説明

新たなレセプター結合性リガンド、生物学的対象の細胞の検出におけるその使用

本発明は、細胞同族レセプターと相互作用するエンベロープウイルス糖タンパク質の可溶性部分に由来し、前記糖タンパク質のレセプター結合性ドメイン(RBD)の1つの一部又は全体を含有し、標的細胞の少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすい少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドの、標的細胞表面に存在する膜レセプターの発現の同定及び定量のための使用であって、該同定及び定量が所与の時間に又は所定の時間間隔の間に行われ、前記標的細胞の生理学的状態の決定を可能にする使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ウイルスレセプター結合性ドメイン(RBD)は、ウイルスのエンベロープ糖タンパク質(Env)に特に見出され、異なる標的細胞の膜レセプターに結合することができる。
遺伝子欠損を修正する遺伝子治療ストラテジーは、レトロウイルスによる遺伝子移入特性に基づいており、レトロウイルスのEnvは実験者により選択されてきた。
【0002】
ガンマ鎖の免疫欠損の処置に使用された2つの臨床研究は、ガンマレトロウイルス-由来ベクターにより媒介されるヒト造血幹細胞中への遺伝子移入に基づいている(Cavazzana-Calvo; Science 2000及びGaspard; Lancet 2004)。
にも関わらず、両研究の結果は非常に異なり、異なる率で幾らかの患者にリンパ球増殖性疾患が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は、標的細胞に存在する膜レセプターの検出用の新たなレセプター結合性リガンドを提供することである。
本発明の別の目的は、膜レセプターの特有の配置(distinctive array)に基づいて、標的細胞、特に幹細胞及びそれに由来する細胞の同定方法を提供することである。
本発明の別の目的は、生物学的対象の細胞の亜集団、特に幹細胞及びそれに由来する細胞の選択を実現する方法を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、選択した標的細胞の増幅方法を提供することである。
本発明の別の目的は、生物学的対象の標的細胞上で特定の膜レセプターの存在を検出する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、前記レセプター結合性リガンドを取得する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、細胞同族レセプターと相互作用するエンベロープウイルス糖タンパク質の可溶性部分に由来する少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドの、標的細胞表面に存在する膜レセプターの発現の同定及び定量についての使用に関し、ここで、
− 前記レセプター結合性リガンドは、前記糖タンパク質の1つのレセプター結合性ドメイン(RBD)の一部又は全体を含有し、
− 前記可溶性レセプター結合性リガンドは、標的細胞の少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすく、
前記同定及び定量は所定の時間に又は所定の時間間隔の間に行われ、前記標的細胞の生理学的状態の決定を可能にする。
【0006】
用語「リガンド」はポリペプチドを意味する。
表現「エンベロープウイルス糖タンパク質の可溶性部分に由来する」とは、レセプター結合性リガンドがウイルスのエンベロープ中に含有される糖タンパク質のフラグメント又は一部であり、例えばクローニングにより取得可能であることを意味する。
【0007】
用語「糖タンパク質」はエンベロープ糖タンパク質、コート糖タンパク質又は融合糖タンパク質を意味する。
表現「細胞同族レセプターと相互作用する」とは、糖タンパク質が細胞の表面に存在するレセプターにより認識されやすいことを意味する。
1又はそれより多いアミノ酸が糖タンパク質のこのフラグメント又は一部のペプチド配列に付加され、該配列から欠失され又は置換されることができる。
【0008】
RBDの一部又は全体を含有するレセプター結合性リガンドは、蛍光色素を付加するように化学的に修飾することができる。
RBDは、特にウイルスのエンベロープの糖タンパク質中に見出され、それ故レセプター結合性リガンドは全RBD又は該RBDのフラグメント若しくは一部を含有する。
RBDの前記一部又は全体は、標的細胞の少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすい。
【0009】
「標的細胞」は、その細胞の膜内に係留されたレセプターの独特な配置を提示する生物学的対象の細胞を意味する。
標的細胞は、動物、例えば哺乳動物の細胞、特にヒト細胞、より詳細には幹細胞、好ましくは分化プロセスの間の幹細胞、又はガン細胞から単離することができる。
幹細胞の例は、これらに限定されないが、胚性幹細胞、造血幹細胞、神経及び間葉前駆体幹細胞、ガン幹細胞である。
標的細胞はまた、組織又は器官から単離することができる。
【0010】
ウイルス糖タンパク質のRBDは、標的細胞の1又はそれより多い膜レセプターに結合することができる。
「膜レセプター」は、本発明においては、細胞の形質膜に係留される任意のタンパク質又はポリペプチドを定義する。前記膜レセプターは、ウイルスの糖タンパク質との相互作用を可能にする。
好ましくは、本発明に従う膜レセプターは、輸送体、例えば滋養物(nutriment)及び代謝物の輸送体として機能する多膜-貫通タンパク質ファミリーのメンバー、すなわち形質膜を横切る滋養物及び代謝物の輸送を可能にする多膜-貫通タンパク質である。
【0011】
全ての哺乳動物細胞は、細胞表面の「栄養素(nutrient)又は滋養物の輸送体」を介して必要な栄養素を取り込み、異化代謝産物その他の成分を排出し、細胞の生存(アポトーシスの阻害、自家融解の阻害、増殖など)を可能にする。
滋養物又は栄養素及び代謝物又は異化代謝産物は、例えば、炭水化物、アミノ酸、無機リン酸塩、ヌクレオシド、脂質、ビタミン、ヘム、イオンなどである。
この標的細胞は、前記RBDにより認識されなければならない。
【0012】
表現「前記レセプター結合性リガンドは少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすい」とは、前記レセプター結合性リガンドが、RBDにより、標的細胞の1つのレセプター又は標的細胞の幾つかのレセプターと複合体を形成することを意味する。
可溶性レセプター結合性リガンドはまた、完全配列又は部分配列を有する1より多いRBDを含有することがある。
よって、複合体は、標的細胞が予め動物から単離されている場合、インビトロで形成され得る。
【0013】
複合体はまたエキソビボで形成することができる。
複合体はまた、レセプター結合性リガンドが動物に注入され、動物の器官内の標的細胞と相互作用する場合、インビボで形成することもできる。
レセプターと上記のような標的細胞の膜レセプターとの間の相互作用を得るために、レセプター結合性リガンドは、膜レセプターと複合体を形成するに十分な濃度でなければならない。
【0014】
表現「標的細胞表面に存在する膜レセプターの発現の同定及び定量」とは、標的細胞が膜レセプターを発現するとき、すなわち前記レセプターが標的細胞表面に存在し、したがって複合体が生物学的対象の標的細胞の膜レセプターとレセプター結合性リガンドとの間に形成されるときを意味する。
この複合体は、レセプター結合性リガンドが例えば(限定されないが)抗体の定常フラグメント(Fc)又は蛍光化合物(シアニン類、アレクサ(alexa)、量子ドット…)のような検出可能な分子と共有結合されていれば、検出することができる。
【0015】
この複合体はまた、レセプター結合性リガンドが当業者に周知の種々の手段でタグ化されていれば、検出することができる。
例えば(限定されないが)、本発明で使用するタグは、ヘマグルチニンタグ、ポリアルギニンタグ、ポリヒスチジンタグ、Mycタグ、Strepタグ、Flagタグ、S-タグ、HATタグ、3x Flagタグ、カルモジュリン-結合性ペプチドタグ、SBPタグ、キチン-結合性ドメインタグ、GSTタグ、マルトース-結合性タンパク質タグ、GFP及びEGFPタグ、RFPsタグ、YFPタグ、CFPタグ、T7タグ、V5タグ、Xpressタグ及び最大発光が445nm〜655nmであるOlympus America Inc.から入手可能な全ての蛍光分子であり得る。
【0016】
したがって、レセプター結合性リガンドの使用により、一方で、使用したレセプター結合性リガンドに依存して標的細胞上に発現したレセプターの同定が可能になり、他方で、形成した複合体の定量が可能になり、故に標的細胞上の膜レセプターの存否及びその定量が可能になる。
【0017】
表現「所定の時間に又は所定の時間間隔の間に」とは、膜レセプターの発現の改変を評価するために、レセプター結合性リガンドと標的細胞の膜レセプターとの接触の直後、或いは該接触後の標的細胞上の前記膜レセプターの減少を評価するときには、細胞及び接触条件に依存して、数分後、特に1〜59分後、又は数時間後、特に1〜47h後、好ましくは24h後、又は数日後、特に2〜7日後、好ましくは3日後、又は数週間後、好ましくは3〜6週間後に、形成した複合体の検出及び/又は定量が行われ得ることを意味する。
【0018】
接触条件には、標的細胞に依存して、0℃から37℃まで変化し得る温度が含まれ、特に0、1、2、3又は4℃、好ましくは室温近く、特に18℃〜25℃、特に18、19、20、21、22、23、24又は25℃、より好ましくは26〜37℃、特に25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36又は37℃、好ましくは30又は37℃である。
