説明

方向検出装置

【課題】物体の進行方向を適確に特定すること。
【解決手段】方向検出装置は、複数の機械電気変換素子が、所定方向と略垂直な平面上に配列されている機械電気変換部と、複数の機械電気変換素子が変換した電気的エネルギーに基づいて、複数の機械電気変換素子に圧力が印加された印加タイミング、および複数の機械電気変換素子が圧力から開放された開放タイミングを検出するタイミング検出部と、検出した複数の機械電気変換素子の印加タイミングおよび開放タイミングに基づいて、複数の機械電気変換素子のうちの2以上の機械電気変換素子に同時に圧力が印加されている状態から、2以上の機械電気変換素子のそれぞれについての、圧力から開放された第1のタイミングを特定するタイミング特定部と、特定した2以上の機械電気変換素子の第1のタイミングに基づいて、2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体の進行方向を特定する進行方向特定部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの測定地点のそれぞれで無線発信装置から受信した電波の電波強度値の時間的変化履歴に基づいて、無線発信装置の移動方向を判定する移動方向判定方法が記載されている。
【特許文献1】特開2006−71466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術では、移動前の測定地点で無線発信装置を検出することができたとしても、移動先の測定地点で無線発信装置を検出することができるまで、無線発信装置の進行方向を特定することができない。すなわち、無線発信装置が移動前の測定地点に存在する時点では、無線発信装置の進行方向に応じた処理をおこなうことできない。このように、従来技術では、移動体の移動方向を複数の地点で相対的に求めているので、移動体の移動方向の進行方向を適確に特定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、方向検出装置であって、所定方向の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する複数の機械電気変換素子が、所定方向と略垂直な平面上に配列されている機械電気変換部と、複数の機械電気変換素子が変換した電気的エネルギーに基づいて、複数の機械電気変換素子に圧力が印加された印加タイミング、および複数の機械電気変換素子が圧力から開放された開放タイミングを検出するタイミング検出部と、タイミング検出部が検出した複数の機械電気変換素子の印加タイミングおよび開放タイミングに基づいて、複数の機械電気変換素子のうちの2以上の機械電気変換素子に同時に圧力が印加されている状態から、2以上の機械電気変換素子のそれぞれについての、圧力から開放された第1のタイミングを特定するタイミング特定部と、タイミング特定部が特定した2以上の機械電気変換素子の第1のタイミングに基づいて、2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体の進行方向を特定する進行方向特定部とを備える。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、実施形態に係る方向検出装置100の構成の一例を示す。方向検出装置100は、機械電気変換部110、および制御ユニット120を備える。
【0008】
機械電気変換部110は、複数の機械電気変換素子112を有する。複数の機械電気変換素子112のそれぞれは、所定方向の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する。具体的には、機械電気変換部110は、物体による上部からの圧力を受けることにより発電する。本実施形態の機械電気変換部110は、機械電気変換素子112の一例として、圧電素子を用いている。複数の機械電気変換素子112は、上記所定方向と略垂直な平面上に配列されている。たとえば、本実施形態の機械電気変換部110は、25個の機械電気変換素子112が、5行×5列の格子状に配列されている。
【0009】
制御ユニット120は、方向検出装置100を制御する。制御ユニット120は、複数の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーに基づいて、当該方向検出装置100に圧力を加えた物体の進行方向を特定する。そして、制御ユニット120は、特定した物体の進行方向に応じた処理をおこなう。たとえば、制御ユニット120は、特定した物体の進行方向に応じた、経路案内、注意喚起などの情報を、物体に通知する。
【0010】
制御ユニット120は、物体の進行方向の方位を特定してもよい。たとえば、方向検出装置100は、表面に所定の方位を示すマークが印されていてもよい。この場合、方向検出装置100の設置者は、マークが所定の方位を向くように、制御ユニット120を設置する。たとえば、北を示すマークが印されている場合、方向検出装置100の設置者は、マークが北を向くように、制御ユニット120を設置する。これにより、制御ユニット120は、方向検出装置100におけるマークの位置を基準として、物体の進行方向の方位を特定することができる。
【0011】
他の例として、方向検出装置100は、地磁気センサを備えてもよい。この場合、制御ユニット120は、地磁気センサが検出した方位を基準として、物体の進行方向の方位を特定することができる。この場合、地磁気センサ初動時は、内蔵電池の電気的エネルギーを用いてもよい。
【0012】
他の例として、方向検出装置100は、当該方向検出装置100が設置された後に、設置者に当該方向検出装置100を踏みつけさせ、踏みつけられた位置を、所定の方位の方向と対応付けてメモリに記憶しておいてもよい。これにより、制御ユニット120は、メモリに記憶されている位置を基準として、物体の進行方向の方位を特定することができる。なお、方向検出装置100は、設置者に当該方向検出装置100を1回踏みつけさせ、踏みつけられた位置を、所定の方位の方向と対応付けてメモリに記憶しておいてもよい。また、方向検出装置100は、設置者に当該方向検出装置100を複数回踏み付けさせ、複数回踏みつけられた位置の平均の位置を、所定の方位の方向と対応付けてメモリに記憶しておいてもよい。
