又は文字列に対して読みがなを定義する辞書登録機能を備える。新たに定義された辞書データは、辞書部34に登録される。
【0040】
テキスト編集部32は、入力解釈部31から受け取ったキー情報又は文字セットに従って編集メモリ部35の内容(テキストデータ)を更新する。編集メモリ部35の内容は、後述するように、表示制御部36により画像表示データに変換され、ディスプレイ4に表示されることになる。
【0041】
コマンド実行部33は、コマンドモードにおいて入力解釈部31から送られるキー情報に応じて、所定のコマンドを実行する。例えば、ファイルの新規作成が指示された場合には、コマンド実行部33は、編集メモリ部35に対して初期化処理を行う。本実施形態では、コマンド実行部33は、編集メモリ部35に記憶されたテキストデータに基づいて2次元コードを生成する2次元コード生成部331を含む。
【0042】
表示制御部36は、他の機能実現手段から受け取ったデータを画像表示データに変換し、これをディスプレイ4に送る。例えば、表示制御部36は、編集メモリ部35に記憶されたテキストデータのうち、表示範囲にあるテキストデータに基づいて画像表示データを生成し、これをディスプレイ4に送る。これにより、ユーザは、編集中のテキストデータをディスプレイ4の画面上で認識することできる。また、表示制御部36は、2次元コード生成部331によって生成された2次元コードに基づく2次元コードパターンに基づく画像表示データを生成し、これをディスプレイ4に送る。
【0043】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る文書編集装置1のディスプレイ4に表示されたメニュー選択画面の一例を示す図である。文書編集装置1は、例えば、プロセッサ11の制御の下、キーボード3の「メニュー」が押されたと判断すると、同図(a)に示すようなタブメニューをディスプレイ4の画面に表示するように制御を行う。同図(a)は、「ファイル」タブにおけるメニュー項目を示している。ユーザは、例えば、左右矢印キーを用いて、カレントタブを切り替え、また、上下矢印キーを用いて、メニュー項目を選択することができる。同図(b)は、「ツール」タブにおけるメニュー項目を示している。ユーザが「ツール」タブにおける「QRコード表示」を選択すると、文書編集装置1は、プロセッサ11の制御の下、メモリ12に記憶された編集中のテキストデータに基づいて2次元コードを生成する処理を行う。
【0044】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る文書編集装置1における2次元コード生成処理を説明するためのフローチャートである。2次元コード生成処理は、ユーザのメニュー操作により「QRコード表示」が選択された場合に、プロセッサ11が2次元コード生成プログラムを実行することによりなされる処理であり、図3で示した2次元コード生成部331の処理として説明される。
【0045】
即ち、同図に示すように、2次元コード生成部331は、QRコード表示の指示を受け付けると、まず、編集メモリ部35からテキストデータを読み込み(STEP501)、当該テキストデータを所定長のデータブロックに分割する(STEP502)。データブロックへの分割は、1つの2次元コードパターンに含み得るデータサイズに依存する。即ち、QRコードでは、日本語で1817字を超えないサイズのデータブロックに分割される。
【0046】
続いて、2次元コード生成部331は、分割したデータブロックを所定のQRコード変換規則に従って2次元コードに変換する(STEP503)。2次元コード生成部331は、全てのデータブロックを2次元コードに変換したか否かを判断し(STEP504)、未だ変換していないデータブロックがあると判断する場合には(STEP504のNo)、STEP503に戻る。即ち、変換対象のテキストデータが複数のデータブロックに分割される場合、これらのデータブロックに基づく2次元コードは、連結モードで生成されることになる。連結モードでは、各2次元コードに連結情報が埋め込まれ、読み取り側のデバイスは、当該連結情報を解析することによって、元のテキストデータに復元する。
【0047】
2次元コード生成部331は、全てのデータブロックを2次元コードに変換したと判断すると(STEP504のYes)、変換した2次元コードを表示制御部36に送る(STEP505)。表示制御部36は、受け取った2次元コードに基づいて、ディスプレイ4に2次元コードパターンが表示されるように制御を行う。
【0048】
このようにして、ディスプレイ4の画面には、図6に示すように、2次元コードパターンが、ページ番号とともに表示されることになる。同図は、生成された10個の2次元コードパターンのうち9番目のものが表示された状態を示している。複数の2次元コードが生成された場合には、ユーザは、例えば、上下矢印キーを用いて、表示されるべき2次元コードパターンを選択することができる。ユーザは、キーボード3を操作して、ディスプレイ4の画面に2次元コードパターンを順番に表示させて、例えば、携帯電話機の撮像機能を用いてこれを取り込むことができる。そして、ユーザは、携帯電話機を操作して、取り込んだデータを例えば所定のウェブサイトにアップロードすることもできるし、インターネットメールを介してパーソナルコンピュータに転送することもできる。
