説明

昆虫成長調節剤の製造方法および昆虫成長調節剤を用いた害虫の防除方法

【課題】
昆虫成長調節活性成分を内包させたマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、有効成分である昆虫成長調節活性成分の効力が十分に発揮される昆虫成長調節剤の製造方法および該昆虫成長調節剤を用いた害虫の防除方法を提供すること。
【解決手段】
平均粒径が1〜40μmであり、膜厚が0.005〜0.5μmであり、膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003であるポリウレタン被膜又はポリウレア被膜中に、昆虫成長調節活性成分を内包するマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下である昆虫成長調節剤の製造方法であって、昆虫成長調節活性成分と多価イソシアネートと必要により疎水性溶媒とを混合して油相を得、該油相を、分散剤を含有する水相に混ぜて分散させた後多価アルコール又は多価アミンを加えるか、分散剤及び多価アルコールを含有する水相に混ぜて分散させてマイクロカプセル形成反応を行わせる、昆虫成長調節剤の製造方法、および、該昆虫成長調節剤又はその希釈液を害虫に直接又は害虫が生息し得る植物及び/又は土壌に散布する、害虫の防除方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロカプセル化された昆虫成長調節剤の製造方法および昆虫成長調節剤を用いた害虫の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン被膜又はポリウレア被膜に有機リン系殺虫剤を内包させたマイクロカプセル化殺虫組成物が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−144304号公報
【特許文献2】特開昭64−13003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等が昆虫成長調節活性成分を内包するマイクロカプセルを作製するにあたり、前記特許文献に記載されたポリウレタン被膜又はポリウレア被膜をそのまま転用したところ、有効成分である昆虫成長調節活性成分の効力が必ずしも十分に発揮されない場合があることがわかった。
本発明は、昆虫成長調節活性成分を内包させたマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、有効成分である昆虫成長調節活性成分の効力が十分に発揮される昆虫成長調節剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、マイクロカプセルの平均粒径、膜厚、膜厚/平均粒径、及び50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率を特定の範囲内とすることによって、昆虫成長調節活性成分の効力が十分に発揮できるようにしたものである。
【0006】
即ち、本発明は、以下のものである。
1.平均粒径が1〜40μmであり、膜厚が0.005〜0.5μmであり、膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003であるポリウレタン被膜又はポリウレア被膜中に、昆虫成長調節活性成分を内包するマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下である昆虫成長調節剤。
2.昆虫成長調節活性成分が、昆虫幼若ホルモン様化合物である1.記載の昆虫成長調節剤。
3.昆虫成長調節活性成分が、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテルである1.記載の昆虫成長調節剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明の昆虫成長調節剤は、有効成分である昆虫成長調節活性成分の効力が十分に発揮されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の昆虫成長調節剤は、平均粒径が1〜40μmであり、膜厚が0.005〜0.5μmであり、膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003であるポリウレタン被膜又はポリウレア被膜中に、昆虫成長調節活性成分を内包するマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下であることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の昆虫成長調節剤は、例えば以下に示す方法によって製造される。
まず、昆虫成長調節成分と多価イソシアネートとを混合して油相を得る。このとき、必要により疎水性有機溶媒を添加してもよい。得られた油相を、分散剤を含有する水相に混ぜて分散させた(分散工程)後、多価アルコール又は多価アミンを加え、マイクロカプセル形成反応を行わせる(マイクロカプセル化反応工程)。このマイクロカプセル化反応工程の反応温度は通常20〜85℃の範囲であり、反応時間は通常1〜90時間の範囲である。
上記のマイクロカプセル化反応工程において、多価アルコールを用いた場合にはポリウレタン被膜のマイクロカプセル化物が、多価アミンを用いた場合にはポリウレア被膜のマイクロカプセル化物が得られる。
【0010】
なお、多価アルコールを用いてマイクロカプセル化反応工程を行う場合には、油相を水相に分散させた後に多価アルコールを加える代わりに、多価アルコールを混入した水相に油相を分散させてもよい。こうしてマイクロカプセルを含有するスラリー状物を得ることができる。
また、マイクロカプセル化反応工程は、多価アルコール又は多価アミンを加えることなく行うこともできる。この場合には、ポリウレア被膜のマイクロカプセル化物が得られる。
【0011】
本発明の昆虫成長調節剤は、上述のようにして得られるスラリー状物そのものでもよいが、通常は水で希釈して取り扱いやすい水性懸濁剤の形として提供される。該水性懸濁剤は上述のようにして得られるスラリー状物に各種の安定剤、例えば増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤を含有する水を添加して得られる。
【0012】