【0013】
本実施形態の方向検出装置100によれば、当該方向検出装置100以外の装置を用いることなく、複数の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーに基づいて、当該方向検出装置100に圧力を加えた物体の進行方向を特定する。これにより、当該方向検出装置100の設置位置一点で、物体の進行方向を高い精度で特定できる。このため、適確に物体の進行方向を特定することができる。
【0014】
図2は、制御ユニット120の機能構成の一例を示す。制御ユニット120は、タイミング検出部202、タイミング特定部204、開放順序特定部206、進行方向特定部208、および無線発信部210を備える。
【0015】
タイミング検出部202は、複数の機械電気変換素子112が変換した電気的エネルギーに基づいて、複数の機械電気変換素子112に圧力が印加された印加タイミング、および複数の機械電気変換素子112が圧力から開放された開放タイミングを検出する。
【0016】
たとえば、タイミング検出部202は、機械電気変換素子112に機械的エネルギーが印加された場合に、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーが上限閾値を超えたタイミングを印加タイミングとして検出する。また、タイミング検出部202は、機械電気変換素子112に機械的エネルギーが開放された場合に、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーが上限閾値を超えたタイミングを開放タイミングとして検出する。
【0017】
タイミング検出部202は、他のタイミングを印加タイミングとして検出してもよい。たとえば、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーがピーク電圧を発生したタイミング(時間軸に対して発生電圧の傾きがほぼゼロとなったタイミング)、電圧の発生を開始したタイミング、電圧の発生を終了したタイミング(時間軸に対して発生電圧の傾きがほぼゼロとなったタイミング)、または下限閾値を割ったタイミングを、印加タイミングとして検出してもよい。
【0018】
同様に、タイミング検出部202は、他のタイミングを開放タイミングとして検出してもよい。たとえば、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーがピーク電圧を発生したタイミング(時間軸に対して発生電圧の傾きがほぼゼロとなったタイミング)、電圧の発生を開始したタイミング、電圧の発生を終了したタイミング(時間軸に対して発生電圧の傾きがほぼゼロとなったタイミング)、または下限閾値を割ったタイミングを、開放タイミングとして検出してもよい。
【0019】
ここで、方向検出装置100が道路などの地中に設置された場合、機械電気変換素子112は、移動体の通行などの低周波振動からも、電気的エネルギーを発生してしまう場合がある。この場合、タイミング検出部202は、印加タイミングおよび開放タイミングを誤って検出してしまう恐れがある。そこで、タイミング検出部202が、低周波振動から発生した電気的エネルギーから印加タイミングおよび開放タイミングを誤って検出しないように、上記した上限閾値および下限閾値には、十分な値が予め設定しておくことが好ましい。
【0020】
タイミング特定部204は、タイミング検出部202が検出した複数の機械電気変換素子112の印加タイミングおよび開放タイミングに基づいて、複数の機械電気変換素子112のうちの2以上の機械電気変換素子112に同時に圧力が印加されている状態から、2以上の機械電気変換素子112のそれぞれについての、圧力から開放された第1のタイミングを特定する。
【0021】
たとえば、タイミング検出部202が、一の機械電気変換素子112の印加タイミングを検出した後に、当該一の機械電気変換素子112の開放タイミングを検出する前に、他の機械電気変換素子112の印加タイミングを検出した場合、タイミング特定部204は、2以上の機械電気変換素子112に同時に圧力が印加されている状態であると判断する。その後、タイミング検出部202が機械電気変換素子112の開放タイミングを検出するごとに、タイミング特定部204は、当該開放タイミングを第1のタイミングとして特定する。これにより、タイミング特定部204は、複数の機械電気変換素子112のそれぞれについての、第1のタイミングを特定する。
【0022】
開放順序特定部206は、タイミング特定部204が特定した2以上の機械電気変換素子112の第1のタイミングに基づいて、2以上の機械電気変換素子112のそれぞれが圧力から開放された順序を特定する。具体的には、開放順序特定部206は、2以上の機械電気変換素子112の第1のタイミングの発生順序に基づいて、2以上の機械電気変換素子112のそれぞれが圧力から開放された順序を特定する。
【0023】
進行方向特定部208は、タイミング特定部204が特定した2以上の機械電気変換素子112の第1のタイミングに基づいて、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の進行方向を特定する。進行方向特定部208は、開放順序特定部206によって特定された順序に基づいて、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の進行方向を特定してもよい。
【0024】
