説明

新規のチオキシロース化合物、その製造方法、該化合物を含有する調剤組成物及びその治療における使用

【課題】良好な抗血栓症活性を示し、経口又は非経口のいずれの投与も可能である親水性を示すアグリコンを有するチオキシロース誘導体の提供。
【解決手段】本発明は、新規の5−チオキシロース化合物、好ましくは5−チオキシロピラノース系誘導体、その合成方法、及び、特に血栓又は心不全の処置用又は予防用薬の有効成分としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規の5−チオキシロース化合物、好ましくは5−チオキシロピラノース系誘導体、その合成方法、及び、特に血栓の処置用又は予防用薬の有効成分としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
D−キシロース誘導体は既に公知となっている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3又は非特許文献1参照)。これら文献に記載の化合物は、人間の静脈血栓症のリスクを軽減するのに有用である。これらの化合物の作用メカニズムは、血漿のグリコサミノグリカンに影響するものと考えられる(非特許文献2又は非特許文献3参照)。
【0003】
記載されている化合物の多くは、糖と芳香族誘導体、特にベンゼン環が種々置換された誘導体とのカップリングにより得られる誘導体である。これら化合物のアグリコン部分は、一般に疎水性である。「アグリコン部分」とは、これら化合物の非炭水化物部分を意味する。その結果、先行文献中の化合物は経口投与された場合には良好な有効性を有するものの、非経口投与が好ましいか又は避けられない場合、実用上使用できない。
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0051023号明細書
【特許文献2】米国特許第4877808号明細書
【特許文献3】欧州特許第0421829号明細書
【非特許文献1】「J.Med.Chem.」,36巻,7号,p.898−903.
【非特許文献2】「J.Biol.Chem.」,270巻,6号,p.2662−68.
【非特許文献3】「Thromb.Haemost.」,1999年,81,p.945−950.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今回、より親水性を示すアグリコンを有するチオキシロース誘導体が、良好な抗血栓症活性を示し、経口又は非経口のいずれの投与も可能であることを見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における新規の化合物は、
(a)式Iの化合物;
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、
ペンタピラノシル基は5−チオ−β−D−キシロピラノシル基又は5−チオ−β−L−キシロピラノシル基であり、
Rは水素原子、C−Cアシル基、窒素複素環で置換されたアセチル基又は−COOR’基 であり、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);並びに、
(b)これらの付加塩、酸化物又は4級アンモニウム塩
から選択される化合物であることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、式Iの化合物及びこれらの付加塩、酸化物又は4級アンモニウム塩の合成方法に関する。
【0010】
さらに本発明は、薬理学上の有効物質として使用するための式Iの化合物に関する。
【0011】
特に本発明は、式Iの化合物及び毒性を示さないこれらの付加塩、酸化物又は4級アンモニウム塩から選択される少なくとも一物質を、人体又は動物の治療に有用であり、血栓症、特に静脈血栓症の予防又は処置用である薬の調合のための使用に関する。本発明の化合物は、グリコサミノグリカンに関係する作用様式で活性であるので、グリコサミノグリカンが関係する他のどのような病気の処置又は予防用薬の有効成分として有用である可能性がある。
【0012】
式Iにおいて、C−Cアルキル基とは、炭素数1から4の直鎖状、分岐状又は環状炭化水素基を意味し、C−Cアルキル基の例としては特に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、1,1−ジメチルエチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、シクロプロピル又はシクロプロピルメチル基がある。
【0013】
芳香環で任意に置換されたアルキル基とは、例えば、フェニルメチル(ベンジル)又はフェニルエチル基を意味する。
【0014】
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味し、好ましくは塩素、フッ素、又は臭素原子である。
【0015】
−Cアシル基とは、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル若しくはヘキサノイル基又は分岐構造を有するそれらの同族体を意味する。
【0016】
−Cアルコキシ基とは、酸素原子により結合された炭素数1から4の直鎖状、分岐状又は環状炭化水素基を意味する。C−Cアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1−メチルエトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ又はシクロプロピルメトキシ基が挙げられる。
【0017】
窒素複素環で置換されたアセチル基とは、例えば、(1−ピペリジニル)アセチル基又は(1−ピロリジニル)アセチル基を意味する。
【0018】
オキサイドとは、ピリジン環のN−オキサイド誘導体を意味する。
【0019】
4級アンモニウム塩とは、ピリジン環窒素と、例えば、ハロゲン含有化合物との反応、前記反応ではハロゲン化ピリジンが形成される、により生成するアンモニウム塩を意味する。
【0020】
付加塩とは、式Iの化合物と無機又は有機酸との反応により生成する付加塩を意味し、製薬上許容できる付加塩が好ましい。式Iの化合物の水和物若しくは溶媒和物又は式Iの化合物の塩における水和物若しくは溶媒和物もまた本発明に不可欠な役割を構成する。
【0021】
基準となる式Iの化合物を塩化するのに適した無機酸の中で、塩酸、臭酸、リン酸及び硫酸が好ましい。基準となる式Iの化合物を塩化するのに適した有機酸の中で、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸及びトリフルオロ酢酸が好ましい。
【0022】
好ましい前記式Iの化合物としては、式中、
ペンタピラノシル基が5−チオ−β−D−キシロピラノシル基又は5−チオ−β−L−キシロピラノシル基であり、
Rが水素原子、C−Cアシル基又は−COOR’基 であり、
R’がC−Cアルキル基、並びに、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基又は芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基である。
【0023】
本発明における非常に特に好ましい化合物としては、R及びRが水素原子であり、ペンタピラノシル基が5−チオ−β−D−キシロピラノシル基のものである。
【0024】
本発明における他の好ましい化合物としては、Rが水素原子、−COCH基、−COOCH基又は−COOC基のものである。
【0025】
本発明における非常に特に好ましい化合物としては、ペンタピラノシル基がピリジン複素環の3位に存在する化合物である。
【0026】
本発明における式Iの化合物は、当業者に公知のグリコシル化反応、特に、
(a)「The Carbohydrate,Chemistry and Biochemistry」,第2版,Academic Press,New York−London 1972年,IA巻,p.292−294に記載のHELFERICH法。本方法では、ルイス酸存在下、過アセチル化糖とヒドロキシル化された芳香族複素環を縮合する、
(b)同著p.295−299に記載のKOENIGS−KNORR法。本方法では、シアン化水銀、イミダゾレート銀又はトリフルオロメチルスルホン酸銀のようなプロトン受容体存在下、ハロゲン化アシロースとフェノール類の水酸基を縮合する、及び、
(c)SCHMIDT法。本方法では、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸又はボロントリフルオリドエテラートのようなルイス酸存在下、オシルトリクロロアセトイミダートとヒドロキシル化された芳香族複素環を縮合する、
により合成可能である。
【0027】
式Iの化合物は、好ましくは前記の方法に由来する方法により合成される。
【0028】
第一の、一般的な方法は、反応は以下の段階からなる。
(a)式IIのピリジノール;
【0029】
【化2】

【0030】
(式中、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
【0031】
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);
と式(III−D)又は(III−L)の5−チオキシロピラノース系誘導体;
【0032】
【化3】

