説明

新規のハロゲン化非対称ベンゾフェノン類およびそれらの製造方法

【構成】 一般式1のハロゲン化非対称ベンゾフェノン類。


(R1〜R5はH、F、ClまたはBrであり、但し一つ以上はHでなく、R6〜R10 はH、F、ClまたはBr、ニトロ、C1〜C4-アルキル−またはC1〜C4−アルコキシ基または、F、ClまたはBrまたはニトロ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ、−C F3 、−CHO 、−CO−フェニル、-SO2- フェニル等あり、その際R6〜R10 の3個まではC1〜C4−アルキル基、C1〜C4−アルコキシ基または上述のアリール基であってもよくR6〜R10 の1つ以下がニトロ基でありR6〜R10 のハロゲン原子およびニトロ基の数──R6〜R10 のC1〜C4−アルキル−、C1〜C4−アルコキシ−およびアリール基の数が減じている──はR1〜R5のハロゲン原子の数より1つ以上少ない。)
【効果】 薬化学、植物保護剤および液晶を製造するための有用な化合物の中間体である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は薬化学、植物保護剤および液晶を製造する為の新規の中間体である新規のハロゲン化非対称ベンゾフェノンおよびそれの製造方法に関する。この新規化合物は新規の方法によってハロゲン化安息香酸に転化することができそして若干の場合には同様にフェノール類に転化することができる(同日に出願されたドイツ特許出願第4240,020.1号)。両方の転化生成物自体が上述の用途の為の価値ある中間生成物である。
【0002】
【発明の構成】従って本発明は、特に一般式(I)
【0003】
【化10】


〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は水素原子、弗素原子、塩素原子または臭素原子であり、但し置換基R1 〜R5 の少なくとも一つは水素原子でなく、そしてR6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は水素原子、弗素原子、塩素原子または臭素原子、ニトロ、C1 〜C4 −アルキル−またはC1 〜C4 −アルコキシ基または、弗素原子、塩素原子または臭素原子またはニトロ、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、−CF3 、−CHO、−CO−フェニル、−SO2 −フェニル、−CO−C1 〜C4 −アルキル、−CO−C1 〜C4 −アルコキシまたは−SO2 −C1 〜C4 −アルキルで置換されていてもよいフェニル−または−ナフチル基であり、その際に置換基R6 〜R10の3個まではC1 〜C4 −アルキル基、C1 〜C4 −アルコキシ基または上述のアリール基であってもよくそして置換基R6 〜R10の最高で1つがニトロ基でありそしてR6 〜R10のハロゲン原子およびニトロ基の数──R6 〜R10のC1 〜C4 −アルキル−、C1 〜C4 −アルコキシ−およびアリール基の数が減じられている──はR1 〜R5 のハロゲン原子の数より少なくとも1つ少ない。〕で表されるハロゲン化非対称ベンゾフェノンおよび1モルの一般式(2)
【0004】
【化11】


〔式中、置換基R1 〜R5 の少なくとも一つは上記ハロゲン原子の1種であるという条件のもとで、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は水素原子、塩素原子、弗素原子または臭素原子である。〕で表されるハロゲン化ベンゼンを約1モル〜5モル、好ましくは約1.05〜約2モルの一般式(3)
【0005】
【化12】


〔式中、Halは弗素原子、塩素原子または臭素原子でありそして、置換基R6〜R10の3個まではC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ基または上述のアリール基であってもよくそして置換基R6 〜R10の最高一つがニトロ基であってもよいという条件のもとで、R6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は上に定義した通りでありそしてR6 〜R10のハロゲン原子およびニトロ基の数──R6 〜R10のC1 〜C4 −アルキル−、C1 〜C4 −アルコキシ−およびアリール基の数が減じられている──はR1 〜R5 のハロゲン原子の数より少なくとも1つ少ないという条件のもとで、R6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は上で定義した通りである。〕で表されるベンゾイルハロゲン化物と、アシル化触媒の存在下に約0℃〜約230℃、好ましくは約70〜約150℃の温度で、反応成分に対して不活性である有機溶剤の不存在または存在下に反応させそして場合によっては、置換基R1 〜R10の少なくとも1つが塩素原子であるという条件のもとで、得られる上記式(1)のベンゾフェノン類が、場合によっては置換基R1 〜R10の少なくとも一つが塩素原子であるという条件のもとで上記式(1)の得られるベンゾフェノンを場合によってはそれの中間単離後に、交換するべき塩素原子当たり約1〜約2.5モル、好ましくは1.01〜約1.5モル、特に好ましくは約1.05〜約1.2モルの弗化カリウム、─ルビジウムまたは─セシウムまたはそれらの混合物と約120〜約280℃、好ましくは約160〜約230℃の温度で相転移触媒の不存在または存在下におよび双極性の非プロトン性溶剤の不存在または存在下に反応させることによって、上記式(1)の化合物を製造する方法に関する。
【0006】使用できるアシル化触媒には、ルイス酸、例えば塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化アンチモン(V)、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化チタン(IV) 、三弗化硼素、塩化錫(IV)、塩化ビスマス(III) 、塩化亜鉛または塩化水銀(II)、またはブレンステッド酸(Broensted acid)、例えば弗化水素酸、硫酸、ポリリン酸、p-トルエンスルホン酸または弗化アルカンスルホン酸、例えば三弗化メタンスルホン酸または六弗化プロパンスルホン酸がある。塩化鉄(III) 、塩化アルミニウムおよび/ または三臭化アルミニウムが有利でありそして三塩化アルミニウムが特に有利である。
【0007】アシル化触媒は、使用したベンゾイルハロゲン化物を基準として約100 〜約500 モル% 、好ましくは約200〜約300モル%の量で使用する。生態学的観点から見て、微量の金属の混ざった粘土材料、例えば微量の金属の混ざったモンモリロナイトと言う種類の新規のアシル化触媒は上述の適するアシル化触媒に対し有効な代替物である。かかる生成物はEnvirocats(登録商標)の名称で市販されている。これらは例えばCAS.No. 1318−93−0、7646─85─7および7705─08─0に開示されている。
【0008】これらの一分のものはベンゾイル化において著しく有利であり、例えば慣用のアシル化触媒と比較して使用量が少なく、反応混合物から濾過によって簡単に分離され、リサイクルでき、それと水との反応が遅い為に取扱易く、腐食性が低くそして刺激作用が弱く、若干の場合には選択率が高くそして使用済の固体物質の投棄が簡単である。かかる物質は使用されるベンゾイルハロゲン化物を基準として約2重量%〜約100重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%の量で使用される。微量の金属の混ざった粘土材料("Envirocats")を用いる場合には、反応を、反応する成分の沸点に依存して約140℃〜約220℃の温度及び更に過剰圧のもとで実施する。この場合には反応速度が比較的に遅くそして約5時間〜約48時間の反応時間が可能である。上記反応時間は、慣用の触媒を用いた場合には、約3時間〜約18時間である。
【0009】ベンゾイルハロゲン化物は一般に、使用すたハロゲン化ベンゼンを基準として約1〜約5モル、好ましくは約1.05〜約2モルの量で使用する。反応成分に対して不活性の有機溶剤として例えば、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタンまたは1,2─ジクロロエタンをアシル化反応において使用することができる。
【0010】これらの溶剤はベンゾイルハロゲン化物の使用量を基準として約30重量%〜約2000重量%、好ましくは約100重量%〜約500重量%の量で使用する。溶剤としての過剰のハロゲン化ベンゼンまたはベンゾイルハロゲン化物中で実施するのが経済的に有利であり得る。不活性の有機溶剤を添加しない方法が特に有利である。
【0011】アシル化反応の後のベンゾフェノン類の分離は、原則として公知の方法で、即ち、反応混合物の水性加水分解および生成物の抽出または濾過により行う。これらは再結晶処理、分別またはクロマトグラフィーによって精製することができる。微量の金属の混ざった粘土質鉱物をアシル化触媒として使用する場合には、また水性後処理で分散させることも可能である。触媒は簡単に濾去されそしてある場合には溶剤で洗浄される。得られる母液は既に説明した方法、即ち溶剤の留去および生成物の、ここでも同様に有利である水での沈澱処理によって行うことができる。
【0012】本発明のアシル化反応では通常には、置換形式に依存して約70〜95重量%の収率でベンゾフェノン類が得られる。得られベンゾフェノン類は直接的にまたはhalex反応の後に価値あるハロゲン化安息香酸類およびフェノール類に転化することができる。
【0013】アシル化反応の後に得られるハロゲン化ベンゾフェノン類についてアルカリ金属弗化物との反応(ハレックス反応)によって実施することができる弗化反応は、双極性の非プロトン性溶剤、例えばスルホラン(テトラメチレンスルホン)、テトラメチレン─スルホキシド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチル─スルホキシド、ジメチル─スルホン、ジフェニル─スルホキシド、ジフェニル─スルホン、テトラメチル尿素、テトラ─n−ブチル尿素、1,3─ジメチルイミダゾリジン─2─オンまたはそれらの混合物中で実施することができるかまたはかかる溶剤を使用せずに実施することができる。N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン(テトラメチレン─スルホン)、1,3─ジメチル─イミダゾリジン─2─オンまたはジフェニルスルホンを使用してまたは溶剤を使用せずに反応を実施するのが有利である。特に、ジフェニル─スルホン中でまたは溶剤を用いずに実施するかまたは脂肪族的に結合する水素原子を含有していない他の溶剤を用いて実施するのが有利である。既に述べた通り、個々の場合には、記載した溶剤の混合物中で反応を実施するのが有益であり得る。
【0014】反応を双極性の非プロトン性溶剤を用いずに本発明の原料の溶融物中で実施する場合には、攪拌性を保証する為に化学量論量より少ない弗化物塩を使用するのが便利である。この場合の塩の量は、交換すべき塩素原子当たり約50モル%〜約100モル%であってもよい。弗化カリウムと−セシウムとの混合物および純粋な弗 化カリウムが有利である。本発明の方法では、噴霧乾燥した弗化物を用いることができるが、これは良好な結果を得るには本質的なことではない。
【0015】適する相転移触媒には、第四─アンモニウム─またはホスホンニウム化合物、例えばテトラ─C1 〜C18─アルキルアンモニウム─クロライド、─ブロマイドまたは─フルオライド、テトラ−C1 〜C18−アルキルホスホニウム─クロライドまたは−ブロマイド、テトラフェニル−ホスホニウム─クロライドまたは─ブロマイドまたは((フェニル)m (C1 〜C18─アルキル)n −ホスホニウム─クロライドまたは─ブロマイド──但し、m=1〜3、n=3〜1でありそしてm+n=4である──またはそれらの混合物を使用する。ここではホスホニウム塩が有利であり、特にテトラフェニル─ホスホニウム塩または脂肪族的に結合する水素原子を含有していない他の化合物が有利である。これらの物質は一般式Iの使用したベンゾフェノンを基準として約0.01〜約50モル%、好ましくは約0.5〜約10モル%、特に約1〜約5モルの範囲で使用される。
【0016】オリゴエチレン−またはポリエチレン−グリコール─ジメチルエーテルも相転移触媒として使用することもできる。これらの化合物中のグリコール単位の数はn=4(テトラエチレン−グリコール─ジメチルエーテル)からn=150までの範囲内にあり得る。しかしながら4〜約25の重合度nのエーテルを用いるのが有利である。使用されるこれらグリーコルエーテルの最適な量は、反応用塩の使用した重量を基準として約0.5重量%〜約200重量%、好ましくは約5〜約100重量%、特に好ましくは約10〜約50重量%である。これらの化合物を使用することの特別な長所は、一般に、使用される量によって、グリコールエーテルが反応温度で既に液体であるので、溶剤をあまり使用しないでもよい点である。若干の場合、特に有利な結果は上で定義した相転移触媒の混合物、特にアンモニウム─またはホスホニウム塩とポリエチレン─グリコール─ジメチルエーテルとの混合物を使用することによって達成される。
【0017】一般に、塩素/弗素−交換の後に得られる生成物混合物は反応塩の濾過によってそして、特に工業的規模で実施する場合には、次いで濾液から生成物を直接的に分別することによって後処理する。他の可能な方法は、粗混合物に水を添加しそして生成物含有の軽い上側相を分離除去する。水抽出処理が、母液から生成物を完全に分離することを可能とする。次にこの生成物をクロマトグラフィー処理または蒸留よって分離することにより精製することができる。この場合には、反応塩の濾過後に溶剤の留去、水の添加による生成物の沈澱およびそれの濾去が特に容易である。
【0018】塩素/弗素─交換の収率は、溶剤、触媒、反応温度及び溶剤中濃度の選択によって約65〜約85%である。塩素/弗素─交換に関する限り、本発明の方法は上述の方法で非対称ベンゾフェノ類に使用することができる。例えば、4,4’−ジクロロベンゾフェノンから4,4’−ジフルオルベンゾフェノンをそして2,2’,4,4’─テトラクロロベンゾフェノンから2,2’─ジクロロ─4,4’─ジフルオロベンゾフェノンを製造することが可能である。従ってこれらの化合物は公知の方法に比較して反応技術および─経済の観点から改善された方法で製造することができる。
【0019】この方法は、大気圧下での操作がいつでも有利であるが、大気圧、減圧または過剰圧のもとで両方の反応段階で実施することができる。広義では本発明の方法は更にビス−、トリス─またはポリ─ケトン類、一般式
【0020】
【化13】


〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は上で定義した通りである。〕で表されるビスケトン類に関する。これらは、本発明に従い適当な二酸ハロゲン化物を前記一般式(2)の少なくとも2倍のモル量のハロゲン化ベンゼンと反応(アシル化)させることによって上記方法と同様に製造することができそして次にこの生成物を場合によっては、上に詳述した如きアルカリ金属弗化物とハレックス反応に委ねる。
【0021】本発明に従う化合物が薬化学、植物保護剤および液晶を製造する為の価値ある中間体である新規の非対称ベンゾフェノンである事実の他に、新規のベンゾフェノン類を満足な方法で製造することができることは、従来技術から予期できなかったことである。例えば、ポリハロゲンベンゼン類のアシル化の実施には非常な困難を伴うか実施できなかったことが文献から公知である〔Methoden der organischen Chemie (有機化学法) 、Houben-Weyl-Mueller 、第7/2a巻、43(1973)、Tieme-Verlag、シュトットガルト〕。
【0022】従来には弗化ベンゾフェノン類を製造することが特に困難であることが実証されており、この化合物の幾種かは、それの置換形態の為に文献から公知の方法では不可能であるかまたは合成に多大な費用の掛かる既に弗素化された芳香族前駆体を必要とする。
【0023】
【実施例】以下の実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらによって本発明は制限されない。
【0024】フリーデルクラフト・アシル化反応により本発明のベンゾフェノン類を製造する為の一般的な作業処方:1モルの酸クロライドを、1.5〜3当量のアシル触媒の存在下に、一般に溶剤としても使用されるハロゲン化芳香族化合物(3〜5モル)と反応させる〔場合によっては、1モルのハロゲン化芳香族化合物および適当量の溶剤を使用する〕。(置換された)ベンゾイルクロライドを反応温度で滴加する。反応温度は、モノハロゲン化芳香族化合物を反応させる場合には0℃〜50℃であり、ジハロゲン化芳香族化合物では40℃〜80℃であり、トリハロゲン化芳香族化合物では80℃〜130℃でありそしてテトラハロゲン化芳香族化合物については120℃〜180℃である。この反応はガスクロマトグラフィー(GC)分析によって監視しそして通常には、3〜20時間の後に中止し、反応混合物を氷で加水分解する。続く相分離は抽出剤の添加によって改善するととができる。有機相を乾燥しそして濃縮または他の溶剤(メタノール)での希釈によって結晶化することができる。液状生成物は溶剤を完全に除いた後に残る残留物を蒸留処理することによって得られる。
【0025】以下の化合物はこれらの方法で製造できるものの一分である:2,4─ジクロロベンゾフェノン(例えば1,3─ジクロロベンゼンおよびベンゾイルクロライドから、82%の収率、融点51℃)。
【0026】2,4─ジクロロベンゾフェノンについてのデータ:MS:m/z(%)=51(26)、77(48)、105(100)、145(15)、147(10)、173(46)、175(31)、177(5)、215(5)、250(55)、252(40)
187.5g(0.895モル)の2,4─ジクロロベンゾイル─クロライドを、351g(4.5モル)のベンゼンおよび360g(2.7モル)の塩化アルミニウムの中に40℃で50分の間に滴加する。ガスの発生が終了した時に、混合物を2リットルの氷水で分解しそしてベンゼンを共沸混合物として留去する。生成物を水中で顆粒化しそして1000mlのメタノールと一緒に攪拌する。次にこの溶液を多少濃縮する。石油エーテルを50℃で添加し、この混合物を結晶化させそして結晶を吸引濾過しそして石油エーテルで洗浄して、51℃で溶融する183.4g(0.734モル、82%)の2,4─ジクロロベンゾフェノン(純度>93%)を得る。
【0027】2,2’,4,4’−テトラクロロベンゾフェノン(2,4─ジクロロベンゾイル─クロライドおよび1,3─ジクロロベンゼンから製造、93%の収率、融点79℃)。
【0028】2,2’,4,4’−テトラクロロベンゾフェノンについてのデータ:187.5g(0.895モル)の2,4─ジクロロベンゾイル─クロライドを、661.5g(4.5モル)の1,3─ジクロロベンゼンおよび360g(2.7モル)の塩化アルミニウムに40〜50℃で滴加する。ガスの発生が終了した時に、混合物を氷/塩酸にて加水分解しそしてジクロロベンゼンを水との共沸混合物として留去する。生じる生成物を水性相中で顆粒化しそして600mlの50%濃度メタノールで洗浄して、98%の純度の生成物267.6g(0.832モル、93%)を得る。
【0029】融点:79℃MS:m/z(%)=74(18)、109(25)、145(28)、147(19)、173(100)、175(74)、220(3)、248(1)、283(2)、318(40)、320(52)、322(29)
フリーデル・クラフト─アシル化反応によって本発明に従ってベンゾフェノ類を製造する為の個々の実施例1〜22:実施例1165.0g(1モル)の2,4─ジクロロフルオロベンゼンおよび266.7g(2.0モル)の塩化アルミニウムを、乾燥したフラスコに入れそして120℃に加熱する。次に168.2g(1.2モル)のベンゾイルクロライドを0.5時間にわたって滴加する。加熱を120℃で継続しそして、出発化合物が完全に転化された時(約7時間)に、混合物を500gの氷に注ぐ。抽出処理を各300mlのジクロロメタンで二回実施し、有機相を乾燥しそして溶剤および過剰の出発化合物を減圧下に除く。帯赤褐色の粗混合物を更に直接的に処理してもよいしまはたメタノール/石油エーテルにて最初に再結晶処理する。粗混合物(229.5g、0.86モル、86%)は198.9g(0.74モル、74%)の2,4─ジクロロ─5─フルオロベンゾフェノンおよび27.5g(0.10モル、10%)の2,6─ジクロロ─3─フルオロベンゾフェノンを含有している。異性体は1,2─ジクロロベンゼンで再結晶処理することによって分離することができる。
【0030】三塩化アルミニウムを324.4g(2.0モル)の塩化鉄(III)、417.4g(2.2モル)の塩化チタン(IV)または464.4g(2.0モル)の2,2,3,4,4,4─ヘキサフルオロプロパン─スルホン酸に交換しおよび/または反応を溶剤としてのニトロベンゼン(150G;反応温度80℃、18時間)または1,2−ジクロロエタン(200g 、反応温度85℃)中で実施しても、実質的に同じ結果が得られる。
【0031】2─クロロ─4,5─ジフルオロベンゾフェノンまたは2,4,5─トリフルオロベンゾフェノンは、それぞれオートクレーブ中で148.5g(1.0モル)の3,4─ジフルオロクロロベンゼンまたは132.1g(1.0モル)の1,2,4─トリフルオロベンゼンと反応させることによって同様に得ることができる。これらの化合物はそれぞれ181.6g(0.72モル、72%)または186.2g(0.79モル、79%)の量で実質的に異性体を含まない状態で分離することができる(対応するデータは実施例23参照)。
【0032】得られる2,4─ジクロロ─5─フルオロベンゾフェノンについてのデータ:融点:63.4℃1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=7.20(D)(dd、1H、JDE=8.2Hz、JDF=0.3Hz、Ar−6
7.49(B)(tm、2H、Ar−H3'
7.54(E)(dd、1H、JEF=6.2Hz、JDE=0.3Hz、Ar−3
7.63(A)(tm、1H、Ar−H4'
7.80(C)(dm、2H、Ar−H2'
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−116.8(F)(dd、1F、JDF=8.2Hz、JEF=6.2Hz、Ar−5
MS:m/z(%)=51(21)、77(44)、105(100)、128(7)、143(2)、163(12)、191(20)、233(3)、268(40,M+ )、270(27,M+2)、272(4、M+4)
得られる2,6−ジクロロ─3─フルオロベンゾフェノンについてのデータ:1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=7.07(ddd、1H、J=0.3Hz、J=8.5Hz、J=8.87、Ar−4
7.36(dd、1H、J=4.2Hz、J=8.9Hz、Ar−H5'
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−116.2(dd、1F、J=4.2Hz、J=8.2Hz、Ar−3)MS:m/z(%)=51(19)、77(42)、105(100)、128(7)、143(2)、163(12)、191(18)、233(4)、268(81,M+ )、270(51,M+2)、272(10、M+4)
実施例279.3g(0.5モル)の4─フルオロベンゾイル─クロライドを、226.9g (1.25モル)の1,2,3−トリクロロベンゼンおよび166.6g(1.25モル)の塩化アルミニウムに、温度を130℃に維持できる様に130℃で滴加する。ガスの発生が終了するまでこの温度への加熱を継続する。後で混合物をこの温度に8時間維持し、次に1000g の氷の上に注ぎ、そして300g のトルエンを加える。相分離の後に、有機相を200mlの5% 濃度炭酸水素ナトリウム溶液で二度洗浄する。溶剤を共沸混合物として留去しそして過剰の1,2,3−トリクロロベンゼンを水蒸気蒸留によって残留物から除く。残留する物質を80℃で攪拌することによって顆粒化して、158.6g (湿潤状態)または148.0g (乾燥状態、0.49モル、97.5% )の2,3,4−トリクロロ−4’−フルオロベンゾフェノンが得られる。
【0033】333.4g (1.25モル)の臭化アルミニウム(III)または74.6g (1.1モル)の三弗化硼素および/または溶剤としての300g のCS2 (40℃/24時間)または300mlの1,2−ジクロロエタン(85℃/16時間)を用いて同様な収率および選択率が得られる。
【0034】得られる2,3,4─トリクロロ─4’─フルオロベンゾフェノンについてのデータ:融点:74〜76℃1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=7.16(cm、2H、Ar−3',5'
7.21(d、1H、Ar−5
7.51(d、1H、Ar−6
7.82(cm、1H、Ar−2',6'
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−103.36(dd、1F、J=13.5Hz、J=5.5Hz、J=8.4Hz、J=2.9Hz、Ar−4'
MS:m/z(%)=75(17)、95(36)、109(5)、123(100)、145(4)、179(7)、181(7)、211(5)、267(2)、302(36,M+ )、304(37)、306(13)
実施例331.7g(0.2モル)の4─フルオロベンゾイル─クロライドを、82.5g (0.5モル)の2,4−ジクロロ−フルオロベンゼンおよび133.4g(0.5モル)の塩化アルミニウムに60℃で滴加し、その際に温度が同時に95℃に上昇する。2時間後に温度が130℃に上昇させそしてこの水準に更に4時間維持する。この混合物を700g の氷に注ぐことによって加水分解し、そして次に分離する。残留する出発化合物を共沸混合物として留去しそして残留物を顆粒化して29g の湿潤状態の生成物または28.3g (0.1モル、50% )のベージュ色の2,4−ジクロロ−5,4’−ジフルオロベンゾフェノンが得られる。
【0035】136.3g (1モル)塩化亜鉛または27.1g (0.4モル)の三弗化硼素を用いても同様な収率および選択率が得られる。
得られる2,4─ジクロロ─4’,5─ジフルオロベンゾフェノンについてのデータ:融点:44〜46℃1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=7.17(cm、2H、Ar−3',5'
7.20(d、1H、J=8.1Hz、Ar−3
7.54(d、1H、J=6.4Hz、Ar−6
7.83(cm、2H、Ar−2
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−103.26(dddd、1F、Ar−4'、J=3.0Hz、J=5.3Hz、J=8.4Hz、J=13.8Hz)
