説明

新規なポリスピラン化合物、マラリアまたはトキソプラスマ症の治療におけるそれらの使用、ならびにそれらの製造方法

この発明は、アピコンプレクサ・フィルムに属する寄生原虫が関与する疾患の治療に用いられる新規なポリスピラン化合物、および該化合物の製造方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I):
【化1】

[式中、
-R1は水素を表し、R2 は-CH2COX-R'基(ここで、X=N、O、CH2であり;
X=Oのとき、R'は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキルまたは3〜8の炭素原子を有するシクロアルキルを表し;X=CH2のとき、R'は水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキルまたは3〜8の炭素原子を有するシクロアルキルを表し;
X=Nのとき、NはR'によりモノ置換またはR'およびR''によりジ置換されていてもよく、R’およびR’’は互いに独立して水素または直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキルまたは3〜8の炭素原子を有するシクロアルキルを表す)を表し、
R9 は:
・ OH基、
・ O-アリル基、O-ベンジル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は、飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)または3〜8の炭素原子を有するO-CO-シクロアルキル基を表すか、
あるいは、
-R1およびR2は一緒になってG-1基:
【化2】

(式中、
R12およびR13は、互いに独立して、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン原子を表す)を表し;
R9 は:
・ OH基、
・ 直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ S(O)-R'' 基(ここで、R''は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキルまたは3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基である)、
・ O-アルキル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2 基;O-CH2-CCH基、
・ 基
【化3】

(ここで、R'''は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキルである)、
・ N(R'')(R''') 基、(R''およびR'''は上記で定義されたとおりである)を表し、
R1 およびR2 がいずれであっても:
- R3、R4、R5、R6 は、互いに独立して、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン原子を表わし;
- R7 およびR8 は、互いに独立して、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するNH-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するNH-シクロアルキル基、NHCO-R基(ここで、Rは直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基であることができる)を表わし、
- R10 および R11は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、O-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜8の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、3級アミンを表す]
の少なくとも一つのポリスピラン化合物またはその生理学的に許容される塩の、アピコンプレクサ・フィルム(Apicomplexa phylum)に属する寄生原虫が関与する症状の予防または治療用医薬を製造するための使用。
【請求項2】
次の一般式(II):
【化4】

(式中、
R3〜R8、R10〜R11、XおよびR'は請求項1で定義されたとおりであり、
R9はOH基、O-アリル基、O-ベンジル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2-CO-アルキル基(該アルキル基は、飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)または3〜8の炭素原子を有するO-CO-シクロアルキル基を表す)
の、請求項1に記載の少なくとも一つのポリスピラン化合物の使用。
【請求項3】
次の一般式(III):
【化5】

(式中、
R3〜R8およびR10〜R13は請求項1で定義されたとおりであり、
R9は次のものを表す:
・ OH基、
・ 直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ S(O)-R’’ 基(ここで、R’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基である)、
・ O-アルキル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状であり、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2 基;O-CH2-CCH 基、
・ 基
【化6】

(式中、R’’’ は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基である)、
・ N(R’’)(R’’’) 基、(R’’およびR’’’は上記で定義されたとおりである)
の、請求項1に記載の少なくとも一つのポリスピラン化合物の使用。
【請求項4】
前記の寄生原虫が、プラスモディウムの種、特にプラスモディウム・マラリア、プラスモディウム・ビバックス、プラスモディウム・オバレおよびプラスモディウム・ファルシパルム、特にプラスモディウム・ファルシパルムである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の少なくとも一つのポリスピラン化合物の使用。
【請求項5】
前記の寄生原虫が、トキソプラスマの属であり、特にトキソプラスマ・ゴンディイの種である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の少なくとも一つのポリスピラン化合物の使用。
【請求項6】
前記の症状がマラリアまたはトキソプラスマ症である、請求項5に記載の少なくとも一つのポリスピラン化合物の使用。
【請求項7】
次の式(I):
【化7】

