説明

新規微生物、マガキ餌料用の該新規微生物および該新規微生物を用いたマガキの養殖方法

【課題】新規微生物、マガキ餌料用の該新規微生物および該新規微生物を用いたマガキの養殖方法を提供する。
【解決手段】パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株(以下、パブロバ エスピーJPCC42Dと略記)、および殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖に用いるパブロバ エスピーJPCC42D、ならびにパブロバ エスピーJPCC42Dを単独でまたはキートセラス カリストランス(Chaetoceros calcitrans)と混合して用いる殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法。前記混合物中に占めるパブロバ エスピーJPCC42Dの量は1/4〜3/4であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パブロバ目に属する新規微生物であるパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株、マガキ餌料用の該新規株、該新規株を用いたマガキの養殖方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二枚貝をはじめとする魚介類の養殖においては、その種類に応じて種々の養殖用餌料が用いられているが、一般的に、養殖に要するコストに占める割合は餌料代が最も高く、低コストで魚介類の養殖を行うためには、養殖のごく初期の段階から、安価かつ成長促進効果の高い餌料を選択して用いることが重要である。
このような中、マガキ(Grassostrea gigas、以下、マガキと略記)の養殖においては、珪藻類であるキートセラス カリストランス(Chaetoceros calcitrans)が餌料として一般的に良く用いられ(特許文献1参照)、特にマガキの孵化直後においては、キートセラス カリストランスと海洋微細藻類の一種であるパブロバ ルテリ(Pavlova lutheri、以下、パブロバ ルテリと略記)との混合餌料が用いられることがある。
【特許文献1】特開平6−105658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記餌料を用いて養殖を行っても、マガキの成長促進効果は十分満足できるものではなく、従来とは異なるマガキ養殖用餌料の開発が望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、新規微生物、マガキ餌料用の該新規微生物および該新規微生物を用いたマガキの養殖方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表されるパブロバ目に属する藻類である。
【0006】
請求項3に記載の発明は、殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖に用いるパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株である。
【0007】
請求項4に記載の発明は、18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表される塩基配列と96%以上の相同性を有し、殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖に用いるパブロバ目に属する藻類である。
【0008】
請求項5に記載の発明は、パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株を用いる殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法である。
【0009】
請求項6に記載の発明は、パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株とキートセラス カリストランス(Chaetoceros calcitrans)との混合物を用いる殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法である。
【0010】
請求項7に記載の発明は、前記混合物中に占めるパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株の量が1/4〜3/4である請求項4に記載の殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、新規株であるパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株を提供でき、さらに、該新規株を単独でまたはキートセラス カリストランス(Chaetoceros calcitrans)と混合してマガキ養殖の餌料として用いることで、マガキの成長促進効果を高め、良質なマガキを低コストで養殖することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株(以下、パブロバ エスピーJPCC42Dと略記する)は、淡水や陸上にも見られるが、主に海水中に微細浮遊生物として見出される。そして後述の実施例に示すように、海水中より採取したサンプルを培養および単菌化することで得られる。
