説明

旋回方式散水銃装置

【課題】この発明は、消火水を駆動源として旋回用モータを省略し、コストの低減を図る小型の旋回方式散水銃装置を得る。
【解決手段】旋回方式散水銃装置は、管路方向を鉛直にして配設されて消火水が供給される鉛直配管3と、鉛直配管3に管路方向周りに回動可能に連結された縦配管6および縦配管の上部に連結された散水ノズルを有する散水銃5と、消火水の導入方向に応じて正/逆回転トルクを発生する旋回制御ユニット11と、消火水の旋回制御ユニット11への導入方向を切り換える流路切換バルブ32と、散水銃5の旋回力を流路切換バルブ32に伝達して、消火水の旋回制御ユニット11への導入方向を切り換えさせる切り換えレバー45と、旋回制御ユニット11により発生された正/逆回転トルクを縦配管6の管路方向周りの回動トルクに変換して縦配管6に伝達し、散水銃5を旋回させる動力変換・伝達機構部42と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、散水ノズルを旋回させつつ消火水を散水する旋回方式散水銃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放水ユニットは、垂直配管と、垂直配管の開口先端に回動可能に接続されたL形配管と、L形配管の先端に接続された放水ノズルとを備えている。垂直配管は電動弁を介してスプリンクラー配管に連結されている。そして、ウォームがL形配管の垂直部の周りに同軸に固定され、ノズル旋回モータの軸に取り付けられたウォームホイールがウォームに歯合している。これにより、ノズル旋回モータが回転すると、L形配管およびその先端に接続された放水ノズルが水平回り(鉛直軸周り)に回動する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−38645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の散水ユニットでは、旋回装置が大きくなり、幅員の狭い場所では使用できないという課題があった。さらに、放水ノズルの旋回駆動用としてノズル旋回モータを用いているので、ノズル旋回モータに加え、その電気配線が必要となると共に、その駆動制御手段が必要となり、コスト増をもたらしてしまうという課題もあった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、消火水を駆動源として旋回用モータを省略し、コストの低減を図る小型の旋回方式散水銃装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による旋回方式散水銃装置は、管路方向を鉛直にして配設されて消火水が供給される鉛直配管と、上記鉛直配管の上部開口部に管路方向周りに回動可能に連結された縦配管および該縦配管の上部に連結された散水ノズルを有する散水銃と、上記消火水の一部を駆動源とし、正/逆回転トルクを発生する動力発生機構部と、上記動力発生機構部により発生された上記正/逆回転トルクを上記縦配管の管路方向周りの回動トルクに変換して該縦配管に伝達し、上記散水銃を旋回させる動力変換・伝達機構部と、を備えている。上記動力発生機構部は、回転軸、軸心を上記回転軸の軸心からずらして該回転軸の端部に固着された偏心リング、上記消火水の一部が導入される第1および第2作動室、および、それぞれピストンが伸縮自在に配設され、該ピストンの伸長方向を上記回転軸の軸心に向けて上記偏心リングを囲繞するように該回転軸の軸心周りに120°ピッチで配列され、上記第1作動室に導入された上記消火水が導入されたときに、各ピストンを伸長させて上記偏心リングを押圧し、上記回転軸に正回転トルクを付与し、上記第2作動室に導入された上記消火水が導入されたときに、各ピストンを伸長させて上記偏心リングを押圧し、上記回転軸に逆回転トルクを付与する3つのシリンダを有する旋回制御ユニットと、上記消火水を上記第1作動室に導入する流路と該消火水を上記第2作動室に導入する流路とを切り換える流路切換バルブと、上記散水銃が鉛直配管の管路方向周りの一方向に所定角度旋回したときに、上記散水銃の旋回力を上記流路切換バルブに伝達して、上記消火水を上記第1作動室に導入する流路から該消火水を上記第2作動室に導入する流路に切り換えさせ、上記散水銃が鉛直配管の管路方向周りの他方向に所定角度旋回したときに、上記散水銃の旋回力を上記流路切換バルブに伝達して、上記消火水を上記第2作動室に導入する流路から該消火水を上記第1作動室に導入する流路に切り換えさせる流路切換バルブ駆動機構部と、を有している。