説明

新しい抗微生物化合物、それらの合成および哺乳類の感染症の処置のためのそれらの使用

本発明は、新しい抗微生物化合物、それらの合成および哺乳類の感染症の処置のためのそれらの使用に関する。本発明の課題は、耐性および薬物不耐性に関係する問題を克服するために、新しい結核治療薬候補として、マイコバクテリウムに対する活性を有する、新しい化合物を生成することである。この課題は、式Iの化合物を提供することにより、解決される(式中、RおよびRは、互いに独立して、NO、NR、NHOR、COOR、CN、CONR1011、CHO、F、Cl、Br、SONR1213、低級アルコキシ、OCF、モノ、ジまたはトリフルオロメチルであり、RおよびRは、互いに独立して、H、1〜3個の鎖員を有する、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、低級アルコキシであり、Rは、H、1〜7個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基であり、Rは、Xが、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基である基である、または、RとRは一緒になって、nが1〜4の2価基を表し、RからR13は、互いに独立して、Hまたは1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基、フェニル、ベンジルであるか、またはRとRは一緒になって、R10とR11は一緒になって、R12とR13は一緒になって、1〜7個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族2価の基を表し、R14およびR15は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、NO、NH2、CFである)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾチアジン誘導体、および細菌によって引き起こされる哺乳類(ヒトおよび動物)の感染症、特にマイコバクテリウムによって引き起こされる結核(TB)およびハンセン病のような疾患における抗菌剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
チアジノン、チアジノン誘導体およびそれらの抗菌剤としての使用、特にマイコバクテリウム(TB)に対する使用は、例えば、AR242567A1、AU3704400A1、CA1322551C1またはEP0245901B1で公開されている。
【0003】
周知の通り、利用できる治療薬に対する耐性を獲得したマイコバクテリウムによる結核感染の世界的増加は脅威である(B.R.Bloom、J.L.Murray、「Tuberculosis:commentary on a reemergent killer」、Science 1992、257、1055〜1064)。多剤耐性(MDR)マイコバクテリウムの出現は、極めて危険である。これらは、少なくとも、最も有効な結核治療薬2種、イソニアジドおよびリファンピシンに対してだけでなく、ストレプトマイシン、ピラジナミドおよびエタンブトールに対しても耐性のあるマイコバクテリウムである。一部の国で、MDR−TBの割合は既に20%を超えている。昨年、南アフリカでXDR−TB(超多剤耐性TB)の最初の症例群が診断されて以来、状況は一層脅威を増している。XDR−TBは既に、全ての大陸に広がっている。XDR−TBを引き起こすマイコバクテリウムは、第一選択のTB薬である、リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトールに対して耐性であり、さらに、第二選択のキノロン系およびアミノグリコシド系にも耐性である。(Nature Med.2007、13、295〜298)。世界中で全体的にTB疾患が増加していることとあいまって、XDR−TBは、年間約2,000,000件の死亡の原因となっている。
【0004】
(TB)またはハンセン病のような疾患の処置には、特に薬剤耐性を克服し、入手可能な薬剤の既知の劇的な副作用を克服するために、新しい作用機序を有する新しい薬剤が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、耐性および薬物不耐性に関係する問題を克服するために、新しい結核治療薬候補として、マイコバクテリウムに対する活性を有する、新しい化合物を生成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、式Iの化合物を提供することにより、解決される:
【化1】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、NO、NR、NHOR、COOR、CN、CONR1011、CHO、F、Cl、Br、SONR1213、低級アルコキシ、OCF、モノ、ジまたはトリフルオロメチルであり、
およびRは、互いに独立して、H、1〜3個の鎖員を有する、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、低級アルコキシであり、
は、H、1〜7個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基であり、
は以下の基:
【化2】

(式中、Xは、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基である)であるか、または
とRは一緒になって、以下の2価の基(nは1〜4)を表し、
【化3】