【0019】
表現「生理学的状態」とは、レセプター結合性リガンドが、標的細胞に存在する膜レセプターの発現のみならず、これら膜レセプターが細胞表面又は細胞内プールに存在するかも決定することを可能にすることを意味する。代表的には、細胞表面での前記膜レセプターの利用可能性(availability)は、標的細胞と前記レセプター結合性リガンドとの接触後、細胞膜の固定又は透過化処理のいずれかの前の前記膜レセプターの検出により特徴付けられる。総量(細胞表面及び細胞内プール)は、適切な界面活性剤(Tween、NP40、Nonidetなど)又は固定液(アセトン、エタノール、メタノール、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドなど)での前記標的細胞の固定又は透過化処理後の接触により検出される。更に、接触の間に使用される条件、すなわりインキュベーション条件(温度、培養培地、時間…)に依存して、レセプター結合性リガンドにより、膜レセプターの改変、すなわち膜レセプター発現の変動を検査することが可能になる。
【0020】
したがって、レセプター結合性リガンドは細胞の生理学的状態のマーカーである。
したがって、本発明の利点の1つは、細胞の生理学的状態のマーカーだけでなく、規定の可溶性レセプター結合性リガンドを発現する興味対象の細胞集団又は細胞亜集団を同定、選別及び研究する手段もまた提供することである。
【0021】
別の実施形態では、レセプター結合性リガンド又はマーカーにより、標的細胞の生理病理学的状態を検出し、この状態に代表的な膜レセプターがどれであるかを決定することが可能になる。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、細胞同族レセプターと相互作用するエンベロープウイルス糖タンパク質の可溶性部分に由来する少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドの使用に関する。ここで、
− 前記レセプター結合性リガンドは、前記糖タンパク質の1つのレセプター結合性ドメイン(RBD)の一部又は全体を含有し、そして
− 前記可溶性レセプター結合性リガンドは、標的細胞の前記少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすく、
ただし、PTLVに由来する2つの可溶性レセプター結合性リガンドのみを使用する場合、前記RBDと相互作用する前記膜レセプターはGLUT1のみではない。
【0023】
本発明の別の好適な実施形態は、前記可溶性レセプター結合性リガンドが前記標的細胞の少なくとも2つの別個の膜レセプターと相互作用しやすい上記使用を開示する。
この実施形態では、2又はそれより多い可溶性結合性リガンドを含んでなる可溶性結合性リガンドの組合せが使用され、使用される可溶性結合性リガンドは互いに異なる。
【0024】
したがって、この組合せ中の可溶性結合性リガンドの数は、細胞表面に存在するレセプターの数に依存して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12であることができ、又は12より大きくさえあり得る(前記可溶性結合性リガンドは全て異なる)。
膜レセプターの数は、細胞表面に存在するレセプターの数に依存して、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12であることができ、又は12より大きくさえあり得る(前記レセプターの少なくとも2つは異なる)。
【0025】
本実施形態において、レセプターの1つはGLUT1であることができる。
2又はそれより多い可溶性結合性リガンドは、同じ膜レセプターと相互作用することができる。
【0026】
したがって、本発明の利点の1つは、細胞の生理学的状態に関する情報又は可溶性結合性リガンドの組合せを用いて対象の細胞集団若しくは細胞亜集団を同定、選別及び研究する手段を提供することである。別の実施形態において、本発明は、前記糖タンパク質がマウス、ネコ又はテナガザルの白血病ウイルス(MLV、FeLV、GaLV)のようなガンマレトロウイルス由来、又はヒト及びサルのT細胞白血病ウイルス(HTLV及びSTLV)若しくはウシ白血病ウイルス(BLV)のようなデルタレトロウイルス由来、水疱性口内炎ウイルス(VSV)のようなラブドウイルス由来の糖タンパク質である上記使用を開示する。
【0027】
本発明によれば、ウイルスは、好ましくは、その既知のレセプターが全て多膜-貫通タンパク質ファミリーのメンバーであることが示されているガンマ及びデルタレトロウイルスである。レトロウイルスは当該分野において周知である。
【0028】
2つのタイプのレトロウイルスが存在する:外来性(生殖細胞系に存在しない)及び内在性(生殖細胞系のゲノム中に存在する)レトロウイルス。例として、本発明に従うレトロウイルスは、以下の外来性レトロウイルスの中から選択することができる:ガンマレトロウイルス、デルタレトロウイルス(以下を含む:ウシ白血病ウイルス及びヒトT-リンパ球好性ウイルス)。レトロウイルスはまた、ガンマレトロウイルスに最も類似するクラスI内在性レトロウイルスの内在性レトロウイルスの中から選択することができる。
【0029】
ガンマ及びデルタレトロウイルスは、成熟レトロウイルスビリロンのタンパク質であるEnv糖タンパク質をコードする。Envタンパク質は、プロペプチドの形態で合成されるレトロウイルスタンパク質の1つである。Envタンパク質は、2つのポリペプチドに切断される:膜貫通(TM)成分及び細胞表面(SU)成分。この切断は、フリンペプチダーゼによりゴルジ器官で行われる。
【0030】
SU及びTMドメインは、天然型ウイルスでは、ジスルフィド架橋により結合している。
SUドメインは2つの主要なサブドメインを含有する:TMドメインとの相互作用ドメイン及びRBD (RBDは、宿主細胞膜レセプターと相互作用しやすい)。
図1はHTLV-1の天然型Env糖タンパク質を表す。
【0031】
本発明によれば、ウイルスはまた、レトロウイルスではないがそのウイルスのエンベロープ中に存在しRBDを含有する糖タンパク質をコードするラブドウイルスである。
好適な実施形態によれば、レセプター結合性リガンドは配列番号:1〜配列番号:31から選択される。
配列番号1〜31は、(既知であるとき)シグナルペプチド、レセプター結合性ドメイン、(既知であるとき)プロリンリッチ領域(PRR)及びPRRの下流に位置するCXXCモチーフから構成される。
【0032】
本発明の別の好適な実施形態は、前記可溶性レセプター結合性リガンドが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho、配列番号:1)、テナガザル白血病ウイルス(GALV、配列番号:2)、ネコ内在性ウイルス(RD114、配列番号:3)、水疱性口内炎ウイルス(VSV、配列番号:4)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno、配列番号:10)、ネコ白血病ウイルスC (FelV、配列番号:19)、Envコアラレトロウイルス(KoV、配列番号:20)、Envブタ内在性レトロウイルス-B (Perv B、配列番号:22)、ヒトT白血病ウイルス-1(HTLV1、配列番号:27)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2、配列番号:28)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4、配列番号:31)又はEnvウシ白血病ウイルス(BLV、配列番号:30)に属する糖タンパク質から単離される上記使用を開示する。
【0033】
本発明の別の特定の実施形態は、前記膜レセプターがCAT1、PiT2、XPR1、SMIT1、PiT1、ASCT1/ATB0、FLVCR、PAR1、PAR2、GLUT1からなるリストから選択される上記使用に関する。
上記膜レセプターは、Manelら,Frontiers in Bioscience, 9, 3218-3241, 2004に開示されている。
【0034】
別の好適な実施形態において、本発明は、前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞又はガン幹細胞である上記使用に関する。
幹細胞は、本発明において、様々な特化した細胞タイプに分化することができる細胞と定義される。本発明によれば、これら幹細胞は、一分化(単能)又は二分化(二能)からn分化(複能)細胞(nは2より大きい)に分化する本来的能力を有するものと定義される。
【0035】
本発明は、全能細胞の子孫である多能細胞に関する。多細胞生物では、全能細胞(これは雄性及び雌性の配偶子の融合から生じる)は、その生物を構成する全ての細胞に分化することができる。この全能細胞の第一分割は、有糸分裂により、幾つかの多能細胞を生じる。これら多能細胞は特異化を獲得し、全ての分化細胞を生じる能力を喪失している。
したがって、本発明に従う幹細胞は、多能(pluripotent)、複能(multipotent)、二能(dipotent)及び単能(monopotent)細胞に関する。本発明において、胚性幹細胞(ESC)(雄性及び雌性の配偶子の融合により形成される細胞に相当する)もまた使用することができる。
幹細胞はまた人工多能性幹細胞(IPS)である。
【0036】
1つの特定の実施形態において、ヒトに由来する胚性幹細胞、ヒト胚性幹細胞(HESC)は、好ましくは、本発明の方法を実施するための使用から排除される。よって、この特定の実施形態において、幹細胞は全ての動物の幹細胞であるが、ただし該幹細胞はト胚性幹細胞ではない。
【0037】
別の特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が造血幹細胞である上記使用に関する。