−116.47(dd、1F、J=6.4Hz、J=8.1Hz、Ar−5
MS:m/z(%)=75(17)、95(37)、123(100)、163(11)、191(20)、193(13)、222(1.5)、286(46,M+ )、288(32、M+2)
実施例477.3g(0.5モル)の4─メチルベンゾイル─クロライドを、400gの1,3−ジクロロベンゼンおよび189.7g (1モル)の塩化チタン(IV)に50℃で1時間にわてった滴加する。次に攪拌をこの温度で続ける。この混合物を次に900g の氷で加水分解しそして相分離を行う。過剰のジクロロベンゼンを留去しそして残留物を分別して、2Torr/153〜164℃(ボトム温度200〜210℃)で58.3g (0.22モル、44% )の2,4−ジクロロ−4’−メチルベンゾフェノンが得られる。
【0036】252.3g (0.8モル)塩化ビスマス(III)または溶剤としての358.8g (1.2モル)の塩化アンチモン(V)および/または500mlのCS2 (30℃)または400mlの1,2−ジクロロエタン(30℃)を用いても同様な収率および選択率が得られる。2,4−ジクロロ−4’−メチルベンゾフェノンは既に公知である(融点84℃)。
【0037】2,4─ジクロロ─4’─メチルベンゾフェノンについてのデータ:MS:m/z(%)=50(4)、65(20)、74(6)、91(29)、109(9)、119(100)、120(9)、145(9)、147(6)、165(5)、173(15)、175(10)、206(1)、229(2)、264(25)、266(17)、268(3)
実施例555.5g(0.35モル)の2─フルオロベンゾイル─クロライド、175.8g (1.03モル)の1,2,4−トリクロロベンゼンおよび136.6g(1モル)の塩化亜鉛(II)を140℃に10時間にわてった加熱する。次にこの混合物を500g の氷で分解し、100mlのジクロロメタンを添加しそして相分離を行う。有機相を10g の10% 濃度水酸化ナトリウム溶液で洗浄しそして生成物をメタノールの添加によって沈澱させる(48.8g の粗生成物、0.16モル、46% )。210g のメタノールから4g の活性炭の添加による再結晶処理で、無色の固体として25.0g (82mmol、24%)の2,4,5−トリクロロ−2’−フルオロベンゾホスホンが得られる。
【0038】105.1g (0.7モル)のトリフルオロメタンスルホン酸および溶剤としての400mlの1,2−ジクロロエタン(85℃)を用いても同様な収率および選択率が得られる(8時間の反応時間)。融点:84℃。
【0039】得られる2,4,5−トリクロロ─2’─フルオロベンゾフェノンについてのデータ:1H−NMR(DMSO−d6 、TMS):δ=7.36(s、1H、JF =11.5Hz、Ar−3'
7.39(ddd、1H、JF =7.6Hz、Ar−6'
7.7〜7.8(m、2H、JF =5.2Hz、Ar−4',5'
7.92(s、1H、Ar−3'
8.01(s、1H、Ar−6
19F−NMR(DMSO−d6 、CFCl3 ):δ=−111.0(dddd、1F、J=5.2Hz、J=7.6Hz、J=11.5Hz、Ar−2
MS:m/z(%)=75(17)、95(27)、109(5)、123(100)、143(7)、179(10)、181(10)、207(30)、209(30)、211(10)、267(2)、302(41,M+ )、304(42)、306(19)
実施例67.1g (0.06モル)のチオニルクロライドを、48g (0.5モル)のフルオロベンゼン中で7.8g (0.03モル)の2,3,4,5−テトラクロロ安息香酸に20〜25℃で滴加しそして温度を徐々に80℃に上げる。6時間後に過剰のチオニルクロライドおよび若干のフルオロベンゼンを200mbarでストリッピング除去しそして10g (0.075モル)の塩化アルミニウムを20℃で少量づつ冷却下に添加する。この混合物を次に4時間の間に40〜50℃に加熱しそして250g の氷に注ぐことによって加水分解する。水性相をメチル−第三ブチルエーテルで抽出処理し、抽出物をMgSO4 で乾燥しそして溶剤および過剰のフルオロベンゼンを回転式蒸発器で除き、エーテル/水での再結晶処理した8.4g の粗生成物を得る(24.9ミリモル、83% )。
【0040】21.5g (0.125モル)のp−トルエンスルホン酸および溶剤として350mlのジクロロメタン(25℃)を用いても同様な収率および選択率が得られる。
【0041】得られる2,3,4,5−テトラクロロ─4’─フルオロベンゾフェノンについてのデータ:融点:104.5〜106℃1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=7.17(cm、2H、Ar−3',5'
7.40(s、1H、Ar−6
7.83(cm、2H、Ar−2',6'
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−102.51(dddd、1F、J=2.9Hz、J=5.3Hz、J=8.3Hz、J=13.6Hz、Ar−4'
MS:m/z(%)=75(12)、95(30)、123(100)、180(3)、215(5)、241(7)、243(9)、303(2)、336(33,M+ )、338(43)、340(22)、342(5)
実施例72,3,4,5−テトラクロロベンゾイル−クロライドを、78.0(0.3モル)の2,3,4,5−テトラクロロ安息香酸および71g (0.6モル)のチオニルクロライドとから300g の1,3−ジクロロベンゼン中で実施例6と同様に製造する。過剰のチオニルクロライドを除いた後に、金属の混じった40g のモンモリロナイトを添加しそしてこの混合物を172℃で18時間還流する。この反応時間が経過した時に(GCによる転化率:32% )、不溶性残留物を濾去しそして揮発性成分を1mbarで留去する(約30〜40g の2,3,4,5−テトラクロロベンゾイル−クロライド)。36.4g (31% 、94ミリモル)の残留物が残る。これをエタノールで再結晶処理して29.5g (25%、76ミリモル)の2,3,4,5,2’,4’−ヘキサクロロベンゾフェノンが僅かに帯黄色の固体として得られる。
【0042】80.0g (0.6モル)の塩化アルミニウム(III )および/または溶剤として300mlのジクロロメタン(80℃)を用いても同様な収率および選択率が得られる。
【0043】実施例811g (62.5ミリモル)の2,6−ジクロロベンゼゾイルクロライドを、160℃において13.8g (62.5ミリモル)の1,2,4,5−テトラクロロベンゼンおよび20.5g (0.156モル)の塩化アルミニウムに滴加する(10分)。その際にただちに激しいガス発生および帯茶色への変色が生じる。この温度を5時間維持しそしてこの混合物を次に200g の氷と攪拌しそして次に100g のメチル−第三ブチルエーテルと攪拌する。転化率(GC分析による測定)は25% である。メチル−第三ブチルエーテルでの繰り返し抽出、MgSO4 での乾燥および溶剤の蒸留にて暗い灰色の粗生成物を得、これをエタノール/水での分別結晶処理によって精製して、無色の粉末として2.5g (6.9ミリモル、11% )の2,3,5,6−テトラクロロ−2’,6’−ジフルオロベンゾフェノンを得る。
【0044】11.9g (0.175モル)の三弗化硼素を(オートクレーブ中で)用いても同様な収率および選択率が得られる。
2,3,4,5−テトラクロロ─2’,6’─ジフルオロベンゾフェノン:1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=6.98(t、2H、J=8.7Hz、Ar−3',5'
7.53(dd、1H、J=6.4Hz、J=8.7Hz、Ar−4'
7.62(s、1H、Ar−6
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−109.85(dd、2F、Ar−2',6'
MS:m/z(%)=63(12)、113(18)、141(100)、180(3)、215(7)、241(16)、243(20)、256(3)、321(1)、354(43,M+ )、356(59)、358(30)、360(7)
実施例946.9g (0.3モル)の2−クロロ安息香酸を33.3g (0.2モル)の2,3,4−トリフルオロクロロベンゼンに交換しそして41.7g (0.35モル)のチオニルクロライドを20℃で滴加する。80℃で3時間後に、過剰のチオニルクロライドを200mbar/60℃でストリッピング除去する。80g (0.6モル)の塩化アルミニウムを添加しそして温度をゆっくり150℃に上昇させる(1時間)。反応温度で7時間後に、混合物を実施例6と同様に後処理して、82面積% (GC)の異性体生成物を含有している53.4g (0.175モルの粗生成物)の暗褐色の残留物を得る。
【0045】179.4g (0.6モル)の塩化アンチモン(V)または30.5g (0.45モル)の三弗化硼素を溶剤として用いても同様な収率および択率が得られる。
【0046】実施例10315g (1.8モル、300ml)の3−ブロモフルオロベンゼン、33.8g (0.2モル)の3,5−ジメチルベンゾイルクロライドおよび40.1g(0.3モル)の塩化アルミニウムを60℃に加熱する。4.5時間後に僅かな更なるガスの発生が観察するとができ、次にこの混合物を氷水を用いて分解する。有機相を100mlの10% 濃度水酸化ナトリウム溶液で洗浄しそして次に100mlの水で洗浄する。次に145℃で過剰のブロモフルオロベンゼンを最初に200mbarでそして次いで20mbarで留去する。粗生成物をそれの重量の二倍量のメタノールと混合しそしてその生成物を吸引濾過して、乾燥された90.5℃の融点の2−フルオロ−4−ブロモ−3’,5’−ジメチルベンゾフェノン20.1g (65.6ミリモル、33% )が得られる。
【0047】93.3g (0.35モル)の臭化アルミニウム(III)または20.3g (0.3モル)の三弗化硼素を使用した場合には、反応温度は40℃に下げてもよい(副反応はより少ない)。収率および選択率は同じ域にある。
【0048】96.0g (1モル)のフルオロベンゼンを40℃で、同じ条件のもとで、185.5g (1.2モル)の4−トルイル−クロライドと、266.7g (2モル)の塩化アルミニウムの存在下に反応させた場合には(酸クロライドはフルオロベンゼンおよび塩化アルミニウムに25℃で穏やかな冷却下に滴加する)、3時間の反応時間および続く500g の氷による分解(1800mlの母液)およびその溶液と357g の30% 濃度塩酸とを混合してのアルミニウム含有残留物の溶解、600mlおよび次に300molのメチル−第三ブチルエーテルでの抽出処理およびメチル−第三ブチルエーテルの除去の後に、752.3g の残留物を得る。該残留物を100g の5% 水酸化ナトリウムで洗浄し、MgSO4 で乾燥しそして濾過し、溶剤を完全に除く。15.2g (71ミリモル、7% )の2−フルオロ−4’−メチルベンゾフェノンおよび142.0g (0.663モル、66% )の4−フルオロ−4’−メチルベンゾフェノン(これら含有量は19F−NMRで測定した)より成る157.1g (0.734モル、73% )の桃色の残留物が残る。エタノール/水での再結晶処理で97.5℃〜99.5℃の融点の純粋な4−フルオロ−4’−メチルベンゾフェノンが得られる。
【0049】得られる2−ブロモ−4−フルオロ−3’,5’−ジメチルベンゾフェノンについてのデータ:19F−NMR(DMSO−d4 、CFCl3 ):δ=−108.4(ddd、1F、J=6.0Hz、J=8.4Hz、J=8.6Hz、Ar−4 )(G)
MS:m/z(%)=50(4)、63(7)、77(19)、79(15)、94(19)、105(30)、133(100)、175(13)、183(21)、201(29)、203(29)、227(72)、306(53,M+ )、308(58)
1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=2.32(ddd、6H、J=0.6Hz、J=0.6Hz、J=0.6Hz、Ar−C3 )(F)
7.32(m、2H、JEF=0.6Hz、Ar−H2',6' )(E)
7.34(m、1H、JDF=0.6Hz、Ar−H4')(D)
7.41(ddd、1H、JAC=2.4Hz、JCG=8.4Hz、JBC=7.5Hz、Ar−5 )(C)
7.52(ddd、1H、JAC=0.3Hz、JBG=6.0Hz、JBC=8.5Hz,Ar−6 )(B)
