説明

方向検出装置及びこれを用いたゲームシステム

【課題】地磁気センサを利用した補正を適切に行うことが可能な方向検出装置を提供する。
【解決手段】本体部としての筐体2とその筐体2に対して方向が変化する可動部としての3Dグラス3とを有するゲーム機1に適用される方向検出装置において、筐体2に設置される固定側地磁気センサ18と、3Dグラス3に設置されるジャイロセンサ15と、3Dグラス3に設置される可動側地磁気センサ17とを設け、ジャイロセンサ15の出力に基づいて、3Dグラス3の筐体2に対する方向を判別し、固定側地磁気センサ18及び可動側地磁気センサ17のそれぞれの出力に基づいて、ジャイロセンサ15の出力に基づいて判別した方向を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャイロセンサを利用して方向を検出する装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機のゲームパッド等の方向を検出する手段として、従来よりジャイロセンサ(又はジャイロスコープ)が利用されている。ジャイロセンサは応答性が良好で、動きがあるものの方向検出に適用しているが、その出力からは方向の変化量しか検出することができない。そのため、絶対的な方向を検出するには基準方向を定めた上で、検出値を積算して基準方向からの変化量を求める必要があり、累積的な誤差が避けられない。このような誤差を抑えるため、ジャイロセンサの出力から得られた方向を地磁気センサの出力に基づいて補正することにより、方向の検出精度を高めるようにした装置が提案されている(例えば特許文献1〜6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3696586号公報
【特許文献2】特許第3763435号公報
【特許文献3】特許第3797661号公報
【特許文献4】特許第4023889号公報
【特許文献5】特許第4004165号公報
【特許文献6】特許第3960575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地磁気センサは、周囲の磁界の影響を受け易く、金属が近くにあるような場合に、測定値の信頼性が低下する特性を有している。そのような場合、地磁気センサの出力に基づいて補正を行うと、方向の検出精度が却って悪化するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は地磁気センサを利用した補正を適切に行うことが可能な方向検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方向検出装置は、本体部(2)と該本体部に対して方向が変化する可動部(3)とを有する対象システム(1)に適用され、前記本体部に対する前記可動部の方向を検出する方向検出装置であって、前記本体部に設置される固定側地磁気センサ(18)と、前記可動部に設置されるジャイロセンサ(15)と、前記可動部に設置される可動側地磁気センサ(17)と、前記ジャイロセンサの出力に基づいて、前記可動部の前記本体部に対する方向を判別する方向判別手段(31、32)と、前記固定側地磁気センサ及び前記可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した方向を補正する方向補正手段(43〜46、33;43〜45、47、33;43〜45、48、33)と、を備えたものである。
【0007】
本発明の方向検出装置においては、可動側地磁気センサの出力が、可動部の方向の変化と、対象システムの周囲の磁界の変化の両者を反映して変化する。その一方、本体部の固定側地磁気センサは不動であるため、その出力の変化は周囲の磁界の変化の影響によるものとみなしてよい。したがって、固定側地磁気センサの出力を参照すれば、可動側地磁気センサの出力が磁界の変化の影響を受けているか否かを判別し、磁界の変化の影響があるときには地磁気センサの出力に基づく方向の補正を中止して方向検出精度の低下を防止することができる。あるいは、固定側地磁気センサの出力の変化を利用して、可動側地磁気センサの出力に含まれている磁界の変化の影響を排除し、可動部の方向の変化に対応した出力の変化のみを抽出して方向の補正量を正しく判別することができる。すなわち、固定側地磁気センサの出力を参照することにより、可動側地磁気センサの出力に基づく方向の補正を適切に行うことが可能となる。
【0008】
本発明の一形態において、前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて前記可動部の角度の変化量を判別し、該変化量を積算することにより所定の基準方向に対する前記可動部の方向を判別するように構成され、前記方向補正手段には、前記可動側地磁気センサの出力に基づいて前記基準方向に対する前記可動部の方向を比較対象方向として判別し、判別された比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との差に基づいて前記方向の補正量を補正する補正量決定手段(43、44)と、前記補正量決定手段が決定した補正量に従って前記方向の補正を実行する補正実行手段(33)と、前記固定側地磁気センサの出力に基づいて磁界に許容範囲を超える乱れが生じているか否かを判別し、前記許容範囲を超える乱れが生じていないときには前記補正実行手段にて前記方向が補正され、前記許容範囲を超える乱れが生じているときには前記補正実行手段により前記方向が補正されないように前記補正実行手段による前記補正を制御する補正制御手段(45、46;45、47)と、が設けられてもよい。この形態によれば、不動である固定側地磁気センサの出力の変化を利用して磁界の乱れの有無を判別し、磁界が乱れているときには可動側地磁気センサの出力に基づく方向の補正を行わないようにして、方向検出精度の低下を抑えることができる。