造血幹細胞は、全ての循環性血液細胞(例えば赤血球、マクロファージ、単球…)に分化することができる複能幹細胞である。
【0038】
別の特定の実施形態において、本発明は、前記少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドが上記リストから選択される2つの可溶性レセプター結合性リガンドの組であり、標的細胞表面に存在する少なくとも2つの膜レセプターの発現の同定及び提供を可能にする上記使用に関する。
糖タンパク質のRBDが例えば10A1 MLVに属する本発明のレセプター結合性リガンドの幾つかは、2つの膜レセプター(例えばPiT1及びPiT2)と相互作用することができ、したがって両レセプターの発現の測定及び定量に使用される。
【0039】
本発明の他のレセプター結合性リガンドは、1つの膜レセプターに選択的であり、したがってこの実施形態では、少なくとも2つの膜レセプターの発現決定には、2つのレセプター結合性リガンドの使用が必要である。
【0040】
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)及びテナガザル白血病ウイルス(GALV)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、ネコ内在性ウイルス(RD114)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
【0041】
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:テナガザル白血病ウイルス(GALV)及びネコ内在性ウイルス(RD114)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
【0042】
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:テナガザル白血病ウイルス(GALV)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:ネコ内在性ウイルス(RD114)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
【0043】
本発明は、1つの好適な実施形態において、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:テナガザル白血病ウイルス(GALV)及びEnvウシ白血病ウイルス(BLV)に属する糖タンパク質から選択される2つのレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
このような組合せは実施例として使用される(実施例6、図15)。
【0044】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが3〜12より多い本発明に従うレセプター結合性リガンド、特に3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のレセプター結合性リガンドの組であり、該レセプター結合性リガンドは以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho、配列番号:1)、テナガザル白血病ウイルス(GALV、配列番号:2)、ネコ内在性ウイルス(RD114、配列番号:3)、水疱性口内炎ウイルス(VSV、配列番号:4)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno、配列番号:10)、ネコ白血病ウイルスC(FelV、配列番号:19)、Envコアラレトロウイルス(KoV、配列番号:20)、Envブタ内在性レトロウイルス-B(Perv B, 配列番号:22)、ヒトT白血病ウイルス-1 (HTLV1、配列番号:27)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2, 配列番号:28)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4、配列番号:31)又はEnvウシ白血病ウイルス(BLV、配列番号:30)に属する糖タンパク質から単離される、上記使用を開示する。
【0045】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、ネコ内在性ウイルス(RD114)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno)、Envコアラレトロウイルス(KoV)、Envブタ内在性レトロウイルス-B(Perv B)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4)、Envウシ白血病ウイルス(BLV)、Envネコ白血病ウイルスC(FelV)に属する糖タンパク質から選択される10のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
このような組合せは実施例として使用される(実施例4、図10〜12)。
【0046】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、ネコ内在性ウイルス(RD114)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno)、Envコアラレトロウイルス(KoV)、Envブタ内在性レトロウイルス-B(Perv B)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4)、Envウシ白血病ウイルス(BLV)に属する糖タンパク質から選択される8のレセプター結合性リガンドの組でありる、上記使用を開示する。
このような組合せは実施例として使用される(実施例4、図4〜9)。
【0047】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、ネコ内在性ウイルス(RD114)、ヒトT白血病ウイルス-1(HTLV1)、Envウシ白血病ウイルス(BLV)に属する糖タンパク質から選択される5のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
このような組合せは実施例として使用される(実施例5、図13及び14)。
【0048】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、ネコ内在性ウイルス(RD114)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される4のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)及びネコ内在性ウイルス(RD114)に属する糖タンパク質から選択される3のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
【0049】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される3のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:テナガザル白血病ウイルス(GALV)、ネコ内在性ウイルス(RD114)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される3のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
【0050】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、ネコ内在性ウイルス(RD114)及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される3のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、及び水疱性口内炎ウイルス(VSV)に属する糖タンパク質から選択される3のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
【0051】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記レセプター結合性リガンドが、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、及びEnvウシ白血病ウイルス(BLV)に属する糖タンパク質から選択される3のレセプター結合性リガンドの組である、上記使用を開示する。
このような組合せは実施例として使用される(実施例6、図16)。
【0052】
別の特定の実施形態において、本発明は、規定された生理学的状態を有する標的細胞、特に前記少なくとも1つの膜レセプターを発現する幹細胞亜集団の選択方法を実施するための上記使用に関する。
本発明は、上記レセプター結合性リガンドの使用により、上記膜レセプターの少なくとも1つを発現する細胞の亜群、好ましくは幹細胞の選択を可能にする。
よって、異種細胞集団において、対象の少なくとも1つの膜レセプターを発現し、インキュベーション条件に依存して最良の生理学的状態を示す細胞を弁別することが可能である。
【0053】
別の観点では、本発明は、標的細胞の糖タンパク質RBDに対する少なくとも1つの膜レセプターの発現を同定及び定量する方法に関し、該方法は、以下の工程:
a.タグで任意にマーキングされていてもよい請求項1に規定される少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドを標的細胞と接触させて、各複合体が1つの前記レセプター結合性リガンドと前記標的細胞の1つの前記膜レセプターとにより構成される少なくとも2つの複合体を形成させる工程、