〜R13は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基、フェニル、ベンジルであるか、またはRとRは一緒になって、R10とR11は一緒になって、R12とR13は一緒になって、1〜7個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族2価の基を表し、
14およびR15は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、NO、NH、CFである]。
【0007】
好ましい実施形態において、本発明は、以下から成る群から選択される、式(I)の化合物に関する:
2−[4−(2−R14,5−R15−フェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[4−(2−R14,6−R15−フェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[4−(3−R14,5−R15−フェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−8−ニトロ−6−R−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(R)アミノ]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(R)アミノ]−8−ニトロ−6−R−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(R)アミノ]−8−ニトロ−6−クロロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(R)アミノ]−8−ニトロ−6−フルオロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(R)アミノ]−8−R−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
式中、R、R、R14およびR15は、上記の意味を有する。本発明は、より具体的には、以下から成る群から選択される少なくとも1つの化合物に関する:
2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−6,8−ジニトロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[4−(5−クロロ−2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−2−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イル}−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(エチル)アミノ]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチア−ジン−4−オン、
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチア−ジン−4−オン、
2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾ−チアジン−4−オン、
2−(ベンジルアミノ)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−{メチル[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−6−クロロ−8−ニトロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン。
【0008】
我々は、新しいおよび新規な1,3−ベンゾチアジン−4−オン誘導体の合成のために4つの異なる方法を使用した。A、BおよびCの方法は、出発物質として、十分に知られている多置換2−クロロ(ブロモ)−ベンゾカルボキサミドを使用したが、それらの多くは、文献に記載されているか、類似の方法により、容易に調製することができる(Isaew S.G.、「Farm.Zh.」、(Kiev)、2000、52、Makosza M.、Nizamov S.、「Org.Prep.and Proced.Int.」、1997、29、707、Nerin C.、Tornes A.R.、Domento C.、Cacho J.、「J.Agr.and Food Chem.」、1996、44、4009、Thiel W.、Mayer R.、Jauer E.−A.、Modrow H.、Dost H.、「J.Prakt.Chem.」、1986、328、497、Yokoyama M.、Yoshida S.、Imamoto T.、「Synthesis」、1982、591、Romanowski J.、Eckstein Z.、「Pol.J.Chem.」、1984、58、263、Nisato D.、Sacilotto R.、Frigerio M.、Boveri S.、Palmisano G.、Lesma G.、「Org.Prep.Proced.Int.」、1985、17、75、Oikawa N.、Nakagawa Y.、Nishimura K.、Ueno T.、Fujita T.、「Pestic.Sci.」、1994、41、139、Welch D.E.、Baron R.R.、「J.Med.Chem」、1969、12、299、Fuller R.W.、Molloy B.B.、Day W.A.、Roush B.W.、March M.M.、「J.Med.Chem.」、1973、16、101およびその他多数)。
【0009】
【化4】

【0010】
方法A
出発物質の2−クロロベンゾカルボキサミドを、約15分から約24時間の期間、0〜50℃において、アルコール、アセトンまたはそれらの混合物中で、1.0〜1.2等モル量のジチオカルバメートの金属塩を使って処理した。好ましくは、この反応は室温下において、アルコール中で実施される。反応混合物を水で希釈し、固体の2−ジチオカルバモイルベンゾカルボキサミドを濾別した。次のステップには、粗製生成物を使用するか、または適切な有機溶媒から、再結晶させることが可能である。2−ジチオカルバモイルベンゾカルボキサミドは、2〜36時間、50〜100℃の温度において、水、アルコールまたは水/アルコールの混合液中で、弱アルカリ(例えば、NaHPO、NaHCO、NaCOなど)を使って処理した。好ましくは、この反応は、約24時間、50〜75℃において、水/アルコールの混合液中で実施される。反応が完了すると、2−置換−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンが、従来の回収手順、例えば、酢酸エチルによる粉砕または水による希釈、濾過および適切な有機溶媒からの再結晶化などにより得られる。
【0011】
方法B
この方法は、過剰の金属ジチオカルバメートを、ベンゾチアジノン環化における弱アルカリとして使用し、2−ジチオカルバモイルベンゾカルボキサミドを単離しないことを提案している。そこで、出発物質の2−クロロベンゾカルボキサミドを、約3〜36時間の期間、20〜80℃において、アルコール、アセトンまたはそれらの混合液中で、1.2〜2.5等モル量のジチオカルバメートの金属塩を使って処理することができる。好ましくは、この反応は、約24時間、50〜75℃において、アルコール中または水/アルコールの混合液中で実施される。目的の2−置換−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンが、方法Aからの回収手順により得られる。
【0012】
【化5】

