説明

新規組成物の使用及び方法

少なくとも1のアルキルパラベンが、分離装置のハウジング内で使用される、微生物汚染された分離マトリックスの微生物含有量を消去する又は減少させるための水性抗菌保存剤組成物中で使用され、上記分離マトリックスは微生物汚染されている。また、消去された又は減少された微生物含有量を有する分離マトリックスの製造方法において、上記方法は、ハウジング又は容器内に微生物汚染された前記分離マトリックスを提供する;前記ハウジング又は容器内の前記分離マトリックスに、少なくとも1のアルキルパラベンを含む水性抗菌保存剤組成物を添加する;前記水性抗菌保存剤組成物が、保存剤組成物g当たりのコロニー形成単位(CFU)の数が十分に減少されるまで、前記ハウジング又は容器内でその効果を発揮することを許容する;及び前記ハウジング又は容器から前記水性抗菌保存剤組成物をすすぐステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物汚染された分離マトリックスの微生物含有量を消去する又は減少させるための水性抗菌保存剤組成物の使用、及び消去された又は減少された微生物含有量を有する上記分離マトリックスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分離マトリックスは今般多くの研究室及び産業プロセスに含まれる。これらの系は吸着される成分について多少特異的でありうる。上記成分は所望の生成物を構成しうる又は上記マトリックスへの吸着により上記所望の成分から分離されるべき不純物又は他の所望されない物質を構成しうる。多くの分離系の共通の特徴は、水と親和性であり及び水溶液と接触してそれらの活性配置を形成する、重合化材料(キセロゲル)に基づいた分離マトリックスである。マトリックスのこの群は、非限定的に、ポリアクリルアミド、セルロース、アガロース、及び他のポリサッカライドを含む。
【0003】
しかしながら、水の存在下でこれらのマトリックスは微生物成長を受けやすいものでありうる。微生物成長は、オートクレーブ、化学的滅菌又は照射の方法による上記マトリックスの滅菌が適用可能でないこれらの場合において特別な問題である。これはマトリックスの固有の刺激反応性のため又は上記マトリックスに共有結合で又は非共有結合で結合されたリガンドが滅菌手順により不活性化される又は変えられるためでありうる。一例は、上記リガンドがタンパク質又はペプチド構造に基づいた認識基を含むときである。しかしながら、いくつかの他の非タンパク質性構造もまた通常の滅菌技術に反応性であることが知られる。
【0004】
微生物成長の回避が特に重要であるいくつかの適用がある。1の上記適用はタンパク質に基づいた医薬又はin vivo診断製品の精製である。特に、上記分離マトリックスも上記最終製品も滅菌に使用される標準の方法のいずれかにしたがって適切に滅菌されえない場合。この1の例は、免疫グロブリンの精製のための固定されたタンパク質A又は免疫グロブリンと相互作用するさまざまな物質の精製のための固定された免疫グロブリンの如き、マトリックスに固定されたタンパク質が分離プロセスにおいて利用されるときである。さらに他の例はアヴィヂン又はストレプトアヴィヂンでコーティングされた分離マトリックスの使用によるビオチン化物質の回収である。
【0005】
上記最終製品が最終製品滅菌にかけられうる場合でさえも、最終製品滅菌の前のプロセス及び貯蔵の間に微生物の制御されない成長を避けることは最も重要なことである。微生物汚染の問題は生存能力のある生物の存在に限られず、上記生物により放出される毒素、発熱物質又は他の有害な生成物若しくは代謝物を含む。上記系の例はさまざまな型の内毒素である。
【0006】
微生物成長の回避を必要とする分離マトリックスのさらなる他の適用は核酸物質の精製である。ここで、汚染微生物成長に由来する少量のDNA物質でさえも、特にそれが医薬製品又は医療装置の作出において使用される場合、分析方法、遺伝子スプライシング又は遺伝的に設計された物質のクローニングを妨害しうる。したがって、分離マトリックスにおける微生物成長の回避が重要である多くの適用がある。同様の問題はまた同様の性質の不純物の微生物による放出のためにタンパク質、ペプチド又は特定の炭水化物分子の分離においても生じうる。
【0007】
その結果、それらの汚染微生物が減少され又は完全に消去されうる、ほとんどの分離マトリックスの有効な及び十分な処理について必要性がある。上記分離マトリックスが、有害な物質が装置を通る血液又は他の体液から除去される、体内、体近傍又は体外で適用される装置のハウジングにおいて使用されることが意図される場合、これは最も重要である。
【0008】
