旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法
【課題】列車の乗り換えを容易化することが可能な旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法を得る。
【解決手段】旅客案内表示装置は、運行情報表示領域32を、第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する発車時刻表示領域40−1〜40−4が発車時刻順に表示される第1の運行情報表示領域32−1と、複数の駅33−1〜33−5の駅名を発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向と鉛直の方向に表示する第2の運行情報表示領域32−2とに区分し、駅33−1〜33−5の発車時刻を、駅33−1〜33−5の駅名に対応付けて表示し、かつ、矢印線50−1〜50−4で結ぶ。
【解決手段】旅客案内表示装置は、運行情報表示領域32を、第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する発車時刻表示領域40−1〜40−4が発車時刻順に表示される第1の運行情報表示領域32−1と、複数の駅33−1〜33−5の駅名を発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向と鉛直の方向に表示する第2の運行情報表示領域32−2とに区分し、駅33−1〜33−5の発車時刻を、駅33−1〜33−5の駅名に対応付けて表示し、かつ、矢印線50−1〜50−4で結ぶ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道事業者は、当駅を発車する列車の発車時刻を記した時刻表を駅構内に設置し、この時刻表を通じて旅客に対して旅客案内を行っている。この時刻表には、列車の発車時刻が時間別に分単位で表示されると共に列車の行き先および種別が判別可能に表示されている。このように構成された従来の時刻表は、容易に変更できない固定表示のため乗り物の時刻が変更されたときには切替え作業を要するだけでなく、列車の発車時刻が時間別に分単位で表示されているため、例えば分の表示が時間の表示から離れているような場合には見誤りが生じ易く、次の発車が何時何分であるかを探す場合、時刻表の多数の数字を時計と見比べながら見つけなければならず、使い易いものとは言いがたいものであった。
【0003】
下記特許文献1に代表される従来技術は、ホストコンピュータに各駅の列車の発車時刻を記憶し、このデータに基づいて、時刻表に最新の時刻を表示すると共に、当駅を発車した列車が停車する駅や行き先を表示するように構成されている。従って、時刻改正にも迅速に対応できる上に、列車の停車駅などを利用者に案内することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−222713号公報(例えば、段落0047、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、下記特許文献1に代表される従来技術では、例えば、利用者が目的の駅へ最短時刻で行くために途中駅で乗換をするような場合、例えば、どの駅で乗り換えをしたらよいのか、あるいは乗換駅において何時何分発の列車に乗り換えをしたら効率的に目的の駅に到着することができるのかなどを直感的に把握することが困難なため、利用者はどの駅で乗り換えをしたらよいのかなどを駅員に確認するというのが実情であった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、列車の乗り換えを容易化することが可能な旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の列車の在線情報および運行ダイヤを管理し、前記各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報を出力する運行管理装置と、駅の構内に設けられ、前記運行管理装置から送信された前記運行情報を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置と、を備え、前記旅客案内表示装置は、前記表示器の表示画面を時刻表表示領域と運行情報表示領域とに区分し、前記運行情報表示領域における前記運行情報の表示には、路線上の任意の駅である第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域と、前記第1の駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の第2の駅の駅名を前記各発車時刻表示領域が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域と、に区分し、前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻を、前記各第2の駅の駅名に対応付けて前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記第2の駅の発車時刻と当該列車の前記各発車時刻表示領域とを、前記第1の駅から発車する前記各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線で結び、前記第2の駅の中に乗換駅が存在する場合、前記第1の駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と前記第1の駅から進行してきた列車の前記乗換駅の発車時刻とを、前記乗換駅の駅名に対応付けて、前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記直線または矢印線で結ぶことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、表示器に、路線上の任意の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する第1の運行情報表示領域と、その駅以降の複数の駅を表示する第2の運行情報表示領域とを表示して、列車毎に、複数の駅における到着時刻と発車時刻とを列車種別に対応した角度を有する直線または矢印線で結ぶようにして視覚的に分かり易くすることにより、列車の乗り換えを容易化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、表示器に表示される内容の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第1の表示例を示す図である。
【図4】図4は、運転整理後の運行情報に基づいて運行情報表示領域に表示される表示例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第2の表示例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第3の表示例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第4の表示例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第5の表示例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第6の表示例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第1の表示例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第2の表示例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第3の表示例を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第4の表示例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第5の表示例を示す図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第6の表示例を示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示システムの概略構成を示す図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示装置による発車時刻表示領域の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、旅客案内表示システム100は、軌道回路13、連動装置2、運行管理装置3、旅客案内表示装置4、および表示器30を有して構成されている。
【0012】
軌道回路13は、軌道に沿って区間ごとに敷設され、軌道上における列車(例えば列車10)の在線位置を検出する。列車の在線の有無を検出する信号を出力する。以下、軌道回路13の出力する信号を軌道回路情報20という。
【0013】
連動装置2は、複数個の軌道回路13と接続され、これらの軌道回路13の出力する軌道回路情報20を集約する。連動装置2は、軌道回路情報20に基づいて軌道上の各列車の在線位置を検出し、これを在線情報21として出力する。また、連動装置2は、軌道回路情報20に基づいて、信号機および転轍機等を制御する。
【0014】
運行管理装置3は、地上に設置された主にコンピュータで構成され、運行ダイヤ情報を有して列車の運行管理を行う。運行管理装置3と連動装置2は、伝送路1で接続され、連動装置2は、在線情報21を例えば定期的に運行管理装置3へ送信する。運行管理装置3は、運行ダイヤと、連動装置2から受信した在線情報21とを管理し、これらに基づき、各駅のプラットホーム12を発着する列車の運行情報22を管理する。例えば、運行管理装置3は、在線情報21により列車がある駅に接近していることを検知すると、運行ダイヤを参照してこの列車の運行情報(例えば、列車10の種別、行き先、停車駅、到着時刻、および発車時刻等)を特定し、特定された運行情報22を旅客案内表示装置4に送信する。なお、列車の種別は、普通、急行、特急等の区別をいう。
【0015】
旅客案内表示装置4は、例えば駅構内のプラットホーム12上などに設置され、CPUおよびメモリ等を備えて、運行情報22の表示機能を実現するソフトウェアに従って動作する。旅客案内表示装置4は、運行管理装置3から送信された時刻表情報23を、所定のスケジュールに従がって表示器30へ送信する。また、旅客案内表示装置4は、運行管理装置3から送信された運行情報22に基づいて、路線上の任意の駅である当駅を発車しあるいは通過した列車が向かう駅、その列車が停車する駅への到着時刻、およびその列車が停車した駅の発車時刻などを、視覚化した画像データ24を作成する。作成された画像データ24は、表示器30へ送信され、表示器30では、運行情報22(画像データ24)が案内映像として表示される。
【0016】
以下、旅客案内表示システム100の動作を説明する。軌道回路13からの軌道回路情報20は、連動装置2に収集され、軌道回路情報20は、軌道回路情報20に基づいて軌道上の各列車の在線位置を検出し、在線情報21として出力する。連動装置2からの在線情報21は、運行管理装置3によって所定の運行ダイヤと照合され、列車の運行情報22の特定が行われる。特定された運行情報22は、旅客案内表示装置4に送信される。運行管理装置3から送信された時刻表情報23は、旅客案内表示装置4を介して表示器30へ送信される。また、運行管理装置3から送信された運行情報22は、旅客案内表示装置4によって画像データ24に変換されて表示器30へ送信される。
【0017】
図2は、表示器30に表示される内容の一例を示す図である。表示器30の表示画面33は、例えば、時刻表情報23を表示するための時刻表表示領域31と、運行情報22を表示するための運行情報表示領域32とに区分されている。時刻表表示領域31には、例えば、当駅を発車する列車の発車時刻が時間別に分単位で表示される。時刻表表示領域31において記号A、B、Cで示される時刻は、後述する第1の運行情報表示領域32−1に表示される時刻の一例である。なお、図2の例では、時刻表表示領域31が運行情報表示領域32の上側に配設されているが、時刻表表示領域31の上側に運行情報表示領域32を配設するように構成してもよいし、運行情報表示領域32が時刻表表示領域31の左右何れかに配設されるように構成してもよい。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第1の表示例を示す図である。運行情報表示領域32は、第1の運行情報表示領域32−1と、第2の運行情報表示領域32−2とに区分されている。図3の例では、第2の運行情報表示領域32−2が第1の運行情報表示領域32−1の右側に表示されている。
【0019】
第1の運行情報表示領域32−1には、路線上の任意の駅を第1の駅(以下、「当駅」と称する)として、当駅に到着する各列車が当駅から発車する時刻順に、少なくとも当駅を発車または通過する列車の種別を含む列車情報の表示領域である複数の発車時刻表示領域40−1〜40−4が設けられている。この発車時刻表示領域40−1〜40−4は、当駅の発車時刻順に(例えば第1の運行情報表示領域32−1の上側から順に)並べて表示される。
【0020】
この発車時刻表示領域40−1〜40−4には、当駅を発車または通過する列車の種別の他に、当駅発の列車の発車時刻および行き先や、当駅を通過する列車の行き先が表示される。このような表示を行うことによって、当駅から乗車する利用者は、当駅発の列車の発車時刻および行き先を正確に把握することが可能である。
【0021】
図3の例では、発車時刻表示領域40−1、40−2、40−4に、それぞれ列車の種別、発車時刻、および行き先が示され、発車時刻表示領域40−3に、当駅を通過する列車の種別および行き先が示されている。なお、図3には、4つの発車時刻表示領域40−1〜40−4が示されているが、この数に限定されるものではない。
【0022】
より具体的に説明すると、発車時刻表示領域40−1には、先発列車の発車時刻(「12:30発」)と、その種別(「普通」)と、行き先(「○○行き」)とが表示されている。この発車時刻は、例えば図2の時刻表表示領域31において記号Aで示される時刻である。発車時刻表示領域40−2には、当駅12時30分発の普通列車の次に発車する急行列車の発車時刻(「12:35発」)と、その種別(「急行」)と、行き先(「△△行き」)とが表示されている。この発車時刻は、例えば図2の時刻表表示領域31において記号Bで示される時刻である。発車時刻表示領域40−4には、当駅12時35分発の急行列車の次に発車する普通列車の発車時刻(「12:50発」)と、その種別(「普通」)と、行き先(「○○行き」)とが表示されている。この発車時刻は、例えば図2の時刻表表示領域31において記号Cで示される時刻である。そして、発車時刻表示領域40−3には、当駅12時35発の急行列車が発車した後であり、かつ、当駅12時50発の普通列車が発車する前に、当駅を通過する列車の情報(「当駅通過」)と、その種別(「特急」)と、行き先(「△△行き」)とが表示されている。このように、第1の運行情報表示領域32−1には、当駅を発車する列車に関する運行情報(発車時刻、列車種別、行き先)が表示され、通過列車がある場合にはその列車に関する運行情報(列車種別、行き先)が表示される。
【0023】
第2の運行情報表示領域32−2には、当駅から発車した各列車の到着駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名が、発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向とは鉛直の方向(図3では左右方向)に、かつ、当駅に近い駅(A駅)から順に表示される。すなわち、図3に示される第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の駅名が第2の運行情報表示領域32−2の左側から順に表示されている。なお、図3には、5つの駅33−1〜33−5が示されているが、この数に限定されるものではない。
【0024】
さらに、第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の中に乗換駅(例えばB駅、E駅)が存在する場合、当駅から進行してきた各列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた各列車の乗換駅の発車時刻とが乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。また、これらの乗換駅に到着する時刻と乗換駅の発車時刻とは、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向(図3では上から下)に時系列的に表示され、かつ、矢印線50−1〜50−3で結ばれている。
【0025】
より具体的に説明すると、A駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:35」)と、当駅12時50分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:55」)とが表示されている。普通列車のA駅発車時刻(「12:35」)は、普通列車のA駅発車時刻(「12:55」)より上側に表示されている。
【0026】
B駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)と、この普通列車がB駅を発車する時刻(「12:43」)と、当駅12時35分発の急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)と、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)とが表示されている。普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)は、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より上側に表示され、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)は、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)より上側に表示されている。また、普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)は、普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)より上側に表示されている。
