説明

料金精算システム及びブリッジカード

【課題】既存の料金課金システムを変更しないで、プリペイド方式による非接触ICカードと通信して通行料金を支払うことができる料金精算システムを得る。
【解決手段】通過ゲートシステムとの通信の第1の通信インターフェース回路を有するブリッジカードであって、記憶手段と専用料金精算手段を含む情報制御手段を有し、料金精算機能を有する非接触ICカードと非接触通信をするICカードアンテナと非接触通信インターフェース回路を有するブリッジカードを用いて、料金課金システムから前記通過ゲートシステムを介して料金請求コマンド信号を受信し、前記非接触ICカードを前記記憶手段に記憶した非接触ICカードのIDデータと照合して認証し、前記認証をした前記非接触ICカードで料金精算処理を行い、前記認証をしていない場合には前記専用料金精算手段により料金精算処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料道路の通行料金決済方法(ETC)の多様化を図るため等に用いる、非接触カードアクセス機能を有するブリッジカードを用いた料金精算システムに関し、特に、現行の有料道路自動料金収受システム(ETCシステム)を活用して、プリペイド方式の非接触ICカードを利用したプリペイド決済方式を導入することに応用する料金精算システム、及び、それに用いる、非接触ICカードアクセス機能付きブリッジカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ETC用の料金精算システムは、車両に装着したETC車載器(有料道路自動料金収受システム陸上移動局機器)に、クレジットカード会社が発行するETCカード(契約情報などを記録したICカード)を挿入し、有料道路における料金所のトールゲートの通過ゲートシステムに設置した路側アンテナとETC車載器との間の無線通信を行う。この無線通信により、通行料金などのデータを、路側アンテナに接続した有料道路の料金所の通過ゲートシステムとETCカード(ICカード)との双方と通信して、料金所で、料金支払いのために止まることなく、通行することを可能とする。
【0003】
このような料金精算システムでは、通行料金課金情報を、道路事業者がETCカードを発行したクレジットカード会社に対し、後日一括して請求を行い、クレジットカード会社は有料道路利用者に対し個別に通行料金を請求する、というクレジット(後払い)方式を採用している。
【0004】
また、特許文献1で紹介されている、ETC用の料金精算システム以外に、料金所のリーダ/ライタに近接させて、非接触近接無線通信により通信して通行料金を清算する、プリペイド方式の非接触ICカードを用いて通行料金を徴収する料金精算システムもある。
【0005】
また、特許文献2では、有料道路において、ETCカードと非接触ICカードとを共用化したETCカードを用いて、有料道路の入口料金所のリーダ/ライタに近接させて非接触ICカードで通信して、有料道路の出口料金所では、そのETCカードを挿入して電気接続した車載器が料金所の通過ゲートシステムと無線通信して通行料金の精算処理する技術が提案されている。
【0006】
しかし、この特許文献1や特許文献2の技術では、非接触ICカードを料金所のリーダ/ライタに近接させて、非接触近接無線通信により通信させる必要があり、ETCカードと非接触ICカードとを利用者が異なる通信系統を経由させて処理して通行料金を支払っていた。特許文献3では、それを改善するよう、カードホルダに非接触ICカードを設置してカードホルダーと車載器が無線通信して非接触ICカードのデータを送受信し、その車載器がRFアンテナを介する無線通信で通過ゲートシステムと無線通信して有料道路の通行料金を精算する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−140381号公報
【特許文献2】特開2006−139797号公報
【特許文献3】特開2007−018358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1から3の技術で用いる非接触ICカードは、道路事業者にETC専用に認証されている非接触ICカードを用いる技術であって、鉄道などの交通機関で通常に用いられている、自動改札機と微弱電波で無線通信を行うプリペイド方式の非接触ICカードと通信して通行料金を徴収するシステムでは無かった。そのため、鉄道などの交通機関で通常に用いられているプリペイド方式による非接触ICカードと通信して通行料金を徴収する料金精算システムを開発する課題があった。
【0009】
本発明の課題は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ETC等の既存の料金課金システムを変更しないで、鉄道などの交通機関で通常に用いられているプリペイド方式による非接触ICカードと通信して通行料金を支払うことができる料金精算システム、及び、それに用いる非接触カードアクセス機能付きブリッジカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、通過ゲートシステムとの通信の第1の通信インターフェース回路を有するブリッジカードであって、記憶手段と専用料金精算手段を含む情報制御手段を有し、料金精算機能を有する非接触ICカードと非接触通信をするICカードアンテナと非接触通信インターフェース回路を有し、料金課金システムから前記通過ゲートシステムを介して料金請求コマンド信号を受信し、前記非接触ICカードを前記記憶手段に記憶した非接触ICカードのIDデータと照合して認証し、前記認証をした前記非接触ICカードで料金精算処理を行い、前記認証をしていない場合には前記専用料金精算手段により料金精算処理を行うことを特徴とするブリッジカードである。
【0011】