【0013】
方法C
この方法は、出発物質として、2−クロロベンゼンカルボキサミドを使用する。これらの化合物を、1.1〜2.0倍過剰のキサントゲン酸アルキルの金属塩、例えば、市販のキサントゲン酸エチルカリウムを使って、20〜100℃の温度において、種々のアルコール、アセトン、アセトニトリルまたは他の適切な有機溶媒中で、約30分から約24時間の期間、処理した。好ましくは、この反応は、約24時間、室温において、アルコール中で実施される。単離した2−アルコキシ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンを、酢酸、アルコール、酢酸エチル、DMF、アセトンまたはアセトニトリル中の対応するアミンHNRで、最高48時間の期間、アルコキシ基の対応するアミンへの完全交換のために処理した。処理の完了後、反応混合物を蒸発させて、水で希釈するか、または水で直接希釈することができる。目的の2−NR−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンを、通常の単離手順、例えば、濾過および適切な有機溶媒からの再結晶化により、回収する。
【0014】
方法D
チオシアン酸塩と2−クロロアリールクロロ無水物との反応を利用した後、反応塊を対応するアミンを使って処理するという、1,3−ベンゾチアジン−4−オン合成の古典的な方法も利用可能である。この方法は、例えば、以下のような、科学文献に十分に記述されている:J.Imrich、P.Kristian、「Coll.Czech.Chem.Commun.」、1982、47、3268〜3282、D.Koscik、P.Kristian、J.Gonda、E.Dandarova、「Coll.Czech.Chem.Commun.」、1983、48、3315〜3328、D.Koscik、P.Kristian、O.Forgac、「Coll.Czech.Chem.Commun.」、1983、48、3427〜3432、T.H.Cronin,H.−J.E.Hess、米国特許第3522247。
【0015】
驚くべきことに、本発明の化合物は、発育の速いマイコバクテリウムに対して、<0.000012〜0.78μg/mlの範囲、古典的な方法で判定された多剤耐性株も含め、エム・ツベルクローシス(M.tuberculosis)に対して、<0.39〜3.12μg/mlの範囲およびアラマーブルー法で判定されたエム・ツベルクローシスH37Rvに対して、2.0〜50.0ng/mlの範囲の、最小発育阻止濃度(MIC)でマイコバクテリウムに対して、特に、強力な抗菌作用を示した。驚くべきことに、本発明の化合物は、マイコバクテリウムに対してのみ高いレベルの選択性を示し、有害な副作用の潜在性を劇的に減少させる。
【0016】
本発明の化合物は、SOSクロモテストにおいて、5mg/mlで、非突然変異誘発性である(M.Isidori、M.Lavorgna、A.Nardelli、L.Pascarella、A.Parella、「Sci.Total Environ」、2005、346、87〜98、M.Bombardier、N.Bermingham、R.Legault、A.Fouquet、「Chemosphere」、2001、42、931〜44、D.A.Widdick、D.I.Edwards、「Mutat.Res.」、1991、259、89〜93)。
【0017】
したがって、本発明の化合物は、ヒトおよび動物において、結核感染症およびその他のマイコバクテリウム感染症の処置に有用である。
【0018】
そのため、本発明は式Iの化合物を含む、医薬組成物に関する。
【0019】
本発明は、さらに、哺乳類の細菌感染症の処置の方法における使用を目的とした、式Iの化合物に関する。このような方法での使用に好ましい式Iの化合物は、具体的に上に挙げられている化合物である。
【0020】
本発明の化合物は、静脈注射、皮下注射もしくは筋肉注射による局所投与もしくは非経口投与用、または鼻腔内投与用に、薬学的に許容可能な水性、有機性または水性−有機性媒質中の希釈溶液または懸濁液を調製することにより、使用向けに製剤されるか、または、経口投与用の慣用の賦形剤と一緒に、錠剤、カプセルもしくは水性懸濁液の形でまたは坐剤として調製される。
【0021】
該化合物は、体重1kg当たり0.001〜1000mgの投与量で用いることができる。
【0022】
後述する実験の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、本発明を制限するものとしてみなしてはならない。
【0023】
本発明の化合物の構造は、合成ならびに元素分析の様式によって、ならびに核磁気共鳴および質量スペクトルによって確定された。
【発明を実施するための形態】
【0024】
出発物質
化学薬品および溶媒は、Alfa−Aesar(イギリス)またはAldrich社(Sigma−Aldrich社、アメリカ、セントルイス州)から購入し、それ以上精製せずに、合成に使用した。融点は、BP手順(BP procedure)に従って測定し、補正はしなかった(Electrothermal 9001、イギリス)。分析が元素記号によってのみ示されている場合、解析結果は、理論値の±0.3%の範囲内である(Carlo−Erba 5500、イタリア)。NMRスペクトルは、Varian Unity Plus 400(アメリカ)を使用して測定した。H NMRのシフトは、TMS(δ)からの低磁場側(downfield)でのppm単位で報告される。質量スペクトルは、直接導入により、Finnigan SSQ−700(アメリカ)器具を使用して得た。化合物の反応および純度は、Silicagel 60 F254アルミニウムシート(Merck社、ドイツ)を使用して、TLCにより制御した。
【実施例1】
【0025】
2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−6,8−ジニトロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物1)
2−クロロ−3,5−ジニトロベンゾカルボキサミド0.5gを、エタノール25mlに溶解した。反応混合物を、4−(4−クロロフェニル)−ピペラジンジチオカルバメートナトリウム塩二水和物0.39gで処理し、室温で6時間保管した。反応混合物を冷却した水50mlに注ぎ、生じた黄色の沈殿を濾別した。エタノールからの再結晶化後、純粋の最終生成物を得た。2−アミノカルボニル−4,6−ジニトロフェニル−4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボジチオアートは、薄黄色の結晶性固体である。収率 68%. 融点 178-180℃. MS m/z 481 (M+).
分析: C18H16ClN5O5S2の計算値: C, 44.86; H, 3.35; N, 14.53; S, 13.31
実測値: C, 44.71; H, 3.36; N, 14.62; S, 13.35
【0026】