第1のタイミングが特定された機械電気変換素子112が所定数以下の場合、進行方向特定部208は、上記物体の進行方向を特定しなくてもよい。たとえば、第1のタイミングが特定された機械電気変換素子112が2つ以下の場合、進行方向特定部208は、上記物体の進行方向を特定しなくてもよい。これにより、制御ユニット120は、低い精度で上記物体の進行方向が特定されることを防止することができる。
【0025】
進行方向特定部208は、方向検出装置100における進行方向を特定してもよく、当該方向検出装置100の設置向きが決まっている場合、当該方向検出装置100の設置場所における進行方向を特定してもよい。
【0026】
制御ユニット120は、格納部212をさらに備える。格納部212は、当該方向検出装置100に関する方向検出装置情報を予め格納しておく。たとえば、方向検出装置情報は、当該方向検出装置の識別情報、当該方向検出装置の設置位置に関する情報を含む。
【0027】
無線発信部210は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向を示す進行方向情報を発信する。また、格納部212に格納されている方向検出装置情報を発信する。
【0028】
たとえば、無線発信部210は、進行方向情報および方向検出装置情報を、ユーザが携帯する端末、あるいは近傍に設定されている出力装置などに送信する。これらの装置は、方向検出装置100から受信した進行方向情報および方向検出装置情報を、メモリに格納したり、ディスプレイに表示したり、スピーカーから音声出力したりする。無線発信部210は、機械電気変換部110によって生成された電気的エネルギーを用いて、進行方向情報および方向検出装置情報を発信してもよい。
【0029】
第1のタイミングが特定された機械電気変換素子112が所定数以下の場合において、進行方向特定部208が上記物体の進行方向を特定した場合、無線発信部210は、進行方向特定部208が特定した進行方向情報とともに、当該進行方向情報の精度が低いことを示す情報を発信してもよい。
【0030】
格納部212は、複数の進行方向に対応付けて複数の方向検出装置情報を予め格納してもよい。この場合、無線発信部210は、格納部212に格納されている複数の方向検出装置情報のうち、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向に対応付けられている方向検出装置情報を発信してもよい。
【0031】
制御ユニット120は、物体特定部216をさらに備える。物体特定部216は、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の種類を特定する。物体の種類とは、歩行者、自転車、二輪車、乗用車、バス、貨物車などを示す。たとえば、物体特定部216は、タイミング検出部202が検出した複数の機械電気変換素子112の印加タイミングおよび開放タイミングに基づいて、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の種類を特定する。物体特定部216は、複数の機械電気変換素子112が変換した電気的エネルギーの電力量に基づいて、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の種類を特定してもよい。
【0032】
格納部212は、複数の物体の種類に対応付けて複数の方向検出装置情報を予め格納してもよい。無線発信部210は、格納部212に格納されている複数の方向検出装置情報のうち、物体特定部216によって特定された物体の種類に対応付けられている方向検出装置情報を発信してもよい。
【0033】
制御ユニット120は、移動速度算出部214をさらに備える。移動速度算出部214は、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の移動速度を算出する。たとえば、移動速度算出部214は、2つの機械電気変換素子112の印加タイミングまたは開放タイミングの時間差と、予め定められている、2つの機械電気変換素子112の距離とに基づいて、物体の移動速度を算出する。移動速度算出部214は、タイミング検出部202が検出した一の機械電気変換素子112の印加タイミングと開放タイミングとの時間差に基づいて、物体の移動速度を算出してもよい。移動速度算出部214は、タイミング検出部202が検出した一の機械電気変換素子112の印加タイミングと開放タイミングとの時間差に基づいて、物体が歩行者であるか否かを判断してもよい。
【0034】
物体特定部216は、移動速度算出部214が算出した物体の移動速度に基づいて、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の種類を特定してもよい。たとえば、制御ユニット120は、複数の速度に対応付けて、複数の物体の種類を格納しておく物体種類格納部をさらに備えてもよい。この場合、物体特定部216は、移動速度算出部214が算出した物体の移動速度に対応付けられている物体の種類を、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の種類として特定してもよい。
【0035】
物体特定部216は、物体の移動速度と、複数の機械電気変換素子112が変換した電気的エネルギーの電力量とに基づいて、物体の種類を特定してもよい。物体特定部216は、物体の移動速度と、複数の機械電気変換素子112が変換した電気的エネルギーの電力量と、タグの設置場所を示す情報とに基づいて、物体の種類を特定してもよい。たとえば、タグの設置場所「歩道」、物体の移動速度「30km/h以上」、上記電力量「大」の場合、物体特定部216は、物体を「自転車」または「二輪車」と特定してもよい。また、タグの設置場所「道路」、物体の移動速度「30km/h以下」、上記電力量「少」の場合、物体特定部216は、物体を「自転車」または「歩行者」と特定してもよい。
【0036】