【0013】
本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターへ寄託手続きを行い、平成17年10月31日付けで受領番号FERM AP−20704として受領されたが、「混在菌による汚染が確認されたため」との理由により受託証不交付となった。そして現在、本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、電源開発株式会社において、分譲可能な状態で保存されている。
【0014】
本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、後述の実施例で述べるように、18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表される塩基配列を有する。また、本発明は、18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表されるパブロバ目に属する藻類、18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表される塩基配列と96%以上の相同性を有し、殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖に用いるパブロバ目に属する藻類を含む。
【0015】
(培養的性質)
パブロバ エスピーJPCC42Dの培養的性質は以下に示す通りである。すなわち、パブロバ エスピーJPCC42Dは、肉汁寒天平板培養、肉汁液体培養、肉汁ゼラチン穿刺培養、リトマス・ミルクのいずれにおいても生育させることはできず、以下に示す組成の人工合成培地にて培養することができる。
培地組成;硝酸ナトリウム200mg/ml、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミンB12 0.0015mg/l、NaEDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.0072mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸ナトリウム五水和物0.0016mg/l、人工海水(千寿製薬株式会社製)37g/lの液体培地
なお、前記組成の培地に、例えば、粉末寒天12g/lを添加し作製した寒天培地を用いることもできる。
【0016】
培地のpHは7.9が好ましく、培地を滅菌前にpH調整する。培地の滅菌条件は、オートクレーブで121℃、10分間であることが好ましい。
また、パブロバ エスピーJPCC42Dは好気性であり、培養方法は通気・撹拌培養が好ましい。この時の通気量は2L/分程度が好ましい。
さらに、パブロバ エスピーJPCC42Dは海洋微細藻類であり光要求性を有するため、培養中は照度6000lux程度の光照射が必要である。ただし、明暗周期は不要である。
また、培養温度は25℃程度であることが好ましく、以上のような条件下で6日間培養することにより、パブロバ エスピーJPCC42Dを良好に生育させることができる。
【0017】
パブロバ エスピーJPCC42Dは、前記条件にて6日間培養後に植え継ぎを行うことで継代培養することができる。
また、パブロバ エスピーJPCC42Dの保管は、凍結乾燥法、L−乾燥法および凍結法(−80℃程度)のいずれも適さないため、前記組成の液体培地を用いてウェルプレートにより、約1ヶ月の間隔で適宜植え継ぎを行うことで保管する。保管中は、前記条件にて静置培養にて、200lux程度の光照射を行う。保管温度は25℃程度が好ましい。
【0018】
本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、殻高1.5mm以上のマガキの養殖において餌料として用いることができる。ここで殻高とは、稚貝の貝殻における蝶番から先端までの長さを指す。すなわち、パブロバ エスピーJPCC42Dは、孵化直後ではなく孵化から所定の生育期間を経過したマガキの稚貝に対する餌料として好適に用いることができる。この時用いるマガキの大きさは、殻高1.5mm以上のものであれば特に限定されないが、殻高1.5mm〜6.5mmのものであることが好ましい。ただし、本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、特に後述のように他の海洋微細藻類との混合餌料として用いた場合には、稚貝の生育を促進させる効果が高いことから、殻高が1.5mmを超えたらできるだけ早期に給餌を開始することがより好ましい。
