説明

新規抗けいれん薬誘導体の塩

本発明は、てんかんの治療に有用な、抗けいれん薬誘導体の新規の製薬学的に許容できる塩、該塩の調製方法および該塩を含む製薬学的組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年7月9日出願の米国特許仮出願第60/303,962号明細書からの優先権を主張する2002年7月3日出願の米国特許非仮出願第10/188,924号明細書の部分継続であり、それらの内容は引用することにより編入される。
【0002】
本発明は、抗けいれん薬誘導体の新規の製薬学的に許容できる塩、該塩の調製方法および該塩を含む製薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
引用することにより編入される特許文献1は、一群の新規の抗てんかん化合物を開示する。それら化合物の一種である2,3,4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメートは、トピラメート(topiramate)として知られ、ヒトてんかんの臨床試験において、単純性および複合性部分発作および続発性全身発作の治療での補助療法としてまたは単独療法として有効であることが証明されている(非特許文献1、非特許文献2)。引用することにより編入される特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、それら新規の抗てんかん化合物の調製方法を開示している。
【0004】
トピラメートは、英国、フィンランド、米国およびスエーデンにおいて、続発性全身発作を伴うかまたは伴わない単純性および複合性部分発作てんかんの処置に対して現在市販されており、そして規制承認のための申請が、世界中の多数の国で係属中である。
【0005】
Ehrenbergらは、特許文献4において、下記の式(A)
【0006】
【化1】

【0007】
の製薬学的に許容できる誘導体を開示しており、式中、置換基は特許文献4中に記載されている。製薬学的に許容できる誘導体とは、式(A)の化合物またはレシピエントの投与時に式(A)の化合物を(直接または間接に)提供できるいずれかのその他の化合物の製薬学的に許容できるエステルもしくはかかるエステルの塩または抗偏頭痛活性代謝物もしくはそれらの残留物(residue)を意味する。
【0008】
式(A)の化合物の製薬学的に許容できる塩は、製薬学的に許容できる無機および有機酸および塩基から誘導されるものを含む。適合する酸の例は、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸およびベンゼンスルホン酸を含む。その他の酸、例えばシュウ酸は、それ自体は製薬学的に許容できないが、該特許の方法に有用な化合物およびそれらの製薬学的に許容できる酸付加塩を得るための中間体として有用な塩の調製に有用であり得る。
【0009】
適切な塩基から誘導される塩は、アルカリ金属(例えばナトリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウムおよびNR(式中、RはC1−4アルキルである)塩を含む。
【0010】
McElroy,S.L.,は、特許文献5において、下記の式(B)
【0011】
【化2】

【0012】
の化合物の製薬学的に許容できる塩を開示しており、式中、置換基は特許文献5中に記載されている。式(B)の化合物の製薬学的に許容できる塩は、例えば、アルカリ金属、例えばナトリウムおよびカリウムの塩、アンモニウム塩、モノアルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、およびトロメタミン塩を含む。式(B)の化合物の水和物およびその他の溶媒和物も化合物の範囲内に含まれる。
【0013】
式(B)の化合物の製薬学的に許容できる塩は、式(B)の化合物を適切な塩基と反応させそして塩を回収して調製できる。
【0014】
Deweyらは、特許文献6において、トピラメートの製薬学的に許容できる塩を開示している。該明細書中に定義されているように、製薬学的に許容できる塩は、化合物の毒性を本質的に増加しないそれらの塩形成性の酸および塩基を含む。適切な塩の一部の例は、無機酸、例えば塩化水素酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸の塩、ならびに有機酸、例えば酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、グロン酸、コハク酸、アリールスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸などの塩を含む。
【特許文献1】米国特許第4,513,006号明細書
【特許文献2】米国特許第5,242,942号明細書
【特許文献3】米国特許第5,384,327号明細書
【特許文献4】米国特許第5,998,380号明細書
【特許文献5】国際公開(WO)第00/50020号明細書
【特許文献6】国際公開(WO)第00/07583号明細書
【非特許文献1】E.Faught,B.J.Wilder,R.E.Ramsey,R.A,Reife,L.D.Kramer,G..Pledger,R.M.Karim,et al.,Epilepsia,36(S4)33,(1995)
【非特許文献2】S.K.Sachdeo,R.C.Sachdeo,R.A.Reife,P.Lim and G.Pledger,Epilepsia,36(S4)33,(1995)
【発明の開示】
【0015】
我々は、ここで、その形態が薬剤学的製剤の調製における使用に適するトピラメートの新規の塩形態を含む抗けいれん剤誘導体の新規の塩形態を記述する。
【0016】
本発明は、式(I)
【0017】
【化3】

【0018】
の化合物の新規の塩形態に関し、式中、塩は、式(I)の化合物のスルファメート基において形成される。好ましくは、塩は、式(I)の化合物のスルファメート基上の少なくとも1個の水素を置換して形成される。さらに好ましくは、塩は、式(I)の化合物のスルファメート基上の1個の水素を置換して形成される。
【0019】
一つの態様では、本発明はトピラメート、すなわち式(Ia)
【0020】
【化4】

