既存の貯水池で改良された水力発電を行うための方法および装置
【課題】既存の貯水池で改良された水力発電を行うための装置を提供する。
【解決手段】発電モジュールを挿入して、水門およびダム内で、ならびに水頭ポテンシャルおよび流水を与える他の環境内で、フレームを通じて貯水から電力を生成するための、浮揚性の、または可動のおよび/もしくは固定のフレーム。フレームは、あらかじめ組み立てられて、1つもしくは複数のモジュールとして、またはフレーム内に発電機、タービン、およびスペーサを含むモジュール要素を挿入して、フレームの中の異なる位置に発電セルを構成するための位置を有するバラスト安定化可能な海洋船体装置として、現場に移される。フレーム上に設置されたガントリーは、個々のモジュールを所定の位置まで容易に動かすことを可能にする。
【解決手段】発電モジュールを挿入して、水門およびダム内で、ならびに水頭ポテンシャルおよび流水を与える他の環境内で、フレームを通じて貯水から電力を生成するための、浮揚性の、または可動のおよび/もしくは固定のフレーム。フレームは、あらかじめ組み立てられて、1つもしくは複数のモジュールとして、またはフレーム内に発電機、タービン、およびスペーサを含むモジュール要素を挿入して、フレームの中の異なる位置に発電セルを構成するための位置を有するバラスト安定化可能な海洋船体装置として、現場に移される。フレーム上に設置されたガントリーは、個々のモジュールを所定の位置まで容易に動かすことを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関し、さらに詳細には、既存の貯水池で改良された水力発電を行うための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダムおよび水門システムのような既存の貯水池から電力を引き出す従前の試みは、公共インフラストラクチャが静的および動的荷重から発電所およびその設備を支持するために、一時的なコファダム(囲堰)を作ることと、コファダムの内側の体積を排水することと、「乾燥状態で」立坑を掘ることとを含んでいる。一時的なコファダムおよび他の公共インフラストラクチャの非常に高いコストのせいで、利用できる低い正味水頭(有効落差)を有するシステムは、「従来」の水力発電に対する限界機会を提示する。使用中の航行水門と未使用の補助水門とを有する多くの水門およびダム環境が存在している。可能性は非常に低いが、起こる可能性のある場合として、将来の航行のために補助水門を使用する必要性が、従来の水力発電システムと一緒には利用できない着脱自在の水力発電システムの設計を要求することがあるであろう。さらに、プロジェクト開発、技術設計、開業許可、設備製造、土木建設、および試運転(最大8年間)のための長いリード・タイムの経済性が、恒久的な従来の/伝統的な水力発電システムを、経済的に、場合によっては物理的におよび運用上非実用的なものにする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発電モジュールと、貯水が存在する場所に挿入するための支持フレームとで構成可能なシステムに対する必要性が存在する。他の場所の中でも、水門およびダム構造は、水力発電力の生成のために未使用の貯水池を利用する大きな可能性を提示する。既存の水門の中で稼働することにより、従来の水力発電と比較して環境への影響が最小限になるとともに、全据え付け費および共通基準発電コスト(LCOE)が減少する。場合によっては、既存の補助水門インフラストラクチャが一度も使用されたことがなく(場合によっては、それが未完成であるため)、多くの場所に存在する付加的な水門は、さまざまな理由のために決して使用されない可能性が高い。また、いくつかの実施形態では、水域が存在する任意の場所で本発明のシステムを使用してもよく、その水の一部を本発明のフレームを介して動かす可能性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好ましい実施形態によれば、流水の水路の中に配設され選択的に浮揚性があり可動のフレームを有し、フレーム内の所定の位置に設置された複数の発電セルを有し、セルは、発電機モジュールと、1つ以上のスペーシング・モジュールと、タービン・モジュールとを含み、フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねたモジュールで構成されており、モジュールをフレーム上の所定の位置に上昇および下降させるためのフレームの上端部にある可動取付台を有する、貯水池を介して発電するための機械を示しており、タービン・モジュールは水の運動からエネルギーを受け取るように位置付けられ、タービン・モジュールは貯水により生成される位置エネルギーを、各セルの中のタービンの運動により力学的/運動エネルギーに変換し、次に、このタービンの運動エネルギーが発電機を駆動して、力学的エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0005】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、水路または水域の中に配設される浮揚性のフレームと、フレーム内の所定の位置に設置された複数の発電セルとを有する、貯水池を介して発電するための機械を示しており、セルは、発電機モジュールと、タービン・モジュールとを含み、フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねたモジュールで構成されており、セルは、フレームの中を通る水の運動からエネルギーを受け取るように位置付けられる。
【0006】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、フレーム内の所定の位置に取り付けられた少なくとも1つの交換可能なタービンと、前記フレームの中のタービンおよびその所定の位置に対して鉛直位置に積み重ねられた少なくとも1つの発電手段と、発電セルを作るために少なくとも1つの交換可能なタービンを発電手段と係合するための少なくとも1つの連結部材とを有する発電セルを挿入するための所定の位置を有する水域の周辺に配設されたゲートを示しており、少なくとも1つの交換可能なタービンおよび少なくとも1つの発電手段は電力を発生させるために協働する。このようなシステムは、倒そうとする力を相殺するとともに、貯水からの前記フレームに対する水平せん断荷重を分散させるために、「ひざ(ニー)」または他の下流側補強材を含んでいる。
【0007】
図面は本明細書の一部を構成しており、さまざまな形態で具体化してもよい本発明に対する例示的実施形態を含んでいる。ある場合には、本発明の理解を容易にするために本発明のさまざまな態様を誇張したり、または拡大したりして示してある可能性があることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好ましい実施形態の貯水水門およびダム構造の模式図を示している。
【図2】本発明の好ましい実施形態の空の水門フレーム・モジュールを示している。
【図3】本発明の好ましい実施形態のタービン・モジュール、スペーサ・モジュール、および発電機モジュールと、ガントリーとを有する水門フレーム・モジュールを示している。
【図4】本発明の好ましい実施形態の、浮遊していてバラスト安定化可能なケーソンおよび水門フレームを、内蔵型海洋船体として示している。
【図5】本発明の好ましい実施形態の、水門内に設置された空の水門フレーム・モジュールを示している。
【図6】本発明の好ましい実施形態の、支持公共インフラストラクチャに対する選択肢のうちの1つを有する水門フレーム・モジュールの側面図を示している。
【図7A】本発明の好ましい実施形態の、積み重ねたタービン・モジュール、スペーサ・モジュール、および発電機モジュールを有する発電アセンブリの斜視図を示している。
【図7B】本発明の好ましい実施形態の、積み重ねたタービン・モジュール、スペーサ・モジュール、および発電機モジュールを有する発電アセンブリの側面図を示している。
【図8A】本発明の好ましい実施形態の空の発電機フレーム・モジュールの斜視図を示している。
【図8B】本発明の好ましい実施形態の空の発電機フレーム・モジュールの平面図を示している。
【図8C】線A−Aを有する空の発電機フレーム・モジュールの側面図を示している。
【図8D】図8Cの線A−Aに沿った図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態のスペーサ・フレーム・モジュールの斜視図である。
【図10A】本発明の好ましい実施形態のタービン・フレーム・モジュールの斜視図を示している。