7.73(ddd、1H、JAG=0.3Hz、JAC=2.4Hz、JAG=8.6Hz、Ar−3 )(A)
4−フルオロ−4’−メチルベンゾフェノン:19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−106.98(dddd、1F、Ar−4
1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=2.44(s、3H、Ar−C3
7.15(cm、2H、Ar−H3,5
7.28(dd(cm)、2H、Ar−H3',5'
7.68(dd(cm)、2H、Ar−H2',6'
7.82(cm、2H、Ar−H2,6
MS:m/z(%)=51(5)、65(20)、75(15)、91(35)、95(35)、119(100)、123(49)、133(1)、170(3)、183(44)、199(16)、214(62,M+
実施例1133.1g(0.2モル)の3─ニトロベンゾイル─クロライドを、88.2g (0.6モル)の1,4−ジクロロベンゼンおよび53.4g (0.4モル)の塩化アルミニウムに60℃で滴加する。次に温度を125℃に上昇させそして反応を8時間継続する。次に反応混合物を200g の氷水で加水分解し、100mlのトルエンを添加する。相分離の後に、溶剤を留去しそして過剰のジクロロベンゼンを水蒸気で排除する。残る残留物を500mlの熱いメタノールに取りそしてこの溶液を濾過する。200g のメタノールを留去した後に、23.5g(84ミリモル、43% )の2,5−ジクロロ−3’−ニトロベンゾフェノンが母液から結晶化によって得られる。塩化アルミニウムの替わりに81.1g (0.5モル)の塩化鉄(III)を使用して、実質的に同じ結果が得られる。
融点:104〜105.5℃得られる2,5−ジクロロ─3’─ニトロベンゾフェノンについてのデータ:1H−NMR(DMSO−d4 、TMS):δ=7.69(dd、1H、J=0.70Hz、J=8.54Hz、Ar−3)(G)
7.72(dd、1H、J=2.16Hz、J=8.54Hz、Ar−4)(F)
7.77(dd、1H、J=0.70Hz、J=2.16Hz、Ar−6)(E)
7.88(ddd、1H、J=0.48Hz、J=8.3Hz、J=7.74Hz、Ar−5')(D)
8.14(ddd、1H、J=1.71Hz、J=1.15Hz、J=7.74Hz、Ar−6')(C)
8.44(ddd、1H、J=0.48Hz、J=1.71Hz、J=2.39Hz、Ar−2')(B)
8.55(ddd、1H、J=1.15Hz、J=2.39Hz、J=8.3Hz、Ar−4')(A)
MS:m/z(%)=50(16)、76(25)、93(7)、104(21)、109(15)、145(27)、150(78)、173(100)、175(69)、186(7)、214(3)、249(2)、295(85,M+ )、297(58)
実施例1231.4g(0.15モル)の3,4−ジクロロベンゾイル─クロライドを、15.1g (0.1モル)1,2,3,4−テトラフルオロベンゼンおよび33.3g (0.25モル)の塩化アルミニウムに添加しそしてこの混合物を攪拌下に還流する(95℃)。16時間後に反応混合物を200g の氷で加水分解し、2時間放置しそして100mlのメチル−第三ブチルエーテルで抽出処理する。有機相を減圧下に蒸発処理しそして残留物を蒸発させる(1mbar、155℃)。無色の粘性の油が留出しそして放置状態で固化し(融点:43.5℃〜48℃)、28.6g の粗生成物(89% 、GCによる生成物含有量:91% 、異性体生成物3〜4% )、21.2g (65.5モル、66% )の精製3’,4’−ジクロロ−2,3,4,5−テトラフルオロベンゾフェノンが得られる。
【0050】得られる3’,4’−ジクロロ−2,3,4,5−テトラフルオロベンゾフェノンについてのデータ:1H−NMR(DMSO−d4 、TMS):δ=7.70(m、1H、Ar−6
7.80(dd、J=8.4Hz(H−5’)、J=2.0Hz、Ar−6'
7.86(dd、J=8.4Hz(H−6’)、Ar−5'
8.00(dd、J=2.0Hz、J=0.4Hz、Ar−2'
19F−NMR(DMSO−d4 、CFCl3 ):δ=−137.9(m、1F、Ar−2,5
−138.0(m、1F、Ar−5,2
−150.6(m、1F、Ar−4
−154.1(m、1F、Ar−3
MS:m/z(%)=75(20)、99(31)、109(22)、145(35)、147(27)、149(40)、173(100)、175(72)、177(83)、204(3)、224(8)、287(12)、322(95,M+ )、324(70)
実施例1333.4g (0.25モル)の塩化アルミニウムを100mlの二硫化炭素中に入れる。75mlの二硫化炭素に46.8g (0.237モル)の2−クロロ−4−ブロモチオフェンおよび35.1g (0.25モル)のベンゾイルクロライドを溶解した溶液を、得られる懸濁液に15〜25℃で3時間に亘って滴加する。次にこの混合物を室温で2.5時間攪拌し、その後にガス発生が殆ど完全に終了する。反応混合物を、100mlのジクロロメタンと200g の氷との攪拌混合物中に注ぎ込み、相分離しそして溶剤を有機相から留去する。残留物を3Torr/175℃の減圧下に蒸発処理して66.0g (0.219モル、88%)の帯黄褐色の非常に粘性の油(GCによる含有量:95% )が得られる。34.1g (0.25モル)の塩化亜鉛および/または100g の1,2−ジクロロエタンを溶剤として使用して同様の結果を得る。
【0051】得られる2−〔5−クロロ−3−ブロモチエニル〕フェニルケトンについてのデータ:1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=6.99(s、1H、Ar−4
7.48(tm、2H、Ar−3',5'
7.60(tm、1H、Ar−4'
8.00(tm、2H、Ar−2',6'
MS:m/z(%)=51(31)、77(62)、81(13)、105(100)、116(11)、158(8)、197(4)、221(40)、223(46)、225(43)、274(4)、300(66,M+ )、302(93)、304(28)
実施例14367g(2.5モル)の1,2−ジクロロベンゼンおよび166.6g (1.25モル)の塩化アルミニウムを110℃に加熱する。79.3g (0.5モル)の4−フルオロベンゾイル─クロライドを、この温度で1時間に亘って滴加しそしてこの混合物を次に100℃で1時間攪拌する。120℃で更に2時間後に、これを600g の氷に注ぎ、相分離し、有機相をNa2 CO3 溶液で洗浄しそして次にジクロロベンゼンの一部を留去する。残留物を60℃で石油エーテルにて希釈しそして沈澱析出する生成物を吸引濾過して、92〜93℃の融点の無色の固体として91.7g (0.34モル、68% )の3,4−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノンが得られる。異性体含有量は約0.4% である(NMR)。
【0052】得られる3,4−ジクロロ−4’−フルオロベンゾフェノンについてのデータ:1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=6.53(tm、2H、Ar−3',5'
6.92(d、1H、Ar−5
6.93(d、1H、Ar−6
7.16(dd(cm)、2H、Ar−2',6'
7.20(dd、1H、Ar−2
19F−NMR(CDCl3 、CFCl3 ):δ=−105.16(dddd、1F、Ar−4'
13C−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=115.88(Ar−C3',5' 、J=21.7Hz)、128.92、130.61、131.72、132.62(J=9.30Hz)、133.06(J=2.94Hz)、133.22、137.19、137.24、165.78(Ar−C4'、J=255.86Hz)、192.73(Ar−O−Ar)
MS:m/z(%)=50(5)、75(25)、95(40)、109(11)、123(100)、145(13)、147(9)、173(25)、175(17)、204(1)、233(9)、268(44,M+ )、270(31)
実施例1550g(0.34モル)の1,4−ジクロロベンゼンを60℃に加熱する。40g (0.3モル)の塩化アルミニウムを次に導入しそしてその混合物を100℃に加熱する。24g (0.1モル)の2−ブロモ−5−フルオロベンゾイル─クロライドを30分の間に110〜120℃で滴加しそして混合物を続いて110℃で30分攪拌する。この混合物を氷/水/トルエン(100/100/100g )中に注ぎ込みそして有機相を炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。トルエンおよびジクロロベンゼンを留去し、ジクロロメタンを添加しそして残留物を蒸留処理する。30g の生成物(86% )が得られる。このものを更に石油エーテルと一緒に攪拌して精製する。86.5℃の融点の26g (74.7ミリモル、75% )の2,5−ジクロロ−2’−ブロモ−5’−フルオロベンゾフェノンが、以下のデータを示す僅かに帯黄色の固体として得られる:19F−NMR(DMSO−d4 、CFCl3 ):δ=−113.34(ddd、1F、J=4.9Hz、J=8.0Hz、J=8.5Hz、Ar−5'
13C−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=114.42(J=3.36Hz、Ar−C2 )、118.08(J=25.43Hz、Ar−C6')、120.63(J=23.74Hz、Ar−C4')、130.48(Ar−C5 )、130.75(Ar−C3 )、132.32(Ar−C2 )、132.60(Ar−C6 )、133.42(Ar−C4 )、135.80(J=7.82Hz、Ar−C3')、137.5(Ar−C1 )、140.28(J=6.59Hz、Ar−C1')、161.24(J=246.71Hz、Ar−C5')、191.58(J=1.74Hz、Ar−O−Ar)
MS:m/z(%)=74(26)、94(43)、109(23)、145(27)、147(19)、173(100)、175(76)、201(63)、203(67)、232(10)、267(58)、269(37)、313(2)、346(56)、348(99.6、M+ )、350(50)
1H−NMR〔DMSO−d4 、TMS、ppm〕:δ=7.42(ddd、1H、J=約0.6Hz、J=3.1Hz、J=8.5Hz、Ar−4'
7.48(ddd、1H、J=約3.0Hz、J=8.7Hz、Ar−4
7.63(dd、1H、J=約0.6Hz、J=2.4Hz、Ar−3 )7.65(m、1H、Ar−6
7.72(dd、1H、J=2.5Hz、J=8.0Hz、Ar−3'
7.81(ddd、1H、J=4.9Hz、J=7.4Hz、Ar−6'
実施例16308g(1.87モル、220ml)の2,4−ジクロロフルオロベンゼンおよび267g (2モル)の塩化アルミニウムを140℃に加熱する。158g(1モル)の4−メチルベンゾイル─クロライドを次に1時間に亘って滴加しそしてこの混合物を次に140〜150℃で7.5時間攪拌する。得られる混合物を氷/水/ジクロロメタン(300/300/300g )で分解し、有機相をNaHCO3 水溶液で二度洗浄しそして若干の活性炭の添加下にMgSO4 で乾燥しそして溶剤を200mbarおよび170℃のボトム温度にて除く(111〜115℃で留出する)。残留物を二倍量のメタノールと混合しそしてその混合物を冷却して3種の結晶フラクションで、以下のデータを示す僅かに帯黄色の結晶として141.0g (50% 、0.495モル)の2,4−ジクロロ−5−フルオロ−4’−メチルベンゾフェノンを得る:融点:70〜72℃19F−NMR(DMSO−d6 、CFCl3 ):δ=−116.4(dd、1F、J=8.9Hz、J=6.5Hz、Ar−5'
1H−NMR(DMSO−d6 、TMS):δ=2.40(s、3H、Ar−C3 (p))
7.37(d、2H、Ar−6',2'
7.67(d、2H、Ar−3',5'
7.71(dd、1H、J=0.2Hz、J=8.9Hz、Ar−6
7.97(dd、1H、J=0.2Hz、J=6.5Hz、Ar−3
MS:m/z(%)=65(17)、91(33)、119(100)、128(5)、163(9)、183(6)、191(11)、217(1)、247(2)、282(40,M+ )、284(29)