【0021】
の化合物の新規の塩形態に関し、ここで、塩は式(Ia)の化合物のスルファメート基において形成される。
【0022】
本発明の一つの態様では、式(I)の化合物のスルファメート基において形成される、式(I)の化合物のアルカリ金属およびマグネシウム塩がある。好ましくは、式(I)の化合物は式(Ia)の化合物である。
【0023】
本発明の一つの態様では、式(I)の化合物のナトリウム塩がある。本発明の別の態様では、式(I)の化合物のカリウム塩がある。本発明のさらに別の態様では、式(I)の化合物のリチウム塩がある。本発明のさらに別の態様では、式(I)の化合物のマグネシウム塩がある。
【0024】
本発明の一つの態様では、トピラメート(式(Ia)の化合物)のナトリウム塩がある。本発明の別の態様では、トピラメート(式(Ia)の化合物)のカリウム塩がある。本発明のさらに別の態様では、トピラメート(式(Ia)の化合物)のリチウム塩がある。本発明のさらに別の態様では、トピラメート(式(Ia)の化合物)のマグネシウム塩がある。
【0025】
本発明の一つの態様では、式(I)の化合物のコリン塩がある。本発明の別の態様では、トピラメート(式(Ia)の化合物)のコリン塩がある。
【0026】
一つの局面では、本発明は、式(I)の化合物の上記塩の調製方法に関する。他の局面では、本発明は、トピラメート(式(Ia)の化合物)の上記塩の調製方法に関する。
【0027】
本発明のさらなる局面では、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のナトリウム、カリウムおよびコリン塩の新規の結晶形態がある。
【0028】
本発明の例は、上記の塩のいずれかおよび製薬学的に許容できるキャリヤを含んでなる製薬学的組成物である。
【0029】
本発明の例示は、上記の塩のいずれかと製薬学的に許容できるキャリヤとを組み合わせて製造される製薬学的組成物である。
【0030】
本発明の例は、上記の塩のいずれかと製薬学的に許容できるキャリヤとを組み合わせることを含んでなる製薬学的組成物の製造方法である。
【0031】
本発明の別の例は、それを必要とする被験体において、てんかんを処置する薬剤の調製における本明細書中に記載のいずれかの塩の使用である。
【0032】
本明細書中に使用される場合に、別途に示されない限り、「アンチソルベント」の用語は、特定の物質は溶解せず、そして該物質の沈殿を起こすために該物質の溶液に加えられる溶剤を称するものとする。
【0033】
本明細書中に使用される場合に、「アルキル」の用語は、単独または置換基の一部分として使用されるとにかかわらず、直鎖状および分枝状炭素鎖を含む。例えば、アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどを含む。別途に示されない限り、アルキルと共に使用される場合の「低級」は炭素原子1〜4個の炭素鎖構成を意味する。
【0034】
本明細書中に使用される場合に、別途に示されない限り、「アルコキシ」は上記の直鎖状または分枝状連鎖のアルキル基の酸素エーテル基を示すものとする。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなどである。別途に示されない限り、アルコキシと共に使用される場合の「低級」は、炭素原子1〜4個の炭素鎖構成の酸素エーテル基を意味する。
【0035】
本発明の式(Ia)の化合物の新規の結晶性の塩形態は、長高精度焦点(long fine focus)CuKα放射源、および下記のシステム条件
a)CuKα放射、1.5406Å、40kV、30mA
b)光学系:1/12°拡散スリット
0.2mm受光スリット
c)キセノンガス充填比例検出計
d)走査速度0.0163°2θ/秒で2〜35°2θを走査(ステップサイド0.020°2θ)
e)慣用のフィリップス(Phillips)試料保持装置
を用い、フィリップスPW3710に基づくX線粉末回析計を利用してそれらそれぞれのX線回折(XRD)パターンにより特性決定した。
【0036】
本発明は式(I)の化合物の新規の塩、好ましくは式(Ia)の化合物の新規の塩形態、式(Ia)の化合物のナトリウム、カリウムおよびコリン塩の新規の結晶形態、および式(I)の化合物の塩の調製方法に関する。具体的には、式(I)の化合物の新規の塩は、アルカリ金属、マグネシウムまたはコリン塩であり、ここで、アルカリ金属陽イオン、マグネシウム陽イオンまたはコリン陽イオンは、式(I)の化合物のスルファメート部分上において少なくとも1個の水素原子、好ましくは1個の水素原子を置換する。さらに具体的には、塩は、式(I)の化合物のナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムおよびコリンの塩であり、ここで、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムまたはコリンの陽イオンは、式(I)の化合物のスルファメート部分上において少なくとも1個の水素原子、好ましくは1個の水素原子を置換する。
【0037】
本発明の一つの好ましい態様では、式(I)の化合物は式(Ia)の化合物である。
【0038】
本発明の一つの態様では、
a)式(I)の化合物を、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属低級アルコキシド、アルカリ金属アミド、またはアルカリ金属がリチウムの場合には別にアルキルリチウムと反応させ、そして
b)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物のアルカリ金属塩の調製方法がある。
【0039】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、無水条件下でアルカリ金属水素化物と、またはアルカリ金属水酸化物と、または好ましくは無水条件下でアルカリ金属低級アルコキシドと、または無水条件下でアルカリ金属アミドと、有機溶剤中で、またはアルカリ金属がリチウムの場合には別に無水条件下でアルキルリチウムと反応させ、そして生成物を沈殿させて相当するアルカリ金属塩を生成させる。
【0040】
本発明の一つの態様では、
a)式(I)の化合物をマグネシウム低級アルコキシドと無水条件下で反応させ、そして
b)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物のマグネシウム塩の調製方法がある。
【0041】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、無水条件下でマグネシウム低級アルコキシドと、有機溶剤中で反応させ、そして生成物を沈殿させて相当するマグネシウム塩を生成させる。
【0042】
本発明の一つの態様では、式(I)の化合物のナトリウム塩がある。好ましくは、式(I)の化合物のナトリウム塩は、ナトリウム陽イオンが式(I)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する塩である。
【0043】
好ましくは、式(I)の化合物のナトリウム塩は、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のナトリウム塩である。
【0044】
好ましくは、トピラメートのナトリウム塩は、式(II)
【0045】
【化5】

【0046】
の化合物であり、式中、ナトリウム陽イオンは式(Ia)の化合物のスルファメート1個の水素原子を置換する。
【0047】
本発明のさらなる態様では、
a)式(I)の化合物を、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウム低級アルコキシドもしくはナトリウムアミドと、有機溶媒中で、あるいは式(I)の化合物を水酸化ナトリウムまたはナトリウム低級アルコシドと反応させる場合にはアルコール中で反応させ、そして
b)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物、好ましくはトピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のナトリウム塩の調製方法である。
【0048】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、水素化ナトリウムと無水条件下で、不活性有機溶剤、例えばTHF、EtO、トルエン、t−ブチルメチルエーテル(MTBE)など、好ましくはTHF中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0049】
あるいは、式(I)の化合物を、水酸化ナトリウムと、有機溶剤、例えばTHF、EtMTBE、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0050】
なおあるいは、式(I)の化合物を、ナトリウム低級アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシドなど、好ましくはナトリウムメトキシドと好ましくは無水条件下で、有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBE、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中、好ましくはメタノール/酢酸イソプロピルの混合物中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0051】
なおあるいは、式(I)の化合物を、ナトリウムアミドと無水条件下で、有機溶剤、例えばTHF、EtOなどの中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0052】
ナトリウム塩生成物は、アンチソルベント、例えばヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサンなど、好ましくはヘキサンを用いて、好ましくは約25〜約−20℃の範囲内の低温で沈殿させてもよい。あるいは、ナトリウム塩生成物は、溶剤の蒸発により沈殿させてもよい。
【0053】
ナトリウム塩生成物は、有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピルなどからまたはアルコールと有機溶剤との混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチルなどから、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルから、場合により加熱して固体を完全に溶解し、好ましくは約2当量以上の量、さらに好ましくは約3〜5当量に等しい量、最も好ましくは約3当量に等しい量の水を加え、そして冷却して結晶化または再結晶してもよい。
【0054】
あるいは、ナトリウム塩生成物を、有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピルなどから、またはアルコールと有機溶剤との混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチルなどから、好ましくは酢酸エチルから、加熱して固体を完全に溶解し、次いで冷却して結晶化または再結晶してもよい。
【0055】
本発明の別の態様では、式(I)の化合物のカリウム塩がある。好ましくは、式(I)の化合物のカリウム塩は、カリウム陽イオンが式(I)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する塩である。
【0056】
好ましくは、式(I)の化合物のカリウム塩は、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のカリウム塩である。
【0057】
好ましくは、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のカリウム塩は、式(III)
【0058】
【化6】

【0059】
の化合物であり、ここでカリウム陽イオンが式(Ia)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する。
【0060】
本発明のさらなる態様では、
a)式(I)の化合物を、水素化カリウム、水酸化カリウム、カリウム低級アルコキシドまたはカリウムアミドと、有機溶剤中で、あるいは式(I)の化合物を水酸化カリウムまたはカリウム低級アルコキシドと反応させる場合にはアルコール中で反応させ、そして
b)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物、好ましくはトピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のカリウム塩の調製方法がある。
【0061】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、水素化カリウムと、無水条件下で、不活性有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBE、トルエンなど、好ましくはTHF中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0062】
あるいは、式(I)の化合物を、水酸化カリウムと、有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBE、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中、好ましくはアルコール、例えばエタノール中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0063】
なおあるいは、式(I)の化合物を、カリウム低級アルコキシド、例えばカリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムt−ブトキシドなど、好ましくはカリウムエトキシドと、好ましくは無水条件下で、有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBE、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中、好ましくはエタノール中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0064】
なおあるいは、式(I)の化合物を、カリウムアミドと、無水条件下で、不活性有機溶剤、例えばTHF、EtOなどの中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0065】
カリウム塩生成物は、アンチソルベント、例えばヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサンなど、好ましくはヘキサンを用い、好ましくは約25〜約−20℃の範囲内の低温で沈殿させてもよい。あるいは、カリウム塩生成物は、溶剤の蒸発により沈殿させてもよい。
【0066】
カリウム塩生成物は、有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどから、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチルなどから、好ましくは酢酸エチル/メタノールもしくはエタノールの混合物から、加熱して固体を完全に溶解し、そして冷却して結晶化または再結晶してもよい。
【0067】
本発明の別の態様では、式(I)の化合物のリチウム塩がある。好ましくは、式(I)の化合物のリチウム塩は、リチウム陽イオンが式(I)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する塩である。
【0068】
好ましくは、式(I)の化合物のリチウム塩は、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のリチウム塩である。
【0069】
好ましくは、トピラメートのリチウム塩は、式(IV)
【0070】
【化7】