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、動力発生機構部が、消火水の一部を駆動源として散水銃を旋回させるための動力を発生しているので、駆動モータなどの部品、その電気配線、さらにはその駆動制御手段が不要となり、コストの低減および装置のコンパクト化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の全体構成を模式的に示す側断面図、図2はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動作状態を示す側断面図、図3はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における駆動用シリンダの動作を説明する図、図4はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における散水銃の連結構造を説明する要部断面図である。図5はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における旋回制御ユニットを示す図であり、図5の(a)はその正面図、図5の(b)はその側面図である。図6はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における旋回制御ユニットの構造を説明する断面図、図7は図6のVII−VII矢視断面図、図8は図6のVIII−VIII矢視断面図、図9は図6のIX−IX矢視断面図である。図10はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の旋回制御ユニットにおける回転軸ブロックの作動室の構成を説明する断面図、図11はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の旋回制御ユニットにおける偏心リングとピストンとの位置関係を説明する断面図である。
【0009】
図1において、旋回方式散水銃装置は、制御弁2を介して給水本管1に接続され、管路方向を鉛直とする鉛直配管3と、鉛直配管3に軸受部4を介して鉛直軸周りに回動可能に接続された散水銃5と、散水銃5を鉛直軸周りに回動させる旋回機構部10と、これらを収納する隠蔽箱50を備えている。
【0010】
散水銃5は、縦配管6と、縦配管6の上部開口部に所定の方向に曲げられて取り付けられた散水ノズル7と、を備えている。この散水銃5は、図4に示されるように、縦配管6の管路方向を鉛直配管3の管路方向に一致させて、縦配管6を鉛直配管3の上部開口部に管路方向周りに回動可能に接続されている。そして、縦配管6と鉛直配管3との間にはOリング8a、8bが介装され、消火水55が漏れ出ないようになっている。また、手動操作ハンドル9が散水銃5に取り付けられている。
【0011】
旋回機構部10は、消火水55の一部を駆動源とし、消火水55の導入方向を変えることで正/逆回転トルクを発生する旋回制御ユニット11と、旋回制御ユニット11への消火水55の導入方向を切り換える流路切換バルブ32と、旋回制御ユニット11により発生された正/逆回転トルクを縦配管6の管路方向と平行な軸周りの回動力に変換して縦配管6に伝達し、散水銃5を旋回させる動力変換・伝達機構部42と、散水銃5の旋回力を流路切換バルブ32に伝達して流路切換バルブ32を流路切り換え動作させる流路切換バルブ駆動機構部と、を備えている。ここで、旋回制御ユニット11、流路切換バルブ32および流路切換バルブ駆動機構部により動力発生機構部を構成する。
【0012】
つぎに、旋回機構部10の各構成について図5乃至図11を参照しつつ説明する。
旋回制御ユニット11は、シリンダブロック12と、シリンダブロック12に同軸に連結された回転軸ブロック17と、を備えている。
【0013】
シリンダブロック12は、両端開口を端板で塞口された円筒体に作製された第1筐体13と、それぞれ第1乃至第3ピストン16a〜16cを伸縮自在に収納し、第1筐体13内に軸方向を径方向に向けて、かつ第1乃至第3ピストン16a〜16cの伸長方向を径方向内方として、120°ピッチで同一円周上に配設された第1乃至第3シリンダ15a〜15cと、を有する。
【0014】
回転軸ブロック17は、有底円筒状をなし、開口を介して連通するように第1筐体13の一端面に同軸に連結された第2筐体18と、一端を外部に延出させて、かつ他端を第1筐体13内に延出させ、第2筐体18内に同軸に配設された回転軸19と、軸心Gを回転軸19の軸心Oからずらして回転軸19の他端に固着されて第1筐体13内に配設された偏心リング20と、第2筐体18から延出する回転軸19の一端に取り付けられ、回転軸19の回転トルクを所定の比率で出力軸22に出力するギア室21と、を有する。
【0015】
第1および第2切り欠き23,24が、円柱体をなす回転軸19の軸心を挟んだ両側に、回転軸19の一部を除去して作製されている。第1切り欠き23は、軸方向中央部から一端側に延設され、第2切り欠き24は、回転軸19の軸方向中央部から他端側に延設されている。第1および第2切り欠き23,24の形成領域は、軸方向に関して、中央部で重なっている。第1および第2切り欠き23,24の底面23a,24aは、回転軸19の軸心を挟んで平行に、かつ軸心から等距離に形成されている。
【0016】