[式中、
-R1 は水素を表し、R2は-CH2COX-R’ 基(ここで、X= N、O、CH2であり;
X=Oのとき、R’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基を表し;
X=CH2のとき、R’は水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキルを表し;
X=Nのとき、NはR’によりモノ置換されるか、あるいはR’およびR’’によりジ置換されていてもよく、R’およびR’’は互いに独立して、水素または直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキルを表す)を表し;
R9 は:
・ OH基、
・ O-アリル基、O-ベンジル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、または3〜8の炭素原子を有するOCO-シクロアルキル基を表すか、
あるいは
-R1およびR2は、一緒になってG-1基:
【化8】

(式中、
R12およびR13 は、互いに独立して、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン原子をあらわす)を表し;
R9は:
・ OH基、
・直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・S(O)-R’’ 基(ここで、R’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・O-アルキル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2 基;O-CH2-CCH基、
・ 基
【化9】

(ここで、R’’’は、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキルである)
・ N(R’’)(R’’’) 基(R’’および R’’’は上記で定義されたとおりである)、
そしてR1およびR2がいずれであっても、
- R3、R4、R5、R6は、互いに独立して、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン原子を表し;
-R7およびR8は、互いに独立して、水素、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するNH-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するNH-シクロアルキル基、NHCO-R基(ここで、Rは直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜6の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基であることができる)を表し、
-R10およびR11は、互いに独立して、水素、ヒドロキシ基、O-アルキル基(該アルキル基は、飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜8の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、3級アミンを表す]
のポリスピラン化合物。
【請求項8】
次の一般式(II):
【化10】

(式中、
R3〜R8、R10〜R11、XおよびR’は請求項7で定義されたとおりであり、R9はOH基、O-アリル基、O-ベンジル基、O-CO-アルキル基(該アルキルは飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、または3〜8の炭素原子を有するO-CO-シクロアルキル基を表す)
の、請求項7に記載のポリスピラン化合物。
【請求項9】
次の一般式(III):
【化11】

(式中、
R3〜R8およびR10〜R13は請求項7で定義されたとおりであり、
R1およびR2が一緒になってG-1 基を形成するとき、
R9は:
・ OH基、
・直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・S(O)-R’’基(ここで、R’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ O-アルキル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基; O-CH2-CCH基、
・基
【化12】

(ここで、R’’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、
N(R’’)(R’’’)基(R’’およびR’’’は上記で定義されたとおりである)
の、請求項8に記載のポリスピラン化合物。
【請求項10】
R3〜R8およびR10〜R11が水素を表し、R9がOHを表し、X=Oであり、R’が3炭素原子、10炭素原子または18炭素原子を有する直鎖状で飽和のアルキルである、請求項8に記載の一般式(II)のポリスピラン化合物。
【請求項11】
R3〜R8およびR10〜R13が水素を表し、R9がOH基またはO-CO-アルキル(ここで、アルキルは直鎖状で、7炭素原子、14炭素原子または16炭素原子を有する、請求項9に記載の一般式(III)のポリスピラン化合物。
【請求項12】
(8R, 10S, 21S)および(8S, 10R, 21R)エナンチオマーの混合物により構成される、請求項11に記載の一般式(III)のポリスピラン化合物。
【請求項13】
(8R, 10R, 21S)エナンチオマーまたは (8R, 10S, 21S)エナンチオマーあるいは(8S, 10R, 21R)エナンチオマーにより構成される、請求項11に記載の一般式(III)のポリスピラン化合物。
【請求項14】
活性成分として一般式(I)のポリスピラン化合物の少なくとも1つを、医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項15】
経口により、活性成分を0.1 mg/kg/d〜100 mg/kg/d、好ましくは0.5 mg/kg/d〜10 mg/kg/d、より好ましくは1 mg/kg/d〜5 mg/kg/dの割合で、投与し得る形態で提供される、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
PIFAまたはPIDA、特にPIFAのような酸化剤で、次の式(I-Z) :
【化13】