【0027】
C駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のC駅発車時刻(「12:48」)と、当駅12時50分発の普通列車のC駅発車時刻(「13:05」)と、が表示されている。普通列車のC駅発車時刻(「12:48」)は、普通列車のC駅発車時刻(「13:05」)より上側に表示されている。
【0028】
D駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のD駅発車時刻(「12:52」)と、当駅12時50分発の普通列車のD駅発車時刻(「13:10」)と、が表示されている。普通列車のD駅発車時刻(「12:52」)は、普通列車のD駅発車時刻(「13:10」)より上側に表示されている。
【0029】
E駅の列には、当駅12時35分発の急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)と、当駅12時30分発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)と、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)と、E駅12時58分着の普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)と、当駅12時50分発の普通列車のE駅発車時刻(「13:15」)とが表示されている。特急列車は、例えば、当駅12時35分発の急行列車が当駅を発車後に当駅を通過した列車である。急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)は、普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)より上側に表示され、このE駅到着時刻(「12:58」)は、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)より上側に表示され、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)は、普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)より上側に表示されている。
【0030】
また、当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5に到着する時刻(第2の駅到着時刻)と、当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5から発車する時刻(第2の駅発車時刻)とは、各発車時刻表示領域40−1〜40−4からそれぞれ引き出された矢印であって、第2の運行情報表示領域32−2側に延び、かつ、当駅から発車する各列車の種別に対応した角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。
【0031】
図3の例では、この角度の絶対値は、水平方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば水平方向に対して0°)に設定されている。また矢印50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より大きい第2の角度(例えば水平方向に対して10°)に設定されている。また矢印50−3は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より大きい第3の角度(例えば水平方向に対して15°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0032】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。なお、図3では、各時刻を結ぶ線として矢印線50−1〜50−4を用いているが、矢印線50−1〜50−4の代わりに直線を用いた場合でも、各線には上述した第1〜第3の角度が設定されているので、同様の効果を得ることが可能である。
【0033】
図3の例では、当駅12時30分発の普通列車の到着時刻と発車時刻が、発車時刻表示領域40−1から引き出された矢印線50−1に結ばれ、当駅12時35分発の急行列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−2から引き出された矢印線50−2に結ばれ、当駅通過の特急列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−3から引き出された矢印線50−3に結ばれ、当駅12時50分発の普通列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−4から引き出された矢印線50−4に結ばれている。
【0034】
また、図3の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より上側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅で列車を待つ利用者がB駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時30分発の普通列車に乗れば最短時刻でB駅に到着できることを把握できる。
【0035】
また、図3の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)が、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)よりも上側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅12時30発の普通列車が当駅を発車した直後、かつ、当駅12時35発の急行列車が当駅を発車する前に、当駅で列車待ちをする利用者がC駅へ行く場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば、B駅で普通列車に乗り換えることで、当駅12時50分発の普通列車を待つよりもC駅に早く到着できることを把握できる。
【0036】
また、図3の例では、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)が、当駅12時30分発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)よりも上側に表示され、かつ、矢印線50−2に結ばれている。換言すると、この普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)は、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)よりも下側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、当駅で列車待ちをする利用者がE駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば最短時刻でE駅に到着できることを把握できる。
【0037】
図4は、運転整理後の運行情報に基づいて運行情報表示領域32に表示される表示例を示す図である。運転整理とは、列車に大きな遅延などの異常が発生した際に、列車種別などの運行優先順位も考慮して平常ダイヤへの復旧を図るものである。列車の運行は、あらかじめ定められた列車ダイヤに基づいて行われるが、必ずしも常に定時で運行できるわけではなく、車両や設備の故障あるいは事故、悪天候などによって列車が遅延、運休することがある。その際に、元の運行計画のままで運転を続けると遅延が一向に回復せず影響が広い範囲に波及すると共に、旅客への影響が甚大なものとなる。このため適切な計画変更を行って平常運行への早期復旧を図ることになる。そこで、遅延などによってダイヤが乱れた際には、旅客への影響を軽減し平常運転へ戻すため、運行管理装置3によって運転計画の変更(運転整理)が行われ、運転整理後の運行情報22が旅客案内表示装置4に提供される。図4には、このような運行情報22に基づいて表示される表示例が示されている。
【0038】
図4には、運転整理が行われた場合の表示例として、例えば、急行列車が遅延した場合の例が示されている。当駅12時30分発の普通列車は、ダイヤの乱れが生じていないが、急行列車の当駅発時刻が5分遅延して「12:40」となっている。また、この急行列車の遅延に伴い、当駅を通過予定であった特急列車の運行情報は、「当駅通過」の代わりに「運休」と表示されている。
【0039】
図4に示される第2の運行情報表示領域32−2では、普通列車のB駅発車時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:47」)よりも上側に示され、かつ、発車時刻表示領域40−1から引き出された矢印線50−1に結ばれている。すなわち、図3の例では、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)が、普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)よりも上側に示されていたわけであるが、運転整理の結果、普通列車のB駅発車時刻が急行列車のB駅発車時刻より上側に示されている。このように、運転整理が行われた場合においても、駅33−1〜33−5に対応する時刻(図4の例では発車時刻)が上から順に時系列的に表示されている。さらに、図3の表示例と同様に、普通列車の到着時刻と発車時刻が、発車時刻表示領域40−1から引き出された矢印線50−1に結ばれ、当駅12時40分発の急行列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−2から引き出された矢印線50−2に結ばれている。しかしながら、特急列車は運休となっているため、図3に示された矢印線50−3は、図10に示される運行情報表示領域2には表示されていない。そのため、例えば、当駅12時30発の普通列車が当駅を発車した直後、かつ、当駅12時40発の急行列車が当駅を発車する前に、当駅で列車待ちをする利用者がC駅へ行く場合、当駅12時50分発の普通列車に乗れば最短時刻でC駅に到着できることを案内可能である。すなわち、当駅12時40分発の急行列車に乗ってもB駅で当駅12時50分発の普通列車を待たなければならないことを把握できる。
【0040】
また、図4に示される第2の運行情報表示領域32−2では、急行列車のE駅発車時刻(「13:00」)が、普通列車のE駅発車時刻(「12:58」)よりも上側に示され、かつ、発車時刻表示領域40−2から引き出された矢印線50−2に結ばれている。そのため、当駅で列車待ちをする利用者がE駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時30分発の普通列車に乗れば最短時刻でE駅に到着できることを把握できる。
【0041】
なお、第2の運行情報表示領域32−2の表示内容は、以下のように構成してもよい。以下、図3と異なる部分についてのみ述べる。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第2の表示例を示す図である。図5に示される矢印線50−1〜50−4は、図3に示される矢印線50−1〜50−4とは異なる角度に設定されている。
【0043】
図5の例では、この角度の絶対値は、水平方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば水平方向に対して15°)に設定されている。また矢印線50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より小さい第2の角度(例えば水平方向に対して10°)に設定されている。また矢印線50−3は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より小さい第3の角度(例えば水平方向に対して0°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0044】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第3の表示例を示す図である。図3と異なる点は、矢印線50−1〜50−4の線種であり、矢印線50−1〜50−4は、各列車の種別に対応した線種で表示される。図6の例では、例えば、矢印線50−1、50−4は、普通列車に対応した第1の線種(例えば細線)で表示される。また、矢印線50−2は、急行列車に対応した第2の線種(例えば太線)で表示されている。また、矢印線50−3は、特急列車に対応した第3の線種(例えば一点鎖線)で表示されている。すなわち、これらの線種は、列車種別毎に異なる線種で表示されている。各線種は、例えば速い列車ほど太くするように表示すれば、太線で示される列車は細線で示される列車よりも速い列車であることを視覚化して案内することが可能である。なお、図6に示される第1〜第3の線種は、図5に示される矢印線50−1〜50−4にも適用可能である。
【0046】
図7は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第4の表示例を示す図であり、図8は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第5の表示例を示す図であり、図9は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第6の表示例を示す図である。図7〜9の表示例は、それぞれ図4〜6の表示例に対応するが、第2の運行情報表示領域32−2には、乗換駅(例えばB駅、E駅)に到着する時刻と乗換駅の発車時刻との双方を取り囲む線60−1、60−2が、乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。
【0047】
例えば、図7において、普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)と、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)と、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)とが線60−1で囲まれている。同様に、普通列車のE駅到着時刻(12時58分)と、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)と、この普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)とが線60−2で囲まれている。このように、乗り換え可能な列車の時刻を線60−1や線60−2で囲むことによって、乗換駅における到着時刻と発車時刻とを視覚化して案内することが可能である。
【0048】
以上に説明したように、実施の形態1にかかる旅客案内表示システム100は、複数の列車の在線情報21および運行ダイヤを管理し、各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報22を出力する運行管理装置3と、駅の構内に設けられ運行管理装置3から送信された運行情報22を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置4と、を備え、旅客案内表示装置4は、表示器30にて案内映像を表示する際に、表示器30の表示画面を時刻表表示領域31と運行情報表示領域32とに区分し、さらに、この運行情報表示領域30における運行情報の表示には、路線上の任意の駅である当駅(第1の駅)から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域40−1〜40−4を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域32−1と、当駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名を発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域32−2と、に区分し、当駅から進行してきた各列車の駅33−1〜33−5の発車時刻を、駅33−1〜33−5の駅名に対応付けて発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、各列車の駅33−1〜33−5の発車時刻と当該列車の各発車時刻表示領域40−1〜40−4とを、当駅から発車する各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線50−1〜50−4で結び、駅33−1〜33−5の中に乗換駅が存在する場合、当駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた列車の乗換駅の発車時刻とを、乗換駅の駅名に対応付けて、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、この直線または矢印線50−1〜50−4で結ぶようにしたので、列車の乗り換え案内を視覚的に分かり易くすることが可能である。従って、列車の乗り換えが容易化され、その結果として、当駅で列車を待つ利用者は、目的の駅に最短時刻で到着することができる列車と、乗換駅における乗換時刻(当駅発の列車が乗換駅に到着する時刻、および乗換駅から発車する発車時刻)と、その乗換後の列車が目的値に到着する時刻とを把握することが可能である。
【0049】