【0049】
従って、本実施形態によれば、接続ケーブルやメモリカードを用いることなく、既存のハードウェアコンポーネントを活用して、文書編集装置から他の電子デバイスにデータを簡単に転送することができるようになる。特に、テキスト編集機能に特化した文書編集装置においては、新たなハードウェアコンポーネントを追加する必要がないため、動作パフォーマンスを低下させることもなく、また、製造コストを抑制することができるようになる。
[第2の実施形態]
【0050】
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、編集中のテキストデータに加え、アドレス帳から選択されるメールアドレスを2次元コードに変換し、その2次元コードパターンをディスプレイ画面上に表示する文書編集装置及びこれを用いたデータ転送方法を説明している。本実施形態の文書編集装置1のハードウェア構成は、上記実施形態のそれと同様であるので、説明を省略する。
【0051】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る文書編集装置1における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。本実施形態の文書編集装置1は、ユーザによって登録されたメールアドレス等を管理するアドレス帳機能を有する。
【0052】
即ち、同図に示すように、本実施形態の文書編集装置1は、メールアドレス等を記憶するメールアドレス記憶部71を備える。コマンド実行部33は、入力解釈部31から送られるキー情報に従って、メールアドレス記憶部71に記憶されたメールアドレスを読み出して、これを表示制御部36に送る。これによって、ディスプレイ4にはメールアドレスの一覧が表示され、ユーザはキーボード3を用いて特定のメールアドレスを選択することが可能になる。
【0053】
また、本実施形態の2次元コード生成部331は、QRコード表示が指示され、かつ、メールアドレスが選択されると、当該選択されたメールアドレス及び編集メモリ部35に記憶されたテキストデータに基づいて、外部プログラムに対するコマンドデータを作成し、当該コマンドデータに基づいて2次元コードを生成する。外部プログラムは、典型的には、携帯電話機上で実行されるJAVA(登録商標)アプリケーションプログラムである。このようなプログラムを実行している携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取ると、メーラーを起動し、2次元コードに含まれるメールアドレスをメールの宛先フィールドに割り当てるとともに、テキストデータをメールの本文フィールドに割り当てることで、メールを作成する。
【0054】
その他の機能実現手段は、上記実施形態で説明したものと同じであるため、説明を省略する。
【0055】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る文書編集装置1におけるメニュー選択画面の一例を示す図である。本実施形態では、図4(b)に示すようなメニュー選択画面において「QRコード表示」が選択されると、文書編集装置1は、続いて、図8(a)に示すような変換データの選択画面をディスプレイ4に表示する。ここで、ユーザがキーボード3を操作して「テキスト」を選択すると、上記実施形態で説明したように、文書編集装置1は、編集中のテキストデータに基づいて2次元コードを生成する処理を行い、その2次元コードパターンをディスプレイ4に表示する。これに対して、ユーザが「メールアドレス+テキスト」を選択すると、文書編集装置1は、メールアドレスを読み出して、例えば、図8(b)に示すようなメールアドレス選択画面を表示する。ユーザは、表示されたメールアドレスの中から所望のメールアドレスを選択すると、文書編集装置1は、選択したメールアドレス及び編集中のテキストデータに基づいて2次元コードを生成する処理を行い、その2次元コードパターンをディスプレイ4に表示する。
【0056】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る文書編集装置1における2次元コード生成処理を説明するためのフローチャートである。
【0057】
同図に示すように、2次元コード生成部331は、メールアドレス記憶部71から選択されたメールアドレスを読み込み(STEP901)、さらに、編集メモリ部35からデータを読み込む(STEP902)。次に、2次元コード生成部331は、読み込んだメールアドレスとテキストデータとに基づいて、アプリケーションプログラムに対するコマンドデータを作成する(STEP903)。
【0058】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る文書作成装置1において作成されたコマンドデータの一例を説明するための図である。同図に示すように、コマンドデータ100は、コマンドヘッダ101とこれに続くToセクション102、サブジェクトセクション103、及びテキスト本文セクション104を含み、コマンド終端105で終わる。コマンドヘッダ101は、携帯電話機上のアプリケーションプログラムによって解釈されるコマンドであり、当該コマンドデータ100が携帯電話機で作成されるメールに割り当てられるべきデータであることを示している。Toセクション102は、メールの宛先フィールドに割り当てられる少なくとも1つのメールアドレスを含む。サブジェクトセクション103は、メールのサブジェクトフィールドに割り当てられるデータを含む。テキスト本文セクション104は、メールの本文フィールドに割り当てられるデータであり、文書編集装置1によって編集されたテキストデータを含む。なお、ここでは明示していないが、コマンドデータは、ccセクションやbccセクション等を含むことができる。