【図10B】本発明の好ましい実施形態の、収束および発散ダクト(それぞれ、タービン入り口チューブおよびドラフト・チューブ)を有するタービンの模式的斜視図と、着脱自在の内部タービン・フレームに前記ダクトを取り付ける方法とを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来の航行水門およびダム(「L&D」)は、2つの方法、すなわち、1)治水を提供するとともに航行に十分な深さがある水路を提供するために、河川の流れを制御して、それによって、ダムの上下に作られたプールの水位を調節することにより、ならびに2)水門およびダムを通過する船舶を上げ下げするために、水門扉のサイクル数を決定して、水門扉の間に挟まれた水位を調節することにより、河川の治水および航行を容易にする貯水池の一種である。
【0010】
本発明は、ハイブリッド水力発電施設を作り出すために、相互接続した水力発電タービン発電機の群を内蔵して、既存の貯水ダムによりもたらされる「水頭」(すなわち、垂直水位差)位置エネルギーを使用するフレームを具体化する。革新的な水力発電タービン・システムを内蔵する新しいフレームを従来の水門扉に補完することにより、既存の貯水ダムおよび水門が水力発電施設になる。また、この水門フレームは、貯水池を囲い込むダム、運河、送水路、発電所の放水、および貯水が存在する他の場所を含むさまざまな場所での使用法が見つかる可能性がある。また、水門フレーム・モジュールは航行可能な水門で使用してもよく、その手段として、1つ以上のヒンジ連結された要素上で水門を上げ下げしたり、または水門を開いたりするための設備を付加する方式を採用してもよい。この構成では、水門フレーム・モジュールは、水門扉に事実上取って代るであろう。また、水門フレーム・モジュールは、航行を可能にさせるために浮いた状態で水門に対して出入りできる浮揚ケーソン(船体)を使用してもよい。
【0011】
代表的な航行水門では、一般的に上方ゲートおよび下方ゲートと呼ばれる2組の扉がある。各ゲートは通常2つの扉(単一の扉のみを使用する場合もある)で構成されており、ゲートの扉を閉じると、扉は水門の水路全幅をふさぐ。本発明の好ましい実施形態の設計は、航行可能な水門内の1つ以上の水門扉に取って代ることができる可動フレーム内に、複数の大きくてモジュール式の相互接続された交換可能なタービンを各タービンそれ自身の発電機に接続した状態で取り付けるであろうということを想定する。好ましい実施形態では、フレームは2つ以上のタービンを有していてもよい。浮揚性のフレーム内には、発電機およびタービンの組み合わせで構成された複数の発電セルがあってもよく、フレームは水路の幅全体に延びていてもよい。本発明の好ましい実施形態の設計は、保守のためにアセンブリの上端部に取り付けた安価な橋形クレーンを用いてタービン/発電機をそれらのフレームから垂直方向に取り外すことができることを想定する。さらに、これらの発電機フレームまたはタービン・フレームは所定の場所に再配置できる。
【0012】
図1を参照すると、矢印の方向に水が流れている放水路30を有する水門およびダム20を示している。航行目的で使用中の水門22および未完成で使用されていない水門23が左に位置している。水門22は、従来の方法で水門を通ってはしけ36を動かすタグボート34を有していてもよい。使用中の水門22を使用しても本発明の好ましい実施形態の発電が妨げられることはなく、発電もまた水門22の通常の使用を妨げることはない。現在使用されていない水門23は、本発明の好ましい実施形態の水門フレーム・モジュール28の挿入に利用できる。水門フレーム・モジュールの流路への大きなデブリ(岩屑)の流入を制限するデブリ除け遮へい物24が、水門23の上流側の水の入り口点の前に設置されている。水門フレーム・モジュール28の前に設置された水門扉26を開いて、水門フレーム・モジュールを通って水を流して発電させることができる。水門フレーム・モジュール28は、その最終的な設置場所とは別の場所であらかじめ組み立てて、その後、バラスト安定化可能なはしけ、またはより完全に後述するケーソン型海洋船体構造を用いて浮かせた状態で所定の位置まで運ぶことが好ましい。同様に、より完全に後述するように、フレーム内部に設置する個々のモジュールは、現地外であらかじめ組み立ててから、完成したシステムの場所の所定の位置へ移動してもよい。これは、現地外で異なる環境に合わせてモジュール化および組み立てを行い、その後、水門フレームを所望の場所に設置することを可能にさせる。サブ・フレームは積み重ね可能であり、フレームの内部に設置する間に内部モジュールを自動的に位置合わせするための特別なピン・アセンブリを有している。水門フレーム・モジュールを取り付けるのに任意の杭および杭蓋を必要とする限り、杭および杭蓋は完全に水没してもよく、航行で予想されるレベルよりも下にあってもよい。このように、水門フレームの挿入に必要なあらかじめ取り付ける最小量の杭が、現場での組み立ての必要性を低減させる。杭については図6に関連してより完全に後述する。
【0013】
図2は、タービン・フレーム・モジュール44と、1つまたは複数のスペーサ・モジュール46と、発電機モジュール48とを収容するように設計された空間に内部モジュールを装着するためのガントリー・アセンブリ42を有する空の水門フレーム・モジュール40を示している。図7Aおよび図7Bで後述する、積み重ねたモジュールは、記号表示43で示す空間内に収容されるであろう。水門フレーム40は、据え付け時に補強材50により安定化させてもよい。ガントリー・アセンブリ42は、本発明のさまざまな構成要素の取り付けを容易にするために主要な水門フレーム・モジュールの上に設置されている。ガントリー・アセンブリ42は、3つの代表的な場所が特定される複数の別々の場所52に個々のモジュールを設置するように位置付け可能である。図3により完全に描写するように、各モジュールは水位線より上で高くに取り付けてもよい。これらの構成要素、すなわち、タービン、スペーサ、および発電機のそれぞれは、フレームの長手方向に沿って動作可能なガントリー・クレーン、橋形クレーン、または他の回転型クレーンの使用を通じてフレームまたは扉内の所定の位置に降ろしてもよい。
【0014】
図3は、部分的に装着された水門フレーム60を示しており、複数の発電機63が既に所定の位置にある。ガントリー・アセンブリ42はガントリー・アセンブリの長手軸に沿って発電機フレーム・モジュール62を移動させて、選択された部品を、それを取り付けるフレーム位置の上に位置付ける。説明に役立つ実施例として、発電機モジュール62は浮遊する船舶90(図5に示す)から装着され、ガントリー・アセンブリ42の長手軸に沿って所望の位置の上に移動させるためにガントリー・アセンブリ42の高さまで持ち上げられる。図3は、動作位置に設置するためにガントリーにより移動中の、一体型発電機64を有する発電機フレーム・モジュール62を示している。同様の方法で、タービン・フレーム・モジュール68は、先に所定の位置に移動させて、その適切なみぞ穴に降ろされている。特定の実施形態では特定のタービンに対して、この場合には、タービン・フレーム・モジュール68内のタービンに対して、選択的な水流を可能にするために引き戸66(ストップ・ログ)を使用してもよい。引き戸66は当技術分野で周知の機械的機構、空圧機構、または油圧機構により操作可能であってもよく、より容易に扉を開閉するために抑制した方法でそのようにしてもよい。また、引き戸66を動かす間、前記扉のまわりの流れを容易にして、流れをよりよく抑制するように、引き戸66の1つの縁端部は翼形の構成を有していてもよい。ガントリー・アセンブリ42は別個のモジュールであるように構成されてもよく、最初のシステム据え付け時に、現場にある、または現場に近いフレーム60上にガントリー・アセンブリ42を取り付けてもよいようになっている。この選択肢は、アセンブリの河川輸送で高さ制限のある構造物(低い橋、低い電力ケーブルなど)の下を通らなければならないときに物流を改善するために最初に付加された。
【0015】