ヒト血漿をプロセスする臨床体外吸着系は自己免疫疾患の治療においてタンパク質Aの使用による免疫グロブリンの除去のために(Bygren et al., Lancet 1985, 1295−1296)又は移植された器官の初期拒絶を避けるために(Palmer et al., Lancet 1989, 10−12)、及び固定された抗−LDL抗体の使用による高コレステロール血症の治療において低密度リポタンパク質(LDL)の除去のために(duMoulin et al., 1990 in Treatment of Severe Hypercholesterolemia in the Prevention of Coronary Heart Disease, pp 170−174)使用可能である。
【0009】
固定された抗種抗体を利用する体外装置、腫瘍の免疫標的化に関連する治療用又は画像化用抗体の除去のための上記装置についての方法及びその使用は示されている(Henry CA, 1991, Vol.18, pp.565; Hofheinz D et al, Proc. Am. Assoc. Cancer Res. 1987 Vol. 28, pp. 391; Lear JL, et al., Radiology 1991, Vol.179, pp.509−512; Johnson TK, et al., Antibody Immunoconj. Radiopharm. 1991, Vol.4, pp.509; Dienhart DG, et al., Antibody Immunoconj. Radiopharm. 1991, Vol.7, pp.225; DeNardo GL, et al., J. Nucl. Med. 1993, Vol.34, pp.1020−1027; DeNardo GL et al., J. Nucl. Med. 1992b, Vol.33, pp.863−864; Denardo S. J., et al., J. Nucl. Med. 1992a, Vol.33, pp.862−863; 米国特許第5,474,772号、オーストラリア国特許第638061号、及び欧州特許出願第90914303.4号)。
【0010】
血液クリアランスをより効率的にするために及び血漿ではなく全血のプロセスを可能にするために、医薬剤(例えば、腫瘍特異的モノクローナル抗体を有する細胞を殺す剤又は腫瘍局在のための放射性核種)はビオチン化され及びアフィニティ(例えば、ビオチン結合)カラムの方法により取り除かれている。いくつかの刊行物は、この技術がビオチン化及び放射性核種標識化腫瘍特異的抗体のクリアランスのために有効であり及び実用的であることを証明するデータを提供する(Norrgren K, et al., Antibody Immunoconj. Radiopharm. 1991, Vol.4, pp.54; Norrgren K, et al., J. Nucl. Med. 1993, Vol.34, pp.448−454; Garkavij M. et al., Acta Oncologica 1996, Vol.53, pp.309−312; Garkavij M. et al., J. Nucl. Med. 1997, Vol.38, pp.895−901)。欧州特許出願第92903 020.3号はこれらのプロセッシング適用を示す。
【0011】
体外循環処置に関連して使用されるとき、上記分離マトリックス及び分離マトリックスと接触するハウジングの内側の完全な無菌性が保証されなければならない。使用前に体外装置のマトリックスを滅菌することも可能であるべきである。さらに、優れた製造実施条件下での無菌プロセッシングにより上記装置を準備することが可能であるべきである。
【0012】
さらに、処理される水溶液の含有量に対する所望されない効果を避けるために、選択の方法−湿性加熱、放射又は化学処理−は上記マトリックス材料及び/又は上記ハウジングと化学反応を起こしてはならない。上記化学反応は体外装置において使用される材料における化学若しくは構造変化、鎖切断、架橋形成又は機械的特性における顕著な変化を含む。
【0013】
酸化エチレン又は蟻酸アルデヒドでの滅菌の場合、上記滅菌剤の溶解性、吸着及び脱着の如きパラメーターは上記分離マトリックスへの及び周りのプラスティック材料への上記剤の物理的及び化学的収着のために重要である。それらの高い毒性のために、滅菌後の正確な脱気時間が通常必要とされる。
【0014】
今日、ほとんどの現在入手可能な体外装置は蒸気又はチオメルサール(メルチオレート)の方法により滅菌される、アガロース、シリカ、ポリアクリレート又はポリヴィニルアルコールから成る支持を利用する。しかしながら、そのリガンドがタンパク質である及び上記マトリックスが湿性段階にある又は他の方法により水に囲まれているとき、分離マトリックスの有効な滅菌は今のところ行われていない。
