説明

日本式キーボード

【課題】従来のキーボードの配置では、片手での入力と両手での入力を状況に応じて使い分けることができない。また、その複雑なキー配置のため、片手でのスムーズな文字入力はできず、両手での文字入力においても日本語ローマ字の特徴が考慮されていない複雑に配置されたものである。そのため、短時間での文字入力技術のマスターが困難であった。
【解決手段】片手での日本語ローマ字入力と両手での高速入力を両立し、かつ、タッチタイピングを短期間で習得できるキー配置のキーボードおよびキーボード用ソフトを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文字入力に用いる日本語キーボードのキー配置に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に示すような、従来のキーボードのキー配置は、日本語ローマ字入力のことが考慮されていない複雑に配置されたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、片手でのスムーズな文字入力はできない。また、両手入力においても、初めは直接キーを見なければ全く打つことができない複雑な配置のため、短期間での高速入力やタッチタイピングの習得が難しい。
【0004】
そこで、この発明は、片手だけでの日本語ローマ字入力と両手での高速入力を両立し、かつ、パソコンを快適に操作するために欠かせないタッチタイピングを短期間で習得できるキーボードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、第一発明は、既存のキーボードの配列を変え、左手側と右手側のどちらにも母音キーを配置すること、日本語で利用する子音キーを左手側のみにまとめて配置することを特徴とするキーボードおよびキーボード用ソフトである。
【0006】
また、第二発明は、既存のキーボードの左手側にEnterキー、Back Spaceキーを配置することを特徴とするキーボードおよびキーボード用ソフトである。
また、第三発明は、日本語ローマ字入力時の濁音・半濁音に使う発音符 ゛゜は、ひとつのキーに割り当て、このキーを続けて押すことにより ゛゜を順に切り替え入力可能にすることを特徴とするキーボード、およびキーボード用ソフトである。
【0007】
また、第四発明は、長音記号・句読点 ー 、 。は、ひとつのキーに割り当て、このキーを続けて押すことにより ー 、 。を順に切り替えて入力可能にすることを特徴とするキーボード、およびキーボード用ソフトである。
また、第五発明は、複数の記号をまとめたキーを複数回押すことにより記号を選択しEnterで確定することを特徴とするパソコン用キーボード、およびキーボード用ソフトである。
【0008】
また、第六発明は、キーボードと同様の配列が色分けして書かれたことを特徴とするモニター側に貼るラベルである。
また、第七発明は、文字入力キーの縦並びを直線的にする、もしくは直線的に感じる溝をキーにつけることを特徴とするキーボードである。
【0009】
また、第八発明は、インストール不要の専用の文字入力プログラムを実行することにより、既存のキーボードの配列を変え、左手側と右手側のどちらにも母音を配置し左手だけでのタイプを可能に、かつ、両手での高速タイプも可能とすること、さらには従来のキー配置などに切り替えることを可能とすることを特徴とするキーボード用ソフトである。
【発明の効果】
【0010】
第一発明によれば、キーボードにおいて、左手側と右手側のどちらにも母音キーを配置することにより、まず、子音キーも母音キーもある左側で、左手だけでのタイプが可能になり、右手はマウスを離さず操作を続けることを可能とする。また、子音キーを左手側のみにまとめて配置したことと、右手側に配置した母音キーにより、子音、母音の順で入力が必要となる日本語ローマ字入力において、左右の手を交互に利用する両手での高速タイプが可能となる。
【0011】
つまり、状況に応じて、片手で入力するか、両手で入力するか使い分けることができる。
また、既存のキーボードを用いることもできるためさらなるスペース拡張の必要がない。
【0012】
第二発明によれば、キーボードにおいて、左手側にEnterキー、Back Spaceキーを配置することにより、左手だけでのタイプの確定、改行、修正が可能になる。
【0013】
第三発明によれば、キーボードにおいて、日本語ローマ字入力時の濁音・半濁音に使う発音符 ゛゜を割り当て切り替えるキーを作ることにより、濁音や半濁音の日本語ローマ字入力時に必要となるキーの数が減る。また、「ぢ」「じ」「づ」「ず」の入力も誤りにくくなる。子音と母音と発音符という順でキーを押すことにより、濁音や半濁音の一文字として入力することになる。
【0014】
第四発明、または第五発明によれば、長音記号・句読点、または、複数の記号をいくつかまとめてキーに割り当て、順に切り替えて入力可能にすることにより必要なキーの数が減り、キーボードのタッチタイピングが容易になる。または、キーボード上のキーを捜すことが少なくなり入力時間を短縮できる。
【0015】
第六発明によれば、キーボードと同様の配列が色分けして書かれたことを特徴とするモニター側に貼るラベルにより始めからキーを直接見なくて入力可能なためタッチタイピングの習得を容易にする。
第七発明によれば、キーボードにおいて、それぞれの指が担当する文字入力キーの縦並びを直線的にすること、もしくは直線的に感じる溝をキーにつけることによりタッチタイピングを行うときの打ち間違いを少なくする。
【0016】
第八発明によれば、インストール不要の専用の文字入力プログラムを実行することにより、状況に応じて、または、場所を選ばず、既存のキーボードの配列を変え、左手だけでのタイプを可能に、かつ、両手での高速タイプも可能とすることを切り替えることができる。さらには従来のキー配置などに切り替えることを可能とすることができるため、既存のキーボードなどを使っている他人のパソコンにおいても自分の慣れたキー配列で利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
キーボードの配列は、子音群、母音群1を順序良くまとめ、発音符2、長音記号・句読点3、Enterキー4、Back Spaceキー5、複数の記号をまとめたキー6などを左側にまとめている。キー右側には両手での高速タイピングを可能とするために、再度、母音を順序良く配置する。また、日本語では利用する必要のないアルファベットも右側に順序良く配置する。
「実施形態の効果」
【0018】
この実施形態によれば、子音群、母音群1、発音符2、長音記号・句読点3、Enterキー4、Back Spaceキー5、複数の記号をまとめたキー6を左側にまとめていることで左手のみでの日本語タイピングが可能となる。また、これにより、パソコン操作では右手ではマウスなどを持っている状態が保てる。
高速タイピングしたいときは、右側の母音を左手側の子音とともに用いることで、両手での左右交互の入力を可能にする
「他の実施形態」
【0019】
図1の実施形態では、母音群1は2行目に、子音やその他のアルファベットは3行目もしくは4行目に割り当てたもの、また、右側、左側、それぞれ内側から順に並べたものであったが、他の実施形態では、左右両側に母音が一組ずつあり、順序良く並んでいれば、これらの行は入れ替わったものでもよい。また、順に並んでいれば、外側から、もしくは右側、さらには左側から順序よく並べたものでも良い。
【0020】
長音記号・句読点3、Enterキー4、Back Spaceキー5、複数の記号をまとめたキー6の配置においても左側にあれば位置は変わってもかまわない。また、左側にあれば右側にも同様のキーがあってもかまわない。
【0021】
この発明の一実施形態を、図2に示す。
図2に書かれている左側に集まっているキーが、ひらかな、カタカナ、漢字を左手のみでローマ字で日本語タイプを可能にするキーである。
【0022】
この発明の一実施形態を、図3に示す。
図3に書かれている左側に集まっている子音群と右側の母音が両手での左右交互のタイピングによる高速タイピングを可能にするキーの配置である。タイピングは片手だけでしかできない仕組みだと不便だし、両手だけでしかできない仕組みでも不便である。片手だけと両手を状況に応じて使い分けるのが便利である。
【0023】
この発明の一実施形態を、図4に示す。
図4に書かれているのが英字入力時に必要となる残りのアルファベットであるが、この11文字も残ったなかで順に並べた配置とする。
【0024】
この発明の一実施形態を、図5に示す。
キーボードと同様の配列が色分けして書かれたことを特徴とするラベル7をモニター側に貼る。
「実施形態の効果」
【0025】
この実施形態によれば、モニター側に貼るラベル7により始めからキーを直接見なくて入力可能となるためタッチタイピングの習得を容易にする。
「他の実施形態」
図5の実施形態では、モニターの左上部に貼ったものであったが、他の実施形態では、画面に近い位置であれば、モニターの形により左右上下など邪魔にならないどの位置でも良い。
【0026】
この発明の一実施形態を、図6に示す。
WNO、RTEなど、キーボードにおいて、それぞれの指が担当する文字入力キーの縦並びを矢印方向から水平から見たとき、直線的に感じる溝8をキーにつける、もしくは直線的にしておく。
「実施形態の効果」
【0027】
この実施形態によれば、キーを直接見なくても、それぞれの指の対応すべき縦に並んだキーからずれにくくなるためタッチタイピングを行うときの打ち間違いが少なくなる。また、タッチタイピングの習得が容易になる。
「他の実施形態」
【0028】
図6の実施形態では、なだらかな曲線形であったが、他の実施形態では、縦並びを矢印方向から水平から見たとき、触れた指が直線的感じるならば、角のある溝、さらには凸状に盛り上がったものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施形態における特徴的なキー配列を示す平面図である。
【図2】この発明の一実施形態における左手のみでの日本語タイピング時に必要なキーの配列を示す平面図である。
【図3】この発明の一実施形態における両手での日本語高速タイピング時に必要なキーの配列を示す平面図である。
【図4】この発明の一実施形態における日本語入力時には使わない英字のキー配列を示す平面図である。
【0030】
【図5】この発明の一実施形態におけるキーボードと同様の配列が書かれたことを特徴とするラベル7をモニター側に貼ることを示す平面図である。
【図6】この発明の一実施形態における縦並びの複数のキーを水平に見たとき、直線的に感じる溝のついていることを示す図である。
【図7】従来技術を示す平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 母音キー 2 発音符キー
3 長音記号・句読点キー 4 Enterキー
5 Back Spaceキー 6 複数の記号をまとめたキー
7 キー配置の印刷されたラベル 8 矢印方向から水平に見たときの溝




【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存のキーボードの配列を変え、左手側と右手側のどちらにも母音キーを配置すること、日本語で利用する子音キーを左手側のみにまとめて配置することを特徴とするキーボードおよびキーボード用ソフト。
【請求項2】
既存のキーボードの左手側にEnterキー、Back Spaceキーを配置することを特徴とするキーボードおよびキーボード用ソフト。
【請求項3】
日本語ローマ字入力時の濁音・半濁音に使う発音符 ゛゜は、ひとつのキーに割り当て、このキーを続けて押すことにより ゛゜を順に切り替え入力可能にすることを特徴とするキーボード、およびキーボード用ソフト。
【請求項4】
長音記号・句読点 ー 、 。は、ひとつのキーに割り当て、このキーを続けて押すことにより ー 、 。を順に切り替えて入力可能にすることを特徴とするキーボード、およびキーボード用ソフト。
【請求項5】
複数の記号をまとめたキーを複数回押すことにより記号を選択しEnterで確定することを特徴とするパソコン用キーボード、およびキーボード用ソフト。
【請求項6】
キーボードと同様の配列が色分けして書かれたことを特徴とするモニター側に貼るラベル。
【請求項7】
文字入力キーの縦並びを直線的にする、もしくは直線的に感じる溝をキーにつけることを特徴とするキーボード。
【請求項8】
インストール不要の専用の文字入力プログラムを実行することにより、既存のキーボードの配列を変え、左手側と右手側のどちらにも母音を配置し左手だけでのタイプを可能に、かつ、両手での高速タイプも可能とすること、さらには従来のキー配置などに切り替えることを可能とすることを特徴とするキーボード用ソフト。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−293794(P2006−293794A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115282(P2005−115282)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(305016922)株式会社 スラッシュ (1)
【Fターム(参考)】