図4は、浮揚性がある区画82,84,および85の上方に位置する模式的な一体型水門フレーム・モジュール86を有するバラスト安定化可能なケーソン浮揚構造80を示している。主バラスト・タンク85は、内部フレーム・モジュール86により与えられる荷重を支持するための浮力を提供する。トリム・タンク82および84は、浮力の付加的な制御に使用してもよい。安定化およびさらなるバラスティングを提供するコンクリート・バラスト・タンク88がケーソン浮揚構造80の下端にある。ケーソン構造80は、船殻およびその種の他のものに共通のさまざまな海洋型構造のうちのいずれであってもよい。ケーソン構造80は、輸送用および本発明の好ましい実施形態の水門フレーム・モジュールの位置決め用のバラスト安定化可能な海洋船体であるものとする。このようなケーソンのアーキテクチャおよび組み立ては当技術分野では周知であり、ここで詳細に記述する必要はない。しかしながら、輸送用の海洋船体を有する可搬型で着脱自在の水力発電システムについては、これまでに当技術分野で記述されることは無かった。本発明の多数の実施形態では、ここで記述するような浮遊するまたは浮揚性がある船体よりは、むしろより恒久的な構造物上に水門フレーム・モジュールを取り付けることが好ましい可能性がある。しかしながら、いくつかの構成では、タグボートまたは他の海上船舶により所定の位置までより容易に誘導されるある種の浮揚構造物上に水門フレーム・モジュールを取り付けることが好ましいであろう。
【0016】
図5は、水門を通じて貯水池から発電するための、水門扉26に隣接する据え付け済みの水門フレーム60を示している。水が水門フレーム60を通り抜けてエネルギーを生み出すことを可能にするために水門ゲート26を開く必要がある。例えば、発電機フレーム・モジュール62またはタービン・フレーム・モジュール68などにガントリー・クレーンを容易に取り付けることができるように、はしけ90をガントリー42のもっとも近くに位置付ける。取り付けのためにそれぞれの所望のモジュールを選択するとき、ガントリー・アセンブリ42は、はしけ90から水門フレーム60の適切な高さまでモジュールを移動し、次に、所望のモジュールを取り付けることになっている水門フレーム内の位置の上に移動する。また、はしけ90およびガントリー42は、既存のモジュールを取り外して代替品を取り付ける保守作業にも使用できる。発電機、スペーサ、および/またはタービン・フレーム・モジュールのそれぞれは、発電機およびタービンの組み合わせで形成される発電セルの配列内のその位置に容易にかつ効率的に移動できる。より完全に後述するように、特定の発電セルに対する発電機およびタービンは、タービンが動くときに電力を生成するように相互接続されている。図5に示す特定の実施形態では、9個の発電機/タービンの組み合わせがある。複数のユニットを同時に使用することにより、複数のユニット構成が流れの沈滞を小さな段階幅で提供するため(図面に示す9個のユニットの場合、個々のタービンを止めることにより流れを11.1%刻みで調整できる)、可変放水ゲートを必要としない。このように、タービン/発電機の組み合わせの個々の部品は、モジュール式であり、着脱自在であり、複数の所定の構成に交換可能である。また、そのことは、スペーサの寸法および水門フレーム・モジュールの全高を変化させることによりタービン、発電機、およびスペーサの組み合わせの垂直方向寸法の変更を可能にする。特定の条件では、システムは、水が扉を通り抜けて、その後、水がタービン開口部を通り抜けることを可能にすることにより、発電していなくても、他の放水路として機能するように再構成できる。このように、システムは、以前には無かった調整された放水路能力をもたらす。
【0017】
図6は、組み立てられた構造物、または排水溝のようなプレキャスト・コンクリートであってもよい入り口チューブ116の中を通って水を受け入れるように位置付けられたタービン102を有する水門フレーム・モジュール100の側面図を示している。水門フレーム・モジュールの上流の水は、その表面115の高さがより高いことに起因する水頭ポテンシャルを有しており、入り口チューブ116の中を通って、タービン102と、組み立てられた構造物、またはプレキャスト・コンクリート製であってもよい出口ドラフト・チューブ114との中を通って放水路水119の中に流れることにより、エネルギーを作り出す。タービン102は、シュラウド(側板)118から外部的に駆動されるチェーン駆動105システムにより発電機106に動作可能に接続されており、このシュラウド118は、発電機106に接続されたチェーンまたはベルト104である中間軸(ジャックシャフト)117を駆動するタービンのプロペラ・アセンブリに一体になっている。また、このシステムは増速機としても機能する。タービン102は、可変放水ゲートまたは可変ピッチ翼の無い状態で海洋型固定ピッチ・プロペラを利用することが好ましい。容易に明らかなように、タービンと発電機との間の作動している機械的接続は、それらが水位線よりも下にあって軸受が水潤滑されているため、潤滑剤を必要としない。この設計は環境面でより安全であり、機械的可動部の整備点検がより容易である。
【0018】
あるいは、シュラウド118を介してのタービン102からの動力は、他のギアを介して直接的または間接的に発電機106に接続されたピニオン・ギアおよびピニオン・シャフト(図示せず)を通じて発電機に伝達してもよい。この実施形態では、いくつかの設定では好ましい結果をもたらす可能性がある中間ベルトまたはチェーンを必要とせずに、回転するシュラウドから動力が伝達される。本明細書で開示する技術を利用する閉じたモジュラー・システムにおいてピニオン・ギアおよびピニオン・シャフトを用いた直接駆動システムを使用することは、より高い電力用途またはより高い回転速度において潜在的利益を有している。
【0019】
水門フレーム・モジュール100は、打ち込まれた、らせん掘削された、または他の方法で適切に地面112の中に埋め込まれた杭122の上に置かれた沈泥ライン107よりも下にある杭蓋124上に取り付けられている。杭蓋124は、それらの上端部が航行レベルよりも下にある状態で完全に水没している。あるいは、水門フレーム・モジュール・システムの重量を支えることができる構造スラブを有する水門では、水門フレーム・モジュールを構造要素上に直接設置して、広い領域全体にわたって荷重を分散することができ、既存の水面下構造および地面を突き通す必要性を回避できる。
【0020】
図7Aは、垂直方向に積み重ねられた単一の発電機フレーム・モジュール、スペーシング・モジュール、およびタービン・フレーム・モジュールの斜視図を示しており、図7Bは、垂直方向に積み重ねられた単一の発電機およびタービンの組み合わせの正面図を示している。図7Aおよび図7Bに示す実施形態では、動力は、中間ベルトまたは中間軸が無い状態でチェーン駆動またはベルト104を介して直接タービン102から伝達される。これらの図は、中間軸を使用しない他の駆動構成を示している。また、図は2つのスペーサ・モジュールの使用を示しており、より大きいスペーサ・モジュールの上に、より小さいスペーサ・モジュールがある。発電機フレーム・モジュール110内に位置する発電機106に動作可能に接続されたタービン102を示している。図を見やすくするために、図7Bにのみスペーサ・モジュール120を示しているが、タービン102の上方、および発電機フレーム・モジュール110の下方にスペーサ・モジュール120があることが好ましい。図7Bに部分的に示すスペーサ・モジュール120は、水門フレーム・モジュールの中の所定の位置に降ろされてもよく、現場の個別の高さ要件を達成するように構成されてもよい構造単位である。また、補助スペーサ・モジュール121が示されており、特定の構成では、この補助スペーサ・モジュール121に対して、より高い正味水頭用途において発電機およびタービンのさらなる分離が要求される可能性がある。タービン102、中間駆動チェーン104、スペーサ・モジュール120、および発電機モジュール110を含む設備または動力モジュールの垂直列全体は、1日足らずで水門フレーム・モジュールから取り外して、交換してもよい。より完全に上述したように、単一の発電機およびタービンの組み合わせのさまざまな構成要素は、水門フレーム・モジュールの上端部に取り付けたガントリー・クレーンを介して降ろして、タービン/発電機の配列内のその位置の中に挿入してもよい。特定の実施形態では、寸法が変えられるスペーサにより分離されたタービンと、それと対になる発電機とがあってもよく、この寸法が変えられるスペーサは、扉内の受け入れ用みぞ穴にすべて入り込む。このように、タービン/発電機の組み合わせの個々の部品は、モジュール式であり、着脱自在であり、所定の位置に交換可能である。また、そのことは、特定の場所の有効水頭に対する異なる高さに対応するようにスペーサの寸法を変化させることによりタービン、発電機、およびスペーサの組み合わせの垂直方向寸法の変更を可能にする。好ましい実施形態では、発電機は、風力タービンおよび他の産業により現在のところ推進されている最新のシステム技術を利用している低価格の市販品のOEM発電機(誘導発電機、DC発電機、AC発電機、同期発電機、永久磁石発電機など)であってもよい。さらに、現場での交換が可能で、監視および整備点検が容易な解決方法を用いて速度増加を提供する単純なチェーンおよびベルト駆動システムの使用によりギア・ボックスの必要性がない。