【0033】
(式中、Halはハロゲン、好ましくは臭素であり、RはC−Cアシル基、好ましくはアセチル基);を例えばアセトニトリル又はトルエンのような非プロトン溶媒中、銀塩、特に酸化銀若しくは銀イミダゾレート又は亜鉛塩(特に酸化物若しくは塩化物)存在下、無水媒体内、反応温度25℃から80℃の範囲内で、反応時間1時間から10時間で反応を行うことにより、式Iの化合物;
【0034】
【化4】

【0035】
(式中、ペンタピラノース基はD−又はL−5−チオキシロピラノースであり、R、R及びRは出発化合物において定義したものと同様);を得る、
(b)必要に応じて、前記で得た式Iの化合物とメタノール中のアンモニア溶液を反応させることにより、アシル基を脱離させ、これによりアシル基を水素原子に置換することで、式Iaの化合物;
【0036】
【化5】

【0037】
(式中、R及びRは前記の定義と同様);を得る、
(c)必要に応じて、前記で得た式I又は式Iaの化合物の一つを当業者に公知の方法により酸と反応させることにより、対応する付加塩を得る。
【0038】
前記(b)段階に代えて、アシル基の水素原子への置換は、金属アルコラート、好ましくはナトリウムメチラートと、メタノール中、反応温度0℃から30℃、反応時間0.5時間から2時間で反応させることにより可能であり、RがC−Cアシル基である式Iの化合物から式Iaの化合物を得る。
【0039】
第二の方法として、式Iの化合物は以下の反応により得ることができる。式(IV−D)又は(IV−L)のテトラ−O−アセチル−5−チオキシロピラノース;
【0040】
【化6】

【0041】
(式中、Acはアセチル基);と式IIの化合物;
【0042】
【化7】

【0043】
(式中、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);
をジクロロメタンのような非プロトン溶媒中、ルイス酸系触媒、例えば四塩化スズ存在下、反応温度20℃から60℃、反応時間1時間から2時間で反応させることにより、式Ibの化合物;
【0044】
【化8】

【0045】
(式中、R及びRは出発化合物において定義したものと同様);を得る。
【0046】
式Ibの化合物は、そのうえ先の方法において記載した手順に従って反応させることが可能であり、非置換ピラノシル化合物及び/又は酸との塩を得る。
【0047】
式Iの化合物を合成する他の方法として、式(V−D)又は(V−L)のチオキシロース誘導体;
【0048】
【化9】

【0049】
(式中、Acはアセチル基);と式IIの化合物;
【0050】
【化10】

【0051】
(式中、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);
をジクロロメタンのような非プロトン溶媒中、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸のような触媒存在下、反応温度−25℃から室温、反応時間1時間から5時間で反応させることにより、式Ibのチオキシロピラノシド;
【0052】
【化11】

【0053】
(式中、R及びRは出発化合物において定義したものと同様);を得る。
【0054】
得た式Ibの化合物は、そのうえ前記のように反応させることが可能であり、非置換ピラノシル化合物及び/又は酸との塩を得る。
【0055】
Rが−COOR’である式Iの化合物は、式Iaの化合物と下記式のピロカーボネート;
【0056】
【化12】

【0057】
(式中、R’はC−Cアルキル基);との反応により合成可能である。反応はアセトニトリルのような非プロトン溶媒中、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)のような非プロトン塩基存在下で行われる。
【0058】
N−オキサイド誘導体は、式IIaのピリジノールN−オキサイド;
【0059】
【化13】