1H−NMR(CDCl3 、TMS):δ=2.43(s、Ar−C3
7.17(dd、1H、J=0.26Hz、J=8.27Hz、Ar−6
7.28(m、2H、Ar−3',5'
7.52(dd、2H、J=0.31Hz、J=6.27Hz、Ar−3
7.69(m、2H、Ar−2',6'
19F−NMR(CDCl3 /ppm):δ=−116.96(dd、1F、J=6.25Hz、J=8.15Hz、Ar−5
13C−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=21.82(Ar−CH3 )、117.09( 2CF=23.79Hz、Ar−C6 )、123.65( 2CF=18.93Hz、Ar−C4 )、126.92( 2CF=4.25Hz、Ar−C2 )、129.63(Ar−C2',6' )、130.27(Ar−C3',5' )、131.87(Ar−C3 )、133.40(Ar−C1')、138.80( 3CF=5.39Hz、Ar−C1 )、145.45(Ar−C4')、156.80( 1CF=252.41Hz、Ar−C5 )、192.38(Ar−O−Ar)
実施例17103g(0.7モル)の1,4−ジクロロベンゼンおよび92.1g (0.69モル)の塩化アルミニウムの混合物を70℃に加熱する。52.4g (0.23モル)の4−ブロモベンゾイル─クロライドをこの混合物に滴加しそして温度が同時に110℃に上昇する。13時間後にこの混合物を水/塩酸(20% 濃度)/トルエン(150/150/150g )で加水分解しそして有機相を水で洗浄する。トルエンおよび過剰のジクロロベンゼンを留去しそして残留物を短いVigreuxカラムで分別して、11Torr/216℃で42g (55% )の2,5−ジクロロ−4’−ブロモベンゾフェノンが得られる。純度は86% (GC)である。純粋な物質をメタノールで結晶化することによって得られる(融点83〜84℃)。
【0053】得られる2,5−ジクロロ−4’−ブロモベンゾフェノンについてのデータ:1H−NMR(DSMO−d6 、TMS):δ=7.65(m,2H,Ar−3,4
7.67(ddd,2H,Ar−3',5'
7.69(m,2H,Ar−6
7.79(ddd,2H,Ar−2',6'
MS:m/z(%)=50(18)、75(31)、109(14)、145(14)、155(22)、157(22)、173(30)、175(20)、183(93)、185(100)、214(3)、249(2)、295(2)、328(51)、330(78)、332(40)
実施例1815.5g(0.1モル)の4−メチルベンゾイル−クロライドを、50g (0.4モル)の3−クロロトルエンおよび26.7g (0.2モル)の塩化アルミニウムに20℃で(冷却状態で)滴加する。この混合物をこの温度で16時間攪拌しそして250g の氷で加水分解する(15分)。得られる混合物を150mlのメチル−第三ブチルエーテルで4回抽出処理しそして有機相をMgSO4で乾燥しそして蒸留して、無色の粘性油として18.4g (75.4ミリモル、75% )の粗生成物を得る。このものを再度蒸留して、96% の純度(GCによると、異性体混合物)の2,4’−ジメチル−4−クロロベンゾフェノン6.2g (25.4ミリモル、25% )が得られる。
【0054】2,4’−ジメチル−4−クロロベンゾフェノンについてのデータ:13C−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=19.79(Ar−CH3 (オルト))、21.68(Ar−CH3 (パラ))、125.42(H;7.22ppm、Ar−C5 )、129.30(H:7.25ppm、Ar−C3',5' )、129.77(H:7.24ppm、Ar−C6 )、130.22(H:7.69ppm、Ar−C2',6' )、130.92(H:7.28pm、(J=16.4Hz、J=0.91Hz、J=0.67Hz、Ar−C3 )、134.99(Ar−C1 )、135.91(Ar−C1')、137.36(Ar−C4 )、138.83(Ar−C2 )、144.36(Ar−C4')、197.14(Ar−O−Ar)
MS:m/z(%)=63(13.8)、65(20.6)、89(29.6)、91(30.7)、99(5.8)、119(23.9)、153(15.0)、165(9.1)、194(48.6)、208(19.4)、229(100)、231(37.2)、243(14.5)、244(12.2)
2,4’−ジメチル−4−クロロベンゾフェノン(異性体混合物)についてのデータ:nD 20=1.60042−クロロ−4,4’−ジメチルベンゾフェノンについてのデータ:13C−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=21.12(Ar−CH3 (C4))、21.73(Ar−CH3 (C4') )、127.37(H;7.15ppm、J=7.72Hz、J=1.58Hz、J=0.68Hz、Ar−C5 )、129.20(Ar−C6 、H:7.25ppm)、129.28(H:7.20ppm、Ar−C3',5' )、130.24(H:7.72ppm、Ar−C2',6' )、130.51(H:7.26ppm、Ar−C3 )、131.24(Ar−C2 )、134.44(Ar−C1 )、136.01(Ar−C1')、141.69(Ar−C4 )、144.48(Ar−C4')、194.96(Ar−O−Ar)
MS:m/z(%)=63(11)、65(17)、89(23)、91(29)、99(4)、119(100)、125(9)、153(40)、155(14)、165、178、209(6)、229(5)、244(53)、246(18)
1H−NMR(異性体混合物、CDCl3 、TMS、ppm):δ=2.30(br、Ar−CH3 )、2.40(br、Ar−CH3 )、2.41〜2.43(br、Ar−CH3 )、7.12〜7.17(m、J=0.68、J=1.58Hz、J=7.72Hz、Ar−H)、7.22〜7.29(m、J=0.67Hz、J=0.91Hz、J=1.64Hz、J=1.59Hz、Ar−H)、7.63〜7.73(m、Ar−H)
15.5g (0.1モル)のトルイル−クロライドを室温で、50g (0.45モル)の3−フルオロトルエンおよび26.7g (0.2モル)の塩化アルミニウムに滴加する(反応は30℃まで発熱反応である)。この混合物を20℃で更に16時間攪拌しそして上述の通り後処理する。22.6g (99.1ミリモル、99% )の暗色に残留物が残り、これを蒸留して帯黄色の油として11.3g (49.6ミリモル、50% )の2,4’−ジメチル−4−フルオロベンゾフェノンを得る。
【0055】2,4’−ジメチル−4−フルオロベンゾフェノンについてのデータ:19F−NMR〔CDCl3 /ppm〕:δ=−110.98(ddd、1F、J=5.9Hz、J=8.3Hz、J=9.8Hz、Ar−4
1H−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=6.92(m、1H、J=8.3Hz、J=3.0Hz、J=0.4Hz、Ar−H5 )、6.99(m、1H、J=2.56Hz、9.73Hz、Ar−H3 )、7.30(dd、1H、J=6.0Hz、J=8.34Hz、Ar−H6 )、7.25(dm、2H、Ar−H3',5' )、7.67(m、2H、Ar−H2',6'
MS:m/z(%)=63(7)、65(14)、83(15)、89(7)、91(23)、109(19)、119(17)、137(18)、165(3)、183(8)、196(6)、213(100)、227(18)、228(10)
4,4’−ジメチル−2−フルオロベンゾフェノンについてのデータ:19F−NMR〔CDCl3 、CFCl3 、ppm〕:δ=−112.32(ddtr、1F、J=10.8Hz、J=7.3Hz、J=1.3Hz、Ar−2
1H−NMR〔CDCl3 、TMS、ppm〕:δ=7.05、7.44、7.72MS:m/z(%)=63(9)、65(19)、83(17)、89(10)、91(33)、109(14)、119(100)、137(58)、138(5)、165(3)、183(5)、199(3)、213(18)、228(67)、229(10)
2,4’−ジメチル−4−フルオロベンゾフェノン(異性体含有量が少ない)についてのデータ:nD 20=1.5744実施例19この方法は、実施例1の前に示した一般的な作業処方に従って、4−ブロモフルオロベンゼン、アニソール−クロライドおよび塩化チタン(IV)を用いて実施する。以下のデータの2−ブロモ−5−フルオロ−4’−メトキシベンゾフェノンがこの様にして得られる:1H−NMR(DSMO−d6 、TMS):δ=3.86(s、3H、−OC3
7.08(cm、2H、Ar−3',5'
7.35(ddd、J=8.85Hz、J=8.44Hz、J=3.14Hz、Ar−4
7.41(dd、J=3.14Hz、J=8.50Hz、Ar−3
7.70(cm、2H、Ar−2',6'
7.78(dd、J=2.34Hz、J=9.41Hz、J=7.21Hz、Ar−6
19F−NMR(DSMO−d6 、CDCl3 ):δ=−113.51(dt(ddd)、1F、J=5.01Hz、J=8.44Hz、J=8.50Hz、Ar−5
MS:m/z(%)=64(8)、77(15)、92(14)、94(10)、107(10)、135(100)、157(8)、173(5)、175(5)、201(5)、229(3)、308(45)、310(48、M+
実施例2019.4g (0.1モル)の2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸を20℃で、17.8g (0.15モル)のチオニルクロライドおよび100g のクロロベンゼン中に導入する。得られるベージュ色に着色した溶液を130℃で3時間激しく還流し、次に過剰のチオニルクロライドおよび若干のクロロベンゼンを留去する(40g )。35.5g (0.25モル)の塩化アルミニウムを40℃で添加する。1時間後に橙褐色の反応混合物を300g の氷および15g の塩酸(30% )に注ぐ。沈降析出する油を分離し、水性相を50g のジクロロメタンで2度抽出処理しそして有機相をMgSO4 で乾燥する。21.8g のベージュ褐色の固体が溶剤の除去後に残る。これを水性エタノールで再結晶処理して、18.5g (64.2ミリモル、64% )の2,3,4,5−テトラフルオロ−4’−クロロベンゾフェノンが僅かに帯黄色の粉末として得られる。
【0056】得られる2,3,4,5−テトラフルオロ−4’−クロロベンゾフェノンについてのデータ:融点:65.5〜67℃MS:m/z(%)=50(10)、75(28)、99(20)、111(40)、113(14)、130(6)、139(100)、141(32)、149(21)、177(29)、205(2)、224(3)、253(6)、288(84)、290(29)
1H−NMR〔CDCl3 /ppm〕:δ=7.22(A)(dddd、1H、JAB=5.5Hz、JAC=9.33Hz、JAD=8.03Hz、JAE=2.65Hz、Ar−6
7.48(m、2H、Ar−H3'
7.74(m、2H、Ar−H6'
19F−NMR(CDCl3 /ppm):δ=−136.05(B)(dddt、1F,JAB=5.5Hz,JBC=13.35Hz、JBD=6.6Hz,JBE=21Hz、Ar−2
−137.12(C)(dddd、1F,JCD=21Hz,JAC=9.33Hz、JBC=13.35Hz,JCE=3.55Hz、Ar−5
−149.60(D)(dddd、1F,JAD=8.03Hz,JBD=6.6Hz、JCD=21Hz,JDE=19.3Hz、Ar−4
−153.36(E)(dddd、1F,JAE=2.65Hz,JBE=21Hz、JDE=19.3Hz,JCE=3.55Hz、Ar−3
実施例2138g (0.24モル)の4−フルオロベンゾイル−クロライドおよび40g(0.3モル)の塩化アルミニウムを300mlのCS2 中に入れそして25.9g (0.24モル)のアニソールを30℃で滴加する(45分)。この温度で2.5時間後に、混合物を氷水/希薄塩酸/ジクロロメタンにて加水分解しそして溶剤(ジクロロメタン/CS2 )を回転式蒸発器で除く。残留物をメタノールと15℃で攪拌しそして沈澱析出する固体を吸引濾過しそして石油エーテルで洗浄し(69.1g の湿った生成物)て、91.5〜92.5℃の融点の生成物32.6g (59% 、0.142モル)を得る。