第1乃至第3ワッシャ25a〜25cは、それぞれ断面矩形でリング状に作製され、第2筐体18の軸方向の一端側、中央部および他端側に、互いに離間して、第2筐体18に内嵌状態に配設されている。回転軸19が、第1乃至第3ワッシャ25a〜25cに支持されて回転自在に第2筐体18に取り付けられている。第1ワッシャ25aは、第1切り欠き23と第1ワッシャ25aの軸方向一端側とを分離し、第3ワッシャ25cは、第2切り欠き24と第3ワッシャ25cの軸方向他端側とを分離している。第2ワッシャ25bは、第1および第2切り欠き23,24の軸方向における重なり領域を囲繞し、第1切り欠き23と第2切り欠き24とを分離している。
【0017】
回転軸19の軸方向中央部では、図8に示されるように、第2ワッシャ25bと回転軸19とにより、第1切り欠き23の軸方向中央側の部分で構成される第1作動室26と、第2切り欠き24の軸方向中央側の部分で構成される第2作動室27とが形成される。第2筐体18と第2ワッシャ25bとを貫通する第1乃至第3貫通穴28a〜28cが同一円周上に120°ピッチで形成されている。そして、第1貫通穴28aと第1シリンダ15aとが第1送水管14aで連結され、第2貫通穴28bと第2シリンダ15bとが第2送水管14bで連結され、第3貫通穴28cと第3シリンダ15cとが第3送水管14cで連結されている。
【0018】
回転軸19の軸方向一端側には、図9に示されるように、第1および第2ワッシャ25a,25b、第2筐体18および回転軸19で囲まれ、第1作動室26に連通する第1流通路30aが形成されている。この第1流通路30aは、第1切り欠き23の軸方向一端側の部分と、回転軸19の外周面と第2筐体18の内周面との隙間とから構成される。そして、第1給排口31aが第1流通路30aに臨むように第2筐体18に穿設されている。
【0019】
回転軸19の軸方向他端側には、図7に示されるように、第2および第3ワッシャ25b,25c、第2筐体18および回転軸19で囲まれ、第2作動室27に連通する第2流通路30bが形成されている。この第2流通路30bは、第2切り欠き24の軸方向他端側の部分と、回転軸19の外周面と第2筐体18の内周面との隙間とから構成される。そして、第2給排口31bが第2流通路30bに臨むように第2筐体18に穿設されている。
【0020】
ここで、第1および第2切り欠き23,24と第1乃至第3貫通穴28a〜28cとの関係について図10を参照しつつ説明する。
第1および第2切り欠き23,24の底面23a,24aは、偏心リング20の軸心Gと回転軸19の軸心Oとを含む平面に平行に、かつ該平面を挟んで等距離に形成されている。第1乃至第3貫通穴28a〜28cは、120°ピッチで同一円周上に配列されている。そして、第1および第2切り欠き23,24は、第1および第2切り欠き23,24の一方の底面23a(24a)が第1乃至第3貫通孔28a〜28cのなかの2つの貫通孔の孔中心を結ぶ位置に位置しているときに、他方の底面24a(23a)が回転軸19の軸心Oと残る1つの貫通孔の孔中心を結ぶ線分と直交するように、構成されている。
【0021】
ついで、第1乃至第3ピストン16a〜16c、第1および第2切り欠き23,24、第1乃至第3貫通穴28a〜28c、および偏心リング20の関係について図11を参照しつつ説明する。図11では、消火水55が第1作動室26に給水され、第3貫通孔28cから第3送水管14cを介して第3シリンダ15cに導入され、第3ピストン16cが伸長して偏心リング20を押圧する場合を示している。
消火水55が第3貫通穴28cから第3送水管14cを通って第3シリンダ15cに導入され、第3ピストン16cが伸長する。偏心リング20が伸長する第3ピストン16cに押圧されて、回転軸19が図11中時計回りに回転する。そして、第3ピストン16cが最大伸長位置まで伸長した時点で、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aが、第3貫通孔28cの孔中心と、第3貫通孔28cの回転方向前方に位置する第1貫通孔28aの孔中心とを結ぶ位置に位置している。
【0022】
ここでは、第1作動室26に消火水55を給水し、第3ピストン16cにより偏心リング20を押圧する場合を例にとって説明しているが、第1および第2ピストン16a,16bにより偏心リング20を押圧する場合も同様である。また、第2作動室27に消火水55を給水し、第1乃至第3ピストンにより偏心リング20を押圧する場合も同様である。
つまり、第1乃至第3ピストン16a〜16c、第1および第2切り欠き23,24、および偏心リング20は、貫通孔を介してシリンダに消火水を導入して伸長されるピストンが偏心リング20を押圧しつつ最大伸長位置まで伸長したときに、消火水が給水されている作動室を構成する切り欠きの底面が、ピストンを最大伸長位置まで伸長させているシリンダに消火水を導入している貫通孔の孔中心と、回転軸19の回転方向前方の貫通孔の孔中心とを結ぶ位置に位置するように、構成されている。
【0023】