【0021】
図8A、図8C、および図8Dは、空の発電機フレーム・モジュール110の、それぞれ、斜視図、正面図、および図8Cの断面A−Aに沿った図を示している。図8Bは格子支持部140の詳細を示している。格子支持部140上には、発電機を取り付けるための発電機支持部144が取り付けてある。格子支持部140は、発電機に対する追加的支持を提供するとともに、発電機フレーム・モジュール110の床面を構成する。ピン146はフレーム・モジュール110の四隅に位置しており、スペーサ・モジュール120上およびタービン・モジュール102上に示されており、異なるモジュールを互いの上に積み重ねるための自己芯出し取り付け点を提供する。図8Aおよび図8Cに示すようなタブ148が、モジュールのための持ち上げ位置を提供する。
【0022】
図9は、上述のようにタービン・モジュールと発電機モジュールとの間に挿入するためのスペーサ・モジュール120を示している。スペーサ・モジュール120の下端上には、図8Aに描写するようなピン146のはめ合い係合のための受け入れ用穴または凹部(図示せず)がある。タービン、発電機、およびスペーサ・モジュールのそれぞれは、はめ合い係合のための受け入れ用穴または凹部を有している。スペーサ・モジュール120は、特定の所望の構成に対応するためのさまざまな高さのうちのいずれであってもよく、または複数のスペーシング・モジュールの垂直積み重ねである可能性がある。図10Aは、部分的形態でタービンの入り口ダクトを示すタービン・フレーム・モジュール102を示している。図10Bは、模式的形態で収束入り口ダクト135と、発散出口ダクト(ドラフト・チューブ)130とを示している。図6で上述したように、回転するシュラウド118は、タービンが大きなスプロケットを介して回転可能に駆動チェーンまたはベルトに係合するように、その結果、発電機に係合するように、2つのダクトの間に接続されている。
【0023】
本明細書に記載の特定の実施形態は、例として示されているものであり、本発明を限定するものとして示されているものではないことが理解されるであろう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、さまざまな実施形態において使用できる。当業者は、日常の実験と同じ程度の実験で本明細書に記載の個別の手順の多数の均等物を認識し、または確認できるであろう。このような均等物は本発明の範囲内にあるとみなされ、クレームの適用範囲に入る。
【0024】
本明細書に開示し、クレームする構成および/または方法のすべては、本開示を考慮すれば必要以上の実験をせずに行い、実行できる。本発明の構成および方法は、さまざまな実施形態に関して説明されているが、本発明の概念、要旨、および範囲を逸脱することなく、本明細書に記載の構成および/または方法に他の変形が適用できるとともに、本明細書に記載の方法のステップにおいて、またはステップのシーケンスにおいて他の変形が適用できることは当業者には明らかであろう。当業者にとって明白なすべてのこのような類似の代替および変更は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の要旨、範囲、および概念の中にあるものと考えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関し、さらに詳細には、既存の貯水池で改良された水力発電を行うための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダムおよび水門システムのような既存の貯水池から電力を引き出す従前の試みは、公共インフラストラクチャが静的および動的荷重から発電所およびその設備を支持するために、一時的なコファダム(囲堰)を作ることと、コファダムの内側の体積を排水することと、「乾燥状態で」立坑を掘ることとを含んでいる。一時的なコファダムおよび他の公共インフラストラクチャの非常に高いコストのせいで、利用できる低い正味水頭(有効落差)を有するシステムは、「従来」の水力発電に対する限界機会を提示する。使用中の航行水門と未使用の補助水門とを有する多くの水門およびダム環境が存在している。可能性は非常に低いが、起こる可能性のある場合として、将来の航行のために補助水門を使用する必要性が、従来の水力発電システムと一緒には利用できない着脱自在の水力発電システムの設計を要求することがあるであろう。さらに、プロジェクト開発、技術設計、開業許可、設備製造、土木建設、および試運転(最大8年間)のための長いリード・タイムの経済性が、恒久的な従来の/伝統的な水力発電システムを、経済的に、場合によっては物理的におよび運用上非実用的なものにする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発電モジュールと、貯水が存在する場所に挿入するための支持フレームとで構成可能なシステムに対する必要性が存在する。他の場所の中でも、水門およびダム構造は、水力発電力の生成のために未使用の貯水池を利用する大きな可能性を提示する。既存の水門の中で稼働することにより、従来の水力発電と比較して環境への影響が最小限になるとともに、全据え付け費および共通基準発電コスト(LCOE)が減少する。場合によっては、既存の補助水門インフラストラクチャが一度も使用されたことがなく(場合によっては、それが未完成であるため)、多くの場所に存在する付加的な水門は、さまざまな理由のために決して使用されない可能性が高い。また、いくつかの実施形態では、水域が存在する任意の場所で本発明のシステムを使用してもよく、その水の一部を本発明のフレームを介して動かす可能性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好ましい実施形態によれば、流水の水路の中に配設され選択的に浮揚性があり可動のフレームを有し、フレーム内の所定の位置に設置された複数の発電セルを有し、セルは、発電機モジュールと、1つ以上のスペーシング・モジュールと、タービン・モジュールとを含み、フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねたモジュールで構成されており、モジュールをフレーム上の所定の位置に上昇および下降させるためのフレームの上端部にある可動取付台を有する、貯水池を介して発電するための機械を示しており、タービン・モジュールは水の運動からエネルギーを受け取るように位置付けられ、タービン・モジュールは貯水により生成される位置エネルギーを、各セルの中のタービンの運動により力学的/運動エネルギーに変換し、次に、このタービンの運動エネルギーが発電機を駆動して、力学的エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0005】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、水路または水域の中に配設される浮揚性のフレームと、フレーム内の所定の位置に設置された複数の発電セルとを有する、貯水池を介して発電するための機械を示しており、セルは、発電機モジュールと、タービン・モジュールとを含み、フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねたモジュールで構成されており、セルは、フレームの中を通る水の運動からエネルギーを受け取るように位置付けられる。
【0006】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、フレーム内の所定の位置に取り付けられた少なくとも1つの交換可能なタービンと、前記フレームの中のタービンおよびその所定の位置に対して鉛直位置に積み重ねられた少なくとも1つの発電手段と、発電セルを作るために少なくとも1つの交換可能なタービンを発電手段と係合するための少なくとも1つの連結部材とを有する発電セルを挿入するための所定の位置を有する水域の周辺に配設されたゲートを示しており、少なくとも1つの交換可能なタービンおよび少なくとも1つの発電手段は電力を発生させるために協働する。このようなシステムは、倒そうとする力を相殺するとともに、貯水からの前記フレームに対する水平せん断荷重を分散させるために、「ひざ(ニー)」または他の下流側補強材を含んでいる。
【0007】
図面は本明細書の一部を構成しており、さまざまな形態で具体化してもよい本発明に対する例示的実施形態を含んでいる。ある場合には、本発明の理解を容易にするために本発明のさまざまな態様を誇張したり、または拡大したりして示してある可能性があることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の好ましい実施形態の貯水水門およびダム構造の模式図を示している。