また、実施の形態1にかかる旅客案内表示システム100は、第2の運行情報表示領域32−2を第1の運行情報表示領域32−1の右側に表示し、発車時刻表示領域40−1〜40−4を第1の運行情報表示領域32−1の上側から順に表示し、駅33−1〜33−5の駅名を第2の運行情報表示領域32−2の左側から順に表示し、直線または矢印線50−1〜50−4の角度の絶対値を水平方向に対して所定の値に設定するようにしたので、例えば、第2の駅の駅名が5つ以上表示して運行情報表示領域32を横に長く表示するような場合でも列車の乗り換え案内を視覚化して案内することが可能である。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態1では、運行情報表示領域32の左側に第1の運行情報表示領域32−1を配置し、運行情報表示領域32の右側に第2の運行情報表示領域32−2を配置した例を説明したが、運行情報表示領域32の上側に第1の運行情報表示領域32−1を配置し、運行情報表示領域32の下側に第2の運行情報表示領域32−2を配置するように構成してもよい。このような表示例を実施の形態2として、実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の表示例を説明する。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0051】
図10は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第1の表示例を示す図である。発車時刻表示領域40−1〜40−4は、例えば、当駅の発車時刻順に(例えば第1の運行情報表示領域32−1の左側から順に)並べて表示される。
【0052】
第2の運行情報表示領域32−2には、当駅から発車した各列車の到着駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名が、発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向とは鉛直の方向(図10では上下方向)に、かつ、当駅に近い駅(A駅)から順に表示される。すなわち、図10に示される第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の駅名が第2の運行情報表示領域32−2の上側から順に表示されている。なお、図10には、5つの駅33−1〜33−5が示されているが、この数に限定されるものではない。
【0053】
さらに、第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の中に乗換駅(例えばB駅、E駅)が存在する場合、当駅から進行してきた各列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた各列車の乗換駅の発車時刻とが乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。また、これらの乗換駅に到着する時刻と乗換駅の発車時刻とは、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向(図10では左から右)に時系列的に表示され、かつ、矢印線50−1〜50−4で結ばれている。
【0054】
より具体的に説明すると、A駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:35」)が、当駅12時50分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:55」)より左側に表示されている。
【0055】
B駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より左側に表示され、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)は、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)より左側に表示され、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)は、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)より左側に表示されている。
【0056】
C駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のC駅発車時刻(「12:48」)が、当駅12時50分発の普通列車のC駅発車時刻(「13:05」)より左側に表示されている。
【0057】
D駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のD駅発車時刻(「12:52」)が、当駅12時50分発の普通列車のD駅発車時刻(「13:10」)より左側に表示されている。
【0058】
E駅の列においては、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)が、当駅12時30発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)より左側に表示され、この普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)は、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)より左側に表示され、特急列車のE駅発車時刻は、この普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)より左側に表示されている。
【0059】
また、第2の駅到着時刻(当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5に到着する時刻)と第2の駅発車時刻(当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5から発車する時刻)は、各発車時刻表示領域40−1〜40−4からそれぞれ引き出された矢印線であって、第2の運行情報表示領域32−2側に延び、かつ、当駅から発車する各列車の種別に対応した角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。
【0060】
図10の例では、この角度の絶対値は、垂直方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば垂直方向に対して0°)に設定されている。また矢印線50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より大きい第2の角度(例えば垂直方向に対して10°)に設定されている。また矢印線50−3は、は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より大きい第3の角度(例えば垂直方向に対して15°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0061】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。
【0062】
また、図10の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より左側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅で列車を待つ利用者がB駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時30分発の普通列車に乗れば最短時刻でB駅に到着できることを把握できる。
【0063】
また、図10の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)が、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)より左側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅12時30発の普通列車が当駅を発車した直後、かつ、当駅12時35発の急行列車が当駅を発車する前に、当駅で列車待ちをする利用者がC駅へ行く場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば、B駅で普通列車に乗り換えることで、当駅12時50分発の普通列車を待つよりもC駅に早く到着できることを把握できる。
【0064】
また、図10の例では、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)が、当駅12時30分発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)よりも左側に表示され、かつ、矢印線50−2に結ばれている。換言すると、この普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)は、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)よりも右側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、当駅で列車待ちをする利用者がE駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば最短時刻でE駅に到着できることを把握できる。
【0065】
なお、運転整理がされた場合には、図3に示される表示内容と同様に、各列車の発車時刻の表示が変更されるため、図3に示される表示が行われた場合と同様の効果を得ることが可能である。
【0066】
なお、第2の運行情報表示領域32−2の表示内容は、以下のように構成してもよい。以下、図11と異なる部分についてのみ述べる。
【0067】
図11は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第2の表示例を示す図である。図11に示される矢印線50−1〜50−4は、図10に示される矢印線50−1〜50−4とは異なる角度に設定されている。
【0068】
図11の例では、この角度の絶対値は、垂直方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば垂直方向に対して15°)に設定されている。また矢印線50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より小さい第2の角度(例えば垂直方向に対して10°)に設定されている。また矢印線50−3は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より小さい第3の角度(例えば垂直方向に対して0°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0069】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。
【0070】
図12は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第3の表示例を示す図である。図10と異なる点は、矢印線50−1〜50−4の線種であり、矢印線50−1〜50−4は、各列車の種別に対応した線種で表示される。図12の例では、例えば、矢印線50−1、50−4は、普通列車に対応した第1の線種(例えば細線)で表示される。また、矢印線50−2は、急行列車に対応した第2の線種(例えば太線)で表示されている。また、矢印線50−3は、特急列車に対応した第3の線種(例えば一点鎖線)で表示されている。すなわち、第1〜第3の線種は、列車種別毎に異なる線種で表示されている。各線種は、例えば速い列車ほど太くするように表示すれば、太線で示される列車は細線で示される列車よりも速い列車であることを視覚化して案内することが可能である。なお、図12に示される第1の線種、第2の線種、および第3の線種は、図11に示される矢印線50−1〜50−4にも適用可能である。
【0071】
図13は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第4の表示例を示す図であり、図14は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第5の表示例を示す図であり、図15は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第6の表示例を示す図である。図13〜15に示される第2の運行情報表示領域32−2には、乗換駅(例えばB駅、E駅)に到着する時刻と乗換駅の発車時刻との双方を取り囲む線60−1、60−2が、乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。
【0072】
例えば、図13において、普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)と、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)と、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)とが線60−1で囲まれている。同様に、普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)と、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)と、この普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)とが線60−2で囲まれている。このように、乗り換え可能な列車の時刻を線60−1や線60−2で囲むことによって、乗換駅における到着時刻と発車時刻とを視覚化して案内することが可能である。
【0073】
以上に説明したように、実施の形態2にかかる旅客案内表示システム100は、複数の列車の在線情報21および運行ダイヤを管理し、各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報22を出力する運行管理装置3と、駅の構内に設けられ運行管理装置3から送信された運行情報22を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置4と、を備え、旅客案内表示装置4は、表示器30にて案内映像を表示する際に、表示器30の表示画面を時刻表表示領域31と運行情報表示領域32とに区分し、さらに、この運行情報表示領域30における運行情報の表示には、路線上の任意の駅である当駅(第1の駅)から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域40−1〜40−4を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域32−1と、当駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名を発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域32−2と、に区分し、当駅から進行してきた列車の駅33−1〜33−5の発車時刻を、駅33−1〜33−5の駅名に対応付けて発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、各列車の駅33−1〜33−5の発車時刻と当該列車の各発車時刻表示領域40−1〜40−4とを、当駅から発車する各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線50−1〜50−4で結び、駅33−1〜33−5の中に乗換駅が存在する場合、当駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた列車の乗換駅の発車時刻とを、乗換駅の駅名に対応付けて、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、この直線または矢印線50−1〜50−4で結ぶようにしたので、列車の乗り換え案内を視覚的に分かり易くすることが可能である。従って、列車の乗り換えが容易化され、その結果として、当駅で列車を待つ利用者は、目的の駅に最短時刻で到着することができる列車と、乗換駅における乗換時刻(当駅発の列車が乗換駅に到着する時刻、および乗換駅から発車する発車時刻)と、その乗換後の列車が目的値に到着する時刻とを把握することが可能である。
【0074】
また、実施の形態2にかかる旅客案内表示システム100は、第2の運行情報表示領域32−2を第1の運行情報表示領域32−1の下側に表示し、発車時刻表示領域40−1〜40−4を第1の運行情報表示領域32−1の左側から順に表示し、駅33−1〜33−5の駅名を第2の運行情報表示領域32−2の上側から順に表示し、直線または矢印線50−1〜50−4の角度の絶対値を垂直方向に対して所定の値に設定するようにしたので、例えば、第2の駅の駅名が5つ以上表示して運行情報表示領域32を縦に長く表示するような場合でも列車の乗り換え案内を視覚化して案内することが可能である。
【0075】
なお、実施の形態1、2では、矢印線の線種(実線、点線など)を変えた例や、矢印線の太さを変えた例を図示しているが、矢印線の色を変えてもよい。例えば普通列車に対応する矢印線は黒線、急行列車に対応する矢印線は青線、特急列車に対応する矢印線は赤線、などのように表示してもよい。このように表示すれば、各矢印線50−1〜50−4の表示が明確化されるため、乗り換える列車が明確化されるため、一層分かりやすい乗り換え案内を提供することが可能である。
【0076】
また、実施の形態1、2にかかる旅客案内表示システム100は、以下のように構成してもよい。例えば、表示器30は、運行情報表示領域32の一部または全てを覆い、利用者によるタッチ操作を検知して操作情報として出力する入力部(図示せず)を備え、旅客案内表示装置4は、駅33−1〜33−5の駅名の何れかがタッチ操作された場合、入力部からの操作情報に基づいて、タッチ操作された駅33−1〜33−5に最短時刻で到着する列車に対応した矢印線を太線で表示する。このように構成すれば、タッチ操作を行った利用者に対してのみ、目的の駅に最短時刻で到着できる列車を即座に案内することが可能である。なお、このとき表示される矢印線は、太線に限定されるものではなく、タッチ操作された駅に最短時刻で到着する列車を、他の列車より強調して表示することができる線であればよい。
【0077】
実施の形態3.