MS:m/z(%)=64(8)、75(11)、77(15)、92(13)、95(24)、107(10)、123(21)、135(100)、159(4)、187(4)、199(9)、230(65、M+
1H−NMR〔DMSO−d6 、TMS、ppm〕:δ=3.85(s、3H、Ar−OCH3 )7.09(m、2H、Ar−H3',5' )7.36(m、2H、Ar−H3,5 )7.74(m、2H、Ar−H2',6’)7.77(m、2H、Ar−H2,6
19F−NMR〔DMSO−d6 、CDCl3 、ppm〕:δ=−107.14(dddd、1F,J=14.4Hz,J=8.9Hz、J=5.6Hz,J=3.3Hz、Ar−4
塩素/弗素−交換(Halex)反応によってベンゾフェノン類を製造する為の一般的作業処方:以下に説明する反応変法は、興味の持たれる全ての本発明の化合物について実施することができそして有効な生成物収率をもたらす方法である。特にこの方法は、比較的に少ない過剰量の塩および比較的少量の触媒および溶剤である点で特別な化合物にとって更に最適であり得る。
A.溶剤を用いる変法(ジフェニルスルホン、一つの塩素原子の交換)
600g のジフェニルスルホン、15g のテトラフェニル−ホスホニウム−ブロマイド、43.5g (0.75モル)の弗化カリウム〔特に未反応化合物の場合には、46.4g (0.75モル)の弗化カリウム/弗化セシウム(9:1)〕および100g のキシレンを装置に入れそしてキシレンを常圧で完全に留去する。最後に留出するキシレンが未だ濡れている場合には、留出液にもはや濁りが見られなくなるまで新鮮なキシレンを添加する。装置を不活性ガス(アルゴン)でフラッシュ洗浄し、0.5モルのクロロベンゾフェノンを添加しそして混合物を220℃に加熱する。反応は一般に6〜8時間後に終了するが、ガスクロマトグラフィーによって反応を監視しそして転化が完了した時に反応を中止するのが有利である。300g の2−クロロトルエンを130℃で攪拌下に添加しそして塩を留去する。最初に2−クロロトルエンを簡単な蒸留によって母液から除きそして残留物を場合によっては減圧下に分別する。
【0057】二つの塩素原子を弗素原子に交換する場合には、溶剤、触媒および塩の使用量を二倍にしなければならない。
B.溶剤を用いない変法(一つの塩素原子を交換する)
43.5g (0.75モル)の弗化カリウム〔特に未反応化合物の場合には、46.4g (0.75モル)の弗化カリウム/弗化セシウム(9:1)〕および15g のテトラフェニル−ホスホニウム−ブロマイドを250g のキシレン中に入れそしてキシレンを、混合物が正に未だ攪拌可能なままである程度に留去する。0.5モルのクロロベンゾフェノンを次に添加しそして残りのキシレンを同時に留出しながら混合物を220℃に加熱する。反応はガスクロマトグラフィーによって監視しそして添加が完了した時に、一般に6〜8時間後に終了する。100g の2−クロロトルエンを130℃で添加しそして反応塩を留去しそして再び溶剤で洗浄する。2−クロロトルエンを母液から除きそして残留物を分別する。
【0058】二三の場合には、攪拌を保証する為に、最初に使用した一定の量の他に1モルのクロロベンゾフェノンを使用するのが有意義である。この場合には、過剰に使用したクロロベンゾフェノンは分別処理で回収する。二つの塩素原子を弗素原子に交換する場合には、溶剤、触媒および塩の使用量を二倍にしなければならない。
【0059】以下の化合物は上記の方法で製造できる化合物の例である:3−クロロ−4−フルオロベンゾフェノン(3,4−ジクロロベンゾフェノンから製造)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−ジクロロベンゾフェノンから製造)、2−クロロ−4−フルオロベンゾフェノン(2,4−ジクロロベンゾフェノンから製造)、2,4,4’−トリフルオロベンゾフェノン(4,4’−ジフルオロ−2−クロロベンゾフェノンから製造)、2−クロロ−4−フルオロ−4’−メチルベンゾフェノン(2,4−ジクロロ−4’−メチルベンゾフェノン)、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(2,2’,4,4’−テトラクロロベンゾフェノンから製造)、2,3−ジクロロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(2,3,4−トリクロロ−4’−フルオロベンゾフェノンから製造)。
【0060】2,2’−ジクロロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの為の別の処方(アシル化反応を経る):61g (0.5モル)の3−クロロフルオロベンゼンおよび200g (1.5モル)の塩化アルミニウムを200mlのCS2 に入れる。89.8g (0.465モル)の2−クロロ−4−フルオロベンゾイル−クロライドを次にゆっくりと35〜41℃で滴加する。塩化水素の発生が終了した時に、混合物を氷、ジクロロメタンおよび希薄塩酸を用いて分解する。CS2 およびジクロロメタンを次に有機相から水蒸気蒸留により留去して72g の粗生成物を得る。これを蒸留して、54g の81% 純度の生成物を得る。このものを少量のメタノールで三度再結晶処理して、97.8% の純度(GC)の生成物を得る。
【0061】得られる2,2’−ジクロロ−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンについてのデータ:融点:46.5〜47.5℃1H−NMR〔CDCl3 /ppm〕:δ=7.08(C)(ddd、2H、JBC=2.44Hz、JCD=8.48Hz、JAC=8.68Hz、Ar−5
7.19(B)(ddd、2H、JBC=2.44Hz、JBD=7.70Hz、JAB=0.25Hz、Ar−3
7.56(B)(ddd、2H、JAC=8.68Hz、JAD=6.0Hz:JAB=0.25Hz、Ar−6
19F−NMR〔CDCl3 /ppm〕:δ=−105.77(D)(ddd、2F,JBD=7.70Hz,JAD=6.0、JCD=8.48Hz、Ar−4
MS:m/z(%)=50(5)、63(3)、48(4)、74(7)、93(12)、94(14)、109(10)、111(5)、129(34)、131(11)、157(100)、158(34)、188(5)、222(0.7)、286(31、M+ )、288(21)、290(4)
塩素/弗素−交換(Halex)反応によって本発明に従いベンゾフェノンを製造する各実施例22および23:実施例22140g のジフェニルスルホン中の5g のテトラフェニル−ホスホニウム−ブロマイドおよび8.13g (0.14モル)の弗化カリウムを、50g のキシレンと一緒に共沸蒸留する。24.4g (0.1モル)の2,4’−ジメチル−4−クロロベンゾフェノン(純度55% )を、得られる混合物にアルゴン雰囲気で添加しそしてこの混合物を225℃に加熱する。反応をガスクロマトグラフィーで監視しそして90% の転化率で中止する。2,4’−ジメチル−4−クロロベンゾフェノン、2,4’−ジメチル−4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチル−2−クロロベンゾフェノンおよび少量のジフェニルスルホンの混合物約50g を留去しそして正確な分別に委ねて、7.8g (34.2ミリモル、出発化合物の異性体含有量に関して62% )の2,4’−ジメチル−4−フルオロベンゾフェノンを帯黄色油として得る。
【0062】この化合物も実施例19で説明した様に、3−フルオロトルエンの反応(アシル化反応)によって得ることができる。
実施例233.1g のテトラフェニル−ホスホニウム−ブロマイドおよび15.5g (0.25モル)の弗化カリウム/弗化セシウム(9:1)を、350g の1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンに添加しそして60g の溶剤を減圧下に155℃で留去する。この混合物を215℃に加熱しそして33.6g (0.125モル)の2,4−ジクロロ−5−フルオロベンゾフェノン(異性体含有量11%)を添加する。この混合物を2.5時間、アルゴン雰囲気で攪拌しそして塩(18.9g 、湿っている、僅かに褐色)を次に熱い状態で留去する。溶剤の全てを減圧下に留去しそして残る残留物を短い充填塔で分別して、17.7g (70.2ミリモル、56% )の94% 純度2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾフェノンを黄色の油として得る。この油は若干時間後に固化する。
【0063】反応を1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン中の替わりに溶剤としてのジフェニルスルホン中で220℃で実施しそして9.8g の弗化カリウムだけを弗化セシウムなしに使用する場合には、反応時間は6〜8時間である。この場合には全ての2,4−ジクロロ−5−フルオロベンゾフェノンが転化され、その結果2,6−ジクロロ−3−フルオロベンゾフェノンが未転化で残りそして単離することができる。反応時間を増やした場合(14時間)には、2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾフェノンの約30% を2,4,5−トリフルオロベンゾフェノンに転化することができる。この反応混合物を分別によって分離する。
【0064】スルホランを溶剤として使用する場合──その他の作業は上述の通り──には、主として脱ハロゲン化された生成物が得られる。適当に過剰量使用することによって3,4−ジフルオロベンゾフェノンが得られる。
【0065】得られる2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾフェノンについてのデータ:融点:65.6℃1H−NMR(DSMO−d6 、TMS):δ=7.57(t(m)、2H、Ar−3'
7.73(t(m)、1H、Ar−4'
7.77(d(m)、1H、Ar−6')(B)(JAB=0.2Hz、JBC=8.2Hz、JBD=10.3Hz)
7.90(dd(d)、1H、Ar−3')(B)(JAB=0.2Hz、JAC=10.5Hz、JAD=7.0Hz)
19F−NMR(DSMO−d6 、CFCl3 ):δ=−132.6(ddd、1F、JBC=8.2Hz、JAC=10.5Hz、JCD=20.3Hz、Ar−4
−138.1(dd、1F、JAD=7.0Hz、JBD=10.3Hz、JCD=20.3Hz、Ar−5
MS:m/z(%)=51(26)、77(50)、97(9)、105(100)、112(11)、147(21)、149(8)、175(39)、177(14)、188(8)、217(4)、252(69、M+ )、254(25)
2,4,5−トリフルオロベンゾフェノン:沸点:3Torr/115℃1H−NMR(DSMO−d6 、TMS):δ=7.55(t(m)、2H、Ar−3',5' )(E)
7.73(t(m)、1H、Ar−3 )(D)
7.74(d(m)、2H、Ar−4')(C)(JCF=6.5Hz、JCG=8.9Hz、JCH=10.2Hz)
7.77(dd(d)、1H、Ar−6 )(B)(JBF=9.3Hz、JBG=10.9Hz、JBH=6.4Hz)
7.80(dd(d)、2H、Ar−2',6' )(A)
19F−NMR(DSMO−d6 、CFCl3 ):δ=−113.1(ddddd、1F、JAF=約1Hz、JCF=6.5Hz、JCF=6.6Hz、JBF=9.3Hz、JFH=15.8Hz、Ar−2 )(F)
−128.8(dddd、1F、JBG=10.9Hz、JCG=8.9Hz、JFG=6.6Hz、JHG=22.3Hz、Ar−4 )(G)
−141.7(dddd、1F、JBH=6.4Hz、JCH=10.2Hz、JFG=15.8Hz、JBH=22.3Hz、Ar−5 )(H)
MS:m/z(%)=50(11)、51(29)、77(58)、81(25)、105(100)、131(30)、159(55)、188(3)、216(5)、236(93、M+ )、237(14)
3,4−ジフルオロベンゾフェノンについてのデータ:MS:m/z(%)=49(9)、51(22)、63(19)、77(48)、95(5)、105(97)、113(45)、141(57)、188(8)、198(4)、218(M+ 、100)、219(16)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式
【化1】