b.形成した各複合体を同定する工程、
c.前記複合体を形成することができる前記標的細胞の各膜レセプターの発現を定量する工程、
d.任意に、標的細胞の膜表面に発現したレセプター(固定又は透過化前)を標的細胞内で発現した全レセプター(固定又は透過化後)と区別する工程
を含んでなる。
【0054】
本発明によれば、レセプター結合性リガンドは、該レセプター結合性リガンドと相互作用しやすい少なくとも1つの膜レセプターを発現しやすい細胞とインキュベートされる。
レセプター結合性リガンドが「対応する」膜レセプターと相互作用すると、複合体が形成される。対応する膜レセプターとは、前記レセプター結合性リガンドに含有されるRBDと相互作用することができるレセプターを意味する。
生成された複合体は、当該分野で公知の常用のプロトコルを用いて容易に検出することができる。
【0055】
本発明に従うレセプター結合性リガンドがタグ化されていると、RBDを含有する前記可溶性タンパク質と「対応するレセプター」との間で形成された複合体は、当業者に公知の任意の検出方法で検出することができる。
例えば、タグが蛍光タンパク質である場合、複合体は、適切な装置(蛍光顕微鏡、フローサイトメトリ…)による蛍光の検出によって検出される。タグが周知のタンパク質(HA、His、GFP、GST…)の一部に対応するタグである場合、前記タグを指向する抗体を使用することができる。前記タグを指向する前記抗体は、蛍光、化学発光、磁性又は比色手段による検出を可能にする分子とカップリングされる。
【0056】
(当業者に周知の技法により)固定及び透過化された標的細胞により、細胞レセプターの総含有量を決定することができ、故に表面レセプターの発現と細胞における総レセプター発現とを区別することができる。
【0057】
したがって、本発明の方法により、膜レセプターを発現する細胞の同定及び定量が導かれ、以下:
− 一方で、少なくとも1つの特定のレセプターを発現する細胞を選択し、前記少なくとも1つの特定のレセプターを発現しない細胞を排除すること、
− 他方で、少なくとも1つの特定のレセプターを発現しない細胞を選択し、よって前記少なくとも1つの特定のレセプターを発現する排除を除去すること
が可能になる。
【0058】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞である上記方法に関する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が造血幹細胞である上記方法に関する。
【0059】
別の観点において、本発明は、所定の発現量で糖タンパク質RBDに対する少なくとも1つの特定の膜レセプターを発現する標的細胞の選択方法に関し、該方法は、以下の工程:
a.タグで任意にマーキングされていてもよい請求項1に規定される少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドを標的細胞と接触させて、各複合体が1つの前記レセプター結合性リガンドと前記標的細胞の1つの前記膜レセプターとにより構成される少なくとも2つの複合体を形成する工程、
b.時間T1で、形成した各複合体を検出し、前記形成した各複合体を定量する工程、
c.T1より後の第2の時間T2で、前記形成した各複合体を検出し、定量する工程、
d.T2で、前記複合体を形成している少なくとも1つの特定の膜レセプターの発現に変動を示す前記標的細胞を選択する工程
を含んでなる。
【0060】
本発明に従うレセプター結合性リガンドと対応するレセプターとの間での複合体の形成後、生理学的状態の変化を検査するために、T1とT2の間の時間、細胞及び接触条件に依存して前記接触後の例えば数分間、特に1〜59分間、又は数時間、特に1〜47h間、好ましくは24h間、又は数日間、特に2〜7日間、好ましくは3日間、又は数週間、好ましくは2〜6週間の間、前記膜レセプターを発現する細胞を検出し、追跡することができる。
【0061】
発現し定量された膜レセプターの関数として所望の生理学的状態を示す細胞を、前記所望の生理学的状態を示さないものから単離することができる。
本発明に従うレセプター結合性リガンドが蛍光タンパク質でタグ化されている場合には、蛍光の選択的検出に基づく特定細胞選別を可能にするフローサイトメーター/セルソーターを用いることにより、本発明に従うレセプター結合性リガンドと複合体化した膜レセプターを発現している細胞を、その他のものから単離することができる。
【0062】
使用するタグが周知タンパク質の一部に対応する場合には、前記タグと特異的に相互作用することができる第2の抗体を使用する。この抗体は、好ましくは、フローサイトメータを用いる細胞選別を可能にするため、蛍光分子(蛍光色素)とカップリングされる。別の可能性は、磁性化合物とカップリングした抗体を使用することである。この場合、本発明に従うレセプター結合性リガンドと相互作用する膜レセプターを発現する細胞は、マグネットを用いて単離される。
これら選別方法は、当該分野において一般的に使用される。
【0063】
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞又はガン幹細胞である上記方法に関する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が造血幹細胞である上記方法に関する。
図2及び3は、臍帯血と本発明のレセプター結合性リガンドとの37℃にて30分間の接触の1又は3日後に観察される生理学的状態の改変例を示す。
【0064】
別の観点において、本発明は、所定の発現量で糖タンパク質RBDに対する少なくとも1つの特定の膜レセプターを発現する標的細胞の増幅方法に関し、該方法は以下の工程:
a.タグで任意にマーキングされていてもよい請求項1に規定される少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドを標的細胞と接触させて、各複合体が1つの前記レセプター結合性リガンドと前記標的細胞の1つの前記膜レセプターとにより構成される少なくとも2つの複合体を形成する工程、
b.時間T1で、形成した各複合体を検出し、前記形成した各複合体を定量する工程、
c.T1より後の第2の時間T2で、前記形成した各複合体を検出し、定量する工程、
d.T2で、前記複合体を形成している少なくとも1つの特定の膜レセプターの発現に変動を示す前記標的細胞を選択する工程
e.前記選択された標的細胞を選抜し、増幅する工程
を含んでなる。
【0065】
工程a〜dは上記で説明している。よって、好適な標的細胞が単離されると、細胞分裂の達成、すなわち有糸分裂の達成に必要な滋養物及び気体を含有する適切な培養培地中で培養することによって増幅される。
「適切な培養培地」とは、培養細胞の生存に必要な滋養物を含んでなる培地を意味する。この培地は、古典的には、pH緩衝化されており、インビトロでの細胞生存に特異的であるグルコース濃度、成長因子及び栄養素組成を有する。
【0066】
培地に補充するために使用する成長因子は、しばしば、動物の血液に由来し、例えばウシ血清である。更に、特定の細胞プロセス、例えば増殖を特異的に開始させるために、組換えの特異的成長因子を添加することができる。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞である上記方法に関する。
1つの特定の実施形態において、本発明は、前記標的細胞が造血幹細胞である上記方法に関する。
【0067】
本発明はまた、上記のウイルスのエンベロープ糖タンパク質の可溶性部分に由来するレセプター結合性リガンドに関し、ここで、前記レセプター結合性リガンドは、前記糖タンパク質のレセプター結合性ドメイン(RBD)の1つの一部又は全体を含有し、標的細胞の前記少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすい。
1つの他の好適な実施形態において、本発明は、前記糖タンパク質がマウス白血病ウイルス(MLV)のようなガンマレトロウイルス、又はヒトT白血病ウイルス(HTLV)若しくはウシ白血病ウイルス(BLV)のようなデルタレトロウイルス、又は水疱性口内炎ウイルス(VSV)のようなラブドウイルスからの糖タンパク質である、上記のようなレセプター結合性リガンドに関する。
【0068】
1つの他の好適な実施形態において、本発明は、前記可溶性レセプター結合性リガンドが、以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho、配列番号:1)、テナガザル白血病ウイルス(GALV、配列番号:2)、ネコ内在性ウイルス(RD114、配列番号:3)、水疱性口内炎ウイルス(VSV、配列番号:4)に属する糖タンパク質から単離される、上記のようなレセプター結合性リガンドに関する。
1つの他の好適な実施形態において、本発明は、前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞又はガン幹細胞である、上記定義に従うレセプター結合性リガンドに関する。
1つの他の好適な実施形態において、本発明は、前記標的細胞が造血幹細胞又はガン幹細胞である、上記のレセプター結合性リガンドに関する。
【0069】
以下の図及び実施例は本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、HTLV-1 (原型デルタレトロウイルスEnvとして)の成熟Envタンパク質及びSU中のFriend-MLV (原型ガンマレトロウイルスEnvとして)との共通モチーフの概略図に相当する。TMは膜貫通ドメインに相当し、SUは表面ドメインに相当する。RBDは、標的細胞の膜レセプターと相互作用する、SUのドメインに相当する。