上記製造方法に用いられる分散剤としては、例えば水溶性高分子が挙げられ、具体的には例えば、アラビアガム等の天然多糖類、ゼラチン、コラーゲン等の天然水溶性高分子、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性半合成多糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性合成高分子が挙げられる。
【0013】
上記製造方法に用いられる多価イソシアネートとしては、例えばトリメチロールプロパンとトルエンジイソシアネートとの付加物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの付加物、ビウレット結合を有するヘキサメチレンジイソシアネート三量体、及びイソシアヌレート構造を有する多価イソシアネートが挙げられる。
【0014】
ポリウレタン被膜を形成させる際に用いられる多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、シクロプロピレングリコールが挙げられる。
ポリウレア被膜を形成させる際に用いられる多価アミンとしては、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが挙げられる。
【0015】
上記製造方法において必要により使用される疎水性有機溶媒としては、例えば芳香族炭化水素、及び脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルが挙げられる。
【0016】
かかる芳香族炭化水素としては、例えばトルエン、キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタンが挙げられ、これらの混合物を用いてもよい。芳香族炭化水素としては、市販の溶剤をそのまま用いることもでき、そのような市販の溶剤としては、例えば、ハイゾールSAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物、日本石油株式会社の商品名)、カクタスソルベントHP−MN(メチルナフタレン80%、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントHP−DMN(ジメチルナフタレン80%、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−100(炭素数9〜10のアルキルベンゼン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−150(アルキルベンゼン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−180(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−200(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントP−220(メチルナフタレンとジメチルナフタレンの混合物、日鉱石油化学株式会社の商品名)、カクタスソルベントPAD−1(ジメチルモノイソプロピルナフタレン、日鉱石油化学株式会社の商品名)、ソルベッソ100(芳香族炭化水素、エクソン化学株式会社の商品名)、ソルベッソ150(芳香族炭化水素、エクソン化学株式会社の商品名)、ソルベッソ200(芳香族炭化水素、エクソン化学株式会社の商品名)、スワゾール100(トルエン、丸善石油株式会社の商品名)、及びスワゾール200(キシレン、丸善石油株式会社の商品名)等を挙げることができる。
【0017】
脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルとしては、アジピン酸ジブチルエステル、アジピン酸ジオクチルエステル等のアジピン酸ジアルキルエステルが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸ジエステルとしては、市販の溶剤をそのまま用いることもでき、そのような市販の溶剤としては、例えば、ビニサイザー40(アジピン酸ジイソブチルエステル、花王株式会社の商品名)、及びビニサイザー50(アジピン酸ジイソデシルエステル、花王株会社の商品名)が挙げられる。
【0018】
本発明の昆虫成長調節剤を、水性懸濁剤の形態とする場合に用いられる増粘剤としては、ザンサンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸ソーダ等の合成高分子類、カルボキシメチルセルロース等の半合成多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、乾式法シリカ等の鉱物質微粉末、アルミナゾル等が挙げられ、該増粘剤は本発明の昆虫成長調節剤中に一般に0〜10重量%含有される。凍結防止剤としては、プロピレングリコール等のアルコール類が挙げられ、該凍結防止剤は本発明の昆虫成長調節剤に一般に0〜20重量%含有される。比重調節剤としては硫酸ナトリウム等の水溶性塩類、尿素等の水溶性肥料などが挙げられる。
【0019】
本発明の昆虫成長調節剤には、昆虫成長調節活性成分が通常0.5〜50重量%の割合で含有される。
【0020】
本発明の昆虫成長調節剤に用いられる昆虫成長調節活性成分は特に限定されないが、例えば、ドデカジエノエート系化合物、オキシムエーテル系化合物、ピリジルエーテル化合物、カーバメイト系化合物等の昆虫幼若ホルモン様化合物、及びベンゾイルフェニルウレア系化合物等の昆虫キチン形成阻害化合物が挙げられる。
【0021】
かかる昆虫成長調節活性成分の具体例を、以下化合物番号と共に示す。
(1) イソプロピル(2E−4E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート <メトプレン>
(2) エチル(2E−4E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,4−ジエノエート <ハイドロプレン>
(3) 2−〔1−メチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エトキシ〕ピリジン <ピリプロキシフェン>
(4) プロピオンアルデヒド オキシム O−2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルエーテル
(5) プロピオンアルデヒド オキシム O−2−(4−フェノキシフェノキシ)プロピルエーテル
(6) O−エチル N−〔2−(4−フェノキシフェノキシ)エチル〕カーバメイト <フェノキシカーブ>
(7) 1−(4−エチルフェノキシ)−6,7−エポキシ−3,7−ジメチル−2−オクテン <R−20458>