実施の形態1、2にかかる旅客案内表示システム100は、発車時刻表示領域40−1〜40−4に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示するように構成されているが、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、発車時刻表示領域40−1〜40−4に表示する情報として、列車の種別、発車時刻、および行き先に加えて、列車の混雑率を表示するように構成されている。以下、実施の形態1、2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0078】
図16は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200の概略構成を示す図である。図16に示される旅客案内表示システム200は、軌道回路13、連動装置2、車上装置5と無線通信を行う機能(通信器)を有する運行管理装置3、旅客案内表示装置4、表示器30、および列車に搭載された車上装置5を有して構成されている。運行管理装置3から旅客案内表示装置4へ送信される運行情報22には、実施の形態1、2に示した運行情報22の内容に加えて、混雑率が追加されている。
【0079】
以下、動作を説明する。車上装置5は、列車が走行開始後(駅を発車後)に、例えば、AS圧(空気ばね圧力)で示される車両重量に基づいて混雑率(第1の混雑率)を算出し、運行管理装置3に対して無線通信にて送信する。第1の混雑率は、当駅に到着する直前の混雑率であり、車両ごとに算出されると共に、どの列車のどの車両の混雑率であるかを運行管理装置3が認識できるように例えば列車の識別情報や車両番号情報などと共に送信される。運行管理装置3は、車上装置5から取得した第1の混雑率を含む運行情報22を旅客案内表示装置4に送信する。
【0080】
図17は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示装置4による発車時刻表示領域40−1〜40−4の表示例を示す図である。図17には、一例として、2つの発車時刻表示領域(40−1、40−2)が示され、これらの発車時刻表示領域40−1、40−2には、列車の種別、発車時刻、行き先に加えて、第1の混雑率が示されている。このように、発車時刻表示領域40−1〜40−4には、当駅に到着する直前の混雑率が表示されるため、当駅に到着する車両内の混雑状況を利用者に通知することが可能である。例えば、目的の駅がE駅である場合、当駅で列車を待つ利用者は、この混雑率を見ることで、E駅に最短時刻で行くことができる列車は急行列車であるが、当駅12時30分発の普通列車の混雑率の方が小さいため、この普通列車を利用してE駅に行くという判断をすることが可能である。
【0081】
なお、上記説明では、当駅に到着する直前の混雑率(第1の混雑率)を、旅客案内表示装置4に送信するように構成されているが、駅到着後に利用者の降車が完了した時点における混雑率(第2の混雑率)の推定値(以下「推定値」)を求め、この推定値を運行情報22に含める形で旅客案内表示装置4に送信するように構成してもよい。例えば、運行管理装置3は、降車率を算出すると共に、降車率を算出した時点の時間に関する情報(月日,時分、平日/休日)と、場所に関する情報(駅,ホーム,車両)と、列車に関する情報(列車種別、行き先)と、その他の情報(天気,気温,特別日)とを収集する。これらの列車、時間および駅などの情報は、運行管理装置3によって、降車率と対応付けて管理される。
【0082】
降車率は、第1の混雑率と第2の混雑率との違いを示す情報である。そして、運行管理装置3は、列車の各車両それぞれについて、第1の混雑率と、過去に取得して保持しておいた降車率とを用いて、次式に従い推定値を算出する。
推定値=第1の混雑率×(100−降車率)/100
【0083】
旅客案内表示装置4がこの推定値を発車時刻表示領域40−1〜40−4に表示することによって以下の効果を得ることができる。例えば目的の駅がE駅である場合、当駅で列車を待つ利用者は、急行列車の推定値が当駅12時30分発の普通列車の推定値とほぼ同じであればこの急行列車を利用してE駅に行く、という判断をすることが可能である。
【0084】
以上に説明したように、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、運行管理装置3が、車上装置5から送信された混雑率であって当駅に到着する直前の第1の混雑率を受信して、この第1の混雑率を運行情報22に含めて旅客案内表示装置4に送信し、旅客案内表示装置4が、各発車時刻表示領域40−1〜40−4に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に第1の混雑率を表示するようにしたので、実施の形態1、2の効果に加えて、当駅に到着する車両内の混雑状況を利用者に通知することが可能である。
【0085】
また、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、運行管理装置3が、当駅に到着後の利用者の降車終了時点における混雑率である第2の混雑率と第1の混雑率との違いを示す情報として過去に取得して保持しておいた降車率と、第1の混雑率と、に基づいて、当駅における利用者の降車終了時点の混雑率の推定値を算出し、かつ、この推定値を運行情報22に含めて旅客案内表示装置4に送信し、旅客案内表示装置4が、各発車時刻表示領域40−1〜40−4に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に、第1の混雑率に代えて推定値を表示するようにしたので、実施の形態1、2の効果に加えて、当駅に到着する車両内の混雑率推定値を利用者に通知することが可能である。
【0086】
また、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、運転整理がされた場合、図3に示される表示内容と同様に、各列車の発車時刻の表示が変更されるため、実施の形態3にかかる効果に加えて、実施の形態1、2にかかる旅客案内表示システム100と同様の効果を得ることが可能である。
【0087】
なお、実施の形態1〜3に示した旅客案内表示システム100、200は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは無論である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明は、旅客案内表示システムに適用可能であり、特に、列車の乗り換えを容易化することができる発明として有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 伝送路
2 連動装置
3 運行管理装置
4 旅客案内表示装置
5 車上装置
10 列車
12 プラットホーム
13 軌道回路
20 軌道回路情報
21 在線情報
22 運行情報
23 時刻表情報
24 画像データ
30 表示器
31 時刻表表示領域
32 運行情報表示領域
32−1 第1の運行情報表示領域
32−2 第2の運行情報表示領域
33−1、33−2、33−3、33−4、33−5 駅
40−1、40−2、40−3、40−4 発車時刻表示領域
50−1、50−2、50−3、50−4 矢印線
60−1、60−2 線
100、200 旅客案内表示システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道事業者は、当駅を発車する列車の発車時刻を記した時刻表を駅構内に設置し、この時刻表を通じて旅客に対して旅客案内を行っている。この時刻表には、列車の発車時刻が時間別に分単位で表示されると共に列車の行き先および種別が判別可能に表示されている。このように構成された従来の時刻表は、容易に変更できない固定表示のため乗り物の時刻が変更されたときには切替え作業を要するだけでなく、列車の発車時刻が時間別に分単位で表示されているため、例えば分の表示が時間の表示から離れているような場合には見誤りが生じ易く、次の発車が何時何分であるかを探す場合、時刻表の多数の数字を時計と見比べながら見つけなければならず、使い易いものとは言いがたいものであった。
【0003】
下記特許文献1に代表される従来技術は、ホストコンピュータに各駅の列車の発車時刻を記憶し、このデータに基づいて、時刻表に最新の時刻を表示すると共に、当駅を発車した列車が停車する駅や行き先を表示するように構成されている。従って、時刻改正にも迅速に対応できる上に、列車の停車駅などを利用者に案内することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−222713号公報(例えば、段落0047、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、下記特許文献1に代表される従来技術では、例えば、利用者が目的の駅へ最短時刻で行くために途中駅で乗換をするような場合、例えば、どの駅で乗り換えをしたらよいのか、あるいは乗換駅において何時何分発の列車に乗り換えをしたら効率的に目的の駅に到着することができるのかなどを直感的に把握することが困難なため、利用者はどの駅で乗り換えをしたらよいのかなどを駅員に確認するというのが実情であった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、列車の乗り換えを容易化することが可能な旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の列車の在線情報および運行ダイヤを管理し、前記各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報を出力する運行管理装置と、駅の構内に設けられ、前記運行管理装置から送信された前記運行情報を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置と、を備え、前記旅客案内表示装置は、前記表示器の表示画面を時刻表表示領域と運行情報表示領域とに区分し、前記運行情報表示領域における前記運行情報の表示には、路線上の任意の駅である第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域と、前記第1の駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の第2の駅の駅名を前記各発車時刻表示領域が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域と、に区分し、前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻を、前記各第2の駅の駅名に対応付けて前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記第2の駅の発車時刻と当該列車の前記各発車時刻表示領域とを、前記第1の駅から発車する前記各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線で結び、前記第2の駅の中に乗換駅が存在する場合、前記第1の駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と前記第1の駅から進行してきた列車の前記乗換駅の発車時刻とを、前記乗換駅の駅名に対応付けて、前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記直線または矢印線で結ぶことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、表示器に、路線上の任意の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する第1の運行情報表示領域と、その駅以降の複数の駅を表示する第2の運行情報表示領域とを表示して、列車毎に、複数の駅における到着時刻と発車時刻とを列車種別に対応した角度を有する直線または矢印線で結ぶようにして視覚的に分かり易くすることにより、列車の乗り換えを容易化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、表示器に表示される内容の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第1の表示例を示す図である。
【図4】図4は、運転整理後の運行情報に基づいて運行情報表示領域に表示される表示例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第2の表示例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第3の表示例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第4の表示例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第5の表示例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第6の表示例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第1の表示例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第2の表示例を示す図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第3の表示例を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第4の表示例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第5の表示例を示す図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置による運行情報表示領域の第6の表示例を示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示システムの概略構成を示す図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示装置による発車時刻表示領域の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる旅客案内表示システムおよび旅客案内表示方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、旅客案内表示システム100は、軌道回路13、連動装置2、運行管理装置3、旅客案内表示装置4、および表示器30を有して構成されている。
【0012】
軌道回路13は、軌道に沿って区間ごとに敷設され、軌道上における列車(例えば列車10)の在線位置を検出する。列車の在線の有無を検出する信号を出力する。以下、軌道回路13の出力する信号を軌道回路情報20という。
【0013】
連動装置2は、複数個の軌道回路13と接続され、これらの軌道回路13の出力する軌道回路情報20を集約する。連動装置2は、軌道回路情報20に基づいて軌道上の各列車の在線位置を検出し、これを在線情報21として出力する。また、連動装置2は、軌道回路情報20に基づいて、信号機および転轍機等を制御する。
【0014】
運行管理装置3は、地上に設置された主にコンピュータで構成され、運行ダイヤ情報を有して列車の運行管理を行う。運行管理装置3と連動装置2は、伝送路1で接続され、連動装置2は、在線情報21を例えば定期的に運行管理装置3へ送信する。運行管理装置3は、運行ダイヤと、連動装置2から受信した在線情報21とを管理し、これらに基づき、各駅のプラットホーム12を発着する列車の運行情報22を管理する。例えば、運行管理装置3は、在線情報21により列車がある駅に接近していることを検知すると、運行ダイヤを参照してこの列車の運行情報(例えば、列車10の種別、行き先、停車駅、到着時刻、および発車時刻等)を特定し、特定された運行情報22を旅客案内表示装置4に送信する。なお、列車の種別は、普通、急行、特急等の区別をいう。
【0015】
旅客案内表示装置4は、例えば駅構内のプラットホーム12上などに設置され、CPUおよびメモリ等を備えて、運行情報22の表示機能を実現するソフトウェアに従って動作する。旅客案内表示装置4は、運行管理装置3から送信された時刻表情報23を、所定のスケジュールに従がって表示器30へ送信する。また、旅客案内表示装置4は、運行管理装置3から送信された運行情報22に基づいて、路線上の任意の駅である当駅を発車しあるいは通過した列車が向かう駅、その列車が停車する駅への到着時刻、およびその列車が停車した駅の発車時刻などを、視覚化した画像データ24を作成する。作成された画像データ24は、表示器30へ送信され、表示器30では、運行情報22(画像データ24)が案内映像として表示される。
【0016】
以下、旅客案内表示システム100の動作を説明する。軌道回路13からの軌道回路情報20は、連動装置2に収集され、軌道回路情報20は、軌道回路情報20に基づいて軌道上の各列車の在線位置を検出し、在線情報21として出力する。連動装置2からの在線情報21は、運行管理装置3によって所定の運行ダイヤと照合され、列車の運行情報22の特定が行われる。特定された運行情報22は、旅客案内表示装置4に送信される。運行管理装置3から送信された時刻表情報23は、旅客案内表示装置4を介して表示器30へ送信される。また、運行管理装置3から送信された運行情報22は、旅客案内表示装置4によって画像データ24に変換されて表示器30へ送信される。