流路切換バルブ32は、図3に示されるように、円筒状の弁本体33と、弁本体33の両端開口を塞口する端板34a,34bと、両端に駆動軸36a,36bを有し、駆動軸36a,36bを端板34a,34bに挿通させ、弁本体33内に第1室37a、第2室37bおよび第3室37cを画成するように配設された弁体35と、を備えている。そして、両駆動軸36a,36bが端板34a,34bの挿通孔内壁面を摺動し、同時に弁体35が弁本体33の内壁面を摺動して、弁体35が弁本体33の軸方向に往復移動する。なお、各摺動部には、Oリングが介装され、消火水55が漏れ出ないようになっている。
【0024】
また、弁本体33には、第1給水孔38が弁体35の移動に拘わらず第2室37bに臨むように穿設されている。また、第2給水孔39が弁体35の移動により第1室37aおよび第2室37bの一方に臨むように弁本体33に穿設されている。さらに、第3給水孔40が弁体35の移動により第2室37bおよび第3室37cの一方に臨むように弁本体33に穿設されている。さらにまた、弁本体33には、第1排水孔41aが弁体35の移動に拘わらず第1室37aに臨むように穿設され、第2排水孔41bが弁体35の移動に拘わらず第3室37cに臨むように穿設されている。
【0025】
動力変換・伝達機構部42は、散水銃5の縦配管6に外嵌状態に固着された第1かさ歯車43と、出力軸22に同軸に固着され、第1かさ歯車43に歯合する第2かさ歯車44と、を備えている。一対の切り換えレバー45(45a,45b)が、周方向に所定の角度だけ離間して縦配管6の外周壁から延設され、流路切換バルブ駆動機構部を構成している。
そして、分岐配管46が制御弁2から分岐し、流路切換バルブ32の第1給水孔38に接続され、開閉バルブ47が分岐配管46の経路途中に配設されている。第1管路48が流路切換バルブ32の第2給水孔39と旋回制御ユニット11の第1給排口31aとを連通するように配管されている。また、第2管路49が流路切換バルブ32の第3給水孔40と旋回制御ユニット11の第2給排口31bとを連通するように配管されている。
【0026】
隠蔽箱50は、散水銃5の散水ノズル7を露出させる開口部を有し、散水銃5および旋回機構部10を覆うように配設された本体部51と、本体部51に軸52周りに回動自在に取り付けられて本体部51の開口部を開閉するカバー53と、を備えている。このカバー53は、消火水55の非散水時には本体部51の開口部を塞口しており、消火水55の散水時には、散水ノズル7から散水される消火水55の圧力を受けて軸52周りに回動し、本体部51の開口部を開放する。また、消火栓54が制御弁2から隠蔽箱50の外部に至るように延設されている。
【0027】
つぎに、消火水55が第1作動室26に導入される場合の旋回制御ユニット11の動作について図12を参照しつつ説明する。なお、図12中、実線の矢印は消火水55の移動方向を示し、一点鎖線の矢印はピストンの移動方向を示している。
図12の(a)において、第1管路48から第1給排口31aおよび第1流通路30aを経て第1作動室26内に給水された消火水55は、第3貫通孔28cから第3送水管14cを通って第3シリンダ15c内に導入され、第3ピストン16cが第3シリンダ15cから伸長される。そして、偏心リング20が伸長する第3ピストン16cに押圧され、回転軸19が時計回りに回転する。この時、偏心リング20が回転方向の前方に位置する第1ピストン16aを押圧し、第1ピストン16aが第1シリンダ15a内に押し込まれる。そして、第1シリンダ15a内の消火水55が第1送水管14aを通って第1貫通孔28aから第2作動室27内に戻され、第2流通路30b、第2給排口31bおよび第2管路49を通って、流路切換バルブ32に戻される。
【0028】
第3ピストン16cが更に伸長し、回転軸19が時計回りに回転を続ける。そして、第3ピストン16cが最大伸長位置まで伸長すると、回転軸19は、図12の(b)に示される第1貫通孔28aを完全に塞いだ状態を経て、図12の(c)に示される状態まで回転する。この時、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aは、第3貫通孔28cの孔中心と、第3貫通孔28cの回転方向前方に位置する第1貫通孔28aの孔中心とを結ぶ位置に位置している。また、第2作動室27を構成する第2切り欠き24の底面24aが、回転軸19の軸心Oと第2貫通孔28bの孔中心とを結ぶ線分と直交している。ここで、第1作動室26内の消火水55が、第1貫通孔28aから第1送水管14aを通って第1シリンダ15a内に導入され始め、第1ピストン16aの伸長動作が開始される。
【0029】
そして、図12の(d)に示されるように、伸長する第1ピストン16aが偏心リング20を押圧し、回転軸19の時計回りの回転を継続する。この時、偏心リング20が回転方向の前方に位置する第2ピストン16bを押圧し、第2ピストン16bが第2シリンダ15b内に押し込まれる。そして、第2シリンダ15b内の消火水55が第2送水管14bを通って第2貫通孔28bから第2作動室27内に戻され、第2管路49を通って、流路切換バルブ32に戻される。
【0030】