【0071】
の化合物であり、式中、リチウム陽イオンは式(Ia)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する。
【0072】
本発明のさらなる態様では、
a)式(I)の化合物を、水素化リチウム、水酸化リチウム、リチウム低級アルコキシド、アルキルリチウムまたはリチウムアミドと、有機溶剤中で、あるいは式(I)の化合物を水酸化リチウムまたはリチウム低級アルコキシドと反応させる場合にはアルコール中で反応させ、そして
b)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物、好ましくはトピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のリチウム塩の調製方法がある。
【0073】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、水素化リチウムと、無水条件下で、不活性有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBEなど、好ましくはTHF中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0074】
あるいは、式(I)の化合物を、水酸化リチウムと、有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBE、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中で、好ましくは無水条件下で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0075】
なおあるいは、式(I)の化合物を、リチウム低級アルコキシド、例えばリチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムt−ブトキシドなどと、好ましくは無水条件下で、有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBE、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0076】
なおあるいは、式(I)の化合物を、アルキルリチウム、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウムなど、好ましくはn−ブチルリチウムと、無水条件下で、不活性有機溶剤、例えばTHF、EtO、MTBEなどの中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0077】
なおあるいは、式(I)の化合物を、リチウムアミドと、無水条件下で、不活性有機溶剤、例えばTHF、EtOなどの中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0078】
リチウム塩生成物は、溶剤の蒸発により沈殿させてもよい。
【0079】
本発明の別の態様では、式(I)の化合物のマグネシウム塩がある。好ましくは、式(I)の化合物のマグネシウム塩は、マグネシウム陽イオンが式(I)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する塩である。
【0080】
好ましくは、式(I)の化合物のマグネシウム塩は、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のマグネシウム塩である。
【0081】
好ましくは、トピラメートのマグネシウム塩は式(V)
【0082】
【化8】

【0083】
の化合物であり、式中、マグネシウム陽イオンは2分子の式(Ia)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する。
【0084】
本発明のさらなる態様では、
a)式(I)の化合物を、マグネシウム低級アルコキシドと、無水条件下で、有機溶剤中で反応させ、そして
b)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物、好ましくはトピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のマグネシウム塩の調製方法がある。
【0085】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、マグネシウム低級アルコキシド、例えばマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムt−ブトキシドなど、好ましくはマグネシウムt−ブトキシドと、無水条件下で、有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、THF、EtO、MTBE、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中、好ましくはメタノール中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0086】
マグネシウム塩生成物は、アンチソルベント、例えばヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサンなど、好ましくはヘキサンを用い、好ましくは約25〜約−20℃の範囲内の低温で沈殿させてもよい。あるいは、マグネシウム塩生成物は、約0〜約−20℃の範囲内の温度に溶液を冷却して沈殿されてもよい。なおあるいは、マグネシウム塩生成物は、溶剤の蒸発により沈殿させてもよい。
【0087】
本明細書中で使用される場合に、「コリン」の用語は、コリン陽イオン、さらに具体的には(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム(C14NO)を意味するものとする。「コリンヒドロキシド」の用語は、(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(C15NO)を意味するものとする。
【0088】
本発明の別の態様では、式(I)の化合物のコリン塩がある。好ましくは、式(I)の化合物のコリン塩は、コリン陽イオンが式(I)の化合物のスルファメートの1個の水素原子を置換する塩である。
【0089】
好ましくは、式(I)の化合物のコリン塩は、トピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のコリン塩である。
【0090】
好ましくは、トピラメートのコリン塩は式(VI)
【0091】
【化9】

【0092】
の化合物であり、式中、コリン陽イオンは式(Ia)の化合物のスルファメート1個の水素原子を置換する。
【0093】
本発明のさらなる態様では、
c)式(I)の化合物をコリンヒドロキシドと有機溶剤中で反応させ、そして
d)生成物を沈殿させる
ことを含んでなる、式(I)の化合物、好ましくはトピラメート、すなわち式(Ia)の化合物のコリン塩の調製方法がある。
【0094】
さらに具体的には、式(I)の化合物を、コリンヒドロキシドと、有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、THF、EtO、MTBE、メタノール、エタノールなどの中、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸イソプロピルなどの中、好ましくは酢酸エチル/メタノールの混合物中で反応させ、そして生成物を沈殿させる。
【0095】
コリン塩生成物は、溶剤の蒸発により調製されてもよい。
【0096】
コリン塩生成物は、有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどから、または有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチルなどから、好ましくは酢酸エチル/メタノールの混合物から、加熱して固体を完全に溶解し、そして冷却して結晶化または再結晶してもよい。
【0097】
本発明は、さらに、式(II)の化合物、式(III)の化合物および式(VI)の化合物の新規の結晶形態、および式(II)の化合物、式(III)の化合物、式(IV)の化合物,式(V)の化合物および式(VI)の化合物の無定形形態に関する。
【0098】
本発明の一つの態様では、式(II)の化合物の新規の結晶形態、さらに具体的には形態Na1および形態Na2、および無定形形態Na4がある。
【0099】
式(II)の化合物の無定形形態Na4は、その物理的外観(泡状固体)およびXRD内に狭いピークが存在しない(XRDパターンがない)ことを特徴としてもよい。
【0100】
無定形形態Na4は、式(II)の化合物を、水酸化ナトリウムと、有機溶剤中で反応させ、そして溶液をアンチソルベントを用いて処理してまたは減圧下で溶剤を蒸発して生成物を沈殿させて調製されてもよい。
【0101】
式(II)の化合物の結晶形態Na1は、下記のピークを含んでなるそのX線回折パターンを特徴としてもよい。
【0102】
【表1】

【0103】
式(II)の化合物の結晶形態Na1は、下記の主ピークを含んでなるそのX線回折パターンをさらに特徴としてもよい。
【0104】
【表2】

【0105】
結晶形態Na1は、上記に概要を記載した方法に従って、式(Ia)の化合物を、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウムまたはナトリウム低級アルコキシドと、有機溶剤またはそれらの混合物中で反応させ、場合により溶剤を蒸発して生成物を沈殿させ、そして有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどまたは有機溶剤の混合物、例えばメタノール/酢酸エチル、エタノール/酢酸エチル、メタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸イソプロピル、好ましくはメタノール/酢酸イソプロピル中で、場合により加熱して固体を完全に溶解し、次いで好ましくは約2当量以上の量、さらに好ましくは約3〜5当量に等しい量、最も好ましくは約3当量に等しい量の水を加え、そして冷却して結晶化または再結晶して調製されもよい。
【0106】
あるいは、結晶形態Ma1は、無定形形態Na4に高湿条件を与えて調製されてもよい。
【0107】
式(II)の化合物の結晶形態Na2は、下記のピークを含んでなるそのX線回折パターンを特徴としてもよい。
【0108】
【表3】