制御ユニット120は、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあるか否かを特定する停止状態特定部218をさらに備える。ここで、停止状態とは、物体の移動が停止している状態を意味する。たとえば、タイミング特定部204が、2以上の機械電気変換素子112のそれぞれに圧力が印加された状態となった第2のタイミングをさらに特定する。この場合、停止状態特定部218は、タイミング特定部204が特定した第2のタイミングからの、2以上の機械電気変換素子112に圧力が印加されている状態の継続時間が、予め定められている閾値よりも大きい場合、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあると特定する。なお、制御ユニット120は、上記継続時間が経過した後に、当該継続時間に基づいて物体が停止状態にあるか否かを特定してもよく、上記継続時間中であっても、当該継続時間が予め定められている閾値を越えたタイミングで、物体が停止状態にあると特定してもよい。
【0037】
停止状態特定部218は、第2のタイミングから、タイミング特定部204が特定した複数の第1のタイミングのうちのいずれかの第1のタイミングまでの間隔が、予め定められている閾値よりも大きい場合、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあったと特定してもよい。たとえば、停止状態特定部218は、第2のタイミングから、複数の第1のタイミングのうちの最先の第1のタイミング(すなわち、最初の機械電気変換素子112が圧力から開放されたタイミング)または最遅の第1のタイミング(すなわち、全ての機械電気変換素子112が圧力から開放されたタイミング)までの間隔が、予め定められている閾値よりも大きい場合、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあったと特定してもよい。
【0038】
タイミング特定部204は、複数の機械電気変換素子112の全てが圧力から開放されている状態から複数の機械電気変換素子112の少なくとも1つに圧力が印加された第3のタイミングをさらに特定してもよい。この場合、停止状態特定部218は、タイミング特定部204が特定した第3のタイミングからの、複数の機械電気変換素子112の少なくとも1つに圧力が印加されている状態の継続時間が、予め定められている閾値よりも大きい場合、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあると特定してもよい。
【0039】
タイミング特定部204は、複数の機械電気変換素子112の少なくとも1つに圧力が印加されている状態から複数の機械電気変換素子112の全てが圧力から開放された第4のタイミングをさらに特定してもよい。この場合、停止状態特定部218は、タイミング特定部204が特定した第3のタイミングから、タイミング特定部204が特定した第4のタイミングまでの間隔が、予め定められている閾値よりも大きい場合、2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体が停止状態にあったと特定してもよい。
【0040】
制御ユニット120は、停止状態特定部218が特定した物体の停止状態に応じた処理をおこなってもよい。たとえば、無線発信部210は、停止状態特定部218が特定した物体の停止状態を示す停止状態情報を発信してもよい。また、格納部212は、複数の物体の停止状態に対応付けて、複数の方向検出装置情報を予め格納してもよい。この場合、無線発信部210は、格納部212に格納されている複数の方向検出装置情報のうち、停止状態特定部218によって特定された物体の停止状態に対応付けられている方向検出装置情報を発信してもよい。
【0041】
なお、人がその場で足踏みしている場合など、物体が移動を停止している状態にあるにもかかわらず、複数の機械電気変換素子112が圧力から開放されてから、次に複数の機械電気変換素子112が圧力から印加されるまでの間隔が短い場合がある。この場合、停止状態特定部218は、上記間隔が予め定められている閾値よりも短い場合ことを条件に、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあると特定してもよい。
【0042】
制御ユニット120においては、たとえば、マイクロコンピュータが、タイミング検出部202、タイミング特定部204、開放順序特定部206、進行方向特定部208、移動速度算出部214、物体特定部216、および停止状態特定部218の機能を実現してもよい。また、メモリが、格納部212の機能を実現してもよい。また、発信アンテナが、無線発信部210の機能を実現してもよい。制御ユニット120は、内蔵電池あるいは機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーで駆動してもよい。
【0043】
図3は、格納部212に格納されている方向検出装置情報の一例を示す。図3に示す例では、複数の物体の進行方向のそれぞれに対応付けて、方向検出装置情報の一例としてのガイド情報が格納されている。
【0044】
たとえば、進行方向「前」、「右前」、および「左前」には、当該進行方向に進行するユーザ向けのガイド情報として「いらっしゃいませ」が対応付けられている。また、進行方向「左」および「右」には、当該進行方向に進行するユーザ向けのガイド情報として「コーヒーいかがですか」が対応付けられている。また、進行方向「後」、「右後」、および「左後」には、当該進行方向に進行するユーザ向けのガイド情報として「ありがとうございました」が対応付けられている。
【0045】
無線発信部210は、格納部212に格納されている複数の方向検出装置情報のうち、進行方向特定部208によって特定された進行方向に対応付けられている方向検出装置情報を発信する。これにより、制御ユニット120は、ユーザの進行方向をその場で特定し、特定した進行方向に応じた適切な情報を、ユーザへその場で通知することができる。
【0046】