(8) プロプ−2−イニル (±)−(E,E)−3,7,11−トリメチルドデカ−2,4−ジエノエート <キノプレン>
(9) (E)−Z−(4−エチルフェノキシ)−2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−6−オクテン <エトプレン>
【0022】
(9) 1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <ジフルベンズロン>
(10) 2−クロロ−N−〔〔〔4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル〕アミノ〕カルボニル〕ベンズアミド <トリフルムロン>
(11) N−〔〔〔5−(4−ブロモフェニル)−6−メチル−2−ピラジニル〕アミノ〕カルボニル〕−2,6−ジクロロベンズアミド <EL 494>
(12) 1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <テフルベンズロン>
(13) 1−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <クロルフルアズロン>
(14) N−〔〔〔3,5−ジクロロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル〕アミノ〕カルボニル〕−2,6−ジフルオロベンズアミド <XRD−473>
(15) 1−[4−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)−2−フルオロフェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <フルフェノクスロン>
(16) 1−[3,5−ジクロロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <ヘキサフルムロン>
(17) (R,S)−1−[2,5−ジクロロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <ルフェヌロン>
(18) (R,S)−1−[3−クロロ−4−(1,1,2−トリフルオロ−2−トリフルオロメトキシエトキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア <ノバルロン>
(19) 1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−〔2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル〕ウレア
(20) 1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ウレア
【0023】
(21) 2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジナン−4−オン <ブプロフェジン>
(22) N−シクロプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン <シロマジン>
【0024】
(23) N−tert−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド <テブフェノジド>
(24) 2’−tert−ブチル−5−メチル−2’−(3,5−キシロイル)クロマン−6−カルボヒドラジド <クロマフェノジド>
(25) N−tert−ブチル−N’−(3−メトキシ−o−トルオイル)−3,5−キシロヒドラジド <メトキシフェノジド>
(26) N−tert−ブチル−N’−(4−クロロベンゾイル)ベンゾヒドラジド <ハロフェノジド>
【0025】
次に、本発明における平均粒径、膜厚、及びマイクロカプセル全体積に対する粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率について説明する。
本発明において平均粒径は例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(具体的には例えばマスターザイザー2000(シメックス(株)取扱い製品))を用いて測定された数値を採用することができる。
マイクロカプセルの膜厚は芯物質と膜物質の体積の比によって変化するが、下式に示す近似式によって求めることができる。すなわち、マイクロカプセルの芯物質の重さをWc、膜物質の重さをWw、膜物質の密度をρw、芯物質の密度をρc、芯物質の平均粒径をdとすると
膜厚=(Ww/Wc)×(ρc/ρw)×(d/6)
となる。本発明にいう膜厚は当式を用いて計算したものである。
【0026】
マイクロカプセル全体積に対する粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(具体的には例えばマスターザイザー2000(シメックス(株)取扱い製品))を用いて測定される体積頻度分布から求めることができる。
【0027】
本発明の昆虫成長調節剤においては、平均粒径が1〜40μmであり、膜厚が0.005〜0.5μmであり、膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003であって、かつ、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下である。
本発明において、平均粒径を1〜40μm、膜厚を0.005〜0.5μm、膜厚/平均粒径の比を0.0003〜0.003、かつ、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率をマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下であるマイクロカプセルを得るためには、例えば前記の本発明の昆虫成長調節剤を製造する方法の分散工程において、(1)水相に溶解される分散剤の種類と濃度、(2)水相と油相との比率、及び/又は(3)水相に油相を分散させる際の分散方式、攪拌強度を調整することにより行うことができる。
【0028】
具体的には例えば、水相に溶解される分散剤の種類と濃度を定め、水相1に対して油相0.3〜2の容量比で水相に油相を混合し、使用する分散機器の適切な運転条件で油相を水相に分散させる。得られた分散液中の油滴の平均粒子径及びマイクロカプセル全体積に対する粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率をレーザー回折式粒度分布測定装置(例えばマスターザイザー2000(シメックス(株)取扱い製品))を用いて測定する。