【0109】
式(II)の化合物の結晶形態Na2は、下記の主ピークを含んでなるそのX線回折パターンをさらに特徴としてもよい。
【0110】
【表4】

【0111】
結晶形態Na2は、無水有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピルなど、好ましくは酢酸エチルから、水を加えないで、加熱または冷却により結晶形態Na1を再結晶して調製されてもよい。
【0112】
式(II)の化合物の結晶形態、なかでも形態Na1は三水和物であり、一方式(II)の化合物の結晶形態、なかでも形態Na2は非水和物であり、これは水重量%のカール−フィシャー測定により決定され、それを表5に示す。
【0113】
【表5】

【0114】
本発明の別の態様では、式(III)の化合物の新規の結晶形態、さらに特定すると形態K1およびK2および無定形形態K3がある。
【0115】
式(III)の化合物の無定形形態K3は、その物理的外観(泡状固体)およびXRD内に狭いピークが存在しない(XRDパターンがない)ことを特徴としてもよい。
【0116】
無定形形態K3は、式(Ia)の化合物を水酸化カリウムと、有機溶剤中で反応させ、そして溶剤を蒸発して生成物を沈殿させて調製されてもよい。
【0117】
式(III)の化合物の結晶形態K1は、下記のピークを含んでなるそのX線回折パターンを特徴としてもよい。
【0118】
【表6】

【0119】
【表7】

【0120】
式(III)の化合物の結晶形態K1は、下記のピークを含んでなるそのX線回折パターンをさらに特徴としてもよい。
【0121】
【表8】

【0122】
式(III)の化合物の結晶形態K2は、下記のピークを含んでなるそのX線回折パターンを特徴としてもよい。
【0123】
【表9】

【0124】
【表10】

【0125】
式(III)の化合物の結晶形態K2は、下記の主ピークを含んでなるそのX線回折パターンをさらに特徴としてもよい。
【0126】
【表11】

【0127】
【表12】

【0128】
結晶形態K1およびK2は、無定形形態K3を再結晶して調製されてもよい。さらに具体的には、結晶形態K1は、無定形形態K3を有機溶剤またはそれらの混合物、好ましくはメタノールの百分率が約5%以上である酢酸エチル/メタノール混合物から加熱および冷却により再結晶して調製されてもよい。
【0129】
あるいは、結晶形態K1は、無定形形態K3、結晶形態K2またはそれらの混合物を有機溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノール、メタノールなどから、またはそれらの混合物、例えばエタノール/酢酸イソプロピル、エタノール/酢酸エチルなどから、好ましくはエタノールから加熱および冷却により再結晶して調製されてもよい。
【0130】
結晶形態K2は、無定形形態K3を有機溶剤またはそれらの混合物から、好ましくはメタノールの百分率が約5%未満である酢酸エチル/メタノール混合物から加熱および冷却により再結晶して調製されてもよい。
【0131】
あるいは、結晶形態K2は、無定形形態K3を有機溶剤またはそれらの混合物、好ましくはメタノールの百分率が約5%を越える酢酸エチル/メタノール混合物から、混合物を加熱して約70℃を越える温度への沸点温度の上昇により測定されるように過剰のメタノールを蒸発させ、そして冷却により晶出して調製されてもよい。
【0132】
式(III)の化合物の結晶形態K1およびK2は非水和物であり、これは水重量%のカール−フィシャー測定により決定され、それを表10に示す。
【0133】
【表13】

【0134】
本発明の別の態様では、式(IV)の化合物の無定形形態、さらに特定すると形態Li1がある。
【0135】
式(IV)の化合物の無定形形態Li1は、その物理的外観(泡状固体)およびXRD内に狭いピークが存在しない(XRDパターンがない)ことを特徴としてもよい。
【0136】
無定形形態Li1は、式(Ia)の化合物を、水酸化リチウムと有機溶剤中で、またはアルキルリチウムと無水条件下の不活性有機溶剤中で反応させ、そして溶剤を蒸発して生成物を沈殿させて調製されてもよい。
【0137】
本発明のさらに別の態様では、式(V)の化合物の無定形形態、さらに具体的には形態Mg1がある。
【0138】
式(V)の化合物の無定形形態MG1は、その物理的外観(泡状固体)およびXRD内に狭いピークが存在しない(XRDパターンがない)ことを特徴としてもよい。
【0139】
無定形形態Mg1は、式(Ia)の化合物をマグネシウム低級アルコキシドと有機溶剤中で反応させ、そしてアンチソルベントを用いるかまたは減圧下で溶剤を蒸発させて生成物を沈殿させて調製されてもよい。
【0140】
本発明のさらに別の態様では、式(VI)の化合物の結晶形態、さらに具体的には形態CH1がある。
【0141】
式(VI)の化合物の結晶形態CH1は、下記のピークを含んでなるそのX線回折パターンを特徴としてもよい。
【0142】
【表14】