【0059】
図9に戻り、2次元コード生成部331は、上記実施形態で説明したように、作成したコマンドデータを所定長のデータブロックに分割し、分割した全てのデータブロックを所定のQRコード変換規則に従って2次元コードに変換する(STEP904〜STEP906)。そして、プロセッサ11は、変換した2次元コードを表示制御部36に送る(STEP907)。表示制御部36は、受け取った2次元コードに基づいて、ディスプレイ4に2次元コードパターンが表示されるように制御を行う。
【0060】
以上のように本実施形態によれば、ディスプレイ4の画面には、2次元コードパターンが、ページ番号とともに表示されることになる。本実施形態において生成された2次元コードは、携帯電話機に対するコマンドデータとして機能する。従って、携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取り、コマンドヘッダを認識すると、各セクションの内容をメールの対応するフィールドに割り当てることによってメールを作成する。ユーザは、携帯電話機を操作してメール送信を指示することにより、携帯電話機は、作成したメールを送信する。このため、ユーザは、携帯電話機に対する操作を必要最小限に抑えつつ、文書編集装置1で編集したテキストデータを所定の宛先に簡単に転送できるようになる。
【0061】
なお、本実施形態では、編集されたテキストデータは、メールの本文として送信されるものとしたが、例えば、添付ファイルとして送信されるものであってもよい。
[第3の実施形態]
【0062】
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、所定のテンプレートに基づいて編集されたテキストデータを2次元コードに変換し、その2次元コードパターンをディスプレイ画面上に表示する文書編集装置及びこれを用いたデータ転送方法を説明している。さらに、本実施形態では、当該編集されたテキストデータに加え、アドレス帳から選択されるメールアドレスを2次元コードに変換する例を説明している。
【0063】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る文書編集装置1における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。
【0064】
即ち、同図に示すように、本実施形態の文書編集装置1は、テンプレートを記憶するテンプレート記憶部111を備える。テンプレートは、ユーザの入力・編集を補助するための所定の書式に従った文字列(項目)を予め含む初期ファイルである。本実施形態では、例えば、議事録を作成するために必要な項目を含む議事録テンプレート及び日報を作成するために必要な項目を含む日報テンプレートが用意されている。
【0065】
また、本実施形態の2次元コード生成部331は、QRコード表示が指示され、かつ、メールアドレスが選択されると、当該選択されたメールアドレス及び編集メモリ部35に記憶されたテキストデータに基づいて、外部のアプリケーションプログラムで利用可能なアプリケーションデータを作成し、当該アプリケーションデータに基づいて2次元コードを生成する。アプリケーションデータは、例えば、表計算アプリケーションプログラムで読み込み可能なCSV形式のデータである。2次元データ生成部331は、テンプレートとして予め記述されたテキストに従って、CSV形式のアプリケーションデータを作成する。
【0066】
その他の機能実現手段は、上記実施形態で説明したものと同じであるため、説明を省略する。
【0067】
図12は、本発明の第3の実施形態に係る文書編集装置1におけるメニュー選択画面の一例を示す図である。本実施形態では、図4(a)に示すようなメニュー選択画面において「新規作成」が選択されると、文書編集装置1は、続いて、図12に示すような変換データの選択画面をディスプレイ4に表示する。ここで、ユーザがキーボード3を操作して「通常文書」を選択すると、文書編集装置1は、テンプレートなしの状態でテキスト編集を可能にする。一方、ユーザが例えば「議事録」を選択すると、文書編集装置1は、議事録テンプレートをテンプレート記憶部111から読み出して、これを編集メモリ部35に書き込む。これによって、文書編集装置1は、図13に示すような編集画面を表示し、ユーザは、テキスト編集をすることができるようになる。従って、ユーザが「QRコード表示指示」を選択し、かつ、メールアドレスを選択した場合、文書編集装置1は、選択したメールアドレス及び編集中のテキストデータに基づいて2次元コードを生成する処理を行い、その2次元コードパターンを表示する。
【0068】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る文書編集装置1における2次元コード生成処理を説明するためのフローチャートである。