【0019】
また、パブロバ エスピーJPCC42Dのマガキに対する餌料効果は、マガキの殻高の伸張および乾重量値の増加をもって確認することができる。ここで乾重量値とは、所定の条件により乾燥された軟体部を含めたマガキの重量を示す。
【0020】
マガキに対するパブロバ エスピーJPCC42Dの給餌方法は、単独給餌でも良いが、特定の他の海洋微細藻類との混合給餌が好ましい。
混合給餌の場合には、混合する対象の餌料は、マガキに対する餌料効果を有するものであれば特に限定されず、種々の海洋微細藻類等を用いることができるが、なかでもキートセラス カリストランス(Chaetoceros calcitrans、以下、キートセラス カリストランスと略記)であることが好ましい。
【0021】
このような混合餌料を用いる場合には、混合餌料中に占める本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dの量は、特に限定されないが、1/4〜3/4であることが好ましく、1/2であることがより好ましい。ここで、「量」とは、細胞数のことを示す。パブロバ エスピーJPCC42Dを1/2含有する混合餌料を用いてマガキの養殖を行うと、パブロバ エスピーJPCC42Dおよび混合対象である餌料をそれぞれ単独で給餌した場合よりも、マガキの生育をより促進させる相乗効果が得られ、特に混合する対象の餌料がキートセラス カリストランスの場合に有効である。
【0022】
給餌する際のパブロバ エスピーJPCC42Dの養殖水中における密度は特に限定されず、養殖水中におけるマガキの密度に応じて適宜選定すれば良い。具体的には、例えば、単独給餌の場合、養殖水中におけるマガキの密度が25〜150個/5000mlである場合には、パブロバ エスピーJPCC42Dの養殖水中における密度は、3〜12万細胞/mlであることが好ましい。混合給餌である場合には、混合餌料の密度を3〜12万細胞/mlとすればよく、したがって、パブロバ エスピーJPCC42Dの密度は、上記密度に混合餌料中の混合比率を乗じた値となる。なお、パブロバ エスピーJPCC42Dは単細胞藻類であるため、前記密度の単位「細胞/ml」は、「個/ml」と同義である。
【0023】
マガキに対するパブロバ エスピーJPCC42Dの給餌回数は特に限定されず、1回の給餌に供するパブロバ エスピーJPCC42Dの量に応じて適宜調整すれば良い。例えば、給餌する際のパブロバ エスピーJPCC42Dの養殖水中における密度が、前記の好ましい値である時は、給餌回数は1回/日で十分である。
【0024】
上記の点を除けば、パブロバ エスピーJPCC42Dを給餌する際の条件およびマガキ稚貝の養殖方法は、従来公知の条件および方法を適用すれば良い。
【0025】
一般的にパブロバ目の藻類は、環境変化の影響を受けやすく安定性に劣るため、長期の保存に適さないことが知られている。しかし、本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、冷暗所(例えば、4℃)において保存することで、良好な状態を維持できる。したがって、保存安定性の面でも、マガキ稚貝の餌料として好適に用いることができる。
【実施例】
【0026】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
(パブロバ エスピーJPCC42Dの獲得)
硝酸ナトリウム200mg/ml、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミンB12 0.0015mg/l、NaEDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.0072mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸ナトリウム五水和物0.0016mg/l、人工海水(千寿製薬株式会社製)37g/l、粉末寒天12g/lを添加し作製した寒天培地へ、2002年11月、北九州市若松区脇田海岸の海水から採取したサンプル100μlを添加しスクリーニングを行った。
【0028】
(形態的性質)
前記培地上で、25℃、20日間培養した結果、直径0.2mm程度の茶色の海洋微細藻類のコロニーが得られた。コロニーの形は点状で、隆起のない扁平状であった。周縁は全縁であり、表面はスムーズな形状であった。また、コロニーは不透明でバター様の粘稠度であった。
変異によるコロニー形態の変化は見られず、培養条件や生理的状態によるコロニー形態の変化も見られなかった。
【0029】
コロニーを形成している海洋微細藻類は、大きさが6〜8μmの単細胞藻類であり、黄褐色で二本の鞭型鞭毛とハプトネマを有していた。また、色素体としてクロロフィルa、c、cおよびcを有しており、管状クリステ型のミトコンドリアを有していた。
以上の性質から、得られた海洋微細藻類は、ハプト藻綱の藻類であると判断された。