また、本発明は、上記のブリッジカードを用いる料金精算システムであって、上記ブリッジカードに利用者端末装置を電気接続し、前記利用者端末装置を料金課金システムに接続する通過ゲートシステムと無線通信させることで、上記ブリッジカードが前記料金課金システムと通信して上記料金精算処理を行うことを特徴とする料金精算システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の料金精算システムは、専用料金精算手段を内蔵するブリッジカードを、ETC車載器等の利用者端末装置に電気接続させる。このブリッジカードは非接触ICカードのリーダー/ライターとして、非接触近接通信を行うICカードアンテナと非接触通信インターフェース回路を有する。そしてブリッジカードが利用者端末装置を介して通過ゲートシステムと無線通信し、通過ゲートシステムと接続する料金課金システムと通信して料金精算処理を行う料金精算システムである。このブリッジカードは、ETCカード用コマンド等の専用料金精算手段用の料金請求コマンドを非接触ICカード用の料金請求コマンドに変換し、非接触ICカードからのレスポンス信号をETCカード用のレスポンス信号に変換する手段を有する。それにより、鉄道などの交通機関で通常に用いられているプリペイド方式による非接触ICカードをブリッジカードと利用者端末装置を経由して有料道路の料金所側の通過ゲートシステム(ETCシステム)と無線通信させて有料道路の通行料金を清算させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の利用者端末装置と、ブリッジカードと、非接触ICカードと料金所側システムとの関係を示すブロック図である。
【図2】本発明のブリッジカードのブロック図である。
【図3】本発明のブリッジカードの記憶手段の記憶するデータの一部を示すブロック図である。
【図4】本発明のブリッジカードの情報制御手段の機能ブロック図である。
【図5】本発明の非接触ICカードのブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるクレジット方式と非接触ICカードによるプリペイド方式による通行料金決済方法を示すブロック図である。
【図7】本発明の利用者端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明のブリッジカードの動作を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートのうちの非接触ICカードの有効性確認処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】本発明の利用者端末装置とブリッジカードと非接触ICカード間のコマンド信号とレスポンス信号の通信を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の利用者端末装置とブリッジカードと非接触ICカード間のコマンド信号とレスポンス信号の通信を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の利用者端末装置とブリッジカードと非接触ICカード間のコマンド信号とレスポンス信号の通信を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して、詳細に説明する。本発明の実施形態は、図1のように、利用者車両1のETC車載器である利用者端末装置2が高速道路の料金所の料金所側システム10と無線通信して利用者が通行料金を支払うETC用の料金精算システムである。この料金精算システムは、利用者車両1に設置した利用者端末装置2を有し、その利用者端末装置2のICカードコネクタ5に差し込んで電気接続させるブリッジカード100と、そのブリッジカード100と非接触通信をするプリペイド方式の非接触ICカード200を有する。ブリッジカード100は、非接触ICカード200と非接触通信し、かつ、ETCカードの機能を有する専用料金精算手段101を含む。ブリッジカード100を設置した利用者端末装置2が料金課金システム11に接続する通過デートシステム10と無線通信することで、料金精算処理を行う。
【0015】
(利用者端末装置)
図1に示すように、利用者端末装置2は、端末制御回路3と、ブリッジカード100を設置するICカードコネクタ5と、有料道路の料金所のトールゲートの通過ゲートシステム10に設置した路側アンテナと無線通信するRFアンテナ4を有する。利用者端末装置2の端末制御回路3は、利用者端末装置2のRFアンテナ4と、ICカードコネクタ5に接続され、そのICカードコネクタ5にブリッジカード100の接触型コネクタ102を差し込んで電気接続させる。
【0016】
(ブリッジカード)
ブリッジカード100は、図2に示すように、利用者端末装置2のカード挿入口のICカードコネクタ5に差し込んで電気接続することで信号を通す接触型コネクタ102と、利用者端末装置2と集積回路103との間で信号を送受信してデータ通信する接触通信等の第1の通信インターフェース回路104と、集積回路103に接続する記憶手段105と、集積回路103をICカードアンテナ106に接続して、ICカードアンテナ106を介して非接触ICカード200との間で非接触でデータを送受信する非接触通信インターフェース回路107を有する。集積回路103と記憶手段105が情報制御手段110を構成する。専用料金精算手段101は情報制御手段110に含まれる。記憶手段105は、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶手段とランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶手段とから成る。ブリッジカード100は、その非接触通信インターフェース回路107によりICカードアンテナ106に電流を流して、非接触ICカード200と非接触無線通信を行う。
【0017】