【0009】
さらに、前記補正制御手段(45、47)は、前記可動側地磁気センサの出力に基づいて判別される比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との間に、前記補正量決定手段が決定し得る補正量の範囲を超えるずれが生じたときに前記補正実行手段により前記方向が補正されないように前記補正実行手段による前記補正を制御してもよい。これによれば、可動側地磁気センサの出力の変化をも参照して、磁界の乱れの有無を判別し、方向検出精度の低下をより確実に抑えることができる。
【0010】
本発明の他の一形態において、前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて前記可動部の角度の変化量を判別し、該変化量を積算することにより所定の基準方向に対する前記可動部の方向を判別するように構成され、前記方向補正手段には、前記可動型地磁気センサ及び前記固定側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて判別される方向の差分を演算し、演算された差分に基づいて、前記基準方向に対する前記可動部の方向を比較対象方向として判別し、判別された比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との差に基づいて前記方向の補正量を補正する補正量決定手段(図9の43〜45、48)と、前記補正量決定手段が決定した補正量に従って前記方向の補正を実行する補正実行手段(図9の33)と、が設けられてもよい。本形態によれば、可動側地磁気センサ及び固定側地磁気センサのそれぞれの出力から判別される方向の差分を取ることにより、可動側地磁気センサの出力から判別される方向に含まれている磁界の変化の影響を排除し、可動部の方向の変化に対応した出力の変化のみを抽出して方向の補正量を正しく判別することができる。
【0011】
本発明のさらなる形態において、前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて鉛直面内及び水平面内における前記可動部の傾きを前記方向として判別し、前記方向補正手段は、前記固定側地磁気センサ及び前記可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した前記水平面内における前記可動部の傾きを補正するものとしてもよい。この形態によれば、地磁気センサの出力を参照して水平面内における方向の補正を適切に行うことができる。
【0012】
上記の形態において、前記可動部には、重力方向に対する前記可動部の傾きに対応した信号を出力する加速度センサ(16)がさらに設けられ、前記方向補正手段は、前記加速度センサの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した前記鉛直面内における前記可動部の傾きをさらに補正してもよい。この形態によれば、加速度センサの出力を利用して鉛直面内における方向をさらに補正することにより、方向検出精度をさらに向上させることができる。
【0013】
本発明は、上述した方向検出装置を有し、かつ、前記本体部として表示装置(7)を有する筐体(2)が設けられ、前記可動部(3)はプレイヤ(P)によってその方向が変化するように前記筐体から分離されているゲームシステム(1)として構成されてもよい。その場合、前記可動部が前記プレイヤに装着されるように構成され、該可動部の前記表示装置に対する方向がゲームの制御に反映されるようにしてもよい。前記可動部が前記プレイヤの頭部に装着されるように構成され、前記方向検出装置は、前記プレイヤの視線方向を検出するように設けられてもよい。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、本体部及び可動部の両者に地磁気センサを設け、それらの地磁気センサの出力に基づいて方向を補正するようにしたため、可動側地磁気センサの出力に基づく方向の補正を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る視線検出装置が適用されたゲーム機の斜視図。
【図2】第1の形態に係るゲーム機の制御系の概略を示すブロック図。
【図3】第1の形態における視線検出部の機能ブロック図。
【図4】固定側地磁気センサ及び可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて判別した、水平面内における傾きの変化の一例を示す図。
【図5】第1の形態において制御ユニットが実行する補正制御処理を示すフローチャート。
【図6】第2の形態における視線検出部の機能ブロック図。
【図7】ジャイロセンサ及び可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて判別した、、水平面内における傾きの変化の一例を示す図。
【図8】第2の形態において制御ユニットが実行する補正制御処理を示すフローチャート。
【図9】第3の形態における視線検出部の機能ブロック図。
【図10】固定側地磁気センサ及び可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて判別した、水平面内における傾きの変化の一例を示す図。