【0069】
同図に示すように、2次元コード生成部331は、メールアドレス記憶部71から選択されたメールアドレスを読み込み(STEP1401)、さらに、編集メモリ部35からテキストデータを読み込む(STEP1402)。
【0070】
次に、2次元コード生成部331は、当該テキストデータの編集にテンプレートが使用されたか否かを判断する(STEP1403)。本実施形態では、2次元コード生成部331は、テキストデータがテンプレートにおける所定の項目を含むか否かで判断する。2次元コード生成部331は、テンプレートが使用されていないと判断する場合には(STEP1403のNo)、上記実施形態で説明したように、読み込んだメールアドレスとテキストデータとに基づいて、携帯電話機のアプリケーションプログラムに対するコマンドデータを作成する(STEP1404)。
【0071】
これに対して、2次元コード生成部331は、テンプレートが使用されていると判断する場合には(STEP1403のYes)、編集されたテキストデータを、所定の項目ごとにカンマで区切ってCSV形式のデータに変換した後(STEP1405)、読み込んだメールアドレスとCSV形式のデータとに基づいて、携帯電話機のアプリケーションプログラムに対するコマンドデータを作成する(STEP1406)。
【0072】
次に、2次元コード生成部331は、上記実施形態で説明したように、作成したコマンドデータを所定長のデータブロックに分割し、分割した全てのデータブロックを所定のQRコード変換規則に従って2次元コードに変換する(STEP1407〜STEP1409)。そして、プロセッサ11は、変換した2次元コードを表示制御部36に送る(STEP1410)。表示制御部36は、受け取った2次元コードに基づいて、ディスプレイ4に2次元コードパターンが表示されるように制御を行う。
【0073】
以上のように本実施形態によれば、ディスプレイ4の画面には、2次元コードパターンが、ページ番号とともに表示されることになる。本実施形態において生成された2次元コードは、他のアプリケーションプログラムで利用可能なデータ(例えばCSV形式のデータ)を含む、携帯電話機に対するコマンドデータとして機能する。従って、携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取り、コマンドヘッダを認識すると、各セクションの内容をメールの対応するフィールドに割り当てることによってメールを作成する。ユーザは、携帯電話機を操作してメール送信を指示することにより、携帯電話機は、作成したメールを送信する。このため、ユーザは、携帯電話機に対する操作を必要最小限に抑えつつ、文書編集装置1で編集したテキストデータを所定の宛先に簡単に転送できるようになる。また、本実施形態では、テンプレートに基づいて作成されたテキストデータは、他のアプリケーションプログラムで利用可能なデータに変換されるので、ユーザは、携帯電話機から当該メールを受信したコンピュータのアプリケーションプログラム上で当該データを直ちに利用することができるようになる。
[第4の実施形態]
【0074】
本実施形態は、上記実施形態の変形であり、ユーザによって登録されたかな漢字変換システムの辞書データを2次元コードに変換し、その2次元コードパターンをディスプレイ画面上に表示する文書編集装置及びこれを用いたデータ転送方法を説明している。
【0075】
図15は、本発明の第4の実施形態に係る文書編集装置1における機能実現手段の構成を示すブロックダイアグラムである。
【0076】
本実施形態の2次元コード生成部331は、辞書転送が指示されると、辞書部34に記憶された辞書データを読み出して、当該辞書データに基づいて2次元コードを生成する。表示制御部36は、生成された2次元コードに基づく2次元コードパターンをディスプレイ4に表示するための制御を行う。
【0077】
その他の機能実現手段は、上記実施形態で説明したものと同じであるため、説明を省略する。
【0078】
以上のように本実施形態によれば、ディスプレイ4の画面には、2次元コードパターンが、ページ番号とともに表示されることになる。本実施形態において生成された2次元コードは、ユーザによって登録された辞書データを含む、携帯電話機に対するコマンドデータとして機能する。従って、携帯電話機は、2次元コードパターンを読み取り、コマンドヘッダを認識すると、各セクションの内容をメールの対応するフィールドに割り当てることによってメールを作成する。ユーザは、携帯電話機を操作してメール送信を指示することにより、携帯電話機は、作成したメールを送信する。このため、ユーザは、携帯電話機に対する操作を必要最小限に抑えつつ、辞書データを所定の宛先に簡単に転送できるようになる。これにより、ユーザは、コンピュータ上の辞書データを、メールで受信した辞書データで更新することができ、従って、文書編集装置1とコンピュータとの間で辞書データの共有(同期)を図ることができるようになる。
【0079】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を上記実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、ディスプレイを備えた文書編集装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…文書編集装置