【0060】
;と、第一の、一般的な方法において記載した手順に従って、式III−D又はIII−Lの5−チオキシピラノースとのカップリングにより合成可能である。
【0061】
4級アンモニウム塩は、当業者に公知の従来の手順に従って、式Iの化合物と適当なハロゲン化有機物との反応により合成可能である。
【0062】
一般に、β−D−5−チオキシロピラノース誘導体を得ることを望む場合、2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−α−D−キシロピラノシル臭化物又はテトラ−O−アセチル−5−チオ−α−D−キシロピラノースを使用するのが好ましい。
【0063】
上記のグリコシル化反応により、殆どの場合、α及びβ配置の異性体混合物が得られ、β配置の異性体の比率を多く得るために、一般に操作条件を最適化する必要がある。この理由により、純粋なβ異性体を得るため、再結晶又はクロマトグラフィーのどちらかによる精製を行う必要性があり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。融点はコフラーベンチ上で測定し、NMRスペクトルはTMSを基準に計算した化学シフト、シグナルに関連するプロトンの数、シグナルの形状(sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレット)により決定する。測定周波数及び使用溶媒は、それぞれの化合物において記載する。
【0065】
(合成1)
N−(5−メトキシ−2−ピリジニル)メタンスルホンアミド
10.7g(86mmol)の5−メトキシ−2−ピリジンアミンを55mlのジクロロメタン中に溶解した溶液を0℃まで冷却し、72ml(144mmol)の2Mメタンスルホン酸無水物のジクロロメタン溶液を徐々に加える。反応混合物を室温で6時間攪拌し、その後、充分な量の重炭酸ナトリウム溶液を加え、pHを約9とする。得た混合物を減圧下で濃縮し、残留物を160mlのエタノール中50℃において溶解し、得た混合物を乾燥、濾過し、濾過水を減圧下で濃縮する。残留物を50mlの冷却したエタノール中で粉砕し、得た固体を濾過し、フィルター上を少量のエタノールで洗浄し、その後乾燥することにより、8.7gの目的物質を白色粉末として得る(収率50%)。
融点156−158℃
【0066】
(合成2)
N−(5−ヒドロキシ−2−ピリジニル)メタンスルホンアミド
8.7g(43mmol)の合成1において得た化合物を90mlのジクロロメタン中に溶解した溶液を調整し、12.2ml(129mmol)のボロントリアミドを徐々に加える。反応混合物を溶媒の還流温度で3時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮する。200mlの水を蒸発残留物に加え、得た混合物を充分な量の水酸化ナトリウム溶液を加えて中和し、pHを約7とする。得た沈殿物を濾過し、フィルター上を水で洗浄し、250mlの加熱したエタノール中で粉砕する。冷却後、固体を濾過し、60mlのエタノールでフィルター上を洗浄し、その後乾燥することにより、6.55gの目的物質を白色粉末として得る(収率80%)。
融点246−247℃
【0067】
(合成3)
4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジノール
2g(12.34mmol)の3−アミノ−4−(トリフルオロメチル)ピリジンを28mlの50%硫酸中に溶解した溶液を−5℃まで冷却し、1.03g(14.8mmol)の亜硝酸ナトリウムを10mlの水に溶解した溶液をゆっくり加える。混合物を室温まで放置し、攪拌を30分続ける。その後25mlの濃硫酸を加え、反応混合物を100−110℃で2時間攪拌する。冷却後、反応媒体に飽和重炭酸ナトリウム溶液を加えて中和し、pHを6−7とし、混合物をエチルアセテートで抽出する。得た有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧下で濃縮することにより、1.92gの目的化合物を褐色粉末として得る(収率95%)。
融点112−114℃
【0068】
(合成4)
6−シアノ−3−ピリジノール
1g(8.06mmol)の3−アミノ−6−シアノピリジンを12mlの水と1.2mlの硫酸中に溶解した溶液を0℃まで冷却し、1g(14.5mmol)の亜硝酸ナトリウムをゆっくり加える。混合物を室温まで放置し、その後100℃で3時間攪拌する。それを冷蔵庫内で一晩放置する。生成する沈殿物を濾過し、氷水で洗浄する。濾過水中に存在する目的物質もエチルアセテートで抽出し、先の沈殿物と合わせる。粗生成物を溶離液としてジクロロメタン/メタノール混合物(98/2;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、613mgの目的化合物を褐色粉末として得る(収率63%)。
融点191−194℃
【0069】
(合成5)
6−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジノール
2.94g(20mmol)の6−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジノール、360mg(0.4mmol)のトリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、440mg(0.8mmol)の1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン、156mg(2.4mmol)の亜鉛粉末及び1.4g(12mmol)のシアン化亜鉛を40mlのN,N−ジメチルアセトアミド中に加えた混合物を調整し、その後反応混合物を140℃で5時間攪拌する。それを室温で一晩放置する。40mlの2Nアンモニア水をゆっくり加え、その後、pHを5Nの塩酸を用いて約4.5に調整する。混合物を100mlのエチルアセテートで3回抽出し、得た有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧下で濃縮する。蒸発残留物を溶離液としてメチルシクロヘキサン/エチルアセテート混合物(比率8/2から5/5;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、1.8gの目的物質をオレンジ油状物として得る(収率67%)。
NMR(300MHz,DMSO)δ=8.16(s,1H);7.32(d,1H)
【0070】
(合成6)
6−シアノ−2−メチル−3−アミノピリジン
3.5g(18.6mmol)の6−ブロモ−2−メチル−3−アミノピリジン、352mg(0.37mmol)のトリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、532mg(0.92mmol)の1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン、146mg(2.2mmol)の亜鉛粉末及び1.4g(12mmol)のシアン化亜鉛を70mlのN,N−ジメチルアセトアミド中に加えた混合物を調整し、その後反応混合物を20℃で22時間攪拌する。200mlのエチルアセテートで希釈し、2N塩化アンモニウム溶液で洗浄する。(混合物をCelite typeのフィルターを用いて濾過する場合のみデカンテーションが得られる。)得た有機層を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧下で濃縮する。蒸発残留物を溶離液としてジクロロメタン/エチルアセテート混合物(9/1;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、1.6gの目的化合物を黄色粉末として得る(収率65%)。
融点192−196℃
【0071】
(合成7)
6−シアノ−2−メチル−3−ピリジノール
合成6で得た化合物を出発化合物とし、合成4と類似の手順に従って、目的化合物を黄色粉末として得る(収率50%)。
融点201−205℃
【0072】
(合成8)
5−フルオロ−3−ピリジノールN−オキサイド
1.5g(13.26mmol)の5−フルオロ−3−ピリジノールを8mlの酢酸中に溶解した溶液を70℃まで加熱し、1.25ml(14.6mmol)の35%過酸化水素を徐々に加える。反応混合物を70℃で15時間攪拌し、その後減圧下で濃縮する。50mlの冷却水を蒸発残留物に加え、混合物を1時間攪拌する。得た沈殿物を濾過し、フィルター上を水及び最小限の冷却したエチルアセテートで洗浄し、その後乾燥することで、930mgの目的物質を白色粉末として得る(収率55%)。
融点197℃
【0073】
(合成9)
5−フルオロ−2−シアノ−3−ピリジノール
890mg(6.89mmol)の合成8で得た化合物、1.74g(17.23mmol)のトリエチルアミン及び2.39g(24.1mmol)のシアン化トリメチルシリルを5mlのアセトニトリル中に溶解した溶液を穏やかに16時間還流する。反応混合物を減圧下で濃縮し、50mlのエチルアセテートを蒸発残留物に加える。得た有機層を塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧下で濃縮する。蒸発残留物を溶離液としてジクロロメタン/メタノール混合物(98/2;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製する。クロマトグラフィーにより得た油状生成物をエチルエーテル中で粉砕し目的化合物を放置し、オフホワイト色固体として結晶化する(収率18%)。
融点201℃
【実施例1】
【0074】
3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
2.15g(15.8mmol)の無水塩化亜鉛、1g(10.5mmol)の3−ヒドロキシピリジン及び3gの13Xモレキュラーシーブを10mlのトルエン及びアセトニトリル中で混合する。混合物を15分間攪拌し、その後60℃まで加熱し暗所に置く。2.2g(12.6mmol)の銀イミダゾラート及び4.5g(12.6mmol)の2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−α−D−キシロピラノシル臭化物を加える。混合物を60℃で18時間攪拌し、その後濾過する。50mlのエチルアセテートを濾過水に加え、有機層を1Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄する(凝集物が観測され、これを濾過により取り除く。)。有機層を分離し、水で洗浄し、その後硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をエチルエーテルを加えて結晶化し、得た結晶を濾過し、乾燥することで、1.45gの目的物質を白色結晶として得る(収率37%)。
融点147℃
[α]24=−84°(c=0.10;CHCl
【0075】
(実施例1A)
3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシドメタンスルホン酸塩
0.5g(1.35mmol)の実施例1で得た化合物を100mlのエチルエーテルに溶解し、50mlのエチルアセテート並びに0.13g(1.35mmol)のメタンスルホン酸を1mlのジクロロメタン及び0.2mlのメタノール中に溶解した溶液を加える。反応混合物を10分間攪拌し、液層より沈殿物を分離し、その後エチルエーテル中で粉砕する。生成する結晶を濾過し、洗浄、乾燥することで、0.5gの目的とする塩を白色結晶として得る(収率80%)。
融点104℃
[α]20=−82°(c=0.32;CHOH)
【実施例2】
【0076】
3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
1.35g(3.6mmol)の実施例1で得た化合物と50mlの7mol/lアンモニア溶液をメタノール中で混合し、この反応媒体を室温で2時間攪拌する。その後混合物を減圧下で濃縮し、得た結晶を還流下で30mlのメタノール中に溶解する。10℃まで冷却後、結晶を濾過し、乾燥することで、0.75gの目的物質を白色結晶として得る(収率84%)。
融点219℃
[α]22=−99°(c=0.445;DMSO)
【0077】
(実施例2A)
3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシドメタンスルホン酸塩
10g(41.1mmol)の実施例2で得た化合物を100mlのメタノール中に懸濁した懸濁液を調整し、2.8ml(4.15g;43.1mmol)のメタンスルホン酸を40mlのメタノールに溶解した溶液を速やかに加える。混合物を室温で2時間攪拌する。溶液を形成し、続いて沈殿物が析出する。得た固体を濾過し、約200mlのメタノール/水混合液(95/5)から結晶化することにより、9gの目的とする塩をベージュ色粉末として得る(収率64%)。
融点168℃
[α]29=−110°(c=0.3;HO)
【0078】
(実施例2B)