【図11】第3の形態において制御ユニットが実行する補正制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の形態]
図1は、本発明に係る方向検出装置が適用された対象システムとしてのゲーム機(ゲームシステム)の一形態を示している。本形態のゲーム機1は、プレイヤPがその操作対象に設定されたキャラクタ(プレイヤキャラクタと呼ぶことがある。)を操作して仮想的なゲーム空間を探索し、ゲーム空間に潜んでいる敵を倒しつつ所定のミッションを遂行できるか否かを競うアクションタイプのゲームを提供するものである。
【0018】
ゲーム機1は、本体部としての筐体2と、可動部としての3Dグラス3とを備えている。筐体2は、メインユニット4と、フロアユニット5と、シートユニット6とを備えている。メインユニット4にはモニタ(表示装置)7が取り付けられている。モニタ7は、一例として液晶ディスプレイ装置である。また、図1には示されていないが、メインユニット4にはスピーカユニット11(図2参照)といったゲームの演出に必要な各種の装置が取り付けられている。さらに、メインユニット4の内部にはゲーム機1の制御ユニット等が設けられている。フロアユニット5はメインユニット4に対して一体的に接続され、その内部にはメインユニット4の内部の制御ユニット等とシートユニット6に取り付けられた入力装置等とを結ぶケーブル類が収容されている。
【0019】
シートユニット6は、ゲームのプレイヤPが着座するシート8と、プレイヤによる操作を受け付ける入力装置9とが設けられている。入力装置9は、プレイヤPがゲーム機1に対して各種の指示を与えるために設けられている。入力装置9は、拳銃を模したガン型コントローラ10を含んでいる。ガン型コントローラ10は、ゲーム上で敵を倒すためにプレイヤに与えられる武器を象徴する入力装置として設けられている。プレイヤは、モニタ7の画面に適宜に表示される敵等の標的にガン型コントローラ10の銃口10aを向け、トリガレバー10bを操作することにより、その標的を銃撃することができる。
【0020】
3Dグラス3は、プレイヤPが、モニタ7の画面に表示される3次元映像を見るために設けられている。3Dグラス3を利用した3次元映像の提示方法としては、モニタ7の画面上に、偏光方向が異なる左眼用フィルタと右眼用フィルタとを交互にライン状に配置し、それらのフィルタに合わせて左眼用画像と右眼用画像とを交互にライン状に合成して1フレームの画像を表示し、その画像を3Dグラスの偏光フィルタを介して観察させる偏光方式と、左眼用画像と右眼用画像とを所定の周期で交互に表示させ、その周期に同期して3Dグラスの左右のシャッタを交互に開閉するシーケンシャル方式とが存在する。本形態のゲーム機1はいずれの方式が採用されてもよく、3Dグラス3は、その3次元映像の方式に合わせたものであればよい。
【0021】
図2は、ゲーム機1における制御系の概略を示している。その制御系は、制御ユニット20を含んでいる。制御ユニット20は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置(RAM、ROM)等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットである。制御ユニット20には、ゲームの入力装置9、モニタ7、スピーカユニット11、及び外部記憶装置21が接続されている。ガン型コントローラ10には、銃口10aがモニタ7の画面上のどの位置に向けられているかを検出する照準検出センサ12が装備されている。照準検出センサ12には、一例として、観察対象(モニタ7)の周囲の複数箇所から観察者(プレイヤ)に向けて照射される赤外光を、観察者側に設けられた受光部で受光して、その受光状況から受光部が向けられている方向を検出する方式のセンサを用いることができる。あるいは、モニタ7の周囲にカメラを設置し、そのカメラが撮影した画像を処理することにより、銃口10aが向けられている方向を検出してもよい。
【0022】
3Dグラス3には、これを装着したプレイヤ(観察者)の視線方向を検出するためのセンサユニット14が取り付けられている。センサユニット14には、ジャイロセンサ15、加速度センサ16及び地磁気センサ17が設けられている。さらに、筐体2にも地磁気センサ18が設けられている。ジャイロセンサ15は、互いに直交する3軸を検出軸として有し、各軸の回りに生じる角速度を検出してその検出値を積分することにより、各軸の回りの角度の変化量を出力する。加速度センサ16は、互いに直交する3軸を検出軸として有し、各軸の方向に対する重力方向のずれ角に応じた信号を出力する。つまり、加速度センサ16は、重力方向に対する鉛直面内及び水平面内の傾きを検出してそれらの傾きに応じた信号を出力する。地磁気センサ17、18は互いに直交する3軸を検出軸として有し、各軸の方向に対する磁極方向(磁北方向)のずれ角に応じた信号を出力する。つまり、地磁気センサ17、18は、磁北方向に対する鉛直面内及び水平面内の傾きを検出してそれらの傾きに応じた信号を出力する。これらのセンサ15〜18には、市販の各種のセンサを利用してよい。センサ15〜18の出力はいずれも制御ユニット20に与えられる。以下においては、地磁気センサ17をプレイヤ側地磁気センサ17と、地磁気センサ18を筐体側地磁気センサ18と呼ぶことがある。なお、筐体側地磁気センサ18は、筐体2内であれば適宜の位置に取り付けられてよい。視線方向は、適宜の絶対座標系に従って特定すればよい。例えば、重力方向をZ軸方向として設定し、水平面内で互いに直交する2方向がX軸方向、Y軸方向となるように絶対座標系を設定し、その座標系に従って視線方向を定義することができる。