2−アミノカルボニル−4,6−ジニトロフェニル−4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−カルボジチオアート0.5gを、エタノール25mlに溶解した。反応混合物を、0.2gのNaHPO×12HOで処理し、6時間還流した。反応混合物を冷蔵庫で冷却し、薄黄色の沈殿を濾別し、水50mlおよびメタノール30mlで洗浄した。エタノールからの2度の再結晶化後、純粋の最終生成物を得た。2−(1,4−2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル]−6,8−ジニトロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンは、薄黄色の結晶性固体である。収率 38%. 融点 279-281℃(EtOH)
MS m/z 447 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 9.08および8.95 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 6.88および6.71 (2Hが2個, d, C6H4Cl), 3.68および3.30 (4Hが2個, m, N(CH2CH2)2N) ppm.
分析: C18H14ClN5O5Sの計算値: C, 48.27; H, 3.15; N, 15.04; S, 7.16
実測値: C, 48.34; H, 3.22; N, 14.97; S, 7.23
【実施例2】
【0027】
2−[4−(5−クロロ−2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物2)
2−クロロ−3−ニトロ−5−トリフルオロメチルベンゾカルボキサミドを出発物質として使用し、実施例1の手順に従う。薄黄色の結晶性固体。収率 44%. 融点 158-161℃(DMF/水)
MS m/z 484 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.80および8.77 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.32 (1H, s, CH), 9.95および6.73 (1Hが2個, d, CHが2個), 3.65および3.29 (4Hが2個, m, N(CH2CH2)2N), 2.29 (3H, s, CH3) ppm.
分析: C20H16ClF3N4O3Sの計算値: C, 49.54; H, 3.33; N, 11.55; S, 6.61
実測値: C, 49.45; H, 3.40; N, 11.47; S, 6.83
【実施例3】
【0028】
8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−2−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イル}−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物3)
2−クロロ−3−ニトロ−5−トリフルオロメチルベンゾカルボキサミドを出発物質として使用し、実施例1の手順に従う。薄黄色の結晶性固体。収率 33%. 融点 201-203℃(EtOH).
MS m/z 504 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.80および8.77 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.61 (1H, s, CH), 7.39および7.03 (1Hが2個, d, CHが2個), 3.66および3.31 (4Hが2個, m, N(CH2CH2)2N) ppm.
分析: C20H14F6N4O3Sの計算値: C, 47.62; H, 2.80; N, 11.11; S, 6.36
実測値: C, 47.74; H, 2.91; N, 11.29; S, 6.53
【実施例4】
【0029】
2−[ベンジル(エチル)アミノ]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物4)
エタノール45ml中2−クロロ−3−アミノ−5−トリフルオロメチルベンゾカルボキサミド1.2gの懸濁液を、ベンジル(エチル)ジチオカルバメートナトリウム塩二水和物2.0gで処理し、14時間還流した。暗赤色の反応混合物を、水70mlで希釈し、6時間冷蔵庫で冷却し、薄黄色の沈殿を濾別し、エステル50mlで洗浄した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン3:1)後、純粋の最終生成物を得た。2−[ベンジル(エチル)アミノ]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンは、薄黄色の結晶性固体である。収率 40%. 融点 94-97℃.
MS m/z 409 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.80および8.77 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.41-7.25 (5H, m, C6H5), 4.62 (2H, s, CH2), 3.43 (2H, q, CH2), 1.01 (3H, t, CH3) ppm.
分析: C18H14F3N3O3Sの計算値: C, 52.81; H, 3.45; N, 10.26; S, 7.83
実測値: C, 52.73; H, 3.38; N, 10.44; S, 7.89
【実施例5】
【0030】
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物5)
実施例4の手順に従う。薄黄色の結晶性固体。収率 47%. 融点 120-124℃ (EtOH/水).
MS m/z 395 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.81および8.77 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.40-7.25 (5H, m, C6H5), 4.64 (2H, s, CH2), 2.87 (3H, s, CH3) ppm.
分析: C17H12F3N3O3Sの計算値: C, 51.64; H, 3.06; N, 10.63; S, 8.11
実測値: C, 51.76; H, 3.13; N, 10.41; S, 8.34
【実施例6】
【0031】
2−[4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物6)
実施例1の手順に従う。薄黄色の結晶性固体。収率 37%. 融点 164-168℃ (i-PrOH).