図4は、機械電気変換素子112の発電特性の一例を示す。図4では、2つの機械電気変換素子112に連続して圧力が印加された場合の、2つの機械電気変換素子112の発電特性を示す。図4に示すグラフにおいて、縦軸は、電圧を示す。また、横軸は、時間を示す。
【0047】
また、発電特性401は、先の機械電気変換素子112に圧力が印加されたときに、先の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの発電特性を示す。また、発電特性402は、先の機械電気変換素子112が圧力から開放されたときに、先の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの発電特性を示す。
【0048】
また、発電特性411は、後の機械電気変換素子112に圧力が印加されたときに、後の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの発電特性を示す。また、発電特性412は、後の機械電気変換素子112が圧力から開放されたときに、後の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの発電特性を示す。
【0049】
たとえば、ピーク電圧の発生時を、印加タイミングおよび開放タイミングとする場合、タイミング検出部202は、時刻t1を先の機械電気変換素子112の印加タイミングとして検出する。また、時刻t2を、後の機械電気変換素子112の印加タイミングとして検出する。また、時刻t3を、先の機械電気変換素子112の開放タイミングとして検出する。また、時刻t4を、後の機械電気変換素子112の開放タイミングとして検出する。
【0050】
時刻t2は、先の機械電気変換素子112の印加タイミングを検出した後であって、先の機械電気変換素子112の開放タイミングを検出する前に検出した、後の機械電気変換素子112の印加タイミングである。このため、タイミング特定部204は、時刻t2以降において、2つの機械電気変換素子112に同時に圧力が印加されている状態にあると判断する。
【0051】
タイミング特定部204は、2つの機械電気変換素子112に同時に圧力が印加されている状態から、先の機械電気変換素子112が圧力から開放されたタイミングである、時刻t3を、先の機械電気変換素子112の第1タイミングとして特定する。また、タイミング特定部204は、2つの機械電気変換素子112に同時に圧力が印加されている状態から、後の機械電気変換素子112が圧力から開放されたタイミングである、時刻t4を、後の機械電気変換素子112の第1タイミングとして特定する。
【0052】
たとえば、進行方向特定部208は、圧力が印加された複数の機械電気変換素子112間のそれぞれの位置および第1のタイミングに基づいて、2以上の機械電気変換素子112間の移動ベクトルを算出する。そして、進行方向特定部208は、算出した移動ベクトルを合算することにより、合算ベクトルを算出する。進行方向特定部208は、算出した合算ベクトルが示す向きを、2以上の機械電気変換素子112に圧力を印加した物体の進行方向として特定する。進行方向特定部208は、合算する移動ベクトルの点数を増やすことにより、高い精度で、物体の進行方向を特定することができる。
【0053】
タイミング特定部204は、複数の機械電気変換素子112の全てが圧力から開放されている状態から複数の機械電気変換素子112の少なくとも1つに圧力が印加されたタイミングである時刻t1を、第3のタイミングとしてさらに特定してもよい。また、タイミング特定部204は、複数の機械電気変換素子112の少なくとも1つに圧力が印加されている状態から複数の機械電気変換素子112の全てが圧力から開放されたタイミングである時刻t4を、第4のタイミングとしてさらに特定してもよい。この場合、停止状態特定部218は、第3のタイミングである時刻t1からの、第4のタイミングである時刻t4までの間隔が、予め定められている閾値よりも大きい場合、2つの機械電気変換素子112に圧力を印加した物体が停止状態にあったと特定してもよい。
【0054】
図5は、制御ユニット120による処理の一例を示す。図5は、物体500によって、機械電気変換素子112(1)〜(7)が踏まれている状態を示す。
【0055】
たとえば、物体500が移動したことにより、第1の時刻に機械電気変換素子112(1)が開放され、第2の時刻に機械電気変換素子112(2)および(3)が開放され、第3の時刻に、機械電気変換素子112(4)が開放され、第4の時刻に機械電気変換素子112(5)および(6)が開放され、第5の時刻に、機械電気変換素子112(7)が開放されたと仮定する。
【0056】
たとえば、進行方向特定部208は、上記した複数の機械電気変換素子112の第1のタイミング(開放タイミング)および位置情報に基づいて、圧力が開放された機械電気変換素子112と、圧力が開放されていない機械電気変換素子112との境界線を算出し、算出した境界線に基づいて、物体500の進行方向を特定する。
【0057】
たとえば、第1の時刻においては、機械電気変換素子112(1)が開放され、機械電気変換素子112(2)および(3)が開放されていないので、進行方向特定部208は、これらの境界線511を算出する。そして、進行方向特定部208は、境界線511に直交する方向Aを、物体500の進行方向として特定する。
【0058】
進行方向特定部208は、時刻ごとの境界線を算出し、算出した複数の境界線に基づいて、物体500の進行方向を特定してもよい。たとえば、第2の時刻においては、機械電気変換素子112(2)および(3)が開放され、機械電気変換素子112(4)が開放されていないので、進行方向特定部208は、これらの境界線512をさらに算出する。
【0059】
また、第3の時刻においては、機械電気変換素子112(4)が開放され、機械電気変換素子112(5)および(6)が開放されていないので、進行方向特定部208は、これらの境界線513をさらに算出する。また、第4の時刻においては、機械電気変換素子112(5)および(6)が開放され、機械電気変換素子112(7)が開放されていないので、進行方向特定部208は、これらの境界線514をさらに算出する。そして、進行方向特定部208は、これらの境界線の平均傾度を算出し、算出した平均傾度に直交する方向Aを、物体500の進行方向として特定する。