【0023】
外部記憶装置21は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含む記憶装置である。外部記憶装置21には、制御ユニット20の基本的な制御を実現するためのオペレーティングシステムの他に、ゲームを所定の手順で実行するためのアプリケーションソフトウエアとしてのゲームプログラム23、及びそのゲームプログラム23が適宜に参照するゲームデータ24が記録されている。制御ユニット20がゲームプログラム23を読み取って実行することにより、制御ユニット20にはゲームの実行に必要な各種の論理的装置が生成される。その論理的装置の一つとして、制御ユニット20には視線検出部25が形成される。視線検出部25は、センサユニット14のセンサ15〜17及び筐体側地磁気センサ18のそれぞれの出力に基づいて、プレイヤPの視線方向を検出する処理を実行する。すなわち、視線検出部25は、ジャイロセンサ15の出力に基づいて、3Dグラス3の直交3軸方向における角度の変化量を検出し、所定方向を基準方向に定めたときのその基準方向からの角度の変化量を積算することにより、基準方向に対するプレイヤPの視線方向の変化量を判別する。なお、ジャイロセンサ15の出力に基づいて判別された視線方向は補正前の値であり、以下ではこれを視線方向の初期検出値と呼ぶことがある。基準方向は適宜に定めてよい。一例として、水平面内における磁北方向及び鉛直面内における重力方向をそれぞれ基準方向として定めればよい。視線検出部25は、加速度センサ16の出力に基づいて初期検出値の鉛直方向成分を補正する。また、視線検出部25は、地磁気センサ17、18のそれぞれの出力に基づいて、初期検出値の水平方向成分を補正する。以下、図3を参照して、視線検出部25の詳細を説明する。
【0024】
図3は視線検出部25の機能ブロック図である。視線検出部25において、ジャイロセンサ15の出力は視線変化量演算部31に与えられる。視線変化量演算部31は、ジャイロセンサ15の出力に基づいて、当該ジャイロセンサ15に設定された検出軸(3軸)の回りの角度の変化量(視線変化量)をそれぞれ演算する。視線変化量の演算結果は視線方向演算部32に与えられる。視線方向演算部32は、視線変化量の演算値を積算することにより、基準方向からの視線方向の変化量(角度の変化量)を上述した絶対座標系に従って演算する。視線方向演算部32によって演算された視線方向の変化量により、鉛直面内及び水平面内のそれぞれにおいて、基準方向からの視線方向の変化量が特定される。すなわち、基準方向に対して、プレイヤPの視線方向が鉛直方向及び水平方向にそれぞれ何度ずれているかを示す値が視線方向演算部32にて特定される。以下では、基準方向に対する視線方向の鉛直面内におけるずれ角度を鉛直偏位、基準方向に対する視線方向の水平面内におけるずれ角度を水平偏位とそれぞれ呼ぶことがある。視線方向演算部32が演算した鉛直偏位及び水平偏位は、補正部33に与えられる。補正部33は加速度センサ16、地磁気センサ17、18の出力に基づいて演算される補正量に従って、鉛直偏位及び水平偏位を補正する。補正部33による補正後の鉛直偏位及び水平偏位が、視線検出部25における最終的な視線方向の演算値となる。
【0025】
次に、鉛直偏位及び水平偏位のそれぞれの補正について説明する。まず、鉛直偏位の補正には加速度センサ16の出力が参照される。加速度センサ16の出力は鉛直方位演算部41に与えられる。鉛直方位演算部41は、加速度センサ16の出力に基づいて、重力方向に対する3Dグラス3の鉛直面内における傾き(以下、鉛直方位と呼ぶことがある。)を演算する。鉛直方位演算部41の演算結果は鉛直方位補正量演算部42に与えられる。鉛直方位補正量演算部42は、鉛直方位演算部41から与えられた鉛直方位、すなわち、重力方向に対する鉛直面内の傾きの絶対値を基準方向に対する鉛直面内の傾きに変換し、その変換後の傾きを、視線方向演算部32から与えられる鉛直偏位、すなわち、ジャイロセンサ15によって特定された基準方向に対する鉛直面内の傾きの絶対値と比較することにより、鉛直偏位に対する補正量を演算する。その補正量の演算においては、加速度センサ16の出力に基づいて特定した傾きと、ジャイロセンサ15の出力に基づいて特定した傾きとのずれが許容範囲であれば補正量を0°とし、許容範囲を超えたときには、そのずれ角度を補正量として決定すればよい。
【0026】
次に、水平偏位の補正には地磁気センサ17、18の出力が参照される。まず、プレイヤ側地磁気センサ17の出力は水平方位演算部43に与えられる。水平方位演算部43は、地磁気センサ17の出力に基づいて、磁北方向に対する3Dグラス3の水平面内における傾き(以下、水平方位と呼ぶことがある。)を演算する。水平方位演算部43の演算結果は水平方位補正量演算部44に与えられる。水平方位補正量演算部44は、水平方位演算部43から与えられた水平方位、すなわち、磁北方向に対する水平面内の傾きの絶対値を基準方向に対する水平面内の傾きに変換し、その変換後の傾きを、視線方向演算部32から与えられる水平偏位、すなわち、ジャイロセンサ15によって特定された基準方向に対する水平面内の傾きの絶対値と比較することにより、水平偏位に対する補正量を演算する。その補正量の演算においては、地磁気センサ17の出力に基づいて特定した傾きと、ジャイロセンサ15の出力に基づいて特定した傾きとのずれが許容範囲であれば補正量を0°とし、許容範囲を超えたときには、そのずれ角度を補正量として決定すればよい。
【0027】