【図2】本発明の好ましい実施形態の空の水門フレーム・モジュールを示している。
【図3】本発明の好ましい実施形態のタービン・モジュール、スペーサ・モジュール、および発電機モジュールと、ガントリーとを有する水門フレーム・モジュールを示している。
【図4】本発明の好ましい実施形態の、浮遊していてバラスト安定化可能なケーソンおよび水門フレームを、内蔵型海洋船体として示している。
【図5】本発明の好ましい実施形態の、水門内に設置された空の水門フレーム・モジュールを示している。
【図6】本発明の好ましい実施形態の、支持公共インフラストラクチャに対する選択肢のうちの1つを有する水門フレーム・モジュールの側面図を示している。
【図7A】本発明の好ましい実施形態の、積み重ねたタービン・モジュール、スペーサ・モジュール、および発電機モジュールを有する発電アセンブリの斜視図を示している。
【図7B】本発明の好ましい実施形態の、積み重ねたタービン・モジュール、スペーサ・モジュール、および発電機モジュールを有する発電アセンブリの側面図を示している。
【図8A】本発明の好ましい実施形態の空の発電機フレーム・モジュールの斜視図を示している。
【図8B】本発明の好ましい実施形態の空の発電機フレーム・モジュールの平面図を示している。
【図8C】線A−Aを有する空の発電機フレーム・モジュールの側面図を示している。
【図8D】図8Cの線A−Aに沿った図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態のスペーサ・フレーム・モジュールの斜視図である。
【図10A】本発明の好ましい実施形態のタービン・フレーム・モジュールの斜視図を示している。
【図10B】本発明の好ましい実施形態の、収束および発散ダクト(それぞれ、タービン入り口チューブおよびドラフト・チューブ)を有するタービンの模式的斜視図と、着脱自在の内部タービン・フレームに前記ダクトを取り付ける方法とを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
従来の航行水門およびダム(「L&D」)は、2つの方法、すなわち、1)治水を提供するとともに航行に十分な深さがある水路を提供するために、河川の流れを制御して、それによって、ダムの上下に作られたプールの水位を調節することにより、ならびに2)水門およびダムを通過する船舶を上げ下げするために、水門扉のサイクル数を決定して、水門扉の間に挟まれた水位を調節することにより、河川の治水および航行を容易にする貯水池の一種である。
【0010】
本発明は、ハイブリッド水力発電施設を作り出すために、相互接続した水力発電タービン発電機の群を内蔵して、既存の貯水ダムによりもたらされる「水頭」(すなわち、垂直水位差)位置エネルギーを使用するフレームを具体化する。革新的な水力発電タービン・システムを内蔵する新しいフレームを従来の水門扉に補完することにより、既存の貯水ダムおよび水門が水力発電施設になる。また、この水門フレームは、貯水池を囲い込むダム、運河、送水路、発電所の放水、および貯水が存在する他の場所を含むさまざまな場所での使用法が見つかる可能性がある。また、水門フレーム・モジュールは航行可能な水門で使用してもよく、その手段として、1つ以上のヒンジ連結された要素上で水門を上げ下げしたり、または水門を開いたりするための設備を付加する方式を採用してもよい。この構成では、水門フレーム・モジュールは、水門扉に事実上取って代るであろう。また、水門フレーム・モジュールは、航行を可能にさせるために浮いた状態で水門に対して出入りできる浮揚ケーソン(船体)を使用してもよい。
【0011】
代表的な航行水門では、一般的に上方ゲートおよび下方ゲートと呼ばれる2組の扉がある。各ゲートは通常2つの扉(単一の扉のみを使用する場合もある)で構成されており、ゲートの扉を閉じると、扉は水門の水路全幅をふさぐ。本発明の好ましい実施形態の設計は、航行可能な水門内の1つ以上の水門扉に取って代ることができる可動フレーム内に、複数の大きくてモジュール式の相互接続された交換可能なタービンを各タービンそれ自身の発電機に接続した状態で取り付けるであろうということを想定する。好ましい実施形態では、フレームは2つ以上のタービンを有していてもよい。浮揚性のフレーム内には、発電機およびタービンの組み合わせで構成された複数の発電セルがあってもよく、フレームは水路の幅全体に延びていてもよい。本発明の好ましい実施形態の設計は、保守のためにアセンブリの上端部に取り付けた安価な橋形クレーンを用いてタービン/発電機をそれらのフレームから垂直方向に取り外すことができることを想定する。さらに、これらの発電機フレームまたはタービン・フレームは所定の場所に再配置できる。
【0012】
図1を参照すると、矢印の方向に水が流れている放水路30を有する水門およびダム20を示している。航行目的で使用中の水門22および未完成で使用されていない水門23が左に位置している。水門22は、従来の方法で水門を通ってはしけ36を動かすタグボート34を有していてもよい。使用中の水門22を使用しても本発明の好ましい実施形態の発電が妨げられることはなく、発電もまた水門22の通常の使用を妨げることはない。現在使用されていない水門23は、本発明の好ましい実施形態の水門フレーム・モジュール28の挿入に利用できる。水門フレーム・モジュールの流路への大きなデブリ(岩屑)の流入を制限するデブリ除け遮へい物24が、水門23の上流側の水の入り口点の前に設置されている。水門フレーム・モジュール28の前に設置された水門扉26を開いて、水門フレーム・モジュールを通って水を流して発電させることができる。水門フレーム・モジュール28は、その最終的な設置場所とは別の場所であらかじめ組み立てて、その後、バラスト安定化可能なはしけ、またはより完全に後述するケーソン型海洋船体構造を用いて浮かせた状態で所定の位置まで運ぶことが好ましい。同様に、より完全に後述するように、フレーム内部に設置する個々のモジュールは、現地外であらかじめ組み立ててから、完成したシステムの場所の所定の位置へ移動してもよい。これは、現地外で異なる環境に合わせてモジュール化および組み立てを行い、その後、水門フレームを所望の場所に設置することを可能にさせる。サブ・フレームは積み重ね可能であり、フレームの内部に設置する間に内部モジュールを自動的に位置合わせするための特別なピン・アセンブリを有している。水門フレーム・モジュールを取り付けるのに任意の杭および杭蓋を必要とする限り、杭および杭蓋は完全に水没してもよく、航行で予想されるレベルよりも下にあってもよい。このように、水門フレームの挿入に必要なあらかじめ取り付ける最小量の杭が、現場での組み立ての必要性を低減させる。杭については図6に関連してより完全に後述する。
【0013】
図2は、タービン・フレーム・モジュール44と、1つまたは複数のスペーサ・モジュール46と、発電機モジュール48とを収容するように設計された空間に内部モジュールを装着するためのガントリー・アセンブリ42を有する空の水門フレーム・モジュール40を示している。図7Aおよび図7Bで後述する、積み重ねたモジュールは、記号表示43で示す空間内に収容されるであろう。水門フレーム40は、据え付け時に補強材50により安定化させてもよい。ガントリー・アセンブリ42は、本発明のさまざまな構成要素の取り付けを容易にするために主要な水門フレーム・モジュールの上に設置されている。ガントリー・アセンブリ42は、3つの代表的な場所が特定される複数の別々の場所52に個々のモジュールを設置するように位置付け可能である。図3により完全に描写するように、各モジュールは水位線より上で高くに取り付けてもよい。これらの構成要素、すなわち、タービン、スペーサ、および発電機のそれぞれは、フレームの長手方向に沿って動作可能なガントリー・クレーン、橋形クレーン、または他の回転型クレーンの使用を通じてフレームまたは扉内の所定の位置に降ろしてもよい。
【0014】