さらに、得られた海洋微細藻類は、不等長の鞭毛を有し、長鞭毛が細毛(非管状毛)またはこぶ状鱗片で被われており、細胞が有機質または石灰化した鱗片で覆われていないことが確認された。これらの形態的性質はハプト藻綱パブロバ目の藻類に特有で、その他のハプト藻綱の藻類であるイソクリシス目、円石藻目およびプリムネシウム目には見られないことから、得られた海洋微細藻類は、ハプト藻綱パブロバ目に分類される藻類であると判断された。
【0030】
(塩基配列)
上記で得られた海洋微細藻類から、従来公知の方法に従ってキアゲンのキットを用いてDNAを抽出し、PCR(Polymerase Chain Reaction)法により、18Sr DNAの領域を増幅させてシーケンス解析を行い、18Sr DNAの領域の塩基配列を測定した。得られた18Sr DNAの塩基配列を配列番号1に示す。
【0031】
(系統解析)
得られた18S rDNAの塩基配列を、公共のデータベースである日本DNAデータバンク(DDBJ)と照合して相同性を検索し、系統解析を行った。その結果得られた系統樹を図7に示す。
その結果、得られた海洋微細藻類は、パブロバ目に分類され、しかも単独分岐していることから、新種の藻類であるパブロバ エスピーJPCC42Dであると判断された。
【0032】
(アミノ酸組成)
パブロバ エスピーJPCC42Dのアミノ酸組成について、トリプトファン以外のアミノ酸はアミノ酸自動分析法により、トリプトファンは高速液体クロマトグラフ法によりそれぞれ分析を行い、近縁種であるパブロバ ルテリと比較した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
(脂肪酸組成)
パブロバ エスピーJPCC42Dの脂肪酸組成について、ガスクロマトグラフ法により分析を行い、近縁種であるパブロバ ルテリと比較した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】

【0036】
(基礎成分組成)
パブロバ エスピーJPCC42Dの基礎成分組成を下記の方法により解析し、近縁種であるパブロバ ルテリと比較した。結果を図9に示す。
水分 常圧加熱乾燥法
粗タンパク質 ケルダール法
粗脂肪 ジエチルエーテル抽出法
粗繊維 静置法
粗灰分 直接灰化法
可溶無窒素物 全体収支から換算
総カロテン 高速液体クロマトグラフ法
α−カロテン 高速液体クロマトグラフ法
β−カロテン 高速液体クロマトグラフ法
総アスコルビン酸 高速液体クロマトグラフ法
【0037】
【表3】

【0038】
(実施例2)
(パブロバ エスピーJPCC42Dの餌料効果の確認)
実施例1で用いた採取サンプルを、前記培地を用いて25℃の条件下で7〜10日間静置培養を行い、茶、緑色のコロニーを形成する海洋微細藻類を獲得した。これらの海洋微細藻類を単菌化するため、1mlの前記成分を含む液体培地に海洋微細藻類を植菌し、静置培養を行い生育させ、増殖したものを新たに1mlの前記液体培地に植菌して生育させる操作を繰り返すことで、海洋微細藻類を単菌化した。その結果、得られた海洋微細藻類500株程度中に、パブロバ エスピーJPCC42Dが含まれていた。培養時のパブロバ エスピーJPCC42Dの増殖曲線を図1に示す。
【0039】
得られたパブロバ エスピーJPCC42Dを試験餌料区として、稚貝養殖に一般的に用いられる珪藻であるキートセラス カリストランス(日清マリンテック株式会社製)を対照餌料区として、餌料効果の比較検討を行った。
飼育稚貝には、殻高2〜6mm前後のマガキの着底稚貝を用いた。試験前の稚貝は、自然海水を流した状態で5日ほど無給餌により馴致して保存した。
【0040】
8l容量プラスチック水槽を、温度調整した飼育水5l(ここで飼育水とは、最終的に1μmのカートリッジで濾過した後、0.45μmのカートリッジで濾過した空気により十分曝気しながら、23℃に調整された海水を示す)で満たし、この水槽内に100個体の前記稚貝を載せたフィルタートレイを収容した。稚貝を載せたフィルタートレイは、水槽のほぼ中央の高さに位置するように設置した。各試験餌料区および対照餌料区では、1系列ごとに三つの水槽を用意し、稚貝の殻高値(成長率)は、三つの水槽中の稚貝の平均値により算出した。
【0041】
給餌は1日1回行い、毎日の給餌前に、あらかじめ餌料である海洋微細藻類の飼育水中における細胞密度を計測し、飼育水中へ海洋微細藻類を、細胞密度が5万細胞/mlとなるように調整して添加した。なおここで、細胞密度とは餌料密度のことを指し、これは他の実施例でも同様である。また、2日目以降は、まず各水槽の残餌量を計測し、各飼育水槽を洗浄済みの水槽と交換後に、温度調整した濾過海水で全換水後に給餌を行った。稚貝を載せたフィルタートレイは2日ごとに交換した。23℃の恒温飼育室内で14日間上記操作により稚貝を飼育し、飼育中は飼育水へ通気を行わなかった。
【0042】
稚貝生育状況による試験続行の可否については、各試験餌料区および対照餌料区の7日目の稚貝の殻高値により判断した。
【0043】