一方、筐体側地磁気センサ18の出力は水平方位演算部45に与えられる。水平方位演算部45は、地磁気センサ18の出力に基づいて、磁北方向に対するセンサ18の水平面内における傾きを演算する。以下、水平方位演算部45が演算する傾きも水平方位と呼ぶことがあり、特に水平方位演算部43が演算する水平方位をプレイヤ側水平方位と、水平方位演算部45が演算する水平方位を筐体側水平方位と呼んでそれらを区別することがある。水平方位演算部45の演算結果は補正制御部46に与えられる。補正制御部46は、水平方位演算部45から与えられた水平方位、すなわち、磁北方向に対する水平面内の傾きの絶対値が、本来の値から所定の許容値を超えてずれているか否かを判別する。すなわち、筐体2に設置された地磁気センサ18は不動であるため、その地磁気センサ18が検出する傾き(筐体側水平方位)は本来一定である。地磁気センサ18の出力が変化している場合には、磁界の一時的な乱れの影響を受けている可能性がある。その場合には、プレイヤ側地磁気センサ17も同様に磁界の乱れの影響を受け、プレイヤ側水平方位に関する測定値の信頼性が低下しているおそれがある。例えば、図4に示したように、筐体側地磁気センサ18によって検出された傾きが時刻t1〜t2の間に乱れている場合、その間は、プレイヤ側地磁気センサ17によって検出された傾きも同様の乱れ成分を含んでいる可能性がある。この場合、時刻t1〜t2間のプレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づいて水平偏位を補正すれば、水平偏位の検出精度が却って悪化するおそれがある。
【0028】
そこで、補正制御部46は、筐体側地磁気センサ18が検出した傾きと、本来の値、すなわち図4の例では、時刻t1〜t2間を除いた期間における傾きの値とのずれを検出し、そのずれが所定の許容値以内であれば、水平方位補正量演算部44に対してプレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づく水平偏位の補正を許容し、ずれが許容値を超えている場合には水平方位補正量演算部44に対してプレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づく水平偏位の補正を禁止する。水平方位補正量演算部44は、補正が許容されている場合には、上述したようにプレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づいて水平偏位の補正量を決定し、その一方、補正が禁止された場合には補正量を0°に設定する。
【0029】
鉛直方位補正量演算部42及び水平方位補正量演算部44にてそれぞれ決定された補正量は補正部33に与えられる。補正部33は、視線方向演算部32が演算した鉛直偏位及び水平偏位に、補正量演算部42、44から与えられた補正量を加算(補正量が負の値の場合は減算である。)することにより、視線方向を示す最終的な演算値を生成する。その演算値は、ゲーム機1の制御ユニット20により、ゲーム画面の描画といったプレイヤPの視線方向を反映させるべき各種の制御に使用される。
【0030】
図5は、上述した筐体側地磁気センサ18の出力に基づく補正制御の処理手順を示したフローチャートである。この処理は所定の周期で制御ユニット20が繰り返す。図5の補正制御処理では、まずステップS11にて視線検出部25の水平方位演算部45により筐体側地磁気センサ18の出力が検出され、続くステップS12にて、筐体側地磁気センサ18の出力に基づく水平方位(ここでは磁北方向からの傾きの絶対値でよい。)が演算される。次のステップS13では、水平方位演算部45が演算した水平方位が補正制御部46に与えられ、その水平方位が本来の値に対して許容値を超えて変化しているか否かが判断される。許容値を超えていなければステップS14にて水平方位補正量演算部44に対し水平偏位の補正が許可され、許容値を超えていればステップS15にて水平方位補正量演算部44に対し水平偏位の補正が禁止される。ステップS14又はS15にて水平偏位の補正の許可又は禁止が決定されると、今回の処理が終了する。
【0031】
第1の形態においては、視線変化量演算部31及び視線方向演算部32が方向演算手段に相当し、水平方位演算部43、水平方位補正量演算部44、水平方位演算部45、補正制御部46及び補正部33の組み合わせが方向補正手段に相当する。また、水平方位演算部43及び水平方位補正量演算部44が補正量決定手段に相当し、補正部33が補正実行手段に相当し、水平方位演算部45及び補正制御部46が補正制御手段に相当する。
【0032】
[第2の形態]
図6〜図8を参照して本発明の第2の形態を説明する。本形態は、上述した第1の形態に対して水平方位の補正処理を変更したものである。よって、以下では第1の形態との相違点を中心として説明し、第1の形態と共通する部分は同一の参照符号を使用して説明を省略する。
【0033】
図6は、第2の形態における視線検出部25の機能ブロック図である。図6の視線検出部25においては、視線方向演算部32が演算した水平偏位が、水平方位補正量演算部44に加えて、補正制御部47にも与えられる。また、水平方位演算部43が演算した水平方位も補正制御部47に与えられる。補正制御部47は、図3の補正制御部46と同様に、水平方位演算部45から与えられる筐体側地磁気センサ18の出力に基づく水平方位の変化を利用した補正の許可又は禁止の制御に加えて、視線方向演算部32から与えられる水平偏位と、水平方位演算部43から与えられる水平方位とを比較して補正の許可又は禁止を制御する。すなわち、補正制御部47は、水平方位演算部43から与えられた水平方位、すなわち、磁北方向に対する水平面内の傾きの絶対値を基準方向に対する水平面内の傾きに変換し、その変換後の傾きを、視線方向演算部32から与えられる水平偏位、すなわち、ジャイロセンサ15によって特定された基準方向に対する水平面内の傾きの絶対値と比較する。そして、傾きのずれが許容範囲を超えていなければ水平方位補正量演算部44に対して補正を許可し、傾きのずれが許容範囲を超えていれば水平方位補正量演算部44に対して補正を禁止する。