【0060】
進行方向特定部208は、複数の第1のタイミングの差異に基づいて、境界線の傾きを補正してもよい。たとえば、機械電気変換素子112(2)および(3)が開放されたタイミングが同時ではなく、わずかに機械電気変換素子112(3)のほうが機械電気変換素子112(2)よりも第1のタイミングが遅い場合、タイミングの差異に応じた角度分、境界線511の傾きを強めてもよい。反対に、わずかに機械電気変換素子112(3)のほうが機械電気変換素子112(2)よりも第1のタイミングが早い場合、タイミングの差異に応じた角度分、境界線511の傾きを弱めてもよい。これにより、物体500の進行方向をより高い精度で特定することができる。
【0061】
移動速度算出部214は、境界線間の距離および第1のタイミングの時間差に基づいて、物体500の移動速度を算出してもよい。
【0062】
図6は、方向検出装置100の使用例を示す。図6において、路面には、方向検出装置100が埋め込まれている。歩行者600が方向検出装置100を踏むことにより、方向検出装置100は、歩行者600の進行方向を特定する。方向検出装置100は、特定した進行方向に応じた進行方向情報を発信する。たとえば、図3に示した進行方向情報が格納されており、進行方向を「前」と特定した場合、方向検出装置100は、進行方向情報として「いらっしゃいませ」を発信する。
【0063】
たとえば、方向検出装置100は、進行方向情報を、歩行者600が備える携帯端末610へ発信することで、進行方向情報を、携帯端末610に、表示および音声出力させる。方向検出装置100は、進行方向情報を、近傍に設置されている出力装置620へ発信することで、進行方向情報を、出力装置620に、表示および音声出力させてもよい。
【0064】
図7は、制御ユニット120の機能構成の他の一例を示す。図7に示す制御ユニット120は、履歴情報格納部702、無線受信部704、および履歴情報出力部706を備える点で、図2に示した制御ユニット120と相違する。
【0065】
履歴情報格納部702は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を格納する。無線受信部704は、物体が備える端末装置から、当該端末装置を識別するための識別情報を受信する。無線受信部704は、物体が備える端末装置から、現在日時をさらに受信してもよい。
【0066】
履歴情報格納部702は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を、現在日時と対応付けて格納してもよい。この場合、履歴情報格納部702は、現在の日時を内蔵時計から取得してもよく、物体が備える端末装置から無線受信部704を介して取得してもよい。
【0067】
履歴情報格納部702は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を、無線受信部704が受信した識別情報と対応付けて格納してもよい。履歴情報格納部702は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を、物体特定部216が特定した物体の種類と対応付けて格納してもよい。
【0068】
履歴情報格納部702は、停止状態特定部218によって特定された物体の停止状態の履歴をさらに格納してもよい。この場合、履歴情報格納部702は、停止状態特定部218が特定した物体の停止状態の履歴を、現在日時、無線受信部704が受信した識別情報、および物体特定部216が特定した物体の種類の少なくともいずれか1つに対応付けて格納してもよい。
【0069】
履歴情報出力部706は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を、外部の記憶装置へ出力する。履歴情報出力部706は、進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を、定期的またはリアルタイムに、外部の記憶装置へ出力する。
【0070】
進行方向特定部208によって特定された物体の進行方向の履歴を、無線受信部704が受信した識別情報、当該方向検出装置100の識別情報、現在日時、および物体特定部216が特定した物体の種類の少なくともいずれか1つに対応付けて、外部の記憶装置へ出力してもよい。
【0071】
履歴情報出力部706は、停止状態特定部218によって特定された物体の停止状態の履歴をさらに出力してもよい。この場合、履歴情報出力部706は、停止状態特定部218によって特定された物体の停止状態の履歴を、無線受信部704が受信した識別情報、当該方向検出装置100の識別情報、現在日時、および物体特定部216が特定した物体の種類の少なくともいずれか1つに対応付けて、外部の記憶装置へ出力してもよい。
【0072】
制御ユニット120は、各種情報の出力処理の制御に用いられる出力制御命令を外部から取得し、取得した出力制御命令に従って、履歴情報出力部による各種情報の出力を制御してもよい。たとえば、制御ユニット120は、取得した出力制御命令に従って、履歴情報出力部による各種情報の出力内容、出力タイミングなどを制御してもよい。
【0073】
制御ユニット120は、各種情報の更新に用いられる更新制御命令を外部から取得し、取得した更新制御命令に従って、当該制御ユニット120のメモリに格納されている各種情報を更新してもよい。たとえば、制御ユニット120は、取得した更新制御命令に従って、当該制御ユニット120のメモリに格納されている、方向検出装置100の設置場所、向き、傾斜などの情報を更新してもよい。
【0074】