殻高成長率の計測および算出方法は以下の通りである。すなわち、各水槽で飼育している稚貝100個体のうち30個体について、蝶番から貝殻先端までの長さを殻高として実体顕微鏡下で計測した。計測は飼育0日目から開始し、原則として2日ごとに行った。飼育0日目の平均殻高に対する飼育日数ごとの平均殻高の増加分(%)を殻高成長率として算出し評価した。
【0044】
試験最終日までの殻高成長率は、キートセラス カリストランス試験餌料区では25.4±4.0%、パブロバ エスピーJPCC42D試験餌料区では18.6±3.9%と示された。
キートセラス カリストランスとパブロバ エスピーJPCC42Dとの間で、殻高成長率に有意差は示されなかったことから、パブロバ エスピーJPCC42Dは稚貝に対してキートセラス カリストランスと同等程度の餌料効果を有していることが確認された。
【0045】
(比較例1)
実施例2で述べた方法で海水中から獲得し単菌化した海洋微細藻類500株程度のうち、プリムネシウム ネマメテクム(Prymnesium nemamethecum)、ナンノクロリス マキュレイト(Nannochloris maculate)、パブロバ ギランス(Pavlova gyrans)を試験餌料区として、キートセラス カリストランス(日清マリンテック株式会社製)を対照餌料区として、実施例2と同様の方法で餌料効果の比較検討を行った。
その結果、前記試験餌料区の株はいずれも稚貝の生育に貢献することができず、餌料効果が示されなかった。
【0046】
(実施例3)
(マガキ稚貝のパブロバ エスピーJPCC42Dに対する嗜好性の確認)
実施例2で獲得し単菌化したパブロバ エスピーJPCC42Dを試験餌料区として、稚貝養殖に一般的に用いられる珪藻であるキートセラス カリストランス(日清マリンテック株式会社製)を対照餌料区として、マガキ稚貝の嗜好性の比較検討を行った。
【0047】
飼育稚貝には、殻高2〜6mm前後のマガキの着底稚貝を用いた。試験前の稚貝は、自然海水を流した状態で5日ほど無給餌により馴致して保存した。
【0048】
8l容量プラスチック水槽を、温度調整した飼育水5l(ここで飼育水とは、最終的に1μmのカートリッジで濾過した後、0.45μmのカートリッジで濾過した空気により十分曝気しながら、23℃に調整された海水を示す)で満たし、この水槽内に40個体の前記稚貝を載せたフィルタートレイを収容した。稚貝を載せたフィルタートレイは、水槽のほぼ中央の高さに位置するように設置した。各試験餌料区および対照餌料区では、1系列ごとに三つの水槽を用意し、稚貝の殻高値(成長率)は、三つの水槽中の稚貝の平均値により算出した。
【0049】
給餌は1日1回行い、毎日の給餌前に、あらかじめ餌料である海洋微細藻類の細胞密度を計測し、飼育水中へ海洋微細藻類を、細胞密度が10万細胞/mlとなるように調整して添加した。2日目以降は、各飼育水槽を洗浄済の水槽と交換後に、温度調整した濾過海水で全換水後に給餌を行った。稚貝を載せたフィルタートレイは2日ごとに交換した。23℃の恒温飼育室内で10日間上記操作により稚貝を飼育し、飼育中は飼育水へ通気を行わなかった。
【0050】
0〜24時間までの飼育時間経過による飼育水中の餌料密度の減少過程を把握するため、目的密度となるように調整した後の水槽中の餌料密度を測定した。経時による稚貝の摂餌量変化を確認するために、24時間後および2日目以降の残餌量計測を行った。試料のサンプリングは、水槽の飼育水を十分攪拌した後に実施した。餌料である海洋微細藻類は、稚貝の飼育中に飼育水槽内壁や水槽内機材への非特異的な吸着は見られず、餌料密度の減少は、餌料が飼育稚貝により取込まれたことによると考えられた。
【0051】
残餌量計測方法は以下の通りである。すなわち、(1)試料のサンプリングにはパスツールピペットを用い、水槽内からランダムに3〜5回サンプリングし、1つのエッペンチューブに採取した。(2)餌料である海洋微細藻類が有動である場合は、1%ホルマリンを容積当たり1%添加し動きを止めた。(3)エッペンチューブ内のサンプリングした試料について、残餌量を3回計測しその平均値を用いた。しかし、計測結果の誤差が大きい場合は、再度計測を行って測定精度を高めた。
【0052】
求められた残餌料の、飼育開始時の餌料に対する割合を算出して残餌率とし、該残餌率の経時変化をグラフにプロットしたものを図2に示す。図2より、給餌後の稚貝の餌料取り込みによる餌料密度の減少は、対照餌料区であるキートセラス カリストランスと試験餌料区であるパブロバ エスピーJPCC42Dとの間で大きな差は確認されなかったことから、稚貝はパブロバ エスピーJPCC42Dに対して、キートセラス カリストランスと同程度の嗜好性を示すことが確認された。
【0053】
(実施例4)
(パブロバ エスピーJPCC42Dの安定性の確認)