【0017】
図2は、表示器30に表示される内容の一例を示す図である。表示器30の表示画面33は、例えば、時刻表情報23を表示するための時刻表表示領域31と、運行情報22を表示するための運行情報表示領域32とに区分されている。時刻表表示領域31には、例えば、当駅を発車する列車の発車時刻が時間別に分単位で表示される。時刻表表示領域31において記号A、B、Cで示される時刻は、後述する第1の運行情報表示領域32−1に表示される時刻の一例である。なお、図2の例では、時刻表表示領域31が運行情報表示領域32の上側に配設されているが、時刻表表示領域31の上側に運行情報表示領域32を配設するように構成してもよいし、運行情報表示領域32が時刻表表示領域31の左右何れかに配設されるように構成してもよい。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第1の表示例を示す図である。運行情報表示領域32は、第1の運行情報表示領域32−1と、第2の運行情報表示領域32−2とに区分されている。図3の例では、第2の運行情報表示領域32−2が第1の運行情報表示領域32−1の右側に表示されている。
【0019】
第1の運行情報表示領域32−1には、路線上の任意の駅を第1の駅(以下、「当駅」と称する)として、当駅に到着する各列車が当駅から発車する時刻順に、少なくとも当駅を発車または通過する列車の種別を含む列車情報の表示領域である複数の発車時刻表示領域40−1〜40−4が設けられている。この発車時刻表示領域40−1〜40−4は、当駅の発車時刻順に(例えば第1の運行情報表示領域32−1の上側から順に)並べて表示される。
【0020】
この発車時刻表示領域40−1〜40−4には、当駅を発車または通過する列車の種別の他に、当駅発の列車の発車時刻および行き先や、当駅を通過する列車の行き先が表示される。このような表示を行うことによって、当駅から乗車する利用者は、当駅発の列車の発車時刻および行き先を正確に把握することが可能である。
【0021】
図3の例では、発車時刻表示領域40−1、40−2、40−4に、それぞれ列車の種別、発車時刻、および行き先が示され、発車時刻表示領域40−3に、当駅を通過する列車の種別および行き先が示されている。なお、図3には、4つの発車時刻表示領域40−1〜40−4が示されているが、この数に限定されるものではない。
【0022】
より具体的に説明すると、発車時刻表示領域40−1には、先発列車の発車時刻(「12:30発」)と、その種別(「普通」)と、行き先(「○○行き」)とが表示されている。この発車時刻は、例えば図2の時刻表表示領域31において記号Aで示される時刻である。発車時刻表示領域40−2には、当駅12時30分発の普通列車の次に発車する急行列車の発車時刻(「12:35発」)と、その種別(「急行」)と、行き先(「△△行き」)とが表示されている。この発車時刻は、例えば図2の時刻表表示領域31において記号Bで示される時刻である。発車時刻表示領域40−4には、当駅12時35分発の急行列車の次に発車する普通列車の発車時刻(「12:50発」)と、その種別(「普通」)と、行き先(「○○行き」)とが表示されている。この発車時刻は、例えば図2の時刻表表示領域31において記号Cで示される時刻である。そして、発車時刻表示領域40−3には、当駅12時35発の急行列車が発車した後であり、かつ、当駅12時50発の普通列車が発車する前に、当駅を通過する列車の情報(「当駅通過」)と、その種別(「特急」)と、行き先(「△△行き」)とが表示されている。このように、第1の運行情報表示領域32−1には、当駅を発車する列車に関する運行情報(発車時刻、列車種別、行き先)が表示され、通過列車がある場合にはその列車に関する運行情報(列車種別、行き先)が表示される。
【0023】
第2の運行情報表示領域32−2には、当駅から発車した各列車の到着駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名が、発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向とは鉛直の方向(図3では左右方向)に、かつ、当駅に近い駅(A駅)から順に表示される。すなわち、図3に示される第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の駅名が第2の運行情報表示領域32−2の左側から順に表示されている。なお、図3には、5つの駅33−1〜33−5が示されているが、この数に限定されるものではない。
【0024】
さらに、第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の中に乗換駅(例えばB駅、E駅)が存在する場合、当駅から進行してきた各列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた各列車の乗換駅の発車時刻とが乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。また、これらの乗換駅に到着する時刻と乗換駅の発車時刻とは、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向(図3では上から下)に時系列的に表示され、かつ、矢印線50−1〜50−3で結ばれている。
【0025】
より具体的に説明すると、A駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:35」)と、当駅12時50分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:55」)とが表示されている。普通列車のA駅発車時刻(「12:35」)は、普通列車のA駅発車時刻(「12:55」)より上側に表示されている。
【0026】
B駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)と、この普通列車がB駅を発車する時刻(「12:43」)と、当駅12時35分発の急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)と、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)とが表示されている。普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)は、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より上側に表示され、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)は、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)より上側に表示されている。また、普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)は、普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)より上側に表示されている。
【0027】
C駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のC駅発車時刻(「12:48」)と、当駅12時50分発の普通列車のC駅発車時刻(「13:05」)と、が表示されている。普通列車のC駅発車時刻(「12:48」)は、普通列車のC駅発車時刻(「13:05」)より上側に表示されている。
【0028】
D駅の列には、当駅12時30分発の普通列車のD駅発車時刻(「12:52」)と、当駅12時50分発の普通列車のD駅発車時刻(「13:10」)と、が表示されている。普通列車のD駅発車時刻(「12:52」)は、普通列車のD駅発車時刻(「13:10」)より上側に表示されている。
【0029】
E駅の列には、当駅12時35分発の急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)と、当駅12時30分発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)と、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)と、E駅12時58分着の普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)と、当駅12時50分発の普通列車のE駅発車時刻(「13:15」)とが表示されている。特急列車は、例えば、当駅12時35分発の急行列車が当駅を発車後に当駅を通過した列車である。急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)は、普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)より上側に表示され、このE駅到着時刻(「12:58」)は、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)より上側に表示され、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)は、普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)より上側に表示されている。
【0030】
また、当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5に到着する時刻(第2の駅到着時刻)と、当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5から発車する時刻(第2の駅発車時刻)とは、各発車時刻表示領域40−1〜40−4からそれぞれ引き出された矢印であって、第2の運行情報表示領域32−2側に延び、かつ、当駅から発車する各列車の種別に対応した角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。
【0031】
図3の例では、この角度の絶対値は、水平方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば水平方向に対して0°)に設定されている。また矢印50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より大きい第2の角度(例えば水平方向に対して10°)に設定されている。また矢印50−3は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より大きい第3の角度(例えば水平方向に対して15°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0032】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。なお、図3では、各時刻を結ぶ線として矢印線50−1〜50−4を用いているが、矢印線50−1〜50−4の代わりに直線を用いた場合でも、各線には上述した第1〜第3の角度が設定されているので、同様の効果を得ることが可能である。
【0033】
図3の例では、当駅12時30分発の普通列車の到着時刻と発車時刻が、発車時刻表示領域40−1から引き出された矢印線50−1に結ばれ、当駅12時35分発の急行列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−2から引き出された矢印線50−2に結ばれ、当駅通過の特急列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−3から引き出された矢印線50−3に結ばれ、当駅12時50分発の普通列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−4から引き出された矢印線50−4に結ばれている。
【0034】
また、図3の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より上側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅で列車を待つ利用者がB駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時30分発の普通列車に乗れば最短時刻でB駅に到着できることを把握できる。
【0035】
また、図3の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)が、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)よりも上側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅12時30発の普通列車が当駅を発車した直後、かつ、当駅12時35発の急行列車が当駅を発車する前に、当駅で列車待ちをする利用者がC駅へ行く場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば、B駅で普通列車に乗り換えることで、当駅12時50分発の普通列車を待つよりもC駅に早く到着できることを把握できる。
【0036】
また、図3の例では、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)が、当駅12時30分発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)よりも上側に表示され、かつ、矢印線50−2に結ばれている。換言すると、この普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)は、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)よりも下側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、当駅で列車待ちをする利用者がE駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば最短時刻でE駅に到着できることを把握できる。
【0037】
図4は、運転整理後の運行情報に基づいて運行情報表示領域32に表示される表示例を示す図である。運転整理とは、列車に大きな遅延などの異常が発生した際に、列車種別などの運行優先順位も考慮して平常ダイヤへの復旧を図るものである。列車の運行は、あらかじめ定められた列車ダイヤに基づいて行われるが、必ずしも常に定時で運行できるわけではなく、車両や設備の故障あるいは事故、悪天候などによって列車が遅延、運休することがある。その際に、元の運行計画のままで運転を続けると遅延が一向に回復せず影響が広い範囲に波及すると共に、旅客への影響が甚大なものとなる。このため適切な計画変更を行って平常運行への早期復旧を図ることになる。そこで、遅延などによってダイヤが乱れた際には、旅客への影響を軽減し平常運転へ戻すため、運行管理装置3によって運転計画の変更(運転整理)が行われ、運転整理後の運行情報22が旅客案内表示装置4に提供される。図4には、このような運行情報22に基づいて表示される表示例が示されている。
【0038】
図4には、運転整理が行われた場合の表示例として、例えば、急行列車が遅延した場合の例が示されている。当駅12時30分発の普通列車は、ダイヤの乱れが生じていないが、急行列車の当駅発時刻が5分遅延して「12:40」となっている。また、この急行列車の遅延に伴い、当駅を通過予定であった特急列車の運行情報は、「当駅通過」の代わりに「運休」と表示されている。
【0039】
図4に示される第2の運行情報表示領域32−2では、普通列車のB駅発車時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:47」)よりも上側に示され、かつ、発車時刻表示領域40−1から引き出された矢印線50−1に結ばれている。すなわち、図3の例では、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)が、普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)よりも上側に示されていたわけであるが、運転整理の結果、普通列車のB駅発車時刻が急行列車のB駅発車時刻より上側に示されている。このように、運転整理が行われた場合においても、駅33−1〜33−5に対応する時刻(図4の例では発車時刻)が上から順に時系列的に表示されている。さらに、図3の表示例と同様に、普通列車の到着時刻と発車時刻が、発車時刻表示領域40−1から引き出された矢印線50−1に結ばれ、当駅12時40分発の急行列車の発車時刻が、発車時刻表示領域40−2から引き出された矢印線50−2に結ばれている。しかしながら、特急列車は運休となっているため、図3に示された矢印線50−3は、図10に示される運行情報表示領域2には表示されていない。そのため、例えば、当駅12時30発の普通列車が当駅を発車した直後、かつ、当駅12時40発の急行列車が当駅を発車する前に、当駅で列車待ちをする利用者がC駅へ行く場合、当駅12時50分発の普通列車に乗れば最短時刻でC駅に到着できることを案内可能である。すなわち、当駅12時40分発の急行列車に乗ってもB駅で当駅12時50分発の普通列車を待たなければならないことを把握できる。