MS m/z 454 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.81および8.77 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 6.76 (3H, m, 3CH), 6.11 (1H, m, CH), 3.68および3.30 (4Hが2個, m, N(CH2CH2)2N) ppm.
分析: C19H14F4N4O3Sの計算値: C, 50.22; H, 3.11; N, 12.33; S, 7.06
実測値: C, 50.08; H, 3.21; N, 12.46; S, 7.09
【実施例7】
【0032】
2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物7)
実施例4の手順に従う。黄色の結晶性固体。収率 51%. 融点 161-163℃ (EtOH/DMF).
MS m/z 450 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.80および8.76 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.19-7.28 (5H, m, Ph), 3.48 (2H, s, CH2), 3.38および3.09 (4Hが2個, m, N(CH2CH2)2N) ppm.
分析: C17H18N4O7Sの計算値: C, 53.33; H, 3.80; N, 12.44; S, 7.12
実測値: C, 53.29; H, 4.01; N, 12.48; S, 7.06
【実施例8】
【0033】
2−(ベンジルアミノ)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物8)
エタノール25ml中2−クロロ−3−ニトロ−5−トリフルオロメチルベンゾカルボキサミド2.5gの懸濁液を、キサントゲン酸エチルナトリウム1.75gで処理し、室温で24時間保管した。反応混合物を冷却した水50mlに注ぎ、生じた黄色の沈殿を濾別した。エタノール/水からの再結晶後、純粋の2−エトキシ−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンを、白色の結晶性固体として得た。収率 58%. 融点 146-148℃.
MS m/z 320 (M+).
分析: C11H7F3N2O4Sの計算値: C, 41.26; H, 2.20; N, 8.75; S, 10.01
実測値: C, 41.34; H, 2.22; N, 8.87; S, 10.27
【0034】
酢酸15ml中の2−エトキシ−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン0.7g溶液を、ベンジルアミン0.4mlで処理し、14時間還流した。反応混合物を蒸発させ、残渣を水10mlで処理し、黄色の沈殿を濾過し、水50mlで洗浄した。エタノール/DMFからの2度の再結晶化後、純粋の最終生成物を得た。2−(ベンジルアミノ)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンは、薄黄色の結晶性固体である。収率 73%. 融点 192-194℃.
MS m/z 381 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 9.27 (1H, 広幅 s, NH), 8.80および8.75 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.74-7.49 (5H, m, Ph), 4.49 (2H, s, CH2) ppm.
分析: C16H10F3N3O3Sの計算値: C, 50.39; H, 2.64; N, 11.02; S, 8.41
実測値: C, 50.42; H, 2.61; N, 10.89; S, 8.64
【実施例9】
【0035】
2−{メチル[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物9)
実施例1の手順に従う。薄黄色の結晶性固体。収率 54%. 融点 110-113℃ (カラムクロマトグラフィーによる精製 アセトン/ヘキサン 5:1).
MS m/z 409 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.82および8.76 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.84, 7.43, 7.15 (5H, 3 m, Ph), 4.84 (H, m, CH), 3.07 (3H, s, NCH3), 1.39 (3H, d, CH3) ppm.
分析: C18H14F3N3O3Sの計算値: C, 52.81; H, 3.45; N, 10.26; S, 7.83
実測値: C, 52.73; H, 3.46; N, 10.19; S, 7.92
【実施例10】
【0036】
2−[ベンジル(メチル)アミノ]−6−クロロ−8−ニトロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(化合物10)
実施例8の手順に従う。薄黄色の結晶性固体。収率 64%. 融点 138-141℃ (カラムクロマトグラフィーによる精製 アセトン/ヘキサン 4:1).
MS m/z 361 (M+).
1H NMR (DMSO-d6/CDCl3) δ 8.37および8.23 (1Hが2個, sが2本, 2CH), 7.45-7.35 (5H, m, Ph), 4.62 (2H, 2, CH2), 2.87 (3H, s, CH3) ppm.
分析: C16H12ClN3O3Sの計算値: C, 53.11; H, 3.34; N, 11.61; S, 8.86
実測値: C, 53.19; H, 3.30; N, 11.52; S, 8.89
【実施例11】
【0037】
本発明の化合物のマイコバクテリウムに対するin vitroでの阻止活性の測定。
【0038】
マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)SG987、エム・アウラム(M.aurum)SB66、エム・ヴァケエ(M.vaccae)IMET10670およびエム・フォーチュイタム(M fortuitum)Bに対する該化合物の抗菌活性を、NCCLSのガイドライン[National Committee for Clinical Laboratory Standards:Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically、第5版、Villanova版、Approved standard Document M7−A5。NCCLS、(2000)]に従って、ミューラーヒントン培養液(Difco)中、ブロスマイクロ希釈法を用いて、最小発育阻止濃度(MIC)の測定によりテストした。
【0039】
【表1】