そして、図12の(e)に示されるように、第2作動室27を構成する第2切り欠き24の底面24aが、第2貫通孔28bの孔中心と、第2貫通孔28bの回転方向前方に位置する第3貫通孔28cの孔中心とを結ぶ位置に位置するまで、回転軸19が回転すると、偏心リング20が回転方向の前方に位置する第3ピストン16cを押圧し始め、第3ピストン16cを第3シリンダ15c内に押し込む。このとき、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aが、回転軸19の軸心Oと第1貫通孔28aの孔中心とを結ぶ線分と直交している。そして、第3シリンダ15c内の消火水55が第3送水管14cを通って第3貫通孔28cから第2作動室27内に戻され、第2管路49を通って、流路切換バルブ32に戻される。
【0031】
そして、第1ピストン16aが最大伸長位置まで伸長すると、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aが、図12の(f)に示されるように、第1貫通孔28aの孔中心と、第1貫通孔28aの回転方向の前方に位置する第2貫通孔28bの孔中心とを結ぶ位置に位置するまで、回転軸19が回転する。ここで、第1作動室26内の消火水55が、第2貫通孔28bから第2送水管14bを通って第2シリンダ15b内に導入され始め、第2ピストン16bの伸長動作が開始される。このとき、第2作動室27を構成する第2切り欠き24の底面24aが、回転軸19の軸心Oと第3貫通孔28cの孔中心とを結ぶ線分と直交している。
【0032】
このように、第1管路48を介して第1作動室26に給水された消火水55が、第1乃至第3貫通穴28a〜28cを介して第1乃至第3シリンダ15a〜15cに順次導入され、第1乃至第3ピストン16a〜16cが順次伸長し、偏心リング20を押圧する。これにより、回転軸19が時計回りに回転する。同時に、偏心リング20は、回転方向前方の第1乃至第3ピストン16a〜16cを押圧して第1乃至第3シリンダ15a〜15c内に押し込んでいる。これにより、第1乃至第3シリンダ15a〜15c内の消火水55は、第1乃至第3送水管14a〜14cを介して第2作動室27に戻され、第2管路49を介して流路切換バルブ32に戻される。そこで、回転軸19の時計回りの回転が継続される。
【0033】
つぎに、消火水55が第2作動室27に導入される場合の旋回制御ユニット11の動作について図13を参照しつつ説明する。なお、図13中、実線の矢印は消火水55の移動方向を示し、一点鎖線の矢印はピストンの移動方向を示している。
図13の(a)において、第2管路49から第2給排口31bおよび第2流通路30bを経て第2作動室27内に給水された消火水55は、第2貫通孔28bから第2送水管14bを通って第2シリンダ15b内に導入され、第2ピストン16bが第2シリンダ15bから伸長される。そして、偏心リング20が伸長する第2ピストン16bに押圧され、回転軸19が反時計回りに回転する。この時、偏心リング20が回転方向の前方に位置する第1ピストン16aを押圧し、第1ピストン16aが第1シリンダ15a内に押し込まれる。そして、第1シリンダ15a内の消火水55が第1送水管14aを通って第1貫通孔28aから第1作動室26内に戻され、第1流通路30a、第1給排口31aおよび第1管路48を通って、流路切換バルブ32に戻される。
【0034】
第2ピストン16bが更に伸長し、回転軸19が反時計回りに回転を続ける。そして、第2ピストン16bが最大伸長位置まで伸長すると、回転軸19は、図13の(b)に示される第1貫通孔28aを完全に塞いだ状態を経て、図13の(c)に示される状態まで回転する。この時、第2作動室27を構成する第2切り欠き24の底面24aが、第2貫通孔28bの孔中心と、第2貫通孔28cの回転方向の前方に位置する第1貫通孔28aの孔中心とを結ぶ位置に位置している。また、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aが、回転軸19の軸心Oと第3貫通孔28cの孔中心とを結ぶ線分と直交している。ここで、第2作動室27内の消火水55が、第1貫通孔28aから第1送水管14aを通って第1シリンダ15a内に導入され始め、第1ピストン16aの伸長動作が開始される。
【0035】
そして、図13の(d)に示されるように、伸長する第1ピストン16aが偏心リング20を押圧し、回転軸19の反時計回りの回転を継続する。この時、偏心リング20が回転方向の前方に位置する第3ピストン16cを押圧し、第3ピストン16cが第3シリンダ15c内に押し込まれる。そして、第3シリンダ15c内の消火水55が第3送水管14cを通って第3貫通孔28cから第1作動室26内に戻され、第1管路48を通って、流路切換バルブ32に戻される。
【0036】