【0040】
また、図4に示される第2の運行情報表示領域32−2では、急行列車のE駅発車時刻(「13:00」)が、普通列車のE駅発車時刻(「12:58」)よりも上側に示され、かつ、発車時刻表示領域40−2から引き出された矢印線50−2に結ばれている。そのため、当駅で列車待ちをする利用者がE駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時30分発の普通列車に乗れば最短時刻でE駅に到着できることを把握できる。
【0041】
なお、第2の運行情報表示領域32−2の表示内容は、以下のように構成してもよい。以下、図3と異なる部分についてのみ述べる。
【0042】
図5は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第2の表示例を示す図である。図5に示される矢印線50−1〜50−4は、図3に示される矢印線50−1〜50−4とは異なる角度に設定されている。
【0043】
図5の例では、この角度の絶対値は、水平方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば水平方向に対して15°)に設定されている。また矢印線50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より小さい第2の角度(例えば水平方向に対して10°)に設定されている。また矢印線50−3は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より小さい第3の角度(例えば水平方向に対して0°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0044】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第3の表示例を示す図である。図3と異なる点は、矢印線50−1〜50−4の線種であり、矢印線50−1〜50−4は、各列車の種別に対応した線種で表示される。図6の例では、例えば、矢印線50−1、50−4は、普通列車に対応した第1の線種(例えば細線)で表示される。また、矢印線50−2は、急行列車に対応した第2の線種(例えば太線)で表示されている。また、矢印線50−3は、特急列車に対応した第3の線種(例えば一点鎖線)で表示されている。すなわち、これらの線種は、列車種別毎に異なる線種で表示されている。各線種は、例えば速い列車ほど太くするように表示すれば、太線で示される列車は細線で示される列車よりも速い列車であることを視覚化して案内することが可能である。なお、図6に示される第1〜第3の線種は、図5に示される矢印線50−1〜50−4にも適用可能である。
【0046】
図7は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第4の表示例を示す図であり、図8は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第5の表示例を示す図であり、図9は、本発明の実施の形態1にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第6の表示例を示す図である。図7〜9の表示例は、それぞれ図4〜6の表示例に対応するが、第2の運行情報表示領域32−2には、乗換駅(例えばB駅、E駅)に到着する時刻と乗換駅の発車時刻との双方を取り囲む線60−1、60−2が、乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。
【0047】
例えば、図7において、普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)と、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)と、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)とが線60−1で囲まれている。同様に、普通列車のE駅到着時刻(12時58分)と、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)と、この普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)とが線60−2で囲まれている。このように、乗り換え可能な列車の時刻を線60−1や線60−2で囲むことによって、乗換駅における到着時刻と発車時刻とを視覚化して案内することが可能である。
【0048】
以上に説明したように、実施の形態1にかかる旅客案内表示システム100は、複数の列車の在線情報21および運行ダイヤを管理し、各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報22を出力する運行管理装置3と、駅の構内に設けられ運行管理装置3から送信された運行情報22を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置4と、を備え、旅客案内表示装置4は、表示器30にて案内映像を表示する際に、表示器30の表示画面を時刻表表示領域31と運行情報表示領域32とに区分し、さらに、この運行情報表示領域30における運行情報の表示には、路線上の任意の駅である当駅(第1の駅)から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域40−1〜40−4を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域32−1と、当駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名を発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域32−2と、に区分し、当駅から進行してきた各列車の駅33−1〜33−5の発車時刻を、駅33−1〜33−5の駅名に対応付けて発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、各列車の駅33−1〜33−5の発車時刻と当該列車の各発車時刻表示領域40−1〜40−4とを、当駅から発車する各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線50−1〜50−4で結び、駅33−1〜33−5の中に乗換駅が存在する場合、当駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた列車の乗換駅の発車時刻とを、乗換駅の駅名に対応付けて、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、この直線または矢印線50−1〜50−4で結ぶようにしたので、列車の乗り換え案内を視覚的に分かり易くすることが可能である。従って、列車の乗り換えが容易化され、その結果として、当駅で列車を待つ利用者は、目的の駅に最短時刻で到着することができる列車と、乗換駅における乗換時刻(当駅発の列車が乗換駅に到着する時刻、および乗換駅から発車する発車時刻)と、その乗換後の列車が目的値に到着する時刻とを把握することが可能である。
【0049】
また、実施の形態1にかかる旅客案内表示システム100は、第2の運行情報表示領域32−2を第1の運行情報表示領域32−1の右側に表示し、発車時刻表示領域40−1〜40−4を第1の運行情報表示領域32−1の上側から順に表示し、駅33−1〜33−5の駅名を第2の運行情報表示領域32−2の左側から順に表示し、直線または矢印線50−1〜50−4の角度の絶対値を水平方向に対して所定の値に設定するようにしたので、例えば、第2の駅の駅名が5つ以上表示して運行情報表示領域32を横に長く表示するような場合でも列車の乗り換え案内を視覚化して案内することが可能である。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態1では、運行情報表示領域32の左側に第1の運行情報表示領域32−1を配置し、運行情報表示領域32の右側に第2の運行情報表示領域32−2を配置した例を説明したが、運行情報表示領域32の上側に第1の運行情報表示領域32−1を配置し、運行情報表示領域32の下側に第2の運行情報表示領域32−2を配置するように構成してもよい。このような表示例を実施の形態2として、実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の表示例を説明する。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0051】
図10は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第1の表示例を示す図である。発車時刻表示領域40−1〜40−4は、例えば、当駅の発車時刻順に(例えば第1の運行情報表示領域32−1の左側から順に)並べて表示される。
【0052】
第2の運行情報表示領域32−2には、当駅から発車した各列車の到着駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名が、発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向とは鉛直の方向(図10では上下方向)に、かつ、当駅に近い駅(A駅)から順に表示される。すなわち、図10に示される第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の駅名が第2の運行情報表示領域32−2の上側から順に表示されている。なお、図10には、5つの駅33−1〜33−5が示されているが、この数に限定されるものではない。
【0053】
さらに、第2の運行情報表示領域32−2には、駅33−1〜33−5の中に乗換駅(例えばB駅、E駅)が存在する場合、当駅から進行してきた各列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた各列車の乗換駅の発車時刻とが乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。また、これらの乗換駅に到着する時刻と乗換駅の発車時刻とは、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向(図10では左から右)に時系列的に表示され、かつ、矢印線50−1〜50−4で結ばれている。
【0054】
より具体的に説明すると、A駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:35」)が、当駅12時50分発の普通列車のA駅発車時刻(「12:55」)より左側に表示されている。
【0055】
B駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より左側に表示され、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)は、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)より左側に表示され、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)は、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)より左側に表示されている。
【0056】
C駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のC駅発車時刻(「12:48」)が、当駅12時50分発の普通列車のC駅発車時刻(「13:05」)より左側に表示されている。
【0057】
D駅の列においては、当駅12時30分発の普通列車のD駅発車時刻(「12:52」)が、当駅12時50分発の普通列車のD駅発車時刻(「13:10」)より左側に表示されている。
【0058】
E駅の列においては、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)が、当駅12時30発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)より左側に表示され、この普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)は、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)より左側に表示され、特急列車のE駅発車時刻は、この普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)より左側に表示されている。
【0059】
また、第2の駅到着時刻(当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5に到着する時刻)と第2の駅発車時刻(当駅から進行してきた各列車が駅33−1〜33−5から発車する時刻)は、各発車時刻表示領域40−1〜40−4からそれぞれ引き出された矢印線であって、第2の運行情報表示領域32−2側に延び、かつ、当駅から発車する各列車の種別に対応した角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。
【0060】
図10の例では、この角度の絶対値は、垂直方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば垂直方向に対して0°)に設定されている。また矢印線50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より大きい第2の角度(例えば垂直方向に対して10°)に設定されている。また矢印線50−3は、は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より大きい第3の角度(例えば垂直方向に対して15°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0061】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。
【0062】
また、図10の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)が、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)より左側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅で列車を待つ利用者がB駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時30分発の普通列車に乗れば最短時刻でB駅に到着できることを把握できる。
【0063】
また、図10の例では、当駅12時30分発の普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)が、当駅12時50分発の普通列車のB駅発車時刻(「13:00」)より左側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、例えば、当駅12時30発の普通列車が当駅を発車した直後、かつ、当駅12時35発の急行列車が当駅を発車する前に、当駅で列車待ちをする利用者がC駅へ行く場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば、B駅で普通列車に乗り換えることで、当駅12時50分発の普通列車を待つよりもC駅に早く到着できることを把握できる。
【0064】
また、図10の例では、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)が、当駅12時30分発の普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)よりも左側に表示され、かつ、矢印線50−2に結ばれている。換言すると、この普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)は、急行列車のE駅発車時刻(「12:55」)よりも右側に表示され、かつ、矢印線50−1に結ばれている。そのため、当駅で列車待ちをする利用者がE駅に行くような場合、この利用者は、当駅12時35分発の急行列車に乗れば最短時刻でE駅に到着できることを把握できる。
【0065】
なお、運転整理がされた場合には、図3に示される表示内容と同様に、各列車の発車時刻の表示が変更されるため、図3に示される表示が行われた場合と同様の効果を得ることが可能である。
【0066】
なお、第2の運行情報表示領域32−2の表示内容は、以下のように構成してもよい。以下、図11と異なる部分についてのみ述べる。
【0067】
図11は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第2の表示例を示す図である。図11に示される矢印線50−1〜50−4は、図10に示される矢印線50−1〜50−4とは異なる角度に設定されている。