制御ユニット120は、出力制御命令および更新制御命令を、機械電気変換素子112から取得してもよい。たとえば、制御ユニット120は、機械電気変換素子112に対する機械的エネルギーの印加パターンを監視する。そして、制御ユニット120は、予め定められた印加パターンの機械的エネルギーが機械電気変換素子112に印加されたことを検出した場合、検出した印加パターンに対応付けられている出力制御命令または更新制御命令を特定し、特定した出力制御命令または更新制御命令に従って、履歴情報出力部による各種情報の出力を制御、または当該制御ユニット120のメモリに格納されている各種情報を更新してもよい。
【0075】
制御ユニット120は、機械電気変換素子112の故障を検出する故障検出部をさらに備えてもよい。故障検出部は、機械電気変換素子112の故障を検出した単位時間あたりの回数が、所定数以上の場合、当該機械電気変換素子112が故障していると判断してもよい。
【0076】
故障検出部は、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーに基づいて、当該機械電気変換素子112の故障を検出してもよい。たとえば、故障検出部は、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの電圧または電力量が所定の閾値以下の場合、当該機械電気変換素子112が故障していると判断してもよい。
【0077】
故障検出部は、他の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーにさらに基づいて、当該機械電気変換素子112の故障を検出してもよい。たとえば、故障検出部は、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの電圧または電力量と、他の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの電圧または電力量の平均値との差分が、所定の閾値以上の場合、当該機械電気変換素子112が故障していると判断してもよい。
【0078】
他の例では、故障検出部は、機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの電圧または電力量と、他の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの電圧または電力量とに基づいて、当該機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーの電圧または電力量の偏差値を算出し、算出した偏差値に基づいて、当該機械電気変換素子112の故障を検出してもよい。たとえば、当該機械電気変換素子112の偏差値と、標準偏差値との差分が、所定の閾値以上の場合、当該機械電気変換素子112が故障していると判断してもよい。
【0079】
制御ユニット120は、故障していると判断された機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーに基づかずに、物体の進行方向を特定してもよい。制御ユニット120は、他の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーに基づいて、故障していると判断された機械電気変換素子112が生成すべき電気的エネルギーを予測し、他の機械電気変換素子112が生成した電気的エネルギーと、予測した電気的エネルギーとに基づいて、物体の進行方向を特定してもよい。
【0080】
なお、制御ユニット120は、これまでに説明した各種情報の送受信に電波を用いるだけでなく、可視光、赤外線、音波を用いてもよい。たとえば、制御ユニット120は、外部サーバから送信された情報を、方向検出装置100の設置場所の近傍に設けられている街灯などの設置物から可視光通信により受信してもよい。また、外部サーバへ送信する情報を、上記設置物に対して電波通信、赤外線通信、または音波通信により送信してもよい。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施形態に係る方向検出装置100の構成の一例を示す。
【図2】制御ユニット120の機能構成の一例を示す。
【図3】格納部212に格納されている方向検出装置情報の一例を示す。
【図4】機械電気変換素子112の発電特性の一例を示す。
【図5】制御ユニット120による処理の一例を示す。
【図6】方向検出装置100の使用例を示す。
【図7】制御ユニット120の機能構成の他の一例を示す。
【符号の説明】
【0083】
100 方向検出装置、110 機械電気変換部、112 機械電気変換素子、120 制御ユニット、202 タイミング検出部、204 タイミング特定部、206 開放順序特定部、208 進行方向特定部、210 無線発信部、212 格納部、214 移動速度算出部、216 物体特定部、218 停止状態特定部、401 発電特性、402 発電特性、411 発電特性、412 発電特性、500 物体、511 境界線、512 境界線、513 境界線、514 境界線、600 歩行者、610 携帯端末、620 出力装置、702 履歴情報格納部、704 無線受信部、706 履歴情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向の機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する複数の機械電気変換素子が、前記所定方向と略垂直な平面上に配列されている機械電気変換部と、
前記複数の機械電気変換素子が変換した電気的エネルギーに基づいて、前記複数の機械電気変換素子に圧力が印加された印加タイミング、および前記複数の機械電気変換素子が圧力から開放された開放タイミングを検出するタイミング検出部と、
前記タイミング検出部が検出した前記複数の機械電気変換素子の前記印加タイミングおよび前記開放タイミングに基づいて、前記複数の機械電気変換素子のうちの2以上の前記機械電気変換素子に同時に圧力が印加されている状態から、前記2以上の機械電気変換素子のそれぞれについての、前記圧力から開放された第1のタイミングを特定するタイミング特定部と、