一般的にパブロバ目の藻類は、輸送等による環境変化の影響を受けやすく安定性に劣るため、供給餌料としては適さないとされてきた。そこでパブロバ エスピーJPCC42Dの安定性を以下の方法により確認した。すなわち、実施例2で獲得し単菌化したパブロバ エスピーJPCC42Dを用いて、培養の植継ぎ条件として200ml三角フラスコにおける通気培養を7日間、500ml扁平フラスコにおける通気培養を4日間、10l瓶における通気培養を5日間行い、細胞密度が500〜1000万細胞/mlの培養液を得た。該培養液10lを用いて、11000G、10分の条件で遠心分離を行い、細胞密度が1億細胞/mlになるまで濃縮し、該濃縮菌体液を冷暗所(4℃)で10日間保存して、この間の細胞密度を計測した。結果を図3に示す。
【0054】
図3に示すように、パブロバ エスピーJPCC42Dは、冷暗所(4℃)で10日間保存した場合でも、この間、細胞密度が殆ど低下することなく、細胞自体も良好な状態を維持できることから、餌料として十分な安定性を有していることが確認された。
【0055】
(実施例5)
(マガキ稚貝に対するパブロバ エスピーJPCC42Dの単独給餌および混合給餌試験)
実施例1で獲得し単菌化したパブロバ エスピーJPCC42D、およびパブロバ エスピーJPCC42Dの近縁種であるパブロバ ルテリ、稚貝養殖に一般的に用いられる珪藻であるキートセラス カリストランス(日清マリンテック株式会社製)を用いて、マガキ稚貝に対する単独給餌試験および混合給餌試験を行った。
【0056】
試験区は、単独給餌試験区としてキートセラス カリストランス試験区、パブロバ ルテリ試験区、パブロバ エスピーJPCC42D試験区、さらに各餌料を混合した混合給餌試験区として50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ エスピーJPCC42D試験区の5つを設定した。なお、ここで「%」とは「細胞個数(濃度)%」のことを指す。
【0057】
飼育稚貝には、殻高2〜6mm前後のマガキの着底稚貝を用いた。試験前の稚貝は、自然海水を流した状態で5日ほど無給餌により馴致して保存した。
【0058】
8l容量プラスチック水槽を、温度調整した飼育水5l(ここで飼育水とは、最終的に1μmのカートリッジで濾過した後、0.45μmのカートリッジで濾過した空気により十分曝気しながら、23℃に調整された海水を示す)で満たし、この水槽内に40個体の前記稚貝を載せたフィルタートレイを収容した。稚貝を載せたフィルタートレイは、水槽のほぼ中央の高さに位置するように設置した。各試験餌料区および対照餌料区では、1系列ごとに三つの水槽を用意し、稚貝の殻高値(成長率)は、三つの水槽中の稚貝の平均値により算出した。
【0059】
給餌は1日1回行い、毎日の給餌前に、あらかじめ餌料である海洋微細藻類の細胞密度を計測し、飼育水中へ海洋微細藻類を、細胞密度が10万細胞/mlとなるように調整して添加した。2日目以降は、各飼育水槽を洗浄済の水槽と交換後に、温度調整した濾過海水で全換水後に給餌を行った。稚貝を載せたフィルタートレイは2日ごとに交換した。23℃の恒温飼育室内で10日間上記操作により稚貝を飼育し、飼育中は飼育水へ通気を行わなかった。
【0060】
稚貝生育状況による試験続行の可否については、各試験餌料区および対照餌料区の7日目の稚貝の成長率により判断した。
【0061】
まず、単独給餌および混合給餌に対する稚貝の生残率を確認した。
稚貝の生残率の測定および算出方法は以下の通りである。すなわち、殻高計測時に開口して死亡した個体を取り除き、各水槽でその個体数について記録した。そして、この数値を用いて、飼育開始時の個体数に対する生残個体数の割合を算出し生残率とした。
【0062】
その結果、試験最終日までの各水槽での生残率は88〜100%の範囲にあり、餌料間で生残率に差は認められなかった。
【0063】
次に、単独給餌および混合給餌に対する稚貝の嗜好性を確認した。
0〜24時間までの飼育時間経過による飼育水中の餌料密度の減少過程を把握するため、目的密度となるように調整した後の水槽中の餌料密度を測定した。経時による稚貝の摂餌量変化を確認するために、24時間後および2日目以降の残餌量計測を行った。試料のサンプリングは、水槽の飼育水を十分攪拌した後に実施した。餌料である海洋微細藻類は、稚貝の飼育中に飼育水槽内壁や水槽内機材への非特異的な吸着は見られず、餌料密度の減少は、餌料が飼育稚貝により取込まれたことによると考えられた。
【0064】
残餌量計測方法は以下の通りである。すなわち、(1)試料のサンプリングにはパスツールピペットを用い、水槽内からランダムに3〜5回サンプリングし、1つのエッペンチューブに採取した。(2)餌料である海洋微細藻類が有動である場合は、1%ホルマリンを容積当たり1%添加し動きを止めた。(3)エッペンチューブ内のサンプリングした試料について、残餌量を3回計測しその平均値を用いた。しかし、計測結果の誤差が大きい場合は、再度計測を行って測定精度を高めた。
【0065】
求められた残餌料の、飼育開始時の餌料に対する割合を算出して残餌率とし、該残餌率の経時変化をグラフにプロットしたものを図4に示す。図4より、給餌後の稚貝の餌料取り込みによる残餌率の減少は、単独給餌試験区で比較すると、キートセラス カリストランスとパブロバ エスピーJPCC42Dとの間で大きな差は確認されなかった。しかし、パブロバ ルテリでは、前記二つの単独給餌試験区よりも残餌率が高く、すなわち、摂餌量が少ないことを示した。