ブリッジカード100の記憶手段105は、図3に示すように、記憶手段105の不揮発性記憶領域に、端末装置通信用セキュリティデータ105a(車載器ID,ETCカー
ドのID,クレジット番号、有効期限など)及び、非接触ICカード通信用セキュリティデータ105b(非接触ICカード200の使用可能な非接触ICカードのIDデータ105c、通信の暗号化にかかわるデータ、暗号鍵データ、データ書換え権限の認証データなど)と、コマンド数対応データ105d(ETCカード用コマンドの数と非接触ICカード用コマンドの数が何対何に対応するかを指定するデータ)を予め記録している。更に、不揮発性記憶領域に、使用実績料金データ105eも記憶する。また、ランダムアクセスメモリに料金徴収先カードの指定データ105fと通行料金データ105gを記憶する。ブリッジカード100に暗号鍵データ等の利用者のセキュリティにかかわるデータを保存し利用者端末装置2には暗号鍵データを記憶しないので、外部からの暗号鍵のハッキング等の攻撃に対して安全性が増す効果がある。
【0018】
ブリッジカード100の情報制御手段110は、図4に示す機能ブロックから成る。そして、情報制御手段110は、ブリッジカード100をETC専用ICカードとして動作させる専用料金精算手段101を有し、かつ、ブリッジカード100が非接触通信を介して、近接させた非接触ICカード200にICカードアンテナ106を介してアクセスする通信インターフェース手段を有する。すなわち、情報制御手段110は、接触通信を行う第1の通信インターフェース回路104と信号を送受信するプロトコルを制御する第1の通信プロトコル制御部111と、利用者端末装置2から受信したETCカード用コマンドを認識処理する第1の通信コマンド認識部112と、利用者端末装置2から受信するETCカード用コマンドを非接触ICカード200に送信する非接触ICカード用コマンドのデータのフォーマットに変換し、また、非接触ICカード200から受信する非接触ICカード用レスポンスを利用者端末装置2に送信するETCカード用レスポンスのデータのフォーマットに変換するデータフォーマット変換部113と、非接触ICカード200向けの非接触ICカード用コマンド信号を生成する非接触ICカード用コマンド生成部114と、非接触通信インターフェース回路107と信号を送受信するプロトコルを制御する非接触通信プロトコル制御部115と、非接触ICカード200から受信した非接触ICカード用レスポンス信号を認識処理する非接触通信レスポンス認識部116と、利用者端末装置2向けのETCカード用レスポンス信号を生成する第1の通信レスポンス生成部117を有する。
【0019】
(非接触ICカード)
プリペイド方式の非接触ICカード200は、東日本旅客鉄道株式会社のSuicaやソニー株式会社のFeliCa等を用いることができる。非接触ICカード200は、図5に示すように、非接触ICカード集積回路201とフラッシュメモリ202で非接触ICカード制御手段210を構成し、非接触ICカード集積回路201が無線通信コントローラ203を介して、非接触ICカード200に内蔵したICカードアンテナ204に接続されている。非接触ICカード制御手段210は、ICカードICカードアンテナ204を介する非接触通信によりブリッジカード100と通信する。非接触ICカード制御手段210のフラッシュメモリ202には、料金前払い処理でチャージした前払いチャージ金額(残額情報)と非接触ICカード発行元で付与したカードID(カード識別情報)を記憶し、プリペイド方式の非接触ICカード200を構成する。非接触ICカード制御手段210は、非接触ICカード200のICカードアンテナ204とブリッジカード100のICカードアンテナ106を介する近距離無線通信により、ブリッジカード100の非接触ICカード制御手段210とデータを授受する。
【0020】
(料金決算手順)
ブリッジカード100を接続した利用者端末装置2は、図6に示すように、ETCシステムを構成する道路事業者の通行の料金課金システム11、および、ETC向けクレジット会社の料金決済システム12、非接触ICカード200のクレジット会社の料金決算システム13等の現行システムを活用する。
【0021】
即ち、ブリッジカード100は、有料道路の入口料金所での処理として、専用料金精算手段101を動作させて、記憶手段105から、カード個別情報、車載器固有情報等のECT契約データ105b、及び、非接触ICカードから取得した利用可能残額のデータを読み出して、利用者端末装置2を介して通過ゲートシステム10に送信する。通過ゲートシステム10は、それらのデータを料金課金システム11に送信する。また、ブリッジカード100は、利用者端末装置2を介して、通過ゲートシステム10から入口情報のデータを受信し、そのデータを記憶手段105に記憶する。また、有料道路の出口料金所での処理として、ブリッジカード100は、専用料金精算手段101を動作させて、記憶手段105から、カード個別情報、車載器固有情報等のECT契約データ105b、入口情報のデータ、及び、非接触ICカードから取得した利用可能残額を読み出して、通過ゲートシステム10に送信し、通過ゲートシステム10は、道路事業者の料金課金システム11にそれらのデータを送信する。料金課金システム11は、通行料金の課金情報を、通過ゲートシステム10を介して利用者端末装置2に通知する。それとともに、料金課金システム11は、(後払い)方式のETCカードを扱うクレジット会社の料金決済システム12へ通行料金課金情報を渡し、クレジット会社の料金決算システム12から通行料金の一括支払いを受ける。又、クレジット会社の料金決算システム12は、ETCカードの所有者として登録された有料道路利用者に通行料金を個別に請求し、通行料金の決済を受ける。
【0022】