【0029】
この際に得られた分散液中の油滴の平均粒径が1μmを下回る場合には、分散剤濃度を低くする、水相に油相を分散させる際の攪拌強度を小さくする、水相に対する油相の容量比を小さくする、及び/又は分散剤を変更する等の方法により平均粒子径を大きくするこ
とができる。得られた分散液中の油滴の平均粒子径が40μmを上回る場合には、分散剤濃度を高くする、水相に油相を分散させる際の攪拌強度を大きくする、水相に対する油相の容量比を大きくする、及び/又は分散剤を変更する等の方法により平均粒子径を大きくすることができる。
【0030】
この際に得られた分散液中の油滴のマイクロカプセル全体積に対する粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率が20容量%を上回る場合には、分散機の回転数を大きくする、分散液全体を均一に分散する、及び/又は分散剤を変更する等の方法によりマイクロカプセル全体積に対する粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率が20容量%以下とすることができる。
【0031】
さらに、膜厚は、分散液中の油滴の平均粒径に応じて、本発明の昆虫成長調節剤を製造する際に使用されるマイクロカプセルの被膜原料、即ち多価イソシアネートと多価アルコール又は多価アミンとの量、特に多価イソシアネートの量を調整することにより変化させることができる。したがって、分散液中の油滴の平均粒径及びマイクロカプセル全体積に対する粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率となる分散工程の条件を決定した後に、所定の膜厚となる多価イソシアネートと多価アルコール又は多価アミンとの量を膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003となるように決定することができる。
【0032】
本発明の昆虫成長調節剤が効力を発揮する昆虫類としては、例えば以下のものが挙げられる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ミカンミドリアブラムシ(Aphis citricola)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis pserudobrassicae)、ナシミドリオオアブラムシ(Nippolachnus piri)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera ciidius)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)、ミカンノカキカイガラムシ(Lepidosaphes beckii)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等。
【0033】
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等。
【0034】
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ミバエ類、ノミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類等。
【0035】
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルームワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、メイズウィービル(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera pastica)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)等のハムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ類、ナガシンクイムシ類、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等。
【0036】
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ハナアザミウマ(Thrips hawaiiensis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniellaintonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi)等。
膜翅目害虫:アリ類、スズメバチ類、アリガタバチ類、ニホンカブラバチ(Athalia jap
onica)等のハバチ類等。
【0037】
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等。
隠翅目害虫:ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)ヒトノミ(Pulex irritans)等。
【0038】
本発明の昆虫成長調節剤は、中でもカイガラムシ類、コナジラミ類、キジラミ類、ハマキガ類、及びシンクイガ類の防除に特に有効である。
【0039】
本発明の昆虫成長調節剤を害虫の防除に用いられる場合には、本発明の昆虫成長調節剤又はその水希釈液を、昆虫成長調節活性成分量で0.1〜1000g/1000m程度、好ましくは1〜100g/1000m程度の割合で、害虫に直接又は害虫が生息場所し得る植物及び/又は土壌に散布することにより施用される。
【実施例】
【0040】
以下、製造例、試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
製造例1
ピリプロキシフェン96.6g、ハイゾールSAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンとの混合物、日本石油株式会社製)100g、ビニサイザー40(アジピン酸ジイソブチルエステル、花王株式会社製)50gを混合し、ここにスミジュールN−3300(イソシアヌレート型多価イソシアネート、住化バイエルウレタン株式会社製)2.4gを加えて油相を調製した。