一方、混合給餌試験区の間でも大きな残餌率の差は確認されなかった。
【0066】
以上から、稚貝は、単独給餌においてパブロバ エスピーJPCC42Dに対して、キートセラス カリストランスと同程度の嗜好性を示し、混合給餌においても、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリと、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ エスピーJPCC42Dとで同程度の嗜好性を示した。
【0067】
続いて、単独給餌および混合給餌の稚貝に対する餌料効果を確認した。
殻高成長率の計測および算出方法は以下の通りである。すなわち、各水槽で飼育している稚貝40個体すべてについて、蝶番から貝殻先端までの長さを殻高として実体顕微鏡下で計測した。計測は飼育0日目から開始し、原則として2日ごとに行った。飼育0日目の平均殻高に対する飼育日数ごとの平均殻高の増加分(%)を殻高成長率として算出し評価した。結果を図5に示す。
【0068】
図5より、試験最終日までの殻高成長率は、単独給餌試験区では、キートセラス カリストランス試験区で24.3±1.9%、パブロバ ルテリ試験区で−0.3±1.9%、パブロバ エスピーJPCC42D試験区で19.3±4.0%と示された。すなわち、キートセラス カリストランス試験区とパブロバ エスピーJPCC42D試験区では約20%の殻高成長率を示したが、パブロバ ルテリ試験区では稚貝の殻高を全く成長させることができないという結果が示された。
また、キートセラス カリストランス試験区とパブロバ エスピーJPCC42D試験区との間で、殻高成長率に有意差は確認されず、稚貝の殻高成長に対して同等程度の餌料効果を有していることが確認された。
【0069】
一方、混合給餌試験区では、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区では26.3±3.0%、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ エスピーJPCC42D試験区では52.2±8.9%と示された。
【0070】
50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区の殻高成長率は、それぞれの単独給餌試験区の殻高成長率の平均値の2.2倍の値であり、混合給餌することによる相乗効果を有することが確認された。
これに対し、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ エスピーJPCC42D試験区の殻高成長率は、それぞれの単独給餌試験区の殻高成長率の平均値の2.4倍の値であり、混合給餌することによる相乗効果を有し、その効果が50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区よりも高いこと、さらに、52.2±8.9%という極めて高い殻高成長率を示すことから、キートセラス カリストランスとパブロバ エスピーJPCC42Dとの混合物は、マガキの餌料として極めて優れたものであることが確認された。
【0071】
続いて、単独給餌および混合給餌に対する稚貝の乾重量増加率を確認した。
乾重量値計測および算出方法は以下の通りである。すなわち、飼育終了後の稚貝の表面を脱塩水で洗浄した後ガラスシャーレに載せ、乾燥器温度60℃で衝量が得られるまで稚貝を乾燥させた。乾燥後、秤で稚貝の総重量を計測し、シャーレに収容した個体数で割ることで稚貝1個体当たりの乾燥重量を算出した。ここで乾重量値とは、軟体部を含めた稚貝の重量を示す。さらに、飼育前の乾重量値に対する、飼育終了後の乾重量値の増加率を算出し、グラフにプロットしたものを図6に示す。
【0072】
図6より、乾重量増加率は、単独給餌試験区では、キートセラス カリストランス試験区で65.8±27.8%、パブロバ ルテリ試験区で−11.7±6.7%、パブロバ エスピーJPCC42D試験区で59.8±21.3%と示された。すなわち、キートセラス カリストランス試験区とパブロバ エスピーJPCC42D試験区では、約60%の乾重量増加率を示したが、パブロバ ルテリ試験区では軟体部を含めて餌料効果が示されず、稚貝の生育に全く寄与することができないという結果が示された。
また、キートセラス カリストランス試験区とパブロバ エスピーJPCC42D試験区との間で、乾重量増加率に有意差は確認されず、軟体部を含めた稚貝の生育に対して同等程度の餌料効果を有していることが確認された。
【0073】
一方、混合給餌試験区では、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区では54.1±11.8%、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ エスピーJPCC42D試験区では177.3±29.3%と示された。