【実施例12】
【0040】
エム・ツベルクローシス(M.tuberculosis)H37Rvを、最小発育阻止濃度(MIC)および最小殺菌濃度(MBC)の測定のための下記の方法によりテストした:
菌株をローエンシュタイン−ジェンセン(Lowenstein−Jensen)固体培地に接種した。21日後、増殖した培養物を使用して、微生物細胞数5×10/mlに相当する接種懸濁液を調製した。その懸濁液0.2mlを、試験対象化合物を対応する濃度、すなわち、100.0から0.195μg/ml含む、シュコルニコヴァ(Shkolnikova)液体培地2mlを入れたチューブに接種した。37℃で14日間インキュベートした後、液体培地の入ったチューブを3000RPMで15分間遠心分離した。上清を廃棄した後、沈殿物を無菌の0.8mlの0.9%NaClに再度懸濁した。懸濁液0.1mlを使用して、塗抹標本を作製し、その後、チール法で染色した。残りの標本を、薬物を含まないローエンシュタイン−ジェンセン固体培地を入れた3本のチューブに、容量0.2mlで接種し、最小殺菌濃度(MBC)を測定した。37℃で21〜28日間培養後、測定結果を読み取った。対照は、試験対象薬剤で処理されていないテスト菌株を入れて培養したチューブであった。
薬剤の最小殺菌濃度(MBC)は、固体培地上でのマイコバクテリウムの発育を完全に抑止する薬剤濃度と考えられている。静菌効果(MIC)は、塗抹標本中の個々のマイコバクテリウムのみの存在および対照と比較した、固体培地上で発育したコロニーの数の大きな減少によって特徴づけられた。測定結果を表2に示す。
【0041】
【表2】