3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド中性硫酸塩
0.5g(2.05mmol)の実施例2で得た化合物を2mlのメタノール中に懸濁した懸濁液を調整し、30mlの水及び52.5μlの硫酸を加える。混合物を室温で15分間攪拌し、その後凍結乾燥し、得た凍結物を25mlの水に溶解し、再度凍結乾燥することにより、目的物質を白色粉末として得る(収率95%)。
融点80℃
[α]28=−48.8°(c=0.5;DMSO)
【0079】
(実施例2C)
3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド塩酸塩
5g(20.55mmol)の実施例2で得た化合物をエチルエーテル中で20.5mlのN塩酸溶液に懸濁した懸濁液を調整する。その後2mlのメタノールを加える。ゴム状物が形成し、結晶化する。混合物を1時間攪拌し、その後沈殿物を濾過し、乾燥し、95%エタノールから再結晶する。乾燥後、目的化合物(1molの塩に対し、1molのエタノールを含有)をベージュ色結晶として得る(収率90%)。生成物を水溶液中で溶解し、凍結乾燥することにより、目的物質をベージュ色粉末として得る。
融点120℃
[α]23=−149°(c=0.2;HO)
【0080】
(実施例2D)
3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド臭化水素酸塩
実施例2Cと類似の手順に従い、臭化水素酸をエチルエーテル中に溶解した溶液を実施例2の化合物のメタノール中における懸濁液に加えることにより、目的物質をベージュ色粉末として得る(収率30%)。
融点120℃
[α]28=−73°(c=0.57;DMSO)
【実施例3】
【0081】
3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−L−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−α−L−キシロピラノシル臭化物を出発化合物とすることにより、溶離液としてエチルアセテートを用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製後、目的物質を油状物として得る(収率10%)。
HNMR(300MHz,CDCl)δ=8.40(d,1H);8.33(dd,1H);7.38(m,1H);7.26(m,1H);5.52(t,1H);5.14(m,3H);3.00(m,1H);2.68(m,1H);2.06(m,9H)
【実施例4】
【0082】
3−ピリジニル5−チオ−β−L−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例3で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的化合物をオフホワイト色粉末として得る(収率27%)。
融点216℃
[α]32=+95°(c=0.36;DMSO)
【実施例5】
【0083】
2−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
0.5g(5.2mmol)の2−ヒドロキシルピリジンを20mlのジクロロメタンに溶解した溶液を調整し、2.5g(5.7mmol)の2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−α−D−キシロピラノシルトリクロロアセトイミダートを加える。混合物を−20℃に冷却し、2.7mlの0.2Mトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸を攪拌しながら加える。反応媒体を0℃で4時間攪拌し、その後0.5mlのジイソプロピルエチルアミンを加え、混合物を減圧下で濃縮する。エチルエーテル/メチルシクロヘキサン混合物を加えて蒸発残留物を結晶化する。粗生成物を単離し、メタノール/水混合液から再結晶することにより、1.07gの目的物質をベージュ色粉末として得る(収率55%)。
融点138℃
[α]32=−66°(c=0.38;CHCl
【実施例6】
【0084】
2−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例5で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色結晶として得る(収率78%)。
融点196℃
[α]23=−73°(c=0.46;DMSO)
【実施例7】
【0085】
ピリジン−3−イル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシドN−オキサイド
実施例1と類似の手順に従い、3−ピリジノールN−オキサイドを出発化合物とすることにより、目的物質を薄ベージュ色粉末として得る(収率10%)。
融点161℃
[α]28=−96°(c=0.58;CHCl
【実施例8】
【0086】
ピリジン−3−イル5−チオ−β−D−キシロピラノシドN−オキサイド
2.65g(6.9mmol)の実施例7で得た化合物を50mlのメタノールに溶解し、0.265mlの8%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液を室温で加える。反応混合物を30分間攪拌する。水を加えて形成する沈殿物を溶解し、その後IR120レジン(酸性フォーム)を加えて混合液のpHを約6とする。その後レジンを濾過により除き、濾過水を減圧下で濃縮する。得た残留物をメタノールから結晶化し、濾過し、その後40mlの温水に溶解する。溶液を濾過し、凍結乾燥することにより、1.48gの目的化合物を微細な白色固体として得る(収率83%)。
融点98℃
[α]28=−90°(c=0.48;DMSO)
【実施例9】
【0087】
4−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、4−ヒドロキシピリジンを出発化合物とすることにより、目的物質をベージュ色結晶として得る(収率12%)。
融点152−158℃
[α]20=−73°(c=1.00;CHCl
【実施例10】
【0088】
4−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例9で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質をオフホワイト色粉末として得る(収率59%)。
融点165−168℃
[α]20=−94°(c=1.00;DMSO)
【実施例11】
【0089】
2−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
6g(73.7mmol)の酸化亜鉛、2.6g(19mmol)の塩化亜鉛及び4gの4Åのモレキュラーシーブを混合する。この混合物を完全に乾燥し、その後2g(18.3mmol)の2−メチル−3−ピリジノール及び6.6g(18.6mmol)の2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−α−D−キシロピラノシル臭化物を40mlのトルエンに溶解した溶液並びに40mlのアセトニトリルを加える。混合物を60℃で18時間攪拌し、その後濾過する。濾過水を減圧下で濃縮し、蒸発残留物を溶離液としてエチルアセテート/ヘキサン混合物(7/3その後100%エチルアセテート;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、目的物質をベージュ色固体として得る(収率7%)。
HNMR(300MHz,CDCl)2.04(s,3H);2.06(s,3H);2.07(s,3H);2.42(s,3H);2.70(dd,1H);2.98(dd,1H);5.16(m,3H);5.77(t,1H);7.12(m,1H);7.37(d,1H);8.19(m,1H)
【実施例12】
【0090】
2−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例11で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を微細なベージュ色固体として得る(収率98%)。
融点187℃
[α]23=−84°(c=0.2;DMSO)
【実施例13】
【0091】
2−(フェニルメチル)−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2−(フェニルメチル)−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率25%)。
融点163−166℃
[α]20=−104°(c=1.00;CHCl
【実施例14】
【0092】
2−(フェニルメチル)−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例13で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質をオフホワイト色粉末として得る(収率54%)。
融点156℃
[α]20=−97°(c=1.00;DMSO)
【実施例15】
【0093】
2−エチル−6−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2−エチル−6−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率19%)。
融点123−127℃
[α]20=−84°(c=1.00;CHCl
【実施例16】
【0094】
2−エチル−6−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例15で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率58%)。
融点172−174℃
[α]20=−68°(c=1.00;DMSO)
【実施例17】
【0095】
5−クロロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、5−クロロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率29%)。
融点160℃
[α]24=−73°(c=0.48;CHCl
【実施例18】
【0096】
5−クロロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、実施例17で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率90%)。
融点184℃
[α]24=−82°(c=0.47;DMSO)
【実施例19】
【0097】
2−シアノ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
1.7g(14.17mmol)の2−シアノ−3−ピリジノールを30mlのアセトニトリルに溶解した溶液を調整し、4.3g(18.3mmol)の酸化銀及び3gの13Xモレキュラーシーブを暗所で加える。混合物を50℃で10分間攪拌し、6.5g(18.3mmol)の2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−キシロピラノシド臭化物をその後加え、反応混合物を50℃で18時間攪拌する。その後室温まで冷却し、フィルター上で濾過する。濾過水をエチルアセテートで希釈し、水で洗浄し、N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、その後pHが中性となるまで水で洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残留油分をエチルエーテルを加えて結晶化し、0.89gの目的物質をベージュ色結晶として得る(収率16%)。
HNMR(300MHz,CDCl)δ;8.43(m,1H);7.53(m,2H);5.49(t,1H);5.30(d,1H);5.19(m,2H);3.18(m,1H);2.76(m,1H);2.10(m,9H)
生成物は少量のα誘導体を含有し、そのアノマー水素のシグナルはδ=5.76及びδ=5.63である。
【実施例20】
【0098】
2−シアノ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例19で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色結晶として得る(収率60%)。
融点174℃
[α]23=−43°(c=0.30;DMSO)
【実施例21】
【0099】
6−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例11と類似の手順に従い、6−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、粗生成物を得、その後溶離液としてジクロロメタン/エチルエーテル混合物(1/1;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、続いてエチルアセテートから再結晶することにより、目的物質を黄色固体として得る(収率20%)。