【0068】
図11の例では、この角度の絶対値は、垂直方向に対して以下のような値(所定の値)に設定されている。矢印線50−1、50−4は、例えば、最も遅い第1の列車(例えば普通列車)の種別に対応した第1の角度(例えば垂直方向に対して15°)に設定されている。また矢印線50−2は、第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車(例えば特急列車)よりも遅い第2の列車(例えば急行列車)の種別に対応すると共に第1の角度より小さい第2の角度(例えば垂直方向に対して10°)に設定されている。また矢印線50−3は、最も早い列車である第3の列車(例えば特急列車)の種別に対応し第2の角度より小さい第3の角度(例えば垂直方向に対して0°)に設定されている。なお、これらの角度の値は一例であり、異なる値であってもよい。
【0069】
このように、各駅33−1〜33−5の到着時刻または発車時刻は、発車時刻表示領域40−1〜40−4から引き出され、かつ、所定の角度に設定された矢印線50−1〜50−4で結ばれている。そのため、当駅で列車を待つ利用者は、この矢印線50−1〜50−4が表示されていることで、当駅を発車しあるいは通過する列車が、当駅以降の各駅33−1〜33−5に到着する時刻やその駅を発車する時刻を直感的に把握することが可能である。
【0070】
図12は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第3の表示例を示す図である。図10と異なる点は、矢印線50−1〜50−4の線種であり、矢印線50−1〜50−4は、各列車の種別に対応した線種で表示される。図12の例では、例えば、矢印線50−1、50−4は、普通列車に対応した第1の線種(例えば細線)で表示される。また、矢印線50−2は、急行列車に対応した第2の線種(例えば太線)で表示されている。また、矢印線50−3は、特急列車に対応した第3の線種(例えば一点鎖線)で表示されている。すなわち、第1〜第3の線種は、列車種別毎に異なる線種で表示されている。各線種は、例えば速い列車ほど太くするように表示すれば、太線で示される列車は細線で示される列車よりも速い列車であることを視覚化して案内することが可能である。なお、図12に示される第1の線種、第2の線種、および第3の線種は、図11に示される矢印線50−1〜50−4にも適用可能である。
【0071】
図13は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第4の表示例を示す図であり、図14は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第5の表示例を示す図であり、図15は、本発明の実施の形態2にかかる旅客案内表示装置4による運行情報表示領域32の第6の表示例を示す図である。図13〜15に示される第2の運行情報表示領域32−2には、乗換駅(例えばB駅、E駅)に到着する時刻と乗換駅の発車時刻との双方を取り囲む線60−1、60−2が、乗換駅の駅名に対応付けて表示されている。
【0072】
例えば、図13において、普通列車のB駅到着時刻(「12:40」)と、急行列車のB駅発車時刻(「12:42」)と、この普通列車のB駅発車時刻(「12:43」)とが線60−1で囲まれている。同様に、普通列車のE駅到着時刻(「12:58」)と、特急列車のE駅発車時刻(「13:00」)と、この普通列車のE駅発車時刻(「13:02」)とが線60−2で囲まれている。このように、乗り換え可能な列車の時刻を線60−1や線60−2で囲むことによって、乗換駅における到着時刻と発車時刻とを視覚化して案内することが可能である。
【0073】
以上に説明したように、実施の形態2にかかる旅客案内表示システム100は、複数の列車の在線情報21および運行ダイヤを管理し、各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報22を出力する運行管理装置3と、駅の構内に設けられ運行管理装置3から送信された運行情報22を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置4と、を備え、旅客案内表示装置4は、表示器30にて案内映像を表示する際に、表示器30の表示画面を時刻表表示領域31と運行情報表示領域32とに区分し、さらに、この運行情報表示領域30における運行情報の表示には、路線上の任意の駅である当駅(第1の駅)から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域40−1〜40−4を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域32−1と、当駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の駅33−1〜33−5(第2の駅)の駅名を発車時刻表示領域40−1〜40−4が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域32−2と、に区分し、当駅から進行してきた列車の駅33−1〜33−5の発車時刻を、駅33−1〜33−5の駅名に対応付けて発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、各列車の駅33−1〜33−5の発車時刻と当該列車の各発車時刻表示領域40−1〜40−4とを、当駅から発車する各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線50−1〜50−4で結び、駅33−1〜33−5の中に乗換駅が存在する場合、当駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と当駅から進行してきた列車の乗換駅の発車時刻とを、乗換駅の駅名に対応付けて、各発車時刻表示領域40−1〜40−4の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、この直線または矢印線50−1〜50−4で結ぶようにしたので、列車の乗り換え案内を視覚的に分かり易くすることが可能である。従って、列車の乗り換えが容易化され、その結果として、当駅で列車を待つ利用者は、目的の駅に最短時刻で到着することができる列車と、乗換駅における乗換時刻(当駅発の列車が乗換駅に到着する時刻、および乗換駅から発車する発車時刻)と、その乗換後の列車が目的値に到着する時刻とを把握することが可能である。
【0074】
また、実施の形態2にかかる旅客案内表示システム100は、第2の運行情報表示領域32−2を第1の運行情報表示領域32−1の下側に表示し、発車時刻表示領域40−1〜40−4を第1の運行情報表示領域32−1の左側から順に表示し、駅33−1〜33−5の駅名を第2の運行情報表示領域32−2の上側から順に表示し、直線または矢印線50−1〜50−4の角度の絶対値を垂直方向に対して所定の値に設定するようにしたので、例えば、第2の駅の駅名が5つ以上表示して運行情報表示領域32を縦に長く表示するような場合でも列車の乗り換え案内を視覚化して案内することが可能である。
【0075】
なお、実施の形態1、2では、矢印線の線種(実線、点線など)を変えた例や、矢印線の太さを変えた例を図示しているが、矢印線の色を変えてもよい。例えば普通列車に対応する矢印線は黒線、急行列車に対応する矢印線は青線、特急列車に対応する矢印線は赤線、などのように表示してもよい。このように表示すれば、各矢印線50−1〜50−4の表示が明確化されるため、乗り換える列車が明確化されるため、一層分かりやすい乗り換え案内を提供することが可能である。
【0076】
また、実施の形態1、2にかかる旅客案内表示システム100は、以下のように構成してもよい。例えば、表示器30は、運行情報表示領域32の一部または全てを覆い、利用者によるタッチ操作を検知して操作情報として出力する入力部(図示せず)を備え、旅客案内表示装置4は、駅33−1〜33−5の駅名の何れかがタッチ操作された場合、入力部からの操作情報に基づいて、タッチ操作された駅33−1〜33−5に最短時刻で到着する列車に対応した矢印線を太線で表示する。このように構成すれば、タッチ操作を行った利用者に対してのみ、目的の駅に最短時刻で到着できる列車を即座に案内することが可能である。なお、このとき表示される矢印線は、太線に限定されるものではなく、タッチ操作された駅に最短時刻で到着する列車を、他の列車より強調して表示することができる線であればよい。
【0077】
実施の形態3.
実施の形態1、2にかかる旅客案内表示システム100は、発車時刻表示領域40−1〜40−4に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示するように構成されているが、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、発車時刻表示領域40−1〜40−4に表示する情報として、列車の種別、発車時刻、および行き先に加えて、列車の混雑率を表示するように構成されている。以下、実施の形態1、2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0078】
図16は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200の概略構成を示す図である。図16に示される旅客案内表示システム200は、軌道回路13、連動装置2、車上装置5と無線通信を行う機能(通信器)を有する運行管理装置3、旅客案内表示装置4、表示器30、および列車に搭載された車上装置5を有して構成されている。運行管理装置3から旅客案内表示装置4へ送信される運行情報22には、実施の形態1、2に示した運行情報22の内容に加えて、混雑率が追加されている。
【0079】
以下、動作を説明する。車上装置5は、列車が走行開始後(駅を発車後)に、例えば、AS圧(空気ばね圧力)で示される車両重量に基づいて混雑率(第1の混雑率)を算出し、運行管理装置3に対して無線通信にて送信する。第1の混雑率は、当駅に到着する直前の混雑率であり、車両ごとに算出されると共に、どの列車のどの車両の混雑率であるかを運行管理装置3が認識できるように例えば列車の識別情報や車両番号情報などと共に送信される。運行管理装置3は、車上装置5から取得した第1の混雑率を含む運行情報22を旅客案内表示装置4に送信する。
【0080】
図17は、本発明の実施の形態3にかかる旅客案内表示装置4による発車時刻表示領域40−1〜40−4の表示例を示す図である。図17には、一例として、2つの発車時刻表示領域(40−1、40−2)が示され、これらの発車時刻表示領域40−1、40−2には、列車の種別、発車時刻、行き先に加えて、第1の混雑率が示されている。このように、発車時刻表示領域40−1〜40−4には、当駅に到着する直前の混雑率が表示されるため、当駅に到着する車両内の混雑状況を利用者に通知することが可能である。例えば、目的の駅がE駅である場合、当駅で列車を待つ利用者は、この混雑率を見ることで、E駅に最短時刻で行くことができる列車は急行列車であるが、当駅12時30分発の普通列車の混雑率の方が小さいため、この普通列車を利用してE駅に行くという判断をすることが可能である。
【0081】
なお、上記説明では、当駅に到着する直前の混雑率(第1の混雑率)を、旅客案内表示装置4に送信するように構成されているが、駅到着後に利用者の降車が完了した時点における混雑率(第2の混雑率)の推定値(以下「推定値」)を求め、この推定値を運行情報22に含める形で旅客案内表示装置4に送信するように構成してもよい。例えば、運行管理装置3は、降車率を算出すると共に、降車率を算出した時点の時間に関する情報(月日,時分、平日/休日)と、場所に関する情報(駅,ホーム,車両)と、列車に関する情報(列車種別、行き先)と、その他の情報(天気,気温,特別日)とを収集する。これらの列車、時間および駅などの情報は、運行管理装置3によって、降車率と対応付けて管理される。
【0082】
降車率は、第1の混雑率と第2の混雑率との違いを示す情報である。そして、運行管理装置3は、列車の各車両それぞれについて、第1の混雑率と、過去に取得して保持しておいた降車率とを用いて、次式に従い推定値を算出する。
推定値=第1の混雑率×(100−降車率)/100
【0083】
旅客案内表示装置4がこの推定値を発車時刻表示領域40−1〜40−4に表示することによって以下の効果を得ることができる。例えば目的の駅がE駅である場合、当駅で列車を待つ利用者は、急行列車の推定値が当駅12時30分発の普通列車の推定値とほぼ同じであればこの急行列車を利用してE駅に行く、という判断をすることが可能である。
【0084】
以上に説明したように、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、運行管理装置3が、車上装置5から送信された混雑率であって当駅に到着する直前の第1の混雑率を受信して、この第1の混雑率を運行情報22に含めて旅客案内表示装置4に送信し、旅客案内表示装置4が、各発車時刻表示領域40−1〜40−4に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に第1の混雑率を表示するようにしたので、実施の形態1、2の効果に加えて、当駅に到着する車両内の混雑状況を利用者に通知することが可能である。
【0085】
また、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、運行管理装置3が、当駅に到着後の利用者の降車終了時点における混雑率である第2の混雑率と第1の混雑率との違いを示す情報として過去に取得して保持しておいた降車率と、第1の混雑率と、に基づいて、当駅における利用者の降車終了時点の混雑率の推定値を算出し、かつ、この推定値を運行情報22に含めて旅客案内表示装置4に送信し、旅客案内表示装置4が、各発車時刻表示領域40−1〜40−4に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に、第1の混雑率に代えて推定値を表示するようにしたので、実施の形態1、2の効果に加えて、当駅に到着する車両内の混雑率推定値を利用者に通知することが可能である。
【0086】
また、実施の形態3にかかる旅客案内表示システム200は、運転整理がされた場合、図3に示される表示内容と同様に、各列車の発車時刻の表示が変更されるため、実施の形態3にかかる効果に加えて、実施の形態1、2にかかる旅客案内表示システム100と同様の効果を得ることが可能である。
【0087】
なお、実施の形態1〜3に示した旅客案内表示システム100、200は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは無論である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明は、旅客案内表示システムに適用可能であり、特に、列車の乗り換えを容易化することができる発明として有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 伝送路
2 連動装置
3 運行管理装置
4 旅客案内表示装置
5 車上装置
10 列車
12 プラットホーム
13 軌道回路
20 軌道回路情報
21 在線情報
22 運行情報
23 時刻表情報
24 画像データ
30 表示器
31 時刻表表示領域
32 運行情報表示領域
32−1 第1の運行情報表示領域
32−2 第2の運行情報表示領域
33−1、33−2、33−3、33−4、33−5 駅
40−1、40−2、40−3、40−4 発車時刻表示領域
50−1、50−2、50−3、50−4 矢印線
60−1、60−2 線
100、200 旅客案内表示システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の列車の在線情報および運行ダイヤを管理し、前記各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報を出力する運行管理装置と、
駅の構内に設けられ、前記運行管理装置から送信された前記運行情報を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置と、
を備え、
前記旅客案内表示装置は、
前記表示器の表示画面を時刻表表示領域と運行情報表示領域とに区分し、
前記運行情報表示領域における前記運行情報の表示には、路線上の任意の駅である第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域と、前記第1の駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の第2の駅の駅名を前記各発車時刻表示領域が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域と、に区分し、
前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻を、前記各第2の駅の駅名に対応付けて前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記第2の駅の発車時刻と当該列車の前記各発車時刻表示領域とを、前記第1の駅から発車する前記各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線で結び、