【0143】
式(VI)の化合物の結晶形態CH1は、下記の主ピークを含んでなるそのX線回折パターンをさらに特徴としてもよい。
【0144】
【表15】

【0145】
式(VI)の化合物の結晶形態CH1は、下記の主ピークを含んでなるそのX線回折パターンをさらに特徴としてもよい。
【0146】
【表16】

【0147】
結晶形態CH1は、生成物を有機溶剤またはそれらの混合物、好ましくは混合物の沸点が約74〜76℃(すなわちここで混合物中のメタノール百分率が約5%未満)である酢酸エチル/メタノール混合物から、加熱および冷却による結晶化により調製されてもよい。
【0148】
本発明のさらに別の態様では、式(VI)の化合物の無定形形態、さらに具体的には形態CH2がある。
【0149】
式(VI)の化合物の無定形形態CH2は、その物理的性質(泡状固体)により特性決定される。
【0150】
無定形形態CH2は、式(Ia)の化合物をコリンヒドロキシドと、有機溶剤中で反応させ、そして減圧下で溶剤を蒸発させて生成物を沈殿して調製されてもよい。
【0151】
本明細書に使用される場合に、「被検体」の用語は、実験の処置、観察の対象である動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを称するものとする。
【0152】
本明細書に使用される場合に、「治療有効量」の用語は、研究者、獣医師、医師またはその他の臨床関係者により探究される組織系、動物またはヒト内に生物学または医学的反応を誘発する活性化合物または製薬学的薬剤の量を意味し、それには処置されている疾患または障害の症状の軽減も含まれる。
【0153】
本発明の塩は、それを必要とする被検体に、その量が治療的に有効であるようないずれの投与量レベルで投与されてもよい。投与されるべき最適投与量は、当該技術分野の熟練者には容易に決定でき、そして使用する特定の塩、投与の方法、調剤の力価、および疾患の状態の進展に応じて変化するであろう。さらに、患者の年齢、体重、食事および投与の時間を含む、処置される特定の患者に関係する因子が投与量を調整するために必要となるであろう。
【0154】
本発明は、治療有効量で本明細書中に定義されるいずれかの塩を投与することを含んでなる、それを必要とする被検体内でのてんかんを処置する方法をさらに提供する。好ましくは、てんかんを処置するために、塩は、1日に約10〜650mgの投与量範囲内、さらに好ましくは一日1〜2回で約16〜325mgの範囲内で投与される。
【0155】
本発明の塩は、当該技術分野の熟練者には明らかなようないずれの適切な方法により投与されてもよい。さらに具体的には、式(I)の化合物の塩は、それらに限定はされないが、経口、肺、腹腔内(ip)、筋肉内(im)、静脈内(iv)、皮下(sc)、経皮、頬、鼻、舌下、眼、直腸および膣の投与経路を含むいずれかの方法により投与されてもよい。式(I)の化合物の塩は、ポンプ装置を使用または使用しないで脳内、室内(intraventricular)、脳室内(intracerebroventricular)、クモ膜下、槽内(intrathecal)、脊髄腔内および/または脊髄腔周辺の投与経路を介して神経系に直接投与されてもよい。所望の治療効果を与えるいかなる投与の量および頻度も本発明における使用のために適することは、当該技術分野の熟練者には容易に明らかであろう。
【0156】
本発明の製薬学的組成物を調製するために、本明細書内に記載の1種またはそれ以上の塩を慣用技術に従って製薬学的キャリヤと緊密に混合し、そのキャリヤは投与、例えば経口、座薬もしくは非経口のために望ましい調剤の剤型に応じて各種の剤型を採用してもよい。経口投与剤型で組成物を調製する際に、いずれの通常の製薬学的媒体を使用してもよい。従って、液状経口製剤、例えば懸濁剤、エリキシル剤および液剤に対して、適切なキャリヤおよび添加剤は、水、グリコール、油、アルコール 調味料、保存剤、着色料などを含み、固体状経口製剤、例えば散剤、カプセル剤および錠剤に対して、適切なキャリヤおよび添加剤はデンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含む。投与を容易にするために、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口投与単位剤型であり、その場合に、固体状製薬学的キャリヤが明らかに使用される。所望の場合には、錠剤は慣用の技術により糖衣被覆または腸溶皮膜被覆されてもよい。キャリヤとしてココアバターを使用してもよい座薬を調製してもよい。非経口製剤のためには、キャリヤは通常滅菌水を含んでなるが、しかし、例えば溶解を助けるかまたは保存の目的で他の成分を含んでもよい。注入用懸濁液を調製してもよく、その場合、適切な液状キャリヤ、懸濁剤などを使用してもよい。
【0157】
本明細書中の製薬学的組成物は、投与単位、例えば錠剤、カプセル、散剤、注入、茶さじ、座薬などに対して、有効成分約10〜約500mgを含むであろう。
【0158】
下記の実施例は本発明をさらに詳細に記述しそして説明するが、しかしそれに限定はされない。
【実施例1】
【0159】
カリウム塩−形態K2
トピラメート(853.6mg)をTHF(2.5mL)中に溶解した。溶液を氷浴中で冷却した。次いで溶液にTHF中の1Mカリウムブトキシド(2.5mL)を滴下して加えた。溶液を30分間攪拌した。沈殿が形成された。沈殿物を濾過しそして34℃で真空オーブンに入れると、形態K2としてのカリウム塩が固体として生成した。
【実施例2】
【0160】
カリウム塩−形態K2
トピラメート(1.0007g、2.95ミリモル)をジエチルエーテル(20mL)中に溶解した。溶液をN中で氷水浴内で冷却した。THF中の1Mカリウムt−ブトキシド(2.95mL、2.95ミリモル)を溶液に滴下して加えた。溶液を30分間攪拌すると沈殿が形成された。沈殿物をN中で濾過し、追加のジエチルエーテルを用いて洗浄しそして減圧オーブン中、室温で乾燥すると形態K2としてのカリウム塩生成物が白色固体として生成した。
【実施例3】
【0161】
カリウム塩−形態K3
トピラメート(0.7512g)をトルエン(15mL)中に溶解した。水酸化カリウム(0.1440g)を加えそして溶液を360rpmで攪拌した。ディーン・スターク(Dean Stark)トラップを装着しそしてトルエンが急速に還流するまでホットプレート温度を上昇させた(約185℃)。溶液を還流状態で24時間保持した。溶液をゆっくりと冷却し、次いで濾過した。残った溶剤を30℃に設定した水浴内で回転乾燥により除去した。フラスコ内に残った固体を酢酸エチル(2mL)中に溶解した。次いで溶液にヘキサン(15mL)を加えると、沈殿物の形成がもたらされた。沈殿物を真空濾過により捕集しそしてジエチルエーテル(30mL)を用いて洗浄すると、形態K3としてのカリウム塩が固体として生成した。固体をP上に保存した。
【実施例4】
【0162】
ナトリウム塩−形態Na1
水素化ナトリウム(71.7mg)(鉱油中60%分散液)をペンタンを用いて3回リンスしそしてN中で30分間乾燥した。THF(3mL)中に溶解したトピラメート(500mg)の溶液を滴下して加えた。次いでTHF(2mL)中のトピラメート(103mg)の追加の溶液を加えた。溶液をN中の氷水浴中で一晩攪拌した。溶液にヘキサン(4mL)を加えそして溶液を再び一晩攪拌すると濁った沈殿物の形成がもたらされた。溶液を冷蔵庫内に次いで冷凍庫内に一晩置いた。溶液を冷凍庫から取り出し次いで室温で約3時間攪拌した。生成した沈殿物を真空濾過により捕集しそして空気乾燥すると、形態Na1としてのナトリウム塩が固体として生成した。
【実施例5】
【0163】
ナトリウム塩−形態Na3
水素化ナトリウム(0.1076g)(鉱油中60%分散液)をN中でペンタン(30mL)を用いてリンスした。溶液の上層を乾燥したピペットを用いて取り除いた。残ったヘキサンを約1時間でN中の急速蒸発により蒸発させた。次いでTHF(2mL)を水素化ナトリウムスラリーに加えそして得られたスラリーを氷水浴中で冷却した。THF(2.5mL)中にのトピラメート(853.8mg)の溶液を冷水素化ナトリウムスラリーに滴下して加えた。次いで混合物にヘキサン(25mL)を加えると沈殿物の形成がもたらされた。沈殿物を減圧乾燥し、追加のヘキサンを用いて洗浄し次いで34℃の真空オーブン中に約1時間入れた。
【0164】
得られた固体をジエチルエーテル(40mL)と混合しそして音波処理した。溶液を真空濾過しそして沈殿物を真空オーブン中、34℃で乾燥すると、形態Na3としてのナトリウム塩が固体として生成した。
【実施例6】
【0165】
ナトリウム塩−形態Na4
水素化ナトリウム(507mg)をペンタン(10mL)を用いて4回リンスし次いでN流中で乾燥させた。次いで、THF(10mL)中のトピラメート(3.5g)の溶液を水素化ナトリウムに加えそして室温で攪拌した。溶液をドライアイス/イソプロピルアルコール浴中で冷却し次いで室温まで加温した。溶液を0.2mナイロンフィルターを通して濾過した。次いで溶液をN流中で一晩放置して溶液をゆっくりと蒸発させた。残留物にヘキサン(15mL)を加えた。得られた混合物を音波処理しそして生成物の沈殿を誘発するために容器側面にかき傷を付けた。THF(1.5mL)を加えそしてスラリーを室温で攪拌し、そしてN中で2日間放置した。得られた沈殿物を真空濾過により捕集し、ヘキサン(5mL)を用いて3回リンスしそして真空オーブン中、室温で6時間放置すると、形態Na4としてのナトリウム塩が固体として生成した。試験前に固体をめのう乳鉢および乳棒を用いて軽く磨砕した。