一方、アラビアガム17.5g、エチレングリコール40g、及びイオン交換水344.4gを混合して水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温、T.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー、回転数:約6100rpm)で5分間分散させた。次いで、分散液を75℃で緩やかに48時間攪拌して、マイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリー中のマイクロカプセルは、平均粒径が19.5μm、膜厚が0.031μm、膜厚/平均粒径が0.0016、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合が1.3容量%であった。
続いて、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水292.5gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセルスラリーとを混合して、ピリプロキシフェン9.7重量%を含有する本発明の昆虫成長制御剤を得た。
(平均粒径:19.5μm、膜厚:0.031μm、膜厚/平均粒径:0.0016、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合:1.3容量%)
【0041】
製造例2
スミジュールN−3300を0.96g、分散時のT.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー)の回転数を約5000rpm、マイクロカプセルスラリーと混合した増粘剤溶液をザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水293.5gの混合物とした以外は、製造例1と同様にして、本発明の昆虫成長制御剤を得た。
(平均粒径:28.8μm、膜厚:0.018μm、膜厚/平均粒径:0.0006、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合:11.4容量%)
【0042】
製造例3
スミジュールN−3300を3.36g、分散時のT.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー)の回転数を約6100rpm、マイクロカプセルスラリーと混合した増粘剤溶液をザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水291.5gの混合物とした以外は、製造例1と同様にして、本発明の昆虫成長制御剤を得た。
(平均粒径:17.3μm、膜厚:0.038μm、膜厚/平均粒径:0.0022、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合:0.8容量%)
【0043】
製造例4
ピリプロキシフェン96.6g、ビニサイザー40(アジピン酸ジイソブチルエステル、花王株式会社製)150gを混合し、ここにスミジュールL−75(トリメチロールプロパンとトルエンジイソシアネートとの付加物、住化バイエルウレタン株式会社製)1.0gを加えて油相を調製した。
一方、アラビアガム17.5g、エチレングリコール40g、及びイオン交換水344.4gを混合して水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温、T.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー、回転数:約4800rpm)で5分間分散させた。次いで、分散液を75℃で緩やかに48時間攪拌して、マイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリー中のマイクロカプセルは、平均粒径が33μm、膜厚が0.012μm、膜厚/平均粒径が0.0036、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合が17.6容量%であった。
続いて、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水292.5gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセルスラリーとを混合して、ピリプリキシフェン9.7重量%を含有する本発明の昆虫成長制御剤を得た。
(平均粒径:33μm、膜厚:0.012μm、膜厚/平均粒径:0.00036、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合:17.6容量%)
【0044】
比較製造例
ピリプロキシフェン96.6g、ハイゾールSAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンとの混合物、日本石油株式会社製)100g、ビニサイザー40(アジピン酸ジイソブチルエステル、花王株式会社製)50gを混合し、ここにスミジュールL−75(トリメチロールプロパンとトルエンジイソシアネートとの付加物、住化バイエルウレタン株式会社製)1.0gを加えて油相を調製した。
一方、アラビアガム17.5g、エチレングリコール40g、及びイオン交換水344.4gを混合して水相を調製した。
上記の油相と水相とを混合し、この混合物を室温、T.K.オートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製ホモジナイザー、回転数:約4300rpm)で5分間分散させた。次いで、分散液を75℃で緩やかに48時間攪拌して、マイクロカプセルスラリーを得た。得られたマイクロカプセルスラリー中のマイクロカプセルは、平均粒径が39.5μm、膜厚が0.014μm、膜厚/平均粒径が0.00035、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合が30.2容量%であった。
続いて、ザンサンガム1.5g、アルミニウムマグネシウムシリケート3g、プロピレングリコール50g及びイオン交換水293.5gを混合した増粘剤溶液と、上記マイクロカプセルスラリーとを混合して、ピリプロキシフェン9.7重量%を含有する昆虫成長制御剤を得た。
(平均粒径:39.5μm、膜厚:0.014μm、膜厚/平均粒径:0.0004、粒径50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子全体積に占める割合:30.2容量%)
【0045】
次に、本発明の昆虫成長制御剤の効力について、試験例を示す。
試験例1