更に、ブリッジカード100が、料金決済システム13の専用端末(リーダー/ライター)により料金を前払いし金額をチャージした非接触ICカード200と通信する機能を有する。非接触ICカード200のチャージ金額は、クレジットカード会社の料金決済システム13に預託される。有料道路の出口料金所での処理において、ブリッジカード100が非接触ICカード200から通行料金を徴収すると、先ず、ブリッジカード100が、通行料金を徴収した非接触ICカードのIDデータ105cと通行料金のデータを利用者端末装置2に通知する。次に、利用者端末装置2の端末制御回路3が、通行料金を徴収した非接触ICカードのIDデータ105cと通行料金のデータを、利用者端末装置2のRFアンテナ4から無線通信により、有料道路の料金所のトールゲートの路側アンテナに送信する。それにより、トールゲートの路側アンテナに接続する通過ゲートシステム10がその通行料金データと非接触ICカードのIDデータ105cを受信し、道路事業者の中央処理コンピュータシステムからなる料金課金システム11に送信する。そして、料金課金システム11が非接触ICカード200のクレジット会社の料金決済システム13へ、非接触ICカードのIDデータ105cと通行料金課金情報を渡し、クレジット会社の料金決算システム13から通行料金の一括支払いを受ける。
【0023】
次に、図7のフローチャートにより利用者端末装置2の処理手順を説明し、図8と図9のフローチャートによりブリッジカード100の処理手順を説明する。
(通行料金の徴収処理手順)
(S10)
利用者端末装置2の端末制御回路3は、カード挿入口に、ブリッジカード100が挿入されたか否かを検出する。
(S11)
端末制御回路3は、カード挿入口にブリッジカード100の挿入を検出すると、ブリッジカード100の情報制御手段110のETC機能(処理)を立ち上げ、ICカードコネクタ5を介しブリッジカード100のデータを読み出す。そして、端末制御回路3は、読み出したデータから、正当なブリッジカード100であるかを判定する。例えば、情報制御手段110のフラッシュメモリに格納された端末装置通信用セキュリティデータ105a(車載器ID,発行ID,クレジット番号、有効期限)をチエックし、正当なETCカードであるかを判定する。端末制御回路3は、これらのチエックにより、正当なETCカードでないと判定すると、ブザーによるアラーム又はLEDランプによる警告を行う。端末制御回路3は、正当なETCカードであると判定すると、ブリッジカード100の情報制御手段110を起動させる。
(S12)
次に、端末制御回路3は、RFアンテナ4を介した無線通信により、有料道路の料金所のトールゲートの通過ゲートシステム10からの無線信号の受信を監視する。その無線信号の受信を感知した場合はステップS13の処理に進む。
【0024】
一方、ブリッジカード100の情報制御手段110は、起動されると、図4に示す各機能ブロックを動作させて、図8のフローチャートで示す動作を行う。
(S103)
先ず、処理S101により、情報制御手段110は、非接触ICカード200の有効性の確認処理を行う。以下で、この非接触ICカード有効性の確認処理処理(S103)の詳細は図9のフローチャートに従う。
(S121)
先ず、情報制御手段110は、ICカードアンテナ106を介した無線通信を行い、非接触ICカード200との通信の可否を確認することで、非接触ICカード200の接続の確認を行う。
(S122)
ブリッジカード100が非接触ICカード200と通信できない場合は、情報制御手段110は、専用料金精算手段101により料金徴収処理を行うモードを設定する処理(S123)に進み、通信できる場合は、処理S124に進む。
(S123)
記憶手段105の料金徴収先カードの指定データ105fに、料金を徴収する先を専用料金精算手段101に指定するデータを記憶する。その場合は、データフォーマット変換部113が専用料金精算手段101とのみETCカード用コマンドデータとETCカード用レスポンスデータを送受信する動作を行う。このモードで動作している間、定期的に情報制御手段110が非接触ICカード200との通信可否の確認処理(S121)を繰り返す。
【0025】
(S124)
情報制御手段110は、接続した非接触ICカード200の読み出しに成功すると、読み取りデータの内、ブリッジカード100の記憶手段105に登録しておいた使用可能な非接触ICカードのIDデータ105cと、接続した非接触ICカード200のIDを照合する認証処理を行う。
(S125)
非接触ICカード200のIDが、ブリッジカード100の記憶手段105の非揮発性記憶領域に記憶している非接触ICカードのIDデータ105cと異なる場合には、非接触ICカード200が認証できなかったものとして、記憶手段105の料金徴収先カードの指定データ105fに、専用料金精算手段101により料金徴収処理を行うことを指定するデータを記憶する。そして、専用料金精算手段101により料金徴収処理を行うモードを設定する処理(S123)に進む。非接触ICカード200のIDが、ブリッジカード100の記憶手段105の非揮発性記憶領域に記憶している非接触ICカードのIDデータ105cと一致した場合は、非接触ICカード200が認証できたものとして、処理S126に進む。
(S126)
情報制御手段110は、非接触ICカード200のIDが正当であると判定して非接触ICカード200を認証できた場合は、次に、非接触ICカード200のフラッシュメモリ202が記憶しているカードの残額を読み出して、予め決められた金額以上の残額があるかを判定する。
(S127)
予め決められた金額に満たない残額しかない場合には、記憶手段105の料金徴収先カードの指定データ105fに、専用料金精算手段101により料金徴収処理を行うことを指定するデータを記憶する。そして、専用料金精算手段101により料金徴収処理を行うモードを設定する処理(S123)に進む。残高が、予め決められた金額以上である場合には、処理S128に進む。
(S128)
情報制御手段110は、残高が、予め決められた金額以上である場合には、記憶手段105の料金徴収先カードの指定データ105fに、料金徴収先を非接触ICカード200に指定するデータを記憶する。