そして、図13の(e)に示されるように、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aが、第3貫通孔28cの孔中心と、第3貫通孔28cの回転方向の前方に位置する第2貫通孔28bの孔中心とを結ぶ位置に位置するまで、回転軸19が回転すると、偏心リング20が回転方向の前方に位置する第2ピストン16bを押圧し始め、第2ピストン16bを第2シリンダ15b内に押し込む。このとき、第2作動室27を構成する第2切り欠き24の底面24aが、回転軸19の軸心Oと第1貫通孔28aの孔中心とを結ぶ線分と直交している。そして、第2シリンダ15b内の消火水55が第2送水管14bを通って第2貫通孔28bから第1作動室26内に戻され、第1管路48を通って、流路切換バルブ32に戻される。
【0037】
そして、第1ピストン16aが最大伸長位置まで伸長すると、第2作動室27を構成する第2切り欠き24の底面24aが、図13の(f)に示されるように、第1貫通孔28aの孔中心と、第1貫通孔28aの回転方向の前方に位置する第3貫通孔28cの孔中心とを結ぶ位置に位置するまで、回転軸19が回転する。ここで、第2作動室27内の消火水55が、第3貫通孔28cから第3送水管14cを通って第3シリンダ15c内に導入され始め、第3ピストン16cの伸長動作が開始される。このとき、第1作動室26を構成する第1切り欠き23の底面23aが、回転軸19の軸心Oと第2貫通孔28bの孔中心とを結ぶ線分と直交している。
【0038】
このように、第2管路49を介して第2作動室27に給水された消火水55が、第1乃至第3貫通穴28a〜28cを介して第1乃至第3シリンダ15a〜15cに順次導入され、第1乃至第3ピストン16a〜16cが順次伸長し、偏心リング20を押圧する。これにより、回転軸19が反時計回りに回転する。同時に、偏心リング20は、回転方向前方の第1乃至第3ピストン16a〜16cを押圧して第1乃至第3シリンダ15a〜15c内に押し込んでいる。これにより、第1乃至第3シリンダ15a〜15c内の消火水55は、第1乃至第3送水管14a〜14cを介して第1作動室26に戻され、第1管路48を介して流路切換バルブ32に戻される。そこで、回転軸19の反時計回りの回転が継続される。
【0039】
つぎに、このように構成された旋回式散水銃装置の動作について説明する。
まず、火災が発生すると、制御弁2が開放され、消火水55が給水本管1から鉛直配管3に流入し、散水ノズル7から散水される。カバー53は、この散水ノズル7から散水された消火水55の水圧を受け、軸52周りに回動し、本体部51の開口部が開けられ、図2に示されるように、消火水55が散水される。
【0040】
消火水55の一部が、給水本管1から分岐して分岐配管46に流入し、流路切換バルブ32に給水される。この時、流路切換バルブ32は、図3の(a)の状態にあるとする。そこで、消火水55は、第1給水孔38から第2室37bに給水され、第2給水孔39から排水される。第2給水孔39から排水された消火水55は、第1管路48を通り、旋回制御ユニット11に供給される。
【0041】
旋回制御ユニット11では、消火水55は、第1給排口31aから第1流通路30aに流入し、第1作動室26に給水される。そして、上述の通り、第1乃至第3ピストン16a〜16cが順次伸縮動作し、回転軸19が時計回りに回転する。そして、第1乃至第3ピストン16a〜16cの縮小動作時に、第1乃至第3シリンダ15a〜15c内の消火水55が第2作動室27に戻され、第2流通路30bを通り第2給排口31bから第2管路49を通り、流路切換バルブ32に戻される。そして、消火水55は第3給水孔40から第3室37cに導入され、第2排水孔41bから排水される。
【0042】
この回転軸19の回転トルクがギア室21内の歯車輪列により所定の比率で変換され、出力軸22に伝達される。この出力軸22の回転トルクは、第2かさ歯車44と第1かさ歯車43との歯合により、縦配管6の管路方向周りの回転トルクに変換されて縦配管6に伝達される。これにより、縦配管6はその管路方向周りに周方向の一側に回動し、散水ノズル7が一側に旋回しつつ消火水55を散水する。
【0043】
縦配管6がその管路方向周りに周方向の一側に所定角度だけ回動すると、縦配管6に突設された一方の切り換えレバー45aが駆動軸36aに当接する。縦配管6が周方向の一側にさらに回動すると、弁体35が、図3の(a)中右側に摺動移動し、図3の(b)の状態となる。この時、第1給水孔38から第2室37bに給水された消火水55は、第3給水孔40から排水される。第3給水孔40から排水された消火水55は、第2管路49を通り、旋回制御ユニット11に供給される。
【0044】
旋回制御ユニット11では、消火水55は、第2給排口31aから第2流通路30bに流入し、第2作動室27に給水される。そして、上述の通り、第1乃至第3ピストン16a〜16cが順次伸縮動作し、回転軸19が反時計回りに回転する。そして、第1乃至第3ピストン16a〜16cの縮小動作時に、第1乃至第3シリンダ15a〜15c内の消火水55が第1作動室26に戻され、第1流通路30aを通り第1給排口31aから第1管路48を通り、流路切換バルブ32に戻される。そして、消火水55は第2給水孔39から第1室37aに導入され、第1排水孔41aから排水される。
【0045】