前記第2の駅の中に乗換駅が存在する場合、前記第1の駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と前記第1の駅から進行してきた列車の前記乗換駅の発車時刻とを、前記乗換駅の駅名に対応付けて、前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記直線または矢印線で結ぶことを特徴とする旅客案内表示システム。
【請求項2】
前記旅客案内表示装置は、前記乗換駅に到着する時刻と前記乗換駅の発車時刻との双方を取り囲む線を、前記乗換駅の駅名に対応付けて表示することを特徴とする請求項1に記載の旅客案内表示システム。
【請求項3】
前記旅客案内表示装置は、前記第2の運行情報表示領域を前記第1の運行情報表示領域の右側に表示し、前記各発車時刻表示領域を前記第1の運行情報表示領域の上側から順に表示し、前記各第2の駅の駅名を前記第2の運行情報表示領域の左側から順に表示し、前記角度の絶対値を水平方向に対して所定の値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の旅客案内表示システム。
【請求項4】
前記旅客案内表示装置は、前記第2の運行情報表示領域を前記第1の運行情報表示領域の下側に表示し、前記各発車時刻表示領域を前記第1の運行情報表示領域の左側から順に表示し、前記各第2の駅の駅名を前記第2の運行情報表示領域の上側から順に表示し、前記角度の絶対値を垂直方向に対して所定の値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の旅客案内表示システム。
【請求項5】
前記旅客案内表示装置は、前記所定の値を、最も遅い列車である第1の列車の種別に対応した第1の値に設定し、前記第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車よりも遅い列車である第2の列車の種別に対応すると共に前記第1の値より大きい第2の値に設定し、前記最も早い列車である第3の列車の種別に対応すると共に前記第2の値より大きい第3の値に設定することを特徴とする請求項3または4に記載の旅客案内表示システム。
【請求項6】
前記旅客案内表示装置は、前記所定の値を、最も遅い列車である第1の列車の種別に対応した第1の値に設定し、前記第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車よりも遅い列車である第2の列車の種別に対応すると共に前記第1の値より小さい第2の値に設定し、前記最も早い列車である第3の列車の種別に対応すると共に前記第2の値より小さい第3の値に設定することを特徴とする請求項3または4に記載の旅客案内表示システム。
【請求項7】
前記旅客案内表示装置は、前記直線または矢印線を、前記各列車の種別に対応した線種で表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項8】
前記旅客案内表示装置は、前記直線または矢印線を、前記各列車の種別に対応した色で表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項9】
前記表示器には、前記運行情報表示領域の一部または全てを覆い、タッチ操作を検知して操作情報として出力する入力部が設けられ、
前記旅客案内表示装置は、前記各第2の駅の駅名がタッチ操作された場合、前記入力部からの操作情報に基づいて、タッチ操作された駅に最短時刻で到着する列車に対応した前記直線または矢印線を強調して表示することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項10】
前記各列車には、車上装置が搭載され、
前記運行管理装置は、前記車上装置から送信された混雑率であって前記第1の駅に到着する直前の第1の混雑率を受信して、この第1の混雑率を前記運行情報に含めて前記旅客案内表示装置に送信し、
前記旅客案内表示装置は、前記各発車時刻表示領域に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に前記第1の混雑率を表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項11】
前記運行管理装置は、前記第1の駅に到着後の利用者の降車終了時点における混雑率である第2の混雑率と前記第1の混雑率との違いを示す情報として過去に取得して保持しておいた降車率と、前記第1の混雑率と、に基づいて、前記第1の駅における利用者の降車終了時点の混雑率の推定値を算出し、かつ、この推定値を前記運行情報に含めて前記旅客案内表示装置に送信し、
前記旅客案内表示装置は、前記各発車時刻表示領域に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に、前記第1の混雑率に代えて前記推定値を表示することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項12】
運転整理が行われた場合、
運行管理装置は、運転整理後の運行情報を旅客案内表示装置へ送信し、
旅客案内表示装置は、前記運行管理装置から送信された運転整理後の運行情報を案内映像として前記表示器に表示することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項13】
複数の列車の在線情報および運行ダイヤを管理し、前記各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報を出力する運行管理装置と、駅の構内に設けられ、前記運行管理装置から送信された前記運行情報を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置と、を備えた旅客案内表示システムの表示方法であって、
前記表示器の表示画面を時刻表表示領域と運行情報表示領域とに区分する表示画面区分ステップと、
前記運行情報表示領域における前記運行情報の表示には、路線上の任意の駅である第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域を発車時刻順に並べて表示する第1の運行情報表示ステップと、
前記第1の駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の第2の駅の駅名を前記各発車時刻表示領域が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示ステップと、
前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻を、前記各第2の駅の駅名に対応付けて前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示する第1の時刻表示ステップと、
前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻と当該列車の前記各発車時刻表示領域とを、前記第1の駅から発車する前記各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線で結ぶ第1の結合ステップと、
前記第2の駅の中に乗換駅が存在する場合、前記第1の駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と前記第1の駅から進行してきた列車の前記乗換駅の発車時刻とを、前記乗換駅の駅名に対応付けて、前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示する第2の時刻表示ステップと、
前記乗換駅に到着する時刻と前記乗換駅の発車時刻とを列車単位で前記直線または矢印線で結ぶ第2の結合ステップと、を含むことを特徴とする旅客案内表示方法。
【請求項1】
複数の列車の在線情報および運行ダイヤを管理し、前記各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報を出力する運行管理装置と、
駅の構内に設けられ、前記運行管理装置から送信された前記運行情報を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置と、
を備え、
前記旅客案内表示装置は、
前記表示器の表示画面を時刻表表示領域と運行情報表示領域とに区分し、
前記運行情報表示領域における前記運行情報の表示には、路線上の任意の駅である第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域を発車時刻順に並べて表示される第1の運行情報表示領域と、前記第1の駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の第2の駅の駅名を前記各発車時刻表示領域が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示領域と、に区分し、
前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻を、前記各第2の駅の駅名に対応付けて前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記第2の駅の発車時刻と当該列車の前記各発車時刻表示領域とを、前記第1の駅から発車する前記各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線で結び、
前記第2の駅の中に乗換駅が存在する場合、前記第1の駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と前記第1の駅から進行してきた列車の前記乗換駅の発車時刻とを、前記乗換駅の駅名に対応付けて、前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示し、かつ、前記直線または矢印線で結ぶことを特徴とする旅客案内表示システム。
【請求項2】
前記旅客案内表示装置は、前記乗換駅に到着する時刻と前記乗換駅の発車時刻との双方を取り囲む線を、前記乗換駅の駅名に対応付けて表示することを特徴とする請求項1に記載の旅客案内表示システム。
【請求項3】
前記旅客案内表示装置は、前記第2の運行情報表示領域を前記第1の運行情報表示領域の右側に表示し、前記各発車時刻表示領域を前記第1の運行情報表示領域の上側から順に表示し、前記各第2の駅の駅名を前記第2の運行情報表示領域の左側から順に表示し、前記角度の絶対値を水平方向に対して所定の値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の旅客案内表示システム。
【請求項4】
前記旅客案内表示装置は、前記第2の運行情報表示領域を前記第1の運行情報表示領域の下側に表示し、前記各発車時刻表示領域を前記第1の運行情報表示領域の左側から順に表示し、前記各第2の駅の駅名を前記第2の運行情報表示領域の上側から順に表示し、前記角度の絶対値を垂直方向に対して所定の値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の旅客案内表示システム。
【請求項5】
前記旅客案内表示装置は、前記所定の値を、最も遅い列車である第1の列車の種別に対応した第1の値に設定し、前記第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車よりも遅い列車である第2の列車の種別に対応すると共に前記第1の値より大きい第2の値に設定し、前記最も早い列車である第3の列車の種別に対応すると共に前記第2の値より大きい第3の値に設定することを特徴とする請求項3または4に記載の旅客案内表示システム。
【請求項6】
前記旅客案内表示装置は、前記所定の値を、最も遅い列車である第1の列車の種別に対応した第1の値に設定し、前記第1の列車よりも速く、かつ、最も早い列車よりも遅い列車である第2の列車の種別に対応すると共に前記第1の値より小さい第2の値に設定し、前記最も早い列車である第3の列車の種別に対応すると共に前記第2の値より小さい第3の値に設定することを特徴とする請求項3または4に記載の旅客案内表示システム。
【請求項7】
前記旅客案内表示装置は、前記直線または矢印線を、前記各列車の種別に対応した線種で表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項8】
前記旅客案内表示装置は、前記直線または矢印線を、前記各列車の種別に対応した色で表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項9】
前記表示器には、前記運行情報表示領域の一部または全てを覆い、タッチ操作を検知して操作情報として出力する入力部が設けられ、
前記旅客案内表示装置は、前記各第2の駅の駅名がタッチ操作された場合、前記入力部からの操作情報に基づいて、タッチ操作された駅に最短時刻で到着する列車に対応した前記直線または矢印線を強調して表示することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項10】
前記各列車には、車上装置が搭載され、
前記運行管理装置は、前記車上装置から送信された混雑率であって前記第1の駅に到着する直前の第1の混雑率を受信して、この第1の混雑率を前記運行情報に含めて前記旅客案内表示装置に送信し、
前記旅客案内表示装置は、前記各発車時刻表示領域に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に前記第1の混雑率を表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項11】
前記運行管理装置は、前記第1の駅に到着後の利用者の降車終了時点における混雑率である第2の混雑率と前記第1の混雑率との違いを示す情報として過去に取得して保持しておいた降車率と、前記第1の混雑率と、に基づいて、前記第1の駅における利用者の降車終了時点の混雑率の推定値を算出し、かつ、この推定値を前記運行情報に含めて前記旅客案内表示装置に送信し、
前記旅客案内表示装置は、前記各発車時刻表示領域に、列車の種別、発車時刻、および行き先を表示すると共に、前記第1の混雑率に代えて前記推定値を表示することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項12】
運転整理が行われた場合、
運行管理装置は、運転整理後の運行情報を旅客案内表示装置へ送信し、
旅客案内表示装置は、前記運行管理装置から送信された運転整理後の運行情報を案内映像として前記表示器に表示することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の旅客案内表示システム。
【請求項13】
複数の列車の在線情報および運行ダイヤを管理し、前記各列車の種別、発車時刻、および行き先を含む運行情報を出力する運行管理装置と、駅の構内に設けられ、前記運行管理装置から送信された前記運行情報を案内映像として所定の表示器に表示する旅客案内表示装置と、を備えた旅客案内表示システムの表示方法であって、
前記表示器の表示画面を時刻表表示領域と運行情報表示領域とに区分する表示画面区分ステップと、
前記運行情報表示領域における前記運行情報の表示には、路線上の任意の駅である第1の駅から発車する列車の種別、発車時刻、および行き先を列車単位で表示する複数の発車時刻表示領域を発車時刻順に並べて表示する第1の運行情報表示ステップと、
前記第1の駅から進行してきた列車が順次到着する駅である複数の第2の駅の駅名を前記各発車時刻表示領域が並ぶ方向と鉛直の方向に並べて表示する第2の運行情報表示ステップと、
前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻を、前記各第2の駅の駅名に対応付けて前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示する第1の時刻表示ステップと、
前記第1の駅から進行してきた前記各列車の前記各第2の駅の発車時刻と当該列車の前記各発車時刻表示領域とを、前記第1の駅から発車する前記各列車の種別に対応する傾斜角度を有する直線または矢印線で結ぶ第1の結合ステップと、
前記第2の駅の中に乗換駅が存在する場合、前記第1の駅から進行してきた列車がこの乗換駅に到着する時刻と前記第1の駅から進行してきた列車の前記乗換駅の発車時刻とを、前記乗換駅の駅名に対応付けて、前記各発車時刻表示領域の並ぶ方向と同じ方向に時系列的に表示する第2の時刻表示ステップと、
前記乗換駅に到着する時刻と前記乗換駅の発車時刻とを列車単位で前記直線または矢印線で結ぶ第2の結合ステップと、を含むことを特徴とする旅客案内表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−188098(P2012−188098A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55808(P2011−55808)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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