前記タイミング特定部が特定した前記2以上の機械電気変換素子の前記第1のタイミングに基づいて、前記2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体の進行方向を特定する進行方向特定部と
を備える方向検出装置。
【請求項2】
前記タイミング特定部が特定した前記2以上の機械電気変換素子の前記第1のタイミングに基づいて、前記2以上の機械電気変換素子のそれぞれが前記圧力から開放された順序を特定する開放順序特定部をさらに備え、
前記進行方向特定部は、
前記開放順序特定部によって特定された前記順序に基づいて、前記2以上の機械電気変換素子に前記圧力を印加した物体の進行方向を特定する
請求項1に記載の方向検出装置。
【請求項3】
前記機械電気変換部によって生成された電気的エネルギーを用いて、前記進行方向特定部によって特定された前記物体の進行方向を示す進行方向情報を発信する無線発信部をさらに備える
請求項1または2に記載の方向検出装置。
【請求項4】
当該方向検出装置に関する方向検出装置情報を予め格納しておく格納部をさらに備え、
前記無線発信部は、
前記機械電気変換部によって生成された電気的エネルギーを用いて、前記格納部に格納されている前記方向検出装置情報をさらに発信する
請求項3に記載の方向検出装置。
【請求項5】
前記格納部は、
複数の前記進行方向に対応付けて複数の前記方向検出装置情報を予め格納し、
前記無線発信部は、
前記格納部に格納されている前記複数の方向検出装置情報のうち、前記進行方向特定部によって特定された前記物体の進行方向に対応付けられている前記方向検出装置情報を発信する
請求項4に記載の方向検出装置。
【請求項6】
前記2以上の機械電気変換素子に前記圧力を印加した前記物体の種類を特定する物体特定部をさらに備え、
前記格納部は、
複数の前記物体の種類に対応付けて複数の前記方向検出装置情報を予め格納し、
前記無線発信部は、
前記格納部に格納されている前記複数の方向検出装置情報のうち、前記物体特定部によって特定された前記物体の種類に対応付けられている前記方向検出装置情報を発信する
請求項4または5に記載の方向検出装置。
【請求項7】
前記進行方向特定部によって特定された前記物体の進行方向の履歴を格納する履歴情報格納部をさらに備える
請求項1または2に記載の方向検出装置。
【請求項8】
前記物体が備える端末装置から、当該端末装置を識別するための識別情報を受信する無線受信部をさらに備え、
前記履歴情報格納部は、
前記進行方向特定部によって特定された前記物体の進行方向の履歴を、前記無線受信部が受信した前記識別情報と対応付けて格納する
請求項7に記載の方向検出装置。
【請求項9】
前記進行方向特定部によって特定された前記物体の進行方向の履歴を、外部の記憶装置へ出力する履歴情報出力部をさらに備える
請求項1または2に記載の方向検出装置。
【請求項10】
前記物体が備える端末装置から、当該端末装置を識別するための識別情報を受信する無線受信部をさらに備え、
前記履歴情報出力部は、
前記進行方向特定部によって特定された前記物体の進行方向の履歴を、前記無線受信部が受信した前記識別情報と対応付けて外部の記憶装置へ出力する
請求項9に記載の方向検出装置。
【請求項11】
前記タイミング特定部は、
前記2以上の機械電気変換素子のそれぞれに圧力が印加された状態となった第2のタイミングをさらに特定し、
前記方向検出装置は、
前記タイミング特定部が特定した前記第2のタイミングからの、前記2以上の機械電気変換素子に圧力が印加されている状態の継続時間が、予め定められている閾値よりも大きい場合、前記2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体が停止状態にあると特定する停止状態特定部
をさらに備える請求項1から10のいずれかに記載の方向検出装置。
【請求項12】
前記停止状態特定部は、
前記タイミング特定部が特定した前記第2のタイミングから、前記タイミング特定部が特定した前記2以上の機械電気変換素子の前記第1のタイミングのうちのいずれかの前記第1のタイミングまでの間隔が、予め定められている閾値よりも大きい場合、前記2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体が停止状態にあったと特定する
請求項11に記載の方向検出装置。
【請求項13】
前記タイミング特定部は、
前記複数の機械電気変換素子の全てが圧力から開放されている状態から前記複数の機械電気変換素子の少なくとも1つに圧力が印加された第3のタイミングをさらに特定し、
前記方向検出装置は、
前記タイミング特定部が特定した前記第3のタイミングからの、前記複数の機械電気変換素子の少なくとも1つに圧力が印加されている状態の継続時間が、予め定められている閾値よりも大きい場合、前記2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体が停止状態にあると特定する停止状態特定部
をさらに備える請求項1から10のいずれかに記載の方向検出装置。
【請求項14】
前記タイミング特定部は、
前記複数の機械電気変換素子の少なくとも1つに圧力が印加されている状態から前記複数の機械電気変換素子の全てが圧力から開放された第4のタイミングをさらに特定し、
前記停止状態特定部は、
前記タイミング特定部が特定した前記第3のタイミングから、前記タイミング特定部が特定した前記第4のタイミングまでの間隔が、予め定められている閾値よりも大きい場合、前記2以上の機械電気変換素子に圧力を印加した物体が停止状態にあったと特定する
請求項13に記載の方向検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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