【0026】
(S13)
利用者端末装置2は、利用者車両1が有料道路の出口の料金所に到来する際に通過ゲートシステム10の路側アンテナから送信される無線信号を、端末制御回路3がRFアンテナ4を介する無線通信によって感知する。利用者端末装置2は、通過ゲートシステム10からの無線信号を感知した場合は、通過ゲートシステム10から、無線通信により、出口情報、通行料金課金情報などのデータを受信する。
(S14)
次に、利用者端末装置2の端末制御回路3が、利用者端末装置2に電気接続したブリッジカード100に対して、通過ゲートシステム10から受信した出口情報と通行料金課金情報とを通知するETCカード用コマンド信号を送信する。
(S15)
次に、端末制御回路3は、そのデータの送信の結果のブリッジカード100からのETCカード用レスポンス信号を待つ。そのETCカード用レスポンス信号を受信した場合はステップS16の処理に進む。
【0027】
この利用者端末装置2によるステップS14とS15の処理とブリッジカード100の処理とによる、利用者端末装置2とブリッジカード100と非接触ICカード200との間の、コマンド信号とレスポンス信号の送受信のシーケンスを図10から図12に示す。
(ブリッジカードが料金を徴収する処理)
ブリッジカード100は、図8のフローチャートに示す手順で、非接触ICカード200あるいは専用料金精算手段101から通行料金を徴収する処理を行う。
(S104)
ブリッジカード100の情報制御手段110は、利用者端末装置2からのETCカード用コマンドの受信の有無を探索する。
(S105)
情報制御手段110は、利用者端末装置2からETCカード用コマンドを受信した場合は、図4に示す各機能ブロックを動作させて、以下のステップS106以降の処理を行うことで、利用者端末装置2から受信したETCカード用コマンドに応答して、専用料金精算手段101あるいは非接触ICカード200から料金を徴収する処理を実行する。ETCカード用コマンドを受信していない場合はステップS111に進む。
【0028】
(S106)
利用者端末装置2からETCカード用コマンドを受信する場合は、先ず、第1の通信インターフェース回路104が、接触型コネクタ102を介して利用者端末装置2からETCカード用コマンドデータとプロトコル制御用データを含むETCカード用コマンド信号を受信する。第1の通信プロトコル制御部111が、そのETCカード用コマンド信号の、データのエラー訂正やデータの再送要求等を行い、利用者端末装置2との通信のプロトコルを制御する。そして、第1の通信プロトコル制御部111は、ETCカード用コマンドデータの受信が完了した段階で、そのETCカード用コマンドデータを第1の通信コマンド認識部112に渡す。第1の通信コマンド認識部112は、受信したETCカード用コマンドデータがどのようなETCカード用コマンドであるかを判定し、そのETCカード用コマンドに応じて必要なデータを抽出し、そのデータをデータフォーマット変換部113に渡す。次に、データフォーマット変換部113は、記憶手段105からコマンド数対応データ105dを読み出し、コマンド数対応データ105dの指示に従ってETCカード用コマンドに応答する。すなわち、受信したETCカード用コマンドが、料金徴収用のコマンドである場合に、受信したETCカード用コマンドデータが非接触ICカード用のコマンドデータと何対何に対応するかをコマンド数対応データ105dから指示されて、以下のように応答する。
【0029】
(S107)
データフォーマット変換部113は、受信したETCカード用コマンドデータが料金徴収のコマンド以外のETCカード用コマンドの場合は、以下のステップS108の処理を行う。受信したETCカード用コマンドデータが料金徴収のコマンドである場合は、記憶手段105から料金徴収先カードの指定データ105fを読み出す。そのデータが、専用料金精算手段101から料金を徴収することを指定している場合は、ステップS108の処理を行う。他方、料金徴収先カードの指定データ105fが、非接触ICカード200から料金を徴収することを指定している場合は、ステップS109以降の処理を行う。その際の処理の違い、すなわち、ETCカード用の専用料金精算手段101から通行料金を徴収するか前払い金額を記録した非接触ICカード200から通行料金を徴収するかの処理の違いを、第1の通信インターフェース回路104を介して利用者端末装置2に通知し、利用者端末装置2に、ブザーの音声を変えるか、また、LEDランプの発光方法を変えることによって、有料道路利用者に通知させる。
【0030】
(S108)
(ETCカード用の専用料金精算手段からの通行料金徴収処理)
料金徴収のコマンド以外のETCカード用コマンドを受信した場合か、あるいは、専用料金精算手段101から料金を徴収することが指定されている場合は、データフォーマット変換部113は、専用料金精算手段101にETCカード用コマンドデータを渡し、専用料金精算手段101が、ETCカード用コマンドを処理して、通常のETCカードの処理手順に従って、ETCカードからの料金徴収処理を行い、ETCカード用レスポンスデータをデータフォーマット変換部113に返信する。データフォーマット変換部113は受信したETCカード用レスポンスデータを第1の通信レスポンス生成部117に渡し、利用者端末装置2にETCカード用レスポンス信号を送信させる。ここで、専用料金精算手段101は、料金徴収のコマンドの処理の際には、記憶手段105の不揮発記憶領域に、通行料金課金を加算した使用実績料金データ105eを書き込む。
【0031】
(S109)