(式中、
-W は次の式(II-W)の基:
【化14】

X = OまたはNである)を表し、
Yは水素を表し、
ZはOH基を表し、
R3 〜 R8、R10、R11、X、R’および R’’’は請求項1で定義されたとおりである)、
の化合物をフェノール性酸化して、X = OまたはNであり、R9がOH基を表す一般式(II)の化合物を得る工程:
そして、次いで、任意にアシル化またはアルキル化して、一般式(II)の化合物:
(ここで、R9 はO-CO-アルキル基、O-アリル基、O-ベンジル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)または3〜8の炭素原子を有するO-CO-シクロアルキル基である)を得るか、
-あるいはWは次の式(II’-W):
【化15】

(上記のアルキルは飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜17の炭素原子を有する)の基、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキルを表し、X = Cであり;
Yは(Pr3)Si-基を表し、
Zは(Pr3)Si-O-基を表す)
の化合物をフェノール性酸化して、X = CH2 であり、R9 がOH基を表す一般式(II)の化合物を得る工程、
そして、次いで、任意にアシル化またはアルキル化して、一般式(II)(ここで、R9 はO-CO-アルキル基、O-アリル基、O-ベンジル基、O-COCH2CO-アルキル基(該アルキル基は飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)または3〜8の炭素原子を有するO-CO-シクロアルキル基である)、
の化合物を得る工程、
− あるいはW は基(III-W):
【化16】

を表し、
Zは:
・ OH基、
・ 直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ S-R’’ 基(ここで、R’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基である)、
・ O-アルキル基(該アルキルは飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基;O-CH2-CCH基、
・ N(R’’)(R’’’) 基(R’’およびR’’’は上記で定義されたとおりである)、
R3〜R8およびR10〜R13 は請求項1で定義されたとおりである)
一般式(III)の化合物(ここで、R9 は:
・ OH基、
・ 直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ S(O)-R’’ 基(ここで、R’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ O-アルキル基(該アルキルは飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基; O-CH2-CCH基、
・ N(R’’)(R’’’) 基(R’’およびR’’’は上記で定義されたとおりである)、
そして、ZがOH基であるとき (化合物(III-1))、任意にアシル化またはアルキル化して、一般式(III) (ここで、R9はO-アルキル基、O-シクロアルキル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基; O-CH2-CCH基である)の化合物を得る工程を含み、
そして/またはZが-O-CH2-CCH基を表すとき、任意にN3-R’’’での付加反応に付して、一般式(III)の化合物(ここで、R9は基:
【化17】

(R’’’は上記で定義されたとおりである)
を得る工程を含む、式(I)の化合物の製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法による、
・ 次の式(IV):
【化18】

(式中、R3〜R8は請求項1で定義されたとおりである)
のアルデヒドを、次の式(VII):
【化19】

の化合物と反応させて、次の式(V):
【化20】

(式中、R3〜R8およびR10〜R11は請求項1で定義されたとおりである)
の化合物を得る反応、
・ 得られる化合物(V)を、化合物R’-X-H(X= O)または(R’)(R’’)-X-H (X= N)(ここで、R’およびR’’は上記で定義されたとおりである)と反応させ、次いで還元剤、特にNaBH4、またはNaBH4とEt3B、あるいはMe4NBH(OAc)3で還元して、式(I-Z)(式中、Wは(II-W) 基を表す)の化合物を得る反応;
・ 得られる化合物(I-Z)を、PIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でフェノール性酸化に付して、化合物(II)(式中、R9はOHである)を得る反応、
・ 任意に、化合物(II)(式中、R9はOHである)をアシル化またはアルキル化反応に付して、一般式(II)(式中、R9は請求項1で定義されたようなO-アリル基、O-ベンジル基、 O-CO-アルキル基またはO-CO-シクロアルキル基を表す)を得る工程
を含む、式(II)(式中、X = O、N)の化合物の製造方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法による、
・ 次の式(VIII):
【化21】