これにより、回転軸19が逆方向に回転される。この回転軸19の回転トルクがギア室21内の歯車輪列により所定の比率で変換され、出力軸22に伝達される。この出力軸22の回転トルクは、第2かさ歯車44と第1かさ歯車43との歯合により、縦配管6の管路方向周りの回転トルクに変換されて縦配管6に伝達される。これにより、縦配管6はその管路方向周りに周方向の他側に回動し、散水ノズル7が他側に旋回しつつ消火水55を散水する。
【0046】
縦配管6がその管路方向周りに周方向の他側に所定角度だけ回動すると、縦配管6に突設された他方の切り換えレバー45bが駆動軸36bに当接する。縦配管6が周方向の他側にさらに回動すると、弁体35が、図3の(b)中左側に摺動移動し、図3の(a)の状態となる。この時、第1給水孔38から第2室37bに給水された消火水55は、第2給水孔39から排水される。第2給水孔39から排水された消火水55は、第1管路48を通り、旋回制御ユニット11に供給される。
【0047】
このようにして、この旋回方式散水銃装置は、散水銃5の旋回力を流路切換バルブ32に伝達して、消火水55の旋回制御ユニット11への導入方向を切り換えることにより、散水銃5を所定の旋回角度で、右旋回と左旋回とを交互に行い、消火水55を散水する。また、手動操作ハンドル9を操作すれば、手動にて、散水銃5から消火水55を散水できる。さらに、消火ホース56を消火栓54に接続し、消火ホース56からの消火水55の散水もできる。
【0048】
従って、この発明によれば、消火水55の一部を駆動源として散水銃5を旋回させるための動力を発生しているので、駆動モータなどの部品、その電気配線、さらにはその駆動制御手段が不要となり、コストの低減および装置のコンパクト化が図られる。さらに、電気的な制御が不要であるとともに、幅員の狭い場所にも設置できるので、地震による火災が発生した場合に地域を守る延焼防止システムなどへの適用に好適である。
ギア室21が旋回制御ユニット11に備えられているので、ギア比を変更することで簡易に散水銃5の旋回速度を調整することができる。
【0049】
旋回制御ユニット11の回転駆動機構として、回転軸19に偏心リング20を取り付け、周方向に等角ピッチで配列された第1乃至第3シリンダ15a〜15c内に消火水55を給水して第1乃至第3ピストン16a〜16cで順次偏心リング20を押圧するようにしているので、消火水55の水圧を効果的に回転力に変換でき、大きな回転トルクが得られる。
【0050】
また、消火水55を第1および第2作動室26,27から第1乃至第3送水管14a〜14cを介して第1乃至第3シリンダ15a〜15cに導入して第1乃至第3ピストン16a〜16cを伸長させている。そして、第1乃至第3ピストン16a〜16cの縮小動作時には、消火水55を第1乃至第3シリンダ15a〜15cから第1乃至第3送水管14a〜14cを介して第1および第2作動室26,27に戻している。そこで、第1乃至第3シリンダ15a〜15cに対する消火水の導入経路と排出経路とが1経路となり、構成の簡素化が図られ、低コスト化が図られる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、第1流通路30aを、第1切り欠き23の軸方向一端側と、回転軸19の外周面と第2筐体18の内周面との間の隙間と、で構成するものとしているが、第1流通路30aはこの構成に限定されるものではなく、回転軸19の回転に拘わらず第1給排口31aと第1作動室26とを連通していればよく、例えば第1切り欠きの軸方向一端側に替えて環状溝を回転軸に形成してもよい。また、第2流通路30bについても、同様である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の全体構成を模式的に示す側断面図である。
【図2】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動作状態を示す側断面図である。
【図3】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における駆動用シリンダの動作を説明する図である。
【図4】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における散水銃の連結構造を説明する要部断面図である。
【図5】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における旋回制御ユニットを示す図である。
【図6】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置における旋回制御ユニットの構造を説明する断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】図6のIX−IX矢視断面図である。
【図10】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の旋回制御ユニットにおける回転軸ブロックの作動室の構成を説明する断面図である。