【実施例7】
【0166】
ナトリウム塩形態Na4の調製
トピラメート(3.4g、10ミリモル)をTHF(40mL)中に室温で溶解し、次いで50%NaOH水溶液(0.8g、10ミリモル)を用いて処理した。添加が終わると透明な溶液が形成された。THFを減圧下で蒸発させそして油状残留物を減圧下に配置してあらゆる残留溶剤または水を除去した。生成物は白色泡状の無定形固体として形成された。XRD分析は生成物が無定形であることを確認した。
【実施例8】
【0167】
ナトリウム塩形態Na1の調製
THF(50mL)中のトピラメート(3.39g、10ミリモル)をナトリウムエトキシド(21重量%、3.24g、10ミリモル)を用いて処理しそして混合物を室温で攪拌した。エタノールを蒸発し、残留物をt−ブチルメチルエーテル(100mL)中に溶解しそしてHO(約0.4g)を用いて処理すると、結晶性固体の形成がもたらされた。固体を濾過して捕集しそして空気乾燥した(2個の収得物(crop)で3.9g)。固体を酢酸エチル(30mL)中に懸濁しそしていかなる水をも失わないで固体を溶解するのに丁度十分となるまで加熱した。溶液を小型綿栓を通して迅速に濾過しそして室温で放置した。生成物は約20分間で晶出した。固体を濾過して捕集し、少量の酢酸エチルを用いて洗浄しそして空気乾燥した。
【0168】
水分(KFによる重量%):14.2%
【実施例9】
【0169】
ナトリウム塩形態Na1の調製
水素化ナトリウム(95%、0.51g、20ミリモル)をTHF(100mL)中に室温で懸濁した。トピラメート(6.78g、20ミリモル)を懸濁液に少しづつ加えた。添加を終えると、ほとんど透明な溶液が形成された。溶液を小型綿栓を通して迅速に濾過しそして減圧下でTHFを蒸発させた。残留物を酢酸エチル(50mL)および水(1g)中に溶解した。溶液を室温で放置すると生成物が晶出を開始し、次いで氷浴中で冷却した。固体を濾過して捕集し、少量の酢酸エチルを用いて洗浄しそして空気乾燥した。
【0170】
水分(KFによる重量%):13.5%
【実施例10】
【0171】
ナトリウム塩形態Na1およびNa2の調製
トピラメート(13.56g、40ミリモル)をTHF(120mL)中に室温で溶解し、次いで50%NaOH水溶液(3.2g、40ミリモル)を用いて処理した。添加を終えると、透明な溶液が形成された。THFを減圧下で蒸発させそして残留物を酢酸エチル(150mL)中に溶解した。水(約2g)を溶液に攪拌しながら加えた。生成物がその直後に晶出を開始した。混合物を室温で15分間放置し、次いで約5℃まで氷浴中で冷却した。形態Na1としての生成物を濾過して捕集し、酢酸エチルを用いて洗浄し空気乾燥した。
【0172】
水分(KFによる重量%):13.58%
形態Na2を調製するための再結晶
生成物(3g、7.2ミリモル)の試料を酢酸エチル(50mL)と混合しそして蒸気浴上で固体が溶解するまで加熱した。濁りを帯びた溶液を熱間濾過し次いで室温で放置した。生成物が白色固体として晶出した。混合物を氷浴中でさらに冷却した。固体を濾過して捕集しそして冷酢酸エチル(10mL)を用いてリンスし次いで空気乾燥すると形態Na2としての生成物が生成した。
【0173】
KF分析による水分1.64重量%
【実施例11】
【0174】
カリウム塩形態K1の調製
水酸化カリウム(85%、0.66g、10ミリモル)をエタノール(50mL)中、室温でトピラメート(3.39g、10ミリモル)と一緒に攪拌した。すべての固体が数分間で溶解した。溶剤を減圧下で蒸発した。残留物を酢酸エチル(50mL)および水(0.4g)中に溶解しそして放置した。次いで溶液を氷浴中で冷却すると、白色固体が晶出した。固体を濾過して捕集し、少量の酢酸エチルを用いて洗浄しそして空気乾燥した。
【0175】
水分(KFによる重量%):1.7%
【実施例12】
【0176】
カリウム塩形態K1の調製
水酸化カリウム(85%、0.1.32g、20ミリモル)をHO(2mL)中に室温で溶解した。酢酸エチル(75mL)中のトピラメート(6.78g、20ミリモル)にKOHに加えそして混合物を室温で攪拌すると透明溶液が生成した。溶剤を減圧下で蒸発し、残留物を酢酸エチル(150mL)中に再溶解しそして放置した。次いで溶液を氷浴中で冷却すると、白色固体が晶出した。固体を濾過して捕集し、酢酸エチルを用いて洗浄しそして空気乾燥した。
【0177】
水分(KFによる重量%):0.24%
再結晶
生成物の試料(2g、5.3ミリモル)を酢酸エチル(50mL)およびメタノール(5mL)中に懸濁しそして混合物を蒸気浴上で固体が溶解するまで加熱した。メタノールの一部が蒸発するまで加熱を継続しそして得られた溶液を室温で放置した。生成物は白色固体として晶出し、これを濾過して捕集しそして空気乾燥した。
【0178】
水分(KFによる重量%):0.23%
【実施例13】
【0179】
カリウム塩形態K1の調製
カリウムt−ブトキシド(THF中1M、30ミリモル)をTHF(75mL)中のトピラメート(10.2g、30ミリモル)の溶液に加え、そして混合物を室温で攪拌すると透明溶液が生成した。溶剤を減圧下で蒸発しそして残留物を酢酸エチル(150mL)およびメタノール(20mL)中に溶解した。溶液を加熱してメタノールの一部分を蒸発させた(沸点は64から70℃に上昇することが観察された)。溶液を放置すると、生成物の一部分が晶出した。固体を濾過して捕集し、酢酸エチルを用いて洗浄しそして空気乾燥した。
【0180】
水分(KFによる重量%):0.24%
濾液を濃縮しそして室温で放置すると第二収得物が生成した。
【実施例14】
【0181】
カリウム塩形態K1およびK2の調製
水酸化カリウム(85%、7.26g、110ミリモル)を室温でTHF(250mL)およびメタノール(50mL)中のトピラメート(39g、115ミリモル)の溶液に加えた。すべてのKOHが溶解して透明溶液が生成するまで反応混合物を室温で30分間攪拌した。溶剤を減圧下で蒸発しそして油状残留物(51.1g)を酢酸エチル(300mL)およびメタノール15(mL)と混合し次いで蒸気浴上で加熱した。残留物は白色固体となり、次いで完全に溶解して透明溶液が生成した。溶液を室温まで放冷し、数個のK塩の結晶で種晶添加しそして室温で一晩放置した。固体を濾過して捕集し、酢酸エチルを用いて洗浄しそして空気乾燥すると、形態K1が固体として生成した。
【0182】
カールフィシャー水分重量%:0.16%
濾液を加熱して大部分のメタノールを除去した(沸点が64℃から75℃に上昇しそして全体積は300mLに減少した)。溶液を室温で1時間放置すると硬い白色固体が沈殿しそして濾過の前に破砕された。固体を酢酸エチルを用いてリンスしそして空気乾燥すると、K2が固体として生成した。固体は最初は空気乾燥するまで吸湿性物質として挙動し(粘着性となる)、乾燥後には吸湿性は残らなかった。
【0183】
カールフィシャー水分重量%:1.09%
【実施例15】
【0184】
カリウム塩形態K3の調製
水酸化カリウム(85%、13.2g、200ミリモル)を水(25mL)中に溶解しそして室温でTHF(500mL)中のトピラメート(68.6g、202ミリモル)の溶液に加え、次いで室温で10分間攪拌した。溶剤を減圧下で蒸発させると泡状固体(80.9g)が生成した。XRD分析は、固体が無定形態であることを確認した。
【実施例16】
【0185】
リチウム塩形態Li1の調製
n−ブチルリチウム(シクロヘキサン中の2M溶液10mL、20ミリモル)をTHF(50mL)中のトピラメート(7.0g、20.6ミリモル)の溶液に25〜35℃でゆっくりと加えた。溶剤を減圧下で蒸発させると、泡状、淡黄色の無定形固体が生成した。XRD分析は、固体が無定形であることを確認した。
【実施例17】
【0186】
マグネシウム塩形態Mg1の調製
メタノール(100mL)中のマグネシウム削屑(turning)(0.24g、10matm)をMgが溶解するまで蒸気浴上で加熱した。トピラメート(6.78g、20ミリモル)をMgメトキシド溶液に加えそして蒸気浴上で約5分間加熱し、次いで室温に冷却した。水とのいかなる接触も避けた。溶剤を減圧下で蒸発させそして残留物をさらに減圧下、室温で一定重量まで乾燥すると、生成物が白色泡状固体として生成した。XRD分析は、固体が無定形であることを確認した。
【実施例18】
【0187】
ナトリウム塩形態Na1の調製