料金徴収のETCカード用コマンドを受信した場合であって、かつ、非接触ICカード200から料金を徴収することが指定されている場合は、コマンド数対応データ105dの指示に従って、受信したETCカード用コマンドデータが非接触ICカード用のコマンドデータと何対何に対応するかの対応関係に応じて、図10から図12のシーケンス図の手順を選択して、非接触ICカード用コマンドデータを作成(ETCカード用レスポンスと非接触ICカード用レスポンスが2対1で対応する場合はETCカード用レスポンスデータも作成)して動作する。すなわち、指定された数のETCカード用コマンドから、指定された数の、フォーマット変換された非接触ICカード用コマンドとETCカード用レスポンスを作成して、非接触ICカード用コマンド生成部114及び第1の通信レスポンス生成部117に渡す。非接触ICカード用コマンド生成部114は、非接触ICカード用コマンドデータをコマンドにセットし非接触通信プロトコル制御部115に渡す。また、第1の通信レスポンス生成部117はETCカード用レスポンスデータをレスポンス信号にセットして第1の通信プロトコル制御部11に渡す。
(S110)
データフォーマット変換部113が、非接触ICカード用コマンドデータを作成するために必要な数のETCカード用コマンドデータを受信した場合には、通信動作を行うインターフェース回路を非接触通信インターフェース回路107に切り替える。
(S108B)
非接触通信プロトコル制御部115が、フォーマット変換された非接触ICカード用コマンドデータに対してプロトコル制御用データを付加した非接触ICカード用コマンド信号を作成し、非接触ICカード200から受信する非接触ICカード用レスポンス信号のタイミングと整合した適切なタイミングで、非接触通信インターフェース回路107を介して非接触ICカード200に送信する。
【0032】
ここで、先に説明したステップS109以降の処理において、コマンド数対応データ105dの情報により指示されて、ETCカード用のコマンドとレスポンスが非接触ICカード用のコマンドとレスポンスに、何対何に対応するかに応じて、図10から図12のシーケンス図の手順を選択して、以降に説明するステップS116までの処理を行う。
【0033】
(ETCカード用コマンドと非接触ICカード用コマンドが1対1対応の場合)
すなわち、利用者端末装置2から受信したETCカード用コマンドが、非接触ICカード用コマンドと1対1に対応する場合には、図10のシーケンス図に示す手順で、ETCカード用のコマンド信号及びレスポンス信号に、非接触ICカード用コマンド信号およびレスポンス信号を1対1に対応させて非接触ICカード200用コマンド信号およびETCカード用レスポンス信号を作成して非接触ICカード200及び利用者端末装置2にデータを送信する。
【0034】
(ETCカード用コマンドと非接触ICカード用コマンドが2対1対応の場合)
利用者端末装置2から受信したETCカード用コマンド2つが、非接触ICカード用コマンド1つと対応する場合には図11のシーケンス図に示す手順により動作する。すなわち、データフォーマット変換部113が、利用者端末装置2から1つ目のETCカードコマンドを受信した際に、1つ目のETC用レスポンスデータを作成して第1の通信レスポンス生成部117に渡し、1つ目のETC用レスポンス信号を利用者端末装置2に送信させる。利用者端末装置2から2つ目のETCカード用コマンドを受信した際に、データフォーマット変換部113が、非接触ICカード用コマンドデータを作成して、非接触ICカード用コマンド生成部114に渡し、非接触ICカード用コマンド信号を非接触ICカード200に送信させる。そして、非接触ICカード200から非接触ICカード用レスポンス信号を受信した際に、2つ目のETC用レスポンスデータを作成して第1の通信レスポンス生成部117に渡し、2つ目のETC用レスポンス信号を利用者端末装置2に送信させる。
【0035】
(ETCカード用コマンドと非接触ICカード用コマンドが1対2対応の場合)
利用者端末装置2から受信したETCカード用コマンド1つが、非接触ICカード用コマンド2つと対応する場合には図12のシーケンス図に示す手順により動作する。すなわち、データフォーマット変換部113が、利用者端末装置2からETCカード用コマンドを受信した際に、1つ目の非接触ICカード用コマンドデータを作成して非接触ICカード用コマンド生成部114に渡し、非接触ICカード200に送信させる。そして、非接触ICカード200から1つ目の非接触ICカード用レスポンス信号を受信した際に、データフォーマット変換部113が2つ目の非接触ICカード用コマンドデータを作成して非接触ICカード用コマンド生成部114に渡し、非接触ICカード200に送信させる。最後に、非接触ICカード200から2つ目のレスポンス信号を受信した際に、ETC用レスポンスデータを作成して第1の通信レスポンス生成部117に渡し、ETC用レスポンス信号を利用者端末装置2に送信させる。
【0036】
(S111)
情報制御手段110は、非接触ICカード200からの非接触ICカード用レスポンス信号の受信の有無を探索する。その動作は、先ず、非接触通信インターフェース回路107が、ICカードアンテナ106を介して非接触ICカード200から非接触ICカード用レスポンス信号とプロトコル制御用データの信号を受信する。非接触通信プロトコル制御部115が、その非接触ICカード用レスポンスデータとプロトコル制御用データの、データのエラー訂正やデータの再送要求等を行い、非接触ICカード200との通信のプロトコルを制御する。そして、非接触通信プロトコル制御部115は、非接触ICカード用レスポンスデータの受信が完了した段階で、その非接触ICカード用レスポンスデータを非接触通信レスポンス認識部116に渡す。
(S112)
情報制御手段110は、非接触ICカード200から非接触ICカード用レスポンスデータを受信した場合は、以下のステップS113の処理を行う。非接触ICカード用レスポンス信号を受信していない時は、ステップS103からの処理を繰り返す。
(S113)
非接触通信レスポンス認識部116は、受信した非接触ICカード用レスポンスデータがどのような非接触ICカード用レスポンスデータであるかを判定し、その非接触ICカード用レスポンスデータに応じて必要なデータを抽出し、そのデータをデータフォーマット変換部113に渡す。