図3は、部分的に装着された水門フレーム60を示しており、複数の発電機63が既に所定の位置にある。ガントリー・アセンブリ42はガントリー・アセンブリの長手軸に沿って発電機フレーム・モジュール62を移動させて、選択された部品を、それを取り付けるフレーム位置の上に位置付ける。説明に役立つ実施例として、発電機モジュール62は浮遊する船舶90(図5に示す)から装着され、ガントリー・アセンブリ42の長手軸に沿って所望の位置の上に移動させるためにガントリー・アセンブリ42の高さまで持ち上げられる。図3は、動作位置に設置するためにガントリーにより移動中の、一体型発電機64を有する発電機フレーム・モジュール62を示している。同様の方法で、タービン・フレーム・モジュール68は、先に所定の位置に移動させて、その適切なみぞ穴に降ろされている。特定の実施形態では特定のタービンに対して、この場合には、タービン・フレーム・モジュール68内のタービンに対して、選択的な水流を可能にするために引き戸66(ストップ・ログ)を使用してもよい。引き戸66は当技術分野で周知の機械的機構、空圧機構、または油圧機構により操作可能であってもよく、より容易に扉を開閉するために抑制した方法でそのようにしてもよい。また、引き戸66を動かす間、前記扉のまわりの流れを容易にして、流れをよりよく抑制するように、引き戸66の1つの縁端部は翼形の構成を有していてもよい。ガントリー・アセンブリ42は別個のモジュールであるように構成されてもよく、最初のシステム据え付け時に、現場にある、または現場に近いフレーム60上にガントリー・アセンブリ42を取り付けてもよいようになっている。この選択肢は、アセンブリの河川輸送で高さ制限のある構造物(低い橋、低い電力ケーブルなど)の下を通らなければならないときに物流を改善するために最初に付加された。
【0015】
図4は、浮揚性がある区画82,84,および85の上方に位置する模式的な一体型水門フレーム・モジュール86を有するバラスト安定化可能なケーソン浮揚構造80を示している。主バラスト・タンク85は、内部フレーム・モジュール86により与えられる荷重を支持するための浮力を提供する。トリム・タンク82および84は、浮力の付加的な制御に使用してもよい。安定化およびさらなるバラスティングを提供するコンクリート・バラスト・タンク88がケーソン浮揚構造80の下端にある。ケーソン構造80は、船殻およびその種の他のものに共通のさまざまな海洋型構造のうちのいずれであってもよい。ケーソン構造80は、輸送用および本発明の好ましい実施形態の水門フレーム・モジュールの位置決め用のバラスト安定化可能な海洋船体であるものとする。このようなケーソンのアーキテクチャおよび組み立ては当技術分野では周知であり、ここで詳細に記述する必要はない。しかしながら、輸送用の海洋船体を有する可搬型で着脱自在の水力発電システムについては、これまでに当技術分野で記述されることは無かった。本発明の多数の実施形態では、ここで記述するような浮遊するまたは浮揚性がある船体よりは、むしろより恒久的な構造物上に水門フレーム・モジュールを取り付けることが好ましい可能性がある。しかしながら、いくつかの構成では、タグボートまたは他の海上船舶により所定の位置までより容易に誘導されるある種の浮揚構造物上に水門フレーム・モジュールを取り付けることが好ましいであろう。
【0016】
図5は、水門を通じて貯水池から発電するための、水門扉26に隣接する据え付け済みの水門フレーム60を示している。水が水門フレーム60を通り抜けてエネルギーを生み出すことを可能にするために水門ゲート26を開く必要がある。例えば、発電機フレーム・モジュール62またはタービン・フレーム・モジュール68などにガントリー・クレーンを容易に取り付けることができるように、はしけ90をガントリー42のもっとも近くに位置付ける。取り付けのためにそれぞれの所望のモジュールを選択するとき、ガントリー・アセンブリ42は、はしけ90から水門フレーム60の適切な高さまでモジュールを移動し、次に、所望のモジュールを取り付けることになっている水門フレーム内の位置の上に移動する。また、はしけ90およびガントリー42は、既存のモジュールを取り外して代替品を取り付ける保守作業にも使用できる。発電機、スペーサ、および/またはタービン・フレーム・モジュールのそれぞれは、発電機およびタービンの組み合わせで形成される発電セルの配列内のその位置に容易にかつ効率的に移動できる。より完全に後述するように、特定の発電セルに対する発電機およびタービンは、タービンが動くときに電力を生成するように相互接続されている。図5に示す特定の実施形態では、9個の発電機/タービンの組み合わせがある。複数のユニットを同時に使用することにより、複数のユニット構成が流れの沈滞を小さな段階幅で提供するため(図面に示す9個のユニットの場合、個々のタービンを止めることにより流れを11.1%刻みで調整できる)、可変放水ゲートを必要としない。このように、タービン/発電機の組み合わせの個々の部品は、モジュール式であり、着脱自在であり、複数の所定の構成に交換可能である。また、そのことは、スペーサの寸法および水門フレーム・モジュールの全高を変化させることによりタービン、発電機、およびスペーサの組み合わせの垂直方向寸法の変更を可能にする。特定の条件では、システムは、水が扉を通り抜けて、その後、水がタービン開口部を通り抜けることを可能にすることにより、発電していなくても、他の放水路として機能するように再構成できる。このように、システムは、以前には無かった調整された放水路能力をもたらす。
【0017】
図6は、組み立てられた構造物、または排水溝のようなプレキャスト・コンクリートであってもよい入り口チューブ116の中を通って水を受け入れるように位置付けられたタービン102を有する水門フレーム・モジュール100の側面図を示している。水門フレーム・モジュールの上流の水は、その表面115の高さがより高いことに起因する水頭ポテンシャルを有しており、入り口チューブ116の中を通って、タービン102と、組み立てられた構造物、またはプレキャスト・コンクリート製であってもよい出口ドラフト・チューブ114との中を通って放水路水119の中に流れることにより、エネルギーを作り出す。タービン102は、シュラウド(側板)118から外部的に駆動されるチェーン駆動105システムにより発電機106に動作可能に接続されており、このシュラウド118は、発電機106に接続されたチェーンまたはベルト104である中間軸(ジャックシャフト)117を駆動するタービンのプロペラ・アセンブリに一体になっている。また、このシステムは増速機としても機能する。タービン102は、可変放水ゲートまたは可変ピッチ翼の無い状態で海洋型固定ピッチ・プロペラを利用することが好ましい。容易に明らかなように、タービンと発電機との間の作動している機械的接続は、それらが水位線よりも下にあって軸受が水潤滑されているため、潤滑剤を必要としない。この設計は環境面でより安全であり、機械的可動部の整備点検がより容易である。
【0018】
あるいは、シュラウド118を介してのタービン102からの動力は、他のギアを介して直接的または間接的に発電機106に接続されたピニオン・ギアおよびピニオン・シャフト(図示せず)を通じて発電機に伝達してもよい。この実施形態では、いくつかの設定では好ましい結果をもたらす可能性がある中間ベルトまたはチェーンを必要とせずに、回転するシュラウドから動力が伝達される。本明細書で開示する技術を利用する閉じたモジュラー・システムにおいてピニオン・ギアおよびピニオン・シャフトを用いた直接駆動システムを使用することは、より高い電力用途またはより高い回転速度において潜在的利益を有している。
【0019】
水門フレーム・モジュール100は、打ち込まれた、らせん掘削された、または他の方法で適切に地面112の中に埋め込まれた杭122の上に置かれた沈泥ライン107よりも下にある杭蓋124上に取り付けられている。杭蓋124は、それらの上端部が航行レベルよりも下にある状態で完全に水没している。あるいは、水門フレーム・モジュール・システムの重量を支えることができる構造スラブを有する水門では、水門フレーム・モジュールを構造要素上に直接設置して、広い領域全体にわたって荷重を分散することができ、既存の水面下構造および地面を突き通す必要性を回避できる。
【0020】