【図2】図2A〜Jは、Ampho及びGALVレセプター結合性リガンドとの37℃にて30分間の接触後に検出される、種々の増幅プロトコルに従う増幅の0日目から1日目までのCD34+臍帯血幹細胞(ヒト)のガンマレトロウイルス膜レセプターの細胞表面発現動態に相当する。 図2Aは、Ficoll及びCD34+ Miltenyi選択キットの後に単離されたCD34+臍帯血細胞のFACSを表す。 図2Bは、図2AのR2細胞(上部領域)のFisher増幅プロトコル0日目を表す(黒色:模擬(Mock)、淡灰色(ampho)、濃灰色GALV)。 図2Cは、図2AのR2細胞(上部領域)のFisher増幅プロトコル1日目を表す(黒色:模擬、淡灰色(ampho)、濃灰色GALV)。 図2Dは、Miltenyi選択キットを用いたCD34+造血幹細胞の選択後に図2AのR1領域で得られたFACSを表す。 図2E及び2Hは、図2DのR6ゾーン(左上領域)のそれぞれFisher増幅プロトコル0日目及び1日目を表す(黒色:模擬、淡灰色(ampho)、濃灰色GALV)。 図2F及び2Iは、図2DのR3ゾーン(右上領域)のそれぞれFisher増幅プロトコル0日目及び1日目を表す(黒色:模擬、淡灰色(ampho)、濃灰色GALV)。 図2EG及び2Jは、図2DのR4ゾーン(右下領域)のそれぞれFisher増幅プロトコル0日目及び1日目を表す(黒色:模擬、淡灰色(ampho)、濃灰色GALV)。
【図3】図3A〜Fは、37℃にて30分間のAmpho、GALV、RD114及びVSVレセプター結合性リガンドの存在下でのThrasherのプロトコルによるCD34+臍帯血幹細胞(ヒト)のエキソビボ分化の間(0日目から3日目まで)の種々のレセプターの発現に対応する。 図3A、3B及び3Cは、Ficoll及びCD34+ Miltenyi選択キットの後(3A)、更にThrasherプロトコル0日目(3B:黒色:模擬、淡灰色:VSV、濃灰色:Ampho; 3C:黒色:模擬、淡灰色:GALV、濃灰色:RD114)のバフィーコートから得られたFACSを表す。 図3D、3E及び3Fは、Ficoll及びCD34+ Miltenyi選択キットの後(3D)、更にThrasherプロトコル3日目(3E:黒色:模擬、淡灰色:VSV、濃灰色:Ampho; 3F:黒色:模擬、淡灰色:GALV、濃灰色:RD114)のバフィーコートから得られたFACSを表す。 図3B、C及び3E、Fは、具体的にはAmpho (配列番号:1)、GALV (配列番号:2)、RD114 (配列番号:3)及びVSV (配列番号:4)のレセプター結合性リガンドを用いた、臍帯血幹細胞の膜レセプター発現の経時変動を示す。
【図4】図4は、以下のRBDを用いるヒトB及びB-慢性リンパ性白血球(B-CLL)細胞についてのRBD結合プロフィールを表す:HTLV 2 (配列番号:28)、HTLV 4 (配列番号:31)、Ampho (配列番号:1)、Perv B (配列番号:22)、BLV (配列番号:30)、RD 114 (配列番号:3)、KoV (配列番号:20)及びXeno (配列番号:10)。 図4A〜4Eは、健常ドナー(健常ドナー1)の、CD19+細胞に対するRBD結合プロフィール及びFACSを表す: 図4A:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:HTLV 2 (配列番号:28);白抜きの濃灰色曲線:HTLV 4 (配列番号:31)。 図4B:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Perv B (配列番号:22);白抜きの濃灰色曲線:Ampho (配列番号:1)。 図4C:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Xeno (配列番号:10);白抜きの濃灰色曲線:RD 114 (配列番号:3)。 図4D:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:BLV (配列番号:30);白抜きの濃灰色曲線:KoV (配列番号:20)。 図4E:B細胞のFACS。
【図5】図5は、以下のRBDを用いるヒトB及びB-慢性リンパ性白血球(B-CLL)細胞についてのRBD結合プロフィールを表す:HTLV 2 (配列番号:28)、HTLV 4 (配列番号:31)、Ampho (配列番号:1)、Perv B (配列番号:22)、BLV (配列番号:30)、RD 114 (配列番号:3)、KoV (配列番号:20)及びXeno (配列番号:10)。 図5A〜5Eは、別の健常ドナー(健常ドナー2)の、CD19+細胞に対するRBD結合プロフィール及びFACSを表す: 図5A:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:HTLV 2 (配列番号:28);白抜きの濃灰色曲線:HTLV 4 (配列番号:31)。 図5B:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Perv B (配列番号:22);白抜きの濃灰色曲線:Ampho (配列番号:1)。 図5C:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Xeno (配列番号:10);白抜きの濃灰色曲線:RD 114 (配列番号:3)。 図5D:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:BLV (配列番号:30);白抜きの濃灰色曲線:KoV (配列番号:20)。 図5E:B細胞のFACS。
【図6】図6は、以下のRBDを用いるヒトB及びB-慢性リンパ性白血球(B-CLL)細胞についてのRBD結合プロフィールを表す:HTLV 2 (配列番号:28)、HTLV 4 (配列番号:31)、Ampho (配列番号:1)、Perv B (配列番号:22)、BLV (配列番号:30)、RD 114 (配列番号:3)、KoV (配列番号:20)及びXeno (配列番号:10)。 図6A〜6Eは、CLL患者(患者1)の、CD19+細胞に対するRBD結合プロフィール及びFACSを表す: 図6A:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:HTLV 2 (配列番号:28);白抜きの濃灰色曲線:HTLV 4 (配列番号:31)。 図6B:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Perv B (配列番号:22);白抜きの濃灰色曲線:Ampho (配列番号:1)。 図6C:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Xeno (配列番号:10);白抜きの濃灰色曲線:RD 114 (配列番号:3)。 図6D:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:BLV (配列番号:30);白抜きの濃灰色曲線:KoV (配列番号:20)。 図6E:B細胞のFACS。
【図7】図7は、以下のRBDを用いるヒトB及びB-慢性リンパ性白血球(B-CLL)細胞についてのRBD結合プロフィールを表す:HTLV 2 (配列番号:28)、HTLV 4 (配列番号:31)、Ampho (配列番号:1)、Perv B (配列番号:22)、BLV (配列番号:30)、RD 114 (配列番号:3)、KoV (配列番号:20)及びXeno (配列番号:10)。 図7A〜7Eは、別のCLL患者(患者2)の、CD19+細胞に対するRBD結合プロフィール及びFACSを表す: 図7A:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:HTLV 2 (配列番号:28);白抜きの濃灰色曲線:HTLV 4 (配列番号:31)。 図7B:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Perv B (配列番号:22);白抜きの濃灰色曲線:Ampho (配列番号:1)。 図7C:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Xeno (配列番号:10);白抜きの濃灰色曲線:RD 114 (配列番号:3)。 図7D:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:BLV (配列番号:30);白抜きの濃灰色曲線:KoV (配列番号:20)。 図7EはB細胞のFACSを表す。
【図8】図8は、以下のRBDを用いるヒトB及びB-慢性リンパ性白血球(B-CLL)細胞についてのRBD結合プロフィールを表す:HTLV 2 (配列番号:28)、HTLV 4 (配列番号:31)、Ampho (配列番号:1)、Perv B (配列番号:22)、BLV (配列番号:30)、RD 114 (配列番号:3)、KoV (配列番号:20)及びXeno (配列番号:10)。 図8A〜8Eは、別のCLL患者(患者3)の、CD19+細胞に対するRBD結合プロフィール及びFACSを表す: 図8A:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:HTLV 2 (配列番号:28);白抜きの濃灰色曲線:HTLV 4 (配列番号:31)。 図8B:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Perv B (配列番号:22);白抜きの濃灰色曲線:Ampho (配列番号:1)。 図8C:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Xeno (配列番号:10);白抜きの濃灰色曲線:RD 114 (配列番号:3)。 図8D:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:BLV (配列番号:30);白抜きの濃灰色曲線:KoV (配列番号:20)。 図8E:B細胞のFACS。