(式中、R3〜R8は請求項1で定義されたとおりである)
のエステルを、式:
【化22】

のtert-ブチルのアセテートと、LDAのような塩基の存在下に反応させて、次の式(IX):
【化23】

(式中、R3〜R8は請求項1で定義されたとおりである)
の化合物を得る工程、
・ 得られる化合物(IX)を、次いでトリ-プロピルシリルクロライドとの反応により還元して、次の式(X):
【化24】

の化合物を得る工程、
・ 得られる化合物(X)を、DIBAL-Hのような還元剤で還元して、次の式 (XI):
【化25】

の化合物を得る工程;
・ 得られる化合物(XI)をウィティッヒ反応に付して、式(I-Z)(式中、Wは(II’-W) 基を表す)の化合物を得る工程;
・ 得られる化合物(I-Z)を、PIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でのフェノール性酸化に付して、化合物(II)(式中、R9はOHであり、X =C)を得る工程;
・ 任意に、化合物(II)(式中、R9はOHであり、X=C)をアシル化反応もしくはアルキル化反応に付して、一般式(II)(式中、X=Cであり、R9は上記で定義されたようなO-アリル基、O-ベンジル基、O-CO-アルキル基またはO-CO-シクロアルキル基を表す)を得る工程
を含む、式(II) (式中、X = C)の化合物の製造方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法による、
化合物(I-Z)が、式(III-3):
【化26】

(式中、
WはIII-W基を表し、Zは:
・ 直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル基、3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基、
・ S-R’’ 基(ここで、R’’は直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、1〜20の炭素原子を有するアルキル、または3〜8の炭素原子を有するシクロアルキル基である)、
・ 請求項1で定義されたO-アルキル基、3〜8の炭素原子を有するO-シクロアルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基;O-CH2-CCH基、
・ N(R’’)(R’’’) 基(ここで、R’’およびR’’’は上記で定義されたとおりである)を表す)
の化合物への、マイケル−タイプの付加による求核試薬の付加により得られ、
上記の化合物(III-3)が、化合物(I-Z)(ここで、Zは次の式(III-1):
【化27】

(式中、R11は水素を表し、
R3〜R8、R10〜R13, R’’およびR’’’は請求項1で定義されたとおりである)
の脱水により得られる、
式(III)の化合物の製造方法。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか一つに記載の方法による、
化合物I-Zが、Z がOH基である場合、次の式(IV):
【化28】

(式中、R3 〜 R8 は請求項1で定義されたとおりである)
のアルデヒドと、次の式 (VI) :
【化29】

(式中、R10 〜 R13 は請求項1で定義されたとおりである)
の化合物との反応により得られる、式(III)の化合物の製造方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法による、
次の工程:
・ 次の式(IV):
【化30】

(式中、R3〜R8は請求項1で定義されたとおりである)
のアルデヒドを、次の式(VI):
【化31】

(式中、R10〜R13は請求項1で定義されたとおりである)
の化合物と反応させ、次の式(III-1):
【化32】

(式中、Z=OH)の化合物(I-Z)を得る工程、
・ 得られる化合物(III-1)を、PIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でのフェノール性酸化に付して、化合物(III)(ここで、R9はOHである)を得る工程、
・ 任意に、得られる化合物(III)(ここで、R9はOH基である)をアシル化またはアルキル化反応に付して、式(III)(ここで、R9はO-アリル基、O-ベンジル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基またはOCO-シクロアルキル基である)の所望の化合物を得る工程
を含む、式(III)(ここで、R9は:
・ OH基、
O-アルキル基、O-CO-アルキル基、O-COCH2CO-アルキル基(ここで、該アルキルは飽和もしくは不飽和で、直鎖状もしくは分枝鎖状で、1〜20の炭素原子を有する)、3〜8の炭素原子を有するO-CO-シクロアルキル基を表す)
の化合物の製造方法。
【請求項22】
請求項19または20に記載の方法による、
次の工程:
・ マイケル−タイプの付加により求核試剤CuXRa(ここで、Raは請求項1で定義されたアルキル基を表す)を、上記で得られた化合物(III-3)に付加して、次の式(III-4):
【化33】