融点130℃
[α]22=−65°(c=0.17;CHCl
【実施例22】
【0100】
6−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例21で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色結晶として得る(収率80%)。
融点233℃
[α]22=−90°(c=0.155;CHOH)
【実施例23】
【0101】
メチル5−[(2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−3−ピリジンカルボン酸塩
実施例1と類似の手順に従い、メチル5−ヒドロキシ−3−ピリジンカルボン酸塩を出発化合物とすることにより、目的物質をベージュ色固体として得る(収率7%)。
融点50℃
[α]24=−8°(c=0.3;CHOH)
【実施例24】
【0102】
メチル5−[(5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−3−ピリジンカルボン酸塩
実施例2と類似の手順に従い、実施例23で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を微細なベージュ色粉末として得る(収率99%)。
融点137℃
[α]24=−48°(c=0.3;CHOH)
【実施例25】
【0103】
2−ブロモ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2−ブロモ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率40%)。
融点161℃
[α]22=−66°(c=1.8;CHCl
【実施例26】
【0104】
2−ブロモ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例25で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率85%)。
融点151℃
[α]22=−51°(c=0.16;DMSO)
【実施例27】
【0105】
2−ニトロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例19と類似の手順に従い、2−ニトロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質をオフホワイト色粉末として得る(収率28%)。
融点178℃
[α]22=−132°(c=0.25;CHCl
【実施例28】
【0106】
6−メチル−2−ニトロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−メチル−2−ニトロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率11%)。
融点154℃
[α]21=−92°(c=0.48;CHCl
【実施例29】
【0107】
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(2−メチルプロピオニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
0.6g(2.4mmol)の実施例2で得た化合物を25mlのピリジンに溶解した溶液を調整し、30mg(0.24mmol)の4−(ジメチルアミノ)−ピリジンを加える。その後室温で攪拌しながら1.18g(11mmol)の2−メチルプロピオニルクロライドを加える。反応混合物を60℃で1時間攪拌し、その後60mlのトルエンで希釈し、減圧下で濃縮する。蒸発残留物を溶離液としてトルエン/エチルアセテート混合物(75/25;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、810mgの目的化合物を得る(収率73%)。
HNMR(300MHz,DMSO)δ;8.33(m,1H);8.26(m,1H);7.50(m,1H);7.40(m,1H);5.96(d,1H);5.34(m,2H);5.01(m,1H);3.04(m,1H);2.88(m,1H);2.42(m,3H);1.02(m,12H);0.94(t,6H)
【0108】
(実施例29A)
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(2−メチルプロピオニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシドメタンスルホン酸塩
802mg(1.76mmol)の実施例29で得た化合物を5mlのエチルアセテートに溶解した溶液を調整し、2mlのエチルエーテルを加え、続いて131μl(1.78mmol)のメタンスルホン酸を4mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液を加える。白色沈殿物が形成する。反応混合物を15分間攪拌し、その後5℃まで冷却し、濾過することで768mgの目的とする塩を白色粉末として得る(収率81%)。
融点215℃
[α]24=−70°(c=0.44;CHOH)
【実施例30】
【0109】
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(3−メチルブタノイル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例29と類似の手順に従い、3−メチルブタノイルクロライドを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率53%)。
HNMR(300MHz,DMSO)δ;8.52(m,1H);8.41(m,1H);7.83(m,1H);7.65(m,1H);6.00(d,1H);5.40(t,1H);5.30(t,1H);5.00(m,1H);3.00(m,2H);2.12(m,6H);1.95(m,3H);0.82(m,18H)
【0110】
(実施例30A)
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(3−メチルブタノイル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシドメタンスルホン酸塩
実施例29Aと類似の手順に従い、実施例30で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率59%)。
融点164℃
[α]24=−68°(c=0.28;CHOH)
【実施例31】
【0111】
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(メトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
0.3g(1.23mmol)の実施例2で得た化合物を10mlのアセトニトリル及び10mlのテトラヒドロフランに懸濁した懸濁液を調整し、約30mgの4−(ジメチルアミノ)ピリジン及び約300mgの4Åモレキュラーシーブを加える。その後0.8ml(7.5mmol)のジメチルピロカーボネートを加える。混合物を室温で24時間攪拌し、濾過する。濾過水を減圧下で濃縮し、残留物を溶離液としてエチルアセテート/ヘキサン混合物(7/3;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、0.25gの目的化合物を白色粉末として得る(収率50%)。
融点62℃
[α]23=−78°(c=0.15;CHCl
【0112】
(実施例31A)
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(メトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド塩酸塩
560mg(1.34mmol)の実施例31で得た化合物を150mlの無水エチルエーテルに溶解した溶液を調整し、0.56mlの塩化水素−エチルエーテル溶液(2.3N溶液)を加える。塩は非常に微細な固体として沈殿し、これを純水で抽出する。水層を分離し、凍結乾燥することにより、550mgの目的化合物を白色粉末として得る(収率90%)。
融点155℃
[α]22=−34°(c=0.55;DMSO)
【0113】
(実施例31B)
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(メトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシドメタンスルホン酸塩
200mg(0.48mmol)の実施例31で得た化合物の溶液を調整し、50mg(0.52mmol)のメタンスルホン酸を4mlのエチルエーテルに溶かした溶液及び0.2mlのメタノールを加える。形成する沈殿物を濾過し、水に溶解し、凍結乾燥することにより、230mgの目的とするを微細な白色固体として得る(収率96%)。
融点148℃
[α]25=−68°(c=0.18;CHOH)
【実施例32】
【0114】
1−[[[(ジメチルアミノ)カルボニル]オキシ]メチル]−3−[(5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−ピリジニウム塩化物
1g(4.1mmol)の実施例2で得た化合物を100mlのアセトニトリルと混合する。0.62g(4.1mmol)のヨウ化ナトリウム及び0.68g(4.9mmol)のクロロメチルジメチルアミノホルメートを加える。反応混合物を室温で2時間攪拌し、その後濾過する。フィルターを20mlのジクロロメタン及び20mlのメタノールで洗浄し、併せた濾過水をDowex 1X8−200 Clレジンのカラムに通し、その後減圧下で濃縮する。蒸発残留物をアセトン中で粉砕する。形成する固体を濾過し、水溶液に溶解し、凍結乾燥することにより、800mgの目的化合物を微細なベージュ色固体として得る(収率51%)。
融点117℃
[α]24=−77°(c=0.22;CHOH)
【実施例33】
【0115】
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(2,2−ジメチルプロピオニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシドピバル酸塩
1g(4.11mmol)の実施例2で得た化合物を20mlのピリジンに溶解した溶液を調整し、1gの4Åのモレキュラーシーブを加え、続いて7.6ml(37mmol)のトリメチル酢酸無水物及び30mg(0.24mmol)の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加える。反応混合物を2時間還流し、その後室温で24時間攪拌する。その後濾過し、フィルターを20mlのメタノールで洗浄し、濾過水を減圧下で濃縮する。得た粗生成物を溶離液としてシクロヘキサン/エチルアセテート混合物(55/45;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、600mgの目的とするトリエステルをトリメチル酢酸塩(ピバル酸塩)として得る。収率24%(白色粉末)。
融点140℃
[α]25=−56°(c=0.50;CHOH)
【実施例34】
【0116】
6−メチル−2−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−メチル−2−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率10%)。
融点106℃
[α]22=−50°(c=0.25;CHCl
【実施例35】
【0117】
6−メチル−2−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例34で得た化合物を出発化合物とすることにより、凍結乾燥後、目的物質を白色粉末として得る(収率90%)。
融点54℃
[α]25=−63°(c=0.26;DMSO)
【実施例36】
【0118】
2−クロロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2−クロロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率37%)。
融点160℃
[α]21=−108°(c=0.43;CHCl
【実施例37】
【0119】
2−クロロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例36で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率97%)。
融点153℃