【0074】
50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区の乾重量増加率は、それぞれの単独給餌試験区の乾重量増加率の平均値の2.0倍の値であり、混合給餌することによる相乗効果を有することが確認された。
これに対し、50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ エスピーJPCC42D試験区の乾重量増加率は、それぞれの単独給餌試験区の殻高成長率の平均値の2.8倍の値であり、混合給餌することによる相乗効果を有し、その効果が50%キートセラス カリストランス+50%パブロバ ルテリ試験区よりも高いこと、さらに、177.3±29.3%という極めて高い殻高成長率を示すことから、キートセラス カリストランスとパブロバ エスピーJPCC42Dとの混合物は、軟体部を含めた稚貝の生育に有用であり、マガキの餌料として極めて優れたものであることが確認された。
【0075】
以上により、本発明のパブロバ エスピーJPCC42Dは、保存安定性に優れ、マガキ稚貝の餌料として有用であり、パブロバ エスピーJPCC42Dを用いた本発明の養殖方法で高品質のマガキが生産できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明により、従来よりも短期間でかつ低コストでマガキを養殖することができるので、本発明は水産業において有用であり、安価で高品質なマガキを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施例2における、パブロバ エスピーJPCC42Dの増殖曲線を示すグラフである。
【図2】実施例3における、マガキ稚貝のパブロバ エスピーJPCC42Dに対する嗜好性の試験結果を示すグラフである。
【図3】実施例4における、パブロバ エスピーJPCC42Dの安定性の試験結果を示すグラフである。
【図4】実施例5における、パブロバ エスピーJPCC42Dの単独給餌および混合給餌に対するマガキ稚貝の嗜好性の試験結果を示すグラフである。
【図5】実施例5における、マガキ稚貝に対するパブロバ エスピーJPCC42Dの単独給餌および混合給餌の餌料効果を示すグラフである。
【図6】実施例5における、パブロバ エスピーJPCC42Dの単独給餌および混合給餌によるマガキ稚貝の乾重量増加の結果を示すグラフである。
【図7】パブロバ エスピーJPCC42Dの系統解析結果を示す系統樹である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株。
【請求項2】
18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表されるパブロバ目に属する藻類。
【請求項3】
殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖に用いるパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株。
【請求項4】
18S rDNAの塩基配列が配列番号1で表される塩基配列と96%以上の相同性を有し、殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖に用いるパブロバ目に属する藻類。
【請求項5】
パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株を用いる殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法。
【請求項6】
パブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株とキートセラス カリストランス(Chaetoceros calcitrans)との混合物を用いる殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法。
【請求項7】
前記混合物中に占めるパブロバ エスピーJPCC42D(Pavlova sp.JPCC42D)株の量が1/4〜3/4である請求項4に記載の殻高1.5mm以上のマガキ(Grassostrea gigas)の養殖方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−228709(P2008−228709A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−77273(P2007−77273)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000217686)電源開発株式会社 (207)
【出願人】(396016478)財団法人かき研究所 (1)
【Fターム(参考)】