(式中、R3〜R8、R10、R12およびR13は請求項1で定義されたとおりであり、Raは請求項1で定義されたアルキル基を表す)
の化合物(I-Z)(ここで、Z=Ra)を得る工程、
・ 得られる化合物(III-4)をPIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でのフェノール性酸化に付して、化合物(III)(ここで、R9は請求項1で定義されたアルキル基である)を得る工程
を含む、式(III)(ここで、R9は請求項1で定義されたアルキル基である)の化合物の製造方法。
【請求項23】
請求項19または20に記載の方法による、
次の工程:
・ ヘテロ−マイケル−タイプの付加により、上記の化合物(III-3)にHN(R'')(R''') 求核試剤を付加して、次の式(III-5):
【化34】

(式中、R3〜R8、R10、R12およびR13は請求項1で定義されたとおりである)
の化合物(I-Z)(ここで、Z=N(R'')(R'''))を得る工程、
・ 得られる化合物(III-5) をPIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でのフェノール性酸化に付して、化合物(III)(ここで、R9は上記で定義されたN(R'')(R''')基である)を得る工程
を含む、式(III)(式中、R9はN(R'')(R''')であり、R''およびR'''は上記で定義されたとおりである)の化合物の製造方法。
【請求項24】
請求項19または20に記載の方法による、
次の工程:
・ ヘテロ−マイケル−タイプの付加により、上記の化合物(III-3)にR’’SH (R’’は上記で定義されたとおりである)求核試剤を付加して、次の式(III-6):
【化35】

(式中、R3〜R8、R10、R12、R13およびR’’は請求項1で定義されたとおりである)の化合物I-Z(式中、Z= SR’’)を得る工程、
・ 得られる化合物(III-6)をPIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でのフェノール性酸化に付して、化合物(III)(ここで、R9は-S(O)R’’ 基であり、 R’’は請求項1で定義されたとおりである)を得る工程
を含む、式(III)(ここで、R9はS(O)-R’’ 基であり、R’’は上記で定義されたとおりである)の化合物の製造方法。
【請求項25】
請求項19または20に記載の方法による、
次の工程:
・ ヘテロ−マイケル−タイプの付加により、上記の化合物(III-3)に、ROH求核試剤(ここで、Rは請求項1で定義されたアルキル、-CH2-CH2-N(CH3)2基; -CH2-CCH基である)を付加して、次の式(III-2) :
【化36】

(式中、R3〜R8およびR10、R12およびR13 は請求項1で定義されたとおりであり、R11 は水素を表す)
の化合物(I-Z)(ここで、Z=OR)を得る工程、
・ 得られる化合物(III-2)を、PIFAおよびPIDA、特にPIFAのような酸化剤でのフェノール性酸化に付して、化合物(III)(ここで、R9は請求項1で定義されたO-アルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基;O-CH2-CCH基である)を得る工程、
・ 任意に、上記で得られる化合物(III)(ここで、R9はO-CH2-CCH基である)をN3-R'''での付加反応に付して、式(III)(ここで、R9
【化37】

基であり、R'''は請求項1で定義されたとおりである)
の所期の化合物を得る工程
を含む、式(III)(式中、R9は請求項1で定義されたO-アルキル基、O-CH2-CH2-N(CH3)2基、O-CH2-CCH基、
【化38】

基(ここで、R'''は請求項1で定義されたとおりである)である)の化合物の製造方法。

【公表番号】特表2010−540601(P2010−540601A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527494(P2010−527494)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001378
【国際公開番号】WO2009/077677
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(507238366)ユニヴェルシテ ジョセフ フーリエ (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE JOSEPH FOURIER
【住所又は居所原語表記】621,avenue Centrale,Domaine universitaire,F−38041 GRENOBLE CEDEX 09,FRANCE
【Fターム(参考)】