[α]23=−44°(c=0.44;DMSO)
【実施例38】
【0120】
2−(ジメチルアミノメチル)−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例11と類似の手順に従い、2−ジメチルアミノメチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を黄色固体として得る(収率12%)。
融点105℃
[α]21=−74°(c=0.41;CHCl
【実施例39】
【0121】
2−(ジメチルアミノメチル)−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例38で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率90%)。
融点79℃
[α]23=−48°(c=0.40;DMSO)
【実施例40】
【0122】
6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−トリフルオロメチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率28%)。
融点156℃
[α]23=−6°(c=0.69;CHCl
【実施例41】
【0123】
6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例40で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質をベージュ色固体として得る(収率97%)。
融点170−175℃
[α]23=−78°(c=0.40;DMSO)
【実施例42】
【0124】
5−クロロ−2−シアノ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、5−クロロ−2−シアノ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率11%)。
融点171℃
[α]23=−137°(c=0.17;CHCl
【実施例43】
【0125】
5−クロロ−2−シアノ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例42で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質をオフホワイト色固体として得る(収率52%)。
融点122℃
[α]20=−71°(c=0.28;CHOH)
【実施例44】
【0126】
4−シアノ−2−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例5と類似の手順に従い、4−シアノ−2−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を褐色固体として得る(収率59%)。
融点109−113℃
[α]23=−4.8°(c=0.50;CHCl
【実施例45】
【0127】
4−シアノ−2−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例44で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を薄桃色固体として得る(収率45%)。
融点161℃
[α]23=−2.5°(c=0.50;CHOH)
【実施例46】
【0128】
2−フルオロ−6−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2−フルオロ−6−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率7%)。
融点139℃
[α]28=−98°(c=0.25;CHCl
【実施例47】
【0129】
2−フルオロ−6−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例46で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率79%)。
融点167−170℃
[α]31=−85°(c=0.22;DMSO)
【実施例48】
【0130】
5−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、5−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率20%)。
融点143℃
[α]25=−78°(c=0.51;CHCl
【実施例49】
【0131】
5−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例48で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率85%)。
融点182−183℃
[α]25=−95°(c=0.51;CHOH)
【実施例50】
【0132】
5−シアノ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、5−シアノ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率24%)。
融点147℃
[α]20=+3.6°(c=0.34;CHCl
【実施例51】
【0133】
5−シアノ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例50で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率52%)。
融点149℃
[α]20=+3°(c=0.10;CHOH)
【実施例52】
【0134】
6−クロロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−クロロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率18%)。
融点141℃
[α]23=−64°(c=0.50;CHCl
【実施例53】
【0135】
6−クロロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例52で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率89%)。
融点218℃
[α]23=−70°(c=0.50;DMSO)
【実施例54】
【0136】
4−シアノ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、4−シアノ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率7%)。
融点167℃
[α]23=−148°(c=0.15;CHCl
【実施例55】
【0137】
4−シアノ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例54で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率60%)。
融点157℃
[α]23=−35°(c=0.08;DMSO)
【実施例56】
【0138】
5−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、5−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質をクリーム色結晶として得る(収率11%)。
融点134℃
[α]24=−35°(c=0.16;DMSO)
【実施例57】
【0139】
5−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例56で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率72%)。
融点213℃
[α]25=−106°(c=0.20;DMSO)
【実施例58】
【0140】
2−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率11%)。
融点185℃
[α]27=−93°(c=0.11;DMSO)
【実施例59】
【0141】
2−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例58で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率65%)。
融点143℃
[α]30=−79°(c=0.18;DMSO)
【実施例60】
【0142】
6−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色結晶として得る(収率5%)。
融点123℃
[α]28=−39°(c=0.17;DMSO)
【実施例61】
【0143】
6−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例60で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を淡い白色粉末として得る(収率74%)。
融点209−210℃
[α]27=−119°(c=0.14;DMSO)
【実施例62】
【0144】
N−[5−[(2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−2−ピリジニル]アセトアミド
実施例1と類似の手順に従い、N−(5−ヒドロキシ−2−ピリジニル)アセトアミドを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率11%)。
融点132−133℃
[α]32=−1.6°(c=0.20;DMSO)
【実施例63】
【0145】
N−[5−[(5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−2−ピリジニル]アセトアミド
実施例2と類似の手順に従い、実施例62で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率31%)。
融点209℃
[α]25=−64°(c=0.40;DMSO)
【実施例64】
【0146】
N−[5−[(2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−2−ピリジニル]メタンスルホンアミド
実施例1と類似の手順に従い、N−(5−ヒドロキシ−2−ピリジニル)メタンスルホンアミドを出発化合物とすることにより、目的物質を白色小板として得る(収率12%)。
融点185−190℃
[α]28=−5.5°(c=0.30;DMSO)
【実施例65】
【0147】
N−[5−[(5−チオ−β−D−キシロピラノシル)オキシ]−2−ピリジニル]メタンスルホンアミド
実施例8と類似の手順に従い、実施例64で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率83%)。
融点201−204℃
[α]27=−48°(c=0.30;DMSO)
【実施例66】
【0148】
4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、4−トリフルオロメチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率9%)。
融点198℃
[α]32=−72°(c=0.27;DMSO)
【実施例67】
【0149】
4−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例66で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率60%)。
融点191℃
[α]32=−34°(c=0.30;DMSO)
【実施例68】
【0150】
2−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例11と類似の手順に従い、2−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率32%)。
融点160℃
[α]28=−86°(c=0.20;CHCl
【実施例69】
【0151】
2−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例68で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を淡い白色固体として得る(収率31%)。
融点85−87℃
[α]28=−40°(c=0.30;CHOH)
【実施例70】
【0152】
2,6−ジメチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、2,6−ジメチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率7%)。
融点139−140℃