【0037】
(S114)
データフォーマット変換部113は、非接触通信レスポンス認識部116からデータを受け取ると、コマンド数対応データ105dを読み出し、受信した非接触ICカード用レスポンスデータがETCカード用レスポンスデータと何対何に対応するかに応じて、図10から図12のシーケンス図の手順を選択して非接触ICカード用レスポンスデータをETCカード用レスポンスデータにフォーマット変換して、第1の通信レスポンス生成部117に渡す。
(S115)
データフォーマット変換部113が、ETCカード用レスポンスデータを作成するために必要な数の非接触ICカード用レスポンスデータを受信した場合には、通信動作を行うインターフェース回路を第1の通信インターフェース回路104に切り替える。
(S116)
第1の通信レスポンス生成部117は、ETCカード用にフォーマット変換されたデータをレスポンスデータにセットして第1の通信プロトコル制御部111に渡す。第1の通信プロトコル制御部111が、ETCカード用にフォーマット変換されたレスポンスデータに対してプロトコル制御用データを付加してETCカード用レスポンス信号を作成して、第1の通信インターフェース回路104を介して利用者端末装置2に送信する。第1の通信プロトコル制御部111が、そのETCカード用レスポンス信号の通信におけるデータのエラー訂正やデータの再送要求等を行い、利用者端末装置2との通信のプロトコルを制御する。
【0038】
(非接触ICカードによる料金精算処理)
非接触ICカード200は、その非接触ICカード制御手段210が、以上のステップS104からS116までのブリッジカード100の動作により、ブリッジカード100から料金徴収コマンドを受信すると、そのコマンドに応じて、フラッシュメモリ202の前払い金額の残高から、受信した通行料金を差し引くことで通行料金を支払い、レスポンス信号をブリッジカード100に返信する処理を行う。この処理手順を以下で詳しく説明する。
【0039】
ブリッジカード100では、非接触ICカード200からの料金徴収処理の際に、ブリッジカード100のデータフォーマット変換部113が、通行料金課金情報を記憶手段105の通行料金データ105gに一時的に記憶する。次に、データフォーマット変換部113が、非接触ICカード200の前払いチャージ金額から通行料金課金情報を減額することで通行料金を徴収する非接触ICカード用コマンドを作成する指令を非接触ICカード用コマンド生成部114に送信し、非接触ICカード用コマンド生成部114がその非接触ICカード用コマンドを作成する。そして、非接触通信プロトコル制御部115が、非接触通信インターフェース回路107とICカードアンテナ106と、非接触ICカード200のICカードアンテナ204を介する無線通信を介して、その非接触ICカード用コマンドの信号を非接触ICカード200に送信する。非接触ICカード200がそのコマンドのデータを受信すると、非接触ICカード制御手段210が、チャージ金額を更新する計算処理を行い、更新されたチャージ金額のデータをフラッシュメモリ202に記憶する。最後に、非接触ICカード制御手段210が、チャージ金額の更新処理の終了を知らせるレスポンス信号をブリッジカード100に送信する。
【0040】
チャージ金額の更新処理の終了を知らせるレスポンス信号をブリッジカード100が受信した場合は、ブリッジカード100のデータフォーマット変換部113が制御する以下の処理により、通行料金を徴収した旨を知らせるETC用レスポンス信号を作成して利用者端末装置2に送信する。
(料金徴収情報の車載機器1への通知処理)
データフォーマット変換部113は、第1の通信レスポンス生成部117に、通行料金を徴収した非接触ICカードのIDデータ105cを通知して、第1の通信レスポンス生成部117に、その非接触ICカードから通行料金を徴収した旨を知らせるETC用レスポンス信号を作成させる。そのETC用レスポンス信号を第1の通信プロトコル制御部111が第1の通信インターフェース回路104を介して利用者端末装置2に送信する。
【0041】
(S16)
利用者端末装置2の端末制御回路3は、ブリッジカード100から、通行料金の徴収処理終了のレスポンス信号を受信すると、以下の処理により、料金徴収データを通過ゲートシステム10に送信する。
(非接触ICカードから料金を徴収した場合)
端末制御回路3は、ブリッジカード100から、非接触ICカード200から通行料金を徴収したことを知らせるETC用レスポンス信号と、通行料金を徴収した非接触ICカード200のID番号のデータを受信すると、そのETC用レスポンス信号と非接触ICカード200のID番号のデータを、RFアンテナ4を介して有料道路の料金所のトールゲートの路側アンテナに無線通信で伝達し、路側アンテナに接続する通過ゲートシステム10がそのデータの信号を受信する。
(ETCカード用の専用料金精算手段から料金を徴収した場合)
端末制御回路3は、ブリッジカード100から、そのETCカード用の専用料金精算手段101から料金を徴収したことを知らせるETC用レスポンス信号を受信すると、そのETC用レスポンス信号を通過ゲートシステム10に通知する。
【0042】
(料金所の通過ゲートシステムの処理)
通過ゲートシステム10は、通行料金を徴収した非接触ICカードのIDデータ105cと通行料金のデータを、道路事業者の中央処理コンピュータシステムからなる料金課金システム11に送信する。そして、料金課金システム11が非接触ICカード200のクレジット会社の料金決済システム13へ、非接触ICカードのIDデータ105cと通行料金課金情報を渡し、クレジット会社の料金決算システム13から通行料金の一括支払いを受ける。
【0043】