2…本体
3…キーボード
4…ディスプレイ
10…コントローラボード
11…プロセッサ
12…メモリ
13…キーボードコントローラ
14…ディスプレイコントローラ
15…USBインターフェース
16…メモリカードインターフェース
31…入力解釈部
311…かな漢字変換部
32…テキスト編集部
33…コマンド実行部
331…2次元コード生成部
34…辞書部
35…編集メモリ部
36…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボード及びディスプレイを備え、ユーザによって前記キーボードから入力されたテキストデータを前記ディスプレイに表示しながらテキスト編集を可能にする文書編集装置であって、
前記テキストデータを記憶するための編集データ記憶手段と、
前記キーボードからテキスト編集のためのキー情報を受け付けた場合に、当該キー情報に従って前記編集データ記憶手段に記憶されたテキストデータを編集するテキスト編集手段と、
前記編集データ記憶手段に記憶された前記テキストデータを前記ディスプレイに表示するための制御を行う表示制御手段と、
前記キーボードから2次元コード表示のためのキー情報を受け付けた場合に、前記編集データ記憶手段に記憶された前記テキストデータに基づいて2次元コードを生成する2次元コード生成手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記2次元コード生成手段によって2次元コードが生成された場合に、当該2次元コードに基づく2次元コードパターンを前記ディスプレイに表示するための制御を行う、
文書編集装置。
【請求項2】
メールアドレスを記憶するメールアドレス記憶手段と、
前記メールアドレス記憶手段に記憶されたメールアドレスの少なくとも1つを選択するメールアドレス選択手段と、をさらに備え、
前記2次元コード生成手段は、
前記選択されたメールアドレス及び前記編集データ記憶手段に記憶された前記テキストデータに基づいて、外部プログラムが解釈可能なコマンドデータを作成し、当該作成したコマンドデータに基づいて2次元コードを生成する、
請求項1記載の文書編集装置。
【請求項3】
所定の書式に従ったテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記テンプレート記憶手段に記憶されたテンプレートの1つを選択するためのキー情報を受け付けた場合に、前記選択されたテンプレートに基づくテキストデータを前記編集データ記憶手段にセットするテンプレート選択手段と、をさらに備え、
前記2次元コード生成手段は、
前記編集データ記憶手段に記憶された前記テンプレートに基づく前記テキストデータを所定のアプリケーションデータに変換し、前記選択されたメールアドレス及び前記変換された所定のアプリケーションデータに基づいて、外部プログラムが解釈可能なコマンドデータを作成し、当該作成したコマンドデータに基づいて2次元コードを生成する、
請求項2記載の文書編集装置。
【請求項4】
辞書データを記憶する辞書記憶手段と、
前記辞書記憶手段に記憶された辞書データを参照して、前記キーボードから入力されたキー情報に基づく第1の形態のテキストデータを第2の形態のテキストデータに変換する変換手段とをさらに備え、
前記変換手段は、前記第1の形態の第1のテキストデータと前記第2の形態の第2のテキストデータとの組み合わせが前記辞書データとして登録されていない場合に、当該組み合わせを新たな辞書データとして登録する辞書登録手段を含み、
前記2次元コード生成手段は、前記辞書記憶手段に記憶された前記新たな辞書データに基づいて2次元コードを生成する、
請求項2又は3記載の文書編集装置。
【請求項5】
キーボード及びディスプレイを備え、ユーザによって前記キーボードから入力されたテキストデータを前記ディスプレイに表示しながらテキスト編集を可能にする文書編集装置を用いたデータ転送方法であって、
前記文書編集装置のプロセッサが、前記キーボードから入力されたテキストデータをメモリに記憶するステップと、
前記プロセッサが、前記キーボードから2次元コード表示のためのキー情報を受け付けるステップと、
前記プロセッサが、前記メモリに記憶された所定のメールアドレス及び前記テキストデータに基づいて、外部のアプリケーションプログラムが解釈可能なコマンドデータを作成するステップと、
前記プロセッサが、前記作成したコマンドデータに基づいて2次元コードを生成するステップと、
前記プロセッサが、前記生成された2次元コードに基づく2次元コードパターンを前記ディスプレイに表示する制御を行うステップと、
携帯電話機が、前記ディスプレイに表示された前記2次元コードパターンを読み取って、前記コマンドデータを解釈してメールを作成し、メールを送信するステップと、
を含むデータ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−76540(P2011−76540A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229826(P2009−229826)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000129437)株式会社キングジム (241)
【Fターム(参考)】