【図9】図9は、以下のRBDを用いるヒトB及びB-慢性リンパ性白血球(B-CLL)細胞についてのRBD結合プロフィールを表す:HTLV 2 (配列番号:28)、HTLV 4 (配列番号:31)、Ampho (配列番号:1)、Perv B (配列番号:22)、BLV (配列番号:30)、RD 114 (配列番号:3)、KoV (配列番号:20)及びXeno (配列番号:10)。 図9A〜9Eは、別のCLL患者(患者4)の、CD19+細胞に対するRBD結合プロフィール及びFACSを表す: 図9A:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:HTLV 2 (配列番号:28);白抜きの濃灰色曲線:HTLV 4 (配列番号:31)。 図9B:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Perv B (配列番号:22);白抜きの濃灰色曲線:Ampho (配列番号:1)。 図9C:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:Xeno (配列番号:10);白抜きの濃灰色曲線:RD 114 (配列番号:3)。 図9D:灰色塗り曲線:模擬;白抜きの淡灰色曲線:BLV (配列番号:30);白抜きの濃灰色曲線:KoV (配列番号:20)。 図9E:B細胞のFACS。
【図10】図10A〜10Kは、ヒト赤血球細胞(RBC)に関する種々のRBDのRBD結合プロフィールを表す: 図10A:緑色蛍光タンパク質(GFP)でタグ化したHTLV2 (配列番号:28); 図10B:HTLV2 (配列番号:28); 図10C:HTLV4 (配列番号:31); 図10D:Ampho (配列番号:1); 図10E:GALV (配列番号:4); 図10F:RD114 (配列番号:3); 図10G:BLV (配列番号:30); 図10H:KoV (配列番号:20); 図10I:Xeno (配列番号:10); 図10J:FelV (配列番号:19); 図10K:Perv B (配列番号:22)。
【図11】図11A〜11Lは、非刺激の又はTCR-刺激したヒトT細胞に関する種々のRBDのRBD結合プロフィールを表す: − 図11A〜11F:非刺激ヒトT細胞: 図11A:緑色蛍光タンパク質(GFP)でタグ化したHTLV2 (配列番号:28); 図11B:HTLV2 (配列番号:28); 図11C:HTLV4 (配列番号:31); 図11D:Ampho (配列番号:1); 図11E:GALV (配列番号:4); 図11F:RD114 (配列番号:3)。 − 図11G〜11L:TCR-刺激T細胞: 図11G:緑色蛍光タンパク質(GFP)でタグ化したHTLV2 (配列番号:28); 図11H:HTLV2 (配列番号:28); 図11I:HTLV4 (配列番号:31); 図11J:Ampho (配列番号:1); 図11K:GALV (配列番号:4); 図11L:RD114 (配列番号:3)。
【図12】図12A〜12Jは、非刺激の又はTCR-刺激したヒトT細胞に関する種々のRBDのRBD結合プロフィールを表す: − 図12A〜12E:非刺激T細胞: 図12A:BLV (配列番号:30); 図12B:KoV (配列番号:20); 図12C:Xeno (配列番号:10); 図12D:FelV (配列番号:19); 図12E:Perv B (配列番号:22)。 − 図12F〜12J:TCR-刺激T細胞: 図12F:BLV (配列番号:30); 図12G:KoV (配列番号:20); 図12H:Xeno (配列番号:10); 図12I:FelV (配列番号:19); 図12J:Perv B (配列番号:22)。
【図13】図13A〜13Oは、Th0、Th1及びTH2細胞へ分化したマウスT細胞に関する種々のRBDに対するRBD結合プロフィールを表す: 図13A、13B及び13C:Ampho (配列番号:1); 図13D、13E及び13F:BLV (配列番号:30); 図13G、13H,及び13I:HTLV1 (配列番号:27); 図13J、13K及び13L:GALV (配列番号:4); 図13M、13N及び13O:RD114 (配列番号:3)。 RBD結合を表す各図について、白抜きの曲線は、左から右へ、それぞれ模擬及びRBDを表す。
【図14】図14A〜14Oは、Th17及びiTreg細胞に分化したマウスT細胞に関する種々のRBDに対するRBD結合プロフィールを表す: 図14A及び14B:Ampho (配列番号:1); 図14C及び14D:BLV (配列番号:30); 図14E及び14F:HTLV1 (配列番号:27)。 図14G及び14H:GALV (配列番号:4)。 図14I及び14J:RD114 (配列番号:3)。 RBD結合を表す各図について、白抜きの曲線は、左から右へ、それぞれ模擬及びRBDを表す。
【図15】図15A〜15Oは、0日目、2日目、4日目及び6日目のCD34始原細胞に関するBLV (配列番号:30)及びGALV (配列番号:4) RBDに対するRBD結合プロフィールを表す。 図15A、15D、15H、15LはCD34細胞のFACSを表す。 図15A、15B及び15Cは0日目を表す。 図15D、15E、15F及び15Gは2日目を表す。 図15H、15I、15J及び15Kは4日目を表す。 図15L、15M、15N及び15Oは6日目を表す。 図15B、15E、15I及び15Mは、CD34+/CD38-細胞に関するRBD結合を表す。 図15C、15F、15J及び15Nは、CD34+/CD38+細胞に関するRBD結合を表す。 図15G、15K、15Oは、CD34-/CD38+細胞に関するRBD結合を表す。 RBD結合を表す各図について、灰色塗り曲線は模擬を表し、白抜きの曲線は、左から右へ、それぞれGALV及びBLVのRBDを表す。
【図16】図16A〜16Fは、2つの培地中で培養したCD34始原細胞に関するRBD結合プロフィールを表す(BLV (配列番号:30)、GALV (配列番号:4)及びAmpho (配列番号:1)のRBD)。 図16A〜16C:STEMPAN培地。 図16D〜16F:XVIVO15培地。 図16A、16DはCD34細胞のFACSを表す。 図16B及び16E:CD34+/CD38-細胞。 図16C及び16E:CD34+/CD38+細胞。 RBD結合を表す各図について、灰色塗り曲線は模擬を表し、白抜きの曲線は、左から右へ、それぞれAmpho、GALV及びBLVのRBDを表す。
【図17】図17A〜17Cは、出生後6日目から19日目までの大脳皮質の出生後発生の形態学的変化を表す。 図17A:出生後6日目。 破線矢印:外顆粒層(EGL) 実線矢印:内顆粒層(IGL) 図17B:出生後12日目 破線矢印(点線):外顆粒層(EGL) 実線矢印:内顆粒層(IGL) 破線矢印(長破線):分子層(ML) 図17C:出生後19日目 破線矢印(長破線):分子層(ML) 実線矢印:顆粒層(GL)
【図18】図18A〜18Fは、6〜7日後の種々の層における栄養素輸送体の発現を表す(灰色領域)。 図18A:Hoechst+Alexa488 (Ampho/PiT2) 図18B:Hoechst+Alexa488 (GALV/PiT1) 図18C:Hoechst+Alexa488 (HTLV1/GLUT1) 図18D:Hoechst+CellTrace BODIPY (Ampho/PiT2) 図18E:Hoechst+CellTrace BODIPY (GALV/PiT1) 図18F:Hoechst+CellTrace BODIPY (HTLV1/GLUT1) EGL、IGL及びMLの意味は図17A〜17Cと同じである。 対応するプローブでのこのような標識パターンを示す画像がEGL及びIGLの両方を含む全ての画像で観察される頻度は、以下のとおりである: 図18A及び18D:17/25 (68%) 図18B及び18E:19/24 (78.2%) 図18C及び18F:18/22 (81.8%)
【図19】図19A及び19Bは、6〜7日後の種々の層中でのPiT2発現(矢印)を表す。 図19A:Hoechst+Alexa488 (Ampho/PiT2) 図19B:Hoechst+CellTrace BODIPY このようなAmpho標識パターンの画像が、形成中の裂溝に面する領域及び面しない領域の両方を含む全ての画像で観察される頻度は、以下のとおりである:11/19 (57.9%)。
【図20】図20A〜20Dは、6〜7日後又は12〜14日後の種々の層中でのPiT1発現(矢印)を表す。 6〜7日目: 図20A:Hoechst+Alexa488 (GALV/PiT1) 図20B:Hoechst+CellTrace BODIPY 12〜14日目: 図20C:Hoechst+Alexa488 (GALV/PiT1) 図20D:Hoechst+CellTrace BODIPY このようなGRBD標識パターンの画像が、形成する裂溝に面する領域及び面しない領域の両方を含む全ての画像で観察される頻度は、以下のとおりである: 図20A及び20B:3/13 (23.1%) 図20C及び20D:4/15 (26.7%)
【図21】図21A〜21Dは、成体マウス(出生の16〜22日後)の小脳皮質中でのPiT1発現プロフィールを表す。 図21A:Hoechst+Alexa488 (GALV/PiT1) 図21B及び21D:Hoechst+CellTrace BODIPY 図21C:図21A、21B及び21Dを1つにまとめた。
【図22】図22A〜22Dは、成体マウス(出生の16〜22日後)の小脳皮質中でのGLUT1発現プロフィールを表す。 図22A:Hoechst+Alexa488 (HTLV1/GLUT1) 図22B及び21D:Hoechst+CellTrace BODIPY 図22C:図22A、22B及び22Dを1つにまとめた。
【実施例】
【0071】
実施例:
実施例1:293T細胞トランスフェクションを用いるレセプター結合性リガンドの作製のための一般的方法
【表1】