トピラメート(50g、0.147モル)を酢酸イソプロピル(600mL)中に溶解しそしてメタノール(28.5mL)中の30%NaOCHを用いて処理した。淡黄色の溶液を還流して処理し、フラスコの温度が85℃に達することが観察されるまで溶剤の一部(メタノール/酢酸イソプロピル70.2/29.8の共沸混合物、沸点64℃)を蒸留した。次いで反応混合物を約20〜25℃に冷却した。反応混合物をセライト(Celite)を通して濾過し(すべての不溶性残留物を除去するため)、そして酢酸イソプロピル(60mL)を用いてリンスした。次いで溶液を50℃に加熱した。溶液に水(7.9ml)を1分間で加えた。生成物を約20〜25℃で一晩晶出させた。固体を濾過して捕集し、酢酸イソプロピル(50mL)を用いて洗浄し、そして水のボウル(bowl)を備えた真空オーブン中、30℃で24時間乾燥した。
【0188】
水分(KFによる重量%):13%
【実施例19】
【0189】
ナトリウム塩形態Na1の調製
トピラメート(50g、0.147モル)を酢酸イソプロピル(367ml)(2.5L/mol)中に溶解した。メタノール中の30%ナトリウムメトキシド(27.2ml、1当量)を室温で加えた。混合物を10分間攪拌し次いで約22〜25℃で濾過した。次いで濾液を35℃まで加熱した。次いで水(8ml、3当量)を室温で加えそして種晶添加の後晶出が開始した。混合物を約22〜25℃に30分間で冷却し、次いでさらに氷水を用いて約0〜5℃に冷却した。沈殿物を濾別し、酢酸イソプロピル(50ml)(0.35L/mol)を用いて洗浄し、そして減圧下、35℃で18時間乾燥した。
【実施例20】
【0190】
カリウム塩形態K1の再結晶
トピラメートの固体カリウム塩(66g、2種の多型形態K2およびK3の混合物)をエタノール(250mL)中に懸濁しそしてすべての固体が溶解するまで混合物を沸騰まで加熱した。高温溶液をセライトを通して濾過しそして混合物を追加のエタノールを用いて最終体積360mLまで希釈した。透明溶液に熱間に形態K1の固体の数個の結晶で種晶添加しそして外部冷却をしないで室温まで放置した。溶液が冷却を始めると、固体生成物がゆっくりと晶出した。結晶化フラスコを冷蔵庫内で一晩保存しそして低温の混合物を濾過して固体生成物を単離した。結晶性固体を冷エタノール、次いでジエチルエーテルを用いてリンスし次いで空気乾燥した。
【0191】
濾液を約150mLまで濃縮しそして室温で2日間放置した。得られた固体を濾過して捕集し、冷エタノールを用いてリンスしそして空気乾燥した。XRDパターンは形態K1を示した。
【実施例21】
【0192】
カリウム塩形態K1の調製
トピラメート(163.8g、483ミリモル)をエタノール(500mL)中に懸濁した。次いで混合物にエタノール中のカリウムエトキシド(24%、168g、479ミリモル)を加えた。添加の終点でほとんどすべてのトピラメートが溶解した(全体積 約750mL)。初期の結晶化はペースト状固体をもたらした。混合物が液体となるまで蒸気浴上で穏やかに加熱した。次いですべての固体が溶解するまで攪拌しながらホットプレート上で加熱を続けた。高温溶液をセライトを通して濾過しそして高温エタノール(50mL)を用いてリンスした。溶液を再度沸騰するまで加熱して透明溶液を形成させた。高温の間に形態K1結晶を用いて溶液に種晶添加し、次いで室温で一晩放置した。フラスコを氷浴中で2時間冷却しそして固体を濾過して捕集した。固体を冷エタノール(100mL)、次いでジエチルエーテルを用いてリンスし、次いで空気乾燥した。固体をさらに真空オーブン中、約40〜50℃で一晩乾燥した。XRDパターンは形態K1を示した。
【0193】
水分(KFによる重量%):0.14%
濾液を約200mLまで濃縮した。溶液を室温で放置すると形態K1の第二収得物が生成した。
【実施例22】
【0194】
コリン塩形態CH1の調製
トピラメート(3.39g、10ミリモル)を酢酸エチル(100mL)中に溶解しそして透明溶液をコリンヒドロキシド(メタノール中の45%溶液、2.7g、10ミリモル)を用いて処理した。得られた透明溶液を乾燥するまで蒸発させ、そして残留物を減圧下で2日間保持した。メタノール約3〜5mLを含む酢酸エチル(約80mL)中に泡状固体を溶解し、そして溶液を室温で一晩放置した。白色結晶性固体が形成され、それを濾過して捕集し、そして空気乾燥した。
【0195】
融点:121〜123℃
第二収得物(1.3g、29%)が母液から得られた。
元素分析:
1734Sに対する計算値
C,46.14;H,7.74;N,6.33;S,7.25
実験値
C,46.09;H,7.72;N,6.28;S,7.41
【実施例23】
【0196】
コリン塩形態CH1の調製
トピラメート(10.36g、30.5ミリモル)を酢酸エチル(150mL)中に溶解しそして透明溶液をコリンヒドロキシド(メタノール中の45%溶液、8.2g、30.5ミリモル)を用いて処理した。沸騰温度が75℃に達するまで酢酸エチルを少量づつ添加して体積一定に保ちながら溶液を加熱して溶剤の一部分を蒸発させた。得られた透明溶液を室温で一晩放置した。沈殿した結晶性固体を濾過して捕集し、酢酸エチルを用いて洗浄し、空気乾燥した。
【0197】
融点:115〜118℃
元素分析:
1734S・0.17HOに対する計算値
C,45.83;H,7.77;N,6.29;S,7.20
水分,0.69%
実験値
C,45.87;H,8.09;N,6.25;S,7.14
KF法による水分重量%:0.68%
【実施例24】
【0198】
最大電気ショック(MES)発作試験
抗けいれん剤活性は、Swinyard EA,Woodhead JH,White HS,Franklin MR、「実験的選択、定量および抗けいれん剤の評価」(Levy RHら編集、「抗転てんかん剤」第三版(Antiepileptic Drugs.3rd ed.New York:Raven Press,1989:85−102))により記載されたMES試験を用いて決定した。
【0199】
この方法では、電流強度および持続期間を正確に調節できる装置により角膜電極を介して0.2秒間、60Hzの交流電流(マウス50mA、ラット150mA)を加えた。電極(マウスには直径2mm、ラットには直径4.0mm)の凹面側をそれぞれの角膜上に置いた。電流は、信頼性をもって、すべてのネズミ類に、成分として後肢の強直性伸筋を含む単独けいれん症状発現を起こした。角膜電極配置の直前に、一滴の生理食塩水(電流分散を促進しそして致死率を低下させる電解質)をそれぞれの電極上に置いた。この操作の間はネズミ類は手で拘束しそして刺激の直後に解放して、その全過程を通じてけいれんの観察を可能とした。
【0200】
試験化合物または関連するベヒクルを経口(強制胃腸栄養)投与経路により一晩絶食したネズミ類に投与した。(あるいは、試験化合物またはベヒクルは、腹腔内、静脈内、皮下または筋肉内投与経路を介して投与されてもよい)。その後、試験化合物のピーク活性が推定される時間に相当する時間にネズミ類に電気刺激を与えた。けいれんの全過程が観察されて(典型的には電気刺激の後1分未満)試験は完了し、次いでネズミ類を二酸化炭素吸入により直ちに安楽死させた。
【0201】
発作の後肢強直性伸筋成分の停止を本試験の終点とした。この成分がないことは、試験化合物が神経組織を介する発作放電の拡散を防止する能力を有することを示した。試験化合物のED50値は、試験したネズミ類の50%中でMES誘発発作の後肢強直性伸筋成分を遮断するために必要な計算投与量であった。
【0202】
トピラメート(式(Ia)の化合物)のカリウム塩の形態K1は、経口投与する上記の操作に従ってラットで試験された。計算ED50値は、2回の別々の測定で、投与2時間後で3.1mg/kgおよび8.1mg/kgと決定された。
【0203】
トピラメート(式(Ia)の化合物)のカリウム塩の形態K1は、上記の操作に従って試験され、経口およびIP投与されそして計算ED50の結果は下記であった。
【0204】
経口投与 ED50@2時間=40.6mg/kg
IP投与 ED50@2時間=26.8mg/kg
IV投与 ED50@2分間=41.51mg/kg
トピラメート(式(Ia)の化合物)のナトリウム塩の形態Na1は、上記の操作に従って、経口投与してラットで試験された。計算ED50値は、投与の2時間後で4.8mg/kgと決定された。
【0205】
トピラメート(式(Ia)の化合物)のナトリウム塩の形態Na1は、マウスにおいて上記の操作に従ってIP投与して試験され、計算ED50の結果は下記であった。
【0206】
IP投与 ED50@30分間=45.44mg/kg
IV投与 ED50@5分間=46.18mg/kg
上記の明細書は本発明の原理を教示しているが、実施例は例示の目的で提供され、本発明の実施は、下記の特許請求の範囲およびそれらに等価の範囲内に入るすべての通常の変形、適応および/または改変を包含すると理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物の塩がスルファメート基において形成される、
式(I)の化合物の塩。
【請求項2】
式(I)の化合物がトピラメートである、請求項1記載の塩。
【請求項3】
ア ルカリ金属またはマグネシウムの陽イオンがスルファメートの1個の水素原子を置換する、請求項1記載の塩。
【請求項4】
コリン陽イオンが、スルファメートの1個の水素原子を置換する、請求項1記載の塩。
【請求項5】
式(I)の化合物の塩がトピラメートのナトリウム塩である、請求項1記載の塩。
【請求項6】
式(II)
【化2】