以上のようにこの実施形態によれば、料金課金システム11に接続する通過ゲートシステム10と無線通信する利用者端末装置2に電気接続し、かつ、非接触ICカード200と非接触通信を行うブリッジカード100を用いることで、現行のETCシステム等の通行料の料金課金システム11を活用して、鉄道などの交通機関で通常に用いられているプリペイド方式による非接触ICカード200と通信して通行料金を徴収することができる料金精算システムが構築でき、有料道路の通行料金決済方法の多様化を図ることができ、有料道路の料金を収受する料金精算システムの利便性を向上させて利用を促進することができる効果がある。
【0044】
本実施形態の料金精算システムは、ブリッジカード100を用いてプリペイド方式の非接触ICカード200と非接触近接通信を行うため、利用する非接触ICカード200を変更する場合に、ブリッジカード100を取り替えるだけで、ブリッジカード100のリーダー/ライター機能のアプリケーションが変更できる効果がある。例えば、ブリッジカード100の交換により、料金を徴収するプリペイド方式の非接触ICカード200の種別を変更でき、また、クレジットカード用リーダー/ライターやキャッシュカード用リーダー/ライターの機能も使えるようになる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上の実施形態で本発明を説明したが、本発明の料金精算システムは料金課金システム11がETCシステムである場合の利用に限定されるものではなく、本発明のブリッジカード100は、利用者端末装置2に電気接続して、ブリッジカード100の第1の通信インターフェース回路104で制御する接触通信により利用者端末装置2から受信した接触通信のコマンドを、データフォーマット変換部113が制御して非接触通信のコマンドに変換して、非接触通信インターフェース回路107で制御する非接触近接通信により非接触ICカード200と通信する他の用途の料金課金システム11に対応した料金精算システムに適用することが可能である。
【0046】
例えば、有料会場の入場料金徴収システム等の料金課金システム11に対応した料金精算システムに適用できる。すなわち、有料会場の入口の通過ゲートシステム10と無線通信する利用者端末装置2を会場への入場者が携帯し、その利用者端末装置2にブリッジカード100を電気接続して、そのブリッジカード100が、利用者が更に携帯するプリペイド方式による非接触ICカード200と非接触近接通信を行い、その非接触ICカード200から入場料金を徴収するシステム等に適用できる。利用者端末装置2に電気接続するブリッジカード100を取り替えるだけで、利用者端末装置2が、有料会場に入場する際の通過ゲートシステム10と専用に無線通信して料金を徴収するシステムを、他のプリペイド方式のカードやクレジットカードあるいはキャッシュカード等の非接触ICカード200から料金を徴収するシステムにフレキシブルに切り替えて有料会場への入場料金の精算ができる効果がある。
【符号の説明】
【0047】
1・・・利用者車両
2・・・利用者端末装置
3・・・端末制御回路
4・・・RFアンテナ
5・・・ICカードコネクタ
10・・・通過ゲートシステム
11・・・料金課金システム
12、13・・・料金決算システム
100・・・ブリッジカード
101・・・専用料金精算手段
102・・・接触型コネクタ
103・・・集積回路
104・・・第1の通信インターフェース回路
105・・・記憶手段
105a・・・端末装置通信用セキュリティデータ
105b・・・非接触ICカード通信用セキュリティデータ
105c・・・非接触ICカードのIDデータ
105d・・・コマンド数対応データ
105e・・・使用実績料金データ
105f・・料金徴収先カードの指定データ
105g・・・通行料金データ
106・・・ICカードアンテナ
107・・・非接触通信インターフェース回路
110・・・情報制御手段
111・・・第1の通信プロトコル制御部
112・・・第1の通信コマンド認識部
113・・・データフォーマット変換部
114・・・非接触ICカード用コマンド生成部
115・・・非接触通信プロトコル制御部
116・・・非接触通信レスポンス認識部
117・・・第1の通信レスポンス生成部
200・・・非接触ICカード
201・・・非接触ICカード集積回路
202・・・フラッシュメモリ
203・・・無線通信コントローラ
204・・・ICカードアンテナ
210・・・非接触ICカード制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過ゲートシステムとの通信の第1の通信インターフェース回路を有するブリッジカードであって、記憶手段と専用料金精算手段を含む情報制御手段を有し、料金精算機能を有する非接触ICカードと非接触通信をするICカードアンテナと非接触通信インターフェース回路を有し、料金課金システムから前記通過ゲートシステムを介して料金請求コマンド信号を受信し、前記非接触ICカードを前記記憶手段に記憶した非接触ICカードのIDデータと照合して認証し、前記認証をした前記非接触ICカードで料金精算処理を行い、前記認証をしていない場合には前記専用料金精算手段により料金精算処理を行うことを特徴とするブリッジカード。
【請求項2】
請求項1記載のブリッジカードを用いる料金精算システムであって、前記ブリッジカードに利用者端末装置を電気接続し、前記利用者端末装置を料金課金システムに接続する通過ゲートシステムと無線通信させることで、前記ブリッジカードが前記料金課金システムと通信して前記料金精算処理を行うことを特徴とする料金精算システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−107945(P2011−107945A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261803(P2009−261803)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】