〔式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は水素原子、弗素原子、塩素原子または臭素原子であり、但し置換基R1 〜R5 の少なくとも一つは水素原子でなく、そしてR6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は水素原子、弗素原子、塩素原子または臭素原子、ニトロ、C1 〜C4 −アルキル−またはC1 〜C4 −アルコキシ基または、弗素原子、塩素原子または臭素原子またはニトロ、C1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ、−CF3 、−CHO、−CO−フェニル、−SO2 −フェニル、−CO−C1 〜C4 −アルキル、−CO−C1 〜C4 −アルコキシまたは−SO2 −C1 〜C4 −アルキルで置換されていてもよいフェニル−または−ナフチル基であり、その際に置換基R6 〜R10の3個まではC1 〜C4 −アルキル基、C1 〜C4 −アルコキシ基または上述のアリール基であってもよくそして置換基R6 〜R10の最高で1つがニトロ基でありそしてR6 〜R10のハロゲン原子およびニトロ基の数──R6 〜R10のC1 〜C4 −アルキル−、C1 〜C4 −アルコキシ−およびアリール基の数が減じられている──はR1 〜R5 のハロゲン原子の数より少なくとも1つ少ない。〕で表されるハロゲン化非対称ベンゾフェノン。
【請求項2】 式
【化2】