の請求項5記載の塩。
【請求項7】
本質的に下記のX線回折パターン
【表1】

を特徴とする、請求項6記載の塩。
【請求項8】
本質的に下記のX線回折パターン
【表2】

を特徴とする、請求項6記載の塩。
【請求項9】
本質的に下記のX線回折パターン
【表3】

を特徴とする、請求項6記載の塩。
【請求項10】
本質的に下記のX線回折パターン
【表4】

を特徴とする、請求項6記載の塩。
【請求項11】
式(I)の化合物の塩がトピラメートのカリウム塩である、請求項1記載の塩。
【請求項12】
式(III)
【化3】

の請求項11記載の塩。
【請求項13】
本質的に下記のX線回折パターン
【表5】

を特徴とする、請求項12記載の塩。
【請求項14】
本質的に下記のX線回折パターン
【表6】

を特徴とする、請求項12記載の塩。
【請求項15】
本質的に下記のX線回折パターン
【表7】

【表8】

を特徴とする、請求項12記載の塩。
【請求項16】
本質的に下記のX線回折パターン
【表9】

【表10】

を特徴とする、請求項12記載の塩。
【請求項17】
式(I)の化合物の塩がトピラメートのリチウム塩である、請求項1記載の塩
【請求項18】
式(IV)
【化4】

の請求項17記載の塩。
【請求項19】
式(I)の化合物の塩がトピラメートのマグネシウム塩である、請求項1記載の塩。
【請求項20】
式(V)
【化5】

の請求項19記載の塩。
【請求項21】
式(I)の化合物の塩がトピラメートのコリン塩である、請求項1記載の塩。
【請求項22】
式(VI)
【化6】

の請求項21記載の塩。
【請求項23】
本質的に下記のX線回折パターン
【表11】

を特徴とする、請求項22記載の塩。
【請求項24】
本質的に下記のX線回折パターン
【表12】

を特徴とする、請求項22記載の塩。
【請求項25】
本質的に下記のX線回折パターン
【表13】

を特徴とする、請求項22記載の塩。
【請求項26】
請求項1の塩および製薬学的に許容できるキャリヤを含んでなる、製薬学的組成物。
【請求項27】
請求項1の塩および製薬学的に許容できるキャリヤを組み合わせて調製される製薬学的組成物。
【請求項28】
請求項1の塩を製薬学的に許容できるキャリヤと組み合わせることを含んでなる製薬学的組成物の製造方法。
【請求項29】
式(I)
【化7】

の化合物を、無水条件下でアルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属低級アルコキシドまたは無水条件下でアルカリ金属アミドと、有機溶剤中で反応させ、そして生成物を沈殿させることを含んでなる、式(I)の化合物のアルカリ金属塩の調製方法。
【請求項30】
アルカリ金属水素化物が水素化ナトリウムであるか、アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムであるか、アルカリ金属低級アルコキシドがナトリウム低級アルコキシドであるかまたはアルカリ金属アミドがナトリウムアミドである、請求項29記載の方法。
【請求項31】
アルカリ金属水素化物が水素化カリウムであるか、アルカリ金属水酸化物が水酸化カリウムであるか、アルカリ金属低級アルコキシドがカリウム低級アルコキシドであるかまたはアルカリ金属アミドがカリウムアミドである、請求項29記載の方法。
【請求項32】
式(I)
【化8】

の化合物を、無水条件下で水素化リチウム、水酸化リチウム、リチウム低級アルコキシド、無水条件下でアルキルリチウムまたは無水条件下でリチウムアミドと、有機溶剤中で反応させ、そして生成物を沈殿させることを含んでなる、式(I)の化合物のリチウム塩の調製方法。
【請求項33】
式(I)
【化9】

の化合物を、無水条件下でマグネシウム低級アルコキシドと有機溶剤中で反応させ、そして生成物を沈殿させることを含んでなる、式(I)の化合物のマグネシウム塩の調製方法。
【請求項34】
式(I)
【化10】

の化合物を、コリンヒドロキシドと有機溶剤中で反応させ、そして生成物を沈殿させることを含んでなる、式(I)の化合物のコリン塩の調製方法。
【請求項35】
式(I)の化合物がトピラメートである。請求項29記載の方法。
【請求項36】
式(I)の化合物がトピラメートである。請求項30記載の方法。
【請求項37】
式(I)の化合物がトピラメートである。請求項31記載の方法。
【請求項38】
式(I)の化合物がトピラメートである。請求項32記載の方法。
【請求項39】
式(I)の化合物がトピラメートである。請求項33記載の方法。
【請求項40】
式(I)の化合物がトピラメートである。請求項34記載の方法。

【公表番号】特表2006−514071(P2006−514071A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566659(P2004−566659)
【出願日】平成15年12月30日(2003.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2003/041732
【国際公開番号】WO2004/063210
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(598093026)オーソ−マクニール・フアーマシユーチカル・インコーポレーテツド (25)
【Fターム(参考)】