[α]29=−40°(c=0.20;DMSO)
【実施例71】
【0153】
2,6−ジメチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例70で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率91%)。
融点186℃
[α]26=−64°(c=0.20;DMSO)
【実施例72】
【0154】
6−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色小板として得る(収率43%)。
融点158−162℃
[α]27=−21°(c=0.30;DMSO)
【実施例73】
【0155】
6−クロロ−5−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例72で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色針状物として得る(収率26%)。
融点198−200℃
[α]31=−68°(c=0.10;DMSO)
【実施例74】
【0156】
6−メトキシ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
100mg(0.8mmol)の6−メトキシ−3−ピリジノール、568mg(1.6mmol)の2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−α−D−キシロピラノシル臭化物及び50mg(0.16mmol)のベンジルトリブチルアンモニウム塩化物を2mlのクロロホルムに加えて混合物を調整し、552mg(4mmol)の炭酸カルシウム、続いて30μlの水を加える。反応混合物を50℃で3時間、その後一晩室温で攪拌する。8mlのクロロホルムを加え、得た有機層を水及び重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、その後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。蒸発残留物を8mlのメタノールに50℃で溶解し、濾過する。濾過水を減圧下で濃縮し、粗生成物を溶離液としてシクロヘキサン/エチルアセテート混合物(8/2;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、100mgの黄色油状物を得る。これを再度、溶離液としてジクロロメタン/メタノール混合物(95/5;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、71mgの目的物質を白色粉末として得る(収率22%)。
融点159−161℃
[α]24=−98°(c=0.10;DMSO)
【実施例75】
【0157】
6−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例5と類似の手順に従い、6−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率38%)。
融点176−177℃
[α]29=−37°(c=0.37;DMSO)
【実施例76】
【0158】
6−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例75で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率64%)。
融点155−156℃
[α]29=−72°(c=0.44;DMSO)
【実施例77】
【0159】
6−シアノ−2−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−シアノ−2−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率27%)。
融点128−131℃
[α]30=−58°(c=0.21;DMSO)
【実施例78】
【0160】
6−シアノ−2−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例77で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色針状物として得る(収率47%)。
融点193−195℃
[α]25=−80°(c=0.19;DMSO)
【実施例79】
【0161】
2−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例5と類似の手順に従い、2−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率17%)。
融点150℃
[α]30=−75°(c=0.30;DMSO)
【実施例80】
【0162】
2−シアノ−5−フルオロ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例79で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率57%)。
融点94℃
[α]27=−27°(c=0.30;DMSO)
【実施例81】
【0163】
4−メチル−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、4−メチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質をベージュ色固体として得る(収率14%)。
融点150℃
[α]30=−65°(c=0.21;DMSO)
【実施例82】
【0164】
4−メチル−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例81で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率90%)。
融点236℃
[α]31=−88°(c=0.20;DMSO)
【実施例83】
【0165】
6−シアノ−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、6−シアノ−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率24%)。
融点147℃
[α]25=−27°(c=0.28;DMSO)
【実施例84】
【0166】
6−シアノ−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例2と類似の手順に従い、実施例83で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率77%)。
融点179−180℃
[α]25=−77°(c=0.25;DMSO)
【実施例85】
【0167】
5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−アセチル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例1と類似の手順に従い、5−トリフルオロメチル−3−ピリジノールを出発化合物とすることにより、目的物質を白色結晶として得る(収率31%)。
融点111−112℃
[α]28=−37°(c=0.30;DMSO)
【実施例86】
【0168】
5−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例8と類似の手順に従い、実施例85で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を薄片状白色固体として得る(収率88%)。
融点160−161℃
[α]25=−79°(c=0.32;DMSO)
【実施例87】
【0169】
3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(エトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
500mg(2.05mmol)の実施例2で得た化合物を5mlのテトラヒドロフラン及び5mlのアセトニトリル中に懸濁した懸濁液を調整し、25mg(2.5mmol)の4−(ジメチルアミノ)ピリジンを加える。その後1.83ml(12.3mmol)ジエチルピロカーボネートを攪拌しながら室温で徐々に加える。反応混合物を室温で7時間攪拌し、その後濾過し、濾過水を減圧下で濃縮する。粗生成物を溶離液としてトルエン/エチルアセテート混合物(7/3;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、638mgの目的化合物を無色油状物として得、これはゆっくり結晶化する(収率67%)。
融点41℃
[α]22=−55°(c=0.31;CHCl
【実施例88】
【0170】
2−クロロ−3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(エトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例87と類似の手順に従い、実施例37で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率87%)。
融点49−52℃
[α]25=−78°(c=0.40;CHCl
【実施例89】
【0171】
6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(エトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例87と類似の手順に従い、実施例41で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を白色固体として得る(収率89%)。
融点55−57℃
[α]26=−76°(c=0.36;CHCl
【実施例90】
【0172】
2−シアノ−3−ピリジニル2,3,4−トリス−O−(エトキシカルボニル)−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例87と類似の手順に従い、実施例20で得た化合物を出発化合物とすることにより、目的物質を無色固体として得る(収率81%)。
融点44−48℃
[α]25=−76°(c=0.42;CHCl
【実施例91】
【0173】
3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−[(1−ピペリジニル)アセチル]−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
4.64g(24.2mmol)のEDCI[1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩]及び2.34g(23.2mmol)のトリエチルアミンを100mlのジクロロメタンに加えた混合物を調整し、その後1.22g(5.04mmol)の実施例2で得た化合物、3.46g(24.2mmol)の1−ピペリジン酢酸、3.33g(24.7mmol)のHOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)及び0.92gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンを攪拌しながら加える。反応混合物を室温で20時間攪拌し、その後濾過し、濾過水を水で洗浄し(2回)、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。粗生成物を溶離液としてジクロロメタン/メタノール混合物(95/5;v/v)を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製することにより、油状物を得、これはイソプロピルエーテル中で粉砕後結晶化し、670mgの目的化合物を白色粉末として得る(収率21%)。
融点116℃
[α]28=−21°(c=0.17;DMSO)
【実施例92】
【0174】
3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−プロピオニル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例29と類似の手順に従い、プロピオニルクロライドを出発化合物とすることにより、目的物質をクリーム色粉末として得る(収率21%)。
融点104℃
[α]23=−72°(c=0.38;CHCl
【実施例93】
【0175】
3−ピリジニル2,3,4−トリ−O−ブタノイル−5−チオ−β−D−キシロピラノシド
実施例29と類似の手順に従い、ブタノイルクロライドを出発化合物とすることにより、目的物質を白色粉末として得る(収率34%)。
融点70℃
[α]27=−26°(c=0.15;DMSO)
【0176】
上述した式Iの化合物の構造を表1〜3に示す(Pはピリジン環上のD−又はL−キシロースの位置を示す)。
【0177】
【化14】