で表される化合物。
【請求項3】 式
【化3】


で表される化合物。
【請求項4】 式
【化4】


で表される化合物。
【請求項5】 式
【化5】


で表される化合物。
【請求項6】 式
【化6】


で表される化合物。
【請求項7】 一般式(1)
【化7】


〔式中、置換基R1 〜R5 の少なくとも一つは水素原子でないという条件のもとで、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は水素原子、弗素原子、塩素原子または臭素原子でありそしてR6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は水素原子、弗素原子、塩素原子または臭素原子、ニトロ、C1 〜C4 −アルキル−またはC1〜C4 −アルコキシ基または、弗素原子、塩素原子または臭素原子またはニトロ、C1 〜C4 −アルキル、−CF3 、−CHO、−CO−フェニル、−SO2 −フェニル、−CO−C1 〜C4 −アルキルまたは−CO−C1 〜C4 −アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル−または−ナフチル基であり、その際に置換基R6 〜R10の3個まではC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ基または上述のアリール基であってもよくそして置換基R6 〜R10の最高で1つがニトロ基であってもよいという条件のもとで、置換基R6 〜R10のハロゲン原子およびニトロ基の数──置換基R6 〜R10のC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ基およびアリール基の数が減じられている──はR1 〜R5 のハロゲン原子の数より少なくとも1つ少ない。〕で表されるハロゲン化非対称ベンゾフェノンを製造するに当たって、1モルの一般式(2)
【化8】


〔式中、置換基R1 〜R5 の少なくとも一つは上記ハロゲン原子の1種であるという条件のもとで、R1 ,R2 ,R3 ,R4 およびR5 は水素原子、塩素原子、弗素原子または臭素原子である。〕で表されるハロゲン化ベンゼンを約1モル〜約5モルの一般式(3)
【化9】


〔式中、Halは弗素原子、塩素原子または臭素原子でありそして、置換基R6〜R10の3個まではC1 〜C4 −アルキル、C1 〜C4 −アルコキシ基または上述のアリール基であってもよくそして置換基R6 〜R10の最高一つがニトロ基であってもよいという条件のもとで、R6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は上に定義した通りでありそしてR6 〜R10のハロゲン原子およびニトロ基の数──R6 〜R10のC1 〜C4 −アルキル−、C1 〜C4 −アルコキシ−およびアリール基の数が減じられている──はR1 〜R5 のハロゲン原子の数より少なくとも1つ少ないという条件のもとで、R6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10は上で定義した通りである。〕で表されるベンゾイルハロゲン化物と、アシル化触媒の存在下に約0℃〜約230℃の温度で、反応成分に対して不活性である有機溶剤の不存在または存在下に反応させそして場合によっては、置換基R1 〜R10の少なくとも1つが塩素原子であるという条件のもとで、得られる上記式(1)のベンゾフェノン類が、場合によってはそれの中間単離後に、交換するべき塩素原子当たり約1〜約2.5モルの弗化カリウム、─ルビジウムまたは─セシウムまたはそれらの混合物と約120〜約280℃の温度で相転移触媒の不存在または存在下におよび双極性の非プロトン性溶剤の不存在または存在下に反応させることを特徴とする、上記方法。
【請求項8】 アシル化を約70℃〜約150℃の温度で実施する請求項7に記載の方法。
【請求項9】 アシル化触媒として塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化アンチモン(V) 、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化チタン(IV) 、三弗化硼素、塩化錫(IV)、塩化ビスマス(III) 、塩化亜鉛、塩化水銀(II)、弗化水素酸、硫酸、ポリリン酸、p-トルエンスルホン酸または弗化アルカンスルホン酸を使用する請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】 三塩化アルミニウムをアシル化触媒として使用する請求項7〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】 アシル化を不活性有機溶剤としてのニトロベンゼン、二硫化炭素、ジクロロメタンまたは1,2−ジクロロエタン中で実施する請求項7〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】 アシル化触媒を、使用するベンゾイルハロゲン化物を基準として約100〜約500モル%の量で使用する請求項7〜11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】 アシル化触媒を、使用するベンゾイルハロゲン化物を基準として約200〜約300モル%の量で使用する請求項7〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】 微量の金属の混ざった粘土材料をアシル化触媒として用いる請求項7〜13項の何れか一つに記載の方法。
【請求項15】 微量の金属の混ざった粘土材料を、使用したベンゾイルハロゲン化物を基準として約2〜約100重量%の量で使用する請求項7、8、11および14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】 微量の金属の混ざった粘土材料を使用したベンゾイルハロゲン化物を基準として約10〜約30重量%の量で使用する請求項7、8、11、14および15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】 アシル化反応を約140〜約220℃の温度で微量の金属の混ざった粘土材料の存在下に実施する請求項7、8、11、14、15および16のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】 相転移触媒として第四アンモニウム─またはホスホンニウム化合物を使用する請求項7〜17の何れか一つに記載の方法。
【請求項19】 相転移触媒としてテトラ−C1 〜C18─アルキルアンモニウム−クロライド、−ブロマイドまたは−フルオライド、テトラ−C1 〜C18−アルキルホスホニウム−クロライドまたは−ブロマイド、テトラフェニルホスホニウム−クロライドまたは−ブロマイドまたはまたは((フェニル)m (C1 〜C18─アルキル)n −ホスホニウム─クロライドまたは─ブロマイド──但し、m=1〜3、n=4〜1でありそしてm+n=4である──を使用する請求項7〜18の何れか一つに記載の方法。
【請求項20】 相転移触媒をハロゲン化ベンゾフェノンを基準として約0.01〜約50モル%の量で使用する請求項7〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】 相転移触媒をハロゲン化ベンゾフェノンを基準として約0.5 〜約10モル%の量で使用する請求項7〜20のいずれか一つに記載の方法。
【請求項22】 相転移触媒をハロゲン化ベンゾフェノンを基準として約1〜約5モル% の量で使用する請求項7〜21の何れか一つに記載の方法。
【請求項23】 相転移触媒として約4〜150のグリコール単位を持つオリゴエチレン−またはポリエチレン−グリコールジメチルエーテルを使用する請求項7〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項24】 相転移触媒として約3〜約25のグリコール単位を持つオリゴエチレン−またはポリエチレン−グリコールジメチルエーテルを使用する請求項7〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】 相転移触媒としてオリゴエチレン−またはポリエチレン−グリコールジメチルエーテルを、反応塩の使用重量を基準として約0.5重量%〜約200重量%の量で使用する請求項7〜17、23および24のいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】 オリゴエチレン−またはポリエチレン−グリコールジメチルエーテルを、弗化塩の使用重量を基準として約5重量%〜約100重量%の量で使用する請求項7〜17および23〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項27】 オリゴエチレン−またはポリエチレン−グリコールジメチルエーテルを、弗化塩の使用重量を基準として約10重量%〜約50重量%の量で使用する請求項7〜17および23〜26のいずれか一つに記載の方法。
【請求項28】 反応を大気圧、過圧または減圧のもとで実施する請求項7〜27のいずれか一つに記載の方法。
【請求項29】 第四アンモニウム−またはホスホニウム塩とポリエチレン−グリコール−ジメチルエーテルとの混合物を相転移触媒として使用する請求項7〜17のいずれか一つに記載の方法。

【公開番号】特開平6−263686
【公開日】平成6年(1994)9月20日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−296989
【出願日】平成5年(1993)11月26日
【出願人】(590000145)ヘキスト・アクチェンゲゼルシャフト (15)