【実施例13】
【0042】
エム・ツベルクローシスH37Rvに対する活性を、レサズリン減少アッセイ(MIC96)によっても測定した。この方法については、以下に詳しく記載されている:P.Quillardet、O.Huisman、R.D‘Ari、M.Hofnung、「Proc.Natl.Acad.Sci.」、アメリカ、1982、79、5971〜5975、J.C.Palomino、A.Martin、M.Camacho、H.Guerra、J.Swings、F.Portaels、「Antimicrob.Agents Chemother.」、2002、46、2720〜2722。測定結果を表3に示す。
【0043】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、NO、NR、NHOR、COOR、CN、CONR1011、CHO、F、Cl、Br、SONR1213、低級アルコキシ、OCF、モノ、ジまたはトリフルオロメチルであり、
およびRは、互いに独立して、H、1〜3個の鎖員を有する、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、低級アルコキシであり、
は、H、1〜7個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基であり、
は以下の基:
【化2】

(式中、Xは、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基である)であるか、または
とRは一緒になって、以下の2価の基(nは1〜4)を表し、
【化3】

〜R13は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基、フェニル、ベンジルであるか、またはRとRは一緒になって、R10とR11は一緒になって、R12とR13は一緒になって、1〜7個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族2価の基を表し、
14およびR15は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、NO、NH、CFである]。
【請求項2】
式(I)の化合物の塩。
【請求項3】
14が、Hを表し、R15がハロゲンを表す、請求項1に記載の式(I)の2−[4−(2−R14,5−R15−フェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン。
【請求項4】
14が、Hを表し、R15がFまたはClを表す、請求項1に記載の式(I)の2−[4−(3−R14,5−R15−フェニル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン。
【請求項5】
が、CF、ClまたはFを表す、請求項1に記載の式(I)の2−[ベンジル(メチル)アミノ]−8−ニトロ−6−R−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン。
【請求項6】
が、CF、NO、NHOH、NRを表し、RおよびRが、請求項1で定義された意味を有する、請求項1に記載の式(I)の2−[ベンジル(R)アミノ]−8−R−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン。
【請求項7】
2−{メチル[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンから成る群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
6−R−2−[メチル(2−フェニルエチル)アミノ]−8−ニトロ−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンから成る群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
6−トリフルオロメチル−2−[メチル(2−フェニルエチル)アミノ]−8−R−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンから成る群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の式Iの化合物を含む、医薬組成物。
【請求項11】
哺乳類における微生物感染、特に結核感染およびハンセン病感染の治療的または予防的処置のための方法に使用するための式Iの化合物
【化4】

[式中、RおよびRは、互いに独立して、NO、NR、NHOR、COOR、CN、CONR1011、CHO、F、Cl、Br、SONR1213、低級アルコキシ、OCF、モノ、ジまたはトリフルオロメチルであり、
およびRは、互いに独立して、H、1〜3個の鎖員を有する、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、低級アルコキシであり、
は、H、1〜7個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基であり、
は以下の基:
【化5】

(式中、Xは、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基である)であるか、または
とRは一緒になって、以下の2価の基(nは1〜4)を表し、
【化6】

〜R13は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、飽和または不飽和、ハロゲン化または非ハロゲン化、直鎖状または分枝状の脂肪族基、フェニル、ベンジルであるか、またはRとRは一緒になって、R10とR11は一緒になって、R12とR13は一緒になって、1〜7個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族2価の基を表し、
14およびR15は、互いに独立して、H、1〜5個の鎖員を有する、直鎖状または分枝状の脂肪族基、F、Cl、Br、NO、NH、CFである]。
【請求項12】
種々のアルコール、アセトン、水、アセトニトリルまたは他の適切な有機溶媒の中で、20〜100℃の温度において、約30分から約24時間、2−クロロベンゾカルボキサミドを、1.1〜2.5倍過剰のキサントゲン酸アルキルの金属塩と反応させた後、酢酸、アルコール、水またはアセトニトリル中で、対応するアミンNRにより、20〜100℃の温度で処理することにより、式Iの2−NR−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オンを調製する方法。

【公表番号】特表2010−533661(P2010−533661A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516390(P2010−516390)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005142
【国際公開番号】WO2009/010163
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(508104329)
【Fターム(参考)】