【0178】
【表1】

【0179】
【表2】

【0180】
【表3】

【0181】
表1〜3中、Ac=アセチル、Bn=ベンジル(フェニルメチル)、Pip=1−ピペラジニル、Ms=メタンスルホン酸、Chlor=塩酸塩、Bromh=臭化水素酸塩、Quatern=4級ピリジニウム塩、HSulf=中性硫酸塩、Piv=ピバル酸塩
【0182】
本発明の化合物の抗血栓症活性は、ネズミの生体内での静脈血栓症の再生試験により評価した。
【0183】
静脈血栓症は、「Thromb.Haemost.」,1992年,67(1),p.176−179.に記載の手順に従って誘発した。静脈内又は経口の活性は以下の操作手順に従って評価した。
実験は250−280gの絶食していないオスのウィスター系ラットに対して行い、各々10匹ごとにグループ分けを行う。試験物質は、等張液中に溶解した若しくは浮遊させた(挿管法)経口投与、又は、等張液若しくはPEG400/水混合溶液中に溶解したものの静脈内への注射のいずれかにより投与する。化合物の濃度を計算し、吸収される溶液の量を経口投与で2ml/kg、静脈内注射により1ml/kgとなるようにする。血栓症は物質投与後T時間(0.5、2、4又は8時間)で誘発され、形成する血栓を取り除き計量する。血栓症を誘発するために、WESSLERにより記載された方法(「J.Applied Physiol.」,1959年,p.943−946)により、Biogenic(Montpellier)により供給される濃度7.5nKat/kgの活性ファクターX(Xa)溶液である過凝固剤を使用した過凝固条件下で静脈停止を引き起こす。静脈停止は過凝固剤注射後15秒間正確に行う。試験化合物の活性は、経口(p.o.)より又は静脈内(i.v.)へのどちらかで投与後異なる用量で評価した。血栓症は化合物を経口投与後2時間又は4時間、静脈内に化合物を投与後2時間誘発した。例として、上記試験結果を本発明のいくつかの化合物について示す(活性は、本発明の化合物が存在する場合に形成する血栓の抑制度合いを、化合物が無い場合に形成する血栓の重量に対しパーセンテージで表す)。
【0184】
表4は経口時の活性を示す。
【0185】
【表4】

【0186】
表5は静脈内への注射時の活性を示す。
【0187】
【表5】

【0188】
これらの結果は、本発明の化合物が経口及び静脈内への注射のどちらにより投与しても抗静脈血栓活性を有することを示す。
【0189】
従って本発明は、薬として使用するための本発明の式Iの化合物、並びに、その製薬上許容できる酸との塩、溶媒和物及び水和物に関する。式Iの化合物、又は、その製薬上許容できる酸との塩、溶媒和物若しくは水和物の一つは、特に静脈系循環障害の処置又は予防、とりわけ静脈系で認められるある種の血液パラメーターの矯正を目的とする抗血栓症薬の製造に使用し得る。
【0190】
従って本発明は、さらに式Iの化合物、又は、その製薬上許容できる酸との塩、溶媒和物若しくは水和物を含む製薬上の組成物に関する。これら製薬上の組成物は、一般に適当な賦形剤を含む。前記賦形剤は、所望の製薬上の形態及び所望の投与の様式、特に経口投与又は非経口投与に応じて選択される。
【0191】
これらの製薬上の組成物は、当業者に公知の方法により調整可能である。例えば本発明の化合物は、生理学上許容できる賦形剤と共に調合することが可能であり、直接使用するため注射可能な態様、注射可能で使用直前に調整される態様、又は、例えばゼラチンカプセル若しくはタブレットのような経口投与用の固形態様が得ることができる。
【0192】
例として、注射可能な態様は、好ましくは、使用直前に注射可能な水を加えて等張液を得るために、本発明における化合物及び必要充分量の可溶性賦形剤を含み、殺菌、フィルター処理を行った溶液を凍結乾燥することにより調整することが可能である。経口用の態様は、好ましくは、細かく砕いた、又は、好ましくは微粉末化した本発明の化合物を含み、当業者に公知の賦形剤、例えばラクトース、ゼラチン化したデンプン及びステアリン酸マグネシウムを混合したゼラチンカプセルの態様である。
【0193】
望ましい治療用又は予防用効果を得るために、各々のユニット用量は本発明の化合物の少なくとも一つを10から500mg含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式Iの化合物;
【化1】

(式中、
ペンタピラノシル基は5−チオ−β−D−キシロピラノシル基又は5−チオ−β−L−キシロピラノシル基であり、
Rは水素原子、C−Cアシル基、窒素複素環で置換されたアセチル基又は−COOR’基であり、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);並びに、
(b)これらの付加塩、酸化物又は4級アンモニウム塩、
から選択される化合物であるチオキシロース化合物。
【請求項2】
ペンタピラノシル基が5−チオ−β−D−キシロピラノシル基又は5−チオ−β−L−キシロピラノシル基であり、
Rが水素原子、C−Cアシル基又は−COOR’基 であり、
R’がC−Cアルキル基、並びに、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基又は芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
ペンタピラノシル基が5−チオ−β−D−キシロピラノシル基である請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
ペンタピラノシル基がピリジン複素環の3位に存在する請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが水素原子である請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Rが水素原子である請求項1から5の1項に記載の化合物。
【請求項7】
Rが−COCH基、−COOCH基又は−COOC基である請求項1から5の1項に記載の化合物。
【請求項8】
(a)式II又はIIaのピリジノール;
【化2】

(式中、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);
と式(III−D)又は(III−L)の5−チオキシロピラノース系誘導体;
【化3】

(式中、Halはハロゲン、好ましくは臭素であり、RはC−Cアシル基);を非プロトン溶媒中、銀塩又は亜鉛塩存在下、無水媒体内、反応温度25℃から80℃、反応時間1時間から10時間で反応を行うことにより、式Iの化合物;
【化4】

(式中、ペンタピラノース基はD−又はL−5−チオキシロピラノースであり、R、R及びRは出発化合物において定義したものと同様);又は、対応するN−オキサイドを得る、
(b)必要に応じて、前記得た式Iの化合物とメタノール中のアンモニア溶液を反応させることにより、式Iaの化合物;
【化5】

(式中、R及びRは前記の定義と同様);を得る、並びに、
(c)必要に応じて、前記得た式I若しくは式Iaの化合物の一つを酸と反応させることにより、対応する付加塩を得る、又は、
(d)必要に応じて、前記得た式I若しくは式Iaの化合物の一つをハロゲン化有機物と反応させることにより、対応するアンモニウム塩を得る、
段階を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
【請求項9】
(a)式(IV−D)又は(IV−L)のテトラ−O−アセチル−5−チオキシロピラノース;
【化6】

(式中、Acはアセチル基);と式IIの化合物;
【化7】

(式中、
及びRは互いに独立して、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ若しくはトリフルオロメチル基、芳香環で任意に置換されたC−Cアルキル基、−COOR’基、−CHNR’R’’基、C−Cアルコキシ基、−NH−CO−R’基又は−NH−SO−R’基、並びに、
R’及びR’’は独立して各々C−Cアルキル基);
を非プロトン溶媒中、ルイス酸系触媒存在下、反応温度20℃から60℃、反応時間1時間から2時間で反応させることにより、式Ibの化合物;
【化8】

(式中、R及びRは出発化合物において定義したものと同様);を得る、
(b)必要に応じて、前記得た式Iの化合物とメタノール中のナトリウムメチラートと反応させることにより、式Iaの化合物;
【化9】

(式中、R及びRは前記の定義と同様);を得る、並びに、
(c)必要に応じて、前記得た式I又は式Iaの化合物の一つを酸と反応させることにより、対応する付加塩を得る、
段階を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
【請求項10】
薬として使用するための請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
血栓症、特に静脈血栓症の予防又は処置用である薬の調合のための請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−506712(P2007−506712A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527445(P2006−527445)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002409
【国際公開番号】WO2005/030785
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(596160894)ラボラトワール フルニエ エス・アー (16)
【Fターム(参考)】