図7Aは、垂直方向に積み重ねられた単一の発電機フレーム・モジュール、スペーシング・モジュール、およびタービン・フレーム・モジュールの斜視図を示しており、図7Bは、垂直方向に積み重ねられた単一の発電機およびタービンの組み合わせの正面図を示している。図7Aおよび図7Bに示す実施形態では、動力は、中間ベルトまたは中間軸が無い状態でチェーン駆動またはベルト104を介して直接タービン102から伝達される。これらの図は、中間軸を使用しない他の駆動構成を示している。また、図は2つのスペーサ・モジュールの使用を示しており、より大きいスペーサ・モジュールの上に、より小さいスペーサ・モジュールがある。発電機フレーム・モジュール110内に位置する発電機106に動作可能に接続されたタービン102を示している。図を見やすくするために、図7Bにのみスペーサ・モジュール120を示しているが、タービン102の上方、および発電機フレーム・モジュール110の下方にスペーサ・モジュール120があることが好ましい。図7Bに部分的に示すスペーサ・モジュール120は、水門フレーム・モジュールの中の所定の位置に降ろされてもよく、現場の個別の高さ要件を達成するように構成されてもよい構造単位である。また、補助スペーサ・モジュール121が示されており、特定の構成では、この補助スペーサ・モジュール121に対して、より高い正味水頭用途において発電機およびタービンのさらなる分離が要求される可能性がある。タービン102、中間駆動チェーン104、スペーサ・モジュール120、および発電機モジュール110を含む設備または動力モジュールの垂直列全体は、1日足らずで水門フレーム・モジュールから取り外して、交換してもよい。より完全に上述したように、単一の発電機およびタービンの組み合わせのさまざまな構成要素は、水門フレーム・モジュールの上端部に取り付けたガントリー・クレーンを介して降ろして、タービン/発電機の配列内のその位置の中に挿入してもよい。特定の実施形態では、寸法が変えられるスペーサにより分離されたタービンと、それと対になる発電機とがあってもよく、この寸法が変えられるスペーサは、扉内の受け入れ用みぞ穴にすべて入り込む。このように、タービン/発電機の組み合わせの個々の部品は、モジュール式であり、着脱自在であり、所定の位置に交換可能である。また、そのことは、特定の場所の有効水頭に対する異なる高さに対応するようにスペーサの寸法を変化させることによりタービン、発電機、およびスペーサの組み合わせの垂直方向寸法の変更を可能にする。好ましい実施形態では、発電機は、風力タービンおよび他の産業により現在のところ推進されている最新のシステム技術を利用している低価格の市販品のOEM発電機(誘導発電機、DC発電機、AC発電機、同期発電機、永久磁石発電機など)であってもよい。さらに、現場での交換が可能で、監視および整備点検が容易な解決方法を用いて速度増加を提供する単純なチェーンおよびベルト駆動システムの使用によりギア・ボックスの必要性がない。
【0021】
図8A、図8C、および図8Dは、空の発電機フレーム・モジュール110の、それぞれ、斜視図、正面図、および図8Cの断面A−Aに沿った図を示している。図8Bは格子支持部140の詳細を示している。格子支持部140上には、発電機を取り付けるための発電機支持部144が取り付けてある。格子支持部140は、発電機に対する追加的支持を提供するとともに、発電機フレーム・モジュール110の床面を構成する。ピン146はフレーム・モジュール110の四隅に位置しており、スペーサ・モジュール120上およびタービン・モジュール102上に示されており、異なるモジュールを互いの上に積み重ねるための自己芯出し取り付け点を提供する。図8Aおよび図8Cに示すようなタブ148が、モジュールのための持ち上げ位置を提供する。
【0022】
図9は、上述のようにタービン・モジュールと発電機モジュールとの間に挿入するためのスペーサ・モジュール120を示している。スペーサ・モジュール120の下端上には、図8Aに描写するようなピン146のはめ合い係合のための受け入れ用穴または凹部(図示せず)がある。タービン、発電機、およびスペーサ・モジュールのそれぞれは、はめ合い係合のための受け入れ用穴または凹部を有している。スペーサ・モジュール120は、特定の所望の構成に対応するためのさまざまな高さのうちのいずれであってもよく、または複数のスペーシング・モジュールの垂直積み重ねである可能性がある。図10Aは、部分的形態でタービンの入り口ダクトを示すタービン・フレーム・モジュール102を示している。図10Bは、模式的形態で収束入り口ダクト135と、発散出口ダクト(ドラフト・チューブ)130とを示している。図6で上述したように、回転するシュラウド118は、タービンが大きなスプロケットを介して回転可能に駆動チェーンまたはベルトに係合するように、その結果、発電機に係合するように、2つのダクトの間に接続されている。
【0023】
本明細書に記載の特定の実施形態は、例として示されているものであり、本発明を限定するものとして示されているものではないことが理解されるであろう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、さまざまな実施形態において使用できる。当業者は、日常の実験と同じ程度の実験で本明細書に記載の個別の手順の多数の均等物を認識し、または確認できるであろう。このような均等物は本発明の範囲内にあるとみなされ、クレームの適用範囲に入る。
【0024】
本明細書に開示し、クレームする構成および/または方法のすべては、本開示を考慮すれば必要以上の実験をせずに行い、実行できる。本発明の構成および方法は、さまざまな実施形態に関して説明されているが、本発明の概念、要旨、および範囲を逸脱することなく、本明細書に記載の構成および/または方法に他の変形が適用できるとともに、本明細書に記載の方法のステップにおいて、またはステップのシーケンスにおいて他の変形が適用できることは当業者には明らかであろう。当業者にとって明白なすべてのこのような類似の代替および変更は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の要旨、範囲、および概念の中にあるものと考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水をためる貯水池の中に配設されるか、または水をためる貯水池に接続される選択的に輸送可能なフレームと、
前記フレームの中の複数の所定の位置に設置された複数の発電セルとを含み、
前記セルは、発電機モジュールと、タービン・モジュールとを含み、前記フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねた複数のモジュールで構成されており、
前記セルは、前記貯水池からエネルギーを受け取るように位置付けられ、
前記セルは、前記タービンを通る前記水の運動、および各セルの中の前記タービンの回転により前記エネルギーを変換する、貯水池を介して発電するための機械。
【請求項2】
セルが、少なくとも1つのタービン・モジュールと、前記位置のうちの1つに前記タービンを選択的に位置付けるための少なくとも1つのスペーサ・モジュールとを含む、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモジュール式に取り付けられたタービンと、前記少なくとも1つのモジュール式に取り付けられたスペーシング機構とを、水平方向および垂直方向の組み合わせで選択的に配設できる、請求項2に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項4】
前記フレームが選択的に浮揚性がある、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項5】
前記モジュールを前記フレーム内の所定の位置に上昇および下降させるための前記フレームの上端部にある可動取付台をさらに含む、請求項1に記載の機械。
【請求項6】
前記フレームは、確実に浮揚性がある状態のときには、曳くことにより、動かすことができる、請求項4に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項7】
前記モジュールが、前記モジュールを鉛直に積み重ねるためのはめ合わせのオスおよびメスの接合具を有している、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項8】
複数の前記発電セルが、前記フレーム上に水平方向に取り付けられている、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項9】
前記フレームが、支持用ひざ補強材をさらに含む、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項10】
貯水の水路の中に配設される浮揚性のフレームと、
前記フレーム内の所定の位置に設置された複数の発電セルとを含み、
前記セルは、発電機モジュールと、タービン・モジュールとを含み、前記フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねた複数のモジュールで構成されており、
前記セルは、前記貯水池から前記フレームを介してエネルギーを受け取るように位置付けられる、貯水池を介して発電するための機械。
【請求項11】
前記積み重ねたモジュール内に設置されたスペーサ・モジュールをさらに含む、請求項10に記載の機械。
【請求項12】
前記モジュールを前記フレームの中へ所定の位置へと持ち上げるための回転橋形クレーンをさらに含む、請求項10に記載の機械。
【請求項13】
複数の前記モジュールが、他のモジュール内の動力を妨げることなく前記フレーム内の異なる位置のそれぞれと交換可能である、請求項10に記載の機械。
【請求項14】
ゲート上の所定の位置に取り付けられた少なくとも1つのモジュール式に交換可能なタービンと、
前記タービンに対して鉛直位置に積み重ねられた少なくとも1つの発電手段と、
発電セルを作るために前記少なくとも1つのモジュール式に交換可能なタービンを前記発電手段と係合するための少なくとも1つの連結部材とを含み、
前記少なくとも1つのモジュール式に交換可能なタービンおよび前記少なくとも1つの発電手段は、電力を発生させるために協働する、発電セルを挿入するための所定の位置を有する流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項15】
前記タービン上の回転するシュラウドをさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項16】
前記モジュールを当該ゲートの中の所定の位置へ移動させるためのガントリーをさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項17】
前記タービンを通る水の流れを選択的に制御するために前記タービンのうちの1つ以上の前で油圧または空気圧で駆動される扉をさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項18】
前記タービンに伝達可能に取り付けられたピニオン・ギアをさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項19】
前記ゲートが、前記水路まで輸送可能である、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項20】
前記扉が、前記扉の前縁部上で翼形を有している、請求項17に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項1】
水をためる貯水池の中に配設されるか、または水をためる貯水池に接続される選択的に輸送可能なフレームと、
前記フレームの中の複数の所定の位置に設置された複数の発電セルとを含み、
前記セルは、発電機モジュールと、タービン・モジュールとを含み、前記フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねた複数のモジュールで構成されており、
前記セルは、前記貯水池からエネルギーを受け取るように位置付けられ、
前記セルは、前記タービンを通る前記水の運動、および各セルの中の前記タービンの回転により前記エネルギーを変換する、貯水池を介して発電するための機械。
【請求項2】
セルが、少なくとも1つのタービン・モジュールと、前記位置のうちの1つに前記タービンを選択的に位置付けるための少なくとも1つのスペーサ・モジュールとを含む、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモジュール式に取り付けられたタービンと、前記少なくとも1つのモジュール式に取り付けられたスペーシング機構とを、水平方向および垂直方向の組み合わせで選択的に配設できる、請求項2に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項4】
前記フレームが選択的に浮揚性がある、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項5】
前記モジュールを前記フレーム内の所定の位置に上昇および下降させるための前記フレームの上端部にある可動取付台をさらに含む、請求項1に記載の機械。
【請求項6】
前記フレームは、確実に浮揚性がある状態のときには、曳くことにより、動かすことができる、請求項4に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項7】
前記モジュールが、前記モジュールを鉛直に積み重ねるためのはめ合わせのオスおよびメスの接合具を有している、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項8】
複数の前記発電セルが、前記フレーム上に水平方向に取り付けられている、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項9】
前記フレームが、支持用ひざ補強材をさらに含む、請求項1に記載の貯水池を介して発電するための機械。
【請求項10】
貯水の水路の中に配設される浮揚性のフレームと、
前記フレーム内の所定の位置に設置された複数の発電セルとを含み、
前記セルは、発電機モジュールと、タービン・モジュールとを含み、前記フレーム内に取り付けられた連動する積み重ねた複数のモジュールで構成されており、
前記セルは、前記貯水池から前記フレームを介してエネルギーを受け取るように位置付けられる、貯水池を介して発電するための機械。
【請求項11】
前記積み重ねたモジュール内に設置されたスペーサ・モジュールをさらに含む、請求項10に記載の機械。
【請求項12】
前記モジュールを前記フレームの中へ所定の位置へと持ち上げるための回転橋形クレーンをさらに含む、請求項10に記載の機械。
【請求項13】
複数の前記モジュールが、他のモジュール内の動力を妨げることなく前記フレーム内の異なる位置のそれぞれと交換可能である、請求項10に記載の機械。
【請求項14】
ゲート上の所定の位置に取り付けられた少なくとも1つのモジュール式に交換可能なタービンと、
前記タービンに対して鉛直位置に積み重ねられた少なくとも1つの発電手段と、
発電セルを作るために前記少なくとも1つのモジュール式に交換可能なタービンを前記発電手段と係合するための少なくとも1つの連結部材とを含み、
前記少なくとも1つのモジュール式に交換可能なタービンおよび前記少なくとも1つの発電手段は、電力を発生させるために協働する、発電セルを挿入するための所定の位置を有する流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項15】
前記タービン上の回転するシュラウドをさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項16】
前記モジュールを当該ゲートの中の所定の位置へ移動させるためのガントリーをさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項17】
前記タービンを通る水の流れを選択的に制御するために前記タービンのうちの1つ以上の前で油圧または空気圧で駆動される扉をさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項18】
前記タービンに伝達可能に取り付けられたピニオン・ギアをさらに含む、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項19】
前記ゲートが、前記水路まで輸送可能である、請求項14に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【請求項20】
前記扉が、前記扉の前縁部上で翼形を有している、請求項17に記載の流水または貯水の水路の周辺に配設されるゲート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2012−522164(P2012−522164A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502184(P2012−502184)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/028392
【国際公開番号】WO2010/111318
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(509298942)ハイドロ グリーン エナジー,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/028392
【国際公開番号】WO2010/111318
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(509298942)ハイドロ グリーン エナジー,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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