【図11】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の旋回制御ユニットにおける偏心リングとピストンとの位置関係を説明する断面図である。
【図12】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の旋回制御ユニットの動作を説明する図である。
【図13】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の旋回制御ユニットの動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0053】
3 鉛直配管、5 散水銃、6 縦配管、7 散水ノズル、11 旋回制御ユニット(動力発生機構部)、12 シリンダブロック、13 第1筐体、14a 第1送水管、14b 第2送水管、14c 第3送水管、15a 第1シリンダ、15b 第2シリンダ、15c 第3シリンダ、16a 第1ピストン、16b 第2ピストン、16c 第3ピストン、17 回転軸ブロック、18 第2筐体、19 回転軸、20 偏心リング、23 第1切り欠き、23a 底面、24 第2切り欠き、24a 底面、26 第1作動室、27 第2作動室、28a 第1貫通孔、28b 第2貫通孔、28c 第3貫通孔、32 流路切換バルブ(動力発生機構部)、42 動力変換・伝達機構部(動力発生機構部)、43 第1かさ歯車、44 第2かさ歯車、45 切り換えレバー(流路切換バルブ駆動機構部)、55 消火水。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路方向を鉛直にして配設されて消火水が供給される鉛直配管と、
上記鉛直配管の上部開口部に管路方向周りに回動可能に連結された縦配管および該縦配管の上部に連結された散水ノズルを有する散水銃と、
上記消火水の一部を駆動源とし、正/逆回転トルクを発生する動力発生機構部と、
上記動力発生機構部により発生された上記正/逆回転トルクを上記縦配管の管路方向周りの回動トルクに変換して該縦配管に伝達し、上記散水銃を旋回させる動力変換・伝達機構部と、を備え、
上記動力発生機構部は、
回転軸、軸心を上記回転軸の軸心からずらして該回転軸の端部に固着された偏心リング、上記消火水の一部が導入される第1および第2作動室、および、それぞれピストンが伸縮自在に配設され、該ピストンの伸長方向を上記回転軸の軸心に向けて上記偏心リングを囲繞するように該回転軸の軸心周りに120°ピッチで配列され、上記第1作動室に導入された上記消火水が導入されたときに、各ピストンを伸長させて上記偏心リングを押圧し、上記回転軸に正回転トルクを付与し、上記第2作動室に導入された上記消火水が導入されたときに、各ピストンを伸長させて上記偏心リングを押圧し、上記回転軸に逆回転トルクを付与する3つのシリンダを有する旋回制御ユニットと、
上記消火水を上記第1作動室に導入する流路と該消火水を上記第2作動室に導入する流路とを切り換える流路切換バルブと、
上記散水銃が鉛直配管の管路方向周りの一方向に所定角度旋回したときに、上記散水銃の旋回力を上記流路切換バルブに伝達して、上記消火水を上記第1作動室に導入する流路から該消火水を上記第2作動室に導入する流路に切り換えさせ、上記散水銃が鉛直配管の管路方向周りの他方向に所定角度旋回したときに、上記散水銃の旋回力を上記流路切換バルブに伝達して、上記消火水を上記第2作動室に導入する流路から該消火水を上記第1作動室に導入する流路に切り換えさせる流路切換バルブ駆動機構部と、
を有していることを特徴とする旋回方式散水銃装置。
【請求項2】
上記旋回制御ユニットは、
上記回転軸を回転自在に支持する筐体と、
上記回転軸の軸心と上記偏心リングの軸心を通る平面と平行な、該平面を挟んで相対し、かつ該平面から等距離の底面を有するように該回転軸に形成され、それぞれ上記第1作動室および上記第2作動室を構成する第1切り欠きおよび第2切り欠きと、
軸方向における上記第1切り欠きおよび上記第2切り欠きの形成領域内に120°ピッチで上記筐体に穿設された3つの貫通孔と、
上記3つの貫通孔のそれぞれを上記3つのシリンダの対応するシリンダに連結する3つの送水管と、を備え、
上記ピストンの一つが上記偏心リングを押圧しつつ最大伸長位置まで伸長したときに、当該ピストンが配設されている上記シリンダに上記消火水を導入する上記第1又は第2作動室を構成する上記第1又は第2切り欠きの底面が、当該シリンダに上記消火水を導入する上記貫通孔の孔中心と、当該貫通孔の上記回転軸の回転方向の前方に位置する上記貫通孔の孔中心とを結ぶ位置に位置していることを特徴とする請求項1記載の旋回方式散水銃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−237552(P2008−237552A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82294(P2007−82294)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】