【0072】
1)(フード下で)エッペンドルフ管にHBS+レセプター結合性タンパク質のDNAを調製:
【表2】

【0073】
2)最終濃度 = 125mMまでCaCl2 2M(滅菌)を添加:
【表3】

【0074】
3)10秒間「穏やかに」ボルテックス
4)RTで5分間インキュベート、白色沈殿物が形成
5)細胞に該沈殿物を穏やかに添加し、ホモジネート
6)インキュベータ(37℃、5% CO2)内に細胞を配置。
【0075】
1日目:培地交換:
朝できるだけ速やかかつ穏やかに(293T細胞は容易に剥がれる)、FBS-16H MAXを含有しない10mlのoptipro SFM培地(Gibco)と交換
次いで、インキュベート(32℃、5% CO2)。
【0076】
48時間後、すなわち3日目:上清回収及び濃縮
・条件付け培地を50mlファルコン管に回収
・1500tr/分で3分間4℃にて遠心
・0.45μmで上清を濾過
・氷上で上清を保存
・濃縮器(Icon concentrator, 20ml/9k, PIERCE)中に20mlの超純水を添加
・3600tr/分で10分間4℃にて遠心(旋回バケット)
・20mlの濾過済みRBDサンプルを添加
・3600tr/分で20分間4℃にて遠心
・サンプルを添加し、20分間遠心分離(各濃縮器について最大100mlのRBD)
・所望の濃縮係数(100×)が達成されるまで遠心
・濃縮サンプルを回収し、小分けして-80℃で保存。
【0077】
実施例2:FACSの一般的方法:
HRBD-EGFP (非抗体Glut1-リガンド)のFACSアッセイは、レセプター結合性リガンドについての方法の代表である:
標的細胞:任意の哺乳動物細胞株/ヒトRBC/ヒト活性化PBL又は任意の亜集団/対象の任意の初代又は樹立細胞タイプ。
結合アッセイについて:37℃で行う実際の結合工程を除き、結合アッセイ全体は氷上で行うべきである。
RBDは-80℃で保存した。
解凍RBD-含有条件付け培地及び模擬トランスフェクト条件付け培地。RBD調製物の再凍結を回避。
【0078】
エッペンドルフ管中での単回アッセイ
− 1.5mlエッペンドルフ管中1〜2×105細胞/アッセイ
− 2分間3200RPMで遠心分離
− 上清を穏やかに吸引
− ペレットを穏やかに再懸濁(タッピング)。
− 濃縮HRBD-EGFPをPBS又は培地中1/20(v/v)の希釈率に希釈
− 100μl〜200μl/管の希釈物を添加し、穏やかに再懸濁。
− 30分間37℃でインキュベート(振盪は不要)。
− 以下の全ての工程の間冷寒状態を維持する
− 3分間3200RPMで4℃にて遠心分離し、上清を穏やかに吸引してペレットを穏やかにタッピング。
− 1mlの冷PBA (PBS+2% FBS及び0.01%アジ化ナトリウム)を添加し、ペレットを穏やかにタッピング。
− 最後の2工程を反復し、500μlのPBAを用いてペレットを再懸濁し、FACS管に移す。
− FACS分析
【0079】
96ウェル-マイクロプレート(V字底)中での多重アッセイ
− ウェル当たり各結合アッセイについて1〜2×105細胞
− 3分間1500RPMで遠心分離。
− (例えばシンク上で)プレートを素早くひっくり返して上清を廃棄。
− 小滴が残らないように吸水紙上でプレートを倒置
− プレートを穏やかにボルテックス
− 濃縮HRBD-EGFP調製物をPBS又は培地中1/20 (v/v)に希釈
− 50μl/ウェルの希釈HRBD-EGFP調製物を添加し、穏やかに再懸濁
− 30分間37℃でインキュベート(振盪は不要)。
− 以下の全ての工程について4℃に移す
− 3分間1500 RPMで4℃にて遠心分離し、上清を前記のように廃棄
− ペレットを200μlの冷PBAで2回洗浄し、1500RPMで3分間遠心分離
− 200μlのPBAでペレットを再懸濁し、混合物をFACS管に移す
− FACS分析
【0080】
図3B、C及び3E、Fは、配列番号:1〜配列番号:4のレセプター結合性リガンドで得られた結果を示す。
【0081】
実施例3:B-CLL細胞上での栄養素輸送体の発現
CD19+/CD5- B細胞を有する健常ドナーと比較して、B-CLLを有する患者には、CD19+/CD5+表現型を有する芽球が潜んでいる。細胞表面栄養素輸送体の評価は、タグ化レトロウイルスエンベロープレセプタードメイン(Env RBD)に対する結合により評価すると、何人かの患者で、ウシ白血病ウイルス(BLV)、Xeno及びRD114 (ASCT2) Envのレセプターの発現増大を示す。
HTLV Envレセプター、遍在性グルコース輸送体Glut1へのHTLV RBDの結合は、健常コントロールと比較して、検査した全てのB-CLL患者で有意に減少することにも注目すべきである(図4〜9を参照)。
よって、Env RBDのパネルにより、良好な及び貧弱な予後B-CLLに関連する栄養素輸送体のサインを決定することが可能になる。
【0082】
実施例4:ヒトRBC及びヒトT細胞上における栄養素輸送体の発現
タグ化レトロウイルスEnv RBDを用いるヒトRBC上の栄養素輸送体の広範な評価は、HTLV及びPervB Envレセプターの発現のみを示す; 前者はGlut1と同定されたが、後者は未同定である(図10)。
活性化の前、静止状態のヒトT細胞は、HTLV2、GaLV、RD114、BLV、Xeno及びFeLVエンベロープのレセプターとして働く栄養素輸送体を低レベルでのみ発現する。これら全てのエンベロープのレセプターは、Xenoを除いて、TCR刺激後にアップレギュレートされる。興味深いことに、両栄養性及びコアラRBDに結合するレセプター(ホスフェート輸送体)の発現は、静止状態の細胞において高度に発現し、そのレベルはTCR嵌合(TCR engagement)後に減少する(本発明者らが実施した全てではないが幾つかの実験で観察された)。PervBレセプターの発現は、TCR刺激により変化しない(図12E及び12J)。
【0083】
実施例5:T細胞活性化及び分極の追跡のための栄養素輸送体発現の使用
方法:Th1、2、17又はiTreg分化に際してのマウスCD4+T細胞上のリガンド結合
− Th1及びTh17細胞は、それぞれIFNg及びIL-17の分泌によって特徴付けられるCD4+ T細胞サブセットであり、炎症プロセスに関与する:これらサブセットは、自己免疫疾患(MS、関節炎…)、TB感染、皮膚病変のような多くの病気に関与している。
− Th2細胞は、IL-4、IL-5、IL-9、IL-10…を分泌する。これら細胞は、例えば寄生虫感染において或る役割を演じるが、アレルギー又は喘息においても関連付けられている。
− iTreg細胞は、免疫抑制に関連付けられる調節性T細胞の集団である。
− 本実験は、抗-CD3/抗-CD28により活性化されたマウスナイーブCD4+T細胞について及び分化に際して行った。
− Th0:分極性サイトカインの添加無し
− Th1:IL-12及び抗-IL-4
− Th2:IL-4及び抗-IFNg
− Th17:IL-6及びTGFb
− iTreg:TGFb
− 分極性サイトカインを0日目に添加し、培養2日後に細胞を希釈し、培地にIL-2を添加(Th17を除く:IL-2の代わりにIL-23を使用した)。4日目、結合アッセイを実施。
【0084】
結果:
非分極性(Th0)又は(Th1、Th2、Th17又はTreg運命への)分極性条件下でのマウスT細胞の刺激に際して、栄養素輸送体の発現を評価した。注目すべきことに、HTLV RBDのレセプターであるGlut1の発現は、Th17又はTreg条件のいずれよりもTh1及びTh2条件で有意に高い。更に、GaLV RBDにより認識されるようなPiT1ホスフェート輸送体は、Th1運命へと変調(modulate)されたT細胞において発現するが、他の全ての条件下では最小である(図13及び14)。
【0085】
実施例6:CD34始原細胞活性化及び分化を追跡するための栄養素輸送体発現の使用
BLV及びGaLV RBDの両方についてのレセプターは、より分化したCD34+/CD38+細胞と比較して、未発達CD34+/CD38-始原細胞上で、有意に低いレベルで発現することが分かった。注目すべきことに、これら始原細胞のエキソビボ拡大培養(診療所で使用されるような培地/サイトカイン)は、刺激後48時間という早期に、BLV及びGaLV Envレセプターの有意なアップレギュレーションを生じた。このアップレギュレーションは、未発達サブセット(CD34+/CD38-)及びより分化したサブセット(CD34+及びCD34-)で検出された(図15)。
最後に、Stemspan及びXVivo15培地の両方が臨床用途に使用されるが、タグ化ampho RBDを用いて評価されるPiT2ホスフェート輸送体の発現は、前者の条件で培養されたCD34+細胞(特にCD34+/CD38-)でより高い。この変化の有意性は決定されていない(図16)。
【0086】
実施例7:GLUT1、PiT1及びPiT2のそれぞれについてのレトロウイルスエンベロープタンパク質HTLV 2 (配列番号:28)、GALV (配列番号:2)及びAmpho (配列番号:1)に基づく新たなリガンドによって明らかにされた、発達中のマウス小脳皮質におけるグルコース輸送体(GLUT1)及び無機ホスフェート輸送体(PiT1、PiT2)の異なる発現
全ての哺乳動物細胞は、グルコース、アミノ酸、無機ホスフェート…のような必要な栄養素を、細胞表面の「栄養素輸送体」を介して取り込み、細胞の生存(アポトーシスの阻害、自己貪食の阻害、増殖…)を導く。
レトロウイルスのエンベロープタンパク質GALV (配列番号:2)、HTLV 2 (配列番号:28)及びAmpho (配列番号:1)に基づく新規なプローブを用いて、マウス小脳皮質の生後発達の間の幾つかの栄養素輸送体の発現プロフィールの変化を解読した。
そのRBDがGLUT1リガンドでもあることから、HTLV 1 (配列番号:27)又はHTLV 4 (配列番号:31)をHTLV 2の代わりに使用したことに留意しなければならない。
【0087】
方法:
a)6〜7、12〜14及び16〜22日齢マウスからの未固定小脳、
b)20μm厚の凍結切片を作製、
c)室温にて100%エタノールで固定、
d)正常血清及び内在性ビオチンブロッキング試薬でブロッキング、
e)いずれかの可溶性RBD-rFc融合タンパク質と30分間37℃にてインキュベーション:
HTLV-RBD (HRBD、配列番号:27)又は配列番号:28)、GLUT1のリガンド;テナガザル白血病ウイルス-RBD (GRBD、(配列番号:2)、PiT1のリガンド;両栄養性MLV-SU (ASU、(配列番号:1)、PiT2のリガンド、
f)ビオチン化抗-ウサギIgGと1時間室温にてインキュベーション、
g)ストレプトアビジン-Alexa488 (輸送体リガンド)とインキュベーション、
h)Hoechst (細胞核)及びCellTrace BODIPY (細胞内膜)で対比染色、
i)3μmの距離(7スライス)で3つの発光のZ-シリーズ画像獲得、
j)Huygensプロフェッショナルソフトウェア(Montpellier RIO Imaging)を用いて画像の保存、
k)Imaris 5.7.0を用いるMaximum Intensity Projection法による最終画像の作製。
【0088】
結果:
結果1:マウス小脳皮質の生後発達の間のGLUT1、PiT1及びPiT2の特徴的発現プロフィール
小脳皮質の生後発達は、劇的な形態学的変化を伴う(図17A、17B及び17C)。
生後6〜7日で、3つ全ての栄養素輸送体は、隣接するIGLより、EGLでより大量に発現することが示された。このことは、生後12〜14日には明らかでない(図18A〜18F)。
生後6〜7日で、形成中の裂溝に面していないEGLにおいて、PiT2は、EGLの深層でより大量に発現することが明らかになった。EGLのこのより深い領域では、有糸分裂後の顆粒細胞がML及びIGLに向けて移動しており、このことが生後発達のこの段階で形態を変化させることが周知である(図19A及び19B)。これは、他の2つの輸送体の場合には、より低い頻度で観察される。
生後6〜7日及び12〜14日で、PiT1は、形成中の裂溝に面していない領域に優先的に局在していることが明らかになった(図20A〜20D)。このことは、PiT2及びGLUT1の発現の場合には当てはまらない。
【0089】
結果2:成体マウス(生後16〜22日)の小脳皮質におけるGLUT1、PiT1及びPiT2の特徴的な発現プロフィール
3つ全ての輸送体が、GL及びプルキンエ層(PL)に局在することが示された。プルキンエ細胞におけるこれら輸送体の発現は強度が不規則であることは注目に値する。
【図2−1】