【0034】
例えば、図7に示したように、ジャイロセンサ15の出力に基づいて特定される傾き(水平偏位)に対して、プレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づいて特定された傾きが時刻t1〜t2の間で許容範囲を超えてずれた場合、その間は、プレイヤ側地磁気センサ17によって検出された傾きが周囲の磁界の乱れの影響を受けている可能性がある。そこで、時刻t1〜t2間では、プレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づく水平偏位の補正を禁止する。なお、ここでの許容範囲は、水平方位補正量演算部44が演算する補正量として通常生じる範囲よりも大きく設定される。つまり、ジャイロセンサ15の出力に基づいて特定される水平偏位の誤差は、徐々に拡大するものであるため、通常は、その誤差が適度に増加したときに補正をすれば方向の検出精度は適度に維持される。これに対して磁界が変化したときには、プレイヤ側地磁気センサ17の出力が大きく乱れるため、通常の補正では生じない程大きいずれが、ジャイロセンサ15の出力に基づいて特定される傾き(水平偏位)と、プレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づいて特定された傾きとの間に生じる。このようなずれ、すなわち、水平偏位補正量演算部44が決定し得る補正量の範囲を超えるずれが生じたか否かを補正制御部47に判別し、そのような大きなずれがある間は補正が禁止されるように上述した許容範囲を設定すればよい。
【0035】
図8は、ジャイロセンサ15とプレイヤ側地磁気センサ17のそれぞれの出力に基づく補正制御の処理手順を示したフローチャートである。この処理は所定の周期で制御ユニット20が繰り返す。図8の補正制御処理では、まずステップS21にて補正制御部47により視線方向演算部32から水平偏位が取得され、続くステップS22にて、水平方位演算部43により、プレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づく水平方位(ここでは磁北方向からの傾きの絶対値でよい。)が演算される。次のステップS23では、水平方位演算部43が演算した水平方位が基準方向に対する水平面内の傾きに変換され、その傾きと視線方向演算部32から取得された水平面内の傾き(水平偏位)とのずれが許容範囲か否かが判断される。許容範囲内であればステップS24にて水平方位補正量演算部44に対し水平偏位の補正が許可され、許容範囲を超えていればステップS25にて水平方位補正量演算部44に対し水平偏位の補正が禁止される。ステップS24又はS25にて水平偏位の補正の許可又は禁止が決定されると、今回の処理が終了する。
【0036】
第2の形態においては、視線変化量演算部31及び視線方向演算部32が方向演算手段に相当し、水平方位演算部43、水平方位補正量演算部44、水平方位演算部45、補正制御部47及び補正部33の組み合わせが方向補正手段に相当する。また、水平方位演算部43及び水平方位補正量演算部44が補正量決定手段に相当し、補正部33が補正実行手段に相当し、また、水平方位演算部43及び水平方位補正量演算部44が補正量決定手段に相当し、水平方位演算部45及び補正制御部47が補正制御手段に相当する。
【0037】
[第3の形態]
図9〜図11を参照して本発明の第3の形態を説明する。本形態は、上述した第1の形態に対して水平方位の補正処理を変更したものである。よって、以下では第1の形態との相違点を中心として説明し、第1の形態と共通する部分は同一の参照符号を使用して説明を省略する。
【0038】
図9は、第3の形態における視線検出部25の機能ブロック図である。図9の視線検出部25においては、水平方位演算部43、45が演算した水平方位のそれぞれが補正制御部48に与えられる。補正制御部48は、両演算部43、45から与えられた水平方位の差分を演算し、その差分を水平方位補正量演算部44に与える。水平方位補正量演算部44は、補正制御部48から与えられた水平方位を基準方向に対する水平面内の傾きに変換し、その変換後の傾きを、視線方向演算部32から与えられる水平偏位、すなわち、ジャイロセンサ15によって特定された基準方向に対する水平面内の傾きの絶対値と比較することにより、水平偏位に対する補正量を演算する。その補正量の演算は、傾きのずれ量を補正量とするものである。すなわち、本形態は、図10に例示したように、筐体側地磁気センサ18を利用して検出された傾きが磁界の変化の影響で安定せず、地磁気センサ18の出力が第1の形態のように磁界変化の指標として利用できない場合において、両センサ17、18の傾きの差δを第1の形態における水平方位演算部43の水平方位に代えて水平方位補正量演算部44に与え、その差δを基準方向に対する水平面内の傾きとみなしてジャイロセンサ15の出力に基づく水平面内の傾き(水平偏位)と比較し、両者の傾きの差が解消するように水平偏位の補正量を決定するものである。
【0039】