【0015】
EP第179420号において、体外循環処置に関連する使用のためのマトリックスの蒸気滅菌についてのプロセスが示され、及び米国第5,283,034号において、イオン化放射により生物学的に活性な基とカップリングした表面の滅菌を許容する、方法及び組成物が示される。
【0016】
アジド及びチオメルサールの如き、異なる保存剤もまた体外系において使用されている。しかしながら、それらは使用される上記異なる材料に吸着しうる及びそれらはしたがって洗い流すことが難しいので、これらの物質の使用は疑問視されている。これらの両方の例において、急性及び長期毒性は追加の問題を構成する。チオメルサールの場合、患者にとって及び健康専門家にとってアレルギーの危険は現実のものである。
【0017】
他の有用な保存剤は水中に可溶性でない、及びそれらのいくつかはリガンド又はハウジングにおいて使用されるプラスティック材料と時間にわたり相互作用する。例えば、ベンジルアルコールはプラスティックをもろくさせる。上記保存剤はまた洗い流すことも難しく、その特性はまた悪い溶解性にもつながる。
【0018】
さらに、上記保存剤組成物は、所望されない生成物、例えば、毒性物質の形成を伴って、上記分離マトリックスとも上記ハウジングとも反応してはならない。また上記保存剤組成物は上記分離のために使用されるリガンドの結合効率を減少させないことも重要である。
【0019】
しばしば上記分離マトリックス及び上記ハウジングは異なる場所で作出され、及び最終的な体外装置の製造前に貯蔵され及び/又は輸送される。上記取り扱いは上記分離マトリックスにも貯蔵及び輸送に使用される容器にも影響しない保存剤組成物なしに長期抗菌効果を必要とする。さらに、上記抗菌保存剤組成物は上記分離装置のハウジングの充填に関連して上記分離マトリックスから洗い流すことが容易であるべきである。このようにして、上記分離マトリックスは、それがその最終的な装置内に無菌的に包装されるまで滅菌状態で保たれうる。
【0020】
再使用可能分離マトリックスが処置されるとき、効果的な滅菌又は保存がまた重要である。これは特に、上記マトリックスが血液、血漿又は他の体液のプロセッシングに意図される再使用可能体外装置の部分を形成する場合である。
体外装置において使用される支持又はマトリックスはしばしば、上記ハウジング内に充填されるビーズ化形態の重合体多孔性材料であり、上記ビーズはハウジング内に包装されるときビーズの間に必要な空間を提供するのに十分な大きさを有する。上記支持はまた圧力滴を最小限にするために微細ろ過空洞繊維又は平面シート膜でありうる。
【0021】
ほとんどのこれらの分離系は、微生物成長を受けやすい、処理される溶液及びタンパク質性の又は他の有機材料を含む分離マトリックスを利用する。処理される溶液は、例えば、ろ過の方法により滅菌されうる又は体液として供給される。しかしながら、上記分離マトリックス及びその周りの液体は、適切に取り扱われない場合微生物汚染されるので、問題を提示する。
【0022】
分離マトリックス及びその周りの液体のための保存剤組成物は細菌及び真菌の両方に対して静的な又は殺す効果を有しなければならない。さらに、上記組成物の成分についての毒物学データが入手可能でなければならない。好ましくは、それは以前に医薬調製物において使用されているべきであり、及びUSP及びEuropean Pharmacopeiaに関して上記保存剤についての必要性が満たされなければならない。
【0023】
パラベンは膜ポテンシャル又は電子輸送を変えることにより細胞膜に影響するそれらの殺生物剤に含まれる。それらは酵母及びカビに対して最も活性である。上記パラベンはp−ヒドロキシ安息香酸のエステルである。2の最も通常のエステルはメチル及びプロピルパラベンであり、それらはGRAS分類下でUSAにおいて食物使用について承認される。上記パラベンは他の適用については抗菌剤としてそれほど広く使用されていない。適用は主に食品産業及び非経口の医薬品を含む。
【0024】
Prickett et al.(J. Pharm. Sci., vol 50(4), pp.316−320, 1961)は低濃度のプロピレングリコールによる液体経口医薬調剤におけるパラベンの強化を研究した。彼らは、パラベンの抗菌活性に対するプロピレングリコールの強化効果は微生物腐敗に対して保護することが困難な調剤における保存剤活性を増大させるために及びパラベンの濃度を減少させ、それにより液体経口調製物の香味及び消費者受け入れを改善するために利用されうることを発見した。
【発明の開示】
【0025】
本発明の目的は上記に挙げられる不利益を消去することであり、及び本発明はしたがって、それぞれ、請求項1及び11の特徴を得た。
【0026】
したがって、本発明は、少なくとも1のアルキルパラベンを含む水性組成物が分離装置のハウジングにおいて使用されるマトリックスの微生物含有量を消去する又は減少させるために使用されうるという驚くべき発見を示す。上記組成物は、例えば、クロマトグラフィーにおける分離マトリックス及び医薬品の分離のためのプロセス産業適用のために使用されうる。それは体外循環処置のための装置のハウジングにおいて使用される分離マトリックスを滅菌する及び/又は貯蔵するために特に好適である。
【0027】
消去された又は減少された微生物含有量を有する分離マトリックスの作出方法において、上記方法は、以下のステップ:
ハウジング又は容器内に、微生物汚染された分離マトリックスを提供する;
少なくとも1のアルキルパラベンを含む水性抗菌保存剤組成物を上記ハウジング又は容器内の分離マトリックスに添加する;
上記水性抗菌保存剤組成物が、保存剤組成物g当たりのコロニー形成単位(CFU)の数が十分に減少されるまで、上記ハウジング又は容器内でその効果を発揮することを許容する;及び
上記ハウジング又は容器から上記水性抗菌保存剤組成物をすすぐ
を含む。
【0028】
好ましくは、上記水性抗菌保存剤組成物は、保存剤組成物g当たりのCFUの数がUS及び/又はEuropean Pharmacopeia試験プロトコルを満たすまで、その効果を発揮することを許容される。
【0029】
上記水性抗菌保存剤組成物はGMP及びISO−9002/EN46002下で作出されうる。好ましくは、上記組成物はそれらが上記分離マトリックスに添加される前に滅菌される。好適な滅菌方法は、例えば、蒸気及びフィルター滅菌である。
【0030】
上記分離マトリックス材料は固定マトリックスとして通常使用される支持材料でありうる。好ましくは、上記分離マトリックスはアガロースの如きポリサッカライドゲルを含む。好ましい態様においては、上記固定化リガンドは、非限定的に、タンパク質A又は他の免疫グロブリン結合タンパク質若しくはペプチドの如きタンパク質又はさまざまな型の物質に結合する免疫グロブリン若しくはハプテンである。最も好ましい態様においては、上記固定化リガンドは、非限定的に、アヴィヂン又はストレプトアヴィヂン及びそれらの誘導体の如きビオチン結合タンパク質である。
【0031】
好適なパラベンはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベンである。
【0032】
上記パラベンの全体濃度及びそれらの相対分布は抗菌効果にとって重要である。好ましくは、上記組成物中のそれぞれのアルキルパラベンの濃度は増大するアルキル数(すなわち、増大する数の炭素原子)と共に減少する。メチルパラベンの好適な濃度は0.5〜2g・l-1であり、エチルパラベンの好適な濃度は0.01〜0.5g・l-1であり、プロピルパラベンの好適な濃度は0.25〜0.25g・l-1であり、及びブチルパラベンの好適な濃度は少なくとも0.002g・l-1である。
【0033】
しかしながら、アルキルパラベンは、それらの沈殿しやすい傾向のために溶液中に維持することが困難である。したがって、上記水性抗菌保存剤組成物が長期貯蔵及び/又は環境温度(+4〜+25℃)での貯蔵条件の間に溶液中に少なくとも1のアルキルパラベンを維持するのに十分な濃度で溶解性増大剤をさらに含む場合、それは有益である。
【0034】
上記溶解性増大剤はグリセロール、ポリエチレングリコール又はプロピレングリコールの如き、高級アルコール又はポリアルコールでありうる。好ましくは、上記溶解性増大剤はプロピレングリコールである。
【0035】
プロピレングリコールが使用されるとき、その濃度が20g・l-1又はそれ以下であれば十分である。
【0036】
プロピレングリコールは上記水性抗菌保存剤組成物の溶解性、及びしたがって安定性を助けるのみではなく、それはまたその中のパラベンの抗菌活性を増強し、及びしたがって最大保存剤効果をもたらすであろうということに留意すべきである。上記抗菌保存剤組成物は少なくとも6時間その効果を発揮することを許容されるべきであり、それにより上記分離マトリックスの微生物含有量は使用される適用に関わらず消去され又は減少される。
【実施例】
【0037】
実施例
本発明はここで以下の実施例を引用してさらに示され及び例示されるであろう。しかしながら、これらの実施例はいかなる方法においても本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことに留意すべきである。
【0038】
実施例1.保存剤試験.
抗菌保存剤組成物を以下に示される貯蔵溶液中に調製した。
貯蔵溶液
クエン酸 0.79mM
クエン酸三ナトリウム 49.21mM
塩化ナトリウム 0.15M

pH 7.0±0.1
【0039】
7.0のpHは生物親和性に理想的である。
以下の保存剤組成物を研究した。試験された実際の市販製品はNipa Laboratories Lmt, UKから得られ、及び括弧内に登録された商標として与えられる。
【0040】
保存剤(1):フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ヂオールの混合物;(0.3% Nipaguard BPX(商標))
【0041】
保存剤(2):メチルパラベン、0.83g・l-1、エチルパラベン、0.17g・l-1、及びプロピルパラベン、0.12g・l-1の混合物;(0.1% Nipasept(商標))
【0042】
保存剤(3):メチルパラベン、1.25g・l-1、エチルパラベン、0.25g・l-1、及びプロピルパラベン、0.18g・l-1の混合物;(0.15% Nipasept(商標))
【0043】
保存剤(4):フェノキシエタノール、5.0g・l-1;(0.5% Phenoxetol(商標))
【0044】
保存剤(5):メチルパラベン、0.83g・l-1、エチルパラベン、0.17g・l-1、プロピルパラベン、0.12g・l-1、及びフェノキシエタノール、5.0g・l-1の混合物;(0.1% Nipasept(商標)+0.5% Phenoxetol(商標))
【0045】
保存剤(6):メチルパラベン、0.80g・l-1、及びエチルパラベン、0.02g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標))
【0046】
保存剤(7):メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、及びブチルパラベン、0.005g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標)+0.005% Nipabutyl(商標))
【0047】
保存剤(8):メチルパラベン、0.70g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、及びブチルパラベン、0.005g・l-1の混合物;(0.07% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標)+0.005% Nipabutyl(商標))
【0048】
保存剤(9):メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.15g・l-1、及びブチルパラベン、0.005g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.15% Nipagin A(商標)+0.005% Nipabutyl(商標))
【0049】
保存剤(10):メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、及びブチルパラベン、0.04g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標)+0.004% Nipabutyl(商標))
【0050】
保存剤(1)をオートクレーブ、滅菌器具及び無菌技術により前滅菌した貯蔵溶液を用いることにより調製した。他の保存剤組成物をオートクレーブにより滅菌した。
【0051】
微生物接種試験
EP1997−試験プロトコル
それぞれの保存剤組成物の5の20g分を滅菌容器に移し、及び以下に詳述される試験生物の0.2ml培養物を別々に接種した。接種したサンプル分をヴォルテックスミキサーの方法により混合し、及び室温で貯蔵した。EP1997の接種試験プロトコルはその後続けられた。
【0052】
USP23−試験プロトコル
それぞれの保存剤組成物の5の20g分に、保存剤組成物g当たりのコロニー形成単位(CFU)の数の開始カラム値により、以下に詳述される試験生物の0.1ml培養物を接種した。接種したサンプル分をヴォルテックスミキサーの方法により混合し、及び室温で貯蔵した。USPのチャレンジ試験プロトコルはその後続けられた。
【0053】
【表1】

【0054】
試験結果
保存剤組成物g当たりのコロニー形成単位(CFU)の数が与えられ、及び貯蔵溶液のみ(保存剤なし)と比較される。
【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
【表6】

【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
【表9】

【0063】
【表10】

【0064】
【表11】

【0065】
【表12】

【0066】
【表13】

【0067】
結論
EP1997、A基準(目標)は、上記細菌が6時間で少なくともlog2、24時間でlog3減少されて7日以降回復される生物がなく、及び酵母/カビが7日で少なくともlog2減少されてその後増大がないことを必要とする。B基準(最低基準)は、上記細菌が24時間で少なくともlog1、7日でlog3減少されて14日以降増大がなく、及び上記酵母/カビが14日で少なくともlog1減少されてその後増大がないことを必要とする。
【0068】
USP23は、上記細菌が14日で少なくともlog3減少されてその後増大がないことを必要とする。上記酵母/カビは14日以降増大を示すべきでない。
【0069】
【表14】

【0070】
試験結果は、メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、及びブチルパラベン、0.005g・l-1の組み合わせ(保存剤(7))は非経口調製物についてのEP1997(A目標基準)、及びUSP23の標準まで上記貯蔵溶液を有効に保存するはずであることを示す。
EP1997(B最低基準)は保存剤(3)及び保存剤(5)で得られた結果により示されるように、あまり厳格でない。
【0071】
そのように、USP23合格基準はEP1997(非経口)よりあまり厳格でなく、そのことは保存剤(1)、保存剤(2)、保存剤(3)、保存剤(5)及び保存剤(7)で得られた有効な結果により反映される。
【0072】
実施例2.安定性試験.
抗菌保存剤組成物の貯蔵溶液は2〜8℃で1.5年までの棚寿命の間貯蔵されるであろう。上記微生物接種試験において試験された保存剤組成物を、保存剤安定性を決定するために4℃及び−15℃で14日間貯蔵した。
【0073】
安定性は貯蔵及び−15℃からの結果としての解凍後、視覚的に試験された。
【0074】
【表15】

【0075】
メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、及びブチルパラベン、0.005g・l-1の組み合わせ(保存剤(7))は微生物チャレンジ試験において有効であったが、白色沈殿物/結晶の沈殿により示されるように4℃及び−15℃で安定でなかった。
【0076】
以下の保存剤系の安定性はその後決定された。
【0077】
【表16】

【0078】
実施例3.増大する溶解性の効果.
同時に十分な溶解性を得る一方で、微生物効果についてPh. Eur.基準Aに達するために、溶解性増大剤を選択のパラベンに添加した。水と親和性のいかなる物質も使用されうるが、ただし、それは医薬の使用について承認されている。好ましくは、プロピレングリコールは溶解性を増大させるために使用される。
【0079】
したがって、低温度安定性の評価を異なる濃度のメチル、エチル、及びプロピルパラベン及び2又は5%プロピレングリコールの緩衝溶液で行った。
以下の抗菌保存剤組成物を、pH6.0がpH7.0の代わりに使用されたことを除いては、上記に示される貯蔵溶液中に調製した。pH6.0を選択することにより、酸溶液中で使用されえない、パラベンのナトリウム塩を使用することが可能である。
【0080】
保存剤(11):メチルパラベン、0.83g・l-1、エチルパラベン、0.17g・l-1、及びプロピルパラベン、0.12g・l-1の混合物;(0.10% Nipasept(商標))
【0081】
保存剤(12):メチルパラベン、1.00g・l-1、エチルパラベン、0.20g・l-1、及びプロピルパラベン、0.14g・l-1の混合物;(0.12% Nipasept(商標))
【0082】
保存剤(13):メチルパラベン、1.16g・l-1、エチルパラベン、0.24g・l-1、及びプロピルパラベン、0.17g・l-1の混合物;(0.14% Nipasept(商標))
【0083】
保存剤(14):メチルパラベン、1.33g・l-1、エチルパラベン、0.27g・l-1、及びプロピルパラベン、0.19g・l-1の混合物;(0.16% Nipasept(商標))
【0084】
保存剤(15):メチルパラベン、1.49g・l-1、エチルパラベン、0.31g・l-1、及びプロピルパラベン、0.22g・l-1の混合物;(0.18% Nipasept(商標))
【0085】
保存剤(16):メチルパラベン、1.66g・l-1、エチルパラベン、0.34g・l-1、及びプロピルパラベン、0.24g・l-1の混合物;(0.20% Nipasept(商標))
【0086】
保存剤(17):メチルパラベン、0.83g・l-1、エチルパラベン、0.17g・l-1、プロピルパラベン、0.12g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.10% Nipasept(商標)+2%プロピレングリコール)
【0087】
保存剤(18):メチルパラベン、1.00g・l-1、エチルパラベン、0.20g・l-1、プロピルパラベン、0.14g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.12% Nipasept(商標)+2%プロピレングリコール)
【0088】
保存剤(19):メチルパラベン、1.16g・l-1、エチルパラベン、0.24g・l-1、プロピルパラベン、0.17g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.14% Nipasept(商標))
【0089】
保存剤(20):メチルパラベン、1.33g・l-1、エチルパラベン、0.27g・l-1、プロピルパラベン、0.19g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.16% Nipasept(商標)+2%プロピレングリコール)
【0090】
保存剤(21):メチルパラベン、1.49g・l-1、エチルパラベン、0.31g・l-1、プロピルパラベン、0.22g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.18% Nipasept(商標))
【0091】
保存剤(22):メチルパラベン、1.66g・l-1、エチルパラベン、0.34g・l-1、プロピルパラベン、0.24g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.20% Nipasept(商標)+2%プロピレングリコール)
【0092】
保存剤(23):メチルパラベン、0.83g・l-1、エチルパラベン、0.17g・l-1、及びプロピルパラベン、0.12g・l-1、プロピレングリコール、50g・l-1の混合物;(0.10% Nipasept(商標)+5%プロピレングリコール)
【0093】
保存剤(24):メチルパラベン、1.00g・l-1、エチルパラベン、0.20g・l-1、プロピルパラベン、0.14g・l-1、及びプロピレングリコール、50g・l-1の混合物;(0.12% Nipasept(商標)+5%プロピレングリコール)
【0094】
保存剤(25):メチルパラベン、1.16g・l-1、エチルパラベン、0.24g・l-1、プロピルパラベン、0.17g・l-1の混合物、及び(0.14% Nipasept(商標))
【0095】
保存剤(26):メチルパラベン、1.33g・l-1、エチルパラベン、0.27g・l-1、プロピルパラベン、0.19g・l-1、及びプロピレングリコール、50g・l-1の混合物;(0.16% Nipasept(商標)+5%プロピレングリコール)
【0096】
保存剤(27):メチルパラベン、1.49g・l-1、エチルパラベン、0.31g・l-1、プロピルパラベン、0.22g・l-1、及びプロピレングリコール、50g・l-1の混合物;(0.18% Nipasept(商標)+5%プロピレングリコール)
【0097】
保存剤(28):メチルパラベン、1.66g・l-1、エチルパラベン、0.34g・l-1、プロピルパラベン、0.24g・l-1、及びプロピレングリコール、50g・l-1の混合物;(0.20% Nipasept(商標)+5%プロピレングリコール)
【0098】
保存剤(29):メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、及びブチルパラベン、0.005g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標)+0.005% Nipabutyl(商標))
【0099】
保存剤(30):メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、ブチルパラベン、0.005g・l-1、及びプロピレングリコール、20g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標)+0.005% Nipabutyl(商標)+2%プロピレングリコール)
【0100】
保存剤(31):メチルパラベン、0.80g・l-1、エチルパラベン、0.02g・l-1、ブチルパラベン、0.005g・l-1、及びプロピレングリコール、50g・l-1の混合物;(0.08% Nipagin M(商標)+0.02% Nipagin A(商標)+0.005% Nipabutyl(商標)+5%プロピレングリコール)
【0101】
これらの保存剤組成物をオートクレーブの方法により滅菌し、4℃で14日間貯蔵し、及びその後白色沈殿結晶の形態の沈殿について視覚的に評価した。
【0102】
試験結果
沈殿
保存剤(11) (+)
保存剤(12) (+)
保存剤(13) +
保存剤(14) +
保存剤(15) +
保存剤(16) ++
保存剤(17) −
保存剤(18) −
保存剤(19) −
保存剤(20) −
保存剤(21) (+)
保存剤(22) (+)
保存剤(23) −
保存剤(24) −
保存剤(25) −
保存剤(26) −
保存剤(27) (+)
保存剤(28) (+)
保存剤(29) −
保存剤(30) −
保存剤(31) −
【0103】
上記結果は、残りの試験された保存剤組成物のいずれも溶解性増大剤プロピレングリコールの添加なしでは低い貯蔵温度で安定でなかったので、上記試験された保存剤組成物保存剤(29)が低い貯蔵温度で溶解性の有効性において適当であるように見えることを示す。
【0104】
上記パラベン濃度が増大されたとき、上記溶解性増大剤のさらなる添加は溶解性を改善しなかった(保存剤(21)及び保存剤(27)を比較せよ)。
【0105】
微生物接種試験
最小有効保存剤濃度を保存剤組成物保存剤(18)、保存剤(19)、保存剤(20)、及び保存剤(30)をさらに研究することにより評価した。
【0106】
それぞれの溶液の5の20g分を滅菌容器に移し、及び以下に詳述される試験生物の0.2ml培養物を別々に接種した。上記接種したサンプル分をヴォルテックスミキサーの方法により混合し、及び室温で貯蔵した。EP1997の接種試験プロトコルはその後続けられた。
試験生物 初期接種値1g
当たりCFU
Pseudomnas aeruginosa NCIMB 8626 5.3×106
Escherichia coli NCIB 8545 1.2×107
Staphylococcus aureus NCTC 10788 8.2×106
Candida albicans NCPF 3179 1.3×106
Asperaillus niger IMI 149007 5.8×105
【0107】
試験結果
【0108】
【表17】

【0109】
【表18】

【0110】
【表19】

【0111】
【表20】

【0112】
EP1997、A基準(目標)は、上記細菌が6時間で少なくともlog2、24時間でlog3減少されて7日以降回復される生物がなく、及び酵母/カビが7日で少なくともlog2減少されてその後増大がないことを必要とする。B基準(最低基準)は、上記細菌が1時間で少なくともlog24、7日でlog3減少されて14日以降増大がなく、及び上記酵母/カビが14日で少なくともlog1減少されてその後増大がないことを必要とする。
【0113】
【表21】

【0114】
上記試験結果は、これらの抗菌保存剤組成物はEP1997A(目標基準)の標準まで貯蔵溶液を有効に保存するはずであることを示す。
【0115】
4℃で沈殿が得られる最低総パラベン濃度は抗菌組成物保存剤(21)である。4℃で50%の溶解性における安全性の余地を得るために、上記組成物保存剤(18)は好ましい選択である。
【0116】
実施例4.安全性評価.
毒物学データ
科学文献から要約された毒物学データの要約が以下に与えられる。
メチルパラベン
【0117】
【表22】

【0118】
【表23】

【0119】
【表24】

【0120】
プロピレングリコール
“chemical resistance chart, 1996 Nalgene Labware catalogue”にしたがって、濃縮されたプロピレングリコールは20℃でポリカーボネートに対して30日間の一定の暴露後ほとんど又は全く損傷を与えず、50℃で7日間の一定の暴露後いくらかの影響を与える。同じ化学耐性チャートにしたがって、濃縮されたプロピレングリコールは20℃及び50℃での30日間の暴露後ポリエチレン(フィルター材料)に対して損傷効果を有しない。したがって、好ましい濃度のプロピレングリコール(2%)は堅いプラスティックに対していかなる影響も有しない。
【0121】
4℃で沈殿が得られる最低総パラベン濃度は抗菌組成物保存剤(21)である。4℃で50%の溶解性における安全性の余地を得るために、上記組成物保存剤(18)は好ましい選択である。
【0122】
実施例5.洗い流し特性.
安全性評価において、ハウジングの全容積が上記水性抗菌保存剤組成物で満たされていることは最も悪い場合であると想定される。
【0123】
約180mlのハウジングを、タンパク質アヴィヂンが固定化された活性ポリサッカライドゲルの分離マトリックス、及び上記組成物保存剤(18)で満たした。
【0124】
上記ハウジングを体外循環処置のためのその装置内に挿入し、及び臨床使用の前に900mlのRinger−Acetate溶液(Pharmacia, Inc)ですすいだ。上記すすぎ手順後の保存剤(18)の成分の残留濃度をその後分析した。発見された最高濃度は検出限界未満:
【0125】
メチルパラベン <0.010g・l-1
エチルパラベン <0.010g・l-1
プロピルパラベン <0.010g・l-1
プロピレングリコール 0.005g・l-1
【0126】
であった。
【0127】
210mlの装置容積を想定して、上記残留物は総計:
【0128】
メチルパラベン <2.1mg
エチルパラベン <2.1mg
プロピルパラベン <2.1mg
プロピレングリコール <1.1mg
【0129】
になるであろう。
【0130】
これらの量は50kgのヒトへの以下の最大静脈内用量:
【0131】
メチルパラベン 0.042mg/kg
エチルパラベン <0.042mg/kg
プロピルパラベン <0.042mg/kg
プロピレングリコール <0.022mg/kg
【0132】
に対応する。
【0133】
パラベンの急性毒性用量及び上記装置内の残留量の間の安全性の余地は十分に大きく、及び患者に有害であるとは考えられない。動物研究及び非常に長い使用並びに製薬学からの経験は、慢性毒性効果についての顕著な危険性はないことを示す。
【0134】
プロピレングリコールについての安全性の余地はまた急性及び慢性毒性の両方について十分に大きい。上記装置からのプロピレングリコールの最大残留量はいくつかの医薬の投与量よりもかなり少ない。上記少用量のプロピレングリコールの投与の臨床的経験は、上記投与が有害でないであろうことを示す。
【0135】
これらの適用において本発明に従う抗菌保存剤組成物を用いる追加の利点は256nmでの特別な紫外線吸収(E1%256=9.5)であり、それは上記すすぎ手順の連続したモニタリングを可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離装置のハウジング内で使用される、微生物汚染された分離マトリックスの微生物含有量を消去する又は減少させる水性抗菌保存剤組成物の使用であって、前記組成物は少なくとも1のアルキルパラベンを含む前記使用。
【請求項2】
前記少なくとも1のアルキルパラベンは、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン又はブチルパラベンである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記少なくとも1のアルキルパラベンの濃度は、増大するアルキル数と共に減少する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
メチルパラベンの濃度は0.5〜2g・l-1である、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項5】
エチルパラベンの濃度は0.01〜0.5g・l-1である、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項6】
プロピルパラベンの濃度は0.25〜0.25g・l-1である、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項7】
ブチルパラベンの濃度は少なくとも0.002g・l-1である、請求項2又は3に記載の使用。
【請求項8】
前記水性抗菌保存剤組成物はさらに、溶液中に前記少なくとも1のアルキルパラベンを維持するために十分な濃度で溶解性増大剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
前記溶解性増大剤はプロピレングリコールである、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記プロピレングリコールの濃度は20g・l-1又はそれ以下である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
消去された又は減少された微生物含有量を有する分離マトリックスの製造方法であって、以下のステップ:
ハウジング又は容器内に、微生物汚染された前記分離マトリックスを提供する;
上記ハウジング又は容器内の前記分離マトリックスに、少なくとも1のアルキルパラベンを含む、水性抗菌保存剤組成物を添加する;
上記水性抗菌保存剤組成物が、保存剤組成物1g当たりのコロニー形成単位(CFU)の数が十分に減少されるまで、上記ハウジング又は容器内でその効果を発揮することを許容する;及び
上記ハウジング又は容器から上記水性抗菌保存剤組成物をすすぐ:
を含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも1のアルキルパラベンはメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン又はブチルパラベンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1のアルキルパラベンの濃度は増大するアルキル数と共に減少する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
メチルパラベンの濃度は0.5〜2g・l-1である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
エチルパラベンの濃度は0.01〜0.5g・l-1である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項16】
プロピルパラベンの濃度は0.25〜0.25g・l-1である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項17】
ブチルパラベンの濃度は少なくとも0.002g・l-1である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項18】
前記水性抗菌保存剤組成物は、溶液中に前記少なくとも1のアルキルパラベンを維持するために十分な濃度で溶解性増大剤をさらに含む、請求項11〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記溶解性増大剤はプロピレングリコールである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プロピレングリコールの濃度は20g・l-1又はそれ以下である、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
前記水性抗菌保存剤組成物は、それが前記分離マトリックスに添加される前に滅菌される、請求項11〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記水性抗菌保存剤組成物は蒸気又はフィルター滅菌の方法により滅菌される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記水性抗菌保存剤組成物は少なくとも6時間その効果を発揮することを許容される、請求項11〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記水性抗菌保存剤組成物はUS及び/又はEuropean pharmacopeia試験プロトコルが満たされるまでその効果を発揮することを許容される、請求項11〜23のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2006−516198(P2006−516198A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−533932(P2004−533932)
【出願日】平成15年9月2日(2003.9.2)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001356
【国際公開番号】WO2004/022111
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(505081227)ミトラ メディカル アクティエボラーグ (1)
【Fターム(参考)】