【図2−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞同族レセプターと相互作用するエンベロープウイルス糖タンパク質の可溶性部分に由来し、
− 前記糖タンパク質のレセプター結合性ドメイン(RBD)の1つの一部又は全体を含有し、
− 標的細胞の少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすい
少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドの、標的細胞表面に存在する膜レセプターの発現の同定及び定量についての使用であって、該同定及び定量が所定の時間に又は所定の時間間隔の間に行われかつ標的細胞の生理学的状態の決定を可能にする、使用。
【請求項2】
細胞同族レセプターと相互作用するエンベロープウイルス糖タンパク質の可溶性部分に由来し、
− 前記糖タンパク質のレセプター結合性ドメイン(RBD)の1つの一部又は全体を含有し、
− 標的細胞の少なくとも1つの膜レセプターと相互作用しやすい
少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドの請求項1に記載の使用であるが、ただし、PTLVに由来する2つの可溶性レセプター結合性リガンドのみを使用する場合には、RBDと相互作用する前記膜レセプターはGLUT1単独ではない、使用。
【請求項3】
前記可溶性レセプター結合性リガンドが前記標的細胞の少なくとも2つの別個の膜レセプターと相互作用しやすい請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記糖タンパク質が、ガンマレトロウイルス、例えばマウス、ネコ又はテナガザルの白血病ウイルス(MLV、FeLV、GaLV)の、又はデルタレトロウイルス、例えばヒト及びサルのT細胞白血病ウイルス(HTLV及びSTLV)若しくはウシ白血病ウイルス(BLV)の、又はラブドウイルス、例えば水疱性口内炎ウイルス(VSV)の糖タンパク質である請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記可溶性レセプター結合性リガンドが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho、配列番号:1)、テナガザル白血病ウイルス(GALV、配列番号:2)、ネコ内在性ウイルス(RD114、配列番号:3)、水疱性口内炎ウイルス(VSV、配列番号:4)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno、配列番号:10)、ネコ白血病ウイルスC(FelV、配列番号:19)、Envコアラレトロウイルス(KoV、配列番号:20)、Envブタ内在性レトロウイルス-B (Perv B、配列番号:22)、ヒトT白血病ウイルス-1(HTLV1、配列番号:27)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2、配列番号:28)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4、配列番号:31)、又はEnvウシ白血病ウイルス(BLV、配列番号:30)に属する糖タンパク質から単離された請求項1又は2に記載の使用。
【請求項6】
前記膜レセプターがCAT1、PiT2、XPR1、SMIT1、PiT1、ASCT1/ATB0、FLVCR、PAR1、PAR2、GLUT1からなるリストから選択される請求項1に記載の使用。
【請求項7】
前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞又はガン幹細胞である請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記標的細胞が造血幹細胞である請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドが、請求項5に規定されるリストから選択される2つの可溶性レセプター結合性リガンドの組であり、標的細胞表面に存在する少なくとも2つの膜レセプターの発現の同定及び定量を可能にする請求項1に記載の使用。
【請求項10】
前記少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドが、請求項5に規定される2〜12の可溶性レセプター結合性リガンドの組、特に3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12のレセプター結合性リガンドの組である請求項1に記載の使用。
【請求項11】
前記レセプター結合性リガンドが10のレセプター結合性リガンドの組であり、糖タンパク質のRBDが以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、ネコ内在性ウイルス(RD114)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno)、Envコアラレトロウイルス(KoV)、Envブタ内在性レトロウイルス-B(Perv B)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4)、Envウシ白血病ウイルス(BLV)、Envネコ白血病ウイルスC(FelV)に属する糖タンパク質から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項12】
前記レセプター結合性リガンドが8つのレセプター結合性リガンドの組であり、糖タンパク質のRBDが請求項5に規定される糖タンパク質、特に以下のウイルス:両栄養性MLV (ampho)、ネコ内在性ウイルス(RD114)、異種栄養性マウス白血病ウイルス(NZB, Xeno)、Envコアラレトロウイルス(KoV)、Envブタ内在性レトロウイルス-B(Perv B)、ヒトT白血病ウイルス-2(HTLV2)、ヒトT白血病ウイルス-4(HTLV4)、Envウシ白血病ウイルス(BLV)に属する糖タンパク質から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項13】
前記少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドが請求項5に規定されるリストから選択される2つの可溶性レセプター結合性リガンドの組であり、標的細胞表面に存在する少なくとも2つの膜レセプターの発現の同定及び定量を可能にする請求項1に記載の使用。
【請求項14】
前記少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドが請求項5に規定される4つの可溶性レセプター結合性リガンドの組である請求項1に記載の使用。
【請求項15】
規定された生理学的状態を有する標的細胞、特に前記少なくとも2つの膜レセプターを発現する幹細胞亜集団の選択プロセスを実施するための請求項1に記載の使用。
【請求項16】
以下の工程:
a.任意にタグでマーキングされていてもよい請求項1に規定される少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドを標的細胞と接触させて、各複合体が1つの前記レセプター結合性リガンドと前記標的細胞の1つの前記膜レセプターとにより構成される少なくとも2つの複合体を形成する工程、
b.形成した各複合体を同定する工程、
c.前記複合体を形成できる前記標的細胞の各膜レセプターの発現を定量する工程、
d.任意に、標的細胞の膜表面に発現したレセプターを、該標的細胞内で発現した全レセプターと区別する工程
を含んでなる、標的細胞の糖タンパク質RBDに対する膜レセプターの発現の同定及び定量方法。
【請求項17】
前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記標的細胞が造血幹細胞である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
以下の工程:
a.任意にタグでマーキングされていてもよい請求項1に規定される少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドを標的細胞と接触させて、各複合体が1つの前記レセプター結合性リガンドと前記標的細胞の1つの前記膜レセプターとにより構成される少なくとも2つの複合体を形成する工程、
b.時間T1で、形成した各複合体を検出し、前記形成した各複合体を定量する工程、
c.T1より後の第2の時間T2で、前記形成した各複合体を検出し、定量する工程、
d.T2で、前記複合体を形成している少なくとも1つの特定の膜レセプターの発現に変動を示す前記標的細胞を選択する工程
を含んでなる、所定の発現量で糖タンパク質RBDに対する少なくとも1つの特定の膜レセプターを発現する標的細胞の選択方法。
【請求項20】
前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞である請求項19に記載の選択方法。
【請求項21】
前記標的細胞が造血幹細胞である請求項20に記載の選択方法。
【請求項22】
以下の工程:
a.任意にタグでマーキングされていてもよい請求項1に規定される少なくとも2つの可溶性レセプター結合性リガンドを標的細胞と接触させて、各複合体が1つの前記レセプター結合性リガンドと前記標的細胞の1つの前記膜レセプターとにより構成される少なくとも2つの複合体を形成する工程、
b.時間T1で、形成した各複合体を検出し、前記形成した各複合体を定量する工程、
c.T1より後の第2の時間T2で、前記形成した各複合体を検出し、定量する工程、
d.T2で、前記複合体を形成している少なくとも1つの特定の膜レセプターの発現に変動を示す前記標的細胞を選択する工程
e.前記選択された標的細胞を選抜し、増幅する工程
を含んでなる、所定の発現量で糖タンパク質RBDに対する少なくとも1つの特定の膜レセプターを発現する標的細胞の増幅方法。
【請求項23】
前記標的細胞が動物の幹細胞、特にヒト幹細胞である請求項22に記載の増幅方法。
【請求項24】
前記標的細胞が造血幹細胞である請求項23に記載の増幅方法。

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図10E】
image rotate

【図10F】
image rotate

【図10G】
image rotate

【図10H】
image rotate

【図10I】
image rotate

【図10J】
image rotate

【図10K】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図11D】
image rotate

【図11E】
image rotate

【図11F】
image rotate

【図11G】
image rotate

【図11H】
image rotate

【図11I】
image rotate

【図11J】
image rotate

【図11K】
image rotate

【図11L】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図12C】
image rotate

【図12D】
image rotate

【図12E】
image rotate

【図12F】
image rotate

【図12G】
image rotate

【図12H】
image rotate

【図12I】
image rotate

【図12J】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図13C】
image rotate

【図13D】
image rotate

【図13E】
image rotate

【図13F】
image rotate

【図13G】
image rotate

【図13H】
image rotate

【図13I】
image rotate

【図13J】
image rotate

【図13K】
image rotate

【図13L】
image rotate

【図13M】
image rotate

【図13N】
image rotate

【図13O】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21A】
image rotate

【図21B】
image rotate

【図21C】
image rotate

【図21D】
image rotate

【図22A】
image rotate

【図22B】
image rotate

【図22C】
image rotate

【図22D】
image rotate

【図1】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate


【公表番号】特表2012−514744(P2012−514744A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544868(P2011−544868)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050139
【国際公開番号】WO2010/079208
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(502205846)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク (154)
【出願人】(506360882)ユニベルシテ デ モンペリエ セカンド (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE MONTPELLIER II
【住所又は居所原語表記】Place Eugene Bataillon,F−34095 Montpellier Cedex 5,France
【Fターム(参考)】