図11は、地磁気センサ17、18のそれぞれの出力に基づく補正制御の処理手順を示したフローチャートである。この処理は所定の周期で制御ユニット20が繰り返す。図11の補正制御処理では、まずステップS31にて水平方位演算部43によりプレイヤ側地磁気センサ17の出力に基づく水平方位(ここでは磁北方向からの傾きの絶対値でよい。)が演算される。次のステップS32では、水平方位演算部45により筐体側地磁気センサ18の出力に基づく水平方位(これも磁北方向からの傾きの絶対値でよい。)が演算される。続くステップS33では補正制御部48により両センサ17、18の出力に基づく水平方位の差分δが演算される。さらに、ステップS34では、差分δが水平方位補正量演算部44に与えられ、それにより今回の処理が終了する。
【0040】
第3の形態においては、視線変化量演算部31及び視線方向演算部32が方向演算手段に相当し、水平方位演算部43、水平方位補正量演算部44、水平方位演算部45、補正制御部48及び補正部33の組み合わせが方向補正手段に相当する。また、水平方位演算部43、水平方位補正量演算部44、水平方位演算部45及び補正制御部48が補正量決定手段に相当し、補正部33が補正実行手段に相当する。
【0041】
本発明は上述した形態に限らず、適宜の変形が可能である。例えば、上記の形態では鉛直面内における方向の補正量を加速度センサ16の出力に基づいて決定し、水平面内における方向の補正量を地磁気センサ17、18の出力に基づいて決定しているが、加速度センサ16を省略して、地磁気センサ17、18の出力のみに基づいて方向を補正してもよい。すなわち、本発明の方向検出装置は加速度センサ16を有しない、あるいは視線方向の補正に使用しない形態にて実施されてもよい。可動部は3Dグラス3に限らず、本体部としての筐体に対して方向が変化するものであれば適宜に変更可能である。例えば、ゲームパッド等を可動部として、その可動部の本体部に対する方向を本発明によって検出してもよい。さらに、本発明が適用される対象システムは、ゲームシステムとしてのゲーム機に限定されない。本体部とその本体部に対して方向が変化する可動部とを有する各種のシステムに本発明が適用されてよい。
【0042】
上記の各形態では、ジャイロセンサの出力に基づいて判別した視線方向に対する補正量の決定において、ジャイロセンサの出力に基づいて特定した傾きと、可動側地磁気センサを利用して、あるいは可動側地磁気センサ及び固定側地磁気センサの両者を利用して特定した傾きとのずれが許容範囲内であれば補正量を0°とし、許容範囲外であればずれ角度を補正量として決定している。しかし、ジャイロセンサの出力に基づいて特定した傾きを、地磁気センサの出力に基づいて特定した傾きに置き換えることにより補正を実行してもよい。また、補正の実行にあたっては、視線方向が補正後の角度へと直ちに変更されるように補正を実行してもよいし、補正後の角度に向かって徐々に角度が補正されるように補正を実行してもよい。加速度センサの出力に基づいて鉛直方向の補正を行う場合も同様の変形が可能である。
【0043】
上述した第2の形態においては、補正制御部47が固定側地磁気センサ18の出力に基づいて磁界に乱れがあるか否かを判別しているが、その機能を省略し、さらには固定側地磁気センサ18も省略して方向検出装置を構成することも考えられる。すなわち、第2の形態は、固定側地磁気センサを必須としない方向検出装置の別の発明の一形態として変形することが可能である。その別の発明は、本体部と該本体部に対して方向が変化する可動部とを有する対象システムに適用され、前記本体部に対する前記可動部の方向を検出する方向検出装置であって、前記可動部に設置されるジャイロセンサと、前記可動部に設置される地磁気センサと、前記ジャイロセンサの出力に基づいて、前記可動部の前記本体部に対する方向を判別する方向判別手段と、前記可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した方向を補正する方向補正手段とを具備し、前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて前記可動部の角度の変化量を判別し、該変化量を積算することにより所定の基準方向に対する前記可動部の方向を判別するように構成され、前記方向補正手段には、前記地磁気センサの出力に基づいて前記基準方向に対する前記可動部の方向を比較対象方向として判別し、判別された比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との差に基づいて前記方向の補正量を補正する補正量決定手段と、前記補正量決定手段が決定した補正量に従って前記方向の補正を実行する補正実行手段と、前記地磁気センサの出力に基づいて判別される比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との間に、前記補正量決定手段が決定し得る補正量の範囲を超えるずれが生じたときに前記補正実行手段により前記方向が補正されないように前記補正実行手段による前記補正を制御する補正制御手段とを備えた方向検出装置、として特定することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ゲーム機(ゲームシステム、対象システム)
2 筐体(本体部)
3 3Dグラス(可動部)
7 モニタ(表示装置)
14 センサユニット
15 ジャイロセンサ
16 加速度センサ
17 プレイヤ側地磁気センサ(可動側地磁気センサ)
18 筐体側地磁気センサ(固定側地磁気センサ)
20 制御ユニット
21 外部記憶装置
22 ゲームプログラム
24 ゲームデータ
25 視線検出部
31 視線変化量演算部
32 視線方向演算部
33 補正部
41 鉛直方位演算部
42 鉛直方位補正量演算部
43 水平方位演算部
44 水平方位補正量演算部
45 水平方位演算部
46、47、48 補正制御部
P プレイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と該本体部に対して方向が変化する可動部とを有する対象システムに適用され、前記本体部に対する前記可動部の方向を検出する方向検出装置であって、
前記本体部に設置される固定側地磁気センサと、
前記可動部に設置されるジャイロセンサと、
前記可動部に設置される可動側地磁気センサと、
前記ジャイロセンサの出力に基づいて、前記可動部の前記本体部に対する方向を判別する方向判別手段と、
前記固定側地磁気センサ及び前記可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した方向を補正する方向補正手段と、
を備えた方向検出装置。
【請求項2】
前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて前記可動部の角度の変化量を判別し、該変化量を積算することにより所定の基準方向に対する前記可動部の方向を判別するように構成され、
前記方向補正手段には、
前記可動側地磁気センサの出力に基づいて前記基準方向に対する前記可動部の方向を比較対象方向として判別し、判別された比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との差に基づいて前記方向の補正量を補正する補正量決定手段と、
前記補正量決定手段が決定した補正量に従って前記方向の補正を実行する補正実行手段と、
前記固定側地磁気センサの出力に基づいて磁界に許容範囲を超える乱れが生じているか否かを判別し、前記許容範囲を超える乱れが生じていないときには前記補正実行手段にて前記方向が補正され、前記許容範囲を超える乱れが生じているときには前記補正実行手段により前記方向が補正されないように前記補正実行手段による前記補正を制御する補正制御手段と、
が設けられている請求項1に記載の方向検出装置。
【請求項3】
前記補正制御手段は、前記可動側地磁気センサの出力に基づいて判別される比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との間に、前記補正量決定手段が決定し得る補正量の範囲を超えるずれが生じたときに前記補正実行手段により前記方向が補正されないように前記補正実行手段による前記補正を制御する請求項2に記載の方向検出装置。
【請求項4】
前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて前記可動部の角度の変化量を判別し、該変化量を積算することにより所定の基準方向に対する前記可動部の方向を判別するように構成され、
前記方向補正手段には、
前記可動型地磁気センサ及び前記固定側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて判別される方向の差分を演算し、演算された差分に基づいて、前記基準方向に対する前記可動部の方向を比較対象方向として判別し、判別された比較対象方向と前記方向判別手段が判別した方向との差に基づいて前記方向の補正量を補正する補正量決定手段と、
前記補正量決定手段が決定した補正量に従って前記方向の補正を実行する補正実行手段と、
が設けられている請求項1に記載の方向検出装置。
【請求項5】
前記方向判別手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて鉛直面内及び水平面内における前記可動部の傾きを前記方向として判別し、
前記方向補正手段は、前記固定側地磁気センサ及び前記可動側地磁気センサのそれぞれの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した前記水平面内における前記可動部の傾きを補正する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方向検出装置。
【請求項6】
前記可動部には、重力方向に対する前記可動部の傾きに対応した信号を出力する加速度センサがさらに設けられ、
前記方向補正手段は、前記加速度センサの出力に基づいて、前記方向判別手段が判別した前記鉛直面内における前記可動部の傾きをさらに補正する請求項5に記載の方向検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方向検出装置を具備し、
前記本体部として表示装置を有する筐体が設けられ、前記可動部はプレイヤによってその方向が変化するように前記筐体から分離されているゲームシステム。
【請求項8】
前記可動部が前記プレイヤに装着されるように構成され、該可動部の前記表示装置に対する方向がゲームの制御に反映される請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記可動部が前記プレイヤの頭部に装着されるように構成され、前記方向検出装置は、前記プレイヤの視線方向を検出するように設けられている請求項8に記載のゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−237352(P2011−237352A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110693(P2010−110693)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】