供試する昆虫成長制御剤をピリプロキシフェン濃度が1ppmとなるように水で希釈して、試験用薬液を調製した。カボチャ(実)を前記試験用薬液に30秒間浸漬した後、風乾した。このカボチャの2箇所にクワシロカイガラムシの卵塊(200〜300卵)を置き、25℃の室内で25日間放置した。その後、供試したカボチャに発生したクワシロカイガラムシの雄繭の数を数えた。
薬剤を処理しないカボチャについても同様に試験を行い、無処理のカボチャに発生したクワシロカイガラムシの雄繭数を100とした場合の薬剤を処理したカボチャに発生したクワシロカイガラムシの雄繭数の割合を算出し、殺虫効果を求めた。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】

(表中、薬剤を処理したカボチャの雄繭数が無処理のカボチャの雄繭数に対して40%未満のものをA、40〜50%のものをB、50%以上のものをCで表す。)
【0047】
試験例2
プラスチックカップに植えたキャベツ苗をシルバーリーフコナジラミが多数生息している網ケージ内に24時間投入し、該キャベツ苗にシルバーリーフコナジラミの卵を産み付けさせた。その後、キャベツ苗を網ケージから取り出し、キャベツの葉を1枚切り取った。
一方、供試する昆虫成長制御剤をピリプロキシフェン濃度が1ppmとなるように水で希釈して、試験用薬液を調製した。前記のキャベツの葉を試験用薬液に30秒浸漬した後、風乾し、25℃の室内で8日間放置した。その後、孵化した卵と孵化していない卵の数を調査し、殺卵率を求めた。製造例1〜4で製造した本発明の昆虫成長制御剤は、いずれも殺卵率90%以上であった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の昆虫成長調節剤は、害虫の防除に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が1〜40μmであり、膜厚が0.005〜0.5μmであり、膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003であるポリウレタン被膜又はポリウレア被膜中に、昆虫成長調節活性成分を内包するマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下である昆虫成長調節剤の製造方法であって、昆虫成長調節活性成分と多価イソシアネートと必要により疎水性溶媒とを混合して油相を得、該油相を、分散剤を含有する水相に混ぜて分散させた後多価アルコール又は多価アミンを加えるか、分散剤及び多価アルコールを含有する水相に混ぜて分散させてマイクロカプセル形成反応を行わせる、昆虫成長調節剤の製造方法。
【請求項2】
油相を、分散剤及び多価アルコールを含有する水相に混ぜて分散させてマイクロカプセル形成反応を行わせる、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
昆虫成長調節活性成分と多価イソシアネートと疎水性溶媒とを混合して油相を得、該油相を、分散剤及び多価アルコールを含有する水相に混ぜて分散させてマイクロカプセル形成反応を行わせる、請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
昆虫成長調節活性成分が4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテルであり、多価イソシアネートがイソシアヌレート構造を有する多価イソシアネートである、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
昆虫成長調節活性成分が4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテルであり、多価イソシアネートがイソシアヌレート構造を有する多価イソシアネートである、請求項3記載の製造方法。
【請求項6】
疎水性溶媒が、芳香族炭化水素、及びジカルボン脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルである請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
疎水性溶媒が、芳香族炭化水素、及びジカルボン脂肪族ジカルボン酸のジアルキルエステルである請求項3記載の製造方法。
【請求項8】
平均粒径が1〜40μmであり、膜厚が0.005〜0.5μmであり、膜厚/平均粒径の比が0.0003〜0.003であるポリウレタン被膜又はポリウレア被膜中に、昆虫成長調節活性成分を内包するマイクロカプセル化された昆虫成長調節剤であって、粒径が50μm以上のマイクロカプセル粒子の体積比率がマイクロカプセル粒子の全体積に対して20容量%以下である昆虫成長調節剤又はその希釈液を、害虫に直接又は害虫が生息し得る植物及び/又は土壌に散布する、害虫の防除方法。
【請求項9】
昆虫成長調節活性成分が昆虫幼若ホルモン様化合物である昆虫成長調節剤またはその希釈液を散布する、請求項8記載の害虫の防除方法。
【請求項10】
昆虫成長調節活性成分が4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテルである昆虫成長調節剤またはその希釈液を散布する、請求項8記載の害虫の防除方法。
【請求項11】
ポリウレタン被膜又はポリウレア被膜がイソシアヌレート構造を有する多価イソシアネートと多価アルコールとのマイクロカプセル化反応工程により得られるポリウレタン被膜である昆虫成長調節剤またはその希釈液を散布する、請求項8記載の害虫の防除方法。
【請求項12】
ポリウレタン被膜又はポリウレア被膜がイソシアヌレート構造を有する多価イソシアネートと多価アルコールとのマイクロカプセル化反応工程により得られるポリウレタン被膜であり、昆虫成長調節活性成分が4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテルである昆虫成長調節剤またはその希釈液を散布する、請求項8記載の害虫の防除方法。
【請求項13】
請求項1〜7いずれか1項記載の製造方法により得られる昆虫成長調節剤又はその希釈液を散布する、請求項8記載の害虫の防除方法。

【公開番号】特開2011−16844(P2011−16844A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230276(P2010−230276)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【分割の表示】特願2004−55835(